説明

凹部付き粘着シートおよびその製造方法

【課題】特別な剥離紙を必要とせず、簡単な方法で粘着層に所定の凹部パターンを形成することができると共に、その凹部パターンによって通気性を確保することができる粘着シートの製造方法およびそれによって得られる粘着シートを提供すること。
【解決手段】所定パターンの凸部13aを表面に有するエンボスロール13と平ロールとの間に、粘着層2を有する基材フィルム1を供給し、少なくとも前記凸部13aに凹部形成補助液16が介在する条件下で押圧して、前記粘着層2に所定パターンの凹部3を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹部付き粘着シートおよびその製造方法に関し、詳しくは粘着層に所定形状のパターン凹部を容易に形成することができる凹部付き粘着シートの製造方法およびその製造方法によって製造された凹部付き粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の粘着シートとしては、基材フィルムと、基材フィルムの裏面に積層された粘着層と、粘着層を覆う剥離紙とを備えたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の粘着シートは、その剥離紙の一面又は両面に複数の凹部が予め形成されており、剥離紙の凹部側の面に粘着層を塗布乾燥し、その後粘着層に基材フィルムを積層する、あるいは基材フィルムの裏面に粘着層を塗布乾燥し、その後粘着層に剥離紙を凹部側の面と圧接させて積層することにより、製造されている(例えば、特許文献2参照)。したがって、剥離紙を粘着層から剥がすと、粘着層の表面には剥離紙の複数の凹部により成型された凸部が形成され、各凸部の間に溝が形成されることとなる。この溝は、粘着シートを壁や柱などの被着体に貼り付ける際に、粘着層と被着体との間の空気を逃がす作用をなしている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−302999号公報
【特許文献2】特許第3377439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の粘着シートは、剥離紙の一面又は両面に複数の凹部を形成するため、剥離紙となる素材は、成形された凹部の形状を一定期間保持可能なものでなければならず、特殊な素材が必要であった。また、剥離紙に凹部を形成する際に、剥離面に傷が付き、その傷によって剥離性が損なわれる場合もあった。
また、従来の粘着シートは、基材フィルムの全面に粘着層が積層されるため、例えば人の皮膚に貼り付けて使用する絆創膏や医療用テープなどの通気性を要する医療用品に適用する場合は、基材フィルムとして通気性織物を使用することができず、通気性を有さない基材フィルムに通気孔を形成する手間を要していた。
【0006】
そこで、本発明は、特別な剥離紙を必要とせず、簡単な方法で粘着層に所定の凹部パターンを形成することができると共に、その凹部パターンによって通気性を確保することが可能な凹部付き粘着シートの製造方法およびそれによって得られる凹部付き粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明によれば、所定パターンの凸部を表面に有するエンボスロールと平ロールとの間に、粘着層を有する基材フィルムまたは粘着層を有する剥離紙を供給し、少なくとも前記凸部に凹部形成補助液が介在する条件下で押圧して、前記粘着層に所定パターンの凹部を形成する凹部付き粘着シートの製造方法が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、上記凹部付き積層シートの製造方法にて製造された凹部付き粘着シートであって、基材フィルムと、この基材フィルムの一面に積層された粘着層を備え、該粘着層が所定パターンの凹部を有し、かつ、凹部の底面領域の少なくとも一部に基材フィルムの一面が露出した凹部付き粘着シートが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の凹部付き粘着シートの製造方法によれば、エンボスロールの凸部に凹部形成補助液が付着する条件下で粘着層を基材フィルムに当接するまで押圧することができるため、粘着層が凸部押圧領域から外側領域に押し出され、凸部が粘着層から離間することにより基材フィルムが露出した凹部を形成することができる。このとき、凸部に付着していた凹部形成補助液によって、粘着層への凹部の形成および凹部の形状保持が容易となる。例えば、凹部形成補助液が、主として粘着層を形成する粘着材料に可溶の溶媒である場合には、凸部押圧領域の粘着層(粘着材料)の粘着力を弱め、押圧後に凸部が粘着層からスムーズに離れる(粘着層が凸部に粘着しない)ことができ、かつ、粘着層が柔らかくなって凸部の頭頂面が確実に基材フィルムに接触し、形成後の凹部の底部で確実に基材フィルムが露出することができる。したがって、粘着層に凹部を形成するために従来のような特別な剥離紙を必要とせず、簡単な方法で凹部を形成することができる。
また、基材フィルムが伸縮性を有したり、表面が粗い材料(例えばエラストマー、通気性織物、不織布等)である場合は、伸縮性を有さず表面が平滑な材料からなる基材フィルムの場合に比して、基材フィルムへの粘着層の形成および粘着層への凹部の形成が容易ではないため、このような場合は剥離紙に粘着層を積層したものを用いることができる。この場合、粘着層への凹部形成後、粘着層上に基材フィルムを積層することにより、上述のように粘着層の凹部の底面で基材フィルムが露出した粘着シートを形成することができる。
また、このようにして得られた本発明の粘着シートは、粘着層の凹部で基材フィルムが露出したものであるため、基材フィルムとして通気性織物や不織布等を用いた場合は人の皮膚に貼り付けて使用する絆創膏や医療用テープなどの通気性を要する医療用品に適用することが可能であり、従来のように通気性を有さない基材フィルムに通気孔を形成することが不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の凹部付き粘着シート(以下、単に粘着シートと称する場合がある)は、基材フィルムの一面に粘着層が積層され、粘着層の表面に剥離可能に剥離紙が積層されたものであって、粘着層には所定パターンで凹部が形成されており、その凹部の底面は粘着層の一部または全部が除去されて基材フィルムの一面が露出している。
この粘着シートは、所定パターンの凸部を表面に有するエンボスロールと平ロールとの間に、粘着層を有する基材フィルムまたは粘着層を有する剥離紙を供給し、少なくとも前記凸部に凹部形成補助液が介在する条件下で押圧して、前記粘着層に所定パターンの凹部を形成することにより製造することができる。
【0010】
本発明において、基材フィルムとしては、特に限定されるものではなく、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができ、例えば紙、プラスチックフィルム、紙をプラスチックフィルムにてラミネートした合成紙、エラストマー、通気性織物(メッシュ20〜500程度)、不織布等を挙げることができる。なお、基材フィルムは、その表面に、写真や絵や文字や広告内容等が印刷されているものであってもよい。
【0011】
粘着層の材料としては、特に限定されるものではなく、当該分野で一般的に使用されているアクリル系粘着材料、ゴム系粘着材料等を用いることができる。特に、下記のアクリル系樹脂組成物と硬化剤を100:0.4〜2.0の配合比率で混合したアクリル系粘着材料が好ましい。上記アクリル系樹脂組成物としては、分子量:約15万、組成:2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、メタクリル酸又はアクリル酸のリキダインAR−2420(ビッグテクノス社製)が好適に用いられる。また、アクリル系粘着材料を構成する上記硬化剤としては、組成:トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのコロネートL−55E(ウレタン樹脂:日本ポリウレタン社製)、リキダインHD107(アルミキレート:ビッグテクノス社製)、リキダインHD5060(エポキシ樹脂:ビッグテクノス社製)などが好適に用いられる。
【0012】
また、粘着層に形成される凹部のパターン形状についても、特に限定されるものではなく、例えば格子状、ハニカム状、ストライプ状等の連続パターンや、点線状、ドット状(散点状)等の不連続パターンを挙げることができる。また、凹部の幅や大きさは均一で、かつ、均等に配置されることが、粘着シートの部分的な粘着力の偏りを発生させない上で望ましい。
【0013】
粘着シートの単位面積に対する凹部占有面積率としては5〜90%、好ましくは10〜80%である。このような凹部占有面積とすることにより、被着体に貼り付けた粘着シートの剥離が容易となる。それに加え、基材フィルムを通気性織物として例えば人の皮膚に貼って使用する絆創膏や医療用テープなどの通気性を要する医療用品に粘着シートを適用する場合、適当な通気性を確保することができる。
なお、凹部占有面積率が5%よりも小さいと、粘着シートの剥離に力を要すると共に、医療用品としての十分な通気性が得られ難くなる。また、90%よりも大きいと、粘着シートとしての粘着力が不足する。
【0014】
本発明の粘着シートは、粘着層の表面に剥離可能な剥離シートが貼着されていてもよい。
剥離シートとしては、特に限定されるものではなく、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができ、例えば紙、プラスチックシート、紙をプラスチックシートにてラミネートした積層シート等の剥離面に粘着層との剥離性を向上させる離型剤がコーティングされたものが挙げられる。
【0015】
粘着層への凹部形成時にエンボスロールに供給される凹部形成補助液とは、少なくとも粘着層を形成する粘着材料に可溶の溶媒が含まれた液であり、溶媒のみまたはそれに可塑剤、硬化剤または熱硬化性樹脂が含まれる液が挙げられる。
【0016】
凹部形成補助液において、粘着層を形成するための粘着材料に可溶な溶媒は、エンボスロールの凸部にて粘着層に凹部を形成する際に、凸部押圧領域の粘着層(粘着材料)の粘着力を凹部形成補助液にて弱め、押圧後に凸部が粘着層からスムーズに離れる(粘着層が凸部に粘着しない)ようにする役割と、粘着層を柔らかくして凸部の頭頂面が確実に基材フィルムに接触し、形成後の凹部の底部で確実に基材フィルムを露出させる役割がある。また、粘着層を形成するための粘着材料に不溶な溶媒は、エンボスロールの凸部に粘着材料を付着し難くし、かつ、形成後の凹部を型崩れし難くする役割がある。粘着層に所望の凹部が形成できるようにするため、粘着材料に可溶な溶媒と不溶な溶媒は使用する粘着材料、粘着層の厚み、凹部の幅や形状等に応じて、単独または適当な割合で混合して用いることができる。
また、可塑剤は、溶媒と同様に粘着層を柔らかくする役割があり、溶媒は揮発し易いため可塑剤が粘着層の軟化を補強する。
また、硬化剤は、凸部に接して凸部押圧領域の外側領域に押し出された部分の粘着材料は凹部の側壁を構成し、その凹部側壁部分の粘着材料は硬化剤と反応して硬化するため、凹部の形状保持を容易とする役割がある。
また、熱硬化性樹脂は、上記硬化剤による凹部の形状保持と同じ役割を有するが、この場合、粘着層の乾燥工程における熱により硬化する。
【0017】
溶媒としては、粘着材料に可溶であれば特に限定されず、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の1種または2種以上の混合溶媒が挙げられる。
可塑剤としては、粘着材料との相溶性に問題がなければ特に限定されず、例えばアクリル系樹脂組成物の粘着材料に適用可能な可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、フタル酸ジオクチル(DOP)等が挙げられ、具体的には例えばDBP(昭和エーテル(株)社製)、DOA((株)ジェイ・プラス社製)、DOP((株)ジェイ・プラス社製)を用いることができる。凹部形成補助液中の可塑剤の量(有効成分)は0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
【0018】
硬化剤としては、粘着材料を硬化可能なものであれば特に限定されず、例えばアクリル系樹脂組成物の粘着材料に適用可能な硬化剤としては、粘着材料を構成する上記硬化剤と同じものを用いることができる。凹部形成補助液中の硬化剤の量(固形分)は0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、具体的には例えばエポキシ樹脂としては主剤:エピコート828(シェル 社製)と硬化剤:ダイトクラールHD−438(大都産業社製)を100:70の重量比で混合して用いることができ、ウレタン樹脂としては主剤:アクリディックA−801(大日本インキ化学工業(株)社製)と硬化剤:タケネートD−140N(三井武田ケミカル(株)社製)を100:45の重量比で混合して用いることができる。凹部形成補助液中の熱硬化性樹脂の量(固形分)は0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
また、粘着層を形成する粘着材料に対して可溶の溶媒が水系の場合(粘着材料が水に可溶である場合)、水系溶媒に水溶性カゼインを適量添加することが、凹部側面を硬くして型崩れし難くする観点から好ましい。
【0019】
次に、本発明の凹部付き粘着シートの製造方法について、図面に基いて説明する。
図1は、本発明の凹部付き粘着シートの製造工程を説明する模式図であり、図2は本発明の凹部付き粘着シートの製造における粘着層への凹部形成工程を示す説明図であり、図3は本発明における粘着層に形成された凹部のパターンを示す部分平面図である。
【0020】
本発明の粘着シートは、図1に示すような製造装置によって製造することができる。この製造装置は、第1ロール11上に設けられた粘着材料供給部12と、所定パターンに配置された凸部13aを表面に有するエンボスロール13と、エンボスロール13の下に対向配置された平ロール14と、エンボスロール13の凸部13aに凹部形成補助液を付着させる凹部形成補助液供給部15と、乾燥炉20とを備えている。
【0021】
粘着材料供給部12は、基材フィルム1の一面に均一な膜厚で粘着材料を塗布できる機構であれば特に限定されず、例えば粘着材料をカーテン状に基材フィルム上に流す機構、あるいはロール面に塗布した粘着材料を基材フィルム上に転写する機構などが考えられる。
エンボスロール13の凸部13aのパターン形状は特に限定されないが、例えば、図3(a)に示すような格子状や、図3(b)に示すような点線状とすることができる。このエンボスロール13の外周面から凸部13aの頭頂面までの寸法は0.1〜2.0mm程度である。
【0022】
また、凹部形成補助液供給部15は、エンボスロール13の少なくとも凸部13aに凹部形成補助液を付着させることができる機構であれば特に限定されず、例えば本実施の形態では、エンボスロール13の凸部13aの頭頂部表面と当接する当接ロール15aと、凹部形成補助液を収容し、凹部形成補助液を一定量当接ロール15aに均一に塗布する供給タンク15bとを備えた構成とすることができる。この場合、当接ロール15aの表面にゴム層や弾性樹脂層を設け、エンボスロール13の凸部13aの頭頂面が当接ロール15aに密着して凹部形成補助液を凸部13aの頭頂面乃至側面に確実かつ容易に付着させることができるようにすることが好ましい。
なお、図示省略するが、エンボスロール13の搬送方向上流側に、エンボスロール13の凸部に付着した凹部形成補助液の余剰分を除去する手段と、エンボスロール13の搬送方向下流側に、エンボスロール13を洗浄する手段を設けてもよい。
【0023】
粘着シートの製造に際しては、先ず、粘着材料供給部12にて基材フィルム1の一面に例えば膜厚5〜100μmで粘着材料を塗布し、粘着層2を形成する。この際、基材フィルム1の搬送速度は例えば3.0〜30.0m/分とすることができる。
【0024】
その後、粘着層2を有する基材フィルム1をエンボスロール13と平ロール14の間に供給し、粘着層2に凹部3を形成する。この際、図2(a)に示すように、エンボスロール13の凸部13aには粘着材料供給部12から供給された凹部形成補助液16が付着しており、図2(b)に示すように凸部13aにて粘着層2を押圧すると、凹部形成補助液16が付着した部分の粘着層2が凸部押圧領域の外側領域に押し出される。このとき、凸部13aの頭頂面が基材フィルム1に当接した状態となるが、エンボスロール13の外周面は粘着層2に接触しない。そして、図2(c)に示すように、粘着層2から凸部13が離間することにより凹部3が形成され、凹部形成補助液が付着した粘着材料部分17がその凹部3の側壁を形成する。このようにして、エンボスロール13にて粘着層2に凹部3が形成される際には、凹部形成補助液が上述のごとく作用している。
【0025】
このようにして粘着層2に凹部3が形成された後は、乾燥炉20にて例えば80〜110℃、1〜3分間で乾燥処理され、その後、粘着層2の表面に剥離シート4が積層される(図2(d)参照)。
なお、図1および2では、基材フィルムに粘着層を積層し、粘着層に凹部を形成し、粘着層に剥離紙を積層する順の製造工程を例示したが、剥離紙に粘着層を積層し、粘着層に凹部を形成し、粘着層に基材フィルムを積層する順で粘着シートを製造してもよい。
【0026】
このようにして形成された本発明の粘着シートは、粘着層2の凹部3のパターン形状がエンボスロールの凸部と同様のパターンであり、本実施の形態では例えば図3(a)に示すような格子状や、図3(b)に示すような散点状である。
格子状パターンでは凹部3が連続しているため、粘着シートを被着体に貼り付ける際に凹部を通して空気を外部に逃がし、粘着シートと被着体の間に空気溜まりによるシート表面の膨れを防止することができる。したがって、この粘着シートは基材フィルムの表面に写真や広告等を印刷したポスターに好適である。
また、散点状パターンでは凹部3が不連続であるが、粘着シートと被着体の間の空気は各凹部3にて吸収され、空気溜まりによるシート表面の膨れは抑制される。
また、このような連続および不連続の凹部パターンを有する本発明の粘着シートは、凹部の底部において基材フィルムが露出可能であるため、基材フィルムに通気性を有する素材を用いれば、例えば人の皮膚に貼って使用する絆創膏や医療用テープなどの通気性を要する医療用品に適用することもできる。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
図1の製造装置を用い、以下の条件で実施例1の粘着シートを作製した。
・基材フィルム:通気性織物
・粘着層:アクリル系粘着材料、膜厚35μm、乾燥条件90℃、2分
・凹部:占有面積率30%、図3(b)に示す不連続パターン
実施例1の粘着シートの通気性試験をJIS P 8117に準じて行なった結果、0.1秒以下であった。
【0028】
(実施例2)
図1の製造装置を用い、以下の条件で実施例2の粘着シートを作製した。
・基材フィルム:合成紙
・粘着層:アクリル系粘着材料、膜厚35μm、乾燥条件90℃、2分
・凹部:占有面積率20%、図3(a)に示す連続パターン
実施例2の粘着シートを発泡ポリスチレンの板材に貼り付け、40℃で24時間放置し、シート表面側の膨れを観察した結果、膨れは認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の粘着シートは、広告媒体や通気性を要する医療用品(絆創膏や医療用テープなど)に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の凹部付き粘着シートの製造工程を説明する模式図である。
【図2】本発明の凹部付き粘着シートの製造における粘着層への凹部形成工程を示す説明図である。
【図3】本発明における粘着層に形成された凹部のパターンを示す部分平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 基材フィルム
2 粘着層
3 凹部
4 剥離シート
13 エンボスロール
13a 凸部
16 凹部形成補助液
17 凹部形成補助液が付着した粘着層部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定パターンの凸部を表面に有するエンボスロールと平ロールとの間に、粘着層を有する基材フィルムまたは粘着層を有する剥離紙を供給し、少なくとも前記凸部に凹部形成補助液が介在する条件下で押圧して、前記粘着層に所定パターンの凹部を形成することを特徴とする凹部付き粘着シートの製造方法。
【請求項2】
凹部形成補助液が、粘着層を形成する粘着材料に対して可溶の溶媒および/または不溶の溶媒からなる請求項1に記載の凹部付き粘着シートの製造方法。
【請求項3】
凹部形成補助液が、可塑剤、硬化剤または熱硬化性樹脂を含む請求項2に記載の凹部付き粘着シートの製造方法。
【請求項4】
粘着層を有する基材フィルムまたは粘着層を有する剥離紙が、基材フィルムまたは剥離紙に粘着材料を供給してその場で形成される請求項1〜3の何れか1つに記載の凹部付き粘着シートの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1つに記載の凹部付き積層シートの製造方法にて製造された凹部付き粘着シートであって、基材フィルムと、この基材フィルムの一面に積層された粘着層を備え、該粘着層が所定パターンの凹部を有し、かつ、凹部の底面領域の少なくとも一部に基材フィルムの一面が露出した凹部付き粘着シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−299123(P2006−299123A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123976(P2005−123976)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(592103442)ビッグテクノス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】