説明

出入金システム

【課題】預金口座の名義人自らが不正に金銭の出金を行おうとする場合であっても、このような行為を確実に抑制できるシステムを提供する。
【解決手段】金融機関システムサーバ100は、出金操作を無効とする無効手段106と、出金予約サーバからの出金可否通知における出金が可であるときには、出金操作の無効を解除する無効解除手段107とを備え、出金予約サーバ102は、承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段110と、出金予約手段126と、連絡先記憶手段110に記憶されている承認者へ出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段130と、承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段136と、返答内容を確認して出金の可否を判定する出金判定手段138と、出金の可否何れかを記述した出金可否通知を金融機関システムサーバ100に送信する出金可否通知送信手段142とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、預金口座に対する横領や詐欺を防ぐためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、振り込め詐欺事件や還付金詐欺事件が大きな社会問題となっている。
振り込め詐欺事件は、高齢者等をねらって巧みにその親族になりすまして電話をかけ、交通事故の示談等でまとまった現金が必要になったから指定の口座に振り込むように指示したり、あるいは弁護士、警察官になりすます例もある。
還付金詐欺事件は、金融機関職員や社会保険庁の職員等になりすまして電話をかけ、巧みに所定の口座へ金銭を振り込ませるようにATMを操作させる事件をいう。
【0003】
このようなときに、親族に確認の電話をするなど冷静な対処ができればよいが、急いでいるから大至急振り込んでくれと言われれば、つい言われるままに振り込みを行ってしまうことも多い。
また、電話の相手が金融機関職員、社会保険庁の職員等であると信じ込んでしまえば、言われた通りにATMを操作してしまう事も多い。
【0004】
最近では、高額の振り込み依頼については、金融機関側でもチェック機能が働き、窓口で対応する金融機関職員が預金口座の名義人に事情を聞いたり、ATMでは所定金額以上の振り込みができないようにしていることもある。それでも、金融機関職員の忠告に従わずに振り込みを行ってしまう例が後を絶たない。
【0005】
そこで、振り込め詐欺などの防止のために、金銭を預金口座から振り込む際に、名義人だけでなく、第三者にその振り込みを承認してもらう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、予め許諾者を決めておいて、振り込みを行おうとする名義人は予め許諾者に連絡をして、許諾をしてくれるよう要請しておき、許諾者はシステムサーバに対して許諾する旨を登録しておくことで、名義人がATM等で振り込みの操作をして振り込みが有効に行われるシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−316959号公報
【特許文献2】特開2007−219885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような、既に提案されている方法やシステムによれば、振り込め詐欺に対しては、有効に機能するかもしれない。
しかし、振り込め詐欺以外に、任意団体における公金横領の事件に対しては対応できない。
【0008】
以下、任意団体における公金横領について説明する。
自治会や、同じ趣味を持つ人が集まったサークルなど、法人格の無い任意団体の場合、預金口座を開設する場合には、団体の代表者または会計担当者が口座の名義人として口座を開設することが一般的である。
なお、代表者や会計担当者も任期があることが通常であるから、任期が終わったときには、口座の名義人を変更する。
【0009】
このような任意団体では、会計監査は通常は1年に1回であり、預金口座のチェックはほとんどされていないのが現状である。
ところが近年、このような任意団体における預金口座からの金銭の横領が相次いで起こっている。つまり、預金口座の名義人となっている代表者や会計担当者が、預金口座から金銭を勝手に引き出して私用するケースである。
【0010】
手持ちの現金が不足している名義人がつい預金口座から寸借してしまう場合もある。この場合には、会計監査までに返済できれば、誰にもばれないので、軽い気持ちで行ってしまうと思われる。
このように寸借を繰り返しているうちにその金額が増大してしまい、返済不能となってしまうこともある。
【0011】
任意団体における横領等の金額はわずかに過ぎない場合も多い。したがって、刑事事件にまで発展しない場合もある。
しかしながら、たとえ刑事事件にまで発展しなくても、横領等の行為を行った者は、所属する任意団体の構成員からは犯罪者として扱われ、その家族にも大きな影響を与える。このため、その一家はなじみの土地を離れざるを得ない状況となったり、さらにはこのような任意団体の構成員どうしの信頼関係にひびが入り、任意団体の存続自体が危ぶまれる場合も出てくる。
【0012】
このように、任意団体における名義人や会計担当者が預金口座の金銭を勝手に使おうとした場合の防護策としては、上述した特許文献1および特許文献2の方法やシステムを使うことによっても有効には防止できない。
すなわち、これらの特許文献1や特許文献2記載の方法やシステムでは、振り込みに対してのみ承認が必要とされ、預金口座から単に金銭を引き出す場合には何らチェック機能が働いていないという課題がある。
【0013】
また、特許文献1に示すような方法では、名義人がATMや金融機関の窓口等に出向いて、振り込みの指示をした上でその場で待機させられ、承認されるか否認になるかが判断される。これでは、迅速な出金が必要な時であっても、待たされる時間が多いという課題がある。
【0014】
さらに、特許文献2に示すようなシステムでは、名義人はATM等の操作をする前に許諾者へ電話等で許諾してくれるように連絡をする必要があり、出金前に手間がかかってしまうという課題がある。
また、許諾者が確実に許諾をしてくれたか否かは、名義人が実際にATM等を操作して、ATMが許諾記録の蓄積データベースを参照するまでは判明しない。つまり、許諾者が許諾する旨を名義人に伝えたとしても、許諾者が本当にネット上でサーバを操作して実際に許諾記録の蓄積データベースに許諾記録を残したか否かは分からないためである。
【0015】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、預金口座の名義人自らが不正に金銭の引き出しや振り込み(本明細書中では、これらの行為を出金と称している)を行おうとする場合であっても、このような行為を確実に抑制できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明にかかる出入金システムによれば、預金口座を管理するための顧客データベースを有し、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATM、並びに金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末に通信可能に接続される金融機関システムサーバと、該金融機関システムサーバに通信可能に設けられた出金予約サーバとを備える出入金システムにおいて、前記金融機関システムサーバは、所定の預金口座の口座番号を記憶する所定口座記憶手段と、所定の預金口座に対しては、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの預金口座に対する引き出しおよび振り込み等の出金操作を無効とする無効手段と、前記出金予約サーバから、所定の預金口座に対しての出金可否通知を受信した場合、該出金可否通知における出金が可であるときには、前記出金操作の無効を解除する無効解除手段とを備え、前記出金予約サーバは、前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、前記出金判定手段によって、出金が承認されたと判定された場合には、出金可とし、出金が否認されたと判定された場合には、出金否とし、出金の可否何れかを記述した出金可否通知を前記金融機関システムサーバに送信する出金可否通知送信手段とを備えることを特徴としている。
この構成を採用することによって、名義人は、預金口座から出金を行おうとする場合に、ATMや金融機関に行く前に予め出金予約をし、ATMや金融機関に行く前に出金が承認されて出金可能か否かを判断できる。したがって、出金前の手間を省くことができ、また名義人が不正に出金を行うことを前もって防止できる。
【0017】
また、前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを特徴としてもよい。
この構成によれば、たとえば名義人と承認者が前もって共謀して不正を行うことを防止できる。つまり、ランダムで承認者が選択されるので、誰が承認者となるかは誰にも分からない。このため、名義人が前もって特定の承認者と共謀することが困難となるからである。
【0018】
また、前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記返答受信手段が、所定時間経過後であっても承認者から返信を受信しなかった場合には、複数の承認者のうち先に選択されなかった承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを、前記返答受信手段が、所定時間内に承認者からの返信を受信するまで実行することを特徴としてもよい。
この構成によっても、ランダムで承認者が選択されるので、名義人と承認者が前もって結託して共謀して不正を行うことを防止できる。
【0019】
さらに、前記金融機関システムサーバは、前記出入金予約サーバから、所定の預金口座に対しての出金可否通知を受信した場合、出金可否通知を記憶しておく可否データ記憶部と、前記出金可否通知を受信してから所定時間経過すると、前記可否データ記憶部から可否データを消去する消去タイマー手段とを備え、前記無効解除手段は、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合には、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否の内容に基づいて無効解除を実行または無効解除を実行しないように制御し、可否データ記憶部に出金可否通知が記憶されていないときは無効解除を実行しないように制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、所定時間(例えば24時間程度)経過すると予約が取り消されて出金ができなくなる。つまり、確実に必要とされる出金であれば通常は所定時間内に出金手続きをするはずであり、予約してからあまりに長時間出金手続きしない場合には、実は承認された予約自体が不正である可能性もある。したがって、この構成により、不正である可能性のある出金予約を取り消すことで名義人の不正行為の防止をさらに確実化できる。
【0020】
また、前記金融機関システムサーバは、所定の預金口座が口座の名義人名にかかわらず任意団体向けの預金口座か、個人向けの預金口座かを記憶している団体・個人別記憶部が設けられ、前記無効解除手段は、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合に、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否が否認であったときは、前記団体・個人別記憶部に記憶されている該当預金口座の団体向けか個人向けかのデータを抽出し、団体向けである場合は無効解除を実行しないように制御し、個人向けである場合には所定時間経過後に無効解除を実行するように制御することを特徴としてもよい。
この構成によれば、承認者が出金を否認した場合であっても、個人口座である場合には、所定時間(例えば3時間程度)経過したときに出金可能とする。個人口座の場合名義人の不正防止ではなく、振り込み詐欺や還付金詐欺などを防止するための措置となるが、通常詐欺の電話等があってから3時間程度経過すれば名義人も冷静となり、また本当に出金が必要な場合も存在するであろうから、承認者が否認した場合でも出金ができるようにする。
【0021】
さらに、前記無効解除手段は、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合に、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否が否認であったときは、前記団体・個人別記憶部に記憶されている該当預金口座の団体向けか個人向けかのデータを抽出し、団体向けである場合は無効解除を実行しないように制御し、個人向けである場合には所定時間経過後に無効解除を実行し、または預金口座操作用端末から緊急無効解除命令が入力された場合には、所定時間経過前であっても無効解除を実行することを特徴としてもよい。
この構成では、承認者が出金を否認した場合であっても、個人口座である場合には、所定時間(例えば3時間程度)経過したり、または名義人本人からの緊急無効解除命令を受けた場合には、出金を可能としている。緊急無効解除命令としては、金融機関の窓口に名義人が出金要請書を提出し、これを受領した金融機関の職員が預金口座操作用端末を操作して緊急無効解除命令を金融機関システムサーバに出力する。
このようにして、個人口座の場合には、本当に出金が必要な場合も存在するであろうから、承認者が否認した場合でも出金ができるようにする。
【0022】
なお、出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段と、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金不可である旨の通知を自動的に発送する不可通知発送手段とを具備することを特徴としてもよい。
すなわち、預金口座内の金銭を横領する場合には大金を引き出そうとすることが一般的であると考えられるため、このような場合には承認者の判断をせずに一律に出金を不可にすることで、犯罪を未然に防止できる。
【0023】
さらに、前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段が設けられ、前記通知発送手段は、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記連絡先記憶手段に記憶されている複数の承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記出金判定手段は、前記返答受信手段が受信した返信内容を確認し、予め設定された承認数以上の承認が得られた場合に限り、出金が承認されたと判定することを特徴としてもよい。
この構成によれば、名義人が大金を出金しようとする場合には、不正行為である可能性も高いわけであるが、かかる場合には複数の承認が必要であることとして犯罪を未然に防止することができる。また、承認者側にとっても大金の出金を承認する際の責任は大きいので、複数の承認が必要とされることで団体における会計が適正になされることとなる。
【0024】
さらに、前記連絡先記憶手段には、出金の可否を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、前記出金予約サーバは、前記出金判定手段によって判定された出金の可否を前記通知人の連絡先に自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴としてもよい。
この構成によれば、例えば承認者となっている任意団体の役員等以外の一般の構成員に対しても承認・否認の結果の通知を送ることとなるので、名義人にとっては多数の監視を受けていることとなり犯罪の抑止効果が生まれる。また、承認者にとっても他の構成員の監視を受けているという意識が働き、安易な承認をせずに慎重な承認が行われることが期待できる。
【0025】
なお、前記出金予約サーバは、前記連絡先記憶手段に記憶されている連絡先に対して、出金以外の内容のメールを送信可能に設けられていることを特徴としてもよい。
これによれば、例えば連絡先記憶手段に記憶されている団体の構成員に対してメールマガジンを発行したり、あるいは団体の構成員から意見を収集するための機能を備えることができ、金銭的な管理だけでなく団体の運営に関しても非常に有利に進めることができる。
【0026】
また、前記出金予約サーバは、名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、振込先の銀行名、口座種類及び口座番号からなる振込先情報を記憶する振込先記憶手段と、名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、前記振込先記憶手段に記憶されている過去の振込先情報を読み出し、同一の振込先情報が存在する場合には、出金を承認するか否かについての通知を発送しないように前記通知発送手段を制御し、且つ承認者の承認を得ることなく、出金が可である旨を記述した出金可否通知を前記金融機関システムサーバに送信するように前記出金可否通知送信手段を制御する振り込み実績評価手段とを備えることを特徴としてもよい。
この構成によれば、過去に振り込みの実績がある振込先であれば、詐欺等の問題が発生する可能性は極めて低いと考えられ、過去に振り込みの実績がある振り込み先に対しては承認者の承認を得なくても振り込みが可能となるようにした。
【0027】
本発明にかかる出入力システムによれば、預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、該金融機関システムサーバに通信可能に接続され、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATMと、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、所定の預金口座に関しては、前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続されたATMまたは金融機関内に設置された預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、名義人は、預金口座から出金を行おうとする場合に、ATMや金融機関に行く前に予め出金予約をし、ATMや金融機関に行く前に出金が承認されて出金可能か否かを判断できる。したがって、出金前の手間を省くことができ、また名義人が不正に出金を行うことを前もって防止できる。
【0028】
なお、前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた回数の所定時間あたりの上限回数が予め記憶されている上限回数記憶手段と、出金を禁止する出金禁止時間が予め記憶されている出金禁止時間記憶手段と、実際に預金口座から出金がされた回数と、前記所定時間あたりの上限回数とを比較し、実際に預金口座から出金がされた回数が前記上限回数以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金禁止時間が経過するまで出金不可である旨の通知を自動的に発送する出金禁止通知発送手段とを具備することを特徴としてもよい。
この構成によれば、小額で繰り返し出金して結果として大金が出金されることを防止できる。すなわち、所定の時間内に複数回出金があった場合には、その後しばらくは出金ができないようにして、出金の繰り返しに時間がかかるようにする。このため、この間に承認者等が犯罪に気がつく時間的余裕が生まれ、被害を最小限に抑えることができる。
【0029】
さらに、前記連絡先記憶手段には、出金がされた旨または入金がされた旨の結果を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた場合には、出金がされた旨の結果の通知、または預金口座に入金がされた場合には入金がされた旨の通知を自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴としてもよい。
この構成によれば、例えば承認者となっている任意団体の役員等以外の一般の構成員に対しても結果の通知を送ることとなるので、名義人にとっては多数の監視を受けていることとなり犯罪の抑止効果が生まれる。また、承認者にとっても他の構成員の監視を受けているという意識が働き、安易な承認をせずに慎重な承認が行われることが期待できる。また、入金時においても通知人に通知するため、集金した金銭が入金されない事故を早期に発見することができる。
【0030】
本発明にかかる出入金システムによれば、預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、該金融機関システムサーバに通信可能に接続され、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATMと、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、所定の預金口座に関しては、前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には承認と判定する出金判定手段と、該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続されたATMまたは金融機関内に設置された預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴としている。
この構成では、承認者からの返答が所定時間なかった場合には、出金を承認するようにしている。このような構成にすることで、請求項1記載のシステムと比較して出金の規制は緩和されるが、例えば振り込め詐欺や還付金詐欺などを防止する観点からして、承認者からの返答を待っている間に名義人が冷静となり、出金に対する正確な判断ができるようになると期待できるので、出金を承認してもよいと考えられるためである。
【0031】
本発明にかかる出入金システムによれば、預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、所定の預金口座に関しては、前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、金融機関職員が、前記所定の預金口座の名義人の指示に基づいて、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を前記預金口座操作用端末から入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、該出金予約手段が、出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果を、前記予約入力した預金口座操作用端末の表示部に表示させる結果表示手段と、前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、名義人自らが出金予約をしなくてもよい。つまり、名義人は金融機関の窓口で出金の依頼をすれば、金融機関職員が出金予約をし、出金が承認されたか否かは金融機関職員が操作する端末で確認できるので、否認の場合は口頭で否認された旨を金融機関職員が名義人に伝えればよい。このようにすれば、名義人は出金しようとするときに携帯電話やパソコンの操作をしなくてもよく、名義人が携帯電話やパソコンを所有していない場合やこれらの機器操作が苦手な場合であっても本システムの適用を受けることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にかかる出入金システムによれば、預金口座の名義人自らが不正に金銭を引き出そうとする場合であっても、このような行為を確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施形態の出入金システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】顧客ファイルの一例を示す説明図である。
【図3】金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図4】出金予約サーバの内部構成を示すブロック図である。
【図5】入力予約画面の一例を示す説明図である。
【図6】承認者へ送られるメールの一例を示す説明図である。
【図7】名義人に送られる承認結果を通知するメールの一例を示す説明図である。
【図8】金融機関システムサーバの動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の出入金システムの概略構成を示す説明図である。
【図10】顧客ファイルの一例を示す説明図である。
【図11】連絡先記憶手段内のデータの例を示す説明図である。
【図12】金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図13】ATMの内部構成を示すブロック図である。
【図14】預金口座操作用端末の内部構成を示すブロック図である。
【図15】複数の承認者がいる場合の動作を示すフローチャートである。
【図16】出金額の上限値を定めた場合の金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図17】出金額の上限値を定めた場合の動作を示すフローチャートである。
【図18】出金額の上限値を定めた場合の、他の実施形態の金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図19】出金額の上限値を定めた場合の、他の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図20】所定時間当たりの出金動作の上限回数を定めた場合の金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図21】通知人に通知を発送する場合の金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図22】金融機関システムサーバとは別個に団体預金口座用システムサーバを設けた実施形態のブロック図である。
【図23】名義人が出金予約を金融機関職員に行わせる実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図24】名義人が出金予約を金融機関職員に行わせる実施形態の、金融機関システムサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図25】第1の実施形態において、出金予約以外のモードを実行できる出金予約サーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態の概略構成)
まず、図1に本発明の第1の実施形態の全体構成の概略を示し、これに基づいてシステム全体の概略を説明する。
本実施形態では、各金融機関内に設けられるかまたは金融機関外部のシステム管理会社内に設置された金融機関システムサーバ100と、金融機関システムサーバ100に対して通信回線を通じてデータ通信可能に接続された出金予約サーバ102とを備えている。
【0035】
金融機関システムサーバ100には、専用通信回線によって通信可能なATM(現金自動預け払い機:Automated Teller Machine)40と、金融機関システムサーバ100に専用通信回線によって通信可能な預金口座操作用端末50とが接続されている。
なお、本明細書および特許請求の範囲で言うATM40は、引き出しと残高照会のみを行えるキャッシュディスペンサー(現金自動支払機)を含めた概念であるとして説明する。
預金口座操作用端末50は、金融機関内部で金融機関職員が操作するように設けられている端末であり、窓口に来店した名義人の要請により金融機関職員が操作する。預金口座操作用端末50は、金融機関職員が操作することで金融機関システムサーバ30にアクセスし、預金口座からの引き出しや振込み(出金)、預金口座への預け入れ(入金)が可能である。
【0036】
金融機関システムサーバ100は、金融機関内の預金口座を管理しており、預金口座に関する様々なデータをデータベース化した顧客データベース104を有している。
また、金融機関システムサーバ100には、所定の預金口座の口座番号を記憶している所定口座記憶手段105が設けられ、この所定の預金口座に対して出金操作が無効となるように、各ATM40および各預金口座操作用端末50を制御する無効手段106が設けられ、出金予約サーバ102からの出金可否通知において出金が可の場合には、所定の預金口座に対する出金の無効を解除する無効解除手段107が設けられている。
【0037】
出金予約サーバ102は、特定の金融機関における出金予約を受け付けるだけではなく、複数の金融機関に対して、所定の預金口座の出金予約を受け付けるように設けられていてもよい。
したがって、出金予約サーバ102には、出金予約の対象となる預金口座の口座番号と、この預金口座を有する金融機関名を記憶する金融機関・口座記憶手段108が設けられている。
【0038】
さらに、出金予約サーバ102には、預金口座が任意団体における口座である場合(以下、団体預金口座と称する場合がある)、名義人の連絡先(電話番号ではなく、自動的にデータ送信可能な連絡先:例えば、メールアドレスまたはFAX番号等)、および承認者の連絡先(電話番号ではなく、自動的にデータ送信可能な連絡先:例えば、メールアドレスまたはFAX番号等)を記憶した連絡先記憶手段110を備えている。
【0039】
連絡先記憶手段110の一例を図2に示す。
本実施形態では、名義人および承認者の連絡先として携帯電話のメールアドレスを想定している。そして、承認者としては3名の氏名とそれぞれのメールアドレスが記憶されている。
なお、承認者とは、団体預金口座からの出金を承認する権限を有する者であり、当該団体の役員等の中から予め設定しておく必要がある。
【0040】
本実施形態では、承認者の他に、出金の可否について通知される義務を負う通知人の連絡先も連絡先記憶手段110に記憶されている。通知人とは、任意団体の役員以外の一般の構成員等であって、出金に対して承認・否認の権限はないものの、承認者が出した承認・否認の結果を受け取ることができる者である。通知人を設定しておくことで。名義人にとっては多数の監視を受けていることとなり犯罪の抑止効果が生まれる。また、承認者にとっても他の構成員の監視を受けているという意識が働き、安易な承認をせずに慎重な承認が行われることが期待できる。
ここで、連絡先記憶手段110に記憶させておく通知人の連絡先としては、携帯電話のメールアドレスを想定している。
【0041】
(概略動作)
図1に基づいて、本実施形態における概略動作を説明する。ただし、前提として、ここで説明する預金口座は、予約によって承認者からの承認を得ないとATM40や金融機関窓口における出金操作が無効となるように、金融機関システムサーバ100の無効手段106によって制御されている。また、所定口座記憶手段105に口座番号が記憶されている。
【0042】
この預金口座は、団体預金口座であるとする。
このような団体預金口座において、出金をしようとする場合、まず、団体預金口座の名義人Aは、ATM40や金融機関に出向く前に、自分の携帯電話20を操作し、出金予約サーバ102にインターネット経由等でアクセスする。名義人Aは、出金予約サーバ102の予約画面へ出金内容の入力と出金額の入力を行う(動作1)。
【0043】
出金予約サーバ102では、入力された団体預金口座の名義人が希望する出金内容と金額とを記載した電子メールを承認者Bの携帯電話21へ送信する(動作2)。上述した図3のように複数の承認者が記憶されている場合、出金予約サーバ102ではいずれか1人の承認者をランダムで選択するようにする。
承認者Bは、受信した電子メールの内容を見て、承認するか否認するかを判断し、出金予約サーバ102に承認するか、否認するかを返答する(動作3)。返答は、電子メールを返信してもよいし、出金予約サーバ102に直接アクセスするような後述する方法によってもよいし、FAXによってもよい。
【0044】
承認者Bからの返答を受信した出金予約サーバ102は、承認者Bの承認または否認を判断し、その結果を名義人へ電子メールで送信する(動作4)。
動作4では、承認者Bからの承認・否認の結果の通信は、電子メールでなくともよく、FAX、自動音声による電話であってもよい。
【0045】
承認者Bの承認・否認の結果を得た出金予約サーバ102は、その結果を通知人Cへ電子メールで送信する(動作5)。
ただし、動作5では、承認・否認の結果の通信は、電子メールでなくともよく、FAX、自動音声による電話であってもよい。
【0046】
そして、承認者Bの承認・否認の結果を得た出金予約サーバ102は、出金の可否を記述した出金可否通知を金融機関システムサーバ100へ送信する(動作6)。
金融機関システムサーバ100では、出金可否通知があった場合は、その内容を判断して出金可であれば、無効解除手段107により出金操作の無効を解除する。
【0047】
すなわち、名義人は出金予約サーバ102から承認された旨の通知を受信した後、ATM40または、預金口座操作用端末50へ出向いて出金操作を実行する(動作7)。
出金操作がされたATM40や預金口座操作用端末50は、金融機関システムサーバ100へ出金要求を送信する(動作8)。
【0048】
金融機関システムサーバ100は、ATM40や預金口座操作用端末50からの出金要求を受けて、出金可否通知の内容が出金可であって無効が解除されていれば、名義人の出金操作に基づいて出金がなされる(動作9)。
【0049】
次に、本実施形態のシステムの具体的構成について説明する。
(金融機関システムサーバ)
金融機関システムサーバ100の具体的構成について、図3に基づいて説明する。
金融機関システムサーバ100は、CPUおよびメモリを含み、ソフトウェアプログラムを実行することによって各制御を行うことができる制御部112と、データや制御プログラム(ソフトウェア)を記憶する上述した顧客データベース104および出金予約をして承認されたもののみ出金可能となるように制約する預金口座の番号を記憶する所定口座記憶手段105が構築されているハードディスク等の記憶装置114とを備えている。
また、金融機関システムサーバ100には、インターネット回線や専用通信回線に接続可能な、通信ポート116が設けられている。
【0050】
また、金融機関システムサーバ100の記憶装置114には、出金予約サーバ102から送信されてきた出金可否通知を記憶しておく、可否データ記憶手段118と、所定口座記憶手段105に記憶されている所定口座が個人向けであるかまたは任意団体向けであるかが記憶されている団体・個人別記憶手段120とが構築されている。
【0051】
金融機関システムサーバ100の制御部112には、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金指示(通信)に対して出金操作を無効とする無効手段106が設けられている。すなわち、無効手段106は、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金指示(通信)に対して出金をしないような指示を出力する。
また、金融機関システムサーバ100の制御部112には、所定の条件を満たしたときには無効を解除して、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金指示(通信)に対して出金操作を有効として出金をさせるように指示する無効解除手段107が設けられている。
【0052】
(出金予約サーバ)
出金予約サーバ102の具体的構成について、図4に基づいて説明する。
ここでは、名義人および承認者はそれぞれ携帯電話を所有しており、名義人および承認者は携帯電話で出金予約サーバ102に接続するものとする。
出金予約サーバ102は、CPUおよびメモリを含み、ソフトウェアプログラムを実行することによって各制御を行うことができる制御部122と、データや制御プログラム(ソフトウェア)を記憶し、金融機関・口座記憶手段108と連絡先記憶手段110とが構築されているハードディスク等の記憶装置124とを備えている。
また、出金予約サーバ102には、インターネット回線や専用通信回線に接続可能な、通信ポート125が設けられている。
【0053】
(出金予約手段)
出金予約サーバ102の制御部122は、団体預金口座から名義人が出金を希望する際に、ATM40や金融機関の窓口に行く前にインターネット上で出金の予約を行う出金予約手段126を実現可能に設けられている。
具体的には、出金予約サーバ102は、WEBサーバ機能を有しており、インターネットを介してアクセスしてきた名義人に対して出金予約画面43(図5参照)を表示させる。このとき、名義人はインターネット接続可能なWEBブラウザ付きの携帯電話でアクセスしてもよいし、インターネット接続可能なWEBブラウザ付きのコンピュータでアクセスしてもよい。
【0054】
出金予約画面43では、現在の残高が表示されており、出金可能額の認識が可能である。出金予約画面43にアクセスした名義人は、携帯電話20等を操作して希望する出金の内容(振り込みまたは引き出しのいずれかの選択および振り込み先または用途)と、出金の金額とを入力することができる。
入力された出金の内容と出金の金額は、出金予約手段126における予約内容記憶手段128に記憶される。
【0055】
(通知発送手段)
また、出金予約サーバ102の制御部122は、出金予約手段126によって予約内容記憶手段128に記憶された内容を承認者に通知する通知発送手段130を実現可能に設けられている。
具体的には、出金予約サーバ102には、電子メールを送受信可能なメール作成・送受信手段132が設けられており、制御部122が、予約内容記憶手段128に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段110に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する。なお、メール作成・送受信手段としては、出金予約サーバ102外部のメールサーバであってもよい。
【0056】
なお、通知発送手段130は、予め複数設定された承認者の中からいずれか1人を選択する機能を有している。選択の方法はランダムで実行するようにする。このようにすれば、名義人にしてみれば誰が承認者となるか分からないので、前もって名義人と承認者が共謀することを防止できる。
【0057】
ここで、承認者に発送される電子メールの例を図6に示す。
発送される電子メールの件名は、「出金要求」であり、通知発送手段130によって自動的に記入される。電子メールの本文については、通知発送手段130が、連絡先記憶手段110から抽出した団体名と、当該団体において出金要求があった旨と、出金の明細および金額とを記入する。
【0058】
なお、電子メールの本文下には、承認者がワンクリックで返信できるように、「承認する」ボタン48と、「否認する」ボタン49の2つが設けられている。
これらのボタン48,49は、それぞれ出金予約サーバ102の承認ファイル134、または否認ファイル135にリンクするように設定されており、承認者が「承認する」ボタン48を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に出金予約サーバ102の承認ファイル134にアクセスするように設けられている。承認者が「否認する」ボタン49を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に出金予約サーバ102の否認ファイル135にアクセスするように設けられている。
【0059】
(返答受信手段)
出金予約サーバ102の制御部122は、承認者から出金についての承認または否認の返答を受信する返答受信手段136を実現可能に設けられている。
上記のように、発送されたメールに設けられているリンクボタン48,49によって、承認者が返答をする場合、承認ファイル134および否認ファイル135のいずれかへのアクセスが返答となるため、この例では承認ファイル134および否認ファイル135が返答受信手段136に該当する。
【0060】
なお、返答受信の方法としては、承認者の携帯電話から出金予約サーバ102の1つの返答用ファイルにアクセスするようにして、このとき承認か否認かのパラメータを返すように構成してもよい。
【0061】
(出金判定手段)
さらに、出金予約サーバ102の制御部122は、返答受信手段136が受信した承認者からの返答に基づいて、名義人が希望した出金が承認者によって承認されたか否認されたかを判定する出金判定手段138を実現可能に設けられている。
本実施形態における出金判定手段138は、具体的には、制御部122が承認ファイル134または否認ファイル135のいずれかに承認者がアクセスしたか否かを検出することによって実現可能である。また、出金判定手段138は、承認者に通知を発送してから所定時間経過しても承認者からの返答が無かった場合には、否認されたものと判定する。
【0062】
(結果通知手段)
また、出金予約サーバ102の制御部122は、出金が承認か否認かの結果を名義人に通知する結果通知手段140が実現可能に設けられている。具体的には、制御部122が、出金判定手段138によって判定された承認または否認のいずれかをメール作成・送受信手段132を使って電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段110に記憶されている名義人のメールアドレスに送信する。
【0063】
名義人に通知された結果の例を図7に示す。
この例によれば、電子メールの件名は、結果通知手段140が出金判定手段138によって判定された結果に基づいて承認されたか否認されたかに基づいて作成している。そして、本文には、結果通知手段140が、団体名および承認者氏名を記入して、この承認者によって承認された旨、および予約内容記憶手段128に記憶されている予約内容(出金の内容および金額)について記載する。
【0064】
(出金可否通知送信手段)
そして、出金予約サーバ102の制御部122は、出金が承認か否認かの結果を出金可否通知として金融機関システムサーバ100に送信する出金可否通知送信手段142が実現可能に設けられている。
具体的には、制御部122が、出金判定手段138によって判定された承認または否認のいずれかをメール作成・送受信手段132を使って電子メールに書き込み、この電子メールを、該当する金融機関の金融機関システムサーバ100へ送信する。
【0065】
(結果通知発送手段)
本実施形態の出金予約サーバ102は、通知人Cに対して出金判定手段138によって判定された結果を通知する結果通知発送手段144を実現可能に設けられている。
具体的には、通知人に通知する内容は名義人に通知する内容と同一でよい。したがって、制御部122が、出金判定手段138によって判定された承認または否認のいずれかをメール作成・送受信手段132を使って電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段110に記憶されている通知人のメールアドレスに送信するように実行すればよい。
【0066】
(振込先記憶手段)
出金予約サーバ102には、出金内容が振り込みであった場合において、振込先情報を記憶させる振込先記憶手段160が設けられている。振込先記憶手段160に記憶される振込先情報としては、振込先の銀行名、口座種類、口座名義、口座番号等がある。振込先記憶手段160は、ハードディスク等の記憶装置124に構築されている。
【0067】
(振り込み実績評価手段)
出金予約サーバ102の制御部122は、出金予約手段126に入力された出金内容が振り込みであった場合に、振込先が過去に振り込んだ事がある振込先であれば、承認者の承認を得なくても振り込み可能に制御する振り込み実績評価手段162が実現可能に設けられている。
【0068】
具体的には、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段126に入力された出金内容が振り込みか、出金かを判断する。振り込みであると判断した場合は、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段126に入力された振込先が、振込先記憶手段160に記憶されている振込先情報に一致するものがあるか否かを比較する。そして、出金予約手段126に入力された振込先と一致する振込先があれば、振り込み実績評価手段162は、通知発送手段130による承認者への通知の発送を実行しないように制御する。さらに、振り込み実績評価手段162は、承認者からの承認、否認の判定が無くても、自動的に金融機関システムサーバ100へ出金可とする内容の出金可否通知を発送するように出金可否通知送信手段142を制御する。
【0069】
一方、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段126に入力された振込先が、振込先記憶手段160に記憶されている振込先情報に一致するものがあるか否かを比較した結果、出金予約手段126に入力された振込先と一致する振込先が過去に無ければ、通常通りの動作を実行する。
すなわち、振り込み実績評価手段162によって、出金予約された振込先が、過去に振り込んだ実績が無い振込先であることが判明した場合には、制御部122が、予約内容記憶手段128に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段110に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する。
そして、承認者の返答に基づいて、名義人が希望した出金が承認者によって承認されたか否認されたかを出金判定手段138が判定する。
【0070】
このように過去に一度でも振り込んだことがある振込先に対しては、振り込め詐欺等の問題は生じないものと推定して承認者の承認が無くても出金を可能とすることによって、安全と考えられる場合において迅速な振り込み操作が期待できる。
【0071】
(第1の実施形態の詳細な動作)
以下、図8に基づいて本実施形態の金融機関システムサーバ内の動作フローについて説明する。
出金予約サーバ102から発送された出金可否通知を金融機関システムサーバ100が受信すると、可否データ記憶手段118に出金可否通知の内容が記憶される(ステップS1)。
【0072】
そして、金融機関システムサーバ100の無効解除手段107は、送信されてきた出金可否通知の内容に基づいて、出金の可否を判断する(ステップS2)。出金が可であるとの判断がされると、無効解除手段107は、無効を解除し、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金操作があったときには操作された通りに出金を行わせる(ステップS3,S4)。
【0073】
ステップS4において、出金が完了すると制御部112は可否データ記憶手段118に記憶されている可否データを消去する(ステップS5)。
なお、制御部112には、可否データ記憶手段118内の可否データを、所定時間経過後には、出金の有無にかかわらずに自動的に消去する消去タイマー手段146が設けられている。消去タイマー手段146は、出金予約サーバ102からの出金可否通知が可否データ記憶手段118に記憶されると、計時を開始し(ステップS00)、予め設定された時間になると(ステップS01)可否データ記憶手段118に記憶された可否データを制御部112によって消去させる(ステップS5)。予め設定された時間とは、24時間程度を想定している。
【0074】
なお、ステップS4において、出金が完了すると消去タイマー手段146は、計時を終了して、可否データ記憶手段118に記憶された可否データを制御部112によって消去させる(ステップS5)。
【0075】
続いて、ステップS2において出金が否認されていた場合について説明する。
無効解除手段107は、ステップS2において出金が否認されていた場合には、団体・個人別記憶手段120に記憶されているデータ(預金口座が完全に個人の口座であるか、または任意団体の口座であるかの別を表すデータ)に基づいて、該当する口座が個人のものか、任意団体のものかを判断する(ステップS6)。
【0076】
該当する口座が任意団体のものであれば、ステップS5に移行して可否データ記憶手段118に記憶された可否データを制御部112によって消去させ、出金はさせない。
一方、該当する口座が個人のものであれば、ステップS7に移行して、無効解除手段107は該当する口座が個人のものであると判断したときから所定時間を計時するように計時を開始する。予め設定された時間とは3時間程度を想定している。
【0077】
なお、図7では、待機出金タイマT2と図示しているが、このように無効解除手段107とは別個に、口座が個人のものである場合に所定時間を計時する待機出金タイマー手段を制御部112に設けてもよい。
【0078】
無効解除手段107は、口座が個人のものである場合であれば、所定時間経過後に無効を解除し(ステップS8)、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金操作があったときには操作された通りに出金を行わせる(ステップS3,S4)。個人の場合には、振り込め詐欺や還付金詐欺を防止するためのものであるから、所定時間経過するうちに名義人も冷静になっていることを期待し、かつ所定時間経過してもなお名義人が出金したいと希望している場合には、後は自己責任として出金を認めるようにしたものである。
【0079】
ただし、無効解除手段107は、所定時間経過前であっても、名義人からの要請があった場合には、無効を解除してもよい(ステップS9)。具体的には、個人口座の名義人が金融機関窓口に出金を認めさせる要請書を提出することにより、金融機関の職員が預金口座操作用端末50を操作して、緊急無効解除命令を金融機関システムサーバ100に送信する。金融機関システムサーバ100が緊急無効解除命令を受信すると、無効解除手段107は、所定時間経過前であっても無効を解除し、ATM40または預金口座操作用端末50からの出金操作があったときには操作された通りに出金を行わせる(ステップS3,S4)。
【0080】
(予約口座の登録)
次に、予め出金予約をして承認を得られなければ出金できない口座(予約口座)を登録するための動作を説明する。
名義人は、出金予約サーバ102に対して取引金融機関名、口座番号、団体または個人のいずれか、名義人の住所・氏名、承認者の連絡先・氏名、および通知人の連絡先・氏名をメールまたはFAX等で連絡する。
このとき、名義人は、金融機関システムサーバ100において出金可否通知を記憶させておく時間を設定することができ、また口座が個人の場合であれば、無効を解除するまでの所定時間も設定することができる。
【0081】
出金予約サーバ102は、名義人からの連絡に基づき、金融機関・口座記憶手段108や連絡先記憶手段110に取引金融機関名、口座番号、名義人の住所・氏名、承認者の連絡先・氏名、および通知人の連絡先・氏名を記憶する。
【0082】
また、出金予約サーバ102は、名義人から連絡があった口座の有無を金融機関に確認し、また口座番号、名義人の住所・氏名に重複がないかどうかを確認する。
もし、確認の結果、不備があった場合にはその旨を名義人に連絡する。
【0083】
なお、連絡先記憶手段110に記憶された承認者および通知人のメールアドレスには、承認および通知についての確認のメールを自動的に送信するように制御部122が制御する。
確認のメールについては、上述したように承認者へのメールに「承認」ボタンと「否認」ボタンを設けたように、承認者および通知人となることについての「了解」ボタンと「拒絶」ボタンを設け、ワンクリックで了解または拒絶の有無をしやすくするとよい。
【0084】
出金予約サーバ102は、不備が無い場合には、金融機関システムサーバ100に対して該当する口座を予約口座(出金予約をして承認者に承認を得てから出金させる口座)に変更させるように、予約口座申請通知を発送する。予約口座申請通知は、電子メールで行うとよい。
金融機関システムサーバ100においては、出金予約サーバ102からの予約口座申請通知の内容に基づいて、所定口座記憶手段105に予約口座とする口座の口座番号を記憶させ、団体・個人別記憶手段120には予約口座が個人か任意団体かを記憶させる。
【0085】
金融機関システムサーバ100は、所定口座記憶手段に、予約口座の口座番号を記憶させて、無効手段106による出金操作の無効を設定した後に、出金予約サーバ102に変更完了通知を送信する。
この変更完了通知を受信した出金予約サーバ102は、名義人に対して登録完了通知を電子メール等で送信する。
【0086】
(予約口座の解除)
予約口座を解除する場合には、名義人が、解除する旨を出金予約サーバ102に送信する。出金予約サーバ102は、解除についての承認を承認者から得るために、解除確認メールを承認者に送信する。
出金予約サーバ102は、承認者からの解除に対する返信を受信し、解除が承認された場合には、金融機関システムサーバ100へ予約口座解除通知を送信する。
【0087】
金融機関システムサーバ100では、予約口座解除通知を受信すると、所定口座記憶手段105に記憶されている口座番号を削除し、また団体・個人別記憶手段120内に記憶されているこの口座が個人か任意団体かについてのデータも削除する。
金融機関システムサーバ100は、これら予約口座に関するデータを削除すると、出金予約サーバ102に解除完了通知を送信する。
この解除完了通知を受信した出金予約サーバ102は、名義人に対して解除完了通知を電子メール等で送信する。
【0088】
(第2の実施形態の概略構成)
図9に本実施形態の全体構成の概略を示し、これに基づいてシステム全体の概略を説明する。
本実施形態では、各金融機関内に設けられるかまたは金融機関外部のシステム管理会社内に設置された金融機関システムサーバ30と、金融機関システムサーバ30に専用通信回線によって通信可能に接続されたATM(現金自動預け払い機:Automated Teller Machine)40と、金融機関システムサーバ30に専用通信回線によって通信可能に接続された預金口座操作用端末50とを備えている。なお、本明細書および特許請求の範囲で言うATM40は、引き出しと残高照会のみを行えるキャッシュディスペンサー(現金自動支払機)を含めた概念であるとして説明する。
【0089】
金融機関システムサーバ30は、金融機関内の預金口座を管理しており、預金口座に関する様々なデータをデータベース化した顧客データベース32を有している。
顧客データベース32は、顧客毎に顧客ファイル35を形成している。顧客ファイル35の例を図10に示す。この例に示すように、顧客ファイル35には、預金口座の名義人氏名、名義人の住所、名義人の電話番号、口座を開設した金融機関の支店名、口座の種類、口座番号、暗証番号、口座残高、および取引履歴が記憶されている。
【0090】
また、本発明では、預金口座が任意団体における口座である場合(以下、団体預金口座と称する場合がある)、金融機関システムサーバ30の顧客データベース32内または顧客データベース32とは別個に名義人の連絡先(電話番号ではなく、自動的にデータ送信可能な連絡先:例えば、メールアドレスまたはFAX番号等)、および承認者の連絡先(電話番号ではなく、自動的にデータ送信可能な連絡先:例えば、メールアドレスまたはFAX番号等)を記憶した連絡先記憶手段33を備えている。
ただし、連絡先記憶手段33は、顧客データベース32と一体に構成されていて、顧客ファイル35の一部であってもよい。
【0091】
連絡先記憶手段33の一例を図11に示す。
本実施形態では、名義人および承認者の連絡先として携帯電話のメールアドレスを想定している。そして、承認者としては3名の氏名とそれぞれのメールアドレスが記憶されている。
なお、承認者とは、団体預金口座からの出金を承認する権限を有する者であり、当該団体の役員等の中から予め設定しておく必要がある。
【0092】
なお、ATM40は、名義人が操作することで金融機関システムサーバ30にアクセスし、預金口座からの引き出しや振込み(出金)、預金口座への預け入れ(入金)が可能である。ATM40の操作には、名義人が所有するキャッシュカードや預金通帳を挿入することが必要であり、操作の際には名義人は暗証番号を入力することによって本人確認を行っている。
【0093】
預金口座操作用端末50は、金融機関内部で金融機関職員が操作するように設けられている端末であり、窓口に来店した名義人の要請により金融機関職員が操作する。預金口座操作用端末50は、金融機関職員が操作することで金融機関システムサーバ30にアクセスし、預金口座からの引き出しや振込み(出金)、預金口座への預け入れ(入金)が可能である。預金口座操作用端末50の操作においては、窓口において本人確認ができているということもあり、暗証番号等の入力をしなくとも金融機関職員がそのまま操作を行うことができる。
【0094】
本発明では、団体預金口座に対しては、ATM40および預金口座操作用端末50で名義人が出金操作をした場合であっても、その出金操作が無効となるように設定されている。
出金操作の無効の設定は、名義人がATM40でキャッシュカードや預金通帳を挿入し、暗証番号を入力した後、ATM40が金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスして当該口座が団体預金口座であることを認識したとき、ATM40における出金操作が無効となるように制御される。
【0095】
また、預金口座操作用端末50の場合、名義人が金融機関窓口で金融機関職員に名義人が出金を指示し、金融機関職員が指示にしたがって預金口座操作用端末50を操作して金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスして当該口座が団体預金口座であることを認識したとき、預金口座操作用端末50における出金操作が無効となるように制御される。
【0096】
(概略動作)
ここで、図9に基づいて、本発明における概略動作を説明する。ただし、前提として、所定の団体預金口座については、上述したように名義人がそのままATM40を操作したり、金融機関の窓口で出金手続きをして預金口座操作用端末50を金融機関の職員がその操作をしても無効となるように予め設定しておくことが必要になる。
【0097】
このような団体預金口座において、出金をしようとする場合、まず、団体預金口座の名義人Aは、ATM40や金融機関に出向く前に、自分の携帯電話20を操作し、金融機関システムサーバ30にインターネット経由等でアクセスする。名義人Aは、金融機関システムサーバ30の予約画面へ出金内容の入力と出金額の入力を行う(動作1)。
【0098】
金融機関システムサーバ30では、入力された団体預金口座の名義人が希望する出金内容と金額とを記載した電子メールを承認者Bの携帯電話21へ送信する(動作2)。上述した図11のように複数の承認者が記憶されている場合、金融機関システムサーバ30ではいずれか1人の承認者をランダムで選択するようにする。
承認者Bは、受信した電子メールの内容を見て、承認するか否認するかを判断し、金融機関システムサーバ30に承認するか、否認するかを返答する(動作3)。返答は、電子メールを返信してもよいし、金融機関システムサーバ30に直接アクセスするような後述する方法によってもよいし、FAXによってもよい。
【0099】
承認者Bからの返答を受信した金融機関システムサーバ30は、承認者Bの承認または否認を判断し、その結果を名義人へ電子メールで送信する(動作4)。
動作4では、承認者Bからの承認・否認の結果の通信は、電子メールでなくともよく、FAX、自動音声による電話であってもよい。
【0100】
承認者Bの承認を得た金融機関システムサーバ30は、ATM40と預金口座操作用端末50へ、承認された情報を送信する(動作5)。
承認された情報としては、団体預金口座の名義人、出金内容および出金金額である。ATM40ではこれらの情報を受けると、団体預金口座における出金操作の無効を解除し、名義人が出金操作をすれば(動作6)有効に出金がなされるように動作する。また、預金口座操作用端末50においても、金融機関職員が出金操作をすれば有効に出金がなされるように動作する。
【0101】
次に、本実施形態のシステムの具体的構成について説明する。
(金融機関システムサーバ)
ここでは、名義人および承認者はそれぞれ携帯電話を所有しており、名義人および承認者は携帯電話で金融機関システムサーバ30に接続するものとする。
金融機関システムサーバ30の具体的構成について図12に基づいて説明する。
金融機関システムサーバ30は、CPUおよびメモリを含み、ソフトウェアプログラムを実行することによって各制御を行うことができる制御部36と、データや制御プログラム(ソフトウェア)を記憶し、上述した顧客データベース32および連絡先記憶手段33が構築されているハードディスク等の記憶装置37とを備えている。
また、金融機関システムサーバ30には、インターネット回線や専用通信回線に接続可能な、通信ポート38が設けられている。
【0102】
(出金予約手段)
金融機関システムサーバ30の制御部36は、団体預金口座から名義人が出金を希望する際に、ATM40や金融機関の窓口に行く前にインターネット上で出金の予約を行う出金予約手段42を実現可能に設けられている。
具体的には、金融機関システムサーバ30は、WEBサーバ機能を有しており、インターネットを介してアクセスしてきた名義人に対して出金予約画面43(図5参照)を表示させる。このとき、名義人はインターネット接続可能なWEBブラウザ付きの携帯電話でアクセスしてもよいし、インターネット接続可能なWEBブラウザ付きのコンピュータでアクセスしてもよい。
【0103】
出金予約画面43では、現在の残高が表示されており、出金可能額の認識が可能である。出金予約画面43にアクセスした名義人は、携帯電話20等を操作して希望する出金の内容(振り込みまたは引き出しのいずれかの選択および振り込み先または用途)と、出金の金額とを入力することができる。
入力された出金の内容と出金の金額は、出金予約手段42における予約内容記憶手段44に記憶される。
【0104】
(通知発送手段)
また、金融機関システムサーバ30の制御部36は、出金予約手段42によって予約内容記憶手段44に記憶された内容を承認者に通知する通知発送手段46を実現可能に設けられている。
具体的には、金融機関システムサーバ30には、電子メールを送受信可能なメール作成・送受信手段47が設けられており、制御部36が、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する。なお、メール作成・送受信手段としては、金融機関システムサーバ30外部のメールサーバであってもよい。
【0105】
なお、通知発送手段46は、予め複数設定された承認者の中からいずれか1人を選択する機能を有している。選択の方法はランダムで実行するようにする。このようにすれば、名義人にしてみれば誰が承認者となるか分からないので、前もって名義人と承認者が共謀することを防止できる。
【0106】
ここで、承認者に発送される電子メールの例は図6に示した通りであり、電子メールの内容についての説明は省略する。
電子メールの本文下の「承認する」ボタン48と、「否認する」ボタン49の2つのボタン48,49は、それぞれ金融機関システムサーバ30の承認ファイル51、または否認ファイル52にリンクするように設定されており、承認者が「承認する」ボタン48を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に金融機関システムサーバ30の承認ファイル51にアクセスするように設けられている。承認者が「否認する」ボタン49を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に金融機関システムサーバ30の否認ファイル52にアクセスするように設けられている。
【0107】
(返答受信手段)
金融機関システムサーバ30の制御部36は、承認者から出金についての承認または否認の返答を受信する返答受信手段53を実現可能に設けられている。
上記のように、発送されたメールに設けられているリンクボタン48,49によって、承認者が返答をする場合、承認ファイル51および否認ファイル52のいずれかへのアクセスが返答となるため、この例では承認ファイル51および否認ファイル52が返答受信手段53に該当する。
【0108】
なお、返答受信の方法としては、承認者の携帯電話から金融機関システムサーバの1つの返答用ファイルにアクセスするようにして、このとき承認か否認かのパラメータを返すように構成してもよい。
【0109】
(出金判定手段)
さらに、金融機関システムサーバ30の制御部36は、返答受信手段53が受信した承認者からの返答に基づいて、名義人が希望した出金が承認者によって承認されたか否認されたかを判定する出金判定手段54を実現可能に設けられている。
本実施形態における出金判定手段54は、具体的には、制御部36が承認ファイル51または否認ファイル52のいずれかに承認者がアクセスしたか否かを検出することによって実現可能である。また、出金判定手段53は、承認者に通知を発送してから所定時間経過しても承認者からの返答が無かった場合には、否認されたものと判定する。
【0110】
(結果通知手段)
また、金融機関システムサーバ30の制御部36は、出金が承認か否認かの結果を名義人に通知する結果通知手段55が実現可能に設けられている。具体的には、制御部36が、出金判定手段54によって判定された承認または否認のいずれかをメール作成・送受信手段47を使って電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている名義人のメールアドレスに送信する。
【0111】
名義人に通知された結果の例を図7に示されている通りであり、この例によれば、電子メールの件名は、結果通知手段55が出金判定手段54によって判定された結果に基づいて承認されたか否認されたかに基づいて作成している。そして、本文には、結果通知手段55が、団体名および承認者氏名を記入して、この承認者によって承認された旨、および予約内容記憶手段44に記憶されている予約内容(出金の内容および金額)について記載する。
【0112】
(承認済み内容送信手段)
そして、金融機関システムサーバ30の制御部36は、承認者の承認が得られた出金予約について、予約内容記憶手段44に記憶されている出金内容および出金金額をATM40と預金口座操作用端末50へ送信する承認済み内容送信手段41を実現可能に設けられている。
承認済み内容送信手段41が、承認された出金内容および出金金額をATM40と預金口座操作用端末50へ送信すると、これらを受信したATM40と預金口座操作用端末50では出金操作の無効が解除され、名義人がATM40または金融機関の窓口で出金が行えるようになる(詳しくは後述する)。
【0113】
(振込先記憶手段)
金融機関システムサーバ30には、出金内容が振り込みであった場合において、振込先情報を記憶させる振込先記憶手段160が設けられている。振込先記憶手段160に記憶される振込先情報としては、振込先の銀行名、口座種類、口座名義、口座番号等がある。振込先記憶手段160は、ハードディスク等の記憶装置37に構築されている。
【0114】
(振り込み実績評価手段)
金融機関システムサーバの制御部36は、出金予約手段42に入力された出金内容が振り込みであった場合に、振込先が過去に振り込んだ事がある振込先であれば、承認者の承認を得なくても振り込み可能に制御する振り込み実績評価手段162が実現可能に設けられている。
【0115】
具体的には、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段42に入力された出金内容が振り込みか、出金かを判断する。振り込みであると判断した場合は、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段42に入力された振込先が、振込先記憶手段160に記憶されている振込先情報に一致するものがあるか否かを比較する。そして、出金予約手段42に入力された振込先と一致する振込先があれば、振り込み実績評価手段162は、通知発送手段46による承認者への通知の発送を実行しないように制御する。さらに、振り込み実績評価手段162は、承認者からの承認、否認の判定が無くても、自動的に予約内容記憶手段44に記憶されている出金内容および出金金額をATM40と預金口座操作用端末50へ送信するように、承認済み内容送信手段41を制御する。
【0116】
一方、振り込み実績評価手段162は、出金予約手段42に入力された振込先が、振込先記憶手段160に記憶されている振込先情報に一致するものがあるか否かを比較した結果、出金予約手段42に入力された振込先と一致する振込先が過去に無ければ、通常通りの動作を実行する。
すなわち、振り込み実績評価手段162によって、出金予約された振込先が、過去に振り込んだ実績が無い振込先であることが判明した場合には、制御部36が、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する。
そして、承認者の返答に基づいて、名義人が希望した出金が承認者によって承認されたか否認されたかを出金判定手段54が判定する。
【0117】
このように過去に一度でも振り込んだことがある振込先に対しては、振り込め詐欺等の問題は生じないものと推定して承認者の承認が無くても出金を可能とすることによって、安全と考えられる場合において迅速な振り込み操作が期待できる。
【0118】
(ATM)
次に、図13に基づいてATM40の構成について説明する。
ATM40は、専用通信回線によって金融機関システムサーバ30に接続されており、名義人の操作によって、金融機関システムサーバ30内の顧客データベース32に記憶されている預金口座から出金(引き出しや振り込み)および預金口座へ入金することができる。
【0119】
ATM40は、出入金操作をしようとする者(預金口座の名義人)が操作する操作スイッチ61と、預金口座に関する情報や操作スイッチの操作を表示する表示部62とを備えている。なお、表示部62がタッチパネルであって、表示部62と操作スイッチ61とが兼用となっていてもよい。
さらに、ATM40内部には、CPUおよびメモリから構成される制御部64が設けられており、制御部64は、ATM30の動作全体を統括制御する。
また、ATM40内部には制御部64に接続された金銭貯留部65が設けられており、預け入れの際には金銭貯留部65に金銭が貯留され、引き出しの際には金銭貯留部65に貯留された金銭が名義人に引き渡される。
【0120】
制御部64には、キャッシュカードまたは預金通帳からデータを読み取り、およびデータを書き込むリーダライタ66が接続されている。
読み出されたデータに基づいて、制御部64は、金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスして、名義人の指示に基づく操作が行われる。また、ATM40には、金融機関システムサーバ30へ専用通信回線を通じて通信する通信ポート67が設けられている。
【0121】
ATM40の制御部64は、ATM40の表示部62に対して名義人が実行可能なメニューを選択可能に表示しており、名義人が表示されたメニューの中から実行する操作を選択した該当する操作スイッチ61を操作すると、制御部64では操作された操作スイッチ61のメニューに該当する動作を実行する。
【0122】
例えば、操作スイッチ61が操作されて出金(引き出しまたは振り込み)が選択された場合には、制御部64はまずキャッシュカードか預金通帳の挿入を表示部62から指示する。名義人がキャッシュカードか預金通帳を挿入すると、ATM40内では、リーダライタ66がキャッシュカードまたは預金通帳に設けられている磁気テープまたはICを読み取って預金口座の口座番号を入手する。
【0123】
そして、ATM40の制御部64は、名義人に暗証番号を入力するように促す表示を表示部62に行わせる。名義人が、操作スイッチ61を操作して暗証番号を入力すると、制御部64は金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスし、入手した口座番号に基づいて該当する顧客ファイル35を読み出す。
制御部64は、入力された暗証番号と金融機関システムサーバ30の顧客ファイル35に記憶されている暗証番号とを比較し、一致していれば正当な名義人であるとみなし、不一致であれば正当な名義人ではなく、出金ができないように制御する。
【0124】
ただし、暗証番号不一致の場合には、暗証番号を忘れたり勘違いしている場合もあるため、制御部64は予め設定された回数だけ暗証番号の入力を促す事ができる。この予め設定された回数全て暗証番号が違っていた場合には、制御部64は、「窓口にお問い合わせください」との表示を表示部62にさせ、処理を中止する。
【0125】
なお、本発明におけるATM40は、団体預金口座について名義人が出金操作をしようとした場合、その操作が無効となるように設定されている。すなわち、制御部64が無効手段70を実現化している。
無効手段70について説明する。団体の名義人によって、ATM40の出金操作が選択されると、制御部64はまずキャッシュカードか預金通帳の挿入を指示する表示を表示部62に行わせる。名義人がキャッシュカードか預金通帳を挿入すると、ATM40内では、リーダライタ66がキャッシュカードまたは預金通帳に設けられている磁気テープまたはICを読み取って預金口座の口座番号を入手する。
【0126】
そして、ATM40の制御部64は、名義人に暗証番号を入力するように促す表示を表示部62に行わせる。名義人が、操作スイッチ61を操作して暗証番号を入力すると、制御部64は金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスし、入手した口座番号に基づいて該当する顧客ファイル35を読み出す。
ここまでは、通常の預金口座における出金の動作と同様である。
【0127】
制御部64が、アクセスした顧客ファイル35に基づいて、出金要求があった口座が団体預金口座であることを認識すると、制御部64は暗証番号の確認をせずに、「承認者の承認を得てください」との表示を表示部62にさせ、処理を中止する。
【0128】
ただし、ここでATM40の制御部64は、暗証番号の確認をしてもよい。例えば、制御部40は、ATM40で入力された暗証番号と金融機関システムサーバ30の顧客ファイル35に記憶されている暗証番号とを比較して暗証番号が一致している場合に、「承認者の承認を得てください」との表示を表示部62にさせ、処理を中止し、暗証番号が不一致の場合に、「窓口にお問い合わせください」との表示を表示部62にさせ、処理を中止してもよい。
【0129】
また、ATM40の制御部64は、無効解除手段72を実現可能に設けられている。
本実施形態におけるATM40の無効解除手段72は、団体預金口座において承認者からの承認を得られた場合には、出金操作の無効を解除して有効に出金がされるように制御する。
具体的には、団体預金口座において名義人が出金予約した内容で承認者からの承認が得られた場合、金融機関システムサーバ30の承認済み内容送信手段41は、ATM40へ当該団体預金口座の口座番号と、出金内容と、出金金額を送信する。
【0130】
承認が得られた口座番号と出金内容と出金金額をATM40の制御部64が受信すると、制御部64は予約記憶手段74にこれらの内容を記憶させておく。
一方、当該団体預金口座の名義人がATM40で出金を行おうとした場合、名義人は操作スイッチ61を操作して出金を選択する。制御部64は、キャッシュカードか預金通帳の挿入を指示する表示を表示部62に行わせる。名義人がキャッシュカードか預金通帳を挿入すると、ATM40内では、リーダライタ66がキャッシュカードまたは預金通帳に設けられている磁気テープまたはICを読み取って預金口座の口座番号を入手する。
【0131】
次に、制御部64は、名義人に暗証番号を入力するように促す表示を表示部62に行わせる。名義人が、操作スイッチ61を操作して暗証番号を入力すると、制御部64は金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスし、入手した口座番号に基づいて該当する顧客ファイル35を読み出す。
制御部64は、入力された暗証番号と金融機関システムサーバ30の顧客ファイル35に記憶されている暗証番号とを比較し、一致していれば正当な名義人であるとみなし、不一致であれば正当な名義人ではなく、出金ができないように制御する。
【0132】
ただし、この場合も暗証番号不一致の場合には、暗証番号を忘れたり勘違いしている場合もあるため、制御部64は予め設定された回数だけ暗証番号の入力を促す事ができる。この予め設定された回数全て暗証番号が違っていた場合には、制御部64は、「窓口にお問い合わせください」との表示を表示部62にさせ、処理を中止する。
【0133】
そして、暗証番号が一致した場合、制御部64は、入手した口座番号と予約記憶手段74に記憶されている口座番号とを比較し、一致している場合には、無効手段70による無効を解除する。そして、制御部64は、予約記憶手段74に記憶されている出金内容に基づいて該当する出金額を出金するように動作する。このとき、制御部64は、「予約された内容で出金する」旨の表示を表示部62に表示させ、ATM40の制御部64は、特に名義人に操作スイッチ等の操作を必要とせずに自動的に予約内容に基づいて処理を実行する。
【0134】
(預金口座操作用端末)
次に、図14に基づいて預金口座操作用端末50の構成を説明する。
預金口座操作用端末50は、通信回線によって金融機関システムサーバ30に接続されており、金融機関職員の操作によって、金融機関システムサーバ30内の顧客データベース32に記憶されている預金口座から出金(引き出しや振り込み)および預金口座へ入金することができる。
【0135】
預金口座操作用端末50は、通常のパーソナルコンピュータと同様の構成をしており、CPUおよびメモリから構成される制御部76、モニタ80、キーボードやマウスからなる入力手段77、ハードディスク等の記憶装置78、通信回線に接続される通信ポート81を備えている。また、預金口座操作用端末50には預金通帳の読み込みおよび書き込みが可能な通帳リーダライタ79が外付けあるいは内蔵されている。
制御部76は、予め記憶装置78にインストールされた制御プログラムが読み込まれることによって預金口座操作用端末50の動作全体を統括制御する。
【0136】
預金口座操作用端末50が金融機関職員によって操作される際には、ATM40とは異なり、暗証番号の入力は必要なく、通帳リーダライタ79に預金通帳を読み込ませて制御部76が預金通帳の磁気テープ等から口座番号を入手する。
制御部76は金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスし、入手した口座番号に基づいて該当する顧客ファイル35を読み出す。
【0137】
なお、本発明における預金口座操作用端末50は、団体預金口座について名義人が出金操作をしようとした場合、その操作が無効となるように設定されている。すなわち、制御部76が無効手段95を実現化している。
【0138】
顧客ファイル35が、団体預金口座であることを制御部76が認識すると、制御部76は、「承認者の承認を得てください」との表示をモニタ80にさせ、処理を中止する。そして、このモニタ80の表示を見た金融機関職員は、名義人に対して承認を受けるように指示する。これが無効手段95の動作概要である。
【0139】
また、預金口座操作用端末50の制御部76は、無効解除手段82を実現可能に設けられている。
本実施形態における制御部76は、団体預金口座において承認者からの承認を得られた場合には、出金操作の無効を解除して有効に出金がされるように制御する。
具体的には、団体預金口座において名義人が出金予約した内容で承認者からの承認が得られた場合、金融機関システムサーバ30は、預金口座操作用端末50へ当該団体預金口座の口座番号と、出金内容と、出金金額を送信する。
【0140】
承認が得られた口座番号と出金内容と出金金額を制御部76が受信すると、制御部76は予約記憶手段84にこれらの内容を記憶させる。
そして、当該団体預金口座の名義人が金融機関窓口で出金を行おうとした場合、名義人からの指示を受けた金融機関職員は、預金通帳を通帳リーダライタ79に読み取らせて制御部76に口座番号を入手させる。
【0141】
次に、制御部76は、予約記憶手段84に記憶されている口座番号と、預金通帳から読み取った口座番号とを比較し、一致している場合には、予約記憶手段84に記憶されている出金内容に基づいて自動的に出金処理を実行するように動作する。
【0142】
(複数の承認者がいる場合の他の実施形態)
予め、複数の承認者を設定しておいた場合の他の実施形態について、図15のフローチャートに基づいて以下に説明する。
複数の承認者を設定した場合には、上述した実施形態ではその中からいずれか1人を選択し、その1人から通知を発送してから所定時間経過しても返答が得られなかった場合には否認されたとみなすものであった。
しかし、通知を発送してから所定時間経過しても返答が得られなかった場合には、複数の承認者のうち他の承認者を選択して、通知を発送してもよい。
【0143】
すなわち、まず、金融機関システムサーバ30の通知発送手段46は、連絡先記憶手段33に記憶されている複数の承認者のうちのいずれか1人をランダムで選択する(ステップS100)。
そして通知発送手段46は、選択した承認者に対して予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを選択された承認者のメールアドレスに送信する(ステップS102)。
【0144】
通知発送手段46は、通知を発送してから返答受信手段53に所定時間経過しても返答がなかった場合には(ステップS104)、連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のうち先に選択した承認者以外の承認者が存在しているか否かを確認する(ステップS105)。通知発送手段46は、連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のうち先に選択されていない中から別の承認者を再度ランダムで選択する(ステップS107)。
そして、通知発送手段46は、再度選択した承認者に対して予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを選択された承認者のメールアドレスに送信する(ステップS102)。
【0145】
このように、所定時間内に承認者から返答が無かった場合には、承認者を代えて次々と通知を発送することにより、承認者が返答する時間が無かったときや、あるいは金融機関システムサーバ30からの通知に承認者が気が付かなかった場合であっても、承認行為が滞りなく行われる。
【0146】
承認者に通知を発送してから所定時間以内に承認者からの返答があった場合には、出金判定手段54が承認・否認を判定して、結果通知手段55がその旨を名義人に通知する(ステップS106)。
なお、承認者に通知を発送してから所定時間以内に承認者からの返答がなく、まだ通知を送っていない他の承認者もいない場合には(ステップS105)、承認する者がいないので出金判定手段54が否認と判定して、結果通知手段55がその旨を名義人に通知する(ステップS109)。
【0147】
なお、この複数の承認者がいる場合の他の実施形態は、図1から図8に示した第1の実施形態に適用させてもよい。
【0148】
(出金額に対する他の実施形態)
次いで、出金額に対して上限値を設定しておく実施形態について図16および図17に基づいて説明する。
金融機関システムサーバ30には、出金額の上限値を予め設定して記憶する上限値記憶手段86が設けられる。上限値記憶手段86に記憶される上限値の値は、任意に設定変更可能である。また、制御部36は、希望の出金額が上限値以上の場合には、出金を不可とする通知を名義人に発送する不可通知発送手段88を実現可能に設けている。
【0149】
名義人が出金予約画面43から出金希望金額を入力すると、不可通知発送手段88が、上限値記憶手段86に記憶されている上限値と、入力された出金希望金額とを比較する(ステップS200)。
比較の結果、入力された出金希望金額が上限値未満の場合には、通知発送手段46が、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する(ステップS202)。
承認者に通知を送った後の動作は、上述してきた2つの実施形態のいずれかを採用すればよく、ここでは説明を省略する。
【0150】
不可通知発送手段88が、上限値記憶手段86に記憶されている上限値と、入力された出金希望金額とを比較した結果、入力された出金希望金額が上限値以上の場合には、不可通知発送手段88は、「出金不可」の旨を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている名義人のメールアドレスに送信する(ステップS203)。
その後、制御部36は、承認者への通知等をせず、出金予約の動作を終了する。
このようにして、本実施形態では、出金予約の段階で大金が一度に出金されないようにできるので、横領等の犯罪の未然に防ぐことに寄与する。
【0151】
なお、この出金額に対する実施形態は、図1から図8に示した第1の実施形態に適用させてもよい。
【0152】
(出金額に対する他の実施形態)
続いて、上限値記憶手段に上限値を記憶している場合の、他の実施形態を図18および図19に基づいて説明する。
この実施形態では、金融機関システムサーバ30には、出金額の上限値を予め設定して記憶する上限値記憶手段86が設けられ、出金希望金額が上限値以上となった場合には、予め設定された数の承認が必要となる。
【0153】
動作を説明する。
名義人が出金予約画面43から出金希望金額を入力すると、通知発送手段46が、上限値記憶手段に記憶されている上限値と、入力された出金希望金額とを比較する(ステップS300)。
比較の結果、入力された出金希望金額が上限値未満の場合には、通知発送手段46が、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する(ステップS302)。その後、出金判定手段54は、この場合承認は1名分だけ得られれば、承認されたものと結論づける。
【0154】
通知発送手段46は、上限値記憶手段に記憶されている上限値と、入力された出金希望金額とを比較した結果、入力された出金希望金額が上限値以上の場合には、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている複数の承認者のメールアドレスに送信する(ステップS303)。このとき、メール送信する承認者の数は予め設定されて記憶装置37等に記憶しておくとよい。
【0155】
そして、出金判定手段54は、所定時間内に予め設定された数の承認が得られたか否かを判定する(ステップS305)。出金判定手段54は、複数の承認者からの返答を判定し、予め設定された数以上の承認数が得られた場合のみ、出金が承認されたものと判定する。そして、結果通知手段55が承認された旨を名義人に通知する(ステップS307)。
また、予め設定された数未満の承認数しか得られなかった場合(返答が来ない場合も否認とみなす)は、出金判定手段54は、出金が否認されたものと判定する。そして、結果通知手段55が否認された旨を名義人に通知する(ステップS306)。
【0156】
なお、本実施形態のように、出金額が上限値以上の場合に複数の承認者からの承認を得ようとした場合、出金額の多少に応じて、必要とする承認者の数を増減させてもよい。すなわち、出金額が多くなれば、承認者の数を増やすようにするのである。
例えば、金融機関システムサーバ30には、出金額と承認者の数とを対応づけた対応表89を予め作成して記憶装置37に記憶させておき、通知発送手段46は、承認者へ通知を発送する際に、対応表に基づいて承認者の数を決定し、決定した数の承承認者を連絡先記憶手段33から選択し、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている複数の承認者のメールアドレスに送信する。
【0157】
なお、この複数の承認者がいる場合の他の実施形態は、図1から図8に示した第1の実施形態に適用させてもよい。
【0158】
(時間当たりの上限出金回数に関する実施形態)
本実施形態について、図20に基づいて説明する。
本実施形態では、名義人が所定時間内に予め設定された回数以上の出金操作をした場合に、その後一定時間内での出金を禁止する構成を採用している。
具体的には、金融機関システムサーバ30には、実際に団体預金口座から出金がされた回数の所定時間あたりの上限回数を予め記憶している上限回数記憶手段90が設けられている。そして、金融機関システムサーバ30には、この上限回数を超えて出金がされた場合には、それ以降一定時間の出金を禁止するためこの出金禁止時間を記憶している出金禁止時間記憶手段91が設けられている。さらに、制御部36は、出金禁止になる場合にその旨を名義人に通知する出金禁止通知発送手段92が設けられている。
【0159】
動作について説明する。
金融機関システムサーバ30の出金禁止通知発送手段92は、顧客データベース32における1つの団体預金口座からの出金操作が所定時間当たりの上限回数を超えたか否かを常時チェックしている。
そして、1つの団体預金口座からの出金操作が所定時間当たりの上限回数を超えた場合、出金禁止通知発送手段92は、それ以降一定時間の出金を禁止する旨を電子メールに記載し、名義人にこの電子メールを発送する。
【0160】
(名義人および承認者以外に通知を送付する実施形態)
本実施形態の構成を図21に基づいて説明する。
本実施形態では、団体預金口座において、承認を得て正常に出金がされた旨を名義人および承認者以外の団体の構成員に通知する。
【0161】
金融機関システムサーバ30の連絡先記憶手段33には、名義人および承認者以外の通知人の連絡先(本実施形態ではメールアドレス)を予め記憶しておく。通知人としては複数いることが好ましい。
さらに、金融機関システムサーバ30の制御部36には、結果通知発送手段94が設けられており、顧客データベースをチェックして団体預金口座における出金が正常に完了した場合にその旨を電子メールに記載して連絡先記憶手段33の通知人のメールアドレスへその電子メールを発送する。
【0162】
これによって、名義人にとっては多数の監視を受けていることとなり犯罪の抑止効果が生まれる。また、承認者にとっても他の構成員の監視を受けているという意識が働き、安易な承認をせずに慎重な承認が行われることが期待できる。
【0163】
(承認者からの返答が所定時間なかったときの他の実施形態)
上述してきたさまざまな実施形態では、基本的に承認者から所定時間内に返答がなかったときは、否認であるとみなして処理を進めた。
しかし、所定時間内に承認者からの返答がなかったときは、出金判定手段54は、承認されたものとみなして処理をすすめてもよい。この場合は、任意団体の横領防止ではなく、振り込め詐欺事件や、還付金詐欺事件に効果がある。すなわち、承認者からの返答を待つ間に名義人が冷静になって、出金内容が正しいか否かを名義人自らが正確に判断できることを期待できるためである。
【0164】
(電子メール以外の通知)
承認者への通知は電子メールではなく、FAXであってもよい。さらに、承認者の返答もFAXであってもよい。かかる場合、承認者へ送信するFAXは承認・否認をチェックする欄を設け、承認者にはこの承認・否認の欄にチェックをさせてそのままFAXで返信させる。
金融機関システムサーバ30には、スキャナ(図示せず)を設けておき、出金判定手段54は、承認・否認のいずれにチェックが入っているかを認識し、承認または否認を判定する。
【0165】
また、承認されたか否認されたかを名義人に通知する結果通知手段55も名義人に対してFAXで送信してもよい。
【0166】
(金融機関システムサーバの他の形態)
上述してきた実施形態においては、顧客データベース32を有する金融機関システムサーバ30に、上述してきたような、出金予約手段42、予約内容記憶手段44、通知発送手段46、返答受信手段53、出金判定手段54、結果通知手段55および連絡先記憶手段33を設け、名義人からの出金予約の受付と承認者からの承認・否認の返答を受けるようにしてきた。
【0167】
しかし、図22に示すように、顧客データベース32を有する金融機関システムサーバ30にアクセス可能な団体預金口座用システムサーバ99を設け、この団体預金口座用システムサーバ99内に上述してきた出金予約手段42、予約内容記憶手段44、通知発送手段46、返答受信手段53、出金判定手段54、結果通知手段55および連絡先記憶手段33等の各手段を設けてもよい。
かかる場合、団体預金口座用システムサーバ99は、通信回線を通じて金融機関システムサーバにアクセスし、顧客データベース32の内容等を参照することができる。
【0168】
(預金口座の他の対象)
本発明の出入金システムとしては、出金予約と出金予約の承認を得るのは、任意団体における団体預金口座に限定することはなく、高齢者等の個人の預金口座であって誰かの承認があった方が望ましいと考えられる場合にも適用してもよい。
個人の預金口座に本システムを適用させる場合には、最も近い親族、後見人、代理人等を承認者として複数人設定しておくとよい。
【0169】
(名義人が出金予約をしない実施形態)
次に、名義人が出金予約をせず、金融機関職員に出金予約をさせる実施形態について説明する。
図23に、本実施形態の概略構成を示す。
本実施形態では、各金融機関内に設けられるかまたは金融機関外部のシステム管理会社内に設置された金融機関システムサーバ30と、金融機関システムサーバ30に専用通信回線によって通信可能に接続された預金口座操作用端末50とを備えている。
【0170】
金融機関システムサーバ30は、金融機関内の預金口座を管理しており、預金口座に関する様々なデータをデータベース化した顧客データベース32を有している。
顧客データベース32を構成する顧客ファイル35は図2に示した通りであり、上述した実施形態と同一である。
【0171】
また、本実施形態においても、金融機関システムサーバ30の顧客データベース32内または顧客データベース32とは別個に承認者の連絡先(電話番号ではなく、自動的にデータ送信可能な連絡先:例えば、メールアドレスまたはFAX番号等)を記憶した連絡先記憶手段33を備えている。
ただし、連絡先記憶手段33は、顧客データベース32と一体に構成されていて、顧客ファイル35の一部であってもよい。
本実施形態における連絡先記憶手段33においては、上述してきた実施形態とは異なり、名義人の連絡先が記憶されていなくともよい。
【0172】
預金口座操作用端末50は、金融機関内部で金融機関職員が操作するように設けられている端末であり、その構成は図14に示したものと同様であって、ここではその説明は省略する。
【0173】
また、名義人が金融機関窓口で金融機関職員に出金を指示し、金融機関職員が指示にしたがって預金口座操作用端末50を操作して金融機関システムサーバ30の顧客データベース32にアクセスして当該口座が団体預金口座であることを認識したとき、承認者からの承認が得られない限り、預金口座操作用端末50における出金操作が無効となるように設定されている。
【0174】
(概略動作)
ここで、図23に基づいて、本実施形態の概略動作を説明する。
前提として、団体預金口座の名義人が窓口で出金を依頼しても、承認者の承認を得ない限り、その出金操作が無効となるように設けられている。
団体預金口座の名義人Aは、金融機関に出向いて窓口で口座からの出金を指示する(動作1)。
名義人からの指示を受けた金融機関職員は、指示に基づいて預金口座操作用端末50を操作して金融機関システムサーバ30にアクセスする。金融機関システムサーバ30では、予約画面を表示させる。そこで、金融機関職員は、金融機関システムサーバ30の予約画面へ出金内容の入力と出金額の入力を行う(動作2)。
【0175】
金融機関システムサーバ30では、入力された団体預金口座の名義人が希望する出金内容と金額とを記載した電子メールを承認者Bの携帯電話21へ送信する(動作3)。なお、複数の承認者が記憶されている場合、金融機関システムサーバ30ではいずれか1人の承認者をランダムで選択するようにする。
承認者Bは、受信した電子メールの内容を見て、承認するか否認するかを判断し、金融機関システムサーバ30に承認するか、否認するかを返答する(動作4)。返答は、電子メールを返信してもよいし、金融機関システムサーバ30に直接アクセスするような後述する方法によってもよいし、FAXによってもよい。
【0176】
承認者Bからの返答を受信した金融機関システムサーバ30は、承認者Bの承認または否認を判断し、その結果を預金口座操作用端末50のモニタに表示させる(動作5)。
【0177】
さらに、承認者Bの承認を得た金融機関システムサーバ30は、預金口座操作用端末50へ、承認された情報を送信する(動作6)。
承認された情報としては、団体預金口座の名義人、出金内容および出金金額である。これらの情報を受けると預金口座操作用端末50において、金融機関職員が出金操作をすれば有効に出金がなされるように動作する。
【0178】
本実施形態のシステムの具体的構成について説明する。
(金融機関システムサーバ)
金融機関システムサーバ30の具体的構成について、図24に基づいて説明する。
金融機関システムサーバ30は、CPUおよびメモリを含み、ソフトウェアプログラムを実行することによって各制御を行うことができる制御部36と、データや制御プログラム(ソフトウェア)を記憶し、上述した顧客データベース32および連絡先記憶手段33が構築されているハードディスク等の記憶装置37とを備えている。
また、金融機関システムサーバ30には、インターネット回線や専用通信回線に接続可能な、通信ポート38が設けられている。
【0179】
(出金予約手段)
金融機関システムサーバ30の制御部36は、団体預金口座から名義人が出金を希望する際に、預金口座操作用端末50から出金の予約を行う出金予約手段42を実現可能に設けられている。出金予約手段42は、出金予約画面43を預金口座操作用端末50のモニタ80に表示させて、金融機関職員がこの出金予約画面43から名義人の指示通りに出金内容、出金金額を入力する。
入力された出金の内容と出金の金額は、予約内容記憶手段44に記憶される。
【0180】
(通知発送手段)
また、金融機関システムサーバ30の制御部36は、出金予約手段42によって予約内容記憶手段44に記憶された内容を承認者に通知する通知発送手段46を実現可能に設けられている。
具体的には、金融機関システムサーバ30には、電子メールを送受信可能なメール作成・送受信手段47が設けられており、制御部36が、予約内容記憶手段44に記憶された出金内容および出金金額を電子メールに書き込み、この電子メールを連絡先記憶手段33に記憶されている承認者のメールアドレスに送信する。
【0181】
なお、通知発送手段46は、予め複数設定された承認者の中からいずれか1人を選択する機能を有している。選択の方法はランダムで実行するようにする。このようにすれば、名義人にしてみれば誰が承認者となるか分からないので、前もって名義人と承認者が共謀することを防止できる。
【0182】
ここで、承認者に発送される電子メールの例は、図6に示した通りであり、ここでは詳述しない。
なお、電子メールの本文下には、承認者がワンクリックで返信できるように、「承認する」ボタン48と、「否認する」ボタン49の2つが設けられている。
これらのボタン48,49は、それぞれ金融機関システムサーバ30の承認ファイル51、または否認ファイル52にリンクするように設定されており、承認者が「承認する」ボタン48を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に金融機関システムサーバ30の承認ファイル51にアクセスするように設けられている。承認者が「否認する」ボタン49を押下すると、承認者の携帯電話21が自動的に金融機関システムサーバ30の否認ファイル52にアクセスするように設けられている。
【0183】
(返答受信手段)
金融機関システムサーバ30の制御部36は、承認者から出金についての承認または否認の返答を受信する返答受信手段53を実現可能に設けられている。
上記のように、発送されたメールに設けられているリンクボタン48,49によって、承認者が返答をする場合、承認ファイル51および否認ファイル52のいずれかへのアクセスが返答となるため、この例では承認ファイル51および否認ファイル52が返答受信手段53に該当する。
【0184】
なお、返答受信の方法としては、承認者の携帯電話から金融機関システムサーバの1つの返答用ファイルにアクセスするようにして、このとき承認か否認かのパラメータを返すように構成してもよい。
【0185】
(出金判定手段)
さらに、金融機関システムサーバ30の制御部36は、返答受信手段53が受信した承認者からの返答に基づいて、名義人が希望した出金が承認者によって承認されたか否認されたかを判定する出金判定手段54を実現可能に設けられている。
本実施形態における出金判定手段54は、具体的には、制御部36が承認ファイル51または否認ファイル52のいずれかに承認者がアクセスしたか否かを検出することによって実現可能である。また、出金判定手段53は、承認者に通知を発送してから所定時間経過しても承認者からの返答が無かった場合には、否認されたものと判定する。
【0186】
ただし、出金判定手段53は、承認者に通知を発送してから所定時間経過しても承認者からの返答が無かった場合には、承認されたものと判定してもよい。
【0187】
(結果表示手段)
また、金融機関システムサーバ30の制御部36は、出金が承認か否認かの結果を預金口座操作用端末50のモニタ80に表示させる結果表示手段96を備えている。
この表示を見た金融機関職員は、出金が承認されればそのまま処理を続行すればよいし、否認されていればその旨を名義人に口頭で伝える。
【0188】
(承認済み内容送信手段)
そして、金融機関システムサーバ30の制御部36は、承認者の承認が得られた出金予約について、予約内容記憶手段44に記憶されている出金内容および出金金額を預金口座操作用端末50へ送信する承認済み内容送信手段41を実現可能に設けられている。
承認済み内容送信手段41が、承認された出金内容および出金金額を預金口座操作用端末50へ送信すると、これらを受信した預金口座操作用端末50では出金操作の無効が解除され、名義人がATM40または金融機関の窓口で出金が行えるようになる。
【0189】
すなわち、図14に示したように、預金口座操作用端末50の制御部76は、団体預金口座において承認者からの承認を得られた場合には、出金操作の無効を解除して有効に出金がされるように制御する。
承認済み内容送信手段41によって、承認が得られた口座番号と出金内容と出金金額が送信されて、制御部76が受信すると、制御部76は予約記憶手段84にこれらの内容を記憶させる。
【0190】
そして、預金通帳を通帳リーダライタ79に読み取らせて制御部76に口座番号を入手させたとき、制御部76は、予約記憶手段84に記憶されている口座番号と、預金通帳から読み取った口座番号とを比較し、一致している場合には、予約記憶手段84に記憶されている出金内容に基づいて自動的に出金処理を実行するように動作する。
【0191】
なお、このように名義人が直接入金予約をしない実施形態においても、図15〜図22に示した各形態を適用させることができる。
【0192】
(暗証番号についての実施形態)
なお、名義人が承認者の携帯電話を盗んでしまえば、出金予約と出金予約に対する承認を1人で行うことができるので、不正な出金を阻止できない。
そこで、予約内容記憶手段44に記憶された内容が記載されたメールを承認者が開くとき、予め設定されて各承認者しか知らされていない暗証番号を入力させ、暗証番号が一致しないと、メールを開くことができないように設けられていてもよい。
この場合、金融機関システムサーバでは、予め承認者一人一人に対して異なる暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段を設けておき、通知発送手段は、いずれかの承認者へメールを発送する際に当該承認者に該当する暗証番号を暗証番号記憶手段から読み出して、この暗証番号でメールにロックをかける。
【0193】
また、名義人が出金予約をするときも、暗証番号を入力しなければ出金予約画面が表示されないように、設けても良い。かかる場合も、金融機関システムサーバでは、予め名義人に対して暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段を設けておき、出金予約手段は、名義人がアクセスしてきたときに、暗証番号を入力するように名義人に促し、入力された暗証番号が暗証番号記憶手段に記憶されている暗証番号と一致しているか否かを参照する。名義人が入力した暗証番号が予め記憶されていた暗証番号と一致していれば、出金予約手段は出金予約画面を名義人の携帯電話等に表示させ、暗証番号が不一致であれば予約できない旨を名義人の携帯電話等に表示させる。
【0194】
なお、このような暗証番号についての実施形態は、図1から図8に示した第1の実施形態に適用させてもよい。
【0195】
(第1の実施形態における出金予約サーバの他の実施形態)
次に、出金予約サーバを任意団体内での各構成員どうしの通信に用いるようにしてもよい。
このように用いる場合の出金予約サーバの内部構成について図25に基づいて説明する。
出金予約サーバ102の制御部122は、名義人からのモード変更命令が入力されるとモード変更するモード変更手段150を備えており、出金予約モードから、の各構成員どうしの通信ができるモード、例えばメールマガジン発信モードまたは集計モードに動作が切り替わる。
【0196】
モード変更命令の具体例としては、出金予約時の予約画面43に、モード変更を指示するボタンを設けてこのボタンが押下されることがモード変更命令としてモード変更手段150が認識するようにしても良いし、予約画面の出金内容欄等に所定のキーワードや暗証番号等を入力することがモード変更命令としてモード変更手段150が認識するようにしても良い。
【0197】
図25に示すモードの例としては、メールマガジン発信モードと、集計モードの2つの例を挙げている。
名義人がメールマガジン発信モードを指示した場合、メール作成・送受信手段132に名義人が任意の文章を入力可能とし、名義人が入力した文章を連絡先記憶手段100に記憶されている団体の構成員(承認者および通知人)に自動的にメールで送信するように制御部122が制御する。
【0198】
また、名義人が集計モードを指示した場合、制御部122は、名義人が集計を取りたいと思った事項について、メール作成・送受信手段132に名義人が文章として入力可能とする。
そして、制御部122は、名義人によって入力された集計を取りたいと思った事項を連絡先記憶手段100に記憶されている団体の構成員に自動的にメールで送信する。
メールには、図6に示したように、承認ボタンおよび否認ボタンを設けることで、団体の構成員は、判断した結果を容易に返答できる。
【0199】
返答受信手段136で承認か否認かについての返答は、制御部122に設けられている集計手段152によって集計される。集計手段152が集計した結果は、名義人がアクセスして確認できるようにしておくとよい。
【0200】
以上本発明につき好適な実施形態を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【符号の説明】
【0201】
20,21 携帯電話
30 金融機関システムサーバ
30 預金口座操作用端末
32 顧客データベース
33 連絡先記憶手段
35 顧客ファイル
36 制御部
37 記憶装置
38 通信ポート
40 制御部
41 内容送信手段
42 出金予約手段
43 出金予約画面
44 予約内容記憶手段
46 通知発送手段
47 メール作成・送受信手段
48,49 ボタン
50 預金口座操作用端末
51 承認ファイル
52 否認ファイル
53 出金判定手段
53 返答受信手段
54 出金判定手段
55 結果通知手段
61 操作スイッチ
62 表示部
64 制御部
65 金銭貯留部
66 リーダライタ
67 通信ポート
70 無効手段
72 無効解除手段
74 予約記憶手段
76 制御部
77 入力手段
78 記憶装置
79 通帳リーダライタ
80 モニタ
81 通信ポート
82 無効解除手段
84 予約記憶手段
86 上限値記憶手段
88 不可通知発送手段
89 対応表
90 上限回数記憶手段
91 出金禁止時間記憶手段
92 出金禁止通知発送手段
94 結果通知発送手段
95 無効手段
96 結果表示手段
99 団体預金口座用システムサーバ
100 金融機関システムサーバ
102 出金予約サーバ
104 顧客データベース
105 所定口座記憶手段
106 無効手段
107 無効解除手段
108 金融機関・口座記憶手段
110 連絡先記憶手段
122 制御部
124 記憶装置
126 出金予約手段
128 予約内容記憶手段
130 通知発送手段
132 メール作成・送受信手段
134 承認ファイル
135 否認ファイル
136 返答受信手段
138 出金判定手段
140 結果通知手段
142 出金可否通知送信手段
144 結果通知発送手段
146 消去タイマー手段
150 モード変更手段
152 集計手段
160 振込先記憶手段
162 振り込み実績評価手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
預金口座を管理するための顧客データベースを有し、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATM、並びに金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末に通信可能に接続される金融機関システムサーバと、
該金融機関システムサーバに通信可能に設けられた出金予約サーバとを備える出入金システムにおいて、
前記金融機関システムサーバは、
所定の預金口座の口座番号を記憶する所定口座記憶手段と、
所定の預金口座に対しては、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの預金口座に対する引き出しおよび振り込み等の出金操作を無効とする無効手段と、
前記出金予約サーバから、所定の預金口座に対しての出金可否通知を受信した場合、該出金可否通知における出金が可であるときには、前記出金操作の無効を解除する無効解除手段とを備え、
前記出金予約サーバは、
前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、
前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、
該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、
該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、
該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、
該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、
前記出金判定手段によって、出金が承認されたと判定された場合には、出金可とし、出金が否認されたと判定された場合には、出金否とし、出金の可否何れかを記述した出金可否通知を前記金融機関システムサーバに送信する出金可否通知送信手段とを備えることを特徴とする出入金システム。
【請求項2】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを特徴とする請求項1記載の出入金システム。
【請求項3】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記返答受信手段が、所定時間経過後であっても承認者から返信を受信しなかった場合には、複数の承認者のうち先に選択されなかった承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを、前記返答受信手段が、所定時間内に承認者からの返信を受信するまで実行することを特徴とする請求項1記載の出入金システム。
【請求項4】
前記金融機関システムサーバは、
前記出入金予約サーバから、所定の預金口座に対しての出金可否通知を受信した場合、出金可否通知を記憶しておく可否データ記憶部と、
前記出金可否通知を受信してから所定時間経過すると、前記可否データ記憶部から可否データを消去する消去タイマー手段とを備え、
前記無効解除手段は、
前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合には、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否の内容に基づいて無効解除を実行または無効解除を実行しないように制御し、可否データ記憶部に出金可否通知が記憶されていないときは無効解除を実行しないように制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項5】
前記金融機関システムサーバは、
所定の預金口座が口座の名義人名にかかわらず任意団体向けの預金口座か、個人向けの預金口座かを記憶している団体・個人別記憶部が設けられ、
前記無効解除手段は、
前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合に、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否が否認であったときは、前記団体・個人別記憶部に記憶されている該当預金口座の団体向けか個人向けかのデータを抽出し、団体向けである場合は無効解除を実行しないように制御し、個人向けである場合には所定時間経過後に無効解除を実行するように制御することを特徴とする請求項4記載の出入金システム。
【請求項6】
前記無効解除手段は、
前記ATMまたは前記預金口座操作用端末からの出金要請があった場合に、前記可否データ記憶部に記憶されている出金の可否が否認であったときは、前記団体・個人別記憶部に記憶されている該当預金口座の団体向けか個人向けかのデータを抽出し、団体向けである場合は無効解除を実行しないように制御し、個人向けである場合には所定時間経過後に無効解除を実行し、または預金口座操作用端末から緊急無効解除命令が入力された場合には、所定時間経過前であっても無効解除を実行することを特徴とする請求項5記載の出入金システム。
【請求項7】
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段と、
名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金不可である旨の通知を自動的に発送する不可通知発送手段とを具備することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項8】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段が設けられ、
前記通知発送手段は、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記連絡先記憶手段に記憶されている複数の承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、
前記出金判定手段は、前記返答受信手段が受信した返信内容を確認し、予め設定された承認数以上の承認が得られた場合に限り、出金が承認されたと判定することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項9】
前記連絡先記憶手段には、出金の可否を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、
前記出金予約サーバは、
前記出金判定手段によって判定された出金の可否を前記通知人の連絡先に自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項10】
前記出金予約サーバは、
前記連絡先記憶手段に記憶されている連絡先に対して、出金以外の内容のメールを送信可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項11】
前記出金予約サーバは、
名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、振込先の銀行名、口座種類及び口座番号からなる振込先情報を記憶する振込先記憶手段と、
名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、前記振込先記憶手段に記憶されている過去の振込先情報を読み出し、同一の振込先情報が存在する場合には、出金を承認するか否かについての通知を発送しないように前記通知発送手段を制御し、且つ承認者の承認を得ることなく、出金が可である旨を記述した出金可否通知を前記金融機関システムサーバに送信するように前記出金可否通知送信手段を制御する振り込み実績評価手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のうちいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項12】
預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、
該金融機関システムサーバに通信可能に接続され、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATMと、
前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、
所定の預金口座に関しては、前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、
前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、
前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、
該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、
該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、
該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、
該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、
前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続されたATMまたは金融機関内に設置された預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴とする出入金システム。
【請求項13】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを特徴とする請求項12記載の出入金システム。
【請求項14】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記返答受信手段が、所定時間経過後であっても承認者から返信を受信しなかった場合には、複数の承認者のうち先に選択されなかった承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを、前記返答受信手段が、所定時間内に承認者からの返信を受信するまで実行することを特徴とする請求項12記載の出入金システム。
【請求項15】
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段と、
名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金不可である旨の通知を自動的に発送する不可通知発送手段とを具備することを特徴とする請求項12〜請求項14のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項16】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段が設けられ、
前記通知発送手段は、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記連絡先記憶手段に記憶されている複数の承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、
前記出金判定手段が、前記返答受信手段が受信した返信内容を確認し、予め設定された承認数以上の承認が得られた場合には、前記無効解除手段は、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関の金融機関職員による出金操作が有効となるように制御することを特徴とする請求項12〜請求項14のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項17】
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた回数の所定時間あたりの上限回数が予め記憶されている上限回数記憶手段と、
出金を禁止する出金禁止時間が予め記憶されている出金禁止時間記憶手段と、
実際に預金口座から出金がされた回数と、前記所定時間あたりの上限回数とを比較し、実際に預金口座から出金がされた回数が前記上限回数以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金禁止時間が経過するまで出金不可である旨の通知を自動的に発送する出金禁止通知発送手段とを具備することを特徴とする請求項12〜請求項16のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項18】
前記連絡先記憶手段には、出金がされた旨または入金がされた旨の結果を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた場合には、出金がされた旨の結果の通知、または預金口座に入金がされた場合には入金がされた旨の通知を自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴とする請求項12〜請求項17のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項19】
前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して、前記所定の預金口座について、出金予約手段によって名義人から入力された出金内容および出金金額を送信する承認済み内容送信手段が設けられ、
前記ATMおよび前記預金口座操作用端末では、受信した出金内容および出金金額に基づいて、前記所定の預金口座の名義人または金融機関職員が出金内容および出金金額を入力する操作をしなくとも、前記預金口座から前記受信した出金内容および出金金額に基づいて出金動作を実行することを特徴とする請求項12〜請求項18のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項20】
名義人が入力した出金内容が振り込みであった場合に、振込先の銀行名、口座種類及び口座番号からなる振込先情報を記憶する振込先記憶手段と、
名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、前記振込先記憶手段に記憶されている過去の振込先情報を読み出し、同一の振込先情報が存在する場合には、出金を承認するか否かについての通知を発送しないように前記通知発送手段を制御し、且つ承認者の承認を得ることなく、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように前記無効解除手段を制御することを特徴とする請求項12〜請求項19のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項21】
預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、
該金融機関システムサーバに通信可能に接続され、預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能なATMと、
前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、
所定の預金口座に関しては、前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、
前記所定の預金口座に対して、名義人の連絡先および前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、
前記所定の預金口座の名義人が、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、
該出金予約手段が、名義人からの出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、
該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、
該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には承認と判定する出金判定手段と、
該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果の通知を前記名義人の連絡先へ自動的に発送する結果通知発送手段と、
前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、前記金融機関システムサーバに通信可能に接続されたATMまたは金融機関内に設置された預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴とする出入金システム。
【請求項22】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを特徴とする請求項21記載の出入金システム。
【請求項23】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記返答受信手段が、所定時間経過後であっても承認者から返信を受信しなかった場合には、複数の承認者のうち先に選択されなかった承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを、前記返答受信手段が、所定時間内に承認者からの返信を受信するまで実行することを特徴とする請求項21記載の出入金システム。
【請求項24】
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段と、
名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金不可である旨の通知を自動的に発送する不可通知発送手段とを具備することを特徴とする請求項21〜請求項23のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項25】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段が設けられ、
前記通知発送手段は、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記連絡先記憶手段に記憶されている複数の承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、
前記出金判定手段が、前記返答受信手段が受信した返信内容を確認し、予め設定された承認数以上の承認が得られた場合には、前記無効解除手段は、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関の金融機関職員による出金操作が有効となるように制御することを特徴とする請求項21〜請求項23のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項26】
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた回数の所定時間あたりの上限回数が予め記憶されている上限回数記憶手段と、
出金を禁止する出金禁止時間が予め記憶されている出金禁止時間記憶手段と、
実際に預金口座から出金がされた回数と、前記所定時間あたりの上限回数とを比較し、実際に預金口座から出金がされた回数が前記上限回数以上の場合には、名義人の連絡先に対して出金禁止時間が経過するまで出金不可である旨の通知を自動的に発送する出金禁止通知発送手段とを具備することを特徴とする請求項21〜請求項25のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項27】
前記連絡先記憶手段には、出金がされた旨または入金がされた旨の結果を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた場合には、出金がされた旨の結果の通知、または預金口座に入金がされた場合には入金がされた旨の通知を自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴とする請求項21〜請求項26のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項28】
前記ATMおよび前記預金口座操作用端末に対して、前記所定の預金口座について、出金予約手段によって名義人から入力された出金内容および出金金額を送信する承認済み内容送信手段が設けられ、
前記ATMおよび前記預金口座操作用端末では、受信した出金内容および出金金額に基づいて、前記所定の預金口座の名義人または金融機関職員が出金内容および出金金額を入力する操作をしなくとも、前記預金口座から前記受信した出金内容および出金金額に基づいて出金動作を実行することを特徴とする請求項21〜請求項27のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項29】
名義人が入力した出金内容が振り込みであった場合に、振込先の銀行名、口座種類及び口座番号からなる振込先情報を記憶する振込先記憶手段と、
名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、前記振込先記憶手段に記憶されている過去の振込先情報を読み出し、同一の振込先情報が存在する場合には、出金を承認するか否かについての通知を発送しないように前記通知発送手段を制御し、且つ承認者の承認を得ることなく、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように前記無効解除手段を制御することを特徴とする請求項21〜請求項28のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項30】
預金口座を管理するための顧客データベースを有する金融機関システムサーバと、
前記金融機関システムサーバに通信可能に接続され、金融機関内に設置されて金融機関職員が預金口座に対する引き出し、振り込みおよび預け入れ等の出入金操作が可能な預金口座操作用端末とを備え、
所定の預金口座に関しては、前記預金口座操作用端末に対して出金操作をしても、出金操作が無効となるように予め設定された出入金管理システムであって、
前記所定の預金口座からの出金を承認する権限を有する承認者の連絡先を記憶する連絡先記憶手段と、
金融機関職員が、前記所定の預金口座の名義人の指示に基づいて、前記所定の預金口座からの希望の出金内容および出金金額を前記預金口座操作用端末から入力することで出金予約を受け付ける出金予約手段と、
該出金予約手段が、出金の希望を受け付けた後、前記連絡先記憶手段に記憶されている承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送する通知発送手段と、
該通知発送手段によって発送された通知に対する承認者からの承認または否認の返答を受信する返答受信手段と、
該返答受信手段が受信した返答内容を確認して出金が承認か否認かを判定し、前記通知発送手段が承認者へ通知を発送してから所定時間経過しても返答が無かった場合には否認と判定する出金判定手段と、
該出金判定手段による出金が承認か否認かの結果を、前記予約入力した預金口座操作用端末の表示部に表示させる結果表示手段と、
前記出金判定手段によって、出金が承認された場合に限り、預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記金融機関職員による出金操作が有効となるように制御する無効解除手段とを具備することを特徴とする出入金システム。
【請求項31】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを特徴とする請求項30記載の出入金システム。
【請求項32】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
前記通知発送手段は、複数の承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、前記返答受信手段が、所定時間経過後であっても承認者から返信を受信しなかった場合には、複数の承認者のうち先に選択されなかった承認者の中からランダムに1人の承認者を選択し、選択された承認者へ前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送することを、前記返答受信手段が、所定時間内に承認者からの返信を受信するまで実行することを特徴とする請求項30記載の出入金システム。
【請求項33】
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段と、
名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記予約入力した預金口座操作用端末の表示部に出金不可である旨を表示させる不可表示手段とを具備することを特徴とする請求項30〜請求項32のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項34】
前記連絡先記憶手段には、複数の承認者の連絡先が記憶されており、
出金額の上限値が予め記憶されている上限値記憶手段が設けられ、
前記通知発送手段は、名義人が出金希望している額と、前記上限値記憶手段に記憶されている上限値とを比較した結果、名義人が出金希望している額が上限値以上の場合には、前記連絡先記憶手段に記憶されている複数の承認者への連絡先へ、前記出金予約手段が受け付けた出金を承認するか否かについての通知を自動的に発送し、
前記出金判定手段が、前記返答受信手段が受信した返信内容を確認し、予め設定された承認数以上の承認が得られた場合には、前記無効解除手段は、前記出金操作の無効を解除し、前記金融機関の金融機関職員による出金操作が有効となるように制御することを特徴とする請求項30〜請求項32のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項35】
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた回数の所定時間あたりの上限回数が予め記憶されている上限回数記憶手段と、
出金を禁止する出金禁止時間が予め記憶されている出金禁止時間記憶手段と、
実際に預金口座から出金がされた回数と、前記所定時間あたりの上限回数とを比較し、実際に預金口座から出金がされた回数が前記上限回数以上の場合には、前記予約入力した預金口座操作用端末の表示部に出金禁止時間が経過するまで出金不可である旨を表示させる出金禁止表示手段とを具備することを特徴とする請求項30〜請求項34のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項36】
前記連絡先記憶手段には、出金がされた旨または入金がされた旨の結果を通知すべき通知人の連絡先が記憶されており、
前記無効解除手段によって無効が解除となり、実際に預金口座から出金がされた場合には、出金がされた旨の結果の通知、または預金口座に入金がされた場合には入金がされた旨の通知を自動的に発送する結果通知発送手段を具備することを特徴とする請求項30〜請求項35のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項37】
前記預金口座操作用端末に対して、前記所定の預金口座について、出金予約手段によって入力された出金内容および出金金額を送信する承認済み内容送信手段が設けられ、
前記預金口座操作用端末では、受信した出金内容および出金金額に基づいて、金融機関職員が出金内容および出金金額を入力する操作をしなくとも、前記受信した出金内容および出金金額に基づいて出金動作を実行することを特徴とする請求項30〜請求項36のうちのいずれか1項記載の出入金システム。
【請求項38】
名義人が入力した出金内容が振り込みであった場合に、振込先の銀行名、口座種類及び口座番号からなる振込先情報を記憶する振込先記憶手段と、
名義人が予約した出金内容が振り込みであった場合に、前記振込先記憶手段に記憶されている過去の振込先情報を読み出し、同一の振込先情報が存在する場合には、出金を承認するか否かについての通知を発送しないように前記通知発送手段を制御し、且つ承認者の承認を得ることなく、前記ATMまたは前記預金口座操作用端末に対して、前記出金操作の無効を解除し、前記名義人または金融機関職員による出金操作が有効となるように前記無効解除手段を制御することを特徴とする請求項30〜請求項37のうちのいずれか1項記載の出入金システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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