説明

出力制御装置

【解決手段】空調装置D_K(K:1〜6)および照明装置E_Kは、測定エリアに向けて出力を発生する。CPU14pは、測定エリアから1または2以上の人物を検知したとき、空調装置D_Kおよび照明装置E_Kに適する最適制御モデルを制御モデル履歴レジスタ14r4の記述に基づいて決定する。CPU14pはまた、空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの設定を変更するユーザ設定操作を入力装置18を通して受け付け、最適制御モデルをユーザ設定操作に従って決定する。CPU14pは、こうして決定された最適制御モデルに基づいて空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの出力動作を制御し、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述をモデル決定処理に関連して更新する。
【効果】空調装置および照明装置の出力動作の制御性能が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出力制御装置に関し、特に、空間に存在する特定物体を検出して装置の出力を制御する、出力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、VAVユニットは、空調機の調和空気量を室内の空調負荷に比例して増減する。ニューラルネットワーク部は、居住者の温熱申告値を教師信号として個人の温熱感を反映したPMV方程式を学習機能により構築し、このPMV方程式から算出されるPMV値で空調機およびVAVユニットを制御する。空調機は居住者の温熱感の変化に追従して制御され、これによって室内環境のハイアメニティが確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−94292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、居住者の温熱申告値に基づいて構築されたPMV方程式が居住者による温熱申告がない場合のPMV方程式の構築処理に反映されることはない。このため、背景技術では、装置の出力動作の制御性能に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、装置の出力動作の制御性能を向上させることができる、出力制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う出力制御装置は、次のものを備える:空間から1または2以上の特定物体を検知する検知手段;空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルを制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を検知手段の検知に応答して実行する第1決定手段;装置の設定を変更する設定変更操作を検知手段の検知処理と並列して受け付ける受け付け手段;設定変更操作に従って装置の適正制御モデルを決定する処理を第1決定手段の決定処理に代替して実行する第2決定手段;第1決定手段および第2決定手段の各々によって決定された適正制御モデルに基づいて装置の出力動作を制御する制御手段;および制御モデル履歴情報を第1決定手段および第2決定手段の各々の決定処理に関連して更新する更新手段。
【0007】
好ましくは、空間は複数の小空間によって形成され、第1決定手段,受け付け手段,第2決定手段,制御手段および更新手段は複数の小空間の各々に対応して処理を実行する。
【0008】
さらに好ましくは、検知手段は、カメラから出力された被写界像から特定物体像を探索する探索手段、および探索手段によって発見された特定物体像に基づいて特定物体が複数の小空間のいずれに属するかを判別する判別手段を含む。
【0009】
より好ましくは、カメラはUV座標系に沿って定義された撮像面を有し、空間はXY座標系に沿って定義された平面によって仕切られ、判別手段はUV座標系とXY座標系との対応関係を示す校正パラメータを参照して特定物体像のXY座標を算出する算出手段を含む。
【0010】
好ましくは、装置は空調装置を含み、適正制御モデルは温度,湿度および風量の少なくとも1つをパラメータとして有する。
【0011】
好ましくは、装置は照明装置を含み、適正制御モデルは明るさをパラメータとして有する。
【0012】
この発明に従う出力制御装置は、次のものを備える:空間から1または2以上の特定物体を検知する検知手段;空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルをメモリに保存された制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を検知手段の検知に応答して実行する決定手段;決定手段によって決定された適正制御モデルに基づいて装置の出力動作を制御する制御手段;メモリに保存された制御モデル履歴情報を決定手段の決定処理に関連して更新する第1更新手段;新規の制御モデル履歴情報を外部から取り込む取り込み手段;およびメモリに保存された制御モデル履歴情報を取り込み手段によって取り込まれた制御モデル履歴情報によって更新する第2更新手段。
【0013】
この発明によれば、制御モデル履歴情報は、空間からの特定物体の検知に応答した適正制御モデルの決定処理に関して更新されるとともに、設定変更操作に応答した適正制御モデルの決定処理に関連して更新される。また、空間から特定物体が検知されたとき、適正制御モデルは制御モデル履歴情報に基づいて決定される。このため、設定変更操作に従って決定された適正制御モデルに関する履歴は、空間から特定物体が検知されたときの適正制御モデルの決定処理に反映される。これによって、装置の出力動作の制御性能が向上する。
【0014】
この発明によれば、制御モデル履歴情報は、空間からの特定物体の検知に応答した適正制御モデルの決定処理に関して更新されるとともに、外部から取り込まれた新規の制御モデル履歴情報によって更新される。また、空間から特定物体が検知されたとき、適正制御モデルは制御モデル履歴情報に基づいて決定される。これによって、装置の出力動作の制御性能が向上する。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(A)はこの発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図であり、(B)はこの発明の他の実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】図2実施例に適用されるカメラ,空量装置および照明装置の設置状態の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例のモニタに表示されるカメラ画像の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例のモニタに表示されるマップ画像の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用されるエリアレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例に適用される代表点レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用される制御モデル履歴レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図9】(A)はマップ画像上での分割エリアの割り当て状態の一例を示す図解図であり、(B)はカメラ画像上での測定エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図10】カメラ画像の一例を示す図解図である。
【図11】最適制御モデルを定義する温度と時刻との関係の一例を示すグラフである。
【図12】最適制御モデルを定義する湿度と時刻との関係の一例を示すグラフである。
【図13】最適制御モデルを定義する風量と時刻との関係の一例を示すグラフである。
【図14】最適制御モデルを定義する照度と時刻との関係の一例を示すグラフである。
【図15】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図21】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【図22】図21実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図23】(A)は空調装置の構成の一例を示す図解図であり、(B)は照明装置の構成の一例を示す図解図である。
【図24】その他の実施例に適用されるエリアレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図25】その他の実施例に適用される制御モデル履歴レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1(A)を参照して、この発明の一実施例の出力制御装置は、基本的に次のように構成される。検知手段1aは、空間から1または2以上の特定物体を検知する。第1決定手段2aは、空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルを制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を検知手段1aの検知に応答して実行する。受け付け手段3aは、装置の設定を変更する設定変更操作を検知手段1aの検知処理と並列して受け付ける。第2決定手段4aは、設定変更操作に従って装置の適正制御モデルを決定する処理を第1決定手段2aの決定処理に代替して実行する。制御手段5aは、第1決定手段2aおよび第2決定手段3aの各々によって決定された適正制御モデルに基づいて装置の出力動作を制御する。更新手段6aは、制御モデル履歴情報を第1決定手段2aおよび第2決定手段3aの各々の決定処理に関連して更新する。
【0018】
制御モデル履歴情報は、空間からの特定物体の検知に応答した適正制御モデルの決定処理に関して更新されるとともに、設定変更操作に応答した適正制御モデルの決定処理に関連して更新される。また、空間から特定物体が検知されたとき、適正制御モデルは制御モデル履歴情報に基づいて決定される。
【0019】
このため、設定変更操作に従って決定された適正制御モデルに関する履歴は、空間から特定物体が検知されたときの適正制御モデルの決定処理に反映される。これによって、装置の出力動作の制御性能が向上する。
【0020】
図1(B)を参照して、他の実施例の出力制御装置は、基本的に次のように構成される。検知手段1bは、空間から1または2以上の特定物体を検知する。決定手段2bは、空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルをメモリ7bに保存された制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を検知手段1bの検知に応答して実行する。制御手段3bは、決定手段2bによって決定された適正制御モデルに基づいて装置の出力動作を制御する。第1更新手段4bは、メモリ7bに保存された制御モデル履歴情報を決定手段2bの決定処理に関連して更新する。取り込み手段5bは、新規の制御モデル履歴情報を外部から取り込む。第2更新手段6bは、メモリ7bに保存された制御モデル履歴情報を取り込み手段5bによって取り込まれた制御モデル履歴情報によって更新する。
【0021】
制御モデル履歴情報は、空間からの特定物体の検知に応答した適正制御モデルの決定処理に関して更新されるとともに、外部から取り込まれた新規の制御モデル履歴情報によって更新される。また、空間から特定物体が検知されたとき、適正制御モデルは制御モデル履歴情報に基づいて決定される。これによって、装置の出力動作の制御性能が向上する。
【0022】
図2を参照して、この実施例の空調制御装置10は、撮像面で捉えられた被写界(3次元空間)を表す画像データを繰り返し出力するカメラ12を含む。カメラ12は、図3に示す部屋RM1に設定される。図3によれば、部屋RM1は、床面FL1および天井HV1と4つの壁面WL1〜WL4とによって仕切られる。カメラ12は壁面WL1の幅方向中央の上部に設けられ、部屋RM1の内部空間を斜め上方から捉える。
【0023】
したがって、カメラ12から出力された画像データに基づく画像は、図4に示す要領で再現される。図3および図4に示すように、部屋RM1の内部空間は互いに直交するX軸,Y軸およびZ軸によって定義され、カメラ12の撮像面は互いに直交するU軸およびV軸によって定義される。
【0024】
天井HV1には、空調装置D_1〜D_6および照明装置E_1〜E_6が既定の距離を隔てて設置される。ここで、照明装置E_1〜E_6の設置位置はそれぞれ、空調装置D_1〜D_6の設定位置と重なる。空調装置D_1〜D_6の各々は指定の温度および湿度を有する空気を指定の風量で出力し、照明装置E_1〜E_6の各々は指定の照度で発光する。
【0025】
温度センサ20_1,湿度センサ22_1,風量センサ24_1および照度センサ26_1は空調装置D_1および照明装置E_1の真下に配置され、温度センサ20_2,湿度センサ22_2,風量センサ24_2および照度センサ26_2は空調装置D_2および照明装置E_2の真下に配置される。
【0026】
また、温度センサ20_3,湿度センサ22_3,風量センサ24_3および照度センサ26_3は空調装置D_3および照明装置E_3の真下に配置され、温度センサ20_4,湿度センサ22_4,風量センサ24_4および照度センサ26_4は空調装置D_4および照明装置E_4の真下に配置される。
【0027】
さらに、温度センサ20_5,湿度センサ22_5,風量センサ24_5および照度センサ26_5は空調装置D_5および照明装置E_5の真下に配置され、温度センサ20_6,湿度センサ22_6,風量センサ24_6および照度センサ26_6は空調装置D_6および照明装置E_6の真下に配置される。
【0028】
入力装置18の操作によってエリア設定モードが選択されると、CPU14pによって次の処理が実行される。なお、エリア設定モードにおいては、カメラ12は停止状態にある。
【0029】
まず、図5に示すマップ画像がモニタ16に表示される。マップ画像は、平面FL1を鳥瞰した状態を模式的に表す画像に相当する。マップ画像にはまた、空調装置D_1〜D_6(または照明装置E_1〜E_6)をそれぞれ表すマークM_1〜M_6が、空調装置D_1〜D_6(または照明装置E_1〜E_6)の位置に対応して表示される。
【0030】
マップ画像の表示が完了すると、変数Kが“1”に設定される。入力装置18に設けられたマウスポインタによってマークM_Kがクリックされると、クリックされた位置を示す座標つまりクリック座標が算出される。算出されたクリック座標は変数Kに対応して図6に示すエリアレジスタ14r1に記述され、変数Kはその後にインクリメントされる。クリック操作はマークM_1〜M_6に対応して合計6回受け付けられ、これによってマークM_1〜M_6にそれぞれ対応する6つのクリック座標がエリアレジスタ14r1に設定される。
【0031】
マップ画像は、こうして設定された6つのクリック座標を基準として、図9(A)に示す要領で分割される。境界線BL_1〜B_L3は、マークM_1〜M_6を囲むようにマップ画像上に描かれる。この結果、分割エリアMP_1〜MP_6がマークM_1〜M_6の周辺に割り当てられ、部屋RM1の内部空間が分割エリアMP_1〜MP_6にそれぞれ対応する複数の小空間に分割される。エリアレジスタ14r1には、分割エリアMP_K(K:1〜6)を定義する複数のXY座標が記述される。
【0032】
続いて、分割エリアMP_Kを定義する複数のXY座標の各々が、数1に従ってUV座標に変換される。
【0033】
【数1】

数1に示す校正パラメータP11〜P33は、平面FL1を定義するXY座標系とカメラ12の撮像面つまりカメラ画像を定義するUV座標系との間で平面射影変換を行うための行列に相当する。したがって、所望のXY座標を数1に適用することで、カメラ画像上の対応するUV座標が算出される。こうして変換された複数のUV座標は、変換元の複数のXY座標に対応してエリアレジスタ14r1に記述される。分割エリアMP_Kに対応する測定エリアDT_Kは、図9(B)に示す要領でカメラ画像上に定義される。
【0034】
入力装置18の操作によって出力制御モードが選択されると、カメラ12が起動され、測定周期が到来する毎に次の処理がCPU14pによって実行される。
【0035】
まず、パターンマッチングまたは動き検出によってカメラ画像から人物像が探索される。1または2以上の人物像が発見されると、変数Lが“1”〜“Lmax”(Lmax:発見された人物像の総数)の各々に設定され、発見された1または2以上の人物像のうちL番目の人物像の代表点が“RP_L”として決定される。決定された代表点RP_LのXY座標は、変数Lに対応して図7に示す代表点レジスタ14r2に記述される。
【0036】
人物H1〜H3が図10に示す要領で部屋RM1に存在するとき、人物H1を表す画像上で代表点RP_1が決定され、人物H2を表す画像上で代表点RP_2が決定され、そして人物H3を表す画像上で代表点RP_3が決定される。代表点RP_1〜RP_3のXY座標は、L=1〜3に対応して代表点レジスタ14r2に記述される。
【0037】
続いて、変数Kが“1”〜“6”の各々に設定され、空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの出力が以下で述べる空調&照度制御処理によって制御される。
【0038】
入力装置18上でユーザ設定操作が行われず、かつユーザ設定が無効であれば、分割エリアMP_Kに属する代表点の数が“NUM”として測定される。変数NUMが“1”以上であれば、測定エリアDT_Kに人物が存在するとみなされ、図8に示す制御モデル履歴レジスタ14r4の記述を参照して最適制御モデルMD_Kが算出される(詳細は後述)。一方、入力装置18上でユーザ設定操作が行われると、ユーザ設定に基づいて最適制御モデルMD_Kが算出される。ユーザ設定に基づく最適制御モデルMD_Kは、ユーザ設定が有効である期間にわたって維持される。算出された最適制御モデルMD_Kは、空調装置D_Kに設定すべき温度,湿度および風量と照明装置E_Kに設定すべき照度とをパラメータとして有する。
【0039】
ユーザ設定操作が12時に受け付けられ、ユーザ設定が12時から14時まで有効とされた場合、最適制御モデルMD_Kを定義する温度,湿度,風量および照明は、たとえば図11〜図14に示すに示す要領で変化する。
【0040】
図11〜図14によれば、ユーザ設定操作を受け付ける前の期間(=期間A)およびユーザ設定が無効となった後の期間(=期間C)では、最適制御モデルMD_Kを定義する温度,湿度,風量および照度は、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述を参照して算出される。
【0041】
ユーザ設定操作を受け付けると、最適制御モデルMD_Kを定義する温度,湿度,風量および照度は、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述ではなく、ユーザ設定操作に従って算出される。算出された温度,湿度,風量および照度は、ユーザ設定が有効である期間(=期間B)にわたって維持される。
【0042】
最適制御モデルMD_Kの算出が完了すると、測定エリアDT_Kの環境を測定するべく、温度センサ20_K,湿度センサ22_K,風量センサ24_Kおよび照度センサ26_Kの検知結果が取り込まれる。測定された環境は、温度センサ20_Kによって検知された温度,湿度センサ22_Kによって検知された湿度,風量センサ24_Kによって検知された風量,および照度センサ26_Kによって検知された照度をパラメータとして有する。
【0043】
続いて、最適制御モデルMD_Kおよび測定環境の相違が共通のパラメータ毎に算出される。算出された相違は、温度差ΔTP,湿度差ΔHM,風量差ΔAVおよび照度差ΔLMによって表される。空調装置D_Kの出力は、算出された温度差ΔTP,湿度差ΔHMおよび風量差ΔAVが抑制されるように調整される。また、照明装置E_Kの出力は、算出された照度差ΔLMが抑制されるように調整される。
【0044】
調整が完了すると、制御モデル履歴が更新される。具体的には、現時点の最適制御モデルMD_Kを定義するパラメータ値と時計回路14tが示す現在の年月日および時刻とが制御モデル履歴レジスタ14r4に追記される。制御モデル履歴レジスタ14r4への追記は、ユーザ設定が有効である期間、ならびにユーザ設定が無効でかつ測定エリアDT_Kに人物が存在しない期間にも、繰り返し実行される。このとき、記述される最適制御モデルMD_Kのパラメータ値は、従前の値と同じである。
【0045】
制御モデル履歴レジスタ14r2の記述に基づいて最適制御モデルMD_Kを算出するにあたっては、まず時計回路14tを参照して現在の年月日および時刻が検出され、検出された年月日および時刻に対応する過去の期間が抽出期間として特定される。たとえば、現在の年月日および時刻が2010年6月14日の14時であれば、過去数年の6月7日〜21日の13時〜15時が抽出期間となる。抽出期間が特定されると、抽出期間の始期および終期に“1”および“n”がそれぞれ割り当てられる。“n”の値は、抽出期間に対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に登録された最適制御モデルの数に相当する。
【0046】
続いて、変数iが“1”〜“n”の各々に設定され、数2〜数7に従って重み付け量Wdi,Wti,Wrtpi,Wrhmi,WraviおよびWrlmiが算出される。
【0047】
【数2】

【0048】
【数3】

【0049】
【数4】

【0050】
【数5】

【0051】
【数6】

【0052】
【数7】

数2〜数7において、“Ds”は今日の月日に相当し、“Di”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された月日に相当する。“Ts”は現在時刻に相当し、“Ti”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された時刻に相当する。“RTPs”は温度センサ20_Kによって検知された現時点の温度に相当し、“TPi”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された空調装置D_Kの設定温度に相当する。“RHMs”は湿度センサ22_Kによって検知された現時点の湿度に相当し、“HMi”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された空調装置D_Kの設定湿度に相当する。
【0053】
“RAVs”は風量センサ24_Kによって検知された現時点の風量に相当し、“AVi”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された空調装置D_Kの設定風量に相当する。“RLMs”は照度センサ26_Kによって検知された現時点の照度に相当し、“LMi”は変数iに対応して制御モデル履歴レジスタ14r4に記述された照明装置E_Kの設定照度に相当する。“a”〜“g”は、定数に相当する。
【0054】
数2によれば、今日の月日と変数iに相当する月日との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wdiは、こうして算出された累乗値に定数aを掛け算することで求められる。
【0055】
数3によれば、現在時刻と変数iに相当する時刻との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wtiは、こうして算出された累乗値に定数bを掛け算することで求められる。
【0056】
数4によれば、温度センサ20_Kによって検知された現時点の温度と変数iに相当する月日および時刻に空調装置D_Kに設定された温度との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wrtpiは、こうして算出された累乗値に定数cを掛け算することで求められる。
【0057】
数5によれば、湿度センサ22_Kによって検知された現時点の湿度と変数iに相当する月日および時刻に空調装置D_Kに設定された湿度との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wrhmiは、こうして算出された累乗値に定数dを掛け算することで求められる。
【0058】
数6によれば、風量センサ24_Kによって検知された現時点の風量と変数iに相当する月日および時刻に空調装置D_Kに設定された風量との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wraviは、こうして算出された累乗値に定数eを掛け算することで求められる。
【0059】
数7によれば、照度センサ26_Kによって検知された現時点の照度と変数iに相当する月日および時刻に照明装置E_Kに設定された照度との差分絶対値にマイナスを付した数値がべき指数として設定され、このべき指数が定数gに累乗される。重み付け量Wrlmiは、こうして算出された累乗値に定数fを掛け算することで求められる。
【0060】
続いて、空調装置D_Kに設定すべき温度が数8に従って“TPs”として算出され、空調装置D_Kに設定すべき湿度は数9に従って“HMs”として算出され、空調装置D_Kに設定すべき風量は数10に従って“AVs”として算出される。また、照明装置E_Kに設定すべき照度は、数11に従って“LMs”として算出される。
【0061】
【数8】

【0062】
【数9】

【0063】
【数10】

【0064】
【数11】

数8において、分母は、重み付け量Wdi,WtiおよびWrtpiを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。また、分子は、設定温度TPiと重み付け量Wdi,WtiおよびWrtpiとを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。分子の値を分母の値で割り算すると、設定温度TPsが導き出される。
【0065】
数9において、分母は、重み付け量Wdi,WtiおよびWrhmiを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。また、分子は、設定湿度HMiと重み付け量Wdi,WtiおよびWrhmiとを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。分子の値を分母の値で割り算すると、設定湿度HMsが導き出される。
【0066】
数10において、分母は、重み付け量Wdi,WtiおよびWraviを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。また、分子は、設定風量AViと重み付け量Wdi,WtiおよびWraviとを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。分子の値を分母の値で割り算すると、設定風量AVsが導き出される。
【0067】
数11において、分母は、重み付け量Wdi,WtiおよびWrlmiを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。また、分子は、設定照度LMiと重み付け量Wdi,WtiおよびWrlmiとを共通の変数iに対応して掛け合わせ、これによって得られたn個の掛け算値を積算することで求められる。分子の値を分母の値で割り算すると、設定照度LMsが導き出される。
【0068】
CPU14pは、図15に示すメインタスク,図16〜図17に示すエリア設定タスク,および図18〜図20に示す出力制御タスクを含む複数のタスクを実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、記録媒体22に保存される。
【0069】
図15を参照して、ステップS1では現時点の動作モードがエリア設定モードであるか否かを判別し、ステップS5では現時点の動作モードが出力制御モードであるか否かを判別する。
【0070】
ステップS1でYESであれば、ステップS3でエリア設定タスクを起動し、その後にステップS15に進む。ステップS5でYESであれば、分割エリアMP_1〜MP_6が設定済みであるか否かをステップS7で判別する。判別結果がYESであればステップS9で出力制御タスクを起動してからステップS13に進み、判別結果がNOであればそのままステップS13に進む。ステップS1およびS5のいずれもNOであれば、ステップS11で他の処理を実行し、その後にステップS13に進む。
【0071】
ステップS13ではモード変更操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS15で終了し、その後にステップS1に戻る。
【0072】
図16を参照して、ステップS21ではマップ画像をモニタ16に表示し、ステップS23では変数Kを“1”に設定する。ステップS25ではエリア指定のためのクリック操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されるとステップS27でクリック座標を算出する。算出された座標は、変数Kに対応してエリアレジスタ14r1に記述される。ステップS29では変数Kが“6”に達したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS31で変数KをインクリメントしてからステップS25に戻る一方、判別結果がYESであればステップS33に進む。
【0073】
ステップS33では、クリック座標を参照してマップ画像を分割する。この結果、6個の分割エリアMP_1〜MP_6がマップ画像上に割り当てられる。ステップS35では分割画像MP_1〜MP_6を仕切る境界線BL_1〜BL_3をマップ画像上に描画する。
【0074】
ステップS37では変数Kを“1”に設定し、ステップS39では分割エリアMP_Kを定義する複数のXY座標を算出する。算出されたXY座標は、変数Kに対応してエリアレジスタ14r1に記述される。ステップS41では、分割エリアMP_Kを定義する複数のXY座標の各々を数1に従ってUV座標に変換する。変換されたUV座標は変数Kに対応してエリアレジスタ14r1に記述され、これによって分割エリアMP_Kに対応する測定エリアDT_Kがカメラ画像に割り当てられる。
【0075】
ステップS43では、変数Kが“6”に達したか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS45で変数KをインクリメントしてからステップS39に戻る一方、判別結果がYESであれば処理を終了する。
【0076】
図18を参照して、ステップS51では測定周期が到来したか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS53に進み、パターンマッチングまたは動き検出によってカメラ画像から人物像を探索する。ステップS55では1または2以上の人物像が発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS51に戻る一方、判別結果がYESであればステップS57に進む。
【0077】
ステップS57では変数Lを“1”に設定し、ステップS59では発見された1または2以上の人物像のうちL番目の人物像の代表点を“RP_L”として決定し、そしてステップS61では決定された代表点RP_LのXY座標を上述の数1を参照して算出する。算出されたXY座標は、変数Lに対応して代表点レジスタ14r2に記述される。ステップS63では変数Lが最大値Lmax(=発見された人物像の総数)に達したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS65で変数LをインクリメントしてからステップS59に戻る一方、判別結果がYESであればステップS67に進む。
【0078】
ステップS67では変数Kを“1”に設定し、ステップS69では空調&照度制御処理を空調装置D_Kおよび照明装置E_Kに対して実行する。ステップS71では変数Kが“6”に達したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS73で変数KをインクリメントしてからステップS69に戻る一方、判別結果がYESであればステップS51に戻る。
【0079】
ステップS69の空調&照明制御処理は、図20に示すサブルーチンに従って実行される。
【0080】
ステップS81では入力装置18に対するユーザ設定操作が行われたか否かを判別し、ステップS93ではユーザ設定が無効であるか否かを判別する。ステップS81でYESであればステップS83に進み、ユーザ設定操作に従って最適制御モデルMD_Kを算出する。最適制御モデルMD_Kは、ユーザによって設定された温度,湿度,風量および照度をパラメータとして有する。算出が完了すると、ステップS85に進む。一方、ステップS81およびS93のいずれもNOであれば、ステップS83の処理を実行することなくステップS85に進む。
【0081】
ステップS85では、測定エリアDT_Kの環境を測定するべく、温度センサ20_K,湿度センサ22_K,風量センサ24_Kおよび照度センサ26_Kの検知結果を取り込む。測定された環境は、温度センサ20_Kによって検知された温度,湿度センサ22_Kによって検知された湿度,風量センサ24_Kによって検知された風量,および照度センサ26_Kによって検知された照度をパラメータとして有する。
【0082】
ステップS87では、最適制御モデルMD_Kと測定された環境との間における共通のパラメータの相違を算出する。算出される相違は、温度差ΔTP,湿度差ΔHM,風量差ΔAVおよび照度差ΔLMによって表される。ステップS89では、算出された温度差ΔTP,湿度差ΔHMおよび風量差ΔAVが抑制されるように空調装置D_Kの出力を調整し、算出された照度差ΔLMが抑制されるように照明装置E_Kの出力を調整する。
【0083】
調整が完了すると、ステップS91で制御モデル履歴を更新する。具体的には、現時点の最適制御モデルを定義するパラメータ値と現在時刻とを制御モデル履歴レジスタ14r4に追記する。ステップS91の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0084】
ステップS81でNOである一方、ステップS83でYESであれば、分割エリアMP_Kに属する代表点の数をステップS95で測定する。測定された代表点の数は、変数NUMに設定される。ステップS97では変数NUMが“1”以上であるか否かを判別し、判別結果がNOであればそのままステップS91に進む一方、判別結果がYESであれば次のステップS99〜S101の処理を経てステップS85に進む。
【0085】
ステップS99では、現在の年月日および時刻に対応する期間を抽出期間として設定し、設定された抽出期間に対応する最適制御モデルMD_Kのパラメータを制御モデル履歴レジスタ14r4から抽出する。ステップS101では、抽出されたパラメータと温度センサ20_K,湿度センサ22_K,風量センサ24_Kおよび照度センサ26_Kの検知結果と時計回路14tの出力とを上述した数2〜数11に適用して、最適制御モデルMD_Kを算出する。
【0086】
以上の説明から分かるように、CPU14pは、測定エリアDT_K(K:1〜6)から1または2以上の人物を検知したとき(S53〜S65, S95〜S97)、測定エリアDT_Kに向けて出力を発生する空調装置D_Kおよび照明装置E_Kに適する最適制御モデルMD_Kを制御モデル履歴レジスタ14r4の記述に基づいて決定する(S99〜S101)。CPU14pはまた、空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの設定を変更するユーザ設定操作を人物検知処理と並列して受け付け(S81)、最適制御モデルMD_Kをユーザ設定操作に従って決定する(S83)。ここで、人物検知に応答したモデル決定処理およびユーザ設定操作に応答したモデル決定処理は、代替的に実行される。CPU14pはさらに、こうして決定された最適制御モデルMD_Kに基づいて空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの出力動作を制御し(S85〜S89)、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述をモデル決定処理に関連して更新する(S91)。
【0087】
このように、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述は、人物の検知に応答したモデル決定処理に関して更新されるとともに、ユーザ設定操作に応答したモデル決定処理に関連して更新される。また、測定エリアDT_Kから人物が検知されたとき、最適制御モデルMD_Kは制御モデル履歴レジスタ14r4を参照して決定される。
【0088】
このため、ユーザ設定操作に従って決定された最適制御モデルMD_Kに関する履歴は、測定エリアDT_Kから人物が検知されたときの最適制御モデルMD_Kの決定処理に反映される。これによって、空調装置D_Kおよび照明装置E_Kの出力動作の制御性能が向上する。
【0089】
なお、この実施例では、ユーザ設定操作に従って決定された最適制御モデルは、常に制御モデル履歴レジスタ14r4に登録される。しかし、ユーザ設定操作に従って決定された最適制御モデルは、ユーザによる履歴登録操作に応答して制御モデル履歴レジスタ14r4に登録するようにしてもよい。また、ユーザ設定操作に従って決定された最適制御モデルがユーザ設定操作前の最適制御モデルと大きく相違する場合に、ユーザ設定操作に従って決定された最適制御モデルを制御モデル履歴レジスタ14r4に登録する処理を制限するようにしてもよい。
【0090】
さらに、この実施例では、入力装置18を通して受け付けられたユーザ設定操作に従って最適制御モデルを決定するとともに、制御モデル履歴レジスタ14r4の記述をこうして決定された最適制御モデルに基づいて更新するようにしている。しかし、空調制御装置10が設置される前の期間および/または空調制御装置10が設定された後の一部の期間に別の空調制御装置(類似する環境に設定された装置)によって作成された制御モデル履歴を複製し、複製された制御モデル履歴を制御モデル履歴レジスタ14r4に追加ないし上書きするようにしてもよい。この場合、別の空調制御装置で作成された制御モデル履歴を受信するための通信I/F30を図21に示す要領で準備し、図20に示す空調&照明制御処理の一部を図22に示す要領で修正する必要がある。
【0091】
図22を参照して、ステップS81では別の空調制御装置で作成された制御モデル履歴が通信I/F30によって受信されたか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS95に進み、判別結果がYESであればステップS113を経てステップS95に進む。ステップS113では、受信した制御モデル履歴を制御モデル履歴レジスタ14r4に追加ないし上書きする。
【0092】
また、この実施例では、部屋RM1の内部空間を分割エリアMP_1〜MP_6にそれぞれ対応する6つの小空間に分割し、分割された小空間毎に空調装置D_1〜6および照明装置E_1〜6の出力動作を制御するようにしている。しかし、空調装置D_1〜D_6の各々が図23(A)に示すように4つの吹き出し口G1〜G4を有し、照明装置E_1〜E_6の各々が図23(B)に示すように4つの照明L1〜L4を有することを前提として、部屋RM1の内部空間を24個の微小空間に分割し、吹き出し口G1〜G4からの出力および照明L1〜L4の明るさを微小空間毎に制御するようにしてもよい。この場合、エリアレジスタ14r1および制御モデル履歴レジスタ14r4の各々には、24個の微小空間にそれぞれ対応する24個のカラムを形成する必要がある(図24および図25参照)。
【0093】
この発明が詳細に説明され図示されたが、それは単なる図解および一例として用いたものであり、限定であると解されるべきではないことは明らかであり、この発明の精神および範囲は添付されたクレームの文言によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0094】
10 …空調制御装置
12 …カメラ
14p …CPU
18 …入力装置
D_1〜D_6 …空調装置
E_1〜E_6 …照明装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間から1または2以上の特定物体を検知する検知手段、
前記空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルを制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を前記検知手段の検知に応答して実行する第1決定手段、
前記装置の設定を変更する設定変更操作を前記検知手段の検知処理と並列して受け付ける受け付け手段、
前記設定変更操作に従って前記装置の適正制御モデルを決定する処理を前記第1決定手段の決定処理に代替して実行する第2決定手段、
前記第1決定手段および前記第2決定手段の各々によって決定された適正制御モデルに基づいて前記装置の出力動作を制御する制御手段、および
前記制御モデル履歴情報を前記第1決定手段および前記第2決定手段の各々の決定処理に関連して更新する更新手段を備える、出力制御装置。
【請求項2】
前記空間は複数の小空間によって形成され、
前記第1決定手段,前記受け付け手段,前記第2決定手段,前記制御手段および前記更新手段は前記複数の小空間の各々に対応して処理を実行する、請求項1記載の出力制御装置。
【請求項3】
前記検知手段は、カメラから出力された被写界像から特定物体像を探索する探索手段、
および前記探索手段によって発見された特定物体像に基づいて前記特定物体が前記複数の小空間のいずれに属するかを判別する判別手段を含む、請求項2記載の出力制御装置。
【請求項4】
前記カメラはUV座標系に沿って定義された撮像面を有し、
前記空間はXY座標系に沿って定義された平面によって仕切られ、
前記判別手段は前記UV座標系と前記XY座標系との対応関係を示す校正パラメータを参照して前記特定物体像のXY座標を算出する算出手段を含む、請求項3記載委の出力制御装置。
【請求項5】
前記装置は空調装置を含み、
前記適正制御モデルは温度,湿度および風量の少なくとも1つをパラメータとして有する、請求項1ないし4のいずれかに記載の出力制御装置。
【請求項6】
前記装置は照明装置を含み、
前記適正制御モデルは明るさをパラメータとして有する、請求項1ないし5のいずれかに記載の出力制御装置。
【請求項7】
空間から1または2以上の特定物体を検知する検知手段、
前記空間に向けて出力を発生する装置の適正制御モデルをメモリに保存された制御モデル履歴情報に基づいて決定する処理を前記検知手段の検知に応答して実行する決定手段、
前記決定手段によって決定された適正制御モデルに基づいて前記装置の出力動作を制御する制御手段、
前記メモリに保存された制御モデル履歴情報を前記決定手段の決定処理に関連して更新する第1更新手段、
新規の制御モデル履歴情報を外部から取り込む取り込み手段、および、前記メモリに保存された制御モデル履歴情報を前記取り込み手段によって取り込まれた制御モデル履歴情報によって更新する第2更新手段、
を備える、出力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−42198(P2012−42198A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160021(P2011−160021)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】