説明

出退勤時間管理システム

【課題】複数の営業店を有する会社等の組織において各営業店にタイムレコーダを設置することなく、本部において従業員の出退勤管理を容易に一括管理可能な出退勤時間管理システムを提供する。
【解決手段】複数の営業店に設置された複数の電話機と通信網を介して接続される出退勤時間管理サーバとを備え、電話機の任意の1台からの発呼を受信した時に、当該発呼を行った電話機を介して前記出退勤情報を入力させるための入力用情報を当該発呼を行った電話機に対して送信する手段と、前記発呼を行った電話機において前記入力用情報を用いて従業員の出退勤情報を入力すると共に前記出退勤時間管理サーバに送信する手段と、前記出退勤時間管理サーバにおいて全営業店の全従業員から送信される前記出退勤情報を受信して記録及び集計すると共に、当該記録及び集計結果から全営業店における全従業員の出退勤情報を記載した出退勤時間一覧表を作成する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出退勤時間管理システムに係り、特に、複数の営業店(支店)を有する会社等の組織において、各営業店における従業員の出退勤管理(出退勤の時間管理)を中央の本部において一括管理する出退勤時間管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員の出退勤時刻を入力する方法として、従来の専用タイムレコーダを用いた入力方法に代えて、事業所に設置された電話機(固定電話機及び携帯電話機)や端末装置を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかし、この方法では、電話機で入力している者が、本当に従業員ID(識別番号)で示される当の従業員であるか否かを管理サーバ側は特定することができない。そこで、入力者の声紋を事前に登録しておき、入力時には入力者の声紋も入力させるようにし、管理サーバにおいて照合チェックを実施することにより本人の認証を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開2003−216790号公報
【特許文献2】特開2000−244657号公報
【特許文献3】特開2006−92229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の出退勤時間管理システムにあっては、出退勤時刻を入力するための電話機や端末装置が、事業所に設置の設備に限定されるため、その設置台数が制限されており、このため、入力待ちの従業員の待ち時間が長くなり、例えば、出社して来ても直ぐには出社時刻の入力ができず、出社時点から大幅に遅れて、やっと入力できる頃には遅刻となってしまうという不都合があった。
【0005】
特に、一般に従業員には、始業時刻近く(例えば5分前)になって出社して来るという傾向があるので、入力の順番が回って来た頃には遅刻、即ち始業時間オーバーとなってしまうケースが多発することになる。
【0006】
これを緩和するには、事業所に設置する電話機(固定電話機及び携帯電話機)や端末装置の台数を増やせば良いのであるが、その方法では、新たな電話機等の装置の設置コストや、新たな電話回線の契約費用が増大するという問題点がある。
【0007】
このため、本発明は、複数の営業店を有する会社等の組織において、各営業店にタイムレコーダを設置することなく、本部において従業員の出退勤管理を容易に一括管理可能な出退勤時間管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した従来の出退勤時間管理システムの課題に鑑みてなされたものであり、複数の営業店に設置された複数の電話機と、前記電話機と通信網を介して接続される出退勤時間管理サーバとを備え、前記営業店毎に従業員の出退勤情報を収集して集計及び管理する出退勤時間管理システムであって、前記出退勤時間管理サーバにおいて、前記電話機の任意の1台からの発呼を受信した時に、当該発呼を行った電話機を介して前記出退勤情報を入力させるための入力用情報を、当該発呼を行った電話機に対して送信する手段と、前記発呼を行った電話機において前記入力用情報を用いて従業員の出退勤情報を入力すると共に前記出退勤時間管理サーバに送信する手段と、前記出退勤時間管理サーバにおいて全営業店の全従業員から送信される前記出退勤情報を受信して記録及び集計すると共に、当該記録及び集計結果から全営業店における全従業員の出退勤情報を記載した出退勤時間一覧表を作成する手段と、を備えたことを特徴とする出退勤時間管理システムを提供するものである。
【0009】
このように構成することにより、電話機、携帯電話機、パソコンレベルの端末装置、市販の電話情報収集装置、といった既存の機器だけを使用してシステムを構築することができるので、カードリーダや個人認証用のカードの導入が必要な従来の出退勤時間管理システムに比べて、設置コストが大幅に安い出退勤時間管理システムを実現することができる。
【0010】
ここで、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記電話機の種類として、固定電話機と携帯電話機が可能である。このように構成することにより、固定電話機と携帯電話機との組み合わせにより、設置コストの逓減を狙えると共に、回線の種類を2種類とすることにより、回線障害等のトラブルを回避することができる。
【0011】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記携帯電話機は、前記営業店又は前記従業員が所持する予め登録された電話番号のものである。これにより、出退勤時刻を入力するための電話設備として、事業所設置の電話機や端末装置に加えて従業員が所持する携帯電話の使用も可能であるので、出退勤時刻の入力待ちを発生させることがない出退勤時間管理システムを実現することができる。
【0012】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記入力用情報は、前記出退勤情報を入力させるための、音声ガイダンス情報を含むか、若しくは入力画面情報を含むことを特徴とする。これにより、出退勤情報における各データ項目の入力誤りを逓減することができる。
【0013】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記出退勤情報には、少なくとも、出社か退社かの区別を示す出退勤区分コードが含まれていることを特徴とする。このように構成することにより、出社か退社かの区別を明確にできると共に、入力用情報は、出社と退社で共用できるので、入力用情報の構成を簡単にすることができる。
【0014】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記従業員が所持する携帯電話機から入力される前記出退勤情報には、営業店内においてのみ視認可能であり、かつ日替わりで表示される暗証が含まれ、前記出退勤時間管理サーバにおいて営業店内からの入力であることを検証することを特徴とする。これにより、従業員が在宅のままに、従業員が所持する携帯電話機を介して出退勤情報を不正に入力する行為を防止することができる。
【0015】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記発呼元の電話番号をキーにして、電話番号と対応させて予め登録していた営業店名を特定することを特徴とする。このように構成することにより、出退勤情報において営業店名の入力を省略することが可能な出退勤時間管理システムを実現することができる。
【0016】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記発呼元の電話番号をキーにして、電話番号と対応させて予め登録していた従業員IDを特定することを特徴とする。これにより、従業員が所持する携帯電話を介して出退勤情報を入力する場合には、従業員IDの入力を省略することが可能な出退勤時間管理システムを実現することができる。
【0017】
また、前記出退勤時間管理システムにおいて、前記特定された従業員IDをキーにして、従業員IDと対応させて予め登録していた営業店名を特定することを特徴とする。これにより、従業員が所持する携帯電話を介して出退勤情報を入力する場合には、従業員IDの入力と共に営業店名の入力をも省略することが可能な出退勤時間管理システムを実現することができる。
【0018】
さらに、前記出退勤時間管理サーバにおいて前記電話機の任意の1台からの発呼を受信した時刻でもって、当該発呼操作を行った従業員の出社時刻または退社時刻と見なすことを特徴とする。これにより、どのような電話機を用いて入力する場合であっても、出社時刻または退社時刻の入力を省略することが可能な出退勤時間管理システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の出退勤時間管理システムによれば、電話機、携帯電話機、パソコンレベルの端末装置、市販の電話情報収集装置、といった既存の機器だけを使用してシステムを構築することができるので、カードリーダや個人認証用のカードの導入が必要な従来の出退勤時間管理システムに比べて、設置コストを大幅に削減することができる。
【0020】
また、出退勤時刻を入力するための電話設備として、事業所設置の電話機や端末装置に加えて従業員が所持する携帯電話の使用も可能にしたので、出退勤時刻の入力待ちの待ち行列を発生させることがない。さらに、従業員が在宅のままに、営業店日替り暗証表示盤を使用することで、従業員が所持する携帯電話機を介して出退勤情報を入力する不正行為を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムが適用される営業体の組織全体の1構成例を示す説明図である。
【0023】
図1に例示する営業体の組織は、中央に置かれた本部の回りに1以上の営業店(ここでは営業店A乃至G)が配置された構成となっている。
【0024】
営業店A乃至Gの各々には1以上の従業員が配属され、それぞれ勤務しているものとする。本発明に係る出退勤時間管理システムは、これら営業店A乃至Gに配属されて勤務している従業員の出退勤時間を、本部において一括して集計し、管理するものである。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の1例を示す構成図である。図2に例示するように、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムは、1以上の営業店(ここではA乃至G)の各々設置された電話機設置場所11において出退勤情報を入力し、送信するための1台以上の固定式の電話機12、及び1台以上の携帯電話機13を備え、本部において、少なくとも1つの出退勤時間管理サーバ21を備える。固定式の電話機12の各々と出退勤時間管理サーバ21との間は通信網10により互いに通信可能に接続される。また、携帯電話機13の各々と出退勤時間管理サーバ21との間は、携帯電話中継局及び基地局20によって互いに通信可能に結ばれる。
【0026】
通信網10は、公衆電話回線の他、LAN(Local Area
Network)、インターネット網等を含んで構築することができる。また、携帯電話中継局及び基地局20は、通信網10やインターネット網等と接続することができる。
【0027】
営業店(ここではA乃至G)に出社して来た各々従業員は、電話機設置場所11に設置された固定式の電話機12または携帯電話機13を使用して自己の出社時間情報(後述する)を入力し、この入力した当該出社時間情報を通信網10または携帯電話中継局及び基地局20を介して出退勤時間管理サーバ21に送信する。また、営業店(ここではA乃至G)から退社する場合にも、同様に、電話機設置場所11に設置された固定式の電話機12または携帯電話機13を使用して自己の退社時間情報を入力し、この入力した当該退社時間情報を通信網10または携帯電話中継局及び基地局20を介して出退勤時間管理サーバ21に送信する。
【0028】
本部2に設置された出退勤時間管理サーバ21は、この出社時間情報等及び退社時間情報等から出社及び退社時間を割り出し、営業店毎及び従業員毎に集計して出退勤時間一覧表を作成し、印刷する。この処理に際して、出退勤時間管理サーバ21は、送信された出退勤情報に加えて、固定式の電話機12または携帯電話13の電話番号により、営業店名や従業員IDを割り出す。また、出退勤情報を送信するための電話機からの発呼の受信時刻により、出退勤時刻を割り出す。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の他の1例を示す構成図である。
【0030】
図3に示す構成では、営業店1A(ここではA乃至G)に、図2に示す営業店1の電話機設置場所11において設置された設備以外に、電話機設置場所11以外であっても、従業員の各々が所持する携帯電話機13Aを使用して自己の出退勤情報を入力及び送信できるようにしている。この時、営業店日替り暗証表示盤14に表示されている暗証(番号とは限らず、英文字を混ぜてもよい)も併せて入力及び送信することで、確かに営業店の内部からの送信であることを認証できるようにしている。即ち、営業店1A(ここではA乃至G)に勤務する従業員の各々は、実際に自己が勤務する営業店に出社しない限りは、営業店日替り暗証表示盤14に表示されている暗証を知ることができないので、これにより、例えば、在宅のままでの出退勤情報の入力及び送信を論理的に阻止している。
【0031】
営業店日替り暗証表示盤14には、電光掲示板を使用して暗証を表示してもよいが、簡単には手書き等で紙に暗証を書いたものを掲示してもよい。また、表示または掲示する暗証は、周期的に変化させてもよい。そして、この暗証は、営業店1Aの各々が発行して本部2の出退勤時間管理サーバ21に通知するものであってもよいし、本部2の出退勤時間管理サーバ21が営業店1A毎に発行して営業店1Aの各々に通知するものであってもよい。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の他の1例を示す構成図である。
【0033】
図4に示す構成では、営業店1A(ここではA乃至G)に、図2,3に示す営業店1の電話機設置場所11は設置せず、従業員の各々が所持する携帯電話機13Aだけを使用して自己の出退勤情報を入力及び送信できるようにしている。営業店日替り暗証表示盤14に表示される暗証の機能については、前述のとおりである。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図5(a)は出退勤情報の1例、図5(b)は音声ガイドによる入力方法、図5(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【0035】
図5(a)に示す出退勤情報には、本営業体全体または営業店毎に一意に割り当てられた従業員番号を示す「従業員ID」と、出勤/退勤の区別を示す「出退勤区分コード」の各データ項目が設けられている。図5(b)に示す音声ガイドによる出退勤情報の入力方法では、音声ガイド:「従業員IDを入力して下さい」が出力された直後に従業員ID(ここでは「611358」)を入力し、また、その後に、音声ガイド:「出退勤区分コードを入力して下さい」が出力された直後に出退勤区分コード(ここでは出社を「1」、退社を「0」としている)を入力する場面が示されている。
【0036】
図5(c)に示す表示画面による出退勤情報の入力方法では、出退勤情報の入力画面に設けられた各データ項目の表示に従って、ここでは従業員ID及び出退勤区分コードを入力することが示されている。尚、図5に例示する出退勤情報及びその入力方法は、図2に示す出退勤時間管理システムに対応している。
【0037】
図6は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の他の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図6(a)は出退勤情報の1例、図6(b)は音声ガイドによる入力方法、図6(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【0038】
図6(a)に示す出退勤情報には、本営業体全体または営業店毎に一意に割り当てられた従業員番号を示す「従業員ID」と、出勤/退勤の区別を示す「出退勤区分コード」と、従業員が実際に出社しなければ知ることができない「営業店日替り暗証」の各データ項目が設けられている。図5(b)に示す音声ガイドによる出退勤情報の入力方法では、音声ガイド:「従業員IDを入力して下さい」が音声出力された直後に従業員ID(ここでは「611358」)を入力し、また、その後に、音声ガイド:「出退勤区分コードを入力して下さい」が出力された直後に出退勤区分コード(ここでは出社を「1」、退社を「0」としている)を入力し、さらに、その後に、音声ガイド:「営業店日替り暗証を入力して下さい」が音声出力された直後に営業店日替り暗証(ここでは「3829」)を入力する場面が示されている。
【0039】
図6(c)に示す表示画面による出退勤情報の入力方法では、出退勤情報の入力画面に設けられた各データ項目の表示に従って、ここでは従業員ID、出退勤区分コード、及び営業店日替り暗証を入力することが示されている。
図6に例示する出退勤情報及びその入力方法は、図3に示す出退勤時間管理システムに対応している。但し、出退勤情報を携帯電話機13Aを使用して入力する場合には、後述の図7に示す出退勤情報及びその入力方法を用いてもよい。
【0040】
図7は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の他の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図7(a)は出退勤情報の1例、図7(b)は音声ガイドによる入力方法、図7(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【0041】
図7(a)に示す出退勤情報には、出勤/退勤の区別を示す「出退勤区分コード」と、従業員が実際に出社しなければ知ることができない「営業店日替り暗証」の各データ項目が設けられている。図7(b)に示す音声ガイドによる出退勤情報の入力方法では、音声ガイド:「出退勤区分コードを入力して下さい」が出力された直後に出退勤区分コード(ここでは出社を「1」、退社を「0」としている)を入力し、さらに、その後に、音声ガイド:「営業店日替り暗証を入力して下さい」が音声出力された直後に営業店日替り暗証(ここでは「3829」)を入力する場面が示されている。
【0042】
図7(c)に示す表示画面による出退勤情報の入力方法では、出退勤情報の入力画面に設けられた各データ項目の表示に従って、ここでは出退勤区分コード及び営業店日替り暗証を入力することが示されている。なお、この場合、従業員IDについては、出退勤時間管理サーバ21に登録されている電話番号に基づいて出退勤時間管理サーバ21が割り出すので、入力する必要がない。尚、図7に例示する出退勤情報及びその入力方法は、図4に示す出退勤時間管理システムに対応している。
【0043】
図8は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの出退勤時間管理サーバ21が出力する出退勤時間管理一覧表(出力データ)の1例を示す説明図である。図8に示す出退勤時間管理一覧表(出力データ)には、タイトルとして「出退勤時間一覧表」が印刷されており、さらに、その右端には出退勤時間収集の対象期間範囲を示す年月(ここでは「2007年1月」)が印刷されている。
【0044】
また、「出退勤時間一覧表」のデータ項目として、「日付」、「営業店」、「従業員ID」、「氏名」、「出社時刻」、「退社時刻」、及び「残業時間」、の各項目が設けられている。尚、「営業店」については項目扱いとせず、最上部のタイトルの印刷位置まで持ち上げて印刷してもよい。
【0045】
ところで、図8に示す営業店A,Bでは、正規の勤務時間を9:00−17:30としており、昼休みは1時間として総勤務時間を計算している。
【0046】
図9は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおける出退勤時間管理サーバ21の機能ブロック構成を示す構成図である。
【0047】
図9において、出退勤時間管理サーバ21は、全体を制御する制御部31と、登録される電話番号と従業員IDとの対応等を格納する電話番号登録DB(データベース)(32)と、従業員に関する情報(勤務する営業店等)を営業店毎に格納する従業員情報登録DB(33)と、営業店に関する情報(営業店名、勤務する従業員の、従業員ID、住所、従業員数、及び電話機設置場所11に設置する電話機の電話番号等)を格納する営業店情報登録DB(34)と、発行された営業店日替り暗証を一時記憶するための営業店日替り暗証記憶用DB(35)と、出退勤情報を入力することなどのために開設されるウェブページを格納するウェブページDB(36)と、集計された出退勤情報や集計途中の出退勤情報を格納する出退勤情報記録用DB(37)と、を備えて構成される。
【0048】
制御部31は、他の構成要素の処理を分担すると共に他の構成要素を制御する主制御部311と、出退勤情報の収集、集計、保管等に必要なプログラムやデータを記憶するRAM321と、回線接続を制御する回線制御部312と、通信網10とのプロトコルを備えて他の端末装置や電話機との通信を行う通信制御部313と、出退勤情報を入力することなどのために開設されるウェブページの管理とアクセス制御とを行うウェブサーバ314と、データベース(32〜37)を制御するDB(データベース)管理部315と、音声ガイダンスを備え、電話機から通信制御部313を介して出退勤情報を収集し、記録及び出力を行う電話情報収集部316と、集計された出退勤情報を一覧表の形式で印刷する印刷部317と、を備える。この他に、制御部31は、出退勤情報の処理状況をモニタするための表示部、及びOCRやスキャナ等を制御する入力装置制御部等を必要に応じて備えることができる。
【0049】
主制御部311は、本サーバ全体を制御すると共に出退勤情報の収集、集計、保管等に関する補助的な処理を行う。より具体的には、電話情報収集部316が収集した出退勤情報を出退勤情報記録用DBへ記録する処理や、印刷部317を介して出退勤時間管理一覧表(図8)を出力させる処理の制御及び補助を行う。
【0050】
RAM321は、本サーバ全体を制御するための制御プログラム及び出退勤時間一覧表(図8)の作成処理に必要なプログラムやデータを記憶すると共に、前記の各処理の実行に必要な一時的データ(テンポラリデータ)を一時的に記憶する。
【0051】
回線制御部312は、本サーバを、通信網10(公衆電話回線、LAN、インターネット網等を含み得る)を介して、他の端末装置や電話機と双方向通信可能に接続するための通信プロトコルを備えるが、この他に、デジタル終端接続装置(DSU)や侵入防止用のファイアウォールアプリケーションを実装したルータなどを備えて構成することができる。
【0052】
通信制御部313は、ウェブサーバ314を制御すると共に、複数の他の端末装置や通信網10に含まれる種々の通信回線との回線接続を選択的に行う制御を実行する。なお、この通信制御部313は、例えば、インターネット上での時刻同期用NTP(Network Time Protocol)サーバ、分散ファイルシステム用のNFS(Network File System)サーバなどを備えることができる。
【0053】
通信制御部313は、さらに、個人情報などの秘密保持のための暗号化データ転送用の暗号化通信プロトコルを保持し、SSL(Secure Sockets Layer)サーバの制御を実行することができる。
【0054】
ウェブサーバ314は、インターネット網を含む通信網10上で基幹的な通信処理(ブラウジング)を実行するための主コンピュータとして動作する。このウェブサーバ314は、前記インターネット網上に開設されるホームページを運営するものであり、このホームページは出退勤情報の入力画面を備えたウェブページの先頭ページである。このウェブサーバ314は、他の端末装置や携帯電話機13,13Aを介して前記ホームページまたはウェブページへのアクセスがなされた時に、前記ホームページ及び要求されたウェブページを通信制御部313を介して前記各機器に送信する制御を行う。
【0055】
データベース管理部315は、入出力バス320を介して、前記の各データベース(32〜37)を管理する。この管理には、オペレーティングシステムによるファイルの排他制御(占有制御)や、バッファリング技法が含まれる。
【0056】
電話情報収集部316は、出退勤情報を収集する際のタイミングを指示するのに必要な複数の音声ガイダンスを備え、この音声ガイダンスによる音声ガイドにより、主制御部311の制御の下で、各営業店内の各電話機(固定式及び携帯式)から、通信制御部313を介して出退勤情報を収集する。ここで、この電話情報収集部316は、制御部31若しくは本サーバ21に対して外付けであってもよく、主制御部311から出退勤情報の一括収集の依頼があった時に、出退勤情報を一括収集した後で、収集結果を纏めて出力するようなものであってもよい。さらに、市販の装置を使用することも可能である。
【0057】
印刷部317は、入力された出退勤情報から出退勤時間一覧表(図8)を作成し、プリンタ(図示は省略)により印刷する。
【0058】
図10は、本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの出退勤時間管理サーバ21における主制御部311の出退勤情報を収集する処理の動作を示すフローチャート図である。
【0059】
以下、図2に示すシステム構成の場合で、出退勤時間管理サーバ21に対して、各営業店の電話機から、出退勤情報を入力するための発呼がなされた以降の主制御部311の出退勤情報を収集する処理の動作を説明する。
【0060】
(ステップS1)
まず、ステップS1では、主制御部311は、発呼元の電話機が固定式(固定電話機)であるか若しくは携帯式(携帯電話機)であるかを検証する。
【0061】
(ステップS2)
ステップS2では、主制御部311は、発呼元の電話機が固定式の場合はステップS3に進み、発呼元の電話機が携帯式の場合はステップS6に移る。
【0062】
(ステップS3)
ステップS3では、主制御部311は、電話情報収集部316を起動する。既に起動している場合は、そのままステップS4に進む。
【0063】
(ステップS4)
ステップS4では、主制御部311は、電話情報収集部316を介し、「従業員IDを入力して下さい」という内容の音声ガイダンスを送信させ、その応答である従業員IDを受信し、出退勤情報記録用DBに記録する。
【0064】
(ステップS5)
ステップS5では、主制御部311は、電話情報収集部316を介し、「出退勤区分コードを入力して下さい」という内容の音声ガイダンスを送信させ、その応答である出退勤区分コードを受信し、出退勤情報記録用DB37に記録し、処理を終了する。
【0065】
(ステップS6)
ステップS6では、主制御部311は、ウェブサーバ314を起動し、出退勤時刻入力画面(図5(c))を送信させる。
【0066】
(ステップS7)
ステップS7では、主制御部311は、受信した出退勤情報を出退勤情報記録用DB37に記録し、処理を終了する。
【0067】
尚、本システムが、図3,4に示すシステム構成である場合は、入力データ項目に「営業店日替り暗証」が追加され、動作フローもそれに対応したものとする。また、これらの場合、発呼元の電話番号をキーにして、営業店情報登録DB(34)を検索して営業店名を特定する。また、発呼元の電話番号をキーにして、電話番号登録DB(32)を検索することで従業員IDを特定する。さらに、当該従業員IDをキーにして従業員情報登録DB(33)を検索し、営業店名を特定する。
【0068】
ところで、上記の動作において、主制御部311は、必要に応じてエラーメッセージを発呼元に随時送信することができる。また、本発明に係る出退勤時間管理システムの各構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図10のフローチャートで示した手順等によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ,パーソナルコンピュータ,汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、複数の営業店(支店)を有する会社等の組織において、各営業店における従業員の出退勤管理(出退勤時間管理)を中央の本部において一括管理する出退勤時間管理システムに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムが適用される営業体の組織全体の1構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の1例を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の他の1例を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの全体構成の他の1例を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図5(a)は出退勤情報の1例、図5(b)は音声ガイドによる入力方法、図5(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【図6】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の他の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図6(a)は出退勤情報の1例、図6(b)は音声ガイドによる入力方法、図6(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【図7】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおいて入力する出退勤情報の他の1例と、その入力方法とを示す説明図であり、図7(a)は出退勤情報の1例、図7(b)は音声ガイドによる入力方法、図7(c)は入力画面による入力方法を示すものである。
【図8】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの出退勤時間管理サーバ21が出力する出退勤時間一覧表(出力データ)の1例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムにおける出退勤時間管理サーバ21の機能ブロック構成を示す構成図である。
【図10】本発明の実施形態に係る出退勤時間管理システムの出退勤時間管理サーバ21における主制御部311の出退勤情報を収集する処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1(1A、1B):営業店
2:本部
10:通信網
11:電話機設置場所
12:電話機(固定電話機)
13,13A:携帯電話機
14:営業店日替り暗証表示盤
20:携帯電話中継局及び基地局
21:出退勤時間管理サーバ
314:ウェブサーバ
316:電話情報収集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の営業店に設置された複数の電話機と、前記電話機と通信網を介して接続される出退勤時間管理サーバとを備え、前記営業店毎に従業員の出退勤情報を収集して集計及び管理する出退勤時間管理システムであって、
前記出退勤時間管理サーバにおいて、前記電話機の任意の1台からの発呼を受信した時に、当該発呼を行った電話機を介して前記出退勤情報を入力させるための入力用情報を、当該発呼を行った電話機に対して送信する手段と、
前記発呼を行った電話機において前記入力用情報を用いて従業員の出退勤情報を入力すると共に前記出退勤時間管理サーバに送信する手段と、
前記出退勤時間管理サーバにおいて全営業店の全従業員から送信される前記出退勤情報を受信して記録及び集計すると共に、当該記録及び集計結果から全営業店における全従業員の出退勤情報を記載した出退勤時間一覧表を作成する手段と、
を備えたことを特徴とする出退勤時間管理システム。
【請求項2】
前記電話機は、固定電話機又は携帯電話機であることを特徴とする請求項1に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項3】
前記携帯電話機は、前記営業店又は前記従業員が所持する予め登録された電話番号のものであることを特徴とする請求項2に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項4】
前記入力用情報は、前記出退勤情報の入力を案内するための音声ガイダンス情報又は入力案内画面情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項5】
前記出退勤情報には、少なくとも、出社か退社かの区別を示す出退勤区分コードが含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項6】
前記従業員が所持する携帯電話機から入力される前記出退勤情報には、前記営業店内において視認可能な暗証が含まれ、
前記出退勤時間管理サーバは、前記営業店からの発呼であることを検証することを特徴とする請求項3に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項7】
前記発呼元の電話番号をキーにして、電話番号と対応させて予め登録していた営業店名を特定することを特徴とする請求項6に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項8】
前記発呼元の電話番号をキーにして、電話番号と対応させて予め登録していた従業員IDを特定することを特徴とする請求項7に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項9】
前記特定された従業員IDをキーにして、従業員IDと対応させて予め登録していた営業店名を特定することを特徴とする請求項8に記載の出退勤時間管理システム。
【請求項10】
前記出退勤時間管理サーバにおいて前記電話機の任意の1台からの発呼を受信した時刻でもって、当該発呼操作を行った従業員の出社時刻または退社時刻と見なすことを特徴とする請求項9に記載の出退勤時間管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−129330(P2009−129330A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305849(P2007−305849)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(397065686)株式会社ビューティトップヤマノ (1)
【Fターム(参考)】