刃物
【課題】 しばらく研がずに使用していると、刃先が丸まってしまい、鋸のような引っ掛かりが無くなって、切れなくなっていた。
そこで、本発明の刃物の刃先(1c)は、鋼と軟鋼を30度に重ねてあり、砥石で研ぐと鋼だけが残り、凸凹に残るので、よく切れる刃物を提供するものである。
【解決手段】 刃物は、軟鋼板(3)の上に軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を交互に挟み、その軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼は斜めにずらし、その上に薄い軟鋼板(4)を重ねて仮付けをして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き鍛えられ、その刃物鋼(1)を包丁本体(2)に溶接して、刃先(1c)を鋭利にする。
そこで、本発明の刃物の刃先(1c)は、鋼と軟鋼を30度に重ねてあり、砥石で研ぐと鋼だけが残り、凸凹に残るので、よく切れる刃物を提供するものである。
【解決手段】 刃物は、軟鋼板(3)の上に軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を交互に挟み、その軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼は斜めにずらし、その上に薄い軟鋼板(4)を重ねて仮付けをして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き鍛えられ、その刃物鋼(1)を包丁本体(2)に溶接して、刃先(1c)を鋭利にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼と軟鋼を斜めに多数重ねることで、切れ味を良くする刃物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
刃物とは、物を引き切るものであり、押さえただけでは切れない物で、刃先は拡大してみると鋸のようになっており、その鋸のような引っ掛かりは砥石で削りできるもである。その、刃物の刃を砥石の上で擦り、摩耗して、刃に鋸のようなぎざぎざを作り、そのぎざぎざが物を引っ掛け、切っていた。
したがって、そのぎざぎざが摩耗してなくなると、刃物は切れなくなっていた。
【0003】
ところで、漁業関係者の間では、海で錆びた包丁を研ぐと、その包丁はよく切れることが知られている。それは、包丁の表面が錆びて、ピンホールのように部分的に禿び、禿びた後が凸凹になり、切れ味を保てるものと推察する。
また、パン切り包丁の場合には、表面を波形にして、その裏面から研いで切れ味を保つ物もあった。
【0004】
従来の刃物で、最も優れているのが日本刀で、図9は、日本刀の刃先(1c)の斜視図と、その断面である。その図は拡大したところで、たま鋼(1z)と軟鋼(1y)が、互い違いに層を作っており、その制作方法は、軟鋼(1y)の上に、たま鋼(1z)を置き、それを熱して鍛え、折り曲げる作業を繰り返し、僅か8ミリの間に1024の層を成していた。
その刀の肌は、木目のようになっており、綺麗だけでなくたま鋼(1z)を軟鋼(1y)で包み、折れ難い物で、0.01ミリのたま鋼(1z)を0.01ミリの軟鋼(1y)が包む、画期的な技術であった。
また、図の中の、格子状に斜線を引いた焼入後(1x)の場所は、焼き入れ段階で粘土を付け、焼き入れから除いた部分で、刃先(1c)には砥石で研いだ後と、鋸のようになった刃先(1c)を示している。そして、軟鋼(1y)に、砥石で削られた跡が残っていないのは、軟らかいので少しの摩耗で消えてしまうので、書いていない。
また、その技術で、包丁やナイフなどを作った物もあった。
【0005】
また名称、包丁及びその製造方法・特開平11−47460のように硬質の金属より、中子に柄取付用の孔あけ化工等を施すことから、製造に手間がかかるとともに、硬質金属は一般に高価であることから材料費が高く製造コストがかかるという問題があったが、硬質の金属を刃先側に配置するとともに、軟質の金属を背側に配置して、両者を溶接することにより形成したことで折れ難く、コストも安価な物であった。
【0006】
また名称、帯状打抜き用刃物・特開平6−190797のように日本刀を真似た物があった。その帯状打抜き用刃物は、普通軟鋼の上に鋼を張り付けるだけであったが、帯状打抜き用刃物は、間に鋼を挟み込んで折れ難く、曲り難いものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−47460
【特許文献2】特開平06−190797
【特許文献3】特開2008−264116
【特許文献4】特開2002−971
【特許文献5】特開2007−143956
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の刃物で、最も優れているのが日本刀で、日本刀は軟鋼の上に玉鋼を置き、それを熱して鍛え、折り曲げる作業を繰り返し、僅か8ミリの間に1024の層を成していた。 その技術で、包丁やナイフなどを作った物もあったが、しばらく研がずに使用していると、刃先が丸まってしまい、鋸のような引っ掛かりが無くなっていた。したがって、押しても、引いても、押さえ付けても切れなくなっていた。
【0009】
従来の包丁は、硬質の金属より、中子に柄取付用の孔あけ化工等を施すことから、製造に手間がかかるとともに、硬質金属は一般に高価であることから材料費が高く製造コストがかかるという問題があった。
また、中子には溶接されていることも多く、また、中子には口金を溶接されていることも多く、このような場合には、集中応力や熱によって、中子の部分が折れ易いなどの問題があった。
【0010】
そこで名称、包丁及びその製造方法・特開平11−47460のように硬質の金属を刃先側に配置するとともに、軟質の金属を背側に配置して、両者を溶接することにより形成したことで折れ難く、コストも安価な物であった。しかし、刃は硬質の物であるため日本刀のように、刃の硬質を補強する物でないため硬度が少し落ちる物であった。
【0011】
また名称、帯状打抜き用刃物・特開平6−190797のように日本刀を真似た物があった。しかし、硬い層と軟らかい層が3層だけであったため、日本刀を作る製法には落ちる物であった。
【0012】
そこで、本発明の刃物は、日本刀のように硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼を約45度の斜めに重ねて、圧着して約45度が約30度になるまで鍛える刃物を作り、刃先(1c)は鋸のように鋼と軟鋼が互い違いに並ぶので、日本刀よりよく切れる刃物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための刃物は、軟鋼板(3)の上に軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を交互に多数挟み、その上から薄い軟鋼板(4)を乗せ、圧力や熱を加えることで、原子間引力が作用して引っ付ける。
その軟鋼板(3)と、軟らかい板(1b)と硬い板(1a)を合わせた刃物鋼(1)を包丁本体(2)に溶接して止め、荒研ぎをして、焼き入れをして、刃先(1c)を鋭利にすることで目的を達成した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の刃物は、次のような効果がある。
(イ)鋼と軟鋼の0.3ミリの板を、約30度の斜めに重ねているので、日本刀と同じく刃こぼれしにくい。
(ロ)鋼と軟鋼の0.3ミリの板を、約30度の斜めに重ねているので、刃先が鋸のようになっているので切れ味を保つ。
(ハ)刃物鋼(1)は小さいので、日本刀のより破れがおこり難いので、制作が簡単である。
(ニ)日本刀は引かないと切れなかったが、本発明は針のようになっているので、押さえただけで切れる。
(ホ)高価な鋼を少ししか使用していないので、コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図は、本発明の刃先の斜視図と、その断面である。
【図2】図は、刃先の側面で、拡大図である。
【図3】図は、軟鋼板の上に、鋼と軟鋼を並べた正面図である。
【図4】図は、図3の鋼と軟鋼を、並べたものを鍛えた正面図である。
【図5】図は、包丁本体と刃物鋼の側面図である。
【図6】図は、包丁本体と刃物鋼を溶接した側面図である。
【図7】図は、研いだ刃先の断面図である。
【図8】図は、研ぎ上がった正面図である。
【図9】図は、日本刀の刃先の斜視図と、その断面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の刃物は、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を交互に重ねて、その硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を斜めにずらして引っ付け、刃先(1c)を、そのずらした方向と同じく斜めに、鋭利にするのが大まかな形である。まず、軟鋼板(3)の上に、軟らかい板(1b)で炭素量0.3%未満の軟鋼と、硬い板(1a)で炭素量1.3%以上の鋼を交互に挟み、その軟らかい板(1b)の軟鋼と硬い板(1a)の鋼を斜め約45度にずらし、その上に薄い軟鋼板(4)を置き、外れないように仮に溶接をしてとめる。
【0017】
そして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼が、約45度に重ねた刃物鋼(1)は、鍛えられて斜め約30度になるぐらいまで延ばす。
そのとき、中の面の軟鋼板(3)と、軟らかい板(1b)と硬い板(1a)を合わせた刃物鋼(1)は原子間引力で融合する。
【0018】
原子間引力とは、金属原子の鉄(元素記号Fe)の粒が引力によって引っ付いている状態である。そこで、金属をナノの段階まで磨いて引っ付けると、離れないことを言い、その他の方法として、熱で金属をと溶かして、原子間引力で引っ付ける方法と、熱と圧力を利用する方法があり、この刃物鋼(1)は熱と圧力を利用した。
それを、包丁本体(2)に溶接して、刃物鋼(1)を取り付け、荒研ぎをしてから、焼き入れをして仕上げる。
【0019】
荒研ぎは、薄い軟鋼板(4)は、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き鍛えられるためだけに取り付けた物であるため、完全に削って除け、軟鋼板(3)と刃物鋼(1)は対称的に残し、鋭利に形成する。
【0020】
したがって、硬い板(1a)は、軟らかい板(1b)と裏全体を軟鋼板(3)で補強され、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)とは、ごく薄い物であるから、焼き入れで熱歪みを起こして、破れ生じる心配が無い。
また、湯の温度を下げることは、湯が沸騰するまでの時間が長く、より刃物鋼(1)が湯に接している時間が長くなるので急冷する。
その後、砥石で研いで刃先(1c)の硬い板(1a)の鋼と、軟らかい板(1b)の軟鋼で大きな凸凹と、ミクロのぎざぎざができ、そのぎざぎざと大きな凸凹とで物が引っ掛かり切れる。
【実施例】
【0021】
本発明の刃物を、図面を参照して説明する。
図1は、斜視図とその断面を示す図であり、出来上がった刃の拡大している。刃物鋼(1)の硬い板(1a)の鋼は厚み0.3ミリのゼンマイのバネと、軟らかい板(1b)の軟鋼は厚み0.3ミリのトタンで作った物であるから、刃物鋼(1)に斜めに付いた斜線の幅は0.3ミリである。
【0022】
図2は、その刃の部分を、更に拡大して、顕微鏡で見えるぐらいの大きさである。その図で、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)の刃先(1c)が作る山は0.6ミリピッチになっており、硬い板(1a)の鋼は、刃先(1c)が砥石で削られた跡が、硬い板(1a)の上に直線として現し、刃先(1c)は凸凹になって、鋸のようになっている。
軟らかい板(1b)に砥石で削られた跡が残っていないのは、軟らかいので少しの摩耗で消えてしまうので、書いていない。
そのミクロのぎざぎざと、軟らかい板(1b)の軟鋼は、軟らかいので、同時に砥石で研いでも禿びるのが早く、0.6ミリの大きな凸凹になり、その凸凹は20センチの間に333個山がある。
したがって、ミクロの凸凹が摩耗で消えても、硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼とで作った凸凹は残るので、一般の包丁よりは切れ味が保てる。
【0023】
刃先は鋸のように、ぎざぎざになっており、そのぎざぎざが無いようになると刃物の切れが悪くなったときで、砥石で研いで新たなぎざぎざを作ってした。
研ぎ師は日本刀を、鷲掴して半人まえだと言っていたが、本発明では刃先が針を並べたようになっているので、押さえただけで切れる。
【0024】
制作方法について、図3の正面図は、刃物の刃先(1c)を正面に見た図で、まず軟鋼板(3)で長さ20ミリの、厚みが3ミリの上に、厚みが0.3ミリのゼンマイのバネの、硬い板(1a)の鋼と、軟らかい板(1b)の軟鋼は厚み0.3ミリのトタンで作った物を600枚上に置き、斜めにずらす。 その上から、厚みが2ミリの薄い軟鋼板(4)を上に置き、それらを外れないように仮付けして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩く。
【0025】
軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を、約45度に重ねた刃物鋼(1)は、鍛えられて、図4の正面図のように約30度になるぐらいまで延ばす。このとき、原子間引力が作用して引っ付いている。
図の中で、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)が融合して刃物鋼(1)となっている下の部分が、刃先(1c)になる場所である。
この刃物鋼(1)を斜めにせず、軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を重ねた物を作ったが、軟らかい板(1b)の軟鋼の方が、砥石で研いでもかえりが出てしまい、使用不能であったので、斜めにずらすと硬い板(1a)の鋼が残り、軟らかい板(1b)の軟鋼が硬い板(1a)の鋼の影に隠れるように禿びるので、かえりになって残らない。
【0026】
ところで、軟らかい板(1b)は、普通の軟鋼の、炭素含有量による分類において、0.18%以上0.3%以下の炭素を含有する鋼のことで、引っ張り強さが50kgf/mm平方以下の鋼の総称として使っていて、クロームやニッケルなどを混ぜてステンレスを使用することもある。
【0027】
硬い板(1a)の鋼は、鉄を主成分とし、0.02%〜2%の炭素と、その他の元素を含有する金属材料、鉄、炭素以外に使用目的に応じて、マンガン、けい素、ニッケル、クローム、モリブデン、銅、リン、アルミニュウ、パラジウム、ニオブ、チタン、コバルト、ボロン、硫黄、鉛などが加えられる。
成分、用途により、炭素鋼、合金鋼、あるいは普通鋼、特殊鋼などに分類され、これを使用することもある。
【0028】
図5の側面図は、それを包丁本体(2)に溶接して、刃物鋼(1)を取り付けた図が図6である。包丁本体(2)と刃物鋼(1)を溶接する方法は、アーク溶接またはティグ溶接、その他簡単なところでは、圧接方法の中でガス圧接が良い。
【0029】
次に、荒研ぎをしてから、焼き入れをして仕上げ、図7の断面図ようになる。その図の中で、点線で現しているのは荒研ぎする前の刃先(1c)に状態を示している。
軟鋼板(3)は削りとられて楔状に残り、刃物鋼(1)も削りとられて楔状に残り、薄い軟鋼板(4)は全て取り除いた状態である。
【0030】
軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を斜めに圧着して、軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼が何百層もの層を作り、それらを研ぐと軟らかい板(1b)の軟鋼の方が、柔らかいため早く禿び、硬い板(1a)の鋼の層が残り、理想的な刃先(1c)になる。
【0031】
図8の正面図は、刃先(1c)と刃物鋼(1)と、刃物鋼(1)は硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼と、それを支える軟鋼板(3)と包丁本体(2)とを現している。
これが、理想的な形であるが、同じに砥石で研いでも軟らかい板(1b)や軟鋼板(3)の方が禿び易く、刃先(1c)が図の上の方に入って、刃物鋼(1)の中に入っても、切れ味は一切変わらず使用できる。
ただ、軟鋼板(3)の補強がなくなると、硬い板(1a)の鋼は欠ける恐れがある。
【産業上の利用可能性】
【0032】
従来のセラミックを使用した、名称 刃物、特開2007−143956は、刃物が摩耗していく状態であっても、セラミックの中に分散しているTiB粒子が被処理物に対して、常に点接触しぎざぎざ刃機構になることから切れ味が変わらなかった。
そのセラミックで、本発明の刃物を作る場合、セラミックの硬い板(1a)と、その間を樹脂で硬め軟らかい板(1b)の替わりとして作るため、包丁本体(2)を樹脂で作り、その中にセラミックの硬い板(1a)を入れる。
このセラミック包丁は、樹脂でできているためコストがかからず、錆にも強い。
【符号の説明】
【0033】
1 刃物鋼 1a 硬い板 1b 軟らかい板 1c 刃先
1z たま鋼 1y 軟鋼 1x 焼入後
2 包丁本体 3 軟鋼板 4 薄い軟鋼板
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼と軟鋼を斜めに多数重ねることで、切れ味を良くする刃物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
刃物とは、物を引き切るものであり、押さえただけでは切れない物で、刃先は拡大してみると鋸のようになっており、その鋸のような引っ掛かりは砥石で削りできるもである。その、刃物の刃を砥石の上で擦り、摩耗して、刃に鋸のようなぎざぎざを作り、そのぎざぎざが物を引っ掛け、切っていた。
したがって、そのぎざぎざが摩耗してなくなると、刃物は切れなくなっていた。
【0003】
ところで、漁業関係者の間では、海で錆びた包丁を研ぐと、その包丁はよく切れることが知られている。それは、包丁の表面が錆びて、ピンホールのように部分的に禿び、禿びた後が凸凹になり、切れ味を保てるものと推察する。
また、パン切り包丁の場合には、表面を波形にして、その裏面から研いで切れ味を保つ物もあった。
【0004】
従来の刃物で、最も優れているのが日本刀で、図9は、日本刀の刃先(1c)の斜視図と、その断面である。その図は拡大したところで、たま鋼(1z)と軟鋼(1y)が、互い違いに層を作っており、その制作方法は、軟鋼(1y)の上に、たま鋼(1z)を置き、それを熱して鍛え、折り曲げる作業を繰り返し、僅か8ミリの間に1024の層を成していた。
その刀の肌は、木目のようになっており、綺麗だけでなくたま鋼(1z)を軟鋼(1y)で包み、折れ難い物で、0.01ミリのたま鋼(1z)を0.01ミリの軟鋼(1y)が包む、画期的な技術であった。
また、図の中の、格子状に斜線を引いた焼入後(1x)の場所は、焼き入れ段階で粘土を付け、焼き入れから除いた部分で、刃先(1c)には砥石で研いだ後と、鋸のようになった刃先(1c)を示している。そして、軟鋼(1y)に、砥石で削られた跡が残っていないのは、軟らかいので少しの摩耗で消えてしまうので、書いていない。
また、その技術で、包丁やナイフなどを作った物もあった。
【0005】
また名称、包丁及びその製造方法・特開平11−47460のように硬質の金属より、中子に柄取付用の孔あけ化工等を施すことから、製造に手間がかかるとともに、硬質金属は一般に高価であることから材料費が高く製造コストがかかるという問題があったが、硬質の金属を刃先側に配置するとともに、軟質の金属を背側に配置して、両者を溶接することにより形成したことで折れ難く、コストも安価な物であった。
【0006】
また名称、帯状打抜き用刃物・特開平6−190797のように日本刀を真似た物があった。その帯状打抜き用刃物は、普通軟鋼の上に鋼を張り付けるだけであったが、帯状打抜き用刃物は、間に鋼を挟み込んで折れ難く、曲り難いものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−47460
【特許文献2】特開平06−190797
【特許文献3】特開2008−264116
【特許文献4】特開2002−971
【特許文献5】特開2007−143956
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の刃物で、最も優れているのが日本刀で、日本刀は軟鋼の上に玉鋼を置き、それを熱して鍛え、折り曲げる作業を繰り返し、僅か8ミリの間に1024の層を成していた。 その技術で、包丁やナイフなどを作った物もあったが、しばらく研がずに使用していると、刃先が丸まってしまい、鋸のような引っ掛かりが無くなっていた。したがって、押しても、引いても、押さえ付けても切れなくなっていた。
【0009】
従来の包丁は、硬質の金属より、中子に柄取付用の孔あけ化工等を施すことから、製造に手間がかかるとともに、硬質金属は一般に高価であることから材料費が高く製造コストがかかるという問題があった。
また、中子には溶接されていることも多く、また、中子には口金を溶接されていることも多く、このような場合には、集中応力や熱によって、中子の部分が折れ易いなどの問題があった。
【0010】
そこで名称、包丁及びその製造方法・特開平11−47460のように硬質の金属を刃先側に配置するとともに、軟質の金属を背側に配置して、両者を溶接することにより形成したことで折れ難く、コストも安価な物であった。しかし、刃は硬質の物であるため日本刀のように、刃の硬質を補強する物でないため硬度が少し落ちる物であった。
【0011】
また名称、帯状打抜き用刃物・特開平6−190797のように日本刀を真似た物があった。しかし、硬い層と軟らかい層が3層だけであったため、日本刀を作る製法には落ちる物であった。
【0012】
そこで、本発明の刃物は、日本刀のように硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼を約45度の斜めに重ねて、圧着して約45度が約30度になるまで鍛える刃物を作り、刃先(1c)は鋸のように鋼と軟鋼が互い違いに並ぶので、日本刀よりよく切れる刃物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための刃物は、軟鋼板(3)の上に軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を交互に多数挟み、その上から薄い軟鋼板(4)を乗せ、圧力や熱を加えることで、原子間引力が作用して引っ付ける。
その軟鋼板(3)と、軟らかい板(1b)と硬い板(1a)を合わせた刃物鋼(1)を包丁本体(2)に溶接して止め、荒研ぎをして、焼き入れをして、刃先(1c)を鋭利にすることで目的を達成した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の刃物は、次のような効果がある。
(イ)鋼と軟鋼の0.3ミリの板を、約30度の斜めに重ねているので、日本刀と同じく刃こぼれしにくい。
(ロ)鋼と軟鋼の0.3ミリの板を、約30度の斜めに重ねているので、刃先が鋸のようになっているので切れ味を保つ。
(ハ)刃物鋼(1)は小さいので、日本刀のより破れがおこり難いので、制作が簡単である。
(ニ)日本刀は引かないと切れなかったが、本発明は針のようになっているので、押さえただけで切れる。
(ホ)高価な鋼を少ししか使用していないので、コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図は、本発明の刃先の斜視図と、その断面である。
【図2】図は、刃先の側面で、拡大図である。
【図3】図は、軟鋼板の上に、鋼と軟鋼を並べた正面図である。
【図4】図は、図3の鋼と軟鋼を、並べたものを鍛えた正面図である。
【図5】図は、包丁本体と刃物鋼の側面図である。
【図6】図は、包丁本体と刃物鋼を溶接した側面図である。
【図7】図は、研いだ刃先の断面図である。
【図8】図は、研ぎ上がった正面図である。
【図9】図は、日本刀の刃先の斜視図と、その断面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の刃物は、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を交互に重ねて、その硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を斜めにずらして引っ付け、刃先(1c)を、そのずらした方向と同じく斜めに、鋭利にするのが大まかな形である。まず、軟鋼板(3)の上に、軟らかい板(1b)で炭素量0.3%未満の軟鋼と、硬い板(1a)で炭素量1.3%以上の鋼を交互に挟み、その軟らかい板(1b)の軟鋼と硬い板(1a)の鋼を斜め約45度にずらし、その上に薄い軟鋼板(4)を置き、外れないように仮に溶接をしてとめる。
【0017】
そして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼が、約45度に重ねた刃物鋼(1)は、鍛えられて斜め約30度になるぐらいまで延ばす。
そのとき、中の面の軟鋼板(3)と、軟らかい板(1b)と硬い板(1a)を合わせた刃物鋼(1)は原子間引力で融合する。
【0018】
原子間引力とは、金属原子の鉄(元素記号Fe)の粒が引力によって引っ付いている状態である。そこで、金属をナノの段階まで磨いて引っ付けると、離れないことを言い、その他の方法として、熱で金属をと溶かして、原子間引力で引っ付ける方法と、熱と圧力を利用する方法があり、この刃物鋼(1)は熱と圧力を利用した。
それを、包丁本体(2)に溶接して、刃物鋼(1)を取り付け、荒研ぎをしてから、焼き入れをして仕上げる。
【0019】
荒研ぎは、薄い軟鋼板(4)は、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩き鍛えられるためだけに取り付けた物であるため、完全に削って除け、軟鋼板(3)と刃物鋼(1)は対称的に残し、鋭利に形成する。
【0020】
したがって、硬い板(1a)は、軟らかい板(1b)と裏全体を軟鋼板(3)で補強され、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)とは、ごく薄い物であるから、焼き入れで熱歪みを起こして、破れ生じる心配が無い。
また、湯の温度を下げることは、湯が沸騰するまでの時間が長く、より刃物鋼(1)が湯に接している時間が長くなるので急冷する。
その後、砥石で研いで刃先(1c)の硬い板(1a)の鋼と、軟らかい板(1b)の軟鋼で大きな凸凹と、ミクロのぎざぎざができ、そのぎざぎざと大きな凸凹とで物が引っ掛かり切れる。
【実施例】
【0021】
本発明の刃物を、図面を参照して説明する。
図1は、斜視図とその断面を示す図であり、出来上がった刃の拡大している。刃物鋼(1)の硬い板(1a)の鋼は厚み0.3ミリのゼンマイのバネと、軟らかい板(1b)の軟鋼は厚み0.3ミリのトタンで作った物であるから、刃物鋼(1)に斜めに付いた斜線の幅は0.3ミリである。
【0022】
図2は、その刃の部分を、更に拡大して、顕微鏡で見えるぐらいの大きさである。その図で、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)の刃先(1c)が作る山は0.6ミリピッチになっており、硬い板(1a)の鋼は、刃先(1c)が砥石で削られた跡が、硬い板(1a)の上に直線として現し、刃先(1c)は凸凹になって、鋸のようになっている。
軟らかい板(1b)に砥石で削られた跡が残っていないのは、軟らかいので少しの摩耗で消えてしまうので、書いていない。
そのミクロのぎざぎざと、軟らかい板(1b)の軟鋼は、軟らかいので、同時に砥石で研いでも禿びるのが早く、0.6ミリの大きな凸凹になり、その凸凹は20センチの間に333個山がある。
したがって、ミクロの凸凹が摩耗で消えても、硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼とで作った凸凹は残るので、一般の包丁よりは切れ味が保てる。
【0023】
刃先は鋸のように、ぎざぎざになっており、そのぎざぎざが無いようになると刃物の切れが悪くなったときで、砥石で研いで新たなぎざぎざを作ってした。
研ぎ師は日本刀を、鷲掴して半人まえだと言っていたが、本発明では刃先が針を並べたようになっているので、押さえただけで切れる。
【0024】
制作方法について、図3の正面図は、刃物の刃先(1c)を正面に見た図で、まず軟鋼板(3)で長さ20ミリの、厚みが3ミリの上に、厚みが0.3ミリのゼンマイのバネの、硬い板(1a)の鋼と、軟らかい板(1b)の軟鋼は厚み0.3ミリのトタンで作った物を600枚上に置き、斜めにずらす。 その上から、厚みが2ミリの薄い軟鋼板(4)を上に置き、それらを外れないように仮付けして、摂氏約1000度に加熱して、ハンマーで叩く。
【0025】
軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を、約45度に重ねた刃物鋼(1)は、鍛えられて、図4の正面図のように約30度になるぐらいまで延ばす。このとき、原子間引力が作用して引っ付いている。
図の中で、硬い板(1a)と軟らかい板(1b)が融合して刃物鋼(1)となっている下の部分が、刃先(1c)になる場所である。
この刃物鋼(1)を斜めにせず、軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を重ねた物を作ったが、軟らかい板(1b)の軟鋼の方が、砥石で研いでもかえりが出てしまい、使用不能であったので、斜めにずらすと硬い板(1a)の鋼が残り、軟らかい板(1b)の軟鋼が硬い板(1a)の鋼の影に隠れるように禿びるので、かえりになって残らない。
【0026】
ところで、軟らかい板(1b)は、普通の軟鋼の、炭素含有量による分類において、0.18%以上0.3%以下の炭素を含有する鋼のことで、引っ張り強さが50kgf/mm平方以下の鋼の総称として使っていて、クロームやニッケルなどを混ぜてステンレスを使用することもある。
【0027】
硬い板(1a)の鋼は、鉄を主成分とし、0.02%〜2%の炭素と、その他の元素を含有する金属材料、鉄、炭素以外に使用目的に応じて、マンガン、けい素、ニッケル、クローム、モリブデン、銅、リン、アルミニュウ、パラジウム、ニオブ、チタン、コバルト、ボロン、硫黄、鉛などが加えられる。
成分、用途により、炭素鋼、合金鋼、あるいは普通鋼、特殊鋼などに分類され、これを使用することもある。
【0028】
図5の側面図は、それを包丁本体(2)に溶接して、刃物鋼(1)を取り付けた図が図6である。包丁本体(2)と刃物鋼(1)を溶接する方法は、アーク溶接またはティグ溶接、その他簡単なところでは、圧接方法の中でガス圧接が良い。
【0029】
次に、荒研ぎをしてから、焼き入れをして仕上げ、図7の断面図ようになる。その図の中で、点線で現しているのは荒研ぎする前の刃先(1c)に状態を示している。
軟鋼板(3)は削りとられて楔状に残り、刃物鋼(1)も削りとられて楔状に残り、薄い軟鋼板(4)は全て取り除いた状態である。
【0030】
軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼を斜めに圧着して、軟らかい板(1b)の軟鋼と、硬い板(1a)の鋼が何百層もの層を作り、それらを研ぐと軟らかい板(1b)の軟鋼の方が、柔らかいため早く禿び、硬い板(1a)の鋼の層が残り、理想的な刃先(1c)になる。
【0031】
図8の正面図は、刃先(1c)と刃物鋼(1)と、刃物鋼(1)は硬い板(1a)の鋼と軟らかい板(1b)の軟鋼と、それを支える軟鋼板(3)と包丁本体(2)とを現している。
これが、理想的な形であるが、同じに砥石で研いでも軟らかい板(1b)や軟鋼板(3)の方が禿び易く、刃先(1c)が図の上の方に入って、刃物鋼(1)の中に入っても、切れ味は一切変わらず使用できる。
ただ、軟鋼板(3)の補強がなくなると、硬い板(1a)の鋼は欠ける恐れがある。
【産業上の利用可能性】
【0032】
従来のセラミックを使用した、名称 刃物、特開2007−143956は、刃物が摩耗していく状態であっても、セラミックの中に分散しているTiB粒子が被処理物に対して、常に点接触しぎざぎざ刃機構になることから切れ味が変わらなかった。
そのセラミックで、本発明の刃物を作る場合、セラミックの硬い板(1a)と、その間を樹脂で硬め軟らかい板(1b)の替わりとして作るため、包丁本体(2)を樹脂で作り、その中にセラミックの硬い板(1a)を入れる。
このセラミック包丁は、樹脂でできているためコストがかからず、錆にも強い。
【符号の説明】
【0033】
1 刃物鋼 1a 硬い板 1b 軟らかい板 1c 刃先
1z たま鋼 1y 軟鋼 1x 焼入後
2 包丁本体 3 軟鋼板 4 薄い軟鋼板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を斜めにずらして交互に重ねて、
該硬い板(1a)と該軟らかい板(1b)を引っ付け、刃先(1c)を鋭利にすることを特徴とする刃物。
【請求項1】
硬い板(1a)と軟らかい板(1b)を斜めにずらして交互に重ねて、
該硬い板(1a)と該軟らかい板(1b)を引っ付け、刃先(1c)を鋭利にすることを特徴とする刃物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−142985(P2011−142985A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4749(P2010−4749)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(391011113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(391011113)
【Fターム(参考)】
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