説明

分散オレフィンポリマーのフロスおよび耐久性発泡体、発泡体の製造方法およびそれから作製された物品

水性ベースの分散オレフィンポリマー、フロス、耐久性連続気泡発泡体組成物、それに由来する構造物および物品;そのようなフロスおよび発泡体を作製する方法;および各種の用途での乾燥耐久性発泡体の使用が開示される。他の特性の中でも、発泡体の良好な吸収能力、軟度および/または柔軟性およびそのリサイクル可能な性質による、吸収、濾過、絶縁、緩衝および裏当て用途における、特に脱臭、衛生および医療用途のための、それから作製した発泡体および構造物および物品の使用についてさらに述べる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
親水性連続気泡発泡体は、水性流体を捕捉および分散させる製品、たとえば、オムツ、成人用失禁パッドおよびブリーフ、女性用衛生製品、拭取りタオルおよびスポンジ、創傷包帯および外科用スポンジ、ならびに他の類似の水性流体吸収用途に使い道を見出している。加えて、疎水性および親水性の両方の連続気泡発泡体が、多数の他の用途、たとえば流体濾過、絶縁用途、たとえば吸音または消音および断熱または保冷あるいはバリア、緩衝材、カーペットおよび織物裏当てに使い道を見出している。
【0002】
本発明は、水性ベースの分散オレフィンポリマーを含む機械的起泡組成物、リサイクル可能な耐久性連続気泡発泡体組成物、それに由来する構造物および物品、ならびにそのようなフロスおよび発泡体の作製方法に関する。本発明はさらに、他の特性の中でも、その良好な吸収能力、軟度および/または柔軟性ならびにそのリサイクル可能な性質による、吸収、濾過、絶縁、緩衝および裏当て用途における乾燥耐久性発泡体の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
水性流体の捕捉および分散のための物品において有用な機械的起泡由来発泡体は、ポリマーラテックスから作製されている、たとえば米国特許第4,990541号およびWO−01/80916A2で述べられているカルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックス由来発泡体。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改良フィルムコーティングの作製に有用な直鎖オレフィンコポリマーの水性分散物は、米国特許第5,798,410号で述べられているように界面活性剤の安定化および乳化量を使用して作製されるが、明らかに起泡していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水性ベースの、分散オレフィンポリマーフロス、それに由来する連続気泡、耐久性発泡体組成物(乾燥)、そのような分散オレフィンポリマーフロスおよび耐久性発泡体の作製方法、ならびに耐久性発泡体の各種用途での使用を含む。発泡体の相対的な軟度および柔軟性ならびにその良好な水性流体吸収および水性流体吸上げ能力によって、他の特性の中でも流体吸収および吸上げ能力を有する吸収性衛生物品で特に有用になっている。
【0006】
本発明者らは、水性ベースの分散オレフィンポリマーフロスから作製され、10g/gを超える、好ましくは15g/gを超える高い吸収能力(「AC」)(乾燥発泡体1g当たりに吸収された合成0.9重量パーセント食塩溶液のgとして表される)を示す連続気泡発泡体を見出した。本発明の耐久性発泡体は好ましくは親水性であり、選択した用途のために上述の0.9% 食塩溶液の好ましくは約5cm(約2インチ)を超える、さらに好ましくは約8cm(約3インチ)、なおさらに好ましくは約10cm(約4インチ)を超える、そして最も好ましくは約15cm(約6インチ)を超える高さまでの垂直吸上げを可能にする。垂直吸上げ能力は、以下でより詳細に述べるように、垂直吸上げ高さ(「VWH」)の試験によって測定される。
【0007】
半結晶性、熱形成オレフィンポリマー、炭素原子18個を超える長鎖脂肪酸、脱イオン水、および塩基の組合せからの生成物を含む水性分散物も開示され、分散物は約67重量パーセントの固体含有率を有する。
【0008】
水性ベースの分散オレフィンポリマーフロスは、得られた耐久性発泡体自体に、そしてそれを含む物品にリサイクル可能特徴を付与するという、さらなる利点を提供する半結晶性熱形成ポリマー(ポリマー)から作製される。防音および断熱ならびに緩衝用途において特に、このことによりそれは、物品、たとえば自動車シート緩衝材、ヘッドライナーおよび防音部品、自動車または家庭用カーペット裏当て、家具用緩衝材ならびにマットレスおよびパッド、気体または液体濾過器具ならびに同様の用途を製造するための非常に魅力的な材料となる。そのような用途において、容易にリサイクルできるオレフィンポリマー、連続気泡発泡体要素を有することは非常に望ましい。
【0009】
ポリマーは、エチレンおよび/またはプロピレンならびにC4−C10オレフィン、好ましくはアルファオレフィンから、さらに好ましくはn−ブテン、n−ヘキセンおよびn−オクテンから選択される他のモノマーのコポリマーまたはインターポリマーから選択される。ポリマーのエチレンまたはプロピレン含有率は、ポリマーの約2〜98パーセントの範囲である。耐久性発泡体の弾性率は、ポリマーの選択によって制御できる。たとえばより高いレベルのC4−C8オレフィンを有するコポリマーを使用すると、より少ない量のC4−C8オレフィンを有するコポリマーよりも、より軟質で、さらに柔軟性の発泡体が得られるであろう。同様に、プロピレン/C4−C8オレフィンコポリマーによって生成された発泡体は、エチレン/C4−C8オレフィンコポリマーによって作製された対応する組成物よりも硬い発泡体を与えるであろう。選択したコモノマーがポリマーの残りを補足する。ポリマーに関するさらなる詳細は、以下に見出される。
【0010】
本発明の吸収性連続気泡発泡体組成物は耐久性発泡体である。発泡体は、フロス中での個々の気泡の癒着を抑制するために選択された条件下で、水性膜構造が著しい崩壊を受ける前に、捕捉された気泡を包囲する薄い水性層に含有される分散したポリマー粒子が融着するのに十分な期間に渡って、ポリマーの水性起泡分散物を乾燥させることによって得られる。乾燥は、気泡の表面から、そして気泡間のチャネルまたは隙間から水が蒸発するために起こる。
【0011】
使用および吸収性発泡体より成る物品のある好ましい方式は、水性流体吸収性、適合性衛生物品、さらに詳細には乳児用オムツ、成人用失禁製品、女性用衛生製品、授乳パッド、汗取りバンド、拭取りタオルおよびスポンジ、創傷包帯パッド、外科用スポンジ、医療用衣類、外科用ドレープおよび食品包装吸収性パッドを含む。そのようなパッドは通例、食品包装トレーの底部で肉汁やドリップを吸収するために利用する。発泡体は、たとえば皮膚接触パッチなどを介するような医薬品および製剤の持続放出における時限放出型送達システムで使用するための物品においても有用である。
【0012】
本発明は、リサイクル可能な吸収性物品をさらに含む。より長持ちする、再使用可能な性質の、一般に使い捨てでない物品、たとえば防音および断熱および緩衝用途の場合は特に、リサイクル可能な性質によって、吸収性発泡体は物品を製造するのに非常に魅力的な材料となっている。これは、たとえば自動車シート緩衝材、ヘッドライナーおよび防音部品、自動車または家庭用カーペット裏当て、家具用緩衝材ならびにマットレスおよびパッド、気体または液体濾過器具ならびに同様の用途におけるその衝撃吸収、吸音または他の吸収関連特性のためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
別途示さない限り、すべてのパーセンテージおよび部は重量によって表す。
【0014】
用語の定義
「適合性の」という用語は、本明細書で使用するように、使用者によって所望の形状、たとえば吸収性物品の着用者の形状に曲がったり、撓んだりする能力を意味する。「分散物」という用語は、本明細書で使用するように、水相が通常は連続相であり、ポリマーが少なくとも起泡ステップを完了するのに必要な限り分散されたままであるように、分散剤(dispersing agent)/分散剤(dispersant)の補助により適切にその中に安定な方法でポリマーが懸濁している2相液体/ポリマー組成物を意味する。ポリマーを分散物から沈殿させずにバッチ方式または連続方式のどちらかで全工程が実施できるように、ポリマーは好ましくは、起泡および乾燥工程全体を通じて分散されたままとなる。適切な方法は、当技術分野で教示されている、たとえばUSP 5,798,410および6,448,321を参照。
【0015】
「乾燥」という用語は、本明細書で使用するように、フロスを乾燥発泡体にする工程を意味し、「乾燥」という用語は、本明細書で使用するように、フロスから少なくとも95パーセントの水の除去を意味する。
【0016】
「起泡する」または「起泡した」という用語は、本明細書で使用するように、空気または他の気体の実質的な体積を液体に包含させて、起泡した材料の少なくとも80、好ましくは少なくとも85およびさらに好ましくは少なくとも90体積パーセントが気体成分より成る工程を意味する。水性液体は分子溶液、ミセル溶液または分散物でありうることが理解される。一般に、フロスは機械的方法、たとえば大気条件下での高剪断混合または場合により混合しながら気体をシステムに注入することによって作製される。
【0017】
「フロス」という用語は、本明細書で使用するように、乾燥前に上述のように起泡されたポリマーの水性分散物を意味する。
【0018】
本明細書では、「発泡体」という用語は、ASTM D2856−Aに従って決定されるように、少なくとも80%以上、好ましくは少なくとも85%以上、さらに好ましくは少なくとも90%以上の連続気泡含有率を有する耐久性構造を意味する。
【0019】
「主表面」という用語は、本明細書で使用するように、その副表面に対して、発泡体における最大面積の2つの実質的に平行な表面のうちの1つを意味する。発泡体物品の連続的作製の実際的な性質のために6つすべての発泡体表面が実質的に同じ面積である、6表面の三次元立方体幾何構造を形成する方法で原発泡体を切断およびトリミング可能な場合に、それは通常は、フロス幅がy寸法で、フロス厚さがz寸法の起泡材料をx方向に移動するコンベヤ上に広げることによって実施される。z軸またはz方向は、そのようなコンベヤの表面によって画成されたxy平面に対して実質的に垂直であり、したがって作製された発泡体の主表面に対して垂直である軸を意味する。発泡体まで乾燥させたx長さおよびy幅のフロスの2つの主表面は、上部と底部の両方で約xyに等しい表面積の三次元発泡体構造を生じる。本明細書で主表面と呼ばれるのは、これらの上部および底部発泡体表面それぞれであり、あるいはx−y軸に沿ってほぼ等しい厚さのピースに切断された発泡体の場合、主表面は、発泡体の得られた切断シートそれぞれの対向する各平行側面上で得られたより大きい平行表面を意味する。
【0020】
オレフィンポリマー
半結晶性オレフィンポリマー(ポリマー)は、エチレンおよび/またはプロピレンならびにC4−C10オレフィン、好ましくはアルファオレフィンから、さらに好ましくはC4−C8アルファオレフィンから、最も好ましくはn−ブテン、n−ヘキセンおよびn−オクテンから選択される他のモノマーのコポリマーまたはインターポリマーから選択される。ポリマーのエチレンまたはプロピレン含有率は、ポリマーの約2〜98重量パーセントの範囲である。より軟質で、さらに柔軟性の発泡体が所望である場合、エチレンがポリマーの約98〜65パーセントを形成する、主にエチレンベースのポリオレフィンが選択される。より大きい曲げ弾性率のより硬質の発泡体が所望である場合、プロピレンがポリマーの約98〜65パーセントを構成する主にプロピレンベースのポリオレフィンが選択される。選択したコモノマーがポリマーの残りを補足する。
【0021】
ポリマーは以下の特徴および特性を有する:
1)標準示差走査熱量測定(DSC)評価を受けさせたときの少なくとも1回の吸熱によって決定されたように、結晶性(説明目的で図1を参照);
2)エチレンベースポリマーでは、ASTM D1238に従い、190℃(375°F)にて、2.16kg(4.75ポンド)のおもりを用いて(すなわち条件190℃/2.16kg)決定された、約30g/10分以下、好ましくは約25g/10分以下、さらに好ましくは約22g/10分以下、および最も好ましくは約18g/10分以下および約0.1g/10分以上、好ましくは約0.25g/10分以上、さらに好ましくは約0.5g/10分以上、および最も好ましくは約0.75g/10分以上のメルトインデックス(「MI」);そして1−プロペンベースポリマーでは、ASTMD1238に従い、230℃(446°F)にて、2.16kg(4.75ポンド)のおもりを用いて(すなわち条件230℃/2.16kg)決定された、約85g/10分以下、好ましくは約70g/10分以下、さらに好ましくは約60g/10分以下、そして最も好ましくは約50g/10分以下および約0.25以上、好ましくは約0.7g/10分以上、さらに好ましくは約1.4g/10分以上、および最も好ましくは約2g/10分以上のメルトフローレート(「MFR」)。
3)エチレンベースポリマーでは、約0.845g/cc以上、好ましくは約0.85g/cc以上、さらに好ましくは約0.855g/cc、最も好ましくは約0.86g/cc以上、そして約0.925g/cc以下、好ましくは約0.91g/cc以下、さらに好ましくは約0.905g/cc以下、最も好ましくは約0.90g/cc以下の密度;そして1−プロペンベースポリマーでは、密度がエチレンポリマーほど一般的に主鎖組成物の基準に使用されないため、1−プロペンベースポリマーは、約5パーセント以上、好ましくは約7パーセント以上、そして約35パーセント以下、好ましくは約25パーセント以下のコモノマー含有量を含む。
【0022】
本発明での使用に特に適したポリマーの1つのクラスは、エチレンがコポリマー重量の約90パーセント以下、好ましくは約85パーセント以下〜約50パーセント以上、好ましくは約55パーセント以上を、1−オクテンまたは1−ブテンが約10パーセント以上、好ましくは約15パーセント以上〜約50パーセント以下、好ましくは約45パーセント以下を構成し、約0.25以上、好ましくは約0.5g/10分以上〜約30g/10分以下、好ましくは約20g/10分以下のメルトインデックスを有する、エチレンと1−オクテンまたは1−ブテンとのコポリマーである。
【0023】
本発明での使用のための別の特に好ましいクラスのポリマーは、1−プロペンがコポリマーの重量の約95パーセント以下、好ましくは約93パーセント以下〜約65パーセント以上、好ましくは約75パーセント以上を、エチレン、1−オクテン、1−ヘキセンまたは1−ブテンが約5パーセント以上、さらに好ましくは約7パーセント以上〜約35パーセント以下、好ましくは25パーセント以下を構成し、約0.7g/10分以上、好ましくは約1.4g/10分以上〜約85g/10分以下、好ましくは約55g/10分以下のメルトフローレートを有する、1−プロペンとエチレン、1−オクテン、1−ヘキセンまたは1−ブテンとのコポリマーである。
【0024】
あるいは単一のポリマーの代わりに、上述の物理的特徴を有するポリマーのブレンドが利用できる。たとえば、ブレンドの合せたMIまたはMFRおよび平均密度が上記の範囲内に入るように、上述の範囲外である比較的高いMIまたはMFRを持つ第1のポリマーを、比較的低いMIまたはMFRの別のポリマーとブレンドすることが望ましい。さらに結晶性のアルファオレフィンポリマーを比較的より低い結晶性のポリマー、たとえばかなりの量の長鎖分岐を有するポリマーを組合せて、本発明の安定なフロスおよび耐久性発泡体を作製するときに実質的に同等の加工能力を有するブレンドを提供する。本明細書で「ポリマー」と言及する場合、同等の物理的特徴を備えたオレフィンポリマーのブレンドが同様の効果で利用され、本発明者らの説明に含まれると見なされることが理解される。
【0025】
他のポリマーまたはフィルム形成添加剤を使用しないときに特に好ましいポリマーのクラスは、ポリマー吸熱の特定の種類のDSCプロットを示すことにより特徴付けられる。好ましいクラスにおいて、観察された吸熱は、走査温度が最終吸熱極大(すなわちDSC曲線上の最後の変曲点、たとえば曲線の傾きが正となり、次に曲線が基線状態に戻る、図1に見られる点A)を超えて上昇するときに、比較的ゆるやかな傾きを示す。このことは、一般にはっきりした融点と見なされるものを有するポリマーよりも、幅広い溶融範囲のポリマーを示している。
【0026】
結果として、そのように好ましいポリマーから作製したフロスの乾燥温度は、基線温度への復帰点からかなりの距離である、吸熱曲線上の点(たとえば図1の点B)に、またはその付近に容易に維持することができ、その点ではポリマーの結晶性部分のすべてはないが大部分が溶融して、そのアモルファス領域を介して残りのポリマー粒子を融着または一体化させる。その方法では、フロス乾燥工程中にそのような温度を維持することによって、ポリマーの結晶性部分すべてが迅速に溶融する場合に、結晶性および生じた引張強度の完全な消失なしに、そうでなければ後で起こる気泡つぶれなしに、ポリマーの大半を融着させる。そのような引張強度の消失が起こる温度より低いフロス乾燥を実施する最高温度を決定する1つの方法は、約x%の残存結晶性が選択したポリマーに残る温度(Tx%c)を計算することである。所与のポリマーでは、そのポリマーにおいて溶融の比熱を結晶性の公称重量パーセントに変換する係数は、そのポリマーの溶融吸熱(DSC曲線によって示されるような)から決定できる。表1でポリマー1Dと示されたエチレンベースポリマーについて、代表的な第1の溶融吸熱プロットは図1によって表される。DSC解析のサンプルを作製するために、ポリマーまたはポリマー発泡体サンプルは、最初にサンプルをすべての結晶性を消滅させるのに十分な高さの温度(エチレンベースポリマーでは約190℃、プロピレンベースポリマーでは約230℃)まで加熱して、次に圧縮型内で10℃/分の速度で冷却することによって圧縮成形する。DSC解析の前に、次に圧縮成形サンプルを室温にて少なくとも2日、好ましくは少なくとも1週間エージングする。同様にDSC吸熱は、10℃/分の加熱速度を使用して作製する。エチレンベースポリマーについて溶融の比熱を結晶性の公称重量パーセントに変換する係数は、292ジュール/グラム(J/g)=100重量%結晶性である。ポリマーの溶融の比熱ΔHm(J/g)は吸熱プロットから、吸熱プロットと基線との間の面積を積分することによって決定できる。サンプルの全結晶性(単位:重量%結晶性)は上記の係数を用いて、292J/gで割ったΔHmの100%倍として計算される。この変換係数を使用すると、エチレンベースポリマーについて1%残存結晶性は2.92J/gに相当し、2%は5.84J/gに相当するなどである。
【0027】
したがってこの関係を使用すると、図1のDSCに示したポリマーでは、Tx%cは、その温度における基線に下がる垂線の高温側の溶融熱がx%結晶性に一致する温度によって定義される。そのような計算(部分面積計算と呼ばれることが多い)は、DSC機器と共に供給される標準ソフトウェアを使用して容易に行われる。それゆえT1%cは、基線に下がる垂線を使用した部分面積計算により第1の熱DSC吸熱から決定される温度を指し、そこで1%結晶性(たとえばエチレンベースコポリマーでは2.92J/g)が得られる。プロピレンベースポリマーでは、165J/gの係数が同様の方式で置換されて、その各DSCの第1の熱プロットによって表される吸熱の特定の温度におけるポリマーの残存結晶性を計算するのに使用される。十分な残存結晶性および引張強度を提供して、乾燥時のフロス気泡つぶれを回避するために、約1重量パーセント超の、好ましくは約1.5重量パーセント超の、さらに好ましくは約2重量パーセント超の、そして適切には約5重量パーセント未満の、好ましくは約4重量パーセント未満の、そしてさらに好ましくは約3重量パーセント未満の残存ポリマー結晶性を表す、DSCプロットのTx%cにて、または図1のプロット上のほぼ点Aと点Bとの間の領域内のおおよその箇所にて適切に操作する。ブレンド、たとえばプロピレンベースポリマーとエチレンベースポリマーとのブレンドを使用する場合、ポリマーは通常は非混和性または部分的に混和性であり、一方のポリマーは連続相となり、もう一方のポリマーは非連続相となる。適切な乾燥温度範囲を決定するために、所望のTx%cを決定するために上述した同じDSC部分面積計算を使用して測定するのは、連続ポリマー相の特性である。
【0028】
分散剤(Dispersing Agents(分散剤(Dispersants)))
分散剤は、ポリマーの水性分散物の重量に基づいて約1%超の、好ましくは約2%超の、さらに好ましくは約3%超の量で;約10%未満の、好ましくは約8%未満の、さらに好ましくは5%未満までの量で利用される。
【0029】
本発明においてポリマー粒子の比較的安定な水性分散物の作製に使用する分散剤は、利用したポリマーの性質によって変わる。同じまたは異なる分散剤が、次のフロス作製において起泡界面活性剤として作用するために使用される。
【0030】
ポリマーの適切な分散剤は、12を超える、好ましくは炭素原子18〜36個の炭素鎖長の脂肪酸の塩である。塩は適切には、酸の対応する塩基の中和によって調製された脂肪酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩、たとえばNaOH、KOH、およびNH4OHである。これらの塩は、以下でさらに十分に述べるように、分散ステップにおいてインサイチューで形成される。所望の平均粒径、適切には約0.2〜25ミクロン、好ましくは約0.5〜10ミクロンを達成するために、適当な脂肪酸分散剤を選択して、押出溶融ステップで分散剤として作用させる。常法の実験によって、所望の平均粒径の分散物を提供する分散剤の種類および量を決定できる。
【0031】
起泡界面活性剤
起泡および乾燥ステップ中のフロスの作製および安定化は、最初にフロスを作製するときのポリマーの水性分散物への起泡界面活性剤によって適切に実施される。加えて、これらの界面活性剤は、所望ならば水性濡れを改善するために使用できる。適切な起泡界面活性剤は、これに限定されるわけではないが、主にカチオン性、非イオン性およびアニオン性界面活性剤から選択される。アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0032】
非イオン性界面活性剤、たとえばアルキルフェノールエトキシラート、8個を超える炭素原子を含有するアルキル基の直鎖および2級アルコールエトキシラートが使用されるように、カチオン性界面活性剤、たとえば1級アミン塩、ジアミン塩、4級アンモニウム塩およびエトキシ化アミンなどを使用できる。
【0033】
以前に作製したポリマー分散物からのフロスの作製に使用されるアニオン性界面活性剤は、カルボン脂肪酸、好ましくは炭素原子12〜36個を含む脂肪酸、たとえばステアリン酸またはラウリル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、エルカ酸などのカルボン酸塩およびエステルアミドから適切に選択される。さらに好ましいのは、炭素原子12〜24個を含む脂肪酸、特にそのアルカリ金属(最も好ましくはナトリウムまたはカリウム)、アルカノールアミンまたはアンモニウム塩である。完成発泡体において良好な「手触り」または織物用触感が望ましいときに、飽和脂肪酸誘導体(たとえばステアリン酸またはパルミチン酸の塩)が好ましくは利用される。他の適切なアニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホナート、2級n−アルカンスルホナート、アルファオレフィンスルホナート、ジアルキルジフェニレンオキシドスルホナート、スルホスクシナートエステル、イセチオナート、直鎖アルキル(アルコール)サルフェートおよび直鎖アルコールエーテルサルフェートを含む。これらの起泡界面活性剤は、分散物を作製するのに使用される起泡界面活性剤と異なっていても、異なっていなくてもよいことが理解される。これらの界面活性剤は、フロス形成の補助と、フロス安定の補助との両方に役立つ。最も好ましい起泡界面活性剤は必要な場合、ラウリルサルフェート、ドデシルベンジルサルフェート、アルコールエトキシサルフェート、イセチオナートのアルカリ金属(さらに好ましくはナトリウムまたはカリウム)、モノ−、ジ−およびトリ−アルカノール(さらに好ましくはモノ−、ジ−およびトリエタノール)アミンおよびアンモニウム塩、およびN−オクチルデシルスルホスクシニマートの二塩基性塩はもちろんのこと、その混合物である。
【0034】
分散ステップ
選択したポリマーは、所望の量のポリマーおよび選択したDispersantを計量方式で二軸ポリマー押出機のホッパーに適切に添加することによって水中に分散させて、そこでそれらは約220℃(約430°F)の温度にて溶融混練される。好ましくはエチレンベースオレフィンポリマーを使用するときに、炭素原子18個を超える長鎖脂肪酸をポリマーと溶融混練する。次に分散剤の脂肪酸塩をインサイチューで生成するのに十分な脱イオン水および塩基(たとえばKOH)を少なくとも410psi(約2,800kPa)の圧力下で約165℃(約330°F)にて前記溶融物に添加して、分散物を生成させる。押出機のバレルおよびスクリューの間のスペースを通じた「ブローバック」を回避するために、スペースが分散物によって本質的に充填されるように、押出機バレル内の圧力は、ほぼ20〜35気圧(約2,000〜約3,500kPa)の飽和蒸気圧以上に維持される。次に分散物を押出機バレル下流の独立ポートにおいて、約193℃(約380°F)および約14気圧(約1,400kPa)にて脱イオン水で希釈して、固体が約67パーセントの最終分散物を生成する。分散物は押出機から運搬されて、分散物からの水の放出を防止するために、約94℃(約200°F)の温度の中程度の冷却ゾーンを通過した後に回収される。
【0035】
フロスの作製
フロスは、分散物の水相に空気または別の気体を混入させるために、高剪断の機械混合工程を使用してポリマーの分散物から作製される。フロスに含まれる空気または他の気体(空気に加えて、または空気以外に気体が望ましい場合)の量は適切には、生じたフロスの少なくとも80体積パーセント、好ましくは少なくとも85体積パーセント、さらに好ましくは少なくとも90体積パーセントを構成する。一般に、フロスを作製するのに使用されるすべての成分は、空気の混入を防止するために軽く攪拌しながら共に混合される。成分すべてが十分に混合されたら、組成物に高剪断機械混合を受けさせる。このステップの間に、空気が連続水相内にさらに混入するにつれ、バルク粘度が上昇する。混合物は、非流動性の硬いフロスが生成されるまで混合される。これは一般に、約100g/L未満の密度を持つフロスを生成する。この段階に達するまでの時間は、起泡界面活性剤の量および種類ならびに機械剪断の量によって変わる。いずれの機械混合装置、たとえばキッチンブレンダー/ハンドミキサー、ワイヤホイップを装着した、または大規模にはCowie−Riding Twin Foamer(Cowie Riding Ltd.,G.B Patent 1,390,180)を装着したHobartミキサーも、濃厚水性分散物中へ空気を泡立たせることができる。非常に低い(50g/L未満)密度のフロスを得るためには、市販の発泡装置によっても、その高剪断混合ヘッド内に空気を注入できる。
【0036】
添加剤
本発明の発泡体は、それらが設計された用途に応じて、ポリマー成分の重量の約2〜100パーセント(乾燥ベース)の範囲の量で充填材料を含有する。これらの任意の成分はこれに限定されるわけではないが、炭酸カルシウム、二酸化チタン粉末、ポリマー粒子、中空ガラス球、ポリマー繊維、たとえばポリオレフィンベースのステープルモノフィラメントなどを含む。吸収性物品で使用するために設計された発泡体は、ポリマー発泡体全体に均一に分散されたバルク液体吸収材料、たとえば綿短繊維または他のセルロース繊維を含有する。その強力な吸水性のために、通例、それらは起泡の前にポリマー分散物とブレンドされないが、軽度に架橋したアクリレートポリマーである超吸収性ポリマー(「SAP」)の微粒子は、乾燥時に特別の吸収特性をその表面に備えた耐久性発泡体を提供するために、乾燥工程に入ったらすぐにフロスの表面上に均一に分散させることができる。しかしながらフロスが乾燥発泡体状態に達するまで粒子の吸水性初期速度を低下させるために、SAP粒子が処理されている場合(たとえば遅延水溶性ポリマー、たとえばヒドロキシプロピルアルキルセルロースエーテルまたはポリオキシエチレン樹脂の表面層)そのような「遅延吸収性」SAP粒子は有益に、起泡が開始する前にポリマー分散物に直接添加される。
【0037】
他の発泡体の最終消費、たとえば緩衝材、特に床の裏当ては、低コストの充填材、たとえば炭酸カルシウムまたは二酸化チタン粉末、および同様の不活性充填材、たとえばポリマー性ステープル繊維の添加から利益を得る。そのような添加剤および充填材は、乾燥後に得られた複合発泡体の物理的強度および/または外観を向上させるのはもちろんのこと、発泡体の衝撃または他の吸収能力を保持または向上させることができる。たとえば繊維長約0.25〜35mm(約0.01〜1.6インチ)および好ましくは約0.5〜30mm(約0.02〜1.2インチ)の、約1〜25%のそのようなセルロース繊維材料は、発泡体の吸収性能または構造完全性に実質的な損害を与えずに添加され、実際に発泡体の耐久性および構造完全性を向上させる。ある発泡体の用途では、過酷な条件および風化への暴露による酸化および黄変への発泡体の耐性を向上させるために、1つまたはそれ以上の酸化防止剤および/または他の安定剤を添加することが望ましい。
【0038】
合成ラテックスポリマー(たとえばスチレン性またはアクリル格子)および/または他の膜形成ポリマーも、安定性および耐久性発泡体を形成するためのフロスへの添加剤として利用され、高低両方の乾燥温度におけるポリマー粒子の癒着の促進に寄与することによって、フロスの処理および発泡体への変換を補助する。利用される場合、そのような格子または他の膜形成ポリマーは、ポリマーの乾燥重量ベースで約10〜40パーセントのレベルで適切に利用される。添加剤が発泡体に含まれるとき、それらはフロスが起泡ステップで作製される前に、規定された量でポリマーの分散物に適切に添加される。しかしながら、以前に上で示したように、水溶性または高吸湿性添加剤(たとえばSAP)は添加するのに望ましいため、それらは乾燥ステップの直前にフロス表面に添加されるか、または完成した耐久性発泡体に注入される。
【0039】
好ましくは発泡体に含まれている別の添加剤は、発泡体に臭気吸収特性を付与するための臭気吸着剤、たとえば活性炭である。次に発泡体は、そのような特性が有用である各種の用途において、たとえば個人用衛生吸収性物品、シューインソール挿入物、エアフィルターなどに利用できる。吸着剤は、フロスに物理的に含まれる微粒子形で、そして最終的に完成発泡体で適切に利用される。発泡体は、意図する用途に適合する各種の形状の物品を得るために適切に成形または切断できる。一例として、活性炭を利用する場合、粒子は、分散物中に機械混合することによって適切に、フロス全体に均一に分散されて、完成発泡体中でのそのような分布を保持している。吸着性粒子の平均径は、最大吸着効果のためと、そして発泡体を形成するために完全に乾燥される前にフロス中に均一に分散された状態を維持するその能力のためとの両方で選択されるであろう。活性炭の適切な平均粒径は、約1マイクロメートル〜約600マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル超、さらに好ましくは100マイクロメートル超および好ましくは400マイクロメートル未満、さらに好ましくは200マイクロメートル未満である。分散される活性炭の量は、最終消費に従って選択されるが、通例、分散物中の乾燥ポリマー固体に基づいて約2〜約18重量パーセントである;好ましくは、使用量は、4パーセント超、さらに好ましくは8パーセント超、そして好ましくは12パーセント未満、さらに好ましくは10パーセント未満となる。他の吸着性材料の最適量は、簡単な試験およびエラー実験によって決定できるが、過剰量は過剰なフロス密度または気泡つぶれを引き起こし、避けるべきである。
【0040】
フロス安定剤
水溶性膜形成天然および合成ポリマー、たとえばアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルセルロースエーテルおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、たとえばメチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC);ヒドロキシエチルセルロース(HEC);ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース(HPHEC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリオキシエチレン(好ましくは約20,000またはそれ以上の分子量の、エチレンオキシドの水溶性高分子量ポリマー、たとえばPOLYOX樹脂);天然生成物、たとえばグアーガム、キサンタンガムおよび同様の水溶性増粘剤から選択されるそれらは、起泡ポリマー分散物の安定剤(stabilization agent)(「安定剤」(「stablizers」))として作用するであろう。ポリマーの乾燥重量に基づいて、約0.05パーセント、好ましくは約0.1パーセント、さらに好ましくは約0.2パーセントから、約2パーセント、好ましくは約1パーセント、さらに好ましくは約0.5パーセントまでの安定剤。
【0041】
処理機器および加工条件
本発明のフロスおよび発泡体は、水性液体および分散物の起泡ならびにそのようなフロスの乾燥に通常利用されるいずれかの適切な機器を使用して作製される。水性微粒子分散物の作製に有用ないずれの混合および攪拌装置も、分散物の作製および続いての処方ならびに界面活性剤および他の添加剤とのブレンドにおいて、起泡が開始する前にブレンド中に著しい量の空気が混入するのを回避するために注意を払いながら利用できる。キッチンブレンダーまたは他のブレード付き混合機器は、そのような適切な装置である。ブレンドが作製されるときに、次に同様のまたは異なる混合装置を動作させて、ポリマーおよび他の添加剤を含有する処方された水性ブレンドへの空気混入を開始できる。特に設計された起泡装置、たとえばCowie−Riding twin foamerはフロスを作製するのに使用されるため、フロスの所望の目標である80〜90または95体積%の空気含有量が、最終発泡体の所望の密度によって達成される。起泡の正確な量および空気含有量は、2、3の簡単な実験によって容易に決定できる。フロス密度は、規定の体積および重量のカップにフロスのサンプルを出して、フロスで充填されたカップを秤量して、次にサンプルの密度を計算することによって測定される。市販の起泡装置では、低密度フロスの開発を支援するために、空気は混合ヘッドに直接添加できる。所望のフロス密度を達成するために、起泡装置の速度を上昇または下降することができる。
【0042】
所望の発泡体を作製するためのフロスの乾燥は、バッチまたは連続モードで実施できる。装置、たとえば従来の強制空気乾燥オーブンまたは赤外加熱ランプまたは誘電加熱装置、たとえば無線(通例、1〜100メガヘルツの範囲の許可された周波数帯で動作する)およびマイクロ波(通例、400〜2500メガヘルツの範囲の許可された周波数帯で動作する)周波数エネルギー発生源は、連続方式でその中にフロスが配置される、またはその中をフロスが運搬されるトンネルまたはチャンバの内側を覆い、乾燥のために適切に利用できる。そのような乾燥エネルギー源の組合せを適切に利用して同時に、あるいは連続的にフロスを乾燥させて発泡体を形成する。誘電装置および強制空気乾燥オーブンの同時使用は、好ましい操作モードであり、厚さ約0.25インチ(約0.6cm)の発泡体では、強制空気オーブンを約75℃で操作して、無線周波発生器がフロスを内部温度約45〜50℃まで加熱するときに、乾燥は45〜90秒で迅速に実施できる。乾燥操作の温度は、以下でただちに述べるように、発泡体を作製するために利用される(DSCによって決定した)ポリマーの性質および溶融範囲に従って選択される。様々な国家で産業利用のために許可されている誘電加熱周波数帯は、参考文献の"Foundations of Industrial Applications of Microware and Radio Frequency Fields", Rousy, G and Pierce, J. A.(1995)で非常に詳細に示されている。
【0043】
乾燥および回収ステップ
発泡体は、本発明の教示の方式で作製したフロスの液体/水性要素を除去することにより適切に作製される。望ましくは、この変換中のフロス体積のつぶれの量は最小限にされる。一般に、発泡体は乾燥工程の間に約30%を超えない体積損失を有するであろう。本発明のフロスは、最適な乾燥のために選択された温度でそれらを強制空気乾燥オーブンで乾燥させることによって、乾燥されて、本発明の発泡体に最適に変換される。通例、フロスは約60〜120℃(約140および250°F)の温度に加熱される。ポリマーの性質が許せば、処理は、フロスの気泡表面でのポリマーの粘度を損なうことなく、または部分的に乾燥されたフロスの著しい(たとえば30体積パーセントを超える)つぶれを引き起こすことなく、フロスから水をできるだけ迅速に除去するために可能な最高温度にて実施される。通例、ポリマーの溶融範囲に接近するが、溶融範囲を超えない温度にて、乾燥ステップを実施することが望ましい。所望の条件は、発泡体がその最終的な形および形状で十分に「乾燥」されて、フロス中の水の少なくとも95重量パーセントが放出される前にフロスのつぶれを回避または少なくとも最小化するために、ポリマー中の結晶性領域によって生成されたポリマー中の擬架橋が、加熱されたポリマーに十分な粘度をなお付与可能である間に、中のアモルファス領域が癒着を開始する温度を達成することである。
【0044】
ポリマーの溶融範囲は示差走査熱量測定(DSC)技法によって決定され、DSC吸熱の、または2つまたはそれ以上存在する場合には、DSC走査プロット上の基線へ戻る直前の最終吸熱の領域を囲む温度が、完成発泡体を形成するためのフロスの乾燥が実施される温度範囲である。上述したように、他のポリマーまたは添加剤なしで使用する場合、特に好ましいポリマーは、その吸熱の特定の望ましいDSCプロットを示すことによりキャラクタリゼーションされる。
【0045】
そのようなポリマーにおいて、所望の吸熱は、走査温度が最終吸熱極大を超えて上昇するときに、比較的緩やかな正の曲線を示す(すなわち、図1の曲線上の点Aによって示される、次に曲線の傾きが正となり、曲線が基線状態に戻る、DSC曲線上の、最後の変曲点)。このことは、一般にはっきりした融点と見なされる融点を有するポリマーではなく、幅広い溶融範囲のポリマーを示している。結果として、ポリマーの乾燥温度は基線位置への戻りからかなりの距離がある吸熱曲線上の点(たとえば図1の点Bによって表される)にて、または付近で最もよく維持され、その点においてポリマーの結晶性部分のすべてではないが、大部分が融解し、ポリマー粒子が融解/癒着する。乾燥工程の間にそのような温度を維持することによって、ポリマーの結晶性部分すべてが迅速に溶融する場合に、そうでなければ後で発生するポリマー引張強度の完全な損失および気泡つぶれなしに、ポリマーの大半を融解させることができる。
【0046】
乾燥が誘電加熱源(たとえばマイクロ波発生器)を用いて実施されるとき、フロスの水性要素を与えるために使用される液体に少なくとも微量のイオン性物質を含有させることが望ましい。このことは、イオン性界面活性剤を分散剤または起泡界面活性剤として使用することによって、あるいは少量(たとえば100ppm)の水溶性アルカリ金属電解質塩、たとえば酢酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどを起泡の前、または起泡中に分散物に添加することによって実現できる。
【0047】
本発明のフロスおよび発泡体の作製にポリマーと添加剤とのブレンド(他の熱形成ポリマーとのブレンドを含む)を利用するとき、ブレンドのDSCプロットが最初に適切に生成される。そのプロットから、ブレンドの吸熱が観察されて、結果としてブレンドの最終溶融範囲が決定され、フロスを耐久性発泡体に変換する適切な乾燥温度が選択される。
【0048】
発泡体を作製する好ましい方法において、フロスはコンベヤ装置上に連続的にナイフ塗布(ドクター:doctor)され、そこから得られた発泡体が回収される。代わりに、フロスは基材上に直接ナイフ塗布され、乾燥時にフロスが付着して、その基材の少なくとも片側が生じた発泡体である積層構造を形成する。所望ならば、基材をフロスの各主表面に施して、生じた発泡体「サンドイッチ」を提供するか、あるいは発泡体/基材/発泡体基材などを交互にすることによって1つまたはそれ以上の基材要素によって、分離された複数の発泡体層をただちに製造できる。選択の問題として、発泡体または基材のどちらかが積層構造の外層を提供するか、あるいは当業者がただちに認識および作製できるように、各タイプの1つの外層を選択できる。しかしながら、発泡体は通例、いずれの従来法でも、たとえば機械的手段によって、接着剤によって、熱積層などによって所望の基材に付着させることができる。
【0049】
特に好ましい方法において、フロスは連続移動する基材にナイフ塗布され(または基材/フロス/基材などの複数層を連続方式で重ねる)、乾燥ステップはバッチ方式ではなく、連続方式で実施される。さらに好ましくは、乾燥ステップは少なくとも2つのエネルギー源を利用し、なおさらに好ましくは、それは連続方式で利用される。最も好ましくは、少なくとも2つのエネルギー源が、これらの乾燥エネルギー源に対するフロスの同時または連続暴露のどちらかによって乾燥を実施させる方式で構成される。
【0050】
本発明の特に好ましい実施形態は、それ自体が流体吸収特性を有し、フロス中のポリマーが加熱されるとただちにそれに結合する基材上に、フロスを連続的にナイフ塗布することである。次に乾燥は、積層発泡体構造を生じて、それが異なる吸収性材料の2層を含む凝集性構造を生成する。それによって各積層に異なる毛細管現象および/または流体吸収性能力特性を備えた積層構造が形成され、それから有用な吸収性物品を製造できる。たとえば所望の連続気泡構造および所望の気泡サイズの予備成形熱可塑性ポリマー発泡体基材層は、そのような基材として作用する。そのような基材層は好ましくは主として、フロスが主に構成されるのと同じ熱可塑性材料で構成されている。
【0051】
そのような2層構造を得る1つの手段は、本発明の第1のフロスを作製して、それを乾燥させて第1の基材層として適切に使用される発泡体および形状を得ることである。次にその第1の発泡体基材上に本発明の第2の(第1と同じまたは異なる)フロスを重ね、第2のフロスを乾燥させて、第2の発泡体層を形成する。
【0052】
代わりに2つのフロスが作製され、第1のフロス層の著しい体積減少なしに、第2のフロスを第1のフロス層の上に重ねられるように、十分な垂直圧縮強度を持つ第1のフロスが作製される。
【0053】
第1のフロス層で十分な垂直圧縮強度を達成する1つの手段は、その上に重ねる第2のフロス層の密度よりも大きい密度を有する第1のフロスを選択することである。所望の垂直圧縮強度を達成する別の手段は、第1のフロスの著しい体積減少なしに、第2のフロス層の重量を支持するのに十分な薄い皮膜を生成するのに必要なだけ、第1のフロス層の露出主表面を部分的に乾燥させることである。次に両方のフロス層を同時に十分に乾燥させて発泡体とし、2層発泡体積層構造を生じさせる。本発明の別の変形では、第1の発泡体層は、第1の発泡体に重ねられるフロスを形成するのに利用された材料と適合性のある、同じまたは同様の性質の材料の押出された連続気泡熱可塑性発泡体から作製される。代わりに、第1の発泡体層は、異なるが適合するタイプの連続気泡発泡体(たとえばポリウレタン連続気泡発泡体)から作製され、次にフロス(たとえばポリオレフィン連続気泡フロス)の層が第1の発泡体上に重ねられて、有用な二重層発泡体構造を生じる。
【0054】
本発明の構造化された積層体の実施形態のいずれかにおいて、好ましくは、差別化された毛細管力の構造を有する発泡体の、たとえば2つの異なる気泡構造または異なる平均気泡径の発泡体の異なる2つの層が、積層構造の第1および第2の発泡体に選択される。発泡体層中のポリマーベースの同様のまたは同じ性質のために、その間に良好な結合が形成されるので、各層での発泡体の異なる毛細管力により、構造の各層において選択された吸収および/または吸上げ特性を示すことができる構造化積層体が形成される。
【0055】
中に異なる気泡構造を有する発泡体が、差別化された毛細管力を示す構造の1つの好ましい実施形態である。そのような構造は、構造の別個の層において差別化された吸収および/または吸上げ能力を提供する。上記のポリオレフィン/ポリウレタン二重層発泡体構造は、差別化された気泡構造の一例である。本発明の別の実施形態、および特に好ましいのは、主表面に平行な方式で配列されたその主軸を有し、発泡体のxy平面に配置されている、大部分が実質的に長円形の気泡を有する発泡体である。そのような発泡体は、発泡体の少なくとも1つの表面に気泡配向方式で圧力を均一に印加しながら、耐久性発泡体に軽度の加熱を受けさせることによって作製できる。好ましくは生じた発泡体中の表面気泡の大部分が一般に長円形形状で安定に形成されるようになり、そのような長円形気泡の主軸は一般にxy平面と揃えられており、発泡体の主表面に対しておおよそ平行である。
【0056】
そのような長円形気泡形成および主軸配向を実現する1つの方法は、耐久性発泡体を、好ましくはその乾燥の直後にその成分ポリマーの溶融範囲の下端または少なくとも実質的に上端以下の温度に暴露することである。発泡体は溶融範囲の下端付近の温度まで加熱されて、発泡体つぶれを開始することなく発泡体の少なくとも1つの表面を軟化させるのに十分な熱を提供し、同時にその表面に中程度の圧力をむらなく均一に印加する。十分な熱および圧力が印加されて、少なくともそのような表面における、そして表面付近のそのような気泡の直径を、そのz軸に沿って短縮し、それによりそれらに「扁平な」ビーチボールの形状を取らせ、長円形形状をこれらの気泡に付与して、三次元気泡の主(長)軸を一般にz軸に対して垂直に、そしてxy平面にて配向させる。圧力および熱が印加される発泡体表面より下の気泡も平坦化されて楕円となるが、発泡体が主にたとえば個人用衛生物品における流体の吸収および分布の両方のための、単層コアとしての使用を目的とする場合には、発泡体の初期厚さの約2〜25パーセントを超えて、そのようにする必要はない;すなわち発泡体の圧縮は厚さの約2パーセントまでの、好ましくは約5パーセント超、さらに好ましくは約7パーセント超で、25パーセント未満、好ましくは約20パーセント未満、さらに好ましくは15パーセント未満までのみが必要である。そのような圧縮を持つ発泡体は、高いパーセンテージの、長円形構造に再配向されたその気泡を持たなかった発泡体よりも、驚くほど向上した吸上げ能力をもたらす。発泡体が特に物品の分布層/成分としての使用を目的とする場合には、大多数の気泡の長円形気泡形状への再配向を実現するために、50パーセントを超える圧縮が望ましい。
【0057】
実際に、好ましい実施形態で後述するポリエチレンベース発泡体では、気泡の長円形形状への再配向は、少なくとも1つの表面を約40〜約60℃の温度に加熱して、同時に適切な圧力を印加することによって実現される。約240kPag〜約830kPag(約35〜約120psig)および好ましくは310kPag〜約620kPag(約45〜約90psig)のそのような代表的な圧力(ゲージ)は、表面にて、または表面付近に十分な長円形気泡構造を有する発泡体を与え、垂直吸上げ能力を同じ未改質発泡体の数倍に向上させ、最適な発泡体においては、そのような改質発泡体は、8cmを超える、そして10cmもの0.9%生理的食塩水の垂直吸上げ高さを示すことができる。
【0058】
発泡体の両方の主表面は長円形形状気泡を提供するために処理されるが、一般に、発泡体において流体吸収および分布属性の両方が望ましいときには、主な目的が2つの対向する主表面上で差別化された吸収プロフィールを達成することであるため、一方の主表面のみを処理することで十分である。その後に発泡体が縦方向に、発泡体の2つの主表面間の中間xy平面にほぼ沿って切断されて、以下でさらに詳細に述べるように、同様の吸着性プロフィールおよび気泡サイズおよび元の主表面から発泡体層の元の中心までの構造勾配を持つ、発泡体の2つの「半分の」シートを与える場合、両方の主表面を同時にそのように処理することが好都合である。
【0059】
本発明の発泡体と組合されて凝集性物品を形成する他の基材は、好ましくは、主にフロスを構成するのと同じポリマー、またはただちにそれに結合できるポリマーより構成される。適切な基材の実例は、製織または不織ファブリック;メルトスピン結合工程で生成されたバラ基材構造または同様のメルトブローまたはエアレイド不織構造あるいは他の同様の製造技法によって生成される構造;比較的開放された製織メッシュ;セルロース性シート(たとえば紙、厚紙など);ガラス繊維絶縁バッティングおよび派生するシート物品;熱可塑性フィルムまたはシート、たとえばオムツまたは女性用衛生製品裏当てシート;たとえば絶縁発泡体材料の裏当てに使用されるような、積層金属蒸着プラスチックシートまたはフィルム;カーペット裏当てファブリックまたはメッシュなどである。
【0060】
所望ならばフロスまたはフロスの複数の層は、乾燥ステップを実施する前にフロスをダイまたは他の形材誘導形状構造を押通すことによって、成形形材に形成される。エンボスステップは、乾燥中にコンベヤベルト上の成形要素をフロスに当てることによって、または後で独立した熱エンボスステップにおいては、加熱された成形要素を保持するベルトまたはホイールを発泡体の主表面に当てることによって実施される。別の実施形態において、フロスは、発泡体から発生した蒸気を周囲大気へ導くためにチャネルが装備されている、加熱された型枠に入れられる。特に、体形に沿う物品がしばしば望ましい衛生および医療用途のための吸収性物品の製造において次に有用である、特に所望の形状を有する発泡体の物品を作製できる。
【0061】
発泡体切断ステップ
本発明の発泡体は、フロスのシートおよび生じた発泡体が連続的に生成される商業的操作において特に、重ねられて乾燥されるとただちに利用できるが、完成物品で使用される発泡体のほぼ2倍の厚さの耐久性発泡体を形成することが望ましいことが多い。次に発泡体を連続流の方向の軸に沿って、厚さがほぼ同じの2つの発泡体シートに切断する。
【0062】
通常は発泡体が、発泡体の内部よりもその外部の露出表面にてより迅速に乾燥するという事実により、乾燥させたときの外部表面の連続気泡サイズは通常、内部の気泡のサイズよりも小さくなる。これは、乾燥ステップの間にある量の気泡の癒着と、生じた気泡直径の拡大があるという事実の結果である。気泡のサイズ/最終気泡サイズは、フロスを乾燥させて、ポリマー粒子が融合して最終発泡体の気泡壁を形成するために必要な時間の関数である。時間が長くなればなるほど、さらなる気泡癒着が起こり、さらなる気泡直径の拡大が起こって、完成発泡体における最終気泡サイズは大きくなるであろう。したがって、発泡体全体での均一な乾燥が実施できない限り、形成されたときに表面から発泡体内部までの多少の気泡サイズ勾配がある。この結果は、防音などの多くの用途において、そして発泡体が流体を迅速に取込みながら、発泡体の1つの表面から流体を逃がす必要のある吸収性用途において、たとえば最終目標としてオムツ、成人用失禁物品または女性用衛生物品において望ましい。主表面(または「発泡体中心」)の間のほぼ中ほどのxy平面に沿って発泡体を切断した後に、得られた2片の発泡体は、切断された発泡体シートのそれぞれ半分について鏡像方式で、1つの表面から他方の表面まで気泡サイズ勾配を示す。切断された発泡体の吸上げ用途での使用時に、発泡体は、1つの主表面のより大きな気泡が吸収される水性溶液に最初に接触して、次にもう一方の主表面に向かって移動する次第に小さくなる気泡の毛細管作用が溶液を第1の主表面から逃がして、第2の主表面のより近くに分布させるように配向される。結果は、発泡体との最初の接触点付近でのより乾いた表面であり、発泡体のそのようなオムツ、医療および衛生用途での所望の効果をもたらす。
【0063】
吸収性物品での使用では、1つの主表面におけるより大きな気泡が流体侵襲物(insult)の取込みを可能にして、もう一方の主表面におけるより小さな気泡が最終物品中の発泡体要素に吸上げ作用を付与して、侵襲物(insult)部位から流体を除去する、2つの主表面間で気泡サイズ勾配を示す発泡体が非常に望ましい。適切には、気泡サイズ勾配は、気泡の大部分が切断発泡体の1つの主表面にて約5ミクロンから、好ましくは約10ミクロン(マイクロメートル)から、もう一方の主表面にて約1000ミクロンまで、好ましくは約1100ミクロンまでの範囲に含まれるようになる。1つの主表面上の気泡の大部分は通常、約20〜約100ミクロンの範囲内で見出され、もう一方の主表面での気泡の大部分は、約200〜約1000ミクロンの範囲内で見出される;さらに好ましくは、前記勾配は、1つの主表面にて約30〜約80ミクロンの範囲で、他方の主表面にて約250〜約800ミクロンの範囲で変化して、最も好ましくは、前記勾配は一方の主表面での約30ミクロンから、他方の主表面の約80ミクロンまで変化する。
【0064】
気泡サイズ勾配は、フロスのより高速またはより低速の乾燥によって影響を受け、より低速の乾燥は一般により幅広い気泡サイズ勾配の発泡体を生じさせ、より高速の乾燥はより狭いサイズ勾配の発泡体を生じさせる。さらに有効な起泡安定剤、たとえばヒドロキシアルキルセルロースエーテル、または膜形成添加剤、たとえばスチレン性ラテックスの添加は、同様により狭い気泡サイズ勾配を持つ発泡体を生じる。積層−基材/発泡体/基材−構造の発泡体層の切断は、それぞれ同様の構造の2つの発泡体/基材積層体を生成できる。この同じ概念の他の変形も、当業者がただちに構想できる。
【0065】
発泡体気泡サイズおよび測定/計算方法
耐久性発泡体における気泡のサイズは、発泡体の表面または断面の黒色または白色画像を提供するために、最初に走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して細胞の画像を取得することによって決定される。次にSEM画像を電子画像走査にかけて、走査によるデータをSCION Corp.から入手できるSCION画像ソフトウェアによって解析して、所与の画像範囲について細胞サイズプロットを提供する。データは、発泡体の構造的な性質を視覚的に表示するために入力を収集した黒色/白色画像の選択軸に沿った距離の関数として、さらなる解析のためにグラフィック表示される。
【0066】
試験手順
別途示さない限り、以下の試験手順を使用して、発泡体サンプルの特徴/性能を測定した。
【0067】
発泡体の垂直吸上げ高さ(「VWH」)
本試験を利用して、連続気泡が侵襲物(insult)部位(すなわち吸上げられる「侵襲物(insult)」流体によって接触された箇所)から流体を除去する能力を定量する。幅約2.54cm(約1インチ)および長さ約30.5cm(約12インチ)の発泡体のサンプル細片を、両面テープを使用してプラスチック板に付着させて、長手方向で定規または他の同様の測定ツールに隣接して平行に配置して、細片の下部が定規の0指示マーカーに合せて配置されるようにする。次にサンプルの付いた板を、(発泡体細片の前での流体移動の観察を補助するために)最小限の量の食品用着色剤を含有する0.9%生理的食塩水溶液の浴上に懸垂する。時間「0」にて、浴を発泡体細片の下端がちょうど接するまで浴を上昇させる。細片表面上の流体前線の細片下端からの高さは、選択した時間間隔で、一般に2、5、10、30および60分にて記録する。速さと簡単さのために、5分後のVWHが測定・報告されることが多い。ある場合では、サンプル細片が30cm未満であるとき、吸上げが細片の高さを超えることがある。そのような場合、細片の長さの後に「+」を付けて表示し、VWHがサンプルの高さを超えることを示す。
【0068】
吸収能力(「AC」)
吸収能力は、予備秤量した(乾燥重量)発泡体サンプルを使用して決定する。サンプルを同じ0.9%試験水溶液の浴に十分浸漬する。十分に飽和したら、サンプルをピンセットまたはヘラで浴から取り出す。サンプルを粗いワイヤメッシュ上に置いて、サンプルからの目に見える流体流が停止するまで過剰な流体を排出させ、飽和発泡体サンプルを秤量して「湿潤重量」を確認する。次に[湿潤重量−乾燥重量]の差を細片の乾燥重量で割ることによって、ACを計算する。
【0069】
発明の具体的な実施形態
報告されたすべてのパーセンテージは、別途示さない限り重量による。
【0070】
表1に、フロスおよび発泡体の作製に有用である各種のエチレンコポリマーの組成および特性をまとめる。エチレン/1−オクテンおよびエチレン/1−ブテンコポリマーの例示について述べる。実施例1〜5は、ポリマーの分散、ポリマー分散物の起泡、耐久性発泡体を形成するためのフロスの乾燥および発泡体が生理的食塩水溶液(たとえば合成尿または合成血液サンプル、すなわち「侵襲物(insult)」)を吸収および吸上げする能力を示す。
【表1】

【実施例1】
【0071】
分散物
エチレン/1−オクテンコポリマーの分散物はポリマー1D(上の表1)、すなわち62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有率を有し(DuPont Dow Elastomersによって供給されるENGAGE 8200エラストマー)0.870g/ccの密度および5g/10分のメルトインデックス(ASTM法D1238条件190℃/2.16kgによって決定された)を有するコポリマーから作製する。「分散ステップ」の見出しで上述した方法において、コポリマー10,000部を分散剤(Unicid 350、26炭素鎖脂肪酸を活性成分として含有する分散剤)640部(有効重量)と共にポリマー押出機のホッパーに供給して、単軸スクリュー押出機によって約220℃(約430°F)にて溶融混練する。その後、2軸スクリュー押出機のバレル内で脱イオン水850部中の水酸化カリウム70部を、圧力下で約165℃(約330°F)の温度にてポリマー/分散剤ブレンドに添加する。ブレンドが押出機バレルを下方に通過するときに、固体約59%の最終分散物が生成されるまで脱イオン水をさらに添加する。得られた分散物を押出機から出る前に約94℃(約200°F)に冷却して、次に回収した。
【0072】
フロスの作製
従来の混合ボール内で、ブレンド中に空気を混入させないように注意しながら、上述の分散物(51%活性または100部の固体ポリマー)196.5部のサンプルを選択した起泡界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)30%溶液(0.98部活性)3.25部と、そしてDow Chemical Companyによって供給されたヒドロキシアルキルセルロースエーテルMethocel E4Mヒドロキシプロピルメチルセルロース増粘剤の2.5%水溶液8部(0.33部活性)と共に、脱イオン水100部でブレンドする。小型のフロスサンプルはKitchenAid Professional 9−speedハンドミキサー(Model KMH9PWH)を用いて作製し、さら大型のサンプルは、Hobart型スタンドミキサーKitchenAid Professionalミキサー(Model KSM50PWH)およびワイヤビーターの対を用いて作製する。
【0073】
最初のブレンドを作製した後、同じであるが、ワイヤホイップを装着したミキサーを使用して、約5〜10分の期間に渡ってミキサー速度を中から高に上昇させることによって、硬いフロスが形成されるまで空気を機械的起泡によって混入させる。フロスの密度は、発泡体を充填した3oz(89ml)の紙コップを秤量することによって測定する。所望の密度に達したら、泡立てを停止する。
【0074】
発泡体の作製/乾燥
上述のように作製したフロスをより硬いウェブシートで裏打ちした剥離紙の上に広げて、約0.25インチ(約6.4mm)または要望どおりの高さに伸ばす。フロスを約60〜74℃(約140〜165°F)の乾燥温度のBlue M強制空気オーブンに約65分間入れる。乾燥発泡体シートを回収し、2つの主表面に平行な軸に沿って縦に切断して、その外部表面に約30〜100ミクロンの範囲の小さい気泡サイズを、そしてその内部主表面上に約250〜800ミクロンの範囲のより大きい気泡サイズを有する2枚の鏡像発泡体シートを得る。
【実施例2】
【0075】
上の実施例1で述べた方法で、分散物、フロスおよび発泡体サンプルを作製する。ポリマーの種類および特徴は上の表1で述べる。フロス安定剤、いずれかの添加剤および界面活性剤、分散物の組成および発泡体の特性は、以下の表2および3で述べる。ポリマーは、DuPont Dow Elastomersより入手できる製品である広範な一連のENGAGEエラストマー(エチレン/1−オクテンコポリマー樹脂)、または同じ供給元からの、1−オクテンを1−ブテンで置換した類似コポリマーより選択される。Unicid 350分散剤は26炭素(平均鎖長)脂肪酸である。Unicid 425分散剤は32炭素(平均鎖長)脂肪酸である。脂肪酸は上述の押出ステップで生成されたそのカリウム塩で利用される。起泡界面活性剤Stanfax318界面活性剤は、スルホコハク酸ナトリウムであり、Steol CS−130は長鎖アルキルエーテル硫酸ナトリウムである。最後の2つの界面活性剤は利用されるときに、希釈水と共に上述の押出ステップにおいて押出機からの溶融物の出口点付近で添加される。
【表2】

【0076】
分散物2.14、2.15および2.17において、以下の起泡ステップで起泡界面活性剤として作用するStanfaxおよびSteol製品を添加する。
【実施例3】
【0077】
フロスおよび発泡体の作製
分散物サンプル3A、B、CおよびDを、表2で上に示したのと同様の方式で、ポリマー1Dからの分散物2.10および分散物2.12として作製する。ベース分散物の作製では、サンプル3Aは、6% Unicid 350分散剤を使用するが、サンプル3B、CおよびDはそれぞれ3% エルカ酸を分散剤として使用する。分散物サンプル3A−Dはそれぞれ1% Steol CS−130界面活性剤をMethocel E4Mヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.2%活性重量と共に用いて、前述した方法で起泡させる。エチレン/1−オクテンコポリマーのフロスは約167°F(75℃)にて、エチレン/1−ブテンコポリマーのフロスは約140°F(60℃)にて、強制空気オーブン内で乾燥させる。サンプル3Dはやや異なる方式で乾燥させ、赤外線加熱「オーブン」に入れて、最初に迅速に通過させてから、標準の強制空気オーブンに入れて乾燥工程を完了させる。これは他の技法よりも、発泡体表面をさらに迅速に乾燥させるのに役立つ。SEMを使用して検査すると、分散物3A〜Dによる連続気泡発泡体は、外部表面上の小さな気泡から発泡体シートサンプル内部のより大きな気泡までの気泡サイズ勾配を示す。発泡体すべての発泡体気泡サイズの特徴は比較的類似しており、約70%〜80%の50ミクロン未満のサイズの気泡、約10〜15%の50〜100ミクロンの気泡サイズ、そして約10%の100ミクロン超の気泡サイズを有する。4つの発泡体サンプルの発泡体密度は、サンプル3Aの73g/Lから、サンプル3Bの97g/L、サンプル3Cの44g/Lおよびサンプル3Dの56g/Lまで変化する。
【実施例4】
【0078】
追加の発泡体の作製および試験
実施例3の方式で、複数の別の分散物を作製、起泡、および乾燥させて耐久性発泡体とする。分散物およびフロスブレンドの処方を以下の表3に示す。
【0079】
吸上げ高さ試験
上述のように作製した発泡体の垂直吸上げ試験は、0.9% 食塩溶液を用いて前述した方式で5分間に渡って行う。結果は、非常に疎水性の分散剤、たとえばUnicid分散剤は生じた発泡体を比較的疎水性にして、したがって水性流体をあまり吸上げないようにするが、疎水性流体(こぼれた油の清掃など)を吸収するのに有用であることを示唆する。水性吸上げは通例、より少ない疎水性分散剤が使用されるときには改善する。
【表3】

【実施例5】
【0080】
充填添加剤
発泡体のサンプルは、分散物は起泡・乾燥させて本発明の発泡体を作製する前に約14%綿繊維(平均繊維長約0.15〜0.25インチの)をブレンドステップに添加することを除いて、実施例4の発泡体3.7について述べた方法で作製する。生じた発泡体は非常に均質で、優れた柔軟性および軟度を有し、綿繊維添加材を含まない同じ発泡体よりも良好な吸収性および改善された最湿潤能力ならびにより低い弾性特徴およびより高い引張強度を示す。
【実施例6】
【0081】
発泡体積層構造
フロスのサンプルは、作製したフロスを連続気泡(80体積パーセント超の連続)押出ポリオレフィン発泡体の厚さ約2mmおよび幅75mmのシート上にナイフ塗布することを除いて、実施例4で発泡体3.7について述べた方法で作製する。次にそのシート上のフロスを75℃の強制空気オーブンで30分間乾燥させる。押出ポリオレフィン発泡体は、米国特許第3,573,152号および第4,824,720号(それぞれ参照により本明細書に組み入れられている)で述べられている装置および技法を使用して、マルチオリフィスダイを通じた熱可塑性溶融物の押出により作製する。熱可塑性溶融物中のポリオレフィン樹脂のブレンドは、中程度の曲げ弾性率(ASTM D790により約110kpsi)を有し、所望ならば溶融物に適切な量の核形成剤、発泡剤および他の任意の添加剤を添加する。溶融物の重量に基づいて、核形成剤として約0.5%のタルクを利用し、約3.5%のイソブタンおよび4%の二酸化炭素を発泡剤として利用して、押出ポリオレフィン発泡体シートを作製する。
【0082】
回収された押出プロフィールの表面を削って、表面上の薄い皮膜または独立気泡を除去し、平均気泡サイズ約580ミクロン(ASTM D2856−Aに従って決定)の連続気泡表面を露出させた。次にその削った表面から薄い発泡体層をスライスして、約2mmの所望の規定厚さの発泡体シートを得る。上記の乾燥ステップは、利用される乾燥温度においてフロス由来発泡体の押出発泡体の削った表面への良好な結合を引き起こす。
【実施例7】
【0083】
乾燥後発泡体気泡構造の再配向
実施例3で以前に述べた方法で、発泡体のサンプルを、Dow Chemical Companyから入手した、約30〜80℃の溶融範囲、0.870g/ccの密度、5g/ccのメルトインデックス(ASTM D1238@190℃/2.16kg)のAFFINITY EG 8200樹脂、すなわちエチレン/1−オクテン、62%/38%コポリマーの起泡分散物から作製する。2% Unicid 350分散剤および2% Hystrene 4516起泡界面活性剤(高純度、脂肪酸混合物、通例、テネシー州メンフィスのWitco Corp.のHumko Chemical Div.から入手して、次に酸塩を生成するために水酸化カリウムで中和した約55%のステアリン酸、42%のパルミチン酸、それぞれ0.5〜1.5%のマルガリン酸、ミリスチン酸およびペンタデカン酸を含む)を使用して作製した、約55重量%(乾燥)のポリマー固体および約1ミクロンの平均粒径を有するその分散物を起泡させ、コンベアベルト上にナイフ塗布して、その後、乾燥させて密度約0.025g/ccの発泡体を得る。乾燥は、約75℃の温度のBlue M強制空気オーブン内でフロスを運搬することによって連続的に実施する。乾燥環境での総時間は平均で約7〜9分である。得られた発泡体シート層は、5〜25フィート/分(約150〜750cm/分)の速度で2個のローラーのニップを通じて供給される。一方のローラー(ゴムコーティングされた)は加熱されておらず、発泡体の主表面に22℃の温度で接触するが、これに対して第2のローラー(鋼鉄)は加熱されて、約22〜55℃(約72〜131°F)の可変温度にて反対側の主表面に接触する。ローラーにより、各主表面に渡って実質的に均質な方式で発泡体シート層に印加される圧力は、約10psig〜約80psig(約70kPa〜約550kPa、ゲージ圧)で変化する。元のシートの厚さは、約3.42〜約3.78mmの範囲で変化する。シートを加熱、圧縮および冷却した後、サンプルを、2つの主表面間の厚さの減少について測定する。次に2つの細片を各サンプルから切り出して、前述したようにVWH試験を受けさせる。熱および圧力条件ならびに処理された発泡体サンプルの特性を、以下に示す表4に記録する。「+」の記号は、VWHがサンプル細片の長さを超えることを示す。長鎖脂肪酸塩(たとえばHystrene 4516)を使用して上述したように作製したフロスからの発泡体は、そのような脂肪酸を含有しないフロスから作製した発泡体とは対照的に、織物様「手触り」を有しており、すなわち柔らかい織物様表面が完成発泡体に付与される。
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、表1または別の箇所でポリマー1Dと呼ばれるエチレンコポリマーについて第1の熱示差走査熱量測定(DSC)よって得られた、x軸上の温度(℃)に対してプロットされた熱流(ワット/グラム(W/g))を示す。DSC曲線の吸熱プロットを使用して、以上で示した目的のためにさらに十分に説明および利用されるように、各ポリマーの適切な溶融温度範囲を決定するのはもちろんのこと、ポリマー残存結晶の所与のパーセンテージに対する温度(Tx%c)も決定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定な水性フロスであって、
a)C4−C10オレフィンから選択される他のモノマーを含み、または含まず、約2〜98重量パーセントのエチレンまたは1−プロペン含有率を有する、エチレンおよび/または1−プロペンの1つまたはそれ以上のコポリマーまたはインターポリマーと、
b)水と、
c)起泡界面活性剤と、
d)気体と、
を含み、成分が、a)、b)およびc)の総重量のおおよそa)35〜75パーセント、b)35〜75パーセントおよびc)1〜6パーセントを含み、d)がフロス中に存在する成分すべての総体積の少なくとも80%を構成するような量で存在する、
安定な水性フロス。
【請求項2】
アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、グアーガム、キサンタンガム、および少なくとも20,000分子量のポリオキシエチレン樹脂から選択される成分e)発泡体安定剤をさらに含み、前記成分e)が成分a)ポリマーの乾燥重量に基づいて約0.05〜約2パーセントの量で存在する、請求項1に記載のフロス。
【請求項3】
成分a)がエチレンと、炭素原子3〜10個のアルファオレフィンコモノマーとのコポリマーである、請求項1に記載のフロス。
【請求項4】
アルファオレフィンコポリマーが1−プロペン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選択され、成分a)がASTM D1238(条件190℃/2.16kg)によって決定された約0.5〜約30g/10分のメルトインデックスを有する、請求項3に記載のフロス。
【請求項5】
a)C4−C10オレフィンから選択される他のモノマーを含み、または含まず、約2〜98重量パーセントのエチレンまたは1−プロペン含有率を有する、エチレンおよび/または1−プロペンの1つまたはそれ以上のコポリマーまたはインターポリマーを含み、発泡体気泡の大部分の気泡サイズが約5〜約1000マイクロメートル(ミクロン)の範囲である、耐久性連続気泡発泡体。
【請求項6】
形状が実質的に長円形であり、その主軸が一般に発泡体の少なくとも1つの主表面と平行方式で揃えられている、複数のその気泡を有することをさらに特徴とする、請求項5に記載の発泡体。
【請求項7】
形状が実質的に長円形である、大多数のその気泡を有することをさらに特徴とする、請求項6に記載の発泡体。
【請求項8】
0.9%生理的食塩水溶液で5分後に8cmまたはそれより高い垂直吸上げ高さを示すことをさらに特徴とする、請求項6に記載の発泡体。
【請求項9】
前記発泡体の成分a)ポリマーが、エチレンベースポリマーに約0.5〜約30g/10分のメルトインデックス(ASTMD1238条件190℃/2.16kgによって決定したように)を、そして1−プロペンベースポリマーに約0.7〜約85g/10分のメルトフローレート(ASTMD1238条件230℃/2.16kgによって決定したように)示す、請求項5に記載の発泡体。
【請求項10】
成分a)がエチレンと、炭素原子3〜8個のアルファオレフィンコモノマーとの少なくとも1つのコポリマーを含む、請求項5に記載の発泡体。
【請求項11】
成分a)が1−プロペン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンとのエチレンコポリマーを含み、コポリマーは約0.5〜約30g/10分のメルトインデックス(ASTMD1238条件190℃/2.16kgによって決定したように)を示す、請求項5に記載の発泡体。
【請求項12】
成分a)が1−ブテンまたは1−オクテンとのエチレンコポリマーを含み、該コポリマーは0.85〜0.91g/ccの密度を示す、請求項5に記載の発泡体。
【請求項13】
発泡体の第1の主表面における気泡の大部分の気泡サイズが約20〜約100ミクロンの範囲であり、発泡体の他方の主表面の気泡の大部分の気泡サイズが約200〜約1100ミクロンの範囲である、請求項5または10に記載の発泡体。
【請求項14】
発泡体の第1の主表面の大部分の気泡サイズが約30〜約80ミクロンの範囲であり、発泡体の他方の主表面の気泡の大部分の気泡サイズが約300〜約1000ミクロンの範囲であり、気泡サイズの勾配が発泡体の2つの前記表面の間に存在する、請求項13に記載の発泡体。
【請求項15】
成分a)がエチレンおよび1−プロペンの少なくとも1つのコポリマーを含み、1−プロペンがコポリマーの2〜35重量パーセントを構成する、請求項10に記載の発泡体。
【請求項16】
成分a)が1−プロペンおよびエチレンの少なくとも1つのコポリマーを含み、エチレンがコポリマーの2〜35重量パーセントを構成する、請求項5に記載の発泡体。
【請求項17】
a)が1−オクテンとのエチレンコポリマーを含み、該コポリマーが1〜20g/10分のメルトインデックス(ASTMD1238条件190℃/2.16kgによって決定したように)、0.85〜0.91g/ccの密度を示し、発泡体の主表面の1つともう一方の主表面との間の気泡の主要部分の気泡サイズ勾配が存在し、約20〜約1100ミクロンの範囲である、請求項5に記載の発泡体。
【請求項18】
炭酸カルシウム粉末、二酸化チタン粉末、ポリマー粒子、中空ガラス球、セルロース繊維、ポリマーステープル繊維、および膜形成ポリマーから選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項5に記載の発泡体。
【請求項19】
酸化防止剤、アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、スチレン性ラテックス、グアーガムまたはキサンタンガムの1つまたはそれ以上をさらに含む、請求項5に記載の発泡体。
【請求項20】
少なくとも1つの臭気吸収粒子材料の多数の粒子をさらに含み、そのような粒子の平均サイズが約1〜約600ミクロンであり、前記多数の粒子が前記発泡体のポリマー性成分の約2〜約18重量パーセントを構成する、請求項5に記載の発泡体。
【請求項21】
少なくとも1つの臭気吸収粒子材料の粒子が100〜200ミクロンの平均粒径を有する活性炭の粒子であり、前記発泡体のポリマー性成分の4〜12重量パーセントを構成する、請求項20に記載の発泡体。
【請求項22】
その少なくとも1つの表面が織物様の柔らかい手触りを有する、請求項5に記載の発泡体。
【請求項23】
乳児用オムツ、女性用衛生製品、成人用失禁衛生製品、創傷包帯パッド、外科用スポンジ、食品包装パッド、拭取りタオルおよび拭取りスポンジから選択され、請求項5、15または16に記載の発泡体から作製された成分を含む、吸収性物品。
【請求項24】
(a)請求項1〜4のいずれか一項に記載のフロスの少なくとも1つの層と、
(b)前記フロス層の上に配置、ドクターまたは展開された少なくとも1つの基材層とを含む積層体。
【請求項25】
(b)少なくとも1つの基材層が第2のフロスの層、予備形成された連続気泡発泡体、熱可塑性シートまたはフィルム、製織または不織ファブリック、あるいはメルトスピン結合またはメルトブロー材料から作製される、請求項24に記載の積層体。
【請求項26】
(a)請求項5〜19のいずれか一項に記載の発泡体の少なくとも1つの層と、(b)前記発泡体層が付着される少なくとも1つの基材層とを含む積層構造。
【請求項27】
(b)少なくとも1つの基材層が第2の連続気泡発泡体の層、熱可塑性シートまたはフィルム、製織または不織ファブリック、あるいはメルトスピン結合またはメルトブロー材料から選択される、請求項26に記載の積層構造。
【請求項28】
乳児用オムツ、女性用衛生製品、成人用失禁衛生製品、創傷包帯パッド、外科用スポンジ、医療用衣類、外科用ドレープ、拭取りタオル、拭取りスポンジおよび食品包装パッドから選択される、請求項27に記載の積層構造から作製された成分を含む、吸収性物品。
【請求項29】
耐久性連続気泡発泡体を製造する方法であって、
(1)請求項1〜4のいずれかに記載のフロスを生成するステップと、
(2)その後、耐久性連続気泡発泡体を提供するために、前記生じた発泡体の体積が前記フロスの体積の70体積パーセント以上を構成するような方式で、前記フロスを少なくとも1つの乾燥エネルギー源に暴露するステップと、
(3)その後、耐久性連続気泡発泡体を回収するステップと、
を含む方法。
【請求項30】
ステップ(2)の乾燥エネルギー源が熱風発生器、赤外線発生器、誘電加熱装置、およびその組合せまたは多数から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
フロスが連続的に生成され、その後、前記フロスを少なくとも1つの乾燥エネルギー源に連続的に暴露することをさらに特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(2)の前記フロスを同時または順次のどちらかで、少なくとも2つの乾燥エネルギー源の組合せに暴露することをさらに特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(2)において、乾燥エネルギー源が少なくとも1つの熱風発生器、少なくとも1つの赤外線発生器、および少なくとも1つの誘電加熱装置から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
回収の前または後に、連続気泡発泡体を少なくとも1つの主表面で実質的にすべてのそのような主表面を発泡体の初期厚さの表面の下の少なくとも2%の距離まで軟化させる加熱に暴露して、同時にその主表面のそのように軟化された大部分を、主表面にて、または主表面付近で複数の気泡を、主軸が前記主表面に対して一般に平行に揃えられている三次元長円形形状に変換するのに十分な圧力で圧縮することをさらに特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
(a)半結晶性熱形成オレフィンポリマーと、(b)炭素原子が18個を超える長鎖脂肪酸と、(c)脱イオン水と、(d)塩基との組合せからの生成物を含み、約67パーセントの固体含有率を有する、水性分散物。


【図1】
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【公表番号】特表2007−503515(P2007−503515A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524817(P2006−524817)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/027593
【国際公開番号】WO2005/021622
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】