説明

分散電力供給システムのための負荷平衡

【課題】分散電力供給システムにおいて負荷を平衡させるソリューションを提供する。
【解決手段】負荷平衡システムは、複数のメータ110A〜110Nから負荷データを取得する取得器40であって、各メータが、分散電力供給システムの第1の相、第2の相、または第3の相の1つに接続される取得器と、負荷データに基づいて、分散電力供給システムの第1、第2、および第3の相に対する平衡負荷分散を判定する判定器50であって、平衡負荷分散が、各メータが接続を切り換えるべき第1の相、第2の相、または第3の相の1つを示す判定器と、平衡負荷分散コマンドに従って各メータが分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、メータそれぞれに送信する送信器60とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する主題は、3相4線式分散電力供給システム内部で負荷を平衡させるソリューションに関する。
【背景技術】
【0002】
分散電力供給システムにおいて、平衡したシステムとは、その中で電圧および電流が平衡されているシステムである。電気用語では、どの瞬間においても、各相における電圧は、120度変位された同じ振幅および相にあるべきである。電圧が平衡された場合、電流は電圧に類似しているので、設定電流も平衡されることになる。
【0003】
100%の平衡は、実際のシステムにおいて現実的に達成することはできないが、電力供給は、ほぼ平衡されるように維持することができる。これにより、変圧器効率の向上および電力品質の向上など、いくつかの利点がもたらされ、過度の電圧降下、エネルギー損失、およびフィーダ過負荷が回避される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6023152号明細書
【発明の概要】
【0005】
分散電力供給システム内部で負荷を平衡させるソリューションについて開示する。一実施形態では、負荷平衡システムが、複数のメータから負荷データを取得する取得器であって、各メータが、分散電力供給システムの第1の相、第2の相、または第3の相の1つに接続される取得器と、負荷データに基づいて、分散電力供給システムの第1、第2、および第3の相に対する平衡負荷分散を判定する判定器であって、平衡負荷分散が、各メータが接続を切り換えるべき第1の相、第2の相、または第3の相の1つを示す判定器と、平衡負荷分散コマンドに従って各メータが分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、メータそれぞれに送信する送信器とを備える。
【0006】
本発明の第1の態様は、負荷平衡システムを提供し、この負荷平衡システムは、複数のメータから負荷データを取得する取得器であって、各メータが、分散電力供給システムの第1の相、第2の相、または第3の相の1つに接続される取得器と、負荷データに基づいて、分散電力供給システムの第1、第2、および第3の相に対する平衡負荷分散を判定する判定器であって、平衡負荷分散が、各メータが接続を切り換えるべき第1の相、第2の相、または第3の相の1つを示す判定器と、平衡負荷分散コマンドに従って各メータが分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、メータそれぞれに送信する送信器とを備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、システムを提供し、このシステムは、各メータが少なくとも1つの装置に接続された複数のメータと、第1の相、第2の相、および第3の相を含む分散電力供給システムであって、各メータが、分散電力供給システムの第1の相、第2の相、または第3の相の1つに接続される分散電力供給システムと、負荷平衡システムとを備え、負荷平衡システムは、複数のメータから負荷データを取得する取得器と、負荷データに基づいて、分散電力供給システムの第1、第2、および第3の相に対する平衡負荷分散を判定する判定器であって、平衡負荷分散が、各メータが接続を切り換えるべき第1の相、第2の相、または第3の相の1つを示す判定器と、平衡負荷分散コマンドに従って各メータが分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、メータそれぞれに送信する送信器とを備える。
【0008】
本発明の第3の態様は、コンピュータ可読媒体に格納されたプログラム製品を提供し、この製品は、実行されると、各メータが少なくとも1つの装置に接続されている複数のメータから負荷データを取得することであって、各メータが、分散電力供給システムの第1の相、第2の相、または第3の相の1つに接続されること、負荷データに基づいて、分散電力供給システムの第1、第2、および第3の相に対する平衡負荷分散を判定することであって、平衡負荷分散が、各メータが接続を切り換えるべき第1の相、第2の相、または第3の相の1つを示すこと、ならびに、平衡負荷分散コマンドに従って各メータが分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、メータそれぞれに送信することを実施する。
【0009】
本発明のこうしたおよび他の特徴が、本発明の様々な実施形態を示す添付の図面と併せ見ると、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を実装する例示的環境およびコンピュータインフラストラクチャを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、システム内部で負荷を平衡させる実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の図面は、原寸大ではないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきでない。図面において、同じ番号づけは、複数の図面に渡って同じ要素を表す。
【0012】
上述したように、本発明の態様は、電力供給システム内部で負荷を平衡させるソリューションを提供する。別段に記載されていない限り、本明細書で使用する「1組(set)」という用語は、1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を意味し、「任意の(any)ソリューション」というフレーズは、現時点で公知であり、または今後開発されるどのソリューションも意味する。
【0013】
図面に移ると、図1は、分散電力供給システム内部で負荷を平衡させる例示的環境10を示す。この点において、環境10は、分散電力供給システム内部で負荷を平衡させるために、本明細書に記載するプロセスを実施することができるコンピュータシステム20を含む。具体的には、コンピュータシステム20は、平衡システム30を含んで示されており、システム30によって、コンピュータシステム20は、本明細書に記載するプロセスを実施することによって分散電力供給システム内部で負荷を平衡させるように動作可能になる。
【0014】
コンピュータシステム20は、複数のメータ110A、110B、...、110Nと通信するように示されている。コンピュータシステム20と通信する任意の数のメータがあってよい。さらに、コンピュータシステム20は、ユーザ36と通信するように示されている。ユーザは、たとえば、プログラマやオペレータでよい。こうした構成要素とコンピュータシステム20との間の対話については、本出願の後続部分において論じる。コンピュータシステム20は、処理構成要素22(たとえば、1つまたは複数のプロセッサ)、記憶構成要素24(たとえば、記憶階層)、入力/出力(I/O)構成要素26(たとえば、1つまたは複数のI/Oインタフェースおよび/または装置)、ならびに通信経路28を含んで示されている。一実施形態では、処理構成要素22は、記憶構成要素24内で少なくとも部分的に実施される、平衡システム30などのプログラムコードを実行する。プログラムコードを実行する間、処理構成要素22は、データを処理することができ、その結果、記憶構成要素24および/またはI/O構成要素26からデータを、さらに処理するために読み取り、かつ/または書き込むことができる。経路28は、コンピュータシステム20内の構成要素それぞれの間の通信リンクを提供する。I/O構成要素26は、ユーザ36がコンピュータシステム20と対話することを可能にする1つもしくは複数のヒューマンI/O装置もしくは記憶装置、および/またはユーザ36がどのタイプの通信リンクを使ってもコンピュータシステム20と通信することを可能にするための1つもしくは複数の通信装置を備え得る。この点において、平衡システム30は、平衡システム30との人間および/またはシステム対話を可能にする1組のインタフェース(たとえば、グラフィカルユーザインタフェース(複数可)、アプリケーションプログラムインタフェースなど)を管理することができる。
【0015】
いずれにしても、コンピュータシステム20は、システムにインストールされたプログラムコードを実行することが可能な1つまたは複数の汎用コンピューティング製造品(たとえば、コンピューティング装置)を備え得る。本明細書で使用するように、「プログラムコード」は、情報処理能力をもつコンピューティング装置に、ある特定の機能を直接あるいは(a)別の言語、コードもしくは記法への変換、(b)異なる素材の形での再現、および/または(c)圧縮解除のどの組合せの後でも実施させる、任意の言語、コードまたは記法での命令からなる任意の集合体を意味することが理解されよう。この点において、平衡システム30は、システムソフトウェアおよび/またはアプリケーションソフトウェアのどの組合せとしても実施され得る。いずれにしても、コンピュータシステム20の技術的効果は、電力供給分散システム内部で負荷を平衡させる処理命令を提供することである。
【0016】
さらに、平衡システム30は、1組のモジュール32を使って実装することができる。この場合、モジュール32は、平衡システム30によって使われる1組のタスクをコンピュータシステム20が実施することを可能にすることができ、平衡システム30の他の部分とは別個に開発し、かつ/または実装することができる。平衡システム30は、特定用途マシン/ハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えるモジュール32を含み得る。ともかく、2つ以上のモジュール、および/またはシステムが、それぞれのハードウェアおよび/またはソフトウェアの一部/全部を共有し得ることが理解されよう。さらに、本明細書で論じる機能性の一部は、実装しなくてもよく、追加機能性がコンピュータシステム20の一部として含まれてもよいことが理解されよう。
【0017】
コンピュータシステム20が複数のコンピューティング装置を備えるとき、各コンピューティング装置は、装置上で実施される平衡システム30の一部分(たとえば、1つまたは複数のモジュール32)のみを有し得る。ただし、コンピュータシステム20および平衡システム30は、本明細書に記載するプロセスを実施し得る、可能な様々な等価のコンピュータシステムを表すだけであることが理解されよう。この点において、他の実施形態では、コンピュータシステム20および平衡システム30によって提供される機能性は、プログラムコードをもつまたはもたない汎用および/または特殊目的ハードウェアのどの組合せも含む1つまたは複数のコンピューティング装置によって少なくとも部分的に実装することができる。各実施形態において、ハードウェアおよびプログラムコードは、含まれる場合、それぞれ、標準工学およびプログラミング技法を用いて作成することができる。
【0018】
ともかく、コンピュータシステム20が複数のコンピューティング装置を含むとき、コンピューティング装置は、どのタイプの通信リンクを介しても通信することができる。さらに、本明細書に記載するプロセスを実施する間、コンピュータシステム20は、どのタイプの通信リンクを使っても、他の1つまたは複数のコンピュータシステムと通信することができる。いずれのケースでも、通信リンクは、様々なタイプのワイヤードおよび/もしくはワイヤレスリンクのどの組合せも含み、1つもしくは複数のタイプのネットワークのどの組合せも含み、かつ/または様々なタイプの送信技法およびプロトコルのどの組合せも使用し得る。
【0019】
本明細書で論じるように、平衡システム30は、電力供給分散システム内部で負荷を平衡させる処理命令をコンピュータシステム20が提供することを可能にする。平衡システム30は、取得器40、判定器50、および送信器60の機能を含み得る論理を含み得る。一実施形態では、平衡システム30は、上述の機能を実施するための論理を含み得る。構造的に、論理は、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)または本明細書に記載する機能を実施することが可能な他の任意の特定用途マシン構造など、様々な形の任意のものをとり得る。論理は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアなど、様々な形の任意のものをとり得る。ただし、例示目的のために、平衡システム30およびそこに含まれる論理は、本明細書では特定用途マシンとして記載する。記載内容から理解されるように、論理は、上述の機能それぞれを含むものとして示されるが、添付の請求項に記載の本発明の教示に従って、機能すべてが必要なわけではない。
【0020】
ここで図2に移ると、本発明の一実施形態によるシステム100のブロック図が示されている。システム100は、複数のメータ110A、110Bと通信する主局175を示す。2つのメータ110A、110Bのみが示されているが、任意の数のメータが主局175と通信してよいことが理解されよう。本明細書で使用するように、主局175は、どの相にメータ110A、110Bが接続されるべきか判定するために、コンピュータシステム20(図1)の少なくとも全部分を含むコマンドセンタを指す。つまり、主局175は、平衡システム30の取得器40、判定器50、および送信器60を含み得る。
【0021】
各メータ110A、110Bは、少なくとも1つの装置120に接続され得る。図2に示すように、各メータ110A、110Bは、複数の装置120A、120B、...、120Nに接続され得る。動作中、主局175は、取得器40(図1)によって、各メータ110A、110Bから負荷データを取得する。負荷データは、Wi−Max、電力線搬送、電力線ブロードバンド、無線周波数、LAN/WAN、AMI、HAN/Zigbee(商標)、免許周波数、無免許周波数、またはWi−Fiなどだが、それに限定されない、現時点で公知であり、または今後開発されるどの送信用技術によっても取得することができる。取得器40(図1)は、当該分野において公知であるように、自動メータ読取り(AMR)装置を含み得る。
【0022】
各メータ110A、110Bは、配電変圧器150の第1の相160、第2の相162、または第3の相164の1つに接続され得る。各メータ110A、110Bは、メータ110A、110Bを第1の相160に接続するように構成された第1のスイッチ180、メータ110A、110Bを第2の相162に接続するように構成された第2のスイッチ182、およびメータ110A、110Bを第3の相164に接続するように構成された第3のスイッチ184を含み得る。どの所与の瞬間でも、第1のスイッチ180、第2のスイッチ182、または第3のスイッチ184の1つだけをオンにすることができる。つまり、各メータ110A、110Bは、一度に単一の相(第1の相160、第2の相162、または第3の相164の1つ)にのみ接続することができる。たとえば、図2において、メータ110Aの第1のスイッチ180が「オン」にされて、メータ110Aを第1の相160に接続する。さらに、メータ110Bの第2のスイッチ182がオンにされて、メータ110Bを第2の相162に接続する。配電変圧器150は、第4の線166をさらに備え得る。第4の線166は、中性(すなわち、接地)である。各メータ110A、110Bは、第4の線166に接続することもできる(図示せず)。
【0023】
各メータ110A、110Bの負荷データは、メータ110A、110Bが接続される相および/またはメータ110A、110Bの負荷の少なくとも1つを含み得る。本明細書で使用する「負荷」という用語は、メータ110A、110Bの所で装置120A、120B、...、120Nによって消費される電力を指す。
【0024】
主局175は次いで、判定器50(図1)によって、各メータ110A、110Bに関する負荷データに基づいて、第1の相160、第2の相162、および第3の相164に対する平衡負荷分散を判定することができる。つまり、平衡負荷分散は、各メータ110A、110Bが接続を切り換えるべき第1の相160、第2の相162、または第3の相164のいずれか1つを示す。判定器50(図1)は、ファジー論理分析、発見的解析、近似解析、または線形化解析に限定されないが、現時点で公知であり、または今後開発されるどの分析を用いても、平衡負荷分散を判定することができる。
【0025】
平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドは、送信器60(図1)によって各メータ110A、110Bに送信することができる。平衡負荷分散は、Wi−Max、電力線搬送、電力線ブロードバンド、無線周波数、LAN/WAN、AMI、HAN/Zigbee(商標)、免許周波数、無免許周波数、またはWi−Fiなどだが、それに限定されない、現時点で公知であり、または今後開発されるどの送信用技術によっても送信することができる。続いて、各メータ110A、110Bは、平衡負荷分散コマンドに従って、配電変圧器150への相接続を切り換えればよい。つまり、たとえば、図2では、メータ110Aは、第1の相160ではなく第2の相162に接続を切り換えてよい。
【0026】
ここで図3を参照すると、本発明の一実施形態によるシステム200のブロック図が示されている。ただ1つのメータ110Aが示されているが、上述したように、複数のメータがシステム200に含まれてよいことが理解されよう。本実施形態では、メータ110Aは、2つの単極双投(SPDT)リレースイッチ280、282を介して第1の相160、第2の相162、または第3の相164に接続することができる。たとえば、図3において、メータ110Aは、第1のスイッチ280を介して第3の相164に接続される。
【0027】
ここで図4に移ると、本発明の一実施形態によるシステム300のブロック図が示されている。メータ110Aは、単一の3極切換えリレースイッチ380を介して、第1の相160、第2の相162、または第3の相164に接続することができる。
【0028】
図5に移ると、電力供給において負荷を平衡させる実施形態のフロー図が示されている。ステップS1で、取得器40は、複数のメータ110A、110Bから負荷データを取得し、ここで各メータ110A、110Bは、配電変圧器150の第1の相160、第2の相162、または第3の相164の1つに接続されている。負荷データの取得は、どの相(第1の160、第2の162、または第3の164)にメータ110A、110Bが接続されているか、およびメータ110A、110Bの負荷(すなわち、電力消費)を取得することを含み得る。負荷データは、Wi−Max、電力線搬送、電力線ブロードバンド、無線周波数、LAN/WAN、AMI、HAN/Zigbee(商標)、免許周波数、無免許周波数、またはWi−Fiなどだが、それに限定されない、現時点で公知であり、または今後開発されるどの送信用技術によっても取得することができる。
【0029】
ステップS2で、判定器50は、負荷データに基づいて、配電変圧器150の第1の相160、第2の相162、および第3の相164に対する平衡負荷分散を判定する。平衡負荷分散は、各メータ110A、110Bが接続を切り換えるべき第1の相160、第2の相162、または第3の相164の1つを示す。つまり、判定器50は、配電変圧器150の相160、162、164が平衡されるように、どの相にメータ110A、110Bが接続されるべきか判定する。
【0030】
ステップS3で、送信器60は、平衡負荷分散を含む平衡負荷分散コマンドを、各メータ110A、110Bに送信する。したがって、各メータ110A、110Bは、必要とされる場合、メータ110A、110Bがどの相160、162、164に接続されるべきかを、第1のスイッチ180、第2のスイッチ182、および第3のスイッチ184(図2)を使って切り換えればよい。あるいは、メータ110A、110Bは、2つのSPDTリレースイッチ280、282(図3)または単一の3極切換えリレースイッチ380(図4)を使って切り換えてよい。ステップS4で、本方法は、平衡負荷分散コマンドに基づいて、配電変圧器150への各メータ110A、110Bの接続を切り換えることを含む。
【0031】
本明細書では負荷平衡システムとして示し記載したが、本発明の態様は、様々な代替実施形態をさらに提供することが理解されよう。たとえば、一実施形態では、本発明は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体で実施されるコンピュータプログラムを提供し、このプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが電力供給システム内で負荷を平衡させることを可能にする。この点において、コンピュータ可読媒体は、平衡システム30(図1)などのプログラムコードを含み、システム30は、本明細書に記載したプロセスの一部または全部を実装する。「コンピュータ可読媒体」という用語は、プログラムコードのコピーを具現することが可能な任意のタイプの有形表現媒体(たとえば、物理的具現化)の1つまたは複数を含むことが理解されよう。たとえば、コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数の可搬型記憶製造品、コンピューティング装置の1つまたは複数のメモリ/記憶構成要素、紙などを含み得る。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載したプロセスの一部または全部を実装する平衡システム30(図1)などのプログラムコードのコピーを提供する方法を提供する。この場合、コンピュータシステムは、第2の別個の場所での受信のために、その特性の1つまたは複数が、データ信号セット中でプログラムコードのコピーをエンコードするように設定され、かつ/または変更されたデータ信号セットを生成し送信することができる。同様に、本発明の実施形態は、本明細書に記載したプロセスの一部または全部を実装するプログラムコードのコピーを獲得する方法を提供し、この方法は、コンピュータシステムが、本明細書に記載したデータ信号セットを受信すること、およびデータ信号セットを、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体で具現されたコンピュータプログラムのコピーに翻訳することを含む。いずれのケースでも、データ信号セットは、どのタイプの通信リンクを使っても送信/受信することができる。
【0033】
さらに別の実施形態では、本発明は、電力供給システム内部で負荷を平衡させる方法を提供する。この場合、コンピュータシステム、たとえばコンピュータシステム20(図1)を取得する(たとえば、作成し、維持し、利用可能にする、など)ことができ、本明細書に記載したプロセスを実施する1つまたは複数のモジュールを取得し(たとえば、作成し、購入し、使用し、修正し、など)、コンピュータシステムに展開することができる。この点において、展開は、(1)コンピュータ可読媒体からコンピューティング装置上にプログラムコードをインストールすること、(2)1つまたは複数のコンピューティングおよび/またはI/O装置をコンピュータシステムに追加すること、ならびに(3)コンピュータシステムを、本明細書に記載したプロセスを実施することを可能にさせるように組み込み、かつ/または修正することの1つまたは複数を含み得る。
【0034】
本発明の態様は、本明細書に記載したプロセスを、加入、広告、および/または料金ベースで実施するビジネス方法の一部として実装され得ることが理解されよう。つまり、サービスプロバイダは、本明細書に記載したように、電力供給システム内で負荷を平衡させる処理命令の提供を提案することができる。この場合、サービスプロバイダは、1人または複数の顧客向けに本明細書に記載したプロセスを実施する、コンピュータシステム20(図1)などのコンピュータシステムを管理する(たとえば、作成し、維持し、サポートする、など)ことができる。これに対して、サービスプロバイダは、加入および/または料金契約の下で顧客(複数可)から支払いを受け、1つまたは複数のサードパーティへの広告の販売により支払いを受ける、などのことができる。
【0035】
本記載内容では、本発明を開示するために、また、どの当業者も本発明を実施すること、たとえばどの装置またはシステムも作成し利用し、どの組込み方法も実施することを可能にするために、最良の形態を含む例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定義され、当業者が考えつく他の例を含み得る。このような他の例は、請求項の文言とは違わない構造要素を有する限り、または請求項の文言との違いが本質的ではない等価な構造要素を含む限り、請求項の範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0036】
10 環境
20 コンピュータシステム
22 処理構成要素
24 記憶構成要素
26 入出力(I/O)構成要素
28 通信経路
30 平衡システム
32 モジュール
36 ユーザ
40 取得器
50 判定器
60 送信器
100、200、300 システム、負荷平衡システム
110A、110B、110N 複数のメータ
120A、120B、120N 複数の装置
150 配電変圧器
160 第1の相
162 第2の相
164 第3の相
166 第4の線
175 主局
180 第1のスイッチ
182 第2のスイッチ
184 第3のスイッチ
280 単極双投(SPDT)リレースイッチ
282 単極双投(SPDT)リレースイッチ
380 単一の3極切換えリレースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメータ(110A、110B)から負荷データを取得する取得器(40)であって、各メータ(110A、110B)が、分散電力供給システムの第1の相(160)、第2の相(162)、または第3の相(164)の1つに接続される取得器(40)と、
前記負荷データに基づいて、前記分散電力供給システムの前記第1(160)、第2(162)、および第3の相(164)に対する平衡負荷分散を判定する判定器(50)であって、前記平衡負荷分散が、各メータ(110A、110B)が接続を切り換えるべき前記第1の相(160)、前記第2の相(162)、または前記第3の相(164)の1つを示す判定器(50)と、
平衡負荷分散コマンドに従って各メータ(110A、110B)が前記分散電力供給システムへの相接続を切り換えるように、前記平衡負荷分散を含む前記平衡負荷分散コマンドを、前記メータ(110A、110B)それぞれに送信する送信器(60)とを備える負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項2】
各メータ(110A、110B)が、少なくとも1つの装置(120A、120B)に接続される、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項3】
負荷データが、前記メータ(110A、110B)の負荷および/または前記メータ(110A、110B)が接続される相の少なくとも1つを含む、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項4】
第1のスイッチ(180)、第2のスイッチ(182)、および第3のスイッチ(184)のただ1つがオンであるように、各メータ(110A、110B)が、前記メータ(110A、110B)を前記第1の相(160)に接続するように構成された前記第1のスイッチ(180)と、前記メータ(110A、110B)を前記第2の相(162)に接続するように構成された前記第2のスイッチ(182)と、前記メータ(110A、110B)を前記第3の相(164)に接続するように構成された前記第3のスイッチ(184)とを含む、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項5】
各メータ(110A、110B)が、前記メータ(110A、110B)を前記第1の相(160)、前記第2の相(162)、または前記第3の相(164)の1つに接続するように構成された、第1の単極双投(SPDT)リレースイッチ(280)と第2のSPDTリレースイッチ(282)とを含む、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項6】
各メータ(110A、110B)が、前記メータ(110A、110B)を前記第1の相(160)、前記第2の相(162)、または前記第3の相(164)の1つに接続するように構成された単一の3極切換えリレースイッチ(380)を含む、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項7】
前記取得器(40)が自動メータ読取り(AMR)装置を含む、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項8】
前記判定器(50)が、ファジー論理分析、発見的解析、近似解析、または線形化解析の1つを用いて、前記平衡負荷分散を判定する、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項9】
前記負荷データが、Wi−Max、電力線搬送、電力線ブロードバンド、無線周波数、免許周波数、無免許周波数、またはWi−Fiの1つにより取得される、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。
【請求項10】
前記平衡負荷分散コマンドが、Wi−Max、電力線搬送、電力線ブロードバンド、無線周波数、免許周波数、無免許周波数、またはWi−Fiの1つにより、前記メータ(110A、110B)それぞれに送信される、請求項1記載の負荷平衡システム(100、200、300)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−147662(P2012−147662A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1253(P2012−1253)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】