説明

分析用具を備えた濃度測定装置用の穿刺要素一体装着体、および体液採取用具

【課題】キャピラリを備えた分析用具を利用した濃度測定において、キャピラリに対して試料分析を行うのに十分な量の試料液を確実に供給できるようにする。
【解決手段】本発明は、キャピラリ31と、キャピラリ31に試料液を導入するための液導入口20と、液導入口20からの試料液の導入を促進するための液導入促進手段6と、を備えた分析用具1Aを備えた穿刺要素一体装着体に関する。分析用具1Aは、たとえばキャピラリ31が基板2上に形成された構成とされ、液導入促進手段1Aが基板2よりも吸水性の高い吸水層および基板2よりも皮膚に対する密着性の高い接着性のうちの少なくとも一方を有するものとして構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料液の特定成分の濃度(たとえばグルコース濃度)を測定する際に用いられる分析用具、および濃度測定装置に装着して使用され、かつ分析用具と穿刺要素とを備えた穿刺要素一体装着体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自宅や出先などにおいて手軽に血糖値を測定できるように、簡易型の血糖値測定装置が実用化されている。
【0003】
血糖値測定装置としては、たとえば日本国特開2000−231号公報に開示されているように、バイオセンサおよび穿刺針を備えた装着体を、濃度測定装置の先端部に装着して体液の濃度測定を行うものがある。この濃度測定装置は、バイオセンサに設けられた液導入口に皮膚を当接した状態で、バイオセンサから穿刺針を突出させて皮膚に穿刺針を穿刺し、血液を出液させることができる。一方、皮膚から出液された血液は、バイオセンサのキャピラリを介して反応部に供給されて液相反応系が構築され、濃度測定装置では、液相反応系に電圧を印加したときの応答電流値に基づいて血糖値が定量される。
【0004】
しかしながら、上記バイオセンサを備えた装着体では、バイオセンサに対する皮膚の密着が不十分であれば、バイオセンサと皮膚との間に隙間が生じて、この隙間から血液がバ
イオセンサや皮膚に沿って流れ出てしまい、液導入口から適切に血液を導入できないことがある。このような事態が生じたなら、反応部に対して十分な量の血液が供給されず、血液不足によって適切な測定が行えなくなってしまう。
【0005】
そこで、バイオセンサにおける液導入口の周囲に、撥水性のコート材を塗布して血液の漏洩を防いだり、液導入口と反応部とを近接して配置する方法も提案されている。しかしながら、これらの方法では、穿刺時の血液の漏洩を十分に抑制することができないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、キャピラリを備えた分析用具を利用した濃度測定において、キャピラリに対して試料分析を行うのに十分な量の試料液を確実に供給できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面においては、穿刺要素および分析用具を有し、かつ濃度測定装置に装着して使用される穿刺要素一体装着体であって、上記分析用具は、液導入口と、上記液導入口から導入された試料液を反応部へ搬送するキャピラリと、上記液導入口の内壁の一部または全部を形成することにより上記液導入口からの試料液の導入を促進するための液導入促進手段と、を備えており、上記分析用具は、基板上に上記キャピラリが形成されたものであり、上記液導入促進手段は、上記基板よりも吸水性の高い吸水層および上記基板よりも皮膚に対する密着性の高い粘着層のうちの少なくとも一方を有していることを特徴とする、穿刺要素一体装着体が提供される。
【0009】
本側面の分析用具は、たとえば基板上に、スペーサを介してカバー板を積層した形態を有し、かつ基板、スペーサおよびカバー板を、これらの厚み方向に一連に貫通し、穿刺要素の挿通を許容するための貫通孔を有するものとして構成するのが好ましい。この場合、液導入口は、貫通孔を構成し、液導入促進手段は、液導入口に嵌合される。液導入促進手段は、たとえばリング状に形成される。液導入促進手段は、液導入口の周囲に配置してもよい。
【0010】
本発明の第2の側面においては、体液導入口と、上記体液導入口から導入された試料液を反応部へ搬送し、基板上に形成されたキャピラリと、上記体液導入口の内壁の一部または全部を形成することにより上記体液導入口からの体液の導入を促進するための体液導入促進手段と、を備えており、上記体液導入促進手段は、上記基板よりも吸水性の高い吸水層および上記基板よりも皮膚に対する密着性の高い粘着層のうちの少なくとも一方を有していることを特徴とする、体液採取用具が提供される。
【0011】
本側面の体液採取用具は、たとえば皮膚から出液した血液を採取するために使用されるものであり、体液導入促進手段は、採血時において皮膚における採血部位に当接させられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係るバイオセンサの全体斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1に示したバイオセンサを裏面側から見た全体斜視図である。
【図4】図4は、図1に示したバイオセンサの分解斜視図である。
【図5】図5は、リング部材の一部破断斜視図である。
【図6】図6は、血糖値測定装置の全体斜視図である。
【図7】図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図8は、穿刺体が進出した状態を示す図7に相当する断面図である。
【図9】図9は、第2の実施の形態に係るバイオセンサの要部を示す断面図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態に係るバイオセンサの全体斜視図である。
【図11】図11は、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図12は、図10に示したバイオセンサの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下においては、本発明に係る分析用具を、血糖値を測定する際に使用されるバイオセンサを例にとって説明する。
【0014】
まず、第1の実施の形態に係るバイオセンサを図1ないし図5を参照して説明する。
【0015】
バイオセンサ1Aは、基板2、スペーサ3、およびカバー板4を備えている。このバイオセンサ1Aは、後述する血糖値測定装置5(図6ないし図8参照)に装着して使用するものである。
【0016】
基板2は、長矩形状に形成されているとともに、血液導入口20を有している。血液導入口20には、血液の導入を促進するためのリング部材6が嵌合されている。
【0017】
リング部材6は、基板2と同程度の厚みを有しており、その厚みが、たとえば70μm程度とされている。このリング部材6は、図5に示すように、吸水層60を一対の粘着層61a,61bで挟み込んだ構成とされている。吸水層60は、たとえば不織布により50μm程度の薄い膜状に形成され、2〜3g/gの吸水性を有するものとされる。粘着層61a,61bは、皮膚と適度に密着する程度の接着性を有している。粘着層61a,61bは、血液を透過しやすい材料により形成するのが好ましい。
【0018】
図4に示したように、基板2の上面21には、作用極22、対極23および反応部24が形成されている。作用極22および対極23は、一端部22a,23aが屈曲したL字状に形成されている。反応部24は、たとえば酸化還元酵素および電子伝達物質を含む固体状に形成されている。酸化還元酵素としては、たとえばグルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼが使用される。一方、電子伝達物質としては、たとえばフェリシアン化カリウムが使用される。
【0019】
図1ないし図4に示したように、スペーサ3およびカバー板4は、基板2よりも小さい長矩形状とされており、作用極22および対極23の他端部22b,23bが露出するように基板2に対して積層されている。
【0020】
スペーサ3には、血液導入口20に連通するスリット30が形成されている。このスリ
ット30は、基板2の上面21に、カバー板4およびスペーサ3を積層した状態において、キャピラリ31を構成するものである。スリット30の端部は、血液導入口20の直上に位置しており、スリット30の幅寸法は、血液導入口20の内径よりも小さくされている。そのため、図2および図5から予想されるように、リング部材6は、血液導入口20に嵌合された状態で、粘着層61aを介してスペーサ3に対して接着される。このリング部材6の嵌合および接着は、リング部材6を血液導入口20から嵌め込むだけでよいため、極めて簡易な作業により行うことができる。
【0021】
カバー板4には、穿刺針挿入口40および空気抜き穴41が形成されている。穿刺針挿入口40は、図2に示したように血糖値測定装置5(図7および図8参照)の穿刺針63aの挿入を許容するためのものであり、血液導入口20の直上に設けられている。したがって、バイオセンサ1Aには、基板2、スペーサ3およびカバー板4を一連に貫通する空間が形成されており、穿刺針63aがバイオセンサ1Aを貫通することができるように構成されている。一方、空気抜き穴41は、キャピラリ31を介して血液導入口20と連通している。したがって、血液導入口20から導入された血液は、毛細管現象により、空気抜き穴41に向けてキャピラリ31内を進行する。その過程において、血液が反応部24を溶解させる。このとき、酸化還元酵素により、血液中のグルコースが酸化される一方、電子伝達物質が還元される。
【0022】
以上に説明したバイオセンサ1Aは、たとえば装着体の形態として供給され、かつ装着体として血糖値測定装置に組み込まれて血糖値を測定するために使用される。
【0023】
図6に示したように、血糖値測定装置5は、本体部50、装着部51および押圧部52を有している。本体部50には、表示部50aが設けられている。この表示部50aは、測定結果などを表示するためのものであり、LCDなどにより構成されている。装着部51は、装着体7を装着するための部位であり、本体部50から延出形成されている。押圧部52は、穿刺針63a(図7および図8参照)の移動を開始させるためのものである。
【0024】
図7に示したように、装着体7は、円筒部70および底壁部71を有している。円筒部70は、装着部51の先端部を外套しうるように構成されている。底壁部71は、上方に向けて膨出した凹部62を有している。凹部62は、穿刺体63を保持するためのものであり、その開口部が底壁部71に貼着されたバイオセンサ1Aによって閉塞されている。穿刺体63は、穿刺針63a、フランジ部63bおよび被押圧部63cを有している。凹部62内には、フランジ部63bとバイオセンサ1Aとの間に配置されたコイルバネ64が付勢状態で収容されている。
【0025】
血糖値測定装置5はさらに、押圧ロッド53および一対のコネクタピン54を有している。押圧ロッド53は、押圧部52の操作によって先端方向に向けて駆動されるものである。押圧ロッド53は、たとえば公知のラッチ機構や電磁石を利用した機構により駆動される。一対のコネクタピン54は、血糖値測定装置5に装着体7を装着したときに、バイオセンサ1Aの他端部22b,23bに接触させるためのものであり、図外の電気回路に導通している。
【0026】
血糖値の測定時には、まず血糖値測定装置5の装着部51に対して装着体7を装着する。この場合、図2に良く表れているように、穿刺針63aがバイオセンサ1Aの穿刺針挿入口40の正面に位置し、かつ各コネクタピン54がバイオセンサ1Aの他端部22b,23bに接触する。
【0027】
次いで、バイオセンサ1Aのリング部材6に測定者の皮膚Sが密着するように、血糖値測定装置5の先端部を皮膚Sに押し当てる(図2参照)。このとき、図2および図5を参
照すれば分かるように、リング部材6の表面が粘着層61bとされているから、皮膚Sがリング部材6ひいてはバイオセンサ1Aに密着した状態とされる。
【0028】
続いて、押圧部52(図6参照)を操作して穿刺操作を行う。押圧部52を操作すれば、図8に示したように、押圧ロッド53が装着部51の先端部に向けて移動し、押圧ロッド53が装着体7の被押圧部63cと干渉する。これにより、穿刺体63に対して先端側に向けた力が作用する。バイオセンサ1Aは、穿刺針挿入口40、スリット30および血液導入口20が連通してバイオセンサ1Aの厚み方向に貫通しているから、穿刺針63aがバイオセンサ1Aを貫通しつつ、穿刺体63が先端部に向けて移動する。これにより、バイオセンサ1Aから穿刺針63aの先端が突出して、穿刺針63aが皮膚Sに穿刺され、皮膚Sからの出液が促進される。このような穿刺動作は、リング部材6が貫通孔を有しているために、血液導入口20にリング部材6が嵌合されていても、このリング部材6によって穿刺針63aの移動が妨げられることはない。
【0029】
なお、血糖値測定装置5は、穿刺後においてバネの弾力などによって穿刺体63から押圧ロッド53が離間するように構成するのが好ましい。そうすれば、穿刺体63もコイルバネ64の弾性によって図7に示した状態に復帰することができ、皮膚Sに穿刺針63aが刺さった状態が不必要に長くなることが抑制され、測定者の苦痛が低減される。
【0030】
皮膚Sから出液した血液は、血液導入口20を介して導入され、その大部分がリング部材6の吸水層60において保持される。このとき、皮膚Sがリング部材6に対して密着しているので、一旦、血液導入口20に導入された血液が外部に漏れてしまうことを抑制できる。また、血液が吸水層60に吸水されることによって、血液導入口20からの血液の漏洩を抑制することができるようになる。そして、リング部材6において血液が一時的に貯留されれば、リング部材6と皮膚Sとの間の密着性が不十分であったとしても、血液が外気に触れることによって凝固するため、これによってリング部材6と皮膚Sとの隙間が塞がれることが期待される。このような作用によっても、血液の漏洩を抑制することが期待できる。一方、吸水層60において血液が吸水されれば、皮膚Sからの出液が促進される。このようにして、皮膚Sからの出液を促進する一方で、血液の漏洩を抑制すれば、測定に必要な十分な量の血液を確保することが可能となる。
【0031】
血液導入口20に導入された血液は、毛細管現象によりキャピラリ31内を移動し、反応部24を溶解して液相反応系を構築する。キャピラリ31に対しては、血液導入口20に一定量の血液を貯留してから血液が導入される。その一方で、上述したように、バイオセンサ1Aでは血液の漏洩防止によって十分な量の血液を確保することができる。したがって、キャピラリ31ひいては反応部24に対して確実に血液を供給できるようになる。液相反応系に対しては、コネクタピン54、作用極22および対極23を介して電圧が印加され、このときに液相反応系と作用極22との間を移動する電子の量が血糖値測定装置5の電気回路において電流値として測定される。電気回路では、測定された電流値に基づいて血糖値が演算される。
【0032】
次に、第2の実施の形態に係るバイオセンサを、図9を参照して説明する。図9においては、先に説明したバイオセンサ1Aと同一または同様な部材や要素には同一の符号を付してあり、ここでは重複説明を省略する。
【0033】
図9に示したバイオセンサ1Bでは、血液導入口20Bの開口面20Baを囲むようにしてリング部材6Bが配置されている。リング部材6Bは、たとえば吸水層を一対の粘着層により挟み込んだ構成とされる。もちろん、リング部材6Bは、吸水層および粘着層のうちの一方を省略することもできる。
【0034】
このバイオセンサ1Bにおいても、先に説明したバイオセンサ1Aと同様な効果を享受することができる。
【0035】
第1および第2の実施の形態に係るバイオセンサ1A,1Bは、上述した説明や図面に表されたものには限定されず、種々に変更可能である。
【0036】
たとえば、リング部材としては、吸水層および粘着層のうちの一方を備えたものを使用することができる。その場合でも、血液の漏洩防止の効果、あるいは出液の促進の効果を享受することができる結果、キャピラリ内への血液の導入を確実ならしめる効果を享受できる。
【0037】
リング部材には、弾性を付与してもよい。そうすれば、測定者の皮膚をリング部材に当接させた場合に、リング部材の弾性によってリング部材と皮膚との密着性を高めることができ、血液の漏洩をさらに抑制することができる。このような効果は、リング部材と皮膚との間に埃や毛などが介在していても得ることができる。
【0038】
リング部材に対する弾性の付与は、吸水層や粘着層を弾性の高い材料により構成することにより行ってもよいし、吸水層や粘着層とは別に、弾性の高い層を設けることにより行ってもよい。弾性を付与するための材料としては、たとえばエラストマー(シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ゴムなど)やゲル状化物が挙げられる。
【0039】
リング部材に代えて、非貫通状に構成された液導入促進部材を血液導入口に嵌合し、あるいは血液導入口を覆うように配置してもよい。この場合、液導入促進部材は、少なくとも穿刺針が挿通される部分については、穿刺針によって容易に貫通される素材や構成のものを使用する必要がある。たとえば、液導入促進部材としては、貫通孔を有する第1部材と、貫通孔に嵌合された第2部材によって構成されるものを使用することもでき、また同一素材からなる一枚のシートによって構成されたものを使用することもできる。液導入促進部材は、円弧状などの形状であってもよく、上記した作用効果を奏する限りにおいて、形状や材質等は特に限定されない。
【0040】
次に、第3の実施の形態に係るバイオセンサを、図10ないし図12を参照して説明する。これらの図においては、先に説明したバイオセンサ1Aと同一または同様な部材や要素には同一の符号を付してあり、ここでは重複説明を省略する。
【0041】
バイオセンサ1Cは、図7に示した装着体の形態で血糖値測定装置に装着するのではなく、バイオセンサ1Cを単独で血糖値測定装置に装着して使用するのに好適なように構成されたものである。
【0042】
バイオセンサ1Cでは、スリット30Cが側方に開放したものとして形成されて、この開放部分が血液導入口20Cを構成している。そのため、バイオセンサ1Cは、図11に良く表れているように、血液が出液された皮膚Sを、血液導入口20Cに当接することにより血液を導入するように構成されている。
【0043】
一方、基板2には、側方に開放した切欠部29が形成されており、この切欠部29には液導入促進部材6Cが嵌め込まれている。この状態では、液導入促進部材6Cは、下面6Caおよび側面6Cbが露出している。液導入促進部材6Cは、吸水性が付与され、あるいは側面6Cbに対して粘着性が付与されている。
【0044】
バイオセンサ1Cにおいても、血液の導入時における血液の漏洩を抑制し、あるいは皮膚Sからの血液の出液を促進して、血液の導入を確実ならしめることができる。
【0045】
上述した第1ないし第3実施の形態においては、バイオセンサを例にとって説明したが、本発明の思想は、専ら体液(たとえば血液)の採取を目的として構成された体液採取用具にも適用可能である。この体液採取用具は、たとえば図1ないし図4に示したバイオセンサにおいて、作用極22、対極23および反応部24を省略した構成とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺要素および分析用具を有し、かつ濃度測定装置に装着して使用される穿刺要素一体装着体であって、
上記分析用具は、液導入口と、上記液導入口から導入された試料液を反応部へ搬送するキャピラリと、上記液導入口の内壁の一部または全部を形成することにより上記液導入口からの試料液の導入を促進するための液導入促進手段と、を備えており、
上記分析用具は、基板上に上記キャピラリが形成されたものであり、
上記液導入促進手段は、上記基板よりも吸水性の高い吸水層および上記基板よりも皮膚に対する密着性の高い粘着層のうちの少なくとも一方を有していることを特徴とする、穿刺要素一体装着体。
【請求項2】
上記分析用具は、基板上に、スペーサを介してカバー板を積層した形態を有しており、かつ上記基板、上記スペーサおよび上記カバー板を、これらの厚み方向に一連に貫通し、上記穿刺要素の挿通を許容するための貫通孔を有しているとともに、上記液導入口は、上記基板に形成され、かつ上記貫通孔を構成している、請求項1に記載の穿刺要素一体装着体。
【請求項3】
上記液導入促進手段は、リング状に形成されている、請求項2に記載の穿刺要素一体装着体。
【請求項4】
体液導入口と、
上記体液導入口から導入された試料液を反応部へ搬送し、基板上に形成されたキャピラリと、
上記体液導入口の内壁の一部または全部を形成することにより上記体液導入口からの体液の導入を促進するための体液導入促進手段と、を備えており、
上記体液導入促進手段は、上記基板よりも吸水性の高い吸水層および上記基板よりも皮膚に対する密着性の高い粘着層のうちの少なくとも一方を有していることを特徴とする、体液採取用具。
【請求項5】
上記体液導入促進手段は、リング状に形成されている、請求項4に記載の体液採取用具。
【請求項6】
皮膚から出液した血液を採取するための体液採取用具であって、
上記体液導入促進手段は、採血時において上記皮膚における採血部位に当接させられる、請求項4または5に記載の体液採取用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−25091(P2011−25091A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252323(P2010−252323)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【分割の表示】特願2003−512699(P2003−512699)の分割
【原出願日】平成14年7月11日(2002.7.11)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】