説明

分析装置

【課題】記録媒体の読取処理時間を短縮し、分析処理時間全体の短縮化を可能にする分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる分析装置1は、試薬が収容された試薬容器15を複数収納できる試薬庫14と試薬容器15に付された記録媒体の試薬情報を読み取る読取処理を行う読取部17とを備え、試薬が分注された検体を分析する分析装置において、試薬庫14における試薬容器15の収納の有無と収納された試薬容器15の試薬庫14内における収納位置とを検出する容器検出部16と、容器検出部16が検出した試薬容器15ごとに読取処理を行うか否かを指示する入力部33と、を備え、読取部17は、入力部33によって読取処理を指示された試薬容器15に対して読取処理を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試薬容器に付された記録媒体の試薬情報を読み取る読取処理を行う読取手段を備えた分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体を自動的に分析する装置として、試薬が分注された反応容器に検体を加え、反応容器内の試薬との間で生じた反応を光学的に検出する自動分析装置が知られている。このような自動分析装置では、測定項目および反応容器数に対応して複数の試薬容器を準備する必要があり、試薬容器を収納できる収納室を複数備えた試薬庫が設けられている。近年、収容された試薬に関する試薬情報を記録する記録媒体を試薬容器に付し、この記録媒体を読み取って各試薬容器に対応する試薬情報を出力する分析装置が提案されている。このような読取機能を有する分析装置として、予め登録された試薬情報と読み取られた試薬情報との一致をチェックする分析装置や、記録媒体の読取処理にエラーが発生した場合に警告を行う分析装置が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2692413号公報
【特許文献2】特許第3533258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析装置においては、試薬容器の有無にかかわらず収納室すべてに対して読取処理を行っていた。このように、従来の分析装置においては、試薬容器が収納されていない収納室に対しても読取処理を行っていたため、記録媒体の読取処理が終了するまでに多くの時間を費やしており、分析処理全体に要する処理時間を短縮することが困難であった。
【0005】
この発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、記録媒体の読取処理時間を短縮し、分析処理時間全体の短縮化を可能にする分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、試薬が収容された試薬容器を複数収納できる収納手段と前記試薬容器に付された記録媒体の試薬情報を読み取る読取処理を行う読取手段とを備え、前記試薬が分注された検体を分析する分析装置において、前記収納手段における前記試薬容器の収納の有無と収納された前記試薬容器の前記収納手段内における収納位置とを検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記試薬容器ごとに前記読取処理を行うか否かを指示する指示手段と、を備え、前記読取手段は、前記指示手段によって前記読取処理を指示された前記試薬容器に対して前記読取処理を行うことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記指示手段は、前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに該試薬容器に対する前記読取処理を行うか否かを指示することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記試薬情報を含む情報を表示する表示手段と、前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに該試薬容器の前記収納位置に関する位置情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記指示手段によって前記読取処理を指示されなかった前記試薬容器の前記試薬情報を入力する入力手段を備え、前記表示制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記試薬情報および/または前記入力手段によって入力された前記試薬情報を、前記試薬容器の前記位置情報に対応づけて前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記表示制御手段は、前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに、該試薬容器の前記位置情報に対応づけて前記試薬情報の各項目を前記表示手段に表示させ、前記入力手段は、前記試薬情報の各項目に対応する情報を入力することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記入力手段は、前記試薬容器の使用順序を指示する情報を入力することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記収納手段は、前記試薬容器の収納領域を覆う蓋を備え、前記読取手段は、前記蓋が閉められた後に前記読取手段を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、読取手段は、検出手段が検出した試薬容器のうち、指示手段によって読取処理を指示された試薬容器に対して読取処理を行うため、試薬容器に付された記録媒体の読取処理時間を短縮し、分析処理時間全体の短縮化を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。本実施の形態にかかる分析装置は、収納庫に収納された試薬容器ごとに読取処理を行うか否かが指示され、読取処理を指示された試薬容器のみに対して、試薬容器に付された記録媒体の読取処理を行う。
【0015】
図1は、本実施の形態にかかる分析装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器20にそれぞれ分注し、分注した反応容器20内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う。
【0016】
測定機構2は、大別して検体移送部11、検体分注機構12、反応テーブル13、試薬庫14、試薬分注機構19、測光部21および洗浄部22を備える。また、制御機構3は、制御部31、入力部33、分析部34、記憶部35および出力部36を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0017】
検体移送部11は、血液や尿等、液体である検体を収容した複数の検体容器11aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック11bを備える。検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11a内の検体は、検体分注機構12によって、反応テーブル13上に配列して搬送される反応容器20に分注される。
【0018】
検体分注機構12は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアーム12aを備える。このアーム12aの先端部には、検体の吸引および吐出を行うプローブが取り付けられている。検体分注機構12は、図示しない吸排シリンジまたは圧電阻止を用いた吸排機構を備える。検体分注機構12は、上述した検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11aの中からプローブによって検体を吸引し、アーム12aを図中時計回りに旋回させ、反応容器20に検体を吐出して分注を行う。
【0019】
反応テーブル13は、反応容器20への検体や試薬の分注、反応容器20の攪拌、洗浄または測光を行うために反応容器20を所定の位置まで移送する。この反応テーブル13は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル13の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル13の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0020】
試薬庫14は、反応容器20内に分注される試薬が収容された試薬容器15を複数収納できる。試薬庫14には、複数の収納室P1〜P8が等間隔で配置されており、各収納室には試薬容器15が着脱自在に収納される。ここで、各収納室P1〜P8の位置情報は、予め定められており、制御部31が認識できるように成されている。試薬庫14は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試薬庫14の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器15を試薬分注機構19による試薬吸引位置まで移送する。試薬庫14の上方には、開閉自在が蓋(図示せず)が設けられている。また、試薬庫14の下方には、恒温槽がもうけられている。このため、試薬庫14内に試薬容器15が収納され、蓋が閉じられたときに、試薬容器15内に収容された試薬を恒温状態に保ち、試薬容器15内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0021】
試薬庫14には、試薬庫14内の試薬容器15の収納の有無を検出するとともに、試薬庫14内における各収納室P1〜P8の位置情報を表して試薬容器15の試薬庫14内における収納位置を検出する容器検出部16が設けられている。容器検出部16は、試薬庫14の試薬容器15が収納される収納室ごとに設けられており、容器検出部16自身が試薬庫14内のいずれの収納室に設けられているかを示す位置情報とともに、試薬容器15の収納の有無を制御部31に出力する。図2は、図1に示す試薬庫14の収納室の一つの断面を示す図であり、図2に示すように、収納室には、スイッチ16aを有する容器検出部16が備えられている。ここで、図2では、収納室の一つに収納される過程にある試薬容器15a、および、この場合におけるスイッチ16aを実線で表示するとともに、収納室に完全に収納された試薬容器15a、および、この場合におけるスイッチ16aを2点鎖線で表示している。図2に示すように、スイッチ16aは、たとえば、所定の圧力によって制御される機械式のスイッチである。このスイッチ16aは、図2における2点鎖線で表示するように、試薬庫14内の収納室への試薬容器15aの収納によって、所定の圧力を受けて押されている間はオン状態となるが、それ以外では、図2における実線で表示するように、バネなどによりスイッチ16aが上方に戻されオフ状態となる。容器検出部16は、スイッチ16aがオン状態である場合には、このスイッチ16aが設けられた収納室に試薬容器15aが収納されたことを検出し、スイッチ16aがオフ状態である場合には、このスイッチ16aが設けられた収納室に試薬容器15が収納されていないことを検出する。なお、容器検出部16は、機械式スイッチであるスイッチ16aのほか、試薬容器15が収納された際の圧力を検出する感圧式センサーや、赤外線センサーなどを設けて試薬容器15の収納の有無を検出してもよい。
【0022】
試薬容器15の側面部には、たとえば図2に示すように、試薬容器15に収容された試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体15bが付されている。試薬情報には、試薬の名称、ロット番号、有効期限のほか、使用する試薬の量や測光の際に使用される光の波長などの各パラメータ、検量線タイプやキャリブレーション処理の要否などのキャリブレーション条件などの各項目が含まれる。記録媒体15bは、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。
【0023】
試薬庫14の外周部には、この記録媒体15bの試薬情報を光学的に読み取る読取部17が設けられている。読取部17は、記録媒体15bに対して赤外光または可視光を発し、記録媒体15bからの反射光を処理することによって、記録媒体15bの情報を読み取る。また、読取部17は、記録媒体15bを撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体15bの情報を取得してもよい。制御部31の制御のもと、試薬庫14が回動し読取対象である試薬容器15を読取部17前に配置させた後、読取部17は、読取対象である試薬容器15に付された記録媒体15bの情報を読み取る。なお、読取部17は、後述する入力部33から入力された指示情報をもとに読取処理を指示された試薬容器15に対してのみ読取処理を行う。また、読取部17は、図2に示すように、試薬容器15aが収納室に完全に収納された場合、収納された試薬容器15a側面に付された情報媒体15bに、読取処理のための光を発することができる位置に設けられている。
【0024】
蓋開閉検出部18は、試薬庫14の上方に設けられた蓋が開状態であるか、または、閉状態であるかを検出し、制御部31に出力する。蓋開閉検出部18によって蓋が閉状態であることが検出された後、読取部14による読取処理が行われる。
【0025】
試薬分注機構19は、検体分注機構12と同様に、検体の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム19aを備える。アーム19aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試薬分注機構19は、試薬庫14上の所定位置に移動された試薬容器15内の試薬をプローブによって吸引し、アーム19aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル13上の所定位置に搬送された反応容器20に分注する。
【0026】
測光部21は、発光部21aと、受光部21bとを備え、発光部21aから発せられ、所定の測光位置に搬送された反応容器20内の試料を透過した光を受光して、分光強度測定を行う。この測光部21による測定結果は、制御部31に出力され、分析部34において分析される。
【0027】
洗浄部22は、図示しないノズルによって、測光部21による測定が終了した反応容器20内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行う。この洗浄した反応容器20は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器20を廃棄してもよい。
【0028】
つぎに、制御機構3について説明する。制御部31は、表示制御部32を有し、出力部36は、表示部37を有する。制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。表示制御部32は、表示部37における表示処理を制御する。表示制御部32は、表示部37に対し、検体の分析結果のほか、容器検出部16によって検出された試薬容器15の試薬庫14における収納位置に関する位置情報を表示させる。また、表示制御部32は、表示部37に対し、読取部17によって読み取られた試薬情報および入力部33によって入力された試薬情報を、対応する試薬容器15の位置情報に対応づけて表示させる。
【0029】
入力部33は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報、入力訂正情報等を外部から取得する。入力部33は、容器検出部16が収納を検出した試薬容器15ごとに読取処理を行うか否かを指示する指示情報を入力する特許請求の範囲における指示手段として機能する。入力部33は、容器検出部16が試薬容器15を検出するごとに読取処理を行うか否かを指示する指示情報を入力する。また、入力部33は、読取処理を指示されなかった試薬容器15に対応する試薬情報を入力する特許請求の範囲における入力手段として機能する。
【0030】
分析部34は、測光部21から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0031】
出力部36は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。表示部37は、ディスプレイ等を用いて構成され、検体の分析結果のほか、容器検出部16によって検出された試薬容器15の試薬庫14における位置情報、読取部によって読み取られた試薬情報および入力部33によって入力された試薬情報を表示する。
【0032】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器20に対して、検体分注機構12が検体容器11a中の検体を分注し、試薬分注機構19が試薬容器15中の試薬を分注した後、測光部21が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部34が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部22が測光部21による測定が終了した後に搬送される反応容器20を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0033】
つぎに、分析装置1が行う試薬情報の表示処理について説明する。図3は、分析装置1における試薬情報の表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図3は、蓋が開状態である試薬庫14に試薬容器15が収納されてから試薬容器15の試薬情報が表示部37の表示画面に表示されるまでの処理手順を示す。
【0034】
まず、図3に示すように、制御部31は、容器検出部16から出力された検出結果をもとに、始めの検出開始時の収納室P1の初期位置検出処理を行い(ステップS2)、当該収納室P1に試薬容器15が収納されているか否かを判断する(ステップS4)。制御部31が試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されていないと判断した場合(ステップS4:No)、表示制御部32は、表示部37に対して、当該収納室P1に試薬容器なしとの位置表示処理を行わせる(ステップS6)。そして、制御部31は、次の収納室P2における試薬容器の検出処理が必要か否かを判断する(ステップS8)。一方、制御部31が試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されていると判断した場合(ステップS4:Yes)、表示制御部32は、表示部37に対して、当該収納室P1に試薬容器ありとの位置表示処理を行わせる(ステップS10)。
【0035】
ここで、表示制御部32の制御によって表示部37が行う位置表示処理(ステップS10)について説明する。図4は、制御部31が試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されていると判断した場合に表示される表示部37の表示画面の一例を示す図である。図4に示すように、表示部37の表示画面には、分析に用いられる試薬に関する情報を表示する試薬情報領域S1を含むウィンドウWが表示される。そして、試薬情報領域S1内には、試薬庫15の各収納室P1〜P8の配置を模式的に示したマップMが表示される。この場合、試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されていることを示すため、ステップS10における位置表示処理においては、マップMのうち、容器検出部16が試薬容器15の収納を検出した収納室に対応する領域が他の領域と異なる表示方法で表示される。たとえば、容器検出部16が試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されたことを検出した場合、マップM中の収納室P1に対応する領域が赤色表示される。一方、制御部31が試薬庫14の収納室P1に試薬容器15が収納されていないと判断した場合における位置表示処理(ステップS6)においては、マップM中の収納室P1に対応する領域には、着色表示がされず、他の領域と同様の表示方法で表示される。
【0036】
つぎに、制御部31は、容器検出部16によって収納が検出された試薬容器15に対して読取処理を行うか否かを判断する(ステップS12)。制御部31は、ステップS12において、入力部33から、読取処理を行う旨を指示する指示情報が入力された場合、読取処理を行うと判断する。また、制御部31は、ステップS12において、試薬容器15に記録媒体15bが付されていない等の理由により読取処理を行わない旨を指示する指示情報が入力された場合、読取処理を行わないと判断する。
【0037】
具体的には、入力部33におけるEnter入力等により図5に示すように、ウィンドウWに新たにメニューM1が表示される。このメニューM1は、「P1の試薬容器のバーコードを読み取りますか」と表示されるとともに、「はい」および「いいえ」と表示されたアイコンが示されている。ユーザが収納室P1に収納された試薬容器15に対して読取処理を希望する場合、ユーザは、入力部33のマウスを動かし、カーソルCをメニューM1中の「はい」が表示されたアイコン上に移動させ、マウスの左ボタンをクリックする。この場合、入力部33から、収納室P1に収納された試薬容器15に対して読取処理を行う旨を指示する指示情報が入力される。一方、ユーザが収納室P1に収納された試薬容器15に対して読取処理を希望しない場合、ユーザは、カーソルCをメニューM1中の「いいえ」が表示されたアイコン上に移動させ、マウスの左ボタンをクリックする。この場合、入力部33から、収納室P1に収納された試薬容器15に対して読取処理を行わない旨を指示する指示情報が入力される。
【0038】
そして、制御部31は、入力部33から入力された指示情報をもとに、読取処理を行うと判断した場合(ステップS12:Yes)、この試薬容器15を読取対象に設定する(ステップS14)。
【0039】
一方、制御部31は、読取処理を行わないと判断した場合(ステップS12:No)、この試薬容器15を読取対象ではないと設定する(ステップS16)。この場合、入力部33を介して試薬情報が入力され(ステップS18)、表示制御部32は、表示部37の表示画面上に、この試薬容器15の位置情報に対応づけて入力された試薬情報を表示させる(ステップS20)。なお、入力された試薬情報は、この試薬容器15の位置情報に対応づけて記憶部34に記憶される。
【0040】
具体的には、図6に示すように、表示部37の表示画面には、試薬庫14に収納された試薬容器15の位置情報と、この試薬容器15における試薬情報の各項目を表示したテーブルT1が表示される。表示制御部32は、このテーブルT1に、容器検出部16が試薬庫14への試薬容器の収納を検出するごとに、検出した試薬容器15の位置情報に対応づけて試薬情報の各項目を試薬容器15ごとに表示させる。そして、入力部33は、試薬情報の各項目に対応する情報を入力する。たとえば、ユーザが収納室P1に収納された試薬容器15の試薬情報として、この試薬容器15に収容された試薬の使用量を入力する場合、ユーザは、入力部33のマウスを操作しカーソルCを使用量に対応するセルC11上に移動しマウスの左ボタンをクリック後、キーボードを操作して使用量を入力する。この結果、入力部33から、この試薬容器15に対応する使用量が入力され、入力された使用量がテーブルT1のセルC11に表示される。このように、ユーザは、表示部37の表示画面上に表示されたマップMとテーブルT1とを参照しながら、入力部33を介して試薬情報を入力する。なお、このテーブルT1において、位置情報を示すセルのうち、収納室P1に収納された試薬容器15の位置情報を示すセルC10は、マップMにおけるP1領域の表示と同じ表示方法で表示され、たとえば、赤色表示される。このように、マップMにおける各収納室に対応する各領域とテーブルT1における各収納室に対応するセルとは、それぞれ同様の表示方法で表示される。この結果、ユーザは、マップM上の位置情報とテーブルT1における各試薬情報との対応関係を容易に認識することができる。
【0041】
つぎに、入力部33のEnter入力等により、制御部31は、この収納室P1に収納された試薬容器15に対する制御部31による読取対象設定処理(ステップS14)あるいは入力情報表示処理(ステップS20)が終了した後、容器検出部16からの検出結果をもとに次の収納室P2の検出処理が必要であるか否かを判断する(ステップS8)。制御部31が次の収納室P2の検出処理が必要であると判断した場合(ステップS8:Yes)、制御部31は、次の収納室P2の位置検出処理を行い(ステップS22)、ステップS4に戻り、上述と同様の処理動作を行い、収納室P2に試薬容器15が収納されているか否かを判断する(ステップS4)。制御部31は、次の収納室P2に試薬容器15が収納されていると判断した場合(ステップS4:Yes)、ステップS10に進み、位置表示処理を行う。以下、同様にして収納室P8までステップS4〜ステップS22に示す処理動作を行って、位置表示処理、入力情報表示処理を行う。このように、分析装置1においては、入力部33は、容器検出部16が試薬庫14への試薬容器15の収納を検出するごとに、読取部17における読取処理を行うか否かを指示している。また、分析装置1においては、入力部33は、容器検出部16が検出した試薬容器15ごとに読取処理を行うか否かを指示している。そして、分析装置1においては、試薬庫14に収納された試薬容器15に対して読取処理を行わないと指示した場合には、次の試薬容器15に対する読取処理を指示する前に、この試薬容器15に対する試薬情報を入力部33から入力している。
【0042】
一方、制御部31は、収納室P1〜P8の全ての収納室に対して上記処理が終了した後は、次の収納室の検出処理が必要でないと判断し(ステップS8:No)、試薬庫14の蓋が閉じられたか否かを判断する(ステップS24)。制御部31は、試薬庫14の蓋が閉じられるまで、ステップS24の判断を繰り返す。そして、試薬庫14の蓋が閉じられたと判断した場合(ステップS24:Yes)、試薬庫14に収納された試薬容器15のうち、読取部17における読取対象があるか否かを判断する(ステップS26)。制御部31は、ステップS8およびステップS12〜ステップS22を行うことによって、試薬庫14の収納室ごとに、試薬容器15の有無および読取処理の有無を設定している。この結果、制御部31は、たとえば、図7のテーブルT2のように、各収納室の位置に対応させて試薬容器の有無および読取処理が必要であるか否かを設定することとなる。
【0043】
制御部31は、テーブルT2を参照し、収納された試薬容器15に読取部17における読取対象がないと判断した場合(ステップS26:No)、試薬容器15の試薬情報の設定処理を終了する。表示部37の表示画面上には、試薬庫14内に収納された試薬容器15の試薬情報として入力部30を介して入力された試薬情報が表示されることとなる。
【0044】
一方、制御部31は、テーブルT2を参照し、読取部17における読取対象があると判断した場合(ステップS26:Yes)、制御部31は、ステップS28に進み、次の処理を行う。
【0045】
すなわち、制御部31は、読取部17に対して読取対象である試薬容器15に対する読取処理を指示する。制御部31は、たとえば、図7に示すテーブルT2を読取部17に出力して、読取処理を指示する。読取部17は、制御部31の制御のもと、読取対象である試薬容器15に付された記録媒体15bの試薬情報を読み取る読取処理を行う(ステップS28)。この場合、読取部17は、読取対象に設定された試薬容器15に対してのみ読取処理を行い、読み取った各試薬情報を各位置情報に対応づけて出力する。表示制御部32は、読取部17によって読み取られた試薬情報を表示部37の表示画面上に、この試薬容器15の位置情報に対応づけて表示し(ステップS30)、試薬容器15の試薬情報の設定処理を終了する。なお、読み取られた試薬情報は、この試薬容器15の位置情報に対応づけて記憶部35に記憶される。
【0046】
たとえば、図8に示すように、収納室P3および収納室P5に収納された試薬容器15が読取部17の読取対象に指示された場合を例に説明する。この場合、読取部17は、図7に示すテーブルT2を参照し、収納室P3および収納室P5に収納された試薬容器15に対して読取処理を行い、読み取った各試薬情報を制御部31に出力する。表示制御部32は、読取部17が読み取った各試薬情報を、各位置情報に対応づけてテーブルT1に表示させる。たとえば、このテーブルT1において、位置情報を示すセルのうち、収納室P3に収納された試薬容器15の位置情報を示すセルC31は、マップMにおけるP3領域の表示と同じ表示方法で表示され、たとえば、黄色表示される。そして、読取部17が読み取った試薬情報のうち、収納室P3に収納された試薬容器15の各試薬情報は、テーブルT1における収納室P3に対応する列R3内に項目ごとに表示される。同様に、収納室P5に収納された試薬容器15の試薬情報については、テーブルT1中のセルC51は、マップMのP5領域と同じ青色表示で表示され、各試薬情報は、収納室P5に対応する列R5内に項目ごとに表示される。
【0047】
従来の分析装置においては、試薬容器が試薬庫の収納室すべてに収納されていない場合や試薬容器15に記録媒体15bが付されておらず読取部の読取対象とはならない場合であっても、すべての収納室に対して読取処理を行っていた。このため、従来では、読取処理に多くの時間を費やしており、分析処理全体に要する処理時間を短縮することが困難であった。
【0048】
これに対し、分析装置1においては、容器検出部16が収納室への収納を検出した試薬容器15のうち、読取対象として指示された試薬容器に対してのみ読取処理を行う。このように、分析装置1においては、必ずしも全ての収納室に対して読取処理を行わないため、従来と比較し、読取処理に対する処理時間を短縮することができ、分析処理全体に要する処理時間の短縮化を図ることが可能になる。
【0049】
従来の分析装置においては、ユーザが試薬容器における記録媒体15bの有無や試薬容器の試薬情報を予め登録する必要があった。このため、試薬庫に収納する試薬容器の数量が多い場合、情報の登録処理を行うことはユーザにとって大きな負担となり、ユーザによる情報の入力および試薬庫内への試薬容器の収納に過誤が発生する場合があった。
【0050】
これに対し、本実施の形態にかかる分析装置1においては、容器検出部16が試薬庫14への試薬容器15の収納を検出するごとに、検出した試薬容器15の位置情報を表示するとともに読取部17における読取処理を行うか否かを指示している。すなわち、分析装置1においては、ユーザは、試薬容器15を試薬庫14内に収納するごとに、読取部17における読取処理を行うか否かを指示することになる。このように、試薬庫14に試薬容器15を収納するごとに読取処理の有無を設定するため、ユーザは、確実に読取処理の有無を設定することができる。また、表示画面上には、試薬庫14に試薬容器15が収納されるごとに試薬容器15が試薬庫14のどの位置に収納されたかが表示されるため、ユーザは、読取処理の有無の設定対象となる試薬容器15が試薬庫14内のいずれの位置にあるかを視覚的に認識することができ、迅速かつ確実に設定することができる。
【0051】
また、分析装置1においては、試薬庫14に収納された試薬容器15に対して読取処理を行わないと指示した場合、この試薬容器15に対する試薬情報を入力部33から入力可能としている。すなわち、分析装置1おいては、ユーザは、試薬容器15を試薬庫14内に収納するごとに読取処理を行うか否かを指示し、読取処理を指示しない場合には、試薬情報を入力することとなる。また、表示画面上では、入力対象となる試薬容器15の位置情報と対応づけて試薬情報の入力作業領域が表示されている。このように、分析装置1によれば、ユーザは、試薬庫14に試薬容器15を収納するごとに、試薬情報の入力対象となる試薬容器15が試薬庫14内のいずれの位置にあるかを視覚的に認識しながら試薬容器15の試薬情報を入力できるため、正確に試薬情報の入力を行うことができる。
【0052】
また、分析装置1においては、読取部17によって読み取られた試薬情報を、対応する試薬容器15の位置情報に対応づけて表示している。さらに、分析装置1は、入力部33から入力された試薬情報に対しても、試薬容器15の位置情報に対応づけて表示している。このため、ユーザは、読取処理が行われた試薬容器15および試薬情報の入力処理が行われた試薬容器15が試薬庫14内のいずれの位置にあるかを視覚的に認識しながら、各試薬容器15の試薬情報を確認できるため、試薬庫14内に収納された試薬容器15の試薬情報を確実に確認することができる。この結果、分析装置1によれば、ユーザによる試薬庫14への試薬容器15の収納ミスおよび試薬情報の確認ミスを防止することができ、正確な分析処理を実現することが可能になる。また、マップM上の全てのポジション(図では、P1〜P8)のうち、試薬容器15が収納されているポジションのみをテーブルT1に表示させるとともに、マップM上のポジションとの対応を分かりやすく表示させているため、容器が収容されていないポジションに対する誤った入力を行うことがなく、ヒューマンエラーによる取り違い発生の確率も最小限にすることができる。
【0053】
また、従来の分析装置においては、試薬情報を登録したい場合および登録された試薬情報を登録、確認および変更したい場合には、ユーザはマウスおよびキーボードを操作し、画面上に複数のメニューを開き、対象となる試薬情報登録画面を呼び出す必要があった。たとえば、ユーザは、試薬情報として試薬名を確認したい場合、図9に示すように、ユーザは、マウスを操作することによって、メインメニューM01を開き分析受付欄を選択してメニューM02を開き試薬情報設定欄を選択後、確認したい項目である試薬名欄を選択する必要があった。このように、従来の分析装置においては、ユーザは、試薬情報の登録、確認および変更のために煩雑な操作を行う必要があり、迅速な試薬情報の登録、確認および変更を行うことができなかった。
【0054】
これに対し、本実施の形態にかかる分析装置1においては、試薬庫14に試薬容器15が収納されるごとに、図6に示すテーブルT1のように自動的に試薬情報入力テーブルが表示される。また、分析装置1においては、図8に示すように、読取部17が読み取った試薬情報も自動的にテーブルT1に表示される。このため、ユーザは、従来必要としていた煩雑な試薬情報登録画面の呼び出し処理を行う必要がない。また、分析装置1において、試薬情報を変更したい場合には、従来と比較し簡易な処理で変更することができる。たとえば、図10に示すように、収納室P3に収納された試薬容器15の試薬情報を確認および変更したい場合には、ユーザは、マップMのP3領域上にカーソルCを移動させた後、マウスを操作しダブルクリックを行う。この場合、表示制御部32は、表示部37に対して、テーブルT1における収納室P3の試薬容器15に対応する行R3を拡大表示させる。このため、ユーザは、拡大表示された行R3の各情報を簡易に確認することができる。また、ユーザは、拡大表示された行R3内の変更箇所上にカーソルCを移動し、マウスの左ボタンをクリック後、キーボードを操作し、変更したい試薬情報を入力することができる。この場合、マウスおよびキーボードなどの操作によって、変更対象となる試薬情報が入力部33から制御部31に入力され、表示制御部32の制御によって表示部37に変更された試薬情報が表示される。このように、ユーザは、煩雑な処理を行うことなく簡易に試薬情報を確認および変更することができる。
【0055】
このように、本実施の形態にかかる分析装置1は、試薬容器15に対する読取処理時間の短縮化を可能にするとともに、ユーザの負担を軽減した正確な試薬情報の入力を可能にする。
【0056】
なお、同種の試薬を収容した試薬容器を複数収納する場合、いずれの試薬容器から使用するかを設定することもできる。たとえば、図11に示すように、収納室P1に収納された試薬容器と収納室P5に収納された試薬容器が同じ試薬「A」である場合、テーブルT1の列L5に示すように、使用順序に関する情報を入力して使用順序を設定すればよい。具体的には、ユーザは、設定したいセル上にカーソルCを移動後、マウスの左ボタンをクリックし、キーボードを操作して使用順序を入力する。この場合、入力部33は、試薬容器15の使用順序を指示する情報を制御部31に入力し、制御部31の制御によって、列L5に示すように、収納室P1に収納された試薬容器が1番目に使用され、収納室P5に収納された試薬容器が2番目に使用される旨の情報が登録および表示される。
【0057】
また、分析装置1において、表示制御部32は、入力部33から読取対象ではない試薬容器15の試薬情報が入力される前に、予め設定しておいた試薬情報や前回使用した試薬容器15の試薬情報などをテーブルT1に表示し、ユーザの試薬情報の入力処理負担を軽減してもよい。
【0058】
また、分析装置1では、試薬容器15に付される記録媒体15bとして、符号化された各種の情報を表示し光学的に読み取られる記録媒体15bを説明したが、これに限らず、たとえば、非接触型のRFID(Radio Frequency Identification)タグでもよい。この場合、読取部17は、RFIDタグとの間で所定周波数の電波を送受信することによって、RFIDタグに記憶された識別情報を含む試薬情報等の取得およびRFIDタグが記憶する情報の書替えおよび書き込みを行う。
【0059】
また、上記実施の形態で説明した分析装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。以下、上記実施の形態で説明した分析装置と同様の機能を有する試薬情報表示プログラムを実行するコンピュータシステムについて説明する。
【0060】
図12は、上述した実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図であり、図13は、このコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施の形態にかかるコンピュータシステム100は、本体部101と、本体部101からの指示によって表示画面102aに画像などの情報を表示するためのディスプレイ102と、このコンピュータシステム100に種々の情報を入力するためのキーボード103と、ディスプレイ102の表示画面102a上の任意の位置を指定するためのマウス104とを備える。
【0061】
また、このコンピュータシステム100における本体部101は、図13に示すように、CPU121と、RAM122と、ROM123と、ハードディスクドライブ(HDD)124と、CD−ROM109を受け入れるCD−ROMドライブ125と、フレキシブルディスク(FD)108を受け入れるFDドライブ126と、ディスプレイ102、キーボード103並びにマウス104を接続するI/Oインターフェース127と、ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)106に接続するLANインターフェース128とを備える。
【0062】
さらに、このコンピュータシステム100には、インターネットなどの公衆回線107に接続するためのモデム105が接続されるとともに、LANインターフェース128およびLAN/WAN106を介して、他のコンピュータシステム(PC)111、サーバ112、プリンタ113などが接続される。
【0063】
そして、このコンピュータシステム100は、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)108、CD−ROM109、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム100の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)124や、RAM122、ROM123などの「固定用の物理媒体」、さらに、モデム105を介して接続される公衆回線107や、他のコンピュータシステム111並びにサーバ112が接続されるLAN/WAN106などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステム100によって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。
【0064】
すなわち、試薬情報表示プログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記録されるものであり、コンピュータシステム100は、このような記録媒体から試薬情報表示プログラムを読み出して実行することで分析装置および試薬情報表示方法を実現する。なお、試薬情報表示プログラムは、コンピュータシステム100によって実行されることに限定されるものではなく、他のコンピュータシステム111またはサーバ112が試薬情報表示プログラムを実行する場合や、これらが協働して試薬情報表示プログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態にかかる分析装置1の要部構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す試薬庫の収納室の断面を示す図である。
【図3】図1に示す分析装置における試薬情報の表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図5】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図6】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図7】図1に示す読取部の読取処理の要否一覧表を示す図である。
【図8】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図9】従来技術にかかる分析装置における表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図10】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図12】実施の形態を用いたコンピュータシステムの構成を示す構成図である。
【図13】図12に示したコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
1 分析装置
2 測定機構
3 制御機構
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
12 検体分注機構
12a アーム
13 反応テーブル
14 試薬庫
15,15a 試薬容器
15b 記録媒体
16,16a 容器検出部
17 読取部
18 蓋開閉検出部
19 試薬分注機構
20 反応容器
21 測光部
21a 発光部
21b 受光部
22 洗浄部
31 制御部
32 表示制御部
33 入力部
34 分析部
35 記憶部
36 出力部
37 表示部
100 コンピュータシステム
101 本体部
102 ディスプレイ
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
105 モデム
106 ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)
107 公衆回線
108 フレキシブルディスク(FD)
109 CD−ROM
111 他のコンピュータシステム(PC)
112 サーバ
113 プリンタ
121 CPU
122 RAM
123 ROM
124 ハードディスクドライブ(HDD)
125 CD−ROMドライブ
126 FDドライブ
127 I/Oインターフェース
128 LANインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬が収容された試薬容器を複数収納できる収納手段と前記試薬容器に付された記録媒体の試薬情報を読み取る読取処理を行う読取手段とを備え、前記試薬が分注された検体を分析する分析装置において、
前記収納手段における前記試薬容器の収納の有無と収納された前記試薬容器の前記収納手段内における収納位置とを検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記試薬容器ごとに前記読取処理を行うか否かを指示する指示手段と、
を備え、前記読取手段は、前記指示手段によって前記読取処理を指示された前記試薬容器に対して前記読取処理を行うことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記指示手段は、前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに該試薬容器に対する前記読取処理を行うか否かを指示することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記試薬情報を含む情報を表示する表示手段と、
前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに該試薬容器の前記収納位置に関する位置情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記指示手段によって前記読取処理を指示されなかった前記試薬容器の前記試薬情報を入力する入力手段を備え、
前記表示制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記試薬情報および/または前記入力手段によって入力された前記試薬情報を、前記試薬容器の前記位置情報に対応づけて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記検出手段が前記試薬容器を検出するごとに、該試薬容器の前記位置情報に対応づけて前記試薬情報の各項目を前記表示手段に表示させ、
前記入力手段は、前記試薬情報の各項目に対応する情報を入力することを特徴とする請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記入力手段は、前記試薬容器の使用順序を指示する情報を入力することを特徴とする請求項4または5に記載の分析装置。
【請求項7】
前記収納手段は、前記試薬容器の収納領域を覆う蓋を備え、
前記読取手段は、前記蓋が閉められた後に前記読取手段を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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