説明

分析装置

【課題】密封状態にある液体容器の開口部を開放する際に、液体容器内の液体が容器の外部に飛散(液はね)するのを抑制することが可能な分析装置を提供する。
【解決手段】この分析装置1は、開口部112aを密封する蓋部材130を含むR2試薬容器110を保持可能に構成された外側テーブル164と、外側テーブル164に保持された容器内の試薬を吸引するためのピペット7aを含むR2試薬分注アーム7と、蓋部材130が開口部112aを覆った状態で蓋部材130と開口部112aとの密封状態を解除する動作と、密封状態が解除された状態で開口部112aを覆わない位置まで蓋部材130を移動させる動作とを行うことにより、ピペット7aが容器内に挿入可能となるように開口部112aを開放する密封解除部181および蓋部材移動部182とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置に関し、特に、開口部を密封する蓋部材を含む液体容器から液体を吸引可能な分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口部を密封する蓋部材を含む液体容器から液体を吸引可能な分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、開口部を密封する蓋を含む試薬容器(液体容器)を保持可能な試薬容器保存装置(容器保持部)と、試薬容器保存装置に保持された試薬容器から試薬を吸引するためのノズルを含む分注機構(液体吸引部)と、試薬容器の開口部を開放するための開閉機構部(開口開放部)とを備えた分析装置が開示されている。この分析装置では、蓋がヒンジにより回動可能なように試薬容器本体に取り付けられており、蓋の一方端部が開閉機構部のフックにより上方に引き上げられることによって、蓋がヒンジを回動中心として一気に(1つの動作で)回動されて、分注機構のノズルを挿入可能な位置まで試薬容器の開口部が開放されるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−94624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の分析装置では、試薬容器の開口部が開放される際に、蓋の一方端部が開閉機構部のフックにより上方に引き上げられることによって、分注機構のノズルを試薬容器の開口部に挿入可能な位置まで、蓋がヒンジを回動中心として一気に(1つの動作で)回動されるので、試薬容器の密封状態が解除される際に生じる試薬容器の内部と外部との気圧差に起因して、蓋の内面や開口部近傍に付着した試薬が試薬容器の外部に飛散(液はね)してしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、密封状態にある液体容器の開口部を開放する際に、液体容器内の液体が容器の外部に飛散(液はね)するのを抑制することが可能な分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における分析装置は、上端に開口部を有し、液体を収容する容器本体と、開口部を密封する蓋部材とを含む液体容器を保持可能に構成された容器保持部と、容器保持部に保持された液体容器内の液体を吸引するための液体吸引管を含む液体吸引部と、蓋部材が開口部を覆った状態で蓋部材と開口部との密封状態を解除する第1動作と、密封状態が解除された状態で開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させる第2動作とを行うことにより、液体吸引管が液体容器内に挿入可能となるように開口部を開放する開口開放部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による分析装置では、上記のように、蓋部材が開口部を覆った状態で蓋部材と開口部との密封状態を解除する(液体容器内に外気を流入させることで液体容器の内部と外部との気圧差をなくす)第1動作と、密封状態が解除された状態で開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させる第2動作とを行うことにより、液体吸引管が液体容器内に挿入可能となるように開口部を開放する開口開放部を設けることによって、密封状態の解除の際に開口部が蓋部材により覆われているので、密封状態の解除時に、液体容器の内部と外部との気圧差に起因して蓋部材の内面や開口部近傍に付着した液体が容器の外部に飛散(液はね)するのを抑制することができる。また、第1動作により密封状態を解除することによって液体容器の内部と外部との気圧が均一になった後に、開口開放部による第2動作により、蓋部材が液体吸引管を挿入可能な開口部を覆わない位置まで移動されるので、蓋部材が開口部を覆わない位置まで移動されたとしても、蓋部材の内面や開口部近傍に付着した液体が容器の外部に飛散されるのを抑制することができる。このように本発明の分析装置では、密封状態にある液体容器の開口部を開放する際に、液体容器内の液体が容器の外部に飛散するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による分析装置において、好ましくは、開口開放部は、第1動作とは不連続な第2動作を実行するように構成されている。このように構成することにより、容易に、第1動作により蓋部材が開口部を覆った状態で密封状態を解除し、第2動作により開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させることができる。
【0010】
上記一の局面による分析装置において、好ましくは、開口開放部は、蓋部材を第1の速度で移動させることにより第1動作を実行し、蓋部材を第1の速度とは異なる第2の速度で移動させることにより第2動作を実行するように構成されている。このように構成することにより、容易に、第1動作により蓋部材が開口部を覆った状態で密封状態を解除し、第2動作により開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させることができる。
【0011】
上記一の局面による分析装置において、好ましくは、液体容器は、蓋部材を回動可能に支持する支持部を含み、開口開放部は蓋部材を第1角度回動させることにより第1動作を実行し、蓋部材を第1角度よりも大きい第2角度回動させることにより第2動作を実行するように構成されている。このように第1動作により蓋部材を小さい角度回動させ、その後第2動作により蓋部材を大きい角度回動させることによって、容易に、第1動作により蓋部材が開口部を覆った状態で密封状態を解除し、第2動作により開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させることができる。
【0012】
上記一の局面による分析装置において、好ましくは、開口開放部は第1動作を実行する密封解除部と第2動作を実行する蓋部材移動部とを含む。このように構成すれば、密封解除部による第1動作により、蓋部材が開口部を覆った状態で密封状態を解除し、蓋部材移動部による第2動作により、開口部を覆わない位置まで蓋部材を移動させることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、蓋部材は上面に凸部を有し、密封解除部は凸部に当接する当接部材を含み、容器保持部および密封解除部の少なくともいずれか一方は水平移動可能に構成され、容器保持部および密封解除部の少なくともいずれか一方の水平移動に伴って当接部材が凸部に当接することにより、密封状態が解除されるように構成されている。このように構成すれば、水平移動という比較的単純な動作によって、容易に当接部材を凸部に当接させることができるので、容易に密封状態を解除することができる。
【0014】
上記蓋部材が凸部を有する構成において、好ましくは、蓋部材の凸部は傾斜面を有し、容器保持部および密封解除部の少なくともいずれか一方の水平移動に伴って当接部材が傾斜面に当接することにより、密封状態が解除されるように構成されている。このように構成すれば、当接部材と凸部との当接位置が凸部の傾斜面に沿って移動されることにより、蓋部材が滑らかに移動されるので、滑らかな動作によって密封状態を解除することができる。
【0015】
上記蓋部材が凸部を有する構成において、好ましくは、容器保持部が一方方向側に水平に回転移動されることにより、当接部材が凸部に当接することによって、密封状態が解除されるように構成されている。このように構成すれば、容器保持部による一方方向の水平回転移動というより単純な動作によって、より容易に当接部材と凸部とを当接させることができるので、より容易に密封状態を解除することができる。
【0016】
上記開口開放部が密封解除部を含む構成において、好ましくは、液体容器は蓋部材を回動することにより開口部が開放されるように構成され、蓋部材移動部は押圧部材と押圧部材を昇降させる駆動部とを有し、液体容器の密封状態が解除された後に押圧部材により蓋部材の回動中心に対して開口部とは反対側の部分が下方に押圧されるように駆動部を制御する制御部をさらに備える。このように構成すれば、密封状態が解除された状態において、駆動部および制御部により、蓋部材の開口部を覆う部分を開口部を覆わない位置まで移動させることができるので、容易に開口部を開放することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、制御部は、蓋部材が押圧部材に押圧されている状態で、開口部を介して液体吸引管を液体容器内に挿入するように液体吸引部を制御するように構成されている。このように構成すれば、蓋部材の開口部を覆う部分を開口部を覆わない位置まで移動させた状態を維持しながら、液体吸引管を開口部を介して液体容器内に挿入するので、液体吸引管の容器内への挿入を蓋部材が妨げてしまうのを抑制することができる。
【0018】
上記一の局面による分析装置において、好ましくは、開口開放部により開放された開口部を蓋部材による密封状態に戻す第3動作を行う開口密封部材をさらに備える。このように構成すれば、開口密封部材による第3動作により、液体吸引部による吸引後に容易に液体容器を密封状態に戻すことができる。
【0019】
この場合、好ましくは、開口密封部材は、密封状態が解除された状態の蓋部材に当接する位置に配置されており、容器保持部および開口密封部材の少なくともいずれか一方は水平移動可能に構成され、蓋部材と開口部との密封状態が解除された状態で、容器保持部および開口密封部材の少なくともいずれか一方の水平回転移動に伴って、開口密封部材が蓋部材に当接することにより、開口部が密封状態に戻されるように構成されている。このように構成すれば、水平方向の回転移動という比較的単純な動作を利用して、開口密封部材により容易に液体容器を密封状態に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図10は、それぞれ、図1に示した一実施形態による分析装置の詳細な構成を説明するための図である。まず、図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による分析装置1の構成について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態による分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11(図1および図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体を2次BF分離部12の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)、および、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0023】
この分析装置1は、図1および図2に示すように、測定機構部2と、測定機構部2に隣接するように配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置4とを備えている。
【0024】
また、測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16とから構成されている。また、図3に示すように、測定機構部2における各機構(各種分注アーム、反応部9、試薬設置部16など)は、測定機構部2に設けられた制御部2aにより制御されている。また、検体搬送部3も制御部2aによって制御されるように構成されている。
【0025】
制御部2aは、図4に示すように、CPU2bと、ROM2cと、RAM2dと、通信インタフェース2eとから主として構成されている。CPU2bは、ROM2cに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM2dに読み出されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM2cは、CPU2bに実行させるためのコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。RAM2dは、ROM2cに記憶しているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU2bの作業領域として利用される。通信インタフェース2eは、制御装置4に接続されており、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4の制御部4aからの信号を受信するための機能を有している。また、通信インタフェース2eは、検体搬送部3および測定機構部2の各部を駆動するためのCPU2bからの指令を送信するための機能を有している。
【0026】
検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。また、検体搬送部3は、検体を収容した試験管を検体分注アーム5による検体吸引位置1a(図2参照)まで搬送するように構成されている。
【0027】
制御装置4は、図5に示すように、制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとから主として構成されたコンピュータ401によって構成されている。
【0028】
制御部4aは、CPU401aと、ROM401bと、RAM401cと、ハードディスク401dと、読出装置401eと、入出力インタフェース401fと、通信インタフェース401gと、画像出力インタフェース401hとから主として構成されている。CPU401a、ROM401b、RAM401c、ハードディスク401d、読出装置401e、入出力インタフェース401f、通信インタフェース401g、および画像出力インタフェース401hは、それぞれ、バス401iによって接続されている。
【0029】
CPU401aは、ROM401bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM401cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、ハードディスク401dに記憶されたアプリケーションプログラム404aをCPU401aが実行することにより、コンピュータ401が制御装置4として機能する。
【0030】
ROM401bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU401aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0031】
RAM401cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM401cは、ROM401bおよびハードディスク401dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401aの作業領域として利用される。
【0032】
ハードディスク401dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム404aなど、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。
【0033】
読出装置401eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体404に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体404には、免疫分析用のアプリケーションプログラム404aが格納されており、コンピュータ401がその可搬型記録媒体404からアプリケーションプログラム404aを読み出し、そのアプリケーションプログラム404aをハードディスク401dにインストールすることが可能である。
【0034】
なお、上記アプリケーションプログラム404aは、可搬型記録媒体404によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ401と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム404aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ401がアクセスして、そのアプリケーションプログラム404aをダウンロードし、これをハードディスク401dにインストールすることも可能である。
【0035】
また、ハードディスク401dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。
【0036】
入出力インタフェース401fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース401fには、キーボード4cが接続されており、ユーザがそのキーボード4cを使用することにより、コンピュータ401にデータを入力することが可能である。
【0037】
通信インタフェース401gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ401は、その通信インタフェース401gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定機構部2との間でデータの送受信が可能である。
【0038】
画像出力インタフェース401hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部4bに接続されており、CPU401aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部4bに出力するようになっている。
【0039】
表示部4bは、検出部14による検出値に基づいて得られる分析結果などを表示するために設けられている。
【0040】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による検体吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する機能を有している。
【0041】
R1試薬分注アーム6は、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を検体吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)するように構成されている。また、R1試薬分注アーム6には、図2に示すように、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。また、R1試薬分注アーム6は、図示しないキャッチャにより検体吐出位置1bに載置されたキュベットを反応部9に移送する機能を有している。
【0042】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置まで搬送する機能を有している。そして、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0043】
検体分注アーム5は、チップ装着位置においてピペットチップを装着した後、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を吸引し、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注された検体吐出位置1bのキュベットに検体を分注(吐出)する機能を有している。
【0044】
R2試薬分注アーム7は、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引する機能を有している。また、R2試薬分注アーム7は、R1試薬および検体を収容するキュベットに吸引したR2試薬を分注(吐出)するように構成されている。また、R2試薬分注アーム7には、図2に示すように、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。
【0045】
反応部9は、図1、図2、図6および図7に示すように、平面的に見て円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように中空の円形形状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有し、キュベット設置部9aは、キュベットを挿入可能なように円形形状で凹状に形成されている。また、反応部9aは、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを約42℃に加温する機能を有している。すなわち、反応部9aにおいて、キュベットに収容された試料は約42℃に加温される。これにより、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9aは、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる機能を有している。
【0046】
1次BF分離部11は、検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットを図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送した後、キュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)するように構成されている。
【0047】
R3試薬分注アーム8は、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する機能を有している。また、R3試薬分注アーム8は、1次BF分離部11によるB/F分離後の試料を収容するキュベットが1次BF分離部11から反応部9に移送されると、吸引したR3試薬をそのキュベットに分注(吐出)するように構成されている。また、R3試薬分注アーム8には、図2に示すように、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。
【0048】
2次BF分離部12は、1次BF分離部11によるB/F分離後の試料およびR3試薬を収容するキュベットを図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送した後、キュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するように構成されている。
【0049】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12によるB/F分離後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注するように構成されている。
【0050】
検出部14は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。
【0051】
試薬設置部16は、図7に示すように、捕捉抗体を含むR1試薬が収容されるR1試薬容器100、磁性粒子を含むR2試薬が収容されるR2試薬容器110および標識抗体を含むR3試薬が収容されるR3試薬容器120を設置するために設けられている。また、試薬設置部16は、図2および図6に示す円形状のカバー部161と、図3に示すバーコードリーダ162と、図7に示す内側テーブル163および外側テーブル164と、図6に示すR1試薬開閉機構部17、R2試薬開閉機構部18およびR3試薬開閉機構部19とを含んでいる。
【0052】
カバー部161は、図2および図6に示すように、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように配置されている。また、円形状のカバー部161には、所定の箇所に開口部が設けられており、開口部を介してキュベットの移動やピペットによる分注処理が行われる。バーコードリーダ162は、試薬設置部16に設置された各試薬容器100、110、120に貼付されたバーコード(図示せず)を読み取る機能を有している。バーコードには、各試薬固有の情報が含まれている。なお、バーコードリーダ162によるバーコード読み取り動作は、分析装置1の初期化を行った際に、測定機構部2の各部の動作チェック、および、後述するテーブル163、164の原点出しを行った後に実行される。そして、バーコードリーダ162により読み取られた情報は、テーブル163、164上での試薬容器の位置情報と関連付けられて、制御装置4のハードディスク401dに記憶される。
【0053】
内側テーブル163は、図7に示すように、複数のR1試薬容器100および複数のR3試薬容器120を保持可能に構成されており、平面的に見て中空の円形形状に形成されている。内側テーブル163上のR1試薬容器100は、円周状に配列されたR3試薬容器120の外側を取り囲むように円周状に配列されている。また、R1試薬容器100は、半径方向にR3試薬容器120に隣接して配置されている。また、内側テーブル163は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、内側テーブル163は、制御部2aにより制御される第1ステッピングモータ163a(図3参照)によって回転されるように構成されている。内側テーブル163が回転(回動)されると、R1試薬容器100およびR3試薬容器120は互いに同方向に同角度回転(回動)される。
【0054】
また、内側テーブル163の所定の位置には、試薬設置部16に取り付けられた磁石(図示せず)を検知する磁気センサからなる第1ホール素子163bが設けられている。また、第1ステッピングモータ163aの回転軸には、モータの回転角度を検知する光学センサからなる第1エンコーダ163cが設けられている。これらの第1ホール素子163bおよび第1エンコーダ163cを用いて、内側テーブル163の原点出し(原点の位置合わせ)が行われる。
【0055】
外側テーブル164は、図7に示すように、複数のR2試薬容器110を保持可能に構成されており、内側テーブル163の外側を取り囲むように中空の円形形状に形成されている。また、外側テーブル164は、内側テーブル163が保持可能なR1試薬容器100およびR3試薬容器120のそれぞれの個数と同じ個数のR2試薬容器110を保持可能に構成されている。外側テーブル164上の複数のR2試薬容器110は、円周状に配列されたR1試薬容器100の外側を取り囲むように円周状に配列されている。また、外側テーブル164は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、外側テーブル164は、制御部2aにより制御される第2ステッピングモータ164a(図3参照)によって回転されるように構成されている。また、外側テーブル164は、内側テーブル163とは独立して回転可能であり、R1試薬容器100およびR3試薬容器120の回転(回動)の速度および方向に影響されることなくR2試薬容器110を任意の方向および速度で回転(回動)させることが可能である。また、外側テーブル164は、保持するR2試薬容器110に収容されたR2試薬を攪拌しながら回転(回動)する機能を有している。
【0056】
また、外側テーブル164の所定の位置には、試薬設置部16に取り付けられた磁石(図示せず)を検知する磁気センサからなる第2ホール素子164bが設けられている。また、第2ステッピングモータ164aの回転軸には、モータの回転角度を検知する光学センサからなる第2エンコーダ164cが設けられている。これらの第2ホール素子164bおよび第2エンコーダ164cを用いて、外側テーブル164の原点出し(原点の位置合わせ)が行われる。
【0057】
R1試薬開閉機構部17、R2試薬開閉機構部18およびR3試薬開閉機構部19は、それぞれ、同様の構成を有している。ここでは、R2試薬開閉機構部18の構成について説明する。
【0058】
R2試薬開閉機構部18は、図8に示すように、密封解除部181と、蓋部材移動部182と、開口密封部183とを含んでいる。
【0059】
密封解除部181は、図8および図9に示すように、カバー部161上に設置された第3エアシリンダ181aと、軸部181bと、取付部181cと、解除ローラ181dと、ローラ軸181eとを有している。また、図9に示すように、軸部181bは、第3エアシリンダ181aから円形状のカバー部161の半径方向(矢印X1およびX2方向)に延びるように設けられており、ローラ軸181eは、軸部181bの下方側(矢印Z2方向側)で、軸部181bに平行(水平)にカバー部161の半径方向に延びるように配置されている。また、軸部181bとローラ軸181eとは、取付部181cにより連結されている。解除ローラ181dは、ローラ軸181eを回転中心として回転可能に構成されている。また、解除ローラ181dは、外側テーブル164に保持されたR2試薬容器110の後述する蓋部材130の凸部131(図13参照)に当接する高さに配置されている。また、密封解除部181は、第3エアシリンダ181aが駆動されることによって、軸部181b、取付部181cおよびローラ軸181eを介して、解除ローラ181dがカバー部161の半径方向(矢印X1およびX2方向)に水平に直線移動されるように構成されている。これにより、解除ローラ181dを蓋部材130の凸部131に当接する位置と当接しない位置とに移動させることが可能となる。
【0060】
蓋部材移動部182は、図8および図10に示すように、カバー部161上に配置された第4エアシリンダ182aと、軸部182bと、押圧部材182cとを含んでいる。また、図10に示すように、軸部182bは、第4エアシリンダ182aから鉛直下方向(矢印Z2方向)に延びるように設けられており、押圧部材182cは、軸部182bの下側端部に取り付けられている。押圧部材182cは、下側端部に下端面182dを有するとともに、一方側部には鉛直方向に対して傾斜する傾斜面182eを有している。また、押圧部材182cは、外側テーブル164に保持されたR2試薬容器110の蓋部材130の上方(矢印Z1方向側)で、平面的に見て、R2試薬容器110の凸部131の移動経路上に配置されている。また、蓋部材移動部182は、第4エアシリンダ182aが駆動されることによって、軸部182bを介して押圧部材182cが鉛直方向(矢印Z1およびZ2方向)に直線移動されるように構成されている。これにより、押圧部材182cによって、所定位置にある蓋部材130の凸部131を下方(矢印Z2方向)に押圧することが可能となる。
【0061】
開口密封部183は、取付部183aと、ローラ軸183bと、2つのローラ183cとを含んでいる。取付部183aは、カバー部161(図6参照)の裏面に取り付けられており、ローラ軸183bは、取付部183aに支持されている。また、2つのローラ183cは、ローラ軸183bを回転中心として回転可能に構成されている。また、2つのローラ183cは、外側テーブル164に保持されたR2試薬容器110の後述する蓋部材130の上面132a(図13参照)に当接するように配置されている。また、2つのローラ183cは、外側テーブル164の回転(回動)移動に伴って移動されるR2試薬容器110の蓋部材130に当接することによって、R2試薬容器110を密封状態に戻す機能を有している。また、2つのローラ183cは、R2試薬容器110の蓋部材130の凸部131に当接しないように所定の間隔を隔てて設けられており、R2試薬容器110の凸部131は、平面的に見て、外側テーブル164の回転(回動)移動に伴って2つのローラ183cの離間部を通過する。
【0062】
なお、図6に示すように、R1試薬開閉機構部17の密封解除部171およびR3試薬開閉機構部19の密封解除部191は、それぞれ、R2試薬開閉機構部18の密封解除部181に対応するとともに、R1試薬開閉機構部17の第1エアシリンダ171aおよびR3試薬開閉機構部19の第5エアシリンダ191aは、それぞれ、R2試薬開閉機構部18の第3エアシリンダ181aに対応している。また、R1試薬開閉機構部17の軸部171bおよびR3試薬開閉機構部19の軸部191bは、それぞれ、R2試薬開閉機構部18の軸部181bに対応している。また、R1試薬開閉機構部17の蓋部材移動部172およびR3試薬開閉機構部19の蓋部材移動部192は、それぞれ、R2試薬開閉機構部18の蓋部材移動部182に対応するとともに、R1試薬開閉機構部17の第2エアシリンダ172aおよびR3試薬開閉機構部19の第6エアシリンダ192aは、それぞれ、R2試薬開閉機構部18の第4エアシリンダ182aに対応している。また、R1試薬開閉機構部17およびR3試薬開閉機構部19は、それぞれ、図示しないが、R2試薬開閉機構部18の密封解除部181の取付部181c、解除ローラ181d、ローラ軸181e、蓋部材移動部182の軸部182b、押圧部材182c、および、開口密封部183の取付部183a、ローラ軸183b、2つのローラ183cに対応する構成を有している。
【0063】
図11〜図18は、それぞれ、図1に示した一実施形態による分析装置に用いられる試薬容器の構成を説明するための図である。図11〜図18を参照して、本発明の一実施形態による分析装置1に用いられるR1試薬容器100、R2試薬容器110およびR3試薬容器120の構成について説明する。
【0064】
R1試薬容器100は、図11に示すように、容器本体101と、容器本体101を密閉する蓋部材130と、蓋部材130を回動可能に支持する支持部材140とを含んでいる。
【0065】
R1試薬容器100の容器本体101は、図11および図12に示すように、上側に略円筒形状に形成された円筒部102を有するとともに、下側に試薬を収容する収容部103を有している。円筒部102の上端部には、円形形状の開口部102aが設けられており、円筒部102の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝102bが左右対称に形成されている。また、収容部103の切欠溝102bが設けられた側の一方の側面には、収容部103の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる切欠部103aが形成されている。この切欠部103aは、後述するR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込み可能に構成されている。R1試薬容器100の切欠部103aにR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込むことによって、容易に、R1試薬容器100とR3試薬容器120とを所定の間隔を隔てて隣接するように配列させることが可能となる。
【0066】
蓋部材130は、図13に示すように、凸部131と、本体部132と、凸部131を支持する基台部133と、一対の回動部134とを有している。凸部131は、平面的に見て略T字形状の基台部133上に形成されており、蓋部材130の後方側(矢印Y2方向側)に配置されている。また、凸部131は、本体部132の上面132aよりも上側に突出するように形成されている。また、凸部131は、前方側(矢印Y1方向側)から順に、平坦部131aと、第1傾斜部131bと、頂部131cと、第2傾斜部131dとを有している。具体的には、蓋部材130が開口部102aを密封している状態において、平坦部131aは、水平面状に形成されており、第1傾斜部131bは、平坦部131aの後方側端部から徐々に高さが大きくなる方向に後方に向かって傾斜するように形成されている。頂部131cは、第1傾斜部131bの後方側に位置し、水平面状に形成されている。第2傾斜部131dは、頂部131cの後方側端部から徐々に高さが小さくなる方向に後方に向かって傾斜するように形成されている。このように、頂部131cは、本体部132の上面132aに対して最も高い位置に配置されている。また、凸部131は、平面的に見て、矢印Y1およびY2方向に延びる長方形状を有し(図16参照)、上述の開口密封部183の2つのローラ183cの離間距離よりも小さい矢印X1およびX2方向の幅に形成されている。
【0067】
本体部132は、図13および図16に示すように、平面的に見て、前方側(矢印Y1方向側)が半円形状に形成されるとともに、後方側が矩形形状に形成されている。また、本体部132は、実質的に本体部132の外形に沿って下方に向かって延びる側壁部132bと、上面132aに形成された略円錐形状の凹部132cとを有している。また、図13に示すように、蓋部材130の前方側で上面132aと側壁部132bとの間の部分には、上面132aから徐々に下方に向かって傾斜して側壁部132bと繋がる傾斜面132oを有している。
【0068】
また、本体部132の内面側には、図15および図16に示すように、容器本体101の開口部102aを密閉する内壁部132dが形成されている。内壁部132dは、円周形状で下方に延びるように形成されている。また、内壁部132dは、開口部102aに挿入されることによって、内壁部132dの外周面が容器本体101の開口部102aの側面の全周にわたって当接されるように構成されている。これにより、開口部102aを密閉することが可能となる。また、図15に示すように、内壁部132dの先端部(下方端部)近傍は、下方に向かって徐々に肉厚が薄くなるテーパ形状に形成されている。
【0069】
また、内壁部132dの下方端部には、互いに逆台形形状を有する5つの切欠132e、132f、132g、132hおよび132iが形成されている。そして、切欠132eは、図16に示すように、最も前方側(矢印Y1方向)に配置されており、切欠132fおよび132gは、それぞれ、内壁部132dの中心132jを中心にして、切欠132eから左右にα度(約36度)離間した位置に配置されている。切欠132hおよび132iは、それぞれ、内壁部132dの中心132jを中心にして、切欠132fおよび132gからさらにα度(約36度)離間した位置に配置されている。すなわち、5つの切欠132e〜132iは、平面的に見て、内壁部132dの前方側(矢印Y1方向側)に配置されている。これらの5つの切欠132e〜132iは、それぞれ、後述するように、R1試薬容器100の密封状態を解除した際に、蓋部材130が開口部102aを覆った状態でR1試薬容器100の内側と外側で空気の出入りを可能とする機能を有している。
【0070】
また、図16に示すように、内壁部132dの最も後方側(矢印Y2方向側)には、逆台形形状の切取部132kが形成されている。切取部132kは、5つの切欠132e〜132iよりも円周方向に広い幅を有するとともに、5つの切欠132e〜132iよりも深く切り込まれている。また、切取部132kは、後述するように、蓋部材130が開口部102aを覆わない位置まで移動(回動)される際に、蓋部材130の内側に付着した試薬を容器本体101に戻すための流路として機能するように設けられている。また、5つの切欠132e〜132iおよび切取部132kは、それぞれ、内壁部132dの下方端部の剛性を小さくする機能を有しており、内壁部132dが開口部102aに挿入される際に、内壁部132dが内側に向かって撓み易くなっている。これにより、容易に、内壁部132dを開口部102aに挿入することが可能となる。なお、内壁部132dの切欠132eが設けられた内側には、補強リブ132nが設けられている。補強リブ132nは、内壁部132dの内側への繰り返しの撓み変形により恒常的に形状変化してしまうのを抑制する機能を有している。これにより、内壁部132dが繰り返し内側に撓み変形された場合にも、容器本体101の開口部102aを確実に密閉することが可能となる。また、内壁部132dは、切欠132eが位置する部分を最低高さとして、後方側に向かって徐々に高さが大きくなるように形成されている。
【0071】
円周形状の内壁部132dの内側には、図15および図16に示すように、略円錐形状の山部132lが下方に突出するように形成されている。また、山部132lは、切取部132kの近傍に配置されており、その頂点部132mは内壁部132dの中心132jよりも後方側(矢印Y2方向側)に位置している。これにより、試薬が切取部132kの近傍に溜まり難くなっている。また、山部132lは、蓋部材130の内側に付着した試薬を切取部132kを介して容器本体101に戻す際に、試薬を切取部132kの方に向かって流れ易くする機能を有している。
【0072】
基台部133は、図13および図16に示すように、平面的に見て、略T字形状を有し、凸部131を支持する機能を有している。また、基台部133は、本体部132の後方側(矢印Y2方向側)に配置されている。また、基台部133の上面133aは、本体部132の上面132aと面一となるように形成されている。また、基台部133は、図13および図15に示すように、後方側の端部近傍の上面133a側で凸部131を挟むように配置され、後方側に向かって厚みが徐々に小さくなるように傾斜する傾斜面133bを有している。この傾斜面133bは、開口密封部183の2つのローラ183cを基台部133の上面133aに乗り上げ易くする機能を有している。
【0073】
一対の回動部134は、それぞれ、図13、図15および図16に示すように、本体部132の後方側で、本体部132と略T字形状の基台部133の左右に延びる部分との間に配置されている。また、一対の回動部134は、それぞれ、試薬容器100の支持部材140の後述する一対の軸部140aに摺動可能に構成された摺動部134aを有しており、摺動部134aは、軸部140aを嵌め込み可能に形成されている。摺動部134aに支持部材140の軸部140aを嵌め込むことによって、蓋部材130は、軸部140aを回動中心として回動可能となる。これにより、凸部131の第2傾斜部131dと本体部132とは、回動中心に対して互いに反対側に位置するので、第2傾斜部131dを下方に移動させることによって、本体部132側を上方に移動させることが可能となる。
【0074】
支持部材140は、図14に示すように、一対の軸部140aと、一対のアーム部140bとを有している。一対の軸部140aは、それぞれ、一対の回動部134の摺動部134aに嵌め込み可能なように、内側に向かって水平方向に延びるように形成されている。また、一対の軸部140aは、蓋部材130の回動中心として機能するように構成されている。一対のアーム部140bは、それぞれ、一対の軸部140aが延びる方向と直交する方向に水平方向に延びるように形成されている。また一対のアーム部140bは、それぞれ、容器本体101の円筒部102の切欠溝102bに係合するように構成されている。これにより、図11に示すように、蓋部材130は、支持部材140を介して容器本体101の円筒部102に取り付けられる。
【0075】
次に、R2試薬容器110およびR3試薬容器120について説明する。R2試薬容器110は、容器本体111と、上述のR1試薬容器100と同様の蓋部材130および支持部材140とを含むとともに、R3試薬容器120は、容器本体121と、上述のR1試薬容器100と同様の蓋部材130および支持部材140とを含んでいる。このため、以下では、蓋部材130および支持部材140の説明を省略し、R2試薬容器110の容器本体111およびR3試薬容器120の容器本体121について説明する。
【0076】
R2試薬容器110の容器本体111は、図17に示すように、上側に略円筒形状に形成された円筒部112を有するとともに、下側に試薬を収容する収容部113を有している。円筒部102の上端部には、円形形状の開口部112aが設けられており、円筒部112の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝112bが左右対称に形成されている。この切欠溝112bに支持部材140のアーム部140bが係合されることによって、支持部材140が容器本体111に取り付けられる。
【0077】
R3試薬容器120の容器本体121は、図18に示すように、上側に略円筒形状に形成された円筒部122を有するとともに、下側に試薬を収容する収容部123を有している。円筒部122の上端部には、円形形状の開口部122aが設けられており、円筒部122の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝122bが左右対称に形成されている。また、収容部123の切欠溝122bが設けられた側の一方の側面には、収容部123の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる突出部123aが形成されている。この突出部123aは、上述のR1試薬容器100の切欠部103aに嵌め込み可能に構成されている。
【0078】
図19は、図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するためのフローチャートである。図20〜図27は、図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するための図である。次に、図19〜図27を参照して、本実施形態による分析装置1の試薬吸引処理動作について説明する。なお、本実施形態では、R1試薬、R2試薬およびR3試薬の吸引処理動作は、それぞれ同様であるので、ここでは、R2試薬の吸引処理動作について説明する。
【0079】
本実施形態では、外側テーブル164を主に時計回り方向(図2の矢印A1方向)に回転(回動)させながら測定機構部2の各部において各種の処理を行っている。この際、図20に示すように、R2試薬容器110は時計回り方向(矢印A1方向)に回転(回動)されており、蓋部材130は開口密封部183の2つのローラ183cに当接される。これにより、R2試薬容器110は、蓋部材130が上方から押圧されるので、開口部112aの密封状態が緩むのを抑制される。この際、解除ローラ181dは、凸部131に当接しない位置に配置されている。
【0080】
そして、R2試薬の吸引処理を行う際には、ステップS1において、制御部2aのCPU2b(図4参照)により、吸引対象のR2試薬容器110が所定位置に到着したか否かが判断される。具体的には、図21に示すように、R2試薬容器110の凸部131が解除ローラ181dを通過した後、2つのローラ183cの近傍に到着したときに、R2試薬容器110が所定位置に到着したと判断される。次に、ステップS2において、CPU2bにより第3エアシリンダ181aが駆動されることによって、解除ローラ181dが凸部131に当接する位置まで水平移動される。
【0081】
そして、ステップS3において、外側テーブル164が反時計回り方向(矢印A2方向)に回動されて、R2試薬の吸引位置まで移動される。この際、図22に示すように、解除ローラ181dが蓋部材130の本体部132側から凸部131の第1傾斜部131bに当接される。そして、R2試薬容器110の移動が、さらに反時計回り方向(矢印A2方向)に継続されることによって、図23に示すように、凸部131と解除ローラ181dとの当接位置が第1傾斜部131bに沿って頂部131cに向かって移動される。この際、蓋部材130は、凸部131側が徐々に下方に押し下げられ、それに伴って本体部132側が徐々に上方に移動される。そして、解除ローラ181dが凸部131の頂部131cに到達すると、図24に示すように、蓋部材130の内壁部132dのより前方側に設けられた3つの逆台形形状の切欠132e、132fおよび132gが露出される。この際、切欠132hおよび132iも露出されていてもよい。これにより、R2試薬容器110内に外気が流入してR2試薬容器110の外部と内部との気圧差がなくなり、蓋部材130が開口部112aを覆った状態でR2試薬容器110の密封状態が解除される。この状態の蓋部材130は、図23に示すように、水平状態からβ度(約9度〜約15度)回動された状態である。また、図24に示すように、切欠132e、132fおよび132gにより極めて狭い間隙しか形成されないので、この間隙を介して試薬が容器の外側に飛散することは極めて稀である。また、たとえこの間隙から試薬が外側に飛び出したとしても、内壁部132dよりも外側に位置する側壁部132bにより、試薬が装置内部に飛び出すのが抑制される。
【0082】
そして、R2試薬容器110の凸部131が押圧部材182cの下方に到着(R2試薬の吸引位置に到着)すると、ステップS4において、解除ローラ181dは、図25に示すように、凸部131に当接しない元の位置まで戻される。その後、ステップS5において動作を所定時間休止した後、ステップS6において、図26に示すように、CPU2bにより第4エアシリンダ182aが駆動されることによって、蓋部材移動部182の押圧部材182cが下降される。これにより、押圧部材182cの下端面182dまたは傾斜面182eによって、凸部131の第2傾斜部131dが下方に押圧される。第2傾斜部131dが下方に押圧されると、蓋部材130の回動中心に対して第2傾斜部131dとは反対側に位置する本体部132側(開口部112a側)が上方に移動される。このようにして蓋部材130が開口部112aを覆わない位置まで移動されることによって、R2試薬容器110の開口部112aが開放される。そして、蓋部材130が開口部112aを覆わない位置まで移動されると、図27に示すように、押圧部材182cの傾斜面182eが凸部131の第1傾斜部131bを押圧する状態となる。この状態の蓋部材130は、水平状態からγ度(約85度)回動された状態である。
【0083】
その後、ステップS7において、R2試薬分注アーム7のピペット7aがR2試薬容器110の開口部112aを介して容器本体111に挿入されるとともに、ピペット7aにより所定量のR2試薬が吸引される。そして、R2試薬の吸引終了後、ステップS8において、押圧部材182cが上方に向かって移動される。これにより、開放状態が解除されて、蓋部材130が開口部112aを覆う位置まで戻される。なお、この状態は、図24に示すように、蓋部材130が開口部112aを覆った状態ではあるが、切欠132e、132fおよび132gが露出された状態の密封解除状態である。
【0084】
そして、ステップS9において、外側テーブル164が再び時計回り方向(矢印A1方向)に回転(回動)される。これにより、密封解除状態にある蓋部材130は、進行方向側に位置する2つのローラ183cに当接することによって、下方への押圧力を受けて、R2試薬容器110は密封状態に戻される。そして、試薬吸引処理動作は終了される。なお、上記ステップS2〜ステップS9までの一連の動作は、約2秒以内に行われる。
【0085】
本実施形態では、上記のように、蓋部材130が開口部112aを覆った状態で蓋部材130と開口部112aとの密封状態を解除する動作と、所定時間経過後、密封状態が解除された状態で開口部112aを覆わない位置まで蓋部材130を移動させる動作とを行うことにより、ピペット7aがR2試薬容器110内に挿入可能となるように開口部112aを開放するように構成することによって、密封状態の解除の際に開口部112aが蓋部材130により覆われているので、密封状態の解除時に、R2試薬容器110の内部と外部との気圧差に起因して蓋部材130の内面や開口部112a近傍に付着した試薬が容器の外部に飛散(液はね)するのを抑制することができる。また、密封状態を解除することによってR2試薬容器110の内部と外部との気圧が均一になった後に、蓋部材130がピペット7aを挿入可能な開口部112aを覆わない位置まで移動されるので、蓋部材130が開口部112aを覆わない位置まで移動されたとしても、蓋部材130の内面や開口部112a近傍に付着した試薬が容器の外部に飛散されるのを抑制することができる。このように本発明の分析装置1では、密封状態にあるR2試薬容器110の開口部112aを開放する際に、R2試薬容器110内の試薬が容器の外部に飛散するのを抑制することができ、分析装置1の内部が試薬で汚染されることを抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、外側テーブル164を反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転移動させて、解除ローラ181dを凸部131に当接させることにより密封状態を解除するように構成することによって、水平方向の回転移動という比較的単純な動作を利用して、容易に解除ローラ181dと凸部131とを当接させることができるので、容易に密封状態を解除することができる。
【0087】
また、本実施形態では、蓋部材130が押圧部材182cに押圧されている状態で、開口部112aを介してピペット7aをR2試薬容器110内に挿入するように構成することによって、蓋部材130の開口部112aを覆う本体部132を開口部112aを覆わない位置まで移動させた状態を維持しながら、ピペット7aを開口部112aを介してR2試薬容器110内に挿入するので、ピペット7aの容器内への挿入を蓋部材130が妨げてしまうのを抑制することができる。
【0088】
また、本実施形態では、蓋部材130と開口部112aとの密封状態が解除された状態で、外側テーブル164を時計回り方向(図2の矢印A1方向)に水平に回転移動させることにより、2つのローラ183cを用いて密封状態に戻すように構成することによって、水平方向の回転移動という比較的単純な動作を利用して、2つのローラ183cにより容易にR2試薬容器110を密封状態に戻すことができる。
【0089】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0090】
たとえば、上記実施形態では、密封解除部181により開口部112aの密封状態を解除し、蓋部材移動部182により開口部112aを全開しているが、本発明はこれに限らず、1つの機構により開口部112aの密封解除動作と全開動作とを実行してもよい。
【0091】
1つの機構を用いて開口部112aの密封解除動作と全開動作とを実行する態様として、例えば、試薬容器の蓋部材に引っ掛かるフックを用いて蓋部材を上方に回動させる場合には、第1の速度で蓋部材を上方に回動させることにより開口部の密封状態を解除した後、上記第1の速度よりも速い第2の速度で蓋部材を回動させることにより開口部を全開させてもよい(第2実施形態)。この動作によって、密封状態にある開口部の開放時に、試薬容器内の試薬が容器の外部に飛散するのを抑制することができる。他にも、例えば、蓋部材の回動開始時から開口部の全開時までの経過時間とともに蓋部材の回動角度が指数関数的に増加するように、蓋部材の回動動作を行ってもよい(第3実施形態)。この場合、蓋部材の回動初期段階(密封解除動作段階)の一時点における第1回動速度は、全開動作段階の一時点における第2回動速度よりも遅くなる。この動作によっても、密封状態にある開口部の開放時に、試薬容器内の試薬が容器の外部に飛散するのを抑制することができる。
【0092】
なお、上記第2実施形態および第3実施形態においては、蓋部材の回動開始時から開口部の全開時までの間、蓋部材の回動動作を連続的に行ってもよいし、開口部の密封状態が解除された後に、蓋部材の回動動作を所定時間休止し、その後、回動動作を再開してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、分析装置の一例として、R1試薬容器、R2試薬容器およびR3試薬容器の3種類の試薬容器を保持可能な試薬設置部を備えた分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、1種類または2種類の試薬容器を保持する試薬設置部を備えた分析装置であってもよいし、4種類以上の試薬容器を保持する試薬設置部を備えた分析装置であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、分析装置の一例として、複数の試薬容器を保持可能な試薬設置部を備えた分析装置を示したが、本発明はこれに限らず、1つの試薬容器だけを保持する試薬設置部を備えた分析装置であってもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、液体容器の一例として、蓋部材が支持部材により回動可能に支持された試薬容器を示したが、本発明はこれに限らず、支持部材を有さず、たとえばヒンジ構造などにより、蓋部材が容器本体に回動可能に一体的に設けられた液体容器であってもよい。他にも、水平方向に往復直線移動することによって開口部を開閉するスライド式の蓋部材が設けられた液体容器を用いてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、容器保持部の一例として、水平に回転移動するテーブルを示したが、本発明はこれに限らず、凸部と当接部材としての解除ローラとが当接する構成であれば、水平に直線移動する容器保持部であってもよいし、直線および回転以外の経路で水平に移動する容器保持部であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、密封解除状態の蓋部材の回動角度が水平に対して約9度〜約15度であるという例を示したが、本発明はこれに限らず、蓋部材が開口部を覆った状態で密封状態が解除されれば、密封解除状態の蓋部材の回動角度が水平に対して約9度よりも小さくてもよいし、約15度よりも大きくてもよい。蓋部材を水平に対して約1度〜約30度回動させてもよく、好ましくは約5度〜約20度であり、より好ましくは約9度〜約15度である。蓋部材を約9度〜約15度回動させた場合には、開口部の密封状態をより円滑に解除することができる。
【0098】
また、上記実施形態では、押圧部材を昇降させる駆動部を制御する制御部の一例として、測定機構部のCPUを示したが、本発明はこれに限らず、押圧部材を昇降させる駆動部を制御装置のCPUで制御するようにしてもよい。また、この際、測定機構部の各部および検体搬送部の制御を制御装置のCPUで行ってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、蓋部材を約9度〜約15度回動させるために、密封解除部としての解除ローラを凸部の第1傾斜部(傾斜面)に当接させる例を示したが、本発明はこれに限らず、蓋部材による開口部の密封状態を解除できるのであれば、凸部に傾斜面を設けず、解除ローラを凸部の鉛直面に当接させるようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、液体の一例として、液体容器に試薬を収容する例を示したが、本発明はこれに限らず、液体容器に洗浄液を収容してもよいし、液体容器に検体を収容してもよい。また、これら以外の他の液体を液体容器に収容する場合にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施形態による分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による分析装置の全体構成を示した平面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による分析装置の測定機構部を示したブロック図である。
【図4】図1に示した一実施形態による分析装置の測定機構部の制御部を示したブロック図である。
【図5】図1に示した一実施形態による分析装置の制御装置を示したブロック図である。
【図6】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬設置部および反応部を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬設置部および反応部を示した斜視図である。
【図8】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬開閉機構部を示した斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による分析装置の密封解除部の構成を説明するための図である。
【図10】図1に示した一実施形態による分析装置の蓋部材移動部の構成を説明するための図である。
【図11】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられるR1試薬容器の構成を説明するための斜視図である。
【図12】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられるR1試薬容器の容器本体を示した斜視図である。
【図13】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられる試薬容器の蓋部材を示した斜視図である。
【図14】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられる試薬容器の支持部材を示した斜視図である。
【図15】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられる試薬容器の蓋部材の内面側を示した斜視図である。
【図16】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられる試薬容器の蓋部材の内面側から見た平面図である。
【図17】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられるR2試薬容器の容器本体を示した斜視図である。
【図18】図1に示した一実施形態による分析装置に用いられるR3試薬容器の容器本体を示した斜視図である。
【図19】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するための図である。
【図21】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するための図である。
【図22】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するための図である。
【図23】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作における密封解除状態を示した断面図である。
【図24】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作における密封解除状態を示した正面図である。
【図25】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作を説明するための図である。
【図26】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作における密封解除状態を示した断面図である。
【図27】図1に示した一実施形態による分析装置の試薬吸引処理動作における吸引状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 分析装置
2b CPU
6 R1試薬分注アーム
6a、7a、8a ピペット
7 R2試薬分注アーム
8 R3試薬分注アーム
100 R1試薬容器
101、111、121 容器本体
102a、112a、122a 開口部
110 R2試薬容器
120 R3試薬容器
130 蓋部材
131 凸部
131b 第1傾斜部
140 支持部材
163 内側テーブル
164 外側テーブル
171、181、191 密封解除部
172、182、192 蓋部材移動部
172a 第2エアシリンダ
181d 解除ローラ
182a 第4エアシリンダ
182c 押圧部材
183c ローラ
192a 第6エアシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に開口部を有し、液体を収容する容器本体と、前記開口部を密封する蓋部材とを含む液体容器を保持可能に構成された容器保持部と、
前記容器保持部に保持された前記液体容器内の液体を吸引するための液体吸引管を含む液体吸引部と、
前記蓋部材が前記開口部を覆った状態で前記蓋部材と前記開口部との密封状態を解除する第1動作と、前記密封状態が解除された状態で前記開口部を覆わない位置まで前記蓋部材を移動させる第2動作とを行うことにより、前記液体吸引管が前記液体容器内に挿入可能となるように前記開口部を開放する開口開放部とを備える、分析装置。
【請求項2】
前記開口開放部は、前記第1動作とは不連続な前記第2動作を実行するように構成されている、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記開口開放部は、前記蓋部材を第1の速度で移動させることにより前記第1動作を実行し、前記蓋部材を前記第1の速度とは異なる第2の速度で移動させることにより前記第2動作を実行するように構成されている、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記液体容器は、前記蓋部材を回動可能に支持する支持部を含み、
前記開口開放部は、前記蓋部材を第1角度回動させることにより前記第1動作を実行し、前記蓋部材を前記第1角度よりも大きい第2角度回動させることにより前記第2動作を実行するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項5】
前記開口開放部は、前記第1動作を実行する密封解除部と、前記第2動作を実行する蓋部材移動部とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項6】
前記蓋部材は、上面に凸部を有し、
前記密封解除部は、前記凸部に当接する当接部材を含み、
前記容器保持部および前記密封解除部の少なくともいずれか一方は水平移動可能に構成され、
前記容器保持部および前記密封解除部の少なくともいずれか一方の水平移動に伴って前記当接部材が前記凸部に当接することにより、前記密封状態が解除されるように構成されている、請求項5に記載の分析装置。
【請求項7】
前記蓋部材の前記凸部は傾斜面を有し、
前記容器保持部および前記密封解除部の少なくともいずれか一方の水平移動に伴って前記当接部材が前記傾斜面に当接することにより、前記密封状態が解除されるように構成されている、請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
前記容器保持部が一方方向側に水平に回転移動されることにより、前記当接部材が前記凸部に当接することによって、前記密封状態が解除されるように構成されている、請求項6または7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記液体容器は、前記蓋部材を回動することにより前記開口部が開放されるように構成され、
前記蓋部材移動部は、押圧部材と、前記押圧部材を昇降させる駆動部とを有し、
前記液体容器の前記密封状態が解除された後に、前記押圧部材により前記蓋部材の回動中心に対して前記開口部とは反対側の部分が下方に押圧されるように前記駆動部を制御する制御部をさらに備える、請求項5〜8のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記蓋部材が前記押圧部材に押圧されている状態で、前記開口部を介して前記液体吸引管を前記液体容器内に挿入するように前記液体吸引部を制御するよう構成されている、請求項9に記載の分析装置。
【請求項11】
前記開口開放部により開放された前記開口部を前記蓋部材による前記密封状態に戻す第3動作を行う開口密封部材をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項12】
前記開口密封部材は、前記密封状態が解除された状態の前記蓋部材に当接する位置に配置されており、
前記容器保持部および前記開口密封部材の少なくともいずれか一方は水平移動可能に構成され、
前記蓋部材と前記開口部との前記密封状態が解除された状態で、前記容器保持部および前記開口密封部材の少なくともいずれか一方の水平回転移動に伴って、前記開口密封部材が前記蓋部材に当接することにより、前記開口部が前記密封状態に戻されるように構成されている、請求項11に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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