説明

分注装置および気泡除去方法

【課題】気泡を確実に除去することができる分注装置および気泡除去方法を提供すること。
【解決手段】圧力センサ16によって出力された圧力信号に基づいて電磁弁18から分注ノズル11先端近傍まで給水ポンプ14によって充填された脱気水Wa内の気泡を検出する検出部34aと、検出部34aが配管12内の脱気水Wa内の気泡を検出した場合、ヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を上げる制御を行った後、電磁弁18から分注ノズル11先端近傍まで給水ポンプ14によって充填された脱気水Waを分注ノズル11から吐出する制御を行う気泡除去制御部34bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料を分注する分注装置および気泡除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、分注ノズルと給水ポンプとの間を接続する配管に分注ポンプが接続され、給水ポンプによって分注ノズル先端近傍まで脱気水を充填し、分注ポンプを動作させた際の脱気水への圧力伝達によって分注ノズルに液体試料を吸引し、吸引した液体試料を吐出して分注する分注装置が知られている。
【0003】
しかし、メンテナンス等によって部品類を交換した場合、分注ポンプに接続する配管内の表面あるいは分注ポンプのシリンダ内の表面に気泡が付着することがある。このような状態で液体試料を分注すると、気泡が圧力の伝達を不安定にするため、液体試料の分注量にばらつきが生じ、その結果、分注精度が低下してしまう問題点があった。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、シリンダの注入口から吐出口に向けてプランジャの周りを旋回するようにして液体を流すことによってシリンダ内部に旋回流を発生させ、この発生させた旋回流によってシリンダの内部およびプランジャの表面に付着する気泡を除去する分注装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−343246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シリンダ内部の液体に旋回流を発生させることによって気泡を除去する分注装置では、シリンダ内部の隅に付着した気泡を除去することができない場合があるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、気泡を確実に除去することができる分注装置および気泡除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる分注装置は、分注ノズルと給水ポンプとの間を接続する配管に分注ポンプが接続され、前記分注ポンプと前記給水ポンプとの間に設けられた給水弁から前記分注ノズル先端近傍まで前記給水ポンプによって充填され、かつ液温調整手段によって所定温度にした脱気水に対して前記給水弁を閉じた状態で前記分注ポンプを動作させることによって前記分注ノズルに液体試料を吸引し、吸引した該液体試料を吐出して分注する分注装置において、前記充填された脱気水内の気泡を除去する場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げた後、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記充填された脱気水内の気泡を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段によって前記充填された脱気水内の気泡を検出した場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げた後、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる分注装置は、上記の発明において、前記液温調整手段は、前記充填された脱気水を加熱する加熱部を有し、該加熱部は、前記分注ポンプの近傍に配置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる気泡除去方法は、分注ノズルと給水ポンプとの間を接続する配管に分注ポンプが接続され、前記分注ポンプと前記給水ポンプとの間に設けられた給水弁から前記分注ノズル先端近傍まで前記給水ポンプによって充填され、かつ液温調整手段によって所定温度にした脱気水に対して前記給水弁を閉じた状態で前記分注ポンプを動作させることによって前記分注ノズルに液体試料を吸引し、吸引した該液体試料を吐出して分注する分注装置の気泡除去方法において、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げる制御を行う温度上昇ステップと、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行う排出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる気泡除去方法は、上記の発明において、前記充填された脱気水内の気泡を検出する検出ステップを含み、前記温度上昇ステップは、前記検出ステップによって前記充填された脱気水内の気泡を検出した場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げる制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、給水弁から分注ノズル先端近傍まで充填された脱気水内の気泡を除去する場合、制御手段が、液温調整手段によって該充填された脱気水の温度を上げた後、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出するようにしているため、充填された脱気水内に存在する気泡は温度上昇に伴って大きくなり、管壁に付着した気泡や、シリンジとシリンジ溝との間に隠れて付着した気泡などの除去が困難な気泡が液内に流動し、脱気水流れに気泡が乗って排出するので、気泡を確実に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明にかかる分注装置および気泡除去方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態にかかる分注装置の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、この発明の実施の形態にかかる分注装置1は、分注ノズル11と電磁弁18との間が配管12によって接続され、配管12の途中に分注ポンプ13が接続される。電磁弁18は、給水ポンプ14を介して、補充用の脱気水Waを収容する給水タンク15に接続される。また、配管12には、給水ポンプ14によって吸い上げられた脱気水Waが電磁弁18の切換によって満たされる。さらに、分注ポンプ13と分注ノズル11との間の配管12の途中に、脱気水Waの圧力を検出する圧力センサ16が設けられる。さらに、配管12は、分注ノズル11と分注ポンプ13との間を接続する配管12aと、分注ポンプ13と電磁弁18との間を接続する配管12bとからなる。
【0016】
分注ノズル11は、脱気水Waを用いて、その先端側において液体試料としての検体を吸引または吐出する細管である。分注ポンプ13は、プランジャ駆動部13eの駆動のもとに、プランジャ13dを脱気水Wa内に出没させる往復動を行い、脱気水Waを介した圧力伝達によって分注ノズル11の先端に吸引圧または吐出圧を印加する。制御装置30は、分注装置1の分注処理に必要な各種の制御を行う。なお、分注ポンプ13の近傍には、この充填された脱気水Waを加熱する液温調整手段としてのヒーター17の加熱部17aが配置される。また、脱気水Waは、脱気されたイオン交換水あるいは蒸留水等の非圧縮性流体である。
【0017】
分注ノズル11は、ノズル駆動部11aによって図中矢印Xで示す水平方向及び矢印Zで示す上下方向に移動される。また、位置P1、位置P2および位置P3のそれぞれの位置に対応して、検体が収容された検体容器20、検体を吐出する反応容器21および脱気水Waを吐出する洗浄容器22が配置される。
【0018】
分注ポンプ13は、所定量の脱気水Waを収容する液体収容部13cを有する略円筒形状のシリンダ13aと、プランジャ駆動部13eによって往復動されことによって液体収容部13cに収容される脱気水Waの圧力の加減を行うプランジャ13dと、液体収容部13cに収容される脱気水Waの漏れを防止するとともに、プランジャ13dを挿通するシール部材13bとを有する。
【0019】
電磁弁18は、制御装置30の制御のもと、吸い上げた脱気水Waを配管12内に圧送する場合には、「開」に切り替えられ、分注ポンプ13によって分注ノズル11が検体を吸引し、吐出する分注動作を行う場合には、「閉」に切り替えられる。
【0020】
圧力センサ16は、分注ノズル11が検体を吸引あるいは吐出する際に配管12a内の圧力を検出し、検出した圧力を圧力信号として制御装置30に出力する。なお、圧力センサ16は、配管12内の脱気水Waへ伝達される圧力の変化を検出できればよく、例えば、配管12bに配置してもよい。
【0021】
ヒーター17は、略円筒形状の加熱部17aが分注ポンプ13の側面を覆うように配置される。ヒーター17は、配管12内の脱気水Wa、特にシリンダ13a内の脱気水Waを加熱によって一定温度、たとえば体温と同じ温度に保つ。なお、加熱部17aは、配管12の周囲にさらに設けることが好ましい。例えば、シート状の加熱部17aを用いて、さらに配管12bの側面を覆うようにしてもよい。
【0022】
制御装置30は、分注量等の各種情報を入力するためのキーボート、マウス等によって実現される入力部31と、警報情報等の各種情報を出力するためのディスプレイ、プリンタ、およびスピーカー等によって実現される出力部32と、各種情報を記憶する記憶部33と、制御装置30内の各種機能の制御を含めて分注装置1の制御を行う制御部34とを備える。制御部34は、配管12内の脱気水Waの気泡を検出する検出手段としての検出部34aと、検出部34aによって脱気水Waの気泡を検出した場合、ヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を、一定温度を超える、すなわち体温を超えた温度に上げる制御を行った後、脱気水Waを分注ノズル11から排出する制御を行う気泡除去制御部34bとを有する。
【0023】
ここで、分注装置1による全体動作について説明する。分注装置1は、まず、電磁弁18を「開」にして給水ポンプ14によって給水タンク15内の脱気水Waを配管12内に圧送し、分注ノズル11の先端近傍まで脱気水Waを満たす。次に、電磁弁18を「閉」に切り替え、ノズル駆動部11aによって分注ノズル11を検体容器20が配置された位置P1に位置決めする。その後、分注ノズル11を下降し、プランジャ駆動部13eによってプランジャ13dを駆動し、分注ノズル11内に検体を所定量、吸い込む。このとき、検体は、脱気水Waとの間に空気層が介在した状態で吸い込まれるので、脱気水Waと混ざり合うことはない。次に、プランジャ駆動部13eによって分注ノズル11を上昇し、反応容器21が配置された位置P2に分注ノズル11を位置決めする。その後、ノズル駆動部11aによって再び分注ノズル11を下降させ、プランジャ駆動部13eによってプランジャ13dを駆動して分注ノズル11内に吸い込んだ検体を反応容器21に吐出する。そして、ノズル駆動部11aによって分注ノズル11を上昇させ、洗浄容器22が配置された位置P3に分注ノズル11を位置決めする。その後、分注ノズル11を再び下降させ、電磁弁18を「開」に切り替える。そして、給水ポンプ14を駆動して給水タンク15内の脱気水Waを配管12内に圧送し、分注ノズル11から洗浄容器22に吐出して分注ノズル11内を脱気水Waで洗浄する。これにより、1つの検体を検体容器20から反応容器21に分注する一連の分注作業が完了する。一方、他の検体を分注するときには、以上の動作を繰り返すことにより、新たな検体容器20から新たな反応容器21に順次新たな検体を分注する。
【0024】
ここで、分注装置1が、例えば、メンテナンス等によって分注ポンプ13を交換した場合、配管12内の脱気水Waに気泡が混入することがある。このような場合、検出部34aは、圧力センサ16によって出力された圧力信号に基づいて配管12a内の圧力を検出し、検出した圧力波形に基づいて脱気水Wa内の気泡を検出し、気泡除去制御部34bは、検出部34aによって脱気水Wa内の気泡を検出した場合、ヒーター17によって脱気水Waの温度を上げさせた後、分注ノズル11から配管12内の脱気水Waを排出させる気泡除去処理を行う。
【0025】
ここで、図2および図3を参照して、制御部34が実施する気泡除去処理の処理手順について説明する。この気泡除去処理は、例えば、メンテナンス等のための分注ポンプ13の交換を完了した後に、例えば、オペレータによって入力部31から入力された気泡除去処理を行わせる信号が制御部34に出力された場合に実施される。気泡除去処理を行わせる信号が入力部31から制御部34に出力されると、まず制御部34は、給水ポンプ14によって脱気水Waを配管12内に充填し、この充填された脱気水Waをヒーター17によって分注処理の際に設定される設定温度、例えば、検体の取り扱いに適した体温程度の36℃に保持する(ステップS101)。次に、制御部34は、気泡除去動作を実行する(ステップS102)。この気泡除去動作は、例えば、分注ノズル11を位置P3に移動して洗浄容器22に位置決めした後、電磁弁18を開に切り替えて、給水ポンプ14を駆動して給水タンク15内の脱気水Waを配管12内に圧送し、配管12内の脱気水Waとともにこの脱気水Wa内の気泡を分注ノズル11から排出した後(図3(a)参照)、再び、給水タンク15内の脱気水Waを、配管12内に満たすことによって実行される。
【0026】
その後、制御部34は、電磁弁18を閉に切り替え、例えば、分注ノズル11を位置P1に移動して検体容器20に位置決めした後、プランジャ13dを駆動して検体を分注ノズル11から吸引する際に、検出部34aは、圧力センサ16によって出力された圧力信号に基づいて配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入しているか否かを判断し(ステップS103)、配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入していない場合(ステップS103;No)、本処理を終了させる。
【0027】
一方、配管12内の脱気水Waに気泡が混入している場合(ステップS103;Yes)、気泡除去制御部34bは、ヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を上げる(ステップS104)。これにより、配管12内の脱気水Wa内の気泡Asを温度上昇前に比して大きくすることができる(図3(b)参照)。次に、気泡除去制御部34bは、ステップS101と同様の気泡除去動作を実行する(ステップS105)。これにより、温度上昇前には小さすぎたために分注ノズル11から排出する脱気水Waの流れにのせることができずに除去できなかったシリンダ13a内部の隅に付着した気泡Asを除去することができる(図3(c)参照)。次に、検出部34aが、ステップS102と同様の判断処理で配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入しているか否かを判断し(ステップS106)、配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入している場合(ステップS106;No)、気泡除去動作にも拘わらず配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入している場合であるため、制御部34は、出力部32に分注装置1の異常を知らせる情報を出力し(ステップS107)、本処理を終了させる。一方、配管12内の脱気水Wa内に気泡が混入していない場合(ステップS106;Yes)、制御部34は、ヒーター17の設定温度を分注処理の際に設定される設定温度に戻し(ステップS108)、本処理を終了させる。
【0028】
この実施の形態の分注装置1によれば、検出部34aが、圧力センサ16によって出力された圧力信号に基づいて配管12内の脱気水Wa内の気泡を検出し、検出部34aによって配管12内の脱気水Wa内の気泡を検出した場合、気泡除去制御部34bがヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を上げる制御を行った後、配管12内の脱気水Waを分注ノズル11から吐出する制御を行っているため、配管12内の脱気水Wa内の気泡を温度上昇以前に比して大きくして、分注ノズル11から吐出する脱気水Waの流れに気泡をのせやすくしている。従って、気泡を確実に除去することができる。
【0029】
また、この実施の形態では、加熱部17aが、分注ポンプ13の近傍に配置されているため、液体収容部13cに収容された脱気水Waを効率よく温めることができる。従って、配管12内の脱気水Waの温度を効率よく上昇させることができる。
【0030】
また、この実施の形態では、メンテナンス等のために分注ポンプ13の交換を実施した場合に気泡除去処理を実施するものを例示したが、これに限らず、長時間に亘って分注作業を停止していた後に分注を再開する場合には、環境温度、気圧および些細なリーク等に起因して配管中に気泡が生じることが考えられるため、このような場合にも気泡除去処理を実施するようにしてもよい。
【0031】
さらに、この実施の形態では、検出部34aによって配管12内の脱気水Wa内の気泡を検出した場合に、ヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を上げた後、配管12の脱気水Waを分注ノズル11から排出するようにしていたが、これに限らず、ヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を分注処理の際に設定される設定温度より上げた後、配管12内の脱気水Waを吐出する制御を行うようにしてもよい。例えば、配管12内に充填された脱気水Wa内の気泡を除去する場合、検出部34aによる気泡の検出を省略し、まずヒーター17によって配管12内の脱気水Waの温度を分注処理の際に設定される設定温度より上げた後、配管12内の脱気水Waを分注ノズル11から排出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施の形態にかかる分注装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した制御部が実施する気泡除去処理の手順を示したフローチャートである。
【図3】図1に示した制御部が実施する気泡除去処理の手順を説明する図である。
【符号の説明】
【0033】
1 分注装置
11 分注ノズル
11a ノズル駆動部
12,12a,12b,12c,12d 配管
13 分注ポンプ
13a シリンダ
13b シール部材
13c 液体収容部
13d プランジャ
13e プランジャ駆動部
14 給水ポンプ
15 給水タンク
16 圧力センサ
17 ヒーター
17a 加熱部
18 電磁弁
20 検体容器
21 反応容器
22 洗浄容器
30 制御装置
31 入力部
32 出力部
33 記憶部
34 制御部
34a 検出部
34b 気泡除去制御部
A,As 気泡
Wa 脱気水
P1,P2,P3 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ノズルと給水ポンプとの間を接続する配管に分注ポンプが接続され、前記分注ポンプと前記給水ポンプとの間に設けられた給水弁から前記分注ノズル先端近傍まで前記給水ポンプによって充填され、かつ液温調整手段によって所定温度にした脱気水に対して前記給水弁を閉じた状態で前記分注ポンプを動作させることによって前記分注ノズルに液体試料を吸引し、吸引した該液体試料を吐出して分注する分注装置において、
前記充填された脱気水内の気泡を除去する場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げた後、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記充填された脱気水内の気泡を検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記検出手段によって前記充填された脱気水内の気泡を検出した場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げた後、前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記液温調整手段は、前記充填された脱気水を加熱する加熱部を有し、該加熱部は、前記分注ポンプの近傍に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の分注装置。
【請求項4】
分注ノズルと給水ポンプとの間を接続する配管に分注ポンプが接続され、前記分注ポンプと前記給水ポンプとの間に設けられた給水弁から前記分注ノズル先端近傍まで前記給水ポンプによって充填され、かつ液温調整手段によって所定温度にした脱気水に対して前記給水弁を閉じた状態で前記分注ポンプを動作させることによって前記分注ノズルに液体試料を吸引し、吸引した該液体試料を吐出して分注する分注装置の気泡除去方法において、
前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げる制御を行う温度上昇ステップと、
前記分注ノズルから前記充填された脱気水を排出する制御を行う排出ステップと、
を含むことを特徴とする気泡除去方法。
【請求項5】
前記充填された脱気水内の気泡を検出する検出ステップを含み、
前記温度上昇ステップは、前記検出ステップによって前記充填された脱気水内の気泡を検出した場合、前記液温調整手段によって前記充填された脱気水の温度を上げる制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の気泡除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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