説明

分注装置

【課題】異物を避けて液体試料を分注することが可能な分注装置を提供すること。
【解決手段】試料又は試薬を含む液体試料を分注プローブ6によって吸引し、吸引した液体試料を所定位置へ移送して吐出する分注装置。液体試料2aに鉛直方向に沿って光を照射する光源21と、光源から照射され、液体試料から反射或いは液体試料を透過した光によって液体試料を撮像するCCDカメラ22と、CCDカメラが撮像した画像情報に基づいて液体試料の水平面内の輝度分布を求め、求めた輝度分布に基づいて液体試料に存在する異物Sfの水平方向の存在位置を特定する画像処理装置23と、分注プローブを水平面内の互いに直交する2軸方向へ移動させる2軸ステージ7とを設け、特定された異物の水平方向の存在位置に基づいて2軸ステージによって分注プローブを移動させ、異物を避けて液体試料を吸引する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動分析装置等の分析装置は、試料と試薬の混合液の吸光度を測定することにより混合液中の化学成分を分析している。このとき、混合液中に気泡が存在すると正確な測定が妨げられることから、混合液中に存在する気泡の部分からの透過光を遮光することにより、気泡の有無に関係なく正確な試料測定を行う分析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−180368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、測定対象における気泡は、試料又は試薬を含む液体試料を分注する際にも存在しており、例えば、液体試料の表面に異物として気泡が存在すると、分析装置は、表面の気泡を液体試料の液面と誤検知してしまい、液体試料中に異物として気泡が存在すると、気泡と共に液体試料を吸引してしまう。この結果、分析装置は、液体試料の分注精度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
また、分析装置は、液体試料として血清等の血液成分を含む生体試料を分析対象とすることがある。血清に含まれているフィブリンや塵等の異物、特に、フィブリンは、血液の凝固因子であることから、分注の際に不用意に吸い込むと分注プローブが詰まってしまうことがある。しかも、特許文献1に記載の分析装置は、水平方向から光を照射するため、反応容器の鉛直方向における気泡の存在は検出することができるが、水平方向における気泡等の異物の位置を検出することができない。
【0006】
このため、特許文献1に記載の分析装置は、液体試料を分注する際に、分注プローブが液体試料に存在する気泡や血液成分に含まれるフィブリン等の異物の水平方向の位置と一致していると、上下動して液体試料を分注する分注プローブが液体試料と共に異物を吸引し、前記分注プローブの詰まりや分注精度の低下を招来してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、異物を避けて液体試料を分注することが可能な分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る分注装置は、試料又は試薬を含む液体試料を分注プローブによって吸引し、吸引した液体試料を所定位置へ移送して吐出する分注装置において、前記液体試料に鉛直方向に沿って光を照射する光源と、前記光源から照射され、前記液体試料から反射或いは前記液体試料を透過した光によって前記液体試料を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像情報に基づいて前記液体試料の水平面内の輝度分布を求め、求めた輝度分布に基づいて前記液体試料に存在する異物の水平方向の存在位置を特定する画像処理手段と、前記分注プローブを水平面内の互いに直交する2軸方向へ移動させる2軸ステージと、を設け、特定された前記異物の水平方向の存在位置に基づいて前記2軸ステージによって前記分注プローブを移動させ、前記異物を避けて前記液体試料を吸引することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る分注装置は、上記の発明において、前記光源は、白色光源であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る分注装置は、上記の発明において、前記画像情報は、モノクロの画像情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる分注装置は、2軸ステージによって分注プローブを移動させ、異物を避けて液体試料を吸引するので、異物を避けて液体試料を分注することができるという効果を奏する。
【0012】
また、光源は、白色光源を用いるので、液体試料よりも異物によって光が多量に吸収される。更に、画像情報は、モノクロの画像情報であるので、水平面内の輝度分布を求めると、異物の部分の輝度が、液体試料の部分の輝度に比べて小さくなり、輝度分布におけるコントラストの相違によって異物の存在を容易に確認することができると共に、この輝度分布に基づいて異物の水平方向の存在位置を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の分注装置にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の分注装置の概略構成図である。図2は、撮像手段が撮像した画像情報に基づいて求めた液体試料の水平面内の輝度分布を示す図である。図3は、異物の検出を説明するフローチャートである。
【0014】
分注装置1は、自動分析装置等の分析装置に組み込んで使用され、図1に示すように、支柱3、アーム4、駆動手段5、金属製の分注プローブ6、X−Yステージ7、制御装置10及び異物検出装置20を備え、試料又は試薬を含む液体試料を分注する。分注装置1は、アーム4を支柱3によって支持すると共に、支柱3を駆動手段5によって上下動、かつ、回転自在に支持している。分注装置1は、分析装置(図示せず)が搬送してくるサンプル容器2内の液体試料2aを分注プローブ6によって吸引し、吸引した液体試料2aを検査容器(図示せず)に吐出する。ここで、分注装置1は、液体試料を分注した後、分析装置(図示せず)が搬送してくる試薬容器内の試薬を分注するが、サンプル容器2内の液体試料2aを分注する場合について以下に説明する。
【0015】
駆動手段5は、支柱3を軸廻りに回転させると共に上下方向に移動させる。分注プローブ6は、下方に配置されたサンプル容器2内の液体試料2aを吸引し、検査容器(図示せず)に吐出する。サンプル容器2は、前記分析装置によって分注プローブ6の下方へ搬送されてくる。X−Yステージ7は、分注プローブ6、光源21及びCCDカメラ22を支持しており、図中に矢印で示すX軸方向に移動自在なXステージ7aとX軸方向に直交する紙面表裏方向に移動自在なYステージ7bとを有している。X−Yステージ7は、アーム4の下面に取り付けられてアーム4と共に駆動され、分注プローブ6や光源21及びCCDカメラ22をサンプル容器2の上方へ移動させる。
【0016】
制御装置10は、液面検知部12、判定部13、分注制御部14及びX−Yステージ制御部15を有している。
【0017】
液面検知部12は、アーム4に設けたセンサ11から出力されるアナログ信号としての接触信号や離脱信号を、デジタル変換して判定部13に出力する。センサ11は、分注プローブ6の下端が液体試料の液面に接触したときに接触信号を液面検知部12に出力し、分注プローブ6の下端が液体試料の液面から離れたときに離脱信号を液面検知部12に出力する。ここで、液面検知部12は、上記の他、例えば、分注プローブ6の静電容量の変化や分注プローブ6の配管内の圧力変化等によっても液体試料の液面を検知することができる。
【0018】
判定部13は、液面検知部12から送られてくるデジタル信号に基づいて前記接触信号や前記離脱信号が真の液面か否かを判定し、判定結果を分注制御部14に出力する。
【0019】
分注制御部14は、分注プローブ6による液体試料2aの吸引動作の制御の他、分析装置によって搬送されるサンプル容器2の予め設定された停止位置に基づく駆動手段5の作動の制御、光源21及びCCDカメラ22をサンプル容器2上方の定位置へ停止させる2軸ステージの作動、判定部13から出力される液面か否かの判定結果に基づく駆動手段5の作動等を予め設定されたプログラムに基づいて制御する。また、分注制御部14は、画像処理手段23から出力されるサンプル容器2内の液体試料2aに存在する異物Sfの位置情報が入力される。
【0020】
X−Yステージ制御部15は、液体試料2aに存在する異物Sfの位置情報が分注制御部14から入力される。X−Yステージ制御部15は、この位置情報に基づいてX−Yステージ7を駆動し、異物Sfが存在しない位置へ分注プローブ6を移動させる。但し、X−Yステージ7は、X−Yステージ制御部15の制御から切り離してマニュアルで操作することも可能である。
【0021】
異物検出装置20は、分注制御部14によって制御され、図1に示すように、光源21、CCDカメラ22及び画像処理手段23を有している。異物検出装置20が検出する異物Sfとしては、液体試料中や液体試料表面に存在する気泡のように液面の誤検知や分注精度低下の原因となるものや、液体試料が血清等の血液成分を含む生体試料のときにはフィブリンや塵等のように分注プローブ6を詰まらせる原因となるもの等がある。
【0022】
光源21は、サンプル容器2内の液体試料2aに鉛直方向に沿って上方から白色光を照射する。このとき、光源21は、液体試料2aに白色光を平行に照射することが好ましい。平行光とすることにより、液体試料2aに対して光を均一に照射し、不均一な光の分布に起因した輝度分布への影響を抑えるためである。CCDカメラ22は、光源21から照射され、サンプル容器2及び液体試料2aから反射した反射光に基づいてサンプル容器2及び液体試料2aのモノクロの映像を撮像する。画像処理手段23は、例えば、パーソナルコンピュータが使用される。画像処理手段23は、CCDカメラ22が撮像したモノクロの画像情報を処理してサンプル容器2及び液体試料2aの水平面内の輝度分布を求め、求めた輝度分布をディスプレイ23aに表示する。また、画像処理手段23は、求めた輝度分布に基づいて液体試料2aにおける異物Sfの存在を検出し、異物Sfの水平方向の存在位置を特定する。
【0023】
分注装置1は、分析装置によって搬送されてくる複数のサンプル容器2内の液体試料2aを分注プローブ6によって個々に吸引し、吸引した各液体試料2aを検査容器(図示せず)に吐出する。このとき、分注装置1は、液体試料2aを吸引する前に、異物検出装置20によって液体試料2a中の異物Sfの存在を検出し、水平方向の存在位置を特定する。
【0024】
以下、図3に示すフローチャートに基づいて、異物Sfの検出方法について説明する。異物Sfの存在の検出に先立ち、分注装置1は、分注制御部14による制御の下に、駆動手段5によって異物検出装置20の光源21及びCCDカメラ22をサンプル容器2の上方に停止させる。そして、図3示すフローチャートに従って異物検出方法が実行される。
【0025】
先ず、異物検出装置20は、分注制御部14による制御の下に、鉛直方向略上方の光源21から白色光を液体試料2aに照射する(ステップS31)。次に、この白色光の照射によるサンプル容器2内の液体試料2aからの反射光を利用し、CCDカメラ22によってサンプル容器2及び液体試料2aのモノクロの映像を撮像する(ステップS32)。
【0026】
次いで、CCDカメラ22が撮像したモノクロの画像情報に基づき、画像処理手段23が、図2に示すサンプル容器2及び液体試料2aの水平面内の輝度分布を求める(ステップS33)。そして、求めた輝度分布に基づいて液体試料2a中の異物Sfの存在を検出する。
【0027】
ここで、液体試料2aからの反射光には、液面から直接反射してくる反射光の他、異物Sfが存在する場合には、異物Sfからの反射光が含まれる。異物Sfからの反射光には、液体試料2aの表面に存在する気泡からの反射光や、一旦液体試料2a中に透過し、液体試料2a中に存在するフィブリンや塵或いは気泡等の異物Sfから反射してくる反射光が含まれる。
【0028】
このとき、フィブリンや塵等の異物Sfは、液体試料2aに比べて吸収される光量が多い。このため、水平面内の輝度分布を求めると、図2に示すように、異物Sfの部分の輝度Lfが、液体試料2aのみの部分の輝度Lsに比べて小さくなる。また、サンプル容器2は、乱反射によって縁の部分の輝度Ltが、液体試料2aのみの部分の輝度Lsに比べて小さくなるが、異物Sfの部分の輝度Lfよりも大きくなる。この結果、輝度分布は、異物Sfの部分の輝度Lf<サンプル容器2の縁の部分の輝度Lt<液体試料2aのみの部分の輝度Lsとなる。このため、異物Sfの部分の輝度Lfと液体試料2aのみの部分の輝度Lsあるいは縁の部分の輝度Ltとの差に関する閾値を予め設定しておけば、画像処理手段23は、この輝度分布におけるコントラストの相違によって異物Sfの存在を容易に検出することができる。また、前記輝度分布の相違からサンプル容器2の縁の部分、従ってサンプル容器2の位置を特定することができるため、サンプル容器2の特定の位置を基準として異物Sfの水平方向の存在位置を特定することができる。尚、液体試料2aが、血清等の血液成分を含む生体試料の場合、サンプル容器2及び液体試料2aをカラーで撮像すると、液体試料2aとフィブリン等の異物Sfとを明確に区別することが難しかった。
【0029】
このため、液体試料2a中に異物Sfが存在するとき、画像処理手段23は、求めた輝度分布から異物Sfの水平方向の存在位置を特定する(ステップS34)。このようにして異物Sfの存在位置を特定した後、異物検出装置20は、異物検出方法に基づく液体試料2aに存在する異物Sfの検出を終了する。このとき、異物Sfの存在位置は、例えば、上方から撮像したサンプル容器2の中心、サンプル容器2の任意の点あるいはXステージ7aやYステージ7bによるCCDカメラ22の移動位置等を基準として特定する。
【0030】
また、異物Sfの存在位置を特定後、画像処理手段23は、例えば、上方から撮像したサンプル容器2の中心を基準位置とした異物Sfの存在位置(X,Y)に関する位置情報を分注制御部14に出力する。これと共に、画像処理手段23は、注意喚起の警報を発生する。この警報は、例えば、ディスプレイ23aに表示した輝度分布中の異物Sfの部分の輝度Lfを光学的に強調した表示や警報音の発生等により、オペレータに注意を喚起させる。また、画像処理手段23は、警報に代えてエラーメッセージをディスプレイ23aに表示してもよい。
【0031】
そして、位置情報が入力されたX−Yステージ制御部15は、分注制御部14から入力される異物Sfの存在位置(X,Y)に関する位置情報及び光源21やCCDカメラ22の停止位置情報に基づいてX−Yステージ7を駆動し、異物Sfが存在しないサンプル容器2直上の位置へ分注プローブ6を水平方向に移動させる。このようにして分注プローブ6を移動させたら、分注制御部14による制御の下に、液体試料2aの分注を開始させる。
【0032】
このとき、警報やエラーメッセージを確認したオペレータは、異物Sfが存在しない位置へ分注プローブ6が移動されたか否かを確認する。分注プローブ6の水平方向の移動位置としては、例えば、図2に示すように、異物Sfとサンプル容器2の点線で示す縁との間の最大距離Lmaxの中間の位置Pとする。
【0033】
一方、液体試料2a中に異物Sfが存在しない場合、画像処理手段23は、分注制御部14にその旨の信号を出力する。これにより、分注制御部14は、X−Yステージ制御部15及び駆動手段5に駆動信号を出力し、分注プローブ6をサンプル容器2直上の予め設定した位置へ移動させた後、液体試料2aの分注を開始させる。
【0034】
分注に際しては、分注制御部14による制御の下に、駆動手段5によって支柱3を動かしてアーム4、従って分注プローブ6を下降し、液体試料2aを吸引させる。このとき、分注プローブ6は、異物Sfのない位置へ移動されているか、液体試料2a中には元々異物Sfが存在しないため、液体試料2aを吸引しても異物Sfを吸い込むという問題は生じない。
【0035】
次に、分注制御部14による制御の下に、支柱3がアーム4を上昇させ、支柱3を回動させてアーム4と共に分注プローブ6を図示しない検査容器の位置へ移動させる。そして、支柱3がアーム4を下降させた後、吸引した液体試料2aを検査容器に吐出させる。次いで、この検査容器は、別途試薬が分注され、液体試料2aと所定時間反応させた後、反応物が光学的に測定され、1サンプルの液体試料2aの測定が終了する。
【0036】
このようにして、液体試料2aを分注した分注プローブ6は、分析装置に組み込まれた洗浄装置の洗浄液によって洗浄された後、引き続いて搬送されてくる次のサンプル容器2から液体試料2aを同様にして分注してゆく。
【0037】
以上説明したように、CCDカメラ22が撮像したサンプル容器2及び液体試料2aのモノクロの画像情報に基づく輝度分布よれば、異物Sfの存在並びに水平方向の存在位置を明確に検出することができる。このため、分注装置1は、異物Sfの位置を避けて液体試料のみを吸引することができ、液面の誤検知や分注精度の低下、更には分注プローブ6の詰まりを回避して高い信頼性の下に液体試料を分注することができ、分注プローブ6の詰まりを事前に回避できるのでメンテナンス上の利点も大である。また、分注装置1は、異物Sfの存在を光学的に非接触で行うので、液体試料相互間におけるコンタミネーションの心配がない。
【0038】
尚、上記実施の形態においては、撮像装置としてCCDカメラ22を用いたが、CMOSカメラを用いてもよく、CMOSカメラを用いるとCCDカメラ22よりも消費電力を少なくすることができる。また、CCDカメラ22は、反射光に基づいて液体試料2aをサンプル容器2と共に撮像し、輝度分布に基づいて異物Sfの水平方向の存在位置を特定した。しかし、本発明においては、異物Sfの水平方向の存在位置が分かればよく、輝度分布よれば液体試料2aとサンプル容器2とは明確に区別することができる。このため、画像情報の処理に当たっては、液体試料2aの画像情報のみを処理するだけで、サンプル容器2の画像情報は処理しなくてもよい。
【0039】
また、異物Sfの水平方向の存在位置は、上方から撮像したサンプル容器2の中心を基準とした位置のほか、例えば、サンプル容器2の任意の点やXステージ7a及びYステージ7bによるCCDカメラ22の移動位置等を基準として特定してもよい。
【0040】
更に、異物検出装置20は、図4に示すように、サンプル容器8を挟んで下方に光源21を配置すると共に、上方にCCDカメラ22を配置し、液体試料8aを透過した光に基づいてCCDカメラ22によって液体試料8aを撮像してもよい。そして、CCDカメラ22が撮像した液体試料8aのモノクロの画像情報に基づいて画像処理手段23によって輝度分布を求め、異物Sfの水平方向の存在位置を特定する。この場合、サンプル容器8は、光源21からの光の液体試料8a内での集束を避けるため、底面が水平なものを使用する。
【0041】
また、異物検査装置20は、分注制御部14によって制御したが、画像処理手段23によって制御するようにしてもよい。さらに、異物検査装置20は、制御装置10と画像処理手段23とを一体化し、画像処理手段23によって制御するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる分注装置は、液体試料中に存在する異物を避けて液体試料のみを吸引するのに有用であり、特に、自動分析装置等の分析装置に組み込んで生体試料を分注するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の分注装置の概略構成図である。
【図2】撮像手段が撮像した画像情報に基づいて求めた液体試料の水平面内の輝度分布を示す図である。
【図3】異物の検出を説明するフローチャートである。
【図4】光源の配置を変更し、撮像手段が透過光によって液体試料の水平面内の輝度分布を求める場合を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 分注装置
2 サンプル容器
2a 液体試料
3 支柱
4 アーム
5 駆動手段
6 分注プローブ
7 X−Yステージ
7a Xステージ
7b Yステージ
8 サンプル容器
8a 液体試料
10 制御装置
11 センサ
12 液面検知部
13 判定部
14 分注制御部
15 X−Yステージ制御部
20 異物検出装置
21 光源
22 CCDカメラ
23 画像処理手段
23a ディスプレイ
Sf 異物



【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料又は試薬を含む液体試料を分注プローブによって吸引し、吸引した液体試料を所定位置へ移送して吐出する分注装置において、
前記液体試料に鉛直方向に沿って光を照射する光源と、
前記光源から照射され、前記液体試料から反射或いは前記液体試料を透過した光によって前記液体試料を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像情報に基づいて前記液体試料の水平面内の輝度分布を求め、求めた輝度分布に基づいて前記液体試料に存在する異物の水平方向の存在位置を特定する画像処理手段と、
前記分注プローブを水平面内の互いに直交する2軸方向へ移動させる2軸ステージと、
特定された前記異物の水平方向の存在位置と異なる位置へ前記分注プローブが移動するように前記2軸ステージの作動を制御する制御手段と、
を設け、
前記分注プローブが前記異物を避けて前記液体試料を吸引することを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記光源は、白色光源であることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記画像情報は、モノクロの画像情報であることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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