説明

分級装置及び分級方法、並びにトナー及びその製造方法

【課題】分級装置の分級室内での分級精度を向上させ、必要とする大きさの範囲の粒子を高効率で分離することができる分級装置及び分級方法、並びにトナー及びトナーの製造方法の提供。
【解決手段】分級装置は、円筒形状のケーシングと、粉体材料供給口と、ルーバー環と、センターコアと、セパレータコアと、を有し、前記ケーシングの上部内壁及び前記センターコアで画成され、高圧エアーと共に粉体材料を分散するための分散室と、前記センターコア、前記セパレータコア、及び前記ケーシングの内壁で画成され、前記分散室から流入する粉体材料を、微粉と粗粉とに遠心分離するための分級室と、前記ルーバー環の外周に配置され、前記粉体材料供給口から高圧エアー及び粉体材料が供給される流路と、を備え、前記粉体材料供給口と前記ルーバー環を含む断面において、前記ルーバー環が、前記粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線と交差しない位置に配置された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための乾式トナーを製造する際に用いられる分級装置及び分級方法、並びにトナー及びトナーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トナーの微粉砕粗粉分級方法として、1台の分級機BZ1と1台の粉砕機FZ1との組合せ(例えば、図1)、2台の分級機BZ1,BZ2と1台の粉砕機FZ1との組合せ(例えば、図2)、2台の分級機BZ1,BZ2と2台の粉砕機FZ1,FZ2との組み合わせ(例えば、図3)、などが知られている。
前記粉砕機の例としては、高圧気流をジェットノズルから噴出させ、前記高圧気流中に原料粒子を巻き込み、粒子同士の相互衝突及び粒子と壁等の衝突体との衝突により粉砕を進めるジェット式粉砕装置がある。
【0003】
前記ジェット式粉砕装置を、図3を用いて説明する。
図3において、原料は原料供給管FE1を経て供給され、粉砕物と共に原料は、第1分級機BZ1に高圧エアーと共に導入され、粗粉と微粉に分けられる。
粗粉は、第1粉砕機FZ1で粉砕され、サイクロンCY1で一旦捕集され、再び、第2分級機BZ2へ導入され、粗粉と微粉とに分けられる。
次いで、分けられた粗粉は、第2粉砕機FZ2で粉砕され、サイクロンCY2で捕集される。
そして、微粉分級手段に送られ、微粉と製品とに分けられる。
しかしながら、前記ジェット式粉砕装置では、第1分級機BZ1には、原料の粉体のみならず、粉砕の過程にある種々の粒径の粉体が供給されるため、分級効率が低いという問題がある。
【0004】
図4に、分級機BZ1及びBZ2としての気流式分級装置(気流式DS分級装置)の構成を示す。
気流式分級装置は、分散室(コレクター分散室)1と、分級室7と、下部ホッパー8とから構成されている。
分散室1の上部外周面に、一次空気流及び粉体材料供給のための粉体材料供給口2が、円筒形状のケーシング15の周面からの流入口として接続されている。
また、分散室1内の下には、笠状のセンターコア9が取り付けられ、このセンターコア9の下には、笠状のセパレータコア13が形成され、分級室7の周壁外周部には、二次空気流が流入するための流路として羽形状をした二次空気流入口14(ルーバーとも呼ばれる)が配置され、粉体材料を分散させると共に旋回速度を加速させるように構成されている。
したがって、分級室7内の微粉は、セパレータコア13の微粉排出口10に導かれ、微粉排出口10に連結した微粉排出管11よりブロワーの吸引力によって排出される。
また、粗粉は、セパレータコア13の下縁外周囲に設けられた環状の粗粉排出口12から排出される。
【0005】
気流式DS分級方式の分級原理は、分級室内において流入する二次空気流が粉体材料を旋回上に反自由流動させる際、該粉体材料中の粗粒子及び微粒子に対して働く遠心力及び向心力が異なることを利用するものである。
したがって、分級室内では分散された粗粒子及び微粒子が再凝集することなく、速やかに粗粒子及び微粒子に分級されることが望ましい。
【0006】
しかしながら、従来の気流式DS分級装置では、トナー粒子の小粒径化に伴う粒子個数の増加及び粉砕処理能力の向上による粒子個数の増加により、分級機内の分散能力が低下するので、分級精度が低下し、微粉排出部への粗粉の混入が避けられない状態にあり、分級工程を経て分級された製品を用いた場合、地汚れ現象が生じ、転写不良で共に画質を低下させる等の問題がある。
また、生産においても、分級機に過大な負荷がかかるため分級の効率が悪く、そして、粉砕のエネルギー効率が悪いという問題がある。
【0007】
なお、分散室(コレクター部)にルーバーを設けた分級機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ルーバーに粉体及び一次エアーを導入するノズルを差し込むとともに、ルーバー外周面より二次エアーを流入させて、分散を向上させる機構となっているため、高圧エアーと共に流入する原料を供給すると、分散室内の圧力差によって、原料が分散室から大気放出され分級継続が不可能となる問題がある。
【0008】
また、分散室に、複数の案内羽根を一定間隔を空けて環状に配置してなるルーバー環と、該ルーバー環の外周に配置され、前記粉体材料供給口から高圧エアー及び粉体材料が供給される流路とを設けた気流式分級装置であって、粉砕で発生した超微粉を分散室で予め回収し分級精度を向上させ、また、分散室内部に設置したルーバー環における各羽根間の隙間を介して高圧エアーと共に原料をコレクター分散室に分散流入させることにより、分散性を向上させた気流式分級機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この気流式分級機を用いることにより、粉体材料供給口より投入された粉体材料がルーバー環における各羽根間の隙間を通り、全周から分散室内に分散供給できるようになり、従来の分級機と比較して供給される粒子同士の凝集を防止できる効果がある。
【0009】
しかしながら、ルーバー環側壁面の延長線(粉体材料供給口入口内側と、粉体材料供給口出口内側とを結んだ直線の延長線)より、ルーバー環が外側に張り出しているので(図5)、前記分級機では、粉体材料供給口より供給された気流が羽根に衝突し、旋回速度が遅くなることがあり、また、気流が羽根に衝突することで、羽根と羽根の隙間の気流が乱れ、隙間の速度が環状に配置されている羽根の場所によって速度分布が異なるので、供給された粉体材料が十分に分散できず、分級精度及び製品収率が低下してしまうという問題がある。
また、原料(トナー)を原料投入管から投入した後に、該トナーを分散室ガイドベーンから導入された気体によって分散する技術が提案されています(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この技術では、ルーバー環の中を原料と気体の両方が通るものではなく、供給された原料を効率的に分散できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、分級装置の分級室内での分級精度を向上させ、必要とする大きさの範囲の粒子を高効率で分離することができる分級装置及び分級方法、並びにトナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 円筒形状のケーシングと、該ケーシングの上部に配置された、高圧エアー及び粉体材料を供給する粉体材料供給口と、前記ケーシングの上部に配置された、複数の円弧状の案内羽根が環状に配置されたルーバー環と、前記粉体材料供給口の下方に配置されたセンターコアと、該センターコアの下方に配置され、中心に開口部を有するセパレータコアと、を有し、前記ケーシングの上部内壁及び前記センターコアで画成され、前記高圧エアーと共に前記粉体材料を分散するための分散室と、前記センターコア、前記セパレータコア、及び前記ケーシングの内壁で画成され、前記分散室から流入する粉体材料を、微粉と粗粉とに遠心分離するための分級室と、前記ルーバー環の外周に配置され、前記粉体材料供給口から高圧エアー及び粉体材料が供給される流路と、を備え、前記粉体材料供給口と前記ルーバー環を含む断面において、前記ルーバー環が、前記粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線と交差しない位置に配置されたことを特徴とする分級装置である。
<2> 粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、前記粉体材料供給口の導入開口端を含む線と平行であり、かつ、センターコアの中心を通る線と、前記粉体材料供給口の前記ルーバー環側壁面の延長線との交点から前記ケーシングの中心までの距離R1と、前記ルーバー環外側から前記センターコアの中心までの距離R2とが、R1≧R2を満たす前記<1>に記載の分級装置である。
<3> 粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、案内羽根の両端とセンターコアの中心とがなす角度αが、α≧30°を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の分級装置である。
<4> 粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、前記粉体材料供給口の導入開口端を含む線と平行であり、かつ、センターコアの中心を通る線及び前記粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線の交点と前記センターコアの中心とを結ぶ線と、前記ケーシングの内壁及び前記ルーバー環側壁面の交点と前記センターコアの中心とを結ぶ線と、がなす角βが、β≧15°を満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載の分級装置である。
<5> 案内羽根が、分級装置の重力方向の中心軸を中心とする同心円上に等間隔に設けられている前記<1>から<4>のいずれかに記載の分級装置である。
<6> 案内羽根が、脱着可能である前記<1>から<5>のいずれかに記載の分級装置である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の分級装置を用いたことを特徴とする分級方法である。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の分級装置を用いて粉体材料を分級する分級工程を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<9> 前記<8>に記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナーである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、分級装置の分級室内での分級精度を向上させ、必要とする大きさの範囲の粒子を高効率で分離することができる分級装置及び分級方法、並びにトナー及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、トナーの粉砕粗粉分級フローを示す概略構成図である(その1)。
【図2】図2は、トナーの粉砕粗粉分級フローを示す概略構成図である(その2)。
【図3】図3は、トナーの粉砕粗粉分級フローを示す概略構成図である(その3)。
【図4】図4は、従来の分級装置の一例の構成を示す概略断面図である。
【図5】図5は、従来の分級装置の一例を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明に係る分級装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】図7は、図6のA−A断面図である。
【図8A】図8Aは、本発明に係る分級装置の他の一例を示す概略構成図である(その1)。
【図8B】図8Bは、本発明に係る分級装置の他の一例を示す概略構成図である(その2)。
【図8C】図8Cは、本発明に係る分級装置の他の一例を示す概略構成図である(その3)。
【図8D】図8Dは、本発明に係る分級装置の他の一例を示す概略構成図である(その4)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(分級装置及び分級方法)
以下、本発明の分級装置の説明を通じて、本発明の分級方法の詳細についても明らかにする。
本発明の分級装置は、少なくとも、ケーシングと、粉体材料供給口と、ルーバー環と、センターコアと、セパレータコアと、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記分級装置は、分散室と、分級室と、流路とを備える。
【0015】
<ケーシング>
前記ケーシングの形状としては、円筒形状である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ケーシングの構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0016】
<粉体材料供給口>
前記粉体材料供給口は、ケーシングの上部に配置され、高圧エアー及び粉体材料を供給するためのものであり、高圧エアー及び粉体材料を供給される導入開口端と、粉体材料供給口の内壁とによって画成されるものである。
前記粉体材料供給口の形状、構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導入開口端の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形状、矩形状、などが挙げられる。
前記導入開口端の形状が円形状である場合、円の径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、110mm〜170mmが好ましい。
【0017】
−高圧エアー−
前記高圧エアーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.4MPa〜0.7MPaの空気、などが挙げられる。
【0018】
−粉体材料−
前記粉体材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、金属粉、などが挙げられる。
前記粉体材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm〜15μmが好ましく、5μm〜8μmがより好ましい。
【0019】
<ルーバー環>
前記ルーバー環は、前記ケーシングの上部に、複数の案内羽根が環状に配置されたものである。
前記ルーバー環は、粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線と交差しない位置に配置されている。
【0020】
−案内羽根−
前記案内羽根の断面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円弧状、矩形状、などが挙げられる。
これらの中でも、案内羽根の隙間を通過する流れを滑らかにする点で、円弧状が好ましい。
前記案内羽根の配置としては、粉体材料供給口から投入された粉体にかかる遠心力を均一にできるという点で、分級装置の重力方向の中心軸を中心とする同心円上に等間隔に設けられていることが好ましい。
前記案内羽根の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mm〜6mmが好ましい。
前記案内羽根の厚みが、2mm未満であると、ルーバー環の機械的強度が低下するばかりでなく、粉体材料の構成によっては、連続運転時に、羽根の表面が磨耗して、案内羽根が破損することがあり、6mm超であると、案内羽根の隙間が狭くなり、圧力損失によって供給されたエアがスムースに流れなくなり、分級室での流れの速度が減少し、分級効率が低下することがある。
前記案内羽根は、同じケーシングを用い、案内羽根のみが取り替えられ、また、清掃時間の短縮につながる点で、脱着可能であることが好ましい。
前記案内羽根の両端と前記ケーシングの中心とがなす角度α(図7)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、30°以上であることが好ましく、30°〜60°であることがより好ましく、40°〜60°であることが特に好ましい。
前記角度αが、30°未満であると、隙間の速度が十分に上がらず、円周上の速度もばらついてしまうことがある。一方、前記角度αが、40°〜60°であると、隙間を通過する間に粉体の速度が上がり、円周上の速度も安定する点で有利である。
前記案内羽根の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10枚〜20枚が好ましく、12枚〜16枚がより好ましい。
前記案内羽根同士の隙間距離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0021】
<センターコア>
前記センターコアは、粉体材料供給口の下方に配置されたものである。
前記センターコアの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、旋回流を滑らかに形成できる点で、笠形状が好ましい。
前記センターコアの構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記センターコアは、その中心に設けられた微粉排出孔(不図示)と、後述するセパレータコアの開口部に延びる微粉排出管(不図示)とを有することにより、後述する分散室内の高圧エアーと共に流入した粉砕物又は原料の分散性を、従来の分級装置と比べて、向上させる効果がさらに有効活用され、粉砕で発生した超微粉を分散室で予め回収し分級精度を向上させることができ、過粉砕を防止し、微粉(粉砕上がり)中に混入する粗粉量を減少させることが可能となる。
【0022】
<セパレータコア>
前記セパレータコアは、センターコアの下方に配置され、中心に開口部を有するものである。
前記セパレータコアの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記センターコアと同様に、旋回流を滑らかに形成できる点で、笠形状が好ましい。
前記セパレータコアの構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータコアは、その中心に設けられた微粉排出口(図6の10)と、セパレータコアの開口部に延びる微粉排出管(図6の11)とを有することにより、分級精度を向上させることができ、過粉砕を防止し、微粉(粉砕上がり)中に混入する粗粉量を減少させることが可能となる。
【0023】
<分散室>
前記分散室は、前記ケーシングの上部内壁及び前記センターコアで画成され、前記高圧エアーと共に粉体材料を分散するためのものである。
前記分散室の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0024】
<分級室>
前記分級室は、前記センターコア、前記セパレータコア、及び前記ケーシングの内壁で画成され、前記分散室から流入する粉体材料を、微粉と粗粉とに遠心分離するためのものである。
前記分級室の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0025】
<流路>
前記流路は、ルーバー環の外周に配置され、前記粉体材料供給口から高圧エアー及び粉体材料が供給されるものである。
【0026】
<距離R1と距離R2との関係>
図7に示すように、粉体材料供給口2の導入開口端2aを含む線と平行であり、かつ、センターコア9の中心19を通る線と、粉体材料供給口2のルーバー環側壁面2bの延長線との交点18からセンターコア9の中心19までの距離(粉体材料供給口2の入口内側16と出口内側17とを結んだ直線2bの延長線、及びセンターコア9の中心19から粉体材料供給口と平行な直線の交点18からセンターコア9の中心19までの距離)R1と、ルーバー環外側6aからセンターコア9の中心19までの距離R2とが、R1≧R2を満たす。
【0027】
<角β>
図7に示すように、粉体材料供給口2のルーバー環側壁面2bの延長線(粉体材料供給口2の入口内側16と出口内側17とを結んだ直線の延長線2b)と、粉体材料供給口2の導入開口端2aを含む線と平行であり、かつ、センターコア9の中心19を通る線との交点18とし、ケーシング15の内壁と粉体材料供給口2のルーバー環側壁面2bとの交点(粉体材料供給口2の出口内側)17とした場合、交点18とセンターコア9の中心19とを結ぶ線と、交点17とセンターコア9の中心19とを結ぶ線と、がなす角βとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15°以上が好ましく、30°以上がより好ましい。
前記角βが、15°未満であると、ケーシングの内側を回る気流の速度が速くなることで、トナーがルーバー環の隙間を通り分級室へ導かれにくくなることがある。一方、前記角βが、30°以上であると、ケーシングの内側を回る気流の速度が遅くなることで、トナーがルーバー環の隙間を通り分級室へ導かれ易くなる点で好ましい。
【0028】
以下に、本発明に係る気流式分級装置について説明する。
なお、本発明の気流式分級装置は、図1〜図3に示した微粉砕粗粉分級工程で使用されるものである。
【0029】
図6は、本発明に係る気流式分級装置の一例を示す概略断面図である。
図6において、気流式分級装置は、上部に高圧エアー及び粉体材料(粉状の原料及び原料の粉砕物)を供給する粉体材料供給口2を有する円筒形状のケーシング15内に、上から順に笠形状のセンターコア9と、笠形状で中心に開口部10を有するセパレータコア13とを有し、前記ケーシング15の上部内壁とセンターコア9とで画成され、前記高圧エアーと共に供給される粉体材料を分散する分散室1と、前記センターコア9、セパレータコア13、ケーシング15の内壁とで画成され、前記分散室1から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室7と、下部ホッパー8と、から構成されている。
【0030】
図7は、図4のA−A断面図である。
図7に示すように、分散室1内にルーバー環6を設けることにより、粉体材料供給口2から供給される高圧エアー及び粉体材料(流粉体)は、流路3を通ってルーバー環6の外周全周に行き渡るとともに、ルーバー環6の羽根5の間を通って分散室内部4に流入することから、粉流体がルーバー環6の外周から均等にルーバー環6の内側(分散室内部4)に流入することとなり、分散室1における粉体材料の分散をさらに向上させることができる。
【0031】
また、図7に示すように、本発明の分級装置においては、分散室内部4に円弧状の複数の羽根5を配置したルーバー環6を有し、粉体材料供給口の開口端を含む線と平行であり、かつ、センターコア9の中心19を通る線と、粉体材料供給口2のルーバー環側壁面2bの延長線との交点18からケーシングの中心19までの距離(粉体材料供給口入口内側16と材料供給口出口内側17を結んだ直線との交点18から、センターコア9の中心19までの距離)をR1、ルーバー環6外側とセンターコア9の中心19までの距離をR2とした場合、R1≧R2を満たすように設定されている。
センターコア9の中心19は、分級装置の重力方向の中心軸で定義されるものである。
【0032】
上記のような関係が成立するようルーバー環6を構成することによって、粉体材料供給口2より投入された粉体材料は、ルーバー環6における各羽根間の隙間を通り、全周から分散室1内に分散供給できるようになり、供給される粒子同士の凝集を防止できる効果がある。
また、R1≧R2としたことで、前記粉体材料供給口2のルーバー環側内壁面2b(粉体材料供給口入口内側16と粉体材料供給口出口内側17を結んだ直線)の延長線より、ルーバー環6が内側(センターコア9の中心19側)に配置されるようになり、粉体材料供給口2より供給された気流が羽根5に衝突することがなく、羽根5と羽根5の隙間の気流が乱れることなく、さらに、環状に配置されている羽根5の隙間の速度も円周上で均一になり、供給された粉体材料を十分に分散することができ、効率良く粗粉と微粉とに遠心分級することができる。
【0033】
本発明者らは、ルーバー環6を構成している円弧状の複数の羽根5を配置したルーバー環6を有し、前記粉体材料供給口入口内側16と材料供給口出口内側17を結んだ直線の延長線と、粉体材料供給口2の導入開口端2aを含む線と平行であり、かつ、センターコア9の中心19を通る線(センターコア9の中心19から粉体材料供給口2の導入開口端2aと平行に延びる直線)との交点18から、センターコア9の中心19までの距離をR1、ルーバー環6外側とセンターコア9の中心19までの距離をR2とした場合、R1≧R2を満たすようにした場合と、図5に示す従来のルーバー環(R1<R2)とについて、数値解析を行った。その結果、R1≧R2の条件のルーバー環6を設置した場合、図5のルーバー環を設置した場合に比べて、羽根5と羽根5の隙間を通過する速度を円周上に抽出すると、最大速度と最小速度の差が従来のルーバー環が約18m/sであったのに対し、R1≧R2の条件では約4m/sになることが分かった。ここで隙間を通過する速度は、気流速度を指す。
過去の本発明者らの実験および数値解析結果から、本発明のような分散室内に配置されたルーバー環6を利用して粉体材料を粗粉と微粉に分級する機構において、その粉体材料が羽根5と羽根5の隙間を通過する速度を円周上に抽出したとき、最大速度と最小速度の差が約5m/s以下であると、分級効率が明らかに向上することを見出しており、羽根5と羽根5の隙間を通過する速度の最大速度と最小速度の差が5m/s以下になるR1≧R2の条件を満たすようにすることで、従来よりも分級効率を向上させることができる。
【0034】
次に、前記のR1≧R2の条件に加えて、ルーバー環6を構成している羽根5それぞれの両端とケーシング15の中心とがなす角度をαとした場合、α≧30°を満たす場合と、α<30°を満たす場合のルーバー環6とについて、数値解析を行った。その結果、α≧30°とR1≧R2の条件のルーバー環6を設置した場合、羽根5と羽根5の隙間を通過する速度を円周上に抽出すると、最大速度と最小速度の差が約2m/sであり前記のR1≧R2の条件を満たした場合の約4m/sに比べて約2m/s速度差を抑えることができた。また、R1≧R2、α<30°の条件のルーバー環6を設置した場合、最大速度と最小速度の差は約5m/sであり、前記のR1≧R2に比べて約1m/s速度差が大きくなり、効果が見られなかった。よって、α≧30°の条件を満たすことで、従来よりもさらに分級効率を向上させることができる。なお、αの上限は65°程度である。
【0035】
さらに、前記のR1≧R2の条件に加えて、粉体材料供給口出口内側17と、粉体材料供給口2のルーバー環側内壁面2b(粉体材料供給口入口内側16と粉体材料供給口出口内側17を結んだ直線)の延長線と、粉体材料供給口2の開口端2aを含む線と平行であり、かつ、センターコア9の中心19を通る線(センターコア9の中心19から粉体材料供給口2と平行に延びる直線)との交点18と、センターコア9の中心19とがなす角をβとした場合、β≧15°を満たす場合と、β<15°を満たす場合のルーバー環6とについて、数値解析を行った。その結果、β≧15°とR1≧R2の条件のルーバー環6を設置した場合、羽根5と羽根5の隙間を通過する速度を円周上に抽出すると、最大速度と最小速度の差が約3m/sであり、前記のR1≧R2の条件を満たした場合の4m/sに比べて約1m/s速度差を抑えることができた。羽根5と羽根5の隙間を通過する速度を円周上に抽出すると、R1≧R2の条件のルーバー環6と、β≧15°の条件を加えたルーバー環6では最大速度と最小速度の差は約4m/sである。また、R1≧R2の条件のルーバー環6とβ<15°の条件を加えたルーバー環6では、最大速度と最小速度の差は約5m/sであり、前記のR1≧R2に比べて約1m/s速度差が大きくなり、効果が見られなかった。よってβ≧15°の条件を満たすようにすることで、従来よりも分級効果を更に向上させることができるのである。なお、βの上限は45°程度である。
【0036】
さらに、図8A〜Dに示すように、ルーバー環6を構成している複数の羽根5を脱着可能なようにした。図8A〜Dは、羽根5の脱着機構の一部を示す構成図であり、それぞれ分級装置から取り外したときの状態を示す。通常、連続的に分級装置を運転し、粉体材料を分級すると、分級する条件及び粉体材料の種類によってその様子は異なるが、羽根5の表面に粉体材料が付着する場合がある。粉体材料の付着が進行すると、粉体材料を変更する際の清掃作業が煩雑になるばかりでなく、粉体材料の付着によって羽根5の隙間が狭くなるため、圧力損失が生じ、このため供給されたエアーが滑らかに流れなくなり、分級室7でのエアーの流れの速度が減少し、分級効率が低下することもある。したがって、羽根5を脱着可能にすることで、付着した粉体材料を清掃する作業を簡略化でき、清掃時間を短縮できることから、条件変更時に要するトータルの時間が短くなり、生産性を向上させることができる。
【0037】
本発明の分級装置及び分級方法は、分級装置を構成しているルーバー環6の簡易な設備変更により分級効率の向上を図ることができ、所望の粒径範囲であって、誤差の少ない、分級精度の良い粒子を高効率に分級することができる。また、本実施形態の分級装置及び分級方法は、樹脂、農薬、化粧品、顔料など粒径がミクロン単位の微粉状製品の製造用に、極めて有効に適用できるものである。特に、以下に説明するトナーの製造方法に好適である。
【0038】
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも分級工程を含み、溶融混練工程、粉砕工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記分級工程は、上述した本発明の前記分級装置を用いて行われる。
【0039】
<溶融混練工程>
前記溶融混練工程は、トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する工程である。
該溶融混練機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。前記溶融混練機の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、神戸製鋼所製のKTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製のTEM型押出機、浅田鉄工株式会社製のKCK混練機、池貝鉄工所製のPCM型二軸押出機、Buss社製のコニーダー、などが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
【0040】
前記トナー材料は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0041】
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、代表的な結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色、カラー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
【0044】
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
【0045】
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。
前記スチレン系共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0047】
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
【0048】
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記カルボニル基含有ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが好ましい。
【0050】
前記ポリオレフィンワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
【0051】
前記長鎖炭化水素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
【0052】
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
【0053】
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
【0055】
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。
前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
【0056】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
【0057】
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子が好ましい。
【0058】
<粉砕工程>
前記粉砕工程は、少なくとも1つの粉砕機と、場合によっては少なくとも1つの粗粉分級工程を用いて微粉砕を行う工程であり、前記粉砕工程で用いられる該粉砕機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、気流式粉砕機、流動層式粉砕機、機械式粉砕機などが挙げられる。
前記気流式粉砕機としては、例えば、日本ニューマチック工業株式会社製の超音速ジェット粉砕機、日清エンジニアリング株式会社製のスーパージェットミル、ホソカワミクロン株式会社製のミクロンジェットなどが挙げられる。
前記流動層式粉砕機としては、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のカウンタージェット粉砕機、栗本鐵工所社製のクロスジェットミルなどが挙げられる。
前記機械式粉砕機としては、例えば、株式会社アーステクニカ社製のクリプトロン、日清エンジニアリング株式会社製のスーパーローター、ターボ工業株式会社製のターボミルなどが挙げられる。
【0059】
(トナー)
本発明のトナーは、本発明の前記トナーの製造方法により製造される。
前記トナーは、粒径4.0μm以下の微粉含有率は、15個数%以下であることが好ましく、10個数%以下がより好ましい。また、粒径12.7μm以上の粗粉含有率は、5.0質量%以下であることが好ましく、0質量%〜2.0質量%がより好ましい。
前記トナーの体積平均粒径は、5.0μm〜12.0μmが好ましく、5.0μm〜8.0μmがより好ましい。
ここで、前記粒度分布及び体積平均粒径は、例えば、粒度測定器粒度測定器(コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII、又はコールターマルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】
本実施例においては、スチレン−アクリル共重合体85質量部、及びカーボンブラック15質量部の混合物を溶融混練、冷却し、これをハンマーミルで粗粉砕し、流動層式粉砕機にて、微粉砕した粉体材料を、図6及び図7に示す分級装置によって分級を行った例を以下に示す。
以下の実施例及び比較例において、粒子の粒度分布及び体積平均粒径は、以下のようにして測定した。
【0062】
<体積平均粒径及び粒度分布の測定>
コールターカウンター法による粒子の体積平均粒径及び粒度分布の測定装置としては、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)を用いて粒径及び粒度分布を測定した。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1mL〜5mL加えた。ここで、電解液として1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。次いで、測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で1分間〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粉体の体積を測定して、体積分布を算出した。得られた分布から、粉体の体積平均粒径及び粒度分布を求めた。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
【0063】
(実施例1)
図7に示す距離R1、R2、角度α、角度βを、R1=275mm、R2=260mm、α=25°、β=10°としたルーバー環6を設置し、さらに、羽根5の厚みは4mm、羽根5は13枚とし、粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は80kg/hであった。
【0064】
(実施例2)
実施例1において、R1=275mm、R2=260mm、α=30°、β=10°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.5%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は82kg/hであった。
【0065】
(実施例3)
実施例1において、R1=275mm、R2=260mm、α=25°、β=15°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は83kg/hであった。
【0066】
(実施例4)
実施例1において、R1=275mm、R2=260mm、α=30°、β=15°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は85kg/hであった。
【0067】
(実施例5)
実施例1において、R1=275mm、R2=260mm、α=40°、β=15°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.4%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は87kg/hであった。
【0068】
(実施例6)
実施例1において、R1=275mm、R2=260mm、α=40°、β=30°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は90kg/hであった。
【0069】
(実施例7)
実施例1において、R1=275mm、R2=275mm、α=25°、β=10°としたルーバー環6を設置した以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は78kg/hであった。
【0070】
(実施例8)
羽根5を脱着可能とした以外は、実施例1と同様に粉体材料を連続分級してから、ルーバー環6を清掃し、粉体材料の種類を変更させて再び連続分級を実施した。その結果、ルーバー環6の清掃時間について、実施例1に比べ約50%の短縮が可能となった。
【0071】
(比較例1)
実施例1において、R1=220mm、R2=260mm、α=20°、β=30°としたルーバー環6を設置し、さらに、羽根5の枚数を24枚とした以外は、実施例1と同様の条件および装置を用い、実施例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.6%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は75kg/hであった。
【0072】
(比較例2)
比較例2において、R1=220mm、R2=260mm、α=15°、β=30°としたルーバー環6を設置し、さらに、羽根5の枚数を24枚とした以外は、比較例1と同様の条件および装置を用い、比較例1と同様に粉体材料を分級した。得られた粉体材料は、体積平均粒径4.7μm(コールターカウンタによる測定)、8.0μm以上の粗粉含有率(質量%)1.8%であり、時間あたりの粉体材料の処理量、すなわちフィード量は73kg/hであった。
【0073】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の分級装置及び分級方法は、分級装置における貫通孔の簡易な設備変更により分級効率の安定化を図ることができ、所望の粒径範囲であって、誤差の少ない、分級精度のよい粒子を長期にわたって高効率で分級することができるので、例えばトナー、樹脂、農薬、化粧品、顔料等の粒径がミクロン単位の微粉状製品の製造に適用でき、特に電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための乾式トナーの製造に好適である。
【符号の説明】
【0075】
BF1,BF2 バグフィルター
BL1,BL2 ブロアー
CY1,CY2 サイクロン
FE1,FE2 原料供給管
FZ1,FZ2 粉砕機
BZ1,BZ2 分級機
1 分散室
2 粉体材料供給口
3 流路
4 分散室内部
5 羽根
6 ルーバー環
7 分級室
8 下部ホッパー
9 センターコア
10 微粉排出口
11 微粉排出管
12 粗粉排出口
13 セパレートコア
14 二次空気流入口
15 ケーシング
16 粉体材料供給口入口内側
17 粉体材料供給口出口内側
18 交点
19 センターコア中心
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特許第2766790号公報
【特許文献2】特開2009−189980号公報
【特許文献3】特許第2597794号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状のケーシングと、
該ケーシングの上部に配置された、高圧エアー及び粉体材料を供給する粉体材料供給口と、
前記ケーシングの上部に配置された、複数の円弧状の案内羽根が環状に配置されたルーバー環と、
前記粉体材料供給口の下方に配置されたセンターコアと、
該センターコアの下方に配置され、中心に開口部を有するセパレータコアと、を有し、
前記ケーシングの上部内壁及び前記センターコアで画成され、前記高圧エアーと共に前記粉体材料を分散するための分散室と、
前記センターコア、前記セパレータコア、及び前記ケーシングの内壁で画成され、前記分散室から流入する粉体材料を、微粉と粗粉とに遠心分離するための分級室と、
前記ルーバー環の外周に配置され、前記粉体材料供給口から高圧エアー及び粉体材料が供給される流路と、を備え、
前記粉体材料供給口と前記ルーバー環を含む断面において、
前記ルーバー環が、前記粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線と交差しない位置に配置されたことを特徴とする分級装置。
【請求項2】
粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、
前記粉体材料供給口の導入開口端を含む線と平行であり、かつ、センターコアの中心を通る線と、前記粉体材料供給口の前記ルーバー環側壁面の延長線との交点から前記ケーシングの中心までの距離R1と、
前記ルーバー環外側から前記センターコアの中心までの距離R2とが、R1≧R2を満たす請求項1に記載の分級装置。
【請求項3】
粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、
案内羽根の両端とセンターコアの中心とがなす角度αが、α≧30°を満たす請求項1から2のいずれかに記載の分級装置。
【請求項4】
粉体材料供給口とルーバー環を含む断面において、
前記粉体材料供給口の導入開口端を含む線と平行であり、かつ、センターコアの中心を通る線及び前記粉体材料供給口のルーバー環側壁面の延長線の交点と前記センターコアの中心とを結ぶ線と、
前記ケーシングの内壁及び前記ルーバー環側壁面の交点と前記センターコアの中心とを結ぶ線と、
がなす角βが、β≧15°を満たす請求項1から3のいずれかに記載の分級装置。
【請求項5】
案内羽根が、分級装置の重力方向の中心軸を中心とする同心円上に等間隔に設けられている請求項1から4のいずれかに記載の分級装置。
【請求項6】
案内羽根が、脱着可能である請求項1から5のいずれかに記載の分級装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の分級装置を用いたことを特徴とする分級方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の分級装置を用いて粉体材料を分級する分級工程を少なくとも含むことを特徴とするトナーの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のトナーの製造方法により製造されたことを特徴とするトナー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公開番号】特開2012−45477(P2012−45477A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189348(P2010−189348)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】