説明

分配器内蔵ケーブルモデムモジュール、テレビジョン受信機、セットトップボックス、及び分配器内蔵ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールの接続方法

【課題】 チューナモジュールとの間で、安価で簡易な構成かつ不要信号の輻射による信号品質劣化を防止できる接続を可能とする分配出力端子構成を有するケーブルモデムモジュールを提供する。
【解決手段】 ケーブルモデムモジュール10は、CATVセンター局とケーブルを介して接続される第1RF端子12と、外部チューナモジュール11に接続される第2RF端子13とを具備する。第2RF端子13は、分配器内蔵ケーブルモデムモジュール10と外部チューナモジュール11が回路基板41に実装された場合に、外部チューナモジュール11のRF入力端子22と同一の高さになるように、分配器内蔵ケーブルモデムモジュール10に設けられ、RF入力端子22に直結される構造を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、CATV(Cable Television)回線を介して受信される信号に含まれる信号をチューナモジュールと、PC等の情報端末にそれぞれ分配する分配器内蔵ケーブルモデムモジュール(以下ケーブルモデムモジュールという)に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、インターネット等のネットワークに、ユーザの所有する例えばPC(Personal Computer)等の情報端末を例えばCATV回線を介して接続するためのインターフェースとして、ケーブルモデムモジュールが開発されている。このケーブルモデムモジュールは、CATV回線と接続されてCATVセンター局から供給されるCATV信号を受信して、外部のテレビジョンチューナに向けて各放送チャンネルの映像及び音声信号を供給する。またケーブルモデムモジュールは、接続されたPC等の端末に対して、CATVセンター局を介したネットワークとのインターフェースを提供する。これにより、端末はネットワークとの双方向データ通信が可能となる。
【0003】
CATVセンター局からケーブルモデムモジュールに送信される信号(下り信号)は通常、90MHz〜860MHzなどの帯域のアナログ信号である。この帯域のうち、モデム用(端末用)下りチャンネル信号はCATVの空きチャンネルを利用して伝送され、例えば6MHzの帯域幅が使用される。このモデム用下りチャンネル信号は受信後、ケーブルモデムモジュール内で中間周波数に変換された後、デジタル信号に変換され復調処理等が施されてケーブルモデムモジュールを実装したテレビジョン受信機、セットトップボックス、及び外部のPC等の端末に提供される。
【0004】
ケーブルモデムモジュールからCATVセンター局に送信されるデータ(上り信号)は、デジタル信号として端末からケーブルモデムモジュールに供給され、変調処理が施された後、アナログ信号に変換されて、5〜55MHzなどの帯域の信号を用いてCATVセンター局に送り出される。
【0005】
以上の機能を実現するために、ケーブルモデムモジュールは、CATVセンター局からのケーブルを接続するためのRF(Radio Frequency)同軸コネクタと、CATVセンター局からこのコネクタに供給される信号とコネクタからCATVセンター局へ送り出される信号を分波するダイプレクサを有する。
【0006】
更にケーブルモデムモジュールは、ダイプレクサで分波された受信信号を2つまたはそれ以上に分ける分配器と、この分配器の一方の出力をテレビジョンチューナに提供するための回路と、分配器の他方の出力を周波数変換する周波数変換器を有する。
【0007】
またケーブルモデムモジュールは、周波数変換器の出力をデジタル信号に変換してからデジタル復調してケーブルモデムモジュールを実装したテレビジョン受信機、セットトップボックス、及び外部のPC等の外部機器に送り、かつケーブルモデムモジュールを実装したテレビジョン受信機、セットトップボックス、及び外部のPC等の外部機器からの情報を受けてデジタル変調してからアナログ変換してダイプレクサに供給する変復調処理及びインターフェース部を有する。
【0008】
このようなケーブルモデムモジュールは、単独で製品として売買の対象となる他、TV等の機器に組み込まれて市場に提供される。
【特許文献1】特開2003−101421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールは、同軸ケーブルを用いて接続される。量産製品に使われ、またそれほど長いケーブルを使用しない場合は、ケーブルの柔軟性を考慮し、またコスト上昇を抑えるために、同軸ケーブルは細いケーブルが使用されることが多い。しかし細い同軸ケーブルは一般に太いものよりロスが大きく、また同軸ケーブル外からの不要信号の輻射による影響(ノイズの混入)が大きくなる。これらはそれぞれ相反するもので、全てを満足することは難しい。従って、信号品質劣化を防ぎ、しかも安価で容易な構成のケーブルモデムモジュールとチューナモジュールの接続方式が望まれている。
【0010】
下記特許文献1の図2、図3、図8は、ケーブルモデムモジュールから分配出力信号を受け取るチューナモジュールの構造を示している。図2はRCA PHONO JACK、図3はMINI JACK、図8はコネクタ(RCA PIN PLUG)付き同軸ケーブルを実装した分配出力方法及び構造を示している。しかし、ケーブルモデムモジュールの分配出力端子とチューナの具体的な接続方法は記載されていない。この文献の図8には、先端に同軸コネクタが設けられた同軸ケーブルを具備するチューナモジュールが示されており、このコネクタがケーブルモデムモジュールの分配出力端子と接続されると考えられる。この場合も同軸ケーブルが必要となり、コストの上昇を招くことになる。
【0011】
従って本発明は、チューナモジュールとの間で、安価で簡易な構成かつ不要信号の輻射による信号品質劣化を防止できる接続を可能とする分配出力端子構成を有するケーブルモデムモジュールを提供することを目的とする。
【特許文献1】特開2003−101421号公報(図2、図3、図8)
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の1実施形態に係るケーブルモデムモジュールは、CATV回線を介して受信される信号に含まれている信号を、RF入力端子を有する外部チューナモジュールと、外部情報端末にそれぞれ分配する分配器内蔵ケーブルモデムモジュールであって、CATVセンター局とケーブルを介して接続される第1RF端子と、前記外部チューナモジュールに接続される第2RF端子とを具備し、前記第2RF端子は、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記外部チューナモジュールが回路基板に実装された場合に、前記外部チューナモジュールのRF入力端子と同一の高さになるように、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールに設けられ、前記RF入力端子に直結される構造を有している。
【発明の効果】
【0013】
チューナモジュールとの間で、安価で簡易な構成かつ不要信号の輻射による信号品質劣化を防止できる接続を可能とする分配出力端子構成を有するケーブルモデムモジュールが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明によるケーブルモデムモジュールの実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1はCATV放送システムの概略を示している。図1において、符号101は、CATVセンター局である。このCATVセンター局101は、CATVケーブル102を介して各加入者宅103に設置されたケーブルモデムモジュール10に接続されている。このケーブルモデムモジュール10はTV(テレビジョン受信機)201内部に設けられている。CATVセンター局101は、例えばインターネット等の各種ネットワーク情網104に接続されている。 尚、本実施形態では、ケーブルモデムモジュール10はTV内に設けられるが、これに限らずSTB(set top box)あるいはTVチューナ内蔵のPC等他の映像機器内に設けることができる。
【0016】
ケーブルモデムモジュール10は、CATVセンター局101との通信の制御、CATVセンター局101に送信する上り信号の生成、CATVセンター局101から送信された下り信号の復調、ケーブルモデムモジュール10に接続されている外部装置(この場合PC203)とのデータ通信の制御等を行なう機能を有している。
【0017】
図2は、TV201の構成を示す図であり、特にケーブルモデムモジュール10の内部回路構成を詳細に示す図である。このケーブルモデムモジュール10は、TV201内に設けられ、CATVセンター局101と、RF同軸コネクタ12を介して送受信する高周波信号を処理するアナログ信号処理部301と、このアナログ信号処理部301に対して入出力する信号をデジタル処理するデジタル信号処理部302とを備えている。
【0018】
アナログ信号処理部301は、RF同軸コネクタ12を介して供給されるCATVセンター局からの信号を受信すると共に、RF同軸コネクタ12を介してCATVセンター局101に信号を送出するための分波機能を備えたダイプレクサ(分波器)303を有する。
【0019】
更に、アナログ信号処理部301は、ダイプレクサ303で分波されたCATVからの信号を2つに分配する分配器304と、分配器304の各出力の利得を調整する可変利得増幅器305、306を有し、更に可変利得増幅器305の出力を外部に提供するRFコネクタ13と、可変利得増幅器306の出力の周波数を変換する周波数変換部308と、デジタル信号処理部302から出力される信号を増幅して上り信号としてダイプレクサ303に提供する増幅器307とを有する。
【0020】
周波数変換部308は、可変利得増幅器306からの出力が供給される混合器309と、混合器309に周波数変換用の信号を供給する局部発振器310と、混合器309の出力から所定の周波数帯域の信号を抽出して出力するSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ311で構成され、RF信号を中間周波数信号に変換して出力する機能を有する。
【0021】
デジタル信号処理部302は、SAWフィルタ311からの信号が供給されるトランシーバLSI(Large-scale Integrated Circuit)312を有する。トランシーバLSI312は、SAWフィルタ311からの信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog Digital)変換処理と、変換されたデジタル信号に対してQAM(Quadrature Amplitude Modulation)復調処理を施す機能を有する。更に、トランシーバLSI312は、後述するMAC部からの上りデータを16QAM変調する変調処理と、変調されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A(Digital Analog)変換処理機能と、周波数変換部308の局部発振器310の発振周波数を制御し、更に可変利得増幅器306の利得を制御する機能を有する。D/A変換された上りデータは増幅器307を介してダイプレクサ303に供給される。
【0022】
更にデジタル信号処理部302は、トランシーバLSI312から出力されるQAM復調されたデジタル信号を受けるMAC(Media Access Control)部313を有する。MAC部313は、外部機器としてのPC203と通信を行う機能を有し、このため、MAC部313には、マイコン314と、メモリ315が接続され、更にイーサネット(登録商標)I/F(Interface)316が接続されている。
【0023】
MAC部313は、下りデータをI/F316を介して、イーサネット(登録商標)端子208に接続されたPC203に提供し、PC203からの上りデータを、MAC部313を介してLSIトランシーバ312に送り、変調及びアナログ変換処理を施し、増幅器307を介してダイプレクサ303へ提供する。
【0024】
ケーブルモデムモジュール10は、更に、可変利得増幅器305を制御すべく、TV201内に設けられている利得制御部317からの利得制御信号を受ける端子318と、同じく、TV201内に設けられ、ケーブルモデムモジュール10の各部への動作電源を供給する電源回路319からの動作電源電圧を受ける端子320を備えている。
【0025】
図2おいて、CATVセンター局101からのCATV信号は、RF同軸コネクタ12から、ダイプレクサ303を介して分配器304に送られ、分配器304で2つに分けられ、一方は、可変利得増幅器305及びRFコネクタ13を介してチューナモジュール11に分配される。
【0026】
分配器304の他方の出力は、可変利得増幅器306を介して周波数変換部308に分配される。周波数変換部308は、トランシーバLSI312の制御によって、局部発振器310の発振周波数が制御され、混合器309からSAWフィルタ311を介して一定の周波数帯域の信号を提供するように動作するため、いわゆる選局装置としての機能を有する。すなわち、トランシーバLSI312が、SAWフィルタ311の出力にQAM変調された下り信号が存在するチャンネルに対応した局部発振周波数信号を混合器309に供給すべく、局部発振器310を制御する。
【0027】
SAWフィルタ311からの下り信号はデジタル信号処理部302で処理されて、PC203に提供され、PCからの上り信号は、デジタル信号処理部302から増幅器307を介してダイプレクサ303に供給され、RF同軸コネクタ12を介しCATVセンター局101に伝送される。
【0028】
チューナモジュール11では、所望のチャンネルの選局が実行され、更にテレビジョン信号処理部205により映像信号及び音声信号に復調される。信号処理部205で復調された映像信号及び音声信号は、それぞれフィルタ及び増幅器(図示されず)を介して表示部206及びスピーカ207に出力されてユーザの視聴に供される。
【0029】
図3はケーブルモデムモジュールの構造を示した図である。ケーブルモデムモジュール10は、同軸ケーブルに接続し、上り及び下りRF信号を受け渡すためのRF用同軸コネクタ12を備えている。RF用同軸コネクタ12は、本例ではジャックタイプを使用している。ケーブルモデムモジュール10は、前述したように分配器を内蔵しており、その出力は分配出力端子(RF用同軸コネクタ)13から出力される。分配出力端子13は、本例ではジャックタイプを使用している。またケーブルモデムモジュール10には、セット基板(回路基板)への実装を可能にする取り付け脚15、またセット基板との電源、データ信号、制御信号、他信号等を受け渡しする端子群14を備える。
【0030】
図4はチューナモジュール11の構造を示した図である。チューナモジュール11は、ケーブルモデムモジュール10の分配出力端子13に直接接続可能なRF入力端子22を備えている。RF入力端子22は、本例ではプラグタイプを使用している。チューナモジュール11にはセット基板への実装を可能にする取り付け脚24、またセット基板との電源、データ信号、制御信号、他信号等を受け渡しする端子群23を備える。
【0031】
図5はケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を接続した状態を示す図である。分配出力端子13はジャックタイプであり、これと合うプラグタイプのRF入力端子22が、分配出力端子13に直接接続される。このときセット基板への実装を考慮し、取り付け脚15から分配出力端子13までの高さ31、及び取り付け脚24からRF入力端子22までの高さ32は同一となっている。高さ31は図3に示すように、セット基板に突き当たる位置10aから分配出力端子13中心までの高さであり、高さ32は図4に示すようにセット基板に突き当たる位置11aからRF入力端子22中心までの高さである。
【0032】
図6は図5の装置を上面から見た構造を示す図である。一般的にRF用同軸コネクタ12はケーブルモデムモジュール10を内蔵するTVあるいはセットトップボックスの筐体から突出して、同軸ケーブルと接続される。従ってケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を接続した状態では、TVあるいはセットトップボックスの筐体面と考えられる面201aよりもチューナモジュール11は筐体内側へ所定距離40だけオフセットするとよい。この所定距離31は0mm以上の距離である。尚、筐体面とケーブルモデムモジュール10の筐体面側端面との間には、RF用同軸コネクタ12のスペーサ12aの厚みだけ隙間が生じている。
【0033】
図7はケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を接続した状態で、セット基板41へ実装する様子を示した図である。セット基板41は、ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を接続した状態で挿入が可能になるように、ケーブルモデムモジュール10の取り付け脚15、端子群14を挿入するための挿入穴群42と、チューナモジュール11の取り付け脚24、端子群23を挿入するための挿入穴群43を備える。
【0034】
次に、ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールの結合方法について説明する。
【0035】
ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールを接続するときに、分配出力端子13とRF入力端子22を直接接続するだけでは寸法上精度が悪い、または構造上強度が低い場合がある。そのような場合は、ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールを接続した状態でセット基板へ装着するのが困難となる。図8はケーブルモデムモジュールとチューナモジュールに適用される補強対策(固定手段)の一例を示す。
【0036】
ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11の接合部51、52は、それら接合部を互いに組み込む構造を持っている。図9は接合部51の詳細、図10は接合部52の詳細を示す。図9のケーブルモデムモジュール10側の組み込み爪61は上に凹み、チューナモジュール11の組み込み爪62は下に凹みになっている。図10のケーブルモデムモジュール10側の組み込み爪71は下に凹み、チューナモジュール11側の組み込み爪72は上に凹みになっている。
【0037】
図11は図8〜図10の構造を持つケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を組み合わせる工程を示す。先ず、ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を、組み込み爪61、62,71,72が干渉しない角度で、分配出力端子13とRF入力端子22を接続する。その後ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を、矢印81、82の方向へ回転させることで、組み込み爪61と62、及び組み込み爪71、72が組み合わされる。これで分配出力端子13とRF入力端子22、組み込み爪61と62、及び組み込み爪71、72の3箇所により、ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11が組み合わされることになり、寸法的に精度良く、構造的に強度が高くなる。この結果、ケーブルモデムモジュール10とチューナモジュール11を組み合わせた状態で、セット基板への装着が容易となる。
【0038】
また必要に応じ、組み込み爪61、62,71,72は、はんだ付けをして強度を高くしたり、組み込まれた爪が緩まないようにするストッパーを追加する構造を持ったり、組み込み爪の箇所を増やす等してもよい。また組み込み方式の爪でなくとも、位置決めがしっかりされる方法があれば、溶接、接着剤、はんだ付け等のみの構造も可能である。
【0039】
図12は組み込み爪にストッパーを設けた例を示し、図9の爪61及び爪62に対応する部分のみを拡大して示す図である。突起63は爪61の凹み部に切り出し工程を施して形成する。角穴64は爪61に爪62を組み込んだ時に、突起63を爪62が受け入れるための穴である。図13は爪61に爪62を組み込んだ状態を示す。角穴64に突起63が引っ掛かるので、爪61と爪62は外れなくなる。
【0040】
図14は組み込み爪にストッパーを設けた他の例を示し、図13と同様に図9の爪61及び爪62に対応する部分のみを拡大して示す図である。突起66は爪61の凹み部に図の手前側へ切り出し工程を施して形成する。突起65は爪62の凹み部に図の右側へ切り出し工程を施して形成する。図15は爪61に爪62を組み込んだ状態を示す。突起66の先端と突起65の先端は互いに引っ掛け合うので、爪61と爪62は容易には外れなくなる。
【0041】
上記実施形態では、分配出力端子13はジャックタイプ、RF入力端子22はプラグタイプであるが、これらは逆になっても差し支えない。一般的で安価なチューナの場合、RF入力端子はジャックタイプがほとんどである。また通常、図4のRF入力端子22が備えられている面(面積が広い方の側面)にはRF入力端子は備えられていない。図16のような組み合わせにより、このような安価なチューナを使用した構成を実現できる。
【0042】
図16において、チューナモジュール11にはジャックタイプのRF入力端子92が備えられている。これは上記した一般的で安価なチューナを想定している。この場合、ケーブルモデムモジュール10の分配出力端子91は、RF入力端子92と組み合わせられるプラグタイプのコネクタを備える。また、セット基板面から分配出力端子91までの高さを、チューナモジュール11のセット基板面からRF入力端子92までの高さに合わせることが望ましい。このようにすることで、チューナモジュール11として、専用の構造設計を施していない一般的な(安価な)チューナを使用することができる。
【0043】
図17はケーブルモデムモジュール10の1側面に、複数の分配出力端子91を設けた例を示す。この構成により、ケーブルモデムモジュール10に複数のチューナモジュール11を接続することができ、例えば或る番組を視聴しながら、その裏番組を録画することもできる。
【0044】
[効果]
図3から図7にて説明したように、ケーブルモデムモジュール10の分配出力端子13とチューナモジュール11のRF入力端子22が、直結されることにより同軸ケーブルが不要となる。この結果、同軸ケーブル分のコストを削減することができる。またRF信号が同軸ケーブルを通過する時の損失がなくなり、また同軸ケーブルに輻射しRF信号に重畳する不要信号がなくなり雑音性能等も改善され、高品位な信号をチューナモジュール11に提供することができる。
【0045】
更に、図8から図16にて説明したように、ケーブルモデムモジュール及びチューナモジュールのそれぞれに組み込み爪を備え、それら爪を互いに組み合わせて、モジュール同士を接続することにより、互いに接続されたケーブルモデムモジュールとチューナモジュールの全体寸法精度、構造強度を補うことができる。
【0046】
また、ケーブルモデムモジュール10とそれに備えられている分配出力端子の構造を図16のようにプラグタイプとすることにより、一般的で安価なチューナを使用することができ、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】CATV放送システムの概略を示す図である。
【図2】TVの構成を示す図であり、特にケーブルモデムモジュールの内部回路構成を詳細に示す図である。
【図3】ケーブルモデムモジュールの構造を示した図である。
【図4】チューナモジュールの構造を示した図である。
【図5】ケーブルモジュールとチューナモジュールを接続した状態を示した図である。
【図6】図5の装置を上面から見た構造を示した図である。
【図7】ケーブルモジュールとチューナモジュールを接続した状態で、セット基板へ実装する様子を示した図である。
【図8】ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールに適用される補強対策の一例を示す図である。
【図9】図8の接合部51の詳細を示す図である。
【図10】図8の接合部52の詳細を示す図である。
【図11】図8〜図10の構造を持つケーブルモデムモジュールとチューナモジュールを組み合わせる工程を示す図である。
【図12】組み込み爪にストッパーを設けた例を示し、図9の爪61及び爪62に対応する部分のみを拡大して示す図である。
【図13】爪61に爪62を組み込んだ状態を示す図である。
【図14】組み込み爪にストッパーを設けた他の例を示す図である
【図15】爪61に爪62を組み込んだ状態を示す図である。
【図16】安価なチューナを使用した構成を示す図である。
【図17】ケーブルモデムモジュールの1側面に、複数の分配出力端子を設けた例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CATV回線を介して受信される信号に含まれている信号を、RF入力端子を有する外部チューナモジュールと、外部情報端末にそれぞれ分配する分配器内蔵ケーブルモデムモジュールであって、
CATVセンター局とケーブルを介して接続される第1RF端子と、
前記外部チューナモジュールに接続される第2RF端子とを具備し、
前記第2RF端子は、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記外部チューナモジュールが回路基板に実装された場合に、前記回路基板からの高さが前記外部チューナモジュールのRF入力端子と同一になるように、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールに設けられ、前記RF入力端子に直結される構造を有していることを特徴とする分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項2】
前記第2RF端子が設けられている側面に、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記チューナモジュールとを固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項3】
前記固定手段は、前記チューナモジュールに設けられた第1の固定手段を受ける切り欠き部が下側に設けられた第1の爪と、前記チューナモジュールに設けられた第2の固定手段を受ける切り欠き部が上側に設けられた第2の爪により構成される特徴とする請求項2記載の分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項4】
前記第2RF端子は、プラグタイプRFコネクタであることを特徴とする請求項1記載の分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項5】
前記第2RF端子は分配器内蔵ケーブルモデムモジュールの同一側面に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項6】
前記第2RF端子はプラグタイプRFコネクタであって、分配器内蔵ケーブルモデムモジュールの同一側面に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の分配器内蔵ケーブルモデムモジュール。
【請求項7】
RF入力端子を有し、前記RF入力端子から入力されたRF信号に対してチャンネルの選局処理を行うチューナモジュールと、
CATVセンター局とケーブルを介して接続される第1RF端子及び前記チューナモジュールに接続される第2RF端子とを有し、前記第1RF端子にて受信した信号に含まれる信号を前記チューナモジュールと、外部情報端末にそれぞれ分配する分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと、
前記チューナモジュールから提供される信号を復調し、映像信号を提供するテレビジョン信号処理手段と、
前記テレビジョン信号処理手段から提供される映像信号に基づいて、映像を表示する表示部とを具備し、
前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記チューナモジュールは、同一回路基板上に実装され、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールの第2RF端子は、前記チューナモジュールのRF入力端子に直結されていることを特徴とするテレビジョン受信機。
【請求項8】
前記第2RF端子はプラグタイプRFコネクタであって、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールの同一側面に複数設けられていることを特徴とする特徴とする請求項7記載のテレビジョン受信機。
【請求項9】
RF入力端子を有するチューナモジュールと分配器内蔵ケーブルモデムモジュールとを接続する方法であって、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールは、CATVセンター局とケーブルを介して接続される第1RF端子と、前記チューナモジュールに接続される第2RF端子とを具備し、
前記第1RF端子にて受信した信号に含まれる信号を、前記チューナモジュールと、外部情報端末にそれぞれ分配し、
前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記外部チューナモジュールが回路基板に実装された場合に、前記第2RF端子の前記回路基板からの高さが、前記外部チューナモジュールのRF入力端子と同一になるように、前記第2RF端子を前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールに設け、前記第2RF端子を前記RF入力端子に直結して、前記分配器内蔵ケーブルモデムモジュールと前記外部チューナモジュールを回路基板に実装することを特徴とする分配器内蔵ケーブルモデムモジュールとチューナモジュールの接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−160585(P2008−160585A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348365(P2006−348365)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】