分配移相器
【課題】歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる分配移相器を提供する。
【解決手段】回転結合導体5を回転させる回転機構6は、基板2から所定間隔を空けて配置されているとともに当該基板2に対して平行な軸線Xを有する駆動軸11と、駆動軸11の回転駆動により当該駆動軸11に対してその軸線X方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材13と、一端部が基板2に対して回転可能に設けられているとともに他端部が前記回転結合導体5に連結された回転摺動子14とを備える。回転摺動子14には係合ピン15の下端部が取り付けられる。係合ピン15の上端部は、駆動部材13の軸線X方向への移動に追従して回転摺動子14を回転させるように、上記軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する直交面Sからずれた位置において駆動部材13に係合させる。
【解決手段】回転結合導体5を回転させる回転機構6は、基板2から所定間隔を空けて配置されているとともに当該基板2に対して平行な軸線Xを有する駆動軸11と、駆動軸11の回転駆動により当該駆動軸11に対してその軸線X方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材13と、一端部が基板2に対して回転可能に設けられているとともに他端部が前記回転結合導体5に連結された回転摺動子14とを備える。回転摺動子14には係合ピン15の下端部が取り付けられる。係合ピン15の上端部は、駆動部材13の軸線X方向への移動に追従して回転摺動子14を回転させるように、上記軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する直交面Sからずれた位置において駆動部材13に係合させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各アンテナ素子間の移相差を調整することにより、アレイアンテナのビームチルト角を変更する分配移相器に関する。
【背景技術】
【0002】
アレイアンテナは複数のアンテナ素子を有しており、アンテナ素子間の位相差を調整することにより、アレイアンテナのビームチルト角を変更することができるようになっている。上記位相差の調整には、従来より分配移相器を用いる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
この従来の分配移相器は、出力側となる円弧状の出力側導体と、この出力側導体の中心位置に設けられた入力側となる入力側導体と、出力側導体と入力側導体とを静電的に結合させる回転結合導体とを備えている。そして、回転結合導体の回転軸は、複数の歯車を介して電動モータに接続されており、この電動モータを駆動させ、歯車を介して回転結合導体が回転することにより、上記移相差を調整するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−243903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の分配移相器は、複数の歯車を介して回転結合導体を回転させているため、構造が複雑になりコスト高になるという問題や分配移相器全体が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる分配移相器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の分配移相器は、基板と、この基板に配置された入力側導体及び出力側導体と、前記入力側導体に入力された高周波信号を前記出力側導体へ伝達するための回転結合導体と、前記回転結合導体を回転させる回転機構とを備えた分配移相器であって、前記回転機構は、前記基板から所定間隔を空けて配置されているとともに、当該基板に対して平行な軸線を有する駆動軸と、前記駆動軸の回転駆動により当該駆動軸に対してその軸線方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材と、一端部が前記基板に対して回転可能に設けられ、他端部が前記回転結合導体に連結された回転部材と、前記駆動部材及び回転部材のうちの一方に一端部が取り付けられ、前記駆動部材の前記軸線方向への移動に追従して前記回転部材を回転させるように、前記駆動軸の軸線を含む面であってかつ前記基板に直交する面からずれた位置において前記駆動部材及び回転部材のうちの他方に他端部が係合されている係合部材とを備えていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、駆動軸を回転駆動させ、その軸線方向へ駆動部材を移動させることにより、係合部材を介して回転部材を駆動部材の移動に追従して回転させることができる。これにより、回転部材に連結された回転結合導体を回転させることができるため、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる。
また、係合部材が、駆動軸の軸線を含む面であってかつ基板に直交する面からずれた位置にあるため、駆動軸と係合部材とが上記直交する面上に配置されるのを回避することができる。したがって、回転機構を基板に直交する方向にコンパクトに配置することができる。
【0007】
(2)また、前記回転機構は、前記駆動部材の移動を案内するガイド部材をさらに備えていることが好ましい。この場合は、係合部材が上記直交する面からずれていても、ガイド部材によって駆動部材を駆動軸の軸線方向へ円滑に移動させることができる。
【0008】
(3)また、前記ガイド部材が、前記基板に対して前記駆動部材とともに前記軸線方向へ移動可能に支持されていることが好ましい。この場合は、基板に対するガイド部材の移動量を目視で確認することにより、回転結合導体の回転角度を容易に認識することができる。
【0009】
(4)また、前記ガイド部材が、当該ガイド部材の移動量を表示する目盛部を有することが好ましい。この場合は、目盛部を目視で確認することにより、回転結合導体の回転角度をさらに容易に認識することができる。
【0010】
(5)また、前記駆動部材が、前記基板から所定間隔を空けて配置され、前記回転部材は、前記基板と前記駆動部材との間に配置されており、当該基板を摺動しながら回転する摺動面を有することが好ましい。この場合は、回転部材が基板を摺動するように配置されているため、回転機構を基板に直交する方向にさらにコンパクトに配置することができる。
【0011】
(6)また、前記係合部材は、一端部が前記回転部材に取り付けられ、他端部が前記駆動部材に係合されていることが好ましい。この場合は、係合部材の一端部を駆動部材に取り付けるとともに他端部を回転部材に係合する場合に比べて、係合部材の係合部から駆動軸の軸線までの距離を短くすることができる。この結果、回転部材の摺動面と基板との摩擦抵抗に起因して、上記距離を腕の長さとして駆動部材に発生するモーメントの大きさを低減することができる。したがって、駆動部材を駆動軸の軸線方向へ円滑に移動させることができる。
【0012】
(7)また、前記駆動部材が、前記回転部材に近接配置されていることが好ましい。この場合は、係合部材における駆動部材との係合部から回転部材の摺動面までの距離を短くすることができるため、回転部材の摺動面と基板との摩擦抵抗に起因して、上記距離を腕の長さとして回転部材に発生するモーメントの大きさを低減することができる。したがって、回転部材を駆動部材の移動に追従して円滑に回転させることができる。
【0013】
(8)また、前記回転機構は、前記駆動軸に対する前記回転部材の回転中心位置を位置変更可能な位置変更部材をさらに備えていることが好ましい。この場合は、駆動軸及び回転部材を基板に配置する上での自由度を高めることができる。
【0014】
(9)また、前記入力側導体、出力側導体及び回転結合導体が、前記基板の一方の面に配置されており、前記回転機構が、前記基板の他方の面に配置されていることが好ましい。この場合は、入力側導体、出力側導体及び回転結合導体に対して、回転機構が電気的に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動軸を回転駆動させると、その軸線方向へ駆動部材が移動することにより、この駆動部材の移動に追従して回転結合導体に連結された回転部材を回転させることができるため、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る分配移相器を示す平面図である。
【図2】分配移相器の底面図である。
【図3】分配移相器の正面図である。
【図4】図1の状態における回転機構の要部を示す拡大断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】(a)は図4のA−A断面図であり、(b)は係合ピンを駆動部材に取り付けた場合の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る分配移相器の要部を示す拡大平面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る分配移相器の正面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9の要部拡大図である。
【図12】図11のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1は本発明の第1実施形態に係る分配移相器の平面図である。図2は分配移相器の底面図であり、図3は分配移相器の正面図である。この分配移相器Aは、高周波信号の電力分配を行えるとともに、分配された信号の移相差を連続的に変えることができるものである。図1において、分配移相器Aは、ベース板1上に第1の分配移相器A1及び第2の分配移相器A2を左右方向に並列に配置したものである。第1及び第2の分配移相器A1,A2は、ほぼ同じ構成であるため、本実施形態では、第1の分配移相器A1について主に説明する。第2の分配移相器A2については、第1の分配移相器A1と異なる構成のみを説明し、第1の分配移相器A1と同じ名称の部位については、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0018】
図1及び図2において、第1の分配移相器A1は、基板2と、出力側となる出力側導体3、入力側となる入力側導体4、及び出力側導体3と入力側導体4とを静電的に結合させる回転結合導体5と、回転結合導体5を回転させる回転機構6とを備えている。出力側導体3、入力側導体4、及び回転結合導体5は、基板2の下面(一方の面)2bに配置されており、回転機構6は、基板2の上面(他方の面)2aに配置されている。
【0019】
基板2は、台形状に形成されており、その外縁部はベース板1に複数のボルト7によって固定されている。各ボルト7は、図3に示すように、ベース板1と基板2との間に所定の隙間を形成するように配置されたスペーサ8に挿通されている。また、各ボルト7は、基板2の外縁部に沿って配置されている。
【0020】
図2において、出力側導体3は、中心点Cを中心とした半径r1の円弧形状の第1出力線路3aと、中心点Cを中心とした半径r2(>r1)の円弧形状の第2出力線路3bとを有している。第1出力線路3a及び第2出力線路3bは、それぞれストリップ線路からなる。
入力側導体4は略直線状に形成されたストリップ線路からなり、その一端部は上記中心点C上に配置されている。
【0021】
回転結合導体5は、帯板部材からなる導体本体5aと、この導体本体5aの上面(基板2の下面2bに対向する面)に形成された結合線路5bとによって構成されている。導体本体5aの基端部は、上記中心点Cを中心とする回転軸9に回転可能に取り付けられている。
結合線路5bは、ストリップ線路からなり、中心点C上に配置された入力側導体4の一端部と結合された入力側結合部5b1と、第1出力線路3aと結合された第1出力側結合部5b2と、第2出力線路3bと結合された第2出力側結合部5b3とを有している。入力側結合部5b1、第1出力側結合部5b2、及び第2出力側結合部5b3は、基板2の下面2bに接着されたテフロン(登録商標)製のテープからなる絶縁層10上に配置されている。
【0022】
以上の構成により、入力側導体4に入力された高周波信号は、回転結合導体5の入力側結合部5b1に伝搬し、回転結合導体5の第1及び第2出力側結合部5b2,5b3から絶縁層10を介して出力側導体3の第1及び第2出力線路3a,3bにそれぞれ流れ、当該高周波信号は第1及び第2出力線路3a,3bの両端部の出力端へと分配される。そして、回転結合導体5を中心点Cを中心に回転させることで、入力側導体4から出力側導体3の各出力端に至る線路長が変化し、この線路長の変化によって、上記各出力端へと分配される高周波信号の位相差を変化させることができる。
【0023】
〔回転機構〕
図1及び図3において、回転機構6は、基板2の上方に所定間隔を空けて配置された駆動軸11と、この駆動軸11に対して水平方向に所定間隔を空けて配置されたガイド軸(ガイド部材)12と、駆動軸11及びガイド軸12に相対移動可能に取り付けられた駆動部材13と、基板2の上面2aに回転可能に取り付けられた回転摺動子(回転部材)14と、駆動部材13の移動に追従して回転摺動子14を回転させるための係合ピン(係合部材)15とを備えている。
【0024】
駆動軸11は、基板2の上面2aに対して平行な軸線Xを有する丸棒状の軸本体11aの軸方向中央部に雄ネジ部11bを形成したものである。軸本体11aの両端部は、基板2の左右両側方においてベース板1の上面に固定された支持ブラケット16に、上記軸線X回りに回転可能に支持されている。軸本体11aの一端部(図1の左端部)には、当該軸本体11aを回転駆動するための電動モータ(図示せず)が接続されている。なお、軸本体11aは、手動操作により回転駆動させるようにしてもよい。
【0025】
ガイド軸12は、駆動部材13の軸線X方向への移動を案内するものであり、駆動軸11の軸本体11aと略同一径の丸棒状に形成されている。ガイド軸12の軸線Yは、図1の平面視において駆動軸11の軸線Xと平行に配置されているとともに、図3の正面視において軸線Xと同一高さに配置されている。ガイド軸12の両端部は上記支持ブラケット16に固定されている。
【0026】
図4は、図1の状態における回転機構6の要部を示す拡大断面図である。図5は図4の平面図であり、図6(a)は図4のA−A断面図である。図4及び図5において、駆動部材13は、直方体状に形成されており、その下面は、基板2の上面2aから所定間隔を空けて配置されているとともに、回転摺動子14の上面に近接するように配置されている。また、駆動部材13の長手方向に延びる中心線Zは、図5の平面視において軸線X及びYに対して直交するとともに、図4の断面視において軸線X及びYと同一高さに配置されている。駆動部材13の中心線Z方向の両端部には雌ネジ孔13aと挿通孔13bとが形成されている。雌ネジ孔13aには駆動軸11の雄ネジ部11bが螺合されている。挿通孔13bにはガイド軸12が挿通されており、駆動部材13がガイド軸12に対してその軸線Y方向へ相対移動可能に取り付けられている。駆動部材13の中央部には、中心線Z方向に延びる長孔13cが形成されている。
【0027】
図4において、回転摺動子14は、帯板部材からなり、基板2と駆動部材13と間に配置されている。回動摺動子14の下面は、基板2の上面2aを摺動しながら回転する摺動面14aとされている。図1において、回転摺動子14の基端部は上記回転軸9に回転可能に取り付けられている。回転摺動子14の先端部は、基板2に形成されている貫通孔2cに挿通されたピン部材17を介して、基板2の下面2bに配置された回転結合導体5(導体本体5a)の先端部に連結されている。貫通孔2cは、図2に示すように、上記中心点Cを中心とした半径r3(>r2)の円弧形状に形成されている。
【0028】
図1の状態において、回転摺動子14は、駆動部材13の直下の位置であって、かつ駆動軸11及びガイド軸12に直交する位置にあり、中心点Cを中心に図1の右方向又は左方向へ回転するようになっている。また、第1の分配移相器A1及び第2の分配移相器A2の各回転摺動子14の先端部は、それぞれ上記ピン部材17を介して連結部材18の両端部に連結されている。これにより、第1の分配移相器A1の回転摺動子14を中心点Cを中心に回転させると、ピン部材17を介して第1の分配移相器A1の回転結合導体5が回転するとともに、連結部材18を介して第2の分配移相器A2の回転摺動子14及び回転結合導体5が連動して回転するようになっている。
【0029】
図4及び図5において、係合ピン15は円柱状に形成されており、その下端部(一端部)は、回転摺動子14の長手方向略中央部の上面に固定されている。係合ピン15の上端部(他端部)外周面は、駆動部材13に係合される係合部15aとされている。この係合部15aは、図4に示すように、駆動軸11の軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する面である直交面Sからガイド軸12側へずれた位置において駆動部材13に係合するように、駆動部材13の長孔13cに挿通されている。
【0030】
これにより、駆動軸11を回転駆動して雄ネジ部11bを回転させると、駆動部材13がガイド軸12に案内されながら雄ネジ部11bに対して軸線X方向へ直線的に相対移動する。その際、係合ピン15が駆動部材13に対して長孔13cに沿って中心線Z方向へ相対移動することにより、この係合ピン15とともに回転摺動子14が基板2の上面2aを摺動しながら中心点Cを中心に回転する。そして、この回転摺動子14が回転することで、基板2の下面2bに配置されている回転結合導体5が中心点Cを中心に回転するようになっている。
【0031】
以上、本発明の第1実施形態に係る分配移相器によれば、駆動部材13を軸線X方向へ移動させることにより、係合ピン15及び回転摺動子14を介して回転結合導体5を回転させることができる。これにより、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体5を回転させることができる。
また、係合ピン15の係合部15aが、駆動軸11の軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する直交面Sからずれた位置にあるため、この係合部15aと駆動軸11とが上記直交面S上に配置されるのを回避することができる。したがって、回転機構6を基板2に直交する方向にコンパクトに配置することができる。
【0032】
また、ガイド軸12によって駆動部材13の移動を案内しているため、係合ピン15が上記直交面Sからずれていても、駆動部材13を上記軸線X方向へ円滑に移動させることができる。
また、回転摺動子14は基板2の上面2aを摺動するように配置されているため、回転機構6を基板2に直交する方向にさらにコンパクトに配置することができる。
【0033】
また、係合ピン15の下端部を回転摺動子14に固定し、係合ピン15の上端部を駆動部材13に係合させるようにしたので、図6(b)に示すように係合ピン15の上端部を駆動部材13に取り付けるとともに下端部を回転摺動子14に係合する場合に比べて、駆動軸11の軸線Xまでの鉛直方向の距離L1を短くすることができる(図6(a)参照)。この結果、上記距離L1を腕の長さとして駆動部材13に発生するモーメントの大きさを低減することができる。
具体的には、図6(a)において、駆動部材13が上記軸線Xに沿って例えば左方向へ移動する際に、長孔13cの右下部分が係合ピン15の係合部15aに押し当てられる。このとき、摺動面14aと基板2の上面2aとの摩擦抵抗が大きい場合に、駆動部材13の上記軸線Xとの交点13dを支点として、駆動部材13を図6(a)の反時計回り方向へ回転させようとするモーメントが発生することがある。本実施形態では、上記距離L1が短いため、上記モーメントが発生してもその大きさを低減することができる。したがって、駆動部材13を駆動軸11の軸線X方向へ円滑に移動させることができる。
【0034】
また、駆動部材13が回転摺動子14に近接して配置されているため、図6(a)に示すように、係合ピン15の係合部15aから回転摺動子14の摺動面14aまでの鉛直方向の距離L2を短くすることができる。これにより、この距離L2を腕の長さとして回転摺動子14に発生するモーメントの大きさを低減することができる。
具体的には、図6(a)において、駆動部材13が上記軸線Xに沿って例えば左方向へ移動すると、上述のように長孔13cの右下部分が係合ピン15の係合部15aに押し当てられる。このとき、摺動面14aと基板2の上面2aとの摩擦抵抗が大きい場合に、摺動面14aの左側の縁部14a1を支点として、回転摺動子14を図6(a)の反時計回り方向へ回転させようとするモーメントが発生することがある。本実施形態では上記距離L2が短いため、上記モーメントが発生してもその大きさを低減することができる。したがって、回転摺動子14を駆動部材13の移動に追従して円滑に回転させることができる。
【0035】
また、出力側導体3、入力側導体4及び回転結合導体5が基板2の下面2bに配置され、回転機構6が基板2の上面2aに配置されているため、出力側導体3、入力側導体4及び回転結合導体5に対して、回転機構6が電気的に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係る分配移相器の要部を示す拡大平面図であり、図8は、図7のB−B断面図である。本実施形態の分配移相器と第1実施形態の分配移相器とが相違する点は、駆動部材及び係合部材の構成が異なる点である。以下、本実施形態の説明において、第1実施形態と略同一構成の部位については、同一名称及び同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図7及び図8において、本実施形態の駆動部材23には、駆動軸11とガイド軸12との間に左右両側方(図7の上下方向)にそれぞれ開口する一対の窪み部23aが形成されている。この窪み部23aには係合部材25が係合されている。係合部材25は、回転摺動子14の上面において軸線W回りに回転可能に設けられた回転板部25aと、この回転板部25aの上面に固定された左右一対の係合片部25bとによって構成されている。各係合片部25bは、駆動部材23の各窪み部23aにそれぞれ係合されている。
【0038】
これにより、駆動部材23を軸線X方向へ直線的に移動させると、係合片部25bが駆動部材23に対して窪み部23aに沿って中心線Z方向へ相対移動することにより、回転摺動子14を中心点Cを中心に回転させることができる。その際、係合片部25bは、回転板部25aを介して回転摺動子14に対して軸線W回りに回転するため、窪み部23aとの係合を保持した状態で中心線Z方向へ移動させることができる。
以上、第2実施形態に係る分配移相器についても、第1実施形態と同様に、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体5を回転させることができる。
【0039】
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る分配移相器の正面図である。本実施形態の分配移相器と第1実施形態の分配移相器との主な相違点は、ガイド軸の構成が異なる点と、位置変更部材を設けている点である。なお、本実施形態の回転機構を構成する部位の配置が第1実施形態と異なるが、第1実施形態と略同一構成の部位については、同一名称及び同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本実施形態におけるガイド軸32は、駆動軸11と平行に鉛直方向へ延びるように配置されている。このガイド軸32は、基板2に対して駆動部材33とともに軸線X方向へ移動するように、その両端部が支持ブラケット16に対して上下移動可能に支持されている。ガイド軸32の軸方向上側には、駆動部材33の上面に当接するナット部32aが螺合されている。
【0041】
駆動部材33を、図9の状態から軸線X方向に沿って上方へ移動させると、駆動部材33がナット部32aを上方へ押し上げることにより、ガイド軸32を駆動部材33とともに上方へ移動させることができる。そして、ガイド軸32を上方移動させた状態から、駆動部材33を軸線X方向に沿って下方へ移動させると、ガイド軸32は自重により駆動部材33とともに下方へ移動するようになっている。
【0042】
図10は、図9の側面図であって、ベース板1に基板2及び回転機構6の全体を覆うカバー部材40を取り付けた状態を示す図である。カバー部材40の下方には、ガイド軸32の下端部が露出している。この露出した下端部には、当該ガイド軸32の上下方向の移動量を表示する目盛部32bが設けられている。
【0043】
図11は図9の要部拡大図であり、図12は図11のD−D断面図である。図11及び図12において、本実施形態の回転機構6は、駆動軸11に対する回転摺動子14の回転中心位置である中心点Cを位置変更可能な位置変更部材41を備えている。この位置変更部材41は、T字状に形成された平板部材からなり、回転摺動子14の基端部の上面に固定された取付片41aと、この取付片41aの長手方向中央部から垂直に延びる連結片41bとを有している。
【0044】
連結片41bの先部上面には連結ピン15の下端部が固定されている。連結ピン15の上端部は、駆動部材33の下面に形成された溝部33aに係合されている。この溝部33aは、駆動部材33の中心線Z方向に延びるように形成されている。
これにより、駆動部材33を、図11の状態から軸線X方向に沿って上方へ移動させると、係合ピン15が駆動部材33に対して溝部33aに沿って左側へ相対移動することにより、回転摺動子14を位置変更部材41とともに中心点Cを中心に図11の時計回り方向へ回転させることができる。
【0045】
以上、第3実施形態に係る分配移相器によれば、駆動部材33とともに移動するガイド軸32の下端部をカバー40の下方に露出させ、この露出した下端部に目盛部32bを設けたので、目盛部32bの移動量を目視で確認することにより、カバー40内の回転摺動子14の回転角度を認識することができる。これにより、回転結合導体5の回転角度、ひいてはアレイアンテナのビームチルト角を容易に認識することができる。
【0046】
また、位置変更部材41により、駆動軸11に対する回転摺動子14の回転中心位置(中心点C)を相対的に位置変更することができるため、駆動軸11及び回転摺動子14を基板2に配置する上での自由度を高めることができる。
【0047】
[その他の変形例]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、上記各実施形態において、回転摺動子14は、駆動部材13(23,33)の下方に配置されているが、駆動部材13(23,33)の上方に配置されていてもよい。
【0048】
また、係合ピン15(係合部材25)は、回転摺動子14に取り付けられているが、駆動部材13(23,33)に取り付られていてもよい。この場合は、回転摺動子14に係合ピン15(係合部材25)が係合する長孔等を形成すればよい。
さらに、回転機構6は、基板2の上面2aに配置されているが、基板2の下面2bに配置されていてもよい。また、基板2の下面2bに配置されている出力側導体3等を、回転機構6とともに基板2の上面2aに配置してもよい。
【0049】
また、ガイド部材は、丸棒状に形成されたガイド軸12(32)以外に、駆動部材13(23,33)の外面を摺動させるガイドレールなど、駆動部材13の移動を案内できるものであればよい。
また、第3実施形態において、ガイド軸32は、自重により下方移動させているが、ガイド軸32の移動抵抗が大きい場合には、駆動部材33の下面が当接するナット部を別途ガイド軸32に螺合させるようにしてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態のガイド軸12は、第3実施形態のガイド軸32と同様に、駆動部材とともに移動可能であって一端部に目盛部を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
2 基板
2a 上面(他方の面)
2b 下面(一方の面)
3 出力側導体
4 入力側導体
5 回転結合導体
6 回転機構
11 駆動軸
12,32 ガイド軸(ガイド部材)
13,23,33 駆動部材
14 回転摺動子(回転部材)
14a 摺動面
15 係合ピン(係合部材)
25 係合部材
32b 目盛部
41 位置変更部材
A 分配移相器
C 中心点(回転中心位置)
S 直交面
X 軸線
【技術分野】
【0001】
本発明は、各アンテナ素子間の移相差を調整することにより、アレイアンテナのビームチルト角を変更する分配移相器に関する。
【背景技術】
【0002】
アレイアンテナは複数のアンテナ素子を有しており、アンテナ素子間の位相差を調整することにより、アレイアンテナのビームチルト角を変更することができるようになっている。上記位相差の調整には、従来より分配移相器を用いる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
この従来の分配移相器は、出力側となる円弧状の出力側導体と、この出力側導体の中心位置に設けられた入力側となる入力側導体と、出力側導体と入力側導体とを静電的に結合させる回転結合導体とを備えている。そして、回転結合導体の回転軸は、複数の歯車を介して電動モータに接続されており、この電動モータを駆動させ、歯車を介して回転結合導体が回転することにより、上記移相差を調整するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−243903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の分配移相器は、複数の歯車を介して回転結合導体を回転させているため、構造が複雑になりコスト高になるという問題や分配移相器全体が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる分配移相器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の分配移相器は、基板と、この基板に配置された入力側導体及び出力側導体と、前記入力側導体に入力された高周波信号を前記出力側導体へ伝達するための回転結合導体と、前記回転結合導体を回転させる回転機構とを備えた分配移相器であって、前記回転機構は、前記基板から所定間隔を空けて配置されているとともに、当該基板に対して平行な軸線を有する駆動軸と、前記駆動軸の回転駆動により当該駆動軸に対してその軸線方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材と、一端部が前記基板に対して回転可能に設けられ、他端部が前記回転結合導体に連結された回転部材と、前記駆動部材及び回転部材のうちの一方に一端部が取り付けられ、前記駆動部材の前記軸線方向への移動に追従して前記回転部材を回転させるように、前記駆動軸の軸線を含む面であってかつ前記基板に直交する面からずれた位置において前記駆動部材及び回転部材のうちの他方に他端部が係合されている係合部材とを備えていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、駆動軸を回転駆動させ、その軸線方向へ駆動部材を移動させることにより、係合部材を介して回転部材を駆動部材の移動に追従して回転させることができる。これにより、回転部材に連結された回転結合導体を回転させることができるため、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる。
また、係合部材が、駆動軸の軸線を含む面であってかつ基板に直交する面からずれた位置にあるため、駆動軸と係合部材とが上記直交する面上に配置されるのを回避することができる。したがって、回転機構を基板に直交する方向にコンパクトに配置することができる。
【0007】
(2)また、前記回転機構は、前記駆動部材の移動を案内するガイド部材をさらに備えていることが好ましい。この場合は、係合部材が上記直交する面からずれていても、ガイド部材によって駆動部材を駆動軸の軸線方向へ円滑に移動させることができる。
【0008】
(3)また、前記ガイド部材が、前記基板に対して前記駆動部材とともに前記軸線方向へ移動可能に支持されていることが好ましい。この場合は、基板に対するガイド部材の移動量を目視で確認することにより、回転結合導体の回転角度を容易に認識することができる。
【0009】
(4)また、前記ガイド部材が、当該ガイド部材の移動量を表示する目盛部を有することが好ましい。この場合は、目盛部を目視で確認することにより、回転結合導体の回転角度をさらに容易に認識することができる。
【0010】
(5)また、前記駆動部材が、前記基板から所定間隔を空けて配置され、前記回転部材は、前記基板と前記駆動部材との間に配置されており、当該基板を摺動しながら回転する摺動面を有することが好ましい。この場合は、回転部材が基板を摺動するように配置されているため、回転機構を基板に直交する方向にさらにコンパクトに配置することができる。
【0011】
(6)また、前記係合部材は、一端部が前記回転部材に取り付けられ、他端部が前記駆動部材に係合されていることが好ましい。この場合は、係合部材の一端部を駆動部材に取り付けるとともに他端部を回転部材に係合する場合に比べて、係合部材の係合部から駆動軸の軸線までの距離を短くすることができる。この結果、回転部材の摺動面と基板との摩擦抵抗に起因して、上記距離を腕の長さとして駆動部材に発生するモーメントの大きさを低減することができる。したがって、駆動部材を駆動軸の軸線方向へ円滑に移動させることができる。
【0012】
(7)また、前記駆動部材が、前記回転部材に近接配置されていることが好ましい。この場合は、係合部材における駆動部材との係合部から回転部材の摺動面までの距離を短くすることができるため、回転部材の摺動面と基板との摩擦抵抗に起因して、上記距離を腕の長さとして回転部材に発生するモーメントの大きさを低減することができる。したがって、回転部材を駆動部材の移動に追従して円滑に回転させることができる。
【0013】
(8)また、前記回転機構は、前記駆動軸に対する前記回転部材の回転中心位置を位置変更可能な位置変更部材をさらに備えていることが好ましい。この場合は、駆動軸及び回転部材を基板に配置する上での自由度を高めることができる。
【0014】
(9)また、前記入力側導体、出力側導体及び回転結合導体が、前記基板の一方の面に配置されており、前記回転機構が、前記基板の他方の面に配置されていることが好ましい。この場合は、入力側導体、出力側導体及び回転結合導体に対して、回転機構が電気的に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動軸を回転駆動させると、その軸線方向へ駆動部材が移動することにより、この駆動部材の移動に追従して回転結合導体に連結された回転部材を回転させることができるため、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る分配移相器を示す平面図である。
【図2】分配移相器の底面図である。
【図3】分配移相器の正面図である。
【図4】図1の状態における回転機構の要部を示す拡大断面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】(a)は図4のA−A断面図であり、(b)は係合ピンを駆動部材に取り付けた場合の断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る分配移相器の要部を示す拡大平面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る分配移相器の正面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9の要部拡大図である。
【図12】図11のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1は本発明の第1実施形態に係る分配移相器の平面図である。図2は分配移相器の底面図であり、図3は分配移相器の正面図である。この分配移相器Aは、高周波信号の電力分配を行えるとともに、分配された信号の移相差を連続的に変えることができるものである。図1において、分配移相器Aは、ベース板1上に第1の分配移相器A1及び第2の分配移相器A2を左右方向に並列に配置したものである。第1及び第2の分配移相器A1,A2は、ほぼ同じ構成であるため、本実施形態では、第1の分配移相器A1について主に説明する。第2の分配移相器A2については、第1の分配移相器A1と異なる構成のみを説明し、第1の分配移相器A1と同じ名称の部位については、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0018】
図1及び図2において、第1の分配移相器A1は、基板2と、出力側となる出力側導体3、入力側となる入力側導体4、及び出力側導体3と入力側導体4とを静電的に結合させる回転結合導体5と、回転結合導体5を回転させる回転機構6とを備えている。出力側導体3、入力側導体4、及び回転結合導体5は、基板2の下面(一方の面)2bに配置されており、回転機構6は、基板2の上面(他方の面)2aに配置されている。
【0019】
基板2は、台形状に形成されており、その外縁部はベース板1に複数のボルト7によって固定されている。各ボルト7は、図3に示すように、ベース板1と基板2との間に所定の隙間を形成するように配置されたスペーサ8に挿通されている。また、各ボルト7は、基板2の外縁部に沿って配置されている。
【0020】
図2において、出力側導体3は、中心点Cを中心とした半径r1の円弧形状の第1出力線路3aと、中心点Cを中心とした半径r2(>r1)の円弧形状の第2出力線路3bとを有している。第1出力線路3a及び第2出力線路3bは、それぞれストリップ線路からなる。
入力側導体4は略直線状に形成されたストリップ線路からなり、その一端部は上記中心点C上に配置されている。
【0021】
回転結合導体5は、帯板部材からなる導体本体5aと、この導体本体5aの上面(基板2の下面2bに対向する面)に形成された結合線路5bとによって構成されている。導体本体5aの基端部は、上記中心点Cを中心とする回転軸9に回転可能に取り付けられている。
結合線路5bは、ストリップ線路からなり、中心点C上に配置された入力側導体4の一端部と結合された入力側結合部5b1と、第1出力線路3aと結合された第1出力側結合部5b2と、第2出力線路3bと結合された第2出力側結合部5b3とを有している。入力側結合部5b1、第1出力側結合部5b2、及び第2出力側結合部5b3は、基板2の下面2bに接着されたテフロン(登録商標)製のテープからなる絶縁層10上に配置されている。
【0022】
以上の構成により、入力側導体4に入力された高周波信号は、回転結合導体5の入力側結合部5b1に伝搬し、回転結合導体5の第1及び第2出力側結合部5b2,5b3から絶縁層10を介して出力側導体3の第1及び第2出力線路3a,3bにそれぞれ流れ、当該高周波信号は第1及び第2出力線路3a,3bの両端部の出力端へと分配される。そして、回転結合導体5を中心点Cを中心に回転させることで、入力側導体4から出力側導体3の各出力端に至る線路長が変化し、この線路長の変化によって、上記各出力端へと分配される高周波信号の位相差を変化させることができる。
【0023】
〔回転機構〕
図1及び図3において、回転機構6は、基板2の上方に所定間隔を空けて配置された駆動軸11と、この駆動軸11に対して水平方向に所定間隔を空けて配置されたガイド軸(ガイド部材)12と、駆動軸11及びガイド軸12に相対移動可能に取り付けられた駆動部材13と、基板2の上面2aに回転可能に取り付けられた回転摺動子(回転部材)14と、駆動部材13の移動に追従して回転摺動子14を回転させるための係合ピン(係合部材)15とを備えている。
【0024】
駆動軸11は、基板2の上面2aに対して平行な軸線Xを有する丸棒状の軸本体11aの軸方向中央部に雄ネジ部11bを形成したものである。軸本体11aの両端部は、基板2の左右両側方においてベース板1の上面に固定された支持ブラケット16に、上記軸線X回りに回転可能に支持されている。軸本体11aの一端部(図1の左端部)には、当該軸本体11aを回転駆動するための電動モータ(図示せず)が接続されている。なお、軸本体11aは、手動操作により回転駆動させるようにしてもよい。
【0025】
ガイド軸12は、駆動部材13の軸線X方向への移動を案内するものであり、駆動軸11の軸本体11aと略同一径の丸棒状に形成されている。ガイド軸12の軸線Yは、図1の平面視において駆動軸11の軸線Xと平行に配置されているとともに、図3の正面視において軸線Xと同一高さに配置されている。ガイド軸12の両端部は上記支持ブラケット16に固定されている。
【0026】
図4は、図1の状態における回転機構6の要部を示す拡大断面図である。図5は図4の平面図であり、図6(a)は図4のA−A断面図である。図4及び図5において、駆動部材13は、直方体状に形成されており、その下面は、基板2の上面2aから所定間隔を空けて配置されているとともに、回転摺動子14の上面に近接するように配置されている。また、駆動部材13の長手方向に延びる中心線Zは、図5の平面視において軸線X及びYに対して直交するとともに、図4の断面視において軸線X及びYと同一高さに配置されている。駆動部材13の中心線Z方向の両端部には雌ネジ孔13aと挿通孔13bとが形成されている。雌ネジ孔13aには駆動軸11の雄ネジ部11bが螺合されている。挿通孔13bにはガイド軸12が挿通されており、駆動部材13がガイド軸12に対してその軸線Y方向へ相対移動可能に取り付けられている。駆動部材13の中央部には、中心線Z方向に延びる長孔13cが形成されている。
【0027】
図4において、回転摺動子14は、帯板部材からなり、基板2と駆動部材13と間に配置されている。回動摺動子14の下面は、基板2の上面2aを摺動しながら回転する摺動面14aとされている。図1において、回転摺動子14の基端部は上記回転軸9に回転可能に取り付けられている。回転摺動子14の先端部は、基板2に形成されている貫通孔2cに挿通されたピン部材17を介して、基板2の下面2bに配置された回転結合導体5(導体本体5a)の先端部に連結されている。貫通孔2cは、図2に示すように、上記中心点Cを中心とした半径r3(>r2)の円弧形状に形成されている。
【0028】
図1の状態において、回転摺動子14は、駆動部材13の直下の位置であって、かつ駆動軸11及びガイド軸12に直交する位置にあり、中心点Cを中心に図1の右方向又は左方向へ回転するようになっている。また、第1の分配移相器A1及び第2の分配移相器A2の各回転摺動子14の先端部は、それぞれ上記ピン部材17を介して連結部材18の両端部に連結されている。これにより、第1の分配移相器A1の回転摺動子14を中心点Cを中心に回転させると、ピン部材17を介して第1の分配移相器A1の回転結合導体5が回転するとともに、連結部材18を介して第2の分配移相器A2の回転摺動子14及び回転結合導体5が連動して回転するようになっている。
【0029】
図4及び図5において、係合ピン15は円柱状に形成されており、その下端部(一端部)は、回転摺動子14の長手方向略中央部の上面に固定されている。係合ピン15の上端部(他端部)外周面は、駆動部材13に係合される係合部15aとされている。この係合部15aは、図4に示すように、駆動軸11の軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する面である直交面Sからガイド軸12側へずれた位置において駆動部材13に係合するように、駆動部材13の長孔13cに挿通されている。
【0030】
これにより、駆動軸11を回転駆動して雄ネジ部11bを回転させると、駆動部材13がガイド軸12に案内されながら雄ネジ部11bに対して軸線X方向へ直線的に相対移動する。その際、係合ピン15が駆動部材13に対して長孔13cに沿って中心線Z方向へ相対移動することにより、この係合ピン15とともに回転摺動子14が基板2の上面2aを摺動しながら中心点Cを中心に回転する。そして、この回転摺動子14が回転することで、基板2の下面2bに配置されている回転結合導体5が中心点Cを中心に回転するようになっている。
【0031】
以上、本発明の第1実施形態に係る分配移相器によれば、駆動部材13を軸線X方向へ移動させることにより、係合ピン15及び回転摺動子14を介して回転結合導体5を回転させることができる。これにより、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体5を回転させることができる。
また、係合ピン15の係合部15aが、駆動軸11の軸線Xを含む面であってかつ基板2に直交する直交面Sからずれた位置にあるため、この係合部15aと駆動軸11とが上記直交面S上に配置されるのを回避することができる。したがって、回転機構6を基板2に直交する方向にコンパクトに配置することができる。
【0032】
また、ガイド軸12によって駆動部材13の移動を案内しているため、係合ピン15が上記直交面Sからずれていても、駆動部材13を上記軸線X方向へ円滑に移動させることができる。
また、回転摺動子14は基板2の上面2aを摺動するように配置されているため、回転機構6を基板2に直交する方向にさらにコンパクトに配置することができる。
【0033】
また、係合ピン15の下端部を回転摺動子14に固定し、係合ピン15の上端部を駆動部材13に係合させるようにしたので、図6(b)に示すように係合ピン15の上端部を駆動部材13に取り付けるとともに下端部を回転摺動子14に係合する場合に比べて、駆動軸11の軸線Xまでの鉛直方向の距離L1を短くすることができる(図6(a)参照)。この結果、上記距離L1を腕の長さとして駆動部材13に発生するモーメントの大きさを低減することができる。
具体的には、図6(a)において、駆動部材13が上記軸線Xに沿って例えば左方向へ移動する際に、長孔13cの右下部分が係合ピン15の係合部15aに押し当てられる。このとき、摺動面14aと基板2の上面2aとの摩擦抵抗が大きい場合に、駆動部材13の上記軸線Xとの交点13dを支点として、駆動部材13を図6(a)の反時計回り方向へ回転させようとするモーメントが発生することがある。本実施形態では、上記距離L1が短いため、上記モーメントが発生してもその大きさを低減することができる。したがって、駆動部材13を駆動軸11の軸線X方向へ円滑に移動させることができる。
【0034】
また、駆動部材13が回転摺動子14に近接して配置されているため、図6(a)に示すように、係合ピン15の係合部15aから回転摺動子14の摺動面14aまでの鉛直方向の距離L2を短くすることができる。これにより、この距離L2を腕の長さとして回転摺動子14に発生するモーメントの大きさを低減することができる。
具体的には、図6(a)において、駆動部材13が上記軸線Xに沿って例えば左方向へ移動すると、上述のように長孔13cの右下部分が係合ピン15の係合部15aに押し当てられる。このとき、摺動面14aと基板2の上面2aとの摩擦抵抗が大きい場合に、摺動面14aの左側の縁部14a1を支点として、回転摺動子14を図6(a)の反時計回り方向へ回転させようとするモーメントが発生することがある。本実施形態では上記距離L2が短いため、上記モーメントが発生してもその大きさを低減することができる。したがって、回転摺動子14を駆動部材13の移動に追従して円滑に回転させることができる。
【0035】
また、出力側導体3、入力側導体4及び回転結合導体5が基板2の下面2bに配置され、回転機構6が基板2の上面2aに配置されているため、出力側導体3、入力側導体4及び回転結合導体5に対して、回転機構6が電気的に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係る分配移相器の要部を示す拡大平面図であり、図8は、図7のB−B断面図である。本実施形態の分配移相器と第1実施形態の分配移相器とが相違する点は、駆動部材及び係合部材の構成が異なる点である。以下、本実施形態の説明において、第1実施形態と略同一構成の部位については、同一名称及び同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図7及び図8において、本実施形態の駆動部材23には、駆動軸11とガイド軸12との間に左右両側方(図7の上下方向)にそれぞれ開口する一対の窪み部23aが形成されている。この窪み部23aには係合部材25が係合されている。係合部材25は、回転摺動子14の上面において軸線W回りに回転可能に設けられた回転板部25aと、この回転板部25aの上面に固定された左右一対の係合片部25bとによって構成されている。各係合片部25bは、駆動部材23の各窪み部23aにそれぞれ係合されている。
【0038】
これにより、駆動部材23を軸線X方向へ直線的に移動させると、係合片部25bが駆動部材23に対して窪み部23aに沿って中心線Z方向へ相対移動することにより、回転摺動子14を中心点Cを中心に回転させることができる。その際、係合片部25bは、回転板部25aを介して回転摺動子14に対して軸線W回りに回転するため、窪み部23aとの係合を保持した状態で中心線Z方向へ移動させることができる。
以上、第2実施形態に係る分配移相器についても、第1実施形態と同様に、歯車を用いることなく簡単な構成で回転結合導体5を回転させることができる。
【0039】
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る分配移相器の正面図である。本実施形態の分配移相器と第1実施形態の分配移相器との主な相違点は、ガイド軸の構成が異なる点と、位置変更部材を設けている点である。なお、本実施形態の回転機構を構成する部位の配置が第1実施形態と異なるが、第1実施形態と略同一構成の部位については、同一名称及び同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
本実施形態におけるガイド軸32は、駆動軸11と平行に鉛直方向へ延びるように配置されている。このガイド軸32は、基板2に対して駆動部材33とともに軸線X方向へ移動するように、その両端部が支持ブラケット16に対して上下移動可能に支持されている。ガイド軸32の軸方向上側には、駆動部材33の上面に当接するナット部32aが螺合されている。
【0041】
駆動部材33を、図9の状態から軸線X方向に沿って上方へ移動させると、駆動部材33がナット部32aを上方へ押し上げることにより、ガイド軸32を駆動部材33とともに上方へ移動させることができる。そして、ガイド軸32を上方移動させた状態から、駆動部材33を軸線X方向に沿って下方へ移動させると、ガイド軸32は自重により駆動部材33とともに下方へ移動するようになっている。
【0042】
図10は、図9の側面図であって、ベース板1に基板2及び回転機構6の全体を覆うカバー部材40を取り付けた状態を示す図である。カバー部材40の下方には、ガイド軸32の下端部が露出している。この露出した下端部には、当該ガイド軸32の上下方向の移動量を表示する目盛部32bが設けられている。
【0043】
図11は図9の要部拡大図であり、図12は図11のD−D断面図である。図11及び図12において、本実施形態の回転機構6は、駆動軸11に対する回転摺動子14の回転中心位置である中心点Cを位置変更可能な位置変更部材41を備えている。この位置変更部材41は、T字状に形成された平板部材からなり、回転摺動子14の基端部の上面に固定された取付片41aと、この取付片41aの長手方向中央部から垂直に延びる連結片41bとを有している。
【0044】
連結片41bの先部上面には連結ピン15の下端部が固定されている。連結ピン15の上端部は、駆動部材33の下面に形成された溝部33aに係合されている。この溝部33aは、駆動部材33の中心線Z方向に延びるように形成されている。
これにより、駆動部材33を、図11の状態から軸線X方向に沿って上方へ移動させると、係合ピン15が駆動部材33に対して溝部33aに沿って左側へ相対移動することにより、回転摺動子14を位置変更部材41とともに中心点Cを中心に図11の時計回り方向へ回転させることができる。
【0045】
以上、第3実施形態に係る分配移相器によれば、駆動部材33とともに移動するガイド軸32の下端部をカバー40の下方に露出させ、この露出した下端部に目盛部32bを設けたので、目盛部32bの移動量を目視で確認することにより、カバー40内の回転摺動子14の回転角度を認識することができる。これにより、回転結合導体5の回転角度、ひいてはアレイアンテナのビームチルト角を容易に認識することができる。
【0046】
また、位置変更部材41により、駆動軸11に対する回転摺動子14の回転中心位置(中心点C)を相対的に位置変更することができるため、駆動軸11及び回転摺動子14を基板2に配置する上での自由度を高めることができる。
【0047】
[その他の変形例]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、上記各実施形態において、回転摺動子14は、駆動部材13(23,33)の下方に配置されているが、駆動部材13(23,33)の上方に配置されていてもよい。
【0048】
また、係合ピン15(係合部材25)は、回転摺動子14に取り付けられているが、駆動部材13(23,33)に取り付られていてもよい。この場合は、回転摺動子14に係合ピン15(係合部材25)が係合する長孔等を形成すればよい。
さらに、回転機構6は、基板2の上面2aに配置されているが、基板2の下面2bに配置されていてもよい。また、基板2の下面2bに配置されている出力側導体3等を、回転機構6とともに基板2の上面2aに配置してもよい。
【0049】
また、ガイド部材は、丸棒状に形成されたガイド軸12(32)以外に、駆動部材13(23,33)の外面を摺動させるガイドレールなど、駆動部材13の移動を案内できるものであればよい。
また、第3実施形態において、ガイド軸32は、自重により下方移動させているが、ガイド軸32の移動抵抗が大きい場合には、駆動部材33の下面が当接するナット部を別途ガイド軸32に螺合させるようにしてもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態のガイド軸12は、第3実施形態のガイド軸32と同様に、駆動部材とともに移動可能であって一端部に目盛部を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
2 基板
2a 上面(他方の面)
2b 下面(一方の面)
3 出力側導体
4 入力側導体
5 回転結合導体
6 回転機構
11 駆動軸
12,32 ガイド軸(ガイド部材)
13,23,33 駆動部材
14 回転摺動子(回転部材)
14a 摺動面
15 係合ピン(係合部材)
25 係合部材
32b 目盛部
41 位置変更部材
A 分配移相器
C 中心点(回転中心位置)
S 直交面
X 軸線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、この基板に配置された入力側導体及び出力側導体と、前記入力側導体に入力された高周波信号を前記出力側導体へ伝達するための回転結合導体と、前記回転結合導体を回転させる回転機構とを備えた分配移相器であって、
前記回転機構は、前記基板に対して平行な軸線を有する駆動軸と、
前記駆動軸の回転駆動により当該駆動軸に対してその軸線方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材と、
一端部が前記基板に対して回転可能に設けられ、他端部が前記回転結合導体に連結された回転部材と、
前記駆動部材及び回転部材のうちの一方に一端部が取り付けられ、前記駆動部材の前記軸線方向への移動に追従して前記回転部材を回転させるように、前記駆動軸の軸線を含む面であってかつ前記基板に直交する面からずれた位置において前記駆動部材及び回転部材のうちの他方に他端部が係合されている係合部材と
を備えていることを特徴とする分配移相器。
【請求項2】
前記回転機構は、前記駆動部材の移動を案内するガイド部材をさらに備えている請求項1に記載の分配移相器。
【請求項3】
前記ガイド部材が、前記基板に対して前記駆動部材とともに前記軸線方向へ移動可能に支持されている請求項2に記載の分配移相器。
【請求項4】
前記ガイド部材が、当該ガイド部材の移動量を表示する目盛部を有する請求項3に記載の分配移相器。
【請求項5】
前記駆動部材が、前記基板から所定間隔を空けて配置され、
前記回転部材は、前記基板と前記駆動部材との間に配置されており、当該基板を摺動しながら回転する摺動面を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の分配移相器。
【請求項6】
前記係合部材は、一端部が前記回転部材に取り付けられ、他端部が前記駆動部材に係合されている請求項5に記載の分配移相器。
【請求項7】
前記駆動部材が、前記回転部材に近接配置されている請求項6に記載の分配移相器。
【請求項8】
前記回転機構は、前記駆動軸に対する前記回転部材の回転中心位置を位置変更可能な位置変更部材をさらに備えている請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配移相器。
【請求項9】
前記入力側導体、出力側導体及び回転結合導体が、前記基板の一方の面に配置されており、
前記回転機構が、前記基板の他方の面に配置されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の分配移相器。
【請求項1】
基板と、この基板に配置された入力側導体及び出力側導体と、前記入力側導体に入力された高周波信号を前記出力側導体へ伝達するための回転結合導体と、前記回転結合導体を回転させる回転機構とを備えた分配移相器であって、
前記回転機構は、前記基板に対して平行な軸線を有する駆動軸と、
前記駆動軸の回転駆動により当該駆動軸に対してその軸線方向へ相対移動可能に設けられた駆動部材と、
一端部が前記基板に対して回転可能に設けられ、他端部が前記回転結合導体に連結された回転部材と、
前記駆動部材及び回転部材のうちの一方に一端部が取り付けられ、前記駆動部材の前記軸線方向への移動に追従して前記回転部材を回転させるように、前記駆動軸の軸線を含む面であってかつ前記基板に直交する面からずれた位置において前記駆動部材及び回転部材のうちの他方に他端部が係合されている係合部材と
を備えていることを特徴とする分配移相器。
【請求項2】
前記回転機構は、前記駆動部材の移動を案内するガイド部材をさらに備えている請求項1に記載の分配移相器。
【請求項3】
前記ガイド部材が、前記基板に対して前記駆動部材とともに前記軸線方向へ移動可能に支持されている請求項2に記載の分配移相器。
【請求項4】
前記ガイド部材が、当該ガイド部材の移動量を表示する目盛部を有する請求項3に記載の分配移相器。
【請求項5】
前記駆動部材が、前記基板から所定間隔を空けて配置され、
前記回転部材は、前記基板と前記駆動部材との間に配置されており、当該基板を摺動しながら回転する摺動面を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の分配移相器。
【請求項6】
前記係合部材は、一端部が前記回転部材に取り付けられ、他端部が前記駆動部材に係合されている請求項5に記載の分配移相器。
【請求項7】
前記駆動部材が、前記回転部材に近接配置されている請求項6に記載の分配移相器。
【請求項8】
前記回転機構は、前記駆動軸に対する前記回転部材の回転中心位置を位置変更可能な位置変更部材をさらに備えている請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配移相器。
【請求項9】
前記入力側導体、出力側導体及び回転結合導体が、前記基板の一方の面に配置されており、
前記回転機構が、前記基板の他方の面に配置されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の分配移相器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−172004(P2011−172004A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33805(P2010−33805)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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