説明

分離マトリックスの製造方法

本発明は、分離マトリックスの製造方法であって、(a)1以上のクロマトグラフィー官能基を含む不飽和モノマーを用意し、(b)モノマーを開始剤及び触媒と接触させ、(c)モノマーの精密ラジカル重合を実施し、(d)得られたポリマーをベースマトリックスにカップリングさせることを含んでなる方法である。精密重合技術はATRP、RAFT又はNMPとすることができる。この方法によって、例えばHICその他の種類のクロマトグラフィーに有用な特性に優れたリガンドが製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離マトリックスへの吸着による、タンパク質その他の有機化合物のような分子の分離に関する。さらに具体的には、本発明は、ベースマトリックスにポリマーリガンドが結合した分離マトリックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィーは密接に関連した一群の分離法を包含する。他の大半の理化学的分離法と区別されるクロマトグラフィーの特徴は、2つの互いに非混和性の相を接触させ、一方の相を固定相とし、他方を移動相とすることである。移動相に導入された試料混合物は、移動相によって系内を運搬される際に固定相と移動相の間で何度も一連の相互作用を受ける。相互作用には、試料中の成分の理化学的性質の差が利用される。こうした差が、固定相を収容したカラム内を移動する移動相の影響下での各成分の移動速度を支配する。分離された成分は、固定相との相互作用の低いものから高いものの順に流出する。遅延の最も少ない成分が最初に溶出し、最も強く保持された物質が最後に溶出する。分離は、試料成分がカラムから溶出する際に、ある成分の流出速度が隣接する溶質のゾーンと重ならないように十分に遅くなった場合に達成される。固定相は、一般に、官能基(つまり相互作用基)を有するリガンドが結合した支持体又はベースマトリックス(担体としても知られる)からなる。各々の種類のクロマトグラフィーの呼び方は一般に利用される相互作用の原理に基づく。
【0003】
例えば、イオン交換クロマトグラフィーは電荷−電荷相互作用に基づく。アニオン交換クロマトグラフィーでは、目標化合物の負に荷電した基がクロマトグラフィーマトリックスの正に荷電したリガンドと相互作用する。一方、カチオン交換クロマトグラフィーでは、目標化合物の正に荷電した基がクロマトグラフィーマトリックスの負に荷電したリガンドと相互作用する。アフィニティークロマトグラフィーは、酵素−受容体相互作用及び抗体−抗原相互作用のようなリガンドと目標化合物との生物学的親和性に基づく。プロテインAクロマトグラフィーは周知のアフィニティークロマトグラフィー法であり、プロテインAを含むリガンドが目標抗体のFcフラグメントと相互作用する。かかるプロテインAリガンドは組換えDNA技術で簡便に調製される。目標化合物と固定相に存在する金属キレート基との相互作用は固定化金属イオン吸着クロマトグラフィー(IMAC)に利用され、タンパク質の精製に多用されている。IMAC用のキレート基としては、イミノ二酢酸(IDA)及びニトリロ三酢酸(NTA)などの様々なキレート基が知られている。チオフィリック吸着クロマトグラフィーでは、ジビニルスルホン活性化ベースマトリックスに遊離メルカプト基を含むリガンドをカップリングしたものが、離液性塩の存在下で免疫グロブリンを吸着する。最近、メルカプト基のチオエーテルを窒素又は酸素で置換できることが示されている。疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)では、分離マトリックスは疎水性基を含む。逆相クロマトグラフィー(RPC)では、完全に疎水性のマトリックスが用いられる。
【0004】
さらに最新の種類のクロマトグラフィーでは、刺激応答性ポリマーをベースマトリックスにカップリングしたものを利用する。「インテリジェントポリマー」としても知られる刺激応答性ポリマーは、適当な刺激に暴露されると、その構造及び物理化学的特性を可逆的に変化させる。刺激としては、例えば、温度変化、光、磁場、電場及び振動が挙げられる。クロマトグラフィー用の刺激応答性ポリマーは、例えば、Palmgren, Ronnie et al, “Stimulus−responsive polymers used in chromatographic separation” Abstract of papers, 225th ACS National Meeting, New Orleans, LA, United States, CAPLUS accession no. 2003:179083並びにスウェーデン国特許出願第0300791−1号に記載されており、これらの文献には疎水性相互作用クロマトグラフィーにおけるpH応答性ポリマーの使用が開示されている。
【0005】
さらに、米国特許第5998588号には、例えば刺激応答性ポリマーと親和性成分との組合せのような相互作用性分子コンジュゲートが開示されている。開示されたポリマーは、好ましくはビニル系モノマーの連鎖移動開始ラジカル重合によって製造される。ポリマーの分子量は主反応体の濃度及び重合条件の変化によって制御できる。しかし、記載された重合スキームはポリマー鎖長の比較的幅広い分布を与える。
【0006】
米国特許第4581429号(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization)は、例えば高固形分又は無溶剤表面コーティングのような表面コーティング、接着剤成分、可塑剤などとして有用なポリマーの製造に関する。具体的には、この文献に記載されているのは、重合プロセスの成長段階の制御性を高める方法である。制御性の向上によって、例えば1984年以前にはこの分野で問題であったとされる鎖長200モノマー単位未満のポリマーを得ることができる。成長段階の制御は、ラジカル官能基が滞在できる1以上の炭素原子を含むラジカル開始剤の使用によって達成される。さらに具体的には、開始剤はtert−ブチル、シアノイソプロピル、フェニル、メチルなどの基を含むことができる。開示された方法は精密ラジカル重合(CRP)として知られ、多分散度が1に近いポリマー集団を製造できる。
【0007】
最近の研究では、生成物の制御性が向上した特殊な重合法の開発に焦点が当てられている。例えば、安定ラジカル重合(SFRP)としても知られるニトロキシド媒介重合(NMP)ではポリマー鎖の可逆的停止が利用され、この方法は特にスチレン系コポリマーの合成に利用されている。NMPは、例えばナノ粒子、様々なゲスト分子のカプセル化及びキレート化のための骨格などの官能化三次元巨大分子の合成に示唆されている。
【0008】
可逆的付加開裂移動(RAFT)型重合は、最近の特殊な精密ラジカル重合プロセスのもう一つの例であり、特にナノ粒子の製造に関して開示されている。
【0009】
米国特許第5763548号(Carnegie−Mellon University)には、原子移動ラジカル重合(ATRP)として知られる金属錯体への配位子移動による可逆的停止を伴うラジカル重合が開示されている。具体的には、Cu(I)(II)のような遷移金属錯体間の酸化還元反応に基づくATRPは、スチレン、(メタ)アクリレートその他のラジカル重合性モノマーのリビング又は精密ラジカル重合をもたらす。さらに具体的には、かかるリビングラジカル重合では、各種の単純な有機ハロゲン化物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒として用いて、所定の数平均分子量を有し分子量分布の狭いポリマーが得られる。
【0010】
さらに、Kim他(Dong Jin Kim, Jin−young Heo, Kwang Soo Kim, and Insung S. Choi, Macromol. Rapid Commun. 2003, 24, 517−521:Formation of Thermoresponsive Poly(N−isopropylacrylamide)/Dextran Particles by Atom Transfer Radical Polymerisation)は、細胞接着のような生物学的相互作用を制御するポリマー表面へのグラフトについて開示している。具体的には、Kim他は、デキストランミクロスフェアに重合開始剤を結合することによる表面開始水性原子移動ラジカル重合及びN−イソプロピルアクリルアミドの重合について開示している。得られたハイブリッド粒子は直径約250μmで、熱応答性を示す。示唆されている用途は、表面接着性改質剤、活性医薬品ターゲティング素子、生化学的誘起アクチュエータ又はバルブ、細胞培養支持体及び組織工学である。
【0011】
国際公開第01/09204号(Symyx Technologies)には、リビング型又は半リビング型ラジカル重合による構造の制御されたポリマーの製造方法が開示されている。具体的には、上記文献に開示された構造のポリマーはポリアクリルアミド繰返し単位からなり、その部分的に枝分れ又は架橋ポリマーの篩能力は同じ繰返し単位を有する線状非架橋ポリマーよりも向上するので、電気泳動分離系に有利な特性を有する。
【特許文献1】国際公開第2004/07831号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5998588号明細書
【特許文献3】米国特許第4581429号明細書
【特許文献4】米国特許第5763548号明細書
【特許文献5】国際公開第01/09204号パンフレット
【非特許文献1】Palmgren, Ronnie et al: Stimulus−responsive polymers used in chromatographic separation” Abstract of papers, 225th ACS National Meeting, New Orleans, LA, United States, CAPLUS accession no. 2003:179083
【非特許文献2】Kim et al(Dong Jin Kim, Jin−houng Heo, Kwang Soo Kim, and Insung S. Choi in Macromol. Rapid Commun. 2003, 24, 517−521:Formation of Thermoresponsive Poly(N−isopropylacrylamide)/Dextran Particles by Atom Transfer Radical Polymerisation)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、分子量の制御されたポリマークロマトグラフィーリガンドの合成法である。
【0013】
本発明の別の態様は、構造、組成及び/又は官能性の制御されたポリマークロマトグラフィーリガンドの合成法である。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、多分散度の狭いポリマークロマトグラフィーリガンド集団の合成法である。
【0015】
本発明のその他の態様及び利点は、以下の詳細な説明から明らかであろう。
【0016】
定義
「からグラフト」という用語は、本明細書では、モノマーの表面開始重合に関して用いられる。
【0017】
「にグラフト」という用語は、ポリマーの表面へのカップリングに関して用いられる。
【0018】
「ベースマトリックス」という用語は、本明細書では、リガンドをカップリングすることができて分離マトリックスを与える担体材料を意味する。
【0019】
「分離マトリックス」という用語は、本明細書では、リガンドが結合しているベースマトリックスを意味する。「リガンド」という用語は、クロマトグラフィー分野で慣用される意味、つまり、目標と相互作用し得る1以上の官能基を含むペンダント基として用いる。これに関連して、「相互作用」という用語は、結合、吸着(この意味であることが多い)又は選択的遅延のいずれでもよい。
【0020】
「ゲル」という用語は、本明細書では、ゲルの形態の分離マトリックスに用いられる。
【0021】
重合「開始剤」という用語は、本明細書では、連鎖重合プロセスで原子移動前駆体として作用し得る化合物を意味する。
【0022】
用語、重合の「触媒」は、本明細書では、連鎖重合プロセスで原子移動促進剤として作用し得る化合物を意味する。
【0023】
「多分散度」という用語は、重量平均分子量を数平均分子量で除したもの(M/M)として定義される分子量分布を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の第一の態様は、分離マトリックスの製造方法であって、
(a)1以上のクロマトグラフィー官能基を含む不飽和モノマーを用意し、
(b)モノマーを開始剤及び触媒と接触させ、
(c)モノマーの精密ラジカル重合を実施し、
(d)得られたポリマーをベースマトリックスにカップリングさせる
ことを含んでなる方法である。
【0025】
不飽和モノマーは、精密ラジカル重合が行えるモノマーであればよく、当業者が容易に選択できる。一実施形態では、段階(a)で、1種以上が1以上のクロマトグラフィー官能基を含むモノマーの混合物を用意する。したがって、段階(c)で得られるポリマーは、ランダム、ブロック、傾斜、星形、グラフト又は櫛形コポリマーのようなコポリマー、ブロックポリマー、並びに超枝分れ及び樹枝状ポリマーもしくはコポリマーとすることができる。コポリマー製造のためのモノマーの組合せの代表的な例は、エチルメタクリレート/スチレン及びエチルメタクリレート/アクリルアミドである。一実施形態では、段階(c)で得られるポリマーを置換する。
【0026】
本発明の方法の一実施形態では、段階(a)で、1以上の疎水性クロマトグラフィー官能基を含むモノマーを用意する。これに関して「モノマー」という用語はモノマーの1種をいう。したがって、本発明の方法の好適な実施形態では、段階(a)はスチレンモノマー及び適宜1種以上の追加の不飽和モノマーを含む。特定の実施形態では、モノマーはスチレン、ペンタフルオロスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−(トリフルオロメチル)スチレン及びグリシジルビニルベンジルエーテルからなる群から選択される。したがって、本発明の方法の一実施形態では、分離マトリックスは疎水性相互作用(HIC)分離マトリックスである。この場合、各モノマー単位は1個の疎水性官能基を与える。ただし、段階(a)では、2種以上のモノマーの混合物を含んでいてもよい。上記のモノマーと混合するのに適した他の不飽和モノマーは当業者に周知であり、例えばヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0027】
疎水性マトリックスの一つの具体例は、逆相クロマトグラフィー(RPC)に適したマトリックスであり、HICよりも疎水性の強いマトリックスが用いられる。この実施形態におけるモノマーの例を幾つか挙げると、p−オクチルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン、p−ドデシルスチレン及びp−イソプロピルスチレンである。
【0028】
別の実施形態では、モノマーは、段階(c)で得られるポリマーが上述の刺激応答性ポリマーとなるように選択される。そこで、この実施形態では、モノマーは例えばN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)であり、得られるポリマーは温度応答性ポリマーである。他の一実施形態では、モノマーはアクル酸(AAc)である。この実施形態では、段階(c)で得られるポリマーはpH応答性ポリマーである。好適な実施形態では、段階(c)で得られるポリマーは、スウェーデン国特許出願第0300791−1号(国際公開第2004/07831号)(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))に開示されているような疎水性官能基を含むpH応答性ポリマーであり、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。したがって、一実施形態では、分離マトリックスはpH応答性ポリマーを含む。
【0029】
当業者には自明であろうが、他の種類の分離マトリックスを得るために不飽和モノマーに他の種類のクロマトグラフィー官能基が存在してもよい。そこで、クロマトグラフィー官能基は、例えばイオン交換基、アフィニティー基、IMAC基、混成モードリガンドなどでもよい。例えば、アフィニティー基はアクリルアミドアグマチン及びアクリルアミドベンズアミジンのようあnモノマーから好適に調製され、イオン交換リガンドは、イオン交換基又は保護イオン交換基を備えたtert−ブチルアクリレート又はtert−ブチルメタクリレートから調製できる。当業者であれば、用途に最適なモノマーを容易に選択でき、必要に応じて脱保護のような追加段階を加えることもできる。
【0030】
以上から明らかな通り、段階(c)は不飽和モノマーの精密ラジカル重合である。精密ラジカル重合の概念はポリマー化学の分野で周知であり、一般論及び様々な実施形態について詳細に説明した多くの参考書がある。例えば、“Handbook of radical polymerization” 2002, Edited by Krzysztof Matyjaszewski and Thomas P. Davies, Wiley Intersciences参照(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。簡単に説明すると、段階的重合とは対照的に、精密ラジカル重合(CRP)では所定の数平均分子量を有し多分散度の狭いポリマーが得られる。CRP法での成長は最終的な大きさまで迅速に進行し、その大きさはモノマー/開始剤の比によって決まる。一実施形態では、モノマー/開始剤の比は1/5〜1/200の範囲内にある。
【0031】
本発明は、構造の明確なリガンドを製造し、次いで得られたリガンドを「にグラフト」技術によってベースマトリックスにカップリングするのに精密ラジカル重合を用いた分離マトリックスの製造について初めて示唆したものである。したがって、精密ラジカル重合段階によって、構造、組成及び官能基の制御されたポリマー状クロマトグラフィーリガンドの製造が可能となる。以上から明らかな通り、ポリマー状クロマトグラフィーリガンドの従来の製造法は、従来の段階的重合をベースマトリックスの表面で開始するという「からグラフト」技術によるものであった。かかる技術が従前常用されてきたのは、従来のクロマトグラフィーマトリックスではリガンドの精密な組成は重要ではなかったためであると思われる。そこで、製造の容易さの点で、段階的に重合したリガンドの「からグラフト」の方が好まれていた。しかし、刺激応答性ポリマーのような新しい種類のポリマーリガンドの開発に伴って、従前知られていなかった問題、つまり、さらに構造の明確なリガンドをいかに製造するかという問題が出現した。実際のクロマトグラフィー性能においてリガンドの正確な特性が問題となるほど、この問題の重要性は増す。例えば、HICでは、目標化合物の結合強度は各々の目標化合物と接触できる疎水性官能基の数に依存し、効率的な溶出を行うには結合強度を制御する必要がある。
【0032】
本発明の方法の一実施形態では、段階(b)は触媒を含み、開始剤は有機ハライド基を含む。開始剤の具体例は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール及びハロアルキルエステルである。かかるハロゲン系開始剤の具体例は、1−フェニルエチルブロミドであり、Aldrich社から市販されている。特定の実施形態では、触媒は遷移金属錯体であり、精密重合は原子移動ラジカル重合(ATRP)である。触媒は、開始剤及びドーマント(休止)ポリマー鎖との酸化還元サイクルに関与できるが、ポリマー鎖とは直接炭素−金属結合を形成しない遷移金属化合物であればよい。そこで、遷移金属錯体は、Cu(I)/Cu(II)、Fe(II)/Fe(III)、Ru(II)/Ru(III)、Cr(II)/Cr(III)、Mo(0)/Mo(I)、Mo(II)/Mo(III)、W(II)/W(III)、Rh(III)/Rh(IV)、Co(I)/Co(II)、Re(II)/Re(III)、Ni(0)/Ni(I)、Mn(III)/Mn(IV)、V(II)/V(III)、Zn(I)/Zn(II)、Au(I)/Au(II)、Ag(I)/Ag(II)からなる群から選択できる。ATRPにおいて、不飽和モノマーは(メタ)アクリレート、スチレン及びジエンのようなラジカル重合可能なアルケンであればよい。適当なモノマーのさらに詳しい選択その他のATRPの条件は上掲の米国特許第5763548号に記載されている。ただし、米国特許第5763548号では、ATRPはプラスチック、エラストマー、接着剤などの製造に示唆されているにすぎない。
【0033】
好適な実施形態では、本方法は、活性化ベースマトリックスと反応性の基を有するポリマーを用意する段階も含む。一実施形態では、これは初期段階でかかる基を含む開始剤の使用によって達成される。第二の実施形態では、これは、かかる基を含む反応性モノマーの使用によって達成される。別の実施形態では、これは後段でポリマーの末端ハライドを活性化ベースマトリックスと反応性の基で置換することによって達成される。この実施形態は好ましくは上述の段階(c)と段階(d)の間に実施され、例えば段階(c)がATRPで実施される場合に好適に用いられる。置換基の例としては、アジド、アミノ、チオ、ヒドロキシル、カルボン酸などが挙げられる。こうして、特定の実施形態では、段階(d)において、ATRPで製造したポリマーは、得られたポリマーの末端のハロゲン基をチオール基に変換することによって、ベースマトリックスに簡単にカップリングされる。
【0034】
活性化ベースマトリックスと反応性の基を含むポリマーは、アリル活性化、エポキシ活性化又はチオール活性化ベースマトリックスに周知の方法で簡便にカップリングされる。ベースマトリックスにポリマーをカップリングさせるのに適した技術の総説としては、例えば、Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermanson et al, Greg T.Hermanson, A.Krishna Mallia and Paul K. Smith, Academic Press, INC, 1992を参照されたい。なお、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0035】
別の実施形態では、精密重合はニトロキシド媒介重合(NMP)である。NMPはこれまでナノ粒子の分野で示唆されており、その汎用性から構造の明確な材料の構築に適した三次元巨大分子構造の製造が可能となる。NMPは可逆的連鎖重合プロセスであり、可逆的重合−解重合平衡と呼ばれる。NMPに有用な不飽和ノモマーは、アクリレート、メタクリレート、スチレンなど上述のいずれのものであってもよい。
【0036】
さらに別の実施形態では、精密重合は可逆的付加開裂移動(RAFT)型重合である。RAFT重合プロセスは、リビングホモポリマー、ブロック及び星形ポリマーの確実で工業化し易い製造経路として出現した。このプロセスでは、従来のラジカル重合を例えばチオカルボニルチオ化合物の存在下で行う。RAFTに有用な不飽和モノマーは、アクリレート、メタクリレート、スチレンモノマーなど上述のいずれのものであってもよい。
【0037】
一実施形態では、重合段階(c)の生成物の多分散度(PDI)は約1.4未満、好ましくは約1.3である。したがって、本発明は、この目的に提案されたあらゆる代替法よりも分子量分布が実質的に狭いポリマー状クロマトグラフィーリガンドの集団の製造方法を提供する。
【0038】
段階(c)で得られるポリマーは、どのような適当な鎖長のものであってもよく、当業者が所望の値に容易に調節できる。一実施形態では、ポリマーの大きさは500g/mol〜50000g/molである。ポリマーの鎖長は、製造する分離マトリックスの所望の特性に依存する。例えば、コポリマーの場合、各官能基の頻度及び特定の官能基の種類を考慮に入れる必要があろう。当業者には自明であろうが、例えばHICマトリックスを製造しようとする場合、ポリマーの鎖長は官能基の疎水性並びに他のモノマーの存在に依存する。ただし、本発明の基本的特徴は、実際の使用量又はモノマー単位ではなく、構造の明確なリガンドを有するマトリックスの設計である。上述の通り、ベースマトリックスからのポリマーリガンドの合成に用いられる従来技術の段階的重合では、構造の明確なクロマトグラフィーリガンドは製造できなかった。
【0039】
ベースマトリックスは、粒子(好ましくは実質的に球形の粒子)、モノリス、メンブラン、フィルター、チップ、キャピラリーその他の面のような、適当な形態のものでよい。ベースマトリックスは好ましくは多孔質であり、その場合段階(c)で得られるリガンドはマトリックスの外表面及び到達可能な孔表面にカップリングする。例えば、本発明の方法の一実施形態では、ベースマトリックスは粒径約100μm未満、例えば約90μm未満の多孔質粒子からなる。粒径の代表的な範囲は、0〜100μm、例えば20〜80μm、例えば30〜50μm又は50〜70μmである。好適な実施形態では、粒子は多孔質である。
【0040】
本発明の方法で用いるベースマトリックスは、有機ポリマーのような有機又は無機材料から作ることができる。一実施形態では、ベースマトリックスは、アガロース、寒天、セルロース、デキストラン、キトサン、コンニャク、カラギーナン、ジェラン又はアルギン酸塩のような架橋炭水化物材料からなる。かかるベースマトリックスは、当業者であれば、逆懸濁ゲル化(S Hjerten:Biochim Biophys Acta 79 (2),393−398(1964)、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)のような標準的方法で容易に製造できる。別法として、ベースマトリックスは、Amersham Bioscience社(スウェーデン、ウプサラ)製のSepharose(商標)FF、Sepharose(商標)HP又はSphadex(商標)のような市販品であり、Amersham Bioscience社からは本発明の方法での使用に適した他の多くのベースマトリックスも市販されている。例えば、本マトリックスの一実施形態では、担体は架橋多糖類である。特定の実施形態では、この多糖類はアガロースである。かかる炭水化物材料は一般にアリル化してからそのリガンドを固定化する。簡単に説明すると、アリル化はアリルグリシジルエーテル、臭化アリルその他の適当な活性化剤を用いて常法に従って実施できる。
【0041】
別の実施形態では、本発明の方法で用いるベースマトリックスは、有機ポリマー、例えばスチレン又はスチレン誘導体、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、ビニルエステル、ビニルアミドなどの架橋合成ポリマーからなる。かかるベースマトリックスは当業者が常法で容易に製造でき、例えば“Styrene based polymer supports developed by suspension polymerization”(R Arshady:Chimica e L’Industria 70(9), 70−75(1988))を参照されたい。なお、この文献の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。。別法として、本発明の方法で用いるベースマトリックスは、Amersham Bioscience社(スウェーデン、ウプサラ)製のSource(商標)のような市販ポリマーマトリックスであり、Amersham Bioscience社からは本発明の方法での使用に適した他の多くのベースマトリックスも市販されている。
【0042】
最終的に、本発明の精密ラジカル重合で製造されたポリマーリガンドは、シリカ、磁性粒子、カーボンナノチューブのような無機ベースマトリックスにカップリングしてもよい。当業者には自明であろうが、材料によってはある決まった化学的改質が必要とされることもある。
【0043】
別の実施形態では、分離マトリックスはポリマーで被覆されたベースマトリックスであり、上記ポリマーは精密ラジカル重合で製造してから、ベースマトリックスにグラフトされる。被覆型の分離マトリックスは、エキステンダーもしくは柔軟アームを有するビーズ、触手ゲルなどとして知られる。かかる被覆は、比較的大きな目標化合物とマトリックスとの相互作用を空間的に可能にしたり、或いはベースマトリックスの全体的特性を例えば疎水性から親水性へと変化させために、設けることができる。
【0044】
第二の態様では、本発明は上述の通り製造した分離マトリックスに関する。一実施形態では、本分離マトリックスは疎水性相互作用(HIC)マトリックスである。他の実施形態では、段階(c)で得られるポリマーは刺激応答性ポリマーである。特定の実施形態では、段階(c)で得られるポリマーは、疎水性官能基を有するpH応答性ポリマーのようなpH応答性ポリマーである。
【0045】
本発明に係る分離マトリックスは、モノクローナル又はポリクローナル抗体のようなタンパク質、ジペプチド又はオリゴペプチドのようなペプチド、DNA又はRNAのような核酸、ペプチド核酸、ウィルス、細菌細胞のような細胞、プリオンなどの、生体分子の分離に使用できる。或いは、本分離マトリックスは医薬品候補のような有機分子の分離に有用である。別の実施形態では、本分離マトリックスは上述の目標化合物のいずれかを診断目的などのために識別するのに有用である。このように、本分離マトリックスを用いて精製される製品としては、医薬品又は医薬品候補、プラスミド又は遺伝子治療用ウィルスのような治療用ベクター、機能化食品のような食品サプリメント、診断薬などが挙げられる。本発明で精製される生体分子の具体的用途はパーソナライズド医薬用の薬剤である。
【0046】
本発明に係る分離マトリックスは、上述したような不要な目標化合物から所望の液体を精製するのにも有用である。
【0047】
最後の態様では、本発明は、上述の分離マトリックスを備えるクロマトグラフィーカラムに関する。液体クロマトグラフィーの原理は当業者に周知であり、吸着段階と溶出段階とを含む。好ましくは、分離マトリックスはこれらの段階間で洗浄される。当業者には自明であろうが、使用する緩衝剤及び条件は分離マトリックスの特性、特にポリマーリガンドに依存する。
【0048】
一実施形態では、本発明に係るクロマトグラフィーカラムは、「限定使用」クロマトグラフィーカラムとして知られる種類のものであり、この文脈では1〜10回のように限られた回数の使用に最も適した充填クロマトグラフィーカラムを意味する。これに関して、最初の製品の性能と同様の性能を達成するための最適の手段は、限られた回数で得られる。こうした限定使用製品は市場では「ディスポーザル製品」として知られる。
【0049】
図面の詳細な説明
図1は、ATRPによるω−臭素末端官能性ポリスチレンの製造のための合成スキームを示す。
【0050】
図2は、ω−チオレート末端官能性ポリスチレンの製造のための合成スキームを示す。
【0051】
図3は、ω−チオレート末端官能性ポリスチレンを活性アガロース粒子にカップリングするための合成スキームを示す。
【0052】
図4は、従来技術の分離媒体Low Sub Phenyl Sepharose(商標)6FF(Amersham Biosciences社(スウェーデン、ウプサラ)製)での4種類のタンパク質(ミオグロビン(1)、リボヌクレアーゼA(2)、α−ラクトアルブミン(3)及びα−キモトリプシノーゲンA(4))の相対的溶出プロファイルを示す。
【0053】
図5は、従来技術の分離媒体High Sub Phenyl Sepharose(商標)6FF(Amersham Bioscience社(スウェーデン、ウプサラ)製)での4種類のタンパク質(図4で定義した通り)の相対的溶出プロファイルを示す。
【0054】
図6は、本発明に係るゲル1での4種類のタンパク質(図4で定義した通り)の溶出プロファイルを示す。
【0055】
具体的には、図4〜6は、従来の分離媒体(Low Sub Phenyl Sepharose(商標)6 Fast Flow及びHigh Sub Phenyl Sepharose(商標)6 Fast Flow(Amersham Bioscience社(スウェーデン、ウプサラ))(それぞれ図4及び5)及び本発明で製造した1種のHIC媒体(図6)を用いた4種類のタンパク質(ミオグロビン、リボヌクレアーゼA、α−ラクトアルブミン及びα−キモトリプシノーゲンA)の溶出プロファイルを対比した例である。試料は同一条件下でカラムに加え、すべての事例で溶出は塩の直線濃度減少勾配で実施した。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は例示を目的とするものにすぎず、特許請求の範囲で規定される本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0057】
実施例1
ATRPによるω−臭素末端官能性ポリスチレンの合成
スチレン(St)(20.8g、200mmol、20当量)、臭化銅(CuBr)(1.434g、10mmol、1当量)及び2,2′−ジピリジル(Bipy)(3.436g、22mmol、2.2当量)を磁気攪拌しながら丸底フラスコ内で混合した。溶液を窒素ガスで15分間フラッシュした。(1−ブロモエチル)ベンゼン(1−PeBr)(1.85g、10mmol、1当量)をフラスコに加えて密封した。反応は室温から110℃に加温し、5時間進行させた。次いで、反応混合物を冷却して、ポリマーをCHClに溶解した。溶液をシリカの短カラムに通した。溶液を蒸発させて粘稠な粗生成物を得た。粗生成物を最低限の量のCHClに溶解し、CHCl相をMeOH中で再沈殿(MeOHの体積はCHClの体積の10倍)してポリマーを得た。沈澱したポリマーをガラスフィルターで濾過し、50℃で真空乾燥した。
【0058】
Mn=2000g/mol、PDI=1.26。
【0059】
実施例2
ω−臭素末端官能性ポリスチレンの合成
実施例1で得たω−臭素末端官能性ポリスチレン(4g、2mmol、1当量)を磁気攪拌しながら丸底フラスコ内でDMF(30ml)に溶解した。溶液を100℃に加熱し、窒素ガスで15分間フラッシュした。チオ尿素(0.305g、4mmol、2当量)をフラスコに加えて密封した。反応は100℃で一晩進行させた。水(1ml)に溶解したNaOH(0.16g、4mmol、2当量)をフラスコに加え、95℃で一晩反応させた。次いで、反応混合物を冷却してCHClを加えた。次いで、有機相をNaClの飽和水溶液で3回抽出した。次いで、有機相をMgSOで乾燥し、ガラスフィルターで濾過した。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を最低限の量のCHClに溶解した。CHCl相をMeOH中で再沈殿(MeOHの体積はCHClの体積の10倍)してポリマーを得た。沈澱したポリマーをガラスフィルターで濾過し、50℃で真空乾燥した。
【0060】
Mn=2000g/mol、PDI=1.28。
【0061】
実施例3
ゲル1:ω−チオレート末端官能性ポリスチレン(Mn=2000g/mol)の活性化Sepharose(商標)6FFへのカップリング
臭素化Sepharose(商標)6 Fast Flowは周知の標準的方法で得た。担持量65μmol/mlゲルのアリル化Sepharose(商標)6 Fast Flow 5ml(アリル基0.325mmol)を臭素を用いて活性化した。活性化後、ゲルをアセトンで洗浄し、吸引乾燥した。
【0062】
実施例2で得たω−チオレート末端官能性ポリスチレン(3.25g、1.625mmol、アリル基に対して5当量)をアセトン(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.33g、3.25mmol、アリル基に対して10当量)を溶液に加えた。活性化ゲルとポリマー溶液を混合し、混合物を50℃で一晩振盪した。次いで、未結合ポリマーが除去されるまで、ゲル1をアセトン、エタノール及び水で洗浄した。
【0063】
実施例4
HICのクロマトグラフィー評価
実験はすべてUnicon 3.1ソフトウェアを備えたAKTA(商標)Explorer 100クロマトグラフィーシステム(Amersham Bioscience社製)を用いて室温で行った。
【0064】
Amersham Bioscience社製の5/5カラム内の1〜2mlゲルを1ml/分で流した。この方法では、2M(NHSO+0.1Mリン酸カリウム、pH7の緩衝液Aと、0.1Mリン酸カリウム、pH7の緩衝液Bを使用した。4種類のタンパク質、ミオグロビン(0.5mg/ml)、リボヌクレアーゼA(2mg/ml)、α−ラクトアルブミン(0.5mg/ml)及びα−キモトリプシノーゲンA(0.8mg/ml)を緩衝液A中で混合し、カラムに加えた。次いで、カラムに2mlの緩衝液Aを流し、次いで100%緩衝液Aから100%緩衝液Bへの勾配を20ml流した。
【0065】
対照ゲルとしてのLow Sub Phenyl Sepharose(商標)6 Fast Flow及びHigh Sub Phenyl Sepharose(商標)6 Fast Flowのクロマトグラムをそれぞれ図4及び図5に示す。
【0066】
Sepharose(商標)6 Fast Flowベースマトリックスで製造したゲル1のクロマトグラムを図6に示す。本発明に係るゲルは上述のHIC試験条件下で機能し、従来技術の対照ゲルとは異なる溶出プロファイルを示す。
【0067】
クロマトグラムの説明
1:ミオグロビン
2:リボヌクレアーゼA
3:α−ラクトアルブミン
4:α−キモトリプシノーゲンA
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ATRPによるω−臭素末端官能性ポリスチレンの製造のための合成スキーム。
【図2】ω−チオレート末端官能性ポリスチレンの製造のための合成スキーム。
【図3】ω−チオレート末端官能性ポリスチレンを活性アガロース粒子にカップリングするための合成スキーム。
【図4】従来技術の分離媒体での4種類のタンパク質(ミオグロビン(1)、リボヌクレアーゼA(2)、α−ラクトアルブミン(3)及びα−キモトリプシノーゲンA(4))の相対的溶出プロファイル。
【図5】従来技術の分離媒体High Sub Phenyl Sepharose(商標)6FF(Amersham Biosciences社(スウェーデン、ウプサラ)製)での4種類のタンパク質(図4で定義した通り)の相対的溶出プロファイルを示す図である。
【図6】本発明に係るゲル1での4種類のタンパク質(図4で定義した通り)の溶出プロファイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離マトリックスの製造方法であって、
(a)1以上のクロマトグラフィー官能基を含む不飽和モノマーを用意し、
(b)モノマーを開始剤及び触媒と接触させ、
(c)モノマーの精密ラジカル重合を実施し、
(d)得られたポリマーをベースマトリックスにカップリングさせる
ことを含んでなる方法。
【請求項2】
活性化ベースマトリックスと反応性の基を有するポリマーを用意することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
段階(a)において、1以上の疎水性クロマトグラフィー官能基を含むモノマーを用意する、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
段階(a)が、スチレンモノマー及び適宜1種以上の追加の不飽和モノマーを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
段階(b)において、前記開始剤がハライド基を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記触媒が遷移金属錯体であり、精密重合が原子移動ラジカル重合(ATRP)である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記精密重合がニトロキシド媒介重合(NMP)である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記精密重合が可逆的付加開裂移動(RAFT)型重合である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
重合段階(c)の生成物が約1.4未満、好ましくは約1.3未満の多分散度(PDI)を示す、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
ベースマトリックスが多孔質粒子を含んでなる、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ベースマトリックスが多孔質メンブランを含んでなる、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法で製造された分離マトリックス。
【請求項13】
疎水性相互作用(HIC)マトリックスである、請求項12記載の分離マトリックス。
【請求項14】
段階(c)で得られたポリマーが刺激応答性ポリマーである、請求項12記載の分離マトリックス。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14のいずれか1項記載のマトリックスが充填されたクロマトグラフィーカラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−531891(P2007−531891A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507271(P2007−507271)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000468
【国際公開番号】WO2005/098415
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(597064713)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ (109)
【Fターム(参考)】