説明

分離型内視鏡

【課題】本発明は、操作部へ挿入部を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知でき、操作部と挿入部との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡を提供する。
【解決手段】挿入部2と、操作部3との間が分離可能に連結される分離型内視鏡1の操作部3に設けられた給電側の第1の電気接点26と、挿入部2に設けられた受電側の第2の電気接点8と、挿入部2と操作部3との間の接続時に挿入部2と操作部3との間を係脱可能にロックするロック機構9と、操作部3への挿入部2の接続状態を第1の電気接点26と第2の電気接点8との通電状況によって検知する制御部22と、制御部22からの検知信号に基づいて操作部3への挿入部2の接続状態についての検知内容を告知するLED11と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡本体が、複数の構成要素に分離可能に連結される連結部を有する連結される分離型内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から内視鏡本体の一部が分離可能に連結される分離型内視鏡が開発されている。例えば、特許文献1には、内視鏡本体の挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが着脱可能に連結される構成が示されている。ここでは、挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが外れかけると、内視鏡の観察視野内に視野欠け部分が発生する。そのため、使用者は、内視鏡の観察視野内に視野欠け部分が発生した状態を目視することにより、挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが外れかけている状態を知ることができる。
【0003】
また、特許文献2には、内視鏡本体の挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが着脱可能に連結される構成が示されている。ここでは、挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが正しく装着されていない場合には、挿入部の先端部に指標がねじれるなどの警告表示をして使用者に知らせることができる。
【0004】
また、特許文献3には、管腔内に挿入される挿入部と、この挿入部の基端部に配置された操作部とが分離可能に連結される分離型内視鏡が示されている。ここでは、挿入部と操作部との着脱部に、信号の伝達を行う電気接点を備えた電気コネクタや、光結合により信号の伝達を行う光学的伝達手段や、電磁結合により信号の伝達を行う電磁的伝達手段や、電磁結合により電源の伝達を行う電源伝達手段や、湾曲部を電気的に湾曲駆動する湾曲駆動手段、あるいは湾曲駆動手段による回転力を伝達する回転力伝達手段などを設けた構成が示されている。
【特許文献1】特開2003−299610号公報
【特許文献2】特開2005−185855号公報
【特許文献3】特開2005−279253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の装置では、使用者は、内視鏡の観察視野内に視野欠け部分が発生した状態を目視することにより、挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが正しく装着されていない状態を知ることができる。しかしながら、内視鏡の観察視野内に視野欠け部分が発生した状態でも、内視鏡は通常のとおり使用できるので、使用者が、内視鏡の観察視野内に視野欠け部分の発生を見落とした場合には挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが正しく装着されていないままの状態での使用が継続されてしまう可能性がある。
【0006】
また、上記特許文献2の装置では、挿入部の先端部に指標がねじれるなどの警告表示が表示されている状態でも、内視鏡は通常のとおり使用できる。そのため、この場合も使用者が、挿入部の先端部に指標がねじれるなどの警告表示を見落とした場合には挿入部の先端部に対して内視鏡用フードが正しく装着されていないままの状態での使用が継続されてしまう可能性がある。
【0007】
また、特許文献3では、挿入部と操作部との着脱部が正しく連結されているかどうかを検知する検知手段や、その警告手段などは格別に示されていない。そのため、この場合は、挿入部と操作部との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、操作部へ挿入部を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部と挿入部との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、先端部に少なくとも照明窓と観察窓とを有する挿入部と、前記挿入部の基端部に配置された操作部との間が分離可能に連結される分離型内視鏡であって、前記操作部に設けられた給電側の第1の電気接点と、前記挿入部に設けられた受電側の第2の電気接点と、前記挿入部と前記操作部との間の接続時に前記挿入部と前記操作部との間を係脱可能にロックするロック機構と、前記操作部への前記挿入部の接続状態を前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との通電状況によって検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて前記操作部への前記挿入部の接続状態についての検知内容を告知する告知手段と、を具備することを特徴とする分離型内視鏡である。
そして、本請求項1の発明では、分離型内視鏡の挿入部を操作部に装着した際、操作部の給電側の第1の電気接点と、挿入部の受電側の第2の電気接点とが接続されるとともに、挿入部と操作部との間がロック機構によって係脱可能にロックされる。このとき、検知手段によって第1の電気接点と第2の電気接点との通電状況に応じて操作部への挿入部の接続状態を検出することにより、分離型内視鏡の装着が完了し、使用可能となったことを光・音・振動の発生などの告知手段によって使用者に知らせる。これにより、挿入部と操作部との間の分離部の確実な装着を可能にするようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、前記分離型内視鏡は、前記挿入部と前記操作部との接続が完了したことを前記検知手段が検知した際に、前記内視鏡を起動させる起動手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項2の発明では、分離型内視鏡は、検知手段が挿入部と操作部との接続が完了したことを検知した際に、起動手段を駆動して内視鏡を起動させるようにしたものである。
【0011】
請求項3の発明は、前記起動手段は、前記照明窓に供給される照明光を発生させる光源の点灯と、前記観察窓から入射される内視鏡像を撮像する撮像素子からの画像信号の出力開始とを行うことを特徴とする請求項2に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項3の発明では、起動手段の駆動時には、照明光の光源を点灯させるとともに、観察窓から入射される内視鏡像を撮像する撮像素子からの画像信号の出力開始とを行うようにしたものである。
【0012】
請求項4の発明は、前記分離型内視鏡は、使用中に前記挿入部と前記操作部との接続が不良となった状態を前記検知手段が検知したときに、前記内視鏡を停止させる停止手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項4の発明では、分離型内視鏡の使用中に挿入部と操作部との接続が不良となった状態を検知手段が検知したときに、停止手段によって内視鏡を停止させるようにしたものである。
【0013】
請求項5の発明は、前記停止手段は、前記照明窓に供給される照明光を発生させる光源の消灯と、前記観察窓から入射される内視鏡像を撮像する撮像素子からの画像信号の出力停止とを行うことを特徴とする請求項4に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項5の発明では、停止手段の駆動時には、照明光の光源の消灯と、撮像素子からの画像信号の出力停止とを行うようにしたものである。
【0014】
請求項6の発明は、前記ロック機構は、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との接続により前記挿入部と前記操作部との装着を検知した際に、前記挿入部と前記操作部との連結部を固定するロック機構駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項6の発明では、第1の電気接点と第2の電気接点との接続により挿入部と操作部との装着を検知した際に、ロック機構駆動手段によってロック機構を駆動して挿入部と操作部との連結部を固定するようにしたものである。
【0015】
請求項7の発明は、前記ロック機構は、前記挿入部側の端部に固定された接合部材と、前記操作部側における前記接合部材と対応する位置に設けられた可動腕部とを具備し、前記ロック機構駆動手段は、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との接続時に前記可動腕部を前記接合部材に係脱可能に係合させる腕部駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項7の発明では、第1の電気接点と第2の電気接点との接続時に、ロック機構駆動手段の腕部駆動手段によって操作部側の可動腕部を挿入部側の端部の接合部材に係脱可能に係合させるようにしたものである。
【0016】
請求項8の発明は、前記告知手段は、光点灯手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項8の発明では、第1の電気接点と第2の電気接点との接続時に、告知手段の光点灯手段によって光源の点灯を行うようにしたものである。
【0017】
請求項9の発明は、前記光点灯手段は、LEDであることを特徴とする請求項8に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項9の発明では、第1の電気接点と第2の電気接点との接続時に、光点灯手段のLEDの点灯を行うようにしたものである。
【0018】
請求項10の発明は、前記光点灯手段は、前記挿入部の前記先端部、または前記操作部の少なくともいずれか一方に位置することを特徴とする請求項8に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項10の発明では、挿入部の先端部、または操作部の少なくともいずれか一方に位置する光点灯手段によって操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を告知するようにしたものである。
【0019】
請求項11の発明は、前記告知手段は、振動手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項11の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を振動手段による振動の発生などで告知するようにしたものである。
【0020】
請求項12の発明は、前記振動手段は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項11に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項12の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を操作部に位置する振動手段による振動の発生などで告知するようにしたものである。
【0021】
請求項13の発明は、前記告知手段は、音発生手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項13の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を告知手段の音発生手段による音の発生などで告知するようにしたものである。
【0022】
請求項14の発明は、前記音発生手段は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項13に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項14の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を操作部に位置する音発生手段による音の発生などで告知するようにしたものである。
【0023】
請求項15の発明は、前記告知手段は、映像手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項15の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を告知手段の映像手段で告知するようにしたものである。
【0024】
請求項16の発明は、前記映像手段は、前記操作部への前記挿入部の接続状態を表示するための表示部を有し、前記表示部は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項15に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項16の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を操作部に位置する表示部によって告知するようにしたものである。
【0025】
請求項17の発明は、前記映像手段は、前記観察窓からの内視鏡像を表示するための撮影画像モニタと共用され、前記撮影画像モニタに前記操作部への前記挿入部の接続状態を表示する表示部を有することを特徴とする請求項15に記載の分離型内視鏡である。
そして、本請求項17の発明では、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を撮影画像モニタと共用される告知手段の表示部によって告知するようにしたものである。
【0026】
請求項18の発明は、先端部に少なくとも照明窓と観察窓とを有する挿入部と、前記挿入部の基端部に配置された操作部との間が分離可能に連結される分離型内視鏡であって、前記操作部に設けられた給電側の第1の電気接点と、前記挿入部に設けられた受電側の第2の電気接点と、前記挿入部と前記操作部との間の接続時に前記挿入部と前記操作部との間を係脱可能にロックするロック機構と、前記操作部への前記挿入部の接続状態を前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との通電状況によって検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて前記操作部への前記挿入部の接続状態についての検知内容を告知する告知手段と、を具備し、前記ロック機構は、前記挿入部側の端部に固定された接合部材と、前記操作部側における前記接合部材と対応する位置に設けられ、前記接合部材に係脱可能に係合される可動腕部とを有し、前記給電側の第1の電気接点および前記受電側の第2の電気接点は、それぞれ複数の電気接点要素を有し、少なくとも1つの前記第1の電気接点要素は、前記可動腕部に設けられた腕部接点、少なくとも1つの前記第2の電気接点要素は、前記接合部材に設けられた接合部材接点によってそれぞれ形成され、前記可動腕部と前記接合部材との係合時に前記腕部接点と前記接合部材接点とが接続されて前記告知手段の通電回路が形成されることを特徴とする分離型内視鏡である。
そして、本請求項18の発明では、分離型内視鏡の挿入部を操作部に装着した際、操作部の給電側の第1の電気接点と、挿入部の受電側の第2の電気接点とが接続されるとともに、挿入部と操作部との間がロック機構によって係脱可能にロックされる。このとき、ロック機構は、挿入部側の接合部材と、操作部側の可動腕部とが係脱可能に係合される。この可動腕部と接合部材との係合時に腕部接点と接合部材接点とが接続されて告知手段の通電回路が形成される。このとき、検知手段によって第1の電気接点と第2の電気接点との通電状況に応じて操作部への挿入部の接続状態を検出することにより、分離型内視鏡の装着が完了し、使用可能となったことを光・音・振動の発生などの告知手段によって使用者に知らせる。これにより、挿入部と操作部との間の分離部の確実な装着を可能にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、操作部へ挿入部を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部と挿入部との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施の形態の分離型内視鏡1は、体内に挿入される細長い挿入部2(図1(A)に示す)と、この挿入部2の基端部に配置された操作部3(図1(B)に示す)とを有する。挿入部2と操作部3とは、分離可能に連結される。
【0029】
挿入部2の本体2Aは、細長い可撓管部4と、この可撓管部4の先端に基端部が連結された湾曲部5と、この湾曲部5の先端に基端部が連結された先端硬性部6とを有する。先端硬性部6の先端面には、図示しない照明光学系の照明窓部と、観察光学系の観察窓部と、処置具挿通チャンネルの先端開口部と、送気送水用ノズルなどが配設されている。
【0030】
先端硬性部6の内部には、照明窓部の後方に図示しないライトガイドファイバの先端部が固定されている。さらに、観察窓部の後方には、内視鏡像を撮像するCCDなどを含む撮像ユニットが配設されている。さらに、先端硬性部6の内部には、処置具挿通チャンネルの先端部や、送気送水用ノズルに接続された図示しない送気・送水チューブの先端部などが固定されている。
【0031】
前記ライトガイドファイバや、撮像ユニットの撮像信号線などのケーブル(電気信号線)や、処置具挿通チャンネルや、前記送気送水用ノズルに接続された送気チューブや、送水チューブなどは、湾曲部5内から可撓管部4内を通り、可撓管部4の基端部側に延設されている。
【0032】
また、可撓管部4の基端部には、操作部3との連結部(挿入部側連結部)7が設けられている。この挿入部側連結部7には、受電側の第2の電気接点8と、後述するロック機構9の係合ピン(接合部材)10とが設けられている。第2の電気接点8は、2つの雌型のコネクタ部(電気接点要素)8a,8bを有する。ここで、第2の電気接点8には、陽極と陰極の二つの電極が設けられている。そして、一方のコネクタ部8aには、陽極、他方のコネクタ部8bには、陰極がそれぞれ配設されている。
【0033】
さらに、先端硬性部6の先端面には、操作部3への挿入部2の接続状態についての検知内容を告知する告知手段、例えば光点灯手段であるLED11が設けられている。このLED11は、LED配線12を介して第2の電気接点8の2つの雌型のコネクタ部8a,8bにそれぞれ接続されている。
【0034】
操作部3には術者が把持する把持部13が配設されている。この把持部13の終端部にはユニバーサルコード14の基端部が連結されている。このユニバーサルコード14の先端部には、コネクタ部15が連結されている。コネクタ部15には、さらに接続コード16を介して電気コネクタ17が接続されている。
【0035】
コネクタ部15は、光源装置18に着脱可能に連結される。電気コネクタ17は、コンソール19に着脱可能に連結される。コンソール19は、ビデオプロセッサ20と、CCD駆動部21と、制御部(検知手段)22とを有する。制御部22は、さらに光源装置18とCCD駆動部21とそれぞれ接続されている。ビデオプロセッサ20は、外部のモニタ23と接続されている。そして、制御部22は、操作部3への挿入部2の接続状態を、把持部13に設けた第1の電気接点26と第2の電気接点8との通電状況によって検知し、その検知結果に応じて光源装置18およびCCD駆動部21の駆動をそれぞれ制御する。よって、この制御部22は、内視鏡を起動させる起動手段としての機能も有する。
【0036】
また、コンソール19には、電気コネクタ17との接続部に第1〜第3の接点24a,24b,24cが配設されている。第1の接点24aは、ビデオプロセッサ20と接続されている。第2の接点24bは、CCD駆動部21と接続され、第3の接点24cは、制御部22と接続されている。
【0037】
また、操作部3には、把持部13の先端部に挿入部2の挿入部側連結部7との連結部(操作部側連結部)25が設けられている。この操作部側連結部25には、給電側の第1の電気接点26と、ロック機構9のフック部材(可動腕部)27とが設けられている。第1の電気接点26は、2つの雄型のコネクタ部(電気接点要素)26a,26bを有する。ここで、第1の電気接点26には、陽極と陰極の二つの電極が設けられている。そして、一方のコネクタ部26aには、陽極、他方のコネクタ部26bには、陰極がそれぞれ配設されている。
【0038】
フック部材27は、挿入部2の係合ピン10と対応する位置に設けられている。フック部材27の基端部は、回動支軸28を中心に回動可能に軸支されている。回動支軸28は正逆回転可能なロータリーソレノイド(ロック機構駆動手段)29によって回動駆動されるようになっている。そして、このフック部材27の回動動作によってフック部材27と挿入部2の係合ピン10との係脱操作が行われるようになっている。
【0039】
また、2つの雄型のコネクタ部26a,26bと、ロータリーソレノイド29と、に接続された電気信号線、および図示しない撮像ユニットの撮像信号線などのケーブルに接続される電気信号線は、操作部3およびユニバーサルコード14の内部からコネクタ部15側に延出され、さらに接続コード16を介して電気コネクタ17に接続されている。そして、2つの雄型のコネクタ部26a,26bの電気信号線と、ロータリーソレノイド29の電気信号線とは、第3の接点24cと接続されている。また、図示しない撮像ユニット等用の電気信号線は、第1の接点24aおよび第2の接点24bに接続されている。
【0040】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の分離型内視鏡1は、使用時には分離状態の挿入部2と操作部3とが連結される作業が行われる。この連結作業時には、図2中に矢印で示すように挿入部2の挿入部側連結部7と操作部3の操作部側連結部25とが接合される。このとき、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の2つの雌型のコネクタ部8a,8bに、操作部側連結部25の第1の電気接点26の2つの雄型のコネクタ部26a,26bが挿入される。
【0041】
そして、図3に示すように挿入部2と操作部3とが正しい連結位置まで挿入された時点で、操作部3の給電側の第1の電気接点26と、挿入部2の受電側の第2の電気接点8とが接続される。これにより、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の2つの雌型のコネクタ部8a,8bと操作部側連結部25の第1の電気接点26の2つの雄型のコネクタ部26a,26bとが接続され、閉回路が成立する。そのため、先端硬性部6の先端面のLED11が点灯される。
【0042】
このとき同時に、雌型のコネクタ部8a,8bと雄型のコネクタ部26a,26bとの通電状態が制御部22に検知される。そのため、制御部22からロータリーソレノイド29に駆動信号が出力される。そして、図4中に矢印で示すようにロータリーソレノイド29によってフック部材27が回動支軸28を中心に時計回り方向に回動駆動される。このとき、フック部材27の回動動作によってフック部材27が挿入部2の係合ピン10に係脱可能に係合される。これにより、挿入部2と操作部3との間がロック機構9によって係脱可能にロックされる。
【0043】
さらに、ロックが完了すると、制御部22から光源装置18とCCD駆動部21とにそれぞれ起動信号が出力される。これにより、内視鏡1の作動が開始される。このとき、光源装置18の駆動開始によって照明光が点灯されるとともに、CCD駆動部21によって撮像ユニットのCCDの駆動が開始される。そのため、モニタ23への画像表示が開始される。この状態で、内視鏡1の使用が可能になる。
【0044】
また、内視鏡1の使用中に例えば挿入部2と操作部3とが正しい連結位置から外れた場合には、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の2つの雌型のコネクタ部8a,8bと操作部側連結部25の第1の電気接点26の2つの雄型のコネクタ部26a,26bとの接続が解除される。この場合には、雌型のコネクタ部8a,8bと雄型のコネクタ部26a,26bとの間が断線状態に切り替わる。この状態が、制御部22によって検知された場合には、制御部22から光源装置18とCCD駆動部21とにそれぞれ停止信号が出力される。これにより、光源装置18の照明光が消灯されるとともに、CCD駆動部21による撮像ユニットのCCDの駆動が停止される。そのため、モニタ23への画像表示が停止されて内視鏡1の作動が停止される。よって、制御部22は、内視鏡1の作動を停止させる停止手段としての機能も有する。
【0045】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の分離型内視鏡1では、操作部3へ挿入部2を装着した際に、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の2つの雌型のコネクタ部8a,8bと操作部側連結部25の第1の電気接点26の2つの雄型のコネクタ部26a,26bとの接続による電気接点の通電などにより電気的に装着が完了したことを検知することができる。このとき、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを光・音・振動の発生、例えば本実施の形態では先端硬性部6のLED11の点灯によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0046】
また、図5〜図10は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の挿入部2と操作部3との着脱部の構成を次の通り変更したものである。なお、変更部分以外は第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0047】
すなわち、本実施の形態では、挿入部2の挿入部側連結部7に、1つの雌型のコネクタ部31と、ロック機構9の1つの係合ピン(第1の電気接点要素)32とを有する。ここで、雌型のコネクタ部31と、係合ピン32とはそれぞれ受電側の第2の電気接点8を構成する。なお、第2の電気接点8には、陽極と陰極の二つの電極が設けられている。そして、例えばコネクタ部31には、陽極、係合ピン32には、陰極(接合部材接点)がそれぞれ配設されている。LED11は、LED配線33を介して第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31と、ロック機構9の1つの係合ピン32とにそれぞれ接続されている。
【0048】
また、操作部3の操作部側連結部25には、1つの雄型のコネクタ部34と、ロック機構9の1つのフック部材35とを有する。ここで、雄型のコネクタ部34と、フック部材35とはそれぞれ給電側の第1の電気接点26を構成する。なお、第1の電気接点26には、陽極と陰極の二つの電極が設けられている。そして、例えばコネクタ部34には、陽極、フック部材35には、陰極(腕部接点)がそれぞれ配設されている。さらに、コネクタ部34およびフック部材35の電気信号線は、第3の接点24cと接続されている(図1参照)。
【0049】
フック部材35は、可動腕部35aと、この可動腕部35aの先端に形成されたほぼC字状のフック部(第2の電気接点要素)35bとを有する。可動腕部35aは、その中間部が回動軸36を介して操作部3に回動自在に取り付けられている。
【0050】
また、操作部3には、回動軸36を中心にフック部材35を回動操作する操作ボタン37が設けられている。この操作ボタン37は、図5中で、上下方向に移動可能に支持されている。なお、操作ボタン37は、図示しない付勢手段によって図5中で、操作部3の上方向に突出する方向に付勢されている。そして、常時は付勢手段の付勢力によって図5に示すように操作部3の上方向に突出した突出位置で保持されている。
【0051】
さらに、操作ボタン37の下端部はフック部材35の基端部と係合されている。そして、図7中に矢印で示すように操作ボタン37の押し下げ操作にともないフック部材35が回動軸36を中心に時計回り方向に回動し、フック部35bが図7中で上方向に移動するようになっている。また、操作ボタン37の押し下げ操作を解除することにより、操作ボタン37が付勢手段の付勢力によって図9中に矢印で示すように操作部3の上方向に突出した突出位置に戻される。このとき、フック部材35は、図9中に矢印で示すように回動軸36を中心に反時計回り方向に回動し、フック部35bが下方向に移動するようになっている。そして、操作ボタン37の操作に応じてフック部材35と係合ピン32との係脱操作が行われるようになっている。
【0052】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の分離型内視鏡1は、使用時には分離状態の挿入部2と操作部3とが連結される作業が行われる。この連結作業時には、図6中に矢印で示すように挿入部2の挿入部側連結部7と操作部3の操作部側連結部25とが接合される。このとき、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31に、操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34が挿入される。
【0053】
本実施の形態では、挿入部2と操作部3との連結作業中に、操作ボタン37によってフック部材35の操作が次のとおり行われる。すなわち、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31に、操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34が挿入される前に、図7に示すように操作ボタン37の押し下げ操作が行われる。このとき、フック部材35が回動軸36を中心に時計回り方向に回動し、フック部35bが図7中で上方向に移動する。
【0054】
続いて、操作ボタン37を押し下げ位置で保持したままの状態で、図8に示すように挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31に、操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34が挿入される。そして、挿入部2と操作部3とが正しい連結位置まで挿入された時点で、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31と操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34とが接続される。
【0055】
このとき、操作ボタン37の押し下げ操作が解除される。これにより、操作ボタン37が付勢手段の付勢力によって図9中に矢印で示すように操作部3の上方向に突出した突出位置に戻される。このとき、フック部材35は、図9中に矢印で示すように回動軸36を中心に反時計回り方向に回動し、フック部35bが下方向に移動して係合ピン32と係合する。これにより、挿入部2と操作部3との間がロック機構9によって係脱可能にロックされる。さらに、フック部材35と係合ピン32との係合時には、フック部材35の腕部接点と係合ピン32の接合部材接点とが接続される。これにより、操作部3の給電側の第1の電気接点26と、挿入部2の受電側の第2の電気接点8とが接続されて閉回路が成立する。そのため、図10に示すように先端硬性部6の先端面のLED11が点灯される。
【0056】
このとき同時に、操作部3の給電側の第1の電気接点26と、挿入部2の受電側の第2の電気接点8との接続状態が制御部22(図1参照)に検知される。そのため、制御部22から光源装置18とCCD駆動部21とにそれぞれ起動信号が出力される。これにより、内視鏡1の作動が開始される。このとき、光源装置18の駆動開始によって照明光が点灯されるとともに、CCD駆動部21によって撮像ユニットのCCDの駆動が開始される。そのため、モニタ23への画像表示が開始される。この状態で、内視鏡1の使用が可能になる。
【0057】
また、内視鏡1の使用中に例えば挿入部2と操作部3とが正しい連結位置から外れた場合には、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31と操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34との接続が解除される。この場合には、雌型のコネクタ部31と雄型のコネクタ部34との間が断線状態に切り替わる。この状態が、制御部22によって検知された場合には、制御部22から光源装置18とCCD駆動部21とにそれぞれ停止信号が出力される。これにより、光源装置18の照明光が消灯されるとともに、CCD駆動部21による撮像ユニットのCCDの駆動が停止される。そのため、モニタ23への画像表示が停止されて内視鏡1の作動が停止される。
【0058】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の分離型内視鏡1では、操作部3へ挿入部2を装着した際に、挿入部側連結部7の第2の電気接点8の雌型のコネクタ部31と操作部側連結部25の第1の電気接点26の雄型のコネクタ部34との接続による一方の電気接点の通電と、フック部材35と係合ピン32との係合によるフック部材35の腕部接点と係合ピン32の接合部材接点の接続による他方の電気接点の通電とが行われる。これにより電気的に装着が完了したことを制御部22によって検知することができる。このとき、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを光・音・振動の発生、例えば本実施の形態では先端硬性部6のLED11の点灯によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、ロック機構9のフック部材35と係合ピン32との係合部によってLED11の通電回路の一方の電気接点を兼用させている。そのため、装置全体の構成要素を少なくすることができる。
【0060】
また、図11は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0061】
すなわち、本実施の形態では、挿入部2の基端部の挿入部側連結部7の外周面に告知手段を構成する光点灯手段であるLED41が設けられている。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0062】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを挿入部2の基端部の挿入部側連結部7のLED41の点灯によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0063】
また、図12は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0064】
すなわち、本実施の形態では、操作部3の端末部に告知手段を構成する光点灯手段であるLED51が設けられている。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0065】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを操作部3の端末部のLED51の点灯によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0066】
また、図13は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0067】
すなわち、本実施の形態では、操作部3の端末部に告知手段を構成するバイブレータ61が設けられている。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0068】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを操作部3の端末部のバイブレータ61の作動(振動)によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0069】
また、図14は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0070】
すなわち、本実施の形態では、操作部3の端末部に音による告知手段を構成するスピーカー71、またはブザーが設けられている。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0071】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを操作部3の端末部のスピーカー71からの音声、またはブザーの鳴動によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0072】
また、図15(A),(B)は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0073】
すなわち、本実施の形態では、図15(A)に示すように操作部3の端末部に告知手段を構成する映像(文字)表示手段である液晶ディスプレイ81が設けられている。この液晶ディスプレイ81は、分離型内視鏡1の操作部3と挿入部2との連結部が未装着の場合には表示画面(表示部)82が例えば未表示、あるいは“使用不可” の文字が表示される。また、分離型内視鏡1の操作部3と挿入部2との連結部が正しく装着された場合には図15(B)に示すように液晶ディスプレイ81の表示画面82に例えば“Connect:OK!!”の文字が表示される。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0074】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを操作部3の端末部の液晶ディスプレイ81の表示画面82の文字の表示によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0075】
また、図16(A),(B)は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1〜図4参照)の分離型内視鏡1の告知手段の構成を次の通り変更したものである。
【0076】
すなわち、本実施の形態では、告知手段を構成する映像(文字)表示手段として図16(A)に示すように観察窓からの内視鏡像を表示するための撮影画像モニタ23を共用したものである。本実施の形態のモニタ23には、分離型内視鏡1の操作部3と挿入部2との連結部が未装着の場合には表示画面が例えば未表示、あるいは“使用不可” の文字が表示される。また、分離型内視鏡1の操作部3と挿入部2との連結部が正しく装着された場合には図16(B)に示すように表示画面内に例えば“Connect:OK!!”の文字を表示する表示部91が形成される。なお、表示部91は、内視鏡像を表示するための撮影画像の表示領域とは外れた領域に表示される構成にしてもよい。これ以外の部分は、第1の実施の形態と同一構成になっており、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0077】
そこで、上記構成の本実施の形態の分離型内視鏡1では、分離型内視鏡1の装着が完了し、使用可能となったことを撮影画像モニタ23の表示画面内の表示部91の文字の表示によって使用者に知らせることができる。これにより、操作部3へ挿入部2を装着した際に、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部3と挿入部2との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡1を提供することができる。そのため、挿入部2と操作部3との着脱部が正しく連結されていないままの状態での使用が継続されてしまうことを防止することができる。
【0078】
なお、上記各実施の形態の分離型内視鏡1では、照明窓部の後方に固定したライトガイドファイバにより照明するようにしたが、これに限らず、照明手段として、LEDを用い、該LEDの点灯制御を光源装置18で行ってもよい。
【0079】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 挿入部と操作部を接続および分離することが可能な分離型内視鏡であって、給電部を有する操作部と、受電部を有する挿入部と、挿入部と操作部間を接続時に固定するためのロック機構と、操作部への挿入部の接続状態を前記給電部と前記電気接点との通電状況によって検知する検知手段と、操作部への挿入部の接続状態についての検知内容を使用者に告知する告知手段と、を具備することを特徴とする分離型内視鏡。
【0080】
(付記項2) 前記分離型内視鏡において、挿入部と操作部との接続が完了したことを前記検知手段が検知し、前記内視鏡が起動する起動手段を具備することを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0081】
(付記項3) 前記分離型内視鏡において、使用中に挿入部と操作部との接続が不良となったことを前記検知手段が検知し、当該内視鏡が停止する停止手段を具備することを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0082】
(付記項4) 前記ロック機構は、前記電気接点により前記挿入部と前記操作部の装着を検知した際に、挿入部を固定することを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0083】
(付記項5) 前記ロック機構は、挿入部側の端部に設けられた固定された接合部材と、操作部側に設けられた可動腕部とからなることを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0084】
(付記項6) 前記告知手段は、光点灯手段であることを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0085】
(付記項7) 前記光点灯手段は、LEDであることを特徴とする付記項6に記載の分離型内視鏡。
【0086】
(付記項8) 前記光点灯手段は、挿入部に位置することを特徴とする付記項6に記載の分離型内視鏡。
【0087】
(付記項9) 前記光点灯手段は、操作部に位置することを特徴とする付記項6に記載の分離型内視鏡。
【0088】
(付記項10) 前記告知手段は、振動手段であることを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0089】
(付記項11) 前記振動手段は、操作部に位置することを特徴とする付記項10記載の分離型内視鏡。
【0090】
(付記項12) 前記告知手段は、音発生手段であることを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0091】
(付記項13) 前記音発生手段は、操作部に位置することを特徴とする付記項12に記載の分離型内視鏡。
【0092】
(付記項14) 前記告知手段は、映像手段であることを特徴とする付記項1に記載の分離型内視鏡。
【0093】
(付記項15) 前記映像手段は、表示するためのディスプレイが操作部に位置することを特徴とする付記項14に記載の分離型内視鏡。
【0094】
(付記項16) 前記映像手段は、表示するためのディスプレイが撮影画像モニタと共用となっていることを特徴とする付記項14に記載の分離型内視鏡。
【産業上の利用可能性】
【0095】
操作部へ挿入部を装着した際に、挿入部と操作部とが正しい連結位置まで連結された時点で、告知手段が作動することにより、正しく装着された状態を正しく検知することができ、操作部と挿入部との連結部を確実に装着できる分離型内視鏡を製造し、使用する技術分野で有効である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施の形態の分離型内視鏡の分離状態を示すもので、(A)は内視鏡の挿入部の部分を示す概略構成図、(B)は内視鏡の操作部と外部装置との接続状態を示す概略構成図。
【図2】第1の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結される途中の状態を示す概略構成図。
【図3】第1の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部との電気接点間が接続された状態を示す概略構成図。
【図4】第1の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部との連結時にロック機構がロックされた状態を示す概略構成図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結される前の状態を示す概略構成図。
【図6】第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結される途中の状態を示す概略構成図。
【図7】第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結される途中で装着ボタンを押した状態を示す概略構成図。
【図8】第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部との連結時にロック機構がロックされていない状態を示す概略構成図。
【図9】第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部との連結時にロック機構がロックされる動作を説明するための概略構成図。
【図10】第2の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部との連結時にロック機構がロックされた状態を示す概略構成図。
【図11】本発明の第3の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図。
【図12】本発明の第4の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図。
【図13】本発明の第5の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図。
【図14】本発明の第6の実施の形態の分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図。
【図15】本発明の第7の実施の形態を示すもので、(A)は分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図、(B)は操作部の表示部を示す正面図。
【図16】本発明の第8の実施の形態を示すもので、(A)は分離型内視鏡の挿入部と操作部とが連結された状態を示す概略構成図、(B)はモニタに表示された表示画像の一例を示す正面図。
【符号の説明】
【0097】
2…挿入部、3…操作部、8…第2の電気接点、9…ロック機構、11…LED(告知手段)、22…制御部(検知手段)、26…第1の電気接点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に少なくとも照明窓と観察窓とを有する挿入部と、前記挿入部の基端部に配置された操作部との間が分離可能に連結される分離型内視鏡であって、
前記操作部に設けられた給電側の第1の電気接点と、
前記挿入部に設けられた受電側の第2の電気接点と、
前記挿入部と前記操作部との間の接続時に前記挿入部と前記操作部との間を係脱可能にロックするロック機構と、
前記操作部への前記挿入部の接続状態を前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との通電状況によって検知する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号に基づいて前記操作部への前記挿入部の接続状態についての検知内容を告知する告知手段と、
を具備することを特徴とする分離型内視鏡。
【請求項2】
前記分離型内視鏡は、前記挿入部と前記操作部との接続が完了したことを前記検知手段が検知した際に、前記内視鏡を起動させる起動手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項3】
前記起動手段は、前記照明窓に供給される照明光を発生させる光源の点灯と、前記観察窓から入射される内視鏡像を撮像する撮像素子からの画像信号の出力開始とを行うことを特徴とする請求項2に記載の分離型内視鏡。
【請求項4】
前記分離型内視鏡は、使用中に前記挿入部と前記操作部との接続が不良となった状態を前記検知手段が検知したときに、前記内視鏡を停止させる停止手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項5】
前記停止手段は、前記照明窓に供給される照明光を発生させる光源の消灯と、前記観察窓から入射される内視鏡像を撮像する撮像素子からの画像信号の出力停止とを行うことを特徴とする請求項4に記載の分離型内視鏡。
【請求項6】
前記ロック機構は、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との接続により前記挿入部と前記操作部との装着を検知した際に、前記挿入部と前記操作部との連結部を固定するロック機構駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記挿入部側の端部に固定された接合部材と、前記操作部側における前記接合部材と対応する位置に設けられた可動腕部とを具備し、
前記ロック機構駆動手段は、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との接続時に前記可動腕部を前記接合部材に係脱可能に係合させる腕部駆動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項8】
前記告知手段は、光点灯手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項9】
前記光点灯手段は、LEDであることを特徴とする請求項8に記載の分離型内視鏡。
【請求項10】
前記光点灯手段は、前記挿入部の前記先端部、または前記操作部の少なくともいずれか一方に位置することを特徴とする請求項8に記載の分離型内視鏡。
【請求項11】
前記告知手段は、振動手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項12】
前記振動手段は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項11に記載の分離型内視鏡。
【請求項13】
前記告知手段は、音発生手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項14】
前記音発生手段は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項13に記載の分離型内視鏡。
【請求項15】
前記告知手段は、映像手段であることを特徴とする請求項1に記載の分離型内視鏡。
【請求項16】
前記映像手段は、前記操作部への前記挿入部の接続状態を表示するための表示部を有し、
前記表示部は、前記操作部に位置することを特徴とする請求項15に記載の分離型内視鏡。
【請求項17】
前記映像手段は、前記観察窓からの内視鏡像を表示するための撮影画像モニタと共用され、
前記撮影画像モニタに前記操作部への前記挿入部の接続状態を表示する表示部を有することを特徴とする請求項15に記載の分離型内視鏡。
【請求項18】
先端部に少なくとも照明窓と観察窓とを有する挿入部と、前記挿入部の基端部に配置された操作部との間が分離可能に連結される分離型内視鏡であって、
前記操作部に設けられた給電側の第1の電気接点と、
前記挿入部に設けられた受電側の第2の電気接点と、
前記挿入部と前記操作部との間の接続時に前記挿入部と前記操作部との間を係脱可能にロックするロック機構と、
前記操作部への前記挿入部の接続状態を前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との通電状況によって検知する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号に基づいて前記操作部への前記挿入部の接続状態についての検知内容を告知する告知手段と、
を具備し、
前記ロック機構は、前記挿入部側の端部に固定された接合部材と、前記操作部側における前記接合部材と対応する位置に設けられ、前記接合部材に係脱可能に係合される可動腕部とを有し、
前記給電側の第1の電気接点および前記受電側の第2の電気接点は、それぞれ複数の電気接点要素を有し、
少なくとも1つの前記第1の電気接点要素は、前記可動腕部に設けられた腕部接点、少なくとも1つの前記第2の電気接点要素は、前記接合部材に設けられた接合部材接点によってそれぞれ形成され、
前記可動腕部と前記接合部材との係合時に前記腕部接点と前記接合部材接点とが接続されて前記告知手段の通電回路が形成されることを特徴とする分離型内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−142496(P2009−142496A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323893(P2007−323893)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】