説明

分離装置、分離方法

【課題】霧化による分離技術を実行するときに必要なエネルギーを抑制する。
【解決手段】分離装置は、溶液を霧化して微粒子を含む気体を生じる霧化室10、微粒子を分級する分級器20、霧化室10と分級器20を繋ぐ第1管1、微粒子を含む気体を凝縮回収する回収槽30、分級器20と回収槽30を繋ぐ第2管2と、回収槽30と霧化室10を繋ぐ第3管3を備える。第2管2の途中には、気体を加圧するブロア40があり、また、第2管2と第3管3を跨ぐ圧力回収装置50、熱交換器60を備える。圧力回収装置50で、ブロア40で生じた圧を第3管3内の気体から第2管2内の気体へ、熱交換器60で、ブロア40による加圧で生じた圧縮熱を第2管2内の気体から第3管3内の気体へ移す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バイオマスアルコール、酒、酒原料等のアルコール溶液は、溶媒である水と溶質であるアルコール(エタノール)を含む(両者の関係は入れ替わるときもあるが、ここでは便宜上このように記す。)。このようなアルコール溶液から、水とアルコールを分離したい場合がある。このような技術は、水の取出し、アルコールの濃縮など捉え方は複数通りあるが、化学的に見た場合には、単に溶質と溶媒が分離されているに過ぎない。
また、海水溶液(海水)は、他のミネラル分を度外視して大雑把にいえば、溶媒である水と溶質である塩化ナトリウムとを含む。このような海水から、水と塩化ナトリウムとを分離したい場合がある。この場合も、水の取出し、塩化ナトリウムの濃縮など捉え方は複数通りあるが、化学的に見た場合には、単に溶質と溶媒が分離されているに過ぎない。
アルコール溶液における水とアルコールの分離は、例えば醸造酒から蒸留酒を作る工程への置換に応用可能である。
また海水における水と塩化ナトリウムの分離は、食塩の製造、或いは海水の淡水化への応用が可能である。
このように、溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離する技術には、様々な用途がある。
【0003】
溶質と溶媒を分離する技術は、古くから実用されており、様々な種類のものが知られている。そして、本願発明者は、以下のような、霧化を用いた溶質と溶媒の分離技術について研究を重ねている。
【0004】
その技術は、大雑把にいうと次のようなものである。
霧化を用いた分離技術では、溶質を含んだ溶媒である溶液を、スプレイ、超音波霧化、静電霧化等の適当な技術を用いて霧化する。すると、霧化されたことによって溶液の微粒子が多数生じる。
ところで、この溶液の微粒子には、大きさにバラつきがある。そして、各微粒子の大きさと、各微粒子における溶液の濃度(溶質と溶媒の比)には、相関関係がある。このような相関関係があることに気付いた発明者は、霧化によって生じた微粒子を、その大きさにより分級することにより、溶液中の溶質と溶媒を分離できるということに気が付いた。
実際、アルコール溶液の場合であれば、霧化によって生じた微粒子は、それが小さければ小さい程アルコールを多く含んでいる傾向があり、また、海水の場合であれば、霧化によって生じた微粒子は、それが大きければ大きい程塩化ナトリウムを多く含んでいる傾向があるということが、本願発明者の研究により判っている。
【0005】
霧化を用いたこの分離技術は、加熱を用いる蒸留等の技術に比較して消費エネルギーが小さいという理由から、特に、燃料用のバイオエタノール溶液の濃縮や、海水の淡水化などの大量の溶液を処理することが必要になる場合の分離技術に向いている。バイオエタノールの製造技術や海水の淡水化技術の発展が望まれているのは周知であり、もちろん他の用途もあることもあって、霧化による分離技術の早期の実用化が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−311102
【特許文献2】特開2009−142717
【特許文献3】特開2009−142727
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
霧化による分離技術を実用化するために欠かせないのは、効率の向上である。
例えば、霧化による分離技術を行う場合、溶液を霧化するときにエネルギーが消費される。また、霧化により生成された溶液の微粒子は、その後分級され、分級によって回収されなかったものは凝縮により液化して回収されるが、微粒子を凝縮させるにあたり微粒子を含む気体を加圧する必要がありその過程でもエネルギーが消費される。
これらの過程で消費されるエネルギーは、霧化による分離技術の中では無視できない程度に大きいため、これらを小さくすることができれば、霧化による分離技術の実用化が一歩近づく。
【0008】
本願発明は、霧化による分離技術を、霧化を実行するときに消費されるエネルギーと、微粒子を凝縮させるときに消費されるエネルギーを抑制するように改良することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明は、溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離するために用いられる分離装置である。
そして、この分離装置は、外部から供給された溶液を微細な微粒子にする霧化手段を備え、前記溶液から前記微粒子を含む気体を生成させる空間を持つ部屋である霧化室と、前記霧化室とその一端を接続された管である第1管の他端と接続されたものであり、前記霧化室から前記第1管を介して供給された前記微粒子を含む気体から前記微粒子をその大きさにより分級し、所定の基準よりも大きな前記微粒子を回収する分級器と、前記分級器とその一端を接続された管である第2管の他端と接続されたものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった微粒子を含む気体を凝縮させることにより、前記気体及び前記微粒子を液体として回収する回収槽と、前記回収槽にその一端を、前記霧化室にその他端を接続され、前記回収槽で凝縮されなかった気体を前記回収槽から前記霧化室に供給する第3管と、前記第2管の所定の部分に設けられるものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった前記微粒子を含む気体を、前記回収槽が液体として回収することができるように加圧する加圧装置と、前記第2管の所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨る(本願において、「跨る」の文言は、第2管と第3管とを完全に挟み込むようになっていることまでは必要とせず、第2管と第3管の双方に少なくとも接していれば十分であるとの意で用いる。)ようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第3管内の、前記第2管内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、前記第2管内の気体に移す、圧力回収装置と、を備えてなる。
簡単に言うと、この分離装置は、霧化室で作られた溶液の微粒子を含む気体を、第1管を介して分級器に導き、そこで分級を行って微粒子のうちの大きなものを回収した後、分級器を通過した微粒子を含む気体を、第2管を介して加圧装置に導くようになっている。そして、第2管の所定の部分に設けられた加圧装置で、微粒子を含む気体を加圧し、それを回収槽に送って微粒子とそれを含む気体を液化して回収するようになっている。また、回収しきれなかった微粒子と気体は、回収槽から第3管を介して霧化室に再度戻すようになっている。ここで、回収槽から出た第3管内の気体の圧は、回収槽に入る前に加圧装置により加圧された影響で、第2管内の気体の圧よりも大きくなっているが、回収槽から出た第3管内の気体の圧は、そのまま霧化室にその気体が供給された場合には小さくなっていき、最終的には何らかの形で無為に浪費される。
【0010】
本願の分離装置は、圧力回収装置を備えている。そして、それは、前記第2管の所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第3管内の、前記第2管内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、前記第2管内の気体に移すものとなっている。このような圧力回収装置を有するので、本願の分離装置は、第3管内の気体の圧を第2管内の気体に移すことにより、第2管から回収槽に入る気体に対して加圧装置が与えるべき圧を小さくすることができるようになり、したがって、加圧装置が微粒子を含む気体を加圧する過程で消費されるエネルギーを抑制できるようなものとなる。これは、そのままでは無為に浪費されることになった第3管内の気体の圧を有効に用いることで、加圧装置で消費されるエネルギーを抑制するものであるといえる。
また、本願発明における霧化室では、溶液が霧化されるが、溶液の霧化は、霧化室内の気体の圧が小さければ小さいほど生じやすい。第3管内の微粒子を含む気体の圧を第2管内の微粒子を含む気体に移すことで、第3管内の気体の圧を下げれば、霧化室内の圧が下がるため、霧化室内で行う霧化に必要なエネルギーを抑制することができることになる。
以上のように、本願発明の分離装置は、霧化を実行するときに消費されるエネルギーの抑制と、微粒子を凝縮させるときに消費されるエネルギーの抑制を両立させるものとなる。
なお、本願の分級器は、微粒子をその大きさによって分級するものとなっているが、この分級は微粒子を結果として大きさによって分級するものとなっていれば足り、例えば、微粒子の質量に応じて分級するものとなっていても構わない。
【0011】
本願発明の圧力回収装置は、上述したように、第2管の所定の部分と、第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられている。圧力回収装置が、第2管のどこと第3管のどことを跨るか、言い換えれば、第2管のどこと第3管のどことで圧力交換をさせるかは、任意に選択することができる。
例えば、前記圧力回収装置は、前記第2管の前記加圧装置よりも前記分級器寄りの所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられていてもよい。加圧装置は、上述したように、第2管を通って分級器から来た微粒子を含む気体を加圧する。つまり、第2管の加圧装置よりも分級器寄りの部分にある微粒子を含む気体の圧は、加圧装置よりも回収槽よりの部分にある微粒子を含む気体の圧よりも小さい。したがって、圧力回収装置の第2管を跨る部分が加圧装置よりも分級器寄りであれば、第2管の中にある微粒子を含む気体と、第3管内の中にある微粒子を含む気体の圧との差が、圧力回収装置の第2管を跨る部分が加圧装置よりも回収槽側にある場合よりも大きくなるので、圧力の交換をより効率よく行えるようになる。
【0012】
本願発明の分離装置は、熱交換器を備えていてもよい。熱交換器は、例えば、前記第2管の前記加圧装置よりも回収槽寄りの所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第2管内の、前記第3管内の気体の温度よりも高い温度の気体の熱を、前記第3管内の気体に移すものとなっている。
加圧装置は、上述したように、第2管を通って分級器から来た微粒子を含む気体を加圧する。したがって、加圧装置を通過することにより、第2管内の気体は、圧縮熱を生じ加熱される。第2管内の気体が持つ熱はそのままであれば、回収槽に持ち込まれる。ところで、上述したように、回収槽は、微粒子を含む気体を凝縮させるものであり、そのために気体は冷却される。つまり、第2管内の気体が持つ熱は、失われ、そのままであれば無為に浪費されることになる。上述のような熱交換器を設ければ、加圧装置を通過した第2管内の気体が持つ熱を第3管内の気体に移すことができるから、上述のような熱の浪費を防ぐことができる。
他方、熱交換器を設けることで、次のような作用効果も生じる。上述のように、霧化室では、溶液を霧化させる。そして、溶液の霧化は、霧化室内の温度が高ければ高い程生じやすい。第2管内の微粒子を含む気体の熱を第3管内の微粒子を含む気体に移すことで、第3管内の気体の温度を上げれば、霧化室内で行う霧化に必要なエネルギーを抑制することができることになる。
上述したように、熱交換器は、前記第2管の前記加圧装置よりも回収槽寄りの所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられる。熱交換器が第3管のどの部分を跨ぐかは、適宜決定することができる。
例えば、熱交換器は、前記第2管の前記加圧装置よりも回収槽寄りの所定の部分と、前記第3管の前記圧力回収装置が跨ぐ部分よりも前記霧化室寄りの所定の部分とを跨るようにして設けられていても構わない。第3管のうち、第3管の前記圧力回収装置が跨ぐ部分よりも霧化室寄りの部分を通過した微粒子を含む気体は、そのまま霧化室に至るため、この部分で第2管内の気体からの熱を受取ると、その熱を霧化室にそのまま持込むに都合が良い。これは、霧化室内をより高温にすることに繋がるため、霧化室内で行う霧化に必要なエネルギーを更に抑制することに繋がる。
【0013】
本願発明の分離装置は、分離装置内、例えば、前記霧化室、前記第1管、前記分級器、前記第2管、前記回収槽、及び前記第3管の中に存在する空気を抜く減圧装置を更に備えていてもよい。要するに、この発明の減圧装置は、溶液から生じた微粒子を含む気体が循環する分離装置内のすべての空間の空気を抜くようになっているのが好ましい。
そうすることにより、霧化室内で霧化が生じ易くなる他、この分離装置において何等の仕事をしない空気を循環させることにより生じる無駄なエネルギーの消費を防ぐことができるようになる。また、無駄な空気が少なくなることで、回収槽での回収の効率の向上が見られるという利点もある。
分離装置内の空気を抜くタイミングは、例えば、分離装置を稼動させる前とすることができる。このタイミングで空気を抜いてしまえば、溶液から生じた微粒子を含む気体が循環する分離装置内のすべての空間を気密にしておくことで、分離装置を稼動させているときに当該空間に空気が入り込むことはなくなる。
【0014】
本願分離装置が奏するのと同様の作用効果を、例えば、以下の方法によっても得ることができる。
本願発明の方法は、溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離するために用いられる、外部から供給された溶液を微細な微粒子にする霧化手段を備え、前記溶液から前記微粒子を含む気体を生成させる空間を持つ部屋である霧化室と、前記霧化室とその一端を接続された管である第1管の他端と接続されたものであり、前記霧化室から前記第1管を介して供給された前記微粒子を含む気体から前記微粒子をその大きさにより分級し、所定の基準よりも大きな前記微粒子を回収する分級器と、前記分級器とその一端を接続された管である第2管の他端と接続されたものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった微粒子を含む気体を凝縮させることにより、前記気体及び前記微粒子を液体として回収する回収槽と、前記回収槽にその一端を、前記霧化室にその他端を接続され、前記回収槽で凝縮されなかった気体を前記回収槽から前記霧化室に供給する第3管と、前記第2管の所定の部分に設けられるものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった前記微粒子を含む気体を、前記回収槽が液体として回収することができるように加圧する加圧装置と、を備える分離装置にて実行される分離方法である。
そして、この分離方法では、前記第2管の所定の部分と、前記第3管の所定の部分とで、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第3管内の、前記第2管内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、前記第2管内の気体に移す。
【0015】
本願発明の溶液は、溶質を含む溶媒であれば、どのようなものであっても構わない。例えば、溶媒である水と溶質であるアルコール(エタノール)を含む(両者の関係は入れ替わるときもある。)アルコール溶液や、溶質が塩化ナトリウムであり、溶媒が水である海水が、本願発明における溶液足り得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一実施形態による分離装置の全体構成を、概略的に示す側面図。
【図2】図1に示された分離装置の圧力回収装置近辺の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。
この実施形態の分離装置は、溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離するために用いられる。これには限られないが、この分離装置で分離する溶液は、この実施形態では海水であるものとする。海水は、溶質が塩化ナトリウム、溶媒が水である。
もっとも、溶液は、溶質をアルコール、溶媒を水とするアルコール溶液でもよく、他の溶液でも構わない。粘度等による制限も存在はするが、以下に説明する分離装置は、大抵の溶液の溶質と溶媒を分離することができる。
【0018】
図1に、本願の分離装置の全体構成を概略的に示す。
本願発明の分離装置は、図1に示すように、霧化室10、分級器20、回収槽30を備えている。
霧化室10と、分級器20とは、第1管1の両端にて接続されている。また、分級器20と、回収槽30とは、第2管2の両端にて接続されており、回収槽30と、霧化室10は、第3管3の両端にて接続されている。これには限られないが、第1管1、第2管2、第3管3はいずれも、断面円形の金属製の管である。
分離装置の第2管2の途中には、ブロア40が設けられている。また、分離装置は、第2管2と、第3管3とをともに跨ぐ、圧力回収装置50、及び熱交換器60を備えている。
【0019】
霧化室10は、溶液から、溶液の微粒子を含む気体を生成するための部屋であり、これには限られないがこの実施形態では金属製であり、気密に構成されている。
霧化室10は、溶液を微粒子にするための装置である霧化装置11を備えている。霧化装置11には、この実施形態では霧化室10外にある溶液槽12から、図示せぬポンプを介して溶液が供給されるようになっており、溶液槽12から供給された溶液を霧化するようになっている。
霧化装置11は、溶液を霧化できるものであるのであればどのようなものでも構わず、スプレイ、超音波霧化装置、静電霧化装置等公知のものを用いることができるため、その詳細な説明は省略するが、この実施形態の霧化装置11は静電霧化装置である。
霧化室10では、また、溶液が蒸発することによって気体が生成される。その結果、霧化室10では、微粒子を含む気体が生成される。
微粒子を含む気体は、霧化室10から、第1管1を経て分級器20に送られるようになっている。
【0020】
分級器20は、霧化室10から送られてきた微粒子を含む気体に含まれる微粒子を分級するものである。この実施形態の分級器20は、霧化室10から送られてきた微粒子を含む気体に含まれた微粒子を、その大きさにより分級し、所定の基準よりも大きな微粒子を回収するものとなっている。
分級器20は、微粒子の分級を行えるものであればどのようなものでも構わず、サイクロンを利用した分級器、メッシュデミスタ、波板等公知のものを用いることができるため、その詳細な説明は省略するが、この実施形態の分級器20はサイクロンを利用した分級器である。
分級器20は、また、液体を貯蔵できる分級回収槽21を備えている。この分級器20では、微粒子はその大きさにより分級され、ある基準よりも大きな微粒子は、液化され、分級回収槽21に貯められるようになっている。
分級器20で捉えられず、分級回収槽21に向かわなかった微粒子及びそれを含む気体は、第2管2を介して、回収槽30に向かうようになっている。
【0021】
上述したように、第2管2の途中には、ブロア40がある。ブロア40は、本願発明における加圧装置に相当するものであり、第2管2内を分級器20から回収槽40に向かう微粒子を含む気体の圧を高めるものである。微粒子を含む気体は、ブロア40を通過するとその圧が高められる。ブロア40は、そのような機能を有するものであれば、その構成について特に制限はない。なお、加圧された微粒子を含む気体は、圧縮熱によりその温度が上昇する。
【0022】
回収槽30は、分級器20から第2管2を介して送られてきた微粒子を含む気体を液化して回収するものである。上述のブロア40が必要となるのは、微粒子を含む気体を液化させるには、気体の圧を高める必要があるからである。
回収槽30は、微粒子、及びそれを含む気体を液化させることができれば十分であり、それが可能な限りその構成は不問である。また、そのような装置は、公知であるため、ここでの詳述は省略する。
回収槽30で捉えられなかった、微粒子及びそれを含む気体は、第3管3を介して、霧化室10に向かうようになっている。
このように、この分離装置では、微粒子及びそれを含む気体は、霧化室10→第1管1→分級器20→第2管2→回収槽30→第3管3→霧化室10の順番で、循環するようになっている。なお、この分離装置では、微粒子及びそれを含む気体が循環する上述の経路を形成する空間は気密になっている。
【0023】
圧力回収装置50は、以下のようなものである。
圧力回収装置50は、第2管2の所定の部分と、第3管3の所定の部分とを跨るようにして設けられており、第2管2内の気体と、第3管3内の気体とを混合させずに、第3管内3の、第2管2内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、第2管2内の気体に移すものとなっている。この実施形態の圧力回収装置50は、必ずしもこの限りではないが、第2管2のブロア40よりも分級器20寄りの所定の部分と、第3管3の所定の部分とを跨るようにして設けられている。なお、この実施形態では、第2管2と第3管3は、平行であり、且つその内部を流れる微粒子を含む気体の流れる方向が同じになるような位置関係となっている。
【0024】
圧力回収装置50としては、例えば、アメリカのENERGY RECOVERY INC社が製造販売する、圧力回収装置(商品名PX−300)に多少の変更を加えたものを応用することができる。
具体的には、この実施形態における圧力回収装置50は、図2に示したように構成されている。圧力回収装置50は、その両端を、軸受51にて支持された円柱状の軸52を備えている。軸52は、その中心軸周りに自由に回転できるようになっている。軸52は、第2管2と、第3管3とを、第2管2と、第3管3の中心を通るようにして、貫いている。また、第2管2と第3管3の軸52にて貫かれている部分は、その内部の気体が漏れないように適宜の方法でシールされている。
軸52の、第2管2の内部には、第2管2の内周の半径と略同じ半径の弧を持つ略半円形の板状のフィン53が、等間隔で4枚ついており、第3管3の内部には、第3管3の内周の半径と略同じ半径の弧を持つ略半円形の板状のフィン54が、等間隔で4枚ついている。フィン53が上述の如き形状なのは、軸52を軸としてフィン53が回転可能であり、且つフィン53の周縁部と第2管2の内周面との間に隙間がなるべく生じないようにするためである。フィン54が上述のごとき形状なのはフィン53と同様の理由による。
フィン53と、フィン54は、軸52が回転すると、ともに回転するようになっている。これにより、第2管2内を流れる気体と第3管内3を流れる気体のうち、上流側の圧力が高いものの圧が、他方の気体の下流側に移ることになる。
例えば、フィン54が、フィン53が第2管2内を流れる微粒子を含む気体に押される力よりも大きな力で第3管3内を流れる微粒子を含む気体に押されて回転することを考える。この場合、フィン53は、第2管2内を流れる微粒子を含む気体にただ押された場合よりも早く回転することになるので、第2管2内の微粒子を含む気体は圧力回収装置50の下流側で加圧されることになる。また、フィン54は、第3管3内を流れる微粒子を含む気体にただ押された場合よりも遅く回転することになるので、第3管3内の微粒子を含む気体は圧力回収装置50の下流側で減圧されることになる。この場合においては、第3管3内の微粒子を含む気体が持つ圧は、第2管2内の微粒子を含む気体が持つ圧に移されたことになる。もちろんこの場合、第2管2内の気体と、第3管3内の気体は混合されない。
【0025】
なお、圧力回収装置50の構成は例えば、以下のようにすることも可能である。例えば、第3管3内に、第3管3内を流れる微粒子を含む気体の圧により回転する羽を設けるとともに、第3管外にその羽根の回転する発電機を配置しておき、また、第2管2内に、その発電機が生じた電気を駆動のためのエネルギーとして回転して、第2管2内の微粒子を含む気体を圧縮するブロアを第2管2内に配置する、といった構成も可能である。もっともこの場合は、発電機を用いるので、微粒子を含む気体の圧を第3管3内から第2管2内へ移すことについての効率が、多少落ちることを避けられないかもしれない。
【0026】
熱交換器60は、第2管2内の気体と、第3管3内の気体を混合させずに、第2管2内の、第3管3内の気体の温度よりも高い温度の気体の熱を、第3管3内の気体に移すものである。
熱交換器60は、第2管2のブロア40よりも回収槽30寄りの所定の部分と、第3管3の所定の部分とを跨るようにして設けられている。必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、熱交換器60は、第2管2のブロア40よりも回収槽30寄りの所定の部分と、第3管3の圧力回収装置50が跨ぐ部分よりも霧化室10寄りの所定の部分とを跨るようにして設けられている。
熱交換器60としては、公知のものを用いることができ、公知の熱交換器と同様に、温度の高い媒体の熱をより温度の低い媒体に移動させるようなものとすることができ、この実施形態では実際にそうされている。
熱交換器60は、例えば、第2管2と第3管3の双方を、接触面積を大きくするように細く分岐させて互いに接触させつつ絡めたような構造を持つものとすることができるし、もちろん他の構造であってもよい。
【0027】
また、この実施形態の分離装置は、減圧装置70を備えている。
減圧装置70は、霧化室10、第1管1、分級器20、第2管2、回収槽30、及び第3管3の中に存在する空気を抜くものである。言い換えれば、減圧装置70は、微粒子及びそれを含む気体が循環する分離装置内の経路を形成するから空気を抜く。
この実施形態の減圧装置70は、例えば第2管2の加圧装置40の下流側と接続管71を介して接続されており、接続管71を介して上述の経路内の空気を抜く用になっている真空ポンプである。
【0028】
次に、この分離装置の使用方法について説明する。
まず、分離装置を動作させる際には、まず、霧化室10、第1管1、分級器20、第2管2、回収槽30、及び第3管3の中に存在する空気を抜く。
空気を抜くこの過程は、上述の減圧装置70を用いて実行する。
減圧したときの霧化室10等の内部の空気の圧は、必ずしもこの限りではないが、1kPa〜50kPa程度とする。1kPaよりも分離装置内を減圧しようとすると、エネルギーの消費量が過度に大きくなること、また、50kPa程度に減圧しないと、空気を存在しなくなさせることにより仕事を減少させる効果が不十分になるおそれがあるため、空気の圧は上述の範囲とするのが好ましい。
【0029】
次いで、分級器20と、ブロア40を起動するとともに、霧化室10で、溶液から微粒子を含む気体を生成させる過程を開始する。
この過程では、霧化室10に設けられた霧化装置11に、図示せぬポンプを介して、溶液槽12から、この実施形態では海水である溶液が供給され、霧化装置11が溶液を微粒子にする。必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、微粒子の大きさは、1nm〜10μmの間で分布するようになっている。
一般に霧化は、高温、低圧雰囲気化で行い易い。霧化室10内は、上述したように減圧されているので、溶液から微粒子を生成する効率は高い。また、霧化室10内は減圧されているので、溶液中の溶媒である水の沸点が下がるので、溶液中の溶媒は蒸発して気体を生じる。
このようにして、霧化室10で、溶液の微粒子とそれを含む気体が生成される。微粒子を含む気体は、霧化室10から、第1管1を経て分級器20に送られる。
【0030】
分級器20では、霧化室10から送られてきた微粒子を含む気体に含まれる微粒子が分級される。
上述したように、分級器20に送られてくる微粒子の大きさには、1nm〜10μmの幅がある。これらのうち、その直径が数μm以上のものには塩化ナトリウムが含まれており、その直径がそれ以下のものには塩化ナトリウムが殆ど含まれていないことが判っている。
そこで、この実施形態では、2μmを閾値として微粒子を分級することとしている。
分級器20では、上述の閾値よりもその径が大きな微粒子が捉えられ、回収される。回収された微粒子は、分級回収槽21に送られ、液化して蓄えられる。これにより、溶液に含まれていた塩化ナトリウムの殆どは、分級回収槽21にて回収されることになる。分級回収槽21に貯められた塩化ナトリウムを多く含む液体は、所定の時間毎に、或いは連続して分離装置の外部に取出される。
分級器20で捉えられなかった微粒子とそれを含む気体は、第2管2を介して、回収槽30に向かう。
【0031】
第2管2内の微粒子を含む気体は、後述するように、圧力回収装置50において、第3管3内の微粒子を含む気体から圧を受取るが、その説明は一端置く。なお、霧化室10で、微粒子を含む気体が生成されてから短時間ではあるが、微粒子を含む気体が第3管3を通って圧力回収装置50に到達するまでは、圧力回収装置50は機能しない。
第2管2内の微粒子を含む気体は、ブロア40にて加圧される。
加圧された微粒子を含む気体は、高圧となり回収槽30に向かう。また、高圧となった気体は、圧縮熱を持ち高温となる。
【0032】
第2管2内の微粒子を含む気体は、熱交換器60に向かい、後述するように、熱交換器60において、第3管3内の微粒子を含む気体に熱を受渡すが、その説明は一端置く。なお、霧化室10で、微粒子を含む気体が生成されてから短時間ではあるが、微粒子を含む気体が第3管3を通って熱交換器60に到達するまでは、熱交換器60は機能しない。
【0033】
次いで、第2管2内の微粒子を含む気体は、回収槽30に向かい、 回収槽30で、微粒子を含む気体は、液化して回収される。特に、微粒子は、略そのすべてを回収槽30で回収される。
回収槽30で回収される液体は、塩化ナトリウムを略含んでいない。したがって、ここで回収された液体は、淡水であるといえる。この液体は、所定の時間毎に、或いは連続して分離装置の外部に取出される。
回収槽30で回収されなかった少量の微粒子と、それを含む気体は、第3管3を介して霧化室10へと向かう。このとき、第3管3内の微粒子は、圧力回収装置50と熱交換器60を通過する間に、圧が低下し温度が上昇するので、その殆どが蒸発する。
【0034】
霧化室10へ向かう第3管3内の微粒子を含む気体は、圧力回収装置50に至る。
この実施形態の圧力回収装置50は、上述したように、第2管2と第3管3の内部を流れる微粒子を含む気体であって、圧力回収装置50よりも上流側における圧が高い方の圧を、圧力回収装置50の下流側で第2管2と第3管3の他方の中を流れる微粒子を含む気体に移すものとなっている。そして、この実施形態では、圧力回収装置50よりも上流側における第3管3の内部を流れる微粒子を含む気体の圧は、ブロア40で加圧された後のものであるため、圧力回収装置50よりも上流側における第2管2の内部を流れる微粒子を含む気体の圧よりも高い。したがって、第3管3内を流れる微粒子を含む気体の圧は、圧力回収装置50の前後で、第2管2内を流れる微粒子を含む気体に移ることになる。
既に述べたように、第2管2内の微粒子を含む気体は、ブロア40にて加圧される。ブロア40にて加圧される微粒子を含む気体は、第2管内2を介してブロア40に至る前に、上述したようにして、圧力回収装置50でその圧を上げられている。したがって、ブロア40での圧の向上は最小限で済むため、ブロア40でのエネルギー消費量は小さくて済む。
【0035】
霧化室10へ向かう第3管3内の微粒子を含む気体は、圧力回収装置50を通過して、熱交換器60に至る。熱交換器60では、第2管2内の微粒子を含む気体と、第3管3内の微粒子を含む気体のうち、高温のものから低温のものへ熱を移す。
上述したように、ブロア40を通過した気体は、高温になっている。また、圧力回収装置50を通過した第3管3内の気体は、圧低下による膨張のため温度が下がっている。したがって、熱交換器60に至った微粒子を含む気体のうち第2管2内のものは、第3管3内のものより高温になっている。したがって、この分離装置では、熱は、第2管2内の微粒子を含む気体から、第3管3内の微粒子を含む気体へ移動することになる。
【0036】
熱交換器60を出て第2管2内を回収槽30へ向かう微粒子を含む気体は、圧力回収装置50で第3管3内の微粒子を含む気体から圧を受取り、ブロア40で更に加圧され、そして第3管3内の微粒子を含む気体に熱交換器60で熱を受渡しているので、熱交換器60を出て第2管2内を回収槽30へ向かう微粒子を含む気体は、圧力回収装置50と、熱交換器60がなかった場合と比べ、低温、高圧になっている。
気体及びそれに含まれる微粒子の凝縮は、低温、高圧雰囲気であればある程生じやすいので、この実施形態では、回収槽30における気体の凝縮が生じやすく、回収槽30における気体の回収の効率は良好となる。
なお、回収槽30で回収される液体には略塩化ナトリウムが含まれていないので、回収槽30で回収される液体を利用することとするのであれば、この分離装置は事実上、海水の淡水化装置として機能することになる。
【0037】
他方、熱交換器60を出て第3管3内を霧化室10へ向かう微粒子を含む気体は、圧力回収装置50で第3管3内の微粒子を含む気体に圧を受渡し、そして第2管2内の微粒子を含む気体から熱交換器60で熱を受取っているので、圧力回収装置50と、熱交換器60がなかった場合と比べ、高温、低圧になっている。
溶液の霧化は、高温、低圧雰囲気であればある程生じやすいので、この実施形態では、霧化室10における霧化が生じやすく、霧化室10の霧化装置11においてなされる霧化の効率は良好となる。これは、霧化に要するエネルギーを抑制できることを意味する。
【0038】
この分離装置は、以上の動作を継続し、微粒子を含む気体は、霧化室10→第1管1→分級器20→第2管2→回収槽30→第3管3→霧化室10の順番で循環する。
【符号の説明】
【0039】
1 第1管
2 第2管
3 第3管
10 霧化室
20 分級器
30 回収槽
40 ブロア
50 圧力回収装置
60 熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離するために用いられる分離装置であって、
外部から供給された溶液を微細な微粒子にする霧化手段を備え、前記溶液から前記微粒子を含む気体を生成させる空間を持つ部屋である霧化室と、
前記霧化室とその一端を接続された管である第1管の他端と接続されたものであり、前記霧化室から前記第1管を介して供給された前記微粒子を含む気体から前記微粒子をその大きさにより分級し、所定の基準よりも大きな前記微粒子を回収する分級器と、
前記分級器とその一端を接続された管である第2管の他端と接続されたものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった微粒子を含む気体を凝縮させることにより、前記気体及び前記微粒子を液体として回収する回収槽と、
前記回収槽にその一端を、前記霧化室にその他端を接続され、前記回収槽で凝縮されなかった気体を前記回収槽から前記霧化室に供給する第3管と、
前記第2管の所定の部分に設けられるものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった前記微粒子を含む気体を、前記回収槽が液体として回収することができるように加圧する加圧装置と、
前記第2管の所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第3管内の、前記第2管内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、前記第2管内の気体に移す、圧力回収装置と、
を備えてなる、分離装置。
【請求項2】
前記圧力回収装置は、前記第2管の前記加圧装置よりも前記分級器寄りの所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられている、
請求項1記載の分離装置。
【請求項3】
前記第2管の前記加圧装置よりも回収槽寄りの所定の部分と、前記第3管の所定の部分とを跨るようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第2管内の、前記第3管内の気体の温度よりも高い温度の気体の熱を、前記第3管内の気体に移す、熱交換器を備えてなる、
請求項1記載の分離装置。
【請求項4】
前記第2管の前記加圧装置よりも回収槽寄りの所定の部分と、前記第3管の前記圧力回収装置が跨ぐ部分よりも前記霧化室寄りの所定の部分とを跨るようにして設けられており、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第2管内の、前記第3管内の気体の温度よりも高い温度の気体の熱を、前記第3管内の気体に移す、熱交換器を備えてなる、
請求項2記載の分離装置。
【請求項5】
前記霧化室、前記第1管、前記分級器、前記第2管、前記回収槽、及び前記第3管の中に存在する空気を抜く減圧装置を更に備えている、
請求項1記載の分離装置。
【請求項6】
溶質を含む溶媒である溶液を、溶質と溶媒に分離するために用いられる、
外部から供給された溶液を微細な微粒子にする霧化手段を備え、前記溶液から前記微粒子を含む気体を生成させる空間を持つ部屋である霧化室と、
前記霧化室とその一端を接続された管である第1管の他端と接続されたものであり、前記霧化室から前記第1管を介して供給された前記微粒子を含む気体から前記微粒子をその大きさにより分級し、所定の基準よりも大きな前記微粒子を回収する分級器と、
前記分級器とその一端を接続された管である第2管の他端と接続されたものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった微粒子を含む気体を凝縮させることにより、前記気体及び前記微粒子を液体として回収する回収槽と、
前記回収槽にその一端を、前記霧化室にその他端を接続され、前記回収槽で凝縮されなかった気体を前記回収槽から前記霧化室に供給する第3管と、
前記第2管の所定の部分に設けられるものであり、前記分級器から前記第2管を介して供給された前記分級器で回収されなかった前記微粒子を含む気体を、前記回収槽が液体として回収することができるように加圧する加圧装置と、
を備える分離装置にて実行される方法であって、
前記第2管の所定の部分と、前記第3管の所定の部分とで、前記第2管内の気体と、前記第3管内の気体を混合させずに、前記第3管内の、前記第2管内の気体の圧よりも高い圧の気体の圧を、前記第2管内の気体に移す過程を含む、
分離方法。
【請求項7】
溶質が塩化ナトリウムであり、溶媒が水である海水を溶液とし、
塩化ナトリウムと、水を分離する、
請求項6記載の分離方法。
【請求項8】
前記霧化室、前記第1管、前記分級器、前記第2管、前記回収槽、及び前記第3管の中に存在する空気を抜いてから、前記霧化室における前記溶液から前記微粒子を含む気体を生成させる処理を開始する、
請求項6記載の分離方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−192318(P2012−192318A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56990(P2011−56990)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(503268143)ナノミストテクノロジーズ株式会社 (20)
【Fターム(参考)】