分離装置
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備える、インプラントヘッドからスリーブを分離する装置であって、前記遠位端部はカムを有し、前記カムは、使用時に、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられるとき、前記カムが前記ドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作動するように配置される装置。上記装置を使って、インプラントヘッドからスリーブを分離する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離装置に関し、特にインプラントヘッドからスリーブを分離するための装置に関する。例えば、もし間違った選択(ヘッドかスリーブのいずれか)がなされた場合、スリーブは、例えば臀部インプラントヘッドのようなインプラントヘッド内で固くしまってしまう。そのような場合、使用者によって直接的に、すなわち、装置/道具の助けを受けずに加えられた手の力は、スリーブを取り外すには不十分である。したがって、好適な装置が要求されている。
【背景技術】
【0002】
従来のテーパー付きスリーブは、テーパーの基部に内部ねじを有する。このようなテーパー付きスリーブを取り外すために、ねじ切りされた差込口を有する装置が、テーパー付きスリーブの底面を通ってねじ切りをして、インプラントヘッドの窪んだ内面を支持するために使われ、その結果、スリーブとインプラントヘッドとを強制的に引き離す。このような装置は、ねじを有さないスリーブには作用しない。
【0003】
このようなスリーブは、スリーブの基部に、底面に対して十分な空間を要求する。空間が限定される幾つかの場合には、十分な空間が無いゆえに、そのようなスリーブを使うことは出来ない。
【0004】
ねじ切りされた部位を有するスリーブを製造することは、ねじ切りされた部位を有さないそれらを製造するよりも難しい。
【0005】
ねじ切りされた部位を有するスリーブは、ねじ切りされた差込口分離装置により生じる、ねじ山のばりによって機能しない傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スリーブがねじ切りされているか、ねじ切りされていないかに関わらず、スリーブに全く損傷を与えずに、インプラントヘッドからスリーブを効率的に分離することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1番目の特徴によると、インプラントヘッドからスリーブを分離する為の装置が提供されており、この装置は近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備えており、遠位端部はカムを備えており、カムは、使用時に、近位端部を介してドライブシャフトにトルクが加えられるとき、カムがドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作動するように配置される。
【0008】
装置は、インプラントヘッドから、ねじ切りされたスリーブ及びねじ切りされていないスリーブを取り外すことが出来る。装置は使用が簡単であり、スリーブとインプラントヘッドとを効率的に分離する、最小限の力しか要求しない。装置は、スリーブに損傷を与えない。装置は、執刀医がねじ切りされていないスリーブを使うことを可能にし、ねじ切りされていないスリーブは、ねじ切りされたスリーブよりも製造が容易であり、損傷し難く(ねじ切りされた差込口分離装置によって取り外されるとき)、空間が限定された、閉口したテーパーが見込まれない箇所で利用されることが出来る。
【0009】
ドライブシャフトは、40mm〜80mmの範囲の長さを有してもよい。ドライブシャフトは、50mm〜70mmの範囲の長さを有してもよい。ドライブシャフトは、55mm〜65mmの範囲の長さを有してもよい。
【0010】
ドライブシャフトは、4mm〜8mmの範囲の直径を有してもよい。ドライブシャフトは、5mm〜7mmの範囲の直径を有してもよい。
【0011】
カムは、すなわちドライブシャフトの軸と垂直な平面に対して計測された、10°〜14°の範囲の角度を有しても良い。カムは、11°〜13°の範囲の角度を有しても良い。カムは、およそ12°の角度を有しても良い。
【0012】
カムは、先端部が凹み空間の空所サイズよりも小さくなるように、寸法を決められる。カムは、カムが回転されるとき空所サイズよりも大きくなるように、寸法を決められる。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズよりも大きくなるように、寸法を決められても良い。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズに対して1.1〜1.2倍に大きくなるように、寸法を決められても良い。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズに対して1.5倍に大きくなるように、寸法を決められても良い。
【0013】
装置の近位端部はハンドルを備えても良く、使用時に、ハンドルを介してドライブシャフトにトルクが加えられる。
【0014】
ハンドルは、ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがL型形状を形成するように配置されても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されても良い。
【0015】
本発明の好適な実施形態によると、装置は、スリーブと係合する胴体部を更に備え、胴体部はドライブシャフトを受ける穴を有する。
【0016】
穴の直径はドライブシャフトの直径よりも大きくても良く、その結果、穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、カムの平行移動を可能にする。
【0017】
穴は、4mm〜12mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、4mm〜10mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、4mm〜8mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、5mm〜7mmの範囲に直径を有してもよい。
【0018】
穴の軸は、胴体部の主軸からずれていても良く、よってドライブシャフトの回転が、胴体部に対するカムの偏心した動きをもたらす。
【0019】
胴体部はテーパーを付けられても良く、テーパーを付けられたスリーブと係合する事が出来る。
【0020】
胴体部及びドライブシャフトは案内印を有してもよく、胴体部及びドライブシャフト上の案内印が位置合わせされるとき、これが使用者に、カムがスリーブ内に挿入され得るために胴体部に対して最適に位置決めされたということを示唆する。
【0021】
胴体部は第一部及び第二部を有してもよく、第一部及び第二部は円筒形状をしており、第一部は第二部よりも大きな直径を有し、第一部及び第二部はそれらの中心点が同軸となるように位置合わせされ、断面を見たとき、胴体部は実質的にT型形状をしている。穴は、第一部及び第二部の両方を通って延在する。
【0022】
第一部は、25m〜75mmの範囲に直径を有してもよい。第一部は、35m〜65mmの範囲に直径を有してもよい。第一部は、45m〜55mmの範囲に直径を有してもよい。
【0023】
第二部は、10m〜20mmの範囲に直径を有してもよい。第二部は、10m〜15mmの範囲に直径を有してもよい。第二部は、11m〜13mmの範囲に直径を有してもよい。
【0024】
穴の軸に沿って計測された第一部及び第二部の組み合わされた長さは、20mm〜50mmの範囲であっても良い。組み合わされた長さは、20mm〜40mmであっても良い。組み合わされた長さは、20mm〜30mmであっても良い。組み合わされた長さは、25mm〜30mmであっても良い。
【0025】
胴体部の第一部は、使用者によって握られることができるように、形作られても良い。例えば第一部は、掴み部として作用することができる窪みを提供するように、取り外された周縁部を有する円筒状形状に基づいても良い。第一部は、少なくとも2つの掴み部を有してもよい。第一部は、2つの正対する掴み部を有してもよい。第一部は、その外周を取り囲み、等間隔に配置される3つの掴み部を有してもよい。第一部は、その外周を取り囲み、等間隔に配置される4つの掴み部を有してもよい。
【0026】
胴体部の第二部は、テーパーを付けられても良く、よってテーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0027】
ドライブシャフト及びカムは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト及びカムは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0028】
ハンドルは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドルは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0029】
胴体部は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【0030】
本発明の2番目の特徴によると、スリーブをインプラントヘッドから分離する方法が提供されており、該方法は、
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備えており、遠位端部はカムを有しており、カムは、近位端部を介してドライブシャフトにトルクが加えられるとき、カムがドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作動するように配置される装置を提供するステップと、
カムがスリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合するように、スリーブの先端面とインプラントヘッドの内面との間にある凹み空間内に遠位端部を挿入するステップと、
カムが回転し、その結果、スリーブとインプラントヘッドとが強制的に引き離されるように、近位端部を介してドライブシャフトにトルクを加えるステップと、を含んでいる。
【0031】
好ましくは、装置の近位端部はハンドルを有し、トルクはハンドルを介してドライブシャフトに加えられる。
【0032】
ハンドルは、ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがL型形状を形成するように配置されても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されても良い。
【0033】
本発明の好適な実施形態によると、装置はスリーブと係合するための胴体部を更に備え、胴体部はドライブシャフトを受ける穴を有し、胴体部は、スリーブと係合するように配置される。
【0034】
穴の直径はドライブシャフトの直径よりも大きくてもよく、その結果、穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面で、カムの平行移動が可能になり、カムが凹み空間内で移動するとき、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。
【0035】
穴の軸は胴体部の主要軸からずれていても良く、ドライブシャフトの回転は胴体部に対してカムの偏心した動きをもたらし、その結果、カムは、胴体部の範囲内における第一部から、胴体部の範囲外における第二部へ移動出来るようになり、カムが第二部にあるとき、それは凹み空間に配置され、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。
【0036】
スリーブは、テーパーを付けられても良い。スリーブは2つのテーパーを付けられても良く、例えば、1つはヒップステムの雄型テーパーと内部で係合し、1つはインプラントヘッドの内部テーパーと外部で係合する。
【0037】
装置の胴体部はテーパーを付けられて良く、テーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0038】
ドライブシャフト/カムは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト/カムは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0039】
ハンドルは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドルは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0040】
胴体部は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【0041】
インプラントヘッドは、臀部インプラントの一部であって良い。
【0042】
本発明の3番目の特徴によると、本発明の1番目の特徴による装置及び少なくとも1つのスリーブを備える部品一式が提供され、装置の胴体部及び少なくとも1つのスリーブは、互いに係合するよう形成される。
【0043】
ここで、例示の目的で、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1a】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1b】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1c】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1d】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1e】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1f】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1g】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1h】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2a】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2b】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2c】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2d】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2e】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図3a】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3b】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3c】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3d】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図4a】図2a−eに記載される装置の底面図を示す。
【図4b】図2a−eに記載される装置の底面図を示す。
【図5】図2a−eに記載される装置の側面図を示す。
【図6】挿入されたスリーブを有するインプラントヘッドの断面図を示す。
【図7a】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【図7b】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【図7c】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1aから図1hは、本発明の1つの実施形態による装置(1)を示す。装置(1)は、近位端部(3)及び遠位端部(4)を有するドライブシャフト(2)を備える。近位端部(3)は、ドライブシャフト(2)にトルクを加えるための任意の最適手段(例えば使用者の指、又はプライヤー)によって握られることのできる突出部(5)を有する。ドライブシャフト(2)の遠位端部(4)は、カム(6)を有する。カム(6)は、トルクが近位端部(3)を介してドライブシャフト(2)に加えられるとき、カム(6)がドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向で作動するように配置されている。
【0046】
図1a及び図1bは、装置(1)の側面図である。図1cは底面図であり、カム(6)を示している。図1d−gは、より詳細にカム(6)を示す。図1hは、より詳細に突出部(5)を示す。
【0047】
使用者は、スリーブの先端面とインプラントヘッドの内面(図6参照)との間で、凹み空間に遠位部位(4)を挿入することができ、カム(6)が、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。次いで使用者は、ドライブシャフト(2)の近位端部(3)上にある突出部(5)を介して、ドライブシャフト(2)にトルクを加えることができ、よってカム(6)が回転し、その結果、スリーブとインプラントヘッドとを強制的に引き離す。使用者は、可能であれば自分の指で、又はより大きなトルクが必要な場合にはプライヤーでトルクを加えても良い。突出部(5)は、ここで記述されるように、ハンドル用の装着部を備えても良い。
【0048】
図2a−eは、本発明の別の実施形態による装置(7)を示す。この図は、図示のみの目的で装置の見込まれる寸法を示しており、装置の寸法はそれらに限定されるものではない。装置(7)は、近位端部(3)及び遠位端部(4)を有するドライブシャフト(2)を備える。近位端部(3)は、胴体部(9)及びクロスバー(10)を含むハンドル(8)を備える。ハンドル(8)は、図1a−hに記載される突出部(5)に装着される。ハンドルは、使用者がドライブシャフト(2)の近位端部(3)にトルクを加えることを可能にする。ドライブシャフト(2)の遠位端部(4)は、カム(6)を備える。カム(6)は、トルクがハンドル(8)を介してドライブシャフト(2)に加えられるとき、カム(6)がドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向で作動するように配置されている。
【0049】
また、装置(7)は、第一部(12)及び第二部(13)を有する胴体部(11)を備える。胴体部(11)は、図3a−dにより詳細に示される。第一部(12)の直径は、第二部(13)の直径よりも大きい。第一部(12)及び第二部(13)は、それらの中心点が同軸となるように位置合わせされており、断面(図2a−c、図3b)で見たとき、胴体部は実質的にT型をしている。第一部(12)は、第一部(12)の外周を囲んで等距離に配置される4つの掴み部(15)を有する。第二部(13)はテーパーを付けられており、テーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0050】
図3dに示されるように、穴(14)は、第一部(12)及び第二部(13)の両方を通って延在する。図2a、図2c、図3a、図3c、及び図3dから、穴(14)の中心軸が胴体部(11)の主軸からずれていることを理解でき、ドライブシャフト(2)の回転は、胴体部(11)に対するカム(6)の偏心した動きをもたらす。これは、図4a、図4bに図示される。図4a、図4bに示されるように、ドライブシャフトの回転(この実施形態においては時計方向)は、胴体部(11)における第二部(13)の範囲内からY方向に外れてカム(6)を動かす。図5に示されるように、ドライブシャフト(2)及びカム(6)は、ドライブシャフト(2)の軸と平行なZ方向に、平行移動する事ができる。
【0051】
図6は、挿入されたスリーブ(16)を有する、インプラントヘッド(17)の断面を示す。図6に示されるように、スリーブ(16)の先端面(19)とインプラントヘッド(17)の内面(20)との間に、凹み空間(18)がある。凹み空間(18)は、カム(6)を受ける。凹み空間(18)の空間サイズは、1mm又はそれ以上であっても良い。凹み空間(18)の空間サイズは、2mm〜10mmであっても良い。通常、凹み空間(18)の空間サイズは、およそ2mmである。
【0052】
図7a−cは、インプラントヘッド(17)と共に使われる、図2a−eに記載される装置(7)を示す。装置(7)の遠位端部(4)は、スリーブ(16)の後端部を通ってインプラント組立品内に通され、遠位端部(4)が、スリーブの先端面(19)とインプラントヘッド(17)の内面(20)との間(図7a及び図6に示される)の凹み空間(18)内部に挿入されるまで、前進することが可能である。胴体部(11)の第二部(13)はスリーブ(16)中に位置し、その結果、スリーブ(16)において胴体部(11)を中心出しする。
【0053】
図7bに示されるように、トルクがハンドル(8)に加えられ、よってドライブシャフト(2)が回転する。図4a、図4bから、ドライブシャフト(2)のそのような回転が、胴体部(11)の第二部(13)の範囲内からY方向に外れてカム(6)を動かす。結果として、カム(6)は凹み空間(18)に移動し、カム(6)の先端部が、スリーブ(16)の先端面(19)及びインプラントヘッド(17)の内面(20)(図6参照)と係合する。ドライブシャフト(2)及びカム(6)の回転が続くとき、カム(6)は、ドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向(図5におけるZ方向)に作用し、それがスリーブ(16)とインプラントヘッド(17)とを強制的に引き離す。(図7c参照)
【0054】
ドライブシャフト(2)/カム(6)は、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト(2)/カム(6)は、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0055】
ハンドル(8)は、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドル(8)は、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0056】
胴体部(11)は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部(11)は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【符号の説明】
【0057】
1 装置
10 クロスバー
11 胴体部
12 第一部
13 第二部
14 穴
15 掴み部
16 スリーブ
17 インプラントヘッド
18 凹み空間
19 先端面
2 ドライブシャフト
20 内面
3 近位端部
4 遠位端部
5 突出部
6 カム
7 装置
8 ハンドル
9 胴体部
【技術分野】
【0001】
本発明は分離装置に関し、特にインプラントヘッドからスリーブを分離するための装置に関する。例えば、もし間違った選択(ヘッドかスリーブのいずれか)がなされた場合、スリーブは、例えば臀部インプラントヘッドのようなインプラントヘッド内で固くしまってしまう。そのような場合、使用者によって直接的に、すなわち、装置/道具の助けを受けずに加えられた手の力は、スリーブを取り外すには不十分である。したがって、好適な装置が要求されている。
【背景技術】
【0002】
従来のテーパー付きスリーブは、テーパーの基部に内部ねじを有する。このようなテーパー付きスリーブを取り外すために、ねじ切りされた差込口を有する装置が、テーパー付きスリーブの底面を通ってねじ切りをして、インプラントヘッドの窪んだ内面を支持するために使われ、その結果、スリーブとインプラントヘッドとを強制的に引き離す。このような装置は、ねじを有さないスリーブには作用しない。
【0003】
このようなスリーブは、スリーブの基部に、底面に対して十分な空間を要求する。空間が限定される幾つかの場合には、十分な空間が無いゆえに、そのようなスリーブを使うことは出来ない。
【0004】
ねじ切りされた部位を有するスリーブを製造することは、ねじ切りされた部位を有さないそれらを製造するよりも難しい。
【0005】
ねじ切りされた部位を有するスリーブは、ねじ切りされた差込口分離装置により生じる、ねじ山のばりによって機能しない傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スリーブがねじ切りされているか、ねじ切りされていないかに関わらず、スリーブに全く損傷を与えずに、インプラントヘッドからスリーブを効率的に分離することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1番目の特徴によると、インプラントヘッドからスリーブを分離する為の装置が提供されており、この装置は近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備えており、遠位端部はカムを備えており、カムは、使用時に、近位端部を介してドライブシャフトにトルクが加えられるとき、カムがドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作動するように配置される。
【0008】
装置は、インプラントヘッドから、ねじ切りされたスリーブ及びねじ切りされていないスリーブを取り外すことが出来る。装置は使用が簡単であり、スリーブとインプラントヘッドとを効率的に分離する、最小限の力しか要求しない。装置は、スリーブに損傷を与えない。装置は、執刀医がねじ切りされていないスリーブを使うことを可能にし、ねじ切りされていないスリーブは、ねじ切りされたスリーブよりも製造が容易であり、損傷し難く(ねじ切りされた差込口分離装置によって取り外されるとき)、空間が限定された、閉口したテーパーが見込まれない箇所で利用されることが出来る。
【0009】
ドライブシャフトは、40mm〜80mmの範囲の長さを有してもよい。ドライブシャフトは、50mm〜70mmの範囲の長さを有してもよい。ドライブシャフトは、55mm〜65mmの範囲の長さを有してもよい。
【0010】
ドライブシャフトは、4mm〜8mmの範囲の直径を有してもよい。ドライブシャフトは、5mm〜7mmの範囲の直径を有してもよい。
【0011】
カムは、すなわちドライブシャフトの軸と垂直な平面に対して計測された、10°〜14°の範囲の角度を有しても良い。カムは、11°〜13°の範囲の角度を有しても良い。カムは、およそ12°の角度を有しても良い。
【0012】
カムは、先端部が凹み空間の空所サイズよりも小さくなるように、寸法を決められる。カムは、カムが回転されるとき空所サイズよりも大きくなるように、寸法を決められる。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズよりも大きくなるように、寸法を決められても良い。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズに対して1.1〜1.2倍に大きくなるように、寸法を決められても良い。カムは、カムが180°回転されるとき空所サイズに対して1.5倍に大きくなるように、寸法を決められても良い。
【0013】
装置の近位端部はハンドルを備えても良く、使用時に、ハンドルを介してドライブシャフトにトルクが加えられる。
【0014】
ハンドルは、ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがL型形状を形成するように配置されても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されても良い。
【0015】
本発明の好適な実施形態によると、装置は、スリーブと係合する胴体部を更に備え、胴体部はドライブシャフトを受ける穴を有する。
【0016】
穴の直径はドライブシャフトの直径よりも大きくても良く、その結果、穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、カムの平行移動を可能にする。
【0017】
穴は、4mm〜12mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、4mm〜10mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、4mm〜8mmの範囲に直径を有してもよい。穴は、5mm〜7mmの範囲に直径を有してもよい。
【0018】
穴の軸は、胴体部の主軸からずれていても良く、よってドライブシャフトの回転が、胴体部に対するカムの偏心した動きをもたらす。
【0019】
胴体部はテーパーを付けられても良く、テーパーを付けられたスリーブと係合する事が出来る。
【0020】
胴体部及びドライブシャフトは案内印を有してもよく、胴体部及びドライブシャフト上の案内印が位置合わせされるとき、これが使用者に、カムがスリーブ内に挿入され得るために胴体部に対して最適に位置決めされたということを示唆する。
【0021】
胴体部は第一部及び第二部を有してもよく、第一部及び第二部は円筒形状をしており、第一部は第二部よりも大きな直径を有し、第一部及び第二部はそれらの中心点が同軸となるように位置合わせされ、断面を見たとき、胴体部は実質的にT型形状をしている。穴は、第一部及び第二部の両方を通って延在する。
【0022】
第一部は、25m〜75mmの範囲に直径を有してもよい。第一部は、35m〜65mmの範囲に直径を有してもよい。第一部は、45m〜55mmの範囲に直径を有してもよい。
【0023】
第二部は、10m〜20mmの範囲に直径を有してもよい。第二部は、10m〜15mmの範囲に直径を有してもよい。第二部は、11m〜13mmの範囲に直径を有してもよい。
【0024】
穴の軸に沿って計測された第一部及び第二部の組み合わされた長さは、20mm〜50mmの範囲であっても良い。組み合わされた長さは、20mm〜40mmであっても良い。組み合わされた長さは、20mm〜30mmであっても良い。組み合わされた長さは、25mm〜30mmであっても良い。
【0025】
胴体部の第一部は、使用者によって握られることができるように、形作られても良い。例えば第一部は、掴み部として作用することができる窪みを提供するように、取り外された周縁部を有する円筒状形状に基づいても良い。第一部は、少なくとも2つの掴み部を有してもよい。第一部は、2つの正対する掴み部を有してもよい。第一部は、その外周を取り囲み、等間隔に配置される3つの掴み部を有してもよい。第一部は、その外周を取り囲み、等間隔に配置される4つの掴み部を有してもよい。
【0026】
胴体部の第二部は、テーパーを付けられても良く、よってテーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0027】
ドライブシャフト及びカムは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト及びカムは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0028】
ハンドルは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドルは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0029】
胴体部は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【0030】
本発明の2番目の特徴によると、スリーブをインプラントヘッドから分離する方法が提供されており、該方法は、
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備えており、遠位端部はカムを有しており、カムは、近位端部を介してドライブシャフトにトルクが加えられるとき、カムがドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作動するように配置される装置を提供するステップと、
カムがスリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合するように、スリーブの先端面とインプラントヘッドの内面との間にある凹み空間内に遠位端部を挿入するステップと、
カムが回転し、その結果、スリーブとインプラントヘッドとが強制的に引き離されるように、近位端部を介してドライブシャフトにトルクを加えるステップと、を含んでいる。
【0031】
好ましくは、装置の近位端部はハンドルを有し、トルクはハンドルを介してドライブシャフトに加えられる。
【0032】
ハンドルは、ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがL型形状を形成するように配置されても良い。バーは、バーとドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されても良い。
【0033】
本発明の好適な実施形態によると、装置はスリーブと係合するための胴体部を更に備え、胴体部はドライブシャフトを受ける穴を有し、胴体部は、スリーブと係合するように配置される。
【0034】
穴の直径はドライブシャフトの直径よりも大きくてもよく、その結果、穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面で、カムの平行移動が可能になり、カムが凹み空間内で移動するとき、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。
【0035】
穴の軸は胴体部の主要軸からずれていても良く、ドライブシャフトの回転は胴体部に対してカムの偏心した動きをもたらし、その結果、カムは、胴体部の範囲内における第一部から、胴体部の範囲外における第二部へ移動出来るようになり、カムが第二部にあるとき、それは凹み空間に配置され、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。
【0036】
スリーブは、テーパーを付けられても良い。スリーブは2つのテーパーを付けられても良く、例えば、1つはヒップステムの雄型テーパーと内部で係合し、1つはインプラントヘッドの内部テーパーと外部で係合する。
【0037】
装置の胴体部はテーパーを付けられて良く、テーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0038】
ドライブシャフト/カムは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト/カムは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0039】
ハンドルは、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドルは、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0040】
胴体部は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【0041】
インプラントヘッドは、臀部インプラントの一部であって良い。
【0042】
本発明の3番目の特徴によると、本発明の1番目の特徴による装置及び少なくとも1つのスリーブを備える部品一式が提供され、装置の胴体部及び少なくとも1つのスリーブは、互いに係合するよう形成される。
【0043】
ここで、例示の目的で、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1a】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1b】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1c】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1d】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1e】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1f】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1g】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図1h】本発明の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2a】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2b】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2c】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2d】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図2e】本発明の別の実施形態による装置を様々な視点で示す。
【図3a】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3b】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3c】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図3d】図2a−eで示される装置の構成部品を様々な視点で示す。
【図4a】図2a−eに記載される装置の底面図を示す。
【図4b】図2a−eに記載される装置の底面図を示す。
【図5】図2a−eに記載される装置の側面図を示す。
【図6】挿入されたスリーブを有するインプラントヘッドの断面図を示す。
【図7a】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【図7b】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【図7c】インプラントヘッド及びスリーブと共に使用される、図2a−eに記載される装置を様々な視点で示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1aから図1hは、本発明の1つの実施形態による装置(1)を示す。装置(1)は、近位端部(3)及び遠位端部(4)を有するドライブシャフト(2)を備える。近位端部(3)は、ドライブシャフト(2)にトルクを加えるための任意の最適手段(例えば使用者の指、又はプライヤー)によって握られることのできる突出部(5)を有する。ドライブシャフト(2)の遠位端部(4)は、カム(6)を有する。カム(6)は、トルクが近位端部(3)を介してドライブシャフト(2)に加えられるとき、カム(6)がドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向で作動するように配置されている。
【0046】
図1a及び図1bは、装置(1)の側面図である。図1cは底面図であり、カム(6)を示している。図1d−gは、より詳細にカム(6)を示す。図1hは、より詳細に突出部(5)を示す。
【0047】
使用者は、スリーブの先端面とインプラントヘッドの内面(図6参照)との間で、凹み空間に遠位部位(4)を挿入することができ、カム(6)が、スリーブの先端面及びインプラントヘッドの内面と係合する。次いで使用者は、ドライブシャフト(2)の近位端部(3)上にある突出部(5)を介して、ドライブシャフト(2)にトルクを加えることができ、よってカム(6)が回転し、その結果、スリーブとインプラントヘッドとを強制的に引き離す。使用者は、可能であれば自分の指で、又はより大きなトルクが必要な場合にはプライヤーでトルクを加えても良い。突出部(5)は、ここで記述されるように、ハンドル用の装着部を備えても良い。
【0048】
図2a−eは、本発明の別の実施形態による装置(7)を示す。この図は、図示のみの目的で装置の見込まれる寸法を示しており、装置の寸法はそれらに限定されるものではない。装置(7)は、近位端部(3)及び遠位端部(4)を有するドライブシャフト(2)を備える。近位端部(3)は、胴体部(9)及びクロスバー(10)を含むハンドル(8)を備える。ハンドル(8)は、図1a−hに記載される突出部(5)に装着される。ハンドルは、使用者がドライブシャフト(2)の近位端部(3)にトルクを加えることを可能にする。ドライブシャフト(2)の遠位端部(4)は、カム(6)を備える。カム(6)は、トルクがハンドル(8)を介してドライブシャフト(2)に加えられるとき、カム(6)がドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向で作動するように配置されている。
【0049】
また、装置(7)は、第一部(12)及び第二部(13)を有する胴体部(11)を備える。胴体部(11)は、図3a−dにより詳細に示される。第一部(12)の直径は、第二部(13)の直径よりも大きい。第一部(12)及び第二部(13)は、それらの中心点が同軸となるように位置合わせされており、断面(図2a−c、図3b)で見たとき、胴体部は実質的にT型をしている。第一部(12)は、第一部(12)の外周を囲んで等距離に配置される4つの掴み部(15)を有する。第二部(13)はテーパーを付けられており、テーパーを付けられたスリーブと係合することができる。
【0050】
図3dに示されるように、穴(14)は、第一部(12)及び第二部(13)の両方を通って延在する。図2a、図2c、図3a、図3c、及び図3dから、穴(14)の中心軸が胴体部(11)の主軸からずれていることを理解でき、ドライブシャフト(2)の回転は、胴体部(11)に対するカム(6)の偏心した動きをもたらす。これは、図4a、図4bに図示される。図4a、図4bに示されるように、ドライブシャフトの回転(この実施形態においては時計方向)は、胴体部(11)における第二部(13)の範囲内からY方向に外れてカム(6)を動かす。図5に示されるように、ドライブシャフト(2)及びカム(6)は、ドライブシャフト(2)の軸と平行なZ方向に、平行移動する事ができる。
【0051】
図6は、挿入されたスリーブ(16)を有する、インプラントヘッド(17)の断面を示す。図6に示されるように、スリーブ(16)の先端面(19)とインプラントヘッド(17)の内面(20)との間に、凹み空間(18)がある。凹み空間(18)は、カム(6)を受ける。凹み空間(18)の空間サイズは、1mm又はそれ以上であっても良い。凹み空間(18)の空間サイズは、2mm〜10mmであっても良い。通常、凹み空間(18)の空間サイズは、およそ2mmである。
【0052】
図7a−cは、インプラントヘッド(17)と共に使われる、図2a−eに記載される装置(7)を示す。装置(7)の遠位端部(4)は、スリーブ(16)の後端部を通ってインプラント組立品内に通され、遠位端部(4)が、スリーブの先端面(19)とインプラントヘッド(17)の内面(20)との間(図7a及び図6に示される)の凹み空間(18)内部に挿入されるまで、前進することが可能である。胴体部(11)の第二部(13)はスリーブ(16)中に位置し、その結果、スリーブ(16)において胴体部(11)を中心出しする。
【0053】
図7bに示されるように、トルクがハンドル(8)に加えられ、よってドライブシャフト(2)が回転する。図4a、図4bから、ドライブシャフト(2)のそのような回転が、胴体部(11)の第二部(13)の範囲内からY方向に外れてカム(6)を動かす。結果として、カム(6)は凹み空間(18)に移動し、カム(6)の先端部が、スリーブ(16)の先端面(19)及びインプラントヘッド(17)の内面(20)(図6参照)と係合する。ドライブシャフト(2)及びカム(6)の回転が続くとき、カム(6)は、ドライブシャフト(2)の軸と実質的に平行な方向(図5におけるZ方向)に作用し、それがスリーブ(16)とインプラントヘッド(17)とを強制的に引き離す。(図7c参照)
【0054】
ドライブシャフト(2)/カム(6)は、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ドライブシャフト(2)/カム(6)は、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0055】
ハンドル(8)は、プラスチックで作られても良い。好ましくは、ハンドル(8)は、金属で作られる。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、金属はステンレス鋼である。
【0056】
胴体部(11)は、金属で作られても良い。金属は、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、又は合金であっても良い。好ましくは、胴体部(11)は、プラスチックで作られる。好ましくは、プラスチックはポリアセタールである。
【符号の説明】
【0057】
1 装置
10 クロスバー
11 胴体部
12 第一部
13 第二部
14 穴
15 掴み部
16 スリーブ
17 インプラントヘッド
18 凹み空間
19 先端面
2 ドライブシャフト
20 内面
3 近位端部
4 遠位端部
5 突出部
6 カム
7 装置
8 ハンドル
9 胴体部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備える、インプラントヘッドからスリーブを分離する装置であって、前記遠位端部はカムを有し、前記カムは、使用の際、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられるとき、前記カムが前記ドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作用するように配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記スリーブと係合する胴体部を更に備え、該胴体部は前記ドライブシャフトを受ける穴を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記穴の直径は前記ドライブシャフトの直径よりも大きく、その結果、前記穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、前記カムの平行移動が可能になることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記穴の軸は前記胴体部の主要軸からオフセットしており、前記ドライブシャフトの回転が、前記胴体部に対して前記カムの偏心した動きをもたらすことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記胴体部がテーパーを付けられており、よって該胴体部はテーパーを付けられたスリーブと係合できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記近位端部がハンドルを有し、使用時に、トルクが前記ハンドルを介して前記ドライブシャフトに加えられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記バーが、前記バーと前記ドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ドライブシャフト/カムが金属で作られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ハンドルが金属で作られることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記胴体部がプラスチックで作られることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備え、前記遠位端部はカムを有し、前記カムは、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられるときに、前記カムが前記ドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作用するように配置される装置を提供するステップと、
前記カムが前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合するように、前記スリーブの先端面と前記インプラントヘッドの内面との間にある凹み空間内に前記遠位端部を挿入するステップと、
前記カムが回転し、その結果、前記スリーブと前記インプラントヘッドとが強制的に引き離されるように、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクを加えるステップと、を備えるスリーブをインプラントヘッドから分離する方法。
【請求項13】
前記装置の近位端部がハンドルを有し、前記ハンドルを介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記装置が、前記スリーブと係合する胴体部を更に備え、該胴体部は前記ドライブシャフトを受ける穴を有し、前記胴体部が前記スリーブと係合するように配置されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記穴の直径が前記ドライブシャフトの直径よりも大きく、その結果、前記穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、前記カムの平行移動が可能になり、前記カムが前記凹み空間内で移動し、前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記穴の軸が前記胴体部の主要軸からずれており、前記ドライブシャフトの回転が前記胴体部に対する前記カムの偏心した動きをもたらし、その結果、前記カムが、前記胴体部の範囲内にある第一部から、前記胴体部の範囲外にある第二部へ移動可能となり、前記カムが前記第二部にあるとき、前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合するために前記凹み空間に配置されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項5〜11のいずれか一項に記載の装置を使う請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記インプラントヘッドが、臀部インプラントの一部であることを特徴とする請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項2〜11のいずれか一項に記載の装置、少なくとも1つのスリーブ、前記装置の胴体部、及び互いに係合するよう形成される少なくとも1つのスリーブを備える部品一式。
【請求項20】
図面を参考にして上記にて詳述された装置。
【請求項21】
図面を参考にして上記にて詳述された方法。
【請求項1】
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備える、インプラントヘッドからスリーブを分離する装置であって、前記遠位端部はカムを有し、前記カムは、使用の際、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられるとき、前記カムが前記ドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作用するように配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記スリーブと係合する胴体部を更に備え、該胴体部は前記ドライブシャフトを受ける穴を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記穴の直径は前記ドライブシャフトの直径よりも大きく、その結果、前記穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、前記カムの平行移動が可能になることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記穴の軸は前記胴体部の主要軸からオフセットしており、前記ドライブシャフトの回転が、前記胴体部に対して前記カムの偏心した動きをもたらすことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記胴体部がテーパーを付けられており、よって該胴体部はテーパーを付けられたスリーブと係合できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記近位端部がハンドルを有し、使用時に、トルクが前記ハンドルを介して前記ドライブシャフトに加えられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記ドライブシャフトの近位端部と垂直に配置されるバーを備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記バーが、前記バーと前記ドライブシャフトとがT型形状を形成するように配置されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ドライブシャフト/カムが金属で作られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ハンドルが金属で作られることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記胴体部がプラスチックで作られることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
近位端部及び遠位端部を有するドライブシャフトを備え、前記遠位端部はカムを有し、前記カムは、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられるときに、前記カムが前記ドライブシャフトの軸と実質的に平行な方向に作用するように配置される装置を提供するステップと、
前記カムが前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合するように、前記スリーブの先端面と前記インプラントヘッドの内面との間にある凹み空間内に前記遠位端部を挿入するステップと、
前記カムが回転し、その結果、前記スリーブと前記インプラントヘッドとが強制的に引き離されるように、前記近位端部を介して前記ドライブシャフトにトルクを加えるステップと、を備えるスリーブをインプラントヘッドから分離する方法。
【請求項13】
前記装置の近位端部がハンドルを有し、前記ハンドルを介して前記ドライブシャフトにトルクが加えられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記装置が、前記スリーブと係合する胴体部を更に備え、該胴体部は前記ドライブシャフトを受ける穴を有し、前記胴体部が前記スリーブと係合するように配置されることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記穴の直径が前記ドライブシャフトの直径よりも大きく、その結果、前記穴によって形成される軸と実質的に垂直な平面において、前記カムの平行移動が可能になり、前記カムが前記凹み空間内で移動し、前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記穴の軸が前記胴体部の主要軸からずれており、前記ドライブシャフトの回転が前記胴体部に対する前記カムの偏心した動きをもたらし、その結果、前記カムが、前記胴体部の範囲内にある第一部から、前記胴体部の範囲外にある第二部へ移動可能となり、前記カムが前記第二部にあるとき、前記スリーブの先端面及び前記インプラントヘッドの内面と係合するために前記凹み空間に配置されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項5〜11のいずれか一項に記載の装置を使う請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記インプラントヘッドが、臀部インプラントの一部であることを特徴とする請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項2〜11のいずれか一項に記載の装置、少なくとも1つのスリーブ、前記装置の胴体部、及び互いに係合するよう形成される少なくとも1つのスリーブを備える部品一式。
【請求項20】
図面を参考にして上記にて詳述された装置。
【請求項21】
図面を参考にして上記にて詳述された方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【公表番号】特表2009−542273(P2009−542273A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517422(P2009−517422)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002489
【国際公開番号】WO2008/003957
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002489
【国際公開番号】WO2008/003957
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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