説明

分離装置

【課題】極めて簡単な構造として製造コストを著しく低減しながら、容器から内容物を確実に分離する。変形できない容器や捻ると破損する内容物を容器から分離する。
【解決手段】分離装置は、内容物を収納してなる容器1を分離隙間2で挟んで移送する複数組の分離移送部3と、各々の分離移送部3を駆動する駆動機構4とを備え、容器1を複数組の分離移送部3に移送している。分離移送部3は、容器1を移送する分離隙間2の両面に配設してなる一対の回転軸5を備え、一対の回転軸5を互いに反対方向に回転して分離隙間2で容器1を移送している。隣接して配設してなる分離移送部3を構成してなる一対の回転軸5は、その両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心している。分離装置は、隣接する分離移送部3の分離隙間2で移送される容器1の前後を反対に捻る方向に対角を押圧しながら移送して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍された食品、あるいは焼結体やコンクリート成形体などの内容物を固着している容器から分離する分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍工場などにおいては、凍結して容器に付着している内容物を容器から分離する必要がある。このことを実現するために、容器をベルトコンベアで捻って内容物を容器から分離する装置は開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−154529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される分離装置は、図1に示すように、上下に配設しているベルトコンベア92で容器91を挟んで移送する。この分離装置は、移送する途中に設けた剥離区間93で容器91を捻って、内容物を容器91から分離する。この構造の分離装置は、容器を叩いて内容物を分離する構造に比べて容器の損傷を少なくできる。ただ、この構造の分離装置は、全体の構造が複雑で製造コストが高くなる。また、構造が複雑なために、使用後の洗浄などに手間がかかる欠点もある。さらに、ベルトコンベアを使用するので、コンベアベルトが破損するとこれが内容物に混入する弊害があり、また、ベルトコンベアに付着して洗浄で完全に除去できない異物なども内容物に混入する弊害がある。さらにまた、容器の移送速度を速くして、処理能力を高くすると、コンベアベルトがプーリから外れやすい等の弊害もある。
【0005】
さらに、図1の分離装置は、可撓性のある容器を捻って内容物を分離するので、変形できない容器に収納する内容物、あるいは捻ると破損する焼結体やコンクリート成形体などの内容物を、焼結用の容器や成形用の型枠から分離できない欠点があった。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極めて簡単な構造として製造コストを著しく低減しながら、容器から内容物を確実に分離できる分離装置を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、容器の移送速度を速くして、処理能力を高くしながら安定して容器から内容物を分離できる分離装置を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、洗浄が簡単で分離される内容物に異物が混入するのを極減できる分離装置を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、メンテナンスが簡単で、ランニングコストも低減できる分離装置を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、変形できない容器や捻ると破損する内容物を容器から分離することもできる分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載する分離装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
分離装置は、内容物を収納してなる容器1を分離隙間2で挟んで移送する複数組の分離移送部3と、各々の分離移送部3を駆動する駆動機構4とを備えている。分離装置は、複数組の分離移送部3を容器1の移送方向に配設して、容器1を複数組の分離移送部3に移送するように構成している。さらに、分離移送部3は、容器1を移送する分離隙間2の両面に配設してなる一対の回転軸5を備えている。駆動機構4は、一対の回転軸5を互いに反対方向に回転して分離隙間2で容器1を移送させる方向に一対の回転軸5を回転駆動している。さらに、隣接して配設してなる分離移送部3を構成してなる一対の回転軸5は、その両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心している。分離装置は、隣接する分離移送部3の分離隙間2で移送される容器1の前後を反対に捻る方向に対角を押圧しながら移送して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0008】
以上の分離装置は、極めて簡単な構造として製造コストを著しく低減しながら、容器から内容物を確実に分離できる特徴がある。また、以上の分離装置は、容器の移送速度を速くして、処理能力を高くしながら安定して容器から内容物を分離できる特徴も実現する。さらに、以上の分離装置は、洗浄が簡単で分離される内容物に異物が混入するのを極減できる特徴も実現し、さらにメンテナンスも簡単で、ランニングコストを低減できる特徴も実現する。
【0009】
本発明の分離装置は、複数組の分離移送部3が、可撓性のある容器1Aを捻って内容物を容器1から分離することができる。この分離装置は、可撓性のある容器の前後を反対方向に捻りながら移送するので、内容物を確実に容器から分離できる。さらに、本発明の分離装置は、内容物を凍結物とすることができる。
【0010】
本発明の分離装置は、複数組の分離移送部3が、非可撓性の容器1Bの対角を叩いて内容物を容器1から分離することができる。この分離装置は、変形できない容器や、捻ると破損する内容物を収納している容器を分離隙間に通過させて、これらの容器から内容物を確実に分離できる特長がある。さらに、本発明の分離装置は、内容物を、焼結体、コンクリート成形体のいずれかとすることができる。
【0011】
本発明の分離装置は、移送方向に2組の分離移送部3を配設して、各々の分離移送部3の分離隙間2で容器1を反対方向に捻って内容物を容器1から分離することができる。
以上の分離装置は、2組の分離移送部で容器の前後を反対方向に捻って内容物を容器から分離するので、全体の構造を最も簡単にしながら、内容物を確実に容器から分離できる特徴がある。
【0012】
本発明の分離装置は、回転軸5の両端を回転自在に連結してなる対向壁7を備えて、一対の回転軸5を、その両端を偏心して対向壁7に連結してなるロール状として、ロール状の回転軸5が半回転する毎に容器1を反対方向に捻って移送することができる。
以上の分離装置は、簡単な構造としながら、一対のロール状の回転軸で容器の前後を捻って内容物を容器から分離できる。
【0013】
本発明の分離装置は、駆動機構4がモータ10を備えて、このモータ10にチェーン12とスプロケット11とを介して回転軸5に連結して、回転軸5に固定しているスプロケット11を対向壁7の外側に配設することができる。
以上の分離装置は、簡単な駆動機構でロール状の回転軸を回転して、容器を捻りながら移送して内容物を容器から分離できる。
【0014】
本発明の分離装置は、回転軸5が、その両端部にカム8を固定して、このカム8で容器1を吸着して分離隙間2を通過する容器1を捻りながら移送することができる。
以上の分離装置は、回転軸を偏心することなく回転して、その両端部に設けたカムで分離隙間を設けることができる。
【0015】
本発明の分離装置は、回転軸5の両端を回転自在に連結してなる対向壁7を備えて、一対の回転軸5を、その両端を偏心して対向壁7に連結してなるロール状とし、ロール状の回転軸5を、円柱の外周面に沿う湾曲部5aと平面状の平面部5bを有する形状として、湾曲部5aでもって、半回転する毎に容器1を反対方向に捻って内容物を分離することができる。
この分離装置は、平面部で容器を移送することで、内容物が表面に突出する容器をスムーズに移送して湾曲部で確実に容器から分離できる。
【0016】
本発明の請求項6に記載する分離装置は、内容物を収納してなる容器1を分離隙間2で挟んで移送する複数組の分離移送部3と、各々の分離移送部3を駆動する駆動機構4とを備えている。分離装置は、複数組の分離移送部3を容器1の移送方向に配設して、容器1を複数組の分離移送部3に移送するように構成している。さらに、分離移送部3は、容器1を移送する分離隙間2の両面に配設してなる一対の回転軸5を備えている。駆動機構4は、一対の回転軸5を互いに反対方向に回転して分離隙間2で容器1を移送させる方向に一対の回転軸5を回転駆動している。さらに、分離装置は、隣接して配設してなる分離移送部3を、一対の回転軸5を互いに平行に配設してなる平行の分離移送部3Bと、半回転する毎に容器1を捻るように、一対の回転軸5の両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心してなる偏心の分離移送部3Aとする。この分離装置は、平行の分離移送部3Bと偏心の分離移送部3Aの分離隙間2で容器1を移送して、容器1の複数カ所を回転軸5で捻るように押圧して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0017】
以上の分離装置も簡単な構造として製造コストを著しく低減しながら、容器から内容物を確実に分離できる。また、以上の分離装置は、容器の移送速度を速くして、処理能力を高くしながら安定して容器から内容物を分離できる特徴も実現する。さらに、以上の分離装置は、洗浄が簡単で分離される内容物に異物が混入するのを極減できる特徴も実現し、さらにメンテナンスも簡単で、ランニングコストを低減できる特徴も実現する。
【0018】
本発明の分離装置は、容器1の移送方向に、平行の分離移送部3Bと、容器1を反対方向に捻る複数の偏心の分離移送部3Aを配設して、平行の分離移送部3Bと偏心の分離移送部3Aの分離隙間2で容器1を捻り、かつ複数の偏心の分離移送部3Aの分離隙間2でもって容器1を反対方向に捻って内容物を容器1から分離することができる。
以上の分離装置は、平行の分離移送部と偏心の分離移送部の分離隙間で容器を捻りながら、複数の偏心の分離移送部の分離隙間では、容器の前後を互いに反対方向に捻って内容物を容器から分離するので、内容物を確実に容器から分離できる特徴がある。
【0019】
本発明の分離装置は、複数の平行の分離移送部3Bの間に、複数の偏心の分離移送部3Aを配置することができる。
【0020】
本発明の分離装置は、回転軸5の両端を回転自在に連結してなる対向壁7を備えて、一対の回転軸5を、その両端を偏心して対向壁7に回転自在に連結してなるロール状として、ロール状の回転軸5が半回転する毎に平行な姿勢となって容器1を捻って移送することができる。
以上の分離装置は、簡単な構造としながら、ロール状の回転軸で容器を捻って内容物を容器から分離できる。
【0021】
さらに、ロール状の回転軸5は、円柱の外周面に沿う湾曲部5aと平面状の平面部5bを有する形状とし、湾曲部5aでもって、半回転する毎に容器1を反対方向に捻って内容物を分離することができる。
以上の分離装置は、湾曲部と平面部からなるロール状の回転軸が、湾曲部で容器を捻って内容物を分離し、平面部で容器を移送することで、容器から確実に内容物を分離しながら、表面に内容物が突出する容器をもスムーズに移送できる。
【0022】
本発明の分離装置は、分離移送部3の下側に配置している回転軸5の中央部の上に、容器の移送方向に伸びる移送ロッド14を配置することができる。
以上の分離装置は、移送される容器から分離された内容物が前後の分離移送部の間に落下するのを移送ロッドで確実に防止しながら、容器をスムーズに移送できる。
【0023】
本発明の分離装置は、少なくとも3組の分離移送部3を、異なる間隔で配置することができる。
この分離装置は、移送方向の長さが異なる容器からスムーズに内容物を分離できる。
【0024】
本発明の分離装置は、分離移送部3が、上下に配設している一対の回転軸5の間隔を調整する間隔調整機構16を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の分離装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる分離装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示す分離装置の背面斜視図である。
【図4】図2に示す分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図5】図4に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図6】図5に示す分離移送部の位置関係を示す概略工程図である。
【図7】図4に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図8】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図9】図8に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図10】図8に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す垂直縦断面図であって、図9におけるX−X線断面に相当する図である。
【図11】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図12】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図13】本発明の他の実施例にかかる分離装置を示す斜視図である。
【図14】図13に示す分離装置の背面斜視図である。
【図15】図13に示す分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図16】図15に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図17】図15に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図18】図17に示す分離移送部の位置関係を示す概略工程図である。
【図19】図18に示す偏心の分離移送部の回転軸の相対位置を示すグラフである。
【図20】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図21】図20に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図22】図20に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す垂直縦断面図であって、図21におけるXXII−XXII線断面に相当する図である。
【図23】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図24】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図25】本発明の他の実施例にかかる分離装置を示す側面図である。
【図26】図25に示す分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図27】図26に示す分離移送部が短い容器を移送する状態を示す概略側面図である。
【図28】図26に示す分離移送部が長い容器を移送する状態を示す概略側面図である。
【図29】図26に示す偏心の分離移送部が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図30】図29に示す偏心の分離移送部の位置関係を示す概略工程図である。
【図31】図26に示す偏心の分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図32】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部を示す概略斜視図である。
【図33】図32に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す正面図である。
【図34】図32に示す分離移送部が容器を移送する状態を示す垂直縦断面図であって、図33におけるXXXIV−XXXIV線断面に相当する図である。
【図35】本発明の他の実施例にかかる分離装置が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図36】図35に示す分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図37】図36に示す分離移送部の回転軸の平面図である。
【図38】本発明の他の実施例にかかる分離装置が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図39】図38に示す分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図40】本発明の他の実施例にかかる分離装置が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図41】図40に示す分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図42】本発明の他の実施例にかかる分離装置が容器を移送する状態を示す概略工程図である。
【図43】図42に示す分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図44】本発明の他の実施例にかかる分離装置が容器を移送する工程を示す垂直縦断面図である。
【図45】図44に示す分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図46】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図47】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図48】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部の斜視図である。
【図49】本発明の他の実施例にかかる分離装置の分離移送部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための分離装置を例示するものであって、本発明は分離装置を以下のものに特定しない。
【0027】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0028】
図2ないし図12に示す分離装置は、冷凍食品等のように凍結して容器に付着し、あるいは、焼結して容器に付着し、あるいはまた、コンクリートのように成形する型枠である容器に付着している内容物を、容器を移送しながら分離する。ただし、本発明は、分離する容器と内容物とを特定するものでなく、たとえば、内容物が凍結して容器に付着し、あるいは、焼結して容器に付着し、あるいはまた、コンクリートのように成形する工程で容器の型枠に付着している等、種々の状態で容器に付着している内容物を、容器を捻り、あるいは容器の対角に衝撃を与えて分離できる全ての状態を含むものとする。
【0029】
図2ないし図10に示す分離装置は、可撓性のある容器1Aを分離隙間2で挟んで移送する複数組の分離移送部3と、各々の分離移送部3を駆動する駆動機構4とを備えている。複数組の分離移送部3は、容器1の移送方向に離して配設される。各々の分離移送部3は駆動機構4に駆動されて、移送する容器1を捻って内容物を容器1から分離する。図の分離装置は、2組の分離移送部3を備える。2組の分離移送部3は、容器1の前後を反対方向に捻りながら移送して、内容物を容器1から分離する。図示しないが、本発明の分離装置は、3組以上の分離移送部を容器の移送方向に配設し、隣接する分離移送部で容器を反対方向に捻りながら移送して、内容物を容器から分離することもできる。
【0030】
分離移送部3は、容器1を移送する分離隙間2の両面に配設している一対の回転軸5を備える。図の分離装置は、水平姿勢の容器1を水平方向に移送するので、一対の回転軸5を分離隙間2の上下に水平姿勢に配設して、上下の回転軸5の間に分離隙間2を設けている。図示しないが、分離装置は、容器を垂直方向に移送して内容物を容器から分離することもできる。この分離装置は、分離隙間の左右に一対の回転軸を配設して、容器を上下に移送しながら、捻って内容物を容器から分離する。
【0031】
一対の回転軸5は、駆動機構4で反対方向に回転される。一対の回転軸5は、分離隙間2で容器1を移送させる方向に回転される。容器1の移送方向に離して配設している全ての回転軸5は、駆動機構4で同じ回転数で回転されて、容器1を分離隙間2で挟んで移送する。
【0032】
容器1の移送方向に離して配設している分離移送部3を構成している一対の回転軸5は、その両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心して配置している。この回転軸5は、隣接する分離移送部3の分離隙間2で移送される容器1の前後を反対方向に捻りながら移送して、内容物を容器1から分離する。
【0033】
図2と図3の分離装置は、一対の回転軸5の両端を、ベアリング6を介して対向壁7に回転できるように連結している。図の回転軸5はロール状で、その両端を偏心して対向壁7に回転できるように連結している。さらに、一対のロール状の回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となるように同じ回転数で反対方向に回転される。すなわち、一対のロール状の回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となって、容器1を反対方向に捻るように、その両端を偏心して対向壁7に連結している。半回転する毎に平行な姿勢となる一対の回転軸5は、互いに平行となる姿勢において、分離隙間2でもって容器1を捻って移送する。
【0034】
さらに、容器1を移送方向である前後に配設している2組の分離移送部3は、図6の(b)、(d)、及び(f)に示すように、一方の回転軸5が互いに平行な姿勢となるタイミングにおいて、他方の回転軸5も互いに平行な姿勢となる。前後の回転軸5が平行な姿勢となる状態において、前後の回転軸5の分離隙間2は、図7に示すように、互いに容器1を反対方向に捻る姿勢となる。したがって、前後に配設している分離移送部3の回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となり、かつこの姿勢で容器1を反対方向に捻るように同じ回転数で回転されて内容物を容器1から分離する。たとえば、図7において、一方の回転軸5(紙面の奥側)が、容器1の前部を垂直面に対して右回転するように捻る状態で、他方の回転軸5(紙面の手前側)は容器1の後部を垂直面に対して左回転するように捻って移送して、容器1の前後を反対方向に捻って、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0035】
図8ないし図10の分離装置は、回転軸5の両端部にカム8を固定して、回転軸5の両端部を回転中心軸mに対して偏心している。この分離装置は、回転軸5の両端を偏心することなく対向壁7に連結できる。回転軸5の両端部に固定しているカム8は、互いに反対方向に偏心して回転軸5に固定している。さらに、一対の回転軸5に固定しているカム8は、互いに容器1を捻って移送する分離隙間2が、カム8の間に設けられる。さらに、上下に配設している一対の回転軸5は、図8と図10に示すように、互いに反対側に偏心するようにカム8を固定している。この回転軸5は、矢印で示すように反対方向に回転されて、半回転する毎に分離隙間2を上下に移動させる。さらに、容器1の移送方向に離して配設している分離移送部3の回転軸5は、前述したロール状の回転軸5と同じように、容器1の前後を反対方向に捻って移送するようにカム8を固定している。この回転軸5は、ロール状の回転軸と同じように、カム8で容器1を挟んで移送することで、容器1の前後を捻りながら移送して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0036】
図2ないし図10の分離装置は、可撓性のある容器1Aを、複数組の分離移送部3の分離隙間2で挟んで移送している。これらの分離装置は、可撓性のある容器1Aの前後を、各々の分離移送部3で反対方向に捻りながら移送して、内容物を容器1から分離する。このように、可撓性のある容器1Aは、図7、図9、及び図10に示すように、前後を反対方向に捻りながら移送されて、内容物が確実に分離される。
【0037】
さらに、本発明の分離装置は、焼結し、あるいはコンクリートのように硬化して硬くなっている内容物を変形できない容器に収納して分離することもできる。容器を変形させないで内容物を分離する分離装置は、焼結体や硬化したコンクリートのように変形すると破損する内容物を、破損しないで容器から分離することができる。図11と図12は、分離装置が、非可撓性の容器1Bを移送して内容物を分離する状態を示している。非可撓性の容器1Bは、前述の可撓性のある容器1Aのように、容器の前後を反対方向に捻って変形させるのに代わって、容器の四隅部に衝撃を与えて内容物を分離する。したがって、図11と図12の分離装置は、容器1を変形させることなく、容器に衝撃を与えながら複数組の分離移送部3の分離隙間2に通過させる。図11の分離装置は、前後に配置している複数組の分離移送部3の分離隙間2の間隔を、非可撓性の容器1Bを変形させることなく通過できる間隔としている。この分離装置は、分離移送部3の分離隙間2の間隔を調整して、すなわち、一対の回転軸5の間隔を調整して、容器1の四隅に衝撃を与え、かつその対角に同じ方向に衝撃を与えながら非可撓性の容器1Bを変形させることなく通過させる。さらに、図12の分離装置は、分離移送部3を構成する一対の回転軸5の両端部の偏心量(回転中心軸mに対する偏心量)を、非可撓性の容器1Bを変形させることなく分離隙間2に通過できる大きさとしている。この分離装置は、回転軸5の両端部の偏心量を調整することで、非可撓性の容器1を変形させることなく、容器1の四隅に衝撃を与えながら通過できるようにしている。
【0038】
これらの分離装置は、複数組の分離移送部3の分離隙間2で容器1を挟んで移送する状態で、各々の分離移送部3でもって、容器1を叩いて内容物を容器1から剥離させて分離する。前後に配置された複数組の分離移送部3の分離隙間2を通過する容器1は、隣接する分離隙間2を通過する時に、複数組の分離移送部3に四隅部が押されて衝撃を受け、すなわち、複数組の分離移送部3に叩かれて、この衝撃で内容物が容器1から分離される。とくに、本発明の分離装置は、前後に隣接して配置される分離移送部3が、移送される容器1の前後の対角を同じ方向に押す方向に衝撃を加えて、すなわち容器1の前後を反対に捻る方向に対角を同じ方向に押圧するように配置されているので、各々の分離移送部3の分離隙間2を容器1が通過する状態において、容器1は確実に分離移送部3に四隅部が叩かれて、この衝撃で内容物が容器1から分離される。さらに、複数組の分離移送部で容器を叩いて分離する分離装置は、隣接して容器の移送方向に離して配設される分離移送部を多くして、すなわち、容器を3組以上の分離移送部で叩くようにして、容器が分離移送部に叩かれる回数を多くでき、容器に付着している内容物をより確実に容器から分離できる。なお、捻ると破損する内容物を容器から分離する分離装置も、図11と図12と同様の構造で分離できる。
【0039】
駆動機構4は、全ての回転軸5を同じ回転数で回転させる。ただし、上下に配設している一対の回転軸5は、互いに反対方向に回転して、分離隙間2で挟んで容器1を移送する。いいかえると、駆動機構4は、一対の回転軸5で容器1を挟んで移送する方向に回転軸5を回転させる。図2と図3の分離装置は、回転軸5の端部にスプロケット11を固定し、このスプロケット11にかけているチェーン12をモータ10で駆動して、各々の回転軸5を同じ速度で回転している。チェーン12を対向壁7の外側に配置するために、回転軸5を対向壁7から突出させて突出部にスプロケット11を固定している。さらに、図の分離装置は、一方の対向壁7Aの外側にかけるチェーン12Aで、一対の回転軸5を回転させ、さらに、他方の対向壁7Bの外側にかけるチェーン12Bで、前後に配設する回転軸5を回転させている。
【0040】
さらに、図2と図3に示す分離装置は、対向壁7の内側にガイドプレート13を固定している。ガイドプレート13は、容器1の移送方向に向かって幅を狭くして容器1を対向壁7の間の所定の位置に案内する。この構造の分離装置は、ガイドプレート13でもって容器1を正確な位置に移送できる。また対向壁7の内側をガイドプレート13でカバーして、対向壁7の内側に付着する異物などが容器1に付着するのを防止できる。
【0041】
さらまた、図2と図3の分離装置は、前後に配設している分離移送部3の下側の回転軸5に無端リング9をかけている。図の無端リング9は、断面を円形とするOリングのようなゴム状弾性体からなる。無端リング9は、回転する回転軸5で移送される。図の回転軸5は、無端リング9を案内するガイド溝を設けていないので、ロール状の回転軸5にかけられた無端リング9は、回転軸5の軸方向に移動するが、ロール状の回転軸5が回転することでほぼ中央に位置して、移送される容器1から分離された内容物が前後の分離移送部3の間に落下するのを防止し、かつ容器1をスムーズに移送する。ただ、分離装置は、回転軸の中央部に無端リングを案内するガイド溝を設け、このガイド溝に無端リングを案内することもできる。さらに、図8ないし図10の分離装置は、無端リング9を、幅のあるベルト状としている。ベルト状の無端リング9は、移送される容器1から分離された内容物が前後の分離移送部3の間に落下するのを確実に防止しながら、容器1をスムーズに移送できる。
【0042】
以上の分離装置は、図5に示すように、容器1の開口部を下向きとして移送して、内容物を容器1から分離する。この分離装置は、容器1を排出する状態で、容器1の両側をベルトコンベアで支持しながら移送して、内容物を落下させて簡単に容器1から取り出すことができる。ただ、本発明の分離装置は、容器1に付着した内容物を容器1から分離するものであるから、内容物を収納している容器は、開口部を上向きとして分離装置に供給し、分離装置から排出される状態で容器を反転して容器から取り出し、あるいは容器の底に設けた隙間にロッドを挿入し、このロッドで内容物を突き上げて容器から取り出すこともできる。
【0043】
図13ないし図22に示す分離装置は、2組の分離移送部3を備える。2組の分離移送部3は、容器1の前後を捻りながら移送して、内容物を容器1から分離する。本発明の分離装置は、後述するように、3組以上の分離移送部3を容器1の移送方向に配設して、隣接する分離移送部3で容器1を捻りながら移送して、内容物を容器1から分離することもできる。
【0044】
分離移送部3は、容器1を移送する分離隙間2の両面に配設している一対の回転軸5を備える。図の分離装置は、水平姿勢の容器1を水平方向に移送するので、一対の回転軸5を分離隙間2の上下に水平姿勢に配設して、上下の回転軸5の間に分離隙間2を設けている。図示しないが、分離装置は、容器を垂直方向に移送して内容物を容器から分離することもできる。この分離装置は、分離隙間の左右に一対の回転軸を配設して、容器を上下に移送しながら、捻って内容物を容器から分離する。
【0045】
図において上下に配置している 一対の回転軸5は、駆動機構4で互いに反対方向に回転される。一対の回転軸5は、分離隙間2で容器1を移送させる方向に回転される。容器1の移送方向に離して配設している全ての回転軸5は、駆動機構4で同じ回転数で回転されて、容器1を分離隙間2で挟んで移送する。
【0046】
図13ないし図15に示す分離装置は、容器1の移送方向に隣接して2組の分離移送部3を配設している。2組の分離移送部3は、一対の回転軸5を互いに平行に配設している平行の分離移送部3Bを搬入側に、一対の回転軸5の両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心している偏心の分離移送部3Aを排出側に配置している。この分離装置は、容器1を平行の分離移送部3Bと偏心の分離移送部3Aの分離隙間2で移送して、容器1の前後を回転軸5で捻るように対角位置を反対方向に押圧して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。容器1の搬入側に配置している平行の分離移送部3Bは、一対の回転軸5の間の分離隙間2で容器1を上下で挟んで水平姿勢に移送する。一方、排出側に配設している両端を偏心している一対の回転軸5からなる偏心の分離移送部3Aは、互いに逆回転して分離隙間2で容器1を移送するが、両端が偏心しているので、容器1を水平面に対して傾斜する姿勢に捻って移送する。この分離装置は、容器1の後端部が平行の分離移送部3Bの分離隙間2にあって、容器1の先端部が偏心の分離移送部3Aの分離隙間2にある位置に移送されるときに捻られて、内容物を分離する。すなわち、容器1の後端部が水平姿勢の分離隙間2にあって水平姿勢に保持され、容器1の先端部が水平面に対して傾斜する分離隙間2に移送されるタイミングで、容器1の前後が捻られる状態となる。この状態で平行の分離移送部3Bと偏心の分離移送部3Aを通過する容器1は、回転軸5でもって互いに対角位置が反対側に押圧されて捻られる状態となって、付着している内容物を分離する。
【0047】
以上の図に示す分離装置は、容器1の搬入側に平行の分離移送部3Bを配置して、排出側に偏心の分離移送部3Aを配置している。本発明の分離装置は、図示しないが、この図の分離装置とは反対に、容器の排出側に平行の分離移送部を配置して、搬入側に偏心の分離移送部を配置することもできる。
【0048】
偏心の分離移送部3Aを構成している、図15にあって上下に配置してなる一対の回転軸5は、その両端部を回転中心軸mに対して互いに反対方向に偏心して配置している。偏心の分離移送部3Aは、回転軸5が半回転する毎に一対の回転軸5が平行な姿勢となって、分離隙間2を水平面に対して傾斜する姿勢となるように一対の回転軸5を偏心して配置している。したがって、偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5は、半回転するごとに分離隙間2を傾斜姿勢とする。容器1は、平行の分離移送部3Bの水平姿勢にある分離隙間2と、偏心の分離移送部3Aの傾斜姿勢の分離隙間2とに移送されて、すなわち移送されながら、水平姿勢と傾斜姿勢に保持されて捻られて内容物を分離する。図15と図16に示すように、一対の回転軸5を上下に配設している分離移送部3は、上下の回転軸5の上下間隔、すなわち、容器1が移送される方向に垂直な方向の間隔が分離隙間2となる。分離隙間2は、図17と図18に示すように、回転軸5が回転しても常に変わらず、容器1を挟着して移送し、また傾斜姿勢となって容器1を捻って内容物を分離しながら移送する。図19は、図17と図18に示す偏心して配置している上下の回転軸5の左端が、回転して上下する軌跡を示している。この図は、図17と図18の(a)〜(f)の回転位置における左端の上下位置を示している。この図に示すように、上下に配設している一対の回転軸5の左端は、同じように上下に移動して分離隙間2の間隔Sを一定とする。偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5は、上下には同じように往復運動するが、容器1の進行方向には反対方向に往復運動する。
【0049】
図13と図14の分離装置は、一対の回転軸5の両端を、ベアリング6を介して対向壁7に回転できるように連結して、分離移送部3を設けている。図の分離移送部3は、回転軸5をロール状としている。平行の分離移送部3Bは、回転軸5の両端を偏心することなく平行な姿勢として対向壁7に回転できるように連結している。偏心の分離移送部3Aは、回転軸5の両端を偏心して対向壁7に回転できるように連結している。
【0050】
平行の分離移送部3Bは、一対の回転軸5を常に平行な姿勢として、同じ回転数で反対方向に回転されて、容器1を上下で挟んで移送する分離隙間2を常に水平姿勢としている。偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となるように同じ回転数で反対方向に回転される。すなわち、一対のロール状の回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となり、この状態で分離隙間2を傾斜姿勢として、容器1を捻って移送するように、その両端を偏心して対向壁7に連結している。半回転する毎に平行な姿勢となる一対の回転軸5は、互いに平行となる姿勢において、分離隙間2を傾斜姿勢として容器1を捻って移送する。
【0051】
偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5は、図18の(b)、(d)、及び(f)に示すように、半回転毎に平行な姿勢となって分離隙間2を傾斜姿勢とし、さらに、図18の(a)、(c)、(e)に示すように、半回転する毎に分離隙間2を水平姿勢とする。分離隙間2を水平姿勢とするとき、回転軸5は、水平面内にあるが平行な姿勢とはならない。水平姿勢にある一対の回転軸5は、水平面内にあって、容器1の移送方向に直交する方向に対して互いに反対方向に傾斜する姿勢となる。偏心の分離移送部3Aは、一対の回転軸5が反対方向に回転することで、分離隙間2を水平姿勢と傾斜姿勢に繰り返し、水平姿勢で分離隙間2に搬入された容器1を、傾斜姿勢で捻って内容物を容器1から分離する。
【0052】
偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸は、半回転する毎に互いに平行な姿勢となり、この状態では、図16に示すように分離隙間2を傾斜姿勢とする。したがって、平行の分離移送部3Bから水平姿勢で供給される容器1は、回転軸5が半回転する毎に傾斜姿勢となる偏心の分離移送部3Aの分離隙間2で捻られて内容物を分離する。
【0053】
図17は、容器1を平行の分離移送部3Bと偏心の分離移送部3Aで移送する状態を示している。この図に示すように、平行の分離移送部3Bは、上下の回転軸5で容器1を挟み、あるいは下側の回転軸5の上に載せて容器1を移送する。平行の分離移送部3Bは、その分離隙間2を常に水平姿勢とするので、図17の(a)と(b)に示すように、容器を水平姿勢として偏心の分離移送部3Aの分離隙間2に向かって移送する。偏心の分離移送部3Aは、分離隙間2を水平姿勢と傾斜姿勢とを繰り返しながら、回転軸5を容器1の移送方向に回転させているが、平行の分離移送部3Bから水平姿勢に搬入される容器1は、図17の(c)の水平姿勢においてスムーズに分離隙間2に搬入され、その後、図17の(d)に示すように、一対の回転軸5が平行となる状態で、分離隙間2を傾斜姿勢として、容器1の一部を傾斜姿勢に捻って移送する。この状態で容器1は、図16に示すように、先端部を傾斜姿勢として後端部を水平姿勢とするので捻られる。容器1は、捻られることで内容物を分離する。内容物が変形しない状態で容器1が変形されるからである。その後、容器1は、図17の(e)と(f)で示すように、偏心の分離移送部3Aの回転軸5で排出される。
【0054】
以上の分離装置は、回転軸5をロール状とするが、回転軸5は、図20ないし図22に示すように、両端にカム8を固定する構造とすることもできる。この図に示す偏心の分離移送部3Aは、両端のカム8によって回転軸5の両端部を回転中心軸mに対して偏心させている。平行の分離移送部3Bは、回転軸5をロール状としているが、この回転軸も両端部にカムと同じ外形のリングを固定する構造とすることもできる。図に示す偏心の分離移送部3Aは、回転軸5の両端を偏心することなく対向壁7に連結して、カム8で回転軸5の両端部を偏心している。回転軸5の両端部に固定しているカム8は、互いに反対方向に偏心して回転軸5に固定している。さらに、上下に配置している一対の回転軸5は、上下の対向するカム8の間に、互いに容器1を捻って移送する分離隙間2を設けている。上下の回転軸5の両端部に固定しているカム8は、回転軸5が半回転する毎に、分離隙間2が傾斜姿勢となるように偏心させている。この回転軸5は、図20の矢印で示すように互いに反対方向に回転されて、半回転する毎にカム8の間に設けられる分離隙間2を傾斜姿勢とする。この回転軸5は、ロール状の回転軸5と同じようにして、カム8で容器1を挟んで移送することで、水平姿勢と傾斜姿勢とを繰り返す分離隙間2に容器1を通過させて、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0055】
図13ないし図22の分離装置は、可撓性のある容器1Aを、複数組の分離移送部3の分離隙間2で挟んで移送している。これらの分離装置は、可撓性のある容器1Aの前後を、各々の分離移送部3で捻りながら移送して、内容物を容器1から分離する。このように、可撓性のある容器1Aは、図16、図21、及び図22に示すように、前後を反対方向に捻りながら移送されて、内容物が確実に分離される。
【0056】
さらに、本発明の分離装置は、焼結し、あるいはコンクリートのように硬化して硬くなっている内容物を変形できない容器に収納して分離することもできる。容器を変形させないで内容物を分離する分離装置は、焼結体や硬化したコンクリートのように変形すると破損する内容物を、破損しないで容器から分離することができる。図23と図24は、分離装置が、非可撓性の容器1Bを移送して内容物を分離する状態を示している。非可撓性の容器1Bは、前述の可撓性のある容器1Aのように、容器の前後を捻って変形させるのに代わって、容器の四隅部に衝撃を与えて内容物を分離する。したがって、図23と図24の分離装置は、容器1を変形させることなく、容器1に衝撃を与えながら複数組の分離移送部3の分離隙間2に通過させる。図23の分離装置は、前後に配置している複数組の分離移送部3のうち、偏心の分離移送部3Aの分離隙間2の間隔(S1)を、平行の分離移送部3Bの分離隙間2の間隔(S2)よりも広くして、非可撓性の容器1Bを変形させることなく通過できる間隔としている。図に示す分離装置は、平行の分離移送部3Bの分離隙間2の間隔(S2)を非可撓性の容器1Bの高さとほぼ等しく、正確にはやや大きくし、偏心の分離移送部3Aの分離隙間2の間隔(S1)を、分離隙間2を傾斜姿勢とする回転軸5が非可撓性の容器1Bを変形させずに通過できる間隔としている。この分離装置は、分離移送部3の分離隙間2の間隔を調整して、すなわち、一対の回転軸5の間隔を調整して、容器1の四隅に衝撃を与え、かつその対角に同じ方向に衝撃を与えながら非可撓性の容器1Bを変形させることなく通過させる。
【0057】
さらに、図24の分離装置は、偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5の両端部の偏心量(回転中心軸mに対する偏心量)を、非可撓性の容器1Bを変形させることなく分離隙間2に通過できる大きさとしている。この分離装置は、偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5の両端部の偏心量を調整することで、非可撓性の容器1を変形させることなく、容器1の四隅に衝撃を与えながら通過できるようにしている。
【0058】
複数組の分離移送部で容器を叩いて分離する分離装置は、隣接して容器の移送方向に離して配設される分離移送部を多くして、すなわち、容器を3組以上の分離移送部で叩くようにして、容器が分離移送部に叩かれる回数を多くでき、容器に付着している内容物をより確実に容器から分離できる。なお、捻ると破損する内容物を容器から分離する分離装置も、図23と図24と同様の構造で分離できる。
【0059】
図13ないし図24に示す分離装置の駆動機構4は、図2ないし図12の分離装置の駆動機構4と同じように、全ての回転軸5を同じ回転数とし、かつ、上下に配設している一対の回転軸5を、互いに反対方向に回転して、分離隙間2で挟んで容器1を移送する。いいかえると、駆動機構4は、一対の回転軸5で容器1を挟んで移送する方向に回転軸5を回転させる。
【0060】
さらにまた、図13ないし図18、及び図20ないし図24に示す分離装置は、分離移送部3の下側に配置している回転軸5の中央部の上に、容器1の移送方向に伸びる移送ロッド14を配置している。この移送ロッド14は、移送される容器1から分離された内容物が前後の分離移送部3の間に落下するのを確実に防止しながら、容器1をスムーズに移送できる。移送ロッド14は、ステンレス等の金属ロッド、あるいは硬質のプラスチックロッドである。移送ロッド14は、断面形状を円形とするロッドである。ただ、移送ロッドは、断面形状を四角形などの多角形とすることもできる。
【0061】
さらに、図の分離装置は、分離移送部3の下側に配置している回転軸5の中央部に、回転方向に伸びるリング溝15を設けて、このリング溝15に移送ロッド14を配置している。リング溝15は、移送ロッド14を摺動できる状態で案内できる形状としている。この構造の分離装置は、移送ロッド14で容器1をガイドして安定して確実に移送できる。また、リング溝15に移送ロッド14を入れる構造の分離装置は、移送ロッド14が回転軸5の表面から突出することなく、移送ロッド14でよりスムーズに容器1を移送できる特徴がある。
【0062】
以上の分離装置は、図17に示すように、容器1の開口部を下向きとして移送して、内容物を容器1から分離する。この分離装置は、容器1を排出する状態で、容器1の両側をベルトコンベア等で支持しながら移送して、内容物を落下させて簡単に容器1から取り出すことができる。ただ、本発明の分離装置は、容器1に付着した内容物を容器1から分離するものであるから、内容物を収納している容器は、開口部を上向きとして分離装置に供給し、分離装置から排出される状態で容器を反転して容器から取り出し、あるいは容器の底に設けた隙間にロッドを挿入し、このロッドで内容物を突き上げて容器から取り出すこともできる。
【0063】
さらに、図25ないし図28は、長さが異なる容器1の内容物を確実に分離できる分離装置を示している。この分離装置は、容器1の移送方向に、平行の分離移送部3Bと、複数の偏心の分離移送部3Aを配設している。これらの図に示す分離装置は、容器1の移送方向に向かって第1〜第6の分離移送部3を配設している。第1〜第6の分離移送部3は、容器1を反対方向に捻って移送するように回転軸5を配置している。すなわち、第1の分離移送部3aと第2の分離移送部3bで容器1を捻るように回転軸5を配置しており、第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cも容器1を捻るように回転軸5を配置し、さらに第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dでも容器1を捻るように回転軸5を配置し、さらにまた、第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eでも容器1を捻るように回転軸5を配置し、さらに第5の分離移送部3eと第6の分離移送部3fでも容器1を捻るように回転軸5を配置している。
【0064】
第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cは、短い容器1Xの両端部を反対方向に捻って内容物を分離する第1の分離ユニット23Aを構成している。第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eも、短い容器1Xの両端部を反対方向に捻って内容物を分離する第3の分離ユニット23Cを構成している。さらに、第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dは長い容器1Yの両端部を反対方向に捻って内容物を分離する第2の分離ユニット23Bを構成している。短い容器1Xは、第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cを通過する状態と、第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eを通過するときに分離隙間2で反対方向に捻られて内容物が分離される。長い容器1Yは、第1の分離移送部3aと第2の分離移送部3bを通過するときと、第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cを通過するときと、第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dを通過するときと、第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eを通過するときと、第5の分離移送部3eと第6の分離移送部3fを通過するときに捻られて内容物を分離する。第1〜第6の分離移送部3は、長い容器1Yを3組の分離移送部3で捻って移送することがないように、各々の分離移送部3の間隔(L)を特定している。容器1は、2組以上の分離移送部3の回転軸5に同時に接触しながら移送されて、2組以上の分離移送部3で捻られて内容物を確実に分離できる。ただ、この状態は、容器を波形に大きく変形させることから容器の劣化を大きくする。分離装置は、容器1の前後を2組の分離移送部3の分離隙間2に同時に通過させて、対角を反対方向に押圧して捻ることで、容器1の変形を少なくしながら内容物を確実に分離できる。
【0065】
図25ないし図28の分離装置は、長い容器1Yの劣化を防止しながら、長い容器1Yと短い容器1Xから確実に内容物を分離するように、第1〜第6の分離移送部3を異なる間隔で配置している。さらに、水平姿勢に供給される容器1をスムーズに供給し、かつ内容物の分離された容器1を水平姿勢で排出するために、搬入側に設けている第1の分離移送部3aと、排出側に設けている第6の分離移送部3fを平行の分離移送部3Bとしている。第2〜第5の分離移送部3は、偏心の分離移送部3Aとして容器1を捻って移送するようにしている。第1〜第6の分離移送部3の間隔(L)は同じでなく、第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cで第1の分離ユニット23Aを構成し、第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dで第2の分離ユニット23Bを構成し、第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eで第3の分離ユニット23Cを構成している。
【0066】
第1の分離ユニット23Aを構成する第2の分離移送部3bと第3の分離移送部3cの間隔(L1)と、第3の分離ユニット23Cを構成する第4の分離移送部3dと第5の分離移送部3eの間隔(L1)を同じ間隔としている。ただし、隣接する分離移送部3の間隔(L)は、回転軸5が回転する回転中心軸mの中心間隔である。第2の分離ユニット23Bを構成する第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dの間隔(L2)は、第1の分離ユニット23Aと第3の分離ユニット23Cの間隔(L1)よりも広くしている。第2の分離ユニット23Bの間隔(L2)は、第3の分離移送部3cと第4の分離移送部3dで長い容器1Yの両端部の対角を反対方向に押圧して捻って移送できるが、3組以上の分離移送部3で長い容器1Yを同時に移送しない間隔としている。第1の分離ユニット23Aと第3の分離ユニット23Cの間隔(L1)は、短い容器1Xの両端部の対角を反対方向に押圧して捻って移送できる間隔としている。以上の分離装置は、長い容器1Yを各々の分離移送部3で移送しながら、ひとつの容器1が同時に3組以上の分離移送部3を移送されることがなく、長い容器1Yを大きく変形することなく内容物を分離することができる。
【0067】
第1〜第3の分離ユニット23は、容器1の移送方向に配置している2組の偏心の分離移送部3Aで構成される。偏心の分離移送部3Aを構成する上下に配置している一対の回転軸5は、図29と図30に示すように、半回転する毎に互いに平行な姿勢となり、この状態で上下の回転軸5の間の分離隙間2を傾斜姿勢として容器1を捻って移送するように、回転軸5の両端を反対方向に偏心させている。さらに、両端を偏心してなる一対の回転軸5は、半回転する毎に互いに平行な姿勢となって分離隙間2を傾斜姿勢とし、かつ、半回転する毎に水平面内にある姿勢となって、上下の回転軸5の分離隙間2を水平姿勢とする。すなわち、偏心の分離移送部3Aを構成する一対の回転軸5は、90度回転するごとに、分離隙間2を傾斜姿勢と水平姿勢に交互に変化させて、容器1を移送しながら捻って内容物を分離するように両端を偏心させている。分離ユニット23を構成する2組の偏心の分離移送部3Aは、一方の分離移送部3が分離隙間2を水平姿勢とするときに他方の分離移送部3の分離隙間2も水平姿勢として容器1を水平姿勢に移送し、また、一方の分離移送部3が分離隙間2を傾斜姿勢とするときに、他方の分離移送部3の分離隙間も傾斜姿勢として容器1を捻って内容物を分離する。
【0068】
2組の偏心の分離移送部3Aは、図29の(d)と図30の(d)に示すように、回転軸5が平行となって分離隙間2を傾斜姿勢とする状態で、互いに分離隙間2の傾斜姿勢を水平面内に対して反対方向に傾斜して、容器1を捻って分離する。
【0069】
分離ユニット23を構成する偏心の分離移送部3Aの回転軸5は、図29の(b)、(d)、及び(f)で示すタイミングで、互いに平行な姿勢となって分離隙間2を傾斜姿勢とし、この状態で、互いに分離隙間2の傾斜姿勢を水平面内に対して反対方向に傾斜して、容器1を捻って分離するように、回転軸5の両端を偏心させている。したがって、容器1の移送方向に配設している偏心の分離移送部3Aの回転軸5は、半回転する毎に平行な姿勢となり、かつ、この姿勢で容器1を反対方向に捻るように回転されて内容物を容器1から分離する。たとえば、図31において、一方の回転軸5(紙面の奥側)が、容器1の前部を垂直面に対して右回転するように捻る状態で、他方の回転軸5(紙面の手前側)は容器1の後部を垂直面に対して左回転するように捻って移送して、容器1の前後を反対方向に捻って、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0070】
ロール状の回転軸5が容器1を移送しながら内容物を分離する状態を図29に示している。この図に示すように、上下に配置している一対の回転軸5は、1/4回転する毎に、上下の回転軸5を水平姿勢とする移送位置(a)、(c)、(e)と、上下の回転軸5が平行な姿勢となって水平姿勢に対して傾斜する姿勢となる捻り位置(b)、(d)、(f)とを繰り返して、移送される容器1から内容物を分離する。移送位置にある回転軸5は、水平姿勢にあって、容器1の移送方向に対して互いに逆方向に傾斜する姿勢となる。この状態で、上下の回転軸5の間には上下に一定の幅の分離隙間2ができ、この状態で容器1はスムーズに上下の回転軸5の間に移送される。この状態で、上下の回転軸5の間に送り込まれた容器1は、回転軸5が1/4回転する捻り位置において、図29の(d)で示すように、対角が捻られて、内容物が容器1から分離される。
【0071】
さらに、分離ユニット23を構成する偏心の分離移送部3Aは、図32ないし図34に示すように、回転軸5が両端部にカム8を有して、回転軸5の両端部をカム8で回転中心軸mに対して偏心することもできる。この分離装置は、カム8を固定している回転軸5の両端を偏心することなく対向壁7に連結できる。回転軸5の両端部に設けているカム8は、互いに反対方向に偏心して回転軸5に固定している。さらに、上下に配置している一対の回転軸5は、上下の対向するカム8の間に、互いに容器1を捻って移送する分離隙間2を設けている。上下の回転軸5の両端部に固定しているカム8は、回転軸5が半回転する毎に、分離隙間2が傾斜姿勢となるように偏心させている。さらに、容器1の移送方向に隣接して配設してなる複数の偏心の分離移送部3Aは、前後方向に隣接する回転軸5の両端部に設けているカム8を、互いに反対方向に偏心して回転軸5に固定している。この回転軸5は、図32の矢印で示すように、互いに反対方向に回転されて、半回転する毎に分離隙間2を上下に移動させる。さらに、図33と図34に示すように、容器1の移送方向に離して配設している分離移送部3の回転軸5は、前述したロール状の回転軸と同じように、容器1の前後を反対方向に捻って移送するようにカム8を固定している。この回転軸5は、ロール状の回転軸と同じように、カム8で容器1を挟んで移送することで、容器1の前後を捻りながら移送して、容器1に付着している内容物を容器1から分離する。
【0072】
両端にカム8を設けている回転軸5は、ロール状の回転軸と同じように、可撓性のある容器1Aの前後を、捻りながら移送して、内容物を容器1から分離することができ、また、焼結し、あるいはコンクリートのように硬化して硬くなっている内容物を変形できない容器に収納している状態にあっては、容器を捻って変形させるのに代わって、カムで容器の四隅部に衝撃を与えて内容物を分離することができる。
【0073】
図25の分離装置において、駆動機構4は、全ての分離移送部3の回転軸5を同じ回転数で回転させる。ただし、上下に配設している一対の回転軸5は、互いに反対方向に回転して、分離隙間2で挟んで容器1を移送する。いいかえると、駆動機構4は、一対の回転軸5で容器1を挟んで移送する方向に回転軸5を回転させる。図25の分離装置は、回転軸5の端部にスプロケット11を固定し、このスプロケット11にかけているチェーン12をモータ10で駆動して、各々の回転軸5を同じ速度で回転している。チェーン12を対向壁7の外側に配置するために、回転軸5を対向壁7から突出させて突出部にスプロケット11を固定している。
【0074】
図25の分離装置は、厚さが異なる容器1から内容物を分離できるように、上下に配設している一対の回転軸5の間隔を調整できる間隔調整機構16を備える。間隔調整機構16は、上下に移動できる上下プレート17を対向壁7に設けて、上下プレート17に上側の回転軸5を連結している。この間隔調整機構16は、上下プレート17を上下に移動して、移動位置で停止できる構造としている。上下の回転軸5は、駆動機構4で互いに反対方向に同じ速度で回転される。駆動機構4は、回転軸5に対向壁7の外側で固定しているスプロケット11を、モータ10で駆動するチェーン12で駆動している。チェーン12は2組あって、一方のチェーン12Aで上側の回転軸5を駆動し、他方のチェーン12Bで下側の回転軸5を駆動している。チェーン12は、テンションを調整するためにテンションロール18を設けている。上下プレート17が上下に移動されると、スプロケット11とチェーン12との連結位置が変化して、上側の回転軸5の回転角が変化する。上下の回転軸5は、互いに平行となる回転位置において、分離隙間2を傾斜姿勢とする必要があるので、回転位置が特定される。回転位置がずれると容器1をスムーズに移動しながら内容物を分離できなくなる。
【0075】
図25の駆動機構4は、間隔調整機構16で上下の回転軸5の間隔を調整して、回転軸5の回転位置のずれを補正する回転位置補正機構22を備えている。この回転位置補正機構22は、チェーン12を連結している動滑車19とレバー21とを備える。動滑車19は、レバー21に回転できるように連結している。図25の分離装置は、下側の回転軸5の回転位置を回転位置補正機構22で補正する。したがって、下側のスプロケット11を駆動するチェーン12Bを、上下プレート17で上下される動滑車19にかけている。動滑車19は、リンク機構20を介して上下プレート17に連結している。リンク機構20のレバー21は、支点を、上下に移動しない対向壁7に傾動できるように連結して、その先端の作用点を上下プレート17に連結して、支点と作用点の中間の力点を動滑車19の回転軸に連結している。このリンク機構20は、上下プレート17の上下の移動距離の1/2の距離で、動滑車19を上下に移動させる。したがって、上下プレート17が上方に移動するとき、動滑車19が上下に移動して、スプロケット11の回転角を調整する。したがって、上下プレート17が上下に移動される状態で、上下一対の回転軸5の回転角を自動的に調整して、回転軸5で容器1を移送しながら内容物を分離できる位置に調整する。
【0076】
さらに、図25ないし図34に示す分離装置も、分離移送部3の下側に配置している回転軸5の中央部の上に、容器1の移送方向に伸びる移送ロッド14を配置している。移送ロッド14は、ステンレス等の金属ロッド、あるいは硬質のプラスチックロッドである。図25ないし図31に示す移送ロッド14は、断面形状を円形とするロッドである。図32ないし図34に示す移送ロッド14は、細長いプレート状としている。ただ、移送ロッドは、断面形状を四角形などの多角形とすることもできる。
【0077】
さらに、図26と図31の分離装置は、分離移送部3の下側に配置している回転軸5の中央部に、回転方向に伸びるリング溝15を設けて、リング溝15に移送ロッド14を配置している。リング溝15は、移送ロッド14を摺動できる状態で案内できる形状としている。この構造の分離装置は、移送ロッド14で容器1をガイドして安定して確実に移送できる。また、リング溝15に移送ロッド14を入れる構造の分離装置は、移送ロッド14が回転軸5の表面から突出することなく、移送ロッド14でよりスムーズに容器1を移送できる特徴がある。
【0078】
さらに、図35ないし図45に示す分離装置は、移送位置にある回転軸5の分離隙間2の幅を広くするために、ロール状の回転軸5に平面部5bを設けている。これらの回転軸5は、円柱の外周面に沿う湾曲部5aと平面状の平面部5bを有するロール状としている。これらの回転軸5は、円柱の表面の一部を軸方向に伸びるように平面状に切除した形状としている。平面部5bの横幅(W)は、円柱の直径(D)の約2/3としている。ただ、平面部の横幅(W)は、円柱の直径(D)の1/3ないし4/5とすることができる。分離移送部3は、平面部5bの横幅(W)を広くして、移送位置にある上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を広くできる。回転軸5の平面部5bは、分離隙間2を広くするために設けている。したがって、平面部5bは、回転軸5の移送位置において、容器1と対向する面に設けられる。平面部5bのある回転軸5は、湾曲部5aで容器1を捻って内容物を分離するので、平面部5bを設けることで内容物の分離が阻害されることはない。なお、図35、図38、図40、及び図42においては、回転軸5の平面部5bをクロスハッチングで表示してわかりやすくしている。
【0079】
図35ないし図41の分離装置は、回転軸5の表面にひとつの平面部5bを設けており、図42と図43の分離装置は、回転軸5の対向する位置に、互いに平行な平面部5bを設けている。ひとつの平面部5bを設けている回転軸5を備える分離装置が、移送される容器1から内容物を分離する状態を図35、図38、及び図40に示している。
【0080】
図35と図36の分離装置は、容器1の移送方向の前後に配置している分離移送部3の上側の回転軸5にひとつの平面部5bを設けている。この分離装置は、送り込み側と排出側の回転軸5に、互いに上下の反対方向となるように平面部5bを設けている。すなわち、図35の(a)に示すように、排出側の回転軸5の平面部5bが下面の分離隙間2に位置するとき、送り込み側の回転軸5の平面部5bが分離隙間2と反対側の上面に位置する。反対に、(c)に示すように、送り込み側の回転軸5の平面部5bが下面の分離隙間2に位置するとき、排出側の回転軸5の平面部5bは分離隙間2と反対側の上面に位置する。すなわち、送り込み側と排出側にある回転軸5は、一方の平面部5bが分離隙間2にあり、他方の平面部5bが分離隙間2と反対側に位置する。この分離装置は、前後に配置している分離移送部3の分離隙間2を、一方を他方よりも広くする。平面部5bによって広くなっている分離隙間2は、内容物の突出する容器1をもスムーズに移送でき、また平面部5bがなくて広くならない分離隙間2は、上下で容器1を挟むので、回転軸5の回転で容器1を確実に移送できる。ただし、本発明の分離装置は、回転軸の回転で必ずしも容器を移送する必要はなく、ベルトコンベアなどで容器を分離移送部に強制的に移送して、内容物を分離することもできる。
【0081】
図35の分離装置は、以下の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順番に回転軸5を回転して、移送される容器1から内容物を分離する。
(a)この工程で、送り込み側と排出側の回転軸5は水平姿勢となって、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平姿勢の移送位置とする。この状態で、容器1は移送位置にある送り込み側の回転軸5の間の分離隙間2にスムーズに搬入される。この状態で送り込み側の回転軸5は、平面部5bを上面に位置しているので、分離隙間2で容器1を挟んで効率よく移送する。送り込み側の回転軸5がこの位置で分離隙間2に搬入される容器1は、上下の回転軸5に挟まれて効率よく移送される。ただ、容器1は、必ずしもこの位置で搬入されず、送り込み側の回転軸5を(c)の移送位置として搬入されることもある。この位置にある送り込み側の回転軸5は、下面を平面部5bとして、分離隙間2の幅を広くしている。この位置にある送り込み側の回転軸5は、内容物が容器1から突出して厚くなっている容器1をもスムーズに搬入できる。ただ、平面部5bで間隔を広くしている分離隙間2は、内容物が容器から突出しない容器を挟んで移送できなくなることもあるが、この容器は、次々と搬入される容器で強制的に移送することで、分離隙間2に搬入できる。
【0082】
(b)回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5が平行な姿勢となり、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平面内に対して傾斜する捻り位置とする。この状態において、容器1は送り込み側の回転軸5にのみ挟まれているので、容器全体を傾斜させながら移送される。
(c)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が水平姿勢の移送位置となる。この状態で、容器1はスムーズに排出側の回転軸5の分離隙間2にも搬入される。この状態で送り込み側の分離隙間2は、回転軸5に設けた平面部5bを下面に位置させて分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側の回転軸5を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(d)さらに回転軸5が1/4回転すると、送り込み側と排出側の分離隙間2が、容器1を対角で捻る捻り位置となる。この状態で容器1が捻られて内容物が容器1から分離される。捻り位置にある回転軸5は、湾曲部5aで容器1を捻って内容物を分離するので、平面部5bを設けた回転軸5によっても、容器1を確実に捻って内容物を分離できる。
(e)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が移送位置となり、内容物の分離された容器1が分離隙間2から排出される。この状態で排出側の分離隙間2は、回転軸5に設けた平面部5bが下面にあって分離隙間2を広くしている。したがって、排出側の回転軸5を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(f)さらに回転軸5が1/4回転して、排出側の回転軸5の分離隙間2が捻り位置となるが、容器1は排出側の回転軸5にのみ挟まれて傾斜されながらスムーズに排出される。
【0083】
以上の分離装置は、表面の一部に内容物が突出する容器をスムーズに移送しながら、内容物を容器から分離して排出できる。
【0084】
さらに、図38と図39の分離装置は、全ての回転軸5にひとつの平面部5bを設けている。この分離装置は、送り込み側と排出側の回転軸5に、互いに上下に反対方向となるように平面部5bを設けている。さらに、この分離装置は、移送位置において上下の回転軸5の同じ位置に平面部5bを設けている。すなわち、図38の(a)に示すように、排出側の上下の回転軸5の平面部5bが下面に位置するとき、送り込み側の上下の回転軸5の平面部5bが反対側の上面に位置する。反対に、(c)に示すように、送り込み側の上下の回転軸5の平面部5bが下面の分離隙間2に位置するとき、排出側の上下の回転軸5の平面部5bが分離隙間2と反対側の上面に位置する。さらに、送り込み側と排出側の回転軸5は、同じ位置に平面部5bを設けている。すなわち、上下の回転軸5は、分離隙間2を移送位置とするときには、一方の平面部5bを分離隙間2に、他方の平面部5bを分離隙間2と反対側に位置させている。この分離装置は、回転軸5の平面部5bで移送位置にある分離隙間2を広くすると共に、送り込み側と排出側に配置している分離移送部3の分離隙間2を、上下反対方向に移動して、容器1を上下に振動させながら移送して、内容物をより確実に分離する。
【0085】
図38の分離装置は、以下の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順番に回転軸5を回転して、移送される容器1から内容物を分離する。
(a)この工程で、送り込み側と排出側の回転軸5は水平姿勢となって、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平姿勢の移送位置とする。この状態で、容器1は移送位置にある送り込み側の回転軸5の間の分離隙間2にスムーズに搬入される。この状態で送り込み側にある下側の回転軸5は、平面部5bを上面に位置して分離隙間2を広くしている。容器1が平面部5bで広くなっている分離隙間2に搬入されるので、内容物が容器1から突出している容器1をもスムーズに送り込み側の分離隙間2に搬入できる。ただ、容器1は必ずしもこの位置で搬入されず、送り込み側の回転軸5を(c)の移送位置として搬入されることもある。この位置にある送り込み側の上側にある回転軸5は、下面を平面部5bとして、分離隙間2の幅を広くしている。この位置にある送り込み側の回転軸5も、平面部5bで分離隙間2を広くしているので、内容物が容器1から突出して厚くなっている容器1をもスムーズに搬入できる。
【0086】
(b)回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5が平行な姿勢となり、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平面内に対して傾斜する捻り位置とする。この状態において、容器1は送り込み側の回転軸5にのみ挟まれているので、容器全体を傾斜させながら移送される。
(c)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が水平姿勢の移送位置となる。この状態で、容器1はスムーズに排出側の回転軸5の分離隙間2にも搬入される。この状態で送り込み側と排出側の分離隙間2は、回転軸5に設けた平面部5bで分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側と排出側の回転軸5の間を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(d)さらに回転軸5が1/4回転すると、送り込み側と排出側の分離隙間2が、容器1を対角で捻る捻り位置となる。この状態で容器1が捻られて内容物が容器1から分離される。捻り位置にある回転軸5は、湾曲部5aで容器1を捻って内容物を分離するので、平面部5bを設けた回転軸5によっても、容器1を確実に捻って内容物を分離できる。
(e)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が移送位置となり、内容物の分離された容器1が分離隙間2から排出される。この状態で送り込み側と排出側の分離隙間2は、回転軸5に設けた平面部5bによって分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側と排出側の回転軸5を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(f)さらに回転軸5が1/4回転して、排出側の回転軸5の分離隙間2が捻り位置となるが、容器1は排出側の回転軸5にのみ挟まれて傾斜されながらスムーズに排出される。
【0087】
以上の分離装置は、表面の一部に内容物が突出する容器1をスムーズに移送し、さらに、容器1を前後の分離移送部3で揺すりながら、内容物を容器1から確実に分離して排出できる。
【0088】
さらに、図40と図41の分離装置も、全ての回転軸5にひとつの平面部5bを設けている。この分離装置は、送り込み側と排出側の回転軸5に、互いに上下に反対方向となるように平面部5bを設けている。さらに、この分離装置は、回転軸5の移送位置において、上下の回転軸5の互いに反対位置に平面部5bを設けている。すなわち、図40の(a)に示すように、送り込み側の回転軸5が平面部5bを対向する位置に配置するとき、排出側の回転軸5は平面部5bを対向面と反対側に位置させる。すなわち、送り込み側の下側の回転軸5が平面部5bを上面に位置させるとき、上側の回転軸5は平面部5bを下面に位置させ、さらに、排出側の下側の回転軸5が平面部5bを下面に位置させるとき、上側の回転軸5は平面部5bを上面に位置させる。反対に、(c)で示すように、排出側の回転軸5が平面部5bを対向位置に配置するとき、送り込み側の回転軸5の平面部5bは対向位置と反対側に配置させる。この分離装置は、回転軸5の対向面に設けている平面部5bで移送位置にある分離隙間2をより広くする。また、この分離装置は、前後に配置している分離移送部3の移送位置における分離隙間2を、一方を他方よりも広くし、広い分離隙間2では、内容物の突出する容器1をスムーズに移送し、また、平面部5bがなくて広くならない分離隙間2では、上下で容器1を挟んで、回転軸5の回転で容器1を確実に移送する。
【0089】
図40の分離装置は、以下の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順番に回転軸5を回転して、移送される容器1から内容物を分離する。
(a)この工程で、送り込み側と排出側の回転軸5は水平姿勢となって、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平姿勢の移送位置とする。この状態で、容器1は移送位置にある送り込み側の回転軸5の間の分離隙間2にスムーズに搬入される。この状態で送り込み側にある回転軸5は、平面部5bを対向面に配置して、上下の回転軸5の平面部5bで分離隙間2を広くしている。容器1が平面部5bで広くなっている分離隙間2に搬入されるので、内容物が容器1から突出している容器1をもスムーズに送り込み側の分離隙間2に搬入できる。ただ、容器1は必ずしもこの位置で搬入されず、送り込み側の回転軸5を(c)の移送位置として搬入されることもある。この位置にある送り込み側の上下の回転軸5は、平面部5bを分離隙間2の反対側に配置して、移送位置にある分離隙間2を広くしない。平面部5bがこの位置にある送り込み側の回転軸5は、容器1を湾曲部5aで上下で挟んで効率よく搬入する。
【0090】
(b)回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5が平行な姿勢となり、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平面内に対して傾斜する捻り位置とする。この状態において、容器1は送り込み側の回転軸5にのみ挟まれているので、容器全体を傾斜させながら移送される。
(c)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が水平姿勢の移送位置となる。この状態で、容器1はスムーズに排出側の回転軸5の分離隙間2にも搬入される。この状態で送り込み側の上下の回転軸5は容器1を湾曲部5aで挟んで効率よく移送し、排出側の分離隙間2は、回転軸5の対向面に設けた平面部5bで分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側で容器1を挟んで移送し、また排出側の回転軸5の間を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(d)さらに回転軸5が1/4回転すると、送り込み側と排出側の分離隙間2が、容器1を対角で捻る捻り位置となる。この状態で容器1が捻られて内容物が容器1から分離される。捻り位置にある回転軸5は、湾曲部5aで容器1を捻って内容物を分離するので、平面部5bを設けた回転軸5によっても、容器1を確実に捻って内容物を分離できる。
(e)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が移送位置となり、内容物の分離された容器1が分離隙間2から排出される。この状態で排出側の回転軸5は容器1を挟んで確実に排出する。送り込み側の回転軸5の間の分離隙間2は、回転軸5の平面部5bによって分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側の回転軸5を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに排出される。
(f)さらに回転軸5が1/4回転して、排出側の回転軸5の分離隙間2が捻り位置となるが、容器1は排出側の回転軸5にのみ挟まれて傾斜されながらスムーズに排出される。
【0091】
以上の分離装置は、表面の一部に内容物が突出する容器1をスムーズに移送し、さらに、容器1を送り込み側と排出側の一方の回転軸5で挟んで確実に排出する。
【0092】
さらに、図42の分離装置は、全ての回転軸5の対向位置に平面部5bを設けている。この分離装置は、送り込み側と排出側の回転軸5に、移送位置において上下に平面部5bを設けている。すなわち、図42の(a)に示すように、送り込み側の回転軸5が平面部5bを対向する位置に配置するとき、排出側の回転軸5も平面部5bを対向する位置に配置する。この分離装置は、全ての回転軸5の対向面に設けている平面部5bで移送位置にある分離隙間2をより広くする。平面部5bで広くなった移送位置にある分離隙間2は、内容物の突出する容器をもスムーズに移送する。この回転軸5は、移送位置において分離隙間2を広くしているので、次々と搬入される容器1に押されて、容器1を回転軸5の分離隙間2に移送できる。
【0093】
図42の分離装置は、以下の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の順番に回転軸5を回転して、移送される容器から内容物を分離する。
(a)この工程で、送り込み側と排出側の回転軸5は水平姿勢となって、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平姿勢の移送位置とする。この状態で、容器1は移送位置にある送り込み側の回転軸5の間の分離隙間2にスムーズに搬入される。この状態で送り込み側にある回転軸5は、平面部5bを対向面に配置して、上下の回転軸5の平面部5bで分離隙間2を広くしている。容器1が平面部5bで広くなっている分離隙間2に搬入されるので、内容物が容器1から突出している容器1をもスムーズに送り込み側の分離隙間2に搬入できる。
【0094】
(b)回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5が平行な姿勢となり、上下の回転軸5の間にできる分離隙間2を水平面内に対して傾斜する捻り位置とする。この状態において、容器1は送り込み側の回転軸5にのみ挟まれているので、容器全体を傾斜させながら移送される。
(c)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が水平姿勢の移送位置となる。この状態で、容器1はスムーズに排出側の回転軸5の分離隙間2にも搬入される。この状態で送り込み側と排出側の回転軸5の間の分離隙間2は、回転軸5の対向面に設けた平面部5bで分離隙間2を広くしている。したがって、送り込み側と排出側の回転軸5の間を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに移送される。
(d)さらに回転軸5が1/4回転すると、送り込み側と排出側の分離隙間2が、容器1を対角で捻る捻り位置となる。この状態で容器1が捻られて内容物が容器1から分離される。捻り位置にある回転軸5は、湾曲部5aで容器1を捻って内容物を分離するので、平面部5bを設けた回転軸5によっても、容器1を確実に捻って内容物を分離できる。
(e)さらに回転軸5が1/4回転して、送り込み側と排出側の回転軸5の分離隙間2が移送位置となり、内容物の分離された容器1が分離隙間2から排出される。この状態においても、排出側と送り込み側の回転軸5は、平面部5bで分離隙間2を広くしている。したがって、排出側と送り込み側の回転軸5を通過する容器1の一部に突出部があっても、容器1はスムーズに排出される。
(f)さらに回転軸5が1/4回転して、排出側の回転軸5の分離隙間2が捻り位置となるが、容器1は排出側の回転軸5にのみ挟まれて傾斜されながらスムーズに排出される。
【0095】
以上の分離装置は、表面の一部に内容物が突出する容器1をスムーズに移送しながら、捻り位置で容器1の対角を捻って内容物を容器1から分離して排出する。
【0096】
図35ないし図43の分離装置は、円柱状の回転軸5に平面部5bを設けて、移送位置にある分離隙間2の間隔を広くしている。ただ、分離装置は、図44と図45に示すように、両端部を互いに反対方向に偏心してなるロール状の回転軸5を、さらに中心から片側に偏心して固定することで、平面部5bを設けた回転軸5と同じように、移送位置にある分離隙間2の間隔を広くすることもできる。この分離装置は、図45に示すように、回転軸5が水平姿勢となる移送位置において、回転軸5の両端部を図において左右方向に偏心すると共に、両端部が偏心された回転軸5を中心から片側に、図においては上下方向に偏心して配置している。この分離装置は、図44の(a)の送り込み側の分離移送部3で示すように、水平姿勢にある上側の回転軸5が上方に偏心された位置となり、水平姿勢にある下側の回転軸5が下方に偏心された位置となる状態では、図44の(c)の送り込み側の分離移送部3で示すように、水平姿勢にある上側の回転軸5が下方に偏心された位置となり、水平姿勢にある下側の回転軸5が上方に偏心された位置となる状態よりも分離隙間2が広くなる。
【0097】
さらに、図44の分離装置は、回転軸5の移送位置において、上下に位置する水平姿勢の回転軸5が、送り込み側と排出側において、互いに接近し、あるいは互いに離れる位置となるように、ロール状の回転軸5を片側に偏心して固定している。この分離装置は、送り込み側と排出側とに配置された上下一対の回転軸5のうち、一方の回転軸5が互いに接近する位置にあるときに、他方の回転軸5が互いに離れる位置となるように各々の回転軸5を片側に偏心している。すなわち、図44の(a)で示すように、回転軸5が水平姿勢となる移送位置において、送り込み側の上下にある回転軸5が互いに離れる位置にある状態では、排出側の上下にある回転軸5が互いに接近する位置にある。さらに、この状態から回転軸が1/2回転して、図44の(c)で示すように、送り込み側の上下にある回転軸5が互いに接近する位置となる状態では、排出側の上下にある回転軸5は互いに離れる位置となる。この分離装置は、両端部を反対側に偏心している回転軸5を、さらに中心からの片側に偏心することで、移送位置にある回転軸5の一方の分離隙間2を広くする。また、この分離装置は、前後に配置している分離移送部3の移送位置における一方の分離隙間2を他方の分離隙間2よりも広くして、広い分離隙間2では、内容物の突出する容器をスムーズに移送し、また、広くならない分離隙間2では、上下で容器を挟んで、回転軸5の回転で容器を確実に移送する。
【0098】
さらに、図の分離装置は、上下の回転軸5が平行な姿勢となって水平姿勢に対して傾斜する姿勢となる捻り位置において、図44の(b)と(d)とに示すように、前後に位置する分離移送部3の回転軸5の中心間隔を変化させながら容器の前後を逆方向に捻って、内容物を容器から分離できる特徴もある。
【0099】
以上の分離装置は、回転軸5をロール状とするが、回転軸5は図46に示すように、板状とすることもできる。この回転軸5は、その両端を対向壁7に連結している所定の幅と厚さを有する板状として、板材両端は、幅方向の中心から反対位置にずれた位置を回転中心軸mとして対向壁7に回転できるように連結している。この回転軸5は、上下に配置されて、板材の表面を平行に対向させる水平姿勢で分離隙間2を移送位置とし、また、板材を平行で同一面に配置させる垂直姿勢で、分離隙間2を捻り位置とする。捻り位置にある回転軸5は、板材の対向する側縁で容器1を捻って内容物を分離する。
【0100】
板状の回転軸5は、図47に示すように、中央で2分割する形状とすることもできる。この分離装置は、2分割された板状の回転軸5Aを対向壁7に回転できるように連結して、2分割された回転軸5を駆動機構4で一緒に回転して、分割されない回転軸5と同じように、移送される容器1の両側を挟んで捻って内容物を分離することができる。
【0101】
さらに、回転軸5は、図48に示すように、2本のロッド31を平行に連結する形状とすることもできる。この回転軸5は、2本のロッド31の両端を回転プレート30に連結している。回転プレート30は、その中心に対向壁7に回転できるように連結するための中心軸32を垂直に固定している。2本のロッド31は、前述した板材の両側に位置するように両端を回転プレート30に固定している。この回転軸5は、上下に配設されて、2本のロッド31を水平面内に配置する状態で分離隙間2を移送位置とする。また、2本のロッド31を垂直面内に配置する状態で分離隙間2を捻り位置として、容器1を捻って内容物を分離する。
【0102】
この回転軸5も、図49に示すように、2本のロッド31を中央で2分割して、2分割された回転軸5Aを対向壁7に一緒に回転するように連結することができる。
【符号の説明】
【0103】
1…容器 1A…可撓性のある容器
1B…非可撓性の容器
1X…短い容器
1Y…長い容器
2…分離隙間
3…分離移送部 3A…偏心の分離移送部
3B…平行の分離移送部
3a…第1の分離移送部
3b…第2の分離移送部
3c…第3の分離移送部
3d…第4の分離移送部
3e…第5の分離移送部
3f…第6の分離移送部
4…駆動機構
5…回転軸 5A…回転軸
5a…湾曲部
5b…平面部
6…ベアリング
7…対向壁 7A…対向壁
7B…対向壁
8…カム
9…無端リング
10…モータ
11…スプロケット
12…チェーン 12A…チェーン
12B…チェーン
13…ガイドプレート
14…移送ロッド
15…リング溝
16…間隔調整機構
17…上下プレート
18…テンションロール
19…動滑車
20…リンク機構
21…レバー
22…回転位置補正機構
23…分離ユニット 23A…第1の分離ユニット
23B…第2の分離ユニット
23C…第3の分離ユニット
30…回転プレート
31…ロッド
32…中心軸
91…容器
92…ベルトコンベア
93…剥離区間
m…回転中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納してなる容器(1)を分離隙間(2)で挟んで移送する複数組の分離移送部(3)と、各々の分離移送部(3)を駆動する駆動機構(4)とを備えており、複数組の分離移送部(3)が容器(1)の移送方向に配設されて、容器(1)を複数組の分離移送部(3)に移送するように構成しており、
さらに、前記分離移送部(3)は、前記容器(1)を移送する分離隙間(2)の両面に配設してなる一対の回転軸(5)を備え、前記駆動機構(4)は、一対の回転軸(5)を互いに反対方向に回転して分離隙間(2)で容器(1)を移送させる方向に一対の回転軸(5)を回転駆動しており、
さらに、隣接して配設してなる前記分離移送部(3)を構成してなる前記一対の回転軸(5)は、その両端部を回転中心軸(m)に対して互いに反対方向に偏心して、隣接する分離移送部(3)の分離隙間(2)で移送される前記の容器(1)の前後を反対に捻る方向に対角を押圧しながら移送して、容器(1)に付着している内容物を容器(1)から分離するようにしてなる分離装置。
【請求項2】
移送方向に2組の分離移送部(3)を配設しており、各々の分離移送部(3)の分離隙間(2)が容器(1)を反対方向に捻って内容物を容器(1)から分離するようにしてなる請求項1に記載される分離装置。
【請求項3】
前記回転軸(5)の両端を回転自在に連結してなる対向壁(7)を備え、前記一対の回転軸(5)がその両端を偏心して対向壁(7)に連結してなるロール状で、ロール状の回転軸(5)が半回転する毎に容器(1)を反対方向に捻って移送するようにしてなる請求項1に記載される分離装置。
【請求項4】
前記駆動機構(4)が、モータ(10)を備えており、このモータ(10)にチェーン(12)とスプロケット(11)とを介して前記回転軸(5)に連結しており、回転軸(5)に固定しているスプロケット(11)を前記対向壁(7)の外側に配設してなる請求項3に記載される分離装置。
【請求項5】
前記回転軸(5)の両端を回転自在に連結してなる対向壁(7)を備え、前記一対の回転軸(5)がその両端を偏心して対向壁(7)に連結してなるロール状で、ロール状の回転軸(5)は、円柱の外周面に沿う湾曲部(5a)と平面状の平面部(5b)を有し、湾曲部(5a)でもって、半回転する毎に容器(1)を反対方向に捻って内容物を分離するようにしてなる請求項3に記載される分離装置。
【請求項6】
内容物を収納してなる容器(1)を分離隙間(2)で挟んで移送する複数組の分離移送部(3)と、各々の分離移送部(3)を駆動する駆動機構(4)とを備えており、複数組の分離移送部(3)が容器(1)の移送方向に配設されて、容器(1)を複数組の分離移送部(3)に移送するように構成しており、
さらに、前記分離移送部(3)は、前記容器(1)を移送する分離隙間(2)の両面に配設してなる一対の回転軸(5)を備え、前記駆動機構(4)は、一対の回転軸(5)を互いに反対方向に回転して分離隙間(2)で容器(1)を移送させる方向に一対の回転軸(5)を回転駆動しており、
さらに、隣接して配設してなる分離移送部(3)は、一対の回転軸(5)を互いに平行な姿勢に保持して回転自在に配設してなる平行の分離移送部(3B)と、半回転する毎に容器(1)を捻るように、一対の回転軸(5)の両端部を回転中心軸(m)に対して互いに反対方向に偏心してなる偏心の分離移送部(3A)とからなり、
前記容器(1)が平行の分離移送部(3B)と偏心の分離移送部(3A)の分離隙間(2)で移送されて、前記回転軸(5)に複数カ所が捻るように押圧されて、容器(1)に付着している内容物を容器(1)から分離するようにしてなる分離装置。
【請求項7】
容器(1)の移送方向に、平行の分離移送部(3B)と、容器(1)を反対方向に捻る複数の偏心の分離移送部(3A)を配設しており、平行の分離移送部(3B)と複数の偏心の分離移送部(3A)の分離隙間(2)で容器(1)を捻り、かつ複数の偏心の分離移送部(3A)の分離隙間(2)でもって容器(1)を反対方向に捻って内容物を容器(1)から分離するようにしてなる請求項6に記載される分離装置。
【請求項8】
複数の平行の分離移送部(3B)の間に、複数の偏心の分離移送部(3A)を配置してなる請求項7に記載される分離装置。
【請求項9】
前記回転軸(5)の両端を回転自在に連結してなる対向壁(7)を備え、前記偏心の分離移送部(3A)を構成する一対の回転軸(5)がその両端を偏心して対向壁(7)に回転自在に連結してなるロール状で、ロール状の回転軸(5)が半回転する毎に平行な姿勢となって容器(1)を捻って移送するようにしてなる請求項6ないし8のいずれかに記載される分離装置。
【請求項10】
前記回転軸(5)の両端を回転自在に連結してなる対向壁(7)を備え、前記一対の回転軸(5)がその両端を偏心して対向壁(7)に連結してなるロール状で、ロール状の回転軸(5)は、円柱の外周面に沿う湾曲部(5a)と平面状の平面部(5b)を有し、湾曲部(5a)でもって、半回転する毎に容器(1)を反対方向に捻って内容物を分離するようにしてなる請求項9に記載される分離装置。
【請求項11】
前記分離移送部(3)の下側に配置している回転軸(5)の中央部の上に、前記容器(1)の移送方向に伸びる移送ロッド(14)を配置してなる請求項1ないし10のいずれかに記載される分離装置。
【請求項12】
少なくとも3組の分離移送部(3)が、異なる間隔で配置されてなる請求項1ないし11のいずれかに記載される分離装置。
【請求項13】
前記分離移送部(3)が上下に配設している一対の回転軸(5)の間隔を調整する間隔調整機構(16)を備える請求項1ないし12のいずれかに記載される分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2010−254375(P2010−254375A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285695(P2009−285695)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(593109872)
【Fターム(参考)】