説明

切削インサートおよび切削工具ならびに被削加工物の製造方法

【課題】 優れた切屑排出性を有する切削インサートを提供すること。
【解決手段】 第1側面と上面との交差部に位置する主切刃と、第1側面に隣接する第2側面と上面との交差部に位置する副切刃と、第2側面に隣接する第3側面と上面との交差部に位置するさらい刃52と、上面であって、主切刃および副切刃の内方側に位置するすくい面と、を備え、すくい面は、すくい角αを成す第1すくい面と、第1すくい面と接続し且つすくい角αより小さいすくい角βを成す第2すくい面とを有し、第1すくい面の幅は、さらい刃から離れるに従って広くなる、切削インサート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削インサートおよび切削工具ならびに被削加工物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切削インサートにおいて、切屑排出性の向上の観点から、被削材を切削する主切刃に対して、その内方にブレーカ溝が形成されている。例えば、特許文献1には主切刃に対してすくい面と立ち上がり面とからなるブレーカ溝を有する切削インサートが開示されている。しかし、このような立ち上り面を有する切削インサートは、難削材を切削する場合においては、生成される切屑が立ち上がり面によりカールされ、切屑の先端が切刃と被削材との間に絡まる場合がある。特に、このような現象は、送り量が高い条件下において特に顕著である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−323510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、優れた切屑排出性を有する切削インサートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態における切削インサートは、第1側面と上面との交差部に位置する主切刃と、前記第1側面に隣接する第2側面と前記上面との交差部に位置する副切刃と、前記第2側面に隣接する第3側面と前記上面との交差部に位置するさらい刃と、前記上面であって、前記主切刃および前記副切刃の内方側に位置するすくい面と、を備え、前記すくい面は、すくい角αを成す第1すくい面と、該第1すくい面と接続し且つ前記すくい角αより小さいすくい角βを成す第2すくい面とを有し、前記第1すくい面の幅は、前記副切刃から離れるに従って広くなる。
【0006】
本発明の一実施形態における切削工具は、上記切削インサートと、前記該切削インサートが複数装着されるホルダとを備える。
【0007】
本発明の一実施形態における被削加工物の製造方法は、上記切削工具を回転させて被削材に近づける工程と、被削材の表面に前記切削工具の切刃を接触させて前記被削材を切削する工程と、前記被削材から前記切削工具を離間させる工程と、を包含する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の切削インサートによれば、すくい面が、すくい角αを成す第1すくい面と、すくい角αより角度の小さいすくい角βを成す第2すくい面とを有し、第1すくい面がさらい刃から離れるに従って幅広になっているため、生成される切屑が切刃前方に向かうような急激なカールとなることが抑制され、第1すくい面から第2すくい面、および着座面を通って排出される。したがって、切刃と被削材との間に切屑が絡まることが低減され、切屑排出性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の切削インサートの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の切削インサートの平面図である。
【図3】図1の切削インサートの側面図である。
【図4】(a)および(b)はそれぞれ図2のA−A線拡大断面図およびB−B線拡大断面図である。
【図5】本発明の切削工具の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5の切削工具の要部拡大図である。
【図7】(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明の切削方法の実施形態を工程順に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<切削インサート>
以下、 図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態である切削インサート1(以下、単にインサート1と略す)について説明する。
【0011】
図1において、インサート1は、略多角形板状の本体部を備えている。この本体部の形状は、上面視において、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの当業者が通常インサートに使用する形状であればよく、特に制限されない。本実施形態においては、5つの長辺を有する略五角形の形状が用いられている。
【0012】
インサート1は、すくい面として機能する上面2と、着座面として機能する下面3と、上面2および下面3に連続し、逃げ面として機能する側面4とを備えている。上面2と側面4の交差部には、切刃5が形成されている。さらに上面2から下面3に向かって、取付ねじを通すための貫通孔6が形成している。上面2の貫通孔6の内部の段部は取付ねじの頭部が係合する当接部7である。当接部7はインサート1を反転して固定できるように上下に形成されている。また、インサート1の上面2には、切刃5に沿って幅が狭い平坦面からなるランド部8が形成され、さらに切刃5に対応するすくい面(傾斜面)9が形成されている。
【0013】
図1に示すインサート1は、側面4が上面2および下面3に対して垂直に形成されている(図3参照)。すなわちインサート1は、上面2および下面3の両面をそれぞれすくい面として使用することが可能な、ネガティブ型の切削インサートである。したがってこのインサート1は、片面5個所、上下面で、10個所のコーナを切削に使うことができる。この場合、下面3と側面4との交差稜線部においても切刃5が形成されており、下面側の切刃5を用いる場合、下面3をすくい面とし、上面2を着座面として使用することが可能である。なお、下面側に切刃5を形成しなくてもよい。その場合でも5個所のコーナを切削に使用できる。また、本発明の切削インサートにおいては、側面4に逃げ角が付与された、いわゆるポジティブ型の切削インサートであってもよい。
【0014】
切刃5は、図1に示すように、具体的には、第1側面41と上面2との交差部に形成される主切刃51、第2側面43と上面2との交差部に形成される副切刃53、および第3側面42と上面2との交差部に形成されるさらい刃52とを有している。本実施形態においては、第1側面41、第2側面43、および第3側面42はコーナ面44、45を介して隣接し、主切刃51、副切刃53、およびさらい刃52は、コーナ切刃54、55を介して接続されている。第3側面42の反対側にはコーナ面46を介してつぎの第1側面41が連続している。そのコーナ面46の上端はコーナ切刃56である。
【0015】
主切刃51は、切削作用において、切屑生成に主な役割を果たす刃である。この主切刃51は、他の切刃、すなわちさらい刃52や副切刃53よりも長く形成されている。そして主切刃51は、図3から分かるように、上向きに凸となる緩い湾曲線とされている。この実施形態では、後述する頂点Pが主切刃51のうち副切刃53の側に寄っている。すなわち、この実施形態では、主切刃51の途中に頂点Pを設けるため、主切刃51の副切刃53側の端部近辺では、副切刃53から離れるに従って上面に近づくように傾斜し、頂点Pに至る。そしてその後は、副切刃53から離れるに従って下面に近づくように傾斜している。
【0016】
さらい刃52は、被削材の仕上げ面精度の向上の目的で形成される。さらい刃52は上面視においてほぼ直線状であり(図2参照)、側面視では副切刃53に近づくに従って下面から離れるように傾斜している。この実施形態では、その傾斜は主切刃51の端部近辺の傾斜より急角度である。
【0017】
前述の副切刃53は、主切刃51より外周切刃角の大きい切刃であり、例えば、主切刃51の切削抵抗を低減する、あるいは主切刃の損傷を抑制するなどの主切刃51による切削を補助するといった目的で設けられる。「外周切刃角」とは、インサートをホルダに取り付けた場合に、ホルダの回転中心軸に対する切刃の傾斜角をいう。例えば、図6の切削工具20において、ホルダ10の回転中心(図5の符号S参照)と平行な線Lと主切刃51のなす角θ1が、主切刃51の外周切刃角である。同様に、線Lと副切刃53のなす角θ2が、副切刃53の外周切刃角である。主切刃51の外周切刃角は例えば0〜60度程度で設定され、副切刃53bの外周切刃角はそれより大きい角度、例えば60〜80度程度で設定される。また、切刃の損傷・欠損を考慮すると、副切刃53の外周切刃角が、主切刃51の外周切刃角より大きくなるように設定される。具体的には、、副切刃53の外周切刃角が、主切刃51の外周切刃角に対して1.2倍、好ましくは1.5倍以上の大きさに設定することが好ましい。副切刃53は、主切刃51とさらい刃52との間にあればよく、両者の間に複数の副切刃を設けてもよい。
【0018】
図3に示すように、副切刃53は、さらい刃52と主切刃51をつなぐように設けられ、この実施形態では主切刃51に向かうにしたがって下面3から離れるように傾斜している。
【0019】
さらい刃52、副切刃53および主切刃51を含む上側の切刃5の全体は、図3に示すように上に凸となる緩やかな湾曲線である。切刃5の全体を見れば、第3のコーナ切刃56とさらい刃52との境界近辺(点V参照)で最も低く、そこから円周方向(図2の反時計方向)にさらい刃52、第2のコーナ切刃55、副切刃53、第1のコーナ切刃54、主切刃51と進むに従って次第に上昇していく。そして前述の頂点Pで最も高くなり、その頂点Pからさらに円周方向に進むと、しだいに下降していき、つぎの第3のコーナ切刃56とつぎのさらい刃52との境界近辺で再び最も低くなる。
【0020】
下側の切刃5は、切削インサート1を上下反転させた状態で使用できるように、上側の切刃5を反転させた形状となっている。すなわち、図3の紙面に直角の線を中心とする回転対称となっている。この場合、図3の右側に示すように、第1側面41の下端に主切刃51が形成されるが、第3側面42の下端にはさらい刃ではなく、副切刃53が形成される。同様に第2側面43の下端には副切刃ではなく、さらい刃52が形成される。それぞれの切刃51、52、53の間には、各コーナ切刃56、55、54が形成される。そのため、第3側面42の長さと第2側面43の長さは実質的に同一の長さにするのが好ましい。同様に、第1側面41の左側に連続するコーナ面44と反対側に連続するコーナ面46の長さも実質的に同一にするのが好ましい。
【0021】
主切刃51、さらい刃52、副切刃53の長さは、上記の点を除けばとくに制限されない。たとえば、主切刃51と副切刃53の長さの割合は、2:1〜10:1、好ましくは2:1〜6:1程度に設定される。また、さらい刃52と副切刃53の長さについてもとくに制限がないが、上下反転して使用する場合は、長さの比はほぼ1:1となる。ネガティブ型のインサートを設計する場合、あるいはポジティブ型でも反転使用を前提としない場合は長さの比を1:1〜1:6にするなど、比較的自由に設定することができる。
【0022】
コーナ切刃54、55、56は図2に示すように、上面視で曲線状である。これらのコーナ切刃の曲率半径は特に制限されない。例えば、第1のコーナ切刃54と第3のコーナ切刃56の長さおよび曲率半径はほぼ同一であり、第2のコーナ切刃55はさらい刃52と副切刃53の間に挟まれているのでなだらかである。このような構成によって、主切刃51および副切刃53によって生成される切屑間の厚みの大幅な変動が抑制され、切屑の形状のコントロールが可能である。
【0023】
例えば、コーナー切刃54により、副切刃53と主切刃51とが連続する場合、切削時に副切刃と主切刃との境界にかかる負荷が分散されるので、該境界における欠損を抑制することができる。また、切屑をスムーズに逃がすことができる。
【0024】
ランド部8は、上述のように、それぞれの切刃51、52、53とそれらに対応するすくい面9との間の狭い領域をいう。ランド部8の幅は、主に対応する切刃51〜56の強度の点から適宜設定される。通常はランド部8の幅はほぼ一定に設定される。
【0025】
すくい面9は、主切刃51および副切刃53の内方側に位置している。このすくい面9は、本実施形態のように切刃5全体に沿って形成されていてもよい。すくい面9は、さらに主切刃51および副切刃53に対応する第1すくい面91と、この第1すくい面91と接続する第2すくい面92とを有している。そして、第1すくい面91のすくい角は、第2すくい面92のすくい角に比べて大きくなるように設定される。ここで、すくい角とは、下面3(着座面)に平行な面とすくい面とのなす角を意味する。具体的には、図4(a)に示すように、第1すくい面のすくい角をすくい角α、第2すくい面をすくい角βとして表される。すくい角αおよびすくい角βの範囲は、特に制限されないが、切屑排出性が良好な観点から、5°<α、β<30°であることが好ましく、10°<α、β<25°であることがより好ましい。
【0026】
すくい角αおよびすくい角βはそれぞれ一定であってもよいし、あるいは変化(徐変)していてもよい。すくい角αがさらい刃から離れるにつれて大きくなるように設定した場合、切削抵抗が低減され得る。またすくい角βについてもさらい刃から離れるにつれて大きくする場合は、切屑がらせん状となり、切屑排出性が向上し得る。
【0027】
本実施形態においては、図4(a)および(b)に示すように、切刃に対して垂直な断面において、すくい角αがすくい角βより大きくなるように設定される。具体的には、すくい角αとすくい角βとの差が3°を超えるように設定されている。このような構成によって、生成される切屑が円滑に第1のすくい面および第2のすくい面を通過するとともに、緩やかにカールし、切屑排出性が向上する。
【0028】
さらに、本実施形態において、第1すくい面91のすくい角αの最大値αMaxと、第2すくい面92のすくい角βの最小値βMinとが10°より大きくなるように設定されている。このような構成により、切削抵抗の低減を実現できる。
【0029】
第1すくい面91の幅(主切刃51または副切刃53と垂直な方向の長さ)は、さらい刃52から離れるに従って広くなるように形成されている。このように、第1すくい面が副切刃52から離れるに従って幅広となることにより、生成される切屑が第1すくい面から第2すくい面に円滑に排出される。本実施形態においては、第1すくい面91の幅が、副切刃52から離れるに従って一定の割合で増加するように形成されている。さらに、本実施形態においてはすくい面9の幅(主切刃51と垂直な方向の長さ)が略一定となるように形成されている。すなわち、第2すくい面92において、主切刃51と垂直な方向の長さは、副切刃から離れるに従って短くなるように形成されている。このような構成によって、平坦面2(着座面として機能する面)の面積を大きく確保することが可能となる。
【0030】
第1すくい面および第2のすくい面は平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。また平面状の第1すくい面と平面状の第2のすくい面とを曲面状の中間すくい面を介して接続されていてもよい。
【0031】
なお、本実施形態においては、断面視で、内方の平坦面2(着座面として機能)が、すくい面9より低い部位に位置されている。また平坦面2は、第1側面に略平行の壁面を介して、すくい面9と接続されている。このような構成によって、座面の面積が確保され、切削時、チップの安定性が向上される。
【0032】
<切削工具>
図5、図6に示す切削工具20は、先述のインサート1を公知のホルダ10に取り付けたものである。ホルダ10の外周先端部には、周方向に互いに間隔をあけて複数個の切屑ポケット13が形成されている。切屑ポケット13は平面視で略V字状に切り欠いた部分であり、それによって形成される複数の取り付け面14にそれぞれインサート1を取り付ける。インサート1は、矢印Aで示す回転方向の前側に上面2を向けて、ホルダ10の外周から主切刃51を突出させて装着する。切削工具20は回転中心Sまわりに矢印A方向に回転させることにより、主切刃51、副切刃53およびさらい刃52による切削が行われる。
【0033】
<切削方法>
つぎに図7a〜cを参照して、切削工具(転削工具)20を用いて被削材を切削する手順を説明する。切削を開始するに先立って、図5に示すように、ホルダ10にインサート1を装着しておく。このとき、ホルダ10の同一円周上に沿ってインサート1を取り付ける。取り付け方法は、例えば、インサート1の貫通孔6にボルトを挿入し、そのボルトをホルダ10の取り付け面14に形成した雌ねじに螺合する。あるいはホルダ10に形成した貫通孔にボルトを通し、反対側からナットで締め付ける。この実施形態では、切削工具11の回転中心Sは図6に示す被削材100の表面に対して略直角に配置する。そのとき、主切刃51は、被削材100に対して約45度程度の角度で傾斜している。
【0034】
ついで図7aに示すように、被削材100をフライス盤のベッドなどに固定し、ホルダ10を矢印B方向に移動させて適切な切り込み量を設定する。ついで図7bに示すように、ホルダ10を回転中心Sまわりに矢印A方向に回転させながら、矢印C方向に移動させる。それにより、主切刃51と副切刃53が、送り方向前方の円弧状の部分と当接し、切り込み量に応じた分を切削する。そのとき、複数個のインサート1が順に切削領域に入ってきて切削していくので、表面16に円弧状の筋(切削痕)が残る。しかしさらい刃52が被削材100の表面16に残る円弧状の筋を切削していくので、表面16は平滑になる。なお、図6で分かるように、主切刃51のうち、実際には副切刃53に近い部分(下側の部分)だけが所定の切り込み量Kで被削材100に切り込まれる。
【0035】
そして図7cに示すように切削工具20が被削材100を通過した後、切削工具20を矢印D方向に引き上げ、被削材100から切削工具20を離間する。切削加工を継続する場合は、切削工具20を回転させた状態を保持して、被削材100の同一個所あるいは異なる個所に接触させ、前述の切削工程を繰り返せばよい。使用している切刃が摩耗したときは、インサート1を孔(図1の符号6)の中心軸まわりに回転させ、あるいは上下面を裏返しにして、未使用の切刃を用いる。
【0036】
上記の切削方法では、それぞれのインサート1が被削材100に当たり、切削し、次いで被削材100から離れるという作用が順に繰り返される。
【0037】
前記実施形態では、切削工具を回転させながら送っているが、切削工具を回転させて被削材を送り走行させることもできる。さらに旋盤のように、回転させない切削工具を回転させている被削材に当接させて切削することもできる。加工機械としては、正面フライス、エンドミル、ミーリング、ドリルなど、種々の加工機械のホルダやチャックに取り付けて使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 切削インサート
2 上面
3 下面
4 側面
41 第1側面
42 第3側面
43 第2側面
44、45、46 コーナ面
5 切刃
51 主切刃
52 さらい刃
53 副切刃
54、55、56 コーナ切刃
P 頂点
θ1 主切刃の外周切刃角
θ2 副切刃の外周切刃角
6 貫通孔
7 当接部
8 ランド部
9 すくい面
91 第1すくい面
92 第2すくい面
10 ホルダ
20 切削工具
30 切削工具
31 ホルダ
100 被削材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側面と上面との交差部に位置する主切刃と、
前記第1側面に隣接する第2側面と前記上面との交差部に位置する副切刃と、
前記第2側面に隣接する第3側面と前記上面との交差部に位置するさらい刃と、
前記上面であって、前記主切刃および前記副切刃の内方側に位置するすくい面と、を備え、
前記すくい面は、すくい角αを成す第1すくい面と、該第1すくい面と接続し且つ前記すくい角αより小さいすくい角βを成す第2すくい面とを有し、
前記第1すくい面の幅は、前記さらい刃から離れるに従って広くなる、切削インサート。
【請求項2】
前記第2すくい面の幅は、前記さらい刃から離れるに従って短くなる、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記第1すくい面及び前記第2すくい面はそれぞれ平面状である、請求項1または2に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記第1すくい面は、曲面状の中間すくい面を介して、前記第2すくい面と接続する、請求項3に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記第1すくい面及び前記第2すくい面はそれぞれ曲面状である、請求項1または2に記載の切削インサート。
【請求項6】
前記主切刃または前記副切刃に対して垂直な断面視において、前記すくい角αと前記すくい角βとの差は3°より大きい、請求項1から5のいずれかの項に記載の切削インサート。
【請求項7】
前記すくい角αは、前記さらい刃から離れるに従って大きくなる、請求項1から6のいずれかの項に記載の切削インサート。
【請求項8】
前記すくい角βは、前記さらい刃から離れるに従って大きくなる、請求項1から7のいずれかの項に記載の切削インサート。
【請求項9】
前記すくい面の幅は、前記副切刃から前記主切刃まで略一定である、請求項1から8のいずれかの項に記載の切削インサート。
【請求項10】
前記すくい面の内方側に、平坦面を備え、前記平坦面は、断面視で、前記すくい面より低い部位に位置する、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項11】
前記平坦面は、前記第1側面に略平行の壁面を介して、前記すくい面と接続する、請求項10に記載の切削インサート。
【請求項12】
前記主切刃と前記すくい面との間に位置するランドをさらに有する、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の切削インサートと、前記該切削インサートが複数装着されるホルダとを備える、切削工具。
【請求項14】
前記ホルダの回転中心軸に対して、前記主切刃および前記副切刃が正のアキシャルレーキを有するように、前記切削インサートが前記ホルダに装着される、請求項13に記載の切削工具。
【請求項15】
請求項13または14に記載の切削工具を回転させて被削材に近づける工程と、
被削材の表面に前記切削工具の切刃を接触させて前記被削材を切削する工程と、
前記被削材から前記切削工具を離間させる工程と、
を包含する、被削加工物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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