切削工具締め付け機構、およびそれを組み立てる方法
工具締め付け機構(10)は、第1部材(12)を第2部材(14)に連結する。第1部材(12)は、円筒形のステム(20)を有し、ステム(20)から連結用歯(28)が突出している。第2部材(14)は締め付け空洞(50)を有し、その締め付け空洞(50)は、把持内腔(54)とアクセス穴(52)とを合体させることで形成される。アクセス穴(52)は、ステム(20)および連結用歯(28)をそれぞれ収容するように形成されたアクセス内腔(62)および歯用アクセス穴(64)を有する。ステム(20)のステム直径(D3)は、把持内腔(54)の把持内腔直径(D2)よりも大きい。締め付け空洞(50)はさらに、連結用歯(28)を収容するための連結用凹所(66)を有する。連結用凹所(66)は、被動表面(38)に係合するための駆動表面(68)を有し、その被動表面(38)は、ステム(20)をアクセス内腔(62)から把持内腔(54)内に押し込み、2つの部材(12、14)の分離の防止を助ける力を生み出すように連結用歯(28)上に位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具に関し、詳細には、ある部材を別の部材に締め付けるための切削工具締め付け機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に工具締め付け装置が開示されている。その工具締め付け装置は、挿入内腔を有する締め付け部材を含み、その挿入内腔は、アクセス内腔部分と把持内腔部分とを合体させることで形成される。挿入部材は、アクセス内腔部分の直径よりも直径が小さい円筒形のシャンク部分を有し、アクセス内腔中に挿入可能である。シャンク部分の直径は、把持内腔部分の直径よりもわずかに大きい。締め付け機構を締め付け位置に移動させると、軸受けスリーブまたは締め付けネジによってシャンク部分に加えられる外力により、挿入部材は把持内腔部分に強制的に嵌め込められる。そうした外力によって、シャンク部分と把持内腔部分との間の強固な締め付けが維持される。切削工具の動作中には、シャンク部分は外力によって把持内腔部分に確実に押し付けられる。外力を加えていないと、特許文献1の締め付け機構はそのように働くことができない。というのは、把持されたシャンク部分に、シャンク部分の長手方向を横切る方向に何らかの外力が加えられると、その外力によってシャンク部分が把持内腔部分から引き出されることがあるからである。
【0003】
シャンク部分を把持内腔部分に押し込むのに締め付けネジを使用する締め付け方法では、ネジを適切に働かせるためには、締め付けネジがそれにねじ込まれる壁は厚さが最小でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,394,465号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外力を加えるネジなどの別個の部材を必要とせずにシャンク部分と把持内腔部分との間の強固な締め付けが維持される、新規の改良型の切削工具締め付け機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1部材と第2部材との間の切削工具締め付け機構が提供される。第1部材は、該第1部材の前方端部にある前方部分と、該前方部分から後方に延在する雄型部分とを備える。雄型部分は、ステム直径D3を有する円筒形ステムを備え、該ステムは、ステム周囲表面を備える。第2部材は、該第2部材の前方端部にある雌型部分を備え、該雌型部分は、前面および締め付け空洞を備える。該締め付け空洞は、前面に開き、アクセス穴と把持内腔とを合体させることで形成される。締め付け空洞は、駆動表面を備える内部連結用凹所を含んでいる。
【0007】
第2部材は、雌型部分から後方に延在する後方部分を備える。
【0008】
把持内腔は、雌型部分の端面から見たときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有し、180度よりも大きい中心角を有する把持表面を備える。アクセス穴は、歯用アクセス穴およびアクセス内腔を備え、該アクセス内腔は、第2部材の端面から見たときにアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有し、D1>D3>D2である。歯用アクセス穴は、前面に形成され、後方に延在する。アクセス内腔および把持内腔はそれぞれ長手方向軸を有し、それらの長手方向軸は、少なくともその長手方向軸の一部分に沿って互いに離間している。
【0009】
雄型部分は、歯用アクセス穴および連結用凹所に受け入れられる、ステム周囲表面から突出する連結用歯をさらに備え、該連結用歯は、駆動表面と係合する被動表面を備える。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用歯の被動表面は、ステム後方表面に向かう方向においてステム周囲表面から隆起している。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用歯の被動表面は、ステムの端面から見て時計回り方向に隆起している。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔は、2つの交差ラインにおいて把持内腔と交差する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持表面は、把持内腔と同じ長さだけ長手方向に延在する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、αは、181度に等しい。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け解除位置において、連結用歯は、歯用アクセス穴内に配置される。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、連結用歯の被動表面は、連結用凹所の駆動表面と係合している。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、把持内腔の把持表面は、少なくとも180度の中心角を有する領域に沿ってステム周囲表面と係合している。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、前方部分の後面は、雌型部分の前面と係合している。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔の長手方向軸と把持内腔の長手方向軸は、互いに平行である。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔の長手方向軸と把持内腔の長手方向軸は、互いに距離Lだけ離間している。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持内腔は、前面に向かって先細りしている。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用凹所の駆動表面は、円錐台形の形状を有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持内腔は、円筒形の形状を有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔は、円筒形の形状を有する。
【0025】
本発明によれば、切削工具締め付け機構を組み立てる方法であって、
a)連結用歯が連結用凹所と軸方向に位置合わせされるまでアクセス穴内へステムを挿入するステップと、
b)ステムがアクセス穴から把持内腔に完全に移され、ステム周囲表面が把持表面と完全に当接するとともに、連結用歯の被動表面が連結用凹所の駆動表面と完全に係合するまで、前方部分の端面から見て、第2部材に対して時計回りに第1部材を回すステップと
を含む方法が提供される。
【0026】
第1部材は、切削ヘッドであってもよい。第2部材は、工具シャンクであってもよい。切削ヘッドと工具シャンクが相まって切削工具を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による第1部材および第2部材を有する切削工具締め付け機構の組立分解等角図である。
【図2】第1部材の等角図である。
【図3】第1部材の端面図である。
【図4】第2部材の概略等角図である。
【図5】第2部材の端面図である。
【図6】締め付け解除位置にある、組み立てられた切削工具締め付け機構の側面図である。
【図7】図6の線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】締め付け位置にある、組み立てられた切削工具締め付け機構の側面図である。
【図9】図8の線IX−IXに沿った断面図である。
【図10】第2部材の一実施形態の側面図である。
【図11】第2部材の一実施形態の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明をより良く理解し本発明を実際に実行できる手法を示すために、添付の図面を参照する。
【0029】
図示を簡単かつ明確にするために、図に示す要素が必ずしも原寸に比例して示されていないことが理解されよう。例えば、明確にするために、それらの要素のうちの一部の寸法を他の要素と比べて誇張されることも、複数の物質的構成要素が機能上の1つのブロックまたは要素内に含まれることもある。さらに、適切であると考えられる場合は、対応する要素または類似の要素を示すために、複数の図の間で参照番号を繰り返し用いることがある。
【0030】
以下の説明では、本発明の様々な態様を説明する。説明のために、本発明を完全に理解するために特定の構成および細部を記載する。しかし、本明細書に提示した特定の細部なしに本発明を具体化できることも当業者には明らかになるであろう。さらに、本発明を不明瞭にしないために、よく知られた特徴を省略または単純化することもある。
【0031】
図1から図5を参照する。それらの図には、本発明の実施形態による第1部材12と第2部材14との間の、切削工具締め付け機構10が示されている。第1部材12は、例えば、切削ヘッド12とすることができ、該切削ヘッド12は、ある回転方向を有し、その前方端部27に1つまたは複数の切削インサート、ブレードなど(不図示)を備える。一方、第2部材16は、例えば、工具シャンク16とすることができ、該工具シャンク16は、ある回転方向を有し、切削ヘッド12を前記回転方向に回転駆動させるように構成されている。切削ヘッド12とシャンク14が相まって切削工具が構成される。
【0032】
第1部材12は、前方端部に位置する前方部分16と、前方部分16から後方に延在する雄型部分18とを有する。雄型部分18は、円筒形のステム20を含み、該ステム20は、ステム直径D3および長手方向ステム軸A3を有する。ステム20は、ステム周囲表面22を有し、該ステム周囲表面22は、前方部分16の後面24とステム後方表面26との間を延在する。いくつかの実施形態によれば、後面24およびステム後方表面26は、後方を向いている。いくつかの実施形態によれば、後面24およびステム後方表面26は、ステム軸A3に対して垂直に配向されている。
【0033】
雄型部分18は、ステム周囲表面22から突出する連結用歯28をさらに含む。該連結用歯28は、互いに対向する歯前方表面30と歯後方表面32、互いに対向する歯側方表面34、歯周囲表面36、および被動表面38を含む。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、歯前方表面30、歯周囲表面36、および歯側方表面34の間を延在する。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、ステム後方表面26に向かう方向にステム周囲表面22から隆起している(図2参照)。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、ステム20の端面から見て時計回り方向に隆起して(図1参照)、歯の低い部分40および歯の高い部分42が画定される。したがって、いくつかの実施形態では、被動表面38は、ステム軸A3に沿って軸方向後方において径方向外側に傾斜し、第1部材12の回転円周方向において径方向外側に傾斜する。
【0034】
図4および図5に注目する。それらの図には第2部材14が示されている。第2部材14は、前方端部にある雌型部分44および雌型部分44から後方に延在する後方部分46を含む。雌型部分44は、前方端部に前方に向いた前面48および後方に延在し前面48で開いている長手方向締め付け空洞50を含む。締め付け空洞50は、アクセス穴52と把持内腔54とを合体させることで形成され、締め付け空洞後方表面56を含む。把持内腔54は、長手方向の把持内腔軸A2を有し、把持内腔軸A2に垂直に取ったときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有する。アクセス穴52は、2つの交差ライン58において把持内腔54と交わり、それらの交差ライン58は、その長さ全体にわたって、180度よりも大きい中心角αを有する把持表面60を画定する。角度αは、好ましくは、181度になるように選択される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、把持表面60は半円筒である。いくつかの実施形態によれば、把持表面60は、把持内腔54と同じ長さだけ長手方向に延在する。アクセス穴52は、アクセス内腔軸A1を有するアクセス内腔62を含み、そのアクセス内腔62は、アクセス内腔軸A1に垂直に取ったときにアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有する。軸A1、軸A2、および軸A3のうちのどの軸に垂直に取った断面においても、アクセス内腔62のアクセス内腔直径D1は、ステム20のステム直径D3よりも大きく、ステム20のステム直径D3は、把持内腔54の把持内腔直径D2よりも大きい(D1>D3>D2)。
【0036】
アクセス穴52は、さらに歯用アクセス穴64を含み、その歯用アクセス穴64は、第1部材12の連結用歯28を受け入れるために前面48に形成される。いくつかの実施形態によれば、歯用アクセス穴64は、前面48と締め付け空洞の後方表面56との間を延在する。アクセス内腔軸A1と把持内腔軸A2は、互いに平行であり、距離Lだけ離間している(図7参照)。
【0037】
締め付け空洞50は、円周方向に延在する内部連結用凹所66をさらに含み、該内部連結用凹所66は、軸方向に、締め付け空洞の後方表面56と前面48との間に位置する。連結用凹所66は、雌型部分44の端面から見て円形の断面を有する。連結用凹所66は、把持内腔軸A2と同軸であり、連結用歯28の被動表面38に係合するように形成された駆動表面68を含む。いくつかの実施形態によれば、駆動表面68は、直円錐台形状を有し、該直円錐台形状は、連結用歯28の被動表面38の形状を受け入れ、該被動表面38に当接するように設計されている。駆動表面68の寸法は、切削工具締め付け機構10が組み立てられるときに、被動表面38の歯の低い部分40へのアクセスを可能にし、該被動表面38の歯の高い部分42へのアクセスを防止するように設計されている。
【0038】
図6および図7を参照する。それらの図には、締め付け解除位置にある切削工具締め付け機構10および第1部材12が示されている。この位置において、雄型部分18は、締め付け空洞50内に位置し、ステム20は、アクセス内腔62内に位置し、連結用歯28は、歯用アクセス穴64内に位置している。ステム20の長手方向軸A3は、通常、アクセス内腔62の長手方向軸A1と互いに位置合わせされ、第1部材12は、第2部材14に対して軸方向にアクセス穴52内で摺動自在であり、把持内腔54の把持表面60は、ステム周囲表面22に当接していない。第1部材12の雄型部分18は、連結用歯28が軸方向に連結用凹所66と位置合わせされるまで、締め付け空洞50内に挿入される。
【0039】
図8および図9を参照する。それらの図には、締め付け位置にある切削工具締め付け機構10および第1部材12が示されている。ステム20は、把持内腔54内に位置しており、把持内腔54の把持表面60は、ステム周囲表面22に当接している。ステム20の長手方向軸A3は、把持内腔軸A2と一致する(図9参照)。この位置において、連結用歯28は、連結用凹所66内に位置しており、連結用凹所66の駆動表面68は、駆動表面68が被動表面38と駆動係合するように、連結用歯28の被動表面38に当接する。さらに、いくつかの実施形態によれば、前方部分の後面24は前面48に当接し得る。
【0040】
切削工具締め付け機構10または第1部材12の締め付け解除位置から締め付け位置への移動は、第1部材12の前方部分16の端面から見て、第1部材12を第2部材14に対して時計回りに回転させることによって行われる。本明細書で既に言及したように、被動表面38の歯の高い部分42が連結用凹所66を通り抜けることができないので、時計回りの方向にしか回転させることができない。回転させていくと、連結用歯28は、ある点で被動表面38が駆動表面68に当接し始めるまで、歯用アクセス穴64から連結用凹所66に移動する。ステム20のステム直径D3は、把持内腔54の把持内腔直径D2よりも大きい(D3>D2)ので、ステム20は、把持内腔54中に強制的に押し込まれなければならない。本明細書で既に言及したように、被動表面38は、ステム20の端面から見て、時計回り方向に隆起している。したがって、被動表面38が連結用凹所66に当接し始めると、把持表面60に向かう通常の方向に垂直の力Nが生じる(図9参照)。第1部材12がさらに回転するにつれ増大する力Nにより、ステム20が2つの交差ライン58を通って把持内腔54内に押しやられ、把持内腔54は、わずかに拡張する。いくつかの実施形態によれば、把持内腔54は、把持内腔54のこのような拡張が可能になるような公差を有するように設計されていると説明されているはずである。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、締め付け空洞50は、アクセス穴52と把持内腔254とを合体させることで形成されており、締め付け空洞の後方表面56の近傍での把持内腔254の拡張が容易になるように(図10参照)前面48に向かって先細りしている。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、雌型部分の端面から見た断面では、把持表面60は、連続しており(図1、図5〜図9参照)、いくつかの実施形態によれば、把持表面160は、不連続であり、長手方向のくぼみ161を含む(図11参照)。
【0043】
さらに、駆動表面68が直円錐台形を有する実施形態では、力Nは、さらに、前面48から離れる方向に、後方に向かう成分を有する。これにより、前面48と後面24との間の強固な当接が可能になり、第1部材12と第2部材14との間の軸方向のロックが確保される。いくつかの実施形態によれば、把持内腔54の内外への通過は、ステム20がアクセス内腔と把持内腔(62、54)との間の交差ライン58を通過するときにクリック音が聴こえることで証明される。
【0044】
1つまたは複数の特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、その説明は、全体として例示的なものであり、それらの提示した実施形態に本発明を限定すると解釈すべきではない。本明細書には明示しないが、本発明の範囲内に包含される様々な改変形態を当業者は思い付くことができると理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削工具に関し、詳細には、ある部材を別の部材に締め付けるための切削工具締め付け機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に工具締め付け装置が開示されている。その工具締め付け装置は、挿入内腔を有する締め付け部材を含み、その挿入内腔は、アクセス内腔部分と把持内腔部分とを合体させることで形成される。挿入部材は、アクセス内腔部分の直径よりも直径が小さい円筒形のシャンク部分を有し、アクセス内腔中に挿入可能である。シャンク部分の直径は、把持内腔部分の直径よりもわずかに大きい。締め付け機構を締め付け位置に移動させると、軸受けスリーブまたは締め付けネジによってシャンク部分に加えられる外力により、挿入部材は把持内腔部分に強制的に嵌め込められる。そうした外力によって、シャンク部分と把持内腔部分との間の強固な締め付けが維持される。切削工具の動作中には、シャンク部分は外力によって把持内腔部分に確実に押し付けられる。外力を加えていないと、特許文献1の締め付け機構はそのように働くことができない。というのは、把持されたシャンク部分に、シャンク部分の長手方向を横切る方向に何らかの外力が加えられると、その外力によってシャンク部分が把持内腔部分から引き出されることがあるからである。
【0003】
シャンク部分を把持内腔部分に押し込むのに締め付けネジを使用する締め付け方法では、ネジを適切に働かせるためには、締め付けネジがそれにねじ込まれる壁は厚さが最小でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,394,465号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外力を加えるネジなどの別個の部材を必要とせずにシャンク部分と把持内腔部分との間の強固な締め付けが維持される、新規の改良型の切削工具締め付け機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1部材と第2部材との間の切削工具締め付け機構が提供される。第1部材は、該第1部材の前方端部にある前方部分と、該前方部分から後方に延在する雄型部分とを備える。雄型部分は、ステム直径D3を有する円筒形ステムを備え、該ステムは、ステム周囲表面を備える。第2部材は、該第2部材の前方端部にある雌型部分を備え、該雌型部分は、前面および締め付け空洞を備える。該締め付け空洞は、前面に開き、アクセス穴と把持内腔とを合体させることで形成される。締め付け空洞は、駆動表面を備える内部連結用凹所を含んでいる。
【0007】
第2部材は、雌型部分から後方に延在する後方部分を備える。
【0008】
把持内腔は、雌型部分の端面から見たときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有し、180度よりも大きい中心角を有する把持表面を備える。アクセス穴は、歯用アクセス穴およびアクセス内腔を備え、該アクセス内腔は、第2部材の端面から見たときにアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有し、D1>D3>D2である。歯用アクセス穴は、前面に形成され、後方に延在する。アクセス内腔および把持内腔はそれぞれ長手方向軸を有し、それらの長手方向軸は、少なくともその長手方向軸の一部分に沿って互いに離間している。
【0009】
雄型部分は、歯用アクセス穴および連結用凹所に受け入れられる、ステム周囲表面から突出する連結用歯をさらに備え、該連結用歯は、駆動表面と係合する被動表面を備える。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用歯の被動表面は、ステム後方表面に向かう方向においてステム周囲表面から隆起している。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用歯の被動表面は、ステムの端面から見て時計回り方向に隆起している。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔は、2つの交差ラインにおいて把持内腔と交差する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持表面は、把持内腔と同じ長さだけ長手方向に延在する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、αは、181度に等しい。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け解除位置において、連結用歯は、歯用アクセス穴内に配置される。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、連結用歯の被動表面は、連結用凹所の駆動表面と係合している。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、把持内腔の把持表面は、少なくとも180度の中心角を有する領域に沿ってステム周囲表面と係合している。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、締め付け位置において、前方部分の後面は、雌型部分の前面と係合している。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔の長手方向軸と把持内腔の長手方向軸は、互いに平行である。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔の長手方向軸と把持内腔の長手方向軸は、互いに距離Lだけ離間している。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持内腔は、前面に向かって先細りしている。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、連結用凹所の駆動表面は、円錐台形の形状を有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、把持内腔は、円筒形の形状を有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、アクセス内腔は、円筒形の形状を有する。
【0025】
本発明によれば、切削工具締め付け機構を組み立てる方法であって、
a)連結用歯が連結用凹所と軸方向に位置合わせされるまでアクセス穴内へステムを挿入するステップと、
b)ステムがアクセス穴から把持内腔に完全に移され、ステム周囲表面が把持表面と完全に当接するとともに、連結用歯の被動表面が連結用凹所の駆動表面と完全に係合するまで、前方部分の端面から見て、第2部材に対して時計回りに第1部材を回すステップと
を含む方法が提供される。
【0026】
第1部材は、切削ヘッドであってもよい。第2部材は、工具シャンクであってもよい。切削ヘッドと工具シャンクが相まって切削工具を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による第1部材および第2部材を有する切削工具締め付け機構の組立分解等角図である。
【図2】第1部材の等角図である。
【図3】第1部材の端面図である。
【図4】第2部材の概略等角図である。
【図5】第2部材の端面図である。
【図6】締め付け解除位置にある、組み立てられた切削工具締め付け機構の側面図である。
【図7】図6の線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】締め付け位置にある、組み立てられた切削工具締め付け機構の側面図である。
【図9】図8の線IX−IXに沿った断面図である。
【図10】第2部材の一実施形態の側面図である。
【図11】第2部材の一実施形態の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明をより良く理解し本発明を実際に実行できる手法を示すために、添付の図面を参照する。
【0029】
図示を簡単かつ明確にするために、図に示す要素が必ずしも原寸に比例して示されていないことが理解されよう。例えば、明確にするために、それらの要素のうちの一部の寸法を他の要素と比べて誇張されることも、複数の物質的構成要素が機能上の1つのブロックまたは要素内に含まれることもある。さらに、適切であると考えられる場合は、対応する要素または類似の要素を示すために、複数の図の間で参照番号を繰り返し用いることがある。
【0030】
以下の説明では、本発明の様々な態様を説明する。説明のために、本発明を完全に理解するために特定の構成および細部を記載する。しかし、本明細書に提示した特定の細部なしに本発明を具体化できることも当業者には明らかになるであろう。さらに、本発明を不明瞭にしないために、よく知られた特徴を省略または単純化することもある。
【0031】
図1から図5を参照する。それらの図には、本発明の実施形態による第1部材12と第2部材14との間の、切削工具締め付け機構10が示されている。第1部材12は、例えば、切削ヘッド12とすることができ、該切削ヘッド12は、ある回転方向を有し、その前方端部27に1つまたは複数の切削インサート、ブレードなど(不図示)を備える。一方、第2部材16は、例えば、工具シャンク16とすることができ、該工具シャンク16は、ある回転方向を有し、切削ヘッド12を前記回転方向に回転駆動させるように構成されている。切削ヘッド12とシャンク14が相まって切削工具が構成される。
【0032】
第1部材12は、前方端部に位置する前方部分16と、前方部分16から後方に延在する雄型部分18とを有する。雄型部分18は、円筒形のステム20を含み、該ステム20は、ステム直径D3および長手方向ステム軸A3を有する。ステム20は、ステム周囲表面22を有し、該ステム周囲表面22は、前方部分16の後面24とステム後方表面26との間を延在する。いくつかの実施形態によれば、後面24およびステム後方表面26は、後方を向いている。いくつかの実施形態によれば、後面24およびステム後方表面26は、ステム軸A3に対して垂直に配向されている。
【0033】
雄型部分18は、ステム周囲表面22から突出する連結用歯28をさらに含む。該連結用歯28は、互いに対向する歯前方表面30と歯後方表面32、互いに対向する歯側方表面34、歯周囲表面36、および被動表面38を含む。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、歯前方表面30、歯周囲表面36、および歯側方表面34の間を延在する。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、ステム後方表面26に向かう方向にステム周囲表面22から隆起している(図2参照)。いくつかの実施形態によれば、被動表面38は、ステム20の端面から見て時計回り方向に隆起して(図1参照)、歯の低い部分40および歯の高い部分42が画定される。したがって、いくつかの実施形態では、被動表面38は、ステム軸A3に沿って軸方向後方において径方向外側に傾斜し、第1部材12の回転円周方向において径方向外側に傾斜する。
【0034】
図4および図5に注目する。それらの図には第2部材14が示されている。第2部材14は、前方端部にある雌型部分44および雌型部分44から後方に延在する後方部分46を含む。雌型部分44は、前方端部に前方に向いた前面48および後方に延在し前面48で開いている長手方向締め付け空洞50を含む。締め付け空洞50は、アクセス穴52と把持内腔54とを合体させることで形成され、締め付け空洞後方表面56を含む。把持内腔54は、長手方向の把持内腔軸A2を有し、把持内腔軸A2に垂直に取ったときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有する。アクセス穴52は、2つの交差ライン58において把持内腔54と交わり、それらの交差ライン58は、その長さ全体にわたって、180度よりも大きい中心角αを有する把持表面60を画定する。角度αは、好ましくは、181度になるように選択される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、把持表面60は半円筒である。いくつかの実施形態によれば、把持表面60は、把持内腔54と同じ長さだけ長手方向に延在する。アクセス穴52は、アクセス内腔軸A1を有するアクセス内腔62を含み、そのアクセス内腔62は、アクセス内腔軸A1に垂直に取ったときにアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有する。軸A1、軸A2、および軸A3のうちのどの軸に垂直に取った断面においても、アクセス内腔62のアクセス内腔直径D1は、ステム20のステム直径D3よりも大きく、ステム20のステム直径D3は、把持内腔54の把持内腔直径D2よりも大きい(D1>D3>D2)。
【0036】
アクセス穴52は、さらに歯用アクセス穴64を含み、その歯用アクセス穴64は、第1部材12の連結用歯28を受け入れるために前面48に形成される。いくつかの実施形態によれば、歯用アクセス穴64は、前面48と締め付け空洞の後方表面56との間を延在する。アクセス内腔軸A1と把持内腔軸A2は、互いに平行であり、距離Lだけ離間している(図7参照)。
【0037】
締め付け空洞50は、円周方向に延在する内部連結用凹所66をさらに含み、該内部連結用凹所66は、軸方向に、締め付け空洞の後方表面56と前面48との間に位置する。連結用凹所66は、雌型部分44の端面から見て円形の断面を有する。連結用凹所66は、把持内腔軸A2と同軸であり、連結用歯28の被動表面38に係合するように形成された駆動表面68を含む。いくつかの実施形態によれば、駆動表面68は、直円錐台形状を有し、該直円錐台形状は、連結用歯28の被動表面38の形状を受け入れ、該被動表面38に当接するように設計されている。駆動表面68の寸法は、切削工具締め付け機構10が組み立てられるときに、被動表面38の歯の低い部分40へのアクセスを可能にし、該被動表面38の歯の高い部分42へのアクセスを防止するように設計されている。
【0038】
図6および図7を参照する。それらの図には、締め付け解除位置にある切削工具締め付け機構10および第1部材12が示されている。この位置において、雄型部分18は、締め付け空洞50内に位置し、ステム20は、アクセス内腔62内に位置し、連結用歯28は、歯用アクセス穴64内に位置している。ステム20の長手方向軸A3は、通常、アクセス内腔62の長手方向軸A1と互いに位置合わせされ、第1部材12は、第2部材14に対して軸方向にアクセス穴52内で摺動自在であり、把持内腔54の把持表面60は、ステム周囲表面22に当接していない。第1部材12の雄型部分18は、連結用歯28が軸方向に連結用凹所66と位置合わせされるまで、締め付け空洞50内に挿入される。
【0039】
図8および図9を参照する。それらの図には、締め付け位置にある切削工具締め付け機構10および第1部材12が示されている。ステム20は、把持内腔54内に位置しており、把持内腔54の把持表面60は、ステム周囲表面22に当接している。ステム20の長手方向軸A3は、把持内腔軸A2と一致する(図9参照)。この位置において、連結用歯28は、連結用凹所66内に位置しており、連結用凹所66の駆動表面68は、駆動表面68が被動表面38と駆動係合するように、連結用歯28の被動表面38に当接する。さらに、いくつかの実施形態によれば、前方部分の後面24は前面48に当接し得る。
【0040】
切削工具締め付け機構10または第1部材12の締め付け解除位置から締め付け位置への移動は、第1部材12の前方部分16の端面から見て、第1部材12を第2部材14に対して時計回りに回転させることによって行われる。本明細書で既に言及したように、被動表面38の歯の高い部分42が連結用凹所66を通り抜けることができないので、時計回りの方向にしか回転させることができない。回転させていくと、連結用歯28は、ある点で被動表面38が駆動表面68に当接し始めるまで、歯用アクセス穴64から連結用凹所66に移動する。ステム20のステム直径D3は、把持内腔54の把持内腔直径D2よりも大きい(D3>D2)ので、ステム20は、把持内腔54中に強制的に押し込まれなければならない。本明細書で既に言及したように、被動表面38は、ステム20の端面から見て、時計回り方向に隆起している。したがって、被動表面38が連結用凹所66に当接し始めると、把持表面60に向かう通常の方向に垂直の力Nが生じる(図9参照)。第1部材12がさらに回転するにつれ増大する力Nにより、ステム20が2つの交差ライン58を通って把持内腔54内に押しやられ、把持内腔54は、わずかに拡張する。いくつかの実施形態によれば、把持内腔54は、把持内腔54のこのような拡張が可能になるような公差を有するように設計されていると説明されているはずである。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、締め付け空洞50は、アクセス穴52と把持内腔254とを合体させることで形成されており、締め付け空洞の後方表面56の近傍での把持内腔254の拡張が容易になるように(図10参照)前面48に向かって先細りしている。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、雌型部分の端面から見た断面では、把持表面60は、連続しており(図1、図5〜図9参照)、いくつかの実施形態によれば、把持表面160は、不連続であり、長手方向のくぼみ161を含む(図11参照)。
【0043】
さらに、駆動表面68が直円錐台形を有する実施形態では、力Nは、さらに、前面48から離れる方向に、後方に向かう成分を有する。これにより、前面48と後面24との間の強固な当接が可能になり、第1部材12と第2部材14との間の軸方向のロックが確保される。いくつかの実施形態によれば、把持内腔54の内外への通過は、ステム20がアクセス内腔と把持内腔(62、54)との間の交差ライン58を通過するときにクリック音が聴こえることで証明される。
【0044】
1つまたは複数の特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、その説明は、全体として例示的なものであり、それらの提示した実施形態に本発明を限定すると解釈すべきではない。本明細書には明示しないが、本発明の範囲内に包含される様々な改変形態を当業者は思い付くことができると理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材(12)と第2部材(14)との間の切削工具締め付け機構(10)であって、
前記第1部材(12)は、
前記第1部材(12)の前方端部にある前方部分(16)と、
前記前方部分(16)から後方に延在する雄型部分(18)であって、ステム直径D3を有する円筒形のステム(20)を備え、前記ステム(20)がステム周囲表面(22)を備える、雄型部分(18)と
を具備し、
前記第2部材(14)は、
前記第2部材(14)の前方端部にある雌型部分(44)であって、前面(48)および締め付け空洞(50)を備え、前記締め付け空洞(50)が前記前面(48)に開き、アクセス穴(52)と把持内腔(54)とを合体させることで形成される、雌型部分(44)を具備し、
前記締め付け空洞(50)は、駆動表面(68)を備える内部連結用凹所(66)を備え、
前記第2部材(14)は、さらに、
前記雌型部分(44)から後方に延在する後方部分(46)であって、前記把持内腔(54)が、雌型部分(44)の端面から見たときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有し、180度よりも大きい中心角(α)を有する把持表面(60)を備える、後方部分(46)を具備し、
前記アクセス穴(52)は、歯用アクセス穴(64)およびアクセス内腔(62)を備え、前記アクセス内腔(62)が、前記第2部材(14)の端面から見るとアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有し、D1>D3>D2であり、前記歯用アクセス穴(64)が前記前面(48)に形成され、後方に延在し、
前記アクセス内腔(62)および前記把持内腔(54)は、それぞれの長手方向軸を有し、前記それぞれの長手方向軸が、少なくとも前記それぞれの長手方向軸の一部分に沿って互いに離間している、
切削工具締め付け機構(10)において、
前記雄型部分(18)は、さらに連結用歯(28)を備え、前記連結用歯(28)が、前記ステム周囲表面(22)から突出し、前記歯用アクセス穴(64)および前記連結用凹所(66)に受け入れられるように構成され、前記連結用歯(28)が、前記駆動表面(68)と係合するのに適した被動表面(38)を備え、
前記第1部材が、締め付け位置と締め付け解除位置との間を移動可能であり、前記締め付け解除位置では、前記雄型部分(18)が前記アクセス穴(52)内に位置し、前記締め付け位置では、前記把持内腔(54)の前記把持表面(60)が前記ステム周囲表面(22)と係合していることを特徴とする切削工具締め付け機構(10)。
【請求項2】
前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が、ステム後方表面(26)に向かう方向において前記ステム周囲表面(22)から隆起していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項3】
前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が、前記ステム(20)の端面から見て時計回り方向に隆起していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項4】
前記アクセス内腔(62)が円筒形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項5】
前記アクセス内腔(62)が、2つの交差ライン(58)において前記把持内腔(54)と交差することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項6】
前記把持内腔(254)が前記前面(48)に向かって先細りすることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項7】
前記把持内腔(54)が円筒形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項8】
前記把持表面(60)が、前記把持内腔(54)と同じ長さだけ長手方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項9】
前記把持表面(160)が長手方向のくぼみ(161)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項10】
前記中心角(α)が181度に等しいことを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項11】
前記締め付け位置において、前記前方部分(16)の後面(24)が、前記雌型部分(44)の前記前面(48)と係合していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項12】
前記アクセス内腔(62)の前記長手方向軸と前記把持内腔(54)の前記長手方向軸とが、互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項13】
前記アクセス内腔(62)の前記長手方向軸と前記把持内腔(54)の前記長手方向軸とが、互いに距離(L)だけ離間していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項14】
前記連結用凹所(66)の前記駆動表面(68)が円錐台形を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項15】
請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)を組み立てる方法であって、
a)前記連結用歯(28)が前記連結用凹所(66)と軸方向に位置合わせされるまで前記ステム(20)を前記アクセス穴(52)内に挿入するステップと、
b)前記ステム(20)が前記アクセス穴(52)から前記把持内腔(54)に完全に移され、前記ステム周囲表面(22)が前記把持表面(60)と完全に当接し、前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が前記連結用凹所(66)の前記駆動表面(68)と係合するまで、前記前方部分(16)の端面から見て前記第2部材(14)に対して時計回りに前記第1部材(12)を回転させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
第1部材(12)と第2部材(14)との間の切削工具締め付け機構(10)であって、
前記第1部材(12)は、
前記第1部材(12)の前方端部にある前方部分(16)と、
前記前方部分(16)から後方に延在する雄型部分(18)であって、ステム直径D3を有する円筒形のステム(20)を備え、前記ステム(20)がステム周囲表面(22)を備える、雄型部分(18)と
を具備し、
前記第2部材(14)は、
前記第2部材(14)の前方端部にある雌型部分(44)であって、前面(48)および締め付け空洞(50)を備え、前記締め付け空洞(50)が前記前面(48)に開き、アクセス穴(52)と把持内腔(54)とを合体させることで形成される、雌型部分(44)を具備し、
前記締め付け空洞(50)は、駆動表面(68)を備える内部連結用凹所(66)を備え、
前記第2部材(14)は、さらに、
前記雌型部分(44)から後方に延在する後方部分(46)であって、前記把持内腔(54)が、雌型部分(44)の端面から見たときに把持内腔直径D2を有する円形の断面を有し、180度よりも大きい中心角(α)を有する把持表面(60)を備える、後方部分(46)を具備し、
前記アクセス穴(52)は、歯用アクセス穴(64)およびアクセス内腔(62)を備え、前記アクセス内腔(62)が、前記第2部材(14)の端面から見るとアクセス内腔直径D1を有する円形の断面を有し、D1>D3>D2であり、前記歯用アクセス穴(64)が前記前面(48)に形成され、後方に延在し、
前記アクセス内腔(62)および前記把持内腔(54)は、それぞれの長手方向軸を有し、前記それぞれの長手方向軸が、少なくとも前記それぞれの長手方向軸の一部分に沿って互いに離間している、
切削工具締め付け機構(10)において、
前記雄型部分(18)は、さらに連結用歯(28)を備え、前記連結用歯(28)が、前記ステム周囲表面(22)から突出し、前記歯用アクセス穴(64)および前記連結用凹所(66)に受け入れられるように構成され、前記連結用歯(28)が、前記駆動表面(68)と係合するのに適した被動表面(38)を備え、
前記第1部材が、締め付け位置と締め付け解除位置との間を移動可能であり、前記締め付け解除位置では、前記雄型部分(18)が前記アクセス穴(52)内に位置し、前記締め付け位置では、前記把持内腔(54)の前記把持表面(60)が前記ステム周囲表面(22)と係合していることを特徴とする切削工具締め付け機構(10)。
【請求項2】
前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が、ステム後方表面(26)に向かう方向において前記ステム周囲表面(22)から隆起していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項3】
前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が、前記ステム(20)の端面から見て時計回り方向に隆起していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項4】
前記アクセス内腔(62)が円筒形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項5】
前記アクセス内腔(62)が、2つの交差ライン(58)において前記把持内腔(54)と交差することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項6】
前記把持内腔(254)が前記前面(48)に向かって先細りすることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項7】
前記把持内腔(54)が円筒形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項8】
前記把持表面(60)が、前記把持内腔(54)と同じ長さだけ長手方向に延在することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項9】
前記把持表面(160)が長手方向のくぼみ(161)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項10】
前記中心角(α)が181度に等しいことを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項11】
前記締め付け位置において、前記前方部分(16)の後面(24)が、前記雌型部分(44)の前記前面(48)と係合していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項12】
前記アクセス内腔(62)の前記長手方向軸と前記把持内腔(54)の前記長手方向軸とが、互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項13】
前記アクセス内腔(62)の前記長手方向軸と前記把持内腔(54)の前記長手方向軸とが、互いに距離(L)だけ離間していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項14】
前記連結用凹所(66)の前記駆動表面(68)が円錐台形を有することを特徴とする請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)。
【請求項15】
請求項1に記載の切削工具締め付け機構(10)を組み立てる方法であって、
a)前記連結用歯(28)が前記連結用凹所(66)と軸方向に位置合わせされるまで前記ステム(20)を前記アクセス穴(52)内に挿入するステップと、
b)前記ステム(20)が前記アクセス穴(52)から前記把持内腔(54)に完全に移され、前記ステム周囲表面(22)が前記把持表面(60)と完全に当接し、前記連結用歯(28)の前記被動表面(38)が前記連結用凹所(66)の前記駆動表面(68)と係合するまで、前記前方部分(16)の端面から見て前記第2部材(14)に対して時計回りに前記第1部材(12)を回転させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−518732(P2013−518732A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551731(P2012−551731)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/IL2011/000040
【国際公開番号】WO2011/095965
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/IL2011/000040
【国際公開番号】WO2011/095965
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】
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