説明

切除具

【解決手段】切除具においては、両摘み3間に設けた弾性可撓部5の裏面側に刃板2を取着して両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃板2とともに湾曲させて刃板2に生じた凸面を被切断部に当てがって使用する。弾性可撓部5の表面側には複数のスリット8,9,10を並設して両スリット8,9,10間に複数の凸部11を設け、凸部11の当接部11aが湾曲時にそれらの間のスリット8,9,10を介して互いに接近して当接し得る。当接部11aは、弾性可撓部5の湾曲を制限する湾曲制限部や、弾性可撓部5の曲げ剛性を変更する曲げ剛性変更部として機能する。
【効果】弾性可撓部5を所望の湾曲度や曲げ剛性で保持することができるため、刃先による被切断部の切除を安定性良く行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両摘みを互いに接近させることにより両摘み間の弾性可撓部を刃先とともに湾曲させて弾性可撓部に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部に当てがって使用する切除具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にはこの種の切除具が開示されている。
【特許文献1】米国特許第5628759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、使用者が弾性可撓部を所定の曲げ剛性のもとで自在に湾曲させることができるため、弾性可撓部を所望の湾曲度や曲げ剛性で保持して使用することが難しくなり、刃先による被切断部の切除を安定性良く行うことができなくなる。
【0004】
この発明は、切除具において弾性可撓部の形態を改良することにより使い勝手を良くすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜5)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる切除具は、下記のように構成されている。
この切除具においては、両摘み3間に設けた弾性可撓部5とその両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う刃先2aとを有し、この両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃先2aとともに湾曲させて弾性可撓部5に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部Sに当てがって使用する。この弾性可撓部5で湾曲時に凹面側となる表面側にはその湾曲を制限する湾曲制限部11aを一または二以上設けた。例えば、この湾曲制限部11aごとに弾性可撓部5の曲率半径Rが互いに異なる。
【0006】
請求項1の発明では、湾曲制限部11aにより弾性可撓部5を所望の湾曲度で保持することができるため、刃先2aによる被切断部Sの切除を安定性良く行うことができる。
請求項2の発明にかかる切除具は、下記のように構成されている。
【0007】
この切除具においては、両摘み3間に設けた弾性可撓部5に刃板2を取着してその両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う刃先2aをこの刃板2に設け、この両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃板2とともに湾曲させて刃板2に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部Sに当てがって使用する。この弾性可撓部5で湾曲時に凹面側となる表面側にはその湾曲を制限する湾曲制限部11aを一または二以上設けた。例えば、この湾曲制限部11aごとに弾性可撓部5の曲率半径Rが互いに異なる。
【0008】
請求項2の発明では、湾曲制限部11aにより弾性可撓部5を所望の湾曲度で保持することができるため、刃先2aによる被切断部Sの切除を安定性良く行うことができる。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記湾曲制限部11aは弾性可撓部5の曲げ剛性を変化させる曲げ剛性変更部11aでもある。請求項3の発明では、弾性可撓部5に複数の異なる曲げ剛性を付与することができる。その剛性変更部11aにより弾性可撓部5を所望の湾曲度と曲げ剛性とで保持することができるため、刃先2aによる被切断部Sの切除をより一層安定性良く行うことができる。
【0009】
請求項1または請求項2または請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記湾曲制限部は当接部11aである。請求項4の発明では、湾曲制限部を簡単な構成にすることができる。
【0010】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記弾性可撓部5の表面側には凸部11を設け、前記当接部11aはこの凸部11に設けられている。請求項5の発明では、湾曲制限部を簡単な構成にすることができる。
【0011】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明において、前記弾性可撓部5の表面側には両摘み3間を結ぶ方向Yに沿って複数のスリット8,9,10を並設し、前記凸部11は両スリット8,9及び9,10間に複数設けられ、凸部11の当接部11aが湾曲時にそれらの間のスリット8,9,10を介して互いに接近して当接し得る。請求項6の発明では、湾曲制限部を簡単な構成にすることができる。
【0012】
請求項7の発明にかかる切除具は、下記のように構成されている。
この切除具においては、両摘み3間に設けた弾性可撓部5とその両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う刃先2aとを有し、この両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃先2aとともに湾曲させて弾性可撓部5に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部Sに当てがって使用する。この弾性可撓部5に複数の異なる曲げ剛性を付与する曲げ剛性変更部11aを設けた。例えば、この曲げ剛性は、弾性可撓部5の曲率半径Rが小さくなるほど段階的に大きくなる。
【0013】
請求項7の発明では、その剛性変更部11aにより弾性可撓部5を所望の曲げ剛性で保持することができるため、刃先2aによる被切断部Sの切除をより一層安定性良く行うことができる。
【0014】
請求項8の発明にかかる切除具は、下記のように構成されている。
この切除具においては、両摘み3間に設けた弾性可撓部5とその両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う刃先2aとを有し、この両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃先2aとともに湾曲させて弾性可撓部5に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部Sに当てがって使用する。この弾性可撓部5の表面側には両摘み3間を結ぶ方向Yに沿って複数のスリット8,9,10を並設するとともに両スリット8,9及び9,10間に凸部11を設け、両摘み3間を結ぶ方向Yにおけるこの凸部11の幅寸法W11よりもこのスリット8,9,10の幅寸法W8,W9,W10を小さく設定し、各スリット8,9,10に対し反対側になる弾性可撓部5の裏面に対するこの凸部11の頂面の高さ寸法H11よりもこのスリット8,9,10の底面の高さ寸法H8,H9,H10を小さく設定した。請求項8の発明では、弾性可撓部5を厚くしても、各スリット8,9,10により弾性可撓部5の曲げ剛性を小さくして弾性可撓部5を曲げ易くし、刃先2aによる被切断部Sの切除を行い易くすることができる。
【0015】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項6の発明を前提とする第9の発明において、前記弾性可撓部5の表面側で深さD8,D9,D10の異なるスリット8,9,10を組み合わせて並設した。第9の発明では、スリット8,9,10の深さD8,D9,D10を変更することにより湾曲制限部11aや曲げ剛性を容易に変更することができる。
【0016】
請求項2の発明を前提とする第10の発明において、両摘み3間に設けた弾性可撓部5を含む取付部材4,5には折曲部7を介して押え部6を設け、刃板2が当てがわれた弾性可撓部5を含む取付部材4,5の裏面とこの押え部6との間で刃板2を挟着した。第10の発明では、弾性可撓部5を含む取付部材4,5に対し刃板2を簡単に取り付けることができる。
【0017】
請求項1から請求項8のうちいずれかの請求項の発明、または第9の発明または第10の発明を前提とする第11の発明にかかる摘み3において、両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う両面のうち外側の指当面18は、弾性可撓部5の表面側からその表面側に対する反対側になる弾性可撓部5の裏面側へ向かうに従い弾性可撓部5側へ向かうように、刃先2aの延設方向Yに対し傾斜している。第11の発明では、両摘み3の指当面18に指を当てて力を入れるだけで両摘み3を互いに接近させて弾性可撓部5を容易に撓ませることができる。
【0018】
請求項1から請求項8のうちいずれかの請求項の発明、または第9の発明または第10の発明または第11の発明を前提とする第12の発明にかかる摘み3において、両摘み3間を結ぶ方向Yに沿う両面のうち外側の指当面18は、刃先2a側からその刃先2aに対する反対側へ向かうに従い弾性可撓部5側へ向かうように、刃先2aの延設方向Yに対し傾斜している。第12の発明では、刃先2aを被切断部Sに押し当てて使用する際、両摘み3の指当面18に当てた指が滑りにくくなる。
【0019】
請求項2または第10の発明を前提とする第13の発明において、前記弾性可撓部5の表面側には、刃板2の刃先2aに隣接して刃板2に接触する端縁部16aから延びる案内面16を設け、その案内面16は、刃板2の刃先2a側からその刃先2aに対する反対側へ向かうに従い刃板2から離間する向きへ傾斜している。第13の発明では、刃板2上の端縁部16aから延びる案内面16により、被切断部Sの切除屑の排除を良くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、切除具において弾性可撓部5の形態を改良することにより使い勝手を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかる切除具について図面を参照して説明する。
この切除具は、図1(a)に示すように、射出成形でポリプロピレン樹脂により一体成形された切除具本体1と、ステンレス鋼からなる刃板2(厚さ0.1mm)とを備えている。この切除具本体1においては、図3(a)(b)や図4(a)(b)や図5(a)(b)に示すように、左右方向Yの両側に配設された摘み3間で支持腕部4が左右両摘み3に隣接して形成されているとともに、その支持腕部4間に弾性可撓部5が形成されている。この左右両支持腕部4において前後方向Xの両側の端縁部のうち前側の端縁部には押え部6が折曲部7を介して形成されている。この切除具本体1を一体成形したので、両摘み3や両支持腕部4や弾性可撓部5や両押え部6を簡単に成形することができる。
【0022】
前記弾性可撓部5において上下方向Zの両側のうち上側になる表面には、深さD8,D9,D10(D9>D8>D10)の異なる複数のスリット8,9,10が左右方向Yで互いに平行に並設されて前後方向Xへ延設されているとともに、これらのスリット8,9,10間に凸部11が形成されている。深さD8(2.0mm)のスリット8は左右方向Yの中央部に配置され、このスリット8と深さD9(2.5mm)のスリット9とが左右方向Yで交互に配置されているとともに、深さD10(1.2mm)のスリット10が左右方向Yの両端部に配置されている。これらのスリット8,9,10において左右方向Yの幅寸法W8,W9,W10(各0.6mm)は、互いに同一であって、各凸部11における左右方向Yの幅寸法W11(W11=2.4mm>W8,W9,W10)よりも小さく設定されている。この弾性可撓部5において上下方向Zの両側のうち下側になる裏面に対する各スリット8,9,10の底面の高さ寸法H8,H9,H10(H9=0.5mm<H8=1.0mm<H10=1.8mm)は、その裏面に対する各凸部11の頂面の高さ寸法H11(H11=3.0mm>H8,H9,H10)よりも小さく設定されている。この各凸部11の頂面において左右方向Yの両側の端縁部には当接部11aが形成されている。
【0023】
前記刃板2においては、前後方向Xの両側のうち前側で刃先2aが左右方向Yへ延設されているとともに後側で背縁2bが左右方向Yへ延設され、この刃先2aと背縁2bとの間で左右両端部には支持孔12が形成されている。前記左右両押え部6には左右一対の止め孔13が形成されている。前記左右両支持腕部4の裏面においては、左右一対の止め軸14が形成されているとともに、これらの止め軸14の後方に段差部15が形成されている。この左右両支持腕部4の裏面に刃板2を当てがって刃板2の左右両支持孔12を左側両止め軸14及び右側両止め軸14のうちそれぞれ一方の止め軸14に挿嵌するとともに、左右両押え部6を折曲部7により折り曲げて各止め孔13を各止め軸14にかしめて挿着すると、刃板2が左右両支持腕部4の裏面と左右両押え部6との間で交換不能に挟着される。その際、刃板2の背縁2bと段差部15との間に隙間Gが生じるため、刃板2の背縁2bが段差部15に当たらない。なお、左右両支持腕部4の裏面に対し左右両押え部6を開閉可能にして刃板2を交換可能にしてもよい。
【0024】
前記弾性可撓部5の表面側においては、刃板2の刃先2aに隣接して刃板2に接触する端縁部16aから延びる案内面16が形成され、その案内面16は、刃板2の刃先2a側から背縁2b側へ向かうに従い刃板2から離間する上向きへ傾斜している。
【0025】
前記摘み3においては、複数の指当板部17が前後方向Xへ互いに隙間をあけて並設され、左右方向Yの両面のうち外側にはこの各指当板部17が互いに結ばれて指当面18になる。この指当面18で各指当板部17間の隙間は滑り止め機能も果たす。この指当面18は、図5(a)(b)に示すように、弾性可撓部5の表面側から裏面側へ向かうに従い弾性可撓部5側へ向かうように、刃先2aの延設方向(左右方向Y)に対し刃先2a側で傾斜角度α(約45°)だけ背縁2b側で傾斜角度β(約55°)だけ傾斜し、その傾斜角度は刃先2a側から背縁2b側に向けて徐々に大きくなっている。また、この指当面18は、図4(a)(b)に示すように、刃板2の刃先2a側から背縁2b側へ向かうに従い弾性可撓部5側へ向かうように、刃先2aの延設方向(左右方向Y)に対しθ(約75°)だけ傾斜している。
【0026】
ちなみに、この切除具において、前後方向Xの寸法は約20mm、左右方向Yの寸法は約70mm、上下方向Zの寸法は約10mmにそれぞれ設定されている。
さて、この切除具については、図1(b)に示すように、両摘み3を互いに接近させることにより弾性可撓部5を刃板2とともに湾曲させて刃板2に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部S(例えば皮膚の突起物)に当てがって使用する。このように刃板2を湾曲させると、被切断部Sを所望の大きさや深さに切除し易いとともに、切除具の裏面側や指が被切断部Sに当らず使用時に邪魔にならない。また、両摘み3の上端部分で左右方向Yの寸法が最大になる部分は刃板2よりも上方に位置しいているため、両摘み3を互いに接近させる際に弾性可撓部5及び刃板2が下向きに撓んで逆向き(上向き)には撓まない。弾性可撓部5及び刃板2が撓むと、図2(a)に示すように、弾性可撓部5の各スリット8,9,10のうち、まず深さD9(D9>D8,D10)のスリット9で互いに隣接する両凸部11の当接部11aが当接して弾性可撓部5の湾曲が曲率半径R(約25mm)で制限され、その弾性可撓部5の曲げ剛性が図1(b)の場合よりも大きくなる。さらに大きな力で両摘み3を互いに接近させると、図2(b)に示すように、深さD8(D8>D10)のスリット8で互いに隣接する両凸部11の当接部11aが当接して弾性可撓部5の湾曲が曲率半径R(約15mm)で制限され、その弾性可撓部5の曲げ剛性が図2(a)の場合よりもさらに大きくなる。すなわち、湾曲当初は軽い力で弾性可撓部5を湾曲させることができるが、湾曲度が増すと湾曲当初よりも大きな力を必要とするため、弾性可撓部5を所望の湾曲度で保持することができる。
【0027】
従って、本実施形態では、湾曲制限部11aにより弾性可撓部5を所望の湾曲度や曲げ剛性で保持することができるため、刃先2aによる被切断部Sの切除を安定性良く行うことができるとともに、弾性可撓部5の破損を防止することもできる。
【0028】
前記実施形態以外にも下記のように構成してもよい。
* 前記実施形態では、弾性可撓部5の裏面側に刃板2を取り付けたが、この刃板自体を弾性可撓部にするとともに、この刃板の表面側で湾曲制限部や曲げ剛性変更部を例えば各スリットに設ける。
【0029】
* 前記実施形態では、スリット9による一段階目の湾曲制限部(当接部11a)とスリット8による二段階目の湾曲制限部(当接部11a)とを設けたが、一つの湾曲制限部のみまたは三以上の湾曲制限部を設けてもよい。
【0030】
* 前記実施形態では、スリット8,9,10の幅寸法W8,W9,W10を同じにしてその深さD8,D9,D10を変更することにより当接部11aが互いに当接するタイミングをずらして二段階の湾曲制限部を生じさせているが、スリット8,9,10の深さD8,D9,D10を同じにしてその幅寸法W8,W9,W10を変更することにより当接部11aが互いに当接するタイミングをずらしてもよい。
【0031】
* 前記実施形態では、各スリット8,9,10が左右方向Yで互いに平行に並設されているが、この各スリット8,9,10の配置や形態や数などを変更してもよい。
* 弾性可撓部5の表面側に設ける凸部の形態を各種変更してその凸部にある当接部を利用して湾曲制限部や曲げ剛性変更部を設ける。
【0032】
* 各スリット8,9,10内を弾性体で充填する。
* 上下方向Zの両側で弾性可撓部5の各スリット8,9,10を設ける。その際、切除具全体を上下方向Zの両側で対称形状にしたり、切除具全体を上下方向Zの両側で非対称形状にしたり、上下両側の各スリット8,9,10または片側の各スリット8,9,10に湾曲制限部や曲げ剛性変更部を設けたりしてもよい。
【0033】
* 前記実施形態では、切除具全体を左右方向Yの両側で対称形状にしているが、切除具全体を左右方向Yの両側で非対称形状にする。
* 刃板2の刃先2aについては、前後方向Xへ凹む凹部と前後方向Xへ突出する凸部とが左右方向Yへ交互に並んだ波形状にしたり、上下方向Zへ凹む凹部と上下方向Zへ突出する凸部とが左右方向Yへ交互に並んだ波形状にしたり、前後方向Xへ凹む凹状の曲線状または前後方向Xへ突出する凸状の曲線状にしたり、上下方向Zの厚みに変化を持たせたりしてもよい。
【0034】
* 両摘み3の指当面18を凹状または凸状に湾曲させる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)は本実施形態にかかる切除具を示す分解斜視図であり、(b)はその切除具の使用状態の一例を示す正面図である。
【図2】(a)(b)はそれぞれ切除具の使用状態の別例を示す正面図である。
【図3】(a)(b)はそれぞれ本実施形態にかかる切除具を示す組付斜視図である。
【図4】(a)は上記切除具を示す平面図であり、(b)は同じく底面図である。
【図5】(a)は上記切除具を示す正面図であり、(b)は同じく背面図である。
【符号の説明】
【0036】
2…刃板、2a…刃先、3…摘み、5…弾性可撓部、8,9,10…スリット(曲げ剛性変更部)、11…凸部(曲げ剛性変更部)、11a…当接部(湾曲制限部)、Y…摘み間を結ぶ方向である左右方向、S…被切断部、W8,W9,W10…スリットの幅寸法、W11…凸部の幅寸法、H8,H9,H10…スリットの底面の高さ寸法、H11…凸部の頂面の高さ寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両摘み間に設けた弾性可撓部とその両摘み間を結ぶ方向に沿う刃先とを有し、この両摘みを互いに接近させることにより弾性可撓部を刃先とともに湾曲させて弾性可撓部に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部に当てがって使用する切除具において、この弾性可撓部で湾曲時に凹面側となる表面側にはその湾曲を制限する湾曲制限部を設けたことを特徴とする切除具。
【請求項2】
両摘み間に設けた弾性可撓部に刃板を取着してその両摘み間を結ぶ方向に沿う刃先をこの刃板に設け、この両摘みを互いに接近させることにより弾性可撓部を刃板とともに湾曲させて刃板に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部に当てがって使用する切除具において、この弾性可撓部で湾曲時に凹面側となる表面側にはその湾曲を制限する湾曲制限部を設けたことを特徴とする切除具。
【請求項3】
前記湾曲制限部は弾性可撓部の曲げ剛性を変化させる曲げ剛性変更部でもあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切除具。
【請求項4】
前記湾曲制限部は当接部であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の切除具。
【請求項5】
前記弾性可撓部の表面側には凸部を設け、前記当接部はこの凸部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の切除具。
【請求項6】
前記弾性可撓部の表面側には両摘み間を結ぶ方向に沿って複数のスリットを並設し、前記凸部は両スリット間に複数設けられ、凸部の当接部が湾曲時にそれらの間のスリットを介して互いに接近して当接し得ることを特徴とする請求項5に記載の切除具。
【請求項7】
両摘み間に設けた弾性可撓部とその両摘み間を結ぶ方向に沿う刃先とを有し、この両摘みを互いに接近させることにより弾性可撓部を刃先とともに湾曲させて弾性可撓部に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部に当てがって使用する切除具において、この弾性可撓部に複数の異なる曲げ剛性を付与する曲げ剛性変更部を設けたことを特徴とする切除具。
【請求項8】
両摘み間に設けた弾性可撓部とその両摘み間を結ぶ方向に沿う刃先とを有し、この両摘みを互いに接近させることにより弾性可撓部を刃先とともに湾曲させて弾性可撓部に生じた凹面と凸面とのうち凸面を被切断部に当てがって使用する切除具において、この弾性可撓部の表面側には両摘み間を結ぶ方向に沿って複数のスリットを並設するとともに両スリット間に凸部を設け、両摘み間を結ぶ方向におけるこの凸部の幅寸法よりもこのスリットの幅寸法を小さく設定し、各スリットに対し反対側になる弾性可撓部の裏面に対するこの凸部の頂面の高さ寸法よりもこのスリットの底面の高さ寸法を小さく設定したことを特徴とする切除具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−61869(P2008−61869A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243918(P2006−243918)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】