説明

利得調整ネットワークを介して受信機の利得を調整するためのシステムおよび方法

回路は、低ノイズ増幅器(LNA)、受動スイッチングコア(PSC)、トランスインピーダンス増幅器フィルタ(TIAフィルタ)及び第1Zdegネットワーク入力リード、第2Zdegネットワーク入力リード、第1Zdegネットワーク出力リード、第2Zdegネットワーク出力リードを有し、該第1Zdegネットワーク入力リードは該LNAの該第1出力リードに結合され且つ該第2Zdegネットワーク入力は該LNAの第2出力リードに結合され、第1Zdegネットワーク出力リードは該PSCの該第1信号入力リードに結合され且つ該第2Zdegネットワーク出力は該PSCの該第2信号入力リードに結合されている、変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク)を含む。該LNA、該Zdegネットワーク、該PSCおよび該TIAフィルタはともに受信機を形成する。受信機利得は該Zdegネットワークにて調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に無線通信システムに関する。より詳細には、本開示は利得調整ネットワークを介して受信機の利得を調整するためのシステムおよび方法に関する
【背景技術】
【0002】
無線通信デバイスは、消費者の要求に満たし、そして、携帯性および利便性を向上するために、より小さく、そして、より高性能になってきている。消費者は、セルラフォン、携帯型個人情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータなどの無線通信デバイスに頼るようになってきている。消費者は、信頼性のあるサービス、広い面積のカバレッジおよび機能増加を期待するようになってきている。無線通信デバイスは、モバイルステーション、ステーション、アクセス端末、ユーザー端末、端末、加入者ユニット、ユーザー機器などとも呼ばれることがある。
【0003】
無線通信システムは同時に多数の無線通信デバイスに対して通信をサポートする可能性もある。無線通信デバイスは、アップリンクおよびダウンリンク上での通信を介して、一つまたは複数の基地局(あるいはアクセスポイント、Node Bなどとも呼ばれる)と通信する可能性もある。アップリンク(またはリバースリンク)は無線通信デバイスから基地局への通信リンクをさし、そして、ダウンリンク(またはフォワードリンク)は基地局から無線通信デバイスへの通信リンクをさす。
【0004】
無線通信システムは、使用可能なシステムリソース(例えば、帯域幅、送信パワー)を共用することにより、複数の(multiple)ユーザとの通信をサポートするための多元接続システム(multiple-access systems)とすることができる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GMS)システム、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システムおよび直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、受動ミキサを含むSAWレス(SAW-less)受信機の一タイプの図である。
【図2】図2は、高線形高利得モードの動作における図1の受信機についてのパフォーマンス特性を説明するテーブルである。
【図3】図3は、低ノイズSAWレス受信機を採用したセルラフォンの一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3のRF送受信機集積回路の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4の低ノイズ増幅器(LNA)、変性インピーダンス(degenerative-impedance)利得調整ネットワーク、受動ミキサおよびトランスインピーダンス(transimpedance)(TIA)フィルタ(TIA−フィルタ)を示すブロック図である。
【図6】図6は、変性インピーダンス利得調整ネットワークのさらなるコンフィギュレーションを示すブロック図である。
【図7】図7は、変性インピーダンス利得調整ネットワークにおいて利用されることができるコンポーネントの例を示している。
【図8】図8は、変性インピーダンス利得調整ネットワークにおいて利用されることができるコンポーネントの別の例を示している。
【図9】図9は、変性インピーダンス利得調整ネットワークにおいて利用されることができるコンポーネントの別のコンフィギュレーションを示している。
【図10】図10は、受信機内のLNAとミキサとの間の抵抗コンポーネントを有する変性インピーダンス利得調整ネットワークのコンフィギュレーションの一例を示すブロック図である。
【図11】図11は、受信機内のLNAとミキサとの間の容量コンポーネントを有する変性インピーダンス利得調整ネットワークのコンフィギュレーションの一例を示すブロック図である。
【図12】図11は、受信機内のLNAとミキサとの間のスイッチングコンポーネントを有する変性インピーダンス利得調整ネットワークのコンフィギュレーションの一例を示すブロック図である。
【図13】図13は、受信機の利得を調整するための方法の一例を示すフロー図である。
【図14】図14は、図13に示された方法に対応するミーンズ・プラス・ファンクションのブロックを示している。
【図15】図15は、無線デバイスにおいて利用されることができるさまざまなコンポーネントを示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
セルラフォン受信機を実現するためのいくつかの異なった回路トポロジーがある。あるトポロジーは、低ノイズ増幅器(LNA)とミキサとの間の到来(incoming)無線周波数(RF)信号経路(signal path)内に配置された、弾性表面波(SAW)フィルを含む。いささか高価で大きなSAWデバイスを用いずに、十分なパフォーマンスのセルラフォン受信機を実現することがおそらく望ましい。他のトポロジーは、アンテナとLNAとの間のマッチングネットワーク内において、高品質でいくぶん高価なLNAマッチングインダクタを用いることがある。この高価なコンポーネントを用いるのではなくて、むしろ、より費用のかからない低品質なコンポーネントを用いることにより、受信機を実現することもおそらく望ましい。SAWレス受信機において良い直線性を達成するために、純粋に受動ダウンコンバーティングミキサがときには用いられる(つまり、能動トランスコンダクタンス増幅器(active transconductance amplifier)(gm−セル)がないミキサ)。しかしながら、LNA、受動ミキサおよびベースバンドトランスインピーダンス増幅器(baseband transimpedance-amplifier )(TIA)からなる、このトポロジーにとっては、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GMS)および広帯域符号分割多元接続(WCDMA)のモードの動作における、ゲイン・ステッピング要求を満足し、その上に優良な雑音指数(NF)および線形性を達成することは、多くの場合、困難である。
【0007】
一つのコンフィギュレーションにおいて、エクストラ(extra)利得ステッピングは、同じ1×信号経路(4利得モード)を再利用するために、UMB/LTE(Ultra Mobile Broadband/Long term Evolution)(6利得モード)に対してもおそらく望まれる。ここにおけるシステムおよび方法は、受信機の他のコンポーネントの特性を大幅に低下させることなく、全ての動作の利得モード(および基準)にわたって、優良な受信機NFパフォーマンスを可能とする。LNAおよびベースバンドTIAフィルタのパフォーマンスは、各受信利得モード上で、きつくはコントロールされない可能性がある。ステージ間LNAミキサ受動利得調整ネットワークを用いると、受信機雑音指数へのTIAノイズの寄与を小さくとどめるとともに、受信機利得はシステム要求に従って変えられることができる。
【0008】
同じCDMA1×信号経路を用いて、GSM(登録商標)/WCDMA/UMB/LTEモードの動作における利得ステッピング要求を満足するために、LNAバイアス電流とマッチングネットワークとTIAフィルタ抵抗/容量ネットワークとはきつくコントロールされる可能性がある。しかしながら、これは、システム利得がLNAおよびTIAフィルタを介してしばしば変えられるので、受信機ノイズと直線性特性要求との間にトレードオフをもたらす可能性がある。いくつかの例では、システムの利得がダウンコンバーティングミキサ(つまり、ゲイン・ステッピングミキサ)によって変えられると、システム雑音指数特性は大幅に低下する可能性がある。言い換えれば、システム雑音指数へのTIAノイズの寄与は、ひとまとめにした他の受信機ノイズの寄与よりも大きくなるかもしれない。
【0009】
回路について説明する。回路は、低ノイズ増幅器(LNA)、受動スイッチングコア(PSC)、トランスインピーダンス増幅フィルタ(TIAフィルタ)、および、第1のZdegネットワーク入力リード(lead)、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有する変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク)を含み、ここにおいて、第1のZdegネットワーク入力リードはLNAの第1の出力リードに結合されており、そして、第2のZdegネットワーク入力リードはLNAの第2の出力リードに結合されており、かつ、ここにおいて、第1のZdegネットワーク出力リードはPSCの第1の信号入力リードに結合され、そして、第2のZdegネットワーク出力リードはPSCの第2信号入力リードに結合されている。LNA、Zdegネットワーク、PSCおよびTIAフィルタはともに受信機を形成する。受信機利得はZdegネットワークによって調整される。
【0010】
無線デバイスについて説明する。前記デバイスは送信機および受信機を含む。受信機は、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有する低ノイズ増幅器(LNA)、第1の信号入力リード、第2の信号入力リード、第1の信号出力リード、第2の信号出力リード、第1のローカルオシレータ入力リードおよび第2のローカルオシレータ入力リードを有する受動スイッチングコア(PSC)を含む。受信機はまた第1の入力リード、第2の入力リード、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有するトランスインピーダンス増幅フィルタ(TIA)を含む。受信機は、さらに、第1のZdegネットワーク入力リード、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有する変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク)を含む。第1のZdegネットワーク入力リードはLNAの第1の出力リードに結合されており、そして、第2のZdegネットワーク入力リードはLNAの第2の出力リードに結合されている。第1のZdegネットワーク出力リードはPSCの第1の信号入力リードに結合され、そして、第2のZdegネットワーク出力リードはPSCの第12信号入力リードに結合されている。LNA、Zdegネットワーク、PSCおよびTIAフィルタはともに受信機を形成する。受信機利得はZdegネットワークによって調整される。
【0011】
回路についてまた説明する。回路は、受動ミキサを有し、そして、能動gmセルを有さないSAWレス受信チェーン(chain)を含む。SAWレス受信機は、低ノイズ増幅器(LNA)、受動ミキサ、および、受動ミキサから信号出力を受信するトランスインピーダンス増幅器(TIA)を含む。回路は、さらに、LNAと受動ミキサとの間の信号経路にインピーダンスを提供する手段を含む。受信機利得はインピーダンスを提供するための前記手段によりコントロールされる。
【0012】
受信機の利得を調整するための方法についても説明する。一つまたは複数のトランジスタを用い、そして、第1のZdegネットワーク入力リード、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有する変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワークが提供される。第1のZdegネットワーク入力リードは低ノイズ増幅器(LNA)の第1の出力リードに結合されており、そして、第2のZdegネットワーク入力リードはLNAの第2の出力リードに結合されている。第1のZdegネットワーク出力リードは受動スイッチングコアPSC(PSC)の第1の信号入力リードに結合され、そして、第2のZdegネットワーク出力リードはPSCの第2信号入力リードに結合されている。第1の入力リード、第2の入力リード、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有するトランスインピーダンス増幅フィルタ(TIAフィルタ)が提供される。受信機の利得は、一つまたは複数のトランジスタをオンまたはオフに切り替えることにより調整される。LNA、Zdegネットワーク、PSCおよびTIAフィルタはともに受信機を形成する。
【0013】
図1は、受動ミキサを採用し、そして、能動gmセルを採用していないSAWレス受信機の図である。受信機回路1は、アンテナ2、差動送受信切り替え器(differential duplexer)3、インピーダンスマッチングネットワーク4および集積回路5を含む。集積回路5は同様にLNA6を含み、そして、このLNAは、二つのターミナル7および8を介して、マッチングネットワーク4からの到来(incoming)RF信号を受信するために結合されていても構わない。LNA6の二つの差動出力リード9および10は受動ミキサ11に結合されても構わない。ミキサ11へのLNA6の結合は、到来RF信号の周波数にて実効的な短絡である大きな容量を有するバイパスキャパシタを介した、容量性結合でも構わない。
【0014】
受動ミキサ11は二つの部分を有していても構わない。一の部分(I−経路スイッチングコア)は、トランスインピーダンス増幅器およびフィルタ12(I−経路TIAフィルタ)の第1のパートに、差動信号(I)の第1の組を供給しても構わない。このTIAフィルタ12の第1のパートは出力リード13および14上に信号I+およびI−を出力する。受動ミキサ11の第2の部分(Q−経路スイッチングコア)は、TIAフィルタ12(Q−経路 TIAフィルタ)に、Q差動信号の第2の組を供給しても構わない。TIAフィルタ12の第2のパートは出力リード15および16上に信号Q+およびQ−を出力する。残念ながら、図1のSAWレス受動ミキサ受信機トポロジーを採用して、そしてまた同時に優良な線形性および消費電力の特性を維持しながら厳しいノイズ要求を満たすことはおそらく難しい。
【0015】
図2は、高線形高利得モードの動作における図1の回路についてのさまざまなパフォーマンス特性を説明するテーブルである。マッチングネットワーク4内に高品質かつ高価なディスクリートLNA入力マッチングインダクタを提供することなく、そして、LNA6の消費電流を増加することなく、回路の雑音指数(NF)を低減することが望ましい。
【0016】
図3は、モバイル通信デバイス20のブロック図である。この例では、モバイル通信デバイス20は、WCDMAセルラフォン通信プロトコルを用いるセルラフォンで構わない。セルラフォンは、アンテナ21、および、二つの集積回路22および23を含んでも(その他のパーツは示していない)構わない。集積回路23は、「デジタルベースバンド回路」または「ベースバンドプロセッサ集積回路」と呼ばれることがある。集積回路22はRF送受信機集積回路とすることができる。RF送受信機集積回路22は、受信機だけではなく送信機を含んでいるので「送信機」と呼ばれることがある。
【0017】
図4は、図3のRF送受信機集積回路のブロック図である。受信機は、ローカルオシレータ33だけではなく受信チェーン(chain)24を含んでも構わない。セルラフォンが受信している時、高周波数RF信号25はアンテナ21で受信することができる。RF信号25の一例をあげればMHz以上の周波数範囲内の信号である。RF信号25からの情報は、送受信切り替え器26、インピーダンスマッチングネットワーク27を通り抜け、そして、受信チェーン24を抜けることができる。信号25は、低ノイズ増幅器(LNA)28で増幅され、変性インピーダンスネットワーク400(ここでは「Zdegネットワーク)と呼ばれる)を通り抜けることができ、そして、ミキサ29により周波数をダウンコンバートすることができる。ダウンコンバートされてもたらされる信号はベースバンドフィルタ30によりフィルタすることができ、そして、デジタルベースバンド回路23に通されることができる。デジタルベースバンド回路内のアナログ・デジタル・コンバータ31は信号をデジタル形式に変換することができ、そして、もたらされるデジタル情報はデジタルベースバンド回路23内のデジタル回路によって処理することができる。デジタルベースバンド回路23は、ローカルオシレータ33によってミキサ29に供給されたローカルオシレータ信号(LO)32の周波数をコントロールすることにより、受信機を調整できる。
【0018】
もしセルラフォンが送信しているならば、今度は、デジタルベースバンド集積回路23内のデジタル・アナログ・コンバータ34によって、送信されるべき情報はアナログ形式に変換することができ、そして、送信チェーン35に供給することができる。ベースバンドフィルタ36は、デジタル・アナログ変換プロセスのために、ノイズを除去することができる。ローカルオシレータ38のコントロール下のミキサブロック37は、信号を高周波数信号にアップコンバートすることができる。ドライバ増幅器39および外部電力増幅器40は、アンテナ21から高周波数RF信号41が送信されるように、アンテナ21を駆動するために、高周波数信号を増幅することができる。
【0019】
図5は、受信チェーン24に関しての路図の一例である。アンテナ21で受信された到来RF信号25は差動送受信切り替え器26およびインピーダンスマッチングネットワーク27を介して集積回路22の差動入力ターミナル42および43に結合される。LNA28は、RF信号25を増幅し、そして、VRF+出力リード44およびVRF−出力リード45からの差動信号を駆動することができる。VRF+出力リード44は受動ミキサ29の第1の差動入力リード46に結合され、そして、VRF−出力リード45は受動ミキサ29の第2の差動入力リード47に結合されても構わない。受動ミキサ29は能動gmセルを含まなくても構わない。受動ミキサ29は、二つのたすきがけの受動スイッチングコア48および49ならびにZdegネットワーク500を含むことができる。Zdegネットワーク500は、LNA28の第1の出力リード44および第1のスイッチングコア48の第1の入力リード54に、接続されている。Zdegネットワーク500はまた、LNA28の第2の出力リード45および第1のスイッチングコア48の第2の入力リード55に、接続されても構わない。さらに、Zdegネットワーク500は、LNA28の第1の出力リード44および第2のスイッチングコア49の第1の入力リード56に、接続されても構わない。さらなるコンフィギュレーションにおいては、Zdegネットワーク500は、LNA28の第2の出力リード45および第2のスイッチングコア49の第2の入力リード57に、接続されても構わない。
【0020】
トランスインピーダンス増幅器(TIA)ベースバンドフィルタ(TIAフィルタ)30は、第1の部分(TIAフィルタのI−経路パート)および第2の部分(TIAフィルタのQ−経路)を含んでも構わない。第1の部分は一対の差動信号I+およびI−を差動出力リード58および59上に駆動する(drive)ことができる。増幅器シンボル90AはI−経路トランスインピーダンス増幅器(TIA)を表していても構わない。抵抗記号60および61は、TIAフィル30の第1の部分(I−経路TIAフィルタ)のフィードバック抵抗RTIAを表す。キャパシタ記号80Aおよび80Bは、TIAフィルタ30の第1の部分(I−経路TIAフィルタ)のフィードバック容量CTIAを表す。TIAフィル30の第1の部分は、第1の受動スイッチングコア48の差動出力リード62および63から差動信号を受信できる。同様に、TIAフィル30の第2の部分は、一対の差動信号Q+およびQ−を差動出力リード64および65上に駆動する(drive)ことができる。増幅器記号90BはQ−経路トランスインピーダンス増幅器(TIA)を表していても構わない。抵抗記号66および67は、TIAフィルタ30(Q−経路TIAフィルタ)の第2の部分のフィードバック抵抗RTIAを表す。キャパシタ記号80Cおよび80Dは、TIAフィルタ30(Q−経路TIAフィルタ)の第2の部分のフィードバック容量CTIAを表す。TIAフィル30の第2の部分は、第2の受動スイッチングコア49の差動出力リード68および69から差動信号を受信できる。トランスインピーダンス増幅器(TIA)および抵抗/キャパシタ(RTIA/CTIA)ネットワークはTIAフィルタの利得およびローパスフィルタリング特性を決定する。図5に示されるように、第1の受動スイッチングコア48は四つの電界効果トランジスタ(FET)70−73を含むことができ、そして、第2の受動スイッチングコア49はFET74−77を含むことができる。
【0021】
図6は、Zdegネットワーク600のさらなるコンフィギュレーションを示すブロック図である。Zdegネットワーク600は受信機の利得を調整するために使用されることができる。Zdegネットワーク600は低ノイズ増幅器602(LNA)とミキサ610との間に配置されることができる。第1のRF信号612(例えば、RF+)および第2のRF信号614(例えば、RF−)(同相の経路)はLNA602から出力され、そして、Zdegネットワーク600に入力されることができる。また、第1のI位相信号616(例えば、I+)および第2のI位相信号620(例えばI−)(同相の経路)はZdegネットワーク600から出力され、そして、ミキサ610に入力されることができる。さらに、第1のQ位相信号618(例えば、Q+)および第2の位相信号622(例えば、Q−)(直交位相)はZdegネットワーク600から出力され、そして、ミキサ610に入力されることができる。
【0022】
一例では、Zdegネットワーク600は一つまたは複数のZdegコンポーネントを含む。例えば、ネットワーク600は一つまたは複数のZdeg0 604コンポーネントおよびZdeg1 606コンポーネントを含むことができる。また、ネットワーク600は一つまたは複数のZdeg2 608コンポーネントを含むことができる。Zdegネットワーク600のZdegコンポーネント604,606,608は、受信機の利得を調整するために用いられることができる。Zdegネットワーク600は、前に図5に示された受動ミキサコアに再構成されても構わない。
【0023】
受動ミキサコアを再構成することにより受信機利得を変えることは、最先端のSAWレス受信機においてローカルオシレータ(LO)信号の25%デューティサイクルがダウンコンバートのために用いられた時に、受信機NFへのTIAノイズ寄与は、ひとまとめにした他の受信機ノイズ寄与よりも大きくなる可能性がある。再構成されたシャントミキサ経路を通して受信されたRF信号の一部を流すこと(bleeding)により、受信機利得がステップダウンされると、受信機出力ノイズへのTIAノイズの寄与は増加する可能性がある。この例では、ミキサシャント経路の小さいONインピーダンスに反比例していることで、TIAノイズから受信機出力への利得は大きい。受信機利得が減少される事およびTIAノイズが増加される事の両方が原因で、システムがNF要求を満たさなくなる程度にまで受信機雑音指数は下がる可能性がある。インピーダンス変性をZdegネットワーク600を介して受動ミキサコアに適用するることは、受信機利得を下げた時に、受信機NFへのTIAノイズ寄与の減少を可能とする。しかしながら、LNAの出力で生成されたより大きなインピーダンスの結果として、受信機のトリプル−ビート(triple-beat)性能が劣化する可能性がある。ネットワーク600によって提供されるように、TIA提供によって見られるより大きなインピーダンス(つまり、ノイズ寄与の低減)およびLNAによって見られるより小さなインピーダンス(優良な線形性がサポートされること)に対しては、受信機NFと電圧利得との間の最適のトレードオフは、他の受信機性能を悪くすることなく、達成される可能性がある。Zdegネットワーク600は、図7−9に示される抵抗性、容量性またはスイッチ ネットワークを用いることにより実施しても構わない。
【0024】
システム雑音指数/利得/線形性要求に従って、抵抗/キャパシタ/スイッチ ネットワーク パラメータをサイズイング(sizing)することにより、異なる受信機利得モードが実施されても構わない。例えば、以下の図12に示されるスイッチ調整ネットワークを用いることにより、たった1.7dBの雑音指数に対して9dBの電圧利得がトレードされる。Zdegネットワーク600の実施(implementation)はマルチモード受信機に利点を提供することができる。例えば、受信機電圧利得とTIAノイズ寄与との間の受諾できるトレードオフが達成されることができる。他の利点は、受信機雑音指数と電圧利得との間の受諾できるトレードオフを提供することである。加えて、LNAによって見られる所望のより低いインピーダンスとTIAによって見られるより高いインピーダンスとの間の受諾できるトレードオフが達成されることができる。さらに、シャント利得調整ネットワーク経路がIおよびQ受信機信号チャネルとの間で共有されるので、より少ない数のコンポーネントが用いられることができる。
【0025】
図6に戻ると、受信機の線形利得は、式(1)によって与えられる変性インピーダンス利得調整ネットワーク(25%LOデューティサイクルを仮定)により、おおよそスケールされることができる。
【数1】

【0026】
deg0およびZdeg1は変性インピーダンスを表し、ZLNAは図6に示された低ノイズ増幅器(LNA)の出力差動インピーダンスを表している。例えば、Zdeg0=∞(例えば、Zdeg枝のスイッチングトランジスタをターンオフすることにより引き起こすことができる)、Zdeg1=ZLNA/4、そして、Zdeg2=ZLNA/2に設定することにより、受信機の電圧利得は約ファクト2(つまり、6dB)にスケールダウンされることができる。
【0027】
図7−9は、Zdegネットワーク600に利用できるZdegコンポーネント604,606,608のいくつかの例を示している。示された各事例において、左側の第1のリード100は、LNA28に結合されたZdegネットワーク600の一部であるZdegインピーダンス要素(element)604,606,608のリードである。右側の第2のリード101は、スイッチングコア48に結合されたZdegネットワーク600内のZdegインピーダンス要素604,606,608のリードとすることができる。
【0028】
一例では、Zdeg要素(element)702はトランジスタを組み込んでいるスイッチ要素を示す。別のコンフィギュレーションでは、Zdeg要素802はトランジスタに結合された抵抗を組み込んでいる抵抗要素である。さらに、Zdeg素子902はトランジスタに結合されたキャパシタを含んでいる容量要素である。Zdege要素702,802,902内のさまざまな寸法のトランジスタは、受信機の利得をコントロールするためにオンオフされる(switched)ことができる。トランジスタをオンオフすること(switching)により、システムは、特定のZdeg要素またはZdegネットワークの枝をターンオンおよび/またはターンオフする。
【0029】
図10は、受信機内のLNA1002とミキサ1010との間のZdegネットワークのコンフィギュレーションを示すブロック図である。一例では、Zdegネットワーク1000は抵抗性Zdeg要素(図8に示されているように)を含む。抵抗性Zdeg要素は、Zdeg0 604、Zdeg1 606および/またはZdeg2 608とすることができる。示されるように、さまざまなインピーダンス要素が直列または並列に置くことができる。受信機の利得は、Zdegネットワーク1000内の一つまたは複数のトランジスタをオンオフすることにより変えられることができる。
【0030】
図11は、受信機内のLNA1102とミキサ1110との間のZdegネットワーク1100の別のコンフィギュレーションを示すブロック図である。一例では、Zdegネットワーク1100は容量性Zdeg要素(図9に示されているように)を含む。容量性Zdeg要素は、Zdeg0 604、Zdeg1 606および/またはZdeg2 608とすることができる。示されるように、さまざまなインピーダンス要素が直列または並列に置くことができる。受信機の利得は、Zdegネットワーク1100内の一つまたは複数のトランジスタをオンオフすることにより変えられることができる。
【0031】
図12は、受信機内のLNA1202とミキサ1210との間のZdegネットワーク1200のさらに別のコンフィギュレーションを示すブロック図である。一例では、Zdegネットワーク1200はスイッチイングZdeg要素(図7に示されているように)を含む。スイッチングZdeg要素は、Zdeg0 604、Zdeg1 606および/またはZdeg2 608とすることができる。示されるように、さまざまなインピーダンス要素が直列または並列に置くことができる。受信機の利得は、Zdegネットワーク1200内の一つまたは複数のトランジスタをオンオフすることにより変えられることができる。
【0032】
図13は、受信機の利得を調整するための方法1300の一例を示すフロー図である。利得は、前に説明したインピーダンス変性ネットワーク500(Zdegネットワーク)を用いることにより調整されることができる。一例では、変性インピーダンス利得調整ネットワークが提供されることができる1302。前記ネットワークは低ノイズ増幅器(LNA)と受動スイッチングコア(PSC)との間に提供されることができる。一コンフィギュレーションでは、トランスインピーダンス増幅器フィルタ(transimpedance amplifier filter)(TIA−フィルタ)が提供されることができる1304。TIAフィルタは、PSCにより出力される信号を増幅するために結合されることができる。加えて、受信機の利得は調整されることができる1306。利得は必要に応じて一つまたは複数のトランジスタをオンオフすることにより調整されることができる1306。一つまたは複数のトランジスタは変性インピーダンス利得調整ネットワーク内にあることができる。示されるように、受信機が使用中または動作中の間に、受信機の利得は連続的に調整されることができる。
【0033】
上述の図13の方法は、図14に示されたミーンズ・プラス・ファンクションのブロックに対応する、さまざまなハードウエアおよび/またはソフトウエアコンポーネント(単数または複数)および/またはモジュール(単数または複数)により行われることができる。言い換えれば、図13に示されたブロック1302から1306は、図14に示されたミーンズ・プラス・ファンクションのブロック1402から1406に対応する。
【0034】
図15は、無線デバイス1502において利用されることができるさまざまなコンポーネントを示している。無線デバイス1502は、本明細書で述べられたさまざまな方法を実施するために構成されることができるデバイスの一例である。無線デバイス1502は遠隔ステーションでも構わない。
【0035】
無線デバイス1502は、無線デバイス1502の動作をコントロールするプロセッサ1504を含むことができる。プロセッサ1504は中央演算処理装置(CPU)と呼ばれることもある。メモリ1506は、読み出し専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでも構わなく、プロセッサ1504に指令およびデータを提供する。メモリ1506の一部はまた不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでも構わない。プロセッサ1504は、典型的には、メモリ1506内に記憶されたプログラム指令に基づいて、論理的および算術的な動作を行う。メモリ1506内の指令は本明細書で述べた方法を実施するために実行されるがことができる。
【0036】
無線デバイス1502はまた無線デバイス1502とリモート位置(remote location)との間のデータの送信および受信を可能とする送信機1510および受信機1512を筐体(housing)1518を含むことができる。送信機1510および受信機1512は送受信機1514にコンバインされることができる。アンテナ1516は筐体1508に取り付けられ、そして、送受信機1514に電気的に結合されることができる。無線デバイス1502はまたマルチプル送信機、マルチプル受信機、マルチプル送受信機および/またはマルチプルアンテナ(不図示)を含むことができる。
【0037】
無線デバイス1502はまた送受信機1514により受信された信号のレベルを検出して定量化するために用いられることができる信号検出器1518を含むことができる。信号検出器1518は、全エネルギー、擬似ノイズ(PN)チップ当たりのパイロットエネルギー、パワースペクトル密度としての信号および他の信号を検出することが可能である。信号検出器1518はまた信号を処理するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができる。
【0038】
無線デバイス1502のさまざまなコンポーネントは、データバスに加えて、パワーバス、コントロール信号バスおよびステータス信号バスを含むことが可能なバスシステム1522によって結合されても構わない。しかし、明快性のために、さまざまなバスはバスシステム1522として図15では示されている。
【0039】
ここで用いられているように、用語“決定すること(determining)”はさまざまな行動(action)を包含しており、そして、したがって、“決定すること(determining)”は計算すること(calculating)、算出すること(computing)、処理すること(processing)、導出すること(deriving)、調査すること(investigating)、調べること(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造を調べること)、確かめること(ascertaining)などを含むことができる。また、“決定すること(determining)”は、受信すること(receiving)(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(accessing)(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含むことができる。また、“決定すること(determining)”は、解決すること(resolving)、選択すること(selecting)、確立すること(establishing)などを含むことができる。
【0040】
用語“基づく(based on)”は、明確に特定していないのであれば、“だけに基づく(based only on)”を意味するのではない。言い換えれば、用語“基づく(based on)”は、“だけに基づく(based only on)”および“少なくとも基づく(based at least on)”の両方を表現している。
【0041】
本開示に関連して記載されたさまざまな例示の論理ブロック、モジュールおよび回路は、ここにおいて説明された機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウエアコンポーネントまたはそれらの組合せを用いて実施または行われることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替案においては、プロセッサは、商用の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシーンとすることもできる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せとして、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の適切な任意のコンフィギュレーションとして実施されることもできる。
【0042】
ここにおいて開示される態様に関連して説明される方法またはアルゴリズムについてのステップは、ハードウェアの形で直接に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの形で、あるいはそれら2つの組合せの形で実施されることができる。ソフトウエアモジュールは従来知られている如何なる形態の記憶媒体内にも存在することができる。用いられることができる記憶媒体のいくつかの例は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROMなどを含む。ソフトウエアモジュールは、単一の(single)命令または多数の命令を具備することができ、そして、異なるプログラム(programs)の中(among)に、かつ、複数の記憶媒体にまたがっている(acrooss)、いくつかの異なるコードセグメント上に分散されても構わない。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、かつ、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されても構わない。別の方法では、記憶媒体はプロセッサに統合されていても構わない。
【0043】
ここに開示された方法は、記載された方法を達成するための一つまたは複数のステップまたはアクションを具備している。方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、互いに交換可能である。言い換えれば、特定の順番のステップまたはアクションが明確に指定されていなければ、特定のステップおよび/またはアクションの順番および/または使用は、特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、変更可能である。
【0044】
述べられた機能は、ハードウェハ、ソフトウエア、ファームウェアまたはそれらの如何なる組合せにおいて実施できる。もしソフトウエアで実施されならば、機能はコンピュータ読取り可能媒体上に一つまたは複数の指令として記憶されることができる。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータによりアクセスされることができる如何なる利用できる媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、コンピュータ読取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを搬送し、または記憶するために使用されることができ、そしてコンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体を具備することができる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピディスク、およびBlu−ray(登録商標)を含み、ここでディスク(disks)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。
【0045】
ソフトウエアまたは命令はまた伝送媒体上に送信されても構わない。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、伝送媒体の定義の中に含まれる。
【0046】
さらに、図15に示される方法および技術のような、本明細書で述べられた方法および技術を行うためのモジュールおよび/または他の適当な手段は、規定どおりに携帯デバイスおよび/または基地局により、ダウンロードおよび/または別のやり方で取得されることができると認識されるべきである。例えば、そのようなデバイスは、本明細書で述べられた方法を行うための手段の転送を容易にするためのサーバーに結合されることができる。あるいは、本明細書で述べられたさまざまな方法は、記憶手段をデバイスに結合または提供すると携帯デバイスおよび/または基地局がさまざまな方法を取得できるように、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)またはフロッピディスクなどのような物理的記憶媒体)を介して提供されることができる。さらに、本明細書で述べられた方法および技術をデバイスに提供するための如何なる他の適切な技術は利用されることができる。
【0047】
請求項は、上記に示された厳密なコンフィギュレーションおよびコンポーネントだけに限定されないと理解されるべきである。本明細書で述べられたシステムの配置、動作および詳細、方法、および、装置は、特許請求の範囲を逸脱することなく、さまざまな修正、変更および変形を行うことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路は以下を具備すること:
第1の出力リードおよび第2の出力リードを有する低ノイズ増幅器(LNA);
第1の信号入力リード、第2の信号入力リード、第1の信号出力リード、第2の信号出力リード、第1のローカルオシレータ入力リードおよび第2のローカルオシレータ入力リードを有する受動スイッチングコア(PSC);
第1の入力リード、第2の入力リード、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有するトランスインピーダンス増幅器フィルタ(TIAフィルタ);
第1のZdegネットワーク入力リード、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有し、ここにおいて、前記第1のZdegネットワーク入力リードは前記LNAの前記第1の出力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク入力は前記LNAの第2の出力リードに結合され、および、ここにおいて、前記第1のZdegネットワーク出力リードは前記PSCの前記第1の信号入力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク出力は前記PSCの前記第2の信号入力リードに結合されている、変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク);
ここにおいて、前記LNA、前記Zdegネットワーク、前記PSCおよび前記TIAフィルタはともに受信機を形成し、および、ここにおいて、受信機利得は前記Zdegネットワークによって調整される。
【請求項2】
請求項1の回路において、前記Zdegネットワークは複数の変性インピーダンス要素(複数のZdeg)を具備してなり、ここにおいて、各Zdegは第1のZdegリードおよび第2のZdegリードを具備している。
【請求項3】
請求項2の回路において、各Zdegはさらにトランジスタを具備してなり、それによって各Zdegはターンオンおよびターンオフされる。
【請求項4】
請求項3の回路において、前記受信機利得は、一つまたは複数の前記Zdegをオンまたはオフにターンすることにより、調整される。
【請求項5】
請求項2の回路において、前記前記Zdegの各々は、直列に結合されたトランジスタ、抵抗およびトランジスタ、および、直列に結合されたキャパシタおよびトランジスタからなるグループから選ばれる。
【請求項6】
請求項1の回路において、前記LNAの前記第1および第2の出力リードと前記PSCの前記第1および第2の入力リードとの間の信号経路に配置された能動gmセルは無い。
【請求項7】
請求項6の回路において、前記PSCは、
前記第1のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第1の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リードに結合された第3のゲートターミナルを有する第1の電界効果トランジスタ(FET)、
前記第1のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第2の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リードに結合された第3のゲートターミナルを有する第2のFET、
前記第2のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第1の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リードを受けるように(receive)結合された第3のゲートターミナルを有する第3のFET、
前記第2のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第2の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リードを受けるように(receive)結合された第3のターミナルを有する第4のFET、
を含む。
【請求項8】
請求項6の回路において、前記TIAフィルタは、フィルタ特性を有し、そして、前記受信機内でベースバンドフィルタとして仕える。
【請求項9】
請求項1の回路において、前記受信機はセルラ電話内の受信機である。
【請求項10】
請求項6の回路において、前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リード上の第1のローカルオシレータ信号は50パーセントの時間以下の間がアクティブであり、および、ここにおいて、前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リード上の第2のローカルオシレータ信号は50パーセントの時間以下の間がアクティブである。
【請求項11】
請求項6の回路において、前記Zdegネットワークは、複数のインピーダンスの一つを有するためにプログラム可能である。
【請求項12】
無線デバイスは以下を具備すること:
送信機;
受信機,ここにおいて、前記受信機は以下を具備すること:
第1の出力リードおよび第2の出力リードを有する低ノイズ増幅器(LNA);
第1の信号入力リード、第2の信号入力リード、第1の信号出力リード、第2の信号出力リード、第1のローカルオシレータ入力リードおよび第2のローカルオシレータ入力リードを有する受動スイッチングコア(PSC);
第1の入力リード、第2の入力リード、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有するトランスインピーダンス増幅器フィルタ(TIAフィルタ);
第1のZdegネットワーク入力リード、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有し、ここにおいて、前記第1のZdegネットワーク入力リードは前記LNAの前記第1の出力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク入力は前記LNAの第2の出力リードに結合され、および、ここにおいて、前記第1のZdegネットワーク出力リードは前記PSCの前記第1の信号入力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク出力は前記PSCの前記第2の信号入力リードに結合されている、変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク);
ここにおいて、前記LNA、前記Zdegネットワーク、前記PSCおよび前記TIAフィルタはともに受信機を形成し、および、ここにおいて、受信機利得は前記Zdegネットワークによって調整される
【請求項13】
請求項12の無線デバイスにおいて、前記Zdegネットワークは複数の変性インピーダンス要素(複数のZdeg)を具備してなり、ここにおいて、各Zdegは第1のZdegリードおよび第2のZdegリードを具備している。
【請求項14】
請求項13の無線デバイスにおいて、各Zdegはさらにトランジスタを具備してなり、それによって各Zdegはターンオンおよびターンオフされる。
【請求項15】
請求項14の無線デバイスにおいて、前記受信機利得は、一つまたは複数の前記Zdegをオンまたはオフにターンすることにより、調整される。
【請求項16】
請求項13の無線デバイスにおいて、前記前記Zdegの各々は、直列に結合されたトランジスタ、抵抗およびトランジスタ、および、直列に結合されたキャパシタおよびトランジスタからなるグループから選ばれる。
【請求項17】
請求項12の無線デバイスにおいて、前記LNAの前記第1および第2の出力リードと前記PSCの前記第1および第2の入力リードとの間の信号経路に配置された能動gmセルは無い。
【請求項18】
請求項17の無線デバイスにおいて、前記PSCは、
前記第1のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第1の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リードに結合された第3のゲートターミナルを有する第1の電界効果トランジスタ(FET)、
前記第1のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第2の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リードに結合された第3のゲートターミナルを有する第2のFET、
前記第2のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第1の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リードを受けるように(receive)結合された第3のゲートターミナルを有する第3のFET、
前記第2のZdegネットワーク出力リードに結合された第1のターミナル、前記TIAの前記第2の入力リードに結合された第2のターミナルおよび前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リードを受けるように(receive)結合された第3のゲートターミナルを有する第4のFET、
を含む。
【請求項19】
請求項18の無線デバイスにおいて、前記TIAフィルタは、フィルタ特性を有し、そして、前記受信機内でベースバンドフィルタとして仕える。
【請求項20】
請求項12の無線デバイスにおいて、前記受信機はセルラ電話内の受信機である。
【請求項21】
請求項17の無線デバイスにおいて、前記PSCの前記第1のローカルオシレータ入力リード上の第1のローカルオシレータ信号は50パーセントの時間以下の間がアクティブであり、ここにおいて、前記PSCの前記第2のローカルオシレータ入力リード上の第2のローカルオシレータ信号は50パーセントの時間以下の間がアクティブである。
【請求項22】
請求項17の無線デバイスにおいて、前記Zdegネットワークは、複数のインピーダンスの一つを有するためにプログラム可能である。
【請求項23】
請求項12の無線デバイスにおいて、前記無線デバイスはハンドセットである。
【請求項24】
回路は以下を具備すること:
受動ミキサを含み、能動gmセルを含まないSAWレス受信機チェーン,ここにおいて、前記SAWレス受信機は、前記SAWレス受信機は、低ノイズ増幅器(LNA)、前記受動ミキサ、および、前記受動ミキサからの信号出力を受信するトランスインピーダンス増幅器フィルタ(TIAフィルタ)を含む;および
増前記LNAと前記受動ミキサとの間の信号経路にインピーダンスを供給するための手段、ここにおいて、受信機利得はインピーダンスを提供するための前記手段によりコントロールされる。
【請求項25】
請求項24の回路において、前記インピーダンスは変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク)を具備する。
【請求項26】
請求項25の回路において、前記Zdegネットワークは複数の変性インピーダンス要素(複数のZdeg)を具備し、ここにおいて、各Zdegは第1のZdegリードおよび第2のZdegリードを具備する。
【請求項27】
請求項26の回路において、一つまたは複数の前記Zdegをオンまたはオフにターンすることにより、前記受信機利得を調整するための手段をさらに具備していること。
【請求項28】
受信機の利得を調整するための方法、前記方法は以下を具備すること:
変性インピーダンス利得調整ネットワーク(Zdegネットワーク)であって、第1のZdegネットワーク入力リード、第2のZdegネットワーク入力リード、第1のZdegネットワーク出力リードおよび第2のZdegネットワーク出力リードを有し、ここにおいて、前記第1のZdegネットワーク入力リードは低ノイズ増幅器(LNA)の第1の出力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク入力は前記LNAの第2の出力リードに結合され、および、ここにおいて、第1のZdegネットワーク出力リードは受動スイッチングコア(PSC)の第1の信号入力リードに結合され且つ前記第2のZdegネットワーク出力は前記PSCの第2の信号入力リードに結合されている、前記Zdegネットワークを、一つまたは複数のトランジスタとともに提供すること;
第1の入力リード、第2の入力リード、第1の出力リードおよび第2の出力リードを有するトランスインピーダンス増幅器フィルタ(TIAフィルタ)を提供すること;および
一つまたは複数のトランジスタをオンまたはオフにスイッチングすることにより、受信機の前記利得を調整すること、ここにおいて、前記LNA、前記Zdegネットワーク、前記PSCおよび前記TIAフィルタはともに受信機を形成している。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−530242(P2011−530242A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521381(P2011−521381)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/052583
【国際公開番号】WO2010/017137
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】