説明

利用者端末制御方法、および、省エネ制御装置

【課題】利用者に不便を強いることなく、利用者端末の省エネ制御を充分に行うこと。
【解決手段】コンピュータが、通知された利用者端末の不使用状態の発生時刻と、利用者端末の利用者の予定情報とをベイジアンネットのグラフ構造のノードに入力し、入力されたノードを起点として、不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、ベイジアンネットの確率計算により、不使用状態終了時刻を求め、経過時間と、不使用状態の発生時刻から求めた不使用状態終了時刻までの不使用時間を経過時間として、その経過時間に対応する利用者端末の省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、利用者端末を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者端末制御方法、および、省エネ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が利用する利用者端末に対する省エネ制御として、特許文献1には、着座センサによって着席しているか否かの判断を行い、タイマーの設定時間に達すると省電力制御を行う方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザの状態と予め設定されたユーザの予定情報により、コンピュータの電源を制御できる方法が、開示されている。
特許文献3では、利用者端末に対する入力コマンドの時期を、過去のコマンド間隔の分布に基づいて予測する方法が、開示されている。
【特許文献1】特開2002−73222号公報
【特許文献2】特開2004−334585号公報
【特許文献3】特許第3819166号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
省エネ制御とは、単に利用者端末の使用電力を最小化するだけでは不充分である。利用者が利用者端末を使用したいときに、休止モードなどの復帰に時間を要する省エネモードになっていると、利用者は利用者端末が通常使用できるように復帰するまで、待つこととなり、不便を強いられてしまう。よって、利用者端末が使用されていない時間帯はなるべく消費電力を抑えつつ、利用者端末が使用される時間帯は、通常使用できるようになっていることが、望ましい。
【0005】
しかしながら、前記した各従来技術は、利用者端末の使用時間を高精度で求めることを実現できていないため、利用者に不便をかけ、消費電力の抑制を充分に達成することができなかった。例えば、特許文献1の方法では、電源オフは、離席などの利用者の行動に関係なく設定されたタイマーの設定時間に依存している。特許文献2の方法は、利用者の予定情報から利用者の行動を推定するが、予定情報が入力されていないときには、利用者端末の使用時間は特定できない。特許文献3の方法は、入力コマンドの履歴という限られた情報だけを使用しているため、予測精度が低い。
【0006】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、利用者に不便を強いることなく、利用者端末の省エネ制御を充分に行うことを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、利用者が使用する利用者端末の省エネモードを制御する利用者端末制御方法であって、
前記利用者端末の時間帯ごとの不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を示す行動モデルが、グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネットとして記憶部に記憶され、
前記グラフ構造が、前記不使用状態開始時刻を示すノードおよび利用者の予定情報を示すノードから利用者の行動内容を示すノードへのリンクと、前記行動内容を示すノードから行動内容の終了時刻を示すノードへのリンクと、前記行動内容の終了時刻を示すノードから前記不使用状態終了時刻を示すノードへのリンクと、を有し、
前記条件付確率データが、前記グラフ構造に含まれる各ノードを確率変数としたときの取りうる変数値とその確率値として記憶され、
コンピュータが、
検知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
通知された不使用状態の発生時刻における利用者の予定情報を前記記憶部から読み取り、前記読み取った利用者の予定情報を前記グラフ構造の前記利用者の予定情報に対応するノードに入力するとともに、前記通知された不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記不使用状態終了時刻を求め、
経過時間と、その経過時間における前記利用者端末の前記省エネモードとを、対応づける前記省エネモード情報を前記記憶部から読み取り、前記通知された不使用状態の発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの前記不使用時間を経過時間としたときに対応づけられる前記利用者端末の前記省エネモードを特定し、
特定した前記利用者端末の前記省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、前記利用者端末を制御することを特徴とする。その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、利用者に不便を強いることなく、利用者端末の省エネ制御を充分に行うことが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、省エネシステム(利用者端末制御システム)を示す構成図である。省エネシステムは、行動予測装置1、予定管理装置2、省エネ制御装置3、および、1台以上の利用者端末4がネットワークで接続されて構成される。なお、省エネ制御装置3、行動予測装置1は、利用者端末4とは別の筐体に設置する代わりに、利用者端末4の内部に配置することで、単独の利用者端末4でも省エネ制御ができる。
【0010】
省エネシステムの各装置,各端末は、演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで、実現される。
【0011】
行動予測装置1は、利用者端末4の利用者の行動を予測するため、行動モデル記憶部11、行動モデル構築部12、行動データ記憶部13、行動予測部14、および、類似利用者検出部15を有する。
【0012】
行動モデル記憶部11は、行動モデル構築部12が構築した各利用者の行動モデルを、ベイジアンネットの形式により記憶する。ベイジアンネットは、例えば、ベイジアンネットソフトウェア(Hugin Expert社の製品Hugin Developerなど)により実装され、書籍「ベイジアンネット技術顧客・ユーザモデリングと不確実性推論(本村陽一、岩崎弘利著東京電機大学出版局)」に記述されている。
【0013】
ベイジアンネットとは、グラフ構造11aと、条件付確率データ11bとにより定義されるデータ構造である。グラフ構造11aと、条件付確率データ11bとで共通して出現する確率変数は、取りうる変数値とその変数値の確率との組が、複数組定義される変数である。グラフ構造11aは、個々の確率変数をノードで示し、確率変数間の定性的な因果関係をノードからノードへの単方向リンクで示す。条件付確率データ11bは、個々の確率変数が取りうる変数値の組み合わせごとに、その組み合わせが発生する確率(条件付確率)を定義する。
【0014】
図2は、グラフ構造11aの一例を示す説明図である。グラフ構造11aは、利用者ごとに同じデータが使用される。図2(a)は利用者が本人であるときのグラフ構造11aを示し、図2(b)は利用者が類似利用者(本人利用者に類似した行動をする利用者)であるときのグラフ構造11aを示す。
【0015】
入力ノードは、「不使用状態開始時刻」、「予定有無」、「予定名」、「予定開始時刻」、「予定終了時刻」である。これらの入力ノードは、行動予測を計算するための入力データを反映した変数値が設定される。入力ノードからリンクされる利用者状態ノードは、「食事中」、「休憩中」、「予定行動中」である。利用者の行動は、これらの利用者状態ノードが示す状態に分類される。そして、各利用者状態ノードは、その状態の終了時刻を示すノードへとリンクされる。なお、図2(b)は、図2(a)と比較すると、ノード「予定有無」が無く、ノード「予定名」、「予定開始時刻」、「予定終了時刻」が、それぞれ類似利用者のものとなる。
【0016】
ここで、入力ノードの「予定有無」および各利用者状態ノードは、取りうる値が二値(真であるY、偽であるN)である確率変数である。「予定有無」の変数値「真」とは、このグラフ構造11aに対応する利用者には、「不使用状態開始時刻」において予定が存在する旨を示す。「食事中」の変数値「真」とは、このグラフ構造11aに対応する利用者が「食事中」という行動をとっている旨を示す。
【0017】
各利用者状態ノードの終了時刻を示すノードからリンクされる出力ノードは、「不使用状態終了時刻」である。つまり、利用者の行動予測とは、利用者が「不使用状態開始時刻」から「不使用状態終了時刻」までの不使用時間において、利用者端末4を不使用にする旨の予測である。
【0018】
【表1】

表1は、条件付確率データ11bの一例を示す。表1には、図2の確率変数「食事中」の変数値(Y,N)と、確率変数「不使用状態開始時刻(開始と省略)」の変数値(-12:10,12:10-12:20,12:20-12:30,12:30-12:40,12:40-)と、確率変数「不使用状態終了時刻(終了と省略)」の変数値(12:00-12:20,12:20-12:30,12:30-12:40,12:40-12:50,12:50-13:00)と、の組み合わせによる条件付確率値が、0.0[%]から100.0[%]までの間でそれぞれ記述されている。
【0019】
例えば、不使用状態開始時刻が「12:10-12:20」だった場合は、食事終了時刻が「12:30-12:40」である確率「2.5%」、「12:40-12:50」である確率「75.0%」、および、「12:50-13:00」である確率「22.5%」が、それぞれ示されている。なお、確率値について、初期値は事前に適当な値(ランダム値、0などの定数、他の利用者の条件付確率データ11bからコピーされた値など)が与えられる。そして、確率値は、所定利用者の行動結果をもとにした学習により更新される。これにより、行動予測の精度が改善される。
【0020】
なお、利用者の行動内容が予定に記述されておらず、利用者端末4が不使用である時間帯は、図2(a)のノード「休憩中」に分類される。なお、「休憩中」とは、あくまで説明の理解を助けるための名称であり、文字通り利用者が休憩しているときだけでなく、利用者が予定には記述されていない離席をして一時的に議論をしていたり、文献調査のために資料室に一時的に移動していたりする事象も含む、予定管理からは不明な行動時間の総称である。
【0021】
図2(a)のノード「予定有無」から「休憩中」および「予定行動中」へ、それぞれリンクが設定されている。このリンクにより、「予定有無」が変数値「Y(予定がある)」であるときには、「予定行動中」が変数値「Y(利用者が予定行動中である)」という因果関係がある。同様に、「予定有無」が変数値「N(予定がない)」であるときには、「休憩中」が変数値「Y(利用者が休憩中である)」という因果関係がある。
【0022】
例えば、所定社員は、毎週金曜日の午後3時から午後4時まで文献調査を行う習慣があったとする。よって、金曜日の午後3時に、この所定社員の利用者端末が不使用が開始されたとすると、文献調査中で離席しているので、「午後4時までは不使用が終了しない」という行動予測が行われることが望ましい。
【0023】
行動予測装置1は、前記した習慣が反映された規則性のある学習データ(所定社員の行動データ)が次々に与えられると、ベイジアンネットの学習機能により条件付確率データ11bを更新し続ける。このとき、各時刻を示す確率変数の変数値は、曜日ごとに時間帯を示す値を規定すると、毎週金曜日に行われる習慣が確率変数に反映されやすい。その結果、学習を行うに従って、習慣が反映された望ましい行動予測が行われるようになる。
【0024】
図1に戻り、行動モデル構築部12は、省エネ制御装置3から受信した利用者端末4および予定管理装置2のデータから、ベイジアンネットの確率計算を行うことで、行動モデル記憶部11に記憶される各利用者の行動モデルを構築する。
【0025】
【表2】

表2は、行動データ記憶部13(図1)の一例を示す。行動データ記憶部13は、利用者ごとのプレゼンスを示す利用者端末4の端末状態(不使用の開始および終了)と、予定記憶部21に記憶されている各利用者の予定情報とを、時間帯別に記憶する。例えば、「Aさん」は、4月5日の海外事業部会議(13:00-17:00)により離席するため、その前後の時間帯(12:30-17:30)に利用者端末4を不使用にする。
【0026】
行動予測部14は、行動モデル記憶部11に記憶される各利用者の行動モデルをもとに、ベイジアンネットの確率計算により、利用者端末4が使用状態に復帰する時刻(端末不使用終了時刻)を行動予測する。この行動予測の結果は、省エネ制御レベルを決定するために使用される。
【0027】
図3は、省エネ効果を示す説明図である。グラフの横軸は経過する時間を示し、グラフの縦軸は利用者端末4のエネルギ消費量を示す。グラフ上の吹き出しは、その指し示す時点における省エネ制御の内容を示す。通常使用→モニタオフ→スタンバイ→休止、と時間経過と共に省エネ制御エネルギ消費量が少ない省エネモードへと移行する。
【0028】
まず、グラフの実線は、あらかじめ設定された省エネモード情報に基づいて、不使用時間が経過するほどエネルギ消費量を減らすように段階的に省エネ制御レベルを変更する方法を示す。この方法では、利用者の行動予測が行われていないため、例えば、利用者が会議などの予定により所定時間(t1〜t4)離席するにもかかわらず、省エネ制御は利用者がすぐに作業に復帰できるようにモニタオフ(t2)などの軽い制御をしてから、徐々にスタンバイ(t3)などの重い制御に移行するため、省エネが充分に行われないという問題がある。
【0029】
一方、グラフの点線は、行動予測に基づいて、省エネ制御レベルを変更する方法を示す。この方法では、例えば、利用者が会議などの予定により所定時間(t1〜t4)離席することを行動予測し、その不使用時間には利用者端末4(図1)が使用されないと推定する。よって、離席が開始する時刻(t1)における省エネ制御を、離席が終了する時刻(t4)における省エネ制御レベルであるスタンバイにまで一度に落とすことができる。よって、行動予測を行わない方式で問題となっていた省エネ効果が不充分な部分(グラフの斜線領域の面積部分)にまで省エネ効果を向上することができる。
【0030】
なお、行動予測された不使用時間は、予定に記載されない昼休み、定期的な会議などの行動、予定に記載された会議などの利用者の行動内容と、その行動を開始する不使用状態開始時刻により、それぞれに適した長さになる。不使用時間には利用者端末4が使用されないので、省エネモードの省エネ制御レベルは両方式で同じことが期待される。よって、省エネモードから通常使用モードへの復帰時間は両方式で同じなので、利用者の利便性が損なわれることはない。
【0031】
図1に戻り、類似利用者検出部15は、本人利用者の予定が実際にはあるにもかかわらず、予定記憶部21に予定情報として登録されていない場合、行動データ記憶部13が保持しているすべての利用者の中で、本人利用者に類似した行動をする利用者を類似利用者として検出する。検出された類似利用者の予定情報は、本人利用者の予定情報であると推定される。これにより、予定記憶部21への予定情報の登録を怠っている利用者に対しても、行動予測を可能とする。
【0032】
【表3】

表3は、予定記憶部21の一例を示す。予定管理装置2は、利用者端末4から利用者ごとの予定情報の登録、修正、削除を受け付け、予定記憶部21に書き込む。表3では、利用者1人分の予定情報を例示しているが、予定情報は利用者ごとに管理される。さらに、予定管理装置2は、省エネ制御装置3からの問い合わせ(利用者と時間帯とを検索キーとする)を受け、予定記憶部21に記憶された問い合わせに該当する該当する予定情報を読み込み、省エネ制御装置3に回答する。
【0033】
省エネ制御装置3は、利用者情報記憶部31、省エネモード情報一時記憶部32、状態通知処理部33、および、省エネ制御指示部34を有する。
【0034】
利用者情報記憶部31は、利用者端末4の識別名と、利用者IDと、利用者名と、を対応づけて記憶する。これらの対応付けされたデータは、あらかじめ管理者などにより入力されている。各利用者端末4は、各利用者が占有して利用するものとする。利用者端末4の識別名を検索キーとして問い合わせがあると、その利用者端末4の識別名に対応する利用者IDと、利用者名と、を記憶しているデータから検索して、回答する。
【0035】
省エネモード情報一時記憶部32は、各利用者端末4の省エネモード情報記憶部42から読み取った省エネモード情報を、利用者端末4ごとに一時的に記憶する。
【0036】
状態通知処理部33は、端末状態判定部41から通知された端末状態を受け付けると、その端末状態が「使用状態」なら行動予測部14に省エネ制御を指示し、その端末状態が「不使用状態」なら行動モデル構築部12に行動モデル構築を指示する。状態通知処理部33は、これらの指示に必要なデータを、予定記憶部21、利用者情報記憶部31、および、省エネモード情報一時記憶部32からそれぞれ取得する。
【0037】
省エネ制御指示部34は、行動予測部14から返信された行動予測結果に基づき、利用者端末4の省エネ制御を省エネ制御部43に指示する。省エネ制御は、図3(グラフの点線)に示したように、行動予測に基づく省エネ制御レベルの省エネモード(例えば、スタンバイモード)に、移行する旨の制御である。
【0038】
利用者端末4は、端末状態判定部41と、省エネモード情報記憶部42と、省エネ制御部43と、を有する。
【0039】
端末状態判定部41は、利用者端末4の動作を監視し、所定期間入力操作が行われたか否かを判断することで、「使用状態」か「不使用状態」かを判定し、その結果として状態が変化したときには、状態通知処理部33に通知する。
【0040】
【表4】

表4は、省エネモード情報記憶部42の一例を示す。省エネモード情報記憶部42は、省エネを実現するための利用者端末4の制御内容と、その制御内容を実施するまでの時間と、を対応づけて記憶する。
【0041】
省エネ制御部43は、省エネ制御指示部34から指示された省エネモード(例えば、スタンバイモード)へと、自装置を移行する。さらに、省エネモード中に離席した利用者が着席し、入力操作を行ったときには、省エネモードから通常使用(使用状態)へと復帰する。
【0042】
図4は、利用者端末4の端末状態を監視し、その結果を省エネ制御装置3に通知する処理を示すフローチャートである。
【0043】
端末状態判定部41は、自装置である利用者端末4の端末状態を定期的に監視する(S101)。なお、端末状態とは、使用状態または不使用状態に分類される。キークリックが所定時間行われずにスクリーンセーバが起動したり、ログアウトが入力されたりすると、使用状態から不使用状態へ変化する。一方、スクリーンセーバが終了したり、ログインが入力されたり、不使用状態からキーボードやマウスなどを介して入力操作が行われたりすると、不使用状態から使用状態へ変化する。
【0044】
端末状態判定部41は、端末状態の変化を検知するまで、端末状態の監視(S101)を続行する(S102)。例えば、スクリーンセーバの起動あるいは終了は、Microsoft社のWindows(登録商標)2000、Windows(登録商標)XPに組み込まれているイベントビューアを利用して、検知することができる。
【0045】
端末状態判定部41は、端末状態の変化を検知すると(S102,Yes)、検知した端末状態に関する情報を省エネ制御装置3に送信する(S103)。端末状態に関する情報は、自装置である利用者端末4の識別名、検知した変化後の端末状態、その端末状態の開始日時(端末状態の変化時刻と同じ)、および、省エネモード情報記憶部42に記憶されている自装置の省エネモード情報である。
【0046】
省エネ制御装置3は、受信した省エネモード情報を省エネモード情報一時記憶部32に保存する(S104)。状態通知処理部33は、利用者情報記憶部31を参照して、受信した利用者端末4の識別名から利用者情報(利用者IDおよび利用者名)を特定する(S105)。
【0047】
状態通知処理部33は、受信した端末状態が不使用状態のときには(S106,不使用)、図5の省エネ制御処理を呼び出す(S107)。一方、受信した端末状態が使用状態のときには(S106,使用)、図6の行動モデル構築処理を呼び出す(S108)。
【0048】
図5は、図4の省エネ制御処理(S107)の詳細を示すフローチャートである。
【0049】
状態通知処理部33は、受信した端末状態における利用者の予定情報を予定管理装置2から取得する(S201)。具体的には、変化発生時刻に特定した利用者が行動する予定情報を、予定管理装置2に問い合わせる。予定管理装置2は、受信した問い合わせに該当する予定情報を予定記憶部21から検索し、その結果を予定情報として回答する。なお、予定行動の予定開始時刻と、変化発生時刻とがちょうど同じになることはまれであるので、変化発生時刻を中心に所定時間(前後10分など)の時間帯と、予定行動の時間帯(予定開始時刻〜予定終了時刻)とを比較し、少なくとも一部の時間帯が重なるような予定行動を取得してもよい。
【0050】
状態通知処理部33は、行動予測の計算指示を行動予測部14に送信する(S202)。なお、行動予測の計算指示には、予定管理装置2から回答された予定情報に加え、端末状態判定部41から送信された端末状態に関する情報と、特定された利用者情報とを含む。行動予測部14は、受信した行動予測の計算指示に含まれる情報を行動データ記憶部13に保存する(S203)。
【0051】
行動予測部14は、受信した行動予測の計算指示に含まれる情報をもとに、利用者の行動(不使用状態終了時刻)を予測する(S204)。具体的には、以下の(1)〜(3)の手順で行うことで、利用者の行動を予測する。
(1)行動予測の計算指示で指定された利用者の行動モデル(グラフ構造11a、条件付確率データ11b)を取得する。
(2)行動予測の計算指示に含まれる情報を、グラフ構造11aの入力ノードに適合するように変換する。具体的には、行動予測の計算指示に含まれる変化発生時刻を、その時刻が含まれる「不使用状態開始時刻」の時間帯に変換し、行動予測の計算指示に含まれる予定情報を、「予定名」、「予定開始時刻」、「予定終了時刻」に変換する。
(3)グラフ構造11aの入力ノードから出力ノードまでのノードをリンク順に辿り、各ノードでの条件付確率データ11bを参照してベイジアンネットの確率計算を行うことで、出力ノード「不使用状態終了時刻」の変数値およびその確率を計算する。
【0052】
なお、利用者本人の予定情報が予定記憶部21に登録されていないこともある。よって、図2(a)に示す利用者本人の行動モデル(グラフ構造11aおよび条件付確率データ11b)を行動予測に用いる代わりに、図2(b)に示す類似利用者の行動モデルを行動予測に用いてもよい。具体的には、S204の前処理として、類似利用者検出部15は、以下の(1)〜(3)の手順により、類似利用者の行動モデルを取得する。
(1)行動データ記憶部13が保持しているすべての利用者のデータを取得する。
(2)対象となる利用者以外のすべての利用者から、類似利用者候補を選別する。具体的には、現在時刻から過去のある一定の期間内(例えば、1ヶ月)において、ある一定時刻の誤差(例えば、5分)を考慮して利用者端末4の状態変化の時刻が同じである割合を算出する。その際、対象となる利用者以外の利用者をUi(i=1,2,3,…)とすると、Uiについて期間内の利用者端末4状態変化の総数をNi、対象となる利用者と同じ利用者端末4状態変化の数をniとして、ni/Niを計算して類似度の順位を決定する。例えば、表2では、Bさんを利用者本人とすると、利用者の状態変化は6回(4月5日に2回、4月6日に4回)行われている。類似利用者候補のAさんは、Aさんの状態変化の総数6回(N1=6)のうち、Bさんの状態変化(時刻および内容)が6回(n1=6)一致するので、類似度は、6/6=1である。一方、類似利用者候補のCさんは、類似度が2/2=1である。
(3)選別した類似利用者候補から、行動データ記憶部13に予定情報が登録されている利用者のうち、類似度の高い利用者を類似利用者として採用する。例えば、表2では、AさんとCさんの類似度が同じ値「1」となり、そのときには状態変化の回数が多いAさんが類似利用者として採用される。
【0053】
行動予測部14は、利用者の予測結果を省エネ制御指示部34に回答する(S205)。ただし、予測結果が確率的に充分な値(例えば50%)に満たない場合は、予測不能の旨を回答してもよい。
【0054】
省エネ制御指示部34は、受信した予測結果が存在し(S206,Yes)、かつ、不使用状態開始時刻から不使用時間(不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの時間)分先の省エネモード情報が省エネモード情報一時記憶部32に存在する(S207,Yes)ときには、存在する省エネ制御モードへの移行を省エネ制御部43に命令する(S208)。省エネ制御部43は、受信した命令に従って、省エネ制御モードへ移行する(S209)。
【0055】
なお、S207において、受信した予測結果が、複数の不使用状態終了時刻の候補とその確率により構成されていたときには、それらの候補の中から最も確率の高い不使用状態終了時刻を採用してもよいし、最も早い不使用状態終了時刻を採用してもよい。
【0056】
図6は、図4の行動モデル構築処理(S108)の詳細を示すフローチャートである。
【0057】
状態通知処理部33は、行動モデルの構築指示を行動モデル構築部12に送信する(S301)。なお、行動モデルの構築指示には、端末状態判定部41から送信された端末状態に関する情報と、特定された利用者情報と、を含む。行動モデル構築部12は、受信した行動モデルの構築指示に含まれる情報を行動データ記憶部13に記憶する(S302)。
【0058】
行動モデル構築部12は、受信した行動モデルの構築指示に含まれる情報をもとに、行動モデルを構築する(S303)。行動モデルの構築は、以下の(1)〜(5)の手順で実行される。
(1)構築指示で指定された利用者IDが示す利用者の行動データを、行動データ記憶部13から取得する。同様に、利用者の予定情報を予定記憶部21から取得する。
(2)行動モデル記憶部11に保持されている利用者の行動モデルを取得する。
(3)前記(1)および(2)取得したデータについて、グラフ構造11aの各ノードに適合するように、変換する。具体的には、利用者の行動データ(端末不使用開始時刻〜端末不使用開始時刻)を、入力ノード「不使用状態開始時刻」および出力ノード「不使用状態終了時刻」に、予定情報を入力ノード「予定有無」、「予定名」、「予定開始時刻」、「予定終了時刻」に、それぞれ変換する。
(4)変換した各ノードの変数値から、すべてのノードについて条件付確率データ11bの確率値をベイジアンネットの確率計算により計算し直す。例えば、不使用状態開始時刻が「10:00-10:10」、予定有無が「Y」、予定名が「チーム会議」、予定開始時刻が「10:00-10:10」、予定終了時刻が「11:50-12:00」の際に、不使用状態終了時刻が「90-120分後」であるデータ、および、この条件で不使用状態終了時刻が「60-90分後」であるデータ、というようにすべてのデータについて、最上位のパラメータでは、それぞれの値の生起確率、それ以降のパラメータでは、条件に応じた値の生起確率を計算する。
(5)計算し直した行動モデル(条件付確率データ11b)を行動モデル記憶部11に保存する。
【0059】
そして、行動モデル構築部12は、行動モデルの構築完了を状態通知処理部33に回答する(S304)。
【0060】
以上説明した本発明は、以下のようにその趣旨を逸脱しない範囲で広く変形実施することができる。例えば、不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を行動予測により求めた結果は、省エネ制御に活用されることとしたが、各利用者の行き先や戻り時刻を表示するアプリケーションに、利用者の離席時間を表示させてもよい。
【0061】
また、利用者端末4の不使用時間について、利用者の作業以外の用途に利用者端末4を流用してもよい。例えば、科学技術計算などの膨大な処理を利用者端末4に分散させて実行するグリッドコンピュータの処理を、不使用期間に適したタスク分だけ実行させることで、利用者に不便を感じさせずに、利用者端末4を有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に関する省エネシステム(利用者端末制御システム)を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に関するグラフ構造の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に関する省エネ効果を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に関する利用者端末の端末状態を監視し、その結果を省エネ制御装置に通知する処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に関する省エネ制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に関する行動モデル構築処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 行動予測装置
11 行動モデル記憶部
11a グラフ構造
11b 条件付確率データ
12 行動モデル構築部
13 行動データ記憶部
14 行動予測部
15 類似利用者検出部
2 予定管理装置
21 予定記憶部
3 省エネ制御装置
31 利用者情報記憶部
32 省エネモード情報一時記憶部
33 状態通知処理部
34 省エネ制御指示部
4 利用者端末
41 端末状態判定部
42 省エネモード情報記憶部
43 省エネ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が使用する利用者端末の省エネモードを制御する利用者端末制御方法であって、
前記利用者端末の時間帯ごとの不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を示す行動モデルは、グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネットとして記憶部に記憶され、
前記グラフ構造は、前記不使用状態開始時刻を示すノードおよび利用者の予定情報を示すノードから利用者の行動内容を示すノードへのリンクと、前記行動内容を示すノードから行動内容の終了時刻を示すノードへのリンクと、前記行動内容の終了時刻を示すノードから前記不使用状態終了時刻を示すノードへのリンクと、を有し、
前記条件付確率データは、前記グラフ構造に含まれる各ノードを確率変数としたときの取りうる変数値とその確率値として記憶され、
コンピュータが、
検知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
通知された不使用状態の発生時刻における利用者の予定情報を前記記憶部から読み取り、前記読み取った利用者の予定情報を前記グラフ構造の前記利用者の予定情報に対応するノードに入力するとともに、前記通知された不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記不使用状態終了時刻を求め、
経過時間と、その経過時間における前記利用者端末の前記省エネモードとを、対応づける省エネモード情報を前記記憶部から読み取り、前記通知された不使用状態の発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの前記不使用時間を経過時間としたときに対応づけられる前記利用者端末の前記省エネモードを特定し、
特定した前記利用者端末の前記省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、前記利用者端末を制御することを特徴とする
利用者端末制御方法。
【請求項2】
利用者が使用する利用者端末の省エネモードを制御する利用者端末制御方法であって、
前記利用者端末の時間帯ごとの不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を示す行動モデルは、グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネットとして記憶部に記憶され、
前記グラフ構造は、前記不使用状態開始時刻を示すノードおよび利用者の予定情報を示すノードから利用者の行動内容を示すノードへのリンクと、前記行動内容を示すノードから行動内容の終了時刻を示すノードへのリンクと、前記行動内容の終了時刻を示すノードから前記不使用状態終了時刻を示すノードへのリンクと、を有し、
前記条件付確率データは、前記グラフ構造に含まれる各ノードを確率変数としたときの取りうる変数値とその確率値として記憶され、
コンピュータが、
検知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
検知された前記利用者端末の利用者に類似する類似利用者を、前記不使用状態開始時刻および前記不使用状態終了時刻の履歴をもとに検索し、検索した類似利用者の予定情報を前記記憶部から読み取り、前記読み取った類似利用者の予定情報を前記グラフ構造の類似利用者の予定情報に対応するノードに入力するとともに、前記通知された不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記不使用状態終了時刻を求め、
経過時間と、その経過時間における前記利用者端末の前記省エネモードとを、対応づける省エネモード情報を前記記憶部から読み取り、前記通知された不使用状態の発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの前記不使用時間を経過時間としたときに対応づけられる前記利用者端末の前記省エネモードを特定し、
特定した前記利用者端末の前記省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、前記利用者端末を制御することを特徴とする
利用者端末制御方法。
【請求項3】
コンピュータは、さらに、
検知された前記利用者端末の使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
通知された使用状態になる前の前記不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに、読み取った前記不使用状態の発生時刻における予定情報を前記グラフ構造の利用者の予定情報に対応するノードに、通知された使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態終了時刻に対応するノードに、それぞれ入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記条件付確率データの確率値を更新することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の利用者端末制御方法。
【請求項4】
コンピュータは、さらに、通知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの利用者の行動内容を、前記利用者端末に表示させることを特徴とする
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の利用者端末制御方法。
【請求項5】
コンピュータは、さらに、通知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの不使用時間において、前記利用者端末に利用者が入力したタスク以外のタスクを実行させることを特徴とする
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の利用者端末制御方法。
【請求項6】
利用者が使用する利用者端末の省エネモードを制御する省エネ制御装置であって、
前記利用者端末の時間帯ごとの不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を示す行動モデルは、グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネットとして記憶部に記憶され、
前記グラフ構造は、前記不使用状態開始時刻を示すノードおよび利用者の予定情報を示すノードから利用者の行動内容を示すノードへのリンクと、前記行動内容を示すノードから行動内容の終了時刻を示すノードへのリンクと、前記行動内容の終了時刻を示すノードから前記不使用状態終了時刻を示すノードへのリンクと、を有し、
前記条件付確率データは、前記グラフ構造に含まれる各ノードを確率変数としたときの取りうる変数値とその確率値として記憶され、
前記省エネ制御装置が、
検知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
通知された不使用状態の発生時刻における利用者の予定情報を前記記憶部から読み取り、前記読み取った利用者の予定情報を前記グラフ構造の前記利用者の予定情報に対応するノードに入力するとともに、前記通知された不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記不使用状態終了時刻を求め、
経過時間と、その経過時間における前記利用者端末の前記省エネモードとを、対応づける省エネモード情報を前記記憶部から読み取り、前記通知された不使用状態の発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの前記不使用時間を経過時間としたときに対応づけられる前記利用者端末の前記省エネモードを特定し、
特定した前記利用者端末の前記省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、前記利用者端末を制御することを特徴とする
省エネ制御装置。
【請求項7】
利用者が使用する利用者端末の省エネモードを制御する省エネ制御装置であって、
前記利用者端末の時間帯ごとの不使用状態開始時刻から不使用状態終了時刻までの不使用時間を示す行動モデルは、グラフ構造および条件付確率データにより構成されるベイジアンネットとして記憶部に記憶され、
前記グラフ構造は、前記不使用状態開始時刻を示すノードおよび利用者の予定情報を示すノードから利用者の行動内容を示すノードへのリンクと、前記行動内容を示すノードから行動内容の終了時刻を示すノードへのリンクと、前記行動内容の終了時刻を示すノードから前記不使用状態終了時刻を示すノードへのリンクと、を有し、
前記条件付確率データは、前記グラフ構造に含まれる各ノードを確率変数としたときの取りうる変数値とその確率値として記憶され、
前記省エネ制御装置が、
検知された前記利用者端末の不使用状態とその発生時刻の通知を受け付けると、
検知された前記利用者端末の利用者に類似する類似利用者を、前記不使用状態開始時刻および前記不使用状態終了時刻の履歴をもとに検索し、検索した類似利用者の予定情報を前記記憶部から読み取り、前記読み取った類似利用者の予定情報を前記グラフ構造の類似利用者の予定情報に対応するノードに入力するとともに、前記通知された不使用状態の発生時刻を前記グラフ構造の前記不使用状態開始時刻に対応するノードに入力し、
入力されたノードを起点として、前記不使用状態終了時刻を示すノードを終点として、起点から終点までのリンクを辿る前記ベイジアンネットの確率計算により、前記不使用状態終了時刻を求め、
経過時間と、その経過時間における前記利用者端末の前記省エネモードとを、対応づける省エネモード情報を前記記憶部から読み取り、前記通知された不使用状態の発生時刻から求めた前記不使用状態終了時刻までの前記不使用時間を経過時間としたときに対応づけられる前記利用者端末の前記省エネモードを特定し、
特定した前記利用者端末の前記省エネモードへ移行するように、不使用状態の発生時刻において、前記利用者端末を制御することを特徴とする
省エネ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−93422(P2009−93422A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263490(P2007−263490)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18・19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/オフィスにおけるIT機器のエネルギー統合管理システムの研究開発」委託研究、産業技術強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】