制御されたチューブの変形を有している蠕動ポンプ
注入ポンプは、より確実に医療用および他の目的の少ない容量の液体をポンプ送出するために、改良されたシャトル機構を用いる。改良されたシャトルは、注入剤管を把持し、液体注入剤を管を通してポンプ送出するために、線形並進と、より幅広く、対称的なジョーとを用いる。線形動作の調節は、ユーザーが注入ポンプのポンプ送出容量を調節することも可能にする。より幅広なジョーを有している他のシャトルも回転動作を用いて、注入剤をポンプ送出し得る。さらに、2つ以上のシャトル(2つまたは3つのシャトル)が、適切な連続的ポンプ送出をするために用いられ得る。連続した作動を有している一連の複数のより小さい線形シャトルは、一般的な蠕動ポンプ適用のための線形蠕動ポンプとして用いられ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
発明の分野は、注入ポンプであり、概して、多くの容量の医療用流体を、一般的には静脈ルートを介して、患者にポンプ送出または注入するシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
注入ポンプは、薬および液体を、一般的には静脈ラインを介して、患者に注入するために用いられる。いくつかの注入ポンプは、比較的多くの容量を扱うが、非常に少ない制御された容量の液体を送達する能力を有しているポンプに、より関心があり得る。鎮痛薬、アヘン剤を含む麻酔薬、抗炎症剤、インスリン、抗痙攣薬、抗生物質、化学療法剤、心血管薬などのような、用いられる薬は非常に重要であり得る。それらの薬の多くは、非常に少ない服用量で、継続して必要であり、その結果、患者は、長期間にわたり、毎時0.1mlのような安定した確実なストリームを有する。脈が用いられた場合、投薬速度は、ナノリットルまたはマイクロリットル/脈またはボーラスで測定され得る。したがって、患者は、非常に少ない容量を確実に一定して送達するための注入ポンプに頼る。
【0003】
多量の液体を管の全長の中に許することと、例えば、管の入口に弁を咬合することによって、その量を分離することとによって、いくつかの注入ポンプは、関心のある液体を推進またはポンプ送出する。次いで、機械装置が管の出口で弁を開け、別の機械装置が問題の管の全長を圧縮、または、そうでない場合は、マッサージする。入口は、閉じられた弁によってふさがれているので、液体は、開いた入口を有している出口を通って流出することしかできない。この方法はうまくいく。しかし、少なくとも2つの欠点がこの方法にはある。このタイプのシャトル機械装置を用いる今日の注入ポンプは、移動しているシャトルを静止しているブロックに対して圧することによって、管の全長を締めつける得る。
【0004】
断面において、チューブは、対向したシャトルおよびブロックによって形成されるダイアモンド形状の溝またはポンプ送出室にある。一般的には、シャトル、およびブロックまたは静止している部分のプロファイルは、全圧縮サイクルを通して、チューブを理想的な位置に維持することに非常によく適しているというわけではない。そのため、シャトルおよびブロックのプロファイルは、ポンプ送出サイクル中、任意の所与の点において、チューブの完全な圧縮を常に達成するわけではない。例えば、先行技術の注入ポンプは、管を移動しているシャトルと静止しているブロックとの間に咬合することによって動作する。先行技術のポンプは、管を完全には圧縮せず、管は完全には咬合されず、管の端部は咬合されないままである。この状況は、少なくとも2つの不利点を有している。予測不能な量の液体が管に残り、ポンプの精度に悪影響を与えることと、全ポンプ送出能力が使用されないこととである。管を完全な咬合まで過剰に締めつけることは、管の寿命に悪影響を与え得るが、不足した締めつけは、ポンプ送出能力を減らし、ポンプ送出容量制御の精度に悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、先に言及した入口弁、シャトルおよび出口弁は、1つのモーターまたはアクチュエータを介して、動作される。各々の動作のタイミングは、機械的な結合によって実現される。したがって、シャトル機械装置の各ストロークは、固定量の流体をポンプ送出する。そのため、ポンプのポンプ送出能力または他のポンプ送出特性を調節することは困難または不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
改良された注入ポンプが複数の実施形態で提供される。
【0007】
一実施形態は、注入ポンプである。注入ポンプは、入口弁と、出口弁と、シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分を含むシャトルとを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分とシャトル移動可能部分との間に管の全長を締めつけるように構成されている。シャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分の方に移動し、シャトルの静止している部分から離れて移動することによって、注入ポンプを動作させる。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、管の全長を保持および締めつける対称的な溝を含む。溝は、溝の中央軸の周りに関して対称的である。
【0008】
別の実施形態は、注入ポンプである。注入ポンプは、ハウジングと、入口弁と、出口弁と、シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分を含むシャトルとを含み、注入ポンプは、ハウジングに含まれる。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分とシャトル移動可能部部との間に管の全長を締めつけるように構成されている。シャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分の方に移動し、シャトルの静止している部分から離れて移動することによって、管を締めつける。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、管を含む対称的なチャネルを有しているベースを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部部の各々は、ベースおよびチャネルから隆起する複数の横向きの隆起部および横向きの凹所を含む。チャネルの上の隆起部の高さは、管の外径未満である。
【0009】
別の実施形態は、注入剤をポンプ送出する方法である。方法は、注入ポンプを備える工程を含む。注入ポンプは、シャトルの静止している部分およびシャトルの移動している部分を有している少なくとも1つのシャトルを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、ベースを含み、ベースは、対称的なチャネルと、ベースおよびチャネルから隆起する複数の隆起部および凹所とを有している。チャネルの両側の隆起部は、対称的である。方法は、また、ポンプのコントローラーに少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、注入ポンプの動作を制御することと、シャトル移動可能部分をシャトルの静止している部分に対して周期的に移動させることによって、注入剤をポンプ送出することであって、管の外周の実質的に全ては、シャトルの静止している部分およびシャトルの移動している部分の一部と接触している、ことと、注入ポンプの少なくとも1つの弁を連続して開閉することによって、注入剤を注入し、注入ポンプが注入剤をポンプ送出することを可能にすることとを含む。
【0010】
別の実施形態は、線形シャトル蠕動ポンプである。線形シャトル蠕動ポンプは、少なくとも1つの静止しているセクションを含む。少なくとも1つの静止しているセクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側のすくなくとも1つの隆起部およびチャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。ポンプは、複数の移動可能セクションも含む。各移動可能セクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の隆起部およびチャネルの第二の側の凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。少なくとも1つの静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、移動可能セクションの凹所および隆起部に嵌入する。少なくとも1つの静止しているセクションおよび複数の移動可能セクションが組み立てられた場合、チャネルは、管の全長に対して適切な開口部を形成する。管の外周の実質的に全ては、移動しているセクションが管の全長を締めつけるように動作した場合、少なくとも1つの静止しているセクションの一部および移動しているセクションの一部と接触している。複数の線形アクチュエータは、複数の移動可能セクションに接続されている。複数の線形アクチュエータの各々は、アクチュエータの位置を報告するセンサーをさらに含む。別の実施形態において、線形アクチュエータは、複数の移動可能セクションの各々と接触している1つのモーターおよびカムと取り替えられる。
【0011】
別の実施形態は、液体をポンプ送出する方法である。方法は、線形シャトル蠕動ポンプを提供する工程を含む。ポンプは、複数のシャトルの静止しているセクションおよび複数のシャトルの移動しているセクションを含む。セクションの各々は、少なくとも1つの横向きの隆起部および少なくとも1つの横向きの凹所を有している対称的な溝を有している。静止しているセクションの隆起部および凹所は、移動しているセクションの対応する凹所および隆起部に嵌入する。ポンプにおける管の外周の実質的に全ては、管が締めつけられた場合、静止しているセクションと移動しているセクションとの表面と接触している。方法は、また、ポンプのコントローラーに少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、線形シャトル蠕動ポンプの動作を制御することと、シャトル移動可能セクションをシャトルの静止しているセクションに対して連続して移動させることによって、液体をポンプ送出することと、注入ポンプの少なくとも1つの弁を連続して開閉することによって、注入剤を流入させ、注入ポンプが注入剤をポンプ送出することを可能にすることとを含む。
【0012】
別の実施形態は、ジオメトリによって制御された弁である。弁は、静止しているセクションおよび移動可能セクションを含む。静止しているセクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の少なくとも1つの隆起部およびチャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。移動可能セクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の隆起部およびチャネルの第二の側の凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、移動可能セクションの凹所および隆起部に嵌入する。静止しているセクションおよび移動可能セクションが組み立てられた場合、チャネルは、管の全長に対して適切な開口部を形成する。管の外周の実質的に全ては、移動しているセクションが管の全長を締めつけるように動作した場合、静止しているセクションと移動しているセクションとの一部とに接触している。
【0013】
さらなる特徴および利点が本明細書に記載され、以下の詳細な説明および図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、2つの注入モジュールを有している注入ポンプコントローラーの概略図である。
【図2】図2は、先行技術の注入ポンプジオメトリの部分的断面である。
【図3】図3は、新たな注入ポンプシャトルジオメトリの側面図の部分的断面である。
【図4A】図4Aおよび図4Bは、改良されたシャトルポンプジオメトリの透視図である。
【図4B】図4Aおよび図4Bは、改良されたシャトルポンプジオメトリの透視図である。
【図5A】図5Aおよび図5Bは、改良されたジオメトリを有しているシャトルポンプの充満およびポンプ送出段階を描写する部分的断面図である。
【図5B】図5Aおよび図5Bは、改良されたジオメトリを有しているシャトルポンプの充満およびポンプ送出段階を描写する部分的断面図である。
【図6】図6は、別のシャトル設計の透視図である。
【図7】図7は、別のシャトルジオメトリ設計の透視図である。
【図8】図8は、さらに別のシャトルジオメトリ設計の透視図である。
【図9】図9は、改良されたシャトル設計の別の適用の透視図である。
【図10】図10は、移動しているシャトルセクションの実施形態の透視図である。
【図11】図11は、シャトル型注入ポンプの別の実施形態を描写する。
【図12】図12は、シャトル型注入ポンプのさらに別の実施形態を描写する。
【図13A】図13Aおよび図13Bは、図6の実施形態による注入ポンプ送出を描写する。
【図13B】図13Aおよび図13Bは、図6の実施形態による注入ポンプ送出を描写する。
【図14】図14は、1つのコントローラーが、患者に対して、複数の注入ポンプを制御および監視するために用いられる適用を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
一実施形態が図1に描写される。注入ポンプシステム10は、注入ポンプマイクロコントローラー28のためのハウジング12を含み、第一の注入ポンプ14および第二の注入ポンプ16と、ビデオ出力装置18、およびオーディオ出力装置またはスピーカー20とを含む。ビデオ出力装置18は、スクリーンであり、タッチスクリーンであり得、マイクロコントローラー28への入力を可能にする。注入ポンプシステム10は、また、慣例的にスクリーン18の近くに配置され得る入力装置26を含む。注入ポンプシステム10は、さらなる入力装置/出力装置(I/O)を含む。さらなる入力装置/出力装置(I/O)は、イントラネット、もしくは家庭、病院または他のケアセンター用のケーブルのようなケーブルまたは他のI/Oとして適切な地上通信線22を含む。中央監視局または他のコントローラー(示されていない)へのワイヤレス通信および中央監視局または他のコントローラーからのワイヤレス通信のためのアンテナ24が、また、ある。注入ポンプシステム10は、バッテリー25を含み、電力は、また、外部供給源から電力コード27を介して受け取り得る。
【0016】
第一の注入ポンプ14は、液体を第一の容器34から受け取り、第二の注入ポンプ16は、液体を第二の容器36から受け取る。次いで、液体の流れが、それぞれの注入ポンプに管348、366を介して運搬される。この実施形態の管348、366は、注入ポンプ14、16の前後に連続しており、各ラインに対するアクセスデバイスコネクター368まで延在する。アクセスデバイスコネクター368は、脈管アクセスデバイスであり得、薬または他の医薬を患者に投与するために用いられ得る。
【0017】
システムコントローラーは、中央処理装置(CPU)、入力/出力能力(I/O)、デジタル−アナログコンバーター(D/A)およびランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)を含むマイクロコントローラー28であり得、さらなるメモリ(MEM)を含み得る。1つ以上の注入ポンプ14、16を動作させるコンピュータプログラムは、MEMまたはROMに格納される。マイクロコントローラー28は、ドリップカウンター342から入力を受け取り、注入ポンプへの入力を監視する。マイクロコントローラー28は、また、注入ポンプ14、16に関連付けられている多数のセンサーまたはデバイスから入力(例えば、注入ポンプを駆動させるモーター上の回転エンコーダーからのエンコーダーデータ、線形アクチュエータからの線形電圧変位変換器(LVDT)データもしくは他の位置または変位データ、注入ポンプ14、16における温度または圧力センサーからの電圧または電流示度など)を受け取る。データは、ワイヤーハーネス322、324、326を介して、送られ得るか、またはZigBee/IEEE805.15.4ワイヤレス規格に従うワイヤレス信号のようなワイヤレスであり得る。データは、マイクロコントローラー28によって受け取られ得るか、またはマイクロコントローラー28が、示されるような、センサー回路32に対する別個のインタフェースを含み得る。この実施形態の注入ポンプ14、16は、線形アクチュエータ、回転アクチュエータ、モーターなどを駆動または制御するために、ドライバー回路30に対する別個のセクションを有している。
【0018】
注入ポンプ14は、モーター148によって駆動される。モーター148は、カム作用駆動トレイン146によって、注入ポンプ可動シャトルセクション144を駆動する。可動シャトルセクション144は、管348をシャトルの静止しているセクション142に対して締めつけ、液体を容器34からポンプ送出する。上部弁140が開き、液体を管348の中に許し、管348がいっぱいになると閉じる。次いで、下部弁141は、コントローラー28が注入ポンプ14に可動シャトルセクション144を作動および循環させるように命令する直前に開く。上部弁140を閉じ、下部弁141を開けると、液体は下部弁を通され、下流にコネクター368を通される。モーター148上のエンコーダーまたは他のフィードバックデバイスは、コントローラー28にモーター148の位置(したがって、可動シャトルセクション144の位置)を通知し、コンピュータプログラムによる、注入ポンプ14によってポンプ送出される容量の計算も可能にする。
【0019】
第二の注入ポンプ16は、線形アクチュエータによって動作する。線形アクチュエータは、回転電気モーターから直接トルクを受け取るような回転態様で動作するデバイスとは反対の線形態様で、利用可能なエネルギー供給源から力および動きを生じさせるデバイスである。線形アクチュエータの例は、電気線形ソレノイド、線形空気圧アクチュエータおよび水圧シリンダーを含む。他の例は、ボールねじ、およびねじジャッキ、ならびにリニアモーターによって作動されるシリンダーも含む。本明細書に記載されるような注入ポンプは、空間および確実性に重点を置いている。多くのタイプの線形アクチュエータが用いられ得るが、米国、CT、ウォーターベリーのHaydron Switch & Instrument(HSI)と、米国、PA、ウエストチェスター、Portescapとからの親ねじおよびステッパーモーターが本注入ポンプの用途に有用であることがわかった。
【0020】
注入ポンプ16は、静止している部分162と、2つの可動シャトル164、166と、3つの弁160、165、170と、5つの線形アクチュエータ168とを含む。線形アクチュエータ168への命令および線形アクチュエータ168の位置は、ハーネス326を介して、ドライバー回路部分30に報告され、マイクロコントローラー28にも報告される。注入ポンプ16は、液体を容器36およびドリップ室346およびポンプから管366を介して受け取る。この実施形態において、管366は、ドリップ室346からコネクター368まで管366の連続した要素である。弁165が閉じ、弁160が開くことによって、弁160から管366の中へ、下流の液体を許す。管366のこの部分がいっぱいになった場合、弁160が閉じ、弁165が開き、シャトル164が前進し、液体を下流に弁165を通してポンプ送出する。シャトル166は、液体を受け取るために開いており、弁170は閉じている。次いで、弁165が閉じ、弁170が開かれ、シャトル166が閉じ、液体をコネクター368および患者へ下流にポンプ送出する。シャトル166が閉じている間、シャトル164が後退し、弁160は開き、弁165から上流の流体を許す。次いで、プロセスが繰り返され、シャトルが続いて前進および後退し、弁が適切に開閉する。
【0021】
2つのシャトルの使用は、ポンプ送出プロセスを円滑にし、その結果、管の一部がポンプ送出される(空にされる)一方で、残りの部分は充満される。第一のシャトル164がポンプ送出する場合、管366の上部の内容物が第二のシャトル166に隣接する管366の下部の中に排出される。第二のシャトル166が液体を患者にポンプ送出しているとき、第一のシャトル164に隣接する管は、再充満される。液体は、第一のシャトル164に第一のシャトル164に直に隣接する管を横断するだけでよいので、管は速やかに充満される。この技術を用いて、円滑な、実質的に連続する流れが達成される。この実施形態において、中間弁165は、上部シャトル164に対する出口弁と、下部シャトル166に対する入力弁との両方の役目を務める。
【0022】
図2に断面で示されるような先行技術の注入ポンプは、管4を均一には締めつけない。代わりに、上部シャトル6および下部静止している部分7が管を圧縮する結果となり得、少量の液体が、図2にみられるように、管の中に残される場合があり、したがって、注入ポンプの動作の不正確さの一因となる。図3に示されるような、本明細書に開示される注入ポンプの一実施形態において、注入ポンプは、中央溝8を有している。中央溝8は、溝の中央線Lに対して対称であり、等しい角度Aを溝8の両側9に有している。一実施形態において、かどは、約0.020インチから約0.060インチまで(約0.50mmから約1.5mm)の緩やかな半径を有するように形成される。静止しているブロック40と移動しているシャトル42とから構成される改良されたシャトルポンプの第一の実施形態は、図4Aおよび図4Bに描写される。
【0023】
ブロック40およびシャトル42は、各々、複数の交互の隆起部46および凹所48と、中央チャネル44とを有しているベースから構成される。隆起部46のうちの1つの部分は、他方の凹所48に嵌入し、静止しているブロック40に対する移動しているシャトル42のスライド移動を可能にする。中央チャネル44は、管の全長を受け取るように構成されており、十分な半径を有するべきであり、刻み目および削り目をなくされたい。隆起部46は、ブロック40およびシャトル42の最上部の縁および底部の縁において、ベースから直角に隆起するが、約45度の角度Bを中央チャネルに対して形成する。この実施形態において、角度Bおよびチャネルは、中央チャネルを二分する水平面Hに対して、対称である(つまり、角度Bは、等しい)。2つの角度Bの合計は、約60度から約120度である。管は、対称な態様で保持または収容され、ポンプ送出が行われた場合、管が歪曲されないように確実にすることを助ける。
【0024】
図5Aおよび図5Bは、接合された静止している部分と移動している部分との断面を描写する。図5Aにおいて、静止しているブロック40および移動しているシャトル42が配列されており、わずかな圧力を管38に及ぼしている。管38は、示されるように、ブロック40とシャトル42との間の範囲に含まれ、通常の円形の管38を、示されるように、わずかに圧縮された状態に変形させるために十分な圧力を有しているに過ぎない。図5Aは、ブロック40の凹所(示されていない)に嵌入するシャトル42からの隆起部424を描写する。管38は、開いた範囲に静止しており、水平面Hに対して対称である。垂直面Vは、水平面に直角であり、かど、または中央チャネル44の位置でみられる。図5Aにみられるように、管38の直径の約3/4がブロック40内に含まれるが、約1/4は、シャトル42の最上(右)面の周りに延在する。
【0025】
図5Bに見られるように、左右部分、ブロック40およびシャトル42は、対応および重複し、管38の直径の約3/4は、また、シャトル42の開いた範囲内に収容される。一実施形態における、かど、または中央チャネル44の半径は、約0.030インチ(約0.75mm)である。ブロック40のベース402は、垂直表面Vの左に対する部分である。シャトル42のベース404は同様に規定されるが、その中央チャネルの場所からみて、垂直面の右に対する。ブロック40は、そのベース402から延在する隆起部414を有しているが、シャトル42は、そのベース404から延在する隆起部424を有している。図5Bにおいて、シャトル42は、下流に移動され、管38を締めつけ、管38内の液体注入剤を患者にポンプ送出する。管38は、この空間内で変形されるが、このジオメトリにより、隆起部414、424に隣接する管38の全外周または周辺が、対応するブロック40の隆起部414と、シャトル42の隆起部424との間に抑制される。
【0026】
ブロック410およびシャトル420の別の実施形態は、図6に示される。ブロック410およびシャトル420は、その間の管38を収容することと、締めつけることとを行うように構成されている。この実施形態において、フィンガ406、408がブロック410と、シャトル420との両方の上に加えられ、管38を固定することと、締めつけることとを助ける。ブロック410において、リアフィンガ406およびフロントフィンガ408は、管38に隣接して位置決めされ、シャトル420における嵌まるべきスロット48に嵌入する。シャトル420がブロック410に対して、管38を締めつけることによって、管38に接触した場合、フィンガ406、408は、管38に対して押し付けられ、管38を含むことと、および締めつけることとを助ける。この描写において、シャトル420は、下流に回転しており、管38との接触からは離れており、ブロック410におけるフィンガ406、408が管38と接触して示される。シャトル420も、同じ機能を行うリアフィンガ406(示されていない)およびフロントフィンガ408を有しており、管38を管の他方の側ににおいて締めつける。シャトル420上のフィンガ406、408は、ブロック410上の適合するスロットまたは凹所48に嵌入する。
【0027】
上記のブロック410およびシャトル420は、管38を咬合する、より小さい部分においても構成され得、用いられ得る。例えば、ポンプ送出する管38のより長い部分を締めつける代わりに、非常に短いバージョンが弁として用いられ得る。図7および図8は、例を描写する。図7において、咬合器70は、静止している部分またはブロックとして用いられ得るか、あるいは、移動している部分またはシャトル、もしくは管を咬合する弁として用いられ得る。咬合器70は、上記の固定および移動している部分に類似する。咬合器70は、ベース部分72、中央チャネル74、1つの隆起部76および1つの凹所78を含む。示される咬合器70は、咬合器70の上の嵌入する咬合器70と共に用いられ、1つの咬合器70の隆起部76を他方の凹所78に、1つの凹所78に他方の隆起部76を設置され、用いられる。1つの咬合器70を前後にスライドまたは操作することによって、管の全長は、開閉され得、したがって、注入ポンプ中の流体の流れを可能にし、停止させる。この構成は、管の全周または周辺が咬合され、早期故障につながる過剰な圧力に晒されにくいという点で、上述のシャトルポンプと同じ利点を有している。
【0028】
弁の役目を務める能力を有している咬合器の別の実施形態は、図8に描写される。この実施形態において、ベース部分82を有している咬合器80は、2つの隆起部86および2つの凹所88(各側に隆起部86と凹所88)を含み、2つの位置は、横断する中央チャネル84にわたり、反転している。実施形態は、咬合器70、ブロック40およびシャトル42を用いるような、2つの咬合器80(1つは、静止しているであり、1つは移動である)を用いる使用を意図している。さらに、両咬合器実施形態70、80とも液体を管から押し進めるために用いられ得るので、液体をポンプ送出するために用いられ得る。
【0029】
図9は、複数の咬合器セクション70が、線形蠕動ポンプ60の静止している部分と移動している部分との両方として用いられる実施形態を描写する。図において、複数の静止しているセクション70aは、互いに隣接して設置され、それらの凹所78は可視であり、静止しているセクション70aの上に設置される、対応する数の同一移動している部分70bからの隆起部76を収容する。移動している部分70bは、線形蠕動ポンプ60のセクションのように、ずらされて描かれる。移動しているセクション70bは、連続して移動し、固定された少い容量の液体が、各セクション70bが閉じ、次から次へと通過し、ある容量が次のセクションへと通過され、次いで、セクションが開き、別の少い容量を受け取る。セクション70bは、線形アクチュエータ(例えば、ソレノイドアクチュエータまたは他のアクチュエータ(示されていない))によって移動可能である。アクチュエータの変位が可変である場合、単位時間毎にポンプ送出される容量は、可変である。例えば、3ポジションソレノイドは、閉じられた位置に加えて、2つの可能な位置のうちの一方に従って、ある容量をポンプ送出するために用いられ得る。特定の距離を移動するようにプログラムされ得る線形アクチュエータも、ポンプ送出容量を制御するために用いられ得る。もちろん、入口弁および出口弁も、そのような線形蠕動ポンプ60と共に用いられ得る。図9の線形蠕動ポンプ60は、適切な隆起部76および凹所78を有する1つの静止している部分(示されていない)と、静止している部分に搭載される複数の移動している部分70bとを用いて動作し得ることを当業者は理解する。このようにして、より安価であり、より修理が容易なポンプが作成される。
【0030】
他の線形アクチュエーション実施形態は、図10および図11に描写される。図10において、注入ポンプ120は、入口弁122、出口弁124、固定またはブロックセクション125、およびシャトルまたは移動しているセクション126を含む。注入ポンプ120は、管38を操作して、注入液体をポンプ送出する。弁122、124は、標準的な2ポジション電気ソレノイドであり得る線形アクチュエータ128によって、開閉される。シャトル126は、線形アクチュエータ130によって、線形に前後に移動される。ブロックおよびシャトル125、126は、図4A、図4B、図5Aおよび図5Bにおいて描写されたものに類似し得るか、または異なる場合がある。弁122、124の開閉のタイミング、および線形アクチュエータ128、130の作動のタイミング(つまり、ポンプ送出のタイミング)は、線形アクチュエータ128、130が接続されているコントローラー(示されていない)によって決定され、この実施形態においては、コントローラーのコンピュータプログラムによって決定される。線形アクチュエータ130によって動作が制御されるシャトル126を有している注入ポンプ120は、線形シャトル注入ポンプ(この文脈では、線形シャトルポンプ)として既知である。
【0031】
図11は、実質的に連続するポンプ送出動作を有する別の注入ポンプ設計に対する作動を描写する。いくつかの設計に伴う1つの問題は、管がより多くの流体を充満するように設定することを可能にするために、流体がポンプ送出されないことが周期的にあることである。この周期的に流れがなくなることをなくすために、第二のシャトルが加えられえることによって、ポンプは、一次シャトルが再充満されている間、液体送達を継続し得る。注入ポンプ150も、管38を操作し、液体を患者に注入する。この実施形態において、液体は、入口弁152を通して投与され、まず、一次シャトル164によってポンプ送出される。一次シャトル164は、液体を二次シャトル166にポンプ送出する。二次シャトル166は、長さが一次シャトル164の約半分しかない。この実施形態において、一次および二次シャトル164、166の間には中間弁154があるが、出口弁はない。
【0032】
一次シャトルがポンプ送出を終え、再補給されているとき、入口弁152が開かれ、中間弁154が閉じられる。二次シャトル166は、流体の送達を継続する。その後、中間弁が開き、入口弁が閉じられたとき、一次シャトルが流体をポンプ送出し、二次シャトル166を充満させる。一次シャトルは、長さが二倍であり、二倍の長さの管に直面するので、二次シャトルよりも約二倍の容量をポンプ送出する。他の実施形態も用いられ得る。
【0033】
上記の実施形態に記載されたシャトルおよび弁の線形移動は、理解することが容易である。しかし、注入ポンプのための管が、図6に描写したシャトル420を用いて、回転動作によって締めつけられるか、または作動される実施形態もある。したがって、図7〜図11に描写される線形作動の実施形態は利点を有しているが、他の実施形態は、1つのモーター、および移動可能シャトルまたは移動可能セクションと係合している1つ以上のカム表面を用いて、より統一したポンプ送出を達成し得る。
【0034】
そのような実施形態は、図12、図13Aおよび図13Bにさらに描写される。シャトル420は、中央横断チャネル460に沿って配列される複数の隆起部46および凹所48を含む。上記したように、シャトル420は、個々のポンプ送出連続を完了させた後、開いた構成に管38を戻すフィンガ422も含み得る。シャトル420は、旋回ピン454のためのボア452を有している旋回軸450を含む。シャトル420は、モーターがカム作用表面430上のカム432を移動させた場合、移動する。レバーアーム428によって移動が増幅されるカム作用表面430は、シャトル420を旋回軸450の周りを旋回させ、したがって、隆起部46を管38の全長に対して押し付ける旋回ピン454は、液体をポンプ送出し、液体を患者に注入する。
【0035】
この実施形態の閉じられた位置および開かれた位置の側面図は、図13A〜図13Bにさらに示される。図13Aにおいて、静止しているブロック410は、管38のように、適所に固定される。シャトル420は、管38を中央空間460において締めつける。モーターは、カム432を時計回りにカム作用表面430に対して回転させ、カム作用表面430を押し下げ、レバーアーム428を通して、管38に対して上方向に移動しているシャトル420を時計回りの回転で移動させる移動させる。チューブ38中の液体がポンプ送出されたとき、移動しているシャトル420は、管38が開き、注入用液体で再充満されることを可能にする。図13Bにおいて、カム438は、反時計回りに回転し、旋回軸450と旋回ピン454との周りの時計回りの旋回を可能にする。ここで、管38は、次のサイクルが生じるまで再充満され得る。
【0036】
図14は、注入ポンプシステム100を用いた用途を描写する。このシステム100において、注入ポンプコントローラー112は、上記のように複数の注入ポンプ114を制御する。各注入ポンプ114は、患者Pに注入するための1つの液体を受け取る(この例では、容器102、104からドリップ106、108およびIV管38を通り、それぞれの注入ポンプ114に至る)。管38は、注入液体に医薬を加えるためのコネクター110を任意で有している。この実施形態におけるポンプ送出される液体は、注入ポンプ114の各々から、逆止め弁116を通り、次いで、IV管38の別の全長を通って患者Pに出力される。IV管38は、クランプ118を含む。
【0037】
本明細書に記載された本好ましい実施形態に対するさまざまな変更および改変が当業者に明らかであることを理解されたい。そのような変更および改変は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その意図される利点を損なうことなく、なされ得る。そのため、そのような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって含まれることが意図される。
(項目1)
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)と該シャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該注入ポンプを動作させ、
該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)の全長を保持および締めつける対称的な溝を含み、該溝は、該溝の中央軸(H)に関して対称的である、注入ポンプ。
(項目2)
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベースおよび丸み付けされたチャネルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46)および凹所(48)を含み、該部分のうちの一方の該隆起部(46)は、前記管(38)を締めつけるための相互係合移動のために、他方の凹所(48)に嵌入する、項目1に記載の注入ポンプ。
(項目3)
前記シャトルの静止している部分(40、142、410)およびシャトル移動可能部分(42、144、420)のうちの少なくとも一方は、複数の延在するフィンガ(406、408)をさらに含み、該フィンガ(406、408)は、該シャトル移動可能部分(42、144、420)が該シャトルの静止している部分(40、142、410)の方に移動する場合に、前記管(38)に対して押圧する、項目1または2に記載の注入ポンプ。
(項目4)
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベース(402、404)および丸み付けされたチャネル(44)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46、414、424)および凹所(48)を含み、該隆起部(46、414、424)は、該ベース(402、404)に対して、ある角度で形成される、項目1〜3のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目5)
前記シャトル移動可能部分(42、144)は、複数のシャトル(164、166)を含み、該複数のシャトルは、前記注入ポンプ内で連続して移動することによって、前記管の全長を締めつけ、注入剤をポンプ送出するように構成されている、項目1〜4のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目6)
前記複数のシャトル(164、166)は、第一および第二のシャトル(164、166)を含み、該第二のシャトル(166)は、前記出口弁(165)の上流または下流に位置決めされている、項目5に記載の注入ポンプ。
(項目7)
前記弁またはシャトルのうちの少なくとも一方は、線形アクチュエータ(168)によって駆動される、項目1〜6のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目8)
前記入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一方は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分は、各々、溝と、少なくとも1つの横向きの隆起部(76)と、少なくとも1つの横向きの凹所(78)とを有しており、該溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(70b)が前記管の全長に対して横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、項目1〜7のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目9)
複数の固定フィンガ(406、408)を前記シャトル移動可能部分(42、144、420)およびシャトルの静止している部分(40、142、410)のうちの少なくとも一方にさらに含み、各フィンガは、隆起部(46)から突出し、該隆起部(46)を超えて延在し、各フィンガ(406、408)は、前記管(38)の円周の部分に接触するように構成されている、項目1〜8のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目10)
線形アクチュエータ(168)をさらに含み、前記シャトルは、該線形アクチュエータ(168)によって作動され、前記注入ポンプによってポンプ送出される注入剤の容量は、該線形アクチュエータ(168)のストロークを調節することによって調節される、項目1〜9のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目11)
ハウジング(12)と、
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該注入ポンプは、該ハウジング内に含まれ、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)とシャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(42、144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該管(38)を締めつけ、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)を含むための対称的なチャネル(44)を有しているベース(402、404)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)の各々は、該ベース(402、404)およびチャネル(44)から隆起する複数の横向きの隆起部(46、414、424)および横向きの凹所(48)を含み、該チャネル(44)より上の該隆起部(46、414、424)の高さは、該管(38)の外径未満である、注入ポンプ。
(項目12)
前記注入ポンプに対して、複数のセンサーおよび回路(30、32)と動作可能に通信している制御部分(28)をさらに含み、該制御部分(28)は、該注入ポンプの速度を制御するように構成されている、項目11に記載の注入ポンプ。
(項目13)
前記シャトルは、2つのシャトルを含み、第一のシャトル(164)が、前記入口弁(160)の下流にあり、第二のシャトル(166)が、前記出口弁(165)の下流にあり、前記ポンプは、該第一および第二のシャトル(164、166)の移動している部分を連続して並進させることによって動作する、項目11または12に記載の注入ポンプ。
(項目14)
前記シャトルを移動させる線形アクチュエータ(168)またはモーター(148)をさらに含み、前記注入ポンプのポンプ送出能力は、前記移動可能部分(144)を移動させるアクチュエータのストロークを調節することによって変えられる、項目11〜13のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目15)
前記対称的なチャネル(44)の両側の前記隆起部(46、414、424)は、前記ベース(402、404)から同じ角度を形成する、項目11〜14のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目16)
前記対称的なチャネル(44)の両側の前記隆起部(46、414、424)も対称的である、項目11〜15のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目17)
注入剤をポンプ送出する方法であって、
該方法は、
注入ポンプを備えることであって、該注入ポンプは、シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトルの移動している部分(42、144)を有している少なくとも1つのシャトルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(44、144)は、各々、対称的なチャネル(44)と、該ベース(402、404)およびチャネル(44)から隆起する複数の隆起部(46、414、424)および凹所(48)とを有するベース(402、404)を含み、該チャネル(44)の両側の該隆起部(46、414、424)は、対称的である、ことと、
該ポンプのコントローラー(28)に少なくとも1つの入力を通して、命令を入力することによって、該注入ポンプの動作を制御することと、
該シャトル移動可能部分(42、144)を該シャトルの静止している部分(40、142)に対して周期的に移動させることによって、注入剤をポンプ送出することであって、該管(38)の外周の実質的に全ては、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトルの移動している部分(42、144)の一部と接触している、ことと、
該注入ポンプの少なくとも1つの弁(140、141)を連続して開閉することによって、該注入剤を流入させ、該注入ポンプが該注入剤をポンプ送出することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目18)
前記シャトル移動可能部分(42、144、420)は、旋回点(450)の周りを回転すること、または、並進することによって移動し、該シャトル移動可能部分(42、144、420)の移動は、前記管(38)を前記シャトルの静止している部分(40、142、410)に対して締めつける、項目17に記載の方法。
(項目19)
1つのコントローラー(28)を有している少なくとも2つの注入ポンプを動作させることをさらに含む、項目17または18に記載の方法。
(項目20)
前記少なくとも1つの弁は、弁静止している部分(70a)に隣接する弁移動可能部分(70b)を並進させることによって閉じられ、該弁移動可能部分(70b)および弁静止している部分(70a)は、各々、前記管に対する対称的なチャネル(74)と、少なくとも1つの隆起部(76)および少なくとも1つの凹所(78)とを有しているベース(72)を含み、該少なくとも1つの隆起部(76)と該少なくとも1つの凹所(78)とは、該チャネル(74)の反対側にあり、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成されている、項目17〜19のうちのいずれか一項目に記載の方法。
(項目21)
前記シャトルの移動している部分(42、144)の並進を調節することによって、前記ポンプの容量を調節することをさらに含む、項目17〜20のうちのいずれか一項目に記載の方法。
(項目22)
少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)であって、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)は、ベース(402)と、対称的なチャネル(44)と、該チャネルの第一の側の少なくとも1つの隆起部(414)および該チャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含み、該チャネルは、該チャネル(44)の中心の各側に対称的な角度を有して形成される、少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)と、
複数の移動可能セクション(42、144)であって、各移動可能セクションは、ベース(404)と、対称的なチャネル(44)と、該チャネル(44)の第一の側の隆起部(424)および該チャネル(44)の第二の側の凹所とを含み、チャネル(44)は、該チャネル(44)の中心の各側に対称的な角度を有して形成され、該少なくとも1つの静止しているセクションにおける該少なくとも1つの隆起部(414)および少なくとも1つの凹所は、該移動可能セクション(42、144)の該凹所および隆起部(424)に嵌入し、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)および該複数の移動可能セクション(42、144)は、組み立てられた場合に、該チャネル(44)は、管(38)の全長に対して適切な開口部を形成し、それによって、該移動しているセクションが該管(38)の全長を締めつけるように動作した場合に、該管(38)の外周の実質的に全てが、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)の一部と、該移動しているセクション(42、144)の一部とに接触している、複数の移動可能セクション(42、144)と、
該複数の移動可能セクション(42、144)に接続されている複数の線形アクチュエータ(168)と
を含み、該複数の線形アクチュエータ(168)の各々は、該線形アクチュエータ(168)の位置を報告するセンサーをさらに含む、線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目23)
前記複数の線形アクチュエータ(168)と動作可能に通信しているコントローラー(28)をさらに含み、該コントローラー(28)は、前記線形シャトルポンプおよび該複数の線形アクチュエータ(168)を連続して動作させるコンピュータプログラムをさらに含む、項目22に記載の線形シャトルポンプ。
(項目24)
前記少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)および移動可能セクション(42、144)は、各々、前記チャネルの第二の側に第二の隆起部をさらに含み、該チャネルの第一の側に第二の凹所をさらに含み、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)の少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、該移動可能セクション(42、144)の凹所および隆起部に嵌入し、該複数の移動可能セクション(42、144)が第一の方向に移動する場合、および該複数の移動可能セクション(42、144)が該第一の方向とは反対の第二の方向に移動する場合にポンプ送出を可能にする、項目22または23に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目25)
入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一つをさらに含み、該少なくとも1つの弁は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分(70a、70b)は、各々、対称的な溝と、少なくとも1つの隆起部(76)および1つの凹所(78)とを有しており、前記中心溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管(38)の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(76b)が前記管(38)の全長に対して横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、項目22〜24のうちのいずれか一項目に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目26)
前記静止しているセクション(40、142)は、複数の静止しているセクション含み、各静止しているセクションは、前記チャネルの1つの側の少なくとも1つの隆起部(46、414)と、該チャネル(44)の反対側の1つの凹所(48)とを含む、項目22〜25のうちのいずれか一項目に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目27)
液体をポンプ送出する方法であって、
該方法は、
線形シャトル蠕動ポンプを提供することであって、該ポンプは、複数のシャトルの静止しているセクション(40、142)および複数のシャトルの移動しているセクション(42、144)を含み、該セクションの各々は、少なくとも1つの横向きの隆起部(46、414)および少なくとも1つの横向きの凹所(48)を有している対称的な溝を有しており、該静止しているセクション(40、142)の隆起部(46、414)および凹所は、該移動しているセクションの対応する凹所および隆起部(424)に嵌入し、該ポンプにおける管(38)の外周の実質的に全ては、該管(38)が締めつけられた場合に、該静止しているセクション(40、142)と移動しているセクション(42、144)との表面と接触している、ことと、
該ポンプのコントローラー(28)に少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、該線形シャトル蠕動ポンプの動作を制御することと、
該シャトルの静止しているセクション(40、142)に対して、該シャトル移動可能セクション(42、144)を連続して移動させることによって、液体をポンプ送出することと、
該注入ポンプの少なくとも1つの弁(140、141)を連続して開閉することによって、該注入剤を流入させ、該注入ポンプが該注入剤をポンプ送出することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目28)
前記複数のシャトルの移動している部分(42、144)に対する線形アクチュエータ(168)の並進を調節することによって、前記ポンプの流れを制御することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
静止しているセクション(70a)であって、該静止しているセクションは、ベース(72)と、対称的なチャネル(74)と、該チャネル(74)の第一の側の少なくとも1つの隆起部(76)および該チャネル(74)の第二の側の少なくとも1つの凹所(78)とを含み、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成される、静止しているセクション(70a)と、
移動可能セクション(70b)と
を含み、該移動可能セクションは、ベース(72)と、対称的なチャネル(74)と、該チャネル(74)の第一の側の隆起部(76)および該チャネル(74)の第二の側の凹所(78)とを含み、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成され、該静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部(76)および少なくとも1つの凹所(78)は、該移動可能セクションの凹所(78)および隆起部(76)に嵌入し、該静止しているセクション(70a)および移動可能セクション(70b)が組み立てられた場合に、該チャネル(74)は、管(38)の全長に対して適切な開口部を形成し、該移動しているセクションが該管(38)の全長を締めつけるように動作した場合に、該管(38)の外周の実質的に全ては、該静止しているセクション(70a)および該移動しているセクション(70b)の一部と接触している、ジオメトリによって制御された弁。
(項目30)
前記移動可能セクション(70b)に接続されている線形アクチュエータ(168)と、前記アクチュエータ(168)の位置を報告するセンサーとをさらに含む、項目29に記載のジオメトリによって制御された弁。
(項目31)
前記ジオメトリによって制御された弁の下流または上流に注入ポンプをさらに含む、項目29または30に記載のジオメトリによって制御された弁。
(項目32)
前記ジオメトリによって制御された弁は、入口弁(160)であり、該ジオメトリによって制御された弁は、該入口弁の下流の第一の線形シャトルポンプ(164)と、任意で該第一の線形シャトルポンプ(164)の下流の第二の線形シャトルポンプ(166)と、任意で少なくとも該第一の線形シャトルポンプ(164)の下流の第二のジオメトリによって制御された弁(165)とをさらに含む、項目29〜31のうちのいずれか一項目に記載のジオメトリによって制御された弁。
【技術分野】
【0001】
(背景)
発明の分野は、注入ポンプであり、概して、多くの容量の医療用流体を、一般的には静脈ルートを介して、患者にポンプ送出または注入するシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
注入ポンプは、薬および液体を、一般的には静脈ラインを介して、患者に注入するために用いられる。いくつかの注入ポンプは、比較的多くの容量を扱うが、非常に少ない制御された容量の液体を送達する能力を有しているポンプに、より関心があり得る。鎮痛薬、アヘン剤を含む麻酔薬、抗炎症剤、インスリン、抗痙攣薬、抗生物質、化学療法剤、心血管薬などのような、用いられる薬は非常に重要であり得る。それらの薬の多くは、非常に少ない服用量で、継続して必要であり、その結果、患者は、長期間にわたり、毎時0.1mlのような安定した確実なストリームを有する。脈が用いられた場合、投薬速度は、ナノリットルまたはマイクロリットル/脈またはボーラスで測定され得る。したがって、患者は、非常に少ない容量を確実に一定して送達するための注入ポンプに頼る。
【0003】
多量の液体を管の全長の中に許することと、例えば、管の入口に弁を咬合することによって、その量を分離することとによって、いくつかの注入ポンプは、関心のある液体を推進またはポンプ送出する。次いで、機械装置が管の出口で弁を開け、別の機械装置が問題の管の全長を圧縮、または、そうでない場合は、マッサージする。入口は、閉じられた弁によってふさがれているので、液体は、開いた入口を有している出口を通って流出することしかできない。この方法はうまくいく。しかし、少なくとも2つの欠点がこの方法にはある。このタイプのシャトル機械装置を用いる今日の注入ポンプは、移動しているシャトルを静止しているブロックに対して圧することによって、管の全長を締めつける得る。
【0004】
断面において、チューブは、対向したシャトルおよびブロックによって形成されるダイアモンド形状の溝またはポンプ送出室にある。一般的には、シャトル、およびブロックまたは静止している部分のプロファイルは、全圧縮サイクルを通して、チューブを理想的な位置に維持することに非常によく適しているというわけではない。そのため、シャトルおよびブロックのプロファイルは、ポンプ送出サイクル中、任意の所与の点において、チューブの完全な圧縮を常に達成するわけではない。例えば、先行技術の注入ポンプは、管を移動しているシャトルと静止しているブロックとの間に咬合することによって動作する。先行技術のポンプは、管を完全には圧縮せず、管は完全には咬合されず、管の端部は咬合されないままである。この状況は、少なくとも2つの不利点を有している。予測不能な量の液体が管に残り、ポンプの精度に悪影響を与えることと、全ポンプ送出能力が使用されないこととである。管を完全な咬合まで過剰に締めつけることは、管の寿命に悪影響を与え得るが、不足した締めつけは、ポンプ送出能力を減らし、ポンプ送出容量制御の精度に悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、先に言及した入口弁、シャトルおよび出口弁は、1つのモーターまたはアクチュエータを介して、動作される。各々の動作のタイミングは、機械的な結合によって実現される。したがって、シャトル機械装置の各ストロークは、固定量の流体をポンプ送出する。そのため、ポンプのポンプ送出能力または他のポンプ送出特性を調節することは困難または不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
改良された注入ポンプが複数の実施形態で提供される。
【0007】
一実施形態は、注入ポンプである。注入ポンプは、入口弁と、出口弁と、シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分を含むシャトルとを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分とシャトル移動可能部分との間に管の全長を締めつけるように構成されている。シャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分の方に移動し、シャトルの静止している部分から離れて移動することによって、注入ポンプを動作させる。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、管の全長を保持および締めつける対称的な溝を含む。溝は、溝の中央軸の周りに関して対称的である。
【0008】
別の実施形態は、注入ポンプである。注入ポンプは、ハウジングと、入口弁と、出口弁と、シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分を含むシャトルとを含み、注入ポンプは、ハウジングに含まれる。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分とシャトル移動可能部部との間に管の全長を締めつけるように構成されている。シャトル移動可能部分は、シャトルの静止している部分の方に移動し、シャトルの静止している部分から離れて移動することによって、管を締めつける。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、管を含む対称的なチャネルを有しているベースを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部部の各々は、ベースおよびチャネルから隆起する複数の横向きの隆起部および横向きの凹所を含む。チャネルの上の隆起部の高さは、管の外径未満である。
【0009】
別の実施形態は、注入剤をポンプ送出する方法である。方法は、注入ポンプを備える工程を含む。注入ポンプは、シャトルの静止している部分およびシャトルの移動している部分を有している少なくとも1つのシャトルを含む。シャトルの静止している部分およびシャトル移動可能部分は、各々、ベースを含み、ベースは、対称的なチャネルと、ベースおよびチャネルから隆起する複数の隆起部および凹所とを有している。チャネルの両側の隆起部は、対称的である。方法は、また、ポンプのコントローラーに少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、注入ポンプの動作を制御することと、シャトル移動可能部分をシャトルの静止している部分に対して周期的に移動させることによって、注入剤をポンプ送出することであって、管の外周の実質的に全ては、シャトルの静止している部分およびシャトルの移動している部分の一部と接触している、ことと、注入ポンプの少なくとも1つの弁を連続して開閉することによって、注入剤を注入し、注入ポンプが注入剤をポンプ送出することを可能にすることとを含む。
【0010】
別の実施形態は、線形シャトル蠕動ポンプである。線形シャトル蠕動ポンプは、少なくとも1つの静止しているセクションを含む。少なくとも1つの静止しているセクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側のすくなくとも1つの隆起部およびチャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。ポンプは、複数の移動可能セクションも含む。各移動可能セクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の隆起部およびチャネルの第二の側の凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。少なくとも1つの静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、移動可能セクションの凹所および隆起部に嵌入する。少なくとも1つの静止しているセクションおよび複数の移動可能セクションが組み立てられた場合、チャネルは、管の全長に対して適切な開口部を形成する。管の外周の実質的に全ては、移動しているセクションが管の全長を締めつけるように動作した場合、少なくとも1つの静止しているセクションの一部および移動しているセクションの一部と接触している。複数の線形アクチュエータは、複数の移動可能セクションに接続されている。複数の線形アクチュエータの各々は、アクチュエータの位置を報告するセンサーをさらに含む。別の実施形態において、線形アクチュエータは、複数の移動可能セクションの各々と接触している1つのモーターおよびカムと取り替えられる。
【0011】
別の実施形態は、液体をポンプ送出する方法である。方法は、線形シャトル蠕動ポンプを提供する工程を含む。ポンプは、複数のシャトルの静止しているセクションおよび複数のシャトルの移動しているセクションを含む。セクションの各々は、少なくとも1つの横向きの隆起部および少なくとも1つの横向きの凹所を有している対称的な溝を有している。静止しているセクションの隆起部および凹所は、移動しているセクションの対応する凹所および隆起部に嵌入する。ポンプにおける管の外周の実質的に全ては、管が締めつけられた場合、静止しているセクションと移動しているセクションとの表面と接触している。方法は、また、ポンプのコントローラーに少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、線形シャトル蠕動ポンプの動作を制御することと、シャトル移動可能セクションをシャトルの静止しているセクションに対して連続して移動させることによって、液体をポンプ送出することと、注入ポンプの少なくとも1つの弁を連続して開閉することによって、注入剤を流入させ、注入ポンプが注入剤をポンプ送出することを可能にすることとを含む。
【0012】
別の実施形態は、ジオメトリによって制御された弁である。弁は、静止しているセクションおよび移動可能セクションを含む。静止しているセクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の少なくとも1つの隆起部およびチャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。移動可能セクションは、ベースと、対称的なチャネルと、チャネルの第一の側の隆起部およびチャネルの第二の側の凹所とを含む。チャネルは、チャネルの中心の各側に対称的な角度を有して形成される。静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、移動可能セクションの凹所および隆起部に嵌入する。静止しているセクションおよび移動可能セクションが組み立てられた場合、チャネルは、管の全長に対して適切な開口部を形成する。管の外周の実質的に全ては、移動しているセクションが管の全長を締めつけるように動作した場合、静止しているセクションと移動しているセクションとの一部とに接触している。
【0013】
さらなる特徴および利点が本明細書に記載され、以下の詳細な説明および図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、2つの注入モジュールを有している注入ポンプコントローラーの概略図である。
【図2】図2は、先行技術の注入ポンプジオメトリの部分的断面である。
【図3】図3は、新たな注入ポンプシャトルジオメトリの側面図の部分的断面である。
【図4A】図4Aおよび図4Bは、改良されたシャトルポンプジオメトリの透視図である。
【図4B】図4Aおよび図4Bは、改良されたシャトルポンプジオメトリの透視図である。
【図5A】図5Aおよび図5Bは、改良されたジオメトリを有しているシャトルポンプの充満およびポンプ送出段階を描写する部分的断面図である。
【図5B】図5Aおよび図5Bは、改良されたジオメトリを有しているシャトルポンプの充満およびポンプ送出段階を描写する部分的断面図である。
【図6】図6は、別のシャトル設計の透視図である。
【図7】図7は、別のシャトルジオメトリ設計の透視図である。
【図8】図8は、さらに別のシャトルジオメトリ設計の透視図である。
【図9】図9は、改良されたシャトル設計の別の適用の透視図である。
【図10】図10は、移動しているシャトルセクションの実施形態の透視図である。
【図11】図11は、シャトル型注入ポンプの別の実施形態を描写する。
【図12】図12は、シャトル型注入ポンプのさらに別の実施形態を描写する。
【図13A】図13Aおよび図13Bは、図6の実施形態による注入ポンプ送出を描写する。
【図13B】図13Aおよび図13Bは、図6の実施形態による注入ポンプ送出を描写する。
【図14】図14は、1つのコントローラーが、患者に対して、複数の注入ポンプを制御および監視するために用いられる適用を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
一実施形態が図1に描写される。注入ポンプシステム10は、注入ポンプマイクロコントローラー28のためのハウジング12を含み、第一の注入ポンプ14および第二の注入ポンプ16と、ビデオ出力装置18、およびオーディオ出力装置またはスピーカー20とを含む。ビデオ出力装置18は、スクリーンであり、タッチスクリーンであり得、マイクロコントローラー28への入力を可能にする。注入ポンプシステム10は、また、慣例的にスクリーン18の近くに配置され得る入力装置26を含む。注入ポンプシステム10は、さらなる入力装置/出力装置(I/O)を含む。さらなる入力装置/出力装置(I/O)は、イントラネット、もしくは家庭、病院または他のケアセンター用のケーブルのようなケーブルまたは他のI/Oとして適切な地上通信線22を含む。中央監視局または他のコントローラー(示されていない)へのワイヤレス通信および中央監視局または他のコントローラーからのワイヤレス通信のためのアンテナ24が、また、ある。注入ポンプシステム10は、バッテリー25を含み、電力は、また、外部供給源から電力コード27を介して受け取り得る。
【0016】
第一の注入ポンプ14は、液体を第一の容器34から受け取り、第二の注入ポンプ16は、液体を第二の容器36から受け取る。次いで、液体の流れが、それぞれの注入ポンプに管348、366を介して運搬される。この実施形態の管348、366は、注入ポンプ14、16の前後に連続しており、各ラインに対するアクセスデバイスコネクター368まで延在する。アクセスデバイスコネクター368は、脈管アクセスデバイスであり得、薬または他の医薬を患者に投与するために用いられ得る。
【0017】
システムコントローラーは、中央処理装置(CPU)、入力/出力能力(I/O)、デジタル−アナログコンバーター(D/A)およびランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)を含むマイクロコントローラー28であり得、さらなるメモリ(MEM)を含み得る。1つ以上の注入ポンプ14、16を動作させるコンピュータプログラムは、MEMまたはROMに格納される。マイクロコントローラー28は、ドリップカウンター342から入力を受け取り、注入ポンプへの入力を監視する。マイクロコントローラー28は、また、注入ポンプ14、16に関連付けられている多数のセンサーまたはデバイスから入力(例えば、注入ポンプを駆動させるモーター上の回転エンコーダーからのエンコーダーデータ、線形アクチュエータからの線形電圧変位変換器(LVDT)データもしくは他の位置または変位データ、注入ポンプ14、16における温度または圧力センサーからの電圧または電流示度など)を受け取る。データは、ワイヤーハーネス322、324、326を介して、送られ得るか、またはZigBee/IEEE805.15.4ワイヤレス規格に従うワイヤレス信号のようなワイヤレスであり得る。データは、マイクロコントローラー28によって受け取られ得るか、またはマイクロコントローラー28が、示されるような、センサー回路32に対する別個のインタフェースを含み得る。この実施形態の注入ポンプ14、16は、線形アクチュエータ、回転アクチュエータ、モーターなどを駆動または制御するために、ドライバー回路30に対する別個のセクションを有している。
【0018】
注入ポンプ14は、モーター148によって駆動される。モーター148は、カム作用駆動トレイン146によって、注入ポンプ可動シャトルセクション144を駆動する。可動シャトルセクション144は、管348をシャトルの静止しているセクション142に対して締めつけ、液体を容器34からポンプ送出する。上部弁140が開き、液体を管348の中に許し、管348がいっぱいになると閉じる。次いで、下部弁141は、コントローラー28が注入ポンプ14に可動シャトルセクション144を作動および循環させるように命令する直前に開く。上部弁140を閉じ、下部弁141を開けると、液体は下部弁を通され、下流にコネクター368を通される。モーター148上のエンコーダーまたは他のフィードバックデバイスは、コントローラー28にモーター148の位置(したがって、可動シャトルセクション144の位置)を通知し、コンピュータプログラムによる、注入ポンプ14によってポンプ送出される容量の計算も可能にする。
【0019】
第二の注入ポンプ16は、線形アクチュエータによって動作する。線形アクチュエータは、回転電気モーターから直接トルクを受け取るような回転態様で動作するデバイスとは反対の線形態様で、利用可能なエネルギー供給源から力および動きを生じさせるデバイスである。線形アクチュエータの例は、電気線形ソレノイド、線形空気圧アクチュエータおよび水圧シリンダーを含む。他の例は、ボールねじ、およびねじジャッキ、ならびにリニアモーターによって作動されるシリンダーも含む。本明細書に記載されるような注入ポンプは、空間および確実性に重点を置いている。多くのタイプの線形アクチュエータが用いられ得るが、米国、CT、ウォーターベリーのHaydron Switch & Instrument(HSI)と、米国、PA、ウエストチェスター、Portescapとからの親ねじおよびステッパーモーターが本注入ポンプの用途に有用であることがわかった。
【0020】
注入ポンプ16は、静止している部分162と、2つの可動シャトル164、166と、3つの弁160、165、170と、5つの線形アクチュエータ168とを含む。線形アクチュエータ168への命令および線形アクチュエータ168の位置は、ハーネス326を介して、ドライバー回路部分30に報告され、マイクロコントローラー28にも報告される。注入ポンプ16は、液体を容器36およびドリップ室346およびポンプから管366を介して受け取る。この実施形態において、管366は、ドリップ室346からコネクター368まで管366の連続した要素である。弁165が閉じ、弁160が開くことによって、弁160から管366の中へ、下流の液体を許す。管366のこの部分がいっぱいになった場合、弁160が閉じ、弁165が開き、シャトル164が前進し、液体を下流に弁165を通してポンプ送出する。シャトル166は、液体を受け取るために開いており、弁170は閉じている。次いで、弁165が閉じ、弁170が開かれ、シャトル166が閉じ、液体をコネクター368および患者へ下流にポンプ送出する。シャトル166が閉じている間、シャトル164が後退し、弁160は開き、弁165から上流の流体を許す。次いで、プロセスが繰り返され、シャトルが続いて前進および後退し、弁が適切に開閉する。
【0021】
2つのシャトルの使用は、ポンプ送出プロセスを円滑にし、その結果、管の一部がポンプ送出される(空にされる)一方で、残りの部分は充満される。第一のシャトル164がポンプ送出する場合、管366の上部の内容物が第二のシャトル166に隣接する管366の下部の中に排出される。第二のシャトル166が液体を患者にポンプ送出しているとき、第一のシャトル164に隣接する管は、再充満される。液体は、第一のシャトル164に第一のシャトル164に直に隣接する管を横断するだけでよいので、管は速やかに充満される。この技術を用いて、円滑な、実質的に連続する流れが達成される。この実施形態において、中間弁165は、上部シャトル164に対する出口弁と、下部シャトル166に対する入力弁との両方の役目を務める。
【0022】
図2に断面で示されるような先行技術の注入ポンプは、管4を均一には締めつけない。代わりに、上部シャトル6および下部静止している部分7が管を圧縮する結果となり得、少量の液体が、図2にみられるように、管の中に残される場合があり、したがって、注入ポンプの動作の不正確さの一因となる。図3に示されるような、本明細書に開示される注入ポンプの一実施形態において、注入ポンプは、中央溝8を有している。中央溝8は、溝の中央線Lに対して対称であり、等しい角度Aを溝8の両側9に有している。一実施形態において、かどは、約0.020インチから約0.060インチまで(約0.50mmから約1.5mm)の緩やかな半径を有するように形成される。静止しているブロック40と移動しているシャトル42とから構成される改良されたシャトルポンプの第一の実施形態は、図4Aおよび図4Bに描写される。
【0023】
ブロック40およびシャトル42は、各々、複数の交互の隆起部46および凹所48と、中央チャネル44とを有しているベースから構成される。隆起部46のうちの1つの部分は、他方の凹所48に嵌入し、静止しているブロック40に対する移動しているシャトル42のスライド移動を可能にする。中央チャネル44は、管の全長を受け取るように構成されており、十分な半径を有するべきであり、刻み目および削り目をなくされたい。隆起部46は、ブロック40およびシャトル42の最上部の縁および底部の縁において、ベースから直角に隆起するが、約45度の角度Bを中央チャネルに対して形成する。この実施形態において、角度Bおよびチャネルは、中央チャネルを二分する水平面Hに対して、対称である(つまり、角度Bは、等しい)。2つの角度Bの合計は、約60度から約120度である。管は、対称な態様で保持または収容され、ポンプ送出が行われた場合、管が歪曲されないように確実にすることを助ける。
【0024】
図5Aおよび図5Bは、接合された静止している部分と移動している部分との断面を描写する。図5Aにおいて、静止しているブロック40および移動しているシャトル42が配列されており、わずかな圧力を管38に及ぼしている。管38は、示されるように、ブロック40とシャトル42との間の範囲に含まれ、通常の円形の管38を、示されるように、わずかに圧縮された状態に変形させるために十分な圧力を有しているに過ぎない。図5Aは、ブロック40の凹所(示されていない)に嵌入するシャトル42からの隆起部424を描写する。管38は、開いた範囲に静止しており、水平面Hに対して対称である。垂直面Vは、水平面に直角であり、かど、または中央チャネル44の位置でみられる。図5Aにみられるように、管38の直径の約3/4がブロック40内に含まれるが、約1/4は、シャトル42の最上(右)面の周りに延在する。
【0025】
図5Bに見られるように、左右部分、ブロック40およびシャトル42は、対応および重複し、管38の直径の約3/4は、また、シャトル42の開いた範囲内に収容される。一実施形態における、かど、または中央チャネル44の半径は、約0.030インチ(約0.75mm)である。ブロック40のベース402は、垂直表面Vの左に対する部分である。シャトル42のベース404は同様に規定されるが、その中央チャネルの場所からみて、垂直面の右に対する。ブロック40は、そのベース402から延在する隆起部414を有しているが、シャトル42は、そのベース404から延在する隆起部424を有している。図5Bにおいて、シャトル42は、下流に移動され、管38を締めつけ、管38内の液体注入剤を患者にポンプ送出する。管38は、この空間内で変形されるが、このジオメトリにより、隆起部414、424に隣接する管38の全外周または周辺が、対応するブロック40の隆起部414と、シャトル42の隆起部424との間に抑制される。
【0026】
ブロック410およびシャトル420の別の実施形態は、図6に示される。ブロック410およびシャトル420は、その間の管38を収容することと、締めつけることとを行うように構成されている。この実施形態において、フィンガ406、408がブロック410と、シャトル420との両方の上に加えられ、管38を固定することと、締めつけることとを助ける。ブロック410において、リアフィンガ406およびフロントフィンガ408は、管38に隣接して位置決めされ、シャトル420における嵌まるべきスロット48に嵌入する。シャトル420がブロック410に対して、管38を締めつけることによって、管38に接触した場合、フィンガ406、408は、管38に対して押し付けられ、管38を含むことと、および締めつけることとを助ける。この描写において、シャトル420は、下流に回転しており、管38との接触からは離れており、ブロック410におけるフィンガ406、408が管38と接触して示される。シャトル420も、同じ機能を行うリアフィンガ406(示されていない)およびフロントフィンガ408を有しており、管38を管の他方の側ににおいて締めつける。シャトル420上のフィンガ406、408は、ブロック410上の適合するスロットまたは凹所48に嵌入する。
【0027】
上記のブロック410およびシャトル420は、管38を咬合する、より小さい部分においても構成され得、用いられ得る。例えば、ポンプ送出する管38のより長い部分を締めつける代わりに、非常に短いバージョンが弁として用いられ得る。図7および図8は、例を描写する。図7において、咬合器70は、静止している部分またはブロックとして用いられ得るか、あるいは、移動している部分またはシャトル、もしくは管を咬合する弁として用いられ得る。咬合器70は、上記の固定および移動している部分に類似する。咬合器70は、ベース部分72、中央チャネル74、1つの隆起部76および1つの凹所78を含む。示される咬合器70は、咬合器70の上の嵌入する咬合器70と共に用いられ、1つの咬合器70の隆起部76を他方の凹所78に、1つの凹所78に他方の隆起部76を設置され、用いられる。1つの咬合器70を前後にスライドまたは操作することによって、管の全長は、開閉され得、したがって、注入ポンプ中の流体の流れを可能にし、停止させる。この構成は、管の全周または周辺が咬合され、早期故障につながる過剰な圧力に晒されにくいという点で、上述のシャトルポンプと同じ利点を有している。
【0028】
弁の役目を務める能力を有している咬合器の別の実施形態は、図8に描写される。この実施形態において、ベース部分82を有している咬合器80は、2つの隆起部86および2つの凹所88(各側に隆起部86と凹所88)を含み、2つの位置は、横断する中央チャネル84にわたり、反転している。実施形態は、咬合器70、ブロック40およびシャトル42を用いるような、2つの咬合器80(1つは、静止しているであり、1つは移動である)を用いる使用を意図している。さらに、両咬合器実施形態70、80とも液体を管から押し進めるために用いられ得るので、液体をポンプ送出するために用いられ得る。
【0029】
図9は、複数の咬合器セクション70が、線形蠕動ポンプ60の静止している部分と移動している部分との両方として用いられる実施形態を描写する。図において、複数の静止しているセクション70aは、互いに隣接して設置され、それらの凹所78は可視であり、静止しているセクション70aの上に設置される、対応する数の同一移動している部分70bからの隆起部76を収容する。移動している部分70bは、線形蠕動ポンプ60のセクションのように、ずらされて描かれる。移動しているセクション70bは、連続して移動し、固定された少い容量の液体が、各セクション70bが閉じ、次から次へと通過し、ある容量が次のセクションへと通過され、次いで、セクションが開き、別の少い容量を受け取る。セクション70bは、線形アクチュエータ(例えば、ソレノイドアクチュエータまたは他のアクチュエータ(示されていない))によって移動可能である。アクチュエータの変位が可変である場合、単位時間毎にポンプ送出される容量は、可変である。例えば、3ポジションソレノイドは、閉じられた位置に加えて、2つの可能な位置のうちの一方に従って、ある容量をポンプ送出するために用いられ得る。特定の距離を移動するようにプログラムされ得る線形アクチュエータも、ポンプ送出容量を制御するために用いられ得る。もちろん、入口弁および出口弁も、そのような線形蠕動ポンプ60と共に用いられ得る。図9の線形蠕動ポンプ60は、適切な隆起部76および凹所78を有する1つの静止している部分(示されていない)と、静止している部分に搭載される複数の移動している部分70bとを用いて動作し得ることを当業者は理解する。このようにして、より安価であり、より修理が容易なポンプが作成される。
【0030】
他の線形アクチュエーション実施形態は、図10および図11に描写される。図10において、注入ポンプ120は、入口弁122、出口弁124、固定またはブロックセクション125、およびシャトルまたは移動しているセクション126を含む。注入ポンプ120は、管38を操作して、注入液体をポンプ送出する。弁122、124は、標準的な2ポジション電気ソレノイドであり得る線形アクチュエータ128によって、開閉される。シャトル126は、線形アクチュエータ130によって、線形に前後に移動される。ブロックおよびシャトル125、126は、図4A、図4B、図5Aおよび図5Bにおいて描写されたものに類似し得るか、または異なる場合がある。弁122、124の開閉のタイミング、および線形アクチュエータ128、130の作動のタイミング(つまり、ポンプ送出のタイミング)は、線形アクチュエータ128、130が接続されているコントローラー(示されていない)によって決定され、この実施形態においては、コントローラーのコンピュータプログラムによって決定される。線形アクチュエータ130によって動作が制御されるシャトル126を有している注入ポンプ120は、線形シャトル注入ポンプ(この文脈では、線形シャトルポンプ)として既知である。
【0031】
図11は、実質的に連続するポンプ送出動作を有する別の注入ポンプ設計に対する作動を描写する。いくつかの設計に伴う1つの問題は、管がより多くの流体を充満するように設定することを可能にするために、流体がポンプ送出されないことが周期的にあることである。この周期的に流れがなくなることをなくすために、第二のシャトルが加えられえることによって、ポンプは、一次シャトルが再充満されている間、液体送達を継続し得る。注入ポンプ150も、管38を操作し、液体を患者に注入する。この実施形態において、液体は、入口弁152を通して投与され、まず、一次シャトル164によってポンプ送出される。一次シャトル164は、液体を二次シャトル166にポンプ送出する。二次シャトル166は、長さが一次シャトル164の約半分しかない。この実施形態において、一次および二次シャトル164、166の間には中間弁154があるが、出口弁はない。
【0032】
一次シャトルがポンプ送出を終え、再補給されているとき、入口弁152が開かれ、中間弁154が閉じられる。二次シャトル166は、流体の送達を継続する。その後、中間弁が開き、入口弁が閉じられたとき、一次シャトルが流体をポンプ送出し、二次シャトル166を充満させる。一次シャトルは、長さが二倍であり、二倍の長さの管に直面するので、二次シャトルよりも約二倍の容量をポンプ送出する。他の実施形態も用いられ得る。
【0033】
上記の実施形態に記載されたシャトルおよび弁の線形移動は、理解することが容易である。しかし、注入ポンプのための管が、図6に描写したシャトル420を用いて、回転動作によって締めつけられるか、または作動される実施形態もある。したがって、図7〜図11に描写される線形作動の実施形態は利点を有しているが、他の実施形態は、1つのモーター、および移動可能シャトルまたは移動可能セクションと係合している1つ以上のカム表面を用いて、より統一したポンプ送出を達成し得る。
【0034】
そのような実施形態は、図12、図13Aおよび図13Bにさらに描写される。シャトル420は、中央横断チャネル460に沿って配列される複数の隆起部46および凹所48を含む。上記したように、シャトル420は、個々のポンプ送出連続を完了させた後、開いた構成に管38を戻すフィンガ422も含み得る。シャトル420は、旋回ピン454のためのボア452を有している旋回軸450を含む。シャトル420は、モーターがカム作用表面430上のカム432を移動させた場合、移動する。レバーアーム428によって移動が増幅されるカム作用表面430は、シャトル420を旋回軸450の周りを旋回させ、したがって、隆起部46を管38の全長に対して押し付ける旋回ピン454は、液体をポンプ送出し、液体を患者に注入する。
【0035】
この実施形態の閉じられた位置および開かれた位置の側面図は、図13A〜図13Bにさらに示される。図13Aにおいて、静止しているブロック410は、管38のように、適所に固定される。シャトル420は、管38を中央空間460において締めつける。モーターは、カム432を時計回りにカム作用表面430に対して回転させ、カム作用表面430を押し下げ、レバーアーム428を通して、管38に対して上方向に移動しているシャトル420を時計回りの回転で移動させる移動させる。チューブ38中の液体がポンプ送出されたとき、移動しているシャトル420は、管38が開き、注入用液体で再充満されることを可能にする。図13Bにおいて、カム438は、反時計回りに回転し、旋回軸450と旋回ピン454との周りの時計回りの旋回を可能にする。ここで、管38は、次のサイクルが生じるまで再充満され得る。
【0036】
図14は、注入ポンプシステム100を用いた用途を描写する。このシステム100において、注入ポンプコントローラー112は、上記のように複数の注入ポンプ114を制御する。各注入ポンプ114は、患者Pに注入するための1つの液体を受け取る(この例では、容器102、104からドリップ106、108およびIV管38を通り、それぞれの注入ポンプ114に至る)。管38は、注入液体に医薬を加えるためのコネクター110を任意で有している。この実施形態におけるポンプ送出される液体は、注入ポンプ114の各々から、逆止め弁116を通り、次いで、IV管38の別の全長を通って患者Pに出力される。IV管38は、クランプ118を含む。
【0037】
本明細書に記載された本好ましい実施形態に対するさまざまな変更および改変が当業者に明らかであることを理解されたい。そのような変更および改変は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その意図される利点を損なうことなく、なされ得る。そのため、そのような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって含まれることが意図される。
(項目1)
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)と該シャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該注入ポンプを動作させ、
該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)の全長を保持および締めつける対称的な溝を含み、該溝は、該溝の中央軸(H)に関して対称的である、注入ポンプ。
(項目2)
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベースおよび丸み付けされたチャネルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46)および凹所(48)を含み、該部分のうちの一方の該隆起部(46)は、前記管(38)を締めつけるための相互係合移動のために、他方の凹所(48)に嵌入する、項目1に記載の注入ポンプ。
(項目3)
前記シャトルの静止している部分(40、142、410)およびシャトル移動可能部分(42、144、420)のうちの少なくとも一方は、複数の延在するフィンガ(406、408)をさらに含み、該フィンガ(406、408)は、該シャトル移動可能部分(42、144、420)が該シャトルの静止している部分(40、142、410)の方に移動する場合に、前記管(38)に対して押圧する、項目1または2に記載の注入ポンプ。
(項目4)
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベース(402、404)および丸み付けされたチャネル(44)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46、414、424)および凹所(48)を含み、該隆起部(46、414、424)は、該ベース(402、404)に対して、ある角度で形成される、項目1〜3のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目5)
前記シャトル移動可能部分(42、144)は、複数のシャトル(164、166)を含み、該複数のシャトルは、前記注入ポンプ内で連続して移動することによって、前記管の全長を締めつけ、注入剤をポンプ送出するように構成されている、項目1〜4のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目6)
前記複数のシャトル(164、166)は、第一および第二のシャトル(164、166)を含み、該第二のシャトル(166)は、前記出口弁(165)の上流または下流に位置決めされている、項目5に記載の注入ポンプ。
(項目7)
前記弁またはシャトルのうちの少なくとも一方は、線形アクチュエータ(168)によって駆動される、項目1〜6のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目8)
前記入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一方は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分は、各々、溝と、少なくとも1つの横向きの隆起部(76)と、少なくとも1つの横向きの凹所(78)とを有しており、該溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(70b)が前記管の全長に対して横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、項目1〜7のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目9)
複数の固定フィンガ(406、408)を前記シャトル移動可能部分(42、144、420)およびシャトルの静止している部分(40、142、410)のうちの少なくとも一方にさらに含み、各フィンガは、隆起部(46)から突出し、該隆起部(46)を超えて延在し、各フィンガ(406、408)は、前記管(38)の円周の部分に接触するように構成されている、項目1〜8のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目10)
線形アクチュエータ(168)をさらに含み、前記シャトルは、該線形アクチュエータ(168)によって作動され、前記注入ポンプによってポンプ送出される注入剤の容量は、該線形アクチュエータ(168)のストロークを調節することによって調節される、項目1〜9のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目11)
ハウジング(12)と、
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該注入ポンプは、該ハウジング内に含まれ、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)とシャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(42、144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該管(38)を締めつけ、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)を含むための対称的なチャネル(44)を有しているベース(402、404)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)の各々は、該ベース(402、404)およびチャネル(44)から隆起する複数の横向きの隆起部(46、414、424)および横向きの凹所(48)を含み、該チャネル(44)より上の該隆起部(46、414、424)の高さは、該管(38)の外径未満である、注入ポンプ。
(項目12)
前記注入ポンプに対して、複数のセンサーおよび回路(30、32)と動作可能に通信している制御部分(28)をさらに含み、該制御部分(28)は、該注入ポンプの速度を制御するように構成されている、項目11に記載の注入ポンプ。
(項目13)
前記シャトルは、2つのシャトルを含み、第一のシャトル(164)が、前記入口弁(160)の下流にあり、第二のシャトル(166)が、前記出口弁(165)の下流にあり、前記ポンプは、該第一および第二のシャトル(164、166)の移動している部分を連続して並進させることによって動作する、項目11または12に記載の注入ポンプ。
(項目14)
前記シャトルを移動させる線形アクチュエータ(168)またはモーター(148)をさらに含み、前記注入ポンプのポンプ送出能力は、前記移動可能部分(144)を移動させるアクチュエータのストロークを調節することによって変えられる、項目11〜13のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目15)
前記対称的なチャネル(44)の両側の前記隆起部(46、414、424)は、前記ベース(402、404)から同じ角度を形成する、項目11〜14のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目16)
前記対称的なチャネル(44)の両側の前記隆起部(46、414、424)も対称的である、項目11〜15のうちのいずれか一項目に記載の注入ポンプ。
(項目17)
注入剤をポンプ送出する方法であって、
該方法は、
注入ポンプを備えることであって、該注入ポンプは、シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトルの移動している部分(42、144)を有している少なくとも1つのシャトルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(44、144)は、各々、対称的なチャネル(44)と、該ベース(402、404)およびチャネル(44)から隆起する複数の隆起部(46、414、424)および凹所(48)とを有するベース(402、404)を含み、該チャネル(44)の両側の該隆起部(46、414、424)は、対称的である、ことと、
該ポンプのコントローラー(28)に少なくとも1つの入力を通して、命令を入力することによって、該注入ポンプの動作を制御することと、
該シャトル移動可能部分(42、144)を該シャトルの静止している部分(40、142)に対して周期的に移動させることによって、注入剤をポンプ送出することであって、該管(38)の外周の実質的に全ては、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトルの移動している部分(42、144)の一部と接触している、ことと、
該注入ポンプの少なくとも1つの弁(140、141)を連続して開閉することによって、該注入剤を流入させ、該注入ポンプが該注入剤をポンプ送出することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目18)
前記シャトル移動可能部分(42、144、420)は、旋回点(450)の周りを回転すること、または、並進することによって移動し、該シャトル移動可能部分(42、144、420)の移動は、前記管(38)を前記シャトルの静止している部分(40、142、410)に対して締めつける、項目17に記載の方法。
(項目19)
1つのコントローラー(28)を有している少なくとも2つの注入ポンプを動作させることをさらに含む、項目17または18に記載の方法。
(項目20)
前記少なくとも1つの弁は、弁静止している部分(70a)に隣接する弁移動可能部分(70b)を並進させることによって閉じられ、該弁移動可能部分(70b)および弁静止している部分(70a)は、各々、前記管に対する対称的なチャネル(74)と、少なくとも1つの隆起部(76)および少なくとも1つの凹所(78)とを有しているベース(72)を含み、該少なくとも1つの隆起部(76)と該少なくとも1つの凹所(78)とは、該チャネル(74)の反対側にあり、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成されている、項目17〜19のうちのいずれか一項目に記載の方法。
(項目21)
前記シャトルの移動している部分(42、144)の並進を調節することによって、前記ポンプの容量を調節することをさらに含む、項目17〜20のうちのいずれか一項目に記載の方法。
(項目22)
少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)であって、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)は、ベース(402)と、対称的なチャネル(44)と、該チャネルの第一の側の少なくとも1つの隆起部(414)および該チャネルの第二の側の少なくとも1つの凹所とを含み、該チャネルは、該チャネル(44)の中心の各側に対称的な角度を有して形成される、少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)と、
複数の移動可能セクション(42、144)であって、各移動可能セクションは、ベース(404)と、対称的なチャネル(44)と、該チャネル(44)の第一の側の隆起部(424)および該チャネル(44)の第二の側の凹所とを含み、チャネル(44)は、該チャネル(44)の中心の各側に対称的な角度を有して形成され、該少なくとも1つの静止しているセクションにおける該少なくとも1つの隆起部(414)および少なくとも1つの凹所は、該移動可能セクション(42、144)の該凹所および隆起部(424)に嵌入し、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)および該複数の移動可能セクション(42、144)は、組み立てられた場合に、該チャネル(44)は、管(38)の全長に対して適切な開口部を形成し、それによって、該移動しているセクションが該管(38)の全長を締めつけるように動作した場合に、該管(38)の外周の実質的に全てが、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)の一部と、該移動しているセクション(42、144)の一部とに接触している、複数の移動可能セクション(42、144)と、
該複数の移動可能セクション(42、144)に接続されている複数の線形アクチュエータ(168)と
を含み、該複数の線形アクチュエータ(168)の各々は、該線形アクチュエータ(168)の位置を報告するセンサーをさらに含む、線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目23)
前記複数の線形アクチュエータ(168)と動作可能に通信しているコントローラー(28)をさらに含み、該コントローラー(28)は、前記線形シャトルポンプおよび該複数の線形アクチュエータ(168)を連続して動作させるコンピュータプログラムをさらに含む、項目22に記載の線形シャトルポンプ。
(項目24)
前記少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)および移動可能セクション(42、144)は、各々、前記チャネルの第二の側に第二の隆起部をさらに含み、該チャネルの第一の側に第二の凹所をさらに含み、該少なくとも1つの静止しているセクション(40、142)の少なくとも1つの隆起部および少なくとも1つの凹所は、該移動可能セクション(42、144)の凹所および隆起部に嵌入し、該複数の移動可能セクション(42、144)が第一の方向に移動する場合、および該複数の移動可能セクション(42、144)が該第一の方向とは反対の第二の方向に移動する場合にポンプ送出を可能にする、項目22または23に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目25)
入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一つをさらに含み、該少なくとも1つの弁は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分(70a、70b)は、各々、対称的な溝と、少なくとも1つの隆起部(76)および1つの凹所(78)とを有しており、前記中心溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管(38)の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(76b)が前記管(38)の全長に対して横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、項目22〜24のうちのいずれか一項目に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目26)
前記静止しているセクション(40、142)は、複数の静止しているセクション含み、各静止しているセクションは、前記チャネルの1つの側の少なくとも1つの隆起部(46、414)と、該チャネル(44)の反対側の1つの凹所(48)とを含む、項目22〜25のうちのいずれか一項目に記載の線形シャトル蠕動ポンプ。
(項目27)
液体をポンプ送出する方法であって、
該方法は、
線形シャトル蠕動ポンプを提供することであって、該ポンプは、複数のシャトルの静止しているセクション(40、142)および複数のシャトルの移動しているセクション(42、144)を含み、該セクションの各々は、少なくとも1つの横向きの隆起部(46、414)および少なくとも1つの横向きの凹所(48)を有している対称的な溝を有しており、該静止しているセクション(40、142)の隆起部(46、414)および凹所は、該移動しているセクションの対応する凹所および隆起部(424)に嵌入し、該ポンプにおける管(38)の外周の実質的に全ては、該管(38)が締めつけられた場合に、該静止しているセクション(40、142)と移動しているセクション(42、144)との表面と接触している、ことと、
該ポンプのコントローラー(28)に少なくとも1つの入力を通して命令を入力することによって、該線形シャトル蠕動ポンプの動作を制御することと、
該シャトルの静止しているセクション(40、142)に対して、該シャトル移動可能セクション(42、144)を連続して移動させることによって、液体をポンプ送出することと、
該注入ポンプの少なくとも1つの弁(140、141)を連続して開閉することによって、該注入剤を流入させ、該注入ポンプが該注入剤をポンプ送出することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目28)
前記複数のシャトルの移動している部分(42、144)に対する線形アクチュエータ(168)の並進を調節することによって、前記ポンプの流れを制御することをさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
静止しているセクション(70a)であって、該静止しているセクションは、ベース(72)と、対称的なチャネル(74)と、該チャネル(74)の第一の側の少なくとも1つの隆起部(76)および該チャネル(74)の第二の側の少なくとも1つの凹所(78)とを含み、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成される、静止しているセクション(70a)と、
移動可能セクション(70b)と
を含み、該移動可能セクションは、ベース(72)と、対称的なチャネル(74)と、該チャネル(74)の第一の側の隆起部(76)および該チャネル(74)の第二の側の凹所(78)とを含み、該チャネル(74)は、該チャネル(74)の中心の各側に対称的な角度を有して形成され、該静止しているセクションにおける少なくとも1つの隆起部(76)および少なくとも1つの凹所(78)は、該移動可能セクションの凹所(78)および隆起部(76)に嵌入し、該静止しているセクション(70a)および移動可能セクション(70b)が組み立てられた場合に、該チャネル(74)は、管(38)の全長に対して適切な開口部を形成し、該移動しているセクションが該管(38)の全長を締めつけるように動作した場合に、該管(38)の外周の実質的に全ては、該静止しているセクション(70a)および該移動しているセクション(70b)の一部と接触している、ジオメトリによって制御された弁。
(項目30)
前記移動可能セクション(70b)に接続されている線形アクチュエータ(168)と、前記アクチュエータ(168)の位置を報告するセンサーとをさらに含む、項目29に記載のジオメトリによって制御された弁。
(項目31)
前記ジオメトリによって制御された弁の下流または上流に注入ポンプをさらに含む、項目29または30に記載のジオメトリによって制御された弁。
(項目32)
前記ジオメトリによって制御された弁は、入口弁(160)であり、該ジオメトリによって制御された弁は、該入口弁の下流の第一の線形シャトルポンプ(164)と、任意で該第一の線形シャトルポンプ(164)の下流の第二の線形シャトルポンプ(166)と、任意で少なくとも該第一の線形シャトルポンプ(164)の下流の第二のジオメトリによって制御された弁(165)とをさらに含む、項目29〜31のうちのいずれか一項目に記載のジオメトリによって制御された弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)とシャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該注入ポンプを動作させ、
該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)の全長を保持および締めつける対称的な溝を含み、該溝は、該溝の中央軸(H)に関して対称的であり、該シャトルの静止している部分(40、142、410)およびシャトル移動可能部分(42、144、420)のうちの少なくとも一方は、複数の延在するフィンガ(406、408)をさらに含み、該フィンガ(406、408)は、該シャトル移動可能部分(42、144、420)が該シャトルの静止している部分(40、142、410)の方に移動した場合に、該管(38)に対して押圧する、注入ポンプ。
【請求項2】
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベースおよび丸み付けされたチャネルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46)および凹所(48)を含み、該部分のうちの一方の隆起部(46)は、該管(38)を締めつけるための相互係合移動のために、他方の凹所(48)に嵌入する、請求項1に記載の注入ポンプ。
【請求項3】
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベース(402、404)および丸み付けされたチャネル(44)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46、414、424)および凹所(48)を含み、該隆起部(46、414、424)は、該ベース(402、404)に対してある角度で形成される、請求項1および2のうちのいずれか一項に記載される注入ポンプ。
【請求項4】
前記シャトル移動可能部分(42、144)は、複数のシャトル(164、166)を含み、該複数のシャトルは、前記注入ポンプ内で連続して移動することによって、前記管の全長を締めつけ、注入剤をポンプ送出するように構成されている、請求項1、2および3のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項5】
前記複数のシャトル(164、166)は、第一および第二のシャトル(164、166)を含み、該第二のシャトル(166)は、前記出口弁(165)の上流または下流に位置決めされている、請求項4に記載の注入ポンプ。
【請求項6】
前記弁またはシャトルのうちの少なくとも一方は、線形アクチュエータ(168)によって駆動される、請求項1、2、3〜5のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項7】
前記入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一方は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分は、各々、溝と、少なくとも1つの横向きの隆起部(76)および少なくとも1つの横向きの凹所(78)とを有しており、該溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(70b)が該管の全長に対して横断方向に横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、請求項1、2および3〜6のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項8】
複数の固定フィンガ(406、408)を前記シャトル移動可能部分(42、144、420)およびシャトルの静止している部分(40、142、410)のうちの少なくとも一方にさらに含み、各フィンガは、隆起部(46)から突出し、該隆起部(46)を超えて延在し、各フィンガ(406、408)は、前記管(38)の円周の一部に接触するように構成されている、請求項1、2および3〜7のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項9】
線形アクチュエータ(168)をさらに含み、前記シャトルは、該線形アクチュエータ(168)によって作動され、前記注入ポンプによってポンプ送出される注入剤の容量は、該線形アクチュエータ(168)のストロークを調節することによって調節される、請求項1、2および3〜8のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項1】
入口弁(140)と、
出口弁(141)と、
シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)を含むシャトルと
を含む注入ポンプであって、該シャトルは、該シャトルの静止している部分(40、142)とシャトル移動可能部分(42、144)との間に管(38)の全長を締めつけるように構成されており、該シャトル移動可能部分(144)は、該シャトルの静止している部分(40、142)の方に移動し、該シャトルの静止している部分(40、142)から離れて移動することによって、該注入ポンプを動作させ、
該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、該管(38)の全長を保持および締めつける対称的な溝を含み、該溝は、該溝の中央軸(H)に関して対称的であり、該シャトルの静止している部分(40、142、410)およびシャトル移動可能部分(42、144、420)のうちの少なくとも一方は、複数の延在するフィンガ(406、408)をさらに含み、該フィンガ(406、408)は、該シャトル移動可能部分(42、144、420)が該シャトルの静止している部分(40、142、410)の方に移動した場合に、該管(38)に対して押圧する、注入ポンプ。
【請求項2】
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベースおよび丸み付けされたチャネルを含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46)および凹所(48)を含み、該部分のうちの一方の隆起部(46)は、該管(38)を締めつけるための相互係合移動のために、他方の凹所(48)に嵌入する、請求項1に記載の注入ポンプ。
【請求項3】
前記シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、ベース(402、404)および丸み付けされたチャネル(44)を含み、該シャトルの静止している部分(40、142)およびシャトル移動可能部分(42、144)は、各々、複数の横向きの交互の隆起部(46、414、424)および凹所(48)を含み、該隆起部(46、414、424)は、該ベース(402、404)に対してある角度で形成される、請求項1および2のうちのいずれか一項に記載される注入ポンプ。
【請求項4】
前記シャトル移動可能部分(42、144)は、複数のシャトル(164、166)を含み、該複数のシャトルは、前記注入ポンプ内で連続して移動することによって、前記管の全長を締めつけ、注入剤をポンプ送出するように構成されている、請求項1、2および3のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項5】
前記複数のシャトル(164、166)は、第一および第二のシャトル(164、166)を含み、該第二のシャトル(166)は、前記出口弁(165)の上流または下流に位置決めされている、請求項4に記載の注入ポンプ。
【請求項6】
前記弁またはシャトルのうちの少なくとも一方は、線形アクチュエータ(168)によって駆動される、請求項1、2、3〜5のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項7】
前記入口弁(140)および出口弁(141)のうちの少なくとも一方は、静止している弁部分(70a)および移動可能弁部分(70b)を含み、該弁部分は、各々、溝と、少なくとも1つの横向きの隆起部(76)および少なくとも1つの横向きの凹所(78)とを有しており、該溝より上の該少なくとも1つの隆起部(76)の高さは、前記管の外径未満であり、該弁部分は、該移動可能弁部分(70b)が該管の全長に対して横断方向に横断方向に移動することによって、該管(38)を咬合するように構成されている、請求項1、2および3〜6のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項8】
複数の固定フィンガ(406、408)を前記シャトル移動可能部分(42、144、420)およびシャトルの静止している部分(40、142、410)のうちの少なくとも一方にさらに含み、各フィンガは、隆起部(46)から突出し、該隆起部(46)を超えて延在し、各フィンガ(406、408)は、前記管(38)の円周の一部に接触するように構成されている、請求項1、2および3〜7のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【請求項9】
線形アクチュエータ(168)をさらに含み、前記シャトルは、該線形アクチュエータ(168)によって作動され、前記注入ポンプによってポンプ送出される注入剤の容量は、該線形アクチュエータ(168)のストロークを調節することによって調節される、請求項1、2および3〜8のうちのいずれか一項に記載の注入ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【公表番号】特表2013−516234(P2013−516234A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547184(P2012−547184)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/062150
【国際公開番号】WO2011/082135
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/062150
【国際公開番号】WO2011/082135
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
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