説明

制御システムおよび関連する制御方法

この発明は出力装置の所望の出力を制御するためのシステム、装置および方法を提供する。これらのシステム、装置および方法は、複数の抵抗値の選択された1つを有する電気抵抗エレメントを、複数の電気部品を有する電気回路部分と接続することと、接続された電気回路部分と可変抵抗素子に関連する電気特性を決定することと、電気特性に基づいて制御信号を発生し、出力装置の所望の出力を制御することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御システムおよび関連する制御方法に関し、特に位置アクチュエーター機構、電気装置のための方向制御またはナビゲーションキーに関する。
【背景技術】
【0002】
ジョイスティックまたはナビゲーションタイプキーのような、この制御システムおよび装置は、制御システムまたは装置の部材を所定方向にユーザーに移動させることにより所定の出力信号を発生することができる。それにより、発生された出力信号は、各々が移動の1つ以上の所定の方向に対応する1つ以上の所定の出力信号から選択可能である。
【0003】
所定方向の数は通常相対的に少なく、出力信号を発生することと関連する制御システムの機械部品および電気部品に必要な物理的なスペースにより制限される。例えば、所定の出力信号の各々は、スイッチに関連するこれらの部品のような独自の機械部品および電気部品並びにスイッチを選択された方向に移動させることに相当する位置の関連するスペースまたはレンジを必要とするかもしれない。より大きな機能性を有したより小さなサイズの制御システムに対する増え続ける需要のために、低減された数の機械部品および電気部品を有し、より大きな数の所定の方向および/または所定の出力信号を有する改良された制御システムの必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
この発明の実施形態は、低減された数の部品とより大きな量の制御または機能性を有する、制御システムおよび関連する制御方法を提供する。
【0005】
一実施形態において、制御システムは、各々が周知の電気特性を有する複数の電気部品を有する電気回路部分を含む。可変抵抗素子は電気回路部分に接続可能であり、複数の抵抗値を有する。さらに、入力機構は可変抵抗素子と接続可能であり、複数の入力位置を有する。入力機構は複数の入力位置の各々において動作可能であり、可変抵抗素子を、複数の抵抗値の所定の1つを電気回路部分に接続する。さらに、制御信号は、電気回路部分と可変抵抗素子との間の接続により生成可能である。制御信号は、各々が複数の入力位置の1つに対応する複数の制御信号から選択可能である。
【0006】
他の実施形態において、信号を生成する機構は、第1のコンダクターと、変化する、第1のコンダクターから所定の間隔を有する第2のコンダクターと、第1のコンダクターと第2のコンダクターとの間に複数の相互接続位置を有する第3のコンダクターを含む。信号を生成する機構は、複数の相互接続する位置の各々において第3のコンダクターが第1のコンダクターと第2のコンダクターに接続するとき、生成可能な複数の出力信号の所定の1つを含む。
【0007】
さらに他の実施形態において、信号を生成する機構は、第1の抵抗を有する第1の回路と、第2の抵抗を有する第2の回路と、第3の抵抗を有する第3の回路を含む。第1の回路部分、第2の回路部分および第3の回路部分の少なくとも1つは、他の2つの回路部分に対して複数の相互接続する位置の1つにおいて位置決め可能である。さらに、第1の抵抗、第2の抵抗および第3の抵抗の少なくとも1つは、複数の相互接続する位置の各々の位置に関連して変化する可変抵抗を含む。さらに、信号を生成する機構は複数の選択可能な出力信号を生成する。各出力信号は複数の相互接続する位置の1つに対応する。
【0008】
他の実施形態において、方向制御は、複数の選択可能な方向の1つに対応する複数の位置の少なくとも1つに移動可能な本体を含む。さらに、電気回路は、各々が複数の選択可能な方向に対応する複数の出力信号を生成するように動作可能である。さらに、本体によって電気回路との接触に移動可能なコンダクターは、各々が複数の選択可能な方向の1つに対応する複数の抵抗値を有する。
【0009】
さらに他の実施形態において、制御システムは、中心点の回りを移動可能な部材を含み、x軸コンポーネントおよびy軸コンポーネントを有する方向性出力を選択する。システムは、円形形状を有する第1の導電性部材と、円形形状を有し第1の導電性部材内に非同心円状に位置可能な第2の導電部材を含む。方向制御はさらに、第1の導電性部材と第2の導電性部材に接続するために第1の複数の位置に位置決め可能な第1の導電性部分をさらに含む。この場合、第1の複数の位置の各々は方向出力のx軸コンポーネントを表す第1の信号に相当する。方向制御は、さらに円形形状を有し第1の導電性部材内に同心円状に位置決め可能な第3の導電性部材と、円形形状を有し、第3の導電性部材内に非同心円状に位置可能な第4の導電性部材を含む。さらに、第2の導電性部分は、第3の導電性部材および第4の導電性部材に接続するために第2の複数の位置において位置決め可能である。この場合、第2の複数の位置の各々は、方向出力のy軸コンポーネントを表す第2の信号に相当する。
【0010】
さらなる実施形態は出力装置の所望の出力を制御する方法を含む。この方法は、複数の抵抗値の選択された1つを有する電気抵抗素子を、複数の電気部品を有する電気回路部分に接続することを含む。接続された電気回路部分に関連する電気特性と可変抵抗素子が決定される。および、出力装置の所望の出力を制御するために電気特性に基づいた制御信号が発生される。
【0011】
他の実施形態において、方向性制御信号を発生する方法は、複数の方向の各々において変化する互いに間隔を有する第1の導電性部材と第2の導電性部材の両端に電圧を印加することを含む。第1の導電性部分は、複数の方向の選択された1つにおいて第1の導電性部材と第2の導電性部材との間に接続される。この場合、第1の導電性部分の抵抗特性は可変間隔のサイズに従って変化する。さらに、第1の導電性部材と、第1の導電性部分により接続された第2の導電性部材により形成される回路に関連する電気特性が測定される。さらに、複数の方向の選択された1つに対応する方向制御信号が発生される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の種々の実施形態は、類似した記号表示が類似のエレメントを示す、この発明を限定するためにではなく例証するために提供される添付図面ととともに以下に記載されるであろう。
【0013】
この発明の実施形態は、複数の入力の選択された1つに基づいて可変出力を発生するためのシステムと方法を提供する。例えば、選択された入力は、電子装置上のナビゲーションキーの移動の方向と期間と関連していてもよい。さらに、例えば、ナビゲーションキーの移動は、ビジュアルディスプレイ装置のような出力装置上に発生されたグラフィックの移動または選択に相関していてもよい。さらに、例えば、出力信号を使用して電子装置の選ばれた機能性を制御してもよい。
【0014】
図1および2を参照すると、ナビゲーションキー64上の複数の方向14から移動期間および/または選択方向12(図2)を決定するためのような制御回路10の一実施形態は、第1の可変抵抗部分を有する第1の回路16と第2の可変抵抗部分22を有する第2の回路20を含み、各々が複数の抵抗値を有する。各可変抵抗部分18、22は、以下により詳細に説明されるように、複数の抵抗値の1つと、複数の方向の1つに関連してもよい複数の位置を有する。さらに、第1の回路16は、一端に第1の抵抗36を有し、他端に第2の抵抗38を有する第1の可変抵抗部分18を接続する、可変長および/または電気抵抗を有していてもよい、第1および第2の電気的に導電性の部材24、26を含む。同様に、第2の回路20は、一端に第3の抵抗42を有し、他端に第4の抵抗を有する第2の可変抵抗部分22を接続する可変長および/または電気抵抗を有していてもよい、第3および第4の電気的導電性の部材28、30を含む。バッテリーまたは交流電源のような電源32を作動させて、第1の電圧34を第1の回路に印加し、第2の電圧40を第2の回路20に印加してもよい。電圧34、40は、それぞれの回路16、20の測定された電気特性に基づいて第1および第2の出力信号46、48を発生させる。それにより、出力信号46、48は選択された移動の期間および/またはナビゲーションキー64の選択された方向12のような、各可変抵抗部分18、22に関連した所望の入力を表す。第1および第2の出力信号は、選択された方向12の正確な位置を決定するために電圧分割計算において利用してもよい各回路16,20のための検知された電圧値に関連していてもよい。複数の方向14の各々の選択された1つは正確に決定されてもよい。なぜなら、第1および第2の可変抵抗部分18、22はおのおの複数の方向14の各々に関連する固有のまたは独立した抵抗値を有するからである。
【0015】
一実施形態において、例えば、第1の可変抵抗部分18、第2の導電性部材26および第2の抵抗38にかかる第1の可変電圧35は、第1の変換機構45により受信してもよい。アナログ/デジタル変換器(「ADC」)のような変換機構45は、携帯電話のようなポータブル電子装置のようなシステムの他の電子部品による入力として使用されてもよい第1の出力信号46に第1の可変電圧35を変換してもよい。例えば携帯電話の例において、この発明は変換機構45として未使用のまたは使用中のモデムチップを有利に利用してもよい、それにより新しい部品を装置に追加する必要性をなくす。
【0016】
さらに、制御回路10は、処理装置および現実の又は仮想の制御された機構を含む制御システム50の一部を形成してもよい。制御システム50の適切な例は、ビジュアル出力またはディスプレイ装置、オーディオ出力装置、携帯電話、ポータブル電話、ページャー、無線双方向通信装置、パーソナルデジタルアシスタント、パーソナルコンピューター、ゲームシステム、遠隔制御システム、全地球測位システム(「GPS」)受信機またはコントローラー、トースター温度制御、戦闘ロボット、遠隔制御された自動車または飛行機、ビデオ会議カメラ制御のための制御パネル、タッチスクリーンまたはタブレットパーソナルコンピューターのような電子マルチ方向スクローリングおよびパニング(panning)装置、調節可能なオーディオボリュームまたはディスプレイコントラスト装置、ホームシアターまたは自動車のサラウンドサウンドコントローラー、可変ズームコントローラー、および制御可能な出力を有する任意のタイプの現実のまたは仮想の機構を含む他の同様なタイプのシステムを含む。一実施形態において、例えば、制御システム50は、第1と第2の出力信号46、48を受信しそれらを処理して移動期間および/または選択された方向12を決定してもよいシグナルアナライザー52を含む。さらに、シグナルアナライザー52は、移動期間および/または複数の方向14の各々のような、複数の潜在的な受信信号53のおのおのを1つ以上の複数の制御信号55と関連づけるプログラム、表またはデータベースを含んでいてもよい。例えば、選択された方向12にナビゲーションキー64を「軽く打つ」または「保持する」ことに対応した信号46、48のような受信された信号は各々複数の制御信号55の異なる信号と関連していてもよい。この例において、「軽く打つこと」は、所定の期間または時間量、典型的には相対的に短い時間量とみなされる時間量だけ、選択された方向12にナビゲーションキー64の位置を変更することとして定義されてもよい。他方、「保持すること」は、所定の期間または「軽く打つこと」より大きな時間量だけ、選択された方向12にナビゲーションキー64の位置を変更することとして定義されてもよい。さらに複数の方向14の各々においてナビゲーションキー64の位置を変更することは、複数の制御信号55の別個の信号と関連していてもよい。制御システム50はさらに制御回路10と相互作用する制御システム50に関連して上述したこれらの装置のような制御可能な電子装置または出力機構56を含んでいてもよい。従って、シグナルアナライザー52は、移動の期間および/または選択された方向12に基づいて、複数の制御信号55から1つ以上の選択された制御信号58を発生し、制御信号(複数の場合もある)を制御可能な装置56に送信して装置56の所定の出力57を制御してもよい。例えば、所定の出力57は発生されたグラフィック、発生された可聴音、移動、機能および任意の他のタイプの行為を含んでいてもよい。
【0017】
少なくともいくつかの実施形態において、制御システム50は、制御回路10に関連する電圧、抵抗および/または電流のような電気特性、および可変抵抗部分18、22の位置決め/移動における小さな変化を有利に検出することができる。さらに、電源32は、制御可能な装置56を動作するために使用されるのと同じ電源であってもよい。抵抗器36、38、42は実質的に固定の抵抗値を有し、それらは高精度抵抗器である必要はない。
【0018】
図2-図4を参照すると、携帯電話または他のポータブル電子装置のような制御システム60の一実施形態は、複数の方向14のいずれか1つに移動可能なアクチュエーター機構またはナビゲーションキー64を有する筐体を含む。複数の方向14の各々および/または各位置において費やされた時間期間は、制御システム60により発生されてもよい複数の出力信号の1つに相当する。アクチュエーター機構64によって生成された出力信号(複数の場合もある)はローカル装置あるいはリモート出力装置の出力を制御するために利用されてもよい。例えば、アクチュエーター機構64は、ディスプレイ装置68上に発生されたグラフィック66の移動を第1の位置70から第2の位置72に制御するために、またはディスプレイ上のオプションのリストから1つのリストを選択するためのように、制御システム60上に配置された他の機構を局部的に制御してもよい。さらに、例えば、アクチュエーター機構64は、別個のオーディオまたはビジュアル出力装置上のモードまたはグラフィックのように、または別個の機械的なまたは仮想の装置または画像の移動または位置を制御するためのように、筐体62から離れて配置された他の機構を遠隔的に制御してもよい。本明細書の一実施形態において、ビジュアルディスプレイ上の画像の方向の制御として述べたが、制御システム60は、任意のタイプの装置の任意のタイプの出力を制御するために利用してもよいことは理解されなければならない。
【0019】
特に、図3−図5を参照すると、一実施形態において、アクチュエーター機構64は、複数の方向14(図2)のいずれかの方向において、第1の中心軸/点80の回りの基板78に対して、インテグラル(integral)または別個の幾何学的くいまたはボール部材のように傾斜を変えることができる実質的に堅い本体74を含む。それゆえ、複数の方向14(図2)は、アクチュエーター機構64の上部または底部から見たとき、第1の中心軸/点80に対して0度から360度にわたる円形位置を表す。さらに、回路基板78は、導電性部材24、26、28、30のような制御回路10(図1)のすべてまたは一部を含む。回路基板78との不適当な接触から本体74を離脱させるのを支援するために、弾力性のあるワッシャー、リングまたはスプリングのようなバイアス部材79本体と相互作用するように位置し、本体74を回路基板78から離す力を適用してもよい。さらに、少なくとも部分的に円錐形の形状を形成してもよい、本体74の底面は、第1および第2の導電性リング82、84を含む。それは、第1の中心軸/点80の回りに中心を持つ同心円状の輪であってもよい。動作において、本体74はユーザーにより傾けられ、選択された方向を選択するので、リングの部分82、84は、第1の平面にあってもよい第1のまたは「オフ」の位置から、第2の平面にあってもよい、円錐表面の一部、第2のまたは「オン」位置内の第1および第2の回路、およびそれぞれ可変的に離間された円形導電性部材24、26および28、30に沿ってそれぞれ接線方向にコンタクトするために移動される。従って、第1と第2の可変抵抗部分87、89は、この実施形態において、導電性部材24、26および28、30の間のそれぞれの間隔25、29(図4)にわたる、および本体が複数の方向14のいずれかの選択された方向12において「オン」位置に移動されまたは傾けられるとき、第1および第2の回路16、20に対し実質的に接線方向にまたはそれらの同じ平面内にあるそれぞれの導電性リング82、84上のエリアを含む。各導電性リング82、84は、複数の方向14のいずれかにおける導電性部材24、26および28、30の間の距離または間隔25、29にまたがるのに十分な大きさの幅90、92を有する。そのようなものとして、第1および第2可変抵抗部分87、89各々は与えられた選択された方向12においてそれぞれの導電性部材24、26、および28、30間の実際の距離または間隔25、29に相当するサイズおよび/または長さを有する。本体74が選択された方向12の「オン」位置に移動されるとき、第1および第2の可変抵抗部分87、89のサイズまたは長さは、導電性リング82、84の全体のセクション83、85(図4および図5)のサイズまたは長さの全部または任意の部分であってもよい。したがって、第1と第2可変抵抗部分87、89をそれぞれ形成する、各導電性リングのセグメントは、複数の方向14の選択された1つに依存するそれぞれのリング上のサイズ/長さおよび相対位置を変化させるであろう。あるいは、第1回路および第2回路16、20の平面に直交する軸の周りを回転するナビゲーションキー64の場合、リング83、85は各々、選択方向12に回転されるセクション83、85に相当する電気的に個々の導電性のストリップまたはセグメントによって交換可能であってもよい。どんな場合も、抵抗値変化、電流または電圧、したがってシステム60は、電圧分割を介してのように選択された位置12を決定することができるので、可変抵抗部分87、89のサイズ/長さにおける分散は、制御システム60により検知可能である。
【0020】
例えば、この実施形態において、それぞれの円形導電性部材24、26、28、30をブリッジする可変抵抗部分87、89に関連する出力信号46、48は回路部品の相対的位置決めに依存して選択された方向12のxまたはy成分に関連していてもよい。例えば、図4の実施形態を参照すると、第1の回路16の第1の導電性部材24は第1の中心軸/点80の回りに中心が置かれ、第2の導電性部材26は第1の導電性部材24に位置されるけれども、第2の中心軸/点94の回りに中心が置かれる。第2の中心軸/点94は第1の中心軸/点80と平行するが離間している。それゆえ、0度円形位置98は、第1および第2の導電性部材24、26、28が最も近接して離間される位置に相当し、180度円形位置100は第1および第2の導電性部材24、26が最も離れて離間する位置に相当するので、間隔距離25は、角度位置に依存して変化する。従って、第1および第2の導電性部材24、26の間の間隔25は、0度位置98と180度位置100との間内の任意の選択された位置は、選択された方向2のy成分に相関してもよい。
【0021】
同様に第2の回路はオフセット中心を有する円形導電性部材28、30を含む。例えば、図4を参照して、第3の導電性部材28は第1の中心軸/点80の回りに中心を置いてもよく、第4の導電性部材30は、第3の中心軸/点96の回りの第3の導電性部材28内に中心を置いても良い。第3の中心軸/点96は、第1の中心軸/点80と並列であるが、第1の中心軸/点80から離間しており、さらに中心軸/点94と非同軸である。このレイアウトにおいて、第3および第4の導電性部材28、30は第1と第2の導電性部材を含み、第1と第3の導電性部材24、26は、同心である。それゆえ、間隔距離29は角度位置に依存して変化する。なぜなら、90度円形位置102は、第3と第4の導電性部材28、30がもっと近接して離間される位置に相当し、270度円形位置104は、第3、および第4導電性部材28、30が最も離れて離間される位置に相当する。従って、第3および第4の導電性部材28、30は、90度位置102と270度位置104の間のリングの周りの任意の方向に連続的に増加し、それらの間の選択された位置は、選択された方向12のx成分に相関していてもよい。
【0022】
第3および第4の導電性部材28、30の最も接近して離間した部分に対して±90度の円形位置内の第1および第2の導電性部材24、26の最も接近して離間した部分を位置決めすることにより、本体74上の導電性リング82、84の第1および第2の可変抵抗部分87、89によりこれらのそれぞれの導電性部材87、89の第1および第2の可変抵抗部分87、89によりこれらのそれぞれの導電性部材をブリッジすることにより、完成された第1および第2の回路16、20の特性を解析することにより選択された方向12のx成分およびy成分が決定されることを可能にする。この場合、第1と第2の可変抵抗部分、導電性部材24、26、28、30および導電性リング82、84のすべてのセクションは、抵抗のような電気特性を前から知っている。第1と第2回路16、20のすべての部品は知られているので、それゆえ、第1および第2可変抵抗部分87、89の電気特性は、第1と第2の回路16、20の電気特性に対する影響を通して推定することができ、それにより選択された方向12に相関することができる。言い換えれば、第1および第2の回路16、20の各々は、複数の周知の成分と、複数の方向14の選択された1つ12に依存して変化する抵抗値を有する可変抵抗部分を含んでいてもよい。
【0023】
図6を参照すると、第1の回路16の可変抵抗部分110はまた、少なくとも第1および第2の導電性部材24、26、並びに第1の可変抵抗部分87を含むように考えてもよい。第1の回路16の全体の長さにおける任意の変化は、回路の電気特性の変化に相当する。例えば、この例において、可変抵抗部分110は、ポイント114、116、第1の可変抵抗部分87、およびポイント120と122との間に位置する第2の導電性部材26の第2のセグメント118間に位置する第1の導電性部材24の第1のセグメント112に相当する。点114および116は、第1の抵抗36と第1の可変抵抗部分87はそれぞれ第1の導電性部材24に接続する点である。同様に、点120と122は、第1の可変抵抗部分87と第2の抵抗38がそれぞれ第2の導電性部材26に接続する点である。円形導電性部材24、26のオフセットセンター80、94により、第1の回路16に関する経路の長さは、選択された方向12に依存して点114から点122に変化するであろう。この場合、第1の可変抵抗部分87は導電性部材24、26と接続する。点114から点122への経路の長さは、第1の回路16の全体の抵抗値に相当する。なぜなら、各第1回路成分および第1および第2の導電性部材24、26に関連する抵抗値は知られているからである。従って、第1、および第2の導電性部材24、26の構造および電気特性が知られているので、このシステムは、第1の出力46を解析することにより、選択された方向12の少なくともx成分またはy成分を計算する。第1の出力は、第1の回路16の抵抗、電流、または電圧を表してもよい。第2の回路の電気特性が同様の方法で変化し、第1の出力46と組み合わせた第2の出力48を用いて選択された方向を決定してもよい。
【0024】
この実施形態において、第1の回路16は円形である2つの中心からはずれた導電性部材24、26を含むけれども、選択された方向および/または移動期間に関連して変化する抵抗部分を有する回路を達成する他の構成が可能であることが理解されなければならない。例えば、第1および第2の導電性リング82、84または第1と第2の導電性部材24、26の1つが、0度から360度まで実質的に連続的に変化する抵抗を有する構成要素を含むなら、第1および第2の導電性部材24、26は、同心円であるということもあり得る。他の代替案において、第1および第2の導電性部材24、26が両方ともオフセット円なら、選択された方向のxおよびy成分の両方を測定するために、単一の回路と単一の導電性リングが必要かもしれない。この場合、第1または第2の導電性部材24、26の一方、または関連する導電リングは、0度から360度の実質的に連続的に変化する抵抗を有する構成要素を含む。
【0025】
従って、一実施形態において、複数の抵抗値の選択された1つを有する電気抵抗エレメントを、知られた値を有していてもよい、複数の電気部品を有する電気回路部分と接続することにより、出力装置の所望の出力を制御する方法を提供する。これらのシステムと装置は、接続された電気回路部分と、抵抗エレメントに関連した選択された抵抗値に関連する電気特性を決定する。さらに、これらのシステムと装置は、電気特性に基づいて制御信号を発生し、出力装置の所望の出力を制御する。他の実施形態において、上述したシステムと装置は、制御回路に可変抵抗を適用することにより方向性制御信号を発生する方法を提供する。この場合、可変抵抗値は選択された移動期間および/または方向に関連して変化する。この方法の一実施形態において、複数の方向の各々において変化する互いの間の可変長または抵抗、および/または間隔を有する第1の導電性部材と第2の導電性部材の両端に電圧が印加される。さらに、複数の方向の選択された1つで第1の導電性部材と第2の導電性部材との間を接続するために、導電性部分が移動可能である。可変間隔のサイズまたは第1および第2導電性部分の長さ/抵抗における変数、従って選択された方向に従って、導電性部分の抵抗特性が変化する。第1の導電性部材、第2の導電性部材、および第1の導電性部分の相互接続されたセグメントにより形成された回路に関連する電気特性が測定される。電気特性は電圧、電流、または抵抗であってもよい。回路の他の電気特性は知られているので、電圧分割は選択された方向を決定することを可能にする。そして、移動期間および/または複数の方向の選択された1つに相当する方向性制御信号は、測定された電気特性に基づいて発生される。この方向性制御信号は、実際の測定された電気特性を含んでいてもよく、または測定された電気特性を処理することにより導き出してもよい。この発明の種々の実施形態が図解され記載されたけれども、この発明はこれらの実施形態のみに限定されないことは明らかであろう。多数の修正、変更、変化、置換および等価物は、請求項に記述されるように、この発明の精神および範囲から逸脱せずに当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、関連する制御システムの部分概略制御回路図および部分概略図である。
【図2】図2は制御回路に関連するナビゲーションキーのようなアクチュエーター機構を含む形態電話のような他の制御システムの概略図である。
【図3】図3は、ライン3−3に沿った、図2の制御システムの断面図であり、制御回路をアクティブにするためにアクチュエーター機構が選択された方向に押下される図である。
【図4】図4は、制御回路の可変抵抗部分を形成するコンダクターのセットの1つのバージョンの部分概略図である。
【図5】図5は図3のアクチュエーター機構の本体、およびその中に取り付けられた、例証のために陰影がつけられた導電リングの底面図である。
【図6】図6は例証の目的のために太い線で表された電気経路を有した図4の第1の回路の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が周知の電気特性を有する複数の電気部品を有する電気回路部分と、
前記電気回路部分と接続可能であり、複数の抵抗値を有する可変抵抗エレメントと、
前記可変抵抗エレメントと接続可能であり、複数の入力位置を有する入力機構であって、前記入力機構は、前記複数の入力位置の各々において、前記複数の抵抗値の所定の1つを用いて前記可変抵抗エレメントを前記電気回路部分に接続するように動作可能な入力機構と、
前記電気回路部分と前記可変抵抗エレメントとの間の接続により生成可能な制御信号であって、前記制御信号は、各々が前記複数の入力位置の1つに相当する複数の制御信号から選択可能である、制御信号と、
を備えた制御システム。
【請求項2】
前記入力機構は、各々が前記複数の入力位置に対応する複数の方向に移動可能なナビゲーションキーを備え、前記制御信号は、前記複数の方向の選択された1つに関連する信号を備えた、請求項1の制御システム。
【請求項3】
各々が前記複数の制御信号の所定の1つに関連する複数の出力を有する出力機構をさらに備え、前記出力機構は制御信号を受信し、前記複数の出力の所定の1つを発生するように動作可能である、請求項2の制御システム。
【請求項4】
第1のコンダクターと、
前記第1のコンダクターから可変の所定の間隔を有する第2のコンダクターと、
前記第1のコンダクターと前記第2のコンダクターとの間に複数の相互接続位置を有する第3のコンダクターと、
前記複数の相互接続位置の各々において前記第3のコンダクターが前記第1のコンダクターと前記第2のコンダクターを接続するとき生成可能な複数の出力信号の所定の1つと、
を備えた信号生成機構。
【請求項5】
前記第3のコンダクターは、前記複数の相互接続位置の各位置に独立した抵抗値を有する可変抵抗部分をさらに備えた、請求項4の信号生成機構。
【請求項6】
前記複数の相互接続する位置の少なくとも1つは、前記第1のコンダクター、前記第2のコンダクター、および前記第3のコンダクターの所定の相互接続された部分により定義される複数の可変抵抗構成の1つに相当する、請求項4の信号生成機構。
【請求項7】
前記第1のコンダクター、前記第2のコンダクター、および前記第3のコンダクターの少なくとも2つは、前記第1のコンダクター、前記第2のコンダクター、および前記第3のコンダクターの残りの1つとは実質的に異なる平面に少なくとも1つの位置を有する、請求項4の信号生成機構。
【請求項8】
前記第1のコンダクターと前記第2のコンダクターは円形の形状を有する、請求項4の信号生成機構。
【請求項9】
前記第2のコンダクターは前記第1のコンダクター内に位置している、請求項8の信号生成機構。
【請求項10】
前記第1のコンダクターと前記第2のコンダクターは異なる中心点を有する、請求項9の信号生成機構。
【請求項11】
前記第3のコンダクターは、少なくとも部分的に円錐表面を有する第1の導電性リングの一部を備え、前記第1の導電性リングの一部は第1の平面と第2の平面間で移動可能であり、前記第1の導電性リングの一部は、前記第2の平面において前記第1のコンダクターおよび前記第2のコンダクターと接続する、請求項8の信号生成機構。
【請求項12】
前記第1のコンダクター、前記第2のコンダクターおよび前記第3のコンダクターのうちの少なくとも2つは、前記複数の出力信号の前記所定の1つが電圧分割を介して決定可能であるように電気特性を知っていた、請求項4の信号生成機構。
【請求項13】
さらにシグナルアナライザーと制御可能装置を備え、前記シグナルアナライザーは、前記複数の出力信号の前記所定の出力信号を受信して処理し、複数の制御信号から所定の制御信号を発生し、前記制御可能装置に関連する所定の機能を制御するように動作可能である、請求項4の信号生成機構。
【請求項14】
前記制御可能装置は、移動可能なグラフィックを有したビジュアルディスプレイを有する無線電気装置を備え、前記所定の機能は選択された方向に前記ビジュアルディスプレイ上の移動可能なグラフィックの位置決めを備えた、請求項13の信号生成機構。
【請求項15】
前記複数の出力信号のうちの所定の1つは、前記複数の相互接続位置の1つにおいて前記第3のコンダクターは前記第1のコンダクターおよび前記第2のコンダクターと接続される期間に依存して変化する、請求項4の信号生成装置。
【請求項16】
第1の抵抗を有する第1の回路部分と、
第2の抵抗を有する第2の回路部分と、
第3の抵抗を有する第3の回路部分と、
を備え、
前記第1の回路部分、前記第2の回路部分、および前記第3の回路部分の少なくとも1つは、前記他の2つの回路部分に対して複数の相互接続する位置の1つにおいて位置決め可能であり、
前記第1の抵抗、前記第2の抵抗、および前記第3の抵抗の少なくとも1つは、前記複数の相互接続位置の各位置に関連して変化する可変抵抗を備え、
各々が前記複数の相互位置の1つに対応する複数の選択可能な出力信号と、
を備えた信号生成機構。
【請求項17】
複数の選択可能な方向の1つに相当する複数の位置の少なくとも1つに移動可能な本体と、
各々が前記複数の選択可能な方向の1つに相当する複数の出力信号を生成するように動作可能な電気回路と、
前記電気回路と接触して前記本体により移動可能なコンダクターであって、前記コンダクターは、各々が前記複数の選択可能な方向の1つに相当する複数の抵抗値を有するコンダクターと、
を備えた、方向制御機器。
【請求項18】
前記複数の位置は第1の平面にあり、前記複数の選択可能な方向は第2の平面にある、請求項17の方向制御機器。
【請求項19】
x軸成分およびy軸成分を有する方向性出力を選択するために中心点の回りを移動可能な部材と、
方向制御機器であって、
円形形状を有する第1の導電性部材と、
円形形状を有し、前記第1の導電性部材内に非同心円状に位置可能である第2の導電性部材と、
前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材とを接続するために第1の複数の位置において位置決め可能な第1の導電性部分であって、前記複数の位置の各々は前記方向性出力のx軸成分を表す第1の信号に相当する第1の導電性部分と、
円形形状を有し、前記第1の導電性部材内で同心円状に位置決め可能な第3の導電性部材と、
円形形状を有し、前記第3の導電性部材内において非同心円状に位置決め可能な第4の導電性部材と、
前記第3の導電性部材と前記第4の導電性部材を接続するために第2の複数の位置内に位置決め可能な第2の導電性部分であって、前記第2の複数の位置の各々は、前記方向性出力のy軸成分を表す第2の信号に相当する第2の導電性部分と、
を備えた方向制御機器と、
を備えた制御システム。
【請求項20】
前記第1の導電性部分と前記第2の導電性部分は、それぞれ前記第1の複数の位置と前記第2の複数の位置に前記部材により移動可能である、請求項19の制御システム。
【請求項21】
前記第1の導電性部分と前記第2の導電性部分は、各々がそれぞれ前記第1の複数の位置の1つと前記第2の複数の位置の1つに相当する第1の複数の抵抗値と第2の複数の抵抗値をそれぞれ有する、請求項19の制御システム。
【請求項22】
前記第1の導電性部材、前記第2の導電性部材、および前記第1の導電性部分の1つを除いて全部が電気特性を知っており、前記第3の導電性部材、前記第4の導電性部材、および第2の導電性部分の1つを除いて全部が電気特性を知っている、請求項21の制御システム。
【請求項23】
中心点の回りの前記部材の移動に抵抗するために所定の弾力性を有するバイアス部材をさらに備えた、請求項19の制御システム。
【請求項24】
シグナルアナライザーと制御可能装置をさらに備え、前記シグナルアナライザーは、前記第1の信号と前記第2の信号を処理し、少なくとも1つの制御信号を発生し、前記制御可能装置に関連する所定の出力を制御する、請求項19の制御システム。
【請求項25】
前記制御可能装置は、移動可能なグラフィックを備えたビジュアルディスプレイを有する無線電気装置を備え、前記所定の出力は、選択された方向に前記ビジュアルディスプレイ上の前記移動可能なグラフィックの位置決めを備えた、請求項24の制御システム。
【請求項26】
出力装置の所望の出力を制御する方法において、
複数の抵抗値の選択された1つを有する電気抵抗エレメントを、複数の電気部品を有する電気回路部分に接続することと、
前記接続された電気回路部分と前記可変抵抗エレメントに関連する電気特性を決定することと、
前記電気特性に基づいて制御信号を発生し前記出力装置の前記所望の出力を制御することと、
を備えた方法。
【請求項27】
方向性制御信号を発生する方法において、
複数の方向の各々において変化する互いの間に間隔を有する第1の導電性部材と第2の導電性部材の両端に電圧を印加することと、
複数の方向の選択された1つにおいて前記第1の導電性部材と前記第2の導電性部材との間に第1の導電性部分を接続することであって、前記第1の導電性部分の前記抵抗特性は前記可変間隔のサイズに従って変化することと、
前記第1の導電性部分により接続された前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材により形成される回路に関連する電気特性を測定することと、
前記複数の方向の選択された1つに相当する方向性制御信号を発生することと、
を備えた方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−538333(P2007−538333A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527226(P2007−527226)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/012067
【国際公開番号】WO2005/116812
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】