説明

制御システム

【課題】複数の制御対象夫々に対応する制御装置を分散させ、いずれかの制御装置が故障してもフェールセーフ状態で制御を実行でき、省線化を図ることができる制御システムを提供する。
【解決手段】車両の前部左右に離隔して配置されるヘッドライト1L,1Rに対応して2つのECU2L,2Rを用い、ECU2L,2Rは車載ネットワーク3に接続されて相互に通信が可能である。ECU2Lはヘッドライト1Lの近傍に設置され、ECU5から送信される制御データに基づきヘッドライト1Lを制御する。ECU2Rも、ヘッドライト1Rの近傍に設置され、同様に制御データに基づきヘッドライト1Rを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の連動して動作すべき制御対象を制御する制御装置を含む制御システムに関し、特に、複数の制御対象夫々に対応する制御装置を分散させ、いずれかの制御装置が故障してもフェールセーフ状態で制御を続行させることができる制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、複数の制御装置に機能を割り振り、各制御装置に通信手段を設けて相互にデータを交換させ、連携して各制御対象に対する制御を実行する制御システムが各分野で利用されている。特に車両の分野では、制御が機械的制御から電気的制御へ移行し、車両内に多数の制御装置としてECU(Electronic Control Unit)が配され、各ECUが車載LANを介して情報を相互に交換し、協調・連携して多様な処理を行なう構成が一般的となっている。
【0003】
このとき、複数の制御対象を連動させて動作させる場合、制御対象の機器を全て1台の制御装置でまとめて制御することが効率的と言える。車両の分野では、ヘッドライト、テールランプ、ドア、室内ランプなどは夫々、離隔して配置されているものの同時的に動作させるため、全てボディ系ECUに接続されて制御される場合がある。
【0004】
例えば、特許文献1では、車両の前部左右に搭載されるヘッドライトのロービーム、ハイビームの制御を1台のECUで実現している。なお特許文献1では、ハイビーム用のフィラメントの点灯駆動を1つのスイッチング素子で行なう構成とした場合に、ハイビーム状態で当該スイッチング素子が故障したときでも、別のスイッチング素子によりロービーム用のフィラメントを点灯させ、ヘッドライトが全く点灯しないという状況を回避する制御回路が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−74256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1により、制御対象の一部が故障したとしても全てが駆動しないという状況を回避することができる。しかしながらこのとき、左右のヘッドライトはいずれも1台のECUに接続されて、当該ECUにおける制御によってスイッチング素子に指示を与える構成としている。したがって、当該ECUが故障した場合には、ヘッドライトは全く制御できなくなるか、又は安全性を確保するためにヘッドライトが常時点灯されるように制御されるなどの状況が考えられる。
【0007】
また、特許文献1に開示されている発明では左右のヘッドライトがいずれも1台のECUに接続されているので、左右のヘッドライトとECUとの間の配線はケーブルを長く引き回す必要が生じる。この点、省線化、軽量化が強く望まれる車両の分野では特に問題となる。
【0008】
なお、制御対象は特許文献1に開示されているようなヘッドライトに限らない。車両に搭載されるヘッドライトが全く動作しなくなる状況などは安全面を考慮するとこれを回避することが非常に重要である。しかしながらヘッドライトに限らず、離隔配置され、連動して動作すべき制御対象においても同様に、故障が発生した場合にフェールセーフ状態で制御が実行されるべき場合がある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数の制御対象夫々に対応する制御装置を分散させ、いずれかの制御装置が故障してもフェールセーフ状態で制御を実行でき、省線化を図ることができる制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る制御システムは、離隔配置され、連動して動作すべき1組の制御対象と、該制御対象の動作を制御する制御装置と、制御装置が接続される通信線とを含み、前記制御装置は通信手段を備え、前記通信線を介して送信される制御データを受信して前記制御データに基づき前記制御対象の制御を行なうようにしてある制御システムにおいて、前記制御装置は、前記制御対象夫々を制御すべく複数備えられ、複数の前記制御装置は夫々、対応する制御対象の近傍に設置され、前記通信手段を介して前記通信線に接続されるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る制御システムは、前記1組の制御対象は、車両の前部左右に配置される1対のヘッドライトであり、左右のヘッドライトに対応する2つの前記制御装置が、夫々対応するヘッドライト近傍に備えられていることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る制御システムは、前記ヘッドライトは、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用の第2発光部を夫々備え、2つの前記制御装置は夫々、対応するヘッドライトの第1発光部及び第2発光部の点灯/消灯を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る制御システムは、前記ヘッドライトは、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用の第2発光部を夫々備え、2つの前記制御装置は夫々、対応するヘッドライトの第1発光部の点灯/消灯を制御する制御手段を備え、2つの前記制御装置のいずれかが前記一対のヘッドライト夫々の第2発光部のいずれをも制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る制御システムは、前記制御装置は夫々、対応する制御対象の動作、又は、他の制御装置の動作が正常か否かを診断する診断手段と、該診断手段が異常と診断した場合、外部へ診断結果を通知する手段とを備え、制御装置からの診断結果の通知を受け付け、通知された診断結果を音声又は画像により出力する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第6発明に係る制御システムは、前記制御装置は夫々、対応する制御対象の一部の動作が異常である場合に、前記制御対象における他の一部に代替動作を実行させる代替手段を備え、前記診断手段により対応する制御対象の動作が異常であると判断した場合、前記代替手段により代替動作を実行させるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る制御システムは、前記制御装置は夫々、前記通信手段により、定期的にデータを送信する手段と、前記通信手段により、他の制御装置から送信されるデータを受信してからの経過時間を測定する手段と、該手段が測定した経過時間が所定時間以上であるか否かを判断する手段とを備え、該手段が経過時間が所定時間以上であると判断した場合、前記診断手段により他の制御装置の動作が異常であると判断するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
第1発明では、離隔配置されるが基本的に連動して動作すべき1組の制御対象を、制御装置が通信線を介して受信する制御データに基づいて制御するに際し、連動して動作すべきとして1組の制御対象をまとめて1つの制御装置で制御する構成とせず、組をなす制御対象夫々に対応させて複数の制御装置を含む構成とする。
複数の制御装置は夫々、対応する制御装置の近傍に設置され、制御データが送受信される通信線に通信手段を介して接続される。
これにより、制御装置が分散されて、いずれかの制御装置が故障したとしても1組の制御対象全てが動作できないという事態が回避される。また、1組の制御対象をまとめて1つの制御装置で制御する構成では、当該1つの制御装置と離隔配置された制御対象との間で信号線又は通信線などのケーブルによる接続が必要である。制御対象は夫々離隔配置されているからケーブルの長さが長くなる。本発明では、各制御対象に対応して制御装置を複数分散して各制御対象の近傍に配置するから、ケーブルは短くともよい。
【0018】
なおこのとき、通信線に制御装置が接続される構成であるが、通信線には当該制御対象のための制御装置のみならず、通信機能を備える他の装置をも接続して相互に通信させることが可能である。このように通信線は他の装置とも共有できるから、通信線が従来よりも長くなることには必ずしもならず、省線化に反しない。
【0019】
第2発明では、第1発明における1組の制御対象は車両の前部左右に離隔して配置される1対のヘッドライトであり、1対のヘッドライトに対応して2つ制御装置が夫々ヘッドライトの近傍に設置される。
これにより、1対のヘッドライトを1台の制御装置で制御する構成では、前記制御装置が故障した場合、ヘッドライトがいずれも点灯しない事態が避けられないところ、分散して夫々対応する制御装置により制御する構成とすることによって何れか一方が故障した場合でも、他方の制御装置で一方のヘッドライトを点灯させて安全性を維持することが可能となる。
また、1対のヘッドライト夫々の近傍に制御装置を配置する構成とするから、車両の重量に最も影響のあるケーブルを短くすることが可能となり、軽量化を図ることが可能となる。
【0020】
第3及び第4発明では、第2発明における1対のヘッドライトは夫々、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用の第2発光部を備える。
【0021】
第3発明では、1対のヘッドライトに夫々対応する2つの制御装置が夫々、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用第2発光部の点灯/消灯を制御する。
これにより、1対のヘッドライトの内の一方、又は当該一方に対応する制御装置が故障した場合であっても、他方のヘッドライトを点灯させることができ、一方の制御装置の故障で全てのヘッドライトが消灯する事態を回避して安全性を維持することが可能となる。
【0022】
第4発明では、1対のヘッドライトに夫々対応する2つの制御装置が夫々、ロービーム用の第1発光部の点灯/消灯を制御し、2つの制御装置の内の一方が1対のヘッドライトのハイビーム用の第2発光部のいずれをも制御する。
これにより、1対のヘッドライトの内の一方、又は当該一方に対応する制御装置が故障した場合であっても、少なくとも他方のヘッドライトのロービーム用の第1発光部を点灯させることができ、一方の制御装置の故障で全てのヘッドライトが消灯する事態を回避して安全性を維持することが可能となる。
【0023】
第5発明では、第1発明における1組の制御対象、第2発明乃至第4発明では1対のヘッドライトである制御対象夫々に対応する制御装置は、制御対象(ヘッドライト)の動作、又は他の制御装置の動作の正常/異常を夫々診断する。診断結果は外部へ通知され、当該通知を受け付ける手段により、音声又は画像にて出力される。
複数の制御対象夫々に制御装置を分散させることにより、他方の制御装置の故障を検知できると共に、他方の制御装置の故障であるのか、自身の制御対象における故障であるのかを区別して通知し、ユーザに故障についての情報を知らしめることが可能となる。
【0024】
第6発明では、第5発明において、各制御対象に対応して夫々動作の正常/異常を診断する機能を有する制御装置は、制御対象において動作が異常である場合、又は他方の制御装置の動作が異常であると診断される場合に正常な部分にて代替動作を実行させる。
これにより、複数の制御対象に故障が発生した場合も、代替動作又は他の制御装置における代替動作によってフェールセーフ状態で制御を続行させることが可能となる。
【0025】
第7発明では、第5発明又は第6発明において、各制御装置は対応する制御対象を制御するために通信手段により、定期的にデータを送受信する。したがって各制御装置は他方の制御装置からデータが送信されなくなって所定時間以上経過した場合、動作が異常であると診断する。
これにより、各制御装置は対応する制御対象における故障が発生したのか、又は他方の制御装置の動作が異常であるのかを明確に区別することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による場合、連動して動作すべき複数の制御対象を制御する制御装置が分散していることから、1台の制御装置が故障などにより動作しなくなったときでも、1組の制御対象が全て動作しなくなる状況を回避して、フェールセーフ状態で制御を実行できる。更に、1組の制御対象に対して夫々の近傍に制御装置を分散させて設置するから、制御対象と制御装置との間のケーブルを短く少なくすることができ、省線化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態1における車載制御システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態1における車載制御システムを構成するヘッドライト、及びECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるECUのマイコンにて実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1におけるECUのマイコンによって実現される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1におけるECUのマイコンの診断部の機能によって実現される障害検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1におけるECUのマイコンのフェールセーフ処理部及び通知部の機能によって実現される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2における車載制御システムの構成を示す説明図である。
【図8】実施の形態2における車載制御システムを構成するヘッドライト及びECUの内部構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2におけるECUのマイコンにて実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図10】実施の形態3における車載制御システムを構成するヘッドライト及びECUの内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、車両に搭載されている各種制御対象と、各種制御対象を制御する車載ECUとを含む車載制御システムを例に挙げ、特に、制御対象をヘッドライトとして説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における車載制御システムの構成を示す構成図である。車載制御システムは、車両の前部左右に搭載されるヘッドライト1L,1Rと、ヘッドライト1L,1Rを夫々制御するECU2L,2Rと、ECU2L,2Rが接続される車載ネットワーク3と、インストゥルメントパネル(以下、インパネという)4に設置されるディスプレイ41、スピーカ42、操作ボタン43と、ディスプレイ41、スピーカ42及び操作ボタン43による入出力を制御するECU5とを含む。
【0030】
なお、車載制御システムは、上述のヘッドライト1L,1R、ECU2L,2R、ディスプレイ41、スピーカ42、操作ボタン43、ECU5の他に、エンジン6、各制御対象及びECU2L,2R,5へ電力を供給するバッテリ7をも含む。車載制御システムは更に、別の制御対象(例えば、ブレーキ、エンジン、エアバッグ、室内ランプ、ドア、シートベルト)が含まれ、各制御対象を制御するECU(図示せず)が車載ネットワーク3に接続されて構成される。
【0031】
図1に示すように、ヘッドライト1L,1Rは、車両の前部の左右に夫々搭載される。エンジン6及びバッテリ7も、車両の前部に設置される。そして、ヘッドライト1Lの点灯を制御するECU2Lは、車両の前後を基準としてエンジン6の左側のヘッドライト1Lの近傍に設置されている。ヘッドライト1Rの点灯を制御するECU2Rは、エンジン6の右側のヘッドライト1Rの近傍に設置されている。
【0032】
ECU5は、インパネ4の近傍に設置されており、ディスプレイ41、スピーカ42、操作ボタン43と信号を入出力可能に接続されている。
【0033】
ヘッドライト1L,1Rを制御するECU2L,2Rと、ディスプレイ41、スピーカ42及び操作ボタン43による入出力を制御するECU5とは、夫々車載ネットワーク3に通信線を介して接続されている。車載ネットワーク3は車両の下部に引き回されるハーネスに含まれ、車両内に設置されている各種制御対象用のECU、又はセンサ類が接続されている。
【0034】
このように構成される車載制御システムにおいて、ヘッドライト1L,1Rの点灯/消灯の制御は基本的に、以下のように実現される。インパネ4における操作ボタン43を運転者が操作することにより、ECU5からECU2L,2Rへヘッドライト1L,1Rの点灯(Hi)/点灯(Low)/消灯を指示する制御データが送信される。ECU2L,2Rが当該制御データを受信し、制御データに基づいて夫々自身に対応するヘッドライト1L,1Rの点灯/消灯を制御する。
【0035】
図2は、実施の形態1における車載制御システムを構成するヘッドライト1L,1R、及びECU2L,2R,5の内部構成を示すブロック図である。
【0036】
ヘッドライト1Lは、ロービーム用のフィラメント11Lと、ハイビーム用のフィラメント12Lとを備えている。ヘッドライト1Rも、ロービーム用のフィラメント11Rと、ハイビーム用のフィラメント12Rとを備えている。フィラメント11L,11R、フィラメント12L,12R夫々の一端はECU2L,2Rの後述の駆動部26L,26Rに接続されており、他端は接地されている。駆動部26L,26Rから出力されるHi信号はフィラメント12L,12Rに入力され、Low信号はフィラメント11L,11Rに入力されるように構成されている。
【0037】
ECU2Lは、各構成部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)21L、高速アクセスが可能なメモリを用いたRAM(Random Access Memory)22L、不揮発性メモリを用いたメモリ23L、外部とのインタフェースであるI/O24L、及び、ネットワークコントローラを用いた通信部25Lを含むマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20Lと、ヘッドライト1Lを点灯させるための駆動部26Lと、ネットワークトランシーバを用いた送受信部27Lとを備える。ECU2Rの内部構成は、ECU2Lと同様であるので対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
マイコン20LのCPU21Lは、メモリ23Lに記憶されているコンピュータプログラムをRAM22Lに読み出して実行することにより、ヘッドライト1Lの点灯(Hi)/点灯(Low)/消灯を制御する機能を発揮する。
【0039】
RAM22Lは、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等のメモリを利用している。RAM22LにはCPU21Lの処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。
【0040】
メモリ23Lには、フラッシュメモリを利用する。メモリ23Lには、上述のようにCPU21Lが読み出すコンピュータプログラムが記憶されているほか、制御に用いる情報が記憶されていてもよい。
【0041】
I/O24Lは、マイコン20Lの外部とのインタフェースである。マイコン20Lは、I/O24Lにより、駆動部26Lへヘッドライト1Lの点灯(Hi)/点灯(Low)/消灯を指示する制御信号を出力する。
【0042】
通信部25Lは、マイコン20Lによる車載ネットワーク3における通信を実現する。通信部25Lは具体的に、CAN(Control Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、又はFlexRayなどのプロトコルに準じたネットワークコントローラを用い、CPU21Lから与えられるデータをプロトコルに準じた信号へ変換して送受信部27Lへ出力する。
【0043】
駆動部26Lは、リレー回路などを含み、マイコン20Lから出力される制御信号に基づいてフィラメント11LへLow信号を出力するか、又はヘッドライト1Lのフィラメント12LへHi信号を出力する。
【0044】
送受信部27Lは、ネットワークトランシーバを用い、マイコン20Lの通信部25Lから出力される信号の物理層における車載ネットワーク3への送信、車載ネットワーク3に送信されるデータの受信を実現する。ECU2Lは、送受信部27Lにより車載ネットワーク3に接続されている他のECU2R又はECU5との間でデータを送受信する。
【0045】
ECU5は、各構成部の動作を制御するCPU51、高速アクセスが可能なRAM52、不揮発性のメモリ53、外部とのインタフェースであるI/O54、及びネットワークコントローラを用いた通信部55を含むマイコン50を備える。
【0046】
マイコン50のCPU51は、メモリ53に記憶されているコンピュータプログラムをRAM52に読み出して実行することにより、ディスプレイ41、スピーカ42及び操作ボタン43における入出力を制御する機能を発揮する。
【0047】
RAM52は、DRAM、SRAM等を利用し、CPU51の処理によって発生する各種情報を一時的に記憶する。
【0048】
メモリ53は、フラッシュメモリを利用する。メモリ53には、上述のようにCPU51が読み出すコンピュータプログラムが記憶されているほか、入出力制御に用いる情報が記憶されている。
【0049】
I/O54は、マイコン50の外部とのインタフェースである。マイコン50は、I/O54によりディスプレイ41へ画像信号を出力して画像を表示させ、スピーカ42へ音声信号を出力して音声を出力させる。またI/O54は、操作ボタン43からの信号を入力し、CPU51へ通知する。
【0050】
通信部55は、マイコン50による車載ネットワーク3における通信を実現する。通信部55は具体的にCAN,LIN又はFlexRayなどのプロトコルに準じたネットワークコントローラを用い、CPU51から与えられるデータをプロトコルに準じた信号へ変換して送受信部57へ出力する。
【0051】
送受信部57は、ネットワークトランシーバを用い、マイコン50の通信部55から出力される信号の物理層における車載ネットワーク3への送信、車載ネットワーク3に送信されるデータの受信を実現する。ECU5は、送受信部57により車載ネットワーク3に接続されている他のECU2L,2Rとの間でデータを送受信する。
【0052】
次に、図2に示したようなハードウェア構成を有するECU2L,2R及びECU5において実現される機能について説明する。図3は、実施の形態1におけるECU2L,2R,5のマイコン20L,20R,50にて実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0053】
マイコン20Lは、CPU21LがRAM22L、メモリ23L、I/O24L及び通信部25L、並びに駆動部26L及び送受信部27Lと協働することにより、Hi/Low制御部201L、ヘッドライト駆動部202L、診断部203L及びフェールセーフ処理部204Lとして機能する。
【0054】
ECU2Rのマイコン20Rにて実現される機能は、ECU2Lのマイコン20Lにより実現される機能と同様であるので、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0055】
Hi/Low制御部201Lとしての機能によりマイコン20Lは基本的に、通信部25Lにより受信する制御データに基づき、Hi信号を出力するのか、Low信号を出力するのか、又はいずれの信号も出力しないのかを判断し、ヘッドライト1Lの点灯(Hi)/点灯(Low)/消灯を制御する。
【0056】
またマイコン20Lは、Hi/Low制御部201Lの機能により、後述するヘッドライト駆動部202Lからのフィードバックを受け付ける。マイコン20Lは、Hi/Low制御部201Lの機能により、ヘッドライト1L、駆動部26L又はヘッドライト1L及び駆動部26L間の信号線の断線などの故障を示すフィードバックを受け付けた場合、後述する診断部203Lへ通知する。
【0057】
更にマイコン20Lは、Hi/Low制御部201Lの機能により、通信部25Lにより受信する制御データのみならず、後述するフェールセーフ処理部204Lの機能により、強制的にロービーム用のフィラメント11を点灯すべく通知された場合、当該通知に基づき、Low信号を出力するように制御する。
【0058】
ヘッドライト駆動部202Lとしての機能によりマイコン20Lは、Hi/Low制御部201LによるHi信号を出力するのか、Low信号を出力するのか、又はいずれの信号も出力しないのかの判断に基づき、I/O24Lにより信号を出力する。
【0059】
マイコン20Lは、ヘッドライト駆動部202Lとしての機能により、I/O24Lと駆動部26Lとの間の断線、駆動部26Lに含まれるリレー回路の故障などを検知する。また、ヘッドライト1Lのフィラメント11L,12Lにおける点灯状態をモニタリングし、出力している信号に応じて点灯していない場合には、当該フィラメント11L,12Lにてフィラメント断線が発生していると検知する機能を有する。マイコン20Lは、ヘッドライト駆動部202Lの機能により故障を検知した場合、故障を示すフィードバックをHi/Low制御部201Lへ通知する。
【0060】
診断部203Lとしての機能によりマイコン20Lは、ECU2L自身、ヘッドライト1L又は対になるECU2Rの動作に異常があるか否かを診断する。そして診断部203Lとして機能するマイコン20Lは、異常があると診断した場合、通信部25Lにより診断結果を含む障害情報をECU5へ送信する。
【0061】
診断部203Lとしての機能によりマイコン20Lは、Hi/Low制御部201Lがヘッドライト駆動部202Lから故障を示すフィードバックをを受け付けてこれを診断部203へ通知した場合、この通知を受け付けて異常があると診断する。ヘッドライト駆動部202Lから、ハイビーム用のフィラメント12Lのフィラメント断線の発生が検知されている場合、マイコン20Lは診断部203Lの機能により、後述するフェールセーフ処理部204Lの機能をウェイクアップさせる。
【0062】
また、マイコン20Lは診断部203Lとしての機能により、通信部25Lにより、ECU2Rを送信元とするデータが直近に受信されてから一定時間(例えば1秒間)以上経過しているか否かを判断し、一定時間以上経過している場合はECU2Rが故障していると判断する。これは、車載ネットワーク3に接続されるECU2L,2R,5は、いずれも定期的に何らかのデータを送信するように構成してあるために、一定時間以上データが送信されないということは、何らかの問題が発生していると判断できるからである。
【0063】
フェールセーフ処理部204Lとしての機能によりマイコン20Lは、ヘッドライト1Lにおいてフィラメント断線が検知された場合に代替動作を実行させる。フェールセーフ処理部204Lとしての機能は、上述のように診断部203Lによるウェイクアップ指示により起動する。マイコン20Lは、フェールセーフ処理部204Lにより、ハイビーム用のフィラメント12Lにおけるフィラメント断線が検知されたことを診断部203Lから通知された場合、ロービーム用のフィラメント11Lを強制的に点灯させるべく、Hi/Low制御部201Lへ通知する。
【0064】
次にECU5のマイコン50にて実現される機能について説明する。マイコン50は、CPU51がRAM52、メモリ53、I/O54及び通信部55、並びに送受信部5Lと協働することにより、操作部501、フェールセーフ処理部502及び通知部503として機能する。
【0065】
操作部501の機能によりマイコン50は、操作ボタン43からI/O54が入力した信号に応じてヘッドライト1L,1Rの点灯(Hi)/点灯(Low)/消灯を指示する制御データを作成して通信部55により車載ネットワーク3へ送信する。
【0066】
フェールセーフ処理部502の機能によりマイコン50は、ECU2L,2Rから障害情報が送信された場合に、これを送受信部57及び通信部55により受信し、障害情報がの内容を運転者へ知らしめるべく、後述の通知部503へ通知する。
【0067】
通知部503の機能によりマイコン50は、フェールセーフ処理部502からの通知を受けた場合、フェールセーフ処理部502の機能により受信した障害情報の内容を表す画像(文字情報)又は音声(ブザー)をメモリ53から抽出してディスプレイ41又はスピーカ42へ出力する。
【0068】
ECU2L,2Rのマイコン20L,20Rが上述のような機能を実現することにより、例えばヘッドライト1Lのハイビーム用のフィラメント12Lにフィラメント断線が発生している場合に、点灯(Hi)を示す制御データがECU5から送信されたときでも、以下のように、ヘッドライト1Lの消灯状態を防ぐことができる。この場合、診断部203Lが、ヘッドライト駆動部202L及びHi/Low制御部201Lによるフィラメント断線検知の通知を受け付けており、フェールセーフ処理部204Lを介してロービーム用のフィラメント11Lを強制的に点灯させるべくHi/Low制御部201Lへ通知している。したがって、Hi/Low制御部201Lからヘッドライト駆動部202LへはLow信号が出力され、ヘッドライト1Lはロービームにて点灯する。
【0069】
またこのとき、診断部203Lが、ヘッドライト駆動部202L及びHi/Low制御部201Lによるフィラメント断線検知の通知を受け付けており、フィラメント断線による故障を示す障害情報を車載ネットワーク3を介してECU5へ送信する。ECU5では、マイコン50がフェールセーフ処理部502の機能により、障害情報を受信し、通知部503へ通知する。通知部503により、ディスプレイ41及びスピーカ42にて、ヘッドライト1Lのハイビーム用のフィラメント12Lにてフィラメント断線が発生していることが運転者へ通知される。
【0070】
次に、ECU2Lのマイコン20Lによる上述のような機能の実現を、フローチャートを参照して説明する。
【0071】
図4は、実施の形態1におけるECU2Lのマイコン20Lによって実現される処理の手順の一例を示すフローチャートである。ECU2Rのマイコン20Rによる処理は、マイコン20Lによる処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0072】
マイコン20Lは、診断部203Lの機能により、自身又はECU2Rの故障を検知したか否かを判断する(ステップS1)。ステップS1の処理の詳細は上述のように、Hi/Low制御部201Lからの通知を受け付けたか、又はECU2Rから送信されるべきデータを所定時間以上受信できていないか否かにより判断する。
【0073】
マイコン20Lは、診断部203Lの機能により故障を検知していないと判断した場合(S1:NO)、処理をステップS1へ戻す。
【0074】
マイコン20Lは、診断部203Lの機能により故障を検知したと判断した場合(S1:YES)、故障の内容が自身に対応するヘッドライト1Lにおけるフィラメント断線の発生であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0075】
マイコン20Lは、診断部203Lの機能によりフィラメント断線の発生であると判断した場合(S2:YES)、フェールセーフ処理部204Lによる機能をウェイクアップさせる(ステップS3)。
【0076】
これにより、フェールセーフ処理部204Lによって代替動作、即ちロービーム用のフィラメント11Lを強制的に点灯させるべくHi/Low制御部201Lへ通知される。したがって、フィラメント12Lが断線して点灯しない状態で、ECU5における操作部501の機能により点灯(Hi)を指示する制御データがマイコン20Lで受信されたとしても、ヘッドライト駆動部202LからはLow信号が出力される。
【0077】
次にマイコン20Lは、診断部203Lの機能により、検知した故障の内容を通知すべく障害情報を生成して通信部25Lから車載ネットワーク3を介してECU5へ送信し(ステップS4)、処理を終了する。このときステップS4にてマイコン20Lは、フィラメント12Lのフィラメント断線発生を示す障害情報をECU5へ送信する。
【0078】
マイコン20Lは、ステップS2にておいて故障の内容がフィラメント断線の発生でないと判断した場合(S2:NO)、ECU2Rからデータを受信しないことによる通信障害が発生しているか否かを判断する(ステップS5)。
【0079】
マイコン20Lは、通信障害が発生、即ちECU2Rからデータを受信しないことによる通信障害が発生していると判断した場合(S5:YES)、他方のECU2Rが故障していると判断し(ステップS6)、ECU2Rの故障を示す障害情報を生成してECU5へ送信する(S4)。
【0080】
マイコン20Lは故障の内容がフィラメント断線の発生でなく(S2:NO)、通信障害も発生していない、例えば駆動部26Lにおけるリレー回路の故障、マイコン20L自身の故障と判断した場合(S5:NO)、故障の内容を示す障害情報を生成してECU5へ送信する(S4)。
【0081】
マイコン20Lは、図4のフローチャートに示した処理を繰り返して、故障を検知しない間はステップS1の状態で待機する。
【0082】
図5は、実施の形態1におけるECU2Lのマイコン20Lの診断部203Lの機能によって実現される障害検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。ECU2L及びECU2Rはいずれも、定期的にデータを送信するようにしてあり、以下に示す処理を実行することによって相互に通信障害を検知する。
【0083】
マイコン20Lは診断部203Lとして機能することにより、経過時間の計測を開始し(ステップS11)、ECU2Rを送信元とするデータを車載ネットワーク3から通信部25Lにより受信したか否かを判断する(ステップS12)。
【0084】
マイコン20Lは、ステップS12にてデータを受信したと判断した場合(S12:YES)、必要に応じてCPU21Lにより受信したデータに基づく処理を実行し(ステップS13)、処理を終了する。マイコン20Lはこの場合、再度図5のフローチャートの処理を繰り返すので、ステップS11の処理により、ステップS13でデータを受信してからの経過時間を測定することとなる。
【0085】
マイコン20Lは、ステップS12にてデータを受信していないと判断した場合(S12:NO)、ステップS11で計測を開始してから所定時間が経過したかを判断する(ステップS14)。即ちマイコン20Lは、ステップS11で計測を開始した経過時間が所定時間以上となったか否かを判断する。
【0086】
マイコン20Lは、所定時間が経過したと判断した場合(S14:YES)、他方のECU2Rとの通信障害が発生していると判断し(ステップS15)、処理を終了する。ステップS15によってECU2Lのマイコン20Lにて、診断部203Lの機能により通信障害が発生していると判断していることにより、図4のフローチャートに示した処理手順の内のステップS5にて通信障害の発生の有無を判断することができる。
【0087】
なおマイコン20Lは、データを受信していないが(S12:NO)、ステップS14にて所定時間が経過してもいないと判断した場合(S14:NO)、処理をステップS12へ戻してデータを受信するか、所定時間が経過するまで待機する。
【0088】
図6は、実施の形態1におけるECU5のマイコン50のフェールセーフ処理部502及び通知部503の機能によって実現される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0089】
マイコン50は、フェールセーフ処理部502の機能により、通信部55にてECU2L,2Rのいずれかから障害情報を受信したか否かを判断する(ステップS21)。マイコン50は、障害情報を受信していないと判断した場合(S21:NO)、処理をステップS21へ戻して障害情報を受信するまで待機する。
【0090】
マイコン50は、フェールセーフ処理部502の機能により、障害情報を受信したと判断した場合(S21:YES)、受信した障害情報が示す故障の内容を通知部503へ通知し、通知部503の機能によりディスプレイ41及びスピーカ42から故障を通知させて(ステップS22)、処理を終了する。
【0091】
マイコン50は、図6のフローチャートに示した処理手順を繰り返し、障害情報を受信する都度、障害情報に含まれる故障の内容をインパネ4にて出力させる。そしてマイコン50は、故障が発生せず、障害情報が受信されない期間はステップS21にて待機する。
【0092】
実施の形態1における車載制御システムでは、連動して動作すべき複数の制御対象、即ちヘッドライト1L,1Rを制御するECUを、ECU2LとECU2Rとに分散させたことにより、ECU2L,2Rの一方が故障したことによりヘッドライト1L,1Rのいずれかの点灯を制御することができない状態となったとしても、他方でヘッドライト1L,1Rの一方の点灯を制御できるので、全消灯状態を回避してフェールセーフ状態で制御を続行することができる。
【0093】
ヘッドライト1L,1Rの一方で一部にフィラメント断線が発生した場合であっても、対応するECU2L,2Rでこれが検知され、フェールセーフ処理部204L,205Lの機能により代替動作が実現される。ヘッドライト1L,1Rの一部が故障していても、ヘッドライト1L,1Rが全消灯される事態を回避することができる。
【0094】
そして実施の形態1では上述のように、ヘッドライト1L,1Rを制御する制御装置として2つのECU2L,2Rに分散させ、いずれも制御対象であるヘッドライト1L,1Rの近傍に設置する構成とした。従来の車載制御システムでは、ヘッドライトを制御するヘッドライト制御ECUは、ヘッドライトのオン/オフのスイッチを含む運転席前方のインストゥルメントパネル4の近傍に設置され、当該1台のヘッドライト制御ECUから左右のヘッドライトへ信号線をエンジン6及びバッテリ7を迂回するようにして配線させる構成であった。実施の形態1における車載制御システムの構成により、ECU2Lとヘッドライト1L、ECU2Rとヘッドライト1Rを夫々接続する駆動制御用のケーブルの長さを短くすることができる。ケーブル(ハーネス)の重量が車両の重量に大きく影響し、燃費の改善及び環境への影響を考慮して車両全体の軽量化が重要な課題となっているところ、駆動制御用のケーブルを短くして省線化及び軽量化を図ることができる点で、効果的である。
【0095】
また、ECU2LとECU2Rとに分散させる構成により、ECU2L,2Rが相互に動作を監視することが可能となり、故障と故障原因を区別して早期に知らしめることができる点、優れた効果を奏する。
【0096】
なお、実施の形態1では、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rがフィラメント断線状態である状況下で、ユーザが操作ボタン43により点灯(Hi)を指示した場合に、強制的にロービーム用のフィラメント11L,11Rの点灯を代替機能として実現する構成とした。これに対し、本発明はこれに限らず、ロービーム用のフィラメント11L,11Rがフィラメント断線状態である状況下で、点灯(Low)を指示した場合に、強制的にハイビーム用のフィラメント12L,12Rの点灯を代替機能として実現する構成としてもよい。
【0097】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ヘッドライト1L,1Rに対応するECU2L,2Rは夫々、ヘッドライト駆動部202L,202Rの機能により、ロービーム用のフィラメント11L,11Rと、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rとのいずれをも制御する構成とした。
【0098】
これに対し、実施の形態2では、ヘッドライト1L,1Rに対応するECUは夫々、対応するヘッドライト1L,1Rのロービーム用のフィラメント11L,11Rを制御するが、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rの制御は、一方のECUがまとめて制御する構成とする。この場合も、制御システムに本発明を適用することにより、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rにてフィラメント断線が発生している状況下でロービーム用のフィラメント11L,11Rを点灯させ、全消灯を回避することができる。
【0099】
図7は、実施の形態2における車載制御システムの構成を示す説明図である。実施の形態2において、ヘッドライト1L,1Rを夫々制御するのはECU8L,8Rであり、ECU8Lがヘッドライト1Rにも接続されている点が、実施の形態1と異なる。実施の形態2における車載制御システムの構成の内、実施の形態1と共通する構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0100】
図8は、実施の形態2における車載制御システムを構成するヘッドライト1L,1R及びECU8L,8R,5の内部構成を示すブロック図である。
【0101】
ECU8Lは基本的に、実施の形態1におけるヘッドライト1Lを制御するためのECU2Lと同様に、CPU81L、RAM82L、メモリ83L、I/O84L及び通信部85Lを含むマイコン80Lと、送受信部88Lとを備える。これらは、実施の形態1におけるECU2Lが備えるとしたCPU21L、RAM22L、メモリ23L、I/O24L、通信部25L、及び送受信部27Lと同一であるから、夫々についての詳細な説明は省略する。
【0102】
ECU8Lは、上述の構成部のほか、Hiスイッチ86L及びLowスイッチ87Lを備える。Hiスイッチ86L及びLowスイッチ87Lは、スイッチング素子を含み、マイコン80Lから出力されるHi信号及びLow信号が夫々入力されるように構成されている。
【0103】
マイコン80LがI/O84LからHi信号を出力した場合、Hiスイッチ86LにHi信号が入力され、左右のヘッドライト1L,1Rの両者のハイビーム用のフィラメント12L,12Rが点灯する。また、マイコン80LがI/O84LからLow信号を出力した場合、Lowスイッチ87LにLow信号が入力され、ヘッドライト1Lのロービーム用のフィラメント11Lが点灯する。
【0104】
ECU8Rは、ECU8Lと対応してヘッドライト1Rを制御するためのECU2Rと同様に、CPU81R、RAM82R、メモリ83R、I/O84R及び通信部85Rを含むマイコン80Rと、送受信部88Rとを備える。これらの構成は、実施の形態1におけるECU2Lが備えるとしたCPU21L、RAM22L、メモリ23L、I/O24L、通信部25L、及び送受信部27Lと同一であるから、夫々についての詳細な説明は省略する。
【0105】
なおECU8Rは、上述の構成部のほか、Lowスイッチ87Rを備える。Lowスイッチ87Rはスイッチング素子を含み、マイコン80Rから出力されるLow信号が入力されるように構成されている。ECU8Rは、Hiスイッチを備えていない。マイコン80RがI/O84RからLow信号を出力した場合、Lowスイッチ87RにLow信号が入力され、ヘッドライト1Rのロービーム用のフィラメント11Rが点灯する。
【0106】
ECU5の内部構成は、実施の形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0107】
実施の形態2においても、ECU8L,8Rのマイコン80L,80Rは、実施の形態1同様に、ヘッドライト駆動部、診断部、フェールセーフ処理部などの各種機能を実現する。図9は、実施の形態2におけるECU8L,8Rのマイコン80L,80Rにて実現される機能を示す機能ブロック図である。
【0108】
ECU5のマイコン50により実現される機能は実施の形態1と同様であるので図示及び詳細な説明を省略する。
【0109】
マイコン80Lは、CPU81LがRAM82L、メモリ83L、I/O84L及び通信部85L、並びに、Hiスイッチ86L、Lowスイッチ87L及び及び送受信部88Lと協働することにより、Hi/Low制御部801L、ヘッドライト駆動部802L、診断部803L及びフェールセーフ処理部804Lとして機能する。
【0110】
マイコン80Lによって実現されるHi/Low制御部801L、ヘッドライト駆動部802L、診断部803L及びフェールセーフ処理部804Lは、実施の形態1のマイコン20LにおけるHi/Low制御部201L、ヘッドライト駆動部202L、診断部203L及びフェールセーフ処理部204Lの機能と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0111】
ただし、マイコン80LはHi/Low制御部801Lの機能により、ヘッドライト1Lの点灯(Low)/消灯を制御し、ヘッドライト1L,1R両者の点灯(Hi)/消灯を制御する。
【0112】
マイコン80Lにより実現されるヘッドライト駆動部802Lとしての機能は、Hi/Low制御部801Lによるヘッドライト1Lを点灯(Low)させるのか、消灯させるのか、及び、ヘッドライト1L,1R両者を点灯(Hi)させるのか、消灯させるのかの判断に基づき、I/O84LによりHiスイッチ86LへHi信号を出力するか、又はLowスイッチ87LへLo信号を出力する。
【0113】
また、ヘッドライト駆動部802Lとしての機能によりマイコン80Lは、I/O84
LとHiスイッチ86L又はLowスイッチ87Lとの間の断線、Hiスイッチ86L又はLowスイッチ87Lにおけるスイッチング素子の故障などを検知する。また、ヘッドライト1Lのフィラメント11L,12Lにおける点灯状態、及びヘッドライト1Rのフィラメント12Rにおける点灯状態をモニタリングし、出力している信号に応じて点灯していない場合には当該フィラメント11L,12L,12Rにてフィラメント断線が発生していると検知する機能を有する。ヘッドライト駆動部802Lの機能により故障を検知した場合、故障を示すフィードバックをHi/Low制御部801Lへ通知する。
【0114】
マイコン80Lにて実現される、診断部803L及びフェールセーフ処理部804Lの機能は、診断部203L及びフェールセーフ処理部204Lと同様であるので詳細な説明を省略する。
【0115】
ECU8Rのマイコン80Rは、点灯制御部801R、ヘッドライト駆動部802R、診断部803R及びフェールセーフ処理部804Rとして機能する。診断部803R及びフェールセーフ処理部804Rの機能は、診断部803L及びフェールセーフ処理部804Lの機能と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0116】
マイコン80Rによる点灯制御部801Rの機能は、制御データに基づき、Low信号を出力するか否かを判断して、ヘッドライト1Rの点灯(Low)/消灯を制御する機能である。ECU8Rは、ヘッドライト1Rに対応するもののハイビーム用のフィラメント12Rの点灯制御を行なわないためである。点灯制御部801Rの機能によりマイコン80Rは、ヘッドライト駆動部802Rからのフィードバックを受け付け、診断部803Lへ通知する。
【0117】
そしてマイコン80Rによるヘッドライト駆動部802Rの機能は、点灯制御部801Rの機能によるLow信号を出力するか否かを判断に基づき、I/O84RによりLowスイッチ87Rへ信号を出力する。そしてヘッドライト駆動部802Rの機能によりマイコン80Rは、フィラメント11Rにおける点灯状態をモニタリングして、フィラメント断線の発生を検知する機能を有する。マイコン80Rは、ヘッドライト駆動部802Rの機能により故障を検知した場合、故障を示すフィードバックを点灯制御部801Rへ通知する。
【0118】
実施の形態2においても、ヘッドライト1L,1Rに2つのECU8L,8Rが夫々対応する構成により、ヘッドライト1L,1RについてECUを分散して配置するからヘッドライトとECUとの間を接続する信号線の長さを短くすることができる。
【0119】
なお、実施の形態2の構成では、右側のヘッドライト1Rのハイビーム用のフィラメント12Rと、左側のヘッドライト1Lに対応するECU8Lとを信号線で接続しているため、実施の形態1における車載制御システムの構成よりも、前記信号線が多いが、ECU8L,8Rが夫々スイッチング素子を2つずつ備えて夫々制御するよりも、ECU8Rにおけるスイッチが1つ少なく済む。
【0120】
そして、ヘッドライト1L,1Rを制御するECUを、ECU8LとECU8Rとに分散させたことにより、ECU8L,8Rの一方が故障したとしても、他方でヘッドライト1L,1Rの一方の点灯を制御できるので、全消灯状態を回避してフェールセーフ状態で制御を続行することができる。
【0121】
更に、ECU8Lにて、制御データに基づきヘッドライト1L,1Rをハイビームで点灯させると判断した場合に、ヘッドライト駆動部802Lの機能によりハイビーム用のフィラメント12L,12Rの一方又は両方でフィラメント断線が発生していることが検知されているときは、診断部803Lの機能によりフェールセーフ処理部804Lの機能がウェイクアップして強制的にロービーム用のフィラメント11Lを点灯させるべく制御される。これにより、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rにてフィラメント断線が発生している場合に全消灯状態となることが回避される。
【0122】
なお、このとき診断部803Lにより、障害情報がECU5あてに車載ネットワーク3へ送信されるから、ECU8R側でこれを検知して、ハイビーム用のフィラメント12L,12Rの一方又は両方でフィラメント断線が発生していることを認識し、フェールセーフ処理部804Rの機能により、ロービーム用のフィラメント11Rを強制的に点灯させる制御を行なう構成としてもよい。
【0123】
また、実施の形態2でも、ヘッドライト1L,1R、又はECU8L,8Rのいずれかが故障した場合、故障の内容をECU5に通知、送信することができ、ヘッドライト1L,1Rのいずれか、又はECU8L,8Rが故障していることを運転者へ通知し、早期に障害発生を知らしめることができる。
【0124】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、ヘッドライト1L,1Rは、2灯式とした。しかしながら本発明は4灯式のヘッドライトであっても適用可能である。実施の形態3は、4灯式のヘッドライトの制御を含む車載制御システムの例を示す。
【0125】
実施の形態3における車載制御システムの構成は、実施の形態1におけるヘッドライト1L,1Rがヘッドライト9L,9Rに、ECU2L,2RがECU10L,10Rに置換される以外は同様であるので、図示を省略する。また、実施の形態3における車載制御システムの構成の内、実施の形態1と共通する構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0126】
図10は、実施の形態3における車載制御システムを構成するヘッドライト9L,9R及びECU10L,10R,5の内部構成を示すブロック図である。
【0127】
ヘッドライト9Lは、ロービーム用のランプ91Lと、ハイビーム用のランプ92Lとを備えている。ヘッドライト9Rも、ロービーム用のランプ91Rと、ハイビーム用のランプ92Rとを備えている。ランプ91L及びランプ92Lのフィラメントの一端はECU10LのLowスイッチ107L及びHiスイッチ106Lに夫々接続されており、他端は接地されている。ランプ91R及びランプ92Rのフィラメントの一端はECU10RのLowスイッチ107R及びHiスイッチ106Rに接続されている。
【0128】
ECU10Lは基本的に、実施の形態1におけるヘッドライト1Lを制御するためのECU2Lと同様に、CPU101L、RAM102L、メモリ103L、I/O104L及び通信部105Lを含むマイコン100Lと、送受信部108Lとを備える。これらは、実施の形態1におけるECU2Lが備えるとしたCPU21L、RAM22L、メモリ23L、I/O24L、通信部25L、及び送受信部27Lと同一であるから、夫々についての詳細な説明は省略する。
【0129】
そしてECU10Lは、上述の構成部のほか、実施の形態2におけるECU8L同様に、Hiスイッチ106L及びLowスイッチ107Lを備える。Hiスイッチ106L及びLowスイッチ107Lは、スイッチング素子を含み、マイコン100Lから出力されるHi信号及びLow信号が夫々入力されるように構成されている。
【0130】
マイコン100LがI/O104LからHi信号を出力した場合、Hiスイッチ106LにHi信号が入力され、Hiスイッチ106Lにより、左のヘッドライト1Lのハイビーム用のランプ92Lが点灯される。一方、マイコン100LがI/O104LからLow信号を出力した場合、Lowスイッチ107LにLow信号が入力され、Lowスイッチ107Lにより、左のヘッドライト1Lのロービーム用のランプ91Lが点灯される。
【0131】
ECU10Rの内部構成は、ECU10Lと同様であるので対応する符号を付して詳細な説明を省略する。ECU5の内部構成は、実施の形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0132】
実施の形態3においても、ECU10L,10Rのマイコン100L,100Rは、実施の形態1同様に、ヘッドライト駆動部、診断部、フェールセーフ処理部などの各種機能を実現する。ただし、ヘッドライト9L,9Rを駆動させる構成部が、リレー回路を含む駆動部でなくスイッチング素子を含むHiスイッチ106L,106R及びLowスイッチ107L,107Rである点で実施の形態1と異なる。マイコン100L,100Rは夫々、Hi/Low制御部としての機能により判断したHi信号を出力するのか、Low信号を出力するのか、又はいずれの信号も出力しないのかの判断に基づき、I/O104Lにより、Hiスイッチ106L,106Rか、Lowスイッチ107L,107Rかへ信号を出力する。また、ヘッドライト9L,9Rを駆動させる構成部がスイッチであり、4灯式のヘッドライト9L,9Rであるから、故障、断線の検知対象が異なるが、故障を示すフィードバックをHi/Low制御部として機能するマイコン100L,100Rへ通知する構成は同様である。つまり、マイコン100L,100Rにより実施の形態1と実質的に同一の機能が実現される。
【0133】
これにより、実施の形態3における4灯式のヘッドライト9L,9Rを使用する構成でも、ヘッドライト9L,9Rを制御するECUを、ECU10LとECU10Rとに分散させたことにより、ECU10L,10Rの一方が故障したとしても、他方でヘッドライト9L,9Rの一方の点灯を制御できるので、全消灯状態を回避してフェールセーフ状態で制御を続行することができる。
【0134】
そして、ハイビーム用のランプ92L,92Rのフィラメントの一方又は両方が断線しているなどにより点灯できない状態で、点灯(Hi)を示す制御データがECU5から送信されたとき、以下のように、ヘッドライト9L,9Rの全消灯状態を防ぐことができる。診断部として機能するマイコン100L,100Rによってランプ92L,92Rの故障の通知を受け付けており、フェールセーフ処理部としての機能によりロービーム用のランプ91L,91Rを強制的に点灯させるべく制御する。
【0135】
ロービーム用のランプ91L,91Rが故障した場合も同様の処理によって、ハイビーム用のランプ92L,92Rを点灯させるなどして、全消灯状態を回避することができる。
【0136】
また、ヘッドライト9L,9Rに2つのECU10L,10Rが夫々対応する構成により、ヘッドライト9L,9RについてECUを分散して配置するからヘッドライトとECUとの間を接続する信号線の長さを短くすることができる。
【0137】
更に、実施の形態2でも、ヘッドライト9L,9R、又はECU10L,10Rのいずれかが故障した場合、故障の内容をECU5に通知、送信することができ、ヘッドライト9L,9Rのいずれか、又はECU10L,10Rが故障していることを運転者へ通知し、早期に障害発生を知らしめることができる。
【0138】
実施の形態1乃至3では、離隔して配置される1組の制御対象の例としてヘッドライト1L,1R,9L,9Rを挙げた。しかしながら、本発明における制御対象はヘッドライトに限らず、車両内においては左右のテールランプでもよい。ライト系のみならず、一度に開閉する4つのドアロックを制御するシステムに適用するなどしてもよい。ボディ系に限らず、制御系のECUに適用してもよい。
【0139】
また、実施の形態1乃至3では、ECU10L,10Rは、ヘッドライトという1種類の負荷(制御対象)に対する専用のECUである構成であった。しかしながら本発明はこれに限らず、他の機能、例えば他の制御対象の制御処理などをも行なうECUに、本発明の機能及び構成を加える構成としてもよい。また、他の機能も持つ複数のECUに本発明の機能及び構成を振り分ける構成としてもよい。例えば、室内ランプの点灯、ドアの開閉検知などボディー系の負荷に対する制御を総合的に行なうボディーECUと、バッテリー又は各負荷への電源の供給を制御する電源ECUとに、夫々ECU2L、ECU2Rの機能を割り振る構成としてもよい。
【0140】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0141】
1L,1R ヘッドライト(制御対象)
11L,11R ロービーム用のフィラメント(第1発光部)
12L,12R ハイビーム用のフィラメント(第2発光部)
2L,2R ECU(制御装置)
20L,20R マイコン(制御手段)
203L,203R 診断部(診断手段)
3 車載ネットワーク(通信線)
41 ディスプレイ
42 スピーカ
43 操作ボタン
5 ECU
8L,8R ECU(制御装置)
9L,9R ヘッドライト(制御対象)
91L,91R ロービーム用ランプ(第1発光部)
92L,92R ハイビーム用ランプ(第2発光部)
10L,10R ECU(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離隔配置され、連動して動作すべき1組の制御対象と、該制御対象の動作を制御する制御装置と、制御装置が接続される通信線とを含み、前記制御装置は通信手段を備え、前記通信線を介して送信される制御データを受信して前記制御データに基づき前記制御対象の制御を行なうようにしてある制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記制御対象夫々を制御すべく複数備えられ、
複数の前記制御装置は夫々、対応する制御対象の近傍に設置され、前記通信手段を介して前記通信線に接続されるようにしてあること
を特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記1組の制御対象は、車両の前部左右に配置される1対のヘッドライトであり、左右のヘッドライトに対応する2つの前記制御装置が、夫々対応するヘッドライト近傍に備えられていること
を特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記ヘッドライトは、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用の第2発光部を夫々備え、
2つの前記制御装置は夫々、対応するヘッドライトの第1発光部及び第2発光部の点灯/消灯を制御する制御手段を備えること
を特徴とする請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記ヘッドライトは、ロービーム用の第1発光部及びハイビーム用の第2発光部を夫々備え、
2つの前記制御装置は夫々、対応するヘッドライトの第1発光部の点灯/消灯を制御する制御手段を備え、
2つの前記制御装置のいずれかが前記一対のヘッドライト夫々の第2発光部のいずれをも制御する制御手段を備えること
を特徴とする請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は夫々、
対応する制御対象の動作、又は、他の制御装置の動作が正常か否かを診断する診断手段と、
該診断手段が異常と診断した場合、外部へ診断結果を通知する手段と
を備え、
制御装置からの診断結果の通知を受け付け、通知された診断結果を音声又は画像により出力する手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は夫々、
対応する制御対象の一部の動作が異常である場合に、前記制御対象における他の一部に代替動作を実行させる代替手段を備え、
前記診断手段により対応する制御対象の動作が異常であると判断した場合、前記代替手段により代替動作を実行させるようにしてあること
を特徴とする請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は夫々、
前記通信手段により、定期的にデータを送信する手段と、
前記通信手段により、他の制御装置から送信されるデータを受信してからの経過時間を測定する手段と、
該手段が測定した経過時間が所定時間以上であるか否かを判断する手段と
を備え、
該手段が経過時間が所定時間以上であると判断した場合、前記診断手段により他の制御装置の動作が異常であると判断するようにしてあること
を特徴とする請求項5又は6に記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−184540(P2010−184540A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28886(P2009−28886)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】