説明

制御冷却による脂肪性細胞の選択的破壊のための方法および装置

本発明は、制御冷却による脂肪性細胞の選択的破壊に用いる方法に関する。本発明はさらに、制御冷却による脂肪性細胞の選択的破壊方法の実施に用いる装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に引用される出願および特許の各々、ならびにそれらの出願および特許の各々に引用される各文献または参照文献(各交付済み特許の実行中を含む;「出願引用文献」)、およびPCT出願および外国出願の各々またはこれらの出願および特許のいずれもに対応し、かつ/またはそれらの優先権を主張する特許、および出願引用文献の各々に引用または参照される文献の各々は、出典明示により明示的に本明細書の一部とされる。より一般には、文献または参照文献は、本文書では、請求項の前の参照文献一覧表か、または文章自体のいずれかに引用され、これらの文献または参照文献(「本明細書引用参照文献」)の各々、ならびに本明細書引用参照文献の各々に引用される各文献または参照文献(製造業者の仕様書、使用説明書などを含む)は、出典明示により明示的に本明細書の一部とされる。
【0002】
発明の分野
本発明は、制御冷却による脂肪性細胞の選択的破壊に用いる方法に関する。本発明はさらに、制御冷却により脂肪性細胞を選択的に破壊するための方法において使用するための、ならびに、選択的破壊方法の前、その間およびその後に生じる、あるいは他の状態で存在する状態についてモニタリングし、検出し、影響を及ぼしまたは作用するための、装置に関する。本発明の他の局面は、以下の開示に記載されており、または以下の開示から明らかである(また、本発明の範囲内である)。
【背景技術】
【0003】
背景
新生児の皮下脂肪組織は、寒さに対して非常に敏感である。新生児では、皮下脂肪細胞、すなわち「脂肪細胞」の細胞内脂質含量は、高い割合の高飽和トリグリセリドを含む。中程度の寒い気温ですら、高飽和脂質を含む細胞には悪影響を及ぼすことがあり、寒さに曝されると新生児皮下脂肪組織は脂肪細胞壊死を起こしやすくなる。皮下脂肪組織の低体温は、真皮および/または表皮の関連炎症を引き起こす場合がある。例えば、新生児における寒冷脂肪組織炎障害は、有痛性皮膚病変をもたらすことが分かっている。
【0004】
新生児が成長するにつれて、脂肪細胞の細胞内トリグリセリドにおける不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の割合が徐々に低下する。不飽和脂肪酸の含量が高いほど防寒性が高くなり、乳児における寒冷脂肪組織炎の発生は、次第に弱まる。寒冷脂肪組織炎に関する詳細な総説については、以下参照、Epstein et al. (1970) New England J. of Med. 282(17):966-67; Duncan et al. (1966) Arch. Derm. 94:722-724; Kellum et al. (1968) Arch. Derm. 97:372-380; Moschella, Samuel L. and Hurley, Harry J. (1985) Diseases of the Corium and Subcutaneous Tissue. In Dermatology (W. B. Saunders Company):1169-1181; John C Maize (1998) Panniculitis In Cutaneous Pathology (Churchill Livingstone): 327-344; Bondei, Edward E. and Lazarus, Gerald S. (1993) Disorders of Subcutaneous Fat (Cold Panniculitis). In Dermatology in General Medicine (McGraw-Hill, Inc.):1333-1334。
【0005】
成人では、細胞内脂質含量は細胞種によって異なる。真皮および表皮細胞では、例えば、不飽和脂肪酸は、皮下脂肪組織を形成する下層の脂肪細胞と比べて、比較的低い。哺乳類における脂肪組織の組成の詳細な総説については、以下参照、Renold, Albert E. and Cahill, Jr., George F. (1965) Adipose Tissue. In Handbook of Physiology (American Physiology Society):170176。結果として、異なる細胞種、例えば、脂肪性および非脂肪性細胞は、寒さに対して種々の程度の感受性を有する。一般に、非脂肪性細胞は、脂肪性細胞より低い温度に耐えることができる。
【0006】
周囲の真皮および上皮組織を傷つけることなく、皮下脂肪組織の脂肪細胞を選択的かつ非侵襲的に損傷を与えることが非常に望ましいと思われる。脂肪組織の減少によって、健康上の利益と美容上の利益の両方がもたらされることは分かっているが、脂肪吸引のような現行の手法は、生命に関わる恐れのある危険性(例えば、過度の出血、疼痛、敗血性ショック、感染および腫脹)を伴う侵襲的処置を必要とする。
【0007】
皮下脂肪組織を非侵襲的に除去するための現行の手法は、放射エネルギーと冷却溶液の使用を含む。米国特許第5,143,063号、同第5,507,790号および同第5,769,879号では、皮下脂肪組織を減少させるために放射エネルギーを使用する方法が記載されているが、適用エネルギーレベルの制御が困難であり、真皮および/または表皮まで巻き添えで損傷を受ける場合が多い。WO 00/44346によって提示された冷却溶液は、皮膚表面温度が安定しないため、真皮および/または表皮が巻き添えで損傷を受けないように十分に保護することもできない。
【0008】
モルモットで行われたこれまでの研究では、寒冷損傷による皮下脂肪組織の除去について記載されている。Burge, S. and Dawber, R. (1990) Cryobiology 27:153-163。しかしながら、この結果は、比較的攻撃的な冷却手法(例えば、液体窒素)を用いて実現したものであり、この手法では上皮の損傷が生じた。冷却による皮下脂肪組織の除去によって、表皮が関連損傷を受けないことが理想的であると思われる。
【0009】
非脂肪性細胞(例えば、真皮および/または表皮)を傷つけることなく、脂肪性細胞(例えば、皮下脂肪組織を含む脂肪細胞)に選択的に損傷を与えるための温度制御された方法および装置については、これまで知られていない。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
現在では、脂肪性細胞を含む脂肪組織は、その周囲の非脂肪性組織(例えば、真皮および上皮組織)を傷つけずに、その各々の組織に適用する温度および/または圧力を制御することによって選択的に破壊することができることが分かっている。
【0011】
一局面では、本発明は、非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊のための冷却方法に関し、その方法は、前記処置対象の適用部位に近位に少なくとも1つの冷却素子を適用し、前記適用部位の真下の温度を低下させるために、前記冷却素子を利用し(その温度の低下が、そこにある脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させるのに十分であり)、そして温度を低下させる間に、前記冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されないことを確認するための十分なフィードバック情報を提供するために、少なくとも1つのフィードバック装置を利用し、それにより、前記対象における脂肪性細胞を選択的に破壊することを含む。
【0012】
一態様では、その方法は、処置対象の適用部位の近位に、前記適用部位の真下の血流を低下させるのに効果的である圧力を加えることをさらに含むこともできる。
【0013】
本発明のもう1つの局面では、非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊に関連してフィードバック情報を提供するシステムが提供され、そのシステムは、前記処置対象の適用部位に近位の少なくとも1つの冷却素子(前記冷却素子は、前記適用部位の真下の温度を低下させるのに効果的であり、その温度の低下が、前記適用部位の真下の脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させるのに十分である)、および、少なくとも1つの冷却素子と通信している少なくとも1つのフィードバック装置(前記フィードバック装置は、前記冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されないことを確認するための十分なフィードバック情報を提供する)を含む。
【0014】
本発明のさらにもう1つの局面では、非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊に関連してフィードバック情報を提供するシステムが提供され、そのシステムは、前記処置対象の適用部位に近位の少なくとも1つの冷却素子(前記冷却素子は、前記適用部位の真下の温度を低下させるのに効果的である)、および、少なくとも1つの冷却素子と通信している少なくとも1つのフィードバック装置(前記フィードバック装置は、その温度の低下が、十分に前記適用部位の真下の脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させることを確認するための十分なフィードバック情報を提供する)を含む。
【0015】
本発明の任意の局面では、そのフィードバック情報は、真皮、表皮または皮下脂肪組織の生理的パラメーターについての情報(例えば、データ、シグナル)を含むこともでき、その情報は、冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されていないことを示すものである。
【0016】
冷却処理に関するフィードバック情報を提供するために、1以上のフィードバック装置を含めることができる。それらのフィードバック装置は、少なくとも1つの冷却素子と通信(例えば、接続、直接接触または間接接触)可能であり、かつ/または適用部位と通信(例えば、直接接触または間接接触)可能である。例えば、それらのフィードバック装置は、冷却素子の小溝に組み込まれていてよい。本発明のそのような態様では、その溝は、一般に、直径が約1cm未満である。
【0017】
本発明の冷却方法の典型的な局面によれば、提供されるフィードバック情報は、限定されるものではないが、真皮、表皮および/または皮下脂肪組織の少なくとも1つの生理的パラメーターに関する情報を含む複数の情報に関連していてよい。例えば、この情報により、冷却素子に近位の非脂肪性細胞が冷却処理によって破壊されなかったこと、および/または脂肪性細胞の破壊が起こったことを示す/確認することができる。冷却/破壊される脂肪性細胞は、例えば、皮下脂肪組織内の脂肪細胞であってよい。
【0018】
フィードバック情報が提供され得るもう1つの典型的な生理的パラメーターは、対象の真皮および/または表皮または皮下脂肪組織における実質的な結晶形成の存在である。本発明のそのような態様では、実質的な結晶形成の存在/不在は、対象の真皮または表皮において電気インピーダンスが約10kΩ/mm〜約50kΩ/mm間であることおよび対象の皮下脂肪組織において約10kΩ/mmより大きいことによって、または対象の真皮または表皮において超音波音響速度が約1450〜約2700M/S未満間であることおよび対象の皮下脂肪組織において約2700M/Sより速いことによって示すことができる。
【0019】
フィードバック情報が提供され得るさらにもう1つの生理的パラメーターは、対象の真皮、表皮および/または皮下脂肪組織における剛性の変化量である。
【0020】
フィードバック情報が提供され得るさらにもう1つの生理的パラメーターは、対象の真皮、表皮および/または皮下脂肪組織における圧力の変化量であり、本発明の特定の態様によれば、その圧力値は真皮および表皮において少なくとも約240MM HGであり、皮下脂肪組織において約120MM HG〜約240MM HG間であるはずである。
【0021】
フィードバック情報が提供され得るさらなる生理的パラメーターは、対象の真皮または表皮において相転移の有無である。
【0022】
フィードバック情報が提供され得るさらなる生理的パラメーターは、対象の真皮または表皮における音響速度であり、本発明の特定の態様によれば、その音響速度は対象の真皮または表皮において約1450M/S〜約2700M/S未満間の範囲であり、対象の皮下脂肪組織において約2700M/Sより速いはずである。
【0023】
フィードバック情報が提供され得るさらなる生理的パラメーターは、対象の真皮、表皮および/または皮下脂肪組織の内部からの反射率または透過率であり、本発明の特定の態様によれば、反射率のスペクトルがモニタリングされる。
【0024】
典型的なフィードバック装置は、侵襲的または非侵襲的温度プローブである。温度プローブは、放射温度計、光ファイバー温度センサーおよび熱画像サーモプローブなどのサーモプローブであってよい。好適なサーモプローブとしては、限定されるものではないが、熱電対(themocouple)、サーミスター、バイメタル式温度計、色変換式温度表示紙、半導体温度計、光ファイバー温度計、およびガラス温度計が挙げられる。
【0025】
他の典型的なフィードバック装置の例は、電気的フィードバックプローブ、超音波プローブ(例えば、超音波検査クリオプローブ)、振動フィードバックプローブ(例えば、圧電振動子)、接触プローブ(例えば、バネ荷重冷却素子などの圧力プローブ)、光コヒーレンス断層撮影装置、光学スペクトロピック装置、および/または磁気共鳴画像装置である。
【0026】
本開示において、「含む」、「含んでいる」、「含み」および「有している」などは、米国特許法により定義された意味を有するものであり、「包含する」、「包含している」などを意味することもあり、同様に、「から本質的になっている」または「本質的になる」も米国特許法により定義された意味を有するものであり、その用語は、非制限的なものであり、引用されたものの基本または新規特性が、引用されたもの以外のものの存在によって変更されない限り、引用されたもの以外のものの存在を認めるものであるが、先行技術の態様を排除する。
【0027】
これらおよび他の目的および態様は、以下の詳細な説明に記載されており、または以下の詳細な説明から明らかであり、それらは本発明の範囲内である。
【0028】
図面の簡単な説明
当業者には、対象物のシステムおよび方法を享受する方法が理解できるように、それらの態様を本明細書において以下に、図面に関連して記載する。
図1Aは、処置システムを示す図である。
図1Bは、制御装置の構成を示す図である。
図1Cは、冷却/加熱素子を示す図である。
図1Dは、プローブ制御部を備えたフラット冷却処置システムを示す図である。
図2Aは、皮膚の襞内の脂肪性細胞を冷却するための処置システムを示す図である。
図2Bは、プローブ制御部を備えた、皮膚の襞内の脂肪性細胞を冷却するための処置システムを示す図である。
図3Aは、吸引装置を備えた処置システムを示す図である。
図3Bは、同じく、吸引装置を備えた処置システムを示す図である。
図4は、隔離領域の処置を行うために、吸引システムと組み合わせた処置システムを示す図である。
図5A、Bは、標的組織塊を円周方向に取り囲むことができる処置システムを示す図である。
図6は、寒冷曝露部位に対応するいくつかの領域における、17日後に陥没を示している皮膚表面の画像である。
図7は、寒冷曝露の17日後の皮下脂肪組織の組織構造(ブタII、部位E)を示す図である。図7Aは、低倍率図であり、図7Bは高倍率図である。
図8は、寒冷曝露の50日後の皮下脂肪組織の組織構造(ブタII、部位C、EおよびF)を示す図であり、図8A、Bは部位Cを示し、図8C、Dは部位Eを示し、図8E、Fは部位Fを示す。
図9は、ブタIIIに冷却を施すために使用した装置の画像である。
図10A、B、C、D、E、F、G、H、IおよびJは、様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
図11は、曝露の3.5ヶ月後の試験部位11の超音波画像である。
図12A、Bは、曝露の6日後の試験部位8の組織構造を示す図である。
図12C、Dは、試験部位9(対照)の組織構造を示す図である。
図13A、B、C、DおよびEは、曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
図14は、試験部位11の肉眼で見える断面(図13Cに示す)を示す図である。組織学的分析により陥没領域を評価した(図15および16に示す)。
図15は、処置後3.5ヶ月の時点において試験部位11から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。図15Aは低倍率図である。図15Bは高倍率図である。
図16は、処置後3.5ヶ月の時点において試験部位11に隣接した非寒冷暴露部位から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。図16Aは低倍率図である。図16Bは高倍率図である。
図17は、図18の温度プロットを得るために使用した熱電対の配置図である。表部の熱電対1705は冷却装置1704と表皮1701の界面に位置する。深部の熱電対1706は皮下脂肪組織の浅部内、真皮1702の下部に位置する。
図18は、in-vivo寒冷曝露期間中に得られた温度プロットである。この温度プロットは、処置期間中に異なる位置にある2つの熱電対によって測定した、時間(秒)(x軸)に対する測定温度(摂氏)(y軸)を示す。グラフ1801は、真皮のすぐ下にある表面脂肪層に位置する熱電対で測定したときの温度プロットである。グラフ1802は、冷却装置と表皮の界面に位置する熱電対で測定したときの温度プロットである
図19は、処置後5日の時点において図18の温度プロットを得た試験部位から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。
図20は、冷却素子が少なくとも1つのフィードバック装置と通信している本発明の典型的な態様を示す図である。
図21は、本発明の典型的な態様の概略図であり、図20の冷却素子および/またはフィードバック装置が、フィードバックが起こるように接続されている機器を示している。
【0029】
詳細な記載
本質において、本発明の方法は美容的処置である。
【0030】
本発明は、脂肪組織を局所的に減少させる方法に関し、その方法は冷却素子を、脂肪性細胞を選択的に破壊するのに十分な、非脂肪性細胞において望ましくない影響を与えない温度において対象に適用することを含む。好ましくは、その冷却素子は、冷却剤と対になっているか、または冷却剤を含んでいる。
【0031】
本発明の方法は、皮下脂肪組織の所望の減少を実現するために、対象の体内の領域を処置するためであり、その方法は、a)皮下脂肪組織を減少させることが望ましい領域において対象の皮膚に近位に冷却素子を適用して、そこにある脂肪性細胞を選択的に破壊するのに十分な前記領域内に温度勾配を生じさせ、同時に、それをもってその対象の皮膚を、その冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されない温度に維持すること、b)工程(a)の対象の皮膚への冷却素子の適用を、皮下脂肪組織の所望の減少が達成されるまで複数回繰り返すことによる。
【0032】
本発明の冷却素子は、固体形態、液体形態またはガス形態の冷却剤を含んでいてよい。固体冷却剤としては、例えば、熱伝導性材料(金属(例えば、銅、銀、アルミニウム)、金属板、ガラス、セラミック、ゲルおよび氷または氷スラリーなど)が含まれ得る。一態様では、固体冷却剤は、冷却素子と接触しているペルティエ素子である。ペルティエ素子は当技術分野で周知である(例えば、Applied Biosystems製造のテルル化ビスマス製ペルティエ素子)。液体冷却剤として、例えば、生理食塩水、グリセロール、アルコール、または水/アルコール混合物が含まれ得る。冷却素子が循環冷却剤を含む場合には、冷却剤の温度が一定で、所望の温度に事前設定されることが好ましい。冷却剤の適温は、冷却剤の熱伝導率、熱容量および/または流速によって異なるが、当業者ならば容易に決定することができる。所望の温度を得るために、塩または他の添加剤を液体混合物と組み合わせてもよい。ガスとしては、例えば、冷却空気または液体窒素が含まれ得る。
【0033】
本発明の冷却素子は、適用部位に冷却を施す。適用部位に適用される冷却は、直接冷却、間接冷却、能動冷却または受動冷却であり得る。一態様では、冷却素子は、冷却剤または冷却素子のいずれかによって対象と直接接触するように適用することができる。もう1つの態様では、冷却剤単独によって直接接触させる。もう1つの態様では、冷却剤または冷却素子のいずれによっても直接接触は行わず、冷却素子および/または冷却剤を近位にポジショニングすることにより冷却が行われる。
【0034】
冷却剤の温度は、約37℃より低く、−196℃(すなわち、液体窒素の温度)より高いことが好ましい。
【0035】
冷却剤が液体または固体であるならば、適用される冷却素子の温度範囲は、好ましくは約40℃〜−15℃間、より好ましくは、4℃〜−10℃間、さらに好ましくは、0℃〜−3℃間である。一般に、冷却素子は、平均温度約−15℃〜約35℃間、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または5℃;約−10℃〜約35℃間、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または5℃;約−15℃〜約20℃間、15℃、10℃、または5℃に維持されることが好ましい。
【0036】
冷却素子および/または冷却剤は、2時間まで適用することができる。好ましくは、冷却素子は、1〜30分間適用される。冷却素子は、少なくとも100ミリ秒間適用することができる(例えば、スプレーの場合には、例えば、より短時間であることが想定される)。例えば、液体窒素は、非常に短い間隔で(例えば、約1秒)繰り返し(例えば、約10〜100回)適用することができ、適用間は上皮の損傷を与えない温度が維持される(曝露の長さに応じて、例えば、約0℃〜−10℃)。穏やかな冷却計画では、例えば、噴霧および/または周囲空気との混合中に液体窒素飛沫の一部が蒸発する距離(例えば、約10〜30cm)から液体窒素を噴霧することもある。
【0037】
本発明の冷却素子および/または冷却剤は、例えば、皮膚表面には直接または間接接触のいずれかにより適用される。間接接触では、要望どおりに熱伝導率を変更または低減させるために、膜、ローション、液体(例えば、水)またはゲルなどの伝導性材料により媒介してよい。
【0038】
対象の皮膚は、表皮、真皮またはそれらの組合せを含んでいる。皮膚表面に直接適用する場合、冷却素子および/または冷却剤は毒性のない冷却剤である。
【0039】
冷却素子および/または冷却剤は、2回以上、例えば、反復的なサイクルで適用することができる。冷却剤は、律動的または連続的に適用することができる。冷却素子および/または冷却剤は、当技術分野で公知のあらゆる従来法(スプレー(液体形態の場合)、ガスまたは粒子状固体材料による局所適用を含む)により適用することができる。好ましくは、適用は外部手段によることが好ましいが、本発明の冷却素子および/または冷却剤を注射または他の従来の手段によって皮下に適用することもできる。例えば、冷却剤は、皮下組織に直接適用され、その後、接触が終わった後に除去されるか、または熱平衡に達した結果として脂肪性組織の冷却が行われるように、皮下組織に放置される(例えば、液体冷却剤またはペレットまたはマイクロビーズなどの小型冷却粒子の皮下注射)。
【0040】
本発明の方法は非侵襲的(例えば、侵襲手術手技を必要としない表面手法、腹腔鏡手法または局所手法)であることが好ましい。
【0041】
冷却素子および/または冷却剤は、1つの特定領域または複数の領域に適用することができる。冷却素子および/または冷却剤の空間分布は、必要に応じて、制御することもできる。一般に、表面領域の大きさ(例えば、冷却剤が皮膚と接触しているところ)は、冷却の対象となる皮下脂肪組織の厚みの少なくとも3倍にする必要がある。好ましくは、表面領域の最小直径は少なくとも1cmである。さらに好ましくは、各適用部位の表面領域の直径は3〜20cm間である。複数の冷却アプリケーターを、実質的に同時にまたは連続的または逐次的に用いることもできる。
【0042】
最適表面領域を決定するには、いくつかのパラメーターを定められたとおりに変更することが必要である。例えば、より大きな表面領域(3500cmより大きい場合など)でも、低体温が追加の手段によって予防されるならば、本発明の方法により冷却することができる。低体温は、他の部位で体からの熱移動を補う(例えば、1箇所以上のさらなる部位に温水を適用する)ことによって予防することができる。例えば、より大きな表面領域(例えば、3500cmより大きい)に接触するように、複数の冷却素子および/または冷却剤を使用することもできる。
【0043】
冷却素子および/または冷却剤は、それを適用する領域の外形に従ってもよい。例えば、冷却を適用する表面領域の外形に従うように、フレキシブルな機器を使用してもよい。その機器は、接触した際にその接触表面の外形が冷却剤または冷却剤を含む機器の周囲または内部に沿って描かれるように、接触表面の形状を変更することもできる。例えば、表面が折り重なり、両側で冷却素子および/または冷却剤に接触しているときには、冷却素子および/または冷却剤を同時に2つ以上の表面に接触させることができる。好ましくは、冷却効率を上げるために、1以上の皮膚の襞を(例えば、連続層を通じた所望の深度で)両側で冷却素子および/または冷却剤に接触させる。
【0044】
固体冷却素子および/または冷却剤は、接触表面(例えば、皮膚表面)での熱力学的熱交換(「熱交換」)を促進するような形状であることが好ましい。伝導を促進するために、固体冷却剤と接触表面の界面に液体を使用することもできる。
【0045】
必要に応じて、冷却素子および/または冷却剤の適用に疼痛管理薬(麻酔薬または鎮痛薬など)を併用してよい(冷却自体に鎮痛作用があるため、さらなる疼痛管理薬の使用は任意である)。局所麻酔薬は、例えば、冷却剤の適用前、その後、またはその間に接点に局所適用される。さらに、血管収縮作用を有する局所麻酔薬(例えば、エピネフリン添加リドカインまたはEMLA)の同時投与では、真皮の血流が低下し、その結果として皮下組織の冷却が促進される。
【0046】
必要に応じて、従来の方法(注射または経口投与など)により麻酔薬の全身投与を施してもよい。処置中に、例えば、あまり不快感を与えない処置を提供するために、冷却速度が低下するように、冷却剤の温度を変更することができる。さらに、本発明の方法は、当技術分野で公知の他の脂肪減少手法(脂肪吸引など)と組み合わせて実施してもよい。
【0047】
好ましくは、本発明の脂肪性細胞は、皮下脂肪組織内の脂肪細胞またはセルライトである。よって、脂肪性細胞を含む皮下脂肪組織は本発明の方法による破壊の対象となる。さらに、脂肪性細胞を含む外膜周囲器官(adventicia surrounding organs)または他の解剖学的内部構造の破壊を対象とすることも本発明の範囲内である。
【0048】
脂肪細胞の細胞内脂質は、副形質内空胞内に限定される。皮下脂肪組織内には単一空胞性(univacular)および多空胞性(plurivacular)脂肪細胞が存在する。多数のものは単一空胞性であり、直径は約100umより大きい。肥満患者では、細胞内脂質含量が増加しているため、このサイズが劇的に大きい可能性がある。
【0049】
本発明の脂肪性細胞は、細胞内脂質総含量が20〜99%間であることが好ましい。好ましくは、本発明の脂肪性細胞の細胞内脂質は、約20〜50%飽和トリグリセリド、さらに好ましくは、約30〜40%飽和トリグリセリドで構成されている。細胞内トリグリセリドには、限定されるものではないが、飽和脂肪酸、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸;モノ不飽和脂肪酸、例えば、パルミトオレイン酸およびオレイン酸;ならびにポリ不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸およびリノレン酸が含まれる。
【0050】
本発明の脂肪性細胞は、皮下脂肪組織内に存在していることが好ましい。皮下脂肪組織の飽和脂肪酸組成は、ヒト体内の解剖学的位置が変われば変化する。例えば、ヒト腹部皮下脂肪組織は、以下の飽和脂肪酸組成を有する:ミリスチン酸(2.6%)、パルミチン酸(23.8%)、パルミトオレイン酸(4.9%)、ステアリン酸(6.5%)、オレイン酸(45.6%)、リノール酸(15.4%)およびリノレン酸(0.6%)。腹部皮下脂肪組織は、約35%飽和脂肪酸を含み得る。これは、約32%飽和脂肪酸を含み得る臀部よりも比較的高い。腹部の飽和脂肪酸は、脂肪酸含量が高いため、室温では半固体状態で存在する。臀部では、そのような影響はない。Malcom G. et al., (1989) Am. J. Clin. Nutr. 50(2):288-91。当業者は、本発明の冷却方法に対する反応における解剖学的差異を考慮する必要に応じて、温度範囲または適用時間を変更することができる。
【0051】
本発明の非脂肪性細胞は、細胞内脂質総含量が20%未満であり、かつ/または本発明の冷却方法により破壊されないことが好ましい。本発明の非脂肪性細胞は、細胞内脂質が約20%未満の高飽和トリグリセリド、さらに好ましくは、約7〜10%未満の高飽和トリグリセリドで構成されている細胞を含むことが好ましい。非脂肪性細胞には、限定されるものではないが、皮下脂肪組織を取り囲んでいるもの、血管系、末梢神経系、表皮(例えば、メラニン形成細胞)および真皮(例えば、繊維細胞)の細胞などが含まれる。
【0052】
本発明の方法によって避けられる真皮および/または表皮への損傷は、例えば、炎症、刺激作用、腫脹、病変形成およびメラニン形成細胞の色素過剰または脱失を伴う可能性がある。
【0053】
特定の理論に縛られるものではないが、脂肪性細胞の選択的破壊は、非脂肪性細胞では高飽和脂肪酸の結晶化(crystalization)が起こらない温度で冷却した際の高飽和脂肪酸の局所結晶化(crystalization)によりもたらされると考えられる。結晶は脂肪性細胞の二分子膜を破壊し、壊死をもたらす。脂肪性細胞で結晶形成が起こる温度では、上述のとおり、真皮細胞などの非脂肪性細胞の損傷は避けられる。また、冷却は、脂肪性細胞の脂肪分解(例えば、代謝)をもたらし、さらに皮下脂肪組織の減少を促すとも考えられる。脂肪分解は、交感神経系(symapthetic nerve system)刺激を誘導する局所寒冷曝露によって促進され得る。
【0054】
脂肪組織の破壊に対する冷却の効果は、機械力(例えば、振動)を同時に加えることによって高められることは確認されている。脂肪組織の剛性は、生理学的深部体温より低い温度で高まるため、物理的破壊が起こりやすくなる。特定の理論に縛られるものではないが、結晶形成による細胞膜に対する破壊効果は、冷却後または冷却と同時に起こる物理的移動により高まると考えられる。よって、本発明の方法には、機械的力(約5〜約200Hzの範囲の周波数の振動など)の適用もさらに含まれ得る。
【0055】
一態様では、脂肪性細胞の温度は約−10℃以上である。好ましくは、脂肪性細胞の温度は−10℃〜37℃間である。より好ましくは、脂肪性細胞の温度は−4℃〜20℃間である。さらに好ましくは、脂肪性細胞の温度は−2℃〜15℃間である。好ましくは、脂肪性細胞は37℃より低い温度に最大2時間冷却される。一般に、脂肪性細胞は、好ましくは、平均温度約−10℃〜約37℃間、35℃、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または4℃;約−4℃〜約35℃間、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または4℃;約−2℃〜約35℃間、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または5℃;および約5℃〜約15℃間または20℃に維持される。
【0056】
本発明の冷却方法は、有利には、表皮における望ましくない影響を排除する。一態様では、表皮の温度は約−15℃以上である。好ましくは、表皮の温度は約−10℃〜35℃間である。より好ましくは、表皮の温度は約−5℃〜10℃の間である。さらに好ましくは、表皮の温度は約−5℃〜5℃の間である。さらに好ましくは、表皮の温度は約0℃〜5℃の間である。
【0057】
本発明の冷却方法は、有利には、真皮における望ましくない影響を排除する。一態様では、真皮の温度は約−15℃以上である。好ましくは、真皮の温度は約−10℃〜20℃の間である。より好ましくは、真皮の温度は約−8℃〜15℃の間である。さらに好ましくは、真皮の温度は約−5℃〜10℃の間である。さらに好ましくは、真皮の温度は約−3℃〜0℃の間である。
【0058】
好ましい態様では、脂肪性細胞は約−5℃〜5℃に最大2時間冷却され、真皮および表皮細胞は平均温度約0℃を維持する。最も好ましい態様では、脂肪性細胞は約−5〜15℃または約5〜15℃に、約1分〜最大約2時間冷却される。
【0059】
本発明の方法は、短い間隔(例えば、1分、5分、15分、30分および60分間隔)でも長い間隔(例えば、12時間および24時間間隔)でも適用することができる。好ましくは、間隔は5〜20分の間である。所望により、冷却間隔の間に熱を加えてもよい。
【0060】
皮膚(すなわち、真皮、表皮またはそれらの組合せ)および/または皮下脂肪組織の生理的パラメーターをモニタリングし、制御するために、様々なフィードバック機構、装置または機器を、本発明に従って使用することができる。フィードバック機構は、独立に、連携して、および/または冷却処理の様々な側面(例えば、温度、期間など)をモニタリング、評価あるいは検出する目的での、および/または冷却処理に用いられる装置の操作条件(例えば、冷却レベル、圧力など)を制御、変更あるいは影響を与えるための、本明細書に開示する他の装置とともに、作動する1種以上の装置を含み得る。
【0061】
本発明の一般に好ましい態様によれば、フィードバック装置のうちの少なくとも1つは、所望の冷却温度(または温度範囲)に達する時点を確認することができるだけでなく、温度(または温度範囲)閾値を越えたかどうか、または超えると思われるポイントに近づいているかどうかを確認することができる。この温度決定は、冷却部位で、冷却装置内で、および/または冷却部位から離れて行うことができる。このことにより、フィードバック装置によって様々な理由(例えば、効果のない結果、望ましくない副作用、装置および/または処置対象への潜在的な有害性など)で望ましくない処置過剰および不十分のいずれもを予防するのに十分なフィードバック情報を確実に提供することが可能になる。
【0062】
1以上のフィードバック装置は、温度に基づくフィードバックに加えてまたはその代わりに他のフィードバックオプションを提供することもできる。そのような代替フィードバック情報により、とりわけ、(a)処置装置と処置表面との間に適当な接触が存在するかどうか、(b)皮膚で相転移が起こったかどうか、(c)皮膚の色の変化が生じたかどうかかつ/またはどの程度まで生じたか、(d)光学反射または透過スペクトルが変化したかどうか、ならびに/または(e)皮膚の電気抵抗が変化したかどうかを確認することができ、またはその確認を補助することができ、さらに、とりわけ、(a)処置表面が受けている圧力および/または(b)皮膚の剛性のレベルの変化を測定し、またはその測定を補助することができる。
【0063】
フィードバック装置は、限定されるものではないが、視覚的(例えば、グラフ)、電子的、聴覚的(例えば、言語)な方法など、様々な方法でフィードバック情報を提供することができる。フィードバック情報は、冷却システムの1種以上の装置の操作条件が(例えば、制御論理またはプログム可能な論理によって)自動調整されるように提供することができるように、または、操作者はフィードバック情報を評価した後、適当な処置を取らねばならないように、提供できる。
【0064】
フィードバック情報の受容者は、1人以上の操作者であり得、限定されるものではないが、処置対象、医療関係者(例えば、医師、看護士、研修医、医学生)、技術者、および/または処置過程に携わる他の人が含まれる。操作者(ら)は、受けたフィードバック情報に基づいて、処置過程を中止することまたは特定の処置パラメーター(処置過程の期間、処置過程を行っている部位、および/または処置過程での現在または今後の冷却温度など)を(例えば、手作業によりまたは入力制御により)変更することを決めることができる。
【0065】
処置過程を中止するのか、処置条件を変更するのかの決定は、例えば、操作者の判断に基づいてよく、または、一般に好ましいように、現在の処置と類似したそれまでの処置から集めた実データまたは試験データに基づいてもよい。例えば、動物実験からのデータは、ヒトを処置する際に操作パラメーターをいかにして設定および/または変更するかを決定するために利用することができる。また、体の特定の処置領域に関するデータは、同じまたは類似した処置対象の同じまたは類似した体部位の今後の処置での処置パラメーターを設定および/または変更するのに、頼りになり得る。
【0066】
あるいは、フィードバック情報を、当業者には公知のように、制御論理(中央制御装置など)、またはプログラム可能論理回路(例えば、コンピューター)に送ってもよい。
【0067】
本発明の典型的な態様によれば、フィードバック機構では、対象の皮膚の温度が所定の最低温度(例えば、約−10℃〜約30℃)を下回ったり上回ったりしないことを、および/またはその温度が全過程またはその過程内の所定の期間の間、所望の範囲にあることを確実にするために、対象の皮膚の温度をモニタリングすることができる。従って、フィードバック機構により、冷却レベルを達成しているかどうか、もし達成しているとしたら、どれぐらいの期間にするか(すなわち、その過程内のどの時期にするか)かつ/またはどのような状況にするか(すなわち、連続冷却か、間欠冷却か)をモニタリングおよび/または制御することができる。
【0068】
フィードバック装置は、侵襲的、非侵襲的であり、また、そのような両方の条件下での使用に適用でき、侵襲的か非侵襲的かの具体的な選択は様々な状況(限定されるものではないが、処置部位の位置、処置の期間、処置対象の年齢、処置対象の全身の健康、ならびに/または使用する冷却装置のサイズおよび形状を含む)による。用語「非侵襲的」および「侵襲的」の以下の定義は、例示であり、当業者に受け入れられるであろう他の定義を排除するものではない。
【0069】
非侵襲的フィードバック装置は、処置対象の外部に配置されるものであり、すなわち、非侵襲的フィードバック装置は、その意図された使用によれば、適用部位を穿孔しない。非侵襲的フィードバック装置は、一般に、使用する際に処置対象に鎮静または麻酔を施す必要なない。しかしながら、当然、特定の状況(例えば、処置過程に関する不安、基礎疾患)により、処置対象は、その際に鎮静または麻酔を受けてもよいし、受けることを決めてもよい。
【0070】
侵襲的フィードバック装置は、フィードバック過程の少なくとも一部の期間に処置表面を穿孔する(すなわち、侵襲的フィードバック装置は、完全にまたは部分的に内部にある)。侵襲的フィードバック装置には、限定されるものではないが、使用する際、一般に、処置過程の前、その間および/またはその後に処置対象が鎮静、麻酔(例えば、局所または全身)、または他のタイプの痛み止めを受ける必要がある装置が含まれる。鎮痛効果は冷却によっても得られる。
【0071】
フィードバック機構には、温度および/または結晶形成をモニタリングするための当技術分野で公知の全てのものを含めてよい。結晶形成は、例えば、超音波画像診断、ならびに音響的測定、光学的測定、および機械的測定によって測定することができる。機械的測定には、例えば、引張強さの測定を含めてよい。
【0072】
一態様では、経時的に、異なる深度での温度プロフィールを評価するために、多層モデルを使用することができる。温度プロフィールは、組織内に温度勾配を生じさせるように設計され、表面において温度が低くなる。好ましい態様では、温度プロフィールは、冷却中の血流が最小化するように設計される。例えば、熱電対、超音波(例えば、皮下脂肪組織の相変化を検出する)または衝撃波伝播(例えば、相転移が起これば、衝撃波の伝播は変化する)を含むフィードバック機構は、最適温度勾配を実現するために使用することができる。
【0073】
温度プローブ(すなわち、サーモプローブ)は、様々な位置に置くことができ、様々な目的にかない得るため、非侵襲的適用に一般に好ましい。他の態様では、温度プローブを侵襲的に使用することができる。サーモプローブには、測定部位/位置と直接接触させることにより温度を測定することができる装置(例えば、熱電対、サーミスター、バイメタル式温度計、色変換式温度表示紙、半導体温度計、光ファイバー温度計、ガラス温度計)、あるいは、部位と接触しない装置(例えば、放射温度計、光ファイバー温度センサー、熱画像システム)を含めてよい。
【0074】
使用し得るサーモプローブフィードバック装置にはいくつかのタイプがある。一般に、サーモプローブのタイプ、目的および位置は、少なくとも多少は相互依存する。例えば、サーモプローブの目的(すなわち、サーモプローブを使用する理由)は、その配置位置に影響を及ぼし得、このことがさらに、使用するサーモプローブのタイプの決定に関連する因子に影響を及ぼし得る。
【0075】
サーモプローブの目的が、処置表面と通信している(または通信する予定の)冷却装置の一部での信頼できる現在の温度測定を提供することである態様では、サーモプローブが冷却素子/装置の表面と通信するように、そのサーモプローブを配置することが一般に好ましいが、処置過程中は実際の処置表面とは熱的接触しない。例えば、サーモプローブは、冷却装置と(例えば、使い捨て熱伝導板として)一時的に接続されることもあるし、または冷却装置に永久に固定されていることもある。そのような両方の態様によれば、サーモプローブのタイプは、熱電対、サーミスターまたは半導体温度計であることが一般に好ましい。
【0076】
冷却装置の表面に取り付けられたフィードバック装置は、使用する際、処置対象の皮膚表面(すなわち、表皮上層)と通信して配置される。従って、そのようなフィードバック装置は、特に、寒冷曝露による望ましくない副作用(例えば、上皮の損傷または色素変化)を急速に発現しやすい表皮上層の寒冷曝露の確実な評価を提供するという点において有利である。
【0077】
本発明の代替態様によれば、表皮上層の表面温度は、処置部位/領域の表面に取り外し可能なように取り付けられたフィードバック装置によって測定される。そのような態様では、取り付け方法は、装置と処置表面とを確実に接着するが、一時的な接合を可能にするものであるべきである−すなわち、装置は、処置表面に確実に取り付けられるべきであるが、求められる場合に(例えば、その過程の頂点で、または、問題が生じた場合に、多少早い時点で)表面から容易に取り外すことも可能であるべきである。好適な取り付け方法としては、限定されるものではないが、テープまたは糊のような接着剤が挙げられる。サーモプローブが糊によって処置表面に取り付けられている態様では、適当な溶媒を用いて処置表面からサーモプローブを取り外すことができる。
【0078】
上述のように、処置中の処置対象の表皮上層の最低温度(すなわち、冷却処置中に表皮上層がその温度より下がるはずのない温度)は−10℃であることが一般に好ましく、一般により好ましくは最低温度−4℃であり、一般にさらに好ましくは最低温度−4℃〜0℃間である。
【0079】
一般に、冷却装置の表面に取り付けられたサーモプローブの特徴は、処置表面に取り付けられたサーモプローブと同じである。サーモプローブとそのホルダーは、熱電対が、素子の冷却表面に対して明確に定義された深度(例えば、冷却表面から約1mm未満内)で固定できるように、薄く小さくあるべきである(例えば、直径が2mm未満であるか、または一般に好ましいように、1mm未満である)。好ましい態様では、冷却処理の阻害を最小限に抑えるために、熱電対は優れた熱伝導率(すなわち、水の熱伝導率と同様)を示すものである。一態様では、サーモプローブは、冷却素子の冷却表面内に組み込まれている。
【0080】
サーモプローブは使い捨てのものでよい(すなわち、1度使用したら捨てる)し、または再使用可能なものでもよいが、いずれの場合でも、冷却装置のハンドピースまたは制御ユニットと通信していてよい。使い捨てサーモプローブの限定されない例は、熱伝導板である。
【0081】
使用時の温度の上昇の検出は、サーモプローブの位置によって遅れる可能性がある。よって、サーモプローブ冷却板を用いて、温度勾配測定を行ってもよい。サーモプローブの熱伝導率が正確に分かっているとすれば、様々な式/方程式に従って、この温度勾配を用いて、冷却装置への熱流束を決めることができる。
【0082】
熱伝導は、温度の高い領域から低い領域への熱移動と定義され、拡散によって効率的に起こる。従って、熱流速ΦQは下記式として定義される:
【数1】

(式中、ρは密度であり、Cは質量熱容量(エルグ g−1−1)であり、dは拡散距離であり、κは熱拡散率(cm−1)である)
と定義される。
【数2】

【0083】
熱伝導率(エルグ cm−1−1−1の単位を有する)
【数3】

を定義し、ΔT/dが温度勾配であることに注目すると、これはフーリエの法則となる
【数4】

【0084】
これらの式/方程式は、サーモプローブ冷却板内の異なる位置間の温度勾配を利用して、冷却装置によって移動された熱を確認することができることを示す。さらに、サーモプローブの配置を利用して、熱流をモニタリングすることもできる。そのようなデータを利用して、さらに、他の重要な決定(例えば、深部体温のホメオスタシスのために適量の熱を別の体内領域に提供するかどうか/提供する時期の決定)をすることができる。また、そのデータを利用して、脂肪組織の特定の量の熱損傷に対する局所冷却の適量を決定することもできる。
【0085】
本発明のもう1つの典型的な態様によれば、サーモプローブは、処置部位から離れた位置に置くことができる。そのような配置は、深部体温のモニタリングまたは熱流量の測定を含む様々な目的に有用であり得る。このタイプの「体深部サーモプローブ」の配置に好ましいリモート位置は、鼓膜、舌下、直腸または他の離れた皮膚の表面である。一般に好ましいタイプの体深部サーモプローブには、アナログまたはデジタル熱電対、サーミスターまたは半導体温度計がある。
【0086】
体深部サーモプローブの配置に好適なもう1つのリモート位置は、外耳道(meatus auricularis externus)である。そのような態様によれば、− 体深部サーモプローブとして − 放射測定温度計を利用することが一般に好ましく、所望により、処置の前またはその間に、対象に情報(例えば、残りの処置時間、移動またはそれのないことの注意喚起)および/または音響エンターテインメントを提供するための処置対象着用のステレオヘッドホン(または類似の装置)と組み合わしてもよい。
【0087】
確実に、局所冷却によって深部体温の大幅な低下が生じないようにするために、深部体温を測定することは有用である。深部体温が大幅に低下すると、低体温に関連した全身性副作用(例えば、心不整脈、代謝の減速、全身冷覚による疼痛/不快感)が付随して起こる可能性がある。正常な深部体温が37〜38℃である場合、中核温度が36℃以下であることは少なくとも軽度の低体温症が存在または発現していることの徴候であり得るため、それを避けるように努めなければならない。よって、深部体温サーモプローブによりそのような温度を測定する場合には、少なくとも一時的には冷却を中断しなければならない。
【0088】
本発明の代替態様によれば、ほぼ一定の深部体温を維持するように、および処置過程中の所定量の温度降下を避けるように、外部熱利用をモニタリングするために、体深部サーモプローブを利用してもよい。
【0089】
サーモプローブは、冷却装置が適切に機能しているかどうかを確認/モニタリングするのにも利用することができる。そのような場合では、サーモプローブの配置に一般に好ましい位置は、冷却剤の管系内または冷却剤貯蔵器内であり、そのような位置に好ましいタイプのサーモプローブは、熱電対、サーミスター、半導体温度計またはバイメタル式温度計である。そのような態様での使用中に、サーモプローブは、冷却装置の異なる位置での温度および/または温度勾配を決定するための情報を集める。そのデータにより、さらに、例えば、冷却剤の不足、不十分な冷却温度、冷却装置の不具合、冷却剤内での結氷などのような潜在的な問題状態も示される。
【0090】
サーモプローブに加えてまたはその代わりに、冷却装置が適正に機能していることをモニタリング/確認するために、他の様々なセンサーを冷却装置と通信して配置してもよい。好適なセンサーとしては、限定されるものではないが、冷却剤の流れを確認/モニタリングするセンサーが挙げられる。冷却剤流をモニタリングすることによって、例えば、冷却剤の凍結が起こった時期/起こったかどうかを確認することが可能である。
【0091】
冷却装置が適正に機能しているかどうかをモニタリング/確認するためのもう1つのフィードバックシステムは、冷却剤中の不凍液濃度を測定するセンサーである。そのような目的に適したセンサーとしては、1以上の光学センサー(不凍物質の光学濃度を測定する)および冷却剤の密度を検出するため、および/または冷却剤中の不凍物質の濃度を確認するための1以上のセンサーがある。
【0092】
本発明に従ってフィードバック情報を提供するために、電気的フィードバックプローブを利用することもできる。そのようなプローブには、双極プローブ、単極プローブ、または複数の双極および/もしくは単極プローブが含まれ得る。様々な論文に記載されているように(例えば、Otten DM, Rubinsky B., Cryosurgical monitoring using bioimpedance measurements--a feasibility study for electrical impedance tomography, IEEE Trans Biomed Eng. 2000 Oct;47(10):1376-81; Otten DM, Onik G, Rubinsky B., Distributed network imaging and electrical impedance tomography of minimally invasive surgery, Technol Cancer Res Treat. 2004 Apr;3(2):125-34; Hartov A, LePivert P, Soni N, Paulsen K., Using multiple-electrode impedance measurements to monitor cryosurgery, Med Phys. 2002 Dec;29(12):2806-14; Gage AA., Correlation of electrical impedance and temperature in tissue during freezing, Cryobiology. 1979 Feb;16(1):56-62参照)、電気インピーダンス測定は、凍結開始、皮膚内部で起こっている凍結の程度、および/または起こっている組織損傷のレベルをモニタリング/確認するのに確実に利用することができる。そのような電気的プローブは冷却装置の表面に置くことが一般に好ましい。
【0093】
複数の電気的プローブを利用する態様では、そのようなプローブを、真皮および皮下脂肪組織内での相転移の(例えば、電気インピーダンス断層撮影(EIT)による)三次元画像化を可能にするか、あるいは容易にする形またはアレイで配置することが可能である。凍結温度では、電気インピーダンスは、一般に、顕著に増加している。そのような情報を電気インピーダンス画像と組み合わせて利用して、寒冷曝露を中断または縮小するのに適しているどうか/適している時期を決定するのに使用することができる。そのような決定は、一般に、水性組織内での結氷を表す上皮または真皮相転移の発生に基づき、過剰処置による望ましくない副作用が起こらないようにそれを回避する必要がある。
【0094】
皮膚の機械的性質をモニタリングすることによりフィードバック情報を提供するために、振動フィードバックプローブ(例えば、Lindahl OA、Omata S, Angquist KA., A tactile sensor for detection of physical properties of human skin in vivo, J Med Eng Technol. 1998 Jul-Aug;22(4):147-53に記載されている)を利用してもよい。一般に、そのようなプローブは、年齢、環境要因、日差変動および化粧料塗布に関連するヒト皮膚の剛性および弾性の変化を検出するのに利用される。しかしながら、そのようなプローブは、皮膚剛性を評価/モニタリングために、本発明の冷却装置と簡単に組み合わすことができる。凍結温度において真皮剛性が望ましくない真皮の結氷が起こり得る程度まで著しく増加していることから、これは有用な決定である。振動フィードバックプローブが増加した真皮剛性を感知したならば、冷却処置は適当な期間中断するであろう。
【0095】
好適な振動フィードバックプローブの例は、変位検出能力を有するバネ荷重接触センサーであり、ヒト皮膚のin vivoでの物理的性質、剛性および弾性の非侵襲的評価で評価を受けている。このタイプの接触センサーは、一般に、センサーが物体に接触したときの周波数の変化を測定するために振動ピックアップを備えた圧電振動子(61kHz)、電子回路およびプログラム可能論理(例えば、ソフトウェアを備えたコンピュータ)を含む。接触センサーは変位センサーに組み込まれており、測定中に物体にぶつかってセンサー素子に荷重をかけているバネの圧縮を示す。特定の条件下(例えば、一定接触圧)では、この頻度変化により物体の音響インピーダンスをモニタリングし、その変化は軟部組織の剛性に関連する。
【0096】
本発明によれば、超音波技術をフィードバック装置として実行することも可能である。本発明の方法の実施において、冷却は、皮膚表面に損傷(真皮の凍結温度でのいわゆる「アイスボール」の形成など)を与えないで正確な深度に達する。超音波フィードバック装置では、アイスボールの形成を検出(し、それに関するフィードバックを提供)することができるため、皮膚への初期/それ以上の損傷を防ぐために、冷却計画を変更または完全に中止すべきことが示される。超音波技術は、皮下脂肪組織内での相転移の発生に関するフィードバック情報を検出し、提供するのにも有効である。相転移の発生により、一般に、処置条件を変更することまたは処置を完全に終わらせることも必要であろう。
【0097】
本発明に従って超音波フィードバック装置として利用することができる典型的な装置は、Laugier P, Laplace E, Lefaix JL, Berger G., In vivo results with a new device for ultrasonic monitoring of pig skin cryosurgery: the echographic cryoprobe. J Invest Dermatol. 1998 Aug;111(2):314-9)に記載されている。そこに記載されている装置は、高周波(20MHz)小型超音波振動子と冷却装置を組み合わせた超音波検査クリオプローブである。凍結皮膚の超音波速度の平均値は非凍結皮膚のものよりも比較的高いことは分かっている。従って、そのような装置を利用して、相転移もしくは凍結前のエコー発生および/または凍結後の「アイスボール」の形成を示すと思われる超音波速度の変化を確認することができる。特に、超音波検査クリオプローブでは、アイスボールの深部浸透のin vivoリアルタイムモニタリングが可能であり、アイスボールの成長速度に関するフィードバック情報が提供される。そのような検出は、自動(すなわち、操作者に依存しない)であってよく、特に、凍結フロントからのエコー信号の検出およびアイスボールの深部浸透の計算を必然的に伴う。
【0098】
図20は、本発明の例示的態様を示し、この場合には、この態様では患者の皮膚である処置部位2020での冷却素子の使用中に超音波に基づくフィードバック装置2000Aが冷却素子2010と通信している。典型的な超音波に基づく(ultrasonic-based)フィードバック装置は、使用時に、直径が約1cm〜2cmの範囲である超音波振動子である。
【0099】
図20で示されるように、冷却素子2010は、フィードバックが起こるように、超音波に基づく(ultrasonic-based)フィードバック装置2000Aと通信しており、(例えば、冷却剤入口領域2030に入り、冷却素子を通って、最後に、冷却剤出口領域2040より冷却素子から出て、循環している冷却剤により)皮膚2020に冷却を施すように、皮膚2020と接触もしている。冷却素子2010の形状(例えば、凸面体)とそれによって加えられる圧力とにより皮膚2020に押し込められ、それにより、冷却素子は真皮2050の冷却、さらに、真皮の真下に位置する皮下脂肪2060の冷却をもたらし得る。
【0100】
所望によるが、一般に好ましいとおり、冷却素子2010と皮膚2020との接触面表面2070の一部または全体に1個以上の物体または材料を置く。限定されない例として、皮膚表面2020、冷却素子2010、またはその両方にゲルが塗布されていてよい。ゲルは、冷却装置の冷却効果を向上させるように、熱伝導性でなければならず、さらに、フィードバック情報の収集を妨げないように、選択すべきである。例えば、図20に示す態様では、ゲルは、超音波変換器2000Aの精度の高い測定を得、さらに、信頼性あるフィードバック情報を提供する能力を落とさないように、超音波透過性であるべきである。
【0101】
超音波変換器2000Aは、超音波データを集めることによりフィードバック情報を提供し、その超音波データは、超音波振動子および/または冷却素子2010が接続されている他の装置(図21に図式的に示す)に転送され、加工される。
【0102】
注目すべきは、図20に示すシステムは、フィードバック装置2000Aの代わりにまたはそれに加えて、1以上のさらなるフィードバック装置(温度センサー2000Bなど)を含んでよいことである。そのような他のフィードバック装置2000Bは、存在する場合には、冷却素子2010および/または処置部位2020と通信しているであろう。
【0103】
フィードバックを集めるもう1つの技術は、超音波映像法と振動プローブ(超音波エラストグラフィーおよびトランジエンドエラストグラフィーなど)の組合せを利用することである。この技術は、皮膚の異なる層内での相転移を確認することによって水性皮膚組織内の結氷の発生を決定するのに、特に有効である。そのような発生は、処置周期を終了させるのに適した時間を示し得、また、周期の終了前に過剰処置を指摘し得る。
【0104】
そのような組合せの装置は、ヤング率を用いて、特に、剪断機械的励起に対する軟部組織の応答の研究を通じて、異なる組織層における軟部組織の粘弾性特性および深度を特徴付けることにより、局部組織剛性を定義する。ヤング率は、局部組織剛性を定義するものであるため、ヤング率を利用して、皮膚の異なる層内での相転移を確認することができる。例えば、また、Gennisson JL, Baldeweck T, Tanter M, Catheline S, Fink M, Sandrin L, Cornillon C, Querleux B., Assessment of elastic parameters of human skin using dynamic elastography, IEEE Trans Ultrason Ferroelectr Freq Control. 2004 Aug;51(8):980-9に記載されているように、真皮と脂肪組織層を区別するのに十分な空間分解能を有する高分解能装置は、ヒト皮膚の弾性特性のin vivo評価の促進のために非常に薄い層(1〜5mm)の局所ヤング率を測定することができる。高分解能装置は、変換器周囲のリングによって生じる300Hz剪断波により起こる変位を追跡するために超音波プローブ(50MHz)を利用する。当業者には公知のように、その変位は、例えば、連続する超音波後方散乱エコーの間の相互相関技術の利用により測定される。Gennisson et al.により記載されている測定技術は、ヒト前腕についてのin vivoデータを集めるのに利用されていた技術であり、実験により、異なる皮膚様ファントムにおける弾性調査での精度が高いことが分かった。そのデータから、ヤング率は、真皮において、下皮および他の軟部組織よりも高いことが分かった。
【0105】
真皮および/または脂肪組織層内での剛性の変化を測定するために、分解能がより低く、撮像深度がより高い超音波装置を使用してもよい。周波数が約5〜約30MHzの範囲、より好ましくは、約20Mhz程度の超音波プローブが好ましい。
【0106】
本発明によれば、Gennisson et al.により記載されている装置は、本発明の冷却装置と組み合わせてもよい。組み合わせたときに得られる装置は、異なる組織層における相転移を非侵襲的に確認するのに使用することができるため、精度/信頼性の低い現在の技術(例えば、経験を積んだ観察者による主観的な触診)の代わりに用いることができる。
【0107】
本発明に従って相転移を確認するために、他の技術を利用してもよい。そのような他の技術としては、限定されるものではないが、光コヒーレンス断層映像法および磁気共鳴映像法(MRI)が挙げられる。
【0108】
さらにもう1つのフィードバック技術は、組織において音響速度を測定する1以上のプローブの使用に関する。組織内の音響速度は、温度依存的であり、低温において大幅に速くなる。音響速度は、例えば、Mulet A, Benedito J, Bon J, Rosello C., Ultrasonic velocity in cheddar cheese as affected by temperature, Jour Food Sc. 1999; Vol 64(6):1038-1041に記載されている飛行時間測定により測定することができ、この場合には、1MHz狭帯域超音波振動子を利用して、特定の路程内でオシロスコープを用いて飛行時間を測定する。これらのプローブを用いて、皮膚の異なる層内での温度および相転移をモニタリングすることができる。水性組織内での結氷として表れる上皮または真皮の相転移の発生は、寒冷曝露を少なくとも一時的に中断または縮小することにより回避する必要がある。脂肪組織内での相転移の発生を、有効な寒冷曝露計画をモニタリングするための終点として用いてよい。
【0109】
表皮または真皮内での氷結晶形成を検出するのに使用することができるもう1つの技術は、IR反射率測定法(IR-reflectroscopy)である。皮膚は約800〜約1400nmの範囲において比較的透過性である(皮膚のいわゆる「光学ウインドウ」の部分である)。特に、約1000〜約1400nmの範囲内では、皮膚は吸収発色団を有するため、散乱が制限される。従って、いずれの種類/量での氷結晶形成であっても、反射量の大幅な増加をもたらす。
【0110】
本発明の典型的なIR反射率測定法態様によれば、表皮または真皮内での氷結晶形成による光反射率の増加が測定/検出できるように、真皮(例えば、約2〜4mm)の厚さに相当する皮膚への浸透深度を有する波長を適用する。従って、真皮内での結晶形成の決定に用いる波長の範囲は、好ましくは、約400〜約800nmの範囲である。約700〜約800nmの波長では、血液による吸収は相対的に低いため、曝露中の灌流の変化は測定には影響しない。
【0111】
より深く浸透する波長(例えば、約1000〜約1300nm)では、表皮、真皮または皮下脂肪組織のいずれかにおける結晶形成により反射量の変化が生じ得る。一態様では、結晶形成の位置は、特定の組織層内の氷晶の特徴的形態により異なる最大反射波長の測定変化により決定することができる。もう1つの態様では、結晶形成の位置は、エミッターと検出器の間の距離を検討することにより決定することができる。異なる深度での結晶形成にはシグナルの最大増加がある。表皮および真皮での結晶形成では、反射の最大増加はエミッター−検出器間距離およそ1mmで起こる。皮下結晶形成では、反射の最大増加はエミッター−検出器間距離およそ3〜5mmで起こる。
【0112】
一態様では、観察下に置かれた1以上の組織(例えば、真皮、表皮または皮下脂肪組織)から発せられる反射率の空間的拡散スペクトルをモニタリングするために、拡散光断層撮影法を適用してもよい。拡散光断層撮影法の方法については、当技術分野で周知であり、標準的技法に従って行うことができる。
【0113】
例えば、真皮内の血液含量または血流を測定する1種以上の光学プローブの使用により、本発明に従ってフィードバック情報を提供してもよい。例えば、光反射率測定法(optical reflectroscopy)をさらに使用して、血流をモニタリングし、その結果として局所での血流を低下させるのに必要な接触圧を決定してよい。レーザードップラー技術および装置を利用して、血流の2成分、すなわち、微小血管容量および赤血球速度を別々に定量してもよい。血流および微小血管容量に関するデータは、次に、冷却装置によってもたらされている処置表面への接触圧の程度および/または充足性を評価するのに用いることができる。1種以上のそのような光学プローブの使用により血流を低下または停止させることが可能になり、その結果、より深部の皮膚層の冷却が促進され、または可能になる。また、光学プローブを利用して、真皮および表皮内での望ましくない氷晶の形成を示唆する処置表面の白色化を示してもよい。
【0114】
本発明に従ってフィードバック情報を得るもう1つの形態は、冷却装置と処置表面との間で適当な接触が起こっているかどうかを確認/モニタリングすることである。冷却装置を正確な温度で操作しているとしても、適当な接触が起こっていない限り、冷却表面で正確な冷却レベルが実現しないことから、これは有用な決定である。
【0115】
接触プローブは、皮膚表面との熱的接触をモニタリングし、冷却装置が皮膚と正確に接触しているときに中央制御装置にシグナルを送ることができる。冷却素子と皮膚との接触をモニタリングするには、様々な方法を用いることができ、それらとしては、限定されるものではないが、冷却素子内または冷却素子の端/フレームにある1以上の電気スイッチ、1以上の圧力センサー、冷却プローブと皮膚の界面にあるサーモプローブ(この場合、サーモプローブは、熱的接触により温度上昇をもたらす接触センサーとしての役割を果たす)、冷却素子の端に位置する2電極間の電気抵抗、ならびに皮膚と接触している冷却装置の位置を検出する1以上の光学センサーが挙げられる。
【0116】
接触プローブが1以上の圧力プローブである本発明の態様では、圧力プローブの目的は、冷却装置により処置表面に十分な圧力が加わっているかどうかをモニタリングすることである。典型的な圧力プローブは、バネ荷重冷却素子であり、この場合では、位置検出器によりバネの伸長が検出され、そのバネの伸長から(バネ定数により)皮膚表面に加わっている力/圧力が決定される。所望により、1以上のフィードバック装置を提供して、真空レベルを測定してよく、この場合には、真空レベルがゼロ圧力より大きく、大気圧のおよそ半分以下(すなわち、500ミリバール以下)であることが一般に好ましい。
【0117】
フィードバックを提供するさらにもう1つの技術は、表皮、真皮および/または皮下脂肪内での相転移の測定によるものである。そのような技術は、皮膚を折り重ねて冷却する態様に関連して利用することが一般に好ましい。この技術は、限定されない例として、検出器と機械的パルスエミッターを使用することにより行うことができる。検出器とエミッターは、測定する深度レベルに応じて互いに間隔をあけて置く必要があり、この場合には、比較的深部を測定するには、一般に、検出器とエミッターをより広く間隔をあけて置く。例えば、表皮または真皮内での相転移を測定するには、一般に、検出器とエミッターとの間隔は、約0.1mm〜約5.0mmの範囲であり(間隔が0.1mm〜約1.0mmであることが一般に好ましい)、一方、皮下脂肪内での相転移を測定するには、一般に、検出器とエミッターとの間隔は、約1.0mm〜約15.0mmの範囲である(間隔が5.0mm〜約10mmであることが一般に好ましい)。
【0118】
本明細書に記載の様々なフィードバック装置は、侵襲的にも利用することができる。侵襲的測定は、特定の状況下では、より正確なデータを提供することができるため、そのような状況下では好ましいことがある。侵襲的装置の使用に関する一般的な不利益(例えば、疼痛、不快感)が存在しない条件が存在する場合がその場合である。例えば、何らかの理由で、処置過程中、処置対象が全身麻酔下にあるならば、処置対象は加えられた痛みを感じず、より正確な測定値が得られることから、侵襲的フィードバック装置を利用することが好ましいかもしれない。
【0119】
本明細書に記載の装置の代わりにまたはそれに加えて、医療関係者が、処置過程に携わる1名以上の医療関係者以外の人が、および/または処置対象自体が、フィードバック情報を提供してもよい。そのような人によって行われる行為には、システムのシャットダウン、1以上の操作条件もしくはパラメーターの変更、および/またはそれ以上の温度の低下の制限がある。そのような行為は、例えば、遠隔制御による中央冷却ユニットの調整によって行うことができる。この遠隔制御は、中央冷却ユニットとの有線または無線接続により中央冷却制御装置と通信していてよい。
【0120】
また、処置対象、医療関係者、または処置過程に携わる1名以上の医療関係者以外の人に、特定の観察に基づく副作用(すなわち、装置では容易に評価することができない副作用)の発生を確認するために様々な過程をモニタリングすることを任してもよい。そのような観察に基づく副作用としては、限定されるものではないが、疼痛、不快感、恐れ、不安または悪心が挙げられる。
【0121】
皮膚表面での冷却による皮下脂肪層の、例えば、標的温度約−5℃〜15℃間への実質的な冷却にはいくつかの要件がある。皮膚表面から抽出された熱は、皮膚内で温度勾配を確立し、次に、最初に表皮、真皮、最後に皮下脂肪層を冷却する。真皮血流が熱を体深部から真皮へと導く。それゆえ、真皮血流により深部の真皮および皮下脂肪の冷却に非常に限定することができる。従って、例えば、皮下脂肪の減少を成し遂げる処置として冷却しながら、局所的に、皮膚に収縮期血圧より大きい圧力を加えることにより、皮膚血流を一時に制限するかまたは除くことが好ましい。処置部位または処置部位に近接近した領域を囲むように調整されたまたは調整することができるフレキシブルな物質(衣類または包帯など)により局所的に圧迫し、制御することができる。衣類は、処置中に圧力を調節するために、収縮する(例えば、引き締める)ものであってよく、または間隔をおいて緩めるものであってよく、あるいはそれ以外の所望のとおりのものであってよい。
【0122】
一態様では、フレキシブルな物質(例えば、衣類)は、表面の血流を効果的に抑えるために、適用部位に不均一な圧力を加える媒介をし、それにより冷却効果、ならびに本発明の様々なフィードバック装置から得られる測定値を高めるパターン(メッシュパターン)で構成されている。局所圧迫のパターンは、例えば、皮膚剛性および真皮血液供給の構造により異なる。一態様では、最適直径は真皮の厚さの約2〜約5倍の間、すなわち、約2〜約15mmである。
【0123】
フレキシブルな物質の各フィラメントの直径は、加わる圧力によって損傷が生じないように選択される(例えば、切断、上皮壊死)。一態様では、最適フィラメント径は約1〜約3mmである。衣類の各フィラメントは、皮膚への局所的な圧力が制御されるように設定された、角度変形に対して事前設定したバネ定数を有する突出物を有していてよい。処置領域内のフィラメントは、冷却剤(例えば、液体、ガス)が内部を循環している中空の管状構造物を含んでよい。フィラメントは、各微小処置部位内の接近した表面温度をモニタリングする温度測定素子(例えば、熱電対、ワイヤー)も含んでよい。フレキシブルな物質(例えば、衣類)は、特定の色によって処置法の有効性または他の効果を示す、感温カラースケールをさらに含んでよい。もう1つの態様では、フレキシブルな物質(例えば、衣類)は、適用部位において機械的な運動を与え、その結果、脂肪組織の破壊を促進するように、適用される。
【0124】
一般要件は、皮膚表面における冷却時間が、真皮から皮下脂肪層への熱の流れができて、その処置に望ましい温度が実現するのに十分に長くなければならないということである。皮下脂肪をその脂質の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する場合、これらの脂質の凍結時の潜熱も拡散により除去する必要がある。皮膚表面の冷却温度および冷却時間は、処置の深度、例えば、皮下脂肪に影響を及ぼす解剖学的深度を制御するように調整することができる。熱拡散は受動的処理であり、深部体温は、大体37℃に近い。従って、もう1つの一般要件は、冷却中の皮膚表面温度が、冷却が行われる間の少なくとも一部の期間は標的領域の処置に望ましい標的(例えば、脂肪細胞)の温度よりも低くなくてはならないということである。
【0125】
直径が約2cmよりも大きく、血流のない皮膚を冷却する場合、一次元熱拡散により、冷却中の皮膚の経時的な温度プロフィールを概算するための優れた近似式が得られる。熱拡散は、一般的な拡散方程式δT/δt=κδT/δz(式中、T(z,t)は、深度zと時間tの関数としての皮膚の温度であり、κは熱拡散率であり、この熱拡散率は皮膚組織の場合およそ1.3×10−3cm−1である)に従う。熱拡散方程式の解および近似解は、皮膚の状況に近似した半無限スラブの平形で作成した。皮膚の表面(z=0)を低温に維持する場合、有用な近似式は、深度zでの熱流は、温度差が最初の差の1/2に達するのにおよそ
【数5】

(式中、tの単位は秒であり、zの単位はmmである)の時間を要するというものである。このように、zは、熱時定数の近似値を考えてよい。例えば、最初の皮膚温度が30Cであり、0Cの氷を皮膚表面にしっかりと置く場合には、深度1mmでの温度が約15Cに達するのに約1秒必要である。皮下脂肪層は、一般に、おおよそ
【数6】

から開始し、数mmから最大数cmの厚さまで及んでいる。よって、皮下脂肪層上部からの熱移動についての熱時定数は、約10秒である。皮下脂肪の実質的な冷却を実現するためには、冷却時間の熱時定数が少なくとも5、6、好ましくは、10より大きくなければならない。よって、皮下脂肪の最上部の温度を、冷却された皮膚表面温度に近づけるには、皮膚表面において、真皮血流の不在下で冷却を約30〜100秒間維持しなくてはならない。脂肪温度が結晶化時の温度を下回るときには、上述した、脂質の結晶化時の潜熱も除去しなければならない。よって、一般に、1分より長い冷却時間が望ましく、約1分より長い冷却時間を用いて、影響を及ぼす脂肪細胞の深度を調整することができる(1時間を越える時間まで)。
【0126】
よって、もう1つの態様では、血管収縮を誘導するのに十分な速度で真皮を冷却する。真皮内の血液循環は、真皮の温度を体温近くで安定させる。皮下脂肪組織を体温より低い温度に冷却するために、血流を最小化してもよい。上皮表面の急速冷却では、血液循環を適当に制限する反射性血管収縮(reflectory vasoconstriction)を起こすことができる。
【0127】
もう1つの態様では、血管収縮を誘導するために血管収縮剤を投与する。血管収縮剤は、例えば、冷却剤適用前、その後またはその間のいずれかに、接点において、局所適用することができる。必要に応じて、従来の方法(注射または経口投与など)により血管収縮剤の全身投与を行ってもよい。血管収縮剤は、当技術分野で公知のいずれのものでもよい。好ましくは、血管収縮剤はEMLAクリームまたはエピネフリンである。
【0128】
もう1つの態様では、側部血流が制限されるように、冷却剤との接点でまたは冷却剤に近接して、表面に圧力を加える。圧力は、例えば、皮膚表面を、単一または複数の襞を含む皮膚の襞に圧縮することにより、皮膚表面に加えられる。冷却剤との接点でまたは冷却剤に近接して真空を適用することにより圧力を加えてもよい。
【0129】
特定の理論に縛られるものではないが、冷却処理中の加圧により脂肪性細胞における結晶の形成速度を変えることができると考えられる。結晶のゆっくりとした蓄積よりもむしろ、急激な結晶化により、脂肪性細胞はより大きな損傷を受けると思われる。加圧により結晶が脂肪性細胞内を移動し、それにより二分子膜への損傷が増大することも考えられる。さらに、皮下脂肪組織の異なる区画は異なる粘度を有する。一般に、より低い温度(例えば、特に、相変化点に近い温度)では粘性は高まる。脂肪性細胞の相変化は非脂肪性細胞より高い温度で起こるため、加圧時に皮下脂肪組織内に非均一張力ラインが生じる。これらの張力ライン内に顕著な損傷が起こると考えられる。
【0130】
さらにもう1つの局面では、真皮および/または表皮の温度は35℃〜−15℃の間を変動する。より好ましくは、真皮および/または表皮の温度は−10℃〜10℃の間を変動する。さらに好ましくは、真皮および/または表皮の温度は−8℃〜8℃の間を変動する。皮膚表面で温度を変動させることにより間欠的な加温を行って、冷却処理の潜在的副作用(例えば、真皮または表皮細胞における結晶形成)の影響を弱めることができる。
【0131】
さらにもう1つの局面では、冷却剤の適用を、真皮および/または表皮に限局した一定または変動時間での電場または音場の適用と組み合わせて、そこでの結晶形成を減少または排除する。
【0132】
図1Aは、本発明の態様に従って標的領域を冷却するための処置システム100を示している。図1Aに示されるように、処置システム100には、制御装置105と処置ユニット107を含めてよく、その処置ユニット107には、冷却/加熱素子110と処置インターフェース115を含めてよい。
【0133】
制御装置105には、電源装置を含めてよく、例えば、制御装置は、電力を処置ユニット107に供給するために、電源とつながれていてよい。制御装置105には、入力した特性および/またはパラメーターに基づいて制御する制御ハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたコンピュータ機器、冷却/加熱素子110および処置インターフェース115も含まれ得る。処置インターフェース115には、検出器120が含まれ得る。
【0134】
図1Bは、本発明の態様に従う制御装置105の構成を示す図である。図1Bに示されるように、制御装置105には、コンピュータ機器125が含まれ得、このコンピュータ機器125は、汎用コンピュータ(PCなど)、ワークステーション、メインフレームコンピューターシステムなどであり得る。コンピュータ機器125には、プロセッサー装置(すなわち、中央演算処理装置「CPU」)130、メモリー素子135、記憶装置140、ユーザーインターフェース145、システムバス150、および通信インターフェース155が含まれ得る。CPU130は、命令、処理データなどを実行するあらゆるタイプの処理装置であり得る。メモリー素子135は、あらゆるタイプのメモリー素子であり得、ランダムアクセスメモリー(「RAM」)、読み出し専用メモリー(「ROM」)、フラッシュメモリー、電気的消去可能読み出し専用メモリー(「EEPROM」)などの任意の1種以上のものが含まれる。記憶装置140は、あらゆる着脱式および/または統合型の光学、磁気および/または光磁気(optical-magneto)記憶媒体など(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク−読み出し専用メモリー「CD−ROM」、書き換え可能CD「CD−RW」、デジタル多用途ディスク−ROM「DVD−ROM」、DVD−RWなど)からの/への読み出し/書き込みのためのあらゆるデータ記憶装置であり得る。記憶装置140には、システムバス150と接続するためのコントローラー/インターフェース(示していない)も含まれ得る。このように、メモリー素子135および記憶装置140は、CPU130で実行するためにプログラムされた処理に関するデータ、ならびに命令を保存するのに好適である。ユーザーインターフェース145には、タッチスクリーン、コントロールパネル、キーボード、キーパッド、ディスプレーまたは他のあらゆるタイプのインターフェースが含まれることがあり、それらは対応する入出力装置インターフェース/アダプター(示していない)を通じてシステムバス150と接続され得る。通信インターフェース155は、処置ユニット107をはじめとするあらゆるタイプの外部装置と通信するように構成されていることがある。通信インターフェース155は、さらに、あらゆるシステムまたはネットワーク(示していない)(ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットなどにおける1台以上のコンピュータ機器など)とも通信するように構成されていることがある。インターフェース155は、システムバス150と直接接続してもよく、または、適したインターフェース(示していない)を通じて接続することもできる。よって、制御装置105は、単独でおよび/または本発明に従って処置ユニット107を制御するアルゴリズムが含まれ得る1以上の追加装置と連携して、実行する処理を提供することができる。制御装置105は、任意のプラットフォームにおいて任意の通信プロトコール、プログラミング言語に従ってこれらの処理を実行するようにプログラムまたは命令され得る。こうして、その処理は、メモリー素子135および/もしくは記憶装置140に保存されているか、またはCPU130で実行するためにインターフェース155および/もしくはユーザーインターフェース145で受けたデータ、ならびに命令において統合され得る。
【0135】
図1Aに戻ると、処置ユニット107は、手動操作機器、自動機器などであることがある。冷却/加熱素子110には、熱電冷却器などのようなあらゆるタイプの冷却/加熱コンポーネントが含まれ得る。
【0136】
図1Cは、本発明の態様に従う冷却/加熱素子110を示す図である。図1Cに示されるように、冷却/加熱素子110には、冷却/加熱液が流れる通路のネットワークが含まれ得る。通路は、あらゆる導熱管系などによって形成されていてよい。冷却/加熱液は、入力175を通じて素子110へ誘導され、出力180を通じて排出され得る。冷却/加熱液は、温度管理されたあらゆる液体(冷却空気/ガスまたは冷却液など)であってよい。例えば、氷または冷凍二酸化炭素を用いて冷却される塩水またはアセトン浴を、素子110を通って送り出される冷却液の供給源として用いてもよい。よって、出力180で排出された液体が液体供給源で再冷却され、入力175へと再誘導される循環システムを形成してもよい。含まれ得る液体供給源および/または素子110の温度、冷却液が素子110を通って送り出される速度は、制御装置105によってモニタリングし、制御することができる。このように、冷却/加熱素子110の温度は、制御装置105を用いて制御またはプログラムに組み込むことができる。さらに図1Cに示すように、素子110の領域間で温度差、ΔTが生じ得る。例えば、標的組織からの熱は、処置中に冷却液に移動するため、出力180近くの液体は入力175近くの冷却液よりも高い温度を有するようになる。素子110のサイズを小さくすることによって、そのようなΔTを小さくしてもよい。本発明の態様によれば、素子110の通路の構成および素子110の標的組織への対応する適応には、様々な組織標的の処置に必要な温度の違いを考慮する。例えば、出口180近くの素子110の領域は、高い処置温度を必要とする処置領域などに適用することができる。従って、素子110の通路は、様々な処置温度を必要とする標的組織のサイズ、形状、構造などに従って形成することができる。冷却/加熱液は、律動的に素子110を通って送り出すこともできる。
【0137】
図1Aに戻ると、処置インターフェース115は、冷却/加熱素子110と表皮160の間にある、表皮160、真皮165および脂肪細胞170への処置を行うためのあらゆるタイプの界面であり得る。例えば、処置インターフェース115としては、冷却(伝導)板、冷却液充填容器、自由膜(凸凹のある表皮の場合の補助的インターフェース用)、凸面冷却素子(例えば、図3に示されるようなもの)などが含まれ得る。好ましくは、処置インターフェース115は、冷却/加熱素子110と表皮160、真皮165および/または脂肪細胞170の間で最大熱移動を得るために表皮160を補足する熱伝導材料を含む。例えば、処置インターフェース115は、冷却液の律動的な流れによって生じる冷却素子110からの圧力の変化が標的組織に伝達されるように、液体充填容器または膜であり得る。さらに、処置インターフェース115は、単純に、冷却/加熱液を、例えば、噴霧装置などを使用することによって、標的組織(表皮160、真皮および脂肪細胞170)に、直接適用し得るチャンバーであってもよい。
【0138】
検出器120は、温度モニター、例えば、熱電対、サーミスターなどであり得る。検出器120としては、組織冷却をモニタリングするためのあらゆる熱電対タイプ(タイプT、E、J、K、G、C、D、R、S、Bを含む)を含めてよい。温度の変化とともに抵抗が変化する感温抵抗器を含み得るサーミスターも検出器120に含めてよい。サーミスターの感度から、サーミスターの使用が特に有利なことがある。本発明の態様によれば、大きな負の抵抗の温度係数(「NTC」)を有するサーミスターを使用することができる。好ましくは、検出器120に使用するサーミスターは、約−15℃〜40℃を含む使用温度範囲を有するものであってよい。さらに、検出器120には、ポリマーまたはセラミックの能動素子を有するサーミスターを含めることができる。これらの能動素子により最も再現可能な温度測定値が得られることから、セラミックサーミスターが最も好ましいことがある。検出器120に使用するサーミスターは、保護材料(ガラスなど)中に入れることができる。当然、所望のサイズ、外形、および温度分解能によって決定されるように、様々な他の温度モニタリング装置も使用することができる。検出器120は、皮膚表面領域の電気抵抗を測定するのに使用することができる電極も含み得る。表皮または真皮のような表面皮膚構造内での結氷により電気抵抗の増大が生じる。この作用を、真皮内での結氷をモニタリングするのに利用してもよい。検出器120は、さらに、いくつかの測定法の組合せで構成することもできる。
【0139】
こうして、検出器120は、とりわけ、表皮160、真皮165および/または脂肪細胞170からの温度情報をフィードバックとして制御装置105に抽出することができる。検出された温度情報は、入力された特性および/またはパラメーターに基づいて制御装置105により解析され得る。例えば、脂肪細胞170の温度は、検出器120によって検出された表皮160の温度に基づいた計算によって決定されることがある。このように、処置システム100では、脂肪細胞170の温度が非侵襲的に測定され得る。この情報は、次いで、例えば、冷却/加熱素子110および処置インターフェース115のエネルギー/温度を調整し、それにより、周囲の表皮160および真皮165は無傷のまま、標的脂肪細胞170の最適処置温度を維持することによる処置ユニット107の連続フィードバック制御のために制御装置105により使用され得る。上記のように、冷却/加熱素子110は、約−10℃〜42℃までの範囲の調整可能な温度を提供することができる。処置が完了するまでそのような温度範囲を維持するように、自動温度測定と制御の手順を繰り返すことができる。
【0140】
脂肪性細胞の冷却による脂肪組織の減少は、組織冷却と同時に物理的操作、例えば、標的組織のマッサージを行う場合にさらに効果的であり得ることは知られている。本発明の態様によれば、処置ユニット107には、振動装置などのような組織マッサージ装置を含めることができる。あるいは、冷却/加熱素子107の機械的振動または運動を与えるために、処置ユニット107内に圧電変換器を使用することもできる。検出器120には、処置の有効性をモニタリングするため、および/または周囲組織への損傷を防ぐために、皮膚粘性の変化を検出するためのフィードバック装置を含めることができる。例えば、処置ユニット107に備わっている振動装置により機械的に運動または振動させて、標的組織(または周囲組織)の共振周波数の変化(組織粘性の変化を示し得る)を検出するために、振動検出装置を使用することができる。
【0141】
さらに、確実に、表皮160および/または真皮165が冷却処置により損傷を受けないようにするためには、光学検出器/フィードバック装置を使用して、表皮の光学的性質の変化をモニタリングすることができ(結氷が生じたならば散乱が増大する);電気的フィードバック装置を使用して、表皮における結氷により生じる表皮の電気インピーダンスの変化をモニタリングすることができ;かつ/または(実際には回避すべき)皮膚における結氷をモニタリングするために超音波フィードバック装置を使用してもよい。そのようないずれの装置にも、皮膚損傷を防ぐために処置を停止または調整するシグナル伝達制御装置105を含めてよい。
【0142】
本発明の態様によれば、処置システム100に、数多くの構成および機器を含めてよい。制御装置105では、様々な種類の手続き、構成および/または機器のために設計されたアルゴリズムを含めてよい。
【0143】
図1Dに示されるように、処置システム100には、脂肪細胞170の最小侵襲的温度測定のためにプローブ制御部175およびプローブ180を含めてよい。プローブ180によって脂肪細胞170のより正確な温度を測定し、それによって、処置ユニット107の制御と処置の有効性を向上させることを可能にし得ることが有利である。
【0144】
処置システム100を遠隔制御し得るということは知られている。例えば、制御装置105が、冷却/加熱素子110、処置インターフェース115、プローブ制御部175、およびプローブ180に対して遠隔制御する場合には、制御装置105と処置ユニット107のリンクは、リモートリンク(有線または無線)であり得る。
【0145】
上記の典型的な処置システム100は、本発明での使用に好適なシステムの基本コンポーネントの例示であり、本発明を逸脱しない範囲でハードウェア構成の多くの変形が可能であるため、示したアーキテクチャーを限定されるものと考えてはならない。
【0146】
図2Aは、本発明の態様に従って標的組織を折り重ねることにより脂肪細胞170を冷却する処置システム200を示している。図2Aに示されるように、処置システム200には、対応する制御装置105と処置ユニット107を含めてよく、それらは圧縮装置205と両側で連結されている。圧縮装置205は、処置ユニット107を同時に引き寄せ、それによって、標的組織(表皮160、真皮165および脂肪細胞170)を処置ユニット107の間で折り重ねる(すなわち、「挟む」)ように構成されていてよい。上記のように、標的組織の両側にあるそれぞれの処置ユニット107の処置インターフェース115は、脂肪細胞170を複数の側面から冷却し得、効果は高まる。標的組織の温度を測定し、モニタリングするために、検出器120を含めることができる。図2Aに示されるように、統合型システムを構成するように、制御装置105を接続してよい。本発明の態様によれば、任意の数の制御装置を用いて、システム200の種々のコンポーネントを制御してよい。
【0147】
上記のとおり、標的組織の物理的操作により冷却処置の有効性が向上することがある。本発明の態様によれば、圧縮装置205は、標的組織(表皮160、真皮165および脂肪細胞170)を囲んで処置ユニット107同時に引き寄せる力を変化させ得る。例えば、圧縮装置205は、標的組織の折り重ね(または「挟み」)を交互に引き締め、緩める律動的な力を加えることができる。標的組織の特性(例えば、粘性)の変化を検出し、それにより処置の有効性および安全性を保証するために、引き締めに対する抵抗力をさらにモニタリングしてもよい。
【0148】
図2Bは、脂肪細胞170の最小侵襲的温度測定に関して図1Cに示したシステム100のプローブと類似したプローブ180を有するシステム200を示している。上記のように、プローブ180は、脂肪細胞170のより正確な温度を測定し、それによって、処置ユニット107の制御と処置の有効性を向上させることを可能にし得る。
【0149】
図3Aおよび3Bは、本発明の態様に従う処置システム300を示す図である。図3Aに示されるように、システム300には、吸引装置305を含めてよく、処置ユニット107には、表皮160の上方にチャンバー310を形成し、含めるために、例えば、ドーム型の曲面を有する処置インターフェース115を含めてよい。図3Bに示されるように、吸引装置305は、標的組織(表皮160、真皮165および脂肪細胞170)が引き上げられて、処置インターフェース115と接触するように、空気をチャンバー310または液体冷却剤処置ユニット107から引くように作動させ得る。有利には、より効果的に冷却するために、処置インターフェース115により標的脂肪細胞170を囲んでもよい。処置インターフェース115は、皮膚と接触している硬化固体(solid stiff)もしくはフレキシブルな材料(例えば、膜)または皮膚表面と処置ユニットの熱的結合剤で構成され得る。インターフェース115の表面には、吸引装置305と接続された複数の開口部も存在し得る。皮膚は、これらの複数の開口部に部分的に入っており、これにより処置インターフェースと熱的接触している表皮160の総表面領域が増大し得る(例えば、皮膚の引き伸ばし)。皮膚の引き伸ばしは表皮および真皮の厚みを減少させるため、脂肪170の冷却を促進する。上記で図1A、1C、2Aおよび2Bを参照して記載したように、処置中の組織温度をモニタリングするために、処置システム300に数多くの検出器120および/またはプローブ180を含めることができるが、それについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0150】
図4は、本発明の態様に従う処置システム400を示している。図4に示されるように、吸引装置305は、作動時に、処置インターフェース115あたりの表皮160とともに吸引シール410を形成するように、処置インターフェース115あたりの環状開口部と接続され得る。結果として、単離標的組織領域の処置インターフェース115で処置を行うことができる。対象または体部位を加温水槽に浸からせてよく、インターフェース115での処置に影響を及ぼし得ないことが有利である。それゆえに、処置領域を拡大することができる一方で、周囲の加温環境により全身の低体温を防ぐことができる。
【0151】
図5Aおよび5Bは、本発明の態様に従う処置システム500を示す図である。図5Aおよび5Bに示されるように、処置システム500は、標的組織塊515周囲にバンド(またはシリンダー)を形成し得る。処置システム500は、任意のフレキシブルな材料または剛体材料を含んでよい。冷却/加熱液は、図5Bに示されるように、入力175および出力180を介して処置システム500を通って送り出すことができる。冷却/加熱素子110は、内部容器または管系などのような通路のネットワークにより形成することができる。標的組織塊515の熱移動は、任意の熱伝導材料を含み得る処置インターフェース115によってもたらすことができる。処置システム500は、さらに、組織塊515を固定し、包み込むために、マジックテープなどのような固定機構510を含めることができる。さらに、処置システム500を通って送り出される冷却液の圧力を標的組織515に伝達することができるように、処置インターフェース115にフレキシブルな材料を含めることができる。例えば、図5Aを参照すると、処置システム500は、標的組織塊515に対し、圧力を内側に向けて加えることができる。標的組織塊515は、対象の任意の切片、体部位または四肢であり得る。例えば、標的組織塊515は、対象の腕、上腿または下腿、腰などであり得る。システム500における冷却液の圧力および流れは、制御装置105によって最適処置温度および/または圧力に制御することができる。組織塊515あたりにぴったりはまり、内側に向けての圧力が増加することで、対象を加温水槽に浸からせることもできる。上記のように、流体の流れは律動的な流れであり得る。
【0152】
次の例示的な、限定されない実施例として、本発明をさらに記載し、その実施例により本発明およびその多くの利点はよりよく理解される。
【実施例】
【0153】
実施例1
In Vivoでの制御冷却による脂肪組織への選択的損傷
本発明の方法を、白色、6ヶ月齢、雌、ハンフォードミニチュアブタ(「ブタI」)および黒色、6ヶ月齢、雌 ユカタンミニチュアブタ(「ブタII」)で実施した。テラゾール/キシラジン(4.4mg/kg im+2.2mg/kg im)を用いてブタに麻酔をかけた。注射用麻酔薬によって身体に十分な鎮痛作用が得られない場合に限り、吸入麻酔薬(ハロタンまたはイソフラン(1.5〜3.0%))を酸素(3.0L/分)と共にマスクによって送り、F−エアーキャニスターで濾過した。いくつかの試験部位を各試験部位の隅に墨を入れることによる、マイクロタトゥー(micro tattoos)を用いてマークした。試験部位のマッピング後、図1Aに記載の冷却装置を用いて寒冷曝露を実施した。処置インターフェース領域は、内蔵温度センサーを備えたサイズ2×4cmの平坦領域であった。インターフェースは、インターフェースの表面温度を事前設定した温度に一定にするように、制御装置により電子的に調節される熱電冷却装置と熱的接触させた。寒冷曝露中、血流の重大な機械的圧迫を起こさない低〜中位の圧力で、冷却装置を皮膚に当てた。表面プロフィールの操作をしないで、冷却素子を皮膚に適用した。
【0154】
事前設定した冷却インターフェース温度と曝露時間の様々な組合せを試験した。いくつかの部位には、皮膚と冷却インターフェースの間に熱伝導性ローションを塗布した。この熱伝導性ローションは、グリセロール中心で構成した。全ての試験部位の切除生検を得るまで、ブタIを61日間観察し、ブタを殺した。試験部位Cからは第2日目に追加のパンチ生検も得た。
【0155】
これらの生検をルーチン光学顕微鏡検査用に処理し、ヘマトキシリン&エオシンで染色した。示した温度は適用した冷却素子のものである。表1では、冷却適用のパラメーターとブタIの様々な部位で得られた結果を示している:
【0156】
【表1】

【0157】
全ての試験部位の切除生検を得るまで、ブタIIを50日間観察し、ブタを犠牲にした。試験部位Eからは第17日目に追加の生検も得た。これらの生検を、上記のように、ルーチン光学顕微鏡検査用に処理し、ヘマトキシリン&エオシンで染色した。示した温度は適用した冷却素子のものである。表2では、冷却適用のパラメーターとブタIIの様々な部位で得られた結果を示している:
【0158】
【表2】

【0159】
図6は、曝露の17日後のブタII試験部位D、EおよびFの皮膚表面画像を示している。試験部位Dである1および試験部位Eである2において、寒冷曝露の部位と一致する陥没が見られる。これらの試験部位には異常な上皮の変化は見られない。積極的冷却方法を適用して場合には、試験部位Fである3において表皮に対する損傷が顕著である(例えば、色素沈着の低下および主要な痂皮形成)。
【0160】
図7は、−9℃にて5分間の寒冷曝露の17日後の、寒冷曝露の部位の下方領域から採取したサンプルにおける試験部位E(ブタII)の組織構造を示している。図7Aは、低倍率拡大図(1.25×)示し、図7Bは同じ検体の中倍率(5×)でのクローズアップを示している。表皮701、真皮702、皮下脂肪703および筋層704を示している。組織構造は、皮下脂肪703内で小葉性および中隔性脂肪組織炎(septal panniculits)徴候を示しており、これは脂肪組織の炎症である。脂肪細胞の平均サイズは非曝露領域のサンプルと比べて減少している。表皮、真皮または筋層では明らかな組織変化は見られない。
【0161】
皮下脂肪組織の減少は、正確な冷却部位での皮膚表面内の陥没の臨床経過観察によっても、組織構造(ヘマトキシリン&エオシン染色)によっても示された。図8A、B、C、D、E、およびFは、試験部位C(図8Aおよび8B)、試験部位E(図8Cおよび8D)および試験部位F(図8Eおよび8F)の2.5×低倍率拡大図(low power maginification)(図8A、8Cおよび8E)および5×の中倍率拡大図(図8B、8Dおよび8F)により曝露後50日後の組織構造を示している。表皮801および真皮802は、試験部位CおよびEにおいて損傷を受けていないが、試験部位Fに適用したより積極的な冷却計画では、表皮および真皮に対して損傷が生じた(例えば、瘢痕形成および炎症が見られる)。皮下脂肪803は、脂肪細胞サイズの減少および構造の変化を示している(例えば、繊維性隔壁(fibrous septae)を有する脂肪細胞層の見かけの凝縮は凝縮された脂肪層(the condensated fat layer)に含まれる)。試験部位Fに適用した積極的な冷却計画の結果として、ほぼ全層が除去され、一部の残留脂肪細胞クラスターだけが残った。よって、積極的な冷却計画を適用した場合(試験部位F)には、非選択的で顕著な損傷が表皮および真皮において観察される。
【0162】
総合すれば、これらの結果は、本発明の冷却方法を用いることにより、表皮および真皮に損傷を与えないで、皮下脂肪組織の選択的破壊が成し遂げられることを示している。
【0163】
生存ブタにおいて冷却の時間および深度依存性を示すために、皮膚血流を停止させるのに十分な圧力で適用される−7℃での皮膚表面の冷却中に温度測定を行った。深度0、2、4、および8mmの地点に挿入した熱電対を用いて、温度を記録した。この試験の条件は理想的なものではなかったが(皮膚冷却器では表面において厳密に−7℃に維持されなかった)、予想通り、真皮(2mm)および脂肪(4mm、8mm)の冷却が一般に起こったことは明白である(例えば、図10参照)。
【0164】
実施例2
種々の組織深度における温度プロフィール測定
本研究を、6ヶ月齢、雌、黒色、無毛ユカタンミニブタ(Sinclair Research Center, Columbia, MO)を用いて実施した。テラゾール/キシラジン(4.4mg/kg im+2.2mg/kg im)を用いてブタに麻酔をかけた。注射用麻酔薬によって身体に十分な鎮痛作用が得られない場合に限り、酸素を合わせた吸入麻酔薬(ハロタンまたはイソフラン(1.5〜3.0%)をマスクによって送り(3.0L/分)、F−エアーキャニスターで濾過した。試験部位をマイクロタトゥーを用いて各試験部位の隅に墨を入れ、皮下注射針をその試験部位の隅に挿入することによりマークした。寒冷曝露は、−7℃に調節された循環冷却剤により冷却される、熱交換器に取り付けられた凹面円銅板を用いて実施した。曝露時間は、600〜1200秒間であった。表3では、冷却適用のパラメーターとブタIIIの様々な部位で得られた結果を示している。冷却板は、直径およそ1mmの3つの中央開口部を有し、それを通じて、寒冷曝露中の異なる組織深度における温度プロフィールをモニタリングするために、熱電対を取り付けた。図9に示す寒冷曝露装置は、寒冷曝露中、試験部位でしっかりと維持された。寒冷曝露は、1週間あけた異なる2試験日に実施した。第1回目の試験日では、寒冷曝露中、熱電対を時々外したところ、熱電対深度測定で0.5mmの変動が生じた。第2回目の試験日には、熱電対の深度の変動が極微ないし無い明確な深度で、熱電対を用いてさらなる一連の曝露を実施した。第1回目の試験日での試験部位1、2、3、7、11および12についての熱電対の位置は、深度2.5、4.5および10mm(+/−0.5mm)の地点であった。第2回目の試験日では熱電対深度2、4および8mm(変位は極微〜なし)で試験部位14、15、16および18を処置した。熱電対深度の特定の変動性は、寒冷曝露中の組織の圧縮によって生じ得る。皮膚表面での良好な熱的接触を確保するために、グリコール含有溶液を用いた。犠牲にし、解析のために試験部位の組織を摘出するまで、ブタを処置後3 1/2ヶ月間観察した。表3では、冷却適用のパラメーターとブタIIIの様々な部位で得られた結果を示している:
【0165】
【表3】

【0166】
試験部位を装置に曝し、冷媒温度−7℃に設定し、600〜1200秒間曝露した。触診により判断されるように、真皮は寒冷曝露直後に硬化し、曝露のおよそ1分後にそれがその正常な温度に戻るにつれて粘性になった。曝露の数分後の偏光拡大レンズを用いたクローズアップ試験では、上皮損傷または明白な変化はなかった。水疱形成はなく、ニコルスキー徴候は陰性であった。全生存期間中には表皮に対する著しい損傷はなかった。痂皮形成、水疱または顕著な色素変化は観察されなかった。いくつかの試験部位は上皮色素沈着の軽微な増加を示している。この軽度の色素沈着過度は、表皮の穏やかな摩擦により数ヶ月後にはなくなっている可能性がある。
【0167】
熱電対の温度測定値は、冷却を適用する深度、体位置、および圧力に依存する。種々の試験部位に関する寒冷曝露中の異なる組織深度での温度プロットを図10A〜Jに示し、表3にもまとめている。いくつかの試験部位では、隣接する血管に関連している可能性のある温度振動を観察した。一部の温度プロットは、熱電対の移動または置き違えのため考慮しなかった(表3では「エラー」を表示)。深部の真皮または表面の脂肪層内の温度は、−2℃〜−4℃の範囲内であった。深度4〜5mm内の温度は、接触圧および解剖学的領域の変化に応じて約0℃〜7℃の範囲内であった。この位置では、異なる温度プロットの高変動性を示した。皮下脂肪層内の深度に相当する深度8〜10mm内の温度は、7〜24℃の範囲の温度であった。
【0168】
曝露の6日後に、対照(部位9)および寒冷暴露部位(部位8)(−7℃、600秒)の組織構造を得、皮膚病理専門医が解析した。対照および寒冷暴露部位については以下であった:
【0169】
両サンプルの表皮は正常であり、対照と比べて、正常な厚みで、正常な乳頭間隆起のバスケットウーブン角質層(basket-woven stratum corneum)を示している。寒冷暴露部位内には、軽度の血管周囲のリンパ球浸潤がある。しかしながら、両サンプルには脈管炎の明白な徴候はない。
【0170】
対照の皮下脂肪は、正常な形態学を示している。寒冷暴露部位の皮下脂肪は、小葉性および中隔性脂肪組織炎のはっきりとした徴候を示している。脂肪細胞の大部分は、リンパ球浸潤物に囲まれており、時折(occational)脂質はマクロファージを含有している。皮下隔壁(subcutaneous septae)の厚みは増加している。軽度の血管変化はあるが、脈管炎の明白な徴候ない。選択した試験部位で20MHz超音波画像診断を実施した後寒冷曝露の3 1/2ヶ月後にブタを殺し、全層切除により曝露部位の組織を採取した。in-vivo超音波画像では、非寒冷暴露周囲組織と比べて、皮膚冷却による処置領域での脂肪組織の減少がはっきりと示された。寒冷曝露の3 1/2ヶ月後のin-vivo超音波画像を図11に示している。
【0171】
採取した組織を、肉眼で、試験部位を通って切り開き、巨視的組織断面の画像を撮影した。部位1、3、11、12および18の巨視的断面図は、図13A〜Eに示している。寒冷暴露部位全てと非寒冷暴露隣接脂肪層についての皮下脂肪層の厚みの減少を観察した。巨視的断面図は、超音波画像とよく一致し、皮下脂肪内に2つの異なる区画、表面脂肪層および深部脂肪層が確認できた。表面脂肪層の厚みは、冷却処置の部位で激減したが、深部脂肪層では大きな変化はなかった。いくつかの試験部位については、試験領域内部と外部での表面脂肪層の減少率を表3に載せている。寒冷暴露部位1、11、12および18について皮下脂肪層の変化を観察した。評価した試験部位内での表面脂肪層の厚みの平均減少は47%であった。非曝露対照側では、いずれの脂肪層においても厚みの大きな減少は認められなかった。
【0172】
これらの実施例では、ブタモデルにおいて、外部冷却温度および曝露時間特定の範囲内での外部冷却冷却により、表皮および真皮に大きな損傷を与えることなく、皮下脂肪組織の選択的組織損傷を成し遂げることができるということを確認する。皮下脂肪の除去は、処置した皮膚表面での明白な陥没によっても示され、それは寒冷曝露とも、超音波および犠牲後の巨視的断面図による寒冷曝露部位に関する脂肪層の測定値とも正確に一致する。皮下脂肪組織に選択的であった顕著な(Pronouced)組織学的変化を寒冷曝露の6日後に観察した。組織学的には、脂肪細胞サイズの減少とともに脂肪組織炎を観察した。部位によって寒さへの応答が異なり、より表面に近い脂肪層は深部の脂肪層よりも組織損失を受けやすいという証拠があった。しかしながら、ブタIIIの結果は、深部層と比べて表面脂肪層で脂肪減少の増加があることを示唆している。これに関しては、a)表面脂肪層は勾配によってより低い温度に曝され、かつ/またはb)ブタにおける深部脂肪層は、選択的冷却損傷に左右されない可能性があるという説明がなされる。
【0173】
図9は、ブタIIIの寒冷曝露のための装置の画像を示している。冷却銅板91を皮膚と接触させる。寒冷曝露中の皮膚内の温度プロフィールは、異なる深度において組織に挿入した熱電対92により測定する。装置は、寒冷曝露中に圧力を供給するバネ荷重93である。
【0174】
図10は、ブタIIIの寒冷曝露中の異なる試験部位に関する様々な深度における温度プロフィールを示している:10A(部位1)、10B(部位2)、10C(部位7)、10D(部位11)、10E(部位12)、10F(部位13)、10G(部位14)、10H(部位15)、10I(部位16)および10J(部位18)。様々な深度での温度は、T3−E(表面)、T0−B(2〜2.5mm)、T1−C(4〜5mm)およびT2−D(8〜10mm)で表示している。
【0175】
図11は、曝露の3 1/2ヵ月後に撮影した試験部位11の超音波画像を示している。1105下方の部分は寒冷曝露領域外部であり、1106下方の部分は寒冷曝露領域内部である。真皮1102は、脂肪層1103および筋層1104とはっきりと区別することができる。脂肪層1103内では、2つの異なる層に識別することができる:表面脂肪層1103aおよび深部脂肪層1103b。この超音波画像は、図13cの同じ組織の巨視的断面図とよく一致している。
【0176】
図12は、寒冷曝露(−7℃、600秒)の6日後の試験部位8(図12Aおよび12B)および非曝露対照である試験部位9(図12Cおよび12D)の組織構造を示している。この顕微鏡写真は、図12Aおよび12Cでは低倍率(1.25×)、図12Bおよび12Dでは中倍率(5×)の画像を示している。それらの画像には、表皮701、真皮702および皮下脂肪703が示されている。非曝露対照は、正常な組織形態を示しているすが、寒冷曝露組織は、皮下脂肪において脂肪組織炎のはっきりとした徴候を示している。炎症細胞がこの領域に移動したため、平均脂肪細胞サイズは小さくなっている。
【0177】
図13A〜Eは、寒冷曝露の3 1/2ヶ月後にブタを犠牲にした後の、異なる試験部位の中心を通る、肉眼で見える断面を示している:13A(部位1)、13B(部位3)、図13C(部位11)、図13D(部位12)および図13E(部位18)。各々の図には、単位1cm、副次的単位1mmのスケール1300を示している。表皮1301、真皮1302、表面脂肪層1303および深部脂肪層1304。非曝露対照図13Bでは、異なる層で厚みの変化は見られない。図13A、13C、13Dおよび13Eは、組織の中央4〜5cmに相当する寒冷曝露領域および周囲の非寒冷曝露領域の断面図を示している。寒冷暴露サンプル全てにおいて、非寒冷曝露領域と比べて、寒冷曝露領域の表面脂肪層内で厚みの減少が見られる。各サンプルの厚みの変化%を表3に載せている。
【0178】
実施例3
皮下脂肪の経時的な選択的減量
処置の数ヵ月後、標準的な食餌を与えたブタIIIでは皮下脂肪の選択的減量が維持された。本明細書においてさらに詳細に記載したように、瘢痕形成または皮膚損傷は観察されなかった。
【0179】
図14は、処置の3.5ヶ月後に試験部位11のサンプル(図13Cに示す)を得た場所を示している。これらのサンプルを、図15および16に示した組織学的解析に用いた。スケール1400では単位1cm、副次的単位1mmである。断面図では、表皮1401、真皮1402、表面脂肪層1403および深部脂肪層1404を示しており、これらは筋膜1405(破線でマークした)で分離される。処置領域1406には、図15に示した組織構造の位置を示す、下層の脂肪内のマークした四角1407が含まれている。処置領域外である領域1408には、図16に示した組織構造の位置を示す、下層の脂肪内のマークした四角1409が含まれている。
【0180】
処置後3.5ヶ月の時点において試験部位11内部から採取したサンプルの組織構造を図15に示している。真皮1504は、炎症も組織損傷も示していない。隔壁1502は、表面脂肪層1504を深部脂肪層1505から分離する。細かい隔壁(septae)1503は、脂肪細胞群を含む個々の脂肪小葉を分離する。図15Aおよび15Bでは明らかな炎症は見られない。対照部位から得られた対応する組織構造(図16Aおよび16B)と比べると、脂肪細胞の平均サイズの減少もある。比較により表面脂肪層内の細かい隔壁(septae)の圧密も示される。これにより、非曝露対照部位と比べて、表面脂肪の量、脂肪細胞の数、さらに各脂肪細胞の平均サイズが減少していることが分かる。図16Aおよび16Bに示した対照脂肪ポケットと比べて、量、脂肪細胞数および各脂肪細胞サイズが減少している脂肪ポケットが真皮1504内にもある。図15に示した皮内脂肪ポケットは、1つの脂肪細胞層からなる。図16に示した非曝露対照の脂肪ポケットと比べて、脂肪細胞の数およびサイズは減少している。
【0181】
図16は、図15のサンプルと同時に得られた試験部位11の非暴露領域から得られた組織学的サンプルの結果を示している。真皮1601には、脂肪ポケット1602が含まれる。炎症または組織損傷はない。細かい表面隔壁1603は、表面脂肪層1604内の異なる脂肪小葉を分離する。図15に示す処置部位と比べて、脂肪の量、ならびに各脂肪細胞の数およびサイズは増加している。皮内脂肪ポケット1602は、最大3つの脂肪細胞層を含み、図15と比べて、各脂肪細胞の量、数およびサイズは増加している。
【0182】
要約すれば、皮下脂肪の選択的減量は、瘢痕形成または皮膚損傷なしに、経時的に維持することができる。
【0183】
実施例4
皮下脂肪の経時的な選択的減量
処置過程中の相転移を示す温度プロットを、ミニチュアユカタンブタ(minature Yuacatan pig)を用いて作成した。−5℃に調節した冷却剤を循環させる、銅板を含む冷却装置を適用部位と接触させて約600秒間置いた。この試験の目的では、表皮の温度は0℃を下回らなかった。
【0184】
グラフ1801は、真皮のすぐ下にある表面脂肪層に配置した熱電対で測定された温度プロットを示している。最初の10秒間は、本質的にブタの体温である温度約36℃を記録している。
【0185】
グラフ1802は、冷却装置と表皮の界面に配置した熱電対で測定された温度プロットを示している。最初の10秒間は、本質的に皮膚と接触していないときの冷却装置の温度である温度約−3℃を記録している。冷却装置が適用部位と接触している時間の経過とともに、皮膚から装置への熱の流れの結果として、温度は最初に上昇する。冷却装置とさらに接触している間に、温度は、皮膚と接触していないときの冷却装置よりは高い温度まで低下する。360秒あたりの時点での冷却装置の除去後にのみ、温度は℃を下回る。
【0186】
皮下の熱電対で測定された温度プロット1801は、経時的にゆっくりと下降した。温度が下降する傾きは処置開始から約180秒の時点で変化した。平均温度の下降は、経時的に緩やかになり、このことにより相変化が示される。約180秒〜約300秒間で振れが観察された。これらの振れは、熱電対の移動が原因であるかもしれないし、あるいは、血流の振動によるものかもしれない。冷却中の血流の振動(「乱調現象」と呼ばれる)は、血管の内腔内平滑筋(intraluminar smooth muscles)の活性の周期的な変化によって起こる。360秒の時点で皮膚から装置を除去した後、皮膚は連続的に復温せず、その代わりに15℃でプラトーの範囲内のレベルになり、これによっても相転移が示される。
【0187】
図19は、温度プロットが得られた試験部位から、処置の5日後に得られたサンプルの組織構造を示している。表皮1901および真皮1902は全く変化しないで現れている。皮下脂肪組織1903内では、小葉性および中隔性脂肪組織炎を示す著しい炎症がある。脂肪細胞は、非寒冷暴露部位と比べてサイズが減少したように思われる。
【0188】
本発明の数多くの態様を記載してきたが、当然のことながら、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、様々な変更を行ってよい。従って、他の態様も次の請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1A】処置システムを示す図である。
【図1B】制御装置の構成を示す図である。
【図1C】冷却/加熱素子を示す図である。
【図1D】プローブ制御部を備えたフラット冷却処置システムを示す図である。
【図2A】皮膚の襞内の脂肪性細胞を冷却するための処置システムを示す図である。
【図2B】プローブ制御部を備えた、皮膚の襞内の脂肪性細胞を冷却するための処置システムを示す図である。
【図3A】吸引装置を備えた処置システムを示す図である。
【図3B】同じく、吸引装置を備えた処置システムを示す図である。
【図4】隔離領域の処置を行うために、吸引システムと組み合わせた処置システムを示す図である。
【図5A】標的組織塊を円周方向に取り囲むことができる処置システムを示す図である。
【図5B】標的組織塊を円周方向に取り囲むことができる処置システムを示す図である。
【図6】寒冷曝露部位に対応するいくつかの領域における、17日後に陥没を示している皮膚表面の画像である。
【図7】寒冷曝露の17日後の皮下脂肪組織の組織構造(ブタII、部位E)を示す図である。図7Aは、低倍率図であり、図7Bは高倍率図である。
【図8】寒冷曝露の50日後の皮下脂肪組織の組織構造(ブタII、部位C、EおよびF)を示す図であり、図8A、Bは部位Cを示し、図8C、Dは部位Eを示し、図8E、Fは部位Fを示す。
【図9】ブタIIIに冷却を施すために使用した装置の画像である。
【図10A】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10B】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10C】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10D】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10E】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10F】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10G】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10H】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10I】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図10J】様々な組織深度におけるブタIIIの曝露部位1、2、7、11、12、13、14、15、16および18の温度プロットである。
【図11】曝露の3.5ヶ月後の試験部位11の超音波画像である。
【図12A】曝露の6日後の試験部位8の組織構造を示す図である。
【図12B】曝露の6日後の試験部位8の組織構造を示す図である。
【図12C】試験部位9(対照)の組織構造を示す図である。
【図12D】試験部位9(対照)の組織構造を示す図である。
【図13A】曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
【図13B】曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
【図13C】曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
【図13D】曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
【図13E】曝露の3.5ヶ月後の試験部位1、3、11、12および18の中心を通る、肉眼で見える断面を示す図である。
【図14】試験部位11の肉眼で見える断面(図13Cに示す)を示す図である。組織学的分析により陥没領域を評価した(図15および16に示す)。
【図15】処置後3.5ヶ月の時点において試験部位11から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。図15Aは低倍率図である。図15Bは高倍率図である。
【図16】処置後3.5ヶ月の時点において試験部位11に隣接した非寒冷暴露部位から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。図16Aは低倍率図である。図16Bは高倍率図である。
【図17】図18の温度プロットを得るために使用した熱電対の配置図である。表部の熱電対1705は冷却装置1704と表皮1701の界面に位置する。深部の熱電対1706は皮下脂肪組織の浅部内、真皮1702の下部に位置する。
【図18】in-vivo寒冷曝露期間中に得られた温度プロットである。この温度プロットは、処置期間中に異なる位置にある2つの熱電対によって測定した、時間(秒)(x軸)に対する測定温度(摂氏)(y軸)を示す。グラフ1801は、真皮のすぐ下にある表面脂肪層に位置する熱電対で測定したときの温度プロットである。グラフ1802は、冷却装置と表皮の界面に位置する熱電対で測定したときの温度プロットである
【図19】処置後5日の時点において図18の温度プロットを得た試験部位から得られたサンプルの組織学的分析の結果を示す図である。
【図20】冷却素子が少なくとも1つのフィードバック装置と通信している本発明の典型的な態様を示す図である。
【図21】本発明の典型的な態様の概略図であり、図20の冷却素子および/またはフィードバック装置が、フィードバックが起こるように接続されている機器を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊のための冷却方法であって、
前記処置対象の適用部位の近位に少なくとも1つの冷却素子を適用し、
前記適用部位の真下の温度を低下させるために、前記冷却素子を利用し(ここで、その温度の低下が、そこにある脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させるのに十分である)、
温度を低下させる間に、前記冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されないことを確認するための十分なフィードバック情報を提供するために、少なくとも1つのフィードバック装置を利用し、それにより、前記対象における脂肪性細胞を選択的に破壊する、
工程を含む、方法。
【請求項2】
フィードバック情報が真皮、表皮または皮下脂肪組織の少なくとも1つの生理的パラメーターについての情報を含み、前記情報が、冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されていないことを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
温度の低下が対象の真皮、表皮および皮下脂肪組織にわたる局所的温度勾配を生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
脂肪性細胞が皮下脂肪組織内の脂肪細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
冷却素子が適用部位と接する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
生理的パラメーターが対象の表皮の温度である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
対象の表皮において温度が約−10℃〜約20℃である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
生理的パラメーターが対象の真皮の温度である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
対象の真皮において温度が約−10℃〜約35℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織の温度である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
対象の皮下脂肪組織において温度が約−10℃〜約37℃である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
生理的パラメーターが、対象の真皮または表皮のうちの一方における実質的な結晶形成の不在である、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
実質的な結晶形成の不在が、対象の真皮または表皮のうちの一方において電気インピーダンスが約10kΩ/mm〜約50kΩ/mm間であることにより示される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
実質的な結晶形成の不在が、対象の真皮または表皮のうちの一方において超音波速度が約1450〜約2700M/S未満間であることにより示される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
生理的パラメーターが対象の真皮または表皮のうちの一方における剛性である、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
剛性が上昇する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
生理的パラメーターが対象の真皮または表皮のうちの一方における圧力である、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
圧力が少なくとも約240MM HGである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
生理的パラメーターが対象の真皮または表皮のうちの一方における相転移である、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
生理的パラメーターが対象の真皮または表皮のうちの一方における音響速度である、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
対象の真皮または表皮のうちの一方において音響速度が約1450〜約2700M/S未満間である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
フィードバック装置が非侵襲的温度プローブである、請求項6に記載の方法。
【請求項23】
フィードバック装置が侵襲的温度プローブである、請求項8に記載の方法。
【請求項24】
フィードバック装置が侵襲的温度プローブである、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
温度プローブが放射温度計、光ファイバー温度センサーおよび熱画像サーモプローブからなる群から選択されるサーモプローブである、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
温度プローブがサーモプローブである、請求項22、23、または24に記載の方法。
【請求項27】
サーモプローブが熱電対(themocouple)、サーミスター、バイメタル式温度計、色変換式温度表示紙、半導体温度計、光ファイバー温度計、およびガラス温度計からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
フィードバック装置が電気的フィードバックプローブである、請求項12に記載の方法。
【請求項29】
フィードバック装置が超音波プローブである、請求項12に記載の方法。
【請求項30】
超音波プローブが超音波検査クリオプローブである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
フィードバック装置が振動フィードバックプローブである、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
振動フィードバックプローブが圧電振動子である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
フィードバック装置が接触プローブである、請求項17に記載の方法。
【請求項34】
接触プローブが圧力プローブである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
圧力プローブがバネ荷重冷却素子である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
フィードバック装置が光コヒーレンス断層撮影装置である、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
フィードバック装置が磁気共鳴画像装置である、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊に関連してフィードバックを提供するシステムであって、
前記処置対象の適用部位に近位の少なくとも1つの非侵襲的冷却素子(前記非侵襲的冷却素子はその処置部位の真下の温度を低下させるのに効果的であり、その温度の低下が、前記適用部位の真下の脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させるのに十分である);および
前記少なくとも1つの非侵襲的冷却素子と接触している直径約2cm未満の変換器を備えた超音波に基づくフィードバック装置(前記フィードバック装置は、前記冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されないことを確認するための十分なフィードバック情報を提供するのに効果的である)
を含む、システム。
【請求項39】
非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊に関連してフィードバック情報を提供するシステムであって、
前記処置対象の適用部位に近位の少なくとも1つの冷却素子(前記冷却素子は、前記適用部位の真下の温度を低下させるのに効果的であり、その温度の低下が、前記適用部位の真下の脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させるのに十分である);および
少なくとも1つの冷却素子と通信している少なくとも1つのフィードバック装置(前記フィードバック装置は、前記冷却素子に近位の非脂肪性細胞が破壊されないことを確認するための十分なフィードバック情報を提供する)
を含む、システム。
【請求項40】
少なくとも1つのフィードバック装置が少なくとも1つの冷却素子と接続されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
少なくとも1つのフィードバック装置が少なくとも1つの冷却素子と直接接触している、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
少なくとも1つのフィードバック装置が冷却素子の小溝内に組み込まれている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
溝が直径約1cm未満である、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
少なくとも1つのフィードバック装置が適用部位と通信している、請求項39に記載のシステム。
【請求項45】
少なくとも1つのフィードバック装置が適用部位と直接接触している、請求項39に記載のシステム。
【請求項46】
フィードバック装置が非侵襲的温度プローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項47】
フィードバック装置が侵襲的温度プローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項48】
温度プローブがサーモプローブである、請求項46または47に記載のシステム。
【請求項49】
温度プローブが放射温度計、光ファイバー温度センサーおよび熱画像サーモプローブからなる群から選択されるサーモプローブである、請求項46に記載のシステム。
【請求項50】
温度プローブが熱電対、サーミスター、バイメタル式温度計、色変換式温度表示紙、半導体温度計、光ファイバー温度計、およびガラス温度計からなる群から選択されるサーモプローブである、請求項47に記載のシステム。
【請求項51】
フィードバック装置が電気的フィードバックプローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項52】
フィードバック装置が超音波プローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項53】
超音波プローブが超音波検査クリオプローブである、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
フィードバック装置が振動フィードバックプローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項55】
振動フィードバックプローブが圧電振動子である、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
フィードバック装置が接触プローブである、請求項39に記載のシステム。
【請求項57】
接触プローブが圧力プローブである、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
圧力プローブがバネ荷重冷却素子である、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
フィードバック装置が光コヒーレンス断層撮影装置である、請求項39に記載のシステム。
【請求項60】
フィードバック装置が磁気共鳴画像装置である、請求項39に記載のシステム。
【請求項61】
冷却素子が金属を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項62】
金属が銅、銀およびアルミニウムからなる群から選択される、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
冷却素子が固体冷却剤を含んでいる、請求項39に記載のシステム。
【請求項64】
冷却剤が金属、ガラス、ゲル、セラミック、ペルティエ素子、氷および氷スラリーからなる群の任意のメンバーからなる、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
冷却素子が液体冷却剤を含んでいる、請求項39に記載のシステム。
【請求項66】
冷却剤が生理食塩水、グリセロール、アルコールおよびそれらの混合物からなる群の任意のメンバーからなる、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
冷却素子がガス冷却剤を含んでいる、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
ガスが冷却空気または液体窒素である、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
非乳幼児処置対象における脂肪性細胞の選択的破壊に関連してフィードバック情報を提供するシステムであって、
前記処置対象の適用部位に近位の少なくとも1つの冷却素子(前記冷却素子は、前記適用部位の真下の温度を低下させるのに効果的である)、および
少なくとも1つの冷却素子と通信している少なくとも1つのフィードバック装置(前記フィードバック装置は、その温度の低下が、十分に前記適用部位の真下の脂肪性細胞を破壊し、それによって減少させることを確認するための十分なフィードバック情報を提供する)
を含む、システム。
【請求項70】
フィードバック情報が皮下脂肪組織の少なくとも1つの生理的パラメーターについての情報を含み、前記情報が、そこにある脂肪性細胞が破壊されていることを示す、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
温度の低下が対象の真皮、表皮および皮下脂肪組織にわたり局所的な温度勾配を生じさせる、請求項69に記載のシステム。
【請求項72】
脂肪性細胞が対象の皮下脂肪組織内の脂肪細胞である、請求項69に記載のシステム。
【請求項73】
冷却素子が適用部位と接する、請求項69に記載のシステム。
【請求項74】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織の温度である、請求項70に記載のシステム。
【請求項75】
温度が約−10℃〜約37℃である、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
生理的パラメーターが、対象の皮下脂肪組織における結晶形成である、請求項70に記載のシステム。
【請求項77】
結晶形成が、対象の皮下脂肪組織において電気インピーダンスが約0.5kΩ/mmより大きいことにより示される、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
結晶形成が、対象の皮下脂肪組織において超音波速度が約2700M/Sより速いことにより示される、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織における剛性である、請求項70に記載のシステム。
【請求項80】
剛性が上昇する、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織における圧力である、請求項70に記載のシステム。
【請求項82】
対象の皮下脂肪組織において圧力が約120MM HG〜約240MM HG間である、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織における相転移である、請求項70に記載のシステム。
【請求項84】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織における音響速度である、請求項70に記載のシステム。
【請求項85】
対象の皮下脂肪組織において音響速度が約2700M/Sより速い、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
フィードバック装置が侵襲的温度プローブである、請求項74に記載のシステム。
【請求項87】
温度プローブがサーモプローブである、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
サーモプローブが熱電対、サーミスター、バイメタル式温度計、色変換式温度表示紙、半導体温度計、光ファイバー温度計、およびガラス温度計からなる群から選択される、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
フィードバック装置が電気的フィードバックプローブである、請求項69に記載のシステム。
【請求項90】
フィードバック装置が超音波プローブである、請求項69に記載のシステム。
【請求項91】
超音波プローブが超音波検査クリオプローブである、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
フィードバック装置が振動フィードバックプローブである、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
振動フィードバックプローブが圧電振動子である、請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
フィードバック装置が接触プローブである、請求項69に記載のシステム。
【請求項95】
接触プローブが圧力プローブである、請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
圧力プローブがバネ荷重冷却素子である、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
フィードバック装置が光コヒーレンス断層撮影装置である、請求項69に記載のシステム。
【請求項98】
フィードバック装置が磁気共鳴画像装置である、請求項69に記載のシステム。
【請求項99】
生理的パラメーターが対象の真皮または表皮のうちの一方の内部からの反射率または透過率である、請求項2に記載の方法。
【請求項100】
対象の真皮または表皮の内部からの反射率のスペクトルが連続的にモニタリングされる、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
フィードバック装置が光学スペクトロピック装置(optical spectropic device)である、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
フィードバック装置が光学スペクトロピック装置である、請求項39に記載のシステム。
【請求項103】
生理的パラメーターが対象の皮下脂肪組織の内部からの反射率または透過率である、請求項70に記載のシステム。
【請求項104】
対象の皮下脂肪組織の内部からの反射率のスペクトルが連続的にモニタリングされる、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
フィードバック装置が光学スペクトロピック装置である、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
処置対象の適用部位に近位に、前記適用部位の真下の血流を低下させるのに効果的である圧力を加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項107】
処置対象の適用部位に近位に、前記適用部位の真下の血流を低下させるのに効果的である圧力を供給する少なくとも1つの素子をさらに含む、請求項39または69に記載のシステム。
【請求項108】
非乳幼児の美容的処置における請求項1〜107のいずれか一項に記載の方法またはシステムの使用。
【請求項109】
請求項1〜37または請求項99〜101または請求項104のいずれか一項に記載の美容的処置法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図10f】
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【図10g】
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【図10h】
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【図10i】
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【図10j】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12C】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図13e】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2008−523925(P2008−523925A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547008(P2007−547008)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045988
【国際公開番号】WO2006/066226
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(392015468)ザ・ジェネラル・ホスピタル・コーポレイション (14)
【氏名又は名称原語表記】THE GENERAL HOSPITAL CORPORATION
【Fターム(参考)】