説明

制御方法および該方法を実行するコンピュータシステム

【課題】制御方法と該方法を実行するコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】本発明のコンピュータシステム100は、メモリモジュール118と、接続ポート119と、CPU111と、を備える。前記メモリモジュール118は、補助機能を含む主要BIOSを保存する。前記接続ポート119は、少なくとも1つの特定プログラムを有する補助モジュールを接続することができる。補助機能が非起動の時は、CPU111は主要BIOSを実行し、起動時の時は特定プログラムを実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御方法に関し、特に、特定プログラムを実行する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術発展に伴い、コンピュータは重要なハードウェアとなっている。そのコンピュータにとって、マザーボード(MB)は重要な構成要素である。MBは少なくともCPUと、メモリチップと、インターフェースカードを接続するスロットと、から構成される。これらの要素はケースにより保護される。コンピュータは電源から操作電力を供給する。
CPUは、マイクロプロセッサとして知られている。CPUの基本構造は、算術論理演算ユニット(ALU)と制御ユニットと、から構成される。CPUはハイテク技術の賜物であるが、CPUが実行する操作は極めて単純である。単純な操作であるが、CPU処理速度は速く、処理結果も正確である。CPUは、メモリチップに保存されたBIOS(basic input/output system)に従って、すべてのコンピュータ周辺装置およびシステムを操作する。
【0003】
一般に、MBを提供する会社は自身のウェブサイト上で更新されたBIOSを提供する。熟練したユーザは、ネットワークから必要なバージョンのBIOSを更新することができる。しかし、経験の浅いユーザにとっては、複雑さや困難を伴い、必要なBIOSをうまく更新することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコンピュータシステムは、メモリモジュールと、接続ポートと、CPUと、を備える。メモリモジュールは、補助機能を含む主要BIOSを保存する。接続ポートは、少なくとも1つの特定プログラムを有する補助モジュールを接続することができる。補助機能が非起動の時は、CPUは主要BIOSを実行し、起動時は、特定プログラムを実行する。
【0006】
さらに、制御方法を提供する。本発明のコンピュータシステムの制御方法は、補助機能を有する主要BIOSと、少なくとも1つの特定プログラムを有する補助モジュールを接続する接続ポートと、を含むコンピュータによって行われる。主要BIOSが実行される。補助機能が検出される。補助機能が起動時、特定プログラムが実行される。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、補助機能が非起動の時、CPUは主要BIOSを実行し、起動時、特定プログラムを実行する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の1実施形態に係るコンピュータシステムの具体例を示す図である。コンピュータシステム100は、CPU111と、ノースブリッジ112と、サウスブリッジ113と、システムメモリ114と、グラフィックコントローラ115と、USBインターフェース116と、IDE(integrated drive electronic)インターフェース117と、メモリモジュール118と、接続ポート119と、を備える。ノースブリッジ112はCPU111、システムメモリ114、グラフィックコントローラ115、サウスブリッジ113に対する中央接続ポートとして機能する。
【0009】
ノースブリッジ112は、サウスブリッジ113を介して、USBインターフェース116、IDEインターフェース117、メモリモジュール118、接続ポート119に間接的に接続することによりデータを伝送する。メモリモジュール118は、主要BIOSを保存する。接続ポート119は、特定プログラムを有する補助モジュールに接続できる。ノースブリッジ112、サウスブリッジ113、システムメモリ114、グラフィックコントローラ115、USBインターフェース116、及び、IDEインターフェース117は、当業者によく知られている技術であり、よって説明を省略する。
【0010】
コンピュータシステム100が操作電力を得た後、CPU111は、メモリモジュール118に保存された主要BIOSに従って、起動動作を実行する。補助モジュールの接続装置は接続ポート119に接続され、主要BIOSの補助機能が起動する場合、CPU111は、補助モジュールの特定プログラムに従って、起動動作を継続して実行する。
【0011】
本具体例において、主要BIOSの補助機能はユーザにより起動される。別の具体例において、CPU111が主要BIOSに従って起動動作を実行できない場合、補助機能は自動的に起動し、CPU111は補助モジュール中に保存された特定プログラムに従って起動動作を継続する。
【0012】
CPU111が、メモリモジュール118に保存された主要BIOSに従って起動動作を終了する時、オフィスシステム、例えば、WINDOWS(登録商標)がロードされる。CPU111が、補助モジュールに保存される特定プログラムの実行を終了する時、別のオフィスシステム、例えば、LINUXがロードされる。他の具体例において、CPU111が特定プログラムの実行を終了した後、同じオフィスシステム、例えば、WINDOWS(登録商標)がロードされる。
【0013】
補助モジュールはスロットから構成される。フラッシュメモリチップ等のメモリチップがスロットに挿入される。メモリチップは特定プログラムを格納する。1具体例において、CPU111が特定プログラムを実行する時、コンピュータシステム100は、ネットワークにより自動的に新しいバージョンを更新する。別の具体例において、CPU111が特定プログラムを実行する時、CPU111は、コンピュータシステム100が正常状態かどうか自動的に検出する。コンピュータシステム100が異常状態の場合、補助モジュールは、スピーカー、或いは、モニターディスプレイ(図示しない)により注意信号を出すことにより異常状態を表示する。
【0014】
コンピュータのスロット数は制限されない。よって、コンピュータに多くのスロットがあれば、多くのチップを挿入できる。例えば、多くのメモリチップがスロットに挿入されると、種々のメモリチップが異なる特定プログラムを格納できるため、補助モジュールは様々な機能を実行できる。補助モジュールは、それぞれ、第1メモリチップと第2メモリチップを有する第1スロット、第2スロットを有すると仮定する。第1および第2メモリチップは、それぞれ、第1、第2プログラムを格納するので、CPU111は、第1、第2プログラムに従って、対応する機能を実行する。1方、特定プログラムは、システムロードプログラム、システムプログラム、或いは、アプリケーションプログラムを有する。
【0015】
コンピュータシステム100の第1特定プログラムが、新しいバージョンの主要BIOSを自動的に更新すると仮定する。1方、第2特定プログラムは、コンピュータシステム100が正常状態にあるか自動的に検出すると仮定する。1具体例において、CPU111は、特定プログラムが第1、第2メモリチップにより優先的に実行するかを決定し、CPU111は機能の更新を実行し、その後、機能を検出するか、或いは、検出機能を実行して、機能を更新する。
【0016】
更に、CPU111が、主要BIOSに従って、起動動作を終了できない時、補助機能が自動的に起動される。補助モジュールは副BIOSを有し、CPU111は、補助モジュールに保存された特定プログラムに従って、起動動作の操作と実行を継続する。よって、補助モジュールに保存された特定プログラムは、メモリモジュール118に格納された主BIOSを代替、或いは、修復し、起動動作がいつでも完了できる。
【0017】
図2は、本発明の1実施形態に係る制御方法のフローチャートである。この制御方法は、本発明の1実施形態に係るコンピュータシステムに適用される。コンピュータシステムは、主BIOSと接続ポートを有する。主BIOSは補助機能を有する。接続ポートは、特定プログラムを有する補助モジュールに接続することができる。
【0018】
まず、コンピュータシステムの電源スイッチがオンになり、主BIOSを実行する(工程210)。コンピュータシステムは、主BIOSに従って、関連する機能を実行する。補助機能が検出される(工程220)。補助機能が非起動の場合(工程220で「NO」)、コンピュータシステムのCPUが、主BIOSに従って起動動作を完成する。補助機能が起動時(工程220で「YES」)、接続ポートが検出される(工程230)。補助モジュールが接続ポートに挿入されない場合(工程230で「NO」)、CPUは、主BIOSに従って起動動作を終了する(工程240)。
【0019】
補助モジュールが接続ポートに挿入される場合(工程220で「YES」)、CPUは、特定プログラムに従って、起動動作を終了する(工程240)。CPUが特定プログラムに従って起動動作を終了する時、主BIOSはネットワークにより更新するか、或いは、コンピュータシステムが検出する。ある具体例において、特定プログラムは、更新機能と検出機能を有する。コンピュータシステムは、更に、特定プログラムにより他の機能を実行する。
【0020】
図3は、制御方法のもう1つの具体例のフローチャートである。コンピュータシステムの電源スイッチがオンになる時、主BIOSが実行される(工程310)。BIOSが実行される時、補助機能が検出される(工程320)。本具体例において、補助機能はユーザにより起動される。ある具体例において、主BIOSが実行される時、補助機能が自動的に起動する。更に、1具体例中、補助機能は、補助機能中のラベルに従って起動される。補助機能中のラベルが存在する時、システムロードプログラムは、第1アドレスに複製され、システムプログラムが第2プログラムに複製され、プログラムビデオファイルは第三アドレスに複製される。プログラムビデオファイルは、特定プログラムを有する。
【0021】
補助機能が非起動の場合(工程320で「NO」)、CPUは主BIOSに従って、オフィスシステムに進入する(工程360)。補助機能が起動する時、CPUは、補助モジュールに格納された特定プログラムを実行する(工程330)。本具体例において、特定プログラムは、コンピュータシステムが異常かどうか判断する。コンピュータシステムが異常の時(工程340で「YES」)、異常状態がマークされ、注意信号がスピーカーから発せられるか、或いは、異常状態がモニターに表示される(工程350)。コンピュータシステムが正常の場合(工程340で「NO」)、CPUは特定プログラムに従って、オフィスシステムを操作する(工程360)。
【0022】
CPUが主BIOS、或いは、特定プログラムに従って起動動作を終了する時、同じオフィスシステム、或いは、異なるオフィスシステムが動作する。例えば、CPUが主BIOSに従って起動動作を終了する場合、オフィスシステム(WINDOWS(登録商標))が動作する。CPUが、特定プログラムに従って起動動作を終了する場合、操作されるオフィスシステムは、WINDOWS(登録商標))、或いは、LINUX操作システムである。
【0023】
一般に、補助機能はユーザにより起動される。しかし、補助機能は自動的に起動することもできる。主BIOSが正常に機能する時、補助機能は自動的に起動する。図4は、制御方法のもう1つのフローチャートである。主BIOSが実行される(工程410)。主BIOSが検出される(工程420)。主BIOSが正常の場合(工程420で「NO」)、CPUは、オフィスシステムを操作する主BIOSに従って、関連する機能を実行する(工程440)。主BIOSが異常の場合(工程220で「YES」)、CPUは、主BIOSに従って、関連する機能を実行することができず、特定プログラムが実行される(工程430)。特定プログラム実行後、オフィスシステムに進入する(工程440)。
【0024】
ある具体例において、CPUが特定プログラムに従ってオフィスシステムを操作すると仮定する。起動動作が完了する時、特定プログラムはメモリモジュールに複製され、主BIOSを代替する。よって、CPUは、代替された主BIOSの起動動作に従って、次の起動期間中、起動動作を完了させる。
【0025】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の趣旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や変形を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の1実施形態に係るコンピュータシステムを示す図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る制御方法の具体例のフローチャートである。
【図3】本発明の1実施形態に係る制御方法の別の具体例のフローチャートである。
【図4】本発明の1実施形態に係る制御方法の別の具体例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
111 CPU
112 ノースブリッジ
113 サウスブリッジ
114 システムメモリ
115 グラフィックコントローラ
116 USBインターフェース
117 IDEインターフェース
118 メモリモジュール
119 接続ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助機能を含む主要BIOSを保存するメモリモジュールと、
少なくとも1つの特定プログラムを有する補助モジュールを接続する接続ポートと、
前記補助機能が非起動時に前記主要BIOSを実行し、前記補助機能が起動時に前記特定プログラムを実行するCPUと、
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記補助モジュールは、前記接続ポートに接続される接続装置を有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記補助モジュールは、前記特定プログラムを保存するメモリチップを挿入する少なくとも1つのスロットを有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記補助モジュールが複数の特定プログラムを有する場合も、前記補助モジュールは、特定プログラムを保存するメモリチップを挿入する少なくとも1つのスロットを有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記特定プログラムは、システムロードプログラム、システムプログラム、或いは、アプリケーションプログラムを有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記補助モジュールは、第1アプリケーションプログラムを保存する第1メモリチップを挿入する第1スロットを有し、前記第1プログラムを実行する時、前記CPUはネットワークにより前記主要BIOSを更新することを特徴とする請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記補助モジュールは、第2アプリケーションプログラムを保存する第2メモリチップを挿入する第2スロットを有し、前記第2プログラムを実行する時、前記CPUは前記コンピュータシステムを検出することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記補助モジュールは、前記コンピュータが異常の時、異常状態を記録するか、或いは、注意信号を発することを特徴とする請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記CPUが前記主要BIOSに従って起動動作を実行できない場合、前記補助機能は自動的に起動され、前記特定プログラムが前記起動動作を実行することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記特定プログラムは副BIOSを有することを特徴とする請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記副BIOSは前記メモリモジュールに複製されて、前記主要BIOSを代替することを特徴とする請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
コンピュータを制御する方法であって、前記コンピュータは、補助機能を有する主要BIOSと、補助モジュールに連接することができる接続ポートとを有し、前記補助モジュールは、少なくとも1つの特定プログラムを有する、前記制御方法は、
前記主要BIOSを実行する工程と、
前記補助機能が起動しているかどうか検出する工程と、
前記補助機能が起動する時、前記特定プログラムを実行する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
前記補助モジュールは、前記接続ポートに接続される接続装置を有することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記補助モジュールは、前記特定プログラムを保存するメモリチップを挿入する少なくとも1つのスロットを有することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項15】
前記補助モジュールが複数の特定プログラムを有する場合も、前記補助モジュールは、特定プログラムを保存するメモリチップを挿入する少なくとも1つのスロットを有することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項16】
前記特定プログラムは、システムロードプログラム、システムプログラム、或いは、アプリケーションプログラムを有することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項17】
前記補助モジュールは、第1アプリケーションプログラムを保存する第1メモリチップを挿入する第1スロットを有し、前記第1プログラムを実行する時、前記CPUはネットワークにより前記主要BIOSを更新することを特徴とする請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記補助モジュールは、第2アプリケーションプログラムを保存する第2メモリチップを挿入する第2スロットを有し、前記第2プログラムを実行する時、前記CPUは前記コンピュータシステムを検出することを特徴とする請求項16に記載の制御方法。
【請求項19】
前記補助モジュールは、前記コンピュータが異常の時、異常状態を記録するか、或いは、注意信号を発することを特徴とする請求項18に記載の制御方法。
【請求項20】
前記CPUが前記主要BIOSに従って起動動作を実行できない場合、前記補助機能は自動的に起動され、前記特定プログラムが前記起動動作を実行することを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項21】
前記特定プログラムは副BIOSを有することを特徴とする請求項20に記載の制御方法。
【請求項22】
前記副BIOSは前記メモリモジュールに複製されて、前記主要BIOSを代替することを特徴とする請求項21に記載の制御方法。
【請求項23】
前記検出工程は、
補助機能中のラベルが存在する時、
システムロードプログラムは、第1アドレスに複製され、
システムプログラムが第2プログラムに複製され、
プログラムビデオファイルは第3アドレスに複製される
ことを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項24】
前記プログラムビデオファイルは、前記特定プログラムを有することを特徴とする請求項23に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−93235(P2009−93235A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260460(P2007−260460)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(502361706)技嘉科技股▲ふん▼有限公司 (111)
【Fターム(参考)】