制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置
【課題】更新時の作業量を減らすことで時間とコストを低減し、またプラント監視制御機能停止による運用上のリスクの低減を可能とする原子力発電所制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置を提供する。
【解決手段】制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部を備える。
【解決手段】制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤の更新の際に用いられる更新用機器に関し、特に原子力発電所の制御盤の更新の際に用いられる制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラント監視制御システムに使用される制御盤は、定期的に又は機器更新のため、新制御盤に交換されるが、そのための制御盤の更新作業が必要であった。
【0003】
従来の更新作業において、更新作業中の原子力発電所の監視機能が停止する時間を最小にするために仮設監視装置を用いて更新作業が行われている(特許文献1参照)。
【0004】
この仮設監視装置を用いた更新作業の従来例を図10、図11を用いて説明する。
図10、図11は、原子力発電プラント監視制御システムにおけるデジタル制御盤の更新、更新中の機器の監視操作、および入出力信号の確認試験に関する構成図である。
【0005】
原子力発電プラントのプロセス量を監視制御するために設置された複数の計測器2はケーブルで端子台12と接続されており、計測器2で検出されたプロセス量は入力信号4として既設制御盤1へ入力される。
【0006】
端子台12は既設入力ユニット112に接続され、入力信号4は既設入力ユニット112を経由して既設コントローラユニット111へ入力される。既設コントローラユニットでは入力信号4を演算処理するとともに、処理された入力信号4を既設出力ユニット113に出力信号5として出力する。
【0007】
既設出力ユニット113は端子台12と接続されており、端子台12を経由した出力信号5はケーブルを通して指示計等の表示装置6に表示され、運転員は状態監視を行う。一方、プロセス量の増減操作を行う操作端3に対しては、運転員は操作器7上のスイッチ等により操作を行う。操作器7で入力された操作信号8はケーブルを経由して端子台12へ接続される。
【0008】
端子台12は既設入力ユニット112と接続され、操作信号8は既設入力ユニット112を経由して既設コントローラユニット111へ入力される。既設コントローラユニット111では操作信号8により制御演算を実行した後、操作端操作信号9として既設出力ユニット113から出力し、操作端操作信号9は端子台12からケーブルを通して操作端3へ出力され、操作端3が操作される。
【0009】
一般に、制御盤の更新を実施する際、ケーブルの解線、接続作業を省略するため、既設制御盤1の筐体と既設制御盤1の端子台12は継続して使用されるが、既設コントローラユニット111、既設入力ユニット112、及び既設出力ユニット113からなる既設の制御ユニット24は撤去され、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、及び新設出力ユニット116からなる新設の制御ユニット24を設置して更新を行う方式が採用されている。
【0010】
制御ユニットの更新作業中においても、計測器2および操作端3の中にはその運用上連続監視又は操作可能状態の継続が必要な対象機器があり、既設コントローラユニット111、既設入力ユニット112、既設出力ユニット113の撤去中、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の設置中、および新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の確認試験中において、当該制御盤の監視制御機能が失われることがないように更新作業を実施する必要がある。
【0011】
そのため、図11に示すように仮設監視装置117および仮設操作器118を端子台12の入力信号4、および操作端操作信号9が接続されている端子121へ接続し、入力信号4により計測器2の監視および操作端操作信号9により操作端3の操作を可能としている。また、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の確認試験が完了した後、仮設監視装置117および仮設操作器118は取り外し、新設コントローラユニットに切替える。
【0012】
また、新設コントローラユニット114を既設制御盤1へ設置した後には入出力信号の接続、精度確認が必要である。図11に示すようにアナログ入力確認試験は、試験対象点に対応する端子121へ発生器21を接続し、新設コントローラユニット114に入力される信号を確認して行い、アナログ出力確認試験は新設コントローラユニット114から出力信号を模擬し、試験対象点に対応する端子121へレコーダ22を接続しレコーダ22の指示を確認して行う。
【0013】
また、デジタル入力確認試験は試験対象点に対応する端子121を短絡して入力を模擬し、新設コントローラユニット114の信号を確認して行い、デジタル出力確認試験は新設コントローラユニット114から出力信号を模擬し、試験対象点に対応する端子121にランプ23等を接続して行っている。
【0014】
しかしながら、上記従来の更新作業では、仮設監視装置117および仮設操作器118を設置する際、及びそれらの機器を取り外す際に、端子台12の解線、再接続作業が大量に発生し、この間、連続監視、操作できない期間が発生してしまうという課題があった。また、入出力される信号点数は膨大であるため、試験作業時間も長時間要するという課題もあった。
【特許文献1】特開2006−234696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、原子力発電所の制御盤において、制御盤の更新を行う場合、入出力信号の接続および精度確認を実施するが、入出力信号点数は非常に多く、また試験時の信号模擬、及び確認を人間が実施しているため、当該試験にかかる作業量が膨大となり、時間とコストが増大するとともに機能停止期間が増大する。
【0016】
また、原子力発電所においては、その運用上連続監視、操作可能状態の継続が必要な対象機器があり、これらについては制御盤更新の実施期間中仮設装置を接続し、監視操作に対応しているが、この場合においても端子台配線の解線、再接続作業が発生し、切替えのための作業、および機能停止時間が発生してしまう。
【0017】
そこで、本発明の目的は、この制御盤の更新作業における上記問題を解決し、更新時の作業量を減らすことで時間とコストを低減し、またプラント監視制御機能停止による運用上のリスクの低減を可能とする制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御盤試験用端子台は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部と、からなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る制御盤自動試験装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る制御盤自動試験装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号とを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る仮設制御装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、操作端の操作信号を入力する入力装置と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る仮設制御装置は、制御盤の更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して新設制御ユニット、計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行い、また予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号を比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とするとともに、連続して自動的に前記制御ユニットの入出力確認試験の実施を可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記構成を有する制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置を採用したことにより、原子力発電所制御盤の更新時の作業量を減らすことで時間とコストを低減し、またプラント監視制御機能停止による運用上のリスクの低減を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る原子力発電所制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図1(a)〜(d)を用いて説明する。
図1(a)は制御盤試験用端子台10の断面図、図1(b)は端子台12の断面図、図1(c)は制御盤試験用端子台10が端子台12に固定された状態を示す断面図、及び図1(d)は外部機器インターフェース部104の拡大図である。
【0026】
制御盤試験用端子台10は、延長端子101と、端子台12に固定するための固定用金具102と、外部機器接続ケーブル103と、外部機器接続インターフェース部104とから構成される。図1(d)に示されるように、外部機器接続インターフェース部104は、切換スイッチ1041と、端子接続部1042と、外部機器接続ケーブル103が接続されるコネクタ接続部1043から構成される。
【0027】
また、制御盤1に設置されている端子台12は、端子121、固定用金具挿入部122、及び信号ケーブルから構成されている。
【0028】
制御盤の更新において、コントローラユニット111、入力ユニット112、及び出力ユニット113からなる既設の制御ユニット24を新規の制御ユニット24に更新する際、制御盤試験用端子台10が固定用金具102により端子台12へ取り付け固定される(図1(c))。
【0029】
そして、新規のコントローラユニット114、入力ユニット115、及び出力ユニット116ユニットからなる制御ユニット24が設置された後、外部機器接続ケーブル103に接続された外部機器から信号が入力されると、この信号は外部機器接続インターフェース部104及び延長端子101を介して端子121へ入力され、入力信号4、出力信号5、操作信号8、操作信号9として操作端3または新設のユニット114〜116へ入力又は出力される。
【0030】
この時、外部機器から外部機器接続インターフェース部104へ入力される切替指令1044に基づき切替スイッチ1041が端子とコネクタの接続を切替えることにより、任意の端子121に対して信号を入力することが可能となる。同様に、新設コントローラユニット114、計測器2及び操作端3からの出力信号についても、任意の端子を選択して各信号の外部機器への取出しが可能となる。
【0031】
本第1の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤を更新する際、制御盤の端子台12に制御盤試験用端子台10を接続、固定することで、各端子への外部機器の接続および解線を繰り返すことなく、本設ケーブルを接続したままで容易に任意の端子からの信号取り出し、および任意の端子への信号入力が可能となり、更新時の作業量を大幅に低減することができる。これにより、更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運用上のリスクを大きく低減することが可能となる。
【0032】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
図2(a)は制御盤試験用端子台10の断面図、図2(b)は端子台12の断面図、図2(c)は制御盤試験用端子台10が端子台12に固定された状態を示す断面図である。
【0033】
第2の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10は、圧着式延長端子101Aと、端子台12に固定するための固定用金具102と、外部機器接続ケーブル103と、外部機器接続インターフェース部104とから構成される。延長端子としてバネ機構と端子台に引っ掛ける固定機構を有する圧接式延長端子101Aを用いた点で第1の実施の形態と異なっている。
【0034】
制御盤の更新時に、制御盤試験用端子台10に端子台12に固定する際、図2(c)に示されるように圧接式延長端子101Aを有し押し込むことによりバネ機構で端子台12の端子121と接触面にて電気的に導通し、また、固定機構によりバネの反発力で端子が抜けることを防止することが可能となるため、外部機器接続ケーブル103と接続された外部機器から外部機器インターフェース部104を介して、信号の操作端3または新設コントローラ114への出力を可能とする。また同様に、新設コントローラ114、計測器2および操作端3からの出力信号の外部機器への取り出しも可能となる。
【0035】
本第2の実施の形態によれば、延長端子としてバネ機構と端子台に引っ掛ける固定機構を有する圧接式延長端子101Aを用いたことにより、制御盤の端子台に制御盤試験用端子台を確実かつ簡便に接続、固定することが可能なり、制御盤更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運用上のリスクをさらに低減することができる。
【0036】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る自動試験装置14を図3、4を用いて説明する。
図3は全体構成図であり、図4(a)はデータベースの概略図、図4(b)は出力確認試験手順図、及び図4(c)は試験結果入力および判定手順図である。
【0037】
この自動試験装置14は、制御盤試験用端子台10と外部機器接続ケーブル103を介して接続され、新設コントローラユニット114との外部信号の入出力を行うインターフェースボード15と、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、データベース化されたコントローラ出力確認試験手順が記憶された記憶装置141と、キーボード等外部よりデータの入力可能な入力装置183とから構成される。
【0038】
自動試験装置14は、入力装置183より入力された種別と端子台NOにより記憶装置141に格納されたデータベースから該当するデータのアドレスと模擬データを、データNOごとに模擬データNOに従って、ネットワーク17を介して新設コントローラユニット114へ試験信号142として送信する。
【0039】
新設コントローラユニットユニット114は送信されたアドレスに従い自身の出力レジスタに順次強制的に模擬信号を書き込み、新設コントローラユニット114からの出力模擬を行う。コントローラユニットからの模擬出力信号143は、新設出力ユニット116を介して端子台12へ出力される。
【0040】
自動試験装置14は、インターフェースボード15の入力機能により制御盤試験用端子台10を介して端子台12からの模擬出力信号143を入力し記憶装置141に格納する。模擬出力信号143を入力する場合、制御盤試験用端子台10のいずれの端子から模擬出力信号143が入力されるかは、データベース中の端子台NOとデータNOから判断可能であり、自動試験装置14では記憶装置141に格納した模擬出力信号143の中から、端子台NOとデータNOにより試験対象点に相当するデータを選択し、データベースの当該模擬データと比較し、デジタル信号の場合は一致すること、アナログ信号の場合は模擬出力信号と模擬データとの偏差を計算し偏差の信号フルスパンに対する誤差がデータベースの誤差欄に指定された値以内にあることを確認し、良否を自動判定し、判定結果としてデータベースに格納する(図4(b)及び(c))。
【0041】
また、試験結果は試験記録としてプリンタ等外部出力可能とする。なお、インターフェースボード15、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10の組合せを複数設置し、既設制御盤1の端子台12と接続し、データベースに従って順次上記を繰り返して模擬を行うことにより連続して試験を実施することも可能である。
【0042】
本第3の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と自動試験装置を使用することにより、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラユニットの出力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コストを低減することが可能である。
【0043】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図5を用いて説明する。
本第4の実施の形態では、制御盤試験用端子台10は複数台配置され、制御盤試験用端子台連結器13により前記複数の制御盤試験用端子台10が連結、固定されている。このように、制御盤試験用端子台連結器13により複数の制御盤試験用端子台10を連結し、既設制御盤1に収納されている複数の端子台12に接続することで、同時に複数の端子台12から任意の端子121を選択し、信号の入力および取出しが可能となる。
【0044】
本第4の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において、制御盤の複数の端子台に同時に制御盤試験用端子台を接続、固定することで、各端子台への外部機器の接続および解線を繰り返すことなく、本設ケーブルを接続したままで容易に複数の任意の端子から同時に信号取り出しおよび信号入力が可能となり、更新時の作業量を低減することが出来る。これにより、更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運営リスクを低減することが可能である。
【0045】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を図3及び図6(a)〜(c)を用いて説明する。
図3は全体構成図であり、図6(a)はデータベースの概念図、図6(b)は出力確認試験手順図及び図6(c)は試験結果入力および判定手順図である。
【0046】
図3において、自動試験装置14は、入力装置183より入力された端子台NOにより記憶装置141に格納されたデータベースから該当するデータのアドレスと模擬データを検索し、該当する模擬データを順次インターフェースボード15の該当する端子へ出力し、インターフェースボード15で模擬データを相当する電圧または電流信号に変換し模擬信号144として、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10を介して既設制御盤1の端子台12に送信する。さらに端子台12に送信された模擬信号144は、新設入力ユニット115より新設コントローラユニット114へ入力される。
【0047】
新設コントローラユニット114は入力された模擬信号と当該入力レジスタの情報を、ネットワーク17を介して自動試験装置14へ送信する。
【0048】
自動試験装置14は、新設コントローラユニット114より入力された模擬信号と入力レジスタを記憶装置141に格納する。その後、格納した模擬信号と入力レジスタをデータベースの模擬信号144として出力した模擬データと比較し、アドレスが一致していること、およびデジタル信号の場合は模擬信号が一致すること、アナログ信号の場合は模擬信号と模擬データとの偏差を計算し、偏差の信号フルスパンに対する誤差がデータベースの誤差欄に指定された値以内にあることを確認し、良否を自動判定し、判定結果としてデータベースに格納する(図6(b),(c))。
また、試験結果は試験記録としてプリンタ等外部出力可能とする。なお、インターフェースボード15、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10の組合せを複数設置し、既設制御盤1の端子台12と接続し、データベースに従って順次上記を繰り返して模擬を行うことにより、入力装置183からの端子台NOの入力を省略し連続して試験を実施することも可能である。
【0049】
本第5の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と自動試験装置を使用することにより、実施例3の効果に加えて、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラの入力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コストを低減することが可能である。
【0050】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置18を、図7、8を用いて説明する。図7は全体構成図であり、図8はデータベースの概念図である。
【0051】
この仮設制御装置18は、制御盤試験用端子台10を既設制御盤1の端子台12へ接続し、制御盤試験用端子台10と外部機器接続ケーブル103で接続され、新設コントローラユニット114との外部信号の入出力を行うインターフェースボード15と、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、仮設監視装置117、および仮設操作器118の機能を表示制御するプログラムを記憶した記憶装置141と、操作機器やプロセス値の状態を表示する表示器182とから構成される。
【0052】
この仮設制御装置18は、インターフェースボード15の入出力機能により制御盤試験用端子台10を介して監視対象である計測器2からの入力信号4を入力し記憶装置141に格納する。記憶装置141には予め指示計等の表示用機器の画面データを格納しておき表示器182に表示可能としておく。記憶装置141に格納された画面データには表示する計測器2のID情報を記録しておき、データベースのIDと一致するデータを、記憶装置141に格納したデータから取り出し表示器182に表示する。
【0053】
また、記憶装置141には予めスイッチ等の操作端3の画面データを格納しておき表示器182に表示可能とするとともに、入力装置183からの入力による操作信号の入力を可能としておく。記憶装置141に格納された画面データには表示する操作端3のID情報を記録しておき、操作のために選択された操作端3のIDとデータベースのIDとを比較し、一致する操作端に該当するインターフェースボード15の出力端子に入力装置183からの弁開/閉等の操作データを出力し、インターフェースボード15の入出力機能により制御盤試験用端子台10を介して操作対象である操作端3へ操作信号9を出力する(図8)。
【0054】
本第6の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において、コントローラ更新中の場合でも、制御盤試験用端子台と仮設制御装置を使用することにより、各端子台への仮設監視装置、仮設操作器の接続および解線を繰り返すことなく、任意の機器の連続監視、操作可能状態継続が可能となる。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コスト、およびプラント機能停止による運用上のリスクを低減することが可能である。
【0055】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係る仮設制御装置19を、図9を用いて説明する。
仮設制御装置19は、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、計測器2の検出値の表示と操作端3への操作を行うプログラム、およびデータベース化されたコントローラ入出力確認試験手順が記憶された記憶装置141と、操作機器やプロセス値の状態を表示する表示器182とから構成される。
【0056】
仮設制御装置19は、記憶装置141に記憶されたプログラムを実行することで、任意の計測器2および操作端3との信号の入出力を行い、操作機器やプロセス値の状態を表示器182へ表示し、表示器182から操作端3に対する操作を実施可能する。またデータベース化されたコントローラ入出力確認試験手順を実行することで、第6の実施の形態に示す入出力試験装置と同様に新設コントローラユニット114への入力模擬および出力模擬を行い、記憶装置141に記憶された模擬信号と新設コントローラユニット114からの模擬入力信号、模擬出力信号との比較を行う。
【0057】
本第7の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と仮設制御装置を使用することにより、コントローラ更新中の場合でも、各端子台への仮設監視装置、仮設操作器の接続および解線を繰り返すことなく、任意の機器の連続監視、操作可能状態継続が可能となる。またコントローラの新設が済んだ場合にも同じ装置を用いて、機器の連続監視、操作可能状態を継続しながら、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラの入出力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コスト、およびプラント機能停止による運用上のリスクを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態の制御盤試験用端子台の断面図、図1(b)は端子台12の断面図、図1(c)は制御盤試験用端子台が端子台12に固定された状態を示す断面図、及び図1(d)は外部機器インターフェース部の拡大図。
【図2】図2(a)は本発明の第2の実施形態の制御盤試験用端子台の断面図、図2(b)は端子台の断面図、図2(c)は制御盤試験用端子台が端子台に固定された状態を示す断面図。
【図3】本発明の第3、第5の実施の形態の自動試験装置の全体構成図。
【図4】図4(a)は本発明の第4の実施の形態に係るデータベースの概念図、図4(b)は出力確認試験手順図及び図4(c)は試験結果入力および判定手順図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る制御盤試験用端子台の構成図。
【図6】図6(a)は、本発明の第5の実施の形態に係るデータベースの概念図、図6(b)は出力確認試験手順図及び図6(c)は試験結果入力および判定手順図。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置の全体構成図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置のデータベースの概念図。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る仮設制御装置の全体構成図。
【図10】従来の制御盤更新を示す構成図。
【図11】従来の制御盤更新における、更新中の監視操作および入出力確認試験技術を示す構成図。
【符号の説明】
【0059】
1…既設制御盤、2…計測器、3…操作端、4…入力信号、5…出力信号、6…表示装置、7…操作器、8…操作信号、9…操作端操作信号、10…制御盤試験用端子台、12…端子台、14…自動試験装置、15…インターフェースボード、17…ネットワーク、18、19…仮設制御装置、21…発生器、22…レコーダ、23…ランプ、24…制御ユニット、101…延長端子、101A…圧接式延長端子、102…固定用金具、103…外部機器接続ケーブル、104…外部機器インターフェース部、1041…切替スイッチ、1042…端子接続部、1043…コネクタ接続部、1044…切替指令、111…既設コントローラユニット、112…既設入力ユニット、113…既設出力ユニット、114…新設コントローラユニット、115…新設入力ユニット、116…新設出力ユニット、117…仮設監視装置、118…仮設操作器、121…端子、122…固定用金具挿入部、141…記憶装置、142…試験信号、143…模擬出力信号、144…模擬信号、145…模擬入力信号、182…表示器、183…入力装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤の更新の際に用いられる更新用機器に関し、特に原子力発電所の制御盤の更新の際に用いられる制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラント監視制御システムに使用される制御盤は、定期的に又は機器更新のため、新制御盤に交換されるが、そのための制御盤の更新作業が必要であった。
【0003】
従来の更新作業において、更新作業中の原子力発電所の監視機能が停止する時間を最小にするために仮設監視装置を用いて更新作業が行われている(特許文献1参照)。
【0004】
この仮設監視装置を用いた更新作業の従来例を図10、図11を用いて説明する。
図10、図11は、原子力発電プラント監視制御システムにおけるデジタル制御盤の更新、更新中の機器の監視操作、および入出力信号の確認試験に関する構成図である。
【0005】
原子力発電プラントのプロセス量を監視制御するために設置された複数の計測器2はケーブルで端子台12と接続されており、計測器2で検出されたプロセス量は入力信号4として既設制御盤1へ入力される。
【0006】
端子台12は既設入力ユニット112に接続され、入力信号4は既設入力ユニット112を経由して既設コントローラユニット111へ入力される。既設コントローラユニットでは入力信号4を演算処理するとともに、処理された入力信号4を既設出力ユニット113に出力信号5として出力する。
【0007】
既設出力ユニット113は端子台12と接続されており、端子台12を経由した出力信号5はケーブルを通して指示計等の表示装置6に表示され、運転員は状態監視を行う。一方、プロセス量の増減操作を行う操作端3に対しては、運転員は操作器7上のスイッチ等により操作を行う。操作器7で入力された操作信号8はケーブルを経由して端子台12へ接続される。
【0008】
端子台12は既設入力ユニット112と接続され、操作信号8は既設入力ユニット112を経由して既設コントローラユニット111へ入力される。既設コントローラユニット111では操作信号8により制御演算を実行した後、操作端操作信号9として既設出力ユニット113から出力し、操作端操作信号9は端子台12からケーブルを通して操作端3へ出力され、操作端3が操作される。
【0009】
一般に、制御盤の更新を実施する際、ケーブルの解線、接続作業を省略するため、既設制御盤1の筐体と既設制御盤1の端子台12は継続して使用されるが、既設コントローラユニット111、既設入力ユニット112、及び既設出力ユニット113からなる既設の制御ユニット24は撤去され、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、及び新設出力ユニット116からなる新設の制御ユニット24を設置して更新を行う方式が採用されている。
【0010】
制御ユニットの更新作業中においても、計測器2および操作端3の中にはその運用上連続監視又は操作可能状態の継続が必要な対象機器があり、既設コントローラユニット111、既設入力ユニット112、既設出力ユニット113の撤去中、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の設置中、および新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の確認試験中において、当該制御盤の監視制御機能が失われることがないように更新作業を実施する必要がある。
【0011】
そのため、図11に示すように仮設監視装置117および仮設操作器118を端子台12の入力信号4、および操作端操作信号9が接続されている端子121へ接続し、入力信号4により計測器2の監視および操作端操作信号9により操作端3の操作を可能としている。また、新設コントローラユニット114、新設入力ユニット115、新設出力ユニット116の確認試験が完了した後、仮設監視装置117および仮設操作器118は取り外し、新設コントローラユニットに切替える。
【0012】
また、新設コントローラユニット114を既設制御盤1へ設置した後には入出力信号の接続、精度確認が必要である。図11に示すようにアナログ入力確認試験は、試験対象点に対応する端子121へ発生器21を接続し、新設コントローラユニット114に入力される信号を確認して行い、アナログ出力確認試験は新設コントローラユニット114から出力信号を模擬し、試験対象点に対応する端子121へレコーダ22を接続しレコーダ22の指示を確認して行う。
【0013】
また、デジタル入力確認試験は試験対象点に対応する端子121を短絡して入力を模擬し、新設コントローラユニット114の信号を確認して行い、デジタル出力確認試験は新設コントローラユニット114から出力信号を模擬し、試験対象点に対応する端子121にランプ23等を接続して行っている。
【0014】
しかしながら、上記従来の更新作業では、仮設監視装置117および仮設操作器118を設置する際、及びそれらの機器を取り外す際に、端子台12の解線、再接続作業が大量に発生し、この間、連続監視、操作できない期間が発生してしまうという課題があった。また、入出力される信号点数は膨大であるため、試験作業時間も長時間要するという課題もあった。
【特許文献1】特開2006−234696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、原子力発電所の制御盤において、制御盤の更新を行う場合、入出力信号の接続および精度確認を実施するが、入出力信号点数は非常に多く、また試験時の信号模擬、及び確認を人間が実施しているため、当該試験にかかる作業量が膨大となり、時間とコストが増大するとともに機能停止期間が増大する。
【0016】
また、原子力発電所においては、その運用上連続監視、操作可能状態の継続が必要な対象機器があり、これらについては制御盤更新の実施期間中仮設装置を接続し、監視操作に対応しているが、この場合においても端子台配線の解線、再接続作業が発生し、切替えのための作業、および機能停止時間が発生してしまう。
【0017】
そこで、本発明の目的は、この制御盤の更新作業における上記問題を解決し、更新時の作業量を減らすことで時間とコストを低減し、またプラント監視制御機能停止による運用上のリスクの低減を可能とする制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御盤試験用端子台は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部と、からなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る制御盤自動試験装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る制御盤自動試験装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号とを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る仮設制御装置は、制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、操作端の操作信号を入力する入力装置と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る仮設制御装置は、制御盤の更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して新設制御ユニット、計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行い、また予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号を比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とするとともに、連続して自動的に前記制御ユニットの入出力確認試験の実施を可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記構成を有する制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置を採用したことにより、原子力発電所制御盤の更新時の作業量を減らすことで時間とコストを低減し、またプラント監視制御機能停止による運用上のリスクの低減を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る原子力発電所制御盤試験用端子台、制御盤自動試験装置、及び仮設制御装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図1(a)〜(d)を用いて説明する。
図1(a)は制御盤試験用端子台10の断面図、図1(b)は端子台12の断面図、図1(c)は制御盤試験用端子台10が端子台12に固定された状態を示す断面図、及び図1(d)は外部機器インターフェース部104の拡大図である。
【0026】
制御盤試験用端子台10は、延長端子101と、端子台12に固定するための固定用金具102と、外部機器接続ケーブル103と、外部機器接続インターフェース部104とから構成される。図1(d)に示されるように、外部機器接続インターフェース部104は、切換スイッチ1041と、端子接続部1042と、外部機器接続ケーブル103が接続されるコネクタ接続部1043から構成される。
【0027】
また、制御盤1に設置されている端子台12は、端子121、固定用金具挿入部122、及び信号ケーブルから構成されている。
【0028】
制御盤の更新において、コントローラユニット111、入力ユニット112、及び出力ユニット113からなる既設の制御ユニット24を新規の制御ユニット24に更新する際、制御盤試験用端子台10が固定用金具102により端子台12へ取り付け固定される(図1(c))。
【0029】
そして、新規のコントローラユニット114、入力ユニット115、及び出力ユニット116ユニットからなる制御ユニット24が設置された後、外部機器接続ケーブル103に接続された外部機器から信号が入力されると、この信号は外部機器接続インターフェース部104及び延長端子101を介して端子121へ入力され、入力信号4、出力信号5、操作信号8、操作信号9として操作端3または新設のユニット114〜116へ入力又は出力される。
【0030】
この時、外部機器から外部機器接続インターフェース部104へ入力される切替指令1044に基づき切替スイッチ1041が端子とコネクタの接続を切替えることにより、任意の端子121に対して信号を入力することが可能となる。同様に、新設コントローラユニット114、計測器2及び操作端3からの出力信号についても、任意の端子を選択して各信号の外部機器への取出しが可能となる。
【0031】
本第1の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤を更新する際、制御盤の端子台12に制御盤試験用端子台10を接続、固定することで、各端子への外部機器の接続および解線を繰り返すことなく、本設ケーブルを接続したままで容易に任意の端子からの信号取り出し、および任意の端子への信号入力が可能となり、更新時の作業量を大幅に低減することができる。これにより、更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運用上のリスクを大きく低減することが可能となる。
【0032】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
図2(a)は制御盤試験用端子台10の断面図、図2(b)は端子台12の断面図、図2(c)は制御盤試験用端子台10が端子台12に固定された状態を示す断面図である。
【0033】
第2の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10は、圧着式延長端子101Aと、端子台12に固定するための固定用金具102と、外部機器接続ケーブル103と、外部機器接続インターフェース部104とから構成される。延長端子としてバネ機構と端子台に引っ掛ける固定機構を有する圧接式延長端子101Aを用いた点で第1の実施の形態と異なっている。
【0034】
制御盤の更新時に、制御盤試験用端子台10に端子台12に固定する際、図2(c)に示されるように圧接式延長端子101Aを有し押し込むことによりバネ機構で端子台12の端子121と接触面にて電気的に導通し、また、固定機構によりバネの反発力で端子が抜けることを防止することが可能となるため、外部機器接続ケーブル103と接続された外部機器から外部機器インターフェース部104を介して、信号の操作端3または新設コントローラ114への出力を可能とする。また同様に、新設コントローラ114、計測器2および操作端3からの出力信号の外部機器への取り出しも可能となる。
【0035】
本第2の実施の形態によれば、延長端子としてバネ機構と端子台に引っ掛ける固定機構を有する圧接式延長端子101Aを用いたことにより、制御盤の端子台に制御盤試験用端子台を確実かつ簡便に接続、固定することが可能なり、制御盤更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運用上のリスクをさらに低減することができる。
【0036】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る自動試験装置14を図3、4を用いて説明する。
図3は全体構成図であり、図4(a)はデータベースの概略図、図4(b)は出力確認試験手順図、及び図4(c)は試験結果入力および判定手順図である。
【0037】
この自動試験装置14は、制御盤試験用端子台10と外部機器接続ケーブル103を介して接続され、新設コントローラユニット114との外部信号の入出力を行うインターフェースボード15と、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、データベース化されたコントローラ出力確認試験手順が記憶された記憶装置141と、キーボード等外部よりデータの入力可能な入力装置183とから構成される。
【0038】
自動試験装置14は、入力装置183より入力された種別と端子台NOにより記憶装置141に格納されたデータベースから該当するデータのアドレスと模擬データを、データNOごとに模擬データNOに従って、ネットワーク17を介して新設コントローラユニット114へ試験信号142として送信する。
【0039】
新設コントローラユニットユニット114は送信されたアドレスに従い自身の出力レジスタに順次強制的に模擬信号を書き込み、新設コントローラユニット114からの出力模擬を行う。コントローラユニットからの模擬出力信号143は、新設出力ユニット116を介して端子台12へ出力される。
【0040】
自動試験装置14は、インターフェースボード15の入力機能により制御盤試験用端子台10を介して端子台12からの模擬出力信号143を入力し記憶装置141に格納する。模擬出力信号143を入力する場合、制御盤試験用端子台10のいずれの端子から模擬出力信号143が入力されるかは、データベース中の端子台NOとデータNOから判断可能であり、自動試験装置14では記憶装置141に格納した模擬出力信号143の中から、端子台NOとデータNOにより試験対象点に相当するデータを選択し、データベースの当該模擬データと比較し、デジタル信号の場合は一致すること、アナログ信号の場合は模擬出力信号と模擬データとの偏差を計算し偏差の信号フルスパンに対する誤差がデータベースの誤差欄に指定された値以内にあることを確認し、良否を自動判定し、判定結果としてデータベースに格納する(図4(b)及び(c))。
【0041】
また、試験結果は試験記録としてプリンタ等外部出力可能とする。なお、インターフェースボード15、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10の組合せを複数設置し、既設制御盤1の端子台12と接続し、データベースに従って順次上記を繰り返して模擬を行うことにより連続して試験を実施することも可能である。
【0042】
本第3の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と自動試験装置を使用することにより、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラユニットの出力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コストを低減することが可能である。
【0043】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る制御盤試験用端子台10を図5を用いて説明する。
本第4の実施の形態では、制御盤試験用端子台10は複数台配置され、制御盤試験用端子台連結器13により前記複数の制御盤試験用端子台10が連結、固定されている。このように、制御盤試験用端子台連結器13により複数の制御盤試験用端子台10を連結し、既設制御盤1に収納されている複数の端子台12に接続することで、同時に複数の端子台12から任意の端子121を選択し、信号の入力および取出しが可能となる。
【0044】
本第4の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において、制御盤の複数の端子台に同時に制御盤試験用端子台を接続、固定することで、各端子台への外部機器の接続および解線を繰り返すことなく、本設ケーブルを接続したままで容易に複数の任意の端子から同時に信号取り出しおよび信号入力が可能となり、更新時の作業量を低減することが出来る。これにより、更新にかかる時間、コスト、およびプラント監視制御機能停止による運営リスクを低減することが可能である。
【0045】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を図3及び図6(a)〜(c)を用いて説明する。
図3は全体構成図であり、図6(a)はデータベースの概念図、図6(b)は出力確認試験手順図及び図6(c)は試験結果入力および判定手順図である。
【0046】
図3において、自動試験装置14は、入力装置183より入力された端子台NOにより記憶装置141に格納されたデータベースから該当するデータのアドレスと模擬データを検索し、該当する模擬データを順次インターフェースボード15の該当する端子へ出力し、インターフェースボード15で模擬データを相当する電圧または電流信号に変換し模擬信号144として、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10を介して既設制御盤1の端子台12に送信する。さらに端子台12に送信された模擬信号144は、新設入力ユニット115より新設コントローラユニット114へ入力される。
【0047】
新設コントローラユニット114は入力された模擬信号と当該入力レジスタの情報を、ネットワーク17を介して自動試験装置14へ送信する。
【0048】
自動試験装置14は、新設コントローラユニット114より入力された模擬信号と入力レジスタを記憶装置141に格納する。その後、格納した模擬信号と入力レジスタをデータベースの模擬信号144として出力した模擬データと比較し、アドレスが一致していること、およびデジタル信号の場合は模擬信号が一致すること、アナログ信号の場合は模擬信号と模擬データとの偏差を計算し、偏差の信号フルスパンに対する誤差がデータベースの誤差欄に指定された値以内にあることを確認し、良否を自動判定し、判定結果としてデータベースに格納する(図6(b),(c))。
また、試験結果は試験記録としてプリンタ等外部出力可能とする。なお、インターフェースボード15、外部機器接続ケーブル103および制御盤試験用端子台10の組合せを複数設置し、既設制御盤1の端子台12と接続し、データベースに従って順次上記を繰り返して模擬を行うことにより、入力装置183からの端子台NOの入力を省略し連続して試験を実施することも可能である。
【0049】
本第5の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と自動試験装置を使用することにより、実施例3の効果に加えて、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラの入力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コストを低減することが可能である。
【0050】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置18を、図7、8を用いて説明する。図7は全体構成図であり、図8はデータベースの概念図である。
【0051】
この仮設制御装置18は、制御盤試験用端子台10を既設制御盤1の端子台12へ接続し、制御盤試験用端子台10と外部機器接続ケーブル103で接続され、新設コントローラユニット114との外部信号の入出力を行うインターフェースボード15と、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、仮設監視装置117、および仮設操作器118の機能を表示制御するプログラムを記憶した記憶装置141と、操作機器やプロセス値の状態を表示する表示器182とから構成される。
【0052】
この仮設制御装置18は、インターフェースボード15の入出力機能により制御盤試験用端子台10を介して監視対象である計測器2からの入力信号4を入力し記憶装置141に格納する。記憶装置141には予め指示計等の表示用機器の画面データを格納しておき表示器182に表示可能としておく。記憶装置141に格納された画面データには表示する計測器2のID情報を記録しておき、データベースのIDと一致するデータを、記憶装置141に格納したデータから取り出し表示器182に表示する。
【0053】
また、記憶装置141には予めスイッチ等の操作端3の画面データを格納しておき表示器182に表示可能とするとともに、入力装置183からの入力による操作信号の入力を可能としておく。記憶装置141に格納された画面データには表示する操作端3のID情報を記録しておき、操作のために選択された操作端3のIDとデータベースのIDとを比較し、一致する操作端に該当するインターフェースボード15の出力端子に入力装置183からの弁開/閉等の操作データを出力し、インターフェースボード15の入出力機能により制御盤試験用端子台10を介して操作対象である操作端3へ操作信号9を出力する(図8)。
【0054】
本第6の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において、コントローラ更新中の場合でも、制御盤試験用端子台と仮設制御装置を使用することにより、各端子台への仮設監視装置、仮設操作器の接続および解線を繰り返すことなく、任意の機器の連続監視、操作可能状態継続が可能となる。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コスト、およびプラント機能停止による運用上のリスクを低減することが可能である。
【0055】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係る仮設制御装置19を、図9を用いて説明する。
仮設制御装置19は、新設コントローラユニット114とネットワーク17で接続され、計測器2の検出値の表示と操作端3への操作を行うプログラム、およびデータベース化されたコントローラ入出力確認試験手順が記憶された記憶装置141と、操作機器やプロセス値の状態を表示する表示器182とから構成される。
【0056】
仮設制御装置19は、記憶装置141に記憶されたプログラムを実行することで、任意の計測器2および操作端3との信号の入出力を行い、操作機器やプロセス値の状態を表示器182へ表示し、表示器182から操作端3に対する操作を実施可能する。またデータベース化されたコントローラ入出力確認試験手順を実行することで、第6の実施の形態に示す入出力試験装置と同様に新設コントローラユニット114への入力模擬および出力模擬を行い、記憶装置141に記憶された模擬信号と新設コントローラユニット114からの模擬入力信号、模擬出力信号との比較を行う。
【0057】
本第7の実施の形態によれば、原子力発電所の制御盤更新において制御盤試験用端子台と仮設制御装置を使用することにより、コントローラ更新中の場合でも、各端子台への仮設監視装置、仮設操作器の接続および解線を繰り返すことなく、任意の機器の連続監視、操作可能状態継続が可能となる。またコントローラの新設が済んだ場合にも同じ装置を用いて、機器の連続監視、操作可能状態を継続しながら、各端子台への試験装置の接続および解線を繰り返すことなく、連続して自動的にコントローラの入出力確認試験を実施することが出来る。これにより更新時の作業量を低減することができ、更新にかかる時間、コスト、およびプラント機能停止による運用上のリスクを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態の制御盤試験用端子台の断面図、図1(b)は端子台12の断面図、図1(c)は制御盤試験用端子台が端子台12に固定された状態を示す断面図、及び図1(d)は外部機器インターフェース部の拡大図。
【図2】図2(a)は本発明の第2の実施形態の制御盤試験用端子台の断面図、図2(b)は端子台の断面図、図2(c)は制御盤試験用端子台が端子台に固定された状態を示す断面図。
【図3】本発明の第3、第5の実施の形態の自動試験装置の全体構成図。
【図4】図4(a)は本発明の第4の実施の形態に係るデータベースの概念図、図4(b)は出力確認試験手順図及び図4(c)は試験結果入力および判定手順図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る制御盤試験用端子台の構成図。
【図6】図6(a)は、本発明の第5の実施の形態に係るデータベースの概念図、図6(b)は出力確認試験手順図及び図6(c)は試験結果入力および判定手順図。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置の全体構成図。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る仮設制御装置のデータベースの概念図。
【図9】本発明の第7の実施の形態に係る仮設制御装置の全体構成図。
【図10】従来の制御盤更新を示す構成図。
【図11】従来の制御盤更新における、更新中の監視操作および入出力確認試験技術を示す構成図。
【符号の説明】
【0059】
1…既設制御盤、2…計測器、3…操作端、4…入力信号、5…出力信号、6…表示装置、7…操作器、8…操作信号、9…操作端操作信号、10…制御盤試験用端子台、12…端子台、14…自動試験装置、15…インターフェースボード、17…ネットワーク、18、19…仮設制御装置、21…発生器、22…レコーダ、23…ランプ、24…制御ユニット、101…延長端子、101A…圧接式延長端子、102…固定用金具、103…外部機器接続ケーブル、104…外部機器インターフェース部、1041…切替スイッチ、1042…端子接続部、1043…コネクタ接続部、1044…切替指令、111…既設コントローラユニット、112…既設入力ユニット、113…既設出力ユニット、114…新設コントローラユニット、115…新設入力ユニット、116…新設出力ユニット、117…仮設監視装置、118…仮設操作器、121…端子、122…固定用金具挿入部、141…記憶装置、142…試験信号、143…模擬出力信号、144…模擬信号、145…模擬入力信号、182…表示器、183…入力装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部と、からなることを特徴とする制御盤試験用端子台。
【請求項2】
前記延長端子は圧着式延長端子からなることを特徴とする請求項1記載の制御盤試験用端子台。
【請求項3】
前記制御盤試験用端子台が複数設置されるとともに、制御盤試験用端子台連結器により連結、固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の制御盤試験用端子台。
【請求項4】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする制御盤自動試験装置。
【請求項5】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号とを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする制御盤自動試験装置。
【請求項6】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、操作端への操作信号を入力する入力装置と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とすることを特徴とする仮設制御装置。
【請求項7】
制御盤の更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して新設制御ユニット、計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行い、また予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号を比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とするとともに、連続して自動的に前記制御ユニットの入出力確認試験の実施を可能とすることを特徴とする仮設制御装置。
【請求項1】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台であって、前記制御盤試験用端子台は、前記端子台の端子と電気的に導通、開放する延長端子と、前記端子台に固定されるための固定用金具と、外部機器と接続するための外部機器接続ケーブルと、外部機器インターフェース部と、からなることを特徴とする制御盤試験用端子台。
【請求項2】
前記延長端子は圧着式延長端子からなることを特徴とする請求項1記載の制御盤試験用端子台。
【請求項3】
前記制御盤試験用端子台が複数設置されるとともに、制御盤試験用端子台連結器により連結、固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の制御盤試験用端子台。
【請求項4】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする制御盤自動試験装置。
【請求項5】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台と、前記制御盤試験用端子台と外部機器接続ケーブルを介して接続され新設制御ユニットとの信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号とを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、を具備したことを特徴とする制御盤自動試験装置。
【請求項6】
制御盤の制御ユニットの更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、操作端への操作信号を入力する入力装置と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とすることを特徴とする仮設制御装置。
【請求項7】
制御盤の更新時に前記制御盤に設置された端子台に脱着可能に固定される制御盤試験用端子台に外部機器接続ケーブルを介して新設制御ユニット、計測器及び操作端との信号の入出力を行うインターフェースボードと、予め記憶装置に記憶された確認順序に従い新設コントローラユニットに順次強制的にデータアドレスと模擬データからなる試験信号を入力するとともに、新設コントローラユニットからの模擬出力信号と前記模擬データとを比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの出力確認試験を行い、また予め記憶装置に記憶された確認順序に従い順次強制的に模擬信号を制御盤試験用端子台を介して新設コントローラユニットに入力するとともに、前記模擬信号と新設コントローラユニットからの模擬入力信号を比較することにより、連続して自動的に前記制御ユニットの入力確認試験を行う自動試験装置と、予め記憶装置に記憶されたプログラムに従い計測器からのプロセス信号を取り込み表示する表示器と、を具備し、制御ユニットの更新中においても任意の機器の連続監視/操作可能状態の継続を可能とするとともに、連続して自動的に前記制御ユニットの入出力確認試験の実施を可能とすることを特徴とする仮設制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−196894(P2008−196894A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30544(P2007−30544)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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