説明

制御装置、入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び制御方法

【課題】ポインタの表示位置と入力装置の指し示す方向との相対位置がずれてしまうことを防止する制御装置等の技術を提供すること。
【解決手段】制御装置のMPUは、実画面領域と実画面領域の周囲に設定された仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶している。MPUは、入力装置からのポインタの移動の可否の情報に基づいて、第1の座標値を管理することでポインタの移動、停止を切り替える。MPUは、第1の座標値が仮想画面領域内の場合、第1の座標値に基づいて第2の座標値を生成し、第2の座標値の位置にポインタを表示する。MPUは、第1の座標値が仮想画面領域内である場合に、ポインタの移動の可否が切り替えられたとき、第1の座標値を第2の座標値の位置に移動させる。これにより、実質的なポインタの座標値が実画面領域内に移動されるので、ポインタの表示位置と入力装置の指し示す方向とがずれてしまうことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインタの座標値を制御する制御装置、入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)で普及しているGUI(Graphical User Interface)のコントローラとして、主にマウスやタッチパッド等の入力装置が用いられている。GUIは、従来のPCのHI(Human Interface)にとどまらず、例えばテレビを画像媒体としてリビングルーム等で使用されるAV機器やゲーム機のインターフェースとして使用され始めている。このようなGUIのコントローラとして、ユーザが空間で操作することができる空間操作型の入力装置が多種提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
下記特許文献1の入力装置は、角速度センサにより入力装置の角速度を検出し、その角速度に応じて、カーソルの変位情報を生成し、これを制御機器に送信する。制御機器は、入力装置から送信された変位情報に応じて、画面上でカーソルを移動させる。
【0004】
特許文献1に記載の入力装置では、常時、カーソルの変位情報を送信する構成とされているため、カーソルがユーザの意図しない動きをしてしまう場合がある。例えば、ユーザが入力装置を使い終えた後、テーブル上に置こうとするとき、入力装置の移動に伴い、ユーザの意図に反して、画面上でカーソルが動いてしまう。
【0005】
このような問題に関連する技術として、下記の特許文献2には、移動ボタンと、決定ボタンと、移動ボタン及び決定ボタンを連続的に押圧することがすることが可能な表面ボタンとを有する、2段操作型の操作ボタンを備えた入力装置が記載されている。この入力装置では、ユーザにより表面ボタンが押圧されていない状態では、画面上でポインタは移動されない。ユーザにより表面ボタンが半押しされると、一段目の移動ボタンが押圧され、画面上でポインタの移動が開始される。ユーザが表面ボタンをさらに押し込むと、二段目の決定ボタンが押圧され、画面上で所定の処理が実行される。そして、ユーザが表面ボタンから指を離すと、移動ボタンの押圧が解除され、画面上でポインタの移動が停止される。ユーザは、移動ボタンにより、ポインタの移動の開始及び停止を任意に制御することができるので、ユーザの意図しないポインタの動きが規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−56743号公報(段落[0030]、[0045]、図2)
【特許文献2】国際公開第2009/020204号公報(段落[0145]〜[0152]、[0194]〜[0199]、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記各特許文献1、2に記載されているような入力装置は、入力装置の指し示す方向とポインタの表示位置とが相対的な関係である相対デバイスである。このような入力装置を用いて、ユーザがポインタを操作する場合、入力装置の指し示す方向と、ポインタの表示位置との間にずれが生じ、ユーザが違和感を覚える場合がある。
【0008】
例えば、メニュー図形が画面の端部に表示される場合、ユーザがそのメニュー図形の範囲をポインティングしている時に、ポインタが画面の縁部まで移動し、ポインタはそれ以上移動しないにも関わらず、ユーザは入力装置を移動させ続けようとする。そのため、画面の縁部において、ポインタの表示位置と入力装置の相対位置がずれ、ユーザが違和感を持つことがある。
【0009】
このような問題を解決するためには、例えば、現実の画面の領域(実画面領域)の周囲に、仮想的な画面の領域(仮想画面領域)を設定することが有効な手段であると考えられる。これにより、入力装置によるポインタの操作範囲が、狭い実画面領域に拘束されることを防止することができる。これにより、実画面領域の端部において、ポインタの表示位置と入力装置の相対位置がずれてしまうことを防止することができると考えられる。
【0010】
ここで、実画面領域の周囲に仮想画面領域が設定されている形態と、上述の特許文献2に記載されているような、入力装置に移動ボタンが設けられている形態との組み合わせを想定する。
【0011】
この場合において、仮想画面領域内で仮想ポインタ(仮想画面領域に存在すると観念される仮想的なポインタ)が操作されている場合に、ユーザが移動ボタンの押圧を解除したとする。そうすると、仮想画面領域内で仮想ポインタの移動が停止される。
【0012】
しかしながら、ユーザは、仮想画面領域内の仮想ポインタを視認することができない。仮想画面領域内に仮想ポインタが存在する場合に、例えば、画面上の縁部上に実ポインタ(現実に表示されるポインタ)が表示される形態の場合、ユーザは、人間の心理として、視認することができる画面上の実ポインタを入力装置で指し示して、移動ボタンを再び押圧し、再びポインタの移動を開始しようとする。
【0013】
しかしながら、この場合、実質的なポインタの座標値は、表示されている実ポインタの位置ではなく、仮想画面領域内の仮想ポインタの位置に存在する。これにより、ポインタの表示位置と入力装置の指し示す方向との相対位置がずれてしまうといった問題が生じる。
【0014】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ユーザがポインタの移動の開始及び停止を切り替える際に、ポインタの表示位置と、入力装置の指し示す方向との相対位置がずれてしまうことを防止することができる制御装置等の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る制御装置は、筐体の動きに関する第1の情報と、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させるか否かに関する第2の情報とを送信する入力装置から送信された、第1の情報及び前記第2の情報に基づき、前記座標値を制御する制御装置であって、受信部と、記憶部と、生成手段と、切り替え手段と、判定手段と、座標値制御手段とを具備する。
前記受信部は、前記第1の情報及び前記第2の情報を受信する。
前記記憶部は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記第1の情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記切り替え手段は、前記第2の情報に基づいて、前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とを切り替える。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0016】
「仮想画面領域」は、実画面領域の周囲の全部に設定されていてもよく、実画面領域の周囲の一部に設定されていてもよい。
【0017】
「第1の状態と、第2の状態とが切り替えられた場合」とは、第1の状態(座標値が移動可能な状態)が第2の状態(座標値が移動不能な状態)へ切り替えられた場合、及び第2の状態が第1の状態へ切り替えられた場合の両方が含まれる。
【0018】
本発明では、座標値が仮想画面領域内に属する場合であって、座標値の移動可能状態と、移動不能状態とが切り替えられた場合に、仮想領域内の座標値を実画面領域内の所定の位置に移行させることができる。これにより、例えば、ユーザにより移動ボタンの押圧が解除され、ポインタの座標値が仮想領域内で停止された場合に、その座標値を実画面領域内の座標値の位置に移行させることができる。典型的には、実画面領域に座標値が存在する場合には、その位置にポインタが表示される。
【0019】
ユーザが再びポインタの移動を開始しようとして、実画面領域内に表示されているポインタを入力装置で指し示した場合、ポインタの実質的な座標値の位置と、入力装置の指し示す方向との相対位置が合致する。これにより、ユーザが移動ボタンを再び押圧し、再びポインタの移動を開始するときに、ポインタの表示位置と、入力装置の位置との相対位置の位置ずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0020】
上記制御装置は、表示制御手段をさらに具備していてもよい。
前記表示制御手段は、前記座標値が前記実画面領域に属する場合に、前記実画面領域内の前記座標値の位置にポインタを表示するように、前記実画面の表示を制御する。
また、表示制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値に応じた、前記実画面領域の縁部上の位置に前記ポインタを表示するように、前記実画面の表示を制御する。
【0021】
本発明では、座標値が仮想画面領域に属する場合、実画面領域の縁部上にポインタが表示される。これにより、例えば、実画面領域の縁部近傍にアイコンなどが表示されている場合に、表示されているアイコンなどの操作が容易となる。
【0022】
上記制御装置において、前記座標値制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値を、前記実画面領域内の前記ポインタが表示されている位置に移行させるように、前記座標値を制御してもよい。あるいは、前記座標値制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値を、前記実画面領域の中心に移行させるように、前記座標値を制御してもよい。
【0023】
上記制御装置において、前記表示制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記実画面領域の前記縁部と、実画面領域の中心及び前記座標値を結ぶ直線との交点上に前記ポインタが表示されるように、前記表示を制御してもよい。
【0024】
上記制御装置において、前記表示制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値の移動に応じて、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタの表示態様を変化させてもよい。
【0025】
これにより、ポインタの座標値が仮想画面領域内に存在していること、及び、その座標値が仮想画面領域内のどの辺りに位置しているかをユーザに認識させることが可能となる。
【0026】
「ポインタの表示態様の変化」には、ポインタの回転、変形の度合いの変化、回転速度の変化、大きさの変化、色の変化、色の濃さの変化、点滅速度の変化、アニメーション表現による変化などが含まれる。
【0027】
上記制御装置において、前記表示制御手段は、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタが、前記仮想画面領域内の前記座標値の方向を指し示すように、前記ポインタの表示態様を変化させてもよい。
【0028】
これにより、ユーザは、仮想画面領域内のポインタの座標値の方向を容易に認識することができる。
【0029】
上記制御装置において、前記表示制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値と、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタとの距離に応じて、前記ポインタの表示態様を変化させてもよい。
【0030】
これにより、ユーザは、実画面領域の縁部上に表示されたポインタと、仮想画面領域内のポインタの座標値との距離を容易に認識することができる。
【0031】
上記制御装置において、前記受信部は、前記入力装置から送信される決定コマンドを受信してもよい。
この場合、前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ前記決定コマンドが受信されたときに、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御してもよい。
【0032】
上記制御装置において、表示制御手段をさらに具備する場合、前記表示制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記実画面領域内の所定領域に、前記全体画面領域に対する前記座標値の位置を示す表示物を有し、前記全体画面領域を示す小画面を表示してもよい。
【0033】
これにより、ユーザは、仮想画面領域内のポインタの座標値の位置を容易に視認することができる。
【0034】
上記制御装置において、前記記憶部は、前記入力装置の選択操作の対象となる選択操作対象を前記仮想画面領域の一部または全部に対応付けることで選択操作領域として記憶してもよい。
この場合、前記制御装置は、前記座標値が前記選択操作領域に属する場合に、前記選択操作対象に応じた処理を実行する処理手段をさらに具備していてもよい。
【0035】
これにより、ユーザは、入力装置を用いて、仮想画面領域内の選択操作領域を操作する感覚で、選択操作対象を操作することができる。
「選択操作対象」は、例えば、音量選択(音量コントロール)、放送番組等のチャンネル選択、動画の再生または停止の選択、早送りまたは巻き戻しの選択、静止画のコマ送り、コマ戻しの選択、その他、その他様々な選択項目となり得る対象である。
「選択操作領域」は、仮想画面領域だけでなく、実画面領域にも対応付けられていてもよい。
【0036】
本発明の他の形態に係る制御装置は、筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と反映させない第2の状態とを選択する選択部と、前記筐体の動きに関する情報を送信する送信部と、前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記情報の送信を制御する送信制御手段を有する入力装置から送信される前記情報に基づき前記座標値を制御する制御装置であって、受信部と、記憶部と、生成手段と、判定手段と、座標値制御手段とを具備する。
前記受信部は、前記情報を受信する。
前記生成手段は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0037】
本発明の一形態に係る入力装置は、筐体と、検出部と、選択部と、記憶部と、生成手段と、生成制御手段と、判定手段と、座標値制御手段とを有する
前記検出部は、前記筐体の動きを検出する。
前記選択部は、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と、反映させない第2の状態とを選択する。
前記記憶部は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記筐体の動きに基づいて、全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記生成制御手段は、前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記座標値の生成を制御する。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0038】
本発明の一形態に係る制御システムは、入力装置と、制御装置とを具備する。
前記入力装置は、筐体と、検出部と、選択部と、送信部とを有する。
前記検出部は、前記筐体の動きを検出する。
前記選択部は、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させるか否かを選択する。
前記送信部は、前記筐体の動きに関する第1の情報、及び前記筐体の動きを前記座標値の移動に反映させるか否かに関する第2の情報を送信する。
前記制御装置は、受信部と、記憶部と、生成手段と、切り替え手段と、判定手段と、座標値制御手段とを有する。
前記受信部は、前記第1の情報及び前記第2の情報を受信する。
前記記憶部は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記第1の情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記切り替え手段は、前記第2の情報に基づいて、前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とを切り替える。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0039】
本発明の他の形態に係る制御システムは、入力装置と、制御装置とを具備する。
前記入力装置は、筐体と、検出部と、選択部と、送信部と、送信制御手段とを有する。
前記検出部は、前記筐体の動きを検出する。
前記選択部は、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と反映させない第2の状態とを選択する。
前記送信部は、前記筐体の動きに関する情報を送信する。
前記送信制御手段は、前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記情報の送信を制御する。
前記制御装置は、受信部と、記憶部と、生成手段と、判定手段と、座標値制御手段とを有する。
前記受信部は、前記情報を受信する。
前記記憶部は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0040】
本発明の一形態に係るハンドヘルド装置は、筐体と、表示部と、検出部と、選択部と、記憶部と、生成手段と、生成制御手段と、判定手段と、座標値制御手段とを具備する。
前記表示部は、前記筐体に設けられる。
前記検出部は、前記筐体の動きを検出する。
前記選択部は、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と、前記筐体の動きを前記座標値の移動に反映させない第2の状態とを選択する。
前記記憶部は、前記表示部に表示される実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する。
前記生成手段は、前記筐体の動きに基づいて、全体画面領域内で前記座標値を生成する。
前記生成制御手段は、前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記座標値の生成を制御する。
前記判定手段は、前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する。
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する。
【0041】
本発明の一形態に係る制御方法は、実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶することを含む。
筐体の動きに基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値が生成される。
前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とが切り替えられる。
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかが判定される。
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値が制御される。
【0042】
以上の説明において、「〜手段」と記載された要素は、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの両方で実現されてもよい。ソフトウェア及びハードウェアの両方で実現される場合、そのハードウェアは、ソフトウェアのプログラムを格納する記憶デバイスを少なくとも含む。
ハードウェアは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、NIC(Network Interface Card)、WNIC(Wireless NIC)、モデム、光ディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリのうち少なくとも1つが選択的に用いられることで構成される。
【発明の効果】
【0043】
以上のように、本発明では、ユーザがポインタの移動の開始及び停止を切り替える際に、ポインタの表示位置と、入力装置の指し示す方向との相対位置がずれてしまうことを防止することができる制御装置等の技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係る制御システムを示す図である。
【図2】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【図3】入力装置を示す斜視図である。
【図4】入力装置の内部の構成を模式的に示す図である。
【図5】入力装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】センサユニットを示す斜視図である。
【図7】入力装置の動かし方及びこれによるポインタの動きの典型的な例を説明するための図である。
【図8】制御装置に記憶される全体画面領域を示す図である。
【図9】入力装置の動きに応じて、全体画面領域内のポインタの座標値が生成されるときの動作を説明するための図である。
【図10】ポインタの移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える場合の、制御システムの処理の一例を示す図である。
【図11】ポインタの移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える場合の、制御システムの処理の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域内の座標値であるか否かの判定方法の一例を示す図である。
【図14】第1の座標値に基づいて生成される第2の座標値の、生成方法の一例を示す図である。
【図15】図14に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【図16】図12に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きについての一連の流れを説明するための図である。
【図17】他の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】図17に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【図19】さらに別の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】図19に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【図21】仮想ポインタがコーナー領域に位置する場合に、仮想ポインタの位置に応じて、実ポインタの向きが変化される場合の一例を説明するための図である。
【図22】さらに別の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】図22に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【図24】さらに別の実施形態に係る制御装置により実画面領域に表示される実ポインタを示す図である。
【図25】さらに別の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図26】図25に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【図27】さらに別の実施形態の変形例を示す図である。
【図28】さらに別の実施形態の変形例を示す図である。
【図29】実画面領域の中心座標(原点(0、0))が基準とされた場合に、実ポインタと仮想ポインタの距離に応じて、実ポインタの形態が変化する場合の一例を示す図である。
【図30】仮想ポインタが仮想画面領域に存在する場合に実画面領域に表示されるインジケータを示す図である。
【図31】実画面領域に表示される小画面を示す図である。
【図32】さらに別の実施形態に係る制御装置が、仮想画面領域に対応付けて記憶する選択操作領域を示す図である。
【図33】さらに別の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図34】スイッチング速度が可変とされる場合の他の形態を説明するための図である。
【図35】選択操作領域に動画が設定されている場合の全体画面領域を示す図である。
【図36】さらに別の実施形態に係る制御装置が記憶する選択操作領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
[制御システムの全体構成及び各部の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御システムを示す図である。制御システム100は、表示装置5、制御装置40及び入力装置1を含む。
【0046】
図2は、表示装置5に表示される画面3の一例を示す図である。画面3上には、ポインタ2やアイコン4等のGUIが表示されている。ポインタ2は、例えば、矢羽の形状とされる。しかし、ポインタ2の形状は、これに限られない。例えば、単純な円形や、多角形などであってもよい。ポインタ2の形状は、特に限定されない。
アイコン4とは、コンピュータ上のプログラムの機能、実行コマンド、またはファイルの内容等が画面3上で画像化されたものである。
【0047】
表示装置5は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどにより構成される。表示装置5は、テレビジョン放送等を受信できるディスプレイと一体となった装置でもよし、このようなディスプレイと制御装置40とが一体となった装置でもよい。
【0048】
図3は、入力装置を示す斜視図である。図3に示すように、入力装置1は、筐体10と、筐体10の上部に配置された各種のボタン11〜14を有する操作部9とを備えている。
筐体10は、一方向に長い形状を有しており、ユーザの握った手に収まる程度の大きさとされる。
【0049】
操作部9は、筐体10の上部の先端部側に配置されたボタン11と、筐体10の上部の中央近傍に配置されたボタン12と、ボタン11及びボタン12の間に配置されたボタン13、14とを有する。
【0050】
ボタン11は、2段階的なスイッチングが可能な操作部とされている。ボタン11は、内部に光センサ8を有しており、この光センサ8が一段目のスイッチとして機能する。また、ボタン11は、筐体10の内部に、ボタン11が押圧されたことを検出するスイッチ23a(図4参照)が内蔵されており、このスイッチ23aが2段目のスイッチとして機能する。
【0051】
ボタン11の一段目のスイッチ(光センサ8)には、移動制御ボタンとしての機能、すなわち、ユーザが任意にポインタ2の移動を制御するための機能が割り当てられる。また、ボタン11の2段目のスイッチ(スイッチ23a)には、決定ボタンとしての機能(例えば、平面操作型のマウスの左ボタンに相当する機能)が割り当てられる。
【0052】
光センサ8は、反射型の光センサであり、例えば、LED(Light Emitting Diode)などにより構成された発光素子6と、フォトトランジスタなどにより構成された受光素子7とを含む。この光センサ8により、ボタン11の上方にユーザの指(例えば、親指)が存在するか否かが検出される。
【0053】
ボタン11の上方に、ユーザの指が存在する場合、発光素子6から出射された光がユーザの指により反射されて、受光素子7へ入射され、受光素子7から受光信号が出力される。制御システム100は、この受光信号に基づいて、ポインタ2が移動可能な状態と、ポインタ2が移動不能な状態とを切り替える。
【0054】
ここで、ユーザの指がボタン11の上方に存在する場合に画面3上でポインタ2が移動可能となる形態と、ユーザの指がボタン11の上方に存在しない場合に画面3上でポインタ2が移動可能となる形態とが挙げられる。制御システム100は、どちらの形態であっても構わないが、本実施形態では、便宜的に、ユーザの指がボタン11の上方に存在する場合に、ポインタ2が移動可能となる形態であるとして説明する。
【0055】
図3では、図示を省略しているが、光センサ8の上方には、光センサ8からされた出射された光、及びユーザの指により反射された光を集光する集光レンズ部材が配置される。集光レンズ部材は、例えば、ポリカーボネートや、アクリル系樹脂等の光透過性の樹脂により構成されるが、これらに限定されない。集光レンズ部材の上面は、ボタン11の上面と一体的に形成される。
【0056】
なお、一段目のスイッチとしては、光センサ8に限られず、例えば、静電容量センサなどの他のセンサが用いられても構わない。
【0057】
筐体10の中央近傍に設けられたボタン12には、マウスの右ボタンに相当する機能が割り当てられる。また、ボタン13、14には、音量の増減や、画面3上に表示される動画の早送り、巻き戻し、放送番組等のチャンネルのアップ、ダウンなどの機能が割り当てられる。
なお、ボタン11〜14の配置や、割り当てられる機能については、適宜変更可能である。
【0058】
図4は、入力装置1の内部の構成を模式的に示す図である。図5は、入力装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
【0059】
入力装置1は、センサユニット17、制御ユニット30、バッテリー24を備えている。
【0060】
図6は、センサユニット17を示す斜視図である。
【0061】
なお、本明細書中では、入力装置1とともに動く座標系、つまり、入力装置1に固定された座標系をX’軸、Y’軸、Z’軸で表す。一方、地球上で静止した座標系、つまり慣性座標系をX軸、Y軸、Z軸で表す。また、以降の説明では、入力装置1の動きに関し、X’軸周りの回転方向をピッチ方向、Y’軸周りの回転方向をヨー方向といい、Z’軸(ロール軸)周りの回転方向をロール方向と呼ぶ。
【0062】
センサユニット17は、互いに異なる角度、例えば、直交する2軸(X’軸及びY’軸)の周りの角速度を検出する角速度センサユニット15を有する。すなわち、角速度センサユニット15は、第1の角速度センサ151、及び第2の角速度センサ152の2つのセンサを含む。
【0063】
また、センサユニット17は、互いに直交する2軸に沿った加速度を検出する加速度センサユニット16を有する。すなわち、加速度センサユニット16は、第1の加速度センサ161、及び第2の加速度センサ162の2つセンサを含む。
【0064】
これらの角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16はパッケージングされ、回路基板25上に搭載されている。
【0065】
図6では、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16が回路基板25の片側の面(前面)に搭載された場合が示されている。しかし、これに限られず、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16は、回路基板の両面にそれぞれ分けて搭載されてもよい。この場合、回路基板25のサイズを小さくすることができ、その結果、回路基板25の剛性を高めることができる。
【0066】
角速度センサ151、152としては、角速度に比例したコリオリ力を検出する振動型のジャイロセンサが用いられる。加速度センサ161、162としては、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型等、どのようなタイプのセンサであってもよい。角速度センサ151、152としては、振動型ジャイロセンサに限られず、回転コマジャイロセンサ、レーザリングジャイロセンサ、ガスレートジャイロセンサ、あるいは、地磁気型ジャイロセンサ等が用いられてもよい。
【0067】
図4を参照して、筐体10の長手方向、幅方向、厚さ方向をそれぞれ、Z’軸方向、X’軸方向、Y’軸方向とする。この場合、上記センサユニット17は、回路基板25の、加速度センサユニット16及び角速度センサユニット15を搭載する面がX’−Y’平面に実質的に平行となるように、筐体10に内蔵される。これにより、両センサユニット15、16は、上記したように、X’軸及びY’軸に関する角速度及び加速度を検出する。
【0068】
図4及び図5を参照して、制御ユニット30は、メイン基板18、メイン基板18上にマウントされたMPU19(Micro Processing Unit)(あるいはCPU)、水晶発振器20、送受信機21、メイン基板18上にプリントされたアンテナ22を含む。また、制御ユニット30は、メイン基板18上に、上記各ボタン11〜14に対応して設けられたスイッチ23a〜23dを含む。
【0069】
メイン基板18と、回路基板25とは、例えば、FFC(Flexible Flat Cable)等により構成されたフレキシブルな導線26により、電気的に接続されている。また、メイン基板18と光センサ8とは、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)により構成されたフレキシブル基板27により、電気的に接続される。
【0070】
MPU19は、必要な揮発性及び不揮発性メモリを内蔵している。MPU19は、センサユニット17による検出信号、操作部による操作信号(光センサ8による受光信号を含む)等を入力し、これらの入力信号に応じた所定の制御信号を生成するため、各種の演算処理等を実行する。上記メモリは、MPU19とは別体で設けられていてもよい。
【0071】
典型的には、センサユニット17はアナログ信号を出力するものである。この場合、MPU19は、A/D(Analog/Digital)コンバータを含む。しかし、センサユニット17がA/Dコンバータを含むユニットであってもよい。
【0072】
送受信機21は、MPU19で生成された制御信号をRF無線信号として、アンテナ22を介して制御装置40に送信する。また、送受信機21は、制御装置40から送信された各種の信号を受信することも可能となっている。
【0073】
水晶発振器20は、クロックを生成し、これをMPU19に供給する。バッテリー24としては、乾電池または充電式電池等が用いられる。
【0074】
再び図1を参照して、制御装置40は、MPU35(あるいはCPU)、RAM36、ROM37、ビデオRAM41、表示制御部42、アンテナ39及び送受信機38を含む。
【0075】
送受信機38は、入力装置1から送信された制御信号を、アンテナ39を介して受信する。また、送受信機38は、入力装置1へ所定の各種の信号を送信することも可能となっている。MPU35は、その制御信号を解析し、各種の演算処理を実行する。表示制御部42は、MPU35の制御に応じて、主に、表示装置5の画面3上に表示するための画面データを生成する。ビデオRAM41は、表示制御部42の作業領域となり、生成された画面データを一時的に格納する。
【0076】
制御装置40は、入力装置1に専用の機器であってもよいが、PC等であってもよい。制御装置40は、入力装置に専用の機器に限られず、表示装置5と一体となったコンピュータであってもよいし、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、またはカーナビゲーション機器等であってもよい。
【0077】
次に、入力装置1の動かし方及びこれによるポインタ2の動きの典型的な例を説明する。図7はその説明図である。
【0078】
図7(A)、(B)に示すように、ユーザは、親指を上にした状態で、入力装置1を握り、入力装置1の先端側を表示装置5に向ける。この状態で、センサユニット17の回路基板25(図6参照)は、表示装置5の画面3に対して平行に近くなり、センサユニット17の検出軸である2軸が、画面3上の水平軸(X軸)及び垂直軸(Y軸)に対応するようになる。以下、このような図7(A)、(B)に示す入力装置1の姿勢を基本姿勢という。
【0079】
まず、ユーザは、基本姿勢の状態で、ボタン11の上方に親指を進入させ、ポインタ2を移動可能な状態とする。
【0080】
そして、図7(A)に示すように、基本姿勢の状態から、ユーザが手首や腕を左右方向、つまりヨー方向に振る。このとき、第1の加速度センサ161は、X’軸方向の加速度axを検出し、第1の角速度センサ151は、Y’軸の周りの角速度ωψを検出する。このように検出された検出値に基き、制御システム100は、ポインタ2が画面3上で水平軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
【0081】
一方、図7(B)に示すように、基本姿勢の状態で、ユーザが手首や腕を上下方向、つまりピッチ方向に振る。このとき、第2の加速度センサ162は、Y’軸方向の加速度ayを検出し、第2の角速度センサ152は、X’軸の周りの角速度ωθを検出する。これらの検出値に基き、制御システム100は、ポインタ2が画面3上での垂直軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
【0082】
次に、制御装置40が記憶する全体画面領域について説明する。
【0083】
図8は、制御装置40に記憶される全体画面領域を示す図である。
全体画面領域50は、実画面領域51と、仮想画面領域52とに区分され、例えば、制御装置40のROM37、RAM36、または、その他のメモリに記憶されている。
実画面領域51は、表示装置5に実際に表示される画面3に相当する領域であり、仮想画面領域52は、実画面領域51の周囲に設定された仮想的な領域である。
【0084】
実画面領域51の縦及び横のピクセル数は、それぞれXr、Yrとされる。全体画面領域50のピクセル数は、それぞれXv、Yvとされる。
実画面領域51の縦横のピクセル数(Xr、Yr)としては、例えば、(800、600)、(1280、1024)、(1920、1080)、(2048、1152)とされる。しかし、これらに限られず、もちろん他の値もとり得る。
【0085】
全体画面領域50の縦横のピクセル数(Xv、Yv)は、(Xr、Yr)よりも大きければよい。例えば、(Xr、Yr)が(800、600)のとき、(Xv、Yv)は、例えば、(1280、1024)またはそれ以上(またはそれ以下)の大きさとされる。あるいは(Xr、Yr)が(1920、1080)のとき、(Xv、Yv)は、(3920、3080)等である。しかし、(Xr、Yr)と(Xv、Yv)との組み合わせは、何であっても構わない。
【0086】
実画面領域51に対する全体画面領域50の大きさ(実画面領域51に対する仮想画面領域52の大きさ)は、制御装置40が実行する処理の内容に基づいて、変化されても構わない。例えば、制御装置40がゲームに関する処理を実行し、表示装置5にそのゲームが表示されている場合、実画面領域51に対して、全体画面領域50を、より大きく設定してもよい。また、例えば、制御装置40がインターネットに関する処理を実行し、表示装置5にWEB画像などが表示されている場合には、全体画面領域50は、ゲームに関する処理が実行されているときの全体画面領域50の大きさに対して、小さく設定されてもよい。
【0087】
詳細は、後述するが、制御装置40のMPU35は、実画面領域51及び仮想画面領域52を含む座標系(全体画面領域50の座標系)で座標値を生成する。この場合、生成された座標値が実画面領域51内の場合、その座標値は、実ポインタ2’の座標値となり、その生成された座標値が仮想画面領域52内の場合には、その座標値は、仮想ポインタ2"の座標値となる。
【0088】
ここで、実ポインタ2’とは、実画面領域51内に座標値が存在する場合に、その座標値に現実に表示されるポインタである。また、仮想ポインタ2"とは、仮想画面領域52内に座標値が存在する場合に、その座標値の位置に存在すると観念される仮想的なポインタである。
【0089】
なお、本明細書中において、単にポインタ2と言った場合には、実ポインタ2’及び仮想ポインタ2"の両方を含むこととする。
【0090】
全体画面領域50の座標系は、例えば、実画面領域50の中央が原点(0、0)とされる。そして、実画面領域51の4つのコーナーの座標値が、右上のコーナーの座標値から時計回りに順に、(X1、Y1)、(X1、−Y1)、(−X1、−Y1)、(−X1、Y1)とされる。また、全体画面領域50の4つのコーナー(仮想画面領域52の4つのコーナー)の座標値が、右上のコーナーの座標値から時計回りに順に、(X1+X2、Y1+Y2)、(X1+X2、−Y1−Y2)、(−X1−X2、−Y1−Y2)、(−X1−X2、Y1+Y2)とされる。
【0091】
なお、全体画面領域50のコーナー(仮想画面領域52のコーナー)の座標値は、上記したように、制御装置40が実行する処理内容により、変化されてもよい。
【0092】
図7では、仮想画面領域52が実画面領域51の周囲の全部に設定されている形態を示した。しかし、これに限られず、仮想画面領域52は、実画面領域51の周囲の一部に設定されていてもよい。
【0093】
[動作説明]
次に、制御システム100の処理について説明する。
【0094】
[入力装置1の動きに応じて、全体画面領域50の座標系で、座標値が生成されるときの処理]
まず、入力装置1の動きに応じて、全体画面領域50の座標系で、座標値が生成されるときの制御システム100の処理について説明する。
【0095】
図9は、そのときの動作を示すフローチャートである。なお、図9の説明では、便宜的に、全体画面領域50内で、常にポインタ2(実ポインタ2’及び仮想ポインタ2"を含む)が移動可能な状態であるとして説明する。
【0096】
図9に示すように、入力装置1のMPU19は、角速度センサユニット15から2軸の角速度信号が出力されると、この角速度信号による角速度値(ωψ、ωθ)を取得する(ステップ101)。
【0097】
また、MPU19は、加速度センサユニット16から2軸の加速度信号が出力されると、この2軸の加速度信号による加速度値(ax、ay)を取得する(ステップ102)。
【0098】
MPU19は、典型的には、角速度値(ωψ、ωθ)の取得(ステップ101)と、加速度値(ax、ay)の取得(ステップ102)とを同期して行う。しかしながら、角速度値(ωψ、ωθ)の取得と、加速度値(ax、ay)の取得とは、必ずしも同期して(同時に)行われなくてもよい。例えば、MPU19は、角速度値(ωψ、ωθ)を取得した後に、加速度値(ax、ay)を取得してもよいし、加速度値(ax、ay)を取得した後に、角速度値(ωψ、ωθ)を取得してもよい。
【0099】
MPU19は、加速度値(ax、ay)及び角速度値(ωψ、ωθ)に基いて、所定の演算により速度値(第1の速度値Vx、第2の速度値Vy)を算出する(ステップ103)。第1の速度値VxはX’軸に沿う方向の速度値であり、第2の速度値VyはY’軸に沿う方向の速度値である。
【0100】
速度値の算出方法としては、MPU19が加速度値(ax、ay)を角加速度値(Δωψ、Δωθ)で割ることで、入力装置1の動きの回転半径(Rψ、Rθ)を求め、この回転半径(Rψ、Rθ)に角速度値(ωψ、ωθ)を乗じて、速度値を算出する方法が挙げられる。回転半径(Rψ、Rθ)は、加速度の変化率(Δax、Δay)を、角加速度の変化率(Δ(Δωψ)、Δ(Δωθ))で割ることで求められてもよい。回転半径(Rψ、Rθ)が、加速度の変化率(Δax、Δay)を、角加速度の変化率(Δ(Δωψ)、Δ(Δωθ))で割ることで求められた場合、重力加速度の影響を排除することができる。
【0101】
このような算出方法により、速度値が算出されることで、ユーザの直感に合致した入力装置1の操作感が得られ、また、画面3上のポインタ2の動きも入力装置1の動きに正確に合致する。しかしながら、速度値(Vx、Vy)は、必ずしも上記算出方法により、算出されなくてもよい。
【0102】
速度値(Vx、Vy)の算出方法の他の例としては、MPU19が、例えば加速度値(ax、ay)を積分して速度値を求め、かつ、角速度値(ωψ、ωθ)をその積分演算の補助として用いる方法が挙げられる。あるいは、加速度値(ax、ay)が単純に積分されて速度値(Vx、Vy)が算出されても構わない。あるいは、検出された角速度値(ωψ、ωθ)が、ポインタ2の変位の情報として用いられてもよい。
MPU19は、算出された速度値(Vx、Vy)の情報を、送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する(ステップ104)。
【0103】
制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、速度値(Vx、Vy)の情報を受信する(ステップ105)。この場合、入力装置1は、所定のクロックごとに、つまり所定時間ごとに速度値(Vx、Vy)を送信し、制御装置40は、所定のクロック数ごとに速度値を受信する。
【0104】
制御装置40のMPU35は、速度値を受信すると、下の式(1)、(2)により、速度値(Vx、Vy)を前回の座標値(X(t-1)、Y(t-1))に加算することで、新たな座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ106)。
X(t) =X(t-1)+Vx・・・(1)
Y(t) =Y(t-1)+Vy・・・(2)
【0105】
新たに生成された座標値(X(t)、Y(t))は、全体画面領域50内の座標値であるので(図8参照)、この座標値(X(t)、Y(t))は、以下の式(3)、(4)を満たす。
−X1−X2≦X(t)≦X1+X2・・・(3)
−Y1−Y2≦Y(t)≦Y1+Y2・・・(4)
【0106】
全体画面領域50内で、新たな座標値(X(t)、Y(t))が生成されると、MPU35は、生成された座標値の位置に応じて、ポインタ2(実ポインタ2’)の表示を制御する(ステップ107)。
【0107】
なお、本実施形態では、生成された座標値が実画面領域51内である場合には、実画面領域51内の座標値の位置にポインタ2(実ポインタ2’)が表示され、仮想画面領域52内である場合には、仮想画面領域52内の座標値に応じた位置(実画面領域51の縁部53上)にポインタ2(実ポインタ2’)が表示される。ポインタ2の表示位置についての詳細については、後述する。
【0108】
ここで、速度値の算出(Vx、Vy)は、制御装置40が実行しても構わない。この場合、入力装置1は、角速度値(ωψ、ωθ)及び加速度値(ax、ay)の情報を送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する。制御装置40は、アンテナ39及び送受信機38を介して受信された角速度値(ωψ、ωθ)及び加速度値(ax、ay)の情報に基づき、速度値(Vx、Vy)を算出する。速度値の算出方法は、上記した通りである。
【0109】
[ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替えるために、制御装置100が実行する処理]
次に、ユーザによりボタン11(一段目)が操作された場合に、その操作に応じて、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替えるために、制御システム100が実行する処理について説明する。以降では、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える方法について、いくつか例示して説明する。
【0110】
図10及び図11は、それぞれ、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える場合の、制御システム100の処理の一例を示す図である。
【0111】
図10に示すように、入力装置1のMPU19は、ボタン11の一段目(光センサ8)がONの状態であるか否かを判定する(ステップ1101)。ユーザが入力装置1のボタン11の上方に親指を進入させると、光センサ8の発光素子6からから出射された光が親指により反射され、受光素子7に入射される。受光素子7に光が入射されると、受光素子7から受光信号が出力され、MPU19に入力される。この場合、MPU19は、ボタン11の一段目(光センサ8)がONの状態であると判定する。
【0112】
ボタン11の一段目がONの状態である場合(ステップ1101のYES)、MPU19は、速度値(Vx、Vy)の情報(第1の情報)と、ポインタ2の移動可の情報(第2の情報)とを制御装置40へを送信する(ステップ1102)。
【0113】
一方、ボタン11の一段目がOFFの状態である場合(ステップ1101のNO)、MPU19は、速度値(Vx、Vy)の情報(第1の情報)と、ポインタ2の移動否の情報(第2の情報)とを制御装置40へ送信する(ステップ1103)。
【0114】
すなわち、入力装置1のMPU19は、速度値の情報及びポインタ2の移動の可否の情報の2つの情報を制御装置40へ送信する。
【0115】
制御装置40のMPU35は、入力装置1から送信されるポインタ2の移動可の情報、または、移動否の情報に基づき、ポインタ2が移動可能な状態であるか否かを判定する(ステップ1104)。
【0116】
ポインタ2が移動可能な状態である場合(ステップ1104のYES)、上記式(1)、(2)により、全体画面領域50の座標系で、座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ1105)。
【0117】
一方、ポインタ2が移動不能な状態である場合(ステップ1104のNO)、MPU35は、座標値(X(t)、Y(t))として、前回の座標値(X(t-1)、Y(t-1))を用いる(ステップ1106)。あるいは、MPU35は、ステップ1106において、前回の座標値(X(t-1)、Y(t-1))に、(0、0)を加算する処理を実行してもよい。
【0118】
全体画面領域50内で、座標値(X(t)、Y(t))が生成されると、MPU35は、生成された座標値の位置に応じて、ポインタ2(実ポインタ2’)の表示を制御する(ステップ1107)。
【0119】
このような処理により、ユーザは、ボタン11の上方に親指を進入させたり、ボタン11の上方から親指を外したりすることで、ポインタ2の移動の開始及び停止を任意に選択することができる。
【0120】
入力装置1のMPU19は、ステップ1102において、ポインタ2の移動可の情報の代わりに、ボタン11の一段目(光センサ8)がONの状態であることを示す情報を送信してもよい。同様に、MPU19は、ステップ1103において、ポインタ2の移動否の情報の代わりに、ボタン11の一段目(光センサ8)がOFFの状態であることを示す情報を送信してもよい。この場合、制御装置のMPU35は、ステップ1104において、ボタン11の一段目(光センサ8)がONの状態であるか、OFFの状態であるかを判定すればよい。このような処理によっても、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替えることができる。
【0121】
次に、図11に示す処理について説明する。
図11に示すように、入力装置1のMPU19は、ボタン11の一段目(光センサ8)がONの状態であるか否かを判定する(ステップ1201)。
【0122】
ボタン11の一段目がONの状態である場合(ステップ1201のYES)、MPU19は、速度値(Vx、Vy)の情報を制御装置40へを送信する(ステップ1202)。
【0123】
一方、ボタン11の一段目(光センサ8)がOFFの状態である場合(ステップ1201のNO)、MPU19は、速度値(Vx、Vy)の情報を制御装置40へ送信せず(ステップ1203)、ステップ1201へ戻る。
【0124】
ここで、図11の場合、図10で示した処理と異なり、入力装置1が制御装置40へ信号を送信する場合、2つの情報(速度値の情報及び移動の可否の情報)を送信する必要はなく、速度値の情報を送信すれば足りる。
【0125】
制御装置40のMPU35は、入力装置1からの速度値(Vx、Vy)の情報が受信されたか否かを判定する(ステップ1204)。速度値(Vx、Vy)の情報が受信された場合(ステップ1204のYES)、上記式(1)、(2)により、全体画面領域50の座標系で、座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ1205)。
【0126】
一方、入力装置1から速度値(Vx、Vy)の情報が受信されない場合(ステップ1204のNO)、MPU35は、座標値(X(t)、Y(t))として、前回の座標値(X(t-1)、Y(t-1))を用いる(ステップ1206)。あるいは、MPU35は、ステップ1206において、前回の座標値(X(t-1)、Y(t-1))に、(0、0)を加算する処理を実行してもよい。
【0127】
全体画面領域50内で、座標値(X(t)、Y(t))が生成されると、MPU35は、生成された座標値の位置に応じて、ポインタ2(実ポインタ2’)の表示を制御する(ステップ1207)。
【0128】
入力装置1のMPU19は、ステップ1203において、速度値を(0、0)として制御装置40へ送信してもよい。すなわち、ボタン11の一段目(光センサ8)がOFFの状態である場合、MPU19は、速度値を(0、0)として制御装置40へ送信してもよい。このような処理によっても、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替えることができる。
【0129】
[制御装置の処理及び全体画面領域内の実ポインタ2’、仮想ポインタ2"の動き]
次に、本実施形態に係る制御システム100が有する制御装置40の処理をさらに詳しく説明するとともに、全体画面領域50内の、実ポインタ2’及び仮想ポインタ2"の動きについて説明する。
【0130】
図12は、本実施形態に係る制御装置40の動作を示すフローチャートである。
【0131】
図12では、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える方法について、図10で示した切り替えの方法が適用された場合について説明する。
なお、図12以降の説明では、図9のステップ106、図10のステップ1105、1106等で示した処理により生成される座標値であって、全体画面領域50内で、1つ決定される座標値を便宜的に第1の座標値と呼ぶ。また、図12の説明は、後述の図13〜図16を参照しつつ説明する。
【0132】
図12に示すように、制御装置40のMPU35は、入力装置1から送信されるポインタ2の移動可の情報、または、移動否の情報に基づき、ポインタ2が移動可能な状態であるか否かを判定する(ステップ201)。
【0133】
ポインタ2が移動可能な状態である場合(ステップ201のYES)、制御装置40のMPU35は、入力装置1から送信されてくる速度値の情報(Vx、Vy)に基づいて、全体画面領域50内で、第1の座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ202)。
【0134】
第1の座標値(X(t)、Y(t))が生成されると、MPU35は、その座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値であるか否かを判定する(ステップ203)。
【0135】
図13は、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値であるか否かの判定方法の一例を示す図である。
【0136】
制御装置40のMPU35は、下記式(5)により、第1の座標値のX軸成分であるX(t)が、実画面領域51の左側の縁部53の座標値のX軸成分−X1と、右側の縁部53の座標値のX軸成分X1との座標値の間の値であるか否かを判定する(ステップ301)。
−X1<X(t)<X1・・・(5)
【0137】
上記式(5)を満たさない場合(ステップ301のNO)、つまり、X(t)が実画面領域51の左側の縁部53と、右側の縁部53との間の値でない場合、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値であると判定する(ステップ304)。
【0138】
上記式(5)を満たす場合(ステップ301のYES)、ステップ302に進む。ステップ302では、MPU35は、下記式(6)により、第1の座標値のY軸成分であるY(t)が、実画面領域51の下方の縁部53の座標値のY軸成分−Y1と、上方の縁部53の座標値のY軸成分Y1との間の値であるか否かを判定する(ステップ302)。
−Y1<Y(t)<Y1・・・(6)
【0139】
上記式(6)を満たさない場合(ステップ302のNO)、つまり、Y(t)が実画面領域51の下方の縁部53と、上方の縁部53との間の値でない場合、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値であると判定する(ステップ304)。
【0140】
一方、上記式(6)を満たす場合(ステップ302のYES)、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値でないと判定する(ステップ303)。
【0141】
再び図12を参照して、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内にない場合(ステップ203のNO)、すなわち、第1の座標値が実画面領域51内である場合、MPU35は、その座標値(X(t)、Y(t))の位置に実ポインタ2’が表示されるように、画面3の表示を制御する(ステップ204)。
【0142】
一方、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ203のYES)、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))に基づいて、第2の座標値(X'(t)、Y'(t))を生成する(ステップ205)。
【0143】
ここで、第2の座標値(X'(t)、Y'(t))とは、第1の座標値(X(t)、Y(t))に基づいて、生成される、実画面領域51内の座標値である。本実施形態では、この第2の座標値(X'(t)、Y'(t))は、実画面領域51の縁部53上の座標値とされる。
【0144】
MPU35は、第2の座標値を生成すると、この第2の座標値(X'(t)、Y'(t))の位置に実ポインタ2’を表示するように、画面3上の表示を制御する。この場合、上記したように、第2の座標値(X'(t)、Y'(t))は、実画面領域51の縁部上の座標値とされているので、実ポインタ2’は、画面3上の縁部に表示されることになる。
【0145】
第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値である場合、その座標値(X(t)、Y(t))の位置に仮想ポインタ2"が存在すると観念することができる。従って、ステップ205及びステップ206に示す処理により、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t)、Y(t))に応じた位置(第2の座標値(X'(t)、Y'(t)))に、実ポインタ2’が画面3上で表示されると考えることができる。
【0146】
図14は、図12のステップ205により、第1の座標値に基づいて生成される第2の座標値の、生成方法の一例を示す図である。
【0147】
制御装置40のMPU35は、第1の座標値のX軸成分であるX(t)が、実画面領域51の右側の縁部53の座標値のX軸成分X1よりも大きいかを判定する(ステップ401)。
第1の座標値のX軸成分X(t)が、X1よりも大きい場合(ステップ401のYES)、MPU35は、第2の座標値のX軸成分であるX'(t)をX1とする(ステップ402)。
【0148】
一方、第1の座標値のX軸成分X(t)が、X1以下の場合、次のステップ403に進む。ステップ403では、第1の座標値のX軸成分X(t)が、実画面領域51の左側の縁部53の座標値のX軸成分−X1よりも小さいかを判定する。
【0149】
第1の座標値のX軸成分X(t)が、−X1よりも小さい場合(ステップ403のYES)、MPU35は、第2の座標値のX軸成分X'(t)を−X1とする(ステップ404)。
一方、第1の座標値のX軸成分X(t)が、−X1以上の値である場合(ステップ403のNO)、第2の座標値のX軸成分X'(t)を、第1の座標値のX軸成分X(t)とする(ステップ405)。
【0150】
次に、MPU35は、第1の座標値のY軸成分Y(t)が、実画面領域51の上方の縁部53の座標値のY軸成分Y1よりも大きいかを判定する(ステップ406)。第1の座標値のY軸成分Y(t)が、Y1よりも大きいも大きい場合(ステップ406のYES)、MPU35は、第2の座標値のY軸成分Y'(t)を、Y1とする(ステップ407)。
【0151】
一方、第1の座標値のY軸成分Y(t)が、Y1以下の値である場合(ステップ406のNO)、MPU35は、ステップ408に進む。ステップ408では、第1の座標値のY軸成分Y(t)が、実画面領域51の下方の縁部53の座標値のY軸成分−Y1よりも小さいかを判定する。
【0152】
第1の座標値のY軸成分Y(t)が、−Y1よりも小さい場合(ステップ408のYES)、第2の座標値のY軸成分Y'(t)を、−Y1とする(ステップ409)。
一方、第1の座標値のY軸成分Y(t)が、−Y1以上の値である場合(ステップ408のNO)、第2の座標値のY軸成分Y'(t)を、第1の座標値のY軸成分Y(t)とする。
【0153】
図15は、図14に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
図15に示すように、実ポインタ2’は、実画面領域51の縁部上で、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t2)、Y(t2))〜(X(t7)、Y(t7)))に応じた座標値(第2の座標値(−X1、Y(t2))〜(X(t7)、−Y1)に表示される。
【0154】
このような、仮想ポインタ2"及び実ポインタ2’の動きにより、ユーザは、ポインタ2を実画面領域51よりも広い全体画面領域50内で操作している感覚で、ポインタ2を操作することができる。また、画面3(実画面領域51)の縁部において、ポインタ2の表示位置と入力装置1の指し示す方向との相対位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0155】
再び、図12の説明に戻る。ステップ201において、ポインタ2が移動可能な状態でない場合(ステップ201のNO)、すなわち、入力装置1からの移動否の情報が受信された場合、MPU35は、ステップ207に進む。
【0156】
ポインタ2が移動不能な状態である場合、MPU35は、第1の座標値として、前回の座標値を用いる(ステップ207)。次に、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))が、仮想画面領域52内の座標値であるかを判定する(ステップ208)。この場合、例えば、上記した図13に示すような処理により、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値であるかが判定される。
【0157】
第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値でない場合(ステップ208のNO)、つまり、第1の座標値(X(t)、Y(t))が、実画面領域51内の座標値である場合、MPU35は、第1の座標値の位置に実ポインタ2’を表示させる(ステップ204)。
【0158】
一方、第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ208のYES)、MPU35は、次のステップ209に進む。ステップ209では、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))を、第2の座標値(X'(t)、Y'(t))の位置に移動させる処理を実行する(ステップ204)。すなわち、MPU35は、仮想ポインタ2"の座標値を実ポインタ2’の座標値に合わせる処理を実行する。この場合、第1の座標値が、実画面領域51に移動されるので、仮想ポインタ2"は、消去されることになる。
【0159】
MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))を第2の座標値(X'(t)、Y'(t))の位置に移動させると、第1の座標値(X(t)、Y(t))の位置に、実ポインタ2’を表示させる(ステップ204)。
【0160】
図16は、図12に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ2"及び実ポインタ2’の動きについての一連の流れを説明するための図である。
【0161】
例えば、図16の(a)に示す位置に実ポインタ2’が停止された状態で、表示されているとする。ユーザが入力装置1のボタン11の上方から親指を外している状態では、実ポインタ2’は、画面3上では、移動されない(図12、ステップ201のNO→ステップ208のNO→ステップ204のループ)。
【0162】
ユーザは、入力装置1の先端部を図16(a)の位置に表示されている実ポインタ2’の方向へ向け、入力装置1のボタン11の上方に親指を進入させる。これにより、実ポインタ2’が移動可能な状態となる。次に、例えば、ユーザが入力装置1を空間操作し、実ポインタ2’を例えば、図16(b)に示す位置まで移動させたとする(図12、ステップ201のYES→ステップ203のNO→ステップ204のループ)。
【0163】
実ポインタ2’が図16(b)に示す位置を超えた場合、すなわち、実画面領域51の縁部53を超えた場合、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t)、Y(t)))に応じて、実ポインタ2’が画面3の縁部に沿って移動される(ステップ201のYES→ステップ203のYES→ステップ206のループ)。
【0164】
ユーザが入力装置1を空間操作し、仮想ポインタ2"が図16(c)に示す位置まで移動されたとする。このとき、実ポインタ2’は、図16(c’)に示す位置に表示される。
仮想ポインタ2"が図16(c)に示す位置に存在する場合に、ユーザが入力装置のボタン11の上方から親指を外したとする。この場合、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t)、Y(t)))が、実ポインタ2’の座標値(第2の座標値(X'(t)、Y'(t)))の位置に移動される(ステップ201のNO→ステップ208のYES→ステップ204)。この場合、第1の座標値(X(t)、Y(t))が実画面領域51に移動されるので、仮想ポインタ2"は、仮想画面領域52に存在しない状態となる。
【0165】
ユーザがボタン11の上方から親指を外した状態では、図16(c’)の位置に表示されている実ポインタ2’は、移動されない。ユーザは、入力装置1の先端部を図16(c’)の位置に表示されている実ポインタ2’の方向へ向け、入力装置1のボタン11の上方に親指を進入させる。入力装置1の上方に親指が進入されると、実ポインタ2’が移動可能な状態となる。ユーザは、入力装置1を空間操作し、実ポインタ2’を、図16(c’)に示す位置から図16の(d)に示す位置まで移動させ、ボタン11の上方から親指を外す。すると、図16の(d)に示す位置で実ポインタ2’が停止された状態となる。
【0166】
ここで、仮想ポインタ2"が図16(c)に示す位置に存在している場合であって、ユーザがボタン11の上方から親指を外した場合に、仮想ポインタ2"の座標値((X(t)、Y(t))が実ポインタ2’の座標値(X'(t)、Y'(t))に移動されない場合を想定する。
【0167】
この場合、ユーザがボタン11の上方から親指を外すことにより、仮想ポインタ2"は、仮想画面領域52内で、図16(c)に示す位置で停止され、実ポインタ2’は、実画面領域51の縁部53上で、図16(c’)に示す位置で停止される。
ユーザは、図16(c’)の位置に表示された実ポインタ2’については、視認することができるが、図16(c)の位置に存在する仮想ポインタ2"については、視認することができない。
【0168】
図16の(c’)に示す位置に表示された実ポインタ2’の移動を再開させようとする場合、ユーザは、人間の心理として、入力装置1の先端部を、視認することができる実ポインタ2’の方向へ向ける。そして、ボタン11の上方に親指を進入させて、実ポインタ2’を移動可能な状態とする。
【0169】
しかしながら、この場合、ポインタ2の実質的な座標値は、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t)、Y(t)))であって、実ポインタ2’の座標値(第2の座標値(X'(t)、Y'(t)))ではない。
例えば、ユーザが図16(c’)の位置に表示された実ポインタ2’を右側に移動させようとして、入力装置1を右方向に振ったとする。この場合、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値)が、実画面領域51の左側の縁部53に達するまで、実ポインタ2’は、右側には移動されない。
【0170】
図16(c’)の位置に表示された実ポインタ2’が、実画面領域51の左側の縁部53から右側に移動が開始されるときには、入力装置1の先端部は、図16(c’)の位置よりも右側を指し示していることになる。
つまり、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値(X(t)、Y(t))と、実ポインタ2’(第2の座標値(X'(t)、Y'(t)))の差の分だけ、ポインタ2の表示位置と、入力装置1の先端部が指し示す方向とにずれが生じてしまうことになる。これにより、ユーザが違和感を覚えてしまう。
【0171】
そこで、本実施形態に係る制御装置40では、仮想画面領域52内に仮想ポインタ2"が存在する場合であって、仮想ポインタ2"の移動が停止された場合に、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値)を実ポインタ2’の座標値(第2の座標値)の位置に移動させることとしている。
【0172】
これにより、例えば、図16(c’)に示す位置に表示された実ポインタ2’の移動を再開させようとして、ユーザが入力装置1の先端部を実ポインタ2’の方向へ向けたとき、ポインタ2の実質的な座標値は、実ポインタ2’の表示位置に移動していることになる。
これにより、ポインタ2の表示位置と、入力装置1の先端部が指し示す方向とにずれが生じてしまうことを防止することができ、ユーザは、違和感なく、直感的にポインタ2を操作することができる。
【0173】
[第1実施形態の各種変形例]
本実施形態の説明では、ユーザがボタン11の上方から親指を外したときに、第1の座標値(仮想ポインタ2"の座標値)が第2の座標値(実ポインタ2’の座標値)の位置に移動されるとして説明した。しかし、ユーザがボタン11の上方に進入させたときに、第1の座標値を第2の座標値の位置に移動させても構わない。このような処理によっても同様の効果を得ることができる。
【0174】
図12、ステップ209において、MPU35は、第1の座標値(X(t)、Y(t))(仮想ポインタ2"の座標値)を第2の座標値(実ポインタ2’の座標値)に移動させるとして説明した。しかし、第1の座標値が移動される位置は、これに限られない。典型的には、第1の座標値が移動される位置は、実画面領域51内のいずれかの位置であればよい。例えば、第1の座標値を実画面領域51の中央(原点(0、0))へ移動させても構わない。
【0175】
仮想ポインタ2"が存在する場合に、実ポインタ2’が表示される位置は、画面(実画面領域51)の縁部上に限定されない。例えば、画面の縁部から少し離れた位置に表示させても構わない。
【0176】
第1の座標値(X(t)、Y(t))が仮想画面領域52内である場合(仮想ポインタ2"が存在する場合)に、必ずしも実ポインタ2’が表示されなくてもよい。つまり、MPU35は、第1の座標値が仮想画面領域52内である場合、実ポインタ2’を消去する処理を実行しても構わない。なお、この場合、第2の座標値は、必ずしも生成されなくてもよい。
【0177】
図12では、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える方法について、図10で示した切り替えの方法が適用された場合について説明した。しかし、ポインタ2の移動可能状態と、移動不能状態とを切り替える方法については、図11で示した切り替えの方法が適用されてもよい。この場合、制御装置40のMPU35は、ステップ201において、入力装置1から速度値の情報が受信されたか否かを判定すればよい。このことは、後述する各実施形態においても同様である。
【0178】
図12で説明した制御装置40の処理、すなわち、ポインタ2の座標値の管理に関する処理は、主に入力装置1が実行しても構わない。この場合、入力装置1が全体画面領域50を記憶すればよい。入力装置1は、記憶された全体画面領域50内で、ポインタ2の座標値を管理すればよい。後述する各実施形態においても、同様に、主に入力装置1がポインタの座標値の管理などに関する処理を実行してもよい。
【0179】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る制御システム100について説明する。
第2実施形態の説明では、第2実施形態に係る制御システム100が有する制御装置40の動作を中心に説明する。
【0180】
第2実施形態では、ユーザがボタン11の上方から親指を外したときだけでなく、入力装置1から決定コマンドが送信されてきたときにも、仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値)が実画面領域51に移動される点において、上述の第1実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。
【0181】
図17は、第2実施形態に係る制御装置40の動作を示すフローチャートである。図18は、図17に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【0182】
ステップ501〜ステップ509では、上述の図12に示したステップ201〜ステップ209と同等の処理が実行される。
【0183】
制御装置40のMPU35は、ポインタ2の移動可の情報を受信すると(ステップ501のYES)、速度値の情報に基づき、第1の座標値を生成し(ステップ502)、第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値であるかを判定する(ステップ503)。第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ503のYES)、MPU35は、第1の座標値に基づいて、第2の座標値を生成し(ステップ505)、第2の座標値の位置に実ポインタ2’を表示する(ステップ506)。
【0184】
次に、MPU35は、入力装置1からの決定コマンドが受信されたか否かを判定する(ステップ510)。決定コマンドが受信されていない場合(ステップ501のNO)、MPU35は、ステップ501に戻り、ステップ501以降の処理を実行する。
【0185】
ユーザが入力装置1のボタン11の上方に親指を位置させている状態から、ボタン11を押圧し、その押圧を解除する。ユーザがボタン11の押圧を解除すると、入力装置1から、送受信機21及びアンテナ22を介して、決定コマンドが制御装置40へ送信される。入力装置1は、ボタン11の押圧が解除されたときではなく、ボタン11が押圧されたときに決定コマンドを送信してもよい。
【0186】
入力装置1から決定コマンドが送信されると、アンテナ39及び送受信機38を介して、制御装置40のMPU35に入力される(ステップ510のYES)。決定コマンドが入力されると、MPU35は、第2の座標値に応じて、所定の処理を実行する(ステップ511)。すなわち、MPU35は、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52に存在する場合に、実画面領域51の縁部53上に表示された実ポインタ2’の座標値の位置に応じて、所定の処理を実行する。例えば、実画面領域51の縁部53上に表示された実ポインタ2’がアイコン4上である場合、そのアイコン4に応じた処理を実行する。
【0187】
次に、MPU35は、第1の座標値(仮想ポインタ2"の座標値)を、実画面領域51の中央である原点(0、0)に移動させる(ステップ512)。この場合、実画面領域51の中央に実ポインタ2’が表示され、仮想ポインタ2"は、消去されることになる。
【0188】
ユーザは、再びポインタ2の移動を開始する場合、入力装置1の先端部を画面3の中央に表示された実ポインタ2’に向け、ボタン11の上方に親指を進入させることで、ポインタの移動を開始すればよい。
【0189】
なお、第1の座標値が実画面領域51内にある場合に、決定コマンドが受信された場合(ステップ513)、第1の座標値に応じて、所定の処理が実行される(ステップ514)。
【0190】
図18を参照して、図17に示した処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例について説明する。
図18に示すように、画面3上には、実画面領域51の左側の縁部53に沿って、複数のアイコン4が表示されている。
【0191】
例えば、図18(a)に示す位置に実ポインタ2’が停止された状態で、表示されているとする。ユーザは、入力装置1の先端部を図18(a)に示す位置に表示されている実ポインタ2’に向け、ボタン11の上方に親指を進入させ、ポインタ2を移動可能な状態とする。そして、入力装置1を空間操作し、実画面領域51の縁部53に沿って配置されたアイコン4の位置まで実ポインタ2’を移動させる。
【0192】
第1の座標値が仮想画面領域52に入り、例えば、図18(b)に示す位置に仮想ポインタ2"が移動したとする。この場合、第1の座標値に基づいて第2の座標が生成され、仮想ポインタ2"の位置に応じた位置であって、実画面領域51の縁部53上の位置に実ポインタ2’が表示される(図18(b’)参照)。
【0193】
ユーザがボタン11の上方に親指を位置させた状態から、ボタン11を押圧し、その押圧を解除したとする。この場合、図18(b’)の位置に表示された実ポインタ2’の位置に対応するアイコン4に関する処理が画面3上で実行される(ステップ510及びステップ511)。
【0194】
そして、図18(b)の位置に存在する仮想ポインタ2"の座標値(第1の座標値)が、原点(0、0)に移動されることで(ステップ512)、仮想ポインタ2"が消去され、実ポインタ2’が画面3の中央に表示される(図18(c)参照)。
ユーザは、再びポインタ2の移動を開始する場合、入力装置1の先端部を画面3の中央に表示された実ポインタ2’に向け、ボタン11の上方に親指を進入させることで、ポインタ2の移動を開始する。
【0195】
図17に示す処理により、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ポインタ2の表示位置と、入力装置1の先端部が指し示す方向とにずれが生じてしまうことを防止することができる。
また、第2実施形態では、決定コマンドが発行されたときに、実ポインタ2’が画面の中央に移動される構成とされているので、ユーザは、実ポインタ2’が画面3の中央に移動されることで、決定コマンドが発行されたことを容易に認識することができる。
【0196】
MPU35は、決定コマンドが受信されたときに、必ずしも第1の座標値を実画面領域51の中央に移動させなくてもよい。典型的には、第1の座標値は、実画面領域のいずれかの位置に移動されればよい。例えば、図12のステップ209及び図17のステップ509と同様に、第1の座標値(仮想ポインタ2"の座標値)を第2の座標値(実ポインタ2’の座標値)の位置に移動させても構わない。
【0197】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0198】
上述のように、仮想ポインタ2"は、仮想画面領域52内に存在すると観念される仮想的なポインタであるため、ユーザは、仮想ポインタ2"を視認することができない。これにより、ユーザが仮想画面領域52内で仮想ポインタ2"を移動させているときに、仮想ポインタ2"の位置がわからなくなってしまう場合がある。
そこで、第3実施形態〜第8実施形態では、ユーザに仮想画面領域52内に存在する仮想ポインタ2"の位置を認識させるための処理が実行される。
【0199】
なお、第3実施形態以降の説明では、上述の第1実施形態と異なる点を中心に説明するが、第3実施形態以降の各実施形態は、第2実施形態に適用されても構わない。
【0200】
図19は、第3実施形態に係る制御装置40の動作を示すフローチャートである。
図20は、図19に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【0201】
図20に示すように、仮想画面領域52は、実画面領域51の左、左下、下、右下、右、右上、上、左上の8つの領域52a〜52hに区分される。なお、以降の説明では、8つに区分された仮想画面領域52a〜52hのうち、実画面領域51の左、下、右、上の4つの仮想画面領域52を、縦横領域52a、52c、52e、52gと呼ぶ。一方、実画面領域の左下、右下、右上、左上の4つの仮想画面領域52を、コーナー領域52b、52d、52f、52hと呼ぶ。
【0202】
図19のステップ606〜ステップ608以外の処理は、図12に示した処理と同様の処理が実行される。
【0203】
制御装置40のMPU35は、ポインタ2の移動可の情報を受信すると(ステップ601のYES)、速度値の情報に基づき、第1の座標値を生成し(ステップ602)、第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値であるかを判定する(ステップ603)。第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ603のYES)、MPU35は、第1の座標値に基づいて、第2の座標値を生成する(ステップ605)。
制御装置40のMPU35は、第2の座標値を生成すると、第1の座標値が8つに区分された仮想画面領域52a〜52hのどこの領域に位置するかを判定する(ステップ606)。
【0204】
次に、MPU35は、判定された仮想画面領域52a〜52hに応じて、実画面領域51の縁部53上に表示される実ポインタ2’の向きを決定する(ステップ607)。
例えば、第1の座標値が、実画面領域51の左側の仮想画面領域52aに位置する場合、実ポインタ2’の向きは、左向きであると決定される。同様に、第1の座標値が実画面領域51の下の仮想画面領域52c、右の仮想画面領域52e、上の仮想画面領域52gに位置する場合、それぞれ実ポインタ2’の向きは、下向き、右向き、上向きであると決定される。
【0205】
また、例えば、第1の座標値が、実画面領域51の左下の仮想画面領域52bに位置する場合、実ポインタ2’は、左下斜め45度の向きであると決定される。同様に、第1の座標値が実画面領域51の右下の仮想画面領域52d、右上の仮想画面領域52f、左上の仮想画面領域52hに位置する場合、それぞれ実ポインタ2’の向きは、右下斜め45度の向き、右上斜め45度の向き、左上斜め45度の向きであると決定される。
【0206】
実ポインタ2’の向きが決定されると、MPU35は、第2の座標値の位置に、決定された向きで実ポインタ2’が表示されるように、表示を制御する(ステップ608)。
【0207】
次に、図20を参照して、仮想ポインタ2"の動きに応じて、表示される位置及び向きが制御される実ポインタ2’の動きについて説明する。
【0208】
第1の座標値が実画面領域51の左側の縁部53を超えて、実画面領域51の左側の仮想画面領域52aに入ると、この領域52aに仮想ポインタ2"が存在すると観念することができる。仮想ポインタ2"が、実画面領域51の左側の仮想画面領域52aに位置する場合、仮想ポインタ2"の位置に応じた位置であって、実画面領域51の左側の縁部53上の位置に、実ポインタ2’が左向きに表示される。
【0209】
仮想ポインタ2"が実画面領域51の左下の仮想画面領域52bに進入すると、実画面領域51の左下のコーナーの座標値(−X1、−Y1)の位置に、実ポインタ2’が左下斜め45度の向きに表示される。
【0210】
以降、仮想ポインタ2"が、図20の破線に示す軌跡で移動された場合、実ポインタ2’は、実画面領域51の下側の縁部53上に下向きに、実画面領域51の右下のコーナー(X1、−Y1)に右下斜め45度の向きに表示される。また、実ポインタ2’は、実画面領域51の右側の縁部53上に右向きに、実画面領域51の右上のコーナー(X1、Y1)に右上斜め45度の向きに、実画面領域51の上側の縁部53上に上向きに、実画面領域51の左上のコーナー(X1、−Y1)に左上斜め45度の向きに表示される。
【0211】
つまり、仮想ポインタ2"が図20の破線に示す軌跡で移動された場合、仮想ポインタ2"の位置する仮想画面領域52a〜52hが変化する毎に、実画面領域51の縁部53上の実ポインタ2’の向きが45度づつ回転されて表示される。
【0212】
第3実施形態では、仮想ポインタ2"の位置に応じて、画面3の縁部53に表示される実ポインタ2’の向きが変わるので、ユーザは、仮想ポインタ2"が存在する方向を容易に認識することができる。これにより、ポインタ2の操作性を向上させることができる。
【0213】
(第3実施形態の変形例)
図19及び図20では、8つに区分された仮想画面領域52a〜52hにのうち、4つのコーナー領域52b、52d、52f、52hに仮想ポインタ2"が位置する場合、実ポインタ2’は、それぞれの領域で、向きが一定である場合について説明した。
しかし、仮想ポインタ2"が4つのコーナー領域52b、52d、52f、52hに位置する場合における実ポインタ2’の向きの表示方法は、これに限られない。例えば、実ポインタ2’の向きは、仮想ポインタ2"の位置に応じて変化されてもよい。
【0214】
図21は、仮想ポインタ2"がコーナー領域に位置する場合に、仮想ポインタ2"の位置に応じて、実ポインタ2’の向きが変化される場合の一例を説明するための図である。図21では、4つのコーナー領域52b、52d、52f、52hのうち、実画面領域51の左下の仮想画面領域52b内で、仮想ポインタ2"が移動する場合の実ポインタ2’の向きの変化が示されている。
【0215】
図21(A)〜21(C)に示すように、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52b内で移動した場合、実ポインタ2’は、実画面領域51の左下のコーナー(−X1、−Y1)の位置で、仮想ポインタ2"の方向を向くように表示が制御される。
【0216】
このような実ポインタ2’の向きの制御は、制御装置40のMPU35が第1の座標値(X(t)、Y(t))と、実画面領域51の左下のコーナーの座標値(−X1、−Y1)とに基づいて、実ポインタ2’の向きを決定することで実現される。仮想ポインタ2"が、他のコーナー領域52d、52e、52gに位置する場合も同様に、制御装置のMPU35が、第1の座標値と、実画面領域51のコーナーの座標値(X1、−Y1)、(X1、Y1)、(−X1、Y1)とに基づいて、実ポインタ2’の向きを決定すればよい。
【0217】
図21に示すような実ポインタ2’の向きの制御により、仮想ポインタ2"がコーナー領域52b、52d、52e、52gに位置する場合における、仮想ポインタ2"の存在する方向の認識がさらに容易となる。
【0218】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、実画面領域51の中心座標(原点(0、0))を基準として、実画面領域51の縁部上に表示される実ポインタ2’の座標値及び向きが制御される点で、上記各実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。
【0219】
図22は、第4実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。図23は、図22に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【0220】
図22のステップ705〜ステップ708以外の処理は、上述の図12に示した処理と同等の処理が実行される。
【0221】
図22に示すように、制御装置40のMPU35は、ポインタ2の移動可の情報を受信すると(ステップ701のYES)、速度値の情報に基づき、第1の座標値を生成し(ステップ702)、第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値であるかを判定する(ステップ703)。
【0222】
第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ703のYES)、MPU35は、第1の座標値と、実画面領域51の中心座標(原点(0、0))とを結ぶ直線の式を算出する(ステップ705)。
【0223】
次に、MPU35は、算出された直線と、実画面領域51の縁部53との交点を求めることで、第2の座標値(X'(t)、Y'(t))を生成する(ステップ706)。なお、直線と、実画面領域51の縁部53との交点は、2つ算出されることになるが、MPU35は、2つの交点のうち、第1の座標値に近いほうの交点を第2の座標値として用いればよい。
【0224】
第2の座標値が生成されると、MPU35は、直線の傾きから、実ポインタ2’の向きを決定する(ステップ707)。この場合、実ポインタ2’の向きは、直線の傾きの方向を向くように決定される。
【0225】
実ポインタ2’の向きが決定されると、MPU35は、生成された第2の座標値(X'(t)、Y'(t))の位置に、決定された実ポインタ2’の向きで、実ポインタ2’が実画面領域51に表示されるように、表示を制御する(ステップ708)。
図22に示す処理により、仮想ポインタ2"の動きに対する、実ポインタ2’の動き及び向きは、図23に示すような動作となる。
【0226】
第4実施形態においても、第3実施形態と同様に、仮想ポインタ2"の位置に応じて、実画面領域51の縁部53に表示される実ポインタ2’の向きが変わるので、ユーザは、仮想ポインタ2"が存在する方向を容易に認識することができる。これにより、ポインタ2の操作性を向上させることができる。
【0227】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在しない場合の実ポインタ2’の形状と、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合の実ポインタ2’の形状とが異なる。従って、その点を中心に説明する。
【0228】
図24は、第5実施形態に係る制御装置により実画面領域に表示される実ポインタを示す図である。
図24に示すように、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在しない場合(第1の座標値が実画面領域51内である場合)に実画面領域51内に表示される実ポインタ2’は、円形とされる。
【0229】
一方、仮想画面領域52内に仮想ポインタ2"が存在する場合(第1の座標値が仮想画面領域52内である場合)に、実画面領域51の縁部53上に表示される実ポインタ2’は、単純な円形ではなく、円形の本体に矢印の部分が付加された形状とされている。
【0230】
仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在しない場合の実ポインタ2’は、単純な円形であり、この円形の実ポインタ2’では、仮想ポインタ2"の方向を指し示すことができない。そこで、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合には、実ポインタ2’は、仮想ポインタ2"の方向を指し示すことができるように形状が変化される。
【0231】
これにより、ユーザは、仮想ポインタ2"が存在する方向を容易に認識することができる。また、第5実施形態では、仮想画面領域52内に仮想ポインタ2"が存在する場合に実ポインタ2’の形状が変化されるので、ユーザは、ポインタ2の操作が仮想画面領域52内の操作に切り替わったことを容易に認識することができる。
【0232】
実ポインタ2’の向きは、上述の第3実施形態で説明した方法により決定されてもよいし、第4実施形態で説明した方法により決定されてもよい。
【0233】
第5実施形態の説明では、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合の実ポインタ2’は、円形の本体に矢印の部分が付加された形状であった。しかし、実ポインタ2’の形状は、これに限られない。典型的には、仮想ポインタ2"の方向を指し示すことができる形態であれば、何であっても構わない。例えば、上述の各実施形態で説明したような、矢羽の形状のポインタ2に変形されてもよく、アニメーション表現などによる変形などであっても構わない。
【0234】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
第6実施形態では、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52に存在する場合に、実ポインタ2’が仮想ポインタ2"の方向を指し示すだけでなく、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離に応じて、実ポインタ2’の形態が変化される。従って、その点を中心に説明する。なお、第6実施形態では、上述の第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0235】
図25は、第6実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図26は、図25に示す処理が実行された場合の、仮想ポインタ及び実ポインタの動きの一例を示す図である。
【0236】
図25のステップ808〜ステップ810以外の処理は、上述の図19に示した処理と同等の処理が実行される。
【0237】
図25に示すように、制御装置40のMPU35は、ステップ807において、第1の座標値が8つに区分された領域52a〜52hのどこに位置するのかに応じて、実ポインタ2’の向きを決定すると、第1の座標値と、第2の座標値との距離を求める(ステップ808)。
次に、MPU35は、第1の座標値と、第2の座標値との距離に応じて、実ポインタ2’が潰れる度合いを決定する(ステップ809)。この場合、第1の座標値と、第2の座標値との距離が大きいほど、実ポインタ2’が潰れる度合いが大きくなるように決定される。
【0238】
次に、MPU35は、第2の座標値の位置に、ステップ807で決定された実ポインタ2’の向き及びステップ809で決定された実ポインタの潰れる度合いで、実ポインタ2’を実画面領域51の縁部53上に表示するように、表示を制御する(ステップ810)。
【0239】
図25に示す処理により、仮想ポインタ2"の動きに対する、実ポインタ2’の動き、向き及び潰れる度合いは、図26に示すような動作となる。なお、図26は、実ポインタ2’が実画面領域51の上側の縁部53に表示される場合を示している。
【0240】
第6実施形態では、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離に応じて、実ポインタ2’が潰れて表示されるので、ユーザは、仮想ポインタ2"が存在する方向だけでなく、実ポインタ2’と仮想ポインタ2"と距離を容易に認識することができる。
【0241】
(第6実施形態の各種変形例)
図27及び図28は、第6実施形態の変形例を示す図である。
【0242】
図27(A)では、実画面領域51の縁部53上に表示される実ポインタ2’が、3次元的にアニメーション表示される場合が示されている。そして、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、3次元的な実ポインタ2’の潰れる度合いが大きくなるように、アニメーション表現される。
【0243】
図27(B)では、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、3次元的に表示された実ポインタ2’の回転速度が大きくなる場合が示されている。
【0244】
図28(A)では、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、円形の実ポインタ2’が小さくなる場合が示されている。
【0245】
図28(B)では、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、円形の実ポインタ2’の、円グラフ的な表示のメータが大きくなる場合が示されている。
【0246】
図28(C)では、実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、円形の実ポインタ2’の中に表示された数字が大きくなる場合が示されている。
【0247】
図29は、実画面領域51の中心座標(原点(0、0))が基準とされた場合に、実ポインタと仮想ポインタの距離に応じて、実ポインタの形態が変化する場合の一例を示す図である。図29(A)では、実ポインタ2’と仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、矢羽の形状の実ポインタ2’の潰れる度合いが大きくなる場合が示されている。図29(B)では、実ポインタ2’と仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、円形の実ポインタ2’が小さくなる場合が示されている。
【0248】
図29に示すような場合にも、ユーザに、仮想ポインタ2"の存在する方向と、実ポインタ2’及び仮想ポインタ2"の距離とを認識させることができる。
【0249】
図25〜図29の説明では、実ポインタ2’の潰れる度合いの変化、アニメーション表現の変化、回転速度の変化、大きさの変化、円グラフのメータ的表現の変化、数字の変化などによりユーザに距離感を認識させる場合について説明した。しかし、ユーザに実ポインタ2’と仮想ポインタ2"との距離を認識させる方法は、これらに限られない。典型的には、ユーザに実ポインタ2’と、仮想ポインタ2"との距離を認識させることができるように、実ポインタ2’の形態が変化されればよい。ユーザに実ポインタ2’と仮想ポインタ2"の距離を認識させるための他の例として、実ポインタ2’の色の変化、色の濃さの変化、点滅速度の変化等が挙げられる。あるいは、上記した例から少なくとも2つの組み合わせなどであってもよい。
【0250】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合に、実ポインタ2’の代わりにインジケータ61が表示される点において、上述の各実施形態と異なっている。従って、その点を中心に説明する。
【0251】
図30は、仮想ポインタが仮想画面領域に存在する場合に実画面領域に表示されるインジケータを示す図である。
【0252】
図30に示すように、仮想画面領域52は、実画面領域の左、左下、下、右下、右、右上、上、左上の8つの領域52a〜52hに区分される。
仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合、実ポインタ2’は消去され、実ポインタ2’の代わりにインジケータ61が表示される。
【0253】
インジケータ61は、例えば、仮想ポインタ2"が実画面領域51の左側の仮想画面領域52aに存在する場合、実画面領域51の左の縁部53の中央近傍で左側を指し示すように表示される。同様に、インジケータ61は、仮想ポインタ2"が実画面領域51の下の領域52c、右の領域52e、上の領域52gに存在する場合、それぞれ、実画面領域51の下の縁部53の中央近傍で下を指し示すように、右の縁部53の中央近傍で右を指し示すように、上の縁部53の中央近傍で上を指し示すように表示される。
【0254】
インジケータ61は、仮想ポインタ2"が実画面領域51の左下の仮想画面領域52bに存在する場合、実画面領域51の左下のコーナー(−X1、−Y1)の近傍で、左下の方向を指し示すように、表示される。同様に、インジケータ61は、仮想ポインタ2"が実画面領域51の右下の領域52d、右上の領域52f、左上の領域52hに存在する場合には、それぞれ、右下のコーナー(X1、−Y1)の近傍で右下を指し示すように、右上のコーナー(X1、Y1)の近傍で右上を指し示すように、左上のコーナー(−X1、Y1)の近傍で、左上を指し示すように表示される。
【0255】
また、4つの縦横領域52a、52c、52e、52gに、仮想ポインタ2"が存在する場合、実画面領域51の縁部53と、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるに従って、インジケータ61の数が増えて表示される。
【0256】
4つのコーナー領域52b、52d、52f、52hに仮想ポインタ2"が存在する場合、実画面領域51のコーナーと、仮想ポインタ2"との距離が大きくなるなるに従って、インジケータ61の数が増えて表示される。
インジケータ61の数は、例えば、距離が小さい場合の最小数が1つとされ、距離が大きい場合の最大数が3つとされる。なお、インジケータ61の数は、これに限られない。例えば、インジケータ61の数は、1〜5の間、1〜10の間で変化されてもよい。インジケータ61の数は、適宜変更可能である。
【0257】
ユーザは、インジケータ61により、仮想ポインタ2"の存在する方向と、実画面領域51の縁部53(あるいはコーナー)及び仮想ポインタ2"の距離とを容易に認識することができる。
【0258】
図30の説明では、インジケータの形状が三角形である場合について説明した。しかし、インジケータの形状は、これに限られない。典型的には、所定の方向を指し示すことができる形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、インジケータ61は、アニメーションなどであっても構わない。
【0259】
図30の説明では、インジケータ61の数の変化により、ユーザに、仮想ポインタ2"の距離感を認識させる方法について説明した。しかし、ユーザに距離感を認識させる方法は、これに限られない。例えば、インジケータ61の大きさの変化、色の変化、アニメーション表現の変化等であってもよい。
【0260】
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態では、実画面領域51内に、全体画面領域50に相当する小画面が表示されれる点において、上述の各実施形態と異なる。従ってその点を中心に説明する。
【0261】
図31は、実画面領域に表示される小画面を示す図である。
【0262】
図31に示すように、実画面領域51内に、全体画面領域50に相当する小画面70が表示される。小画面70は、例えば、実画面領域51の右上に表示される。小画面70が表示される位置は、ユーザが画面3を見づらくならならない位置であれば、どこであってもよい。
【0263】
小画面70は、典型的には、仮想画面領域52に仮想ポインタ2"が存在する場合に表示され、仮想画面領域52に仮想ポインタ2’が表示されない場合には表示されない。しかしながら、これに限られず、小画面70は、常時、実画面領域51に表示されていてもよい。
【0264】
小画面70は、実画面領域51に相当する第1の領域71と、仮想画面領域52に相当する第2の領域72とを有する。第1の領域71には、実画面領域51内の実ポインタ2’の位置を示す第1のポイント73が表示される。第2の領域72には、仮想画面領域52内の仮想ポインタ2"の位置を示す第2のポイント74が表示される。
【0265】
第1のポイント73及び第2のポイント74は、例えば、円形とされるが、これに限られない。例えば、第1のポイント73及び第2のポイント74は、実ポインタ2’及び仮想ポインタ2"と同等の形状であっても構わない。
【0266】
第1のポイント73は、実ポインタ2’の移動により移動して表示される。同様に、第2のポイント74は、仮想ポインタ2"の移動により、移動して表示される。
これにより、ユーザは、小画面70を見ることで、仮想ポインタ2"の位置を容易に認識することができる。
【0267】
図31では、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52に存在する場合に、実ポインタ2’が表示される場合が示されているが、仮想ポインタ2"が存在しない場合、実ポインタ2’は、実画面領域51に表示されなくてもよい。
【0268】
<第9実施形態>
第9実施形態以降では、仮想画面領域52に選択操作領域が設定される場合について説明する。
図32は、第9実施形態に係る制御装置が、仮想画面領域に対応付けて記憶する選択操作領域を示す図である。図33は、第9実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0269】
図32に示すように、仮想画面領域52が台形の4つの領域に区分され、この4つの領域に4つの選択操作領域54a、54b、54c、54dが対応づけられている。制御装置40は、ROM37、RAM36、または、その他のメモリに4つの選択操作領域を記憶している。図32では、選択操作領域54a、54b、54c、54dが台形である場合が示されているが、選択操作領域は、矩形とされてもよく、選択操作領域の形状は、特に限定されない。
【0270】
実画面領域51の左側に位置する選択操作領域54aは、例えば、テレビジョン放送などのチャンネルアップの操作領域である。実画面領域51の右側に位置する選択操作領域54cは、テレビジョン放送などのチャンネルダウンの操作領域である。
また、実画面領域51の上側に位置する選択操作領域54dは、音量出力のボリュームアップの操作領域である。実画面領域51の下側に位置する選択操作領域54bは、音量出力のボリュームダウンの操作領域である。
【0271】
図33のステップ907〜ステップ909以外の処理は、図12に示した処理と同様の処理が実行される。
【0272】
制御装置40のMPU35は、ポインタ2の移動可の情報を受信すると(ステップ901のYES)、速度値の情報に基づき、第1の座標値を生成し(ステップ902)、第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値であるかを判定する(ステップ903)。第1の座標値が仮想画面領域52内の座標値である場合(ステップ903のYES)、MPU35は、第1の座標値に基づいて、第2の座標値を生成し(ステップ905)、第2の座標値の位置に実ポインタ2’を表示する(ステップ906)。
【0273】
次に、制御装置40のMPU35は、第1の座標値が、4つの選択操作領域54a、54b、54c、54dのうちどの領域に属するのかを判定する(ステップ907)。
次に、MPU35は、判定された選択操作領域に応じた処理を実行する(ステップ908)。例えば、第1の座標値が、実画面領域51の左側に位置する選択操作領域54a内に位置する場合、テレビジョン放送のチャンネルアップの処理を実行する。また、例えば、第1の座標値が、実画面領域51の上側に位置する選択操作領域54d内に位置する場合、音量出力のボリュームアップの処理を実行する。
【0274】
MPU35は、選択操作領域に応じた処理を実行すると、その処理が実行されていることを示す画像59を実画面領域51内に表示する(ステップ909)。
【0275】
図33に示す処理により、ユーザは、仮想画面領域52内(選択操作領域内)で、仮想ポインタ2"を操作する感覚で、直感的にテレビジョン放送などのチャンネルを切り替えたり、音量出力を調節したりすることができる。
また、選択操作領域に応じた処理が実行されているときには、実画面領域51に、処理が実行されていることを示す画像59が表示されるので、ユーザは、処理が実行されていることを容易に認識することができる。
【0276】
ここで、ユーザが入力装置のボタン11の上方から親指をはずした場合、第1の座標値は、実画面領域51内に戻されることになる(ステップ901のNO→ステップ910→ステップ911のYES→ステップ912→ステップ904)。第1の座標値が実画面領域51内である場合には、選択操作領域に応じた処理は、実行されない(ステップ903のNO、ステップ911のNO)。
【0277】
従って、ユーザがボタン11の上方から親指をはずすことで、選択操作領域に応じた処理を終了させることができる。例えば、ユーザが選択操作領域54a内で仮想ポインタ2"を操作することで、テレビジョン放送のチャンネルの切り替え処理が実行されたとする。この場合、任意のチャンネルに切り替わったときに、ユーザがボタン11から親指を外すことで、第1の座標値が実画面領域51内に移動されるので、チャンネルの切り替えを終了させることができる。このように、ユーザは、簡単な指の操作で、選択操作領域に応じた処理を終了させることができる。
【0278】
(第9実施形態の各種変形例)
選択操作領域内(仮想画面領域52内)に仮想ポインタ2"が存在する場合、第1の座標値と、第2の座標値との距離に応じて、実ポインタ2’の形態が変化されてもよい。
【0279】
制御装置40のMPU35は、選択操作領域に仮想ポインタ2"が存在する場合に、入力装置1からの決定コマンドの送信を待ってから、その選択操作領域に応じた処理を実行してもよい。
【0280】
図32及び図33の説明では、仮想ポインタ2"が選択操作領域内(仮想画面領域52内)に存在する場合に、実ポインタ2’が実画面領域51に表示される場合について説明した。しかし、仮想ポインタ2"が選択操作領域内(仮想画面領域52内)に存在する場合であって、選択操作領域に応じた処理が実行されているとき、実ポインタ2’は、実画面領域51に表示されていなくともよい。
【0281】
また、選択操作領域に応じた処理が実行されている場合に、その処理が実行されていることを示す画像59が表示されるとして説明したが、必ずしも表示されなくてもよい。
【0282】
MPU35は、仮想ポインタ2"が存在する場合に、第1の座標値と、第2の座標値との距離に応じて、選択操作領域に応じた処理のスイッチング速度を可変に制御してもよい。この場合、MPU35は例えば、図33のステップ907の後に、第1の座標値と第2の座標値との距離を求め、ステップ908において、求められた距離に応じたスイッチング速度で選択操作領域に応じた処理を実行すればよい。第1の座標値及び第2の座標値との距離は、実画面領域51の原点を基準(0、0)として算出されてもよい(図22、23参照)。
【0283】
この場合、第1の座標値と、第2の座標値との距離が大きくなるに従って、スイッチング速度が大きくなるように制御される。例えば、上記距離が大きくなるに従って、チャンネルの切り替え速度や、ボリュームの切り替え速度が大きくなる。
これにより、ユーザは、直感的な操作で、任意にスイッチング速度を調整することができる。
【0284】
スイッチング速度が可変に制御される場合、必ずしも第1の座標値と、第2の座標値との距離に基づいて制御されなくてもよい。
【0285】
図34は、スイッチング速度が可変とされる場合の他の形態を説明するための図である。図34に示す例では、仮想画面領域52は、実画面領域51の左側及び右側に設定される。実画面領域51の左側の仮想画面領域52は、4つの領域に区分され、この4つの領域に4つの選択操作領域55a、55b、55c、55dが対応づけられている。同様に、実画面領域51の右側の仮想画面領域52は、4つの領域に区分され、4つの領域に、4つの選択操作領域が55e、55f、55g、55hが対応付けられている。すなわち、図34の例では、選択操作領域は、8つの選択操作領域に区分される。
【0286】
実画面領域51の左側の選択操作領域55a、55b、55c、55dは、それぞれ、動画の2倍速の巻き戻し、4倍速の巻き戻し、8倍速の巻き戻し、16倍速の巻き戻しに相当する操作領域である。
【0287】
一方、実画面領域51の右側の選択操作領域55e、55f、55g、55hは、それぞれ、動画の2倍速の早送り、4倍速の早送り、8倍速の早送り、16倍速の早送りに相当する操作領域である。
【0288】
MPU35は、第1の座標値が仮想画面領域52内にある場合、8つの選択操作領域55a〜55hのうち、どの選択操作領域に位置するのかを判定し、判定結果に応じて、所定の速度の巻き戻し、あるいは、早送りの処理を実行すればよい。これにより、スイッチング速度が可変に制御される。
このような場合にも、ユーザは、直感的な操作で、任意にスイッチング速度を調整することができる。
【0289】
図34では、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52内に存在する場合に、実ポインタ2’が実画面領域51内に表示されない場合が示されている。また、図34では、巻き戻し、あるいは、早送りの処理が実行されているときに、その処理に応じた画像59が実画面領域51内の下方に表示される場合が示されている。
【0290】
ここで、図34の場合、選択操作領域がスイッチング速度を変化させるようにあらかじめ区分して設定されているので、MPU35は、第1の座標値と、第2の座標値との距離を求める必要がない。MPU35は、上記したように、第1の座標値が、どの選択操作領域に位置するのかを判定し、判定結果に応じて、所定の速度の巻き戻し、あるいは、早送りの処理を実行すれば、スイッチング速度が可変に制御されることになる。
【0291】
図32〜34の説明では、選択操作領域は、チャンネルのアップダウン、音量のアップダウン、動画の早送り、巻き戻しの操作領域であるとして説明した。しかし、選択操作領域は、これらに限られない。例えば、選択操作領域は、動画の再生、停止の操作領域であってもよいし、静止画のコマ送り、コマ戻しの操作領域であってもよい。あるいは、動画のチャプタ設定用の操作領域であってもよい。あるいは、選択操作領域に、動画それ自体が設定されていてもよく、静止画それ自体が設定されていてよい。
【0292】
図35は、選択操作領域に動画が設定されている場合の全体画面領域を示す図である。
図35に示すように、実画面領域51の左側に位置する選択操作領域54aには、動画Aが設定されている。同様に、実画面領域51の下側の選択操作領域54b、右側の選択操作領域54c、上側の選択操作領域54dには、それぞれ、動画B、動画C、動画Dが設定されている。
【0293】
制御装置40のMPU35は、第1の座標値が選択操作領域内(仮想画面領域52内)に存在する場合、第1の座標値が4つの選択操作領域54a〜54dのうち、どの選択操作領域に位置するのかを判定する。そして、判定された選択操作領域に設定された動画を再生すればよい。動画は、実画面領域51の全部に表示されてもよいし、実画面領域51の一部に表示されていてもよい。
【0294】
これにより、ユーザは、仮想画面領域52(選択操作領域)内で、仮想ポインタ2"を操作する感覚で、複数の動画の中から任意の動画を選択することができる。
【0295】
図35では、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52(選択操作領域)内に存在する場合に、実ポインタ2’が表示されない場合が示されているが、実ポインタ2’は、表示されても構わない。
【0296】
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
上述の第9実施形態の説明では、仮想画面領域52にのみ選択操作領域が設定され、実画面領域51には、選択操作領域が設定されない場合について説明した。一方、第10実施形態では、仮想画面領域52及び実画面領域51の2つの領域に亘って選択操作領域が設定される。従ってその点を中心に説明する。
【0297】
図36は、第10実施形態に係る制御装置が記憶する選択操作領域を示す図である。
【0298】
図36に示すように、選択操作領域65、66、67、68は、仮想画面領域52及び実画面領域51の2つの領域に亘って設定される。
【0299】
図36に示すように、全体画面領域50の左上、左下、右下、右上の4つのコーナーに、それぞれ4つの選択操作領域65、66、67、68が設定されている。
【0300】
全体画面領域50の左上のコーナーに設定された選択操作領域65は、テレビジョン放送のチャンネルアップの操作領域とされ、全体画面領域50の左下のコーナーに設定された選択操作領域66は、チャンネルダウンの操作領域とされる。
【0301】
また、全体画面領域50の右上のコーナーに設定された選択操作領域67は、音量出力のボリュームアップの操作領域とされ、全体画面領域50の右下の選択操作領域68は、ボリュームダウンの操作領域とされる。選択操作領域に設定される選択操作は、適宜変更可能である。
【0302】
4つの選択操作領域65、66、67、68は、それぞれ仮想画面領域52内に設定された第1の選択操作領域65a、66a、67a、68aと、実画面領域51内に設定された第2の選択操作領域65b、66b、67b、68bとを含む。
【0303】
実画面領域51内に設定された第2の選択操作領域65b、66b、67b、68bには、第2の選択操作領域に対応してアイコン4が表示される。アイコン4は、常時表示されていてもよいし、実ポインタ2’が第2の選択操作領域65b、66b、67b、68bに入ったときに表示されてもよい。あるいは、仮想ポインタ2"が第1の選択操作領域65a、66a、67a、68aに入ったときに表示されてもよい。アイコン4が常時表示されない形態の場合、実画面領域51の視認性を向上させることができる。
【0304】
制御装置40のMPU35は、第1の座標値が選択操作領域65、66、67、68内に位置するか否かを判定し、第1の座標値が選択操作領域内に位置する場合に、選択操作領域に応じた処理を実行すればよい。
【0305】
図36に示したように、仮想画面領域52及び実画面領域51の2つの領域に亘って選択操作領域が設定される場合にも、第9実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ユーザは、直感的なポインタ2の操作で、テレビジョン放送などのチャンネルを切り替えたり、音量出力を調節したりすることができる。
【0306】
図36では、仮想ポインタ2"が仮想画面領域52内に存在する場合に、実ポインタ2’が実画面領域51内に表示される場合が示されているが、実ポインタ2’は必ずしも表示されなくてもよい。また、36では、選択操作領域に応じた処理が実行されているときに、その処理に応じた画像59が実画面領域51内に表示される場合が示されているが、画像59は、必ずしも表示されなくてもよい。
【0307】
<各種変形例>
本発明に係る実施の形態は、以上説明した実施の形態に限定されず、種々変形が可能である。
【0308】
本発明は、例えば、表示部を備えるハンドヘルド装置に適用されてもよい。この場合、ユーザは、ハンドヘルド装置の本体を動かすことで、その表示部に表示されたポインタ2を移動させる。ハンドヘルド装置として、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機、携帯音楽プレイヤー、デジタルカメラ等が挙げられる。
【0309】
上記各実施の形態の説明では、入力装置1が無線で入力情報を制御装置40に送信する形態を示したが、有線により入力情報が送信されてもよい。
【0310】
上記実施の形態では、2軸の加速度センサユニット、2軸の角速度センサユニットについて説明した。しかし、これに限られず、入力装置1は、例えば直交3軸の加速度センサ及び直交3軸の角速度センサの両方を備えていてもよいし、そのうちいずれか一方のみを備えていても、上述の各実施形態において示した処理を実現可能である。あるいは、入力装置1は、1軸の加速度センサ、または、1軸の角速度センサを備えている形態も考えられる。1軸の加速度センサまたは1軸の角速度センサが備えられる場合、典型的には、画面3で表示されるポインタ2のポインティングの対象となるGUIが1軸上に複数配列されるような画面が考えられる。
【0311】
あるいは、入力装置1は、加速度センサ、角速度センサの代わりとして、地磁気センサ、またはイメージセンサ等を備えていてもよい。
【0312】
センサユニット17の、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸は、上述のX’軸及びY’軸のように必ずしも互いに直交していなくてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸方向に投影されたそれぞれの加速度が得られる。また同様に、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸の周りのそれぞれの角速度を得ることができる。
【0313】
以上の各実施の形態で説明したセンサユニット17について、角速度センサユニット15のX’軸及びY’軸の検出軸と、加速度センサユニット16のX’軸及びY’軸の検出軸がそれぞれ一致している形態を説明した。しかし、それら各軸は、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16が基板上に搭載される場合、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸のそれぞれが一致しないように、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16がその基板の主面内で所定の回転角度だけずれて搭載されていてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、各軸の加速度及び角速度を得ることができる。
【符号の説明】
【0314】
1…入力装置
2…ポインタ
2’…実ポインタ
2"…仮想ポインタ
3…画面
5…表示装置
8…光センサ
9…操作部
10…筐体
11、12、13、14…ボタン
15…角速度センサユニット
16…加速度センサユニット
17…センサユニット
19…MPU
21…送受信機
35…MPU
36…RAM
37…ROM
38…送受信機
40…制御装置
42…表示制御部
50…全体画面領域
51…実画面領域
52…仮想画面領域
54a〜54d、55a〜55h、65〜68…選択操作領域
70…小画面
100…制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の動きに関する第1の情報と、前記筐体の動きを座標値の移動に反映させるか否かに関する第2の情報とを送信する入力装置から送信された、第1の情報及び前記第2の情報に基づき、前記座標値を制御する制御装置であって、
前記第1の情報及び前記第2の情報を受信する受信部と、
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記第1の情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記第2の情報に基づいて、前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とを切り替える切り替え手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と、
を具備する制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記座標値が前記実画面領域に属する場合に、前記実画面領域内の前記座標値の位置にポインタを表示するように、前記実画面の表示を制御し、
前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値に応じた、前記実画面領域の縁部上の位置に前記ポインタを表示するように、前記実画面の表示を制御する表示制御手段をさらに具備する
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記座標値制御手段は、
前記仮想画面領域内の前記座標値を、前記実画面領域内の前記ポインタが表示されている位置に移行させるように、前記座標値を制御する
制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記座標値制御手段は、
前記仮想画面領域内の前記座標値を、前記実画面領域の中心に移行させるように、前記座標値を制御する
制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記表示制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記実画面領域の前記縁部と、実画面領域の中心及び前記座標値を結ぶ直線との交点上に前記ポインタが表示されるように、前記表示を制御する
制御装置。
【請求項6】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記表示制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値の移動に応じて、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタの表示態様を変化させる
制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の制御装置であって、
前記表示制御手段は、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタが、前記仮想画面領域内の前記座標値の方向を指し示すように、前記ポインタの表示態様を変化させる
制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載の制御装置であって、
前記表示制御手段は、前記仮想画面領域内の前記座標値と、前記実画面領域の縁部上に表示されたポインタとの距離に応じて、前記ポインタの表示態様を変化させる
制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記受信部は、前記入力装置から送信される決定コマンドを受信し、
前記座標値制御手段は、前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ前記決定コマンドが受信されたときに、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する
制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記座標値が前記仮想画面領域に属する場合に、前記実画面領域内の所定領域に、前記全体画面領域に対する前記座標値の位置を示す表示物を有し、前記全体画面領域を示す小画面を表示する表示制御手段をさらに具備する
制御装置。
【請求項11】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記記憶部は、前記入力装置の選択操作の対象となる選択操作対象を前記仮想画面領域の一部または全部に対応付けることで選択操作領域として記憶し、
前記制御装置は、
前記座標値が前記選択操作領域に属する場合に、前記選択操作対象に応じた処理を実行する処理手段をさらに具備する
制御装置。
【請求項12】
筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と反映させない第2の状態とを選択する選択部と、前記筐体の動きに関する情報を送信する送信部と、前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記情報の送信を制御する送信制御手段を有する入力装置から送信される前記情報に基づき前記座標値を制御する制御装置であって、
前記情報を受信する受信部と、
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と、
を具備する制御装置。
【請求項13】
筐体と、
前記筐体の動きを検出する検出部と、
前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と、反映させない第2の状態とを選択する選択部と、
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記筐体の動きに基づいて、全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記座標値の生成を制御する生成制御手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と
を具備する入力装置。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体の動きを検出する検出部と、
前記筐体の動きを座標値の移動に反映させるか否かを選択する選択部と、
前記筐体の動きに関する第1の情報、及び前記筐体の動きを前記座標値の移動に反映させるか否かに関する第2の情報を送信する送信部と
を有する入力装置と、
前記第1の情報及び前記第2の情報を受信する受信部と、
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記第1の情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記第2の情報に基づいて、前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とを切り替える切り替え手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と
を有する制御装置と
を具備する制御システム。
【請求項15】
筐体と、
前記筐体の動きを検出する検出部と、
前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と反映させない第2の状態とを選択する選択部と、
前記筐体の動きに関する情報を送信する送信部と、
前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記情報の送信を制御する送信制御手段と
を有する入力装置と、
前記情報を受信する受信部と、
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記情報に基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と
を有する制御装置と
を具備する制御システム。
【請求項16】
筐体と、
前記筐体に設けられた表示部と、
前記筐体の動きを検出する検出部と、
前記筐体の動きを座標値の移動に反映させる第1の状態と、前記筐体の動きを前記座標値の移動に反映させない第2の状態とを選択する選択部と、
前記表示部に表示される実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶する記憶部と、
前記筐体の動きに基づいて、全体画面領域内で前記座標値を生成する生成手段と、
前記第1の状態で前記座標値が移動するように、前記第2の状態で前記座標値が移動しないように前記座標値の生成を制御する生成制御手段と、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定する判定手段と、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する座標値制御手段と
を具備するハンドヘルド装置。
【請求項17】
実画面に相当する実画面領域と、前記実画面領域の周囲に設定された、仮想的な領域である仮想画面領域とを有する全体画面領域を記憶し、
筐体の動きに基づいて、前記全体画面領域内で前記座標値を生成し、
前記座標値が移動可能な第1の状態と、前記座標値が移動不能な第2の状態とを切り替え、
前記座標値が、前記実画面領域または前記仮想画面領域のいずれに属するかを判定し、
前記座標値が前記仮想画面領域に属し、かつ、前記第1の状態と、前記第2の状態とが切り替えられた場合に、前記仮想画面領域内の前記座標値を前記実画面領域内の所定の座標値の位置に移行させるように前記座標値を制御する
制御方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図33】
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【図1】
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【図32】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2010−282408(P2010−282408A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135018(P2009−135018)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】