制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラム
【課題】電話回線の使用時間を短くして通信料金を抑えつつ、宅外の通信端末からの遠隔操作の指示に応じて宅内の機器を制御する制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】通信端末11は、制御装置12との電話回線を接続する(S11、S15、S17)。通信端末11の利用者は、通信端末11に対してパスワードを入力する。制御装置12は、通信端末11の電話番号及びパスワードが許可リストに格納されている場合に、通信端末11による家電機器13の制御を許可する(S13、S25)。電話回線は切断される(S31)。通信端末11と制御装置12との間で、IP網を介したセッションが確立される(S33、S35)。制御装置12は、通信端末11から送信された制御内容に基づき、家電機器13を制御する(S41、S43)。
【解決手段】通信端末11は、制御装置12との電話回線を接続する(S11、S15、S17)。通信端末11の利用者は、通信端末11に対してパスワードを入力する。制御装置12は、通信端末11の電話番号及びパスワードが許可リストに格納されている場合に、通信端末11による家電機器13の制御を許可する(S13、S25)。電話回線は切断される(S31)。通信端末11と制御装置12との間で、IP網を介したセッションが確立される(S33、S35)。制御装置12は、通信端末11から送信された制御内容に基づき、家電機器13を制御する(S41、S43)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網及びIP網を介して通信端末と通信を行うことができる制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅外の通信端末と宅内の制御装置とが電話網を介して通信を行うことで、通信端末が、制御装置に接続した家電機器を遠隔制御する制御システムが提案されている。例えば特許文献1に記載された制御システムでは、宅外の通信端末(宅外電話機)は、はじめに、宅内の制御装置(電話親機)との間の電話回線を接続する。次いで宅外の通信端末は、接続中の電話回線を使用して制御装置と通信を行う。制御装置は、宅外の通信端末からの指示に基づき、各種家電機器を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−181013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の制御システムでは、宅外の通信端末は、宅内の制御装置との間で接続した電話回線を維持しなければ、家電機器を制御することができない。従って、宅外の通信端末が宅内の制御装置を継続して制御する場合、電話回線の使用時間が長くなり、通信料金が高くなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、電話回線の使用時間を短くして通信料金を抑えつつ、宅外の通信端末からの遠隔操作の指示に応じて宅内の機器を制御する制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る制御装置は、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置であって、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを実行することを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、制御装置は、通信端末から取得した認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かを判断する。制御装置は、通信端末による機器の制御が可能と判断した場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器を制御する。これによって制御装置は、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また制御装置は、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報を取得する。これによって制御装置は、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。故に制御装置は、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることを防止することで、不特定の者によって機器が制御されてしまうことを防止できる。また制御装置は、IP網を介して受信した指示に基づき、機器を制御する。認証情報によるユーザの認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って制御装置は、ユーザの認証の終了後は電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0008】
また第一態様において前記制御部は、前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記IP網における前記制御装置のアドレス情報を、前記電話網又は前記IP網を介して前記通信端末に対して通知する通知ステップを更に実行してもよい。制御装置が通信端末に対してアドレス情報を通知することによって、通信端末は、通知されたアドレス情報を使用してIP網を介した通信を行い、制御装置に対して機器の制御指示を行うことができる。従って、制御装置のアドレス情報を通信端末に対して前もって設定しておく必要がない。また、制御装置のアドレス情報が変化した場合でも、制御装置は正確なアドレス情報を通信端末に対して通知することができる。従って通信端末は、IP網を介した制御装置との通信を確実に行い、機器を制御することができる。
【0009】
また第一態様において、前記制御部は、前記通信端末に割り当てられた電話番号を、接続した前記電話回線を介して取得する第二取得ステップと、前記第二取得ステップにおいて取得した前記電話番号に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第二判断ステップとを更に実行し、前記制御ステップを実行する場合において、前記第二判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御してもよい。制御装置は、通信端末の電話番号に基づいて、機器の制御が可能な通信端末であるか否かを判断することができる。故に制御装置は、特定の電話番号を有する通信端末からの指示にのみ応じ、機器を制御することができる。制御装置は、機器の制御が可能な通信端末を限定することによって機器への不正なアクセスをより確実に防止できるので、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0010】
また第一態様において、前記制御部は、前記IP網における前記通信端末のアドレス情報を、前記通信端末から取得する第三取得ステップを更に実行し、前記通知ステップを実行する場合において、前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を使用し、前記IP網を介して前記通信端末に対して、前記制御装置のアドレス情報を通知してもよい。制御装置は、取得した通信端末のアドレス情報を使用して、IP網を介して通信端末と通信を行うことができる。従って制御装置は、通信端末のアドレス情報がわからない場合でも、IP網2を介した制御装置との通信を開始することができる。また通信端末のアドレス情報が変化した場合でも、正確なアドレス情報を通信端末から取得して使用することができる。従って制御装置は、IP網を介した通信端末との通信を確実に開始することができる。
【0011】
また第一態様において、前記制御部は、前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を用い、前記IP網を介して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末に固有の固有情報を取得する第四取得ステップと、前記第四取得ステップにおいて取得した前記固有情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第三判断ステップとを実行し、前記制御ステップを実行する場合において、前記第三判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御してもよい。制御装置は、通信端末の固有情報に基づいて、機器の制御が可能な通信端末であるか否かを判断することができる。故に制御装置は、特定の固有情報を有する通信端末からの指示にのみ応じ、機器を制御することができる。故に制御装置は、機器への不正なアクセスをより確実に防止できるので、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0012】
また第一態様において、前記制御部は、前記通信端末の前記固有情報を、接続した前記電話回線を介して取得する第五取得ステップを備え、前記第三判断ステップを実行する場合において、前記第四取得ステップにおいて前記IP網を介して取得した前記固有情報と、前記第五取得ステップにおいて前記電話回線を介して取得した前記固有情報とが一致する場合に、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断してもよい。制御装置は、電話回線を介して取得した固有情報と、IP網を介して取得した固有情報を比較することによって、通信端末による機器の制御が可能か否かを判断することができる。故に制御装置は、機器の制御を許可する通信端末を確実に特定することができる。
【0013】
本発明の第二態様に係る制御システムは、IP網及び電話網を介して通信を行うことが可能な通信端末と、前記IP網及び前記電話網を介して前記通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置とを備えた制御システムであって、前記制御装置は、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記通信端末との間の電話回線を接続する第一接続ステップと、前記第一接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを実行し、前記通信端末は、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記制御装置との間の電話回線を接続する第二接続ステップと、前記第二接続ステップにおいて前記制御装置との間の前記電話回線を接続した後、前記ユーザから前記認証情報を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた前記認証情報を、前記制御装置に対して通知する通知ステップと、前記通知ステップにおいて通知した前記認証情報に基づき、前記制御装置において、前記機器の制御が可能と判断された場合に、前記機器を制御する指示を、前記IP網を介して前記制御装置に対して送信する送信ステップとを実行することを特徴とする。
【0014】
第二態様によれば、第一態様に係る制御装置と同様の効果を奏することができる。また通信端末は、制御装置を介して機器を遠隔制御することができる。
【0015】
本発明の第三態様に係る制御方法は、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御方法であって、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0016】
第三態様によれば、通信端末から取得された認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かが判断される。通信端末による機器の制御が可能と判断された場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器が制御される。これによって、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報が取得される。これによって、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。従って、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることが防止されるので、不特定の者によって制御が制御されてしまうことを防止できる。また、IP網を介して受信された指示に基づき、機器が制御される。認証情報の認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って、電話回線が不要な場合に電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0017】
本発明の第四態様に係る制御プログラムは、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御するコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる為のものである。
【0018】
第四態様によれば、通信端末から取得された認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かが判断される。通信端末による機器の制御が可能と判断された場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器が制御される。これによって、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報が取得される。これによって、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。故に、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることが防止されることで、不特定の者によって制御が制御されてしまうことを防止できる。また、IP網を介して受信された指示に基づき、機器が制御される。認証情報の認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って、電話回線が不要な場合に電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】制御システム10の概要を示す図である。
【図2】制御装置12の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】通信端末11の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】通信シーケンスを示す図である。
【図5】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図6】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートであって、図5の続きである。
【図7】メイン処理(制御装置)を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理(制御装置)を示すフローチャートであって、図7の続きである。
【図9】変形例における通信シーケンスを示す図である。
【図10】変形例におけるメイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図11】変形処理におけるメイン処理(通信端末)を示すフローチャートであって、図10の続きである。
【図12】変形例におけるメイン処理(制御装置)を示すフローチャートである。
【図13】変形例におけるメイン処理(制御装置)を示すフローチャートであって、図12の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1を参照し、制御システム10の概要について説明する。制御システム10は、通信端末11、及び制御装置12を備えている。通信端末11、及び制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して接続している。IP網2は、インターネットプロトコル(TCP/IP)に基づいて通信が行われる通信網である。電話網3は、電話回線が交換機によって接続される通信網である。なお電話網3は、固定電話回線の電話網、及び移動電話回線の電話網を含んでいる。通信端末11、及び制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して通信を行うことができる。
【0022】
通信端末11として、PDAなどの周知の携帯情報端末を使用することができる。制御装置12には、宅内1に設置された家電機器13(テレビ、照明、PCなど)が接続されている。制御装置12は、接続された家電機器13と通信を行うことによって、家電機器13の制御(駆動状態のON/OFF切り替えなど)を行うことができる。制御装置12として、周知の多機能電話機、複合機、サーバ等を使用することができる。
【0023】
制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して通信端末11と通信を行い、家電機器13を遠隔制御するための指示を通信端末11から受信する。制御装置12は、受信した指示に従い、家電機器13を制御することができる。これによって通信端末11の利用者は、通信端末11を使用することで、宅内1の家電機器13を宅外から遠隔制御することができる。
【0024】
図2を参照し、制御装置12の電気的構成について説明する。制御装置12は、制御装置12の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、表示部25、第一通信I/F26、及び第二通信I/F27と電気的に接続している。
【0025】
ROM22には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ24には、CPU21の制御プログラムが記憶される。またフラッシュメモリ24には、遠隔制御を許可する通信端末11の電話番号、及び、遠隔制御を許可する利用者のパスワードのリストが記憶されている。以下、遠隔制御を許可する通信端末11の電話番号、及び、遠隔制御を許可する利用者のパスワードのリストを、許可リストという。第一通信I/F26は、IP網2を介して通信端末11と通信を行う場合のタイミング制御を行う。第二通信I/F27は、電話網3を介して通信端末11と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0026】
図3を参照し、通信端末11の電気的構成について説明する。通信端末11は、通信端末11の制御を司るCPU31を備えている。CPU31は、ROM32、RAM33、フラッシュメモリ34、スピーカ35、マイク36、表示部37、入力部38、第一通信I/F39、及び第二通信I/F40と電気的に接続している。ROM32には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM33には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ34には、CPU31の制御プログラムが記憶される。表示部37はディスプレイである。入力部38はボタンやタッチパネルである。第一通信I/F39は、IP網2を介して制御装置12と通信を行う場合のタイミング制御を行う。第二通信I/F40は、電話網3を介して制御装置12と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0027】
図4を参照し、通信端末11、制御装置12、及び家電機器13の間で実行される通信のシーケンスについて説明する。通信端末11の利用者は、家電機器13の遠隔制御を開始する為に、制御装置12の電話番号宛に電話を掛ける操作を、入力部38を介して行う。通信端末11は、制御装置12との間の電話回線の接続を要求する信号を送信する。以下、電話回線の接続を要求する信号を、接続要求信号という。制御装置12は、接続要求信号を受信する(S11)。
【0028】
制御装置12は、受信した接続要求信号から、通信端末11の電話番号を特定する。制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストに、特定された電話番号が格納されているかを判断することで、通信端末11を認証する(S13)。特定された電話番号が許可リストに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される。一方、特定された電話番号が許可リストに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される。
【0029】
通信端末11による家電機器13の遠隔制御が禁止された場合、制御装置12は、図示外の通話親機を制御してスピーカから呼び出し音を出力させ、着信したことを利用者に通知する。以後、通信端末と通話親機との間で通話が実行可能となる。
【0030】
一方、通信端末11による家電機器13の遠隔制御が許可されたとする。制御装置12は、オフフックすることで、接続要求信号に応じる(S15)。制御装置12から通信端末11に対して、電話回線の接続を許可する旨の応答信号が送信される。以下、電話回線の接続を許可する旨の応答信号を、接続応答信号という。通信端末11は、接続応答信号を受信する(S17)。これによって、通信端末11と制御装置12との間の電話回線は接続する。
【0031】
通信端末11と制御装置12とは、接続された電話回線を介した通信を開始する。はじめに制御装置12は、自動音声応答機能(IVR(Interactive Voice Response))を使用し、通信端末11に対して所定音声を自動送信する。所定音声は、通信端末11の利用者に対して、パスワード(PW)を問い合わせる音声(例えば「パスワードを入力してください」など)である。通信端末11は、所定音声を受信する(S19)。通信端末11は、受信した所定音声をスピーカ35から出力する。
【0032】
通信端末11の利用者は、スピーカ35から出力される所定音声に応じ、入力部38を介してパスワードを入力する(S21)。通信端末11は、入力されたパスワードを通知するためのDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号を、制御装置12に対して送信する。制御装置12は、パスワードを通知するためのDTMF信号を受信する(S23)。
【0033】
制御装置12は、受信したDTMF信号から、通信端末11の利用者によって入力されたパスワードを特定する。制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストに、特定されたパスワードが格納されているかを判断することで、通信端末11を認証する(S25)。特定されたパスワードが許可リストに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔操作は禁止され、通信端末11と制御装置12との間の電話回線は切断される。
【0034】
特定されたパスワードが許可リストに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔操作は許可される。制御装置12は、自身のIPアドレスを通知するためのDTMF信号を、通信端末11に対して送信する。通信端末11は、IPアドレスを通知するためのDTMF信号を受信する(S27)。通信端末11は、受信したDTMF信号から、制御装置12のIPアドレスを特定する。
【0035】
通信端末11は、オンフックする(S29)ことで、接続中の電話回線を切断する。通信端末11から制御装置12に対して、回線の切断を通知する旨の信号が送信される。以下、回線の切断を通知する旨の信号を、切断通知信号という。制御装置12は、切断通知信号を受信する(S31)。S17の通信で接続した通信端末11と制御装置12との間の電話回線は、切断される。
【0036】
続いて通信端末11及び制御装置12は、IP網2を介した通信を開始する。通信端末11は、IP網2を介したセッションの確立を要求する信号を、制御装置12に対して送信する。以下、セッションの確立を要求する信号を、確立要求信号という。確立要求信号は、S27で受信されたDTMF信号から特定されたIPアドレス宛に送信される。制御装置12は、確立要求信号を受信する(S33)。制御装置12は、セッションの確立を許可する旨の応答信号を、通信端末11に対して送信する。以下、セッションの確立を許可する旨の応答信号を、確立応答信号という。通信端末11は、確立応答信号を受信する(S35)。通信端末11と制御装置12との間でセッションは確立し、双方がIP網2を介して互いに通信を行うことが可能な状態になる。
【0037】
通信端末11と制御装置12とは、確立されたセッションを介して以下の通信を行う。はじめに制御装置12は、通信端末11の表示部37に表示させる所定画像のデータを、通信端末11に対して送信する。所定画像は、遠隔制御を望む家電機器13の種別、及び制御内容を、通信端末11の利用者に選択させるためのユーザインタフェース(UI)画像である。通信端末11は、UI画像のデータを受信する(S37)。通信端末11は、受信したUI画像を表示部37に表示する。
【0038】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13の種別、及び制御内容を、入力部38を介して入力する(S39)。通信端末11は、入力された家電機器13の種別、及び制御内容を、制御装置12に対して送信する。制御装置12は、家電機器13の種別、及び制御内容を受信する(S41)。制御装置12は、受信した種別の家電機器13を、受信した制御内容に基づいて制御する(S43)。以上の通信を経て、通信端末11の利用者は、宅内1にある家電機器13を遠隔制御することができる。
【0039】
以上のように制御装置12は、電話番号及びパスワードの両方を用いた認証処理を行うので、遠隔制御を許可する通信端末11を確実に特定することができる。また、認証後は即座に電話回線が切断され、家電機器13の制御のための通信は、IP網2を介して実行される。これによって、電話回線の使用時間を抑制できるので、発生する通話料金を低く抑えることができる。
【0040】
図5及び図6を参照し、通信端末11のCPU31において実行されるメイン処理(通信端末)について説明する。メイン処理(通信端末)は、通信端末11の電源が投入された場合に、CPU31において起動され実行される。
【0041】
図5に示すように、家電機器13の遠隔制御を開始する指示が、制御装置12の電話番号と共に入力部38を介して入力されたかが判断される(S111)。家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力されていない場合(S111:NO)、処理はS111に戻る。
【0042】
家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力された場合(S111:YES)。指示とともに入力された電話番号宛に、接続要求信号が送信される(S113)。送信された接続要求信号に応じ、制御装置12から送信される接続応答信号を受信したかが判断される(S115)。所定時間経過後も接続応答信号が受信されない場合(S115:NO)、制御装置12において家電機器13の遠隔制御が禁止された可能性がある。この場合、制御装置12に接続した通話親機との間で周知の通話処理が実行される(S137)。通話処理の終了後、処理はS111に戻る。
【0043】
S113で接続要求信号を送信した後、所定時間内に制御装置12から接続応答信号を受信した場合(S115:YES)、制御装置12との間の電話回線は接続する。制御装置12との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。制御装置12から送信された、パスワードを問い合わせるための音声(例えば「パスワードを入力してください」など)が受信される(S116)。受信された音声は、スピーカ35から出力される(S116)。通信端末11の利用者は、スピーカ35から出力される音声に応じ、入力部38を介してパスワードを入力する。入力されたパスワードが受け付けられる(S117)。受け付けられたパスワードを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S119)。
【0044】
IPアドレスを通知するためのDTMF信号の受信が監視される(S121)。S119でDTMF信号を送信してから所定時間経過後もDTMF信号が受信されない場合(S121:NO)、制御装置12において家電機器13の制御が禁止されたことになる。この場合、制御装置12から送信される切断通知信号が受信される(S135)。接続中の電話回線は切断され(S135)、処理はS111に戻る。
【0045】
一方、制御装置12から送信されたDTMF信号が所定時間内に受信された場合(S121:YES)、受信されたDTMF信号からIPアドレスが特定される(S123)。オンフックすることで、制御装置12に対して切断通知信号が送信される(S125)。これによって、接続中の電話回線は切断される。なお、特定されたIPアドレスは、後述するIP網2を介した通信時において、制御装置12のIPアドレスとして使用される。このように通信端末11は、電話網3を介した通信によって制御装置12のIPアドレスを取得できる。従って、制御装置12のIPアドレスわからない場合や、制御装置12のIPアドレスが頻繁に変更される場合でも、制御装置12のIPアドレスを正確に特定することができる。従って通信端末11は、IP網2を介した制御装置12との通信を確実に開始させることができる。
【0046】
制御装置12との間で、IP網2を介した通信が開始される。図6に示すように、制御装置12に対して確立要求信号が送信される(S127)。確立要求信号に応じて制御装置12から送信される確立応答信号が受信され(S128)、制御装置12との間のセッションは確立する。制御装置12から送信されたUI画像が受信される(S129)。受信されたUI画像は、表示部37に表示される(S129)。
【0047】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13及び制御内容を、入力部38を介して入力する。入力された家電機器13の種別及び制御内容が受け付けられる(S131)。家電機器13の種別及び制御内容は、制御装置12に対して送信される(S133)。これによって、制御装置12において家電機器13の制御が実行される。
【0048】
家電機器13の制御を終了する指示が、入力部38を介して入力されたかが判断される(S139)。家電機器13の制御を終了する指示が入力された場合(S139:YES)、家電機器13の制御を終了させる終了通知信号が、制御装置12に対して送信される(S140)。確立中のセッションは終了され、処理はS111(図5参照)に戻る。家電機器13の制御を終了させる指示が入力されていない場合(S139:NO)、処理はS131に戻る。家電機器13の制御は継続して実行される。
【0049】
以上のように通信端末11は、制御装置12を介して家電機器13の遠隔制御を行うことができるようになる。通信端末11は、電話網3を介して取得した制御装置12のIPアドレスを使用して制御装置12と確実に通信を行うことができるので、家電機器13の制御を確実に行うことができる。
【0050】
通信端末11は、制御装置12による認証が終了した時点で、即座に電話回線を切断する。家電機器13の遠隔制御は、IP網2を介して実行される。従って、電話回線の使用料金を低く抑えることができる。
【0051】
図7及び図8を参照し、制御装置12のCPU21において実行されるメイン処理(制御装置)について説明する。メイン処理(制御装置)は、制御装置12の電源が投入された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0052】
図7に示すように、接続要求信号の受信が監視される(S141)。接続要求信号が受信されていない場合(S141:NO)、処理はS141に戻る。接続要求信号が受信された場合、(S141:YES)、受信された接続要求信号に基づき、接続要求信号を送信した通信端末11の電話番号が特定される(S142)。特定された電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S143)。特定された電話番号が、フラッシュメモリ24に記憶された許可テーブルに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S143:NO)、この場合、通話親機と通信端末11との間の通話動作を仲介することで、周知の通話処理が実行される(S165)。このように制御システム10では、通信端末11による家電機器13の制御が制御装置12において禁止された場合でも、通信端末11は宅内1にいる者と通話を行うことができる。通話処理の終了後、処理はS141に戻る。
【0053】
一方、特定された電話番号が許可テーブルに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S143:YES)。受信された接続要求信号に応じ、オフフックされる(S145)。接続要求信号を送信した通信端末11に対して、接続応答信号が送信される(S145)。これによって通信端末11との間の電話回線は接続する。
【0054】
通信端末11との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。IVRを使用し、パスワードを問い合わせる音声が通信端末11に対して送信される(S147)。音声の送信後、パスワードを通知するためのDTMF信号が受信される(S149)。受信されたDTMF信号に基づいてパスワードが特定される。特定されたパスワードに基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S151)。特定されたパスワードが、フラッシュメモリ24に記憶された許可テーブルに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S151:NO)。この場合、オンフックすることで、通信端末11に対して切断通知信号が送信される(S167)。接続中の電話回線は切断される。処理はS141に戻る。
【0055】
一方、特定されたパスワードが許可テーブルに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S151:YES)。IPアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、通信端末11に対して送信される(S153)。IPアドレスの通知は、IP網2を介して通信端末11が制御装置12との通信を行えるようにするために実行される。これによって、制御装置12のIPアドレスが通信端末11に設定されていない場合や、制御装置12のIPアドレスが頻繁に変更される場合でも、通信端末11は、制御装置12と通信を行うことで家電機器13の遠隔制御が可能となる。
【0056】
通信端末11から送信される切断通知信号が受信される(S155)。接続中の電話回線は切断される(S155)。このように、通信端末11の認証が終了した場合、電話回線は即座に切断される。これによって通話料金を抑制している。
【0057】
通信端末11との間で、IP網2を介した通信が開始される。図8に示すように、確立要求信号の受信が監視される(S157)。電話回線の切断後、所定時間経過後も確立要求信号が受信されない場合(S157:NO)、処理はS141(図7参照)に戻る。所定時間内に通信端末11から確立要求信号を受信した場合(S157:YES)、確立要求信号を送信した通信端末11に対して、確立応答信号が送信される(S158)。これによって、通信端末11との間のセッションは確立する。通信端末11の表示部37に表示させるUI画像が、通信端末11に対して送信される(S159)。
【0058】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13及び制御内容を通信端末11に入力する。通信端末11から送信される家電機器13の種別及び制御内容が受信される(S161)。受信された種別の家電機器13は、受信された制御内容で制御される(S163)。通信端末11による家電機器13の制御が終了したか否かが判断される(S168)。通信端末11から送信された終了通知信号が受信された場合(S168:YES)、通信端末11における家電機器13の遠隔制御は終了したことになる。確立中のセッションは終了され、処理はS141(図7参照)に戻る。一方、終了通知信号が受信されていない場合(S168:NO)、処理はS161に戻る。通信端末11による家電機器13の制御は継続される。
【0059】
以上説明したように、制御装置12は、通信端末11から取得したパスワード及び電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御が可能か否かを判断する。電話番号及びパスワードの両方が条件を満たしている場合にのみ、家電機器13の遠隔制御を許可する。これによって制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。
【0060】
制御装置12は、通信端末11の利用者によって入力されたパスワードに基づいて認証を行うことによって、家電機器13の遠隔制御が可能な利用者を限定することができる。また、通信端末11の電話番号に基づいて認証を行うことによって、家電機器13の遠隔制御が可能な通信端末11を限定することができる。これによって制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスをより確実に防止でき、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0061】
制御装置12は、接続された電話回線を介して、通信端末11からパスワードを取得する。電話網3を介した通信は、他の通信路を介した一般的な通信(例えばインターネットなどのIP網2)と比較して秘匿性が高い。従って制御装置12は、パスワードが第三者に漏洩することを高い確率で防止することができる。制御装置12は、パスワードが不特定の者に使用されて家電機器13が制御されることを防止することで、不特定の者によって家電機器13が制御されてしまうことを防止できる。
【0062】
制御装置12は、IP網2を介して受信した指示に基づき、家電機器13を制御することができる。パスワード及び電話番号による利用者の認証後は、電話回線を切断することができる。従って制御装置12は、電話網3の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0063】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。以下、本発明の変形例について説明する。変形例では、電話番号、及びパスワードに加えて、通信端末11のMACアドレスによって通信端末11を認証することができる。上述した実施形態と同一の処理については、上述した符号と同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0064】
図9を参照し、通信端末11、制御装置12、及び家電機器13の間で実行される通信のシーケンスについて説明する。図4で示した通信シーケンスと異なる点は以下のとおりである。図4で、制御装置12から通信端末11に対してDTMF信号によるIPアドレスの通知が行われる(S27、図4参照)代わりに、通信端末11から制御装置12に対して、DTMF信号によるMACアドレスの通知(S51)及びIPアドレスの通知(S52)が行われる。また、通信端末11と制御装置12との間でIP網2を介したセッションを確立させるための確立要求信号は、制御装置12から通信端末11に対して送信される(S53)。制御装置12は、S52で通信端末11から通知されたIPアドレスによって、確立要求信号の宛先を特定することができる。通信端末11から制御装置12に対して、確立応答信号が送信される(S54)。更に制御装置12は、S51で通信端末11から通知されたMACアドレスと、S54で受信した確立応答信号の送信元のMACアドレスとを比較することによって、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断する(S55)。これによって制御装置12は、より厳格に、家電機器13への遠隔制御を許可する通信端末11を特定することができる。従って、制御システム10のセキュリティを更に向上させることができる。
【0065】
図10及び図11を参照し、変形例におけるメイン処理(通信端末)について説明する。図10に示すように、家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力された場合(S111:YES)、制御装置12の電話番号宛に接続要求信号が送信される(S113)。制御装置12から接続応答信号が受信された場合(S115:YES)、制御装置12との間の電話回線は接続する。制御装置12との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。パスワードを問い合わせるための音声が受信され、スピーカ35から出力される(S116)。利用者によって入力されたパスワードが受け付けられる(S117)。受け付けられたパスワードを通知するためのDTMF信号が、制御装置12に対して送信される(S119)。
【0066】
通信端末11のMACアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S170)。MACアドレスは、制御装置12において家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断する場合に使用される。通信端末11のIPアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S171)。IPアドレスは、制御装置12がIP網2を介して通信端末11と通信を行う場合に使用される。オンフックすることで、制御装置12に対して切断通知信号が送信される(S173)。これによって、接続中の電話回線は切断される。
【0067】
制御装置12との間でIP網2を介した通信が開始される。図11に示すように、確立要求信号の受信が監視される(S175)。電話回線が切断されてから所定時間経過後も、確立要求信号が受信されない場合(S175:NO)、制御装置12において家電機器13の制御が禁止された可能性がある。この場合、処理はS111(図10参照)に戻る。
【0068】
電話回線が切断されてから所定時間内に、制御装置12から確立要求信号が受信された場合(S175:YES)、確立要求信号の送信元IPアドレスが、制御装置12のIPアドレスとして特定される。特定されたIPアドレスが使用され、制御装置12に対して確立応答信号が送信される(S176)。これによって、制御装置12との間のセッションは確立する。制御装置12から送信されたUI画像が受信される(S129)。受信されたUI画像は、表示部37に表示される(S129)。
【0069】
利用者によって入力された家電機器13の種別及び制御内容が受け付けられる(S131)。家電機器13の種別及び制御内容は、制御装置12に対して送信される(S133)。家電機器13は、制御内容に基づいて制御される。家電機器13の制御を終了する指示が入力された場合(S139:YES)、家電機器13の制御を終了させる終了通知信号が制御装置12に対して送信される(S140)。確立中のセッションは終了され、処理はS111(図10参照)に戻る。
【0070】
図12及び図13を参照し、変形例におけるメイン処理(制御装置)について説明する。図12に示すように、通信端末11から送信された接続要求信号が受信された場合、(S141:YES)、接続要求信号を送信した通信端末11の電話番号が取得される(S142)。取得された電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S143)。遠隔制御が許可された場合(S143:YES)、接続要求信号に応じてオフフックされ(S145)、接続要求信号を送信した通信端末11に対して接続応答信号が送信される(S145)。通信端末11との間の電話回線は接続する。
【0071】
通信端末11との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。パスワードを問い合わせる音声が通信端末11に対して送信される(S147)。パスワードを通知するためのDTMF信号が受信される(S149)。受信されたDTMF信号に基づいてパスワードが特定される。特定されたパスワードに基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S151)。遠隔制御が許可された場合(S151:YES)、MACアドレスを通知するためのDTMF信号が受信される(S180)。受信されたDTMF信号から、通信端末11のMACアドレスが特定される。IPアドレスを通知するためのDTMF信号が受信される(S181)。受信されたDTMF信号から、通信端末11のIPアドレスが特定される。通信端末11から送信される切断通知信号が受信され(S183)、接続中の電話回線は切断される(S183)。
【0072】
通信端末11との間で、IP網2を介した通信が開始される。S181で受信されたDTMF信号に基づいて、通信端末のIPアドレスが特定される。図13に示すように、特定されたIPアドレスが使用され、通信端末11に対して確立要求信号が送信される(S185)。このように制御装置12は、電話網3を介して通信端末11から取得したIPアドレスを使用することによって、IP網2を介した通信端末11と通信を行うことができる。ここで、確立要求信号には送信元IPアドレスが格納されるので、制御装置12のIPアドレスは確立要求信号によって通信端末11に対して通知されることになる。確立要求信号に応じて通信端末11から送信される確立応答信号が受信される(S187)。これによって、通信端末11との間のセッションは確立する。
【0073】
受信された確立応答信号の送信元MACアドレスが、通信端末11のMACアドレスとして特定される。特定されたMACアドレスと、S180(図12参照)において受信されたDTMF信号に基づいて特定されたMACアドレスとが比較されることで、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S189)。MACアドレスが相違する場合、S180(図12参照)で受信されたDTMF信号を送信した通信端末11と、S187で受信された確立応答信号を送信した通信端末11とが相違する可能性がある。この場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S189:NO)。処理はS141(図12参照)に戻る。
【0074】
一方、MACアドレスが一致する場合、S180(図12参照)で受信されたDTMF信号を送信した通信端末11と、S187で受信された確立応答信号を送信した通信端末11とは一致する。通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S189:YES)。このように制御装置12では、電話網3を介して取得したMACアドレスと、IP網2を介して取得したMACアドレスとを比較し、家電機器13の遠隔制御が可能か否かを判断する。これによって制御装置12は、電話網3を介して通信を行った通信端末11と、IP網2を介して通信を行った通信端末11とが同一であるを判断することができる。電話番号及びパスワードによって認証を行った通信端末11と、IP網2を介して家電機器13の制御を行おうとしている通信端末11とが一致するか否かを判断することができる。よって制御装置12は、遠隔制御を許可する通信端末11を更に確実に特定することができる。
【0075】
通信端末11の表示部37に表示させるUI画像が、通信端末11に対して送信される(S159)。通信端末11の利用者によって通信端末11に入力された家電機器13の種別及び制御内容が受信される(S161)。受信された種別の家電機器13は、受信された制御内容で制御される(S163)。通信端末11から送信された終了通知信号が受信された場合(S168:YES)、確立中のセッションは終了され、処理はS141(図12参照)に戻る。
【0076】
以上説明したように、変形例では、制御装置12は、電話網3を介して取得した通信端末11のIPアドレス情報を使用することで、通信端末11のアドレス情報がわからない場合でも、通信端末11とIP網2を介した通信を開始できる。また制御装置12は、通信端末11のアドレス情報が変化した場合でも、正確なアドレス情報を通信端末11から取得できるので、IP網2を介した通信端末11との通信を確実に開始することができる。
【0077】
また制御装置12は、電話網3を介して取得したMACアドレスと、IP網2を介して取得したMACアドレスとを比較することによって、家電機器13の制御を許可する通信端末11を更に確実に特定することができる。
【0078】
さらに制御装置12は、通信端末11のMACアドレスに基づいて通信端末11を認証することで、家電機器13の遠隔制御が可能な通信端末11を1台のみに限定することができる。従って制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスを更に確実に防止することができる。
【0079】
なお、S145の処理が本発明の「接続ステップ」「第一接続ステップ」に相当する。S149の処理が本発明の「第一取得ステップ」に相当する。S151の処理が本発明の「第一判断ステップ」に相当する。S161の処理が本発明の「受信ステップ」に相当する。S163の処理が本発明の「制御ステップ」に相当する。S153、及びS185の処理が本発明の「通知ステップ」に相当する。S142の処理が本発明の「第二取得ステップ」に相当する。S143の処理が本発明の「第二判断ステップ」に相当する。S181の処理が本発明の「第三取得ステップ」に相当する。S187の処理が本発明の「第四取得ステップ」に相当する。S189の処理が本発明の「第三判断ステップ」に相当する。S180の処理が本発明の「第五取得ステップ」に相当する。
【0080】
S115の処理が本発明の「第二接続ステップ」に相当する。S117の処理が本発明の「受付ステップ」に相当する。S119の処理が本発明の「通知ステップ」に相当する。S133の処理が本発明の「送信手段」に相当する。
【0081】
上述の実施形態及び変形例では、制御装置12と家電機器13とが接続され、制御装置12によって家電機器13の制御が行われていたが、本発明はこれに限定されない。家電機器13を制御する専用機器が、制御装置12と家電機器13との間に介在していてもよい。制御装置12は、専用機器を制御することによって間接的に家電機器13を制御してもよい。また制御装置12は、家電機器13に直接組み込まれていてもよい。
【0082】
上述では、制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストにパスワード及び電話番号が格納されているか否かによって、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断していた。本発明はこれに限定されない。制御装置12は、周知の認証プロトコルを利用することによって、遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。例えば制御装置12は、ユーザIDとパスワードの組み合わせを用いることで、遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。また制御装置12は、IP網2に接続した認証用のサーバに、受信したパスワードや電話番号をキーとして問い合わせることによって、家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。
【0083】
例えば制御装置12は、電話網3を介して通信端末11に対して鍵情報を送信してもよい。通信端末11は、電話網3を介して受信した鍵情報を使用してパスワードを暗号化し、電話網3又はIP網2を介して暗号化されたパスワードを制御装置12に対して送信してもよい。制御装置12は、暗号化されたパスワードを復号化し、復号化されたパスワードに基づいて、遠隔制御が可能か否かを判断してもよい。これによって、パスワードの通信の秘匿性を更に高めることができる。
【0084】
上述では、制御装置12は電話網3を介して通信端末11に対して自身のIPアドレスを通知していた。本発明はこれに限定されない。制御装置12は、通信端末11とのセッションの確立後、IP網2を介して自身のIPアドレスを通信端末11に対して通知してもよい。
【0085】
IP網2を介した通信を開始する際、周知の呼制御通信のプロトコルが利用されてもよい。例えばSession Initiation Protocol(SIP)が利用されてもよい。
【0086】
上述では、通信端末11から制御装置12を介して家電機器13の駆動制御が行われていたが、本発明はこれに限定されない。通信端末11は、制御装置12を介して家電機器13の駆動状態を受信できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
2 IP網
3 電話網
10 制御システム
11 通信端末
12 制御装置
13 家電機器
21、31 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話網及びIP網を介して通信端末と通信を行うことができる制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅外の通信端末と宅内の制御装置とが電話網を介して通信を行うことで、通信端末が、制御装置に接続した家電機器を遠隔制御する制御システムが提案されている。例えば特許文献1に記載された制御システムでは、宅外の通信端末(宅外電話機)は、はじめに、宅内の制御装置(電話親機)との間の電話回線を接続する。次いで宅外の通信端末は、接続中の電話回線を使用して制御装置と通信を行う。制御装置は、宅外の通信端末からの指示に基づき、各種家電機器を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−181013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の制御システムでは、宅外の通信端末は、宅内の制御装置との間で接続した電話回線を維持しなければ、家電機器を制御することができない。従って、宅外の通信端末が宅内の制御装置を継続して制御する場合、電話回線の使用時間が長くなり、通信料金が高くなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、電話回線の使用時間を短くして通信料金を抑えつつ、宅外の通信端末からの遠隔操作の指示に応じて宅内の機器を制御する制御装置、制御システム、制御方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る制御装置は、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置であって、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを実行することを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、制御装置は、通信端末から取得した認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かを判断する。制御装置は、通信端末による機器の制御が可能と判断した場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器を制御する。これによって制御装置は、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また制御装置は、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報を取得する。これによって制御装置は、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。故に制御装置は、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることを防止することで、不特定の者によって機器が制御されてしまうことを防止できる。また制御装置は、IP網を介して受信した指示に基づき、機器を制御する。認証情報によるユーザの認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って制御装置は、ユーザの認証の終了後は電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0008】
また第一態様において前記制御部は、前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記IP網における前記制御装置のアドレス情報を、前記電話網又は前記IP網を介して前記通信端末に対して通知する通知ステップを更に実行してもよい。制御装置が通信端末に対してアドレス情報を通知することによって、通信端末は、通知されたアドレス情報を使用してIP網を介した通信を行い、制御装置に対して機器の制御指示を行うことができる。従って、制御装置のアドレス情報を通信端末に対して前もって設定しておく必要がない。また、制御装置のアドレス情報が変化した場合でも、制御装置は正確なアドレス情報を通信端末に対して通知することができる。従って通信端末は、IP網を介した制御装置との通信を確実に行い、機器を制御することができる。
【0009】
また第一態様において、前記制御部は、前記通信端末に割り当てられた電話番号を、接続した前記電話回線を介して取得する第二取得ステップと、前記第二取得ステップにおいて取得した前記電話番号に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第二判断ステップとを更に実行し、前記制御ステップを実行する場合において、前記第二判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御してもよい。制御装置は、通信端末の電話番号に基づいて、機器の制御が可能な通信端末であるか否かを判断することができる。故に制御装置は、特定の電話番号を有する通信端末からの指示にのみ応じ、機器を制御することができる。制御装置は、機器の制御が可能な通信端末を限定することによって機器への不正なアクセスをより確実に防止できるので、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0010】
また第一態様において、前記制御部は、前記IP網における前記通信端末のアドレス情報を、前記通信端末から取得する第三取得ステップを更に実行し、前記通知ステップを実行する場合において、前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を使用し、前記IP網を介して前記通信端末に対して、前記制御装置のアドレス情報を通知してもよい。制御装置は、取得した通信端末のアドレス情報を使用して、IP網を介して通信端末と通信を行うことができる。従って制御装置は、通信端末のアドレス情報がわからない場合でも、IP網2を介した制御装置との通信を開始することができる。また通信端末のアドレス情報が変化した場合でも、正確なアドレス情報を通信端末から取得して使用することができる。従って制御装置は、IP網を介した通信端末との通信を確実に開始することができる。
【0011】
また第一態様において、前記制御部は、前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を用い、前記IP網を介して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末に固有の固有情報を取得する第四取得ステップと、前記第四取得ステップにおいて取得した前記固有情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第三判断ステップとを実行し、前記制御ステップを実行する場合において、前記第三判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御してもよい。制御装置は、通信端末の固有情報に基づいて、機器の制御が可能な通信端末であるか否かを判断することができる。故に制御装置は、特定の固有情報を有する通信端末からの指示にのみ応じ、機器を制御することができる。故に制御装置は、機器への不正なアクセスをより確実に防止できるので、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0012】
また第一態様において、前記制御部は、前記通信端末の前記固有情報を、接続した前記電話回線を介して取得する第五取得ステップを備え、前記第三判断ステップを実行する場合において、前記第四取得ステップにおいて前記IP網を介して取得した前記固有情報と、前記第五取得ステップにおいて前記電話回線を介して取得した前記固有情報とが一致する場合に、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断してもよい。制御装置は、電話回線を介して取得した固有情報と、IP網を介して取得した固有情報を比較することによって、通信端末による機器の制御が可能か否かを判断することができる。故に制御装置は、機器の制御を許可する通信端末を確実に特定することができる。
【0013】
本発明の第二態様に係る制御システムは、IP網及び電話網を介して通信を行うことが可能な通信端末と、前記IP網及び前記電話網を介して前記通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置とを備えた制御システムであって、前記制御装置は、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記通信端末との間の電話回線を接続する第一接続ステップと、前記第一接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを実行し、前記通信端末は、制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、前記制御装置との間の電話回線を接続する第二接続ステップと、前記第二接続ステップにおいて前記制御装置との間の前記電話回線を接続した後、前記ユーザから前記認証情報を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた前記認証情報を、前記制御装置に対して通知する通知ステップと、前記通知ステップにおいて通知した前記認証情報に基づき、前記制御装置において、前記機器の制御が可能と判断された場合に、前記機器を制御する指示を、前記IP網を介して前記制御装置に対して送信する送信ステップとを実行することを特徴とする。
【0014】
第二態様によれば、第一態様に係る制御装置と同様の効果を奏することができる。また通信端末は、制御装置を介して機器を遠隔制御することができる。
【0015】
本発明の第三態様に係る制御方法は、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御方法であって、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0016】
第三態様によれば、通信端末から取得された認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かが判断される。通信端末による機器の制御が可能と判断された場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器が制御される。これによって、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報が取得される。これによって、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。従って、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることが防止されるので、不特定の者によって制御が制御されてしまうことを防止できる。また、IP網を介して受信された指示に基づき、機器が制御される。認証情報の認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って、電話回線が不要な場合に電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0017】
本発明の第四態様に係る制御プログラムは、IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御するコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる為のものである。
【0018】
第四態様によれば、通信端末から取得された認証情報に基づいて、通信端末による機器の制御が可能か否かが判断される。通信端末による機器の制御が可能と判断された場合にのみ、通信端末からの指示に応じて機器が制御される。これによって、機器への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。また、接続された電話回線を介して、通信端末から認証情報が取得される。これによって、認証情報を取得する際の通信の秘匿性を高め、認証情報が第三者に漏洩することを防止できる。故に、認証情報が不特定の者に使用されて機器が制御されることが防止されることで、不特定の者によって制御が制御されてしまうことを防止できる。また、IP網を介して受信された指示に基づき、機器が制御される。認証情報の認証後は、電話回線を接続しておく必要がない。従って、電話回線が不要な場合に電話回線を切断することができるので、電話網の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】制御システム10の概要を示す図である。
【図2】制御装置12の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】通信端末11の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】通信シーケンスを示す図である。
【図5】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図6】メイン処理(通信端末)を示すフローチャートであって、図5の続きである。
【図7】メイン処理(制御装置)を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理(制御装置)を示すフローチャートであって、図7の続きである。
【図9】変形例における通信シーケンスを示す図である。
【図10】変形例におけるメイン処理(通信端末)を示すフローチャートである。
【図11】変形処理におけるメイン処理(通信端末)を示すフローチャートであって、図10の続きである。
【図12】変形例におけるメイン処理(制御装置)を示すフローチャートである。
【図13】変形例におけるメイン処理(制御装置)を示すフローチャートであって、図12の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1を参照し、制御システム10の概要について説明する。制御システム10は、通信端末11、及び制御装置12を備えている。通信端末11、及び制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して接続している。IP網2は、インターネットプロトコル(TCP/IP)に基づいて通信が行われる通信網である。電話網3は、電話回線が交換機によって接続される通信網である。なお電話網3は、固定電話回線の電話網、及び移動電話回線の電話網を含んでいる。通信端末11、及び制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して通信を行うことができる。
【0022】
通信端末11として、PDAなどの周知の携帯情報端末を使用することができる。制御装置12には、宅内1に設置された家電機器13(テレビ、照明、PCなど)が接続されている。制御装置12は、接続された家電機器13と通信を行うことによって、家電機器13の制御(駆動状態のON/OFF切り替えなど)を行うことができる。制御装置12として、周知の多機能電話機、複合機、サーバ等を使用することができる。
【0023】
制御装置12は、IP網2、及び電話網3を介して通信端末11と通信を行い、家電機器13を遠隔制御するための指示を通信端末11から受信する。制御装置12は、受信した指示に従い、家電機器13を制御することができる。これによって通信端末11の利用者は、通信端末11を使用することで、宅内1の家電機器13を宅外から遠隔制御することができる。
【0024】
図2を参照し、制御装置12の電気的構成について説明する。制御装置12は、制御装置12の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、表示部25、第一通信I/F26、及び第二通信I/F27と電気的に接続している。
【0025】
ROM22には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ24には、CPU21の制御プログラムが記憶される。またフラッシュメモリ24には、遠隔制御を許可する通信端末11の電話番号、及び、遠隔制御を許可する利用者のパスワードのリストが記憶されている。以下、遠隔制御を許可する通信端末11の電話番号、及び、遠隔制御を許可する利用者のパスワードのリストを、許可リストという。第一通信I/F26は、IP網2を介して通信端末11と通信を行う場合のタイミング制御を行う。第二通信I/F27は、電話網3を介して通信端末11と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0026】
図3を参照し、通信端末11の電気的構成について説明する。通信端末11は、通信端末11の制御を司るCPU31を備えている。CPU31は、ROM32、RAM33、フラッシュメモリ34、スピーカ35、マイク36、表示部37、入力部38、第一通信I/F39、及び第二通信I/F40と電気的に接続している。ROM32には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM33には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ34には、CPU31の制御プログラムが記憶される。表示部37はディスプレイである。入力部38はボタンやタッチパネルである。第一通信I/F39は、IP網2を介して制御装置12と通信を行う場合のタイミング制御を行う。第二通信I/F40は、電話網3を介して制御装置12と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0027】
図4を参照し、通信端末11、制御装置12、及び家電機器13の間で実行される通信のシーケンスについて説明する。通信端末11の利用者は、家電機器13の遠隔制御を開始する為に、制御装置12の電話番号宛に電話を掛ける操作を、入力部38を介して行う。通信端末11は、制御装置12との間の電話回線の接続を要求する信号を送信する。以下、電話回線の接続を要求する信号を、接続要求信号という。制御装置12は、接続要求信号を受信する(S11)。
【0028】
制御装置12は、受信した接続要求信号から、通信端末11の電話番号を特定する。制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストに、特定された電話番号が格納されているかを判断することで、通信端末11を認証する(S13)。特定された電話番号が許可リストに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される。一方、特定された電話番号が許可リストに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される。
【0029】
通信端末11による家電機器13の遠隔制御が禁止された場合、制御装置12は、図示外の通話親機を制御してスピーカから呼び出し音を出力させ、着信したことを利用者に通知する。以後、通信端末と通話親機との間で通話が実行可能となる。
【0030】
一方、通信端末11による家電機器13の遠隔制御が許可されたとする。制御装置12は、オフフックすることで、接続要求信号に応じる(S15)。制御装置12から通信端末11に対して、電話回線の接続を許可する旨の応答信号が送信される。以下、電話回線の接続を許可する旨の応答信号を、接続応答信号という。通信端末11は、接続応答信号を受信する(S17)。これによって、通信端末11と制御装置12との間の電話回線は接続する。
【0031】
通信端末11と制御装置12とは、接続された電話回線を介した通信を開始する。はじめに制御装置12は、自動音声応答機能(IVR(Interactive Voice Response))を使用し、通信端末11に対して所定音声を自動送信する。所定音声は、通信端末11の利用者に対して、パスワード(PW)を問い合わせる音声(例えば「パスワードを入力してください」など)である。通信端末11は、所定音声を受信する(S19)。通信端末11は、受信した所定音声をスピーカ35から出力する。
【0032】
通信端末11の利用者は、スピーカ35から出力される所定音声に応じ、入力部38を介してパスワードを入力する(S21)。通信端末11は、入力されたパスワードを通知するためのDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号を、制御装置12に対して送信する。制御装置12は、パスワードを通知するためのDTMF信号を受信する(S23)。
【0033】
制御装置12は、受信したDTMF信号から、通信端末11の利用者によって入力されたパスワードを特定する。制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストに、特定されたパスワードが格納されているかを判断することで、通信端末11を認証する(S25)。特定されたパスワードが許可リストに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔操作は禁止され、通信端末11と制御装置12との間の電話回線は切断される。
【0034】
特定されたパスワードが許可リストに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔操作は許可される。制御装置12は、自身のIPアドレスを通知するためのDTMF信号を、通信端末11に対して送信する。通信端末11は、IPアドレスを通知するためのDTMF信号を受信する(S27)。通信端末11は、受信したDTMF信号から、制御装置12のIPアドレスを特定する。
【0035】
通信端末11は、オンフックする(S29)ことで、接続中の電話回線を切断する。通信端末11から制御装置12に対して、回線の切断を通知する旨の信号が送信される。以下、回線の切断を通知する旨の信号を、切断通知信号という。制御装置12は、切断通知信号を受信する(S31)。S17の通信で接続した通信端末11と制御装置12との間の電話回線は、切断される。
【0036】
続いて通信端末11及び制御装置12は、IP網2を介した通信を開始する。通信端末11は、IP網2を介したセッションの確立を要求する信号を、制御装置12に対して送信する。以下、セッションの確立を要求する信号を、確立要求信号という。確立要求信号は、S27で受信されたDTMF信号から特定されたIPアドレス宛に送信される。制御装置12は、確立要求信号を受信する(S33)。制御装置12は、セッションの確立を許可する旨の応答信号を、通信端末11に対して送信する。以下、セッションの確立を許可する旨の応答信号を、確立応答信号という。通信端末11は、確立応答信号を受信する(S35)。通信端末11と制御装置12との間でセッションは確立し、双方がIP網2を介して互いに通信を行うことが可能な状態になる。
【0037】
通信端末11と制御装置12とは、確立されたセッションを介して以下の通信を行う。はじめに制御装置12は、通信端末11の表示部37に表示させる所定画像のデータを、通信端末11に対して送信する。所定画像は、遠隔制御を望む家電機器13の種別、及び制御内容を、通信端末11の利用者に選択させるためのユーザインタフェース(UI)画像である。通信端末11は、UI画像のデータを受信する(S37)。通信端末11は、受信したUI画像を表示部37に表示する。
【0038】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13の種別、及び制御内容を、入力部38を介して入力する(S39)。通信端末11は、入力された家電機器13の種別、及び制御内容を、制御装置12に対して送信する。制御装置12は、家電機器13の種別、及び制御内容を受信する(S41)。制御装置12は、受信した種別の家電機器13を、受信した制御内容に基づいて制御する(S43)。以上の通信を経て、通信端末11の利用者は、宅内1にある家電機器13を遠隔制御することができる。
【0039】
以上のように制御装置12は、電話番号及びパスワードの両方を用いた認証処理を行うので、遠隔制御を許可する通信端末11を確実に特定することができる。また、認証後は即座に電話回線が切断され、家電機器13の制御のための通信は、IP網2を介して実行される。これによって、電話回線の使用時間を抑制できるので、発生する通話料金を低く抑えることができる。
【0040】
図5及び図6を参照し、通信端末11のCPU31において実行されるメイン処理(通信端末)について説明する。メイン処理(通信端末)は、通信端末11の電源が投入された場合に、CPU31において起動され実行される。
【0041】
図5に示すように、家電機器13の遠隔制御を開始する指示が、制御装置12の電話番号と共に入力部38を介して入力されたかが判断される(S111)。家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力されていない場合(S111:NO)、処理はS111に戻る。
【0042】
家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力された場合(S111:YES)。指示とともに入力された電話番号宛に、接続要求信号が送信される(S113)。送信された接続要求信号に応じ、制御装置12から送信される接続応答信号を受信したかが判断される(S115)。所定時間経過後も接続応答信号が受信されない場合(S115:NO)、制御装置12において家電機器13の遠隔制御が禁止された可能性がある。この場合、制御装置12に接続した通話親機との間で周知の通話処理が実行される(S137)。通話処理の終了後、処理はS111に戻る。
【0043】
S113で接続要求信号を送信した後、所定時間内に制御装置12から接続応答信号を受信した場合(S115:YES)、制御装置12との間の電話回線は接続する。制御装置12との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。制御装置12から送信された、パスワードを問い合わせるための音声(例えば「パスワードを入力してください」など)が受信される(S116)。受信された音声は、スピーカ35から出力される(S116)。通信端末11の利用者は、スピーカ35から出力される音声に応じ、入力部38を介してパスワードを入力する。入力されたパスワードが受け付けられる(S117)。受け付けられたパスワードを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S119)。
【0044】
IPアドレスを通知するためのDTMF信号の受信が監視される(S121)。S119でDTMF信号を送信してから所定時間経過後もDTMF信号が受信されない場合(S121:NO)、制御装置12において家電機器13の制御が禁止されたことになる。この場合、制御装置12から送信される切断通知信号が受信される(S135)。接続中の電話回線は切断され(S135)、処理はS111に戻る。
【0045】
一方、制御装置12から送信されたDTMF信号が所定時間内に受信された場合(S121:YES)、受信されたDTMF信号からIPアドレスが特定される(S123)。オンフックすることで、制御装置12に対して切断通知信号が送信される(S125)。これによって、接続中の電話回線は切断される。なお、特定されたIPアドレスは、後述するIP網2を介した通信時において、制御装置12のIPアドレスとして使用される。このように通信端末11は、電話網3を介した通信によって制御装置12のIPアドレスを取得できる。従って、制御装置12のIPアドレスわからない場合や、制御装置12のIPアドレスが頻繁に変更される場合でも、制御装置12のIPアドレスを正確に特定することができる。従って通信端末11は、IP網2を介した制御装置12との通信を確実に開始させることができる。
【0046】
制御装置12との間で、IP網2を介した通信が開始される。図6に示すように、制御装置12に対して確立要求信号が送信される(S127)。確立要求信号に応じて制御装置12から送信される確立応答信号が受信され(S128)、制御装置12との間のセッションは確立する。制御装置12から送信されたUI画像が受信される(S129)。受信されたUI画像は、表示部37に表示される(S129)。
【0047】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13及び制御内容を、入力部38を介して入力する。入力された家電機器13の種別及び制御内容が受け付けられる(S131)。家電機器13の種別及び制御内容は、制御装置12に対して送信される(S133)。これによって、制御装置12において家電機器13の制御が実行される。
【0048】
家電機器13の制御を終了する指示が、入力部38を介して入力されたかが判断される(S139)。家電機器13の制御を終了する指示が入力された場合(S139:YES)、家電機器13の制御を終了させる終了通知信号が、制御装置12に対して送信される(S140)。確立中のセッションは終了され、処理はS111(図5参照)に戻る。家電機器13の制御を終了させる指示が入力されていない場合(S139:NO)、処理はS131に戻る。家電機器13の制御は継続して実行される。
【0049】
以上のように通信端末11は、制御装置12を介して家電機器13の遠隔制御を行うことができるようになる。通信端末11は、電話網3を介して取得した制御装置12のIPアドレスを使用して制御装置12と確実に通信を行うことができるので、家電機器13の制御を確実に行うことができる。
【0050】
通信端末11は、制御装置12による認証が終了した時点で、即座に電話回線を切断する。家電機器13の遠隔制御は、IP網2を介して実行される。従って、電話回線の使用料金を低く抑えることができる。
【0051】
図7及び図8を参照し、制御装置12のCPU21において実行されるメイン処理(制御装置)について説明する。メイン処理(制御装置)は、制御装置12の電源が投入された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0052】
図7に示すように、接続要求信号の受信が監視される(S141)。接続要求信号が受信されていない場合(S141:NO)、処理はS141に戻る。接続要求信号が受信された場合、(S141:YES)、受信された接続要求信号に基づき、接続要求信号を送信した通信端末11の電話番号が特定される(S142)。特定された電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S143)。特定された電話番号が、フラッシュメモリ24に記憶された許可テーブルに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S143:NO)、この場合、通話親機と通信端末11との間の通話動作を仲介することで、周知の通話処理が実行される(S165)。このように制御システム10では、通信端末11による家電機器13の制御が制御装置12において禁止された場合でも、通信端末11は宅内1にいる者と通話を行うことができる。通話処理の終了後、処理はS141に戻る。
【0053】
一方、特定された電話番号が許可テーブルに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S143:YES)。受信された接続要求信号に応じ、オフフックされる(S145)。接続要求信号を送信した通信端末11に対して、接続応答信号が送信される(S145)。これによって通信端末11との間の電話回線は接続する。
【0054】
通信端末11との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。IVRを使用し、パスワードを問い合わせる音声が通信端末11に対して送信される(S147)。音声の送信後、パスワードを通知するためのDTMF信号が受信される(S149)。受信されたDTMF信号に基づいてパスワードが特定される。特定されたパスワードに基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S151)。特定されたパスワードが、フラッシュメモリ24に記憶された許可テーブルに格納されていない場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S151:NO)。この場合、オンフックすることで、通信端末11に対して切断通知信号が送信される(S167)。接続中の電話回線は切断される。処理はS141に戻る。
【0055】
一方、特定されたパスワードが許可テーブルに格納されている場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S151:YES)。IPアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、通信端末11に対して送信される(S153)。IPアドレスの通知は、IP網2を介して通信端末11が制御装置12との通信を行えるようにするために実行される。これによって、制御装置12のIPアドレスが通信端末11に設定されていない場合や、制御装置12のIPアドレスが頻繁に変更される場合でも、通信端末11は、制御装置12と通信を行うことで家電機器13の遠隔制御が可能となる。
【0056】
通信端末11から送信される切断通知信号が受信される(S155)。接続中の電話回線は切断される(S155)。このように、通信端末11の認証が終了した場合、電話回線は即座に切断される。これによって通話料金を抑制している。
【0057】
通信端末11との間で、IP網2を介した通信が開始される。図8に示すように、確立要求信号の受信が監視される(S157)。電話回線の切断後、所定時間経過後も確立要求信号が受信されない場合(S157:NO)、処理はS141(図7参照)に戻る。所定時間内に通信端末11から確立要求信号を受信した場合(S157:YES)、確立要求信号を送信した通信端末11に対して、確立応答信号が送信される(S158)。これによって、通信端末11との間のセッションは確立する。通信端末11の表示部37に表示させるUI画像が、通信端末11に対して送信される(S159)。
【0058】
通信端末11の利用者は、表示部37に表示されたUI画像に従い、遠隔制御を望む家電機器13及び制御内容を通信端末11に入力する。通信端末11から送信される家電機器13の種別及び制御内容が受信される(S161)。受信された種別の家電機器13は、受信された制御内容で制御される(S163)。通信端末11による家電機器13の制御が終了したか否かが判断される(S168)。通信端末11から送信された終了通知信号が受信された場合(S168:YES)、通信端末11における家電機器13の遠隔制御は終了したことになる。確立中のセッションは終了され、処理はS141(図7参照)に戻る。一方、終了通知信号が受信されていない場合(S168:NO)、処理はS161に戻る。通信端末11による家電機器13の制御は継続される。
【0059】
以上説明したように、制御装置12は、通信端末11から取得したパスワード及び電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御が可能か否かを判断する。電話番号及びパスワードの両方が条件を満たしている場合にのみ、家電機器13の遠隔制御を許可する。これによって制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスを防止してセキュリティの向上を図ることができる。
【0060】
制御装置12は、通信端末11の利用者によって入力されたパスワードに基づいて認証を行うことによって、家電機器13の遠隔制御が可能な利用者を限定することができる。また、通信端末11の電話番号に基づいて認証を行うことによって、家電機器13の遠隔制御が可能な通信端末11を限定することができる。これによって制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスをより確実に防止でき、セキュリティ性を更に高めることができる。
【0061】
制御装置12は、接続された電話回線を介して、通信端末11からパスワードを取得する。電話網3を介した通信は、他の通信路を介した一般的な通信(例えばインターネットなどのIP網2)と比較して秘匿性が高い。従って制御装置12は、パスワードが第三者に漏洩することを高い確率で防止することができる。制御装置12は、パスワードが不特定の者に使用されて家電機器13が制御されることを防止することで、不特定の者によって家電機器13が制御されてしまうことを防止できる。
【0062】
制御装置12は、IP網2を介して受信した指示に基づき、家電機器13を制御することができる。パスワード及び電話番号による利用者の認証後は、電話回線を切断することができる。従って制御装置12は、電話網3の使用時間を短くし、通信料金を抑制することができる。
【0063】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。以下、本発明の変形例について説明する。変形例では、電話番号、及びパスワードに加えて、通信端末11のMACアドレスによって通信端末11を認証することができる。上述した実施形態と同一の処理については、上述した符号と同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0064】
図9を参照し、通信端末11、制御装置12、及び家電機器13の間で実行される通信のシーケンスについて説明する。図4で示した通信シーケンスと異なる点は以下のとおりである。図4で、制御装置12から通信端末11に対してDTMF信号によるIPアドレスの通知が行われる(S27、図4参照)代わりに、通信端末11から制御装置12に対して、DTMF信号によるMACアドレスの通知(S51)及びIPアドレスの通知(S52)が行われる。また、通信端末11と制御装置12との間でIP網2を介したセッションを確立させるための確立要求信号は、制御装置12から通信端末11に対して送信される(S53)。制御装置12は、S52で通信端末11から通知されたIPアドレスによって、確立要求信号の宛先を特定することができる。通信端末11から制御装置12に対して、確立応答信号が送信される(S54)。更に制御装置12は、S51で通信端末11から通知されたMACアドレスと、S54で受信した確立応答信号の送信元のMACアドレスとを比較することによって、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断する(S55)。これによって制御装置12は、より厳格に、家電機器13への遠隔制御を許可する通信端末11を特定することができる。従って、制御システム10のセキュリティを更に向上させることができる。
【0065】
図10及び図11を参照し、変形例におけるメイン処理(通信端末)について説明する。図10に示すように、家電機器13の遠隔制御を開始する指示が入力された場合(S111:YES)、制御装置12の電話番号宛に接続要求信号が送信される(S113)。制御装置12から接続応答信号が受信された場合(S115:YES)、制御装置12との間の電話回線は接続する。制御装置12との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。パスワードを問い合わせるための音声が受信され、スピーカ35から出力される(S116)。利用者によって入力されたパスワードが受け付けられる(S117)。受け付けられたパスワードを通知するためのDTMF信号が、制御装置12に対して送信される(S119)。
【0066】
通信端末11のMACアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S170)。MACアドレスは、制御装置12において家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断する場合に使用される。通信端末11のIPアドレスを通知するためのDTMF信号が作成され、制御装置12に対して送信される(S171)。IPアドレスは、制御装置12がIP網2を介して通信端末11と通信を行う場合に使用される。オンフックすることで、制御装置12に対して切断通知信号が送信される(S173)。これによって、接続中の電話回線は切断される。
【0067】
制御装置12との間でIP網2を介した通信が開始される。図11に示すように、確立要求信号の受信が監視される(S175)。電話回線が切断されてから所定時間経過後も、確立要求信号が受信されない場合(S175:NO)、制御装置12において家電機器13の制御が禁止された可能性がある。この場合、処理はS111(図10参照)に戻る。
【0068】
電話回線が切断されてから所定時間内に、制御装置12から確立要求信号が受信された場合(S175:YES)、確立要求信号の送信元IPアドレスが、制御装置12のIPアドレスとして特定される。特定されたIPアドレスが使用され、制御装置12に対して確立応答信号が送信される(S176)。これによって、制御装置12との間のセッションは確立する。制御装置12から送信されたUI画像が受信される(S129)。受信されたUI画像は、表示部37に表示される(S129)。
【0069】
利用者によって入力された家電機器13の種別及び制御内容が受け付けられる(S131)。家電機器13の種別及び制御内容は、制御装置12に対して送信される(S133)。家電機器13は、制御内容に基づいて制御される。家電機器13の制御を終了する指示が入力された場合(S139:YES)、家電機器13の制御を終了させる終了通知信号が制御装置12に対して送信される(S140)。確立中のセッションは終了され、処理はS111(図10参照)に戻る。
【0070】
図12及び図13を参照し、変形例におけるメイン処理(制御装置)について説明する。図12に示すように、通信端末11から送信された接続要求信号が受信された場合、(S141:YES)、接続要求信号を送信した通信端末11の電話番号が取得される(S142)。取得された電話番号に基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S143)。遠隔制御が許可された場合(S143:YES)、接続要求信号に応じてオフフックされ(S145)、接続要求信号を送信した通信端末11に対して接続応答信号が送信される(S145)。通信端末11との間の電話回線は接続する。
【0071】
通信端末11との間で、接続した電話回線を介した通信が開始される。パスワードを問い合わせる音声が通信端末11に対して送信される(S147)。パスワードを通知するためのDTMF信号が受信される(S149)。受信されたDTMF信号に基づいてパスワードが特定される。特定されたパスワードに基づいて、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S151)。遠隔制御が許可された場合(S151:YES)、MACアドレスを通知するためのDTMF信号が受信される(S180)。受信されたDTMF信号から、通信端末11のMACアドレスが特定される。IPアドレスを通知するためのDTMF信号が受信される(S181)。受信されたDTMF信号から、通信端末11のIPアドレスが特定される。通信端末11から送信される切断通知信号が受信され(S183)、接続中の電話回線は切断される(S183)。
【0072】
通信端末11との間で、IP網2を介した通信が開始される。S181で受信されたDTMF信号に基づいて、通信端末のIPアドレスが特定される。図13に示すように、特定されたIPアドレスが使用され、通信端末11に対して確立要求信号が送信される(S185)。このように制御装置12は、電話網3を介して通信端末11から取得したIPアドレスを使用することによって、IP網2を介した通信端末11と通信を行うことができる。ここで、確立要求信号には送信元IPアドレスが格納されるので、制御装置12のIPアドレスは確立要求信号によって通信端末11に対して通知されることになる。確立要求信号に応じて通信端末11から送信される確立応答信号が受信される(S187)。これによって、通信端末11との間のセッションは確立する。
【0073】
受信された確立応答信号の送信元MACアドレスが、通信端末11のMACアドレスとして特定される。特定されたMACアドレスと、S180(図12参照)において受信されたDTMF信号に基づいて特定されたMACアドレスとが比較されることで、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かが判断される(S189)。MACアドレスが相違する場合、S180(図12参照)で受信されたDTMF信号を送信した通信端末11と、S187で受信された確立応答信号を送信した通信端末11とが相違する可能性がある。この場合、通信端末11による家電機器13の遠隔制御は禁止される(S189:NO)。処理はS141(図12参照)に戻る。
【0074】
一方、MACアドレスが一致する場合、S180(図12参照)で受信されたDTMF信号を送信した通信端末11と、S187で受信された確立応答信号を送信した通信端末11とは一致する。通信端末11による家電機器13の遠隔制御は許可される(S189:YES)。このように制御装置12では、電話網3を介して取得したMACアドレスと、IP網2を介して取得したMACアドレスとを比較し、家電機器13の遠隔制御が可能か否かを判断する。これによって制御装置12は、電話網3を介して通信を行った通信端末11と、IP網2を介して通信を行った通信端末11とが同一であるを判断することができる。電話番号及びパスワードによって認証を行った通信端末11と、IP網2を介して家電機器13の制御を行おうとしている通信端末11とが一致するか否かを判断することができる。よって制御装置12は、遠隔制御を許可する通信端末11を更に確実に特定することができる。
【0075】
通信端末11の表示部37に表示させるUI画像が、通信端末11に対して送信される(S159)。通信端末11の利用者によって通信端末11に入力された家電機器13の種別及び制御内容が受信される(S161)。受信された種別の家電機器13は、受信された制御内容で制御される(S163)。通信端末11から送信された終了通知信号が受信された場合(S168:YES)、確立中のセッションは終了され、処理はS141(図12参照)に戻る。
【0076】
以上説明したように、変形例では、制御装置12は、電話網3を介して取得した通信端末11のIPアドレス情報を使用することで、通信端末11のアドレス情報がわからない場合でも、通信端末11とIP網2を介した通信を開始できる。また制御装置12は、通信端末11のアドレス情報が変化した場合でも、正確なアドレス情報を通信端末11から取得できるので、IP網2を介した通信端末11との通信を確実に開始することができる。
【0077】
また制御装置12は、電話網3を介して取得したMACアドレスと、IP網2を介して取得したMACアドレスとを比較することによって、家電機器13の制御を許可する通信端末11を更に確実に特定することができる。
【0078】
さらに制御装置12は、通信端末11のMACアドレスに基づいて通信端末11を認証することで、家電機器13の遠隔制御が可能な通信端末11を1台のみに限定することができる。従って制御装置12は、家電機器13への不正なアクセスを更に確実に防止することができる。
【0079】
なお、S145の処理が本発明の「接続ステップ」「第一接続ステップ」に相当する。S149の処理が本発明の「第一取得ステップ」に相当する。S151の処理が本発明の「第一判断ステップ」に相当する。S161の処理が本発明の「受信ステップ」に相当する。S163の処理が本発明の「制御ステップ」に相当する。S153、及びS185の処理が本発明の「通知ステップ」に相当する。S142の処理が本発明の「第二取得ステップ」に相当する。S143の処理が本発明の「第二判断ステップ」に相当する。S181の処理が本発明の「第三取得ステップ」に相当する。S187の処理が本発明の「第四取得ステップ」に相当する。S189の処理が本発明の「第三判断ステップ」に相当する。S180の処理が本発明の「第五取得ステップ」に相当する。
【0080】
S115の処理が本発明の「第二接続ステップ」に相当する。S117の処理が本発明の「受付ステップ」に相当する。S119の処理が本発明の「通知ステップ」に相当する。S133の処理が本発明の「送信手段」に相当する。
【0081】
上述の実施形態及び変形例では、制御装置12と家電機器13とが接続され、制御装置12によって家電機器13の制御が行われていたが、本発明はこれに限定されない。家電機器13を制御する専用機器が、制御装置12と家電機器13との間に介在していてもよい。制御装置12は、専用機器を制御することによって間接的に家電機器13を制御してもよい。また制御装置12は、家電機器13に直接組み込まれていてもよい。
【0082】
上述では、制御装置12は、フラッシュメモリ24に記憶された許可リストにパスワード及び電話番号が格納されているか否かによって、通信端末11による家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断していた。本発明はこれに限定されない。制御装置12は、周知の認証プロトコルを利用することによって、遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。例えば制御装置12は、ユーザIDとパスワードの組み合わせを用いることで、遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。また制御装置12は、IP網2に接続した認証用のサーバに、受信したパスワードや電話番号をキーとして問い合わせることによって、家電機器13の遠隔制御を許可するか否かを判断してもよい。
【0083】
例えば制御装置12は、電話網3を介して通信端末11に対して鍵情報を送信してもよい。通信端末11は、電話網3を介して受信した鍵情報を使用してパスワードを暗号化し、電話網3又はIP網2を介して暗号化されたパスワードを制御装置12に対して送信してもよい。制御装置12は、暗号化されたパスワードを復号化し、復号化されたパスワードに基づいて、遠隔制御が可能か否かを判断してもよい。これによって、パスワードの通信の秘匿性を更に高めることができる。
【0084】
上述では、制御装置12は電話網3を介して通信端末11に対して自身のIPアドレスを通知していた。本発明はこれに限定されない。制御装置12は、通信端末11とのセッションの確立後、IP網2を介して自身のIPアドレスを通信端末11に対して通知してもよい。
【0085】
IP網2を介した通信を開始する際、周知の呼制御通信のプロトコルが利用されてもよい。例えばSession Initiation Protocol(SIP)が利用されてもよい。
【0086】
上述では、通信端末11から制御装置12を介して家電機器13の駆動制御が行われていたが、本発明はこれに限定されない。通信端末11は、制御装置12を介して家電機器13の駆動状態を受信できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
2 IP網
3 電話網
10 制御システム
11 通信端末
12 制御装置
13 家電機器
21、31 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置であって、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を実行することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記IP網における前記制御装置のアドレス情報を、前記電話網又は前記IP網を介して前記通信端末に対して通知する通知ステップを更に実行することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通信端末に割り当てられた電話番号を、接続した前記電話回線を介して取得する第二取得ステップと、
前記第二取得ステップにおいて取得した前記電話番号に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第二判断ステップと
を更に実行し、
前記制御ステップを実行する場合において、
前記第二判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記IP網における前記通信端末のアドレス情報を、前記通信端末から取得する第三取得ステップを更に実行し、
前記通知ステップを実行する場合において、
前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を使用し、前記IP網を介して前記通信端末に対して、前記制御装置のアドレス情報を通知することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記IP網を介して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末に固有の固有情報を取得する第四取得ステップと、
前記第四取得ステップにおいて取得した前記固有情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第三判断ステップと、
を実行し、
前記制御ステップを実行する場合において、
前記第三判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通信端末の前記固有情報を、接続した前記電話回線を介して取得する第五取得ステップを備え、
前記第三判断ステップを実行する場合において、
前記第四取得ステップにおいて前記IP網を介して取得した前記固有情報と、前記第五取得ステップにおいて前記電話回線を介して取得した前記固有情報とが一致する場合に、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
IP網及び電話網を介して通信を行うことが可能な通信端末と、前記IP網及び前記電話網を介して前記通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置とを備えた制御システムであって、
前記制御装置は、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記通信端末との間の電話回線を接続する第一接続ステップと、
前記第一接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を実行し、
前記通信端末は、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記制御装置との間の電話回線を接続する第二接続ステップと、
前記第二接続ステップにおいて前記制御装置との間の前記電話回線を接続した後、前記ユーザから前記認証情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた前記認証情報を、前記制御装置に対して通知する通知ステップと、
前記通知ステップにおいて通知した前記認証情報に基づき、前記制御装置において、前記機器の制御が可能と判断された場合に、前記機器を制御する指示を、前記IP網を介して前記制御装置に対して送信する送信ステップと
を実行することを特徴とする制御システム。
【請求項8】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御方法であって、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御するコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項1】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置であって、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を実行することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記IP網における前記制御装置のアドレス情報を、前記電話網又は前記IP網を介して前記通信端末に対して通知する通知ステップを更に実行することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通信端末に割り当てられた電話番号を、接続した前記電話回線を介して取得する第二取得ステップと、
前記第二取得ステップにおいて取得した前記電話番号に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第二判断ステップと
を更に実行し、
前記制御ステップを実行する場合において、
前記第二判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記IP網における前記通信端末のアドレス情報を、前記通信端末から取得する第三取得ステップを更に実行し、
前記通知ステップを実行する場合において、
前記第三取得ステップにおいて取得した前記アドレス情報を使用し、前記IP網を介して前記通信端末に対して、前記制御装置のアドレス情報を通知することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記IP網を介して前記通信端末と通信を行うことによって、前記通信端末に固有の固有情報を取得する第四取得ステップと、
前記第四取得ステップにおいて取得した前記固有情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第三判断ステップと、
を実行し、
前記制御ステップを実行する場合において、
前記第三判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記機器を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通信端末の前記固有情報を、接続した前記電話回線を介して取得する第五取得ステップを備え、
前記第三判断ステップを実行する場合において、
前記第四取得ステップにおいて前記IP網を介して取得した前記固有情報と、前記第五取得ステップにおいて前記電話回線を介して取得した前記固有情報とが一致する場合に、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
IP網及び電話網を介して通信を行うことが可能な通信端末と、前記IP網及び前記電話網を介して前記通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御装置とを備えた制御システムであって、
前記制御装置は、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記通信端末との間の電話回線を接続する第一接続ステップと、
前記第一接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を実行し、
前記通信端末は、
制御部と、前記制御部への命令を記憶したメモリとを備え、前記命令が実行されることにより、
前記制御装置との間の電話回線を接続する第二接続ステップと、
前記第二接続ステップにおいて前記制御装置との間の前記電話回線を接続した後、前記ユーザから前記認証情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた前記認証情報を、前記制御装置に対して通知する通知ステップと、
前記通知ステップにおいて通知した前記認証情報に基づき、前記制御装置において、前記機器の制御が可能と判断された場合に、前記機器を制御する指示を、前記IP網を介して前記制御装置に対して送信する送信ステップと
を実行することを特徴とする制御システム。
【請求項8】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御する制御方法であって、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
IP網及び電話網を介して通信端末と通信を行い、前記通信端末からの指示に応じて機器を制御するコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
前記通信端末との間の電話回線を接続する接続ステップと、
前記接続ステップにおいて前記通信端末との間の前記電話回線を接続した後、前記通信端末のユーザを認証するための認証情報を、接続した前記電話回線を介して前記通信端末から取得する第一取得ステップと、
前記第一取得ステップにおいて取得した前記認証情報に基づいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能か否かを判断する第一判断ステップと、
前記機器を制御するための指示を、前記IP網を介して前記通信端末から受信する受信ステップと、
前記第一判断ステップにおいて、前記通信端末による前記機器の制御が可能と判断した場合に、前記受信ステップにおいて受信した前記指示に基づき、前記機器を制御する制御ステップと
をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−160799(P2012−160799A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17492(P2011−17492)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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