説明

制御装置、制御システム、制御装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できるようにする。
【解決手段】ホストコンピューター12のロゴデータ管理部30aは、管理サーバー14にアクセスを開始する条件として、ロゴの種類ごとに設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、管理サーバー14にアクセスして、当該成立した条件に対応する更新用のロゴデータを取得し、取得したロゴデータをプリンター11に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のロゴデータが登録され、登録されたロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置に関する。さらに、本発明は、当該記録装置、当該サーバー、及び、当該制御装置を備える制御システム、当該制御装置の制御方法、及び、当該制御装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レシートにトップロゴや、ボトムロゴ、広告等の複数種類のロゴを記録する記録装置を備えるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置では、予め、レシートを発行する記録装置に各ロゴの画像データ(以下、「ロゴデータ」という。)を登録しておき、ロゴを記録媒体に記録する場合、自身に登録された当該ロゴに係るロゴデータに基づいて記録を実行するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−228021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レシートに記録されるロゴは、その種類ごとにレシートに記録される目的が異なっている。例えば、トップロゴは、一般にレシートを発行した主体を明示することを1つの目的としてレシートに記録されるものであり、一方、広告は、何らかの宣伝を目的としてレシートに記録されるものである。従って、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとしてその内容を変更できるようにすれば、より魅力的なレシートを発行することが可能となる。
ここで、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録することは可能であるが作業が非常に煩雑である。特に、大型ショッピングセンターに設けられたPOSシステムの記録装置の全てに手動でロゴデータを登録する場合、作業を行うのに相当の労力を要することとなる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置であって、複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置であって、前記サーバーにアクセスして前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部を備え、前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定され、前記ロゴデータ管理部は、前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする。
ここで、ロゴとは、記録装置に登録されたロゴデータ(画像データ)に基づいて記録媒体に記録される画像の全てを含む概念であり、いわゆるレシートにおけるトップロゴや、ボトムロゴのほか、広告に係る画像等も含む。
この構成によれば、サーバーにアクセスを開始する条件として、ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類のロゴデータを取得し、取得したロゴデータを記録装置に登録するため、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できる。特に、上記構成によれば、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録する必要がなく、作業が非常に簡易である。
【0006】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記ロゴデータ管理部は、前記記録装置に前記ロゴデータを登録する際、前記記録装置の仕様に応じて前記ロゴデータを加工して登録することを特徴とする。
この構成によれば、記録装置ごとに、その仕様に応じたロゴデータを自動で登録可能である。
【0007】
また、上記発明の制御装置であって、本発明は、前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件は、予め定められた所定のタイミングが到来したことであり、前記ロゴデータの種類ごとに前記タイミングが異なっていることを特徴とする。
この構成によれば、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切なタイミングで各ロゴに係るロゴデータを更新できる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置と、前記ロゴデータを記憶するサーバーと、前記記録装置、及び、前記サーバーに接続可能な制御装置とを備える制御システムであって、前記制御装置は、前記サーバーにアクセスして前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部を備えており、前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定され、前記ロゴデータ管理部は、前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする。
この構成によれば、サーバーにアクセスを開始する条件として、ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類のロゴデータを取得し、取得したロゴデータを記録装置に登録するため、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できる。特に、上記構成によれば、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録する必要がなく、作業が非常に簡易である。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置の制御方法であって、前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする。
この制御方法によれば、サーバーにアクセスを開始する条件として、ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類のロゴデータを取得し、取得したロゴデータを記録装置に登録するため、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できる。特に、上記構成によれば、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録する必要がなく、作業が非常に簡易である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、前記制御部を、前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、サーバーにアクセスを開始する条件として、ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類のロゴデータを取得し、取得したロゴデータを記録装置に登録するため、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できる。特に、上記構成によれば、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録する必要がなく、作業が非常に簡易である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な手段により、制御装置が、印刷装置に登録された各ロゴに係るロゴデータをロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして更新できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る制御システムの構成を示す図である。
【図2】ホストコンピューター、プリンター、管理サーバーの構成を示す図。
【図3】レシートのレイアウトを模式的に示す図である。
【図4】ホストコンピューターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る制御システム1の構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、制御システム1は、店舗システム10を備えている。
店舗システム10は、スーパーマーケットや、コンビニエンスストア等の店舗に適用されるシステムであり、少なくとも、店舗に来店した顧客に対してレシート5(図3)を発行する機能を備えている。
店舗システム10は、レシート5を発行可能なプリンター11(記録装置)を複数備えており、これらプリンター11のそれぞれには、これらプリンターを制御するホストコンピューター12(制御装置)が接続されている。
プリンター11は、サーマルプリンターであり、対応するホストコンピューター12の制御の下、感熱ロール紙の記録面にサーマルヘッドによって熱を与えて画像を記録した上で、所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、レシート5を発行する。
店舗において、プリンター11、及び、ホストコンピューター12は、店舗に設けられた複数のレジカウンターごとに設置されており、プリンター11は、ホストコンピューター12の制御の下、所定のタイミングで、所定のレシート5を発行する。
【0014】
図1に示すように、制御システム1は、管理サーバー14(サーバー)を備えている。管理サーバー14は、制御システム1を統括的に管理するシステムであり、商品DBや、顧客DB等のレシート5の発行に必要なデータが格納されたデータベースを備えている。
この管理サーバー14と、店舗システム10のホストコンピューター12のそれぞれとは、インターネット等のネットワーク15を介して通信可能に接続されている。なお、制御システム1における各装置は、所定の暗号化プロトコルに準じた通信や、仮想専用線等の既存の技術によりセキュアな通信が実現されている。
ホストコンピューター12は、プリンター11を制御してレシート5を発行する際、適宜、管理サーバー14のデータベースにアクセス必要な情報を取得する。
店舗システム10、及び、管理サーバー14は、店舗を運営する主体によって管理されるものである。この店舗を運営する主体は、自身が運営する店舗のそれぞれに、店舗システム10を構築すると共に、本社ビル等に、管理サーバー14を設置し、この管理サーバー14により、各店舗システム10を管理する。
【0015】
図2は、プリンター11、ホストコンピューター12、及び、管理サーバー14の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プリンター11は、プリンター側制御部20と、プリントエンジン21と、プリンター側記憶部22と、を備えている。
プリンター側制御部20は、プリンター11の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行されるファームウェアや、このファームウェアに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるファームウェアやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
プリントエンジン21は、上述したサーマルヘッドのほか、サーマルヘッドが搭載されたキャリッジを主走査方向に駆動するキャリッジ駆動モーターや、感熱ロール紙を搬送する搬送ローラーを駆動する搬送モーター、感熱ロール紙を切断するカッターを駆動するカッター駆動モーター等を備えている。プリンター側制御部20は、ホストコンピューター12から受信した制御コマンドに基づいて、各種センサーの検出値を監視しながら、サーマルヘッドや、各種モーターを制御して、感熱ロール紙に所定の画像を記録し、所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、所定の画像が記録された紙片であるレシート5を発行する。
プリンター側記憶部22は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に不揮発的に記憶する。プリンター側記憶部22には、プリンター11の動作を制御するためのファームウェアのほか、トップロゴ画像データ24、広告画像データ25、及び、ボトムロゴ画像データ26が記憶されているがこれらについては後述する。
【0016】
また、図2に示すように、ホストコンピューター12は、制御部30と、通信インターフェイス31、32(通信I/F)と、記憶部33と、を備えている。
制御部30は、ホストコンピューター12の各部を中枢的に制御するものであり、上述したプリンター側制御部20と同様、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。制御部30は、RTC(不図示)に接続されており、RTCからの入力に基づいて、現時点の日時(日付、時刻)を取得可能である。また、制御部30は、ロゴデータ管理部30aを備えているがこれについては後述する。
通信インターフェイス31(通信I/F)は、制御部30の制御の下、プリンター11との間で、所定のプロトコルに準拠した通信を行い、また、通信インターフェイス32(通信I/F)は、制御部30の制御の下、管理サーバー14との間で、所定のプロトコルに準拠した通信を行う。
記憶部33は、EEPROMや、ハードディスク等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に不揮発的に記憶する。
図2に示すように、ホストコンピューター12には、入出力デバイス用インターフェイス34(入出力デバイス用I/F)を介して、各種キーが配設されたキーボード35、現金等を収容するためのドロワー36、各種金額等を表示するためのディスプレー37、商品のバーコードを読み取るバーコードリーダー38、及び、会員カード等を読み取るカードリーダー39が接続されている。
【0017】
また、図2に示すように、管理サーバー14は、データを不揮発的に書き換え可能に記憶するサーバー側記憶部41を備え、このサーバー側記憶部41には、更新用トップロゴ画像データ42、更新用広告画像データ43、及び、更新用ボトムロゴ画像データ44が記憶されている。これらデータについては後述する。
【0018】
図3は、プリンター11が発行するレシート5を模式的に示す図である。
本実施形態では、制御システム1が備えるプリンター11が発行するレシート5のレイアウトは、所定の例外を除き、いずれのレシート5についても基本的に同一である。このように、レシート5のレイアウトを共通化することにより、顧客は、どの店舗のどのレジカウンターで会計をした場合であっても、同一のレイアウトのレシート5を受け取れるようになり、これにより、レシート5に統一感を与えることができると共に、レシート5の見やすさを向上できる。
レシート5の具体的なレイアウトは、以下のようになっている。
すなわち、図3に示すように、レシート5では、先端5aから後端5bへ向かって、順番に、トップロゴ画像51、レシート明細情報52、広告画像53、及び、ボトムロゴ画像54がそれぞれ記憶される。
トップロゴ画像51とは、レシート5の先頭に定型的に記録される画像であって、店舗の名称を図案化した画像を含んで構成される、いわゆるトップロゴに係る画像である。
レシート明細情報52とは、顧客が購入した商品の名称や、単価、数量、合計購入金額、消費税に関する情報、その他の会計に関する情報を含んで構成される画像である。
広告画像53とは、広告を目的とした所定の情報を含んで構成される画像であり、例えば、文字列「明日、○○がお買い得」である。
ボトムロゴ画像54とは、レシート5の末尾に定型的に記録される画像であって、店舗の電話番号、住所等の情報等を含んで構成される、いわゆるボトムロゴに係る画像である。
【0019】
プリンター11は、トップロゴ画像51、広告画像53、及び、ボトムロゴ画像54のそれぞれを、以下のようにして感熱ロール紙に記録する。
すなわち、トップロゴ画像51の記録を実行する場合、まず、ホストコンピューター12の制御部30は、プリンタードライバー等の制御プログラムを実行することにより、トップロゴ画像51の記録を指示する制御コマンドを生成し、プリンター11に出力する。
当該制御コマンドが入力されると、プリンター11のプリンター側制御部20は、プリンター側記憶部22に記憶されたトップロゴ画像データ24をプリントバッファー(不図示)に展開する。トップロゴ画像データ24とは、トップロゴ画像51を示すビットマップデータである。
次いで、プリンター側制御部20は、プリントバッファーに展開したトップロゴ画像データ24に基づいて、プリントエンジン21を制御して、レシートの発行に係る各種機構を動作させて、感熱ロール紙にトップロゴ画像51を記録する。
プリンター11は、広告画像53、及び、ボトムロゴ画像54についても同様に記録する。すなわち、プリンター11のプリンター側制御部20は、広告画像53を記録する場合、プリンター側記憶部22に記憶された広告画像データ25をプリントバッファーに展開し、展開した広告画像データ25に基づいて画像の記録を実行し、また、ボトムロゴ画像54を記録する場合、プリンター側記憶部22に記憶されたボトムロゴ画像データ26をプリントバッファーに展開し、展開したボトムロゴ画像データ26に基づいて画像の記録を実行する。
【0020】
ところで、レシート5に記録されるトップロゴ画像51、広告画像53、及び、ボトムロゴ画像54(以下、これらを概念的に「ロゴ」と表現する場合があるものとする。)は、それぞれ、レシート5に記録される目的が異なっている。具体的には、トップロゴ画像51は、一般にレシート5を発行した主体を明示することを1つの目的としてレシート5に記録されるものであり、また、広告画像53は、何らかの広告を目的としてレシート5に記録されるものであり、また、ボトムロゴ画像54は、レシート5を発行した主体に関する所定の情報を提示することを目的としてレシート5に記録されるものである。
これを踏まえ、これらロゴのそれぞれについて、それぞれ異なるタイミングでその内容を変更させたいとするニーズがある。
例えば、本実施形態では、トップロゴ画像51は、クリスマスシーズンや、正月シーズン等の予め定められた所定の期間の間、その図案を変更する、という実情があるため、当該所定の期間だけ、トップロゴ画像51を変更したいとするニーズがある。また、広告画像53は、時間帯に応じて店舗に来店する客層が異なることを考慮して、時間帯に応じてその内容を変更したいとするニーズがある。また、ボトムロゴ画像54は、店舗の電話番号や住所等の情報は基本的に変わらないため、意図的に変更する場合以外はその内容を変更する必要がない、という実情がある。
【0021】
ここで、ホストコンピューター12にインストールされたプリンタードライバーの機能の一つには、ユーザーの指示に基づいて、プリンター11に記憶されているロゴの画像データ(トップロゴ画像データ24、広告画像データ25、及び、ボトムロゴ画像データ26のこと。以下、これらを概念的に「ロゴデータ」と表現することがあるものとする。)を、ユーザーによって事前に用意された他のロゴデータによって更新(登録)する機能がある。
この機能を利用して、手動で、各ロゴを、それぞれ適切なタイミングで更新することにより、上述したニーズに応えることは可能であるものの、作業が非常に煩雑である。特に、本実施形態に係る制御システム1では、多くのプリンター11の全てに手動でロゴデータを更新する必要があるため、作業に相当の労力を要することとなる。
また、全ての種類のロゴを、いずれかのロゴについてその内容が変更されると予想される最も短い周期で自動で更新するようなシステムを構築することによって上記ニーズに応えることは可能である。例えば、2時間ごとに全ての種類のロゴを自動で更新すれば、上記ニーズに応えることは可能である。しかしながら、ロゴデータを更新するためには、ホストコンピューター12と、プリンター11の間で所定の通信をしつつ、双方がロゴデータの更新に係る各種処理を実行する必要があるため、レシート5の発行に係る処理に悪影響(例えば、処理の遅延)を与えたり、通信に悪影響(例えば、通信の遅延)を与えたりする可能性があるため、ロゴデータの更新は、必要最小限に留めたいとするニーズがある。
以上を踏まえ、本実施形態に係るホストコンピューター12は、以下の動作を実行する。
【0022】
図4は、ホストコンピューター12の動作を示すフローチャートである。
以下の説明において、ロゴデータ管理部30aの機能は、CPUがプリンタードライバー等のプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
まず、ホストコンピューター12の制御部30のロゴデータ管理部30aは、予め設定された複数の条件のうち、いずれかの条件が成立したか否かを監視する(ステップSA1)。
ここで、条件について詳述する。
条件とは、プリンター11に登録されたロゴデータの更新を開始する条件のことであり、ロゴの種類ごとに予め設定されている。なお、「プリンター11にロゴデータが登録されている」とは、プリンター11のプリンター側記憶部22にロゴデータが記憶され、記憶されたロゴデータに基づいて記録を実行できる状態にあることをいう。
条件について具体的に説明すると、本実施形態では、トップロゴ画像51は、正月期間(1/1〜1/3)だけ、正月に準じた図案に変更されるものとされている。そして、プリンター11に登録されているトップロゴ画像データ24を更新する条件として、条件J1「現在日時(日付+時刻)が、1/1/00:00に至ったこと」、及び、条件J2「現在時刻が、1/4/00:00に至ったこと」の2つの条件が設定されている。
また、本実施形態では、店舗の営業時間は08:00〜20:00であり、広告画像データ25は、08:00〜16:00と、16:00〜20:00とによってその内容を異ならせるものとされている。これは、16:00までに来店する顧客と、16:00以降に来店する顧客との客層が相違することに注目し、時間帯ごとに、広告画像データ25の内容を客層に応じたものとするためである。そして、プリンター11に登録されている広告画像データ25を更新する条件として、条件J3「現在時刻が、08:00に至ったこと」、及び、条件J4「現在時刻が、16:00に至ったこと」の2つの条件が設定されている。
また、ボトムロゴ画像54は基本的にその内容が変更されることがないため、ボトムロゴ画像データ26の更新を開始する条件は設定されていない。
これら条件J1〜J4の4つの条件は、ロゴデータ管理部30aの機能を実現するプログラム上に定義されているものとする。このほか、ロゴデータ管理部30aによって参照可能な態様で記憶部33にデータとして記憶する構成であってもよい。
【0023】
ステップSA1では、ロゴデータ管理部30aは、現在日時と、条件とを比較することにより、条件が成立したか否かを監視する。具体的には、ロゴデータ管理部30aは、現在日時が1/1/00:00に至った場合に条件J1が成立したと判別し、現在日時が1/4/00:00に至った場合に条件J2が成立したと判別し、日付にかかわらず現在時刻が08:00に至った場合に条件J3が成立したと判別し、また、日付にかかわらず現在日時が16:00に至った場合に条件J4が成立したと判別する。
ステップSA1において予め設定された複数の条件のうちいずれかの条件が成立したと判別した場合(ステップSA1:YES)、ロゴデータ管理部30aは、管理サーバー14にアクセスする(ステップSA2)。
次いで、ロゴデータ管理部30aは、管理サーバー14と所定のプロトコルに準拠した通信を行い、成立した条件に対応する種類の更新用のロゴデータを取得する(ステップSA3)。
例えば、ステップSA1で条件J1、又は、条件J2が成立したと判別した場合、ロゴデータ管理部30aは、管理サーバー14と通信して更新用トップロゴ画像データ42を取得し、また、条件J3、又は、条件J4が成立したと判別した場合、更新用広告画像データ43を取得する。
ここで、担当者は、各条件が成立する前に、事前に、管理サーバー14のサーバー側記憶部41の所定の記憶領域に、各条件に応じた適切な更新用のロゴデータを記憶させているものとする。例えば、担当者は、1/1/00:00が到来する間に、1/1〜1/3にレシート5に記録することを予定しているトップロゴ画像51の画像データ(更新用トップロゴ画像データ42)を所定の手段により管理サーバー14のサーバー側記憶部41の所定の記憶領域に記憶させ、その後、1/4/00:00が到来する間に、正月期間が経過した後にレシート5に記録することを予定しているトップロゴ画像51の画像データ(更新用トップロゴ画像データ42)を所定の手段により管理サーバー14のサーバー側記憶部41の所定の記憶領域に記憶させる。同様に、担当者は、日付にかかわらず、08:00が到来する前に、08:00〜16:00用の更新用広告画像データ43を管理サーバー14のサーバー側記憶部41の所定の記憶領域に記憶させ、その後、16:00が到来する前に、16:00〜20:00用の更新用広告画像データ43を管理サーバー14のサーバー側記憶部41の所定の記憶領域に記憶させる。
【0024】
ステップSA3において更新用のロゴデータを取得した後、ロゴデータ管理部30aは、取得した更新用のロゴデータを、自身に接続されているプリンター11の仕様に応じて加工する(ステップSA4)。詳述すると、プリンター11の解像度や、感熱ロール紙の幅に応じて、ロゴデータの適切な態様(サイズ等)はそれぞれ異なっている。これを踏まえ、ロゴデータ管理部30aは、自身に接続されているプリンター11の仕様を管理しており、ロゴデータの更新を行う場合、既存の画像データ編集処理を実行して、管理サーバー14から取得した更新用のロゴデータを加工して、プリンター11の仕様に対応したデータとする。
このように、ホストコンピューター12が備えるロゴデータ管理部30aが、プリンター11の仕様に応じて更新用のロゴデータを加工した上で、ロゴデータの更新を行う構成のため、担当者は、制御システム1が備えるプリンター11の仕様ごとに、更新用のロゴデータを用意する必要がなく、非常に利便性がよい。
【0025】
ステップSA4において更新用のロゴデータを加工した後、ロゴデータ管理部30aは、プリンター11と所定のプロトコルに準拠した通信を行い、加工後のロゴデータによって、対応するロゴデータを上書き更新する(ステップSA5)。これにより、以後は、更新後のロゴデータに基づいて、ロゴが記録されることとなる。
ステップSA5の実行後、ロゴデータ管理部30aは、処理手順をステップSA1に戻し、再び、予め設定された複数の条件のうち、いずれかの条件が成立したか否かを監視する。
このように、ロゴデータ管理部30aは、ロゴデータを更新する条件として、ロゴの種類毎に異なる条件が設定されており、いずれかの条件が成立したときに初めて、当該成立した条件に対応するロゴデータの更新を実行する。この構成のため、ロゴデータの更新を必要最小限に留めるというニーズに応えた上で、ロゴのそれぞれについて、それぞれ異なるタイミングでその内容を変更させたいとするニーズに適切に応えることが可能である。
特に、制御システム1が備えるホストコンピューター12のそれぞれが、条件が成立したことをトリガーとして、自動で、管理サーバー14にアクセスして更新用のロゴデータを取得し、取得した更新用のロゴデータに基づいて、自動で、ロゴデータの更新を実行する構成であるため、担当者が、手動でロゴデータの更新を行う必要がなく、作業が非常に簡易化する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、ロゴデータ管理部30aが管理サーバー14にアクセスを開始する条件として、ロゴの種類ごとに異なる条件が設定されている。そして、ロゴデータ管理部30aは、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、管理サーバー14にアクセスして、当該成立した条件に対応する更新用のロゴデータを取得し、取得したロゴデータに基づいて、プリンター11に登録されたロゴデータを更新する。
これによれば、管理サーバー14にアクセスを開始する条件として、ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、管理サーバー14にアクセスして、当該成立した条件に対応する種類のロゴデータを取得し、取得したロゴデータをプリンター11に登録するため、簡易な手段により、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴに係るロゴデータを更新できる。特に、上記によれば、手動で、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切な条件が成立したことをトリガーとして各ロゴのロゴデータを登録する必要がなく、作業が非常に簡易である。
【0027】
また、本実施形態では、ロゴデータ管理部30aは、プリンター11のロゴデータを更新(登録)する際、プリンター11の仕様に応じて、管理サーバー14から取得した更新用のロゴデータを加工した上で、当該加工後のロゴデータに基づいて、更新を実行する。
これによれば、プリンター11ごとに、その仕様に応じたロゴデータを自動で登録可能である。
【0028】
また、本実施形態では、条件は、予め定められた所定のタイミングが到来したことであり、ロゴの種類ごとにタイミングが異なっている。
これによれば、ロゴの種類ごとにそれぞれ適切なタイミングで各ロゴに係るロゴデータを更新できる。
【0029】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、図2に示す各機能部はハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また、上記実施形態では、ホストコンピューター12自体が制御部30を備えていたが、例えば、制御部30の機能を、ホストコンピューター12に外部接続される別の装置に持たせるようにしても良い。
また、本発明は、プリンター11は、サーマル式のプリンターに限らず、インクジェット式プリンター、ドットインパクト式プリンター、レーザープリンター、熱昇華型プリンター等の任意の形式のプリンターに適用可能である。
また、上記のフローチャートの各ステップを実行するプログラムを、ホストコンピューター12の外部の記憶媒体に記憶させたものを読み出して、制御部30により実行させることもできる。
【符号の説明】
【0030】
1…制御システム、11…プリンター(記録装置)、12…ホストコンピューター(制御装置)、14…管理サーバー(サーバー)、24…トップロゴ画像データ(ロゴデータ)、25…広告画像データ(ロゴデータ)、26…ボトムロゴ画像データ(ロゴデータ)、30…制御部、30a…ロゴデータ管理部、42…更新用トップロゴ画像データ(ロゴデータ)、43…更新用広告画像データ(ロゴデータ)、44…更新用ボトムロゴ画像データ(ロゴデータ)、51…トップロゴ画像(ロゴ)、53…広告画像(ロゴ)、54…ボトムロゴ画像(ロゴ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置であって、
前記サーバーにアクセスして前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部を備え、
前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定され、
前記ロゴデータ管理部は、
前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記ロゴデータ管理部は、
前記記録装置に前記ロゴデータを登録する際、前記記録装置の仕様に応じて前記ロゴデータを加工して登録することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件は、予め定められた所定のタイミングが到来したことであり、前記ロゴデータの種類ごとに前記タイミングが異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置と、前記ロゴデータを記憶するサーバーと、前記記録装置、及び、前記サーバーに接続可能な制御装置とを備える制御システムであって、
前記制御装置は、
前記サーバーにアクセスして前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部を備えており、
前記ロゴデータ管理部が前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定され、
前記ロゴデータ管理部は、
前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする制御システム。
【請求項5】
複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置の制御方法であって、
前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、
前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項6】
複数種類のロゴデータが登録され、登録された前記ロゴデータに基づいて記録媒体に記録可能な記録装置、及び、前記ロゴデータを記憶するサーバーに接続可能な制御装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記サーバーにアクセスを開始する条件として、前記ロゴデータの種類ごとに異なる条件が設定されており、
前記制御部を、
前記設定された条件のうち、いずれかの条件が成立した場合、前記サーバーにアクセスして、当該成立した条件に対応する種類の前記ロゴデータを取得し、取得した前記ロゴデータを前記記録装置に登録するロゴデータ管理部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20291(P2013−20291A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150642(P2011−150642)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】