説明

制御装置、制御方法およびプログラム

【課題】静止面に対して操作面を伏せて静止させた状態に制御装置を移行させる動作の実行を適切に判定可能な、制御装置、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】コマンダ20に作用する加速度を検出する第1センサ21と、コマンダ20の操作面20aに照射する光を検出する第2センサ22と、第1および第2センサ21、22の検出結果に基づき、操作面20aを伏せて静止させ第1閾値未満の光が操作面20aに照射する状態にコマンダ20を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する第1動作Mの実行を判定する動作判定部23と、第1動作Mの実行が判定されると、所定の制御コマンドCをテレビ10に送信するコマンド送信部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、レコーダ等の被制御装置と、被制御装置を制御するためのコマンダ等の制御装置とからなる制御システムが知られている。
【0003】
制御装置は、ユーザから操作入力を受けると、操作入力に応じた制御コマンドを被制御装置に送信する。操作入力は、通常、ハードウェアまたはソフトウェアボタンの操作を通じて行われる。しかし、操作入力は、例えば机上等の静止面に対して操作面を伏せて静止させた状態に制御装置を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する動作を通じて行われることもある。ここで、操作面を伏せて静止させた状態に制御装置を移行させる動作の実行は、制御装置に設けられた加速度センサを用いて、制御装置の回転や向きを検出することで判定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、加速度センサのみを用いる従来技術では、例えば、制御装置を手に持って操作面を覆わずに下向きにして暫く静止させた状態でも動作の実行が判定され、制御コマンドが誤って送信されてしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、静止面に対して操作面を伏せて静止させた状態に制御装置を移行させる動作の実行を適切に判定可能な、制御装置、制御方法およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある観点によれば、制御装置に作用する加速度を検出する第1センサと、制御装置の操作面に照射する光を検出する第2センサと、第1および第2センサの検出結果に基づき、操作面を伏せて静止させ第1閾値未満の光が操作面に照射する状態に制御装置を移行させ、状態を所定時間に亘って維持する第1動作の実行を判定する動作判定部と、第1動作の実行が判定されると、所定の制御コマンドを被制御装置に送信するコマンド送信部とを備える制御装置が提供される。
【0007】
制御装置は、操作入力に応じた処理を実行する制御部をさらに備え、動作判定部は、操作面を伏せて静止させ第1閾値以上かつ第1閾値よりも大きな第2閾値未満の光が操作面に照射する状態に制御装置を移行させる第2動作の実行を判定し、制御部は、第2動作の実行が判定された状態では、操作入力に応じた処理を実行しなくてもよい。
【0008】
コマンド送信部は、第1動作の実行が判定されると、被制御装置で再生中のコンテンツを一時録画するための制御コマンド、またはコンテンツの再生開始位置を指定するための制御コマンドを被制御装置に送信してもよい。
【0009】
コマンド送信部は、第1動作の実行が判定されると、被制御装置で再生中のコンテンツを一時停止または停止するための制御コマンドを被制御装置に送信してもよい。
【0010】
コマンド送信部は、第1動作の実行が判定されると、被制御装置で再生中のコンテンツの音声を消音するための制御コマンドを被制御装置に送信してもよい。
【0011】
また、本発明の別の観点によれば、制御装置に作用する加速度および制御装置の操作面に照射する光の検出結果に基づき、操作面を伏せて静止させ第1閾値未満の光が操作面に照射する状態に制御装置を移行させ、状態を所定時間に亘って維持する第1動作の実行を判定し、第1動作の実行が判定されると、所定の制御コマンドを被制御装置に送信することを含む制御方法が提供される。
【0012】
また、本発明の別の観点によれば、上記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。ここで、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体を用いて提供されてもよく、通信手段等を介して提供されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、静止面に対して操作面を伏せて静止させた状態に制御装置を移行させる動作の実行を適切に判定可能な、制御装置、制御方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る制御システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るテレビの機能構成を示すブロック図である。
【図3】コマンダの外観を示す図である。
【図4】コマンダの機能構成を示すブロック図である。
【図5】第1センサの検出座標系を示す図である。
【図6】コマンダの動作を示すフロー図である。
【図7】コマンドが誤入力される状態の一例を示す図である。
【図8A】制御システムの動作例を示す図(1/4)である。
【図8B】制御システムの動作例を示す図(2/4)である。
【図8C】制御システムの動作例を示す図(3/4)である。
【図8D】制御システムの動作例を示す図(4/4)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
[1.制御システムの概要]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る制御システムの概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る制御システムの概要を示す図である。
【0017】
図1に示すように、制御システムは、被制御装置(テレビ10)と、被制御装置を制御するための制御装置(コマンダ20)とからなる。被制御装置と制御装置は、有線または無線の通信回線を通じて、場合によってはネットワークを通じて相互に通信可能である。被制御装置は、コンテンツを再生可能なテレビ10、レコーダ、パーソナルコンピュータ等の装置であり、制御装置は、コマンダ20、携帯電話、PDA等の携帯可能な装置である。以下では、被制御装置がレコーダ内蔵型のテレビ10であり、制御装置がユーザの手元で操作されるコマンダ20である場合について説明する。
【0018】
テレビ10は、コンテンツの再生を通じて、コンテンツの映像および/または音声を出力する。コマンダ20は、ユーザから操作入力を受けると、操作入力に応じた制御コマンドCをテレビ10に送信する。操作入力は、ハードウェアまたはソフトウェアボタンの操作を通じて行われるとともに、机上等の静止面Sに対して操作面20aを伏せて静止させた状態にコマンダ20を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する第1動作Mを通じても行われる。
【0019】
コマンダ20は、第1および第2センサ21、22を有している。第1センサ21は、コマンダ20に作用する加速度を検出するセンサであり、第2センサ22は、操作面20aに照射する光を検出するセンサである。
【0020】
コマンダ20は、第1センサ21の検出結果に基づき、操作面20aを伏せて静止させる状態にコマンダ20を移行させる動作を検知する。また、コマンダ20は、第2センサ22の検出結果に基づき、操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態にコマンダ20を移行させる動作を検知する。なお、第1閾値は、操作面20aを伏せた状態(操作面20aを下向きにして、操作に供することができない状態)を判定可能な値として設定される。
【0021】
そして、コマンダ20は、操作面20aを伏せて静止させ操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態にコマンダ20を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する第1動作Mの実行を判定すると、所定の制御コマンドCをテレビ10に送信する。一方、テレビ10は、制御コマンドCの受信に応じて、制御コマンドCに割当てられた処理を実行する(P)。
【0022】
これにより、操作面20aを伏せて静止させるとともに操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態にコマンダ20を移行させることで、第1動作Mの実行が判定される。よって、操作面20aを伏せていない状態では第1動作Mの実行が判定されないので、静止面Sに対して操作面20aを伏せて静止させた状態にコマンダ20を移行させる動作の実行を適切に判定することができる。
【0023】
[2.制御システムの構成]
つぎに、図2から図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御システムの構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るテレビ10の機能構成を示すブロック図である。図3は、コマンダ20の外観を示す図であり、図4は、コマンダ20の機能構成を示すブロック図である。図5は、第1センサ21の検出座標系を示す図である。
【0024】
図2に示すように、テレビ10は、コンテンツ受信部11、コンテンツ記録部12、コンテンツ再生部13、ディスプレイ14、スピーカ15、コマンド受信部16、操作入力部17および制御部18を含んでいる。コンテンツ受信部11、コンテンツ記録部12、コンテンツ再生部13、コマンド受信部16、操作入力部17は、バス19を通じて制御部18に接続されている。
【0025】
コンテンツ受信部11は、不図示のアンテナやネットワークを通じてコンテンツ(データ)を受信し、コンテンツ記録部12やコンテンツ再生部13に供給する。コンテンツ記録部12は、コンテンツ受信部11から供給されたコンテンツ(受信コンテンツ)を記録するとともに、記録されたコンテンツ(記録コンテンツ)を読み出してコンテンツ再生部13に供給する。
【0026】
コンテンツ再生部13は、コンテンツ受信部11から供給されたコンテンツ、またはコンテンツ記録部12から読み出されたコンテンツを再生し、映像データと音声データをディスプレイ14とスピーカ15に供給する。ディスプレイ14は、コンテンツ再生部13から供給された映像データに対応する映像を出力し、スピーカ15は、コンテンツ再生部13から供給された音声データに対応する音声を出力する。
【0027】
コマンド受信部16は、コマンダ20またはテレビ10専用のリモートコントローラ(不図示)から送信される制御コマンドCを受信する。制御コマンドCには、例えば、受信コンテンツの再生開始・切替え・終了、記録コンテンツの再生開始・一時停止・停止・送り・戻し・終了、受信コンテンツの録画開始・停止・終了、コンテンツの音量調節のためのコマンドが含まれる。
【0028】
操作入力部17は、テレビ10本体に設けられたボタン等を通じてユーザから入力される操作コマンドを受ける。操作コマンドには、例えば、受信コンテンツの再生開始・切替え・終了、記録コンテンツの再生開始・一時停止・停止・送り・戻し・終了、受信コンテンツの録画開始・停止・終了、コンテンツの音量調節のためのコマンドが含まれる。
【0029】
制御部18は、CPU、ROM、RAM等により構成され、CPUは、ROM等からプログラムを読出してRAM上に展開して実行することで、テレビ10を動作させるための演算や制御を行う。制御部18は、制御コマンドCや操作コマンドに応じてテレビ10の各部を制御する。
【0030】
図3には、コマンダ20の前面図と右側面図が示されている。図3に示すように、コマンダ20は、プレート状の筐体の前面に設けられた操作面20aを有している。操作面20aは、コマンダ20の操作に供される操作領域(操作子、操作用画面等)を設けられた平坦面として構成される。操作面20aの下部には、操作子の一例としてジョグダイアル20bが設けられ、操作面20aの中央には、タッチパネル20cが設けられている。なお、操作面20aには、ジョグダイアル20bとタッチパネル20cに代えて、タッチパネル20cのみが設けられてもよく、液晶ディスプレイ等のディスプレイとハードウェアボタン等の操作子が設けられてもよい。
【0031】
コマンダ20は、筐体に内蔵された加速度センサからなる第1センサ21と、操作面20aに設けられた光センサ等からなる第2センサ22とを有している。第2センサ22は、図3では操作面20aの略中央に設けられているが、タッチパネル20b等の光の影響を受けない他の位置に設けられてもよい。また、第2センサ22は、例えば操作面20aの四隅等、複数の位置に設けられてもよい。
【0032】
図4に示すように、コマンダ20は、第1および第2センサ21、22、動作判定部23、コンテンツ受信部24、コンテンツ再生部25、ディスプレイ26、スピーカ27、コマンド送信部28、操作入力部29および制御部30を含んでいる。動作判定部23、コンテンツ受信部24、コンテンツ再生部25、コマンド送信部28および操作入力部29は、バス31を通じて制御部30に接続されている。
【0033】
第1センサ21は、コマンダ20に作用する加速度を検出し、検出結果を動作判定部23に供給する。第1センサ21は、図5に示すように、互いに直交して操作面20aに対して平行に延びるX軸およびY軸と、X軸およびY軸に直交して操作面20aに対して垂直に延びるZ軸とを有する検出座標系を用いて加速度を検出する。第1センサ21は、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向および各軸回りに生じる加速度を検出する。第1センサ21は、操作面20aを鉛直下向きにして静止させた状態で−1G(Gravity)のZ軸加速度を検出する。
【0034】
第2センサ22は、操作面20aに設けられたセンサ面を有し、操作面20a(センサ面)に照射する光を検出し、検出結果を動作判定部23に供給する。第2センサ22は、非透光性の平坦面に対して操作面20aを完全に伏せた状態(操作面20aが平坦面と平行をなして接触または接触する寸前の状態)で限りなく0に近い光を検出する。
【0035】
動作判定部23は、第1および第2センサ21、22の検出結果に基づき、前述した状態に実質的に同時にコマンダ20を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する第1動作Mの実行を判定する。動作判定部23では、第1センサ21の検出結果に基づき、操作面20aを伏せて静止させた状態に移行させる動作が検知される。これは、X軸および/またはY軸回りでの所定の加速度(コマンダ20を回転させ)に続いて、略−1GのZ軸加速度(操作面20aを伏せて)と、各軸方向および各軸回りの加速度の所定閾値未満の変化(静止している)とが実質的に同時に検出されることを意味する。なお、コマンダ20は、水平面に対して伏せられなくてもよく、緩やかな傾斜面に対して伏せられてもよい。
【0036】
また、第2センサ22の検出結果に基づき、操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態にコマンダ20を移行させる動作が検知される。さらに、動作判定部23や制御部30等に設けられるタイマー(不図示)を用いて、移行後の状態を所定時間に亘って維持する動作が判定される。
【0037】
コンテンツ受信部24は、不図示のアンテナやネットワークを通じてコンテンツ(データ)を受信し、コンテンツ再生部25に供給する。コンテンツ再生部25は、コンテンツ受信部24から供給されたコンテンツを再生し、映像データと音声データをディスプレイ26とスピーカ27に供給する。ディスプレイ26とスピーカ27は、テレビ10のディスプレイ14とスピーカ15と同様に機能する。
【0038】
コマンド送信部28は、コマンド受信部16の項で説明したような制御コマンドCをテレビ10に送信する。制御コマンドCには、後述するように、受信コンテンツを一時的に記録する一時記録(キャッシュ記録)の開始、記録コンテンツの再生開始位置の指定、コンテンツの再生停止(一時停止)、コンテンツの音声ミュートのためのコマンドも含まれる。
【0039】
操作入力部29は、ジョグダイアル20bや、タッチパネル20cに表示されるソフトウェア(GUI)ボタン等を通じてユーザから入力される操作コマンドを受ける。なお、コマンダ20がタッチパネル20cを有する場合、タッチパネル20cを通じた操作入力を受けるために、操作入力部29の一部がディスプレイ26と一体的に設けられる。ここで、操作コマンドには、例えば、受信コンテンツの再生開始・切替え・終了、コンテンツの音量調節のためのコマンドが含まれる。また、操作コマンドからは、テレビ10を制御するための制御コマンドCが生成される場合もある。
【0040】
制御部30は、CPU、ROM、RAM等により構成され、CPUは、ROM等からプログラムを読出してRAM上に展開して実行することで、コマンダ20を動作させるための演算や制御を行う。制御部30は、操作コマンドに応じてコマンダ20の各部を制御したり、テレビ10を制御するための制御コマンドCを生成したりする。
【0041】
[3.制御システムの動作]
つぎに、図6から図8A〜8Dを参照して、本発明の実施形態に係る制御システムの動作について説明する。図6は、コマンダ20の動作を示すフロー図であり、図7は、コマンドが誤入力される状態の一例を示す図である。図8A〜8Dは、制御システムの動作例を示す図である。
【0042】
コマンダ20において、第1および第2センサ21、22は、検出結果を動作判定部23に継続的に供給している。図6に示すように、動作判定部23は、第1センサ21の検出結果に基づき、操作面20aを伏せて静止させた状態に移行したかを判定する(ステップS11)。動作判定部23は、判定条件に該当しない場合にステップS11の処理に復帰する。
【0043】
判定条件に該当する場合に、動作判定部23は、第2センサ22の検出結果に基づき、操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態に移行したかを判定する(ステップS12)。第1閾値は、非透光性の平坦面に対して操作面20aを完全に伏せた状態での検出値、または検出値に若干の余裕を加えた値に相当する。動作判定部23は、判定条件に該当しない場合には後述するステップS21の処理に移行する。
【0044】
まず、ステップS12の判定条件に該当する場合について説明する。この場合、動作判定部23は、操作面20aを伏せて静止させ操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態(所定状態)に移行したと判定し(ステップS13)、タイマーを起動させる(ステップS14)。
【0045】
タイマーが起動すると、動作判定部23は、所定時間が経過するまで第1および第2センサ21、22の検出結果を継続して判定する(ステップS15、S16)。所定時間は、テレビ10を制御するユーザの意図が確認できるような期間、例えば数秒から数十秒に設定される。
【0046】
そして、動作判定部23は、所定状態が維持されたまま所定時間が経過した場合(ステップS17で「Yes」)、テレビ10を制御するためにユーザにより第1動作Mが実行されたと判定し(ステップS18)、判定結果を制御部30に通知する。一方、動作判定部23は、所定状態が維持されたまま所定時間が経過しなかった場合、つまりステップS15および/またはS16の判定条件に該当しない場合に、処理を終了する。
【0047】
制御部30は、ステップS18で第1動作Mの実行が判定されると、第1動作Mに割当てられた所定の制御コマンドCを送信するように(ステップS19)、コマンド送信部28に指示する。これにより、テレビ10では、制御コマンドCの受信に応じて、制御コマンドCに応じた処理が実行される。
【0048】
なお、第1動作Mの実行を判定する場合、第1センサ21の検出結果に基づく判定(ステップS11、S15)と、第2センサ22の検出結果に基づく判定(ステップS12、S16)とが相前後して行われてもよい。
【0049】
ステップS12の判定条件に該当しない場合に、動作判定部23は、第2センサ22の検出結果に基づき、操作面20aに照射する光が第2閾値未満である状態に移行したかを判定する(ステップS21)。第2閾値は、第1閾値以上の検出値、つまり操作面20aに僅かな光が照射する状態での検出値に相当する。動作判定部23は、判定条件に該当しない場合に、処理を終了する。
【0050】
ここでは、図7に示すような状態が想定されている。つまり、コマンダ20は、ジョグダイアル等、操作面20aから突出した操作子20b´が静止面Sに当接し、操作面20aが完全に伏せられていない。結果として、コマンダ20の周辺光が操作面20aに照射することで、第2センサ22は、第1閾値以上の検出値に相当する僅かな光を検出することになる。そして、このような状態では、静止面Sに当接する操作子を通じて誤った操作入力が行われ、誤った操作入力に応じた処理(コマンダ20自体またはテレビ10を制御するための処理)が実行されてしまう場合がある。
【0051】
ステップS21の判定条件に該当する場合に、動作判定部23は、操作コマンドが誤入力される可能性がある状態に移行したと判定し(ステップS22)、その旨を制御部30に通知する。通知は、例えば、誤入力の可能性を示すフラグ情報として通知される。フラグ情報は、操作面20aを伏せて静止させ、かつ操作面20aに照射される光が第1閾値以上かつ第2閾値未満である状態に移行させる第2動作が実行され、この状態が維持されている期間に亘って有効となる。
【0052】
制御部30は、操作入力部29を通じたコマンド入力を判定し(ステップS23)、誤入力の可能性がある場合にコマンドに応じた処理を実行しないように、コマンドを無効と判断する(ステップS24)。なお、制御部30は、誤入力の可能性がない場合には、通常どおりコマンドに応じた処理を実行する。そして、コマンダ20では、操作コマンドが誤入力される可能性がなくなるまで、つまり第2動作が実行された後の状態が解消される(ステップS25で「yes」)まで、ステップS23以降の処理が繰り返される。これにより、図7に示すような状態でも、誤った操作入力に応じた処理が実行されない。
【0053】
図8A〜8Dには、所定状態にコマンダ20を移行させ、この状態を所定時間に亘って維持する第1動作Mの実行を通じて、テレビ10を制御する方法の例が示されている。なお、第1動作Mには、1つの制御コマンドCのみが割当てられてもよく、テレビ10および/またはコマンダ20の状態に応じて択一的に選択される複数の制御コマンドCが割当てられてもよい。
【0054】
図8Aに示す例では、第1動作Mに一時記録を開始するための制御コマンドC1が割当てられている。動作判定部23が第1動作Mの実行を判定すると、コマンド送信部28が制御コマンドC1をテレビ10に送信する。コマンド受信部16が制御コマンドC1を受信すると、制御部18は、受信コンテンツを再生中であるかを判定し、条件に該当する場合に、一時記録の開始をコンテンツ記録部12に指示する。コンテンツ記録部12は、指示に応じて、コンテンツ受信部11から供給される受信コンテンツの一時記録を開始する(P1)。
【0055】
一時記録は、例えば、コマンダ20の所定状態が解消されるまで継続される。また、一時記録は、所定時間が経過するまで、または時間経過により受信コンテンツが変更されるまで継続されてもよい。これにより、ユーザは、第1動作Mの実行時にテレビ10で再生されていた受信コンテンツを、一時記録された記録コンテンツとして視聴することができる。
【0056】
図8Bに示す例では、第1動作Mに再生開始位置を指定するための制御コマンドC2が割当てられている。コマンド受信部16がコマンドを受信すると、制御部18は、記録コンテンツを再生中であるかを判定し、条件に該当する場合に、再生開始位置を指定する(P2)。制御部18は、指示を受けた時点での再生位置を示す再生開始位置情報をコンテンツ再生部13から取得し、再生中の記録コンテンツのID等に関連付けて記憶する。
【0057】
そして、制御部18は、記録コンテンツの再生開始に際して、当該記録コンテンツの再生開始位置が記憶されているかを判定する。再生開始位置が記憶されている場合、制御部18は、再生開始位置を参照し、再生開始位置からコンテンツを再生するようにコンテンツ再生部13に指示する。再生開始位置は、指定日時とともに記憶され、指定日時から所定期間が経過すると無効になるようにしてもよい。これにより、ユーザは、第1動作Mの実行時にテレビ10で再生されていた再生コンテンツを再生開始位置から視聴することができる。
【0058】
図8Cに示す例では、第1動作Mにコンテンツを再生停止(または一時停止)するための制御コマンドC3が割当てられている。コマンド受信部16が制御コマンドCを受信すると、制御部18は、コンテンツ(受信コンテンツまたは記録コンテンツ)を再生中であるかを判定し、条件に該当する場合に、再生停止(または一時停止)をコンテンツ再生部13に指示する。コンテンツ再生部13は、指示に応じて、コンテンツの再生処理を停止(または一時停止)する(P3)。これにより、ユーザは、第1動作Mの実行により、テレビ10によるコンテンツの再生を停止(または一時停止)することができる。
【0059】
図8Dに示す例では、第1動作Mにコンテンツ音声をミュートするための制御コマンドC4が割当てられている。コマンド受信部16が制御コマンドCを受信すると、制御部18は、コンテンツ(受信コンテンツまたは記録コンテンツ)を再生中であるかを判定し、条件に該当する場合に、音声ミュートをコンテンツ再生部13に指示する。コンテンツ再生部13は、指示に応じて、スピーカ15への音声データの出力を停止し、または音声ミュートに対応する無音の音声データを出力する(P4)。これにより、ユーザは、第1動作Mの実行により、テレビ10によるコンテンツ音声をミュートすることができる。
【0060】
[4.まとめ]
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、操作面20aを伏せて静止させるとともに操作面20aに照射する光が第1閾値未満となる状態にコマンダ20を移行させることで、第1動作Mの実行が判定される。よって、操作面20aを伏せていない状態では第1動作Mの実行が判定されないので、静止面Sに対して操作面20aを伏せて静止させた状態にコマンダ20を移行させる動作の実行を適切に判定することができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0062】
10 テレビ
11 コンテンツ受信部
12 コンテンツ記録部
13 コンテンツ再生部
14 ディスプレイ
15 スピーカ
16 コマンド受信部
17 操作入力部
18 制御部
20 コマンダ
21 第1センサ
22 第2センサ
23 動作判定部
24 コンテンツ受信部
25 コンテンツ再生部
26 ディスプレイ
27 スピーカ
28 コマンド送信部
29 操作入力部
30 制御部
20a 操作面
20b、20b´ ジョグダイアル
20c タッチパネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置に作用する加速度を検出する第1センサと、
前記制御装置の操作面に照射する光を検出する第2センサと、
前記第1および第2センサの検出結果に基づき、前記操作面を伏せて静止させ第1閾値未満の光が前記操作面に照射する状態に前記制御装置を移行させ、前記状態を所定時間に亘って維持する第1動作の実行を判定する動作判定部と、
前記第1動作の実行が判定されると、所定の制御コマンドを被制御装置に送信するコマンド送信部と
を備える制御装置。
【請求項2】
操作入力に応じた処理を実行する制御部をさらに備え、
前記動作判定部は、前記操作面を伏せて静止させ前記第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きな第2閾値未満の光が前記操作面に照射する状態に前記制御装置を移行させる第2動作の実行を判定し、
前記制御部は、前記第2動作の実行が判定された状態では、前記操作入力に応じた処理を実行しない、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記コマンド送信部は、前記第1動作の実行が判定されると、前記被制御装置で再生中のコンテンツを一時録画するための制御コマンド、またはコンテンツの再生開始位置を指定するための制御コマンドを前記被制御装置に送信する、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記コマンド送信部は、前記第1動作の実行が判定されると、前記被制御装置で再生中のコンテンツを一時停止または停止するための制御コマンドを前記被制御装置に送信する、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記コマンド送信部は、前記第1動作の実行が判定されると、前記被制御装置で再生中のコンテンツの音声を消音するための制御コマンドを前記被制御装置に送信する、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
制御装置に作用する加速度および前記制御装置の操作面に照射する光の検出結果に基づき、前記操作面を伏せて静止させ第1閾値未満の光が前記操作面に照射する状態に前記制御装置を移行させ、前記状態を所定時間に亘って維持する第1動作の実行を判定し、
前記第1動作の実行が判定されると、所定の制御コマンドを被制御装置に送信すること
を含む制御方法。
【請求項7】
制御装置に作用する加速度および前記制御装置の操作面に照射する光の検出結果に基づき、前記操作面を伏せて静止させ第1閾値未満の光が前記操作面に照射する状態に前記制御装置を移行させ、前記状態を所定時間に亘って維持する第1動作の実行を判定し、
前記第1動作の実行が判定されると、所定の制御コマンドを被制御装置に送信すること
を含む制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公開番号】特開2012−165073(P2012−165073A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22069(P2011−22069)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】