制御装置、制御方法およびプログラム
【課題】本発明の課題は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の他に少なくとも1色以上の特殊色で印刷できる制御装置を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、CMYK版と透明トナー版のコマンド解析を行う解析手段と、解析手段によるコマンド解析の結果に基づき、CMYK版の画像データを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたCMYK版の画像データの画素毎に附随する属性フラグに、透明トナー版を解析して得られた透明トナー属性を埋め込む埋め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、CMYK版と透明トナー版のコマンド解析を行う解析手段と、解析手段によるコマンド解析の結果に基づき、CMYK版の画像データを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたCMYK版の画像データの画素毎に附随する属性フラグに、透明トナー版を解析して得られた透明トナー属性を埋め込む埋め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置により用紙上に画像を形成するための画像データをデジタルで生成、制御する制御装置、制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。より具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の他に少なくとも1色以上の特殊色で印刷することが可能な制御装置、制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル印刷技術は、オンデマンド印刷市場や少部数の文書印刷市場において、近年確実にその利用価値を高めつつある。特に、電子写真技術を用いたフルカラー印刷は、生産性や印刷コスト、メンテナンスの容易性などの面で他の印刷技術よりも優位であり、急速にその市場を広めつつある。
【0003】
その中で、特に従来のC、M、Y、K、4色のトナーを用いた電子写真印刷によるフルカラー印刷だけではなく、さらに特殊なトナーを用いた多色の印刷方式も注目を集めており、オンデマンド性、即時性の高い特殊印刷市場も視野に入ってきている。
【0004】
特殊なトナー、例えば、透明トナーを使用した印刷も注目を集めている。透明トナーの印刷方式として、全面に一律に印刷し、光沢感を上げる方式が一般的であるが、それ以外に、部分的に印刷する方式の需要も高まりつつある。
【0005】
特許文献1では、機器に関する情報を透明トナーでウォーターマークとして、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、透明トナーを用いて印刷するという提案がなされている。また、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、特殊色トナーを用いて印刷するという先行技術も存在する。
【0006】
このように、透明色も含む特殊色トナーを使用することで通常のデジタル印刷とは異なる新たな付加価値が得られるようになり、デジタル印刷の世界をさらに拡大していくことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−262821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像から特殊色版(特殊色トナーで印刷するためのデータ)を生成するには、特定の情報を必要とするため、ユーザの任意の画像から特殊色版を生成することができないという課題がある。
【0009】
また、特殊色トナーを使用する場合には、特殊色トナーによる処理のために、ビデオ信号の転送系、画像処理系の回路規模が大きくなってしまうという課題がある。
【0010】
このとき、アプリケーション上で特殊色版の確認は容易にできるが、透明トナー版(透明トナーで印刷するためのデータ)を、CMYKやRGBで表示や印刷できるように切り替えるためには特殊色の指定を変更する必要があるという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、CMYK版と透明トナー版のコマンド解析を行う解析手段と、解析手段によるコマンド解析の結果に基づき、CMYK版の画像データを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたCMYK版の画像データの画素毎に附随する属性フラグに、透明トナー版を解析して得られた透明トナー属性を埋め込む埋め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、定義された特殊色版を用いた印刷データから、ユーザの所望するデザインの特殊色版を作成し、特殊色トナーを使用した印刷が可能になる。このとき、特殊色トナーを使用しない場合には、通常の印刷として扱われるため、再RIPによってモニタ上で、特殊色版を確認できる。
【0013】
また、CMYK系の印刷でも使用する属性ビットの中に埋め込んで、特殊色版や透明トナー版が生成されるので、CMYK系による印刷のためのPDLコントローラで特殊色や透明トナーによる印刷をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムを示す図である。
【図2】印刷装置の断面を示す図である。
【図3】PDLコントローラのブロック図である。
【図4】プリントドライバの印刷設定のUIを示す図である。
【図5】PDLコントローラでのRIP処理のフローチャートである。
【図6】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図7】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図8】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図9】実施形態2のRIP処理のフローチャートである。
【図10】実施形態2に係るRIP処理のフローチャートである。
【図11】実施形態1に係るウエブブラウザの表示を示す図である。
【図12】実施形態1に係る画像装置内での画像処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
[画像処理システム]
図1は、実施形態に係る画像処理システムを示す。クライアントコンピュータ101は、ユーザがアプリケーションにより文書データを作成するのに用いられる。印刷装置102は、電子写真方式のいわゆる複合機とも呼ばれる複数の機能を有する複写機である。PDL(Page Description Language)コントローラ103は、クライアントコンピュータ101で作成されたデータおよび、プリンタドライバから印刷するときに出力されるPDLデータを解釈する。そして、PDLコントローラ103は、クライアントコンピュータ101で作成されたデータを、ビットマップに展開し印刷装置102に送信する。符号104は、制御用インタフェースケーブルを指し示している。制御用インタフェースケーブル104を介して、印刷装置102に印刷データが送信されたり、印刷データをスキャンしたりするときの制御コマンドがやり取りされる。符号105は、ビデオインタフェースケーブルを指し示している。展開されたビデオデータは、ビデオインタフェースケーブル105を介して、印刷装置102に送信される。符号106は、PDLコントローラのLANケーブルを指し示している。クライアントコンピュータ101とPDLコントローラ103は、ネットワークに接続されている。
【0016】
[印刷装置]
図2に、印刷装置102の概観図が示されている。図2において、イメージスキャナー部201は、原稿を読み取り、デジタル信号処理を行う。また、プリンタ部202は、イメージスキャナー部201によって読み取られた原稿画像に対応した画像を用紙にフルカラーでプリント出力する。
【0017】
イメージスキャナー部201において、符号200は、鏡面圧板を指し示している。また、原稿台ガラス(プラテン)203上の原稿204は、ランプ205−1、205−2で照射される。そして、ランプ205−1、205−2から発せられた光は、ミラー206、207、208に導かれ、レンズ209によって、3ラインの個体撮像素子センサ(CCD)210−1、210−2、210−3上に像を結ぶ。そして、原稿204のフルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号が信号処理部211に送られる。なお、ランプ205−1、205−2とミラー206は、速度vで、ラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ミラー207、ミラー208は、速度1/2vでラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ここで、原稿204は、主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で読みとられる。読み取られた画像信号は、原稿1ページ分の単位で信号処理部211の内部のデータ蓄積手段に蓄積される。
【0018】
信号処理部211において、内部に蓄積された画像信号は、画素単位で電気的に処理され、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解されて、プリンタ部202に送られる。また、信号処理部211の内部には透明パターン生成部があり、透明画像データ(CL)を画素単位で生成し同じくプリンタ部202へ送出する。
【0019】
送出されたM、C、Y、Bk、CLの画像信号がレーザードライバー212に送られる。レーザードライバー212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザー213を変調駆動する。レーザー光は、ポリゴンミラー214、f−θレンズ215、ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。ここで、読取と同様に主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で書込まれる。
【0020】
回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を有する。符号219〜223で指し示される5つの現像部が、交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム217上に形成された静電現像を各色のトナーで現像する。
【0021】
転写ドラム224は、用紙カセット225または用紙カセット226より供給される用紙を、この転写ドラム224に巻き付け、感光ドラム217上に現像された像を用紙に転写する。
【0022】
この様にして、M,C,Y,Bkおよびクリア(透明)の5色が順次転写された後に、用紙は、定着ユニット227を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
【0023】
[PDLコントローラ]
図3にPDLコントローラ103の図が示されている。
【0024】
クライアントコンピュータ101から印刷を行う場合、クライアントコンピュータ101で作成されたプリントジョブは、ネットワークを経由してPDLコントローラ103に送られる。本実施形態の場合、このプリントジョブは、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータである。そして、PDLコントローラ103の中では、クライアントコンピュータ101から送られてきたPDLデータは、ネットワークインタフェース部302を経由して受信され、制御部301によりバンド毎にラスタ画像データに展開される。さらに、画像データは、画像圧縮伸長処理部303により圧縮され、画像メモリ305に書き込まれる。そして、制御系インタフェース部306を経由して、印刷装置102内のデバイスコントローラに対してプリント指示が行われる。そして、画像メモリ305から読み出された圧縮画像データは、画像圧縮伸長処理部303により伸長される。その後、画像データは、画像系ビデオインタフェース部307を経由して、印刷装置102の不図示のデバイスコントローラに送られて、画像形成が行われ、印刷される。
【0025】
[透明トナー色の設定]
透明トナーを使用する場合には、PDLコントローラ103のカラー設定の中の特殊色設定で透明トナー色を特殊色登録設定でカスタムカラー登録しておく必要がある。ここで、透明とは、特定の色相を持たないことを意味する。PDLコントローラ103の管理者は特殊色登録設定で、透明トナー色の名称をカスタムカラーとして設定してCMYK値(色値)を定義する。このとき、グループ名はClear Tonerとする。
【0026】
例えば、カスタムカラーの名称:CCLR、CMYK値:シアン 40、マゼンタ 30、イエロー 30、ブラック 0、グループ: Clear Toner、のように、透明トナー色を定義することができる。ここで、透明トナー色を複数定義することが可能である。また、透明トナー版で作成されたデータを、透明トナーによる印刷だけではなく、プリンタドライバの設定によって通常の印刷に用いることが可能である。このとき、CMYK値の設定の異なる透明トナー色を複数定義しておいて、出力画像の色に応じて特殊色トナーのCMYKの代替色を選択することが可能である。
【0027】
[印刷ジョブの作成]
透明トナーを使用する場合には、RGB系のオフィスアプリケーションではなく、CMYK版(CMYKトナーで印刷するためのデータ)だけでなく特殊色版も作成できるDTPアプリケーションを使用する。透明トナーを使用したい部分はあらかじめ定義された特殊色を指定する。また、作成するオブジェクトはオーバープリント属性を付加しておく。特殊色版は、CMYK版と同様に8ビットの諧調をもっており、多値での表現が可能である。
【0028】
[透明トナー印刷の印刷設定]
透明トナーを使用して印刷を行うときの印刷設定について図4を用いて説明する。符号401は、クライアントコンピュータ101に格納されているプリンタドライバの印刷設定ウィンドウを指し示している。印刷設定ウィンドウ401は、一般402、レイアウト403、イメージ404、仕上げ405の4つのタブを有する。また、印刷設定ウィンドウ401は、OKボタン409、キャンセルボタン410、適用ボタン411も有する。図4は、イメージタブを選択したところを示しており、色分解の組み合わせ406、透明トナーを使用する407、シャープネス408の各設定が表示されている。透明トナーを使用する場合には、クライアントコンピュータ101上のアプリケーションで透明トナー色に指定された特殊色版を含む分版データが作成される。そして、印刷設定で色分解の組み合わせ:オン、透明トナーを使用する:オンの設定でOKが押下されると、プリンタドライバから印刷が行われる。
【0029】
[透明トナー版を含むRIP処理]
クライアントコンピュータ101から送信された透明トナー版を含む印刷ジョブは、CMYK版と透明トナー版を含む特殊色版とからなる分版PDLデータである。この分版データはPDLコントローラ103に送信されRIP処理が行われる。
【0030】
図5は、透明トナー版を含むRIP(Raster Image Processing)処理のフローチャートである。ここで、図5に示されているフローチャートは、PDLコントローラ103の制御部301、ハードディスク304または画像メモリ305に格納されている図5のフローチャートを実行するためのプログラムを、制御部301が読み出すことで実行される。ここで、印刷設定で色分解の組み合わせがオフの場合に、送信された分版データは合成されず、そのままグレースケールで分版枚数分だけ印刷される。
【0031】
以下の説明では、色分解の組み合わせはオンであるとする。ステップS501では、CMYK版RIP処理が行われる。ステップS502で、特殊色版がある場合にはステップS503に進む。また、ステップS502で、特殊色版がない場合には、RIP処理を終了する。ステップS503で、クライアントコンピュータ101で設定された印刷設定で透明トナーを使用するがオンであるジョブの場合にはステップS504に進む。また、ステップS503で、印刷設定で透明トナーを使用するがオフである場合にはステップS506の特殊色版RIP処理に進む。ステップS504では、特殊色で透明トナー色に定義されている色が使われているか否かが判定される。そして、ステップS504で、透明トナー版が使われていると判定される場合には、ステップS505の透明トナー版RIP処理へ進む。ステップS504で、透明トナー版が使われていないと判定される場合には、ステップS506の特殊色版RIP処理に進む。
【0032】
[CMYK版RIP処理]
図6には、CMYK版RIP処理が実行されるステップS501のフローチャートが示されている。ここで、図6に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0033】
ステップS601では、クライアントコンピュータ101のプリンタドライバで生成され、PDLコントローラ103に送信されたCMYK版の分版データのコマンド解析が行われる。ステップS602では、コマンド解析の結果からRIP対象のオブジェクト判定が行われる。判定されるオブジェクトは、文字、画像、グラフィックスの3種類である。ステップS603では、ラスタライズを行われ、出力画像データが生成される。ステップS604では、CMYK版の出力画像データの画素毎にステップS602とステップS603の処理結果に基づき属性フラグの設定が行われる。
【0034】
[属性フラグ]
属性フラグは、出力画像データの画素ごとの属性情報が埋め込まれた8ビットからなる情報である。画像データに同期して、画像系ビデオインタフェース部307からビデオインタフェースケーブル105を介して印刷装置102に送信される。
【0035】
属性フラグは、Bit0−Bit1、Bit3、Bit4、Bit6という属性情報からできている。ここで、Bit0−Bit1は、オブジェクト属性(文字 00、画像 01、グラフィックス 10)を含む。また、Bit3は、下地属性(背景部のとき1を設定)を含む。また、Bit4は、高精細文字処理フラグ(オブジェクトが文字で高精細文字画像処理を行うとき1を設定)を含む。また、Bit6は、透明トナー属性(透明トナーを使用するときに1を設定)を含む。
【0036】
上記の属性フラグの属性情報に基づいて印刷装置102内のデバイスコントローラでは、オブジェクトの属性ごとにスクリーンの設定を変えるなど最適な画像処理が行われる。CMYKの画像データは、PDLコントローラ103内の画像圧縮伸長部303で一度非可逆圧縮されて画像伸長後に印刷装置に送られる。しかし、属性情報は圧縮されることなく、印刷装置に送られる。
【0037】
[特殊色版RIP処理]
図7には、特殊色版RIP処理が実行されるステップS506のフローチャートが示されている。ここで、図7に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0038】
ステップS701では、未処理の特殊色版が存在するか否かが調べられ、未処理の特殊色版が存在する場合にはステップS702へ進み、未処理の特殊色版が存在しない場合には処理が終了する。ステップS702では、PDLコントローラ103に送信された特殊色版データのコマンド解析が行われる。ステップS703では、コマンド解析の結果からRIP対象のオブジェクト判定が行われる。判定されるオブジェクトは、文字、画像、グラフィックスの3種類である。ステップS704では、ラスタライズが行われ、特殊色版の出力画像データが生成される。ステップS705では、特殊色で定義されたCMYK値に基づき特殊色版の画像データがCMYK版の出力画像データに適用される。ステップS706では、CMYK版の出力画像データの画素毎にステップS703とステップS704の処理結果に基づき属性フラグの設定が行われ、ステップS701へ処理が戻る。
【0039】
[透明トナー版RIP処理]
図8には、透明トナー版RIP処理が実行されるステップS505のフローチャートが示されている。ここで、図8に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0040】
ステップS801では、PDLコントローラ103に送信された透明トナー版データのコマンド解析が行われる。ステップS802では、透明トナー版データのラスタライズが行われ、透明トナー版の出力画像データが生成される。透明トナー版処理では、出力画像をCMYK版に適用しないためオブジェクト判定処理は必要ない。ステップS803では、上記透明トナー版の出力画像データに対して、2値化が行われる。2値化は、ステップS802のラスタライズで透明色データのある画素に対して1を設定する単純2値化で行われる。ステップS804では、ステップS803の処理結果の基づき2値化の結果がCMYK版の出力画像データの画素毎に附随している属性フラグの中のBit6の透明トナー属性に設定される。なお、CMYK版の出力画像データは図6のステップS603のラスタライズ処理で生成された画像データである。
【0041】
透明トナー属性が附随されたCMYK版の出力画像データは、印刷装置102に出力される。
【0042】
なお、ステップS804において、透明トナー属性をCMYK版の出力画像データに設定せずに、CMYK版の出力画像データと透明トナー版の出力画像データを2値化した結果を印刷装置102に送信してもよい。この場合、印刷装置102において、CMYK版の出力画像データに透明トナー属性が設定される。
【0043】
[印刷設定のオーバーライドと再RIP処理]
PDLコントローラ103を使った印刷ではプリンタドライバの設定によって、印刷装置102に印刷するだけでなく、PDLコントローラ103のハードディスク304にPDLデータを残すことができる。その場合、ユーザは、クライアントコンピュータ101からPDLコントローラ103にウエブブラウザでアクセスすることによって以下のことができる。すなわち、ユーザは、自分が送信した印刷ジョブの設定を変更したり(印刷オプションのオーバーライド)、RIPだけさせたり、RIPされた画像を削除したり、再度、RIPを行ったりすることができる。RIPされた画像がある印刷ジョブに関しては、ウエブブラウザから印刷ジョブをプレビューすることができる。
【0044】
図11には、PDLコントローラ103にアクセスしたときのウエブブラウザの表示が示されている。符号1101は、PDLコントローラ103のステータス表示を指し示し、符号1102は、PDLコントローラ103で印刷したジョブの一覧を指し示している。例えば、図11において、ジョブの一覧1102では、上から3番目のジョブが選択されている。
【0045】
符号1103は、ジョブのプロパティを表示するボタンを指し示している。プロパティボタン1103を押下すことにより、印刷設定を変更することができる。符号1104は、選択されたジョブのプレビューを行うプレビューボタンを指し示している。符号1105は、PDLデータのRIPを行うRIP処理ボタンを指し示している。符号1106は、削除ボタンを指し示しており、符号1107は、印刷ボタンを指し示している。
【0046】
透明トナーを使用する設定のジョブをプレビューした場合には、透明トナー版は属性情報に適用され、CMYK画像に適用されていないので透明トナー版は表示されない。しかし、プロパティボタン1103を押下して透明トナーを使用するという設定をオフに変更し、RIP処理ボタン1105を押下して再RIP処理後にプレビューを行うと、以下のようになる。すなわち、透明トナー版は、特殊色の処理としてあらかじめ定義された色で、CMYK画像に適用されるため、透明トナー版もCMYK版と同様にモニタ表示される。
【0047】
[透明トナー版の生成]
図12には、印刷装置102内部の画像処理のフローチャートが示されている。ここで、図12に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0048】
図12に示されている処理では、まず、PDLコントローラ103で生成された画像データ1205とそれに付随する属性情報1206が入力される。属性情報1206は、各々の画像処理モジュールにおいて、最適な画像処理を施すために使用される。
【0049】
ステップS1201において、色処理により印刷装置側で色が変更される。次に、ステップS1202において、属性情報のBit6の透明トナー属性フラグに1が立っている場合は、透明トナー成分がC、M、Y、K信号から導かれる。まず、画素毎にC、M、Y、Kの総トナー量が求められる。総トナー量とは、C、M、Y、Kの4色をあわせた合計の信号量により画素ごとに用紙に転写されるトナー量を求めるものである。通常、総トナー量は、単色の最大値を100%としたパーセント値として表現される。画像信号が8ビットの整数で表現されている場合、単色の最大値は255なので、C、M、Y、Kの加算値を100/255倍して総トナー量とされる。
【0050】
例えば、8ビットの画像信号が、ある画素について、C=80、M=95、Y=140、K=110であったとすると、総トナー量=(C+M+Y+K)×100/255=167%・・・(1)となる。
【0051】
通常、総トナー量の一般的な上限値は、200−280%程度であり、作像プロセスによって決定されるが、本発明では、これにさらに透明トナー層を形成した後のトータル量が上限値以下であることが要求される。
【0052】
ここで、上限値を240%であると仮定した場合、(1)の数値と上限値との差分が透明トナー層に許容される濃度比率となると考えることができ、許容量=240−167=73%・・・(2)となる。属性情報のBit6の透明トナー属性フラグが立っていない場合には、透明トナー成分が生成されずに、入力のままのC、M、Y、Kのデータが出力される。
【0053】
C、M、Y、K、CL(透明トナー)量が決定したら、ステップS1203のガンマ処理において、このプリンタに最適なガンマ処理が各色に施される。
【0054】
そして、ステップS1204の画像形成において、各色に画像形成処理が施される。画像形成処理には、スクリーン処理や誤差拡散処理がある。
【0055】
本実施形態では、透明トナーに定義された特殊色版を用いた印刷データから、ユーザの所望するデザインの透明トナー版を作成し、特殊色トナーを使用した印刷が可能になるという効果がある。このとき、透明トナーを使用しない場合には、通常の印刷として扱われるため、再RIP処理によってモニタ上での透明トナー版の確認やCMYK色による印刷が可能であるという効果もある。
【0056】
また、透明トナー版をCMYK系の印刷でも使用する属性ビットの中に埋め込んで、透明トナー版を生成するので、ビデオ信号を増やすことなく従来のCMYKのPDLコントローラで透明トナー版の印刷をすることができるという効果がある。
【0057】
(実施形態2)
第1の実施形態では、CMYK以外の特殊色トナーは、透明トナー1色のみとしたが、印刷装置102が対応していれば2色以上の特殊色の場合についても同様に適用可能である。
【0058】
[特殊色版を含むRIP処理]
クライアントコンピュータ101から送信された複数の特殊色版を含む印刷ジョブは、CMYK版と透明トナー版、蛍光トナー版(蛍光トナーで印刷するためのデータ)を含む特殊色版とからなる分版PDLデータである。この分版データは、PDLコントローラ103に送信されRIP処理が行われる。ここで、特殊色版の特殊色は実施形態1と同様にあらかじめ定義されている。
【0059】
図9は、特殊色版を含むRIP処理のフローチャートである。ここで、図9に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0060】
ステップS901では、CMYK版RIP処理が行われる。ステップS902において、特殊色版が存在する場合にはステップS903に処理が進み、特殊色版が存在しない場合には、RIP処理が終了する。ステップS903では、印刷設定で特殊色トナーを使用するがオンであるジョブの場合にはステップS904に処理が進む。また、ステップS903において、印刷設定で特殊色トナーを使用するがオフであるジョブの場合には、ステップS905の特殊色版RIP処理に進む。ステップS904では、特殊色トナー版RIP処理が行われる。ステップS905では、特殊色版RIP処理が行われる。
【0061】
ここで、ステップS901のCMYK版RIP処理は、実施形態1に係る図6に示されている処理と同じため説明を省略する。また、ステップS905の特殊色版RIP処理は、実施形態1に係る図7に示されている処理と同じため説明を省略する。
【0062】
[特殊色トナー版RIP処理]
図10には、特殊色トナー版RIP処理ステップS904のフローチャートが示されている。ここで、図10に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0063】
ステップS1001では、特殊色版が存在するか否かが調べられる。ステップS1001において、特殊色版が存在する場合には、ステップS1002へ処理が進む。ステップS1001において、特殊色版が存在しない場合には、処理を終了する。ステップS1002では、PDLコントローラ103に送信された特殊色版のコマンド解析が行われる。ステップS1003では、ラスタライズが行われ、出力画像データが生成される。特殊色トナー版RIP処理では、出力画像がCMYK版に適用されないため、オブジェクト判定処理は必要ない。ステップS1004では、2値化が行われる。2値化は、ステップS1003のラスタライズで特殊色トナーデータのある画素に対して1を設定する単純2値化で行われる。ステップS1005では、ステップS1004の処理結果の基づき2値化の結果が属性フラグの中のBit6の透明トナー属性またはBit5の蛍光トナー属性に設定される。次に、ステップS1001に、処理が戻る。
【0064】
属性フラグは、Bit0−Bit1、Bit3、Bit4、Bit5、Bit6という属性情報からできている。ここで、Bit0−Bit1は、オブジェクト属性(文字 00、画像 01、グラフィックス 10)を含む。また、Bit3は、下地属性(背景部のとき1を設定)を含む。また、Bit4は、高精細文字処理フラグ(オブジェクトが文字で高精細文字画像処理を行うとき1を設定)を含む。また、Bit5は、蛍光トナー属性(蛍光トナーを使用するときに1を設定)を含む。また、Bit6は、透明トナー属性(透明トナーを使用するときに1を設定)を含む。
【0065】
以下、属性フラグの蛍光トナー属性と透明トナー属性の情報から印刷装置が蛍光トナー版と透明トナー版が生成され、印刷が行われる。
【0066】
本実施形態では、2色以上の特殊色版の印刷をすることができるという効果がある。
【0067】
(実施形態3)
実施形態1の透明トナー版RIP処理の2値化ステップS803では、データのあるところを1とする単純2値化が行われる。ここでは、2値化をディザ処理や誤差拡散処理などにより行い、擬似諧調2値データとして属性フラグの透明トナー属性に設定してもよい。
【0068】
クライアントコンピュータ101から送られる特殊色版データは多値データであるので、ユーザが作成した透明トナー版の諧調を生かして印刷装置の透明トナー版を生成することができるという効果がある。
【0069】
(実施形態4)
実施形態1と実施形態2では透明トナー版や特殊色版は必ず、属性情報に埋め込まれて、CMYK色以外のトナーでの印刷を可能にしていた。印刷装置において、特殊色版を画像データのまま印刷装置が処理できる場合であっても、本発明の属性情報に特殊色版情報を入れる機能をPDLコントローラで動作させてもよい。この場合、PDLコントローラは、特殊色分のビデオチャンネルを持ちつつ、特殊色版情報から属性データに変換する系も内蔵し、接続される印刷装置の種類に応じて特殊色版処理方法を切り替えることができるという効果がある。
【0070】
本実施形態によって、印刷装置の特殊色版のインタフェースが違っていても、同じPDLコントローラで特殊色版の印刷を行うことができるという効果がある。
【0071】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0072】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0073】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0074】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0075】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0076】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
101 クライアントコンピュータ
102 印刷装置
103 PDLコントローラ
104 制御用インタフェースケーブル
105 ビデオインタフェースケーブル
106 LANケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置により用紙上に画像を形成するための画像データをデジタルで生成、制御する制御装置、制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。より具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の他に少なくとも1色以上の特殊色で印刷することが可能な制御装置、制御方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル印刷技術は、オンデマンド印刷市場や少部数の文書印刷市場において、近年確実にその利用価値を高めつつある。特に、電子写真技術を用いたフルカラー印刷は、生産性や印刷コスト、メンテナンスの容易性などの面で他の印刷技術よりも優位であり、急速にその市場を広めつつある。
【0003】
その中で、特に従来のC、M、Y、K、4色のトナーを用いた電子写真印刷によるフルカラー印刷だけではなく、さらに特殊なトナーを用いた多色の印刷方式も注目を集めており、オンデマンド性、即時性の高い特殊印刷市場も視野に入ってきている。
【0004】
特殊なトナー、例えば、透明トナーを使用した印刷も注目を集めている。透明トナーの印刷方式として、全面に一律に印刷し、光沢感を上げる方式が一般的であるが、それ以外に、部分的に印刷する方式の需要も高まりつつある。
【0005】
特許文献1では、機器に関する情報を透明トナーでウォーターマークとして、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、透明トナーを用いて印刷するという提案がなされている。また、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、特殊色トナーを用いて印刷するという先行技術も存在する。
【0006】
このように、透明色も含む特殊色トナーを使用することで通常のデジタル印刷とは異なる新たな付加価値が得られるようになり、デジタル印刷の世界をさらに拡大していくことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−262821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像から特殊色版(特殊色トナーで印刷するためのデータ)を生成するには、特定の情報を必要とするため、ユーザの任意の画像から特殊色版を生成することができないという課題がある。
【0009】
また、特殊色トナーを使用する場合には、特殊色トナーによる処理のために、ビデオ信号の転送系、画像処理系の回路規模が大きくなってしまうという課題がある。
【0010】
このとき、アプリケーション上で特殊色版の確認は容易にできるが、透明トナー版(透明トナーで印刷するためのデータ)を、CMYKやRGBで表示や印刷できるように切り替えるためには特殊色の指定を変更する必要があるという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、CMYK版と透明トナー版のコマンド解析を行う解析手段と、解析手段によるコマンド解析の結果に基づき、CMYK版の画像データを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたCMYK版の画像データの画素毎に附随する属性フラグに、透明トナー版を解析して得られた透明トナー属性を埋め込む埋め込み手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、定義された特殊色版を用いた印刷データから、ユーザの所望するデザインの特殊色版を作成し、特殊色トナーを使用した印刷が可能になる。このとき、特殊色トナーを使用しない場合には、通常の印刷として扱われるため、再RIPによってモニタ上で、特殊色版を確認できる。
【0013】
また、CMYK系の印刷でも使用する属性ビットの中に埋め込んで、特殊色版や透明トナー版が生成されるので、CMYK系による印刷のためのPDLコントローラで特殊色や透明トナーによる印刷をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムを示す図である。
【図2】印刷装置の断面を示す図である。
【図3】PDLコントローラのブロック図である。
【図4】プリントドライバの印刷設定のUIを示す図である。
【図5】PDLコントローラでのRIP処理のフローチャートである。
【図6】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図7】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図8】本発明に係るRIP処理のフローチャートである。
【図9】実施形態2のRIP処理のフローチャートである。
【図10】実施形態2に係るRIP処理のフローチャートである。
【図11】実施形態1に係るウエブブラウザの表示を示す図である。
【図12】実施形態1に係る画像装置内での画像処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
[画像処理システム]
図1は、実施形態に係る画像処理システムを示す。クライアントコンピュータ101は、ユーザがアプリケーションにより文書データを作成するのに用いられる。印刷装置102は、電子写真方式のいわゆる複合機とも呼ばれる複数の機能を有する複写機である。PDL(Page Description Language)コントローラ103は、クライアントコンピュータ101で作成されたデータおよび、プリンタドライバから印刷するときに出力されるPDLデータを解釈する。そして、PDLコントローラ103は、クライアントコンピュータ101で作成されたデータを、ビットマップに展開し印刷装置102に送信する。符号104は、制御用インタフェースケーブルを指し示している。制御用インタフェースケーブル104を介して、印刷装置102に印刷データが送信されたり、印刷データをスキャンしたりするときの制御コマンドがやり取りされる。符号105は、ビデオインタフェースケーブルを指し示している。展開されたビデオデータは、ビデオインタフェースケーブル105を介して、印刷装置102に送信される。符号106は、PDLコントローラのLANケーブルを指し示している。クライアントコンピュータ101とPDLコントローラ103は、ネットワークに接続されている。
【0016】
[印刷装置]
図2に、印刷装置102の概観図が示されている。図2において、イメージスキャナー部201は、原稿を読み取り、デジタル信号処理を行う。また、プリンタ部202は、イメージスキャナー部201によって読み取られた原稿画像に対応した画像を用紙にフルカラーでプリント出力する。
【0017】
イメージスキャナー部201において、符号200は、鏡面圧板を指し示している。また、原稿台ガラス(プラテン)203上の原稿204は、ランプ205−1、205−2で照射される。そして、ランプ205−1、205−2から発せられた光は、ミラー206、207、208に導かれ、レンズ209によって、3ラインの個体撮像素子センサ(CCD)210−1、210−2、210−3上に像を結ぶ。そして、原稿204のフルカラー情報としてのレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3つの画像信号が信号処理部211に送られる。なお、ランプ205−1、205−2とミラー206は、速度vで、ラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ミラー207、ミラー208は、速度1/2vでラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。ここで、原稿204は、主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で読みとられる。読み取られた画像信号は、原稿1ページ分の単位で信号処理部211の内部のデータ蓄積手段に蓄積される。
【0018】
信号処理部211において、内部に蓄積された画像信号は、画素単位で電気的に処理され、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラック(Bk)の各成分に分解されて、プリンタ部202に送られる。また、信号処理部211の内部には透明パターン生成部があり、透明画像データ(CL)を画素単位で生成し同じくプリンタ部202へ送出する。
【0019】
送出されたM、C、Y、Bk、CLの画像信号がレーザードライバー212に送られる。レーザードライバー212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザー213を変調駆動する。レーザー光は、ポリゴンミラー214、f−θレンズ215、ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。ここで、読取と同様に主走査および副走査ともに600dpi(dots/inch)の解像度で書込まれる。
【0020】
回転現像器218は、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラック現像部222、クリア(透明)現像部223を有する。符号219〜223で指し示される5つの現像部が、交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム217上に形成された静電現像を各色のトナーで現像する。
【0021】
転写ドラム224は、用紙カセット225または用紙カセット226より供給される用紙を、この転写ドラム224に巻き付け、感光ドラム217上に現像された像を用紙に転写する。
【0022】
この様にして、M,C,Y,Bkおよびクリア(透明)の5色が順次転写された後に、用紙は、定着ユニット227を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
【0023】
[PDLコントローラ]
図3にPDLコントローラ103の図が示されている。
【0024】
クライアントコンピュータ101から印刷を行う場合、クライアントコンピュータ101で作成されたプリントジョブは、ネットワークを経由してPDLコントローラ103に送られる。本実施形態の場合、このプリントジョブは、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータである。そして、PDLコントローラ103の中では、クライアントコンピュータ101から送られてきたPDLデータは、ネットワークインタフェース部302を経由して受信され、制御部301によりバンド毎にラスタ画像データに展開される。さらに、画像データは、画像圧縮伸長処理部303により圧縮され、画像メモリ305に書き込まれる。そして、制御系インタフェース部306を経由して、印刷装置102内のデバイスコントローラに対してプリント指示が行われる。そして、画像メモリ305から読み出された圧縮画像データは、画像圧縮伸長処理部303により伸長される。その後、画像データは、画像系ビデオインタフェース部307を経由して、印刷装置102の不図示のデバイスコントローラに送られて、画像形成が行われ、印刷される。
【0025】
[透明トナー色の設定]
透明トナーを使用する場合には、PDLコントローラ103のカラー設定の中の特殊色設定で透明トナー色を特殊色登録設定でカスタムカラー登録しておく必要がある。ここで、透明とは、特定の色相を持たないことを意味する。PDLコントローラ103の管理者は特殊色登録設定で、透明トナー色の名称をカスタムカラーとして設定してCMYK値(色値)を定義する。このとき、グループ名はClear Tonerとする。
【0026】
例えば、カスタムカラーの名称:CCLR、CMYK値:シアン 40、マゼンタ 30、イエロー 30、ブラック 0、グループ: Clear Toner、のように、透明トナー色を定義することができる。ここで、透明トナー色を複数定義することが可能である。また、透明トナー版で作成されたデータを、透明トナーによる印刷だけではなく、プリンタドライバの設定によって通常の印刷に用いることが可能である。このとき、CMYK値の設定の異なる透明トナー色を複数定義しておいて、出力画像の色に応じて特殊色トナーのCMYKの代替色を選択することが可能である。
【0027】
[印刷ジョブの作成]
透明トナーを使用する場合には、RGB系のオフィスアプリケーションではなく、CMYK版(CMYKトナーで印刷するためのデータ)だけでなく特殊色版も作成できるDTPアプリケーションを使用する。透明トナーを使用したい部分はあらかじめ定義された特殊色を指定する。また、作成するオブジェクトはオーバープリント属性を付加しておく。特殊色版は、CMYK版と同様に8ビットの諧調をもっており、多値での表現が可能である。
【0028】
[透明トナー印刷の印刷設定]
透明トナーを使用して印刷を行うときの印刷設定について図4を用いて説明する。符号401は、クライアントコンピュータ101に格納されているプリンタドライバの印刷設定ウィンドウを指し示している。印刷設定ウィンドウ401は、一般402、レイアウト403、イメージ404、仕上げ405の4つのタブを有する。また、印刷設定ウィンドウ401は、OKボタン409、キャンセルボタン410、適用ボタン411も有する。図4は、イメージタブを選択したところを示しており、色分解の組み合わせ406、透明トナーを使用する407、シャープネス408の各設定が表示されている。透明トナーを使用する場合には、クライアントコンピュータ101上のアプリケーションで透明トナー色に指定された特殊色版を含む分版データが作成される。そして、印刷設定で色分解の組み合わせ:オン、透明トナーを使用する:オンの設定でOKが押下されると、プリンタドライバから印刷が行われる。
【0029】
[透明トナー版を含むRIP処理]
クライアントコンピュータ101から送信された透明トナー版を含む印刷ジョブは、CMYK版と透明トナー版を含む特殊色版とからなる分版PDLデータである。この分版データはPDLコントローラ103に送信されRIP処理が行われる。
【0030】
図5は、透明トナー版を含むRIP(Raster Image Processing)処理のフローチャートである。ここで、図5に示されているフローチャートは、PDLコントローラ103の制御部301、ハードディスク304または画像メモリ305に格納されている図5のフローチャートを実行するためのプログラムを、制御部301が読み出すことで実行される。ここで、印刷設定で色分解の組み合わせがオフの場合に、送信された分版データは合成されず、そのままグレースケールで分版枚数分だけ印刷される。
【0031】
以下の説明では、色分解の組み合わせはオンであるとする。ステップS501では、CMYK版RIP処理が行われる。ステップS502で、特殊色版がある場合にはステップS503に進む。また、ステップS502で、特殊色版がない場合には、RIP処理を終了する。ステップS503で、クライアントコンピュータ101で設定された印刷設定で透明トナーを使用するがオンであるジョブの場合にはステップS504に進む。また、ステップS503で、印刷設定で透明トナーを使用するがオフである場合にはステップS506の特殊色版RIP処理に進む。ステップS504では、特殊色で透明トナー色に定義されている色が使われているか否かが判定される。そして、ステップS504で、透明トナー版が使われていると判定される場合には、ステップS505の透明トナー版RIP処理へ進む。ステップS504で、透明トナー版が使われていないと判定される場合には、ステップS506の特殊色版RIP処理に進む。
【0032】
[CMYK版RIP処理]
図6には、CMYK版RIP処理が実行されるステップS501のフローチャートが示されている。ここで、図6に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0033】
ステップS601では、クライアントコンピュータ101のプリンタドライバで生成され、PDLコントローラ103に送信されたCMYK版の分版データのコマンド解析が行われる。ステップS602では、コマンド解析の結果からRIP対象のオブジェクト判定が行われる。判定されるオブジェクトは、文字、画像、グラフィックスの3種類である。ステップS603では、ラスタライズを行われ、出力画像データが生成される。ステップS604では、CMYK版の出力画像データの画素毎にステップS602とステップS603の処理結果に基づき属性フラグの設定が行われる。
【0034】
[属性フラグ]
属性フラグは、出力画像データの画素ごとの属性情報が埋め込まれた8ビットからなる情報である。画像データに同期して、画像系ビデオインタフェース部307からビデオインタフェースケーブル105を介して印刷装置102に送信される。
【0035】
属性フラグは、Bit0−Bit1、Bit3、Bit4、Bit6という属性情報からできている。ここで、Bit0−Bit1は、オブジェクト属性(文字 00、画像 01、グラフィックス 10)を含む。また、Bit3は、下地属性(背景部のとき1を設定)を含む。また、Bit4は、高精細文字処理フラグ(オブジェクトが文字で高精細文字画像処理を行うとき1を設定)を含む。また、Bit6は、透明トナー属性(透明トナーを使用するときに1を設定)を含む。
【0036】
上記の属性フラグの属性情報に基づいて印刷装置102内のデバイスコントローラでは、オブジェクトの属性ごとにスクリーンの設定を変えるなど最適な画像処理が行われる。CMYKの画像データは、PDLコントローラ103内の画像圧縮伸長部303で一度非可逆圧縮されて画像伸長後に印刷装置に送られる。しかし、属性情報は圧縮されることなく、印刷装置に送られる。
【0037】
[特殊色版RIP処理]
図7には、特殊色版RIP処理が実行されるステップS506のフローチャートが示されている。ここで、図7に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0038】
ステップS701では、未処理の特殊色版が存在するか否かが調べられ、未処理の特殊色版が存在する場合にはステップS702へ進み、未処理の特殊色版が存在しない場合には処理が終了する。ステップS702では、PDLコントローラ103に送信された特殊色版データのコマンド解析が行われる。ステップS703では、コマンド解析の結果からRIP対象のオブジェクト判定が行われる。判定されるオブジェクトは、文字、画像、グラフィックスの3種類である。ステップS704では、ラスタライズが行われ、特殊色版の出力画像データが生成される。ステップS705では、特殊色で定義されたCMYK値に基づき特殊色版の画像データがCMYK版の出力画像データに適用される。ステップS706では、CMYK版の出力画像データの画素毎にステップS703とステップS704の処理結果に基づき属性フラグの設定が行われ、ステップS701へ処理が戻る。
【0039】
[透明トナー版RIP処理]
図8には、透明トナー版RIP処理が実行されるステップS505のフローチャートが示されている。ここで、図8に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0040】
ステップS801では、PDLコントローラ103に送信された透明トナー版データのコマンド解析が行われる。ステップS802では、透明トナー版データのラスタライズが行われ、透明トナー版の出力画像データが生成される。透明トナー版処理では、出力画像をCMYK版に適用しないためオブジェクト判定処理は必要ない。ステップS803では、上記透明トナー版の出力画像データに対して、2値化が行われる。2値化は、ステップS802のラスタライズで透明色データのある画素に対して1を設定する単純2値化で行われる。ステップS804では、ステップS803の処理結果の基づき2値化の結果がCMYK版の出力画像データの画素毎に附随している属性フラグの中のBit6の透明トナー属性に設定される。なお、CMYK版の出力画像データは図6のステップS603のラスタライズ処理で生成された画像データである。
【0041】
透明トナー属性が附随されたCMYK版の出力画像データは、印刷装置102に出力される。
【0042】
なお、ステップS804において、透明トナー属性をCMYK版の出力画像データに設定せずに、CMYK版の出力画像データと透明トナー版の出力画像データを2値化した結果を印刷装置102に送信してもよい。この場合、印刷装置102において、CMYK版の出力画像データに透明トナー属性が設定される。
【0043】
[印刷設定のオーバーライドと再RIP処理]
PDLコントローラ103を使った印刷ではプリンタドライバの設定によって、印刷装置102に印刷するだけでなく、PDLコントローラ103のハードディスク304にPDLデータを残すことができる。その場合、ユーザは、クライアントコンピュータ101からPDLコントローラ103にウエブブラウザでアクセスすることによって以下のことができる。すなわち、ユーザは、自分が送信した印刷ジョブの設定を変更したり(印刷オプションのオーバーライド)、RIPだけさせたり、RIPされた画像を削除したり、再度、RIPを行ったりすることができる。RIPされた画像がある印刷ジョブに関しては、ウエブブラウザから印刷ジョブをプレビューすることができる。
【0044】
図11には、PDLコントローラ103にアクセスしたときのウエブブラウザの表示が示されている。符号1101は、PDLコントローラ103のステータス表示を指し示し、符号1102は、PDLコントローラ103で印刷したジョブの一覧を指し示している。例えば、図11において、ジョブの一覧1102では、上から3番目のジョブが選択されている。
【0045】
符号1103は、ジョブのプロパティを表示するボタンを指し示している。プロパティボタン1103を押下すことにより、印刷設定を変更することができる。符号1104は、選択されたジョブのプレビューを行うプレビューボタンを指し示している。符号1105は、PDLデータのRIPを行うRIP処理ボタンを指し示している。符号1106は、削除ボタンを指し示しており、符号1107は、印刷ボタンを指し示している。
【0046】
透明トナーを使用する設定のジョブをプレビューした場合には、透明トナー版は属性情報に適用され、CMYK画像に適用されていないので透明トナー版は表示されない。しかし、プロパティボタン1103を押下して透明トナーを使用するという設定をオフに変更し、RIP処理ボタン1105を押下して再RIP処理後にプレビューを行うと、以下のようになる。すなわち、透明トナー版は、特殊色の処理としてあらかじめ定義された色で、CMYK画像に適用されるため、透明トナー版もCMYK版と同様にモニタ表示される。
【0047】
[透明トナー版の生成]
図12には、印刷装置102内部の画像処理のフローチャートが示されている。ここで、図12に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0048】
図12に示されている処理では、まず、PDLコントローラ103で生成された画像データ1205とそれに付随する属性情報1206が入力される。属性情報1206は、各々の画像処理モジュールにおいて、最適な画像処理を施すために使用される。
【0049】
ステップS1201において、色処理により印刷装置側で色が変更される。次に、ステップS1202において、属性情報のBit6の透明トナー属性フラグに1が立っている場合は、透明トナー成分がC、M、Y、K信号から導かれる。まず、画素毎にC、M、Y、Kの総トナー量が求められる。総トナー量とは、C、M、Y、Kの4色をあわせた合計の信号量により画素ごとに用紙に転写されるトナー量を求めるものである。通常、総トナー量は、単色の最大値を100%としたパーセント値として表現される。画像信号が8ビットの整数で表現されている場合、単色の最大値は255なので、C、M、Y、Kの加算値を100/255倍して総トナー量とされる。
【0050】
例えば、8ビットの画像信号が、ある画素について、C=80、M=95、Y=140、K=110であったとすると、総トナー量=(C+M+Y+K)×100/255=167%・・・(1)となる。
【0051】
通常、総トナー量の一般的な上限値は、200−280%程度であり、作像プロセスによって決定されるが、本発明では、これにさらに透明トナー層を形成した後のトータル量が上限値以下であることが要求される。
【0052】
ここで、上限値を240%であると仮定した場合、(1)の数値と上限値との差分が透明トナー層に許容される濃度比率となると考えることができ、許容量=240−167=73%・・・(2)となる。属性情報のBit6の透明トナー属性フラグが立っていない場合には、透明トナー成分が生成されずに、入力のままのC、M、Y、Kのデータが出力される。
【0053】
C、M、Y、K、CL(透明トナー)量が決定したら、ステップS1203のガンマ処理において、このプリンタに最適なガンマ処理が各色に施される。
【0054】
そして、ステップS1204の画像形成において、各色に画像形成処理が施される。画像形成処理には、スクリーン処理や誤差拡散処理がある。
【0055】
本実施形態では、透明トナーに定義された特殊色版を用いた印刷データから、ユーザの所望するデザインの透明トナー版を作成し、特殊色トナーを使用した印刷が可能になるという効果がある。このとき、透明トナーを使用しない場合には、通常の印刷として扱われるため、再RIP処理によってモニタ上での透明トナー版の確認やCMYK色による印刷が可能であるという効果もある。
【0056】
また、透明トナー版をCMYK系の印刷でも使用する属性ビットの中に埋め込んで、透明トナー版を生成するので、ビデオ信号を増やすことなく従来のCMYKのPDLコントローラで透明トナー版の印刷をすることができるという効果がある。
【0057】
(実施形態2)
第1の実施形態では、CMYK以外の特殊色トナーは、透明トナー1色のみとしたが、印刷装置102が対応していれば2色以上の特殊色の場合についても同様に適用可能である。
【0058】
[特殊色版を含むRIP処理]
クライアントコンピュータ101から送信された複数の特殊色版を含む印刷ジョブは、CMYK版と透明トナー版、蛍光トナー版(蛍光トナーで印刷するためのデータ)を含む特殊色版とからなる分版PDLデータである。この分版データは、PDLコントローラ103に送信されRIP処理が行われる。ここで、特殊色版の特殊色は実施形態1と同様にあらかじめ定義されている。
【0059】
図9は、特殊色版を含むRIP処理のフローチャートである。ここで、図9に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0060】
ステップS901では、CMYK版RIP処理が行われる。ステップS902において、特殊色版が存在する場合にはステップS903に処理が進み、特殊色版が存在しない場合には、RIP処理が終了する。ステップS903では、印刷設定で特殊色トナーを使用するがオンであるジョブの場合にはステップS904に処理が進む。また、ステップS903において、印刷設定で特殊色トナーを使用するがオフであるジョブの場合には、ステップS905の特殊色版RIP処理に進む。ステップS904では、特殊色トナー版RIP処理が行われる。ステップS905では、特殊色版RIP処理が行われる。
【0061】
ここで、ステップS901のCMYK版RIP処理は、実施形態1に係る図6に示されている処理と同じため説明を省略する。また、ステップS905の特殊色版RIP処理は、実施形態1に係る図7に示されている処理と同じため説明を省略する。
【0062】
[特殊色トナー版RIP処理]
図10には、特殊色トナー版RIP処理ステップS904のフローチャートが示されている。ここで、図10に示されているフローチャートは、本発明に係る画像処理システムの不図示のCPUにより実行される。
【0063】
ステップS1001では、特殊色版が存在するか否かが調べられる。ステップS1001において、特殊色版が存在する場合には、ステップS1002へ処理が進む。ステップS1001において、特殊色版が存在しない場合には、処理を終了する。ステップS1002では、PDLコントローラ103に送信された特殊色版のコマンド解析が行われる。ステップS1003では、ラスタライズが行われ、出力画像データが生成される。特殊色トナー版RIP処理では、出力画像がCMYK版に適用されないため、オブジェクト判定処理は必要ない。ステップS1004では、2値化が行われる。2値化は、ステップS1003のラスタライズで特殊色トナーデータのある画素に対して1を設定する単純2値化で行われる。ステップS1005では、ステップS1004の処理結果の基づき2値化の結果が属性フラグの中のBit6の透明トナー属性またはBit5の蛍光トナー属性に設定される。次に、ステップS1001に、処理が戻る。
【0064】
属性フラグは、Bit0−Bit1、Bit3、Bit4、Bit5、Bit6という属性情報からできている。ここで、Bit0−Bit1は、オブジェクト属性(文字 00、画像 01、グラフィックス 10)を含む。また、Bit3は、下地属性(背景部のとき1を設定)を含む。また、Bit4は、高精細文字処理フラグ(オブジェクトが文字で高精細文字画像処理を行うとき1を設定)を含む。また、Bit5は、蛍光トナー属性(蛍光トナーを使用するときに1を設定)を含む。また、Bit6は、透明トナー属性(透明トナーを使用するときに1を設定)を含む。
【0065】
以下、属性フラグの蛍光トナー属性と透明トナー属性の情報から印刷装置が蛍光トナー版と透明トナー版が生成され、印刷が行われる。
【0066】
本実施形態では、2色以上の特殊色版の印刷をすることができるという効果がある。
【0067】
(実施形態3)
実施形態1の透明トナー版RIP処理の2値化ステップS803では、データのあるところを1とする単純2値化が行われる。ここでは、2値化をディザ処理や誤差拡散処理などにより行い、擬似諧調2値データとして属性フラグの透明トナー属性に設定してもよい。
【0068】
クライアントコンピュータ101から送られる特殊色版データは多値データであるので、ユーザが作成した透明トナー版の諧調を生かして印刷装置の透明トナー版を生成することができるという効果がある。
【0069】
(実施形態4)
実施形態1と実施形態2では透明トナー版や特殊色版は必ず、属性情報に埋め込まれて、CMYK色以外のトナーでの印刷を可能にしていた。印刷装置において、特殊色版を画像データのまま印刷装置が処理できる場合であっても、本発明の属性情報に特殊色版情報を入れる機能をPDLコントローラで動作させてもよい。この場合、PDLコントローラは、特殊色分のビデオチャンネルを持ちつつ、特殊色版情報から属性データに変換する系も内蔵し、接続される印刷装置の種類に応じて特殊色版処理方法を切り替えることができるという効果がある。
【0070】
本実施形態によって、印刷装置の特殊色版のインタフェースが違っていても、同じPDLコントローラで特殊色版の印刷を行うことができるという効果がある。
【0071】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0072】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0073】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0074】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0075】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0076】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
101 クライアントコンピュータ
102 印刷装置
103 PDLコントローラ
104 制御用インタフェースケーブル
105 ビデオインタフェースケーブル
106 LANケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明記録材を使用する設定がされた画像データを印刷前にプレビューする際、レンダリング済の前記画像データのうち前記透明記録材を用いて印刷が指示された画像データを、予め指定された代替色の画像データを用いて表示機に表示すべく、前記透明記録材で表現される透明色を前記代替色に置き換えた画像データを前記表示機に出力する出力手段と、
前記表示機に前記代替色で表示される画像データを、前記透明記録材を使用して印刷するための印刷データを出力する印刷データ出力手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記代替色は、特殊色であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記特殊色は、複数の色を指定可能であることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
透明記録材を使用する設定がされた画像データを印刷前にプレビューする際、レンダリング済の前記画像データのうち前記透明記録材を用いて印刷が指示された画像データを、予め指定された代替色の画像データを用いて表示機に表示すべく、前記透明記録材で表現される透明色を前記代替色に置き換えた画像データを前記表示機に出力する出力ステップと、
前記表示機に前記代替色で表示される画像データを、前記透明記録材を使用して印刷するための印刷データを出力する印刷データ出力ステップと、
を有することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項5】
前記代替色は、特殊色であることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記特殊色は、複数の色を指定可能であることを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
透明記録材を使用する設定がされた画像データを印刷前にプレビューする際、レンダリング済の前記画像データのうち前記透明記録材を用いて印刷が指示された画像データを、予め指定された代替色の画像データを用いて表示機に表示すべく、前記透明記録材で表現される透明色を前記代替色に置き換えた画像データを前記表示機に出力する出力手段と、
前記表示機に前記代替色で表示される画像データを、前記透明記録材を使用して印刷するための印刷データを出力する印刷データ出力手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記代替色は、特殊色であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記特殊色は、複数の色を指定可能であることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
透明記録材を使用する設定がされた画像データを印刷前にプレビューする際、レンダリング済の前記画像データのうち前記透明記録材を用いて印刷が指示された画像データを、予め指定された代替色の画像データを用いて表示機に表示すべく、前記透明記録材で表現される透明色を前記代替色に置き換えた画像データを前記表示機に出力する出力ステップと、
前記表示機に前記代替色で表示される画像データを、前記透明記録材を使用して印刷するための印刷データを出力する印刷データ出力ステップと、
を有することを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項5】
前記代替色は、特殊色であることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記特殊色は、複数の色を指定可能であることを特徴とする請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−34265(P2013−34265A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−254556(P2012−254556)
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2008−183901(P2008−183901)の分割
【原出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2008−183901(P2008−183901)の分割
【原出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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