説明

制御装置、投影装置、制御方法、投影方法、制御プログラム、投影プログラムおよび記録媒体

【課題】被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に応じて、投影する画像情報を変更すること。
【解決手段】制御装置110は、利用者によって投影することが設定された画像情報があると判断された場合、投影装置100から被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報を取得する。そして、選択部111によって、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から、一の画像情報を選択する。つぎに、送信部113によって、選択された画像情報を投影装置100に送信する。投影装置100においては、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、投影制御部107によって制御装置110から取得した画像情報に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に応じて、投影する画像情報を変更する制御装置、投影装置、制御方法、投影方法、制御プログラム、投影プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した制御装置、投影装置、制御方法、投影方法、制御プログラム、投影プログラムおよび記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
あらかじめ建物の底面形状と高さ情報に応じて準備した複数の3次元モデルパターンにおいて、視点からの距離によって3次元モデルの詳細度を変化させる次元景観表示装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。ここで、近距離においては細部まで表現されている3次元モデルのほうがリアリティーと言う点で好ましいが、遠距離についても同一詳細度のモデルを使うと、細部がつぶれてわかりにくくなったり、煩雑な印象を受ける場合がある。また、処理ステップも増え、CPUの負荷も大きくなる。このため、近距離、中距離、遠距離で詳細度の異なる3次元モデルを生成する。このようにすることで、表示を見やすくし、装置負荷を軽減させ、ハードウェア資源の浪費を回避する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−298162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、利用者の位置によって詳細度の異なる3次元モデルを表示することができるが、次元景観表示装置を移動させることで、たとえば表示された3次元モデルの大きさが異なっても、詳細度を変えることができない。このため、たとえばあまり詳細でない3次元モデルを大きく表示した場合、せっかく大きく映し出しているのに、詳細な情報が表示されず効率的ではないという問題が挙げられる。また、より詳細な3次元モデルを小さく表示した場合、文字情報や画像情報などが小さすぎて見づらいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる制御装置は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された一の画像情報を、前記被投影物に画像情報を投影する投影装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項9の発明にかかる投影装置は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の制御装置を有する投影装置であって、画像情報群の中の一の画像情報を被投影物に投影する投影手段と、前記投影手段によって前記被投影物に投影された前記画像情報の投影面積を検出する投影面積検出手段と、前記画像情報群のうちの、前記投影面積検出手段によって検出された前記投影面積に応じた一の画像情報を、前記制御装置から取得する取得手段と、前記投影手段によって前記被投影物に投影する前記画像情報を、前記取得手段によって取得された画像情報に変更する投影制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項12の発明にかかる制御方法は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択する選択工程と、前記選択工程によって選択された一の画像情報を、前記被投影物に画像情報を投影する投影装置に送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項13の発明にかかる投影方法は、請求項1〜8のいずれか一つに記載の制御装置を有する投影装置における投影方法であって、画像情報群の中の一の画像情報を被投影物に投影する投影部によって前記被投影物に投影された前記画像情報の投影面積を検出する投影面積検出工程と、前記画像情報群のうちの、前記投影面積検出工程によって検出された前記投影面積に応じた一の画像情報を、前記制御装置から取得する取得工程と、前記投影部によって前記被投影物に投影する前記画像情報を、前記取得工程によって取得された画像情報に変更する投影制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項14の発明にかかる制御プログラムは、請求項12に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項15の発明にかかる投影プログラムは、請求項13に記載の投影方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項16の発明にかかる記録媒体は、請求項14に記載の制御プログラムまたは請求項15に記載の投影プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態にかかる投影装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】制御装置の制御処理手順を示すフローチャートである。
【図3】投影装置の投影処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施例にかかる携帯電話のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】携帯電話の処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】地図情報群のうちの、投影面積に応じた地図情報を示す図表である。
【図7−1】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が同じである場合の一例について示す説明図である。
【図7−2】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が同じである場合の一例について示す説明図である。
【図7−3】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が同じである場合の一例について示す説明図である。
【図8−1】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の例について示す説明図である。
【図8−2】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の例について示す説明図である。
【図8−3】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の例について示す説明図である。
【図9】携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の他の例について示す説明図である。
【図10】投影面に映し出された地図情報の変更機能について示す説明図である。
【図11−1】投影面に映し出された地図情報の他の変更機能について示す説明図である。
【図11−2】投影面に映し出された地図情報の他の変更機能について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる制御装置、投影装置、制御方法、投影方法、制御プログラム、投影プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
(投影装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる投影装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる投影装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、投影装置100は、表示部101と、投影部102と、投影面積検出部103と、撮影部104と、距離検出部105と、取得部106と、投影制御部107と、制御装置110と、を備えている。投影装置100は、制御装置110によって、たとえばデータベース(DB)120に記憶されている画像情報群の中から選択された画像情報を被投影物に投影する。
【0016】
画像情報群は、具体的には、たとえば縮尺ごとに分類された地図情報群、全国地図・都道府県地図・市区町村地図・細街路地図・市街地図などのたとえば広域地図・中域地図・狭域地図・詳細地図・都市地図などに分類された地図情報群または特定の表示解像度を基準にしたドット当たりの表示距離に分類された地図情報群などである。地図情報は、ノードおよびリンクからなる道路ネットワークデータと、施設や道路その他地形(山、川、土地)に関するフィーチャを用いて描画される画像データとを含んでいる。地図情報は、文字情報、施設の名称や住所などの情報、道路や施設の画像などを含んでいてもよい。さらに、地図情報は、異なる縮尺においては、詳細さその他に関する情報量の多さが異なっていてもよい。具体的には、縮尺が大きいと、詳細さその他に関する情報量が多くなり内容が詳細になってもよい。また、地図情報は、縮尺が同様でも、詳細さその他に関する情報量の多さが異なるものがあってもよい。
【0017】
なお、本実施の形態においては、画像情報を地図情報としたが、これに限るものではない。具体的には、たとえば異なる表示形態がひとまとまりになった画像情報群または利用者の固有情報などの任意の情報が付加された画像情報群でもよい。
【0018】
まず、制御装置110について説明する。制御装置110は、選択部111と、画像処理部112と、送信部113と、を備えている。なお、制御装置110は、投影装置100と同体でもよいし、別体でもよい。
【0019】
選択部111は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択する。被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報は、たとえば後述する投影装置100の備える投影面積検出部103によって検出される。
【0020】
選択部111は、具体的には、たとえば被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい画像情報を選択する。また、選択部111は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、表示範囲の広い画像情報を選択する。選択部111は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、詳細さその他に関する情報量の多い画像情報を選択してもよい。さらに、選択部111は、被投影物における投影面の移動方向および移動量に関する情報に基づいて、画像情報群の中から一の画像情報を選択する。
【0021】
画像処理部112は、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が所定値以上の場合、画像情報から利用者の固有情報を除く。また、画像処理部112は、画像情報に含まれる文字情報の重要度に関する情報に基づいて、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、所定の重要度以上の文字情報を大きくする。画像情報に含まれる文字情報は、画像情報が地図情報の場合、たとえば主要な地名や施設名などの地図注記である。
【0022】
送信部113は、選択部111によって選択された一の画像情報を、被投影物に画像情報を投影する投影装置100に送信する。
【0023】
つぎに、投影装置100の他の構成要件について説明する。表示部101は、画像情報を表示する表示画面を備えている。画像情報としては、具体的には、たとえば地図情報が挙げられる。表示部101は、投影装置100が携帯電話に備えられている場合、携帯電話の表示画面でもよい。
【0024】
投影部102は、画像情報群の中の一の画像情報を被投影物に投影する。投影部102は、具体的には、たとえばプロジェクタ装置である。すなわち、投影部102は、画像情報を被投影物に投影するための光源系と、投影される画像情報を拡大する光学系と、を備えている。光学系は、被投影物に投影された画像情報の焦点を自動的に調整するオートフォーカス機能や、投影される画像情報の大きさを変倍するズーム機能を有していてもよい。
【0025】
投影面積検出部103は、投影部102によって被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出する。投影面積は、たとえば投影部102の有するズーム機能や、投影装置100と被投影物との距離によって変化する。また、投影面積検出部103は、撮影部104と、距離検出部105と、を備えていてもよい。撮影部104は、被投影物に投影された画像情報を全て含むように、被投影物を撮影する。さらに、距離検出部105は、被投影物までの距離を検出する。
【0026】
そして、投影面積検出部103は、撮影部104によって撮影された被投影物における画像情報の割合および距離検出部105によって検出された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出する。なお、投影面積検出部103は、距離検出部105によって被投影物までの距離を測定するとしているが、これに限るものではない。たとえば、投影部102においてオートフォーカス機能を実行する際に被投影物までの距離が測定される場合、この距離を用いてもよい。また、投影面積検出部103は、投影部102の備える光学系のズーム機能の倍率と、被投影物までの距離と、に基づいて、被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出してもよい。
【0027】
取得部106は、画像情報群のうちの、投影面積検出部103によって検出された投影面積に応じた一の画像情報を制御装置110から取得する。取得部106は、具体的には、たとえば投影面積検出部103によって検出された投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい画像情報、表示範囲の広い画像情報または詳細さその他に関する情報量の多い画像情報を取得する。さらに、取得部106は、画像情報群の中から、被投影物における投影面の移動方向および移動量に関する情報に基づいて、選択された一の画像情報を取得してもよい。
【0028】
投影制御部107は、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、取得部106によって取得された画像情報に変更する。したがって、投影制御部107は、随時、投影面積検出部103によって検出された投影面積に応じた画像情報を被投影物に投影することができる。また、投影制御部107は、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、取得部106によって取得された画像情報に変更するとともに、表示部101を制御して、変更される前の画像情報を表示する。したがって、表示部101に表示させる画像情報と、投影部102によって被投影物に投影させる画像情報を異なる画像情報にすることができる。すなわち、表示部101に表示された画像情報を変更せずに、投影面積検出部103によって検出された投影面積に応じて、被投影物に投影する画像情報を変更することができる。
【0029】
なお、投影制御部107は、表示部101を制御しなくてもよい。この場合、図示しない表示制御部などによって投影制御部107とは別に表示部101が制御されてもよい。したがって、表示部101と投影部102とは、異なる構成部によって制御されてもよい。すなわち、表示部101には、後述する投影部102によって投影される情報に関わらず、所望の情報を表示させることができる。
【0030】
(制御装置の制御処理手順)
つぎに、制御装置110の制御処理手順について説明する。図2は、制御装置の制御処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、利用者によって投影することを設定された画像情報があると判断されるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。ステップS201において利用者によって投影することが設定された画像情報があると判断された場合(ステップS201:Yes)、投影装置100から被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報を取得する(ステップS202)。
【0031】
そして、選択部111によって、ステップS201において利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から、一の画像情報を選択する(ステップS203)。つぎに、送信部113によって、ステップS203において選択された画像情報を投影装置100に送信して(ステップS204)、一連の処理を終了する。
【0032】
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS203においては、具体的には、たとえばステップS202において取得された投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい画像情報、表示範囲の広い画像情報または詳細さその他に関する情報量の多い画像情報を選択するようにする。また、ステップS203においては、被投影物における投影面の移動方向および移動量に関する情報を取得した場合、これらの情報に基づいて、選択部111によって、画像情報群の中から一の画像情報を選択してもよい。
【0033】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202において取得された投影面積が所定値以上の場合、画像処理部112によって、ステップS203において選択された画像情報から利用者の固有情報を除いてもよい。また、ステップS202において取得された投影面積が大きければ大きいほど、選択部111によって選択された画像情報に含まれる文字情報の重要度に関する情報に基づいて、画像処理部112によって所定の重要度以上の文字情報を大きくしてもよい。
【0034】
(投影装置の投影処理手順)
つぎに、投影装置100の投影処理手順について説明する。図3は、投影装置の投影処理手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートにおいて、まず、投影部102によって被投影物に画像情報が投影されていると判断されるまで待機する(ステップS301:Noのループ)。ステップS301において被投影物に画像情報が投影されていると判断された場合(ステップS301:Yes)、撮影部104によって被投影物を撮影する(ステップS302)。ステップS302においては、ステップS301:Yesにおいて被投影物に投影されていると判断された画像情報を全て含むように、被投影物を撮影する。また、距離検出部105によって被投影物までの距離を検出する(ステップS303)。
【0035】
そして、ステップS302において撮影された被投影物における、ステップS301:Yesにおいて被投影物に投影されていると判断された画像情報の割合、およびステップS303において検出された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出する(ステップS304)。
【0036】
つぎに、取得部106によって、ステップS301:Yesにおいて被投影物に投影されていると判断された画像情報が含まれる画像情報群のうちの、ステップS304において検出された投影面積に応じた一の画像情報を、制御装置110から取得する(ステップS305)。そして、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、投影制御部107によって、ステップS305において取得された画像情報に変更して(ステップS306)、一連の処理を終了する。
【0037】
なお、図3のフローチャートにおいては、ステップS306において被投影物に投影する画像を変更するときに、たとえば表示部101にステップS301において被投影物に投影されていると判断された画像情報が表示されている場合、ステップS305において取得された、投影面積に応じた一の画像情報に変更せずに、そのまま表示されていた画像情報の表示を続けてもよい。
【0038】
また、図3のフローチャートにおいては、ステップS302において被投影物を撮影しているが、これに限るものではない。具体的には、たとえばステップS302を省略して、投影部102の備える光学系におけるズームの倍率を取得してもよい。この場合、ステップS304においては、ズームの倍率と、ステップS303において検出された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出すればよい。
【0039】
上述したように、本実施の形態にかかる制御装置110は、選択部111によって、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択し、送信部113によって、選択された一の画像情報を、被投影物に画像情報を投影する投影装置100に送信することができる。したがって、画像情報群の中から、投影面積に応じた最適な画像情報を随時選択することができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイに表示されている画像情報を投影する場合、ディスプレイの面積と比べ投影面積が比較的大きいにも関わらず、ディスプレイに表示された画像情報と同じ画像情報を投影し、投影された画像情報が見にくくなることを防ぐことができる。また、利用者は、たとえば携帯電話から被投影物までの距離を変えるのみの簡単な操作で、投影する画像情報を変更することができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、選択部111によって、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい画像情報を選択することができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイでは縮尺が大きい地図情報を表示させることで細かすぎて見えない場合でも、投影させることで簡単に縮尺の大きい地図情報を確認することができる。
【0041】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、選択部111によって、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、表示範囲の広い画像情報を選択することができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイでは縮尺によって地理的範囲が決まっていて広い範囲を確認できない場合でも、投影させることで簡単に広い地理的範囲の地図情報を確認することができる。
【0042】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、選択部111によって、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、詳細さその他に関する情報量の多い画像情報を選択することができる。したがって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイでは表示しきれない情報を、投影することで簡単に確認することができる。
【0043】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、選択部111によって、被投影物における投影面の移動方向および移動量に関する情報に基づいて、画像情報群の中から一の画像情報を選択することができる。これによって、利用者は、携帯電話の向きを変えるのみで、簡単に異なる地理的範囲の地図情報を確認することができる。したがって、たとえば表示させた地点の周囲の状況を簡単に確認することができる。
【0044】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、画像処理部112によって、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が所定値以上の場合、画像情報から利用者の固有情報を除くことができる。これによって、利用者は、たとえば固有情報の付加された画像情報の投影面積を大きくした場合、第3者に自身の固有情報を見られることを防ぐことができる。
【0045】
また、本実施の形態にかかる制御装置110は、画像処理部112によって、画像情報に含まれる文字情報の重要度に関する情報に基づいて、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、所定の重要度以上の文字情報を大きくすることができる。したがって、利用者は、たとえば投影面積が大きいほど、投影面から遠い距離にいることが想定されるが、その場合でも、画像情報に含まれる文字情報を確認することができる。
【0046】
また、本実施の形態にかかる投影装置100は、投影部102によって被投影物に投影された画像情報の投影面積を投影面積検出部103によって検出し、取得部106によって画像情報群のうちの、投影面積に応じた一の画像情報を、制御装置110から取得して、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、取得部106によって取得された画像情報に、投影制御部107によって変更することができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイに表示されている画像情報を投影する場合、ディスプレイの面積と比べ投影面積が比較的大きいにも関わらず、ディスプレイに表示された画像情報と同じ画像情報を投影し、投影された画像情報が見にくくなることを防ぐことができる。また、利用者は、たとえば携帯電話から被投影物までの距離を変えるのみの簡単な操作で、投影する画像情報を変更することができる。
【0047】
また、本実施の形態にかかる投影装置100は、投影面積検出部103において、撮影部104によって撮影された被投影物における画像情報の割合および距離検出部105によって検出された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された画像情報の投影面積を検出することができる。したがって、たとえば携帯電話に備えられているカメラで被投影物を撮影すれば、被投影物までの距離がわかるのみで、被投影物における画像情報の投影面積を簡単に検出することができる。
【0048】
また、本実施の形態にかかる投影装置100は、投影部102によって被投影物に投影する画像情報を、取得部106によって取得された画像情報に変更するとともに、投影制御部107によって、表示部101を制御して、変更される前の画像情報を表示することができる。したがって、ディスプレイに表示された画像情報と、被投影物に投影された画像情報を、異なる画像情報にすることができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話のディスプレイで表示させた画像情報はそのままにして、投影された画像情報を投影面積によって変更することができる。
【実施例】
【0049】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、利用者が持ち運び可能な携帯電話によって、本発明の制御装置を実施し、携帯電話に搭載されたプロジェクタによって、本発明の投影装置を実施した場合の一例について説明する。
【0050】
(携帯電話のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかる携帯電話400のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例にかかる携帯電話のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、携帯電話400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、メモリーカードアダプタ406と、メモリーカード407と、音声I/F(インターフェース)408と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、ディスプレイ413と、通信I/F414と、GPSユニット415と、各種センサ416と、カメラ417と、プロジェクタ418と、を備えている。各構成部401〜418は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0051】
まず、CPU401は、携帯電話400の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、データ更新プログラム、画像情報選択プログラム、画像処理プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、携帯電話400の全体の制御を司る。
【0052】
画像情報選択プログラムは、詳細は後述するが、被投影物に投影される画像情報の投影面積に基づいて、画像情報群の中から一の画像情報を選択させる。画像情報選択プログラムは、たとえばプロジェクタ418などから投影面積に関する情報を取得して、投影面積ごとに最適な縮尺の画像情報が記憶された表に応じて、一の画像情報を選択する。すなわち、画像情報選択プログラムは、投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい画像情報または詳細さその他に関する情報量の多い画像情報を選択させてもよい。
【0053】
画像処理プログラムは、画像情報選択プログラムによって選択された画像情報のうちの、投影させる地理的範囲または地図注記の大きさを変更させる。画像処理プログラムは、たとえば被投影物に投影される地図情報の投影面積に基づいて、地理的範囲を変更させる。すなわち、投影面積が大きければ大きいほど、地理的範囲を広くさせてもよい。また、画像処理プログラムは、地図注記に重要度が付されている場合、投影面積に応じて、大きくする地図注記の重要度を変更してもよい。すなわち、投影面積が大きければ大きいほど、重要度の低い地図注記も重要度の高い地図注記と同様に大きくしてもよい。
【0054】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)を用いることができる。
【0055】
また、メモリーカードアダプタ406は、CPU401の制御にしたがってメモリーカード407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。メモリーカード407は、書き換え自在な不揮発性半導体メモリーである。また、着脱自在な記録媒体は、光ディスクやMDなどでもよい。この場合、たとえば光ディスクやMDに対するデータの読み取り/書き込みを制御するドライブは、携帯電話400に外付けされる構成でもよい。
【0056】
磁気ディスク405およびメモリーカード407に記録される情報の一例としては、地図情報群や機能データが挙げられる。地図情報群は、具体的には、たとえば縮尺ごとに分類された地図情報群、広域地図・狭域地図・詳細地図・都市地図などに分類された地図情報群または特定の表示解像度を基準にしたドット当たりの表示距離に分類された地図情報群などである。地図情報は、異なる縮尺においては、詳細さその他に関する情報量の多さが異なっていてもよい。具体的には、縮尺が小さいと、詳細さその他に関する情報量が多くなり内容が詳細になってもよい。また、地図情報は、縮尺が同様でも、詳細さその他に関する情報量の多さが異なるものがあってもよい。なお、地図情報群は、磁気ディスク405およびメモリーカード407に記録されていなくてもよく、たとえば通信I/F414によって接続された図示しないサーバなどから随時取得されるようにしてもよい。
【0057】
地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0058】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図情報や機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図情報は、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0059】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図情報および機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0060】
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。スピーカ410からは、所定の音声信号を音声I/F408内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク409から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク405あるいはメモリーカード407に記録可能である。
【0061】
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス411は、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0062】
映像I/F412は、ディスプレイ413に接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ413全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリーと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ413を制御する制御ICなどによって構成される。
【0063】
ディスプレイ413には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ413には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ413に表示された地図データには、携帯電話400の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。携帯電話400の現在位置は、CPU401によって算出される。
【0064】
ディスプレイ413としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ413は、たとえば、携帯電話400の入力デバイスと同じ側の面に設置される。
【0065】
通信I/F414は、無線を介してネットワークに接続され、携帯電話400とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F414は、さらに、無線を介して携帯電話網やインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
【0066】
GPSユニット415は、GPS衛星からの電波を受信し、携帯電話400の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット415の出力情報は、後述する各種センサ416の出力値とともに、CPU401による携帯電話400の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0067】
各種センサ416は、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、携帯電話400の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ416の出力値は、CPU401による携帯電話400の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0068】
カメラ417は、被投影物の映像を撮影する。カメラ417は、具体的には、後述するプロジェクタ418によって被投影物に投影された地図情報を全て含むように、被投影物の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ417によって被投影物における投影面の移動方向や移動量を撮影し、撮影した映像を映像I/F412を介して磁気ディスク405やメモリーカード407などの記録媒体に出力してもよい。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。カメラ417は、後述するプロジェクタ418に備えられていてもよい。
【0069】
プロジェクタ418は、被投影物に地図情報を投影する。プロジェクタ418は、具体的には、たとえば地図情報を被投影物に投影するための光源系と、投影される地図情報を拡大する光学系と、を備えている。光学系は、被投影物に投影された地図情報の焦点を自動的に調整するオートフォーカス機能や、投影される地図情報の大きさを変倍するズーム機能を有していてもよい。また、プロジェクタ418から投影される地図情報は、プロジェクタ418のズーム機能、プロジェクタ418と被投影物との距離によって、被投影物に投影される投影面積が可変である。
【0070】
図1に示した投影装置100が備える表示部101、投影部102、投影面積検出部103、撮影部104、距離検出部105、取得部106、投影制御部107、および制御装置110が備える選択部111、画像処理部112、送信部113は、図4に示した携帯電話400におけるROM402、RAM403、磁気ディスク405、メモリーカード407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行し、携帯電話400における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0071】
すなわち、実施例の携帯電話400は、携帯電話400における記録媒体としてのROM402に記録されている制御プログラムおよび投影プログラムを実行することにより、図1に示した制御装置および投影装置が備える機能を、図2に示した制御処理手順および図3に示した投影処理手順で実行することができる。
【0072】
(携帯電話の処理の内容)
つぎに、携帯電話400の処理の内容について説明する。図5は、携帯電話の処理の内容を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいて、まず、プロジェクタ418によって被投影物に地図情報が投影されるまで待機する(ステップS501:Noのループ)。
【0073】
ステップS501において被投影物に地図情報が投影された場合(ステップS501:Yes)、カメラ417によって、ステップS501:Yesにおいて投影されていると判断された地図情報を全て含むように、被投影物を撮影した映像を取得する(ステップS502)。また、プロジェクタ418から被投影物までの距離を取得する(ステップS503)。ステップS503においては、たとえばプロジェクタ418のオートフォーカス機能に用いる測距部から取得する。
【0074】
そして、ステップS502において取得された映像中の被投影物における地図情報の割合およびステップS503において取得された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された地図情報の投影面積を検出する(ステップS504)。
【0075】
さらに、ステップS502において取得された被投影物における投影面の映像に基づいて、投影面が移動したか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505において投影面が移動したと判断された場合(ステップS505:Yes)、投影面の移動方向および移動量を取得する(ステップS506)。ステップS506においては、具体的には、たとえば各種センサ416の備える加速度センサから、移動方向および移動量を取得する。
【0076】
つぎに、画像情報選択処理プログラムを実行して、ステップS504において検出された投影面積およびステップS506において取得された投影面の移動方向および移動量に基づいて、地図情報群の中から一の地図情報を選択する(ステップS507)。
【0077】
一方、ステップS505において投影面が移動していないと判断された場合(ステップS505:No)、そのままステップS507に進み、ステップS504において検出された投影面積に基づいて、地図情報群の中から一の地図情報を選択する。
【0078】
つぎに、プロジェクタ418によって被投影物に投影する地図情報を、ステップS501において被投影物に投影されていると判断された地図情報からステップS507において選択された地図情報に変更する(ステップS508)。そして、プロジェクタ418による地図情報の投影が中止されたか否かを判断して(ステップS509)、地図情報の投影が中止された場合(ステップS509:Yes)、そのまま一連の処理を終了する。一方、ステップS509において地図情報の投影が中止されない場合(ステップS509:No)、ステップS502に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0079】
なお、図5のフローチャートにおいては、ステップS501において被投影物に地図情報が投影されたか否かを判断しているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ディスプレイ413に表示された地図情報を、プロジェクタ418によって投影する設定を利用者から受け付けたか否かを判断してもよい。そして、プロジェクタ418によって投影する設定を利用者から受け付けた場合、ステップS502に進むようにしてもよい。
【0080】
また、図5のフローチャートにおいては、ステップS502において被投影物を撮影するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえばステップS502において、プロジェクタ418のズーム機能の倍率に関する情報を取得してもよい。この場合、ステップS504においては、ズーム機能の倍率に関する情報と、ステップS503において検出された被投影物までの距離と、に基づいて、被投影物に投影された地図情報の投影面積を検出してもよい。なお、プロジェクタ418の備える光学系が単焦点の場合、投影面積は、被投影物までの距離に比例するため、ステップS502を省略してもよい。
【0081】
また、図5のフローチャートにおいては、ステップS504で、ステップS502において取得された映像中の被投影物における地図情報の割合およびステップS503において取得された被投影物までの距離に基づいて、被投影物に投影された地図情報の投影面積を検出するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえばステップS502およびステップS503を省略し、プロジェクタ418などから投影面積に関する情報を取得するのみでもよい。
【0082】
(画像情報選択処理の内容について)
図6〜図8を用いて、図5のフローチャートにおけるステップS507において地図情報群の中から一の地図情報を選択する処理の内容について詳細に説明する。図6は、地図情報群のうちの、投影面積に応じた地図情報を示す図表である。投影面積は、被投影物に投影された地図情報の面積である。なお、本実施例においては、投影面を矩形状とする。投影距離は、プロジェクタ418から被投影物までの距離である。
【0083】
投影距離は、たとえばプロジェクタ418から取得される。なお、投影面積は、プロジェクタ418の備える光学系が単焦点の場合、被投影物までの距離に比例する。地理的範囲は、任意の縮尺の地図情報のうちの被投影物に投影される地理的範囲である。
【0084】
地図情報群には、縮尺(または、縮尺レベル、縮尺スケール)の異なる地図情報が含まれている。地図情報群においては、投影面積(投影距離)に応じて、最適な縮尺の地図情報が記録されている。また、投影面積に応じて、投影される地図情報の地理的範囲が異なっていてもよい。
【0085】
なお、図6に示す対応関係は、一例であり、随時変更可能である。
【0086】
本発明を適用した例についての詳細な説明に先立ち、本発明の理解を容易にするために、まず、図7−1〜図7−3を用いて、利用者が携帯して種々の機能を利用するために供される携帯端末装置に備えられた内部表示画面を有するディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなど)に地図を表示するために用いる地図情報と、当該携帯端末装置に具備または付属されたプロジェクタによって外部表示画面である投影面に地図を映し出すために用いる地図情報とが、同じである場合の一例について説明する。図7−1〜図7−3は、携帯電話および投影面に映し出される地図情報が同じである場合の一例について示す説明図である。図7−1〜図7−3に示す例においては、携帯端末装置に備えられた内部表示画面を有するディスプレイの表示解像度と、当該携帯端末装置に具備または付属されたプロジェクタの投影解像度とが、同じであるものとする。例えば、ディスプレイが液晶ディスプレイであり、プロジェクタが液晶プロジェクタであれば、液晶ディスプレイの備える液晶パネルの解像度と、液晶プロジェクタの備える液晶パネルの解像度とが、同じである場合が、これに当たる。
【0087】
具体的に、図7−1および図7−2を用いて説明する。携帯電話(携帯端末装置)400に内蔵されたディスプレイ413の面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1が、縮尺X1用の地図データD1のうちの特定の地理的範囲G1に相当する地図データDG1であるとき、この地図データDG1を用いて、携帯電話400に備えられたプロジェクタ418からの投影光Pによって形成される被投影物700上の面積S1を有する投影面701(すなわち外部表示画面)に地図MPを映し出す。図7−1に示す例では、ディスプレイ413の内部表示画面413Dの外形形状および面積と、外部表示画面である投影面701の外形形状および面積とが同じであり、いずれの画面の面積もS1である。したがって、上述したように、ディスプレイ413が液晶ディスプレイであり、プロジェクタ418が液晶プロジェクタであれば、ディスプレイ413の備える液晶パネルの解像度と、プロジェクタ418の備える液晶パネルの解像度とが同じであるから、投影面701に映し出される地図MPは、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1と実質的に同じ地図として認識される。
【0088】
図7−3においては、面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1すなわち地図データDG1を用いて、面積S1より大きな面積S2を有する外部表示画面である投影面702に地図M2を映し出す場合の一例について説明図する。図7−3に示す例では、ディスプレイ413の内部表示画面413Dの外形形状と、外部表示画面である投影面702の外形形状とは相似であるが、各面積S1、S2の大小関係については、S1<S2の関係がある。これにより、投影面702に表示される地図M2は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1を単に画像として拡大して得られる描写の粗いぼやけた地図として認識される。
【0089】
つぎに、図8−1〜図8−3を用いて、携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合について説明する。図8−1〜図8−3は、携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の例について示す説明図である。図8−1においては、本発明を適用した例として、内部表示画面を有するディスプレイに地図を表示するために用いる地図情報と、プロジェクタによって外部表示画面である投影面に地図を映し出すために用いる地図情報とが、異なる場合の一例について説明する。具体的に、面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1が、縮尺X1用の地図データD1のうちの特定の地理的範囲G1に相当する地図データDG1であるとき(図7−2参照)、面積S1より大きな面積S2を有する投影面801に地図を映し出すために用いる地図情報として、縮尺X1用の地図データD1のうちの地理的範囲G1より広く且つ地理的範囲G1が中央に含まれる地理的範囲G2に相当する地図データDG2を用いて、投影面801に地図M3を映し出す。これにより、投影面801に表示される地図M3は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1の地理的範囲G1が投影面801の中央に含まれる地理的範囲G2を示す地図M3として認識される。
【0090】
図8−1に示す例においては、内部表示画面413Dに表示される地図M1の地理的範囲が投影される部分投影面801aにおける投影解像度が、ディスプレイ413の内部表示画面413Dにおける表示解像度に等しい、または、部分投影面801aにおける投影解像度が、内部表示画面413Dにおける表示解像度より大きいものとする。この場合には、部分投影面801aに映し出される地図は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1と実質的に同じ地図として認識される。なお、図8−1に示す例において、ディスプレイ413の備える液晶パネルの解像度と、プロジェクタ418の備える液晶パネルの解像度とが同じである場合において、プロジェクタ418が当該プロジェクタ418の液晶パネルへの地図データ供給においてデータ間引き機能を有しているときは、部分投影面801aに映し出される地図は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1に比べて描写の粗いぼやけた地図として認識される。
【0091】
具体的な一例について説明する。なお、この具体的な一例の説明においては、内部表示画面413Dに表示される地図の地理的範囲が投影される部分投影面801aにおける投影解像度が、内部表示画面413Dにおける表示解像度に等しい、または、部分投影面801aにおける投影解像度が、内部表示画面における表示解像度より大きいものとする。
【0092】
まず、たとえば、携帯電話400の備えるディスプレイ413の内部表示画面413Dに、縮尺が1/12500の地図情報のうちの、300m×450mの地理的範囲が表示されているとする。この地図情報を被投影物に投影したとき、たとえば投影面積が100cm×150cmの場合、図7−3に示す例と同様に、ディスプレイ413の内部表示画面413Dに表示されている地図と同じ地図を投影する。したがって、投影面には、ディスプレイ413の内部表示画面413Dに表示される地図と同じ縮尺の地図情報が、同じ地理的範囲で投影される。
【0093】
そして、投影面積が、100cm×150cmから120cm×180cmに変更された場合、図6に示す表に基づいて、図8−1に示す例と同様に、縮尺が前記と同じく1/12500の地図情報を用いて、地理的範囲のみを広くする。したがって、投影面には、ディスプレイ413と同じ縮尺に係る地図情報が、異なる地理的範囲で投影される。すなわち、投影面には、ディスプレイ413の内部表示画面413Dに表示されている地理的範囲よりも広い地理的範囲の地図情報が投影される。
【0094】
図8−2においては、本発明を適用した他の例として、内部表示画面を有するディスプレイに地図を表示するために用いる地図情報と、プロジェクタによって外部表示画面である投影面に地図を映し出すために用いる地図情報とが、異なる場合の他の例について説明する。具体的に、面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1が、縮尺X1用の地図データD1のうちの特定の地理的範囲G1に相当する地図データDG1であれば、面積S1より大きな面積S2を有する投影面801に地図を映し出すために用いる地図情報として、縮尺X1より小さい縮尺X2用(広域側地図用)の地図データD2のうちの地理的範囲G1より広く且つ地理的範囲G1が中央に含まれる地理的範囲G2に相当する地図データDG3を用いて、投影面801に地図M4を映し出す。これにより、投影面801に表示される地図M4は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1の地理的範囲G1が投影面801の中央に含まれる地理的範囲G2を示す地図M4として認識される。この投影面801に表示される地図M4は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1に比べて描写の粗いぼやけた地図として認識される。
【0095】
図8−1および図8−2に示す例のような表示機能を利用することが可能な情報提供サービスの一例として、たとえば、利用者が地図提供サービスサイトにアクセスして、利用者の現在地を中心とした地図を表示するという単純な地図表示機能を提供する情報提供サービスがある。このサービスにおいては、利用者が、携帯電話のディスプレイに地図を表示しているときに、地図投影のためにプロジェクタで利用者近辺の壁などに投光すると、プロジェクタは、その投影面積に応じて、投影される地図の地理的範囲を決定して、決定された地理的範囲の地図を投影する。
【0096】
図8−3においては、図8−1および図8−2とは別の、本発明を適用した例として、内部表示画面を有するディスプレイに地図を表示するために用いる地図情報と、プロジェクタによって外部表示画面である投影面に地図を映し出すために用いる地図情報とが、異なる場合の別の例について説明図する。具体的に、面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1が、縮尺X1用の地図データD1のうちの特定の地理的範囲G1に相当する地図データDG1であれば、面積S1より大きな面積S2を有する投影面801に地図を映し出すために用いる地図情報として、縮尺X1より大きい縮尺X3用(狭域側または詳細側地図用)の地図データD3のうちの地理的範囲G1に相当する地図データDG4を用いて、投影面801に地図M5を映し出す。これにより、投影面801に表示される地図M5は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1の地理的範囲G1を示す地図M5として認識される。この投影面801に表示される地図M5は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1に比べて、道路や家屋などの数や形状などについて、より描写の細かい地図として認識される。
【0097】
図8−3に示す例のような表示機能を利用することが可能な情報提供サービスの一例として、たとえば、利用者が地図提供サービスサイトにアクセスして、利用者の現在地を中心とした周辺の施設を案内表示するという周辺案内機能を提供する情報提供サービスがある。このサービスにおいては、利用者が、携帯電話のディスプレイに地図を表示しているときに、地図投影のためにプロジェクタで利用者近辺の壁などに投光すると、プロジェクタは、その投影面積に応じて、投影される地図に含まれる施設の詳細さその他を決定して、決定された詳細さその他に基づいて施設に関係する情報(たとえば施設の家形や施設付近の道路など)を含む地図を投影する。
【0098】
さらに、図9を用いて、携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の他の例について説明する。図9は、携帯電話および投影面に映し出される地図情報が異なる場合の他の例について示す説明図である。図9においては、本発明を適用した例として、内部表示画面を有するディスプレイに地図を表示するために用いる地図情報と、プロジェクタによって外部表示画面である投影面に地図を映し出すために用いる地図情報とが、異なる場合の例について説明する。具体的に、面積S1を有する内部表示画面413Dに地図M1を表示するために用いる地図情報MD1が、縮尺X1用の地図データD1のうちの特定の地理的範囲G1に相当する地図データDG1であるとき(図7−2参照)、面積S1より大きな面積S2を有する投影面901に地図を映し出すために用いる地図情報として、縮尺X1より小さい縮尺X4用(広域側地図用)の地図データD4のうちの地理的範囲G1より広く且つ地理的範囲G1が中央に含まれる地理的範囲G5に相当する地図データDG5を用いて、投影面901に地図M6を映し出す。
【0099】
これにより、投影面901に表示される地図M6は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1の地理的範囲G1が投影面901の中央に含まれる地理的範囲G5を示す地図M6として認識される。この投影面901に表示される地図M6は、特定の地名、特定の施設などについては重要度の高いものとしてそれを示す文字すなわち地図注記が他の地名や施設などを示す地図注記とは異なる表示態様で表示されており、この例では、寸法の大きな太字を用いた表示態様で表示されている。したがって、地図M6は、これを利用者が見た場合に、内部表示画面413Dに表示される地図M1に比べて、重要度の高い地図注記902が見やすい地図として認識される。
【0100】
具体的な一例について説明する。なお、この具体的な一例の説明においては、内部表示画面413Dに表示される地図の地理的範囲が投影される部分投影面における投影解像度が、内部表示画面413Dにおける表示解像度に等しい、または、部分投影面における投影解像度が、内部表示画面における表示解像度より大きいものとする。
【0101】
まず、たとえば、携帯電話400の備えるディスプレイ413の内部表示画面413Dに、縮尺が1/6250の地図情報のうちの、50m×75mの地理的範囲が表示されているとする。この地図情報を被投影物に投影したとき、たとえば投影面積が30cm×45cmの場合、図7−3に示す例と同様に、ディスプレイ413の内部表示画面413Dに表示されている地図と同じ地図を投影する。したがって、投影面には、ディスプレイ413の内部表示画面413Dに表示される地図と同じ縮尺の地図情報が、同じ地理的範囲で投影される。
【0102】
そして、投影面積が、30cm×45cmから100cm×150cmに変更された場合、図6に示す表に基づいて、図9に示すように、縮尺が1/12500の地図情報を用いて、地理的範囲も50m×75mから300m×450mと広くする。さらに、投影面901に投影される地図情報においては、重要度の高い地図注記902を拡大表示態様で表示するようにする。したがって、投影面901には、ディスプレイ413と異なる縮尺の地図情報が、異なる地理的範囲で投影され、地図注記のうちの重要度の高い地図注記902が拡大された表示態様で投影面に表示される。
【0103】
つぎに、投影面に映し出された地図情報の変更機能について説明する。図10は、投影面に映し出された地図情報の変更機能について示す説明図である。図10においては、プロジェクタから投影面までの距離を変更せずに、すなわち投影面の面積を変更せずに、地理的範囲を変更する機能について説明する。たとえば、図8−1に示すように投影面801に地図M3を映し出しているときに、プロジェクタ418から投影面801までの距離L1を変更せずに、利用者から地理的範囲を狭くする操作の入力を受け付けた場合、図10に示すように投影面1001に地図を映し出すために用いる地図情報として、地図データDG2から変更して、縮尺X1より大きい縮尺X3用(狭域側または詳細側地図用)の地図データD3のうちの地理的範囲G2より狭い地理的範囲G3に相当する地図データDG6を用いて、投影面1001に地図M7を映し出す。これにより、投影面1001に表示される地図M7は、これを利用者が見た場合に、地図M3と投影面積が同じで、地図M3より地理的範囲の狭い地図M7として認識される。
【0104】
このとき、内部表示画面413Dに表示された地図の地理的範囲は、地図M1より狭くしてもよいし地図M1から変更しなくてもよい。このようにすることで、プロジェクタ418から投影面までの距離を変えず、投影面に映し出される地図の投影面積を変えずに、地図の地理的範囲を変更することができる。したがって、利用者は、プロジェクタ418によって地図を映し出す場所を変えずに、より詳細な地図や、より広範囲の地図を見ることができる。
【0105】
図11−1および図11−2は、投影面に映し出された地図情報の他の変更機能について示す説明図である。図11−1においては、プロジェクタから投影面までの距離を変更したことにより、投影面の面積が変更した場合について説明する。たとえば、図8−1に示すように投影面801に地図M3を映し出しているときに、プロジェクタ418から投影面801までの距離を距離L1より短い距離L2に変更した場合、投影面積が面積S2より狭い面積S3となる。そして、図11−1に示すように、投影面1101に地図を映し出すために用いる地図情報として、地図データDG2から変更して、縮尺X1用の地図データD1のうちの地理的範囲G2より狭い地理的範囲G6に相当する地図データDG7を用いて、投影面1101に地図M8を映し出す。ここで、地理的範囲G6は、プロジェクタ418から投影面1101までの距離L2に応じて随時変更してもよい。さらに、地図M8には、プロジェクタ418から投影面1101までの距離が所定距離以下の場合、個人情報などが関連付けられた地点を示すボタン1102が重畳して表示される。ここで、所定距離以下の距離として、利用者以外の者が投影面を容易に閲覧することができない程度の距離たとえば利用者が手にした書籍の表面を投影面とした場合の投影距離がある。また、個人情報などとして、利用者個人に関する情報(たとえば氏名、年齢、住所など)、利用者が指定した検索条件、利用者が指定した施設ジャンル、利用者が指定した種々の情報、利用者の過去の履歴情報などがある。このようにすることで、プロジェクタ418から投影面までの距離を変更するのみで、投影面に映し出される地図の地理的範囲を変更することができる。したがって、利用者は、投影面積に合致した地図を見ることができる。
【0106】
そして、図11−2に示すように、ボタン1102が表示されているときに、利用者によっていずれかのボタン1102が選択されると、各ボタン1102に対応する情報1103が地図上に表示される。具体的には、表示されているボタン1102がたとえば利用者が過去に利用した飲食業施設である場合に、たとえば5番のボタン1102が選択された場合、5番のボタン1102に対応する情報である「フレンチ○●△▲」の情報が表示される。このように、ボタン1102に対応する情報に個人情報が含まれていても、たとえば利用者が手にした書籍の表面が投影面1101であれば、地図および地図上の情報は利用者の手元にしか表示されていないため、第3者に個人情報を見られることを防ぐことができる。
【0107】
さらに、再びプロジェクタ418から投影面1101までの距離を距離L1に戻した場合、地理的範囲をG2に戻し、図8−1に示す地図M3を表示してもよいし、図10に示すように縮尺X1より大きい縮尺X3用(狭域側または詳細側地図用)の地図データD3のうちの地理的範囲G2より狭い地理的範囲G3に相当する地図データDG6を用いて、地図M7を表示してもよい。いずれにせよ、プロジェクタ418から投影面1101までの距離が所定距離より長い場合、個人の情報などが関連付けられた地点を示すボタンを表示させない。このようにすることで、投影面が利用者から比較的遠く、第3者に投影面を見られる可能性がある場合、ボタン1102を表示させないことで、個人情報を第3者に見られることを防ぐことができる。
【0108】
なお、本実施例においては、画像情報を地図情報としたが、これに限るものではない。具体的には、たとえば異なる表示形態がひとまとまりになった画像情報群または利用者の固有情報などの任意の情報が付加された画像情報群でもよい。また、本実施例においては、投影面を矩形状としたが、これに限るものではない。具体的には、たとえば円形状などでもよい。
【0109】
上述した実施例の携帯電話400によれば、ディスプレイ413に表示された地図情報をプロジェクタ418によって被投影物に投影させるときに、被投影物における地図情報の投影面積に応じて、投影させる地図情報を変更することができる。具体的には、投影面積が大きければ大きいほど、たとえば、縮尺が大きい地図情報、地理的範囲の広い地図情報または市街地図のように詳細さその他に関する情報量の多い地図情報を投影することができる。したがって、投影面積または投影距離に応じた画像情報を被投影物に投影することができる。これによって、利用者は、たとえば携帯電話400のディスプレイ413に表示された地図情報を簡単な操作で、たとえば、縮尺の大きい、地理的範囲の広いまたは詳細さその他に関する情報量の多い地図情報に変更して確認することができる。また、利用者は、たとえば携帯電話400のディスプレイ413に表示された地図情報を表示させたまま、たとえば、この地図情報よりも縮尺の大きい、地理的範囲の広いまたは詳細さその他に関する情報量の多い地図情報を投影させることで、異なる地図情報を同時に確認することができる。
【0110】
以上説明したように、本発明の制御装置、投影装置、制御方法、投影方法、制御プログラム、投影プログラムおよび記録媒体によれば、被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に応じて、投影する画像情報を変更することができる。
【0111】
なお、本実施の形態で説明した制御方法および投影方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
100 投影装置
101 表示部
102 投影部
103 投影面積検出部
104 撮影部
105 距離検出部
106 取得部
107 投影制御部
110 制御装置
111 選択部
112 画像処理部
113 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された一の画像情報を、前記被投影物に画像情報を投影する投影装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、縮尺の大きい前記画像情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、表示範囲の大きい画像情報を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、情報量の多い画像情報を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記被投影物における投影面の移動方向および移動量に関する情報に基づいて、前記画像情報群の中から一の画像情報を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項6】
前記被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が所定値以上の場合、前記画像情報から前記利用者の固有情報を除く画像処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項7】
前記画像情報に含まれる文字情報の重要度に関する情報に基づいて、前記被投影物に画像情報を投影するときの投影面積が大きければ大きいほど、所定の重要度以上の文字情報を大きくする画像処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記画像情報群は、縮尺ごとに分類された地図情報であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の制御装置を有する投影装置であって、
画像情報群の中の一の画像情報を被投影物に投影する投影手段と、
前記投影手段によって前記被投影物に投影された前記画像情報の投影面積を検出する投影面積検出手段と、
前記画像情報群のうちの、前記投影面積検出手段によって検出された前記投影面積に応じた一の画像情報を、前記制御装置から取得する取得手段と、
前記投影手段によって前記被投影物に投影する前記画像情報を、前記取得手段によって取得された画像情報に変更する投影制御手段と、
を備えることを特徴とする投影装置。
【請求項10】
前記投影面積検出手段は、
前記被投影物に投影された前記画像情報を全て含むように、当該被投影物を撮影する撮影手段と、
前記被投影物までの距離を検出する距離検出手段と、
を備え、
前記撮影手段によって撮影された前記被投影物における前記画像情報の割合および前記距離検出手段によって検出された前記被投影物までの距離に基づいて、前記被投影物に投影された前記画像情報の投影面積を検出することを特徴とする請求項9に記載の投影装置。
【請求項11】
前記投影制御手段は、前記投影手段によって前記被投影物に投影する前記画像情報を、前記取得手段によって取得された画像情報に変更するとともに、表示部を制御して、変更される前の前記画像情報を表示することを特徴とする請求項9または10に記載の投影装置。
【請求項12】
制御装置における制御方法であって、
被投影物に画像情報を投影するときの投影面積に関する情報に基づいて、利用者によって投影することを設定された画像情報が含まれる画像情報群の中から一の画像情報を選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された一の画像情報を、前記被投影物に画像情報を投影する投影装置に送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の制御装置を有する投影装置における投影方法であって、
画像情報群の中の一の画像情報を被投影物に投影する投影部によって前記被投影物に投影された前記画像情報の投影面積を検出する投影面積検出工程と、
前記画像情報群の中うちの、前記投影面積検出工程によって検出された前記投影面積に応じた一の画像情報を、前記制御装置から取得する取得工程と、
前記投影部によって前記被投影物に投影する前記画像情報を、前記取得工程によって取得された画像情報に変更する投影制御工程と、
を含むことを特徴とする投影方法。
【請求項14】
請求項12に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項15】
請求項13に記載の投影方法をコンピュータに実行させることを特徴とする投影プログラム。
【請求項16】
請求項14に記載の制御プログラムまたは請求項15に記載の投影プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【公開番号】特開2011−8019(P2011−8019A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151298(P2009−151298)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】