説明

制御装置

【課題】監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備状態の開始時に電気機器への電源の切り忘れを検知して通知可能にする制御装置を提供する。
【解決手段】監視領域における異常を検知して通報する制御装置は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に警備モードの設定を切り替える切り替え操作を受け付けた場合、監視領域に配設された電気機器に対して測定された消費電力の値を用いて、電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する。制御装置は、電気機器への電源の切り忘れがあると判断した場合、その旨を通知し、電気機器への電源の切り忘れがないと判断した場合、切り替え操作に応じて、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から、電気機器の無駄な消費電力の低減が望まれているが、電気機器へ電力を供給する電源の切り忘れが問題となっている。このため、電気機器への電源の切り忘れを防止するための技術が開発されている(例えば特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1の技術では、人体センサにより無人状態であると判別した場合にコンセントへの電力の供給を自動的に遮断する。特許文献2の技術では、ユーザにより設定された基準電力値と、現在の使用電力値とを比較することで、電力の異常使用の有無を検知し、異常使用を検知した場合、その旨を通知する。特許文献3の技術では、監視領域内における異常を検知する通報する警備システムにおいて、電気機器の動作状況、警備状況、電力使用量などの情報をユーザの端末機器に対して提供したり、ユーザが無駄と認識した電気機器を監視して、待機電力のカットなどの電源操作をユーザの端末機器からオンデマンドで行ったり、警備状態の開始及びその解除に伴って、電気機器を監視する省電力制御ユニットの動作及び停止させたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−288074号公報
【特許文献2】特開2007−132804号公報
【特許文献3】特開2008−77185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来では、電源の切り忘れを防止する対象領域の残留者の有無が把握できないため真に電源の切り忘れであるか否かを検知することは困難であった。また、対象領域の消費電力(待機電力の総和)は季節等によって変動するため、ユーザは予め季節等に応じた消費電力を測定せねばならず、自動的に電源の切り忘れを防止することはできなかった。また、電源の切り忘れを検知するためには基準電力値を設定する必要があるが、基準電力値は残留者が存在しない時間において測定せねばならず、正しい基準電力値の測定は困難であった。そこで、残留者が存在しないことを確実に検知できる警備システムに対して、このような技術が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備状態の開始時に電気機器への電源の切り忘れを検知して通知可能な制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、監視領域における異常を検知して通報する制御装置において、前記監視領域に配設された電気機器の消費電力を測定する電力測定手段と、前記監視領域において異常を検知した場合における通報先への通報の有無に関する動作を決定する複数の状態からなる警備モードの設定の切り替え操作を受け付ける操作手段と、前記監視領域において異常を検知した場合でも通報先に通報を行わない警備解除状態から前記監視領域において異常を検知した場合に通報先に通報を行う警備状態に前記警備モードの設定を切り替える第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記電力測定手段が測定した消費電力の値を用いて、前記電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する第1判断手段と、前記電気機器への電源の切り忘れがあると前記第1判断手段が判断した場合、前記電気機器への電源の切り忘れがある旨を通知する通知手段と、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態又は前記警備状態から前記警備解除状態に切り替える手段であって、前記電気機器への電源の切り忘れがないと前記第1判断手段が判断した場合、前記第1の切り替え操作に応じて、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態に切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備状態の開始時に電気機器への電源の切り忘れを検知して通知可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一実施の形態に係る警備システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、制御装置20の機能的構成を例示する図である。
【図3】図3は、制御装置20の行う電力閾値取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、制御装置20の行う通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、一変形例に係る制御装置20の行う電力閾値取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、制御装置20の行う通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、一変形例に係る制御装置20の行う通知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る制御装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる警備システムの構成を例示する図である。本実施の形態においては、監視領域となる部屋の出入り口付近に遠隔操作器10が配設されており、当該部屋の外部又は内部に防犯センサ11が配設され、当該部屋の内部に電力センサ12a,12bが各々配設されている。遠隔操作器10、防犯センサ11及び電力センサ12a,12bは制御装置20に接続されている。制御装置20は、ネットワークを介して監視センタの有する警備装置40に接続されている。ネットワークとは、例えば、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどである。
【0011】
遠隔操作器10は、警備モードを設定するための操作ボタンと、情報を表示する表示部と、カードリーダとを有する。警備モードとは、監視領域において異常を検知した場合における通報先への通報の有無に関する動作を決定する複数の状態からなる。具体的には、複数の状態としては、異常を検知した場合に監視センタに通報を行う警備状態と、異常を検知した場合でも監視センタへ通報を行わない警備解除状態とがある。本実施の形態においては、操作ボタンにおける警備モードを設定する操作(切り替え操作という)に応じて、警備モードの設定が警備状態又は警備解除状態のいずれかの状態に切り替えられる。表示部は、液晶ディスプレイなどで構成され、各種メッセージを表示する。尚、操作ボタンとしては、例えば、ハードウェアキーであっても良いし、ソフトウェアキーであっても良い。操作ボタンがソフトウェアキーである場合、表示部と操作部とをタッチパネルとして一体的に構成し、当該表示部に操作ボタンを表示して、当該表示部上の操作ボタンの押下を検知することにより、操作者からの切り替え操作の入力を受け付ける。
【0012】
カードリーダは、接触型又は非接触型のカードリーダであり、通信可能な範囲にあるIDカードに記憶されたID(識別情報)を読み出す。IDカードは、IDを記憶する。IDは、監視領域となる部屋を利用する利用者や当該部屋の管理者や当該部屋の警備に関る警備会社の隊員(警備関係者)等各人員に各々付与されるものである。IDは、各人員を識別可能な情報であれば、暗証番号、生体情報等でも良い。このIDが記憶されたIDカードが、利用者などの操作者によってカードリーダに接触又は接近させられることにより、当該IDカードからIDが読み出される。
【0013】
防犯センサ11は、例えば、赤外線の受光量の変化をもとに人の存在を検出する赤外線センサ、赤外線などの受信が遮断されることで人の存在を検出する遮断センサ、電磁波の乱れで人の存在を検知する気配センサ、およびマグネットにより扉の開閉を検出するマグネットセンサなどの各種センサであって、監視領域内の異常を検知すると検知信号を出力する。
【0014】
電力センサ12a,12bは、電気機器の消費電力を測定するものである。電力センサ12aは、例えば、監視領域となる部屋に配設された照明機器の消費電力を測定し、電力センサ12bは、当該部屋に配設された空調機器の消費電力を測定する。
【0015】
制御装置20は、遠隔操作器10の操作ボタンにおける切り替え操作に基づいて、警備モードを警備状態又は警備解除状態に設定し、警備モードが警備状態に設定されている場合に、防犯センサ11からの検知信号に基づいて、監視領域内に異常のあったことを判断すると、その旨を示す警備信号を警備装置40に送信する。更に、本実施の形態においては、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える切り替え操作があった場合に、電力センサ12a,12bで測定された消費電力を用いて、電気機器への電源の切り忘れを検知して、その旨を遠隔操作器10の表示部を介して通知する。警備装置40は、制御装置20から送信された警備信号を受信すると、当該警備信号によって異常の発生が検知された監視領域を特定して、当該監視領域へ警備員を出動させるメッセージの表示を行う等の対応を行う。
【0016】
ここで、制御装置20及び警備装置40のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の制御装置20及び警備装置40はそれぞれ、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)ドライブ装置等の補助記憶部と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。尚、CPUは、時刻を計時する計時機能を有している。また、制御装置20及び警備装置40には、情報を表示する表示部と、ユーザの指示入力を受け付けるキーボードやマウス等の操作入力部と、外部装置の通信を制御する通信I/F(interface)とが有線又は無線により各々接続される。
【0017】
次に、このようなハードウェア構成において、制御装置20の機能的構成について図2を用いて説明する。制御装置20は、操作受付部21、判断部22と、電力閾値取得部23と、通知部24と、モード切替部25と、ID管理テーブル26とを有する。操作受付部21、判断部22及びモード切替部25は、CPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラムを実行することにより実現される。ID管理テーブル26は、HDDなどの補助記憶部に記憶されるものである。ID管理テーブル26は、監視領域を利用し得る利用者、監視領域の管理者及び警備関係者の各IDを各々記憶する。
【0018】
操作受付部21は、遠隔操作器10において行われた切り替え操作を受け付ける。電力閾値取得部23は、電気機器への電源の切り忘れの有無を判断するために用いられる閾値となる電力の値(電力閾値)を取得する。本実施の形態においては、電力閾値取得部23は、警備モードが警備解除状態に設定されている場合に、定期的又は任意のタイミングで電力センサ12a,12bが測定した消費電力の値を各々取得し、電力センサ12a,12bのそれぞれについて消費電力の値の平均値を各々算出することで、電力センサ12aで消費電力が測定される電気機器(照明機器)に対する電力閾値及び電力センサ12bで消費電力が測定される電気機器(空調機器)に対する電力閾値を各々取得する。尚、消費電力の平均値を算出する期間は、所定の期間であっても良いし、任意の期間であっても良い。
【0019】
判断部22は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える切り替え操作を操作受付部21が受け付けた場合、電力閾値取得部23が取得した電力閾値と、電力センサ12a,12bが測定した消費電力の値とを用いて、電力センサ12a,12bが各々消費電力を測定した各電気機器(ここでは照明機器及び空調機器である)への電源の切り忘れの有無を判断し、防犯センサ11からの検知信号に応じて、監視領域内における異常の有無を判断し、カードリーダを介してIDカードから読み出されたIDがID管理テーブル26に記憶されているか否かを判断する。
【0020】
通知部24は、電気機器への電源の切り忘れがあると判断部22が判断した場合、その旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させることにより通知する。また、通知部24は、監視領域内において異常があると判断部22が判断した場合、その旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させることにより通知する。また、通知部24は、カードリーダを介してIDカードから読み出されたIDがID管理テーブル26に記憶されていないと判断部22が判断した場合、その旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させることにより通知する。
【0021】
モード切替部25は、操作受付部21が受け付けた切り替え操作に応じて、警備モードの設定を、警備解除状態から警備状態又は警備状態から警備解除状態に切り替える。特に、警備モードの設定を警備状態から警備解除状態に切り替える切り替え操作が受け付けられた場合、モード切替部25は、電気機器への電源の切り忘れがなく、監視領域内において異常がなく且つカードリーダを介してIDカードから読み出されたIDがID管理テーブル26に記憶されていると判断部22が判断した場合、当該切り替え操作に応じて、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える。
【0022】
次に、本実施の形態にかかる制御装置20の行う処理の手順について説明する。まず、電力閾値取得処理の手順について図3を用いて説明する。制御装置20は、警備モードが警備解除状態に設定されている場合に、電力センサ12a,12bが測定した消費電力の値を各々取得しこれをRAMなどの主記憶部に記憶させる(ステップS1)。そして、制御装置20は、電力センサ12a,12bのそれぞれについて主記憶部に記憶された各消費電力の値の平均値を各々算出する(ステップS2)。電力センサ12aについて算出された消費電力の平均値が、電力センサ12aで消費電力が測定される照明機器に対する電力閾値となり、電力センサ12bについて算出された消費電力の平均値が、電力センサ12bで消費電力が測定される空調機器に対する電力閾値となる。制御装置20は、これらの電力閾値を主記憶部に記憶させた後、ステップS1に戻り、ステップS1〜S2の処理を繰り返す。制御装置20は、この電力閾値取得処理を、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えた場合に終了する。
【0023】
次に、通知処理の手順について図4を用いて説明する。操作者が、遠隔操作器10の操作ボタンを操作して、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える切り替え操作を行い、自身のIDが記憶されたIDカードをカードリーダに接触又は接近させると、制御装置20は、当該切り替え操作を受け付け、カードリーダを介してIDカードに記憶されたIDを読み出す。このとき、制御装置20は、電力センサ12a,12bが測定した消費電力の値を各々取得する(ステップS10)。そして、制御装置20は、電力センサ12aで消費電力が測定される照明機器及び電力センサ12bで消費電力が測定される空調機器のそれぞれについて電源の切り忘れの有無を判断する(ステップS11)。具体的には、制御装置20は、照明機器及び空調機器のそれぞれについて、ステップS10で取得した消費電力の値と、上述の電力閾値取得処理で取得して主記憶部に記憶させた電力閾値とを用いて、以下の式1が成立する場合、電源の切り忘れがあったと判断して、電源の切り忘れを検知する。
【0024】
Pax+Pmx<Px(x=1〜2)・・・(式1)
尚、「x=1」は、電力センサ12a及び照明機器に対応し、「x=2」は、電力センサ12b及び空調機器に対応するものとする。Paxは電力閾値であり、PxはステップS10で取得された消費電力の値である。Pmxはマージンであり、例えば、監視領域や季節や時間帯などに応じて、適宜変動させる値である。
【0025】
照明機器及び空調機器のうち少なくとも一方について式1が成立した場合、制御装置20は、電源の切り忘れがあったと判断して(ステップS11:YES)、その旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させる(ステップS15)。この場合、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えることなく、当該通知処理を終了する。
【0026】
一方、照明機器及び空調機器のいずれについても式1が成立しない場合、制御装置20は、電源の切り忘れがなかったと判断して(ステップS11:NO)、次に、防犯センサ11から監視領域の異常を検知した旨の検知信号が出力されているか否かを判断する(ステップS12)。防犯センサ11から検知信号が出力されている場合(ステップS12:YES)、制御装置20は、当該監視領域において異常がある旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させる(ステップS16)。この場合、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えることなく、当該通知処理を終了する。
【0027】
防犯センサ11から検知信号が出力されていない場合(ステップS12:NO)、制御装置20は、カードリーダを介してIDカードから読み出したIDがID管理テーブル26に記憶されているか否かを判断することにより、当該IDの照合を行う(ステップS13)。当該IDがID管理テーブル26に記憶されていない場合、即ち、当該IDの照合がエラーとなった場合(ステップS13:YES)、制御装置20は、当該IDが未登録である旨を示すメッセージを遠隔操作器10の表示部に表示させる(ステップS17)。この場合、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えることなく、当該通知処理を終了する。
【0028】
一方、カードリーダを介してIDカードから読み出したIDがID管理テーブル26に記憶されている場合、即ち、当該IDの照合が成功した場合(ステップS13:NO)、制御装置20は、切り替え操作に応じて、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替える(ステップS14)。
【0029】
以上のように、監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備状態の開始時に電気機器への電源の切り忘れを検知してこれを通知することにより、警備モードの設定と連動させて電気機器の無駄な消費電力を低減することが可能になる。
【0030】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0031】
上述した実施の形態において、制御装置20で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0032】
上述した実施の形態において、制御装置20の通知部24は、電気機器の電源の切り忘れを検知した場合、その旨を遠隔操作器10の表示部を介して通知するようにした。しかし、これに限らず、例えば、遠隔操作器10が音声を出力する音声出力部を有し、通知部24は、電気機器の電源の切り忘れを検知した旨を音声出力部を介して音声で出力することにより通知するようにしても良い。また、遠隔操作器10が発光ダイオードなどで構成される点灯部を有し、通知部24は、点灯部を発光又は点滅させることにより、電気機器の電源の切り忘れを検知した旨を通知するようにしても良い。
【0033】
上述した実施の形態においては、制御装置20の電力閾値取得部23は、警備モードが警備解除状態に設定されている場合に、電力センサ12a,12bのそれぞれについて電力閾値を各々取得するようにした。しかし、これに限らず、電力閾値取得部23は、警備モードが警備状態に設定されている場合に、電力センサ12a,12bのそれぞれについて電力閾値を各々取得するようにしても良い。即ち、制御装置20は、図5に示されるように、警備モードが警備状態に設定されている場合に、図3に示した電力閾値取得処理と同様の電力閾値取得処理を行うようにしても良い。この場合、制御装置20は、通知処理では、図6に示されるように、上述の実施の形態と同様にステップS10を行った後、ステップS11´で、電力センサ12aで消費電力が測定される照明機器及び電力センサ12bで消費電力が測定される空調機器のそれぞれについて電源の切り忘れの有無を判断するが、このとき、照明機器及び空調機器のそれぞれについて、ステップS10で取得した消費電力の値と、電力閾値取得処理で取得した電力閾値とを用いて、以下の式2が成立する場合、電源の切り忘れがあったと判断して、電源の切り忘れを検知する。
Px>Pax−Pmx(x=1〜2)・・・(式2)
【0034】
そして、照明機器及び空調機器のうち少なくとも一方について式2が成立した場合、制御装置20は、電源の切り忘れがあったと判断して(ステップS11´:YES)、ステップS15に進む。この場合、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えることなく、当該通知処理を終了する。一方、照明機器及び空調機器のいずれについても式2が成立しない場合、制御装置20は、電源の切り忘れがなかったと判断して(ステップS11´:NO)、ステップS12に進む。ステップS12〜S17は上述の実施の形態と同様である。
【0035】
以上のような構成によっても、監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備モードの設定と連動させて電気機器の無駄な消費電力を低減することが可能になる。
【0036】
また、上述した実施の形態においては、制御装置20の電力閾値取得部23は、電力センサ12a,12bのそれぞれについて予め設定された電力閾値を各々取得するようにしても良い。このような電力閾値は例えばHDDなどの補助記憶部に予め記憶させておく。この場合、制御装置20は、図3,5に示される電力閾値取得処理を行うことなく、通知処理を行う。通知処理では、制御装置20は、図7に示されるように、上述の実施の形態と同様にステップS10を行った後、ステップS11″で、電力センサ12aで消費電力が測定される照明機器及び電力センサ12bで消費電力が測定される空調機器のそれぞれについて電源の切り忘れの有無を判断するが、このとき、照明機器及び空調機器のそれぞれについて、ステップS10で取得した消費電力の値と、予め設定されて補助記憶部に記憶された電力閾値とを用いて、以下の式3が成立する場合、電源の切り忘れがあったと判断して、電源の切り忘れを検知する。
Psx+Pmx<Px(x=1〜2)・・・(式3)
尚、Psxは予め設定された電力閾値である。
【0037】
そして、照明機器及び空調機器のうち少なくとも一方について式3が成立した場合、制御装置20は、電源の切り忘れがあったと判断して(ステップS11″:YES)、ステップS15に進む。この場合、制御装置20は、警備モードの設定を警備解除状態から警備状態に切り替えることなく、当該通知処理を終了する。一方、照明機器及び空調機器のいずれについても式3が成立しない場合、制御装置20は、電源の切り忘れがなかったと判断して(ステップS11″:NO)、ステップS12に進む。ステップS12〜S17は上述の実施の形態と同様である。
【0038】
以上のような構成によっても、監視領域内の異常を検知して通報する警備システムにおいて、警備モードの設定と連動させて電気機器の無駄な消費電力を低減することが可能になる。
【符号の説明】
【0039】
10 遠隔操作器
11 防犯センサ
12a,12b 電力センサ
20 制御装置
21 操作受付部
22 判断部
23 電力閾値取得部
24 通知部
25 モード切替部
26 ID管理テーブル
40 警備装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域における異常を検知して通報する制御装置において、
前記監視領域に配設された電気機器の消費電力を測定する電力測定手段と、
前記監視領域において異常を検知した場合における通報先への通報の有無に関する動作を決定する複数の状態からなる警備モードの設定の切り替え操作を受け付ける操作手段と、
前記監視領域において異常を検知した場合でも通報先に通報を行わない警備解除状態から前記監視領域において異常を検知した場合に通報先に通報を行う警備状態に前記警備モードの設定を切り替える第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記電力測定手段が測定した消費電力の値を用いて、前記電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する第1判断手段と、
前記電気機器への電源の切り忘れがあると前記第1判断手段が判断した場合、前記電気機器への電源の切り忘れがある旨を通知する通知手段と、
前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態又は前記警備状態から前記警備解除状態に切り替える手段であって、前記電気機器への電源の切り忘れがないと前記第1判断手段が判断した場合、前記第1の切り替え操作に応じて、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態に切り替える切替手段とを備える
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記切替手段は、前記電気機器への電源の切り忘れがあると前記第1判断手段が判断した場合、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態に切り替えない
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記警備モードが前記警備解除状態に設定されている場合に所定又は任意の期間に前記電力測定手段が測定した消費電力の平均値を取得する取得手段を更に備え、
前記第1判断手段は、前記第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記電力測定手段が測定した消費電力の値と、前記取得手段が取得した前記平均値とを用いて、前記電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記警備モードが前記警備状態に設定されている場合に所定又は任意の期間に前記電力測定手段が測定した消費電力の平均値を取得する取得手段を更に備え、
前記第1判断手段は、前記第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記電力測定手段が測定した消費電力の値と、前記取得手段が取得した前記平均値とを用いて、前記電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記電気機器に対して予め設定された閾値を取得する取得手段を更に備え、
前記第1判断手段は、前記第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記電力測定手段が測定した消費電力の値と、前記取得手段が取得した前記閾値とを用いて、前記電気機器への電源の切り忘れの有無を判断する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記監視領域における異常を検知する異常検知手段を更に備え、
前記切替手段は、前記電気機器への電源の切り忘れがないと前記第1判断手段が判断した場合且つ前記異常検知手段が異常を検知していない場合、前記第1の切り替え操作に応じて、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態に切り替える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記通知手段は、前記異常検知手段が異常を検知した場合、監視領域において異常がある旨を通知する
ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記監視領域を利用し得る利用者に付与された識別情報を記憶する第1記憶手段と、
第1の識別情報が記憶された第1の記憶媒体から前記第1の識別情報を読み出す読出手段と、
前記第1の切り替え操作を前記操作手段が受け付けた場合、前記読出手段が読み出した前記第1の識別情報が前記第1記憶手段に記憶されているか否かを判断する第2判断手段とを更に備え、
前記切替手段は、前記電気機器への電源の切り忘れがないと前記第1判断手段が判断した場合且つ前記第1の識別情報が前記第1記憶手段に記憶されていると前記第2判断手段が判断した場合、前記第1の切り替え操作に応じて、前記警備モードの設定を前記警備解除状態から前記警備状態に切り替える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記第1の識別情報が前記第1記憶手段に記憶されていないと前記第2判断手段が判断した場合、前記第1の識別情報が未登録である旨を通知する
ことを特徴とする請求項8に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−113363(P2012−113363A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259458(P2010−259458)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】