説明

刷版供給装置

【課題】 簡易な構成でありながら、合紙と当てボールとを自動的に排出することが可能な可能な刷版供給装置を提供すること。
【解決手段】 複数枚の刷版を合紙および当てボールとともに積載する収納部10と、収納部10の最上部に位置しているのが刷版P、合紙および当てボールのいずれであるのかを識別するセンサと、収納部から刷版Pと当てボールとを搬送する刷版搬送機構14と、収納部10から合紙を搬送する合紙搬送機構15と、刷版搬送機構14から受け取った刷版Pまたは当てボールを、後段の処理部または当てボール排出部に搬送するコンベアと、センサからの識別信号に基づいて、コンベアを制御することにより、刷版Pを後段の処理部に、また、当てボールを当てボール排出部に各々搬送させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、積載された刷版を、後段の処理部に搬送する刷版供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、刷版を表裏反転させてニップローラに搬送する刷版供給装置として、刷版の先端を吸着盤により吸着保持した吸着点を、その回動半径を半径とする円が刷版表面を回転したときに形成するサイクロイド曲線に一致するように移動させた後、刷版の先端をニップローラにより挟持させるようにした刷版供給装置が開示されている。
【0003】
このような刷版を表裏反転させてニップローラに搬送する刷版供給装置は、比較的大サイズの刷版を搬送する場合においても、大きなスペースを占有することなく確実に刷版を搬送することができるという利点を有している。
【0004】
ところで、近年、刷版は100枚単位等の比較的多数枚を梱包した状態で販売されている。そして、刷版の間には、例えば数十枚毎に刷版保護用の当てボールが挿入されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−247489号公報
【特許文献2】特開平5−170354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来より、刷版の間に挿入された合紙を排出する合紙排出機構は、上述した特許文献1にも記載されている。しかしながら、当てボールは、合紙よりも剛性が高いため、合紙排出機構によりこれを排出することは不可能である。このため、従来の刷版供給装置においては、オペレータがマニュアルで当てボールを取り除いていた。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成でありながら、合紙と当てボールとを自動的に排出することが可能な可能な刷版供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、積載された刷版を、後段の処理部に搬送する刷版供給装置において、複数枚の刷版を、合紙および当てボールとともに積載する収納部と、前記収納部から刷版、合紙および当てボールを取り出す取出機構と、前記取出機構により取り出された刷版、合紙および当てボールを、各々、後段の処理部、合紙排出部および当てボール排出部に搬送する搬送機構とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、積載された刷版を、後段の処理部に搬送する刷版供給装置において、複数枚の刷版を、合紙および当てボールとともに積載する収納部と、前記収納部に積層された刷版、合紙および当てボールのうち、最上部に位置しているのが刷版、合紙および当てボールのいずれであるのかを識別する識別手段と、前記収納部から刷版と当てボールとを搬送する刷版搬送機構と、前記収納部から合紙を搬送する合紙搬送機構と、前記刷版搬送機構から受け取った刷版または当てボールを、後段の処理部または当てボール排出部に搬送するコンベアと、前記識別手段からの識別信号に基づいて、前記コンベアを制御することにより、刷版を後段の処理部に、また、当てボールを当てボール排出部に各々搬送させる制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載に記載の発明において、前記識別手段は、前記刷版搬送機構に付設されたセンサである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、簡易な構成でありながら、合紙と当てボールとを自動的に排出することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、簡易な構成により識別を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る刷版供給装置を備えた画像記録システムの斜視図である。
【0013】
この画像記録システムは、その内部に積載した刷版Pを取り出して搬送するオートローダ部2と、刷版Pに画像を記録するための画像記録部3と、現像部4と、当てボールDの排出部5と、合紙の排出部6と、コンベア71、72を備える搬送機構7とを備える。
【0014】
搬送機構7は、オートローダ部2から搬送された刷版Pを画像記録部3に搬送し、オートローダ部2から搬送された当てボールDを当てボールDの排出部5に搬送し、画像記録部3において画像が記録された刷版Pを現像部4に搬送する。
【0015】
すなわち、この搬送機構7は、互いに重畳した状態で配設された一対の搬送ユニットを備え、上側の搬送ユニットは、オートローダ部2から排出された刷版Pを、その排出方向と直交する方向に搬送して画像記録部3に搬送するとともに、オートローダ部2から搬送された当てボールDを、その排出方向と直交する方向に搬送して当てボールDの排出部5に搬送する。一方、下側の搬送ユニットは、画像記録装置3から排出された刷版Pを、その排出方向と直交する方向に搬送して、現像部4に搬送する。このような搬送機構7は、特願2006−056227号に開示されている。
【0016】
上述したオートローダ部2は、この発明に係る刷版供給装置を構成する。以下、このオートローダ部2の構成について説明する。図2は、オートローダ部2の側面概要図である。また、図3および図4は、オートローダ部2の一部を省略して示す斜視図である。
【0017】
このオートローダ部2は、複数枚の刷版Pを、合紙および当てボールDとともに、その端縁がストッパー11によりそろえられた状態で積載する収納部10と、収納部10内の刷版Pを搬送機構7のコンベア71に搬送するための第1、第2のニップローラ12、13と、収納部10から刷版Pと当てボールDとを搬送する刷版搬送機構14と、収納部10から合紙の排出部6に合紙を搬送する合紙搬送機構15と、収納部10をそこに積載された刷版Pの表面と平行な平面内で移動させる収納部移動機構26とを備える。
【0018】
第1のニップローラ12と第2のニップローラ13とは、互いに異なる高さ位置に配置されている。第2のニップローラ13は、上述した搬送機構7のコンベア71と対向する位置に配置されている。また、第1のニップローラ12は、コンベア71の上部に配置された搬送ガイド73と対向する位置に配置されている。
【0019】
収納部10は、スキッドベース21と、複数の刷版Pを積載する木製のパレット22と、刷版を位置決めするためのストッパー11と、このストッパー11をスキッドベース21に固定するための連結部材23とを備える。なお、上述したパレット22とこのパレット22に積載された刷版Pとは、所謂スキッドを構成する。
【0020】
この収納部10におけるスキッドベース21は、その上面に多数のコロ24を備えた支持部材25により支持されている。このため、収納部10は、この収納部10に積載された刷版Pの表面と平行な平面内で移動可能となっている。また、この収納部10の周囲には、前記収納部10を刷版Pの表面と平行な平面内で移動させる収納部移動機構26が配設されている。
【0021】
図5は、この収納部移動機構26の一つを拡大して示す斜視図である。
【0022】
この収納部移動機構26は、その一端が軸31により蝶着された一対のアーム32、33と、押圧部38とを有するパンタグラフ式のリンク機構から構成される。一対のアーム32、33のうちの一方のアーム33の他端部はベース39に固定されている。一方、他方のアーム31の他端部には、モータ37の駆動により回転するねじ35に螺合し、ガイド部材24に案内される基部36が固定されている。このため、モータ37の駆動により一対のアーム31、32における他端部間の距離を変更することにより、押圧部38による収納部10におけるスキッドベース21の押圧位置を変更することが可能となる。
【0023】
図6乃至図9は、収納部移動機構26によるスキッドベース21の押圧状況を示す模式図である。
【0024】
上述した収納部移動機構26は、図6に示すように、刷版Pにおける4辺のうちの互いに直交する2辺に対応する位置に各々2個、互いに直交する他の2辺に対向する位置に各々1個設けられている。別の言い方をすれば、収納部移動機構26は、刷版Pにおける図6に示すX方向に延びる2辺のうちの1辺に対応する位置に1個、他の1辺に対応する位置に2個設けられており、また、刷版Pにおける図6に示すY方向に延びる2辺のうちの1辺に対応する位置に1個、他の1辺に対応する位置に2個設けられている。
【0025】
この収納部移動機構26によりスキッドベース21とともに刷版PをY方向に移動させる場合には、図7に示すように、刷版PにおけるX方向に延びる辺に対応する収納部移動機構26を使用する。同様に、スキッドベース21とともに刷版PをX方向に移動させる場合には、図8に示すように、刷版PにおけるY方向に延びる辺に対応する収納部移動機構26を使用する。さらに、スキッドベース21とともに刷版Pをθ方向に移動させる場合には、図9に示すように、刷版PにおけるX方向に延びる辺に対応する収納部移動機構26とY方向に延びる辺に対応する収納部移動機構26とを使用する。
【0026】
以上の構成により、収納部10に収納された刷版Pの位置を、任意に設定することが可能となる。このため、後述する刷版Pの位置決め工程においては、刷版PをX、Y、θ方向に移動させることが可能となる。また、後述する刷版Pの搬送工程においては、刷版Pを、第1、第2のニップローラ12、13の軸芯方向と直交する方向であるX方向に移動させることが可能となる。
【0027】
再度図2乃至図4を参照して、収納部10から刷版Pと当てボールDとを搬送する刷版搬送機構14は、モータ41の駆動により回動する無端状の同期ベルト42と図示しない連結部材により連結され、第1、第2のニップローラ12、13の軸芯方向と直交し、収納部10内に積載された刷版Pの表面に沿った方向に往復走行する移動部43を備える。
【0028】
また、この刷版搬送機構14は、移動部43を中心に回動可能なアーム44の先端に配設され、収納部10内において積載された刷版Pの第1、第2のニップローラ12、13とは逆側の端縁付近をその上面から吸着保持可能な吸着部45と、アーム44を移動部43を中心に回動させるためのモータ46と、アーム44を移動部43に対して移動させることによりアーム44における移動部43から吸着部45までの距離を変更するためのモータ47と、刷版Pのガイドローラ48を備える。
【0029】
図3に示すように、刷版搬送機構14の一端には、刷版Pの端縁を検出するための一対のセンサ51が配設されている。また、図4に示すように、刷版搬送機構14におけるセンサ51とは逆側の端部には、収納部10に積載された刷版P、合紙および当てボールDのうち、最上部に位置しているのが刷版P、合紙および当てボールDのいずれであるのかを識別するセンサ52が配設されている。
【0030】
再度図2および図3を参照して、収納部から合紙を搬送する合紙搬送機構15は、アーム55の下端部に付設され、合紙をその上面から吸着保持するための吸着部54と、アーム55を介して吸着部54を昇降させるモータ56と、アーム55を介して吸着部54を前後移動させるモータ57とを備える。合紙搬送機構15により合紙を排出するときには、モータ56、57の駆動により、吸着部54を合紙の上面に移動させ、合紙をそこに吸着保持して排出ローラ機構58に搬送する。この合紙は、排出ローラ機構58により図1に示す合紙の排出部6に排出される。
【0031】
図3に示すように、合紙搬送機構15の一端には、刷版Pの端縁を検出するための、上述した一対のセンサ51と同様のセンサ53が配設されている。
【0032】
図10は、上述したオートローダ部2を含む画像記録システムの一部の電気的構成を示すブロック図である。
【0033】
この画像記録システムは、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM102と、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM101と、論理演算を実行するCPU103から成る制御部100を備える。この制御部100は、センサーインターフェース104を介して上述してセンサー51、52、53と接続されている。また、この制御部100は、モータインターフェース105を介して、上述したモータ37、41、46、47、56、57と接続されている。
【0034】
次に、このオートローダ部2による刷版Pの搬送動作について説明する。図11は、オートローダ部2による刷版Pの搬送動作を示す説明図である。なお、図11においては、刷版搬送機構14の移動動作を、各々、(a)、(b)、(c)で示している。後述する刷版Pの搬送動作は、図2に示すモータ41、46、47の駆動により実行され、図2に示す移動部43が往復走行し、また、アーム55が回動および伸縮する。
【0035】
このオートローダ部2により刷版Pを搬送するときには、最初に、刷版搬送機構14を、図11において符号14(a)で示すように、その吸着部45が最上部の刷版P端縁付近を吸着可能な位置に移動し、刷版の端縁付近を吸着保持する。この状態においては、アーム55は、下方に垂下した状態となっている。
【0036】
この状態において、モータ41の駆動により移動部43を第1、第2のニップローラ12、13側に移動させる。また、これと同時に、モータ46の駆動によりアーム55を水平方向を向く軸を中心に時計方向に回動させる。これにより、図11において符号14で示すように、刷版Pの表裏反転動作が開始される。
【0037】
そして、移動部43の移動動作とアーム44の回動動作と、必要に応じ移動部43、吸着部45間の距離変更とを継続し、図11において符号14(c)に示すように、刷版Pの端縁を第1のニップローラ12(または、第2のニップローラ13)に挟持させる。しかる後、吸着部45による刷版Pの吸着保持を解除する。
【0038】
なお、上述した動作で刷版搬送機構14により刷版Pを搬送するときには、図21(b)に示した場合と同様、刷版Pのストッパー11側の端部が鉛直方向を向くことになり、刷版Pのストッパー11側の端縁が、積載された刷版Pの端縁とストッパー11の間に侵入する現象が発生することがある。このため、このオートローダ部2においては、収納部10に積載された刷版Pにおける移動部43の移動方向の長さ、または、収納部10に積載された刷版Pの最上部の高さ位置に基づいて、収納部移動機構26により移動される収納部10の位置を変更することにより刷版Pの位置を変更するとともに、互いに高さが異なる位置に配置された第1、第2のニップローラ12、13を選択的に使用するようにしている。
【0039】
次に、上述した画像記録システムによる画像の記録動作について説明する。図12は、画像記録システムによる画像の記録動作を示す説明図である。
【0040】
画像の記録動作を開始するときには、最初に、刷版Pを搬入する(ステップS1)。このときには、刷版Pは、パレット22上に合紙や当てボールDとともに積載されたスキッド状態となっている。この刷版Pの搬入時には、ホークリフト等が使用される。なお、この状態においては、刷版Pは、おおまかな位置に位置決めされている。
【0041】
次に、刷版P等の積載高さを測定する(ステップS2)。この積載高さの測定は、合紙搬送機構15に付設した図示しない金属センサを利用する。そして、合紙搬送機構15における吸着部54をアーム55とともに下降させ、図示しない金属センサが刷版Pを検出してオンとなる高さを測定する。
【0042】
次に、スキッドベース21を位置決めすることにより、刷版P等の位置決めを行う(ステップS3)。このときには、図3に示す刷版搬送機構14に付設された一対のセンサ51と、合紙搬送機構15に付設されたセンサ53とにより、刷版P等の端縁の位置を三箇所において測定する。この状態において、図5に示すように、モータ37の駆動により一対のアーム31、32における他端部間の距離を変更して押圧部38による収納部10におけるスキッドベース21の押圧位置を変更することにより、スキッドベース21を移動させる。そして、必要に応じてセンサ51、53を移動しながら、センサ51、53によりスキッドベース21の位置を確認し、スキッドベース21が所望の位置に位置決めされた時点で、スキッドベース21を停止させる。
【0043】
上述したように、刷版Pはストッパー11により位置決めされており、そのストッパー11は連結部材23を介してスキッドベース21に固定されている。このため、スキッドベース21を位置決めすることにより、スキッドベース21を介して刷版Pが位置決めされることになる。なお、スキッドベース21の位置決め動作は、図10に示す制御部100により制御される。
【0044】
スキッドベース21の位置決め動作が完了すれば、刷版Pの搬送動作を開始する。このときには、最初に、図4に示すセンサ52により、収納部10に積載された刷版P等のうち、最上部に位置しているのが刷版P、合紙および当てボールDのいずれであるのかを識別する(ステップS4)。
【0045】
そして、最上部に合紙が配置されている場合には(ステップS6)、合紙搬送機構15により合紙を排出する(ステップS5)。すなわち、モータ56、57の駆動により、吸着部54を合紙の上面に移動させ、合紙をそこに吸着保持して排出ローラ機構58に搬送する。この合紙は、排出ローラ機構58により、図1に示す合紙の排出部6に排出される。
【0046】
また、最上部に当てボールDが配置されている場合には(ステップS8)、この当てボールDを排出する(ステップS7)。この場合においては、最初に、刷版搬送機構14により当てボールDを図11に示す状態で反転・搬送して、当てボールDの端縁を第1のニップローラ12(または、第2のニップローラ13)に挟持させる。そして、この当てボールDは、図1に示す搬送機構7のコンベア71により、搬送機構7の上側の搬送ユニットに搬送された後、この上側の搬送ユニットにより、それまでの搬送方向と直交する方向に搬送され、当てボールDの排出部5に排出される。
【0047】
一方、最上部に合紙や当てボールDではなく、刷版Pが配置されていた場合には、刷版搬送時の刷版Pの排出先と刷版Pの位置とを判定した後(ステップS9)、刷版Pの搬送を開始する(ステップS10)。
【0048】
上述したように、このオートローダ部2においては、収納部10に積載された刷版Pにおける移動部43の移動方向の長さ、または、収納部10に積載された刷版Pの最上部の高さ位置に基づいて、収納部移動機構26により移動される収納部10の位置を変更することにより刷版Pの位置を変更するとともに、互いに高さが異なる位置に配置された第1、第2のニップローラ12、13を選択的に使用するようにしている。
【0049】
すなわち、収納部10に積載された刷版Pにおける移動部43の移動方向の長さおよび収納部10に積載された刷版Pの最上部の高さ位置に基づいて、収納部移動機構26により移動される収納部10の位置を調整する。
【0050】
さらに、例えば、刷版Pのサイズが小さく、かつ、積載高さが高い場合、あるいは、刷版Pのサイズが大きく、かつ、積載高さが低い場合には、第1のニップローラ12に向けて刷版を搬送し、また、刷版Pのサイズが小さく、かつ、積載高さが低い場合、あるいは、刷版Pのサイズが大きく、かつ、積載高さが高い場合には、第2のニップローラ13に向けて刷版を搬送する。
【0051】
しかる後、刷版搬送機構14により刷版Pを図11に示す状態で反転・搬送して、刷版Pの端縁を第1のニップローラ12(または、第2のニップローラ13)に挟持させ、この刷版Pを搬送機構7に搬送する。搬送機構7は、オートローダ部2から排出された刷版Pを、その排出方向と直交する方向に搬送して画像記録部3に搬送する。
【0052】
そして、画像記録装置3により刷版Pに画像が記録された後、この刷版Pは現像部4に搬送され、現像処理がなされる(ステップS11)。
【0053】
しかる後、ステップS4に戻り、処理を繰り返す。なお、必要な処理が終了した場合や、収納部10に刷版Pがなくなった場合には(ステップS12)、処理を終了する。
【0054】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図13は、この発明の第2実施形態におけるオートローダ部2等を示す概要図である。
【0055】
上述した実施形態においては、刷版搬送機構14により刷版Pと当てボールDとを搬送機構7に搬送し、この搬送機構7により、オートローダ部2から排出された刷版Pを、その排出方向と直交する方向に搬送して画像記録部3に搬送するとともに、オートローダ部2から搬送された当てボールDを、その排出方向と直交する方向に搬送して当てボールDの排出部5に搬送する構成を採用している。
【0056】
これに対して、この第2実施形態においては、当てボールDを刷版搬送機構14により直接当てボールDの排出部91に排出し、あるいは、当てボールDを合紙搬送機構15により当てボールDの排出部92に排出する構成を採用している。
【0057】
前者の場合には、刷版搬送機構14が上述したセンサ52がそこに吸着保持しているのが刷版Pであるのか当てボールDであるのかを識別し、それが刷版Pの場合にはこれをコンベア71に搬送し、それが当てボールDである場合にはこれを当てボールDの排出部91に排出する。また、後者の場合には、上述したセンサ52からの信号等により、合紙排出機構15により吸着保持しされているのが合紙であるのか当てボールDであるのかを識別し、それが合紙の場合にはこれを合紙の排出部6に排出し、それが当てボールDである場合にはこれを当てボールDの排出部92に排出する。
【0058】
なお、上述した実施形態においては、刷版Pを吸着部44で、合紙を吸着部54でそれぞれ吸着保持している。しかし、刷版Pや合紙を確実に保持できるものであれば、保持手段は吸着に限られない。例えば、フック上の部材を用いて刷版Pを保持してもよい。また、互いに反対方向に回転する一対のローラを用いて、合紙をこれらの一対のローラ間に巻き込むようにして保持してもよい。また、磁力・静電気等を利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明に係る刷版供給装置を備えた画像記録システムの斜視図である。
【図2】オートローダ部2の側面概要図である。
【図3】オートローダ部2の一部を省略して示す斜視図である。
【図4】オートローダ部2の一部を省略して示す斜視図である。
【図5】収納部移動機構26の一つを拡大して示す斜視図である。
【図6】収納部移動機構26によるスキッドベース21の押圧状況を示す模式図である。
【図7】収納部移動機構26によるスキッドベース21の押圧状況を示す模式図である。
【図8】収納部移動機構26によるスキッドベース21の押圧状況を示す模式図である。
【図9】収納部移動機構26によるスキッドベース21の押圧状況を示す模式図である。
【図10】画像記録システムの一部の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】オートローダ部2による刷版Pの搬送動作を示す説明図である。
【図12】画像記録システムによる画像の記録動作を示す説明図である。
【図13】この発明の第2実施形態におけるオートローダ部2等を示す概要図である。
【符号の説明】
【0060】
2 オートローダ
3 画像記録部
4 現像部
5 排出部
6 排出部
7 搬送機構
10 収納部
11 ストッパー
12 第1のニップローラ
13 第2のニップローラ
14 刷版搬送機構
15 合紙搬送機構
21 スキッドベース
22 パレット
24 コロ
25 支持部材
26 収納部移動機構
32 アーム
33 アーム
35 ねじ
36 モータ
41 モータ
42 同期ベルト
43 移動部
44 アーム
45 吸着部
46 モータ
47 モータ
48 ガイドローラ
51 センサ
52 センサ
53 センサ
54 吸着部
55 アーム
56 モータ
57 モータ
58 排出ローラ機構
71 コンベア
72 コンベア
91 排出部
92 排出部
100 制御部
104 センサインターフェース
105 モータインターフェース
D 当てボール
P 刷版


【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載された刷版を、後段の処理部に搬送する刷版供給装置において、
複数枚の刷版を、合紙および当てボールとともに積載する収納部と、
前記収納部から刷版、合紙および当てボールを取り出す取出機構と、
前記取出機構により取り出された刷版、合紙および当てボールを、各々、後段の処理部、合紙排出部および当てボール排出部に搬送する搬送機構と、
を備えたことを特徴とする刷版供給装置。
【請求項2】
積載された刷版を、後段の処理部に搬送する刷版供給装置において、
複数枚の刷版を、合紙および当てボールとともに積載する収納部と、
前記収納部に積層された刷版、合紙および当てボールのうち、最上部に位置しているのが刷版、合紙および当てボールのいずれであるのかを識別する識別手段と、
前記収納部から刷版と当てボールとを搬送する刷版搬送機構と、
前記収納部から合紙を搬送する合紙搬送機構と、
前記刷版搬送機構から受け取った刷版または当てボールを、後段の処理部または当てボール排出部に搬送するコンベアと、
前記識別手段からの識別信号に基づいて、前記コンベアを制御することにより、刷版を後段の処理部に、また、当てボールを当てボール排出部に各々搬送させる制御部と、
を備えたことを特徴とする刷版供給装置。
【請求項3】
請求項2に記載に記載の刷版供給装置において、
前記識別手段は、前記刷版搬送機構に付設されたセンサである刷版供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−247580(P2008−247580A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93324(P2007−93324)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】