刻印によって非平面基板に薄層を堆積するシステム及び方法
弾性刻印機が非平面基板上に材料を堆積するために使用される。真空型は、弾性刻印機を変形させるために使用され、刻印機から材料を基板に転写するために圧力が加えられる。真空型によって適用される真空を低下させることによって、刻印機の弾性がこの圧力を加えるために使用され得る。基板及び/又は刻印機に対して力を加えることによって圧力も加えられ得る。弾性刻印機の使用によって、パターニングされた層に対する損傷の可能性を低下しながら非平面基板にパターニングされた層が堆積されることが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空軍科学研究局によって与えられた規約番号FA9550−06−1−0254及びNSFによって与えられた規約番号DMR0213706の下にアメリカ政府支援を有してなされた。本政府は、本発明の特定の権利を有する。
【0002】
特許請求の範囲に記載された発明は、共同大学協力研究協定に対する以下の関係者の1つ又は複数の代表として及び/又は共同大学協力研究協定に対する以下の関係者に関連してなされた:プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学及びユニバーサルディスプレイ社。この協定は、特許請求の範囲に記載された発明がなされた日及びその前から有効であり、特許請求の範囲に記載された発明は、この協定の範囲内で行われる活動の結果としてなされた。
【0003】
本発明は、刻印機を用いて非平面基板に材料を堆積することに関連する。より具体的には、それは、弾性刻印機と真空型とを用いて非平面基板に金属層を堆積することに関連する。
【背景技術】
【0004】
金属、有機物及び他の固体材料は、フレキシブル基板上に堆積され得る。次いで、それは、材料が堆積された後に所定の形状に変形される。例えば、有機発光装置に使用されるフレキシブル基板上に金属電極が堆積され得る。しかしながら、特定の点上で基板が変形される場合に基板上に堆積されるフレキシブル基板及び/又は他の層が損傷されたり破壊されたりするので、このような基板は任意の形状の装置が形成されることを可能にしない。例えば、フレキシブルなインジウムスズ酸化物(ITO)基板は巻かれることがあるが、基板または基板上の層を損傷することなくドームまたは他の楕円形状に変形されることができない。非平面基板上の材料の堆積は、有機発光装置及び光検出装置並びに他の光学用途を含む多様な用途において有用であろう。しかしながら、非平面基板上に対する直接的な材料の堆積、特にパターニングされる層の材料の堆積は、これまで実現されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、刻印機を用いて非平面基板に材料を堆積することを目的とする。より具体的には、本発明は、弾性刻印機と真空型とを用いて非平面基板に金属層を堆積することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非平面基板に材料を堆積するために弾性刻印機が使用され得る。刻印機が平面構造であるか、刻印機が非平面基板の形状と一般的に同一の形状に変形された後に、この材料は、刻印機に堆積され得る。弾性刻印機は、真空型を用いて変形されてもよく、真空が開放または低下された場合、刻印機は、ほとんど変形しなくなる、すなわち平坦になる。真空が低下される前に刻印機の上に又は上方に基板が配置される場合、刻印機の弾性は、刻印機が基板とコンフォーマルに接触することを引き起こす。圧力が加えられると、刻印機上の材料は、基板に転写され得る。基板及び/又は刻印機あるいはそれらの両方に力を加えることによって、刻印機の弾性のために圧力が加えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1Aは、真空型上の弾性刻印機を示す。
【図1B】図1Bは、真空型上の変形された弾性刻印機を示す。
【図1C】図1Cは、基板と湾曲表面との間に配置された弾性刻印機を示す。
【図2】図2は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図3】図3は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図4】図4は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図5】図5は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図6】図6は、円形の非平面基板を示す。
【図7A】図7Aは、楕円基板の側方断面を示す。
【図7B】図7Bは、図7Aに示される楕円基板の底面図を示す。
【図8A】図8Aは、パターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8B】図8Bは、堆積される材料で被覆されたパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8C】図8Cは、基板と接触する、被覆されパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8D】図8Dは、基板と接触する、被覆されパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図9A】図9Aは、基板に堆積されパターニングされたAu層を有する非平面基板を示す。
【図9B】図9Bは、基板に堆積されパターニングされたAg層を有する非平面基板を示す。
【図9C】図9Cは、マトリクス状に配置された層を有する非平面基板を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
真空型は、開口を有する堅いケーシングと、真空源に接続される内部キャビティとを有する。弾性刻印機(elastomeric stamp)は、その開口上に配置され、その内部キャビティに対して真空を適用することによって変形され得る。弾性刻印機は、材料の堆積、特に非平面基板上におけるパターニングされた層の堆積に適合され得ることが見出されている。非平面基板に層を堆積することにおける過去の努力は、この刻印機が基板の形状に変形する際に硬質な非弾性刻印機に堆積される材料がクラックを生じたり破壊したりする傾向があるので、困難性と効果がないことを示している。ここに示されるような弾性刻印機の使用は、このような問題を低減し得ると思われる。弾性刻印機は、平面基板上における堆積を容易にするために、刻印機が変形され、被覆上における歪みを減少させた後に又は刻印機が変形される前に堆積される材料で容易に被覆されることができる刻印機の使用を可能にし得る。それは、刻印機の材料が刻印機の表面に沿って若干“スライド”することをさらに可能にし、刻印機が変形される際に材料の“集積(バンチング)”による歪み及び損傷を防止する。例えば、非弾性刻印機が基板に堆積される金属で被覆され、金属が刻印機の凹面にあるように刻印機が変形される場合、刻印機が平面構造の場合より金属被覆が相対的に少量の刻印機を覆うように、金属被覆は、刻印機に対して移動し得る。従って、金属被覆は、刻印機の表面積または形状の変化によって伸縮せず、変形によって損傷することが少ない。
【0009】
ここに記載された方法及びシステムは、小規模の及び/又は感度が高い装置(sensitive devices)、または、感度が高い材料または層の堆積を必要とする装置の製造に特に有用であり得る。例えば、それらは、光検出器及び有機発光ダイオード(OLED)などの光電子デバイスの製造において好まれ得る。このような装置は、しばしば、変形、熱、圧力およびそれらの同等物に敏感である材料を使用する。それらは、電極等において金属の薄層を使用し得る。ここで、それは、後に堆積される有機層または他の感度の高い層に対する損傷を避けるためにミクロンまたはナノメートルスケールで相対的に平滑である金属層において望まれ得る。これらの材料の感度は、上記で検討される非平面基板における薄層の堆積の困難性をさらに強め得る。それは、それらが変形、伸縮及びそれらの同等物によって引き起こされる基板の損傷に対して特に敏感であり得るからである。以下にさらに詳細に記載されるように、ここに記載される方法及びシステムの使用は、非平面基板に適用される場合、一般的な堆積の方法に内在する問題を低減させ、光検出器及びOLEDなどの光電子デバイスの製造を可能にする。例えば、それらは、5nmから3μmの最も小さな寸法を有するパターンを有する層を堆積するのに有用であり得る。
【0010】
例示的な真空型100及び弾性刻印機150は、図1Aに示される。ここに記載される図は正しいスケールで記載されておらず、明確性のために一部の形状が誇張されたり省略されたりされ得る。例示的な目的で長方形の型が示されているが、真空型は、如何なる形状であってもよい。例えば、円筒状の真空型は、真空源に接続される内部構造を有し得る。弾性刻印機は、円筒状の型、すなわち表面が円形端部表面ではない型の側部の開口上に配置され得る。真空源によって真空が適用されると、弾性刻印機は、円筒状の真空型の内部構造に向かって変形し得る。他の形状及び構造の真空型が使用され得る。
【0011】
ここに記載されるような真空型及び弾性刻印機は、半球形基板、または、ロールトゥーロールまたは同様の工程を使用し得ない他の非平面構造などの、二次元曲線を有する非平面基板上に材料を堆積するのに特に有用であり得る。
【0012】
真空型100は、真空型の第2の開口120などによって真空源に接続される内部キャビティ110を有する。弾性刻印機150は、真空型の主たる開口140上に配置され、この開口の周囲に密閉される。真空型に真空が適用されると、弾性刻印機は、真空型に向かって変形され得る。
【0013】
真空型は、透過性又は半透過性の表面130を有し得る。このような表面は、弾性刻印機150が所望の量を超えて真空型に向かって変形することを防止することが望まれる。
材料が堆積される基板として一般的な形状をその表面130が有する場合などに、それは、刻印機を特定の所定の形状に変形させるために使用され得る。好ましくは、それは、図1Aに示される外表面131などの、真空チャンバーから離れた方向に凹面である表面を有する。図1Bは、真空型100の内部キャビティ110に適用される真空によって部分的に変形される弾性刻印機150を示す。以下にさらに詳細に検討されるように、刻印機150は、それが表面130と接触するまで、または、それが、図1Aに示される平面構造と、刻印機が表面130と接触する構造との間の構造に変形するまで変形され得る。
【0014】
材料が弾性刻印機によって堆積される基板と同一形状を一般的に有することが表面130に対して好ましい。例えば、基板による刻印機上に与えられる圧力のために基板に刻印機から材料が転写される場合、表面130は、材料の転写中に刻印機に対する支持を提供する。ここに使用されるように、薄い弾性シートが表面130と基板表面との間に配置され、弾性刻印機からの材料を基板に転写するために通常使用される程度の圧力が一方または両方の表面に加えられる場合、“一般的に同一形状”であると考えられる各々の表面の領域が、弾性シートとコンフォーマルに接触する領域である。例えば、図1Cを参照すると、基板160は、変化する曲面の部分を有する上部表面を有する真空型170上に配置される。弾性シート165が基板160と型170との間に配置され、圧力が加えられると、基板表面と型の表面の部分は、弾性シートにコンフォーマルに接触する。中心領域180において、各々の表面は、シートにコンフォーマルに接触し、従ってこれらの表面のこの領域は、同一の一般的な形状を有するように又は一般的に同一の形状であるように記載され得る。外部領域190は、シートにコンフォーマルに接触せず、従ってこれらの領域は、一般的に同一形状ではない。
【0015】
2つの表面が一般的に同一形状である程度は、表面間に配置される弾性刻印機が両方の表面とコンフォーマルに接触するように変形する程度に基づいて定量化される。ここで使用されるように、弾性刻印機がそれらの間に配置され、弾性刻印機からの材料を基板に転写するために使用される一般的な圧力が加えられる際、弾性刻印機の各々の表面が、近接する表面とコンフォーマルに接触するために1μmを超えて変形しない場合、2つの表面は、一般的に同一形状である。
【0016】
弾性刻印機は、非平面基板上に材料を堆積するために使用され得る。好ましくは二次元曲線を有する少なくとも1つの表面を有する基板を有するあらゆる平面基板が使用され得る。堆積される材料は、他の材料も使用されることができるが、好ましくは金属または金属化合物である。この刻印機が平面構造であるか、この刻印機が一般的に非平面基板の形状と同一の形状に変形された後に、この材料は、刻印機上に堆積され得る。この弾性刻印機は、真空型を用いて変形され、この真空が開放され又は低下した場合、刻印機は、ほとんど変形しなくなり、すなわち、より平坦になり得る。被覆された刻印機から材料を基板に転写するために圧力が印加され得る。基板及び/又は刻印機またはそれらの両方に圧力を加えることによって刻印機の弾性のために圧力が印加され得る。
【0017】
図2は、真空型100及び弾性刻印機150を用いて基板200に材料を堆積する方法示す。明確性のために、刻印機の領域の真空型の部分のみが示される。段階201−204は、丸括弧で示される参照符号によって示される。既に記載されたように、弾性刻印機150は、真空型100の開口上に配置され、その開口の端部に密閉される。真空型の内部キャビティ110に真空が提供されると、弾性刻印機が型に向かって変形し得る(201)。刻印機150は、それが変形する前に、すなわち平面構造において、堆積される材料で被覆され、または、それは、真空型に向かって変形された後に被覆され得る。
【0018】
材料が堆積される非平面基板200は、被覆され変形される刻印機上に配置される(202)。円筒の曲線などの一次元曲線を有する基板が使用され得る。好ましくは、この基板は、二次元曲線を有する。一般的に、この基板は、展開可能でない少なくとも一表面を有する。すなわち、この表面は、伸縮、圧縮または裂けることなどの歪みなしに平面上で平坦化されることができないトポロジー形状である。基板全体は、展開可能ではなく、ドームまたは半球形状を有するように薄層を変形することによって基板が生成されるようなものである。刻印機表面から材料を基板に転写するために基板200と被覆された刻印機150との間に圧力が加えられ得る。例えば、図2に示すように、真空が開放または低下され得る。次いで、刻印機の弾性特性のために、刻印機は、それが基板とコンフォーマルに接触するまで緩和される(203)。基板と刻印機との間に力を与えるために他の手段が使用されてもよい。基板と刻印機との間に圧力が加えられた後、刻印きは、基板から取り除かれ得る。材料の層210が基板表面に堆積される。この材料は、図2に示されるような曲表面などの、基板の全表面上に堆積され、又は、それは、基板表面の一部のみに堆積され得る。
【0019】
刻印機と基板との間に圧力を直接加えることによって刻印機から基板に材料が転写され得る。図3は、弾性刻印機を用いて非平面基板に材料の層を堆積する方法を示す。以前に記載されたように、刻印機は、変形され、堆積される材料で被覆される(301)。刻印機150は、それが変形される前に、すなわち、平面構造において、堆積される材料で被覆され、又は、それは、真空型に向かって変形された後に被覆され得る。刻印機は、それが表面130に接触するまで、真空型100に向かって変形され得る。好ましくは、刻印機は、表面130を変形し得る。刻印機が真空型に向かって変形される一方で、基板200は、刻印機上に配置され(302)、刻印機から材料を基板に転写するために刻印機と基板との間に圧力が加えられ得る。例えば、基板に力が加えられ得る。次いで、基板は、堆積された層210を有して刻印機が取り除かれる(303)。
【0020】
真空型は、材料が転写された後、基板から刻印機を取り除くために使用され得る。例えば、図4は、図3に示されるものと同様の工程を示す。図4において、弾性刻印機150は、変形された形状で固定される(401)。例えば、平坦なPDMS刻印機は、真空型上に配置され、所定の形状に刻印機を変形させるために真空が適用され得る。次いで、所定の構造で刻印機を固定するために加熱が行われ得る。例えば、PDMS刻印機が約135℃まで加熱される場合、それは、加熱が行われた際に変形された形状を保持するだろう。刻印機は、変形された形状に固定された後、さらに変形され得るが、さらなる変形力が取り除かれると、刻印機は、固定された形状に戻るだろう。刻印機は、刻印機をさらに変形及び加熱することによって新たな形状に固定され得る。紫外線などの放射線、熱、化学反応または他の工程を用いた硬化によって固定され得る弾性材料などの他の材料及び工程は、所望の形状の刻印機を形成するために使用され得る。刻印機は、それが、変形された形状に固定された後に、堆積される材料で被覆され、又は、それは、平面形状である一方で、それが変形される形状で固定される前に被覆され得る。基板200は、被覆されて予め変形された刻印機に対して配置され、刻印機から材料を基板に転写するために刻印機と基板との間に圧力が印加され得る(402)。次いで、被覆された基板は、刻印機から取り除かれ得る(403)。
【0021】
図2に関して以前に記載されたように、弾性刻印機の弾性は、刻印機と非平面基板との間に圧力を与えるために利用されることもできる。図5を参照すると、予め変形され被覆された刻印機は、図4に関して以前に記載されたように真空型に取り付けられ得る(501)。予め変形された刻印機は、真空型への真空の適用によって真空型に向かってさらに変形されてもよく、基板は、刻印機上に配置され得る(502)。真空が低下または取り除かれると、刻印機の弾性は、固定され変形された形状にそれを戻すことを引き起こし、非平面基板とのコンフォーマルな接触をもたらす(503)。刻印機の弾性は、刻印機が基板に対して圧力を加えることをさらに引き起こすかもしれず、刻印機から材料を基板に転写する。材料が転写された後、刻印機をさらに変形し、刻印機から基板を取り除くためにこの型に真空が適用され得る(504)。
【0022】
図2から5において示された様々な方法の段階は、参照符号によって示されたものと異なる順序で実施し得る。例えば、弾性刻印機は、真空型に配置され及び/又は密閉される前に、堆積される材料で被覆され得る。それは、変形される前に及び/又は変形された形状で固定される前に被覆され得る。示された順序からの他の変更は、ここに記載された結果に影響を与えることなく使用され得る。
【0023】
様々な基板形状が使用され得る。楕円形または半球形である表面を有する基板が望ましい。楕円表面は、ある軸の周りの楕円曲線の回転によって形成されるものである。半球形表面は、円弧である断面を有するものである。半球形基板は、基板の断面によって範囲を定められる角度によって特徴付けられ得る。例えば、図6は、角度θの範囲を定める基板を示す。それは、60から120°の角度の範囲を定めるために円形基板において望ましいかもしれない。他の形状が使用され得る。一般的に、非平面基板は、少なくとも1つの連続湾曲表面を有する。非平面基板は、基板の平坦な表面を横切って測定される主軸、及び、基板の湾曲表面における点に対する基板の平坦な表面に垂直なラインに沿って測定される基板の最大高さによってさらに特徴付けられ得る。図7Aは、最大高さhを有する、平坦な表面及び湾曲表面を有する非平面基板の断面を示す。図7Bは、特定される主軸wを有する、図7Aに記載されるのと同一の基板の底面図を示す。平坦な基部を有する楕円基板において、主軸は、基板の基部によって形成された楕円の主軸と同一である。非平面基板が平坦な表面を有しない場合、主軸は、上または下から見た場合、基板によって画定される形状に対して同一であると認識され得る。例えば、凸状の外表面及び凹状の内表面を有する、薄いドーム形状の又は半球形の基板は、下から見た際に楕円または円を画定する。他の基板の形状においては、主軸は、下から見た際に基板の平坦な表面を横切って又は基板によって画定される形状を横切って測定される最も長い距離として認識され得る。一般的に、非平面基板の主軸に対する非平面基板の最大高さの比は、少なくとも0.1であることが好ましい。
【0024】
刻印機及び基板が構造(203)、(302)、(402)または(503)などのように接触する一方で、様々な工程は、弾性刻印機から基板への材料の転写を達成するために使用され得る。材料を転写する好ましい方法は、冷間溶接の使用である。ここに記載されるように、冷間溶接は、2つの金属間の結合などの、圧力の印加による室温における同様の料状の結合を参照する。冷間溶接に関する追加の情報は、キムらによって2003年3月13日付けで出願された米国出願番号10/387,925に提供され、この開示は参照することによって完全に含まれる。堆積される材料の特性も使用され得る。例えば、基板及び刻印機は、その材料の自己組立単層(self-assembled monolayer)が基板上に形成されることを可能にするのに十分な時間にわたって接触をもたらされ得る。化学反応は、材料の転写を補助し、又は、基板と堆積された材料との間の結合を強固にするために生じたり、引き起こされ得る。追加の硬化又は結合剤は、材料の転写を改善し又は材料の転写に影響を与えるために使用され得る。例えば、熱、紫外線または酸化剤は、刻印機、基板またはそれらの両方に適用され得る。このような薬剤は、以前に参照された形状に適用され、又は、それらは、刻印機または基板が接触する前に適用され得る。刻印機に基板を配置する前に、刻印機、基板またはそれらの両方をプラズマ酸化工程で処理することが望ましく、このような処理は、基板に堆積される材料の付着を改善するものと認められている。
【0025】
電極が堆積される場合などに、刻印機がパターニングされることが望ましい。好ましくは、このパターンは、刻印機の基部から5nmから3μm延長する形状をもたらす。図8Aは、刻印機の基部からの距離802だけ延びる隆起した形状801を有する例示的なパターニングされた弾性刻印機800を示す。隆起した形状801は、全て同一の寸法を有し、又は、様々なパターンが使用され得る。特定の例として、光電子デバイスの使用における電極を堆積するために刻印機が使用される場合、隆起した形状は、格子、平行ストリップまたは他のパターンなどの、このような電極において有用なパターンにおいて配置され得る。図8Bは、基板上に堆積される材料で被覆された、パターニングされた弾性刻印機を示す。この刻印機は、従来技術で知られる堆積技術を用いて、パターン形状810の外表面上に、パターン形状820間の空間内に、又はそれらの両方に被覆され得る。
パターンが被覆された後、材料は、既に記載されたような基板と刻印機との間に圧力を加えることによって基板200に転写され得る。図8Cは、基板に材料を転写するパターニングされた刻印機を示す。パターン形状間の領域が被覆される場合、刻印機を圧縮するために十分な圧力を加えることによって材料は転写されてもよく、これらの領域が、図8Dに示されるように、基板と接触をもたらされる。図8C及び8Dは明確性のために平面基板を示しているが、既に記載されたような非平面基板が使用され得ることは理解されるだろう。
【0026】
弾性刻印機は、好ましくはPDMSを有する、あらゆる適切な材料で作られ得る。刻印きは、ハイブリッド刻印機でありえ、すなわち、弾性または硬度が変化する異なる弾性材料の多層を有し得る。例えば、刻印機は、硬質の、より弾性的ではない中心部と、軟質の、より弾性的な外部とを有し得る。刻印機は、傾斜弾性及び/又は硬度を有し得る。このようなハイブリッド刻印機は、高い屈曲を有する基板における堆積に有用であり得る。それが、多かれ少なかれ外部より容易に変形するための刻印機の内部において望ましいからである。ハイブリッド刻印機の特定の形状は、特定の基板に材料を堆積する際に刻印機の各々の領域が経験することが予想される変形の程度に対応され得る。
【0027】
基板は、好ましくはPETgを有する、あらゆる適切な材料であり得る。基板は、均一な金属層で被覆される非平面のPETgドームなどの多層を含み得る。基板は、ストライク層などの追加の予備堆積層を含み得る。それは、基板と刻印機によって堆積された材料との間の結合を高めるために化学的前駆体または放射線などを用いて処理され得る。図1Aに関して記載されるような真空型は、非平面基板を生成するために使用され得る。このような処理は、同一形状を有する変形された弾性刻印機と基板とを作成するために望ましいかもしれない。例えば、PETg基板は、図1の表面130などの凹面を有する真空型に配置され、基板が表面を形成するまで加熱され得る。次いで、基板は取り除かれ、弾性刻印機は、既に記載されたように型に配置され、変形され得る。次いで、基板は、被覆された刻印機から材料の基板に転写するために、被覆され変形された刻印機上に配置され得る。
【0028】
(実験)
PDMS刻印機は、パターニングされたSiマスターから複製された。硬化剤及びPDMSプレポリマー(SYLGARD 184 Silicone Elastomer Kit, Dow Corning)は、1:7の重量比で混合された。10分間真空箱でガスを抜いた後、混合物は、30秒間300rpmでSiマスターを回転することによってSiマスター上に堆積された。PDMSプレポリマーは、1時間100℃で硬化され、次いで、200μmのPDMS刻印機は、そのマスターから剥がされた。
【0029】
200ÅのAu層及び10ÅのCrの接着減少層(adhesion reduction layer)は、電子ビーム堆積によってフレキシブルなPDMS刻印機に堆積された。金属層全体の透過率は、可視波長範囲の30から40%に達した。シート抵抗は、ITOの導電率に相当する150Ω/squareであった。PDMS型は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)によって平坦化され、金属膜の総厚は、同一の導電率を有して100Åまで低減され得た。透過率は、可視波長範囲の40から60%まで増加される。
【0030】
グリコール改質ポリエチレンテレフタレート(PETg)は、比較的低い135℃の成形温度のために球形基板を形成するために使用された。平坦なPETg基板は、図1に示されるようなステンレス鋼の型に配置された。平坦なPETg基板は、2分間135℃で加熱することによってその型の形状に変形された。その型のドームの半径は、2cmであり、その形状は、120°の角度の範囲を定める円弧の形状であった。
【0031】
薄い金属膜で被覆されたPDMS型は、真空型に変形された。次いで、予め変形されたPETg基板は、型の開口に配置された。真空が低下され、弾性的なPDMS刻印機が緩和し、PETg基板とコンフォーマルに接触することを引き起こした。5分間80℃で加熱した後、金属パターンは、PETg基板に転写された。次いで、真空が、PDMS刻印機からPETgを取り除くために再適用された。この方法を用いて、200ÅのAu陰極及び500ÅのAg陽極が図9A及び9Bにそれぞれ示されるようにPETg基板上に実現された。このパターンは、0.5mmの間隔を有して0.4mmの幅である。図9Cは、Au陰極及びAg陽極を有する16×16のマトリクスを示す。
【0032】
本発明は特定の実施例及び好ましい実施形態に関して記載されたが、本発明がこれらの実施例及び実施形態に限定されないことは理解されるだろう。従って、特許請求の範囲に記載される本発明は、当業者に明らかである、ここに記載される特定の実施例及び好ましい実施形態からの変形を含む。
【符号の説明】
【0033】
100 真空型
110 内部キャビティ
120 開口
130 透過性表面、半透過性表面
131 外表面
140 開口
150 弾性刻印機
160 基板
165 弾性シート
170 真空型
180 中心領域
190 外部領域
200 基板
210 層
800 弾性刻印機
801 隆起した形状
802 距離
810 パターン形状
820 パターン形状
【技術分野】
【0001】
本発明は、空軍科学研究局によって与えられた規約番号FA9550−06−1−0254及びNSFによって与えられた規約番号DMR0213706の下にアメリカ政府支援を有してなされた。本政府は、本発明の特定の権利を有する。
【0002】
特許請求の範囲に記載された発明は、共同大学協力研究協定に対する以下の関係者の1つ又は複数の代表として及び/又は共同大学協力研究協定に対する以下の関係者に関連してなされた:プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学及びユニバーサルディスプレイ社。この協定は、特許請求の範囲に記載された発明がなされた日及びその前から有効であり、特許請求の範囲に記載された発明は、この協定の範囲内で行われる活動の結果としてなされた。
【0003】
本発明は、刻印機を用いて非平面基板に材料を堆積することに関連する。より具体的には、それは、弾性刻印機と真空型とを用いて非平面基板に金属層を堆積することに関連する。
【背景技術】
【0004】
金属、有機物及び他の固体材料は、フレキシブル基板上に堆積され得る。次いで、それは、材料が堆積された後に所定の形状に変形される。例えば、有機発光装置に使用されるフレキシブル基板上に金属電極が堆積され得る。しかしながら、特定の点上で基板が変形される場合に基板上に堆積されるフレキシブル基板及び/又は他の層が損傷されたり破壊されたりするので、このような基板は任意の形状の装置が形成されることを可能にしない。例えば、フレキシブルなインジウムスズ酸化物(ITO)基板は巻かれることがあるが、基板または基板上の層を損傷することなくドームまたは他の楕円形状に変形されることができない。非平面基板上の材料の堆積は、有機発光装置及び光検出装置並びに他の光学用途を含む多様な用途において有用であろう。しかしながら、非平面基板上に対する直接的な材料の堆積、特にパターニングされる層の材料の堆積は、これまで実現されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、刻印機を用いて非平面基板に材料を堆積することを目的とする。より具体的には、本発明は、弾性刻印機と真空型とを用いて非平面基板に金属層を堆積することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非平面基板に材料を堆積するために弾性刻印機が使用され得る。刻印機が平面構造であるか、刻印機が非平面基板の形状と一般的に同一の形状に変形された後に、この材料は、刻印機に堆積され得る。弾性刻印機は、真空型を用いて変形されてもよく、真空が開放または低下された場合、刻印機は、ほとんど変形しなくなる、すなわち平坦になる。真空が低下される前に刻印機の上に又は上方に基板が配置される場合、刻印機の弾性は、刻印機が基板とコンフォーマルに接触することを引き起こす。圧力が加えられると、刻印機上の材料は、基板に転写され得る。基板及び/又は刻印機あるいはそれらの両方に力を加えることによって、刻印機の弾性のために圧力が加えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1Aは、真空型上の弾性刻印機を示す。
【図1B】図1Bは、真空型上の変形された弾性刻印機を示す。
【図1C】図1Cは、基板と湾曲表面との間に配置された弾性刻印機を示す。
【図2】図2は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図3】図3は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図4】図4は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図5】図5は、基板上に材料の層を堆積するために使用される真空型と弾性刻印機とを示す。
【図6】図6は、円形の非平面基板を示す。
【図7A】図7Aは、楕円基板の側方断面を示す。
【図7B】図7Bは、図7Aに示される楕円基板の底面図を示す。
【図8A】図8Aは、パターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8B】図8Bは、堆積される材料で被覆されたパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8C】図8Cは、基板と接触する、被覆されパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図8D】図8Dは、基板と接触する、被覆されパターニングされた弾性刻印機を示す。
【図9A】図9Aは、基板に堆積されパターニングされたAu層を有する非平面基板を示す。
【図9B】図9Bは、基板に堆積されパターニングされたAg層を有する非平面基板を示す。
【図9C】図9Cは、マトリクス状に配置された層を有する非平面基板を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
真空型は、開口を有する堅いケーシングと、真空源に接続される内部キャビティとを有する。弾性刻印機(elastomeric stamp)は、その開口上に配置され、その内部キャビティに対して真空を適用することによって変形され得る。弾性刻印機は、材料の堆積、特に非平面基板上におけるパターニングされた層の堆積に適合され得ることが見出されている。非平面基板に層を堆積することにおける過去の努力は、この刻印機が基板の形状に変形する際に硬質な非弾性刻印機に堆積される材料がクラックを生じたり破壊したりする傾向があるので、困難性と効果がないことを示している。ここに示されるような弾性刻印機の使用は、このような問題を低減し得ると思われる。弾性刻印機は、平面基板上における堆積を容易にするために、刻印機が変形され、被覆上における歪みを減少させた後に又は刻印機が変形される前に堆積される材料で容易に被覆されることができる刻印機の使用を可能にし得る。それは、刻印機の材料が刻印機の表面に沿って若干“スライド”することをさらに可能にし、刻印機が変形される際に材料の“集積(バンチング)”による歪み及び損傷を防止する。例えば、非弾性刻印機が基板に堆積される金属で被覆され、金属が刻印機の凹面にあるように刻印機が変形される場合、刻印機が平面構造の場合より金属被覆が相対的に少量の刻印機を覆うように、金属被覆は、刻印機に対して移動し得る。従って、金属被覆は、刻印機の表面積または形状の変化によって伸縮せず、変形によって損傷することが少ない。
【0009】
ここに記載された方法及びシステムは、小規模の及び/又は感度が高い装置(sensitive devices)、または、感度が高い材料または層の堆積を必要とする装置の製造に特に有用であり得る。例えば、それらは、光検出器及び有機発光ダイオード(OLED)などの光電子デバイスの製造において好まれ得る。このような装置は、しばしば、変形、熱、圧力およびそれらの同等物に敏感である材料を使用する。それらは、電極等において金属の薄層を使用し得る。ここで、それは、後に堆積される有機層または他の感度の高い層に対する損傷を避けるためにミクロンまたはナノメートルスケールで相対的に平滑である金属層において望まれ得る。これらの材料の感度は、上記で検討される非平面基板における薄層の堆積の困難性をさらに強め得る。それは、それらが変形、伸縮及びそれらの同等物によって引き起こされる基板の損傷に対して特に敏感であり得るからである。以下にさらに詳細に記載されるように、ここに記載される方法及びシステムの使用は、非平面基板に適用される場合、一般的な堆積の方法に内在する問題を低減させ、光検出器及びOLEDなどの光電子デバイスの製造を可能にする。例えば、それらは、5nmから3μmの最も小さな寸法を有するパターンを有する層を堆積するのに有用であり得る。
【0010】
例示的な真空型100及び弾性刻印機150は、図1Aに示される。ここに記載される図は正しいスケールで記載されておらず、明確性のために一部の形状が誇張されたり省略されたりされ得る。例示的な目的で長方形の型が示されているが、真空型は、如何なる形状であってもよい。例えば、円筒状の真空型は、真空源に接続される内部構造を有し得る。弾性刻印機は、円筒状の型、すなわち表面が円形端部表面ではない型の側部の開口上に配置され得る。真空源によって真空が適用されると、弾性刻印機は、円筒状の真空型の内部構造に向かって変形し得る。他の形状及び構造の真空型が使用され得る。
【0011】
ここに記載されるような真空型及び弾性刻印機は、半球形基板、または、ロールトゥーロールまたは同様の工程を使用し得ない他の非平面構造などの、二次元曲線を有する非平面基板上に材料を堆積するのに特に有用であり得る。
【0012】
真空型100は、真空型の第2の開口120などによって真空源に接続される内部キャビティ110を有する。弾性刻印機150は、真空型の主たる開口140上に配置され、この開口の周囲に密閉される。真空型に真空が適用されると、弾性刻印機は、真空型に向かって変形され得る。
【0013】
真空型は、透過性又は半透過性の表面130を有し得る。このような表面は、弾性刻印機150が所望の量を超えて真空型に向かって変形することを防止することが望まれる。
材料が堆積される基板として一般的な形状をその表面130が有する場合などに、それは、刻印機を特定の所定の形状に変形させるために使用され得る。好ましくは、それは、図1Aに示される外表面131などの、真空チャンバーから離れた方向に凹面である表面を有する。図1Bは、真空型100の内部キャビティ110に適用される真空によって部分的に変形される弾性刻印機150を示す。以下にさらに詳細に検討されるように、刻印機150は、それが表面130と接触するまで、または、それが、図1Aに示される平面構造と、刻印機が表面130と接触する構造との間の構造に変形するまで変形され得る。
【0014】
材料が弾性刻印機によって堆積される基板と同一形状を一般的に有することが表面130に対して好ましい。例えば、基板による刻印機上に与えられる圧力のために基板に刻印機から材料が転写される場合、表面130は、材料の転写中に刻印機に対する支持を提供する。ここに使用されるように、薄い弾性シートが表面130と基板表面との間に配置され、弾性刻印機からの材料を基板に転写するために通常使用される程度の圧力が一方または両方の表面に加えられる場合、“一般的に同一形状”であると考えられる各々の表面の領域が、弾性シートとコンフォーマルに接触する領域である。例えば、図1Cを参照すると、基板160は、変化する曲面の部分を有する上部表面を有する真空型170上に配置される。弾性シート165が基板160と型170との間に配置され、圧力が加えられると、基板表面と型の表面の部分は、弾性シートにコンフォーマルに接触する。中心領域180において、各々の表面は、シートにコンフォーマルに接触し、従ってこれらの表面のこの領域は、同一の一般的な形状を有するように又は一般的に同一の形状であるように記載され得る。外部領域190は、シートにコンフォーマルに接触せず、従ってこれらの領域は、一般的に同一形状ではない。
【0015】
2つの表面が一般的に同一形状である程度は、表面間に配置される弾性刻印機が両方の表面とコンフォーマルに接触するように変形する程度に基づいて定量化される。ここで使用されるように、弾性刻印機がそれらの間に配置され、弾性刻印機からの材料を基板に転写するために使用される一般的な圧力が加えられる際、弾性刻印機の各々の表面が、近接する表面とコンフォーマルに接触するために1μmを超えて変形しない場合、2つの表面は、一般的に同一形状である。
【0016】
弾性刻印機は、非平面基板上に材料を堆積するために使用され得る。好ましくは二次元曲線を有する少なくとも1つの表面を有する基板を有するあらゆる平面基板が使用され得る。堆積される材料は、他の材料も使用されることができるが、好ましくは金属または金属化合物である。この刻印機が平面構造であるか、この刻印機が一般的に非平面基板の形状と同一の形状に変形された後に、この材料は、刻印機上に堆積され得る。この弾性刻印機は、真空型を用いて変形され、この真空が開放され又は低下した場合、刻印機は、ほとんど変形しなくなり、すなわち、より平坦になり得る。被覆された刻印機から材料を基板に転写するために圧力が印加され得る。基板及び/又は刻印機またはそれらの両方に圧力を加えることによって刻印機の弾性のために圧力が印加され得る。
【0017】
図2は、真空型100及び弾性刻印機150を用いて基板200に材料を堆積する方法示す。明確性のために、刻印機の領域の真空型の部分のみが示される。段階201−204は、丸括弧で示される参照符号によって示される。既に記載されたように、弾性刻印機150は、真空型100の開口上に配置され、その開口の端部に密閉される。真空型の内部キャビティ110に真空が提供されると、弾性刻印機が型に向かって変形し得る(201)。刻印機150は、それが変形する前に、すなわち平面構造において、堆積される材料で被覆され、または、それは、真空型に向かって変形された後に被覆され得る。
【0018】
材料が堆積される非平面基板200は、被覆され変形される刻印機上に配置される(202)。円筒の曲線などの一次元曲線を有する基板が使用され得る。好ましくは、この基板は、二次元曲線を有する。一般的に、この基板は、展開可能でない少なくとも一表面を有する。すなわち、この表面は、伸縮、圧縮または裂けることなどの歪みなしに平面上で平坦化されることができないトポロジー形状である。基板全体は、展開可能ではなく、ドームまたは半球形状を有するように薄層を変形することによって基板が生成されるようなものである。刻印機表面から材料を基板に転写するために基板200と被覆された刻印機150との間に圧力が加えられ得る。例えば、図2に示すように、真空が開放または低下され得る。次いで、刻印機の弾性特性のために、刻印機は、それが基板とコンフォーマルに接触するまで緩和される(203)。基板と刻印機との間に力を与えるために他の手段が使用されてもよい。基板と刻印機との間に圧力が加えられた後、刻印きは、基板から取り除かれ得る。材料の層210が基板表面に堆積される。この材料は、図2に示されるような曲表面などの、基板の全表面上に堆積され、又は、それは、基板表面の一部のみに堆積され得る。
【0019】
刻印機と基板との間に圧力を直接加えることによって刻印機から基板に材料が転写され得る。図3は、弾性刻印機を用いて非平面基板に材料の層を堆積する方法を示す。以前に記載されたように、刻印機は、変形され、堆積される材料で被覆される(301)。刻印機150は、それが変形される前に、すなわち、平面構造において、堆積される材料で被覆され、又は、それは、真空型に向かって変形された後に被覆され得る。刻印機は、それが表面130に接触するまで、真空型100に向かって変形され得る。好ましくは、刻印機は、表面130を変形し得る。刻印機が真空型に向かって変形される一方で、基板200は、刻印機上に配置され(302)、刻印機から材料を基板に転写するために刻印機と基板との間に圧力が加えられ得る。例えば、基板に力が加えられ得る。次いで、基板は、堆積された層210を有して刻印機が取り除かれる(303)。
【0020】
真空型は、材料が転写された後、基板から刻印機を取り除くために使用され得る。例えば、図4は、図3に示されるものと同様の工程を示す。図4において、弾性刻印機150は、変形された形状で固定される(401)。例えば、平坦なPDMS刻印機は、真空型上に配置され、所定の形状に刻印機を変形させるために真空が適用され得る。次いで、所定の構造で刻印機を固定するために加熱が行われ得る。例えば、PDMS刻印機が約135℃まで加熱される場合、それは、加熱が行われた際に変形された形状を保持するだろう。刻印機は、変形された形状に固定された後、さらに変形され得るが、さらなる変形力が取り除かれると、刻印機は、固定された形状に戻るだろう。刻印機は、刻印機をさらに変形及び加熱することによって新たな形状に固定され得る。紫外線などの放射線、熱、化学反応または他の工程を用いた硬化によって固定され得る弾性材料などの他の材料及び工程は、所望の形状の刻印機を形成するために使用され得る。刻印機は、それが、変形された形状に固定された後に、堆積される材料で被覆され、又は、それは、平面形状である一方で、それが変形される形状で固定される前に被覆され得る。基板200は、被覆されて予め変形された刻印機に対して配置され、刻印機から材料を基板に転写するために刻印機と基板との間に圧力が印加され得る(402)。次いで、被覆された基板は、刻印機から取り除かれ得る(403)。
【0021】
図2に関して以前に記載されたように、弾性刻印機の弾性は、刻印機と非平面基板との間に圧力を与えるために利用されることもできる。図5を参照すると、予め変形され被覆された刻印機は、図4に関して以前に記載されたように真空型に取り付けられ得る(501)。予め変形された刻印機は、真空型への真空の適用によって真空型に向かってさらに変形されてもよく、基板は、刻印機上に配置され得る(502)。真空が低下または取り除かれると、刻印機の弾性は、固定され変形された形状にそれを戻すことを引き起こし、非平面基板とのコンフォーマルな接触をもたらす(503)。刻印機の弾性は、刻印機が基板に対して圧力を加えることをさらに引き起こすかもしれず、刻印機から材料を基板に転写する。材料が転写された後、刻印機をさらに変形し、刻印機から基板を取り除くためにこの型に真空が適用され得る(504)。
【0022】
図2から5において示された様々な方法の段階は、参照符号によって示されたものと異なる順序で実施し得る。例えば、弾性刻印機は、真空型に配置され及び/又は密閉される前に、堆積される材料で被覆され得る。それは、変形される前に及び/又は変形された形状で固定される前に被覆され得る。示された順序からの他の変更は、ここに記載された結果に影響を与えることなく使用され得る。
【0023】
様々な基板形状が使用され得る。楕円形または半球形である表面を有する基板が望ましい。楕円表面は、ある軸の周りの楕円曲線の回転によって形成されるものである。半球形表面は、円弧である断面を有するものである。半球形基板は、基板の断面によって範囲を定められる角度によって特徴付けられ得る。例えば、図6は、角度θの範囲を定める基板を示す。それは、60から120°の角度の範囲を定めるために円形基板において望ましいかもしれない。他の形状が使用され得る。一般的に、非平面基板は、少なくとも1つの連続湾曲表面を有する。非平面基板は、基板の平坦な表面を横切って測定される主軸、及び、基板の湾曲表面における点に対する基板の平坦な表面に垂直なラインに沿って測定される基板の最大高さによってさらに特徴付けられ得る。図7Aは、最大高さhを有する、平坦な表面及び湾曲表面を有する非平面基板の断面を示す。図7Bは、特定される主軸wを有する、図7Aに記載されるのと同一の基板の底面図を示す。平坦な基部を有する楕円基板において、主軸は、基板の基部によって形成された楕円の主軸と同一である。非平面基板が平坦な表面を有しない場合、主軸は、上または下から見た場合、基板によって画定される形状に対して同一であると認識され得る。例えば、凸状の外表面及び凹状の内表面を有する、薄いドーム形状の又は半球形の基板は、下から見た際に楕円または円を画定する。他の基板の形状においては、主軸は、下から見た際に基板の平坦な表面を横切って又は基板によって画定される形状を横切って測定される最も長い距離として認識され得る。一般的に、非平面基板の主軸に対する非平面基板の最大高さの比は、少なくとも0.1であることが好ましい。
【0024】
刻印機及び基板が構造(203)、(302)、(402)または(503)などのように接触する一方で、様々な工程は、弾性刻印機から基板への材料の転写を達成するために使用され得る。材料を転写する好ましい方法は、冷間溶接の使用である。ここに記載されるように、冷間溶接は、2つの金属間の結合などの、圧力の印加による室温における同様の料状の結合を参照する。冷間溶接に関する追加の情報は、キムらによって2003年3月13日付けで出願された米国出願番号10/387,925に提供され、この開示は参照することによって完全に含まれる。堆積される材料の特性も使用され得る。例えば、基板及び刻印機は、その材料の自己組立単層(self-assembled monolayer)が基板上に形成されることを可能にするのに十分な時間にわたって接触をもたらされ得る。化学反応は、材料の転写を補助し、又は、基板と堆積された材料との間の結合を強固にするために生じたり、引き起こされ得る。追加の硬化又は結合剤は、材料の転写を改善し又は材料の転写に影響を与えるために使用され得る。例えば、熱、紫外線または酸化剤は、刻印機、基板またはそれらの両方に適用され得る。このような薬剤は、以前に参照された形状に適用され、又は、それらは、刻印機または基板が接触する前に適用され得る。刻印機に基板を配置する前に、刻印機、基板またはそれらの両方をプラズマ酸化工程で処理することが望ましく、このような処理は、基板に堆積される材料の付着を改善するものと認められている。
【0025】
電極が堆積される場合などに、刻印機がパターニングされることが望ましい。好ましくは、このパターンは、刻印機の基部から5nmから3μm延長する形状をもたらす。図8Aは、刻印機の基部からの距離802だけ延びる隆起した形状801を有する例示的なパターニングされた弾性刻印機800を示す。隆起した形状801は、全て同一の寸法を有し、又は、様々なパターンが使用され得る。特定の例として、光電子デバイスの使用における電極を堆積するために刻印機が使用される場合、隆起した形状は、格子、平行ストリップまたは他のパターンなどの、このような電極において有用なパターンにおいて配置され得る。図8Bは、基板上に堆積される材料で被覆された、パターニングされた弾性刻印機を示す。この刻印機は、従来技術で知られる堆積技術を用いて、パターン形状810の外表面上に、パターン形状820間の空間内に、又はそれらの両方に被覆され得る。
パターンが被覆された後、材料は、既に記載されたような基板と刻印機との間に圧力を加えることによって基板200に転写され得る。図8Cは、基板に材料を転写するパターニングされた刻印機を示す。パターン形状間の領域が被覆される場合、刻印機を圧縮するために十分な圧力を加えることによって材料は転写されてもよく、これらの領域が、図8Dに示されるように、基板と接触をもたらされる。図8C及び8Dは明確性のために平面基板を示しているが、既に記載されたような非平面基板が使用され得ることは理解されるだろう。
【0026】
弾性刻印機は、好ましくはPDMSを有する、あらゆる適切な材料で作られ得る。刻印きは、ハイブリッド刻印機でありえ、すなわち、弾性または硬度が変化する異なる弾性材料の多層を有し得る。例えば、刻印機は、硬質の、より弾性的ではない中心部と、軟質の、より弾性的な外部とを有し得る。刻印機は、傾斜弾性及び/又は硬度を有し得る。このようなハイブリッド刻印機は、高い屈曲を有する基板における堆積に有用であり得る。それが、多かれ少なかれ外部より容易に変形するための刻印機の内部において望ましいからである。ハイブリッド刻印機の特定の形状は、特定の基板に材料を堆積する際に刻印機の各々の領域が経験することが予想される変形の程度に対応され得る。
【0027】
基板は、好ましくはPETgを有する、あらゆる適切な材料であり得る。基板は、均一な金属層で被覆される非平面のPETgドームなどの多層を含み得る。基板は、ストライク層などの追加の予備堆積層を含み得る。それは、基板と刻印機によって堆積された材料との間の結合を高めるために化学的前駆体または放射線などを用いて処理され得る。図1Aに関して記載されるような真空型は、非平面基板を生成するために使用され得る。このような処理は、同一形状を有する変形された弾性刻印機と基板とを作成するために望ましいかもしれない。例えば、PETg基板は、図1の表面130などの凹面を有する真空型に配置され、基板が表面を形成するまで加熱され得る。次いで、基板は取り除かれ、弾性刻印機は、既に記載されたように型に配置され、変形され得る。次いで、基板は、被覆された刻印機から材料の基板に転写するために、被覆され変形された刻印機上に配置され得る。
【0028】
(実験)
PDMS刻印機は、パターニングされたSiマスターから複製された。硬化剤及びPDMSプレポリマー(SYLGARD 184 Silicone Elastomer Kit, Dow Corning)は、1:7の重量比で混合された。10分間真空箱でガスを抜いた後、混合物は、30秒間300rpmでSiマスターを回転することによってSiマスター上に堆積された。PDMSプレポリマーは、1時間100℃で硬化され、次いで、200μmのPDMS刻印機は、そのマスターから剥がされた。
【0029】
200ÅのAu層及び10ÅのCrの接着減少層(adhesion reduction layer)は、電子ビーム堆積によってフレキシブルなPDMS刻印機に堆積された。金属層全体の透過率は、可視波長範囲の30から40%に達した。シート抵抗は、ITOの導電率に相当する150Ω/squareであった。PDMS型は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)によって平坦化され、金属膜の総厚は、同一の導電率を有して100Åまで低減され得た。透過率は、可視波長範囲の40から60%まで増加される。
【0030】
グリコール改質ポリエチレンテレフタレート(PETg)は、比較的低い135℃の成形温度のために球形基板を形成するために使用された。平坦なPETg基板は、図1に示されるようなステンレス鋼の型に配置された。平坦なPETg基板は、2分間135℃で加熱することによってその型の形状に変形された。その型のドームの半径は、2cmであり、その形状は、120°の角度の範囲を定める円弧の形状であった。
【0031】
薄い金属膜で被覆されたPDMS型は、真空型に変形された。次いで、予め変形されたPETg基板は、型の開口に配置された。真空が低下され、弾性的なPDMS刻印機が緩和し、PETg基板とコンフォーマルに接触することを引き起こした。5分間80℃で加熱した後、金属パターンは、PETg基板に転写された。次いで、真空が、PDMS刻印機からPETgを取り除くために再適用された。この方法を用いて、200ÅのAu陰極及び500ÅのAg陽極が図9A及び9Bにそれぞれ示されるようにPETg基板上に実現された。このパターンは、0.5mmの間隔を有して0.4mmの幅である。図9Cは、Au陰極及びAg陽極を有する16×16のマトリクスを示す。
【0032】
本発明は特定の実施例及び好ましい実施形態に関して記載されたが、本発明がこれらの実施例及び実施形態に限定されないことは理解されるだろう。従って、特許請求の範囲に記載される本発明は、当業者に明らかである、ここに記載される特定の実施例及び好ましい実施形態からの変形を含む。
【符号の説明】
【0033】
100 真空型
110 内部キャビティ
120 開口
130 透過性表面、半透過性表面
131 外表面
140 開口
150 弾性刻印機
160 基板
165 弾性シート
170 真空型
180 中心領域
190 外部領域
200 基板
210 層
800 弾性刻印機
801 隆起した形状
802 距離
810 パターン形状
820 パターン形状
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非平面基板に固体材料を堆積する方法であって、
堆積される材料を弾性刻印機の表面に被覆し、
前記弾性刻印機を変形させるために前記弾性刻印機が密閉される真空型に真空を適用し、
前記被覆され変形された弾性刻印機上に前記非平面基板を配置し、
前記被覆され変形された弾性刻印機と前記非平面基板との間に力を加えることによって、前記非平面基板に前記弾性刻印機から前記材料を転写することを含む方法。
【請求項2】
前記非平面基板の少なくとも一表面が二次元曲線を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記刻印機が平面構造であると同時に、前記弾性刻印機の表面が、堆積される前記材料で被覆される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記刻印機が非平面構造であると同時に、前記弾性刻印機の表面が、堆積される前記材料で被覆される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記刻印機の弾性力が、前記刻印機が前記非平面基板に圧力を与えることを引き起こすように、前記刻印機の表面が、前記基板とコンフォーマルに接触するまで、前記非平面基板が前記真空型に対して一定の位置に保持されながら、前記真空型に適用される前記真空を低下させることによって前記力が加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記真空が前記真空型に適用される際、前記真空型が非平面の表面を有し、前記弾性刻印機が前記非平面の表面を形成するように変形する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記弾性刻印機が前記非平面基板と前記真空型の前記非平面の表面との間に押し付けられるように、前記弾性刻印機が前記真空型の前記非平面の表面に接触しながら、前記弾性刻印機に対して前記非平面基板を押し付けることによって前記力が加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記非平面基板が半球形であり、60°から120°の角度の範囲を定める、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記非平面基板が連続的に湾曲しており、前記非平面基板の主軸に対する前記非平面基板の最大高さの比が少なくとも0.1である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆され変形された弾性刻印機と前記非平面基板との間に前記力を加えることによって、前記材料が前記基板に対して冷間溶接する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記非平面基板に対して前記弾性刻印機から前記材料を転写することは、熱を加えること、自己組立単層拡散を用いること、酸化反応を開始すること、化学反応を開始すること、及び、紫外光を適用することの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
堆積された層から前記弾性刻印機を取り除くために前記真空型に対して真空を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
堆積される前記材料が金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記弾性刻印機が、前記刻印機の基部から5nmから3μmまで延びる隆起した形状でパターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記力が加えられる前に、前記基板、前記弾性刻印機またはそれらの両方にプラズマ酸化工程を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1の開口を有する真空チャンバーを備える真空型と、
前記第1の開口の周囲に密閉して取り付けられる弾性シートであって、前記弾性シートが、前記チャンバーから離れた前記弾性シートの側に打刻表面を有する弾性シートと、
を備える装置。
【請求項17】
前記真空型が、前記第1の開口に配置され、前記真空チャンバーから離れた方向に凹面である表面を有する半透過性の表面をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記弾性シートが、(i)前記真空チャンバーに真空が適用された際に前記半透過性の表面を形成するように変形され、(ii)前記真空チャンバーに真空が適用される際に前記半透過性の表面を形成しないように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記半透過性の表面が、前記弾性シートの前記打刻表面によって材料が堆積される基板として一般的な形状を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記刻印表面が、前記第1の開口から離れた方向で5nmから3μmまで延びる隆起した形状でパターニングされる、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記真空チャンバー内に配置される半透過性の表面をさらに備え、前記真空チャンバーに真空が適用される際に前記弾性シートが、前記半透過性の表面を形成するために変形されるように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項1】
非平面基板に固体材料を堆積する方法であって、
堆積される材料を弾性刻印機の表面に被覆し、
前記弾性刻印機を変形させるために前記弾性刻印機が密閉される真空型に真空を適用し、
前記被覆され変形された弾性刻印機上に前記非平面基板を配置し、
前記被覆され変形された弾性刻印機と前記非平面基板との間に力を加えることによって、前記非平面基板に前記弾性刻印機から前記材料を転写することを含む方法。
【請求項2】
前記非平面基板の少なくとも一表面が二次元曲線を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記刻印機が平面構造であると同時に、前記弾性刻印機の表面が、堆積される前記材料で被覆される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記刻印機が非平面構造であると同時に、前記弾性刻印機の表面が、堆積される前記材料で被覆される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記刻印機の弾性力が、前記刻印機が前記非平面基板に圧力を与えることを引き起こすように、前記刻印機の表面が、前記基板とコンフォーマルに接触するまで、前記非平面基板が前記真空型に対して一定の位置に保持されながら、前記真空型に適用される前記真空を低下させることによって前記力が加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記真空が前記真空型に適用される際、前記真空型が非平面の表面を有し、前記弾性刻印機が前記非平面の表面を形成するように変形する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記弾性刻印機が前記非平面基板と前記真空型の前記非平面の表面との間に押し付けられるように、前記弾性刻印機が前記真空型の前記非平面の表面に接触しながら、前記弾性刻印機に対して前記非平面基板を押し付けることによって前記力が加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記非平面基板が半球形であり、60°から120°の角度の範囲を定める、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記非平面基板が連続的に湾曲しており、前記非平面基板の主軸に対する前記非平面基板の最大高さの比が少なくとも0.1である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆され変形された弾性刻印機と前記非平面基板との間に前記力を加えることによって、前記材料が前記基板に対して冷間溶接する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記非平面基板に対して前記弾性刻印機から前記材料を転写することは、熱を加えること、自己組立単層拡散を用いること、酸化反応を開始すること、化学反応を開始すること、及び、紫外光を適用することの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
堆積された層から前記弾性刻印機を取り除くために前記真空型に対して真空を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
堆積される前記材料が金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記弾性刻印機が、前記刻印機の基部から5nmから3μmまで延びる隆起した形状でパターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記力が加えられる前に、前記基板、前記弾性刻印機またはそれらの両方にプラズマ酸化工程を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1の開口を有する真空チャンバーを備える真空型と、
前記第1の開口の周囲に密閉して取り付けられる弾性シートであって、前記弾性シートが、前記チャンバーから離れた前記弾性シートの側に打刻表面を有する弾性シートと、
を備える装置。
【請求項17】
前記真空型が、前記第1の開口に配置され、前記真空チャンバーから離れた方向に凹面である表面を有する半透過性の表面をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記弾性シートが、(i)前記真空チャンバーに真空が適用された際に前記半透過性の表面を形成するように変形され、(ii)前記真空チャンバーに真空が適用される際に前記半透過性の表面を形成しないように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記半透過性の表面が、前記弾性シートの前記打刻表面によって材料が堆積される基板として一般的な形状を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記刻印表面が、前記第1の開口から離れた方向で5nmから3μmまで延びる隆起した形状でパターニングされる、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記真空チャンバー内に配置される半透過性の表面をさらに備え、前記真空チャンバーに真空が適用される際に前記弾性シートが、前記半透過性の表面を形成するために変形されるように構成される、請求項16に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公表番号】特表2010−519717(P2010−519717A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551678(P2009−551678)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/002218
【国際公開番号】WO2008/121186
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(591003552)ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ (68)
【出願人】(509119061)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/002218
【国際公開番号】WO2008/121186
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(591003552)ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ (68)
【出願人】(509119061)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (14)
【Fターム(参考)】
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