説明

削り屑搬送装置

【課題】鉄片、切粉、磁性体等の削り屑の大きさ等に対応して削り屑の運搬効率をあげること。
【解決手段】電圧印加回路30は、搬送パターンを選択可能なパターン選択回路31と、パターン選択回路31からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化する3相電圧を3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加するインバータ32とを備え、3相コイル22A、22B、22C、22Dに流れる3相交流電流により発生する変動磁界により削り屑を不動搬送面15aに磁気吸着させながら搬送方向aへ搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削作業や研削作業などで発生した切粉や鉄粉など磁性体からなる削り屑をタンクから排出する削り屑搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削盤又は研削盤等の成形機械で削り取られた切粉・鉄粉等削り屑は、成形機械を冷却するための冷却液を利用してタンクに回収される。タンク内の冷却液は循環されることから、通常、削り屑を含まないように、削り屑を除去した上でタンクから循環させるようにしている。従来から、タンク内の削り屑を除去するための装置として、図6及び図7に示すような切粉・鉄粉分離除去装置50が知られており、この切粉・鉄粉分離除去装置50には、回転可能な吸着ドラム型のオイルセパレータ55と呼ばれるものが使用されていた。このオイルセパレータ55は、特許文献1にも示されているように、吸着ドラム56の内壁面に多数の鉄板57を設置し、これらの鉄板57に対向して永久磁石58を設置し、吸着ドラム56の回転により回転移動する鉄板57に、永久磁石58が追従して回転移動できるように設置している。また、吸着ドラム56の内側の所定位置には、永久磁石58によって磁化された鉄板57を消磁するための消磁装置として電磁石59が、鉄板57に対向するように設置されている。
【0003】
図7に示すように、このオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、通常、タンク51内を切粉・鉄粉回収部52と冷却液送給部53とに2分割するとともに、オイルセパレータ55は切粉・鉄粉回収部52側に配置される。切削盤又は研削盤等の成形機械54から、循環する冷却液とともにタンク51内に回収された切粉・鉄粉は、オイルセパレータ55によって永久磁石58で吸着ドラム56に吸着され、シュートの部位において排出される。
【0004】
これによって、切粉・鉄粉が除去された冷却液は冷却液送給部53に戻され、冷却液はタンク51から成形機械54内に循環される。
【特許文献1】特開平5−57211号公報(第2、第3頁、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているオイルセパレータ55は、希土類の磁石を使用しているため磁力が大きく、また複雑に構成されていることからコスト高となっていた。しかもこのオイルセパレータ55を使用する切粉・鉄粉分離除去装置50は、タンク51を2分割に構成するとともに切粉・鉄粉を切削盤54からタンク51に戻すためのポンプ60と、タンク51内の切粉・鉄粉をオイルセパレータ55に吸引するポンプ61とを備えることになるから、部品点数が多くコスト高となっていた。しかも、吸着ドラム56内に可動部を有していることからメンテナンスの必要が生じて手間のかかることとなっていた。
【0006】
本発明は、簡単かつ廉価な構成でしかもメンテナンスフリーの削り屑搬送装置を提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、鉄片、切粉、磁性体等の削り屑の大きさ等に対応して削り屑の運搬効率をあげることを目的とする。また、本発明は、変動磁界により削り屑を不動搬送面に磁気吸着させながら搬送方向へ搬送する際に、削り屑が搬送面に固着して運搬効率が低下する場合がある点にかんがみ、搬送面に磁気吸着された削り屑同士の結合力を緩めたり強めたりして削り屑を搬送し易くし、運搬効率の向上を図る削り屑搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による削り屑搬送装置は、装置本体と電圧印加回路とを備える削り屑搬送装置であって、前記装置本体は、削り屑の搬送方向に沿って配置される鉄芯と、1相ごとにかつ1組ごとに前記搬送方向における位置をずらして前記鉄芯に巻回される複数組からなるn相コイル(n:2以上の整数)であって、n相交流電流が流れることによって変動磁界を発生するn相コイルとを備え、前記電圧印加回路は、搬送パターンを選択可能なパターン選択回路と、該パターン選択回路からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧を前記n相コイルに印加するインバータとを備え、前記n相コイルに流れるn相交流電流により発生する変動磁界により削り屑を不動搬送面に磁気吸着させながら前記搬送方向へ搬送することを特徴とする。
【0009】
本発明の削り屑搬送装置によると、n相コイルが発生する変動磁界を利用して削り屑を搬送させるよう構成されるため、簡単かつ廉価に構成できるとともに、可動部を有していないためメンテナンスフリーが可能となる。さらに、本発明の削り屑搬送装置は、パターン選択回路の指令信号を削り屑の大きさ等に基づいて選択し、このパターン選択回路からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧をn相コイルに印加する、換言すると、n相電圧をスイープさせながらn相コイルに印加するようにしたため、鉄片、切粉、磁性体等の削り屑の大きさ等に適した搬送パターンを得ることができ削り屑の運搬効率をあげることが可能になるとともに、搬送面に磁気吸着された削り屑同士の結合力を緩めたり強めたりすることができるため、搬送面に削り屑が固着されたままとなる不具合が発生しにくくなり、運搬効率の向上を図ることができる。
【0010】
ここで、前記電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧は、電圧値が零と所定値とに交互に変化するn相電圧を含んでいる。このようなn相電圧をn相コイルに印加した場合、所定値の電圧値の印加によって結合力が強まり搬送面に塊となった削り屑は、零の電圧値に変化したときに結合力が弱まることによってばらけるようになり、その後所定値の電圧値が印加されたときに、搬送され易くなる。
【0011】
ここで、前記装置本体を複数の単位ブロックに分割し、各単位ブロックに1対1に対応して前記電圧印加回路を設けるようにすると、任意の個数の単位ブロックを組み合わせることによって、長い搬送路や短い搬送路を任意に作り出すことができ汎用性に優れた削り屑搬送装置を提供できるようになる。また、単位ブロックごとに電圧印加回路を設けることにより、個々の単位ブロックに適合した搬送パターンを得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る削り屑搬送装置が組み込まれた削り屑分離搬送システムの概略構成図を示す。
【0013】
図1において、削り屑分離搬送システム1は、切削盤又は研削盤等の成形機械2(図1では研削盤)と、研削盤2にタンク3内の冷却液7を供給するためのポンプ4と、冷却液7、及び研削盤2で研削材(ワーク)を研削することによって発生した鉄粉等磁性削り屑を回収するタンク3と、一端がタンク3内に配置され、他端がタンク3外に配置され、タンク3内の削り屑を図示矢印a方向に搬送し、外部に排出するための削り屑搬送装置10と、タンク3内の冷却液7を研削盤2に供給する冷却液供給路5と、研削盤2から冷却液7及び削り屑をタンク3内に回収するための冷却液・削り屑回収路6とを備える。
【0014】
図2及び図3に示すように、削り屑搬送装置10の装置本体45は、3相コイルつまりU相コイル11A、11B、11C、‥、V相コイル12A、12B、12C、‥、W相コイル13A、13B、13C、‥を巻回した鉄芯14を密閉式のケース体15の内部に収納して構成される。鉄芯14は、磁性材の珪素鋼板あるいは鉄板を幅方向に積層して形成されており、鉄芯14の上面には、搬送方向aに所定間隔を置いて複数の溝16、17、18、19、20、21、‥が並んで形成されている。
【0015】
図2に示すように、U相コイル11Aは溝16、19内を通り、W相コイル13Aは溝17、20内を通り、V相コイル12Aは溝18、21内を通っている。また、溝19内には、U相コイル11Aに接続された、U相コイル11Aの左隣りのU相コイル11B(図3参照)も通り、溝20内には、W相コイル13Aに接続された、W相コイル13Aの左隣りのW相コイル13B(図3参照)も通り、溝21内には、V相コイル12Aに接続された、V相コイル12Aの左隣りのV相コイル12B(図3参照)も通り、溝16内には、U相コイル11Aに接続された、U相コイル11Aの右隣りのU相コイル11C(図3参照)も通り、溝17内には、W相コイル13Aに接続された、W相コイル13Aの右隣りのW相コイル13C(図3参照)も通り、溝18内には、V相コイル12Aに接続された、V相コイル12Aの右隣りのV相コイル12C(図3参照)も通っている。
【0016】
1組の組コイル22Aを構成するU、V、W相コイル11A、12A、13Aの各巻方向(図3においてコイルの矢印方向が対応する。)は互いに同一方向である。また、1組の組コイル22Aの左隣りの組コイル22Bを構成するU、V、W相コイル11B、12B、13Bの各巻方向は互いに同一方向であり、また、1組の組コイル22Aの右隣りの組コイル22Cを構成するU、V、W相コイル11C、12C、13Cの各巻方向も互いに同一方向である。また、図3において、1組の組コイル22Bの左隣りの組コイル22Dを構成するU、V、W相コイル11D、12D、13Dの各巻方向も互いに同一である。また、隣り合う組コイル22Aと22B間、22Aと22C間、22Bと22D間においては、図3に示すように巻方向は互いに反対方向である。また、図3に示すように、U相コイル11Cの巻き始め及びV相コイル12Cの巻き始めはそれぞれ電源側(電圧印加回路30)に接続されているが、W相コイル13Cはその巻き終わりが電源側(電圧印加回路30)に接続されている。
【0017】
このように、3相コイルは、1相ごとにかつ1組ごとに搬送方向aにおける位置をずらして鉄芯14に巻回される4組の組コイル22A、22B、22C、22Dからなる。
【0018】
U相コイル11C、V相コイル12C、W相コイル13Cには、電圧印加回路30が接続され、電圧印加回路30に3相交流電源40が接続されている。
【0019】
図4は、電圧印加回路30の構成を示す。
【0020】
図4において、電圧印加回路30は、パターン選択回路31とインバータ32を備える。
【0021】
パターン選択回路31は、作業者によって選択もしくは設定された搬送パターンに対応する指令信号をインバータ32に出力する回路である。ここで、作業者によって選択もしくは設定される搬送パターンは、鉄片、切粉、磁性体等の削り屑の大きさ等に基づいて削り屑の運搬効率をあげるのに適した搬送パターンとされ、具体的には、3相コイル(組コイル)22A、22B、22C、22Dに印加する3相電圧の電圧値及び/又は周波数の周期的な変化パターンを複数種類予め用意し、搬送する削り屑に適した変化パターンを作業者が選択し、あるいは、作業者が任意の変化パターンを自由に設定できるものとする。ここで、前記電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧は、電圧値が零と所定値とに交互に変化するn相電圧を含んでいる。インバータ32は、パターン選択回路31からの指令信号(選択もしくは設定された変化パターンに対応する指令信号)に従って三相交流電源40からの3相電圧の電圧値及び周波数を周期的に変化させ、U、V、W相コイル11C、12C、13Cに印加する回路である。
【0022】
ケース体15は、電気抵抗の高い非磁性材もしくは弱磁性材など、例えば、ステンレス製で形成され、U相コイル11A、11B、11C、‥、V相コイル12A、12B、12C、‥、W相コイル13A、13B、13C、‥の上方に、移動しない搬送面つまり不動搬送面15aを有する。
【0023】
次に、上記のように構成された削り屑分離搬送システム1の動作もしくは作用について説明する。
【0024】
作業開始に先立って、作業者は、パターン選択回路31に対して削り屑の大きさ等に適した搬送パターンを選択もしくは設定する。
【0025】
その後、作業が開始されると、インバータ32は、パターン選択回路31からの指令信号に従って三相交流電源40からの3相電圧の電圧値及び周波数を周期的に変化させ、U、V、W相コイル11C、12C、13Cに印加する。3相電圧Vu1、Vv1、Vw1が印加された組コイル22A、22B、22C、22Dは、それぞれ変動磁界を発生し、これら変動磁界を合成した合成磁界により、冷却液7中の磁性切り屑を磁気吸着し、搬送方向aへ搬送する移動磁界が形成される。この移動磁界は、概念的には、鉄芯14の歯部23、24、25、26、27、28、29、‥の磁極を順にN極、S極、N極、S極、‥というように搬送方向aに向けて交互に反転させることによって磁性切り屑をケース体15の搬送面15aに磁気吸着しながら搬送方向aへ移動する作用をする。そして、搬送面15a上を搬送されてきた磁性削り屑は、ケース体15の終端部から図示しない回収部に回収される。
【0026】
以上説明したように、本実施形態に係る削り屑搬送装置10は、装置本体45と電圧印加回路30とを備え、装置本体45は、削り屑の搬送方向aに沿って配置される鉄芯14と、1相ごとにかつ1組ごとに搬送方向aにおける位置をずらして鉄芯14に巻回される複数組からなる3相コイル22A、22B、22C、22Dであって、3相交流電流が流れることによって変動磁界を発生する3相コイル22A、22B、22C、22Dとを備え、電圧印加回路30は、搬送パターンを選択可能なパターン選択回路31と、パターン選択回路31からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化する3相電圧を3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加するインバータ32とを備え、3相コイル22A、22B、22C、22Dに流れる3相交流電流により発生する変動磁界により削り屑を不動搬送面15aに磁気吸着させながら搬送方向aへ搬送する。ここで、電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧として、電圧値が零と所定値とに交互に変化するn相電圧を設定した場合、所定値の電圧値の印加によって結合力が強まり搬送面に塊となった削り屑は、零の電圧値に変化したときに結合力が弱まることによってばらけるようになり、その後所定値の電圧値が印加されたときに、搬送され易くなる。
【0027】
本実施形態の削り屑搬送装置10によると、3相コイルが発生する変動磁界を利用して削り屑を搬送させるよう構成されるため、簡単かつ廉価に構成できるとともに、可動部を有していないためメンテナンスフリーが可能となる。さらに、本実施形態の削り屑搬送装置10は、パターン選択回路31の指令信号を削り屑の大きさ等に基づいて選択もしくは設定し、このパターン選択回路31からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化する3相電圧を3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加する、換言すると、3相電圧をスイープさせながら3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加するようにしたため、鉄片、切粉、磁性体等の削り屑の大きさ等に適した搬送パターンを得ることができ削り屑の運搬効率をあげることが可能になるとともに、搬送面15aに磁気吸着された削り屑同士の結合力を緩めたり強めたりすることができるため、搬送面15aに削り屑が固着されたままとなる不具合が発生しにくくなり、運搬効率の向上を図ることができる。
【0028】
なお、上述した実施形態に係る削り屑搬送装置10では、コイルとして3相コイル22A、22B、22C、22Dを用いたが、その代わりに2相コイルなどを用いるようにしてもよい。つまり、コイルはn相コイル(n:2以上の整数)であればよく、その場合、コイルに印加する電圧はn相電圧とする。また、図3に示したような構成は、搬送面15aの搬送方向aの全長にわたって設ける必要はなく、タンク3の冷却液7中に浸かる部分は別構成とし、つまり、コイルに直流電圧を印加して磁性削り屑を捕捉するだけで搬送を行わない固定磁界を発生する構成としてもよく、同様に、搬送方向aの終端部では、磁気吸着力を徐々に減少させ磁性削り屑が搬送面15aから落下可能になる構成としてもよい。また、インバータ32の出力電圧にパルス波形を重畳させた電圧を3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加するようにしてもよい。また、通常時には一定の電圧値及び周波数の3相電圧を印加するようにし、運搬効率の低下時には、電圧値及び/又は周波数を変えて3相コイル22A、22B、22C、22Dに印加するようにしてもよい。
【0029】
図5は、他の実施形態に係る削り屑搬送装置10の概略構成を示す。
【0030】
図5において、装置本体45は、複数個の単位ブロック46A、46B、46Cを搬送方向aに接続して構成される。各単位ブロック46A、46B、46Cは、図1〜図3に示した装置本体45と同様に構成され、図1〜図3に図示した装置本体45の3相コイル22A、22B、22C、22Dと必ずしも同数ではないが複数組の3相コイルを巻回した鉄芯を密閉式のケース体の内部に収納して構成される。また、各単位ブロック46A、46B、46Cには、図4に図示した電圧印加回路30と同様に構成された電圧印加回路30A、30B、30Cが接続される。
【0031】
本実施形態に係る削り屑搬送装置10によると、装置本体45を複数の単位ブロック46A、46B、46Cに分割したため、任意の個数の単位ブロックを組み合わせることによって、長い搬送面15a、15b、15cや短い搬送面15a、15b、15cを任意に作り出すことができ汎用性に優れた削り屑搬送装置を提供できるようになる。また、各単位ブロック46A、46B、46Cに1対1に対応して電圧印加回路30A、30B、30Cを設けたため、個々の単位ブロック46A、46B、46Cに適合した搬送パターンを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る削り屑搬送装置が組み込まれた削り屑分離搬送システムの概略構成図である。
【図2】削り屑搬送装置の装置本体の一部の概略分解斜視図である。
【図3】3相コイルの巻方向と電圧印加回路との接続方法を説明するための結線図である。
【図4】電圧印加回路の構成図である。
【図5】他の実施形態に係る削り屑搬送装置10の概略構成である。
【図6】従来のオイルセパレータの構成図である。
【図7】従来の切粉・鉄粉分離除去装置の構成図である。
【符号の説明】
【0033】
10 削り屑搬送装置
14 鉄芯
15a、15b、15c 不動搬送面
22A、22B、22C、22D 3相コイル
30、30A、30B、30C 電圧印加回路
31 パターン選択回路
32 インバータ
45 装置本体
46A、46B、46C 単位ブロック
a 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と電圧印加回路とを備える削り屑搬送装置であって、
前記装置本体は、
削り屑の搬送方向に沿って配置される鉄芯と、
1相ごとにかつ1組ごとに前記搬送方向における位置をずらして前記鉄芯に巻回される複数組からなるn相コイル(n:2以上の整数)であって、n相交流電流が流れることによって変動磁界を発生するn相コイルとを備え、
前記電圧印加回路は、
搬送パターンを選択可能なパターン選択回路と、該パターン選択回路からの指令信号に従って電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧を前記n相コイルに印加するインバータとを備え、
前記n相コイルに流れるn相交流電流により発生する変動磁界により削り屑を不動搬送面に磁気吸着させながら前記搬送方向へ搬送する
ことを特徴とする削り屑搬送装置。
【請求項2】
前記電圧値及び/又は周波数が周期的に変化するn相電圧は、電圧値が零と所定値とに交互に変化するn相電圧を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の削り屑搬送装置。
【請求項3】
前記装置本体は複数の単位ブロックに分割され、各単位ブロックに1対1に対応して前記電圧印加回路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の削り屑搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−175795(P2007−175795A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374713(P2005−374713)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000176958)三明電機株式会社 (37)
【Fターム(参考)】