説明

創傷の治癒を促進するための装置とポンプとシステム

創傷の治癒を促進する装置が、流体入口と気体出口とを有する分離手段を備える。この分離手段は、創傷からポンプ輸送された流体を収集するための収集容器を構成するだろう。負圧を印加するポンプは、ポンプヘッドと駆動ユニットとを備える。ポンプヘッドは分離手段の気体出口に連結されており、および、ポンプヘッドは駆動ユニットに着脱自在に取り付けられており、したがって使用時には分離手段の流体入口が、例えば導管を経由して、創傷カバーに連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷からの流体の除去のための、および、こうして創傷の治癒を促進するための、負圧システムすなわち吸引システムに一般的に関する。このシステムは、エンクロージャを形成するために生物の創傷の周縁に取り付け可能である創傷カバーと、このエンクロージャ内の負圧と周囲空間の気圧との間に圧力差を生じさせるためにエンクロージャと流体連通しているポンプとを備える。
【背景技術】
【0002】
創傷の流体排出が組織成長を促進し、これによって治癒時間の減少を容易にすることが、すでに発見されている。この治療は長い年月にわたって実施されており、および、創傷に対する吸引を実現するための様々な治療装置が開発されてきている。
【0003】
米国特許第6,648,862号明細書において、閉じ込め手段(trapping agent)を収容するキャニスタを使用する真空乾燥器が説明されており、および、国際公開第97/18007号パンフレットにおいて、例えばハーネス上に着用可能であるかまたはベルトを介して着用可能である、可搬式の使用を可能にするハウジング内に配置されているキャニスタとポンプとを有する可搬式の創傷治療装置が開示されている。
【0004】
これらの公知の装置では、エンクロージャが創傷の周囲に形成されるように創傷カバーが生物の皮膚に対して封止状に固定されている。この創傷カバーはポンプに連結されており、および、吸引が行われる。この吸引力が浸出物をエンクロージャから容器(receptacle)に強制的に送り込む。
【0005】
国際公開第03/018098号パンフレットにおいて、創傷空洞内に配置されている多孔性パッドと、創傷空洞に対する気密的な封着を実現するようにこのパッド上に固定されている気密性の包帯剤(dressing)とを備える、組織の治癒を促進するためのシステムが開示されている。導管の近位末端がこの包帯剤に連結可能である。この導管の遠位末端が負圧源に連結可能であり、この負圧源は、可搬式のハウジング内に収容された電気ポンプであるか、または、壁吸引であるだろう。キャニスタが、負圧の印加中に創傷部位から吸引された浸出物を保持するために、この導管に沿って配置されている。第1の疎水性フィルタが、キャニスタの満杯状態を検出するためにキャニスタの開口部に配置されている。創傷から吸い出された浸出物によるそのシステムの非使い捨て部分の汚染を防止するために、第2の疎水性フィルタが、その第1のフィルタと負圧源との間に配置されている。臭気フィルタが、悪臭のある蒸気の低減を促進するために第1の疎水性フィルタと第2の疎水性フィルタとの間に配置されている。固定手段が、ベッドレールまたは静脈輸液支柱のような定置物体に可搬式ハウジングが固定されることを可能にするために提供される。時間経過に応じた圧力の自動化された周期的変動のための手段が、口が開いた創傷の治癒をさらに改善し促進するために備えられている。ポンプ駆動頻度を変化させる手段と、可搬式電源を管理する手段とが、電池寿命を増大させかつ患者の動き易さを改善するために備えられている。
【0006】
創傷の治療のための複数ユーザ用ポンプシステム(multi−user pump system)においては、ユーザ間の相互汚染が防止されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の好ましい実施態様の目的の1つが、製造コストと相互汚染の危険性とを最少化する、改良された創傷治癒システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の側面において、創傷カバーを用いる創傷の治癒を促進する装置を提供し、この装置は、
流体入口と気体入口とを備える分離手段と、
ポンプヘッドと駆動ユニットとを備える負圧を印加する手段
とを備え、
ポンプヘッドは分離手段の気体出口に連結されており、および、このポンプヘッドは駆動ユニットに着脱自在に取り付けられており、
したがって、使用時に、分離手段の流体出口は例えば導管を経由して創傷カバーに連結される。
【0009】
本発明は、第2の側面において、本発明の第1の側面による装置と創傷カバーとを備える、創傷の治癒を促進するシステムを提供する。
【0010】
本発明は、第3の側面において、生物内または生物上の治療部位から流体物体をポンプ輸送するためのポンプを提供し、このポンプは、
モータで駆動される、使い捨て式のポンプ輸送要素と、
ポンプ輸送要素に駆動力を提供する駆動ユニットであって、モータがポンプのハウジング内に含まれている駆動ユニット
とを備え、および、
ポンプ輸送要素は、ポンプ輸送される流体が駆動ユニットと接触しないように駆動ユニットに着脱自在に連結されている。
【0011】
本発明は、第4の側面において、本発明の第3の側面によるポンプと、本発明の第2の側面のシステムの1つまたは複数の特徴とを備える、創傷の治癒を促進するシステムを提供する。
【0012】
次の説明が本発明の全ての側面に当てはまる。
【0013】
本発明の第1および第2の側面では、分離手段が、創傷からポンプ輸送される物体がポンプの中に入る前に、そのポンプ輸送される流体を気体から分離する。したがって、創傷からポンプ輸送される液体とおそらくはさらに固体物体とがポンプ内に入ることが少なくとも実質的に防止されるだろうし、これによってポンプの摩滅とポンプの閉塞の可能性とが防止されるだろう。さらに、液体および固体物体をポンプ輸送しないポンプはより単純であり、ポンプ内の粘性抵抗がより低いのでより少ない駆動力しか必要とせず、かつ、液体および/または固体物体をポンプ輸送しなければならないポンプよりも安いコストで製造されるだろう。このポンプは蠕動ポンプを備えることができ、この蠕動ポンプでは、負圧が、チューブの流れ横断面の連続的な収縮膨張によって生じさせられ、この収縮膨張は、例えば、チューブの流れ横断面が連続的に収縮膨張することを生じさせるようにチューブの外側表面上に作用する1つまたは複数の突起部分を有する回転要素によって実現される。あるいは、この代わりに、ポンプは、ポンプ輸送空洞の連続的な収縮膨張を生じさせるように構成されているピストンまたはダイアフラムのような少なくとも1つの往復動作可能な要素を含んでもよく、および、このポンプ輸送空洞の入口と出口とにそれぞれの一方向弁が備えられていることが好ましい。
【0014】
本明細書で使用される場合に、術語「ポンプ輸送要素」および「ポンプヘッド」は、ポンプ輸送される物体および/または気体がポンプ輸送中に中を通って流れるこうした要素を意味する。したがって、術語「ポンプ輸送要素」および「ポンプヘッド」は、この文脈において、ポンプ輸送要素またはポンプヘッドを駆動するための駆動要素を通常は含まない。術語「ポンプ」および「負圧を印加する手段」は、ポンプ輸送要素またはポンプヘッドを駆動するための駆動要素を含む、ポンプ輸送作用を行うあらゆるポンプ輸送構造またはポンプを意味する。
【0015】
好ましい実施態様では、負圧を印加する手段は、2つの着脱自在に取り付けられている主要部分と、ポンプヘッドと、駆動ユニットとを備える。ポンプヘッドは、例えば、上述したピストンまたはダイアフラムを含むだろうし、および、駆動ユニットは、ポンプヘッドが往復動作することを引き起こすかまたはポンプ輸送作用を生じさせるために必要とされる要素を含むだろう。液密性および/または気密性のシールがポンプヘッドと駆動ユニットとの間に備えられていることが好ましく、この結果として気体および/または液体が駆動ユニットの中に入ることが防止される。例えば、例えばピストンまたは膜を含むポンプヘッドは、その周縁において壁仕切りに対して封着するだろう。こうして駆動ユニットの汚染が防止できるし、または、駆動ユニットの汚染の危険性が低減させられるだろう。したがって、異なる患者に対する装置の使用の間に、ポンプヘッドだけを滅菌することしか必要でない。あるいは、この代わりに、ポンプヘッドは使い捨て式のユニットの中に一体化されてもよい。ポンプヘッドが駆動ユニットに着脱自在に取り付けられるので、ポンプヘッドは容易に滅菌および/または交換されることが可能だろう。
【0016】
負圧を印加する手段は、創傷から液体を吸い出すのに十分である圧力差、例えば、周囲雰囲気を基準として10mmHgから600mmHgの範囲内の負圧を生じさせるだろう。
【0017】
創傷カバーを配置する際には、真空の漏洩を防止するために創傷部位の上に実質的に気密性であるシールが形成されるだろう。創傷の上にカバーを配置することが、こうしたシールを実現し、したがって、このカバーは、創傷自体の上に気密性シールを維持すると同時に、創傷部位の周囲の健康な皮膚に接着する。この文脈において、「気密性である」および「実質的に気密性である」は、少なくともポンプの動作中に、負圧が創傷において維持されるだろうということを意味すると理解されなければならない。
【0018】
創傷カバーは閉塞性または半閉塞性であるだろうし、例えば透湿性ではあるが透水性ではないだろう。本発明の一実施態様では、創傷カバーは、半透過性のカバー箔を用いる創傷カバーを提供することによって半透過性である。これに関連して、術語「半透過性」は、水蒸気透過性であることを意味する。一実施態様では、創傷カバーは、その創傷カバーの表面の一部分上または表面全体上の接着剤によって所定の位置に保持される。本発明の別の実施態様では、創傷カバーは、そのシステムによって印加される負圧によって所定の位置に保持される。
【0019】
2つの互いに着脱自在な部品として負圧印加手段を実現することは、幾つかの利点をもたらす。ポンプヘッドは、典型的には、主として機械的な部分を備え、一方、駆動ユニットは、例えば電気モータ、電子回路系、および、場合によっては制御ユニットのような、より敏感な要素も含む。負圧またはさらには真空が生じさせられるのはポンプヘッド内である。これらの部分が互いに着脱自在なので、および、潜在的にウィルスまたはバクテリアを運ぶ空気または浸出物に対する接触に関しては駆動ユニットが隔離されているので、駆動ユニットは、そのシステムの想定される後続のユーザにウィルスまたはバクテリアを転移させる危険性なしに、再使用されることが可能である。したがって、本発明によるシステムは、このシステムの主要部分、すなわち、負圧を印加する手段の駆動ユニットが再使用されることが可能なので、コスト上の利点を実現する。典型的には駆動ユニットがその電子部品のために最も高コストの部分なので、このコスト上の利点は、このシステムのコスト全体に関して重要である。
【0020】
ポンプヘッドと駆動ユニットは互いに着脱自在に取り付けられている。ポンプヘッドと駆動ユニットとの間の連結は、幾つかの異なる方法で実現されるだろう。当業者は、こうした連結を実現するための適切な方法を理解するだろう。
【0021】
本発明の好ましい実施態様では、ポンプヘッドは使い捨て式である。この着脱自在のポンプヘッドは使い捨て式でありかつ交換可能であるが、一方、駆動ユニットは、浸出物にも、潜在的にウィルスまたはバクテリアを運ぶ空気にも接触していないので、再使用されることが可能である。ポンプヘッドが主として機械的でかつ単純な部分を備えるので、比較的に低コストの材料でポンプヘッドを製造することが可能であり、このことがポンプヘッドのコストを低下させる。
【0022】
ポンプヘッドは、例えば、創傷部位または治療部位から流体を収集するためのキャニスタすなわち容器の中に一体化されているだろう。この容器は、例えば、治療部位に対する流れ通路を実現する導管に連結する入口ポートを含むだろう。これに加えて、この容器は、ポンプの入口ポートに連結する出口を備えるだろう。本発明の第1の側面の装置では、および、本発明の第2の側面のシステムでは、ポンプの出口ポートが気体排出開口に連結することが好ましく、この気体排出開口の中を通してポンプ輸送される気体が周囲大気にポンプ輸送されるだろう。本発明の第3の側面のポンプでは、および、本発明の第4の側面のシステムでは、ポンプの出口ポートが気体排出開口に連結し、この場合には液体がポンプの上流において気体から分離され、または、ポンプの出口ポートが液体収集のための容器に連結され、この場合には、液体がポンプの上流において気体から分離されることはない。この気体では、気体排出開口が、ポンプの下流に、例えば収集容器内に、備えられていることが好ましい。
【0023】
本明細書では、術語「上流」と「下流」とが、流れの方向を基準として場所を表すために使用されている。したがって、第1の場所または要素が第2の場所または要素から上流であると表現される場合には、このことは、液体および/または気体の流れが、第2の場所または要素に到達する以前に、第1の場所または要素に到達するということを意味する。これと同様に、第1の場所または要素が第2の場所または要素から下流であると表現される場合には、このことは、液体および/または気体の流れが、第1の場所または要素に到達する以前に、第2の場所または要素に到達するということを意味する。
【0024】
収集容器は、ポンプのための駆動構成要素を収容する駆動ユニットに連結されているか、または、この駆動ユニットと一体化されているだろう。この収集容器は使い捨て式の要素であり、および、駆動ユニットに着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
【0025】
上述したように、容器は分離手段の一体状の部分として提供されることが可能であり、または、分離手段とアセンブリされることになっている別個のユニットとして提供されることが可能である。この容器は、創傷から収集された浸出物を収集して収容するために提供されるだろう。この容器は、例えば、動き易さと快適性とを増大させるための小さい体積の容器と、多量の浸出物のためのおよび/または寝たきりのユーザによって使用されるための大きな体積の容器とのように、異なるユーザの異なる要求に適応するように幾つかの異なるサイズの形で提供されるだろう。この容器は、当業者によって理解されるように幾つかの形態で提供されるだろう。この容器は、箱の形状である比較的に不とう性の容器として提供されるだろうし、または、動き回るユーザの動きを可能にしかつこの動きに追従するようにこの容器が湾曲したり折れ曲がったりすることを可能にする比較的に薄い材料の平らな容器として提供されるだろう。
【0026】
本発明の一実施態様では、分離手段は、流体入口と液体出口と気体出口とを有する細長い分離部分を備える。
【0027】
本発明の別の実施態様では、分離手段は、導管の一体状の一部分である。
【0028】
1つまたは複数のフィルタが気体排出開口の中またはその上流に備えられていることが好ましい。この1つまたは複数のフィルタは、ポンプヘッドの前方すなわち上流に、および/または、ポンプヘッドの出口に備えられているだろう。例えば、臭気(すなわち脱臭)フィルタおよび/またはバクテリアフィルタが備えられているだろう。臭気および/またはバクテリアフィルタを含む任意の他のまたは代わりのフィルタ、例えば1つまたは複数の活性炭(炭素)フィルタが備えられることもある。このフィルタは疎水性および/または疎油性であってよい。一実施態様では、このフィルタはポンプヘッドの前方に配置されている。このフィルタは、液体または固体粒子がポンプヘッド内に入ることを防止するために分離手段の気体出口にまたはこの付近に配置されるだろう。一実施態様では、このフィルタはバクテリアフィルタであり、疎水性でありかつ好ましくは疎油性でもある。したがって、水性および油性の液体がこのフィルタの表面上で玉になるだろう。通常の使用時には、このフィルタを通過する十分な空気流が存在し、したがって、このフィルタを挟んで生じる圧力低下は大きくはない。
【0029】
ポンプヘッド(すなわち、ポンプ輸送要素)がポンプの駆動構成要素に着脱自在に取り付けられている実施態様では、ポンプヘッドが新しいポンプヘッドと容易に交換されるか、または、クリーニングまたは滅菌のために一時的に取り外されることが可能なので、1つまたは複数のフィルタはポンプヘッドの下流に備えられているだろう。したがって、ポンプヘッドがポンプの駆動構成要素に対して封着させられているので、ポンプヘッドはゆっくりと汚染されるだろうし、および、1つまたは複数のフィルタの故障の際にさえ、ポンプの駆動構成要素は危険にさらされない。
【0030】
分離手段内に含まれていることがある容器は、流体および気体がその容器内に入るための少なくとも1つの入口と、気体がその容器から外に出て負圧印加手段の中に入るための少なくとも1つの出口とを含むだろう。この実施態様では、入口と出口とが、ポンプの上流で液体が気体から分離されるように、容器とポンプとに対して相対的に配置されているだろう。ポンプを通してポンプ輸送される気体が外に出ることを可能にする気体出口は、ポンプ内に備えられているか、または、ポンプに連結されていなければならない。
【0031】
容器は、例えば創傷からポンプ輸送された液体を吸収するための、吸収剤要素を含むだろう。この吸収剤要素は、例えば、ゲル化剤、乾燥剤、または、いわゆる超吸収剤粒子(SAP)を含むだろう。
【0032】
ポンプヘッドは、使い捨て式であるか、または、再使用可能であり、すなわち、複数の患者に対して使用可能であってもよい。例えば、ポンプヘッドと分離手段は、1つのユニット内に含まれるかまたは一体化されてもよい。したがって、ポンプ輸送された液体を収集するためのキャニスタまたは容器を分離手段が備える実施態様においては、ポンプが、例えば容器を空にするために、または、容器を交換するために、容器と共に駆動ユニットから取り外される。着脱自在でかつ使い捨て式のポンプヘッドが1つの部分を形成するように分離手段と一体化されているので、本発明のシステムが使用され終わった後に、ポンプヘッドと分離手段とが同時に廃棄されることが可能である。このことは、システムの取り扱いをより容易にするので、有利である。これと同時に、このことは、システムが使用され終わった後に、負圧を印加するための手段のポンプヘッドを異なる患者またはユーザに対して誤って再使用する危険性を低減させる。
【0033】
ポンプ輸送要素またはポンプが再使用可能である場合には、このポンプ輸送要素またはポンプが滅菌可能であることが好ましい。例えば、ポンプヘッドが照射によって滅菌されることが可能だろう。別の実施態様では、ポンプヘッドは加圧滅菌器によって滅菌されることが可能である。別の実施態様では、ポンプヘッドは蒸気によって滅菌されることが可能である。一実施態様では、ポンプヘッドはエチレンオキシド(ETO滅菌)によって滅菌されるだろう。さらに別の実施態様では、ポンプヘッドは洗浄によって滅菌されることが可能である。ポンプヘッドと駆動ユニットは再使用されることが可能である。着脱自在に互いに取り付けられている2つの部分を提供することによって、ウィルスまたはバクテリアを運ぶポンプヘッドを、ウィルスまたはバクテリアとに未だ接触していない駆動ユニットから分離することが可能である。ポンプヘッドが駆動ユニットから取り外された後に、このポンプヘッドは、あらゆる想定可能なウィルスまたはバクテリアの残留物を除去するように適正にクリーニングされるだろう。好ましい実施態様では、ポンプヘッドは主として機械的な部分を備え、および、壊れやすい電子部品は備えていない。したがって、ポンプヘッドは、ポンプヘッドの機能性に悪影響を与えることなしに内側上と外側上の両方において効果的にクリーニングされることが可能であり、したがって、このことがポンプヘッドを再使用可能にする。
【0034】
ポンプヘッドは、恒久的に容器内に一体化されていてもよく、すなわち、容器内に取り外し不可能な形で備えられてもよく、または、容器内に着脱自在に一体化されてもよい。
【0035】
駆動ユニットは電気モータを備えるだろう。この電気モータは従来通りの電源プラグに接続されているだろうし、または、電池パックに接続されているだろうし、または、電源プラグと電池パックとの組合せに接続されているだろう。動き回るユーザの治療のためにこのシステムが使用される時に、電池パックは最も有利だろう。
【0036】
この装置の制御ユニットは、例えば、電気モータを制御するための手段を備えるだろう。例えば、この電気モータの動作は、創傷において、分離手段内において、創傷カバーを分離手段に連結する導管内において、または、任意の他の適切な場所において測定された圧力に基づいて、制御ユニットによって決定されるだろう。このモータは、ポンプが断続的にポンプ輸送することを生じさせるために断続的に動作することが可能だろうし、または、可変的な速度で連続的に動作させられるだろう。この制御ユニットが駆動ユニットの一体化された部分であることが好ましい。
【0037】
本発明の4つの側面の全てにおいて、容器は、流体と気体とがその容器内に入るための少なくとも1つの入口と、気体がその容器の外に出てポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの出口とを有するだろう。この入口と出口は、液体がポンプ輸送要素の上流において気体から分離されるように容器とポンプ輸送要素とに対して相対的に配置されているだろうし、および、ポンプは、さらに、ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される気体がこのポンプから脱出することを可能にする気体出口も備えるだろう。
【0038】
あるいは、この代わりに、本発明の第3および第4の側面では、容器は、流体と気体とがその容器内に入るための少なくとも1つの入口と、気体と液体とがその容器の外に出てポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの出口とを有するだろう。ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される液体が容器の中に搬送されるように、ポンプ輸送要素の出口ポートがその容器に連結されているだろうし、および、ポンプが、さらに、ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される気体がこのポンプから脱出することを可能にする気体出口を備えるだろう。
【0039】
容器内の液体がポンプ輸送要素の圧力側においてポンプ輸送要素の中に入ることを防止するための構造が備えられるだろう。このような構造は、1つまたは複数のサイホントラップ(siphon trap)、弁、または、他の一方向構成のような機械的な障壁手段を含むだろう。
【0040】
気体が周囲大気に脱出することを可能にするための気体脱出出口が備えられてもよく、および、この気体脱出出口はフィルタを備えている。
【0041】
本発明のシステムでは、創傷カバーは半透過性のカバー箔を備えるだろう。例えば、このカバー箔は、創傷からこのカバー箔の外側に浸透する液体に対して非透過性であるが、蒸気に対しては透過性であるだろう。
【0042】
連続気泡ポリマー発泡体のようなポリマー発泡体のようなスクリーニング手段が、創傷カバー内に備えられることがある。適切なスクリーニング手段が、本明細書に引例として組み入れられているEP 0 620 720に開示されている。あるいは、この代わりに、浸出物の搬送を可能にする他の可とう性の構造が備えられてもよい。
【0043】
上述したように、このシステム内の圧力レベルを検出するために、および、上記圧力値を上記装置の制御ユニットに通信するために、圧力検出要素が備えられているだろう。この圧力検出要素は、創傷カバー内の圧力レベルを検出するように、または、このシステムの流体収集容器内の圧力レベルを検出するように構成されているだろう。圧力検出要素が創傷カバー内すなわち創傷における圧力レベルを検出するように構成されている場合には、創傷カバーは、二管腔導管(double−lumen conduit)のような多管腔導管(multi−lumen conduit)を経由して収集チャンバに連結されるだろう。この多管腔導管は、創傷カバー内で負圧を印加するための第1の通路と、圧力検出要素に負圧を送るための第2の通路とを備えるだろう。
【0044】
あるいは、この代わりに、圧力検出要素は創傷カバー内にまたは創傷カバーに備えられてよく、この場合には、圧力検出要素は、例えば有線接続または無線接続によって、上記装置の制御ユニットに電子信号を伝送するようになっているだろう。
【0045】
創傷を洗浄するための洗浄システムが使用されてもよい。1つの適切な洗浄システムが、本明細書に引例として組み入れられているWO 03/057070に開示されている。
【0046】
本発明による装置の実施態様が、第1の区画と、第2の区画と、第3の区画とを備えるだろう。負圧を印加する手段は、創傷カバー内にまたは治療部位の付近に負圧を生じさせるモータ駆動ポンプ輸送要素と、ポンプ輸送要素に駆動力を供給するモータとを備え、および、このモータは第1の区画内に含まれており、および、ポンプ輸送要素は第2の区画内に含まれているだろう。創傷から吸い出された液体を収集するための容器は第3の区画内に含まれているかまたは一体化されており、および、第2の区画は第1および/または第3の区画に着脱自在に連結されており、および、第3の区画は第1および/または第2の区画に着脱自在に連結されているだろう。
【0047】
したがって、液体を収集するための容器とポンプ輸送要素とがその交換またはクリーニングのために着脱自在に取り付けられているだろうということが理解されるだろう。上述した3つの区画を備えることによって、この容器は、ポンプ輸送要素を取り外すことなしに、または、ポンプ輸送要素を交換することなしに、交換されたり空にされたりすることが可能だろう。ポンプ輸送要素が、容器に比較して相対的に高コストの構成要素を構成するので、本発明は、容器が交換されなければならない場合にポンプ輸送要素の交換が不要であるという意味で、低コストのポンプとシステムとを提供する。
【0048】
本発明の実施態様では、第1の区画が、駆動ユニット、すなわち、ポンプ輸送要素がポンプ輸送することを生じさせるために必要とされる要素と構成要素とを収容するユニットを構成するということが理解されるだろう。さらに詳細に後述するように、第2の区画が第1および/または第3の区画に取り付けられる時に、ポンプ輸送要素は、駆動構成要素との駆動連結の形に連結されるだろう。
【0049】
この文脈においては、第1の区画と、第2の区画と、第3の区画とが、ポンプのハウジングの一部分を構成するかまたは含むことが理解されなければならない。したがって、各々の区画が少なくとも1つの壁部分を有することが好ましく、この壁部分は、これらの区画がポンプのハウジングを構成するようにアセンブリされる時に、ポンプのハウジングの外壁を構成する。各々の区画内には、容器、ポンプ輸送空洞、モータケーシング等のような1つまたは複数の副区画が備えられているだろう。
【0050】
これらの区画の互いに対する取り外し可能な取り付けが、幾つかの異なった方法で実現されるだろう。例えばこれらの区画を互いに対して取り外し可能な形で固定するためのラッチおよび/またはロック構造のような、機械的係合手段が備えられてもよい。これに加えて、または、代替策として、磁気手段が備えられてもよい。
【0051】
上述したように、ポンプ輸送要素は、例えばピストンまたはダイアフラムを含むことがあり、この場合に、第1の区画が、ポンプ輸送要素が往復動作することを生じさせるかまたはポンプ輸送作用を生じさせるために必要とされる要素を含むだろう。液密性および/または気密性であるシールがポンプ輸送要素と駆動ユニットとの間に備えられていることが好ましく、したがって気体および/または液体が駆動ユニット内に入ることが防止される。例えば、例えばピストンまたは膜を含むポンプヘッドが壁区画に対して周縁において封着させられるだろう。これによって駆動ユニットの汚染が防止されるだろうし、または、駆動ユニットの汚染の危険性が低減させられるだろう。したがって、典型的には、ポンプが別の患者に対して使用されなければならない時には、容器を有する第3の区画が交換されるので、異なる患者に対してその装置の使用する合間に第2の区画のポンプヘッドを滅菌することだけが必要であるにすぎない。あるいは、この代わりに、第2の区画が使い捨て式であってもよく、したがって、ポンプが1人の患者から別の患者に移行させられる時に、その第2の区画が交換されるだろう。
【0052】
第1の区画と第2の区画と第3の区画は、様々な形状構成の形に構成されるだろう。例えば、これらの区画は概ね長方形の横断面を有するだろうし、および、第2の区画の第1の表面は、第1および/または第3の区画の表面と同一平面上に位置するだろう。第1の表面に対して反対側に位置している第2の区画の第2の表面は、第1および第3の区画の他方の表面と同一平面上に位置するだろう。あるいは、この代わりに、これらの区画は概ねパイ(pie)形すなわち弓形であってもよい。例えば、各々の区画は、約120°の角度に広がるパイ形すなわち弓形の要素を形成することができ、したがって各区画は2つの他の区画に接触する。第2の区画が第1の区画に直接的に取り付けられており、したがって第1の区画に対する第2の区画の取り付けが、ポンプ輸送要素を第1の区画のモータ駆動装置との駆動的な協働関係にすることが便利である。
【0053】
安全対策として、これらの区画は、第3の区画が第1および/または第2の区画から取り外される時に第2の区画が第1の区画だけから取り外し可能であるように形状構成されるだろう。したがって、その装置が治療部位から液体と他の物体とをポンプ輸送している最中に、ポンプ輸送要素が取り外されることが防止されるだろう。一実施態様では、第3の区画が第2の区画に取り付けられている時には、第1の区画から第2の区画を取り外すためのラッチが第3の区画によって覆われている。別の実施態様では、第3の区画が所定位置にあるかどうかを検出するために、および、そうである場合には第2の区画の取り外しを防止するために、例えば1つまたは複数のスイッチおよび/または発光ダイオードを含む電子制御手段が配置されている。
【0054】
ポンプは、ポンプ輸送要素を通して気体だけをポンプ輸送するように、および/または、ポンプ輸送要素を通して気体と液体とをポンプ輸送するように、形状構成されるだろう。この第1の代替案では、容器は、液体と気体とがその容器内に入るための少なくとも1つの入口と、気体がその容器の外に出てポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの出口を有し、および、この入口と出口は、ポンプ輸送要素の上流において液体が気体から分離されるように、容器とポンプ輸送要素とに対して相対的に配置されている。この実施態様では、ポンプは、さらに、ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される気体がポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える。この実施態様では、創傷からポンプ輸送された液体とおそらくは固体物体とがポンプの中に入ることが少なくとも実質的に防止され、これによってポンプの摩滅とポンプの閉塞の危険性とが防止されるだろう。
【0055】
他の代替案では、ポンプ輸送要素は、液体と気体とがそのポンプ輸送要素内に入るための少なくとも1つの入口と、液体と気体がそのポンプ輸送要素器の外に出るための少なくとも1つの出口を有し、この場合に、ポンプ輸送要素の出口ポートは容器に連結されており、したがって、ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される液体は容器の中に搬送される。この実施態様では、ポンプは、さらに、ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される液体がポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える。この実施態様は、ポンプの要素の閉塞が危険を招く要因ではない用途に適しているだろう。
【0056】
上述の説明から理解されるように、ポンプ輸送要素が第2の区画内に一体化されていることが好ましいだろう。さらに、ポンプ輸送要素の往復動作によって収縮膨張させられるポンプ輸送空洞が、第2の区画内に全体として一体化されていることが好ましい。これによって、ポンプ輸送される物体が、ポンプの駆動構成要素を収容する第1の区画の中に入って汚染することが防止される。
【0057】
どの区画の中にも気体出口が備えられてよいが、ポンプの駆動構成要素を収容する第1の区画の汚染を回避するために、第2または第3の区画の中に気体出口を有することが好ましい。上述したように1つまたは複数のフィルタが備えられるだろう。
【0058】
ポンプの動作中に治療部位からの気体および/または液体が中を通してポンプ輸送されるポンプヘッドをポンプ輸送要素が備える実施態様では、液体および/または気体が第1の区画の中に入ることが防止されるように、液密性および/または気密性であるシールがポンプヘッドと第1の区画との間に備えられていることが好ましい。このシールは、第2の区画に対して封着している例えば膜またはピストンによって構成されているポンプ輸送要素によって実現され、これによって、第2の区画のポンプ輸送空洞が動作形状構成の形で第1および/または第3の区画に取り付けられている時に、ポンプ輸送される物体が第2の区画から第1の区画に脱出することを防止するように、第2の区画のポンプ輸送空洞が封着されている。
【0059】
あるいは、この代わりに、ポンプ輸送要素は、第2の区画内に含まれているチューブの流れ横断面の連続的な収縮膨張によって負圧を印加する蠕動要素を備えることがある。このチューブの収縮膨張は、例えば、このチューブの流れ横断面が連続的に収縮膨張することを生じさせるようにこのチューブの外側表面上に作用する1つまたは複数の突出部分を有する回転要素によって実現されるだろうし、および、この回転要素は第1の区画の中に含まれているか、または、第1の区画内の駆動構成要素によって少なくとも駆動される。
【0060】
創傷カバー内の負圧を検出するための圧力検出要素が備えられるだろう。あるいは、この代わりに、または、これに加えて、容器内の負圧を検出するための圧力検出要素が備えられるだろう。この圧力検出要素は、所望の負圧が治療部位において維持されていることを確実なものにするためにポンプモータの動作を制御する制御ユニットに接続されているだろう。一実施態様では、この圧力検出要素は第1の区画内に備えられているだろう。したがって、大半の実施態様では使い捨て式の要素である第2および第3の区画は、圧力検出要素の存在によって不必要に高コストにされることはない。
【0061】
圧力検出要素が第1の区画内に備えられている場合には、この圧力検出要素は、第2の区画の中を部分的に通って延びる圧力導管の末端にまたはこの末端の付近に配置されるだろうし、したがって、別個の外部の導管またはチューブが第1の区画の中に入るために必要とされない。このことは、アセンブリしなければならない部品の数を減少させ、ポンプの動作を容易にし、および、第1の区画の汚染の危険性を低減させるだろう。
【0062】
圧力導管は、容器の中に開くだろうし、または、第2または第3の区画の圧力入口ポートの中に開くだろう。後者の代替案では、圧力入口ポートは、例えば創傷カバーによって覆われている創傷のような治療部位に連結され、この場合には、圧力検出要素は治療部位における圧力を検出する。同様に、圧力はシステムの他の部分において検出されてもよい。第1の代替案では、圧力検出要素は容器内の圧力を検出し、この容器内の圧力は、治療部位における圧力に等しいか、または、この圧力を少なくとも表しているだろう。
【0063】
他の実施態様では、圧力検出要素は第2の区画内に備えられている。
【0064】
ポンプは、さらに、より詳細に後述するように、圧力検出要素の気体および/または液体による汚染を防止するために実質的に気密性および/または液密性である障壁をさらに備えるだろう。
【0065】
本発明では、周囲圧力と負圧印加手段によって印加される負圧との間の圧力差が可とう性部材(deflectable member)の撓みを生じさせるように、この可とう性の部材が、創傷カバーによって形成されているエンクロージャに対して相対的に配置されているだろう。圧力検出装置は、創傷カバーによって形成されているエンクロージャの外側に配置されており、および、圧力に応答して、または、可とう性部材の撓みに応答して、信号を供給するように構成されており、この可とう性部材はセンサとエンクロージャとの間の実質的に気密性である障壁を形成する。
【0066】
したがって、可とう性部材がエンクロージャ内の浸出物から圧力検出装置を分離するシステムが実現される。
【0067】
この可とう性部材は撓み、および、これによって圧力の測定を容易にするだけでなく、さらには浸出物から圧力検出装置を分離させるので、駆動ユニットの汚染の危険性が低減され、および、検出装置が滅菌なしに何度も再使用されることが可能である。したがって、安全性が増大させられると同時にコストが削減されるだろう。可とう性部材が、バクテリアとウィルスと気体と液体とに対する障壁を形成することが好ましい。
【0068】
ポンプは、例えば創傷からポンプ輸送された液体を収集するための容器を含む少なくとも1つの使い捨て式の部分と、例えばポンプのための駆動構成要素を含む少なくとも1つの耐久性のある(再使用可能な)部分とを含むだろう。この実施態様では、コストと汚染の危険性との両方を低減させるように、圧力検出装置がこの耐久性のある部分の中に配置され、かつ、可とう性部材が使い捨て式の部分の中に配置されていることが好ましい。
【0069】
一般的に、創傷カバーと、可とう性部材と、例えばポンプを駆動する再使用可能な駆動ユニットに比較して短い時間期間にわたって使用されるように設計されていることを意味する治療中に汚染される可能性があるこのシステムの他の構成要素とが使い捨て式であるだろう。創傷カバーの交換時に、真空の漏洩を防止するために、実質的に気密性であるシールが創傷部位の上に形成されるだろう。創傷の上にカバーを配置することが、創傷自体の上に気密性シールを維持しながら創傷部位の周囲の健康な皮膚にカバーが接着するように、このシールを実現するだろう。この文脈において、「気密性である」と「実質的に気密性である」は、少なくともポンプの動作中には負圧が創傷において維持されるだろうということを意味するものとして理解されるべきである。
【0070】
好ましくは、この可とう性部材が実質的に気密性であり、かつ、これによってバクテリアと浸出物一般とが膜を通過して拡散することを防止しなければならない。この可とう性部材は、空気と他の気体とに対して優勢的に不透過性である材料で作られているだろう。ポリマーは長期間にわたって気体に対して完全に不透過性であるというわけではないので、本明細書で使用される術語「優勢的に不透過性である」は、可とう性部材による1回の治療中の透過が測定に関して無視できるほどわずかであるということを意味する。可とう性部材は、特に、バクテリアに対して実質的に不透過性であるだろう。バクテリアは、典型的には、約0.2μmの直径を有する。したがって、障壁は、約10の安全率を実現するためには、0.02μmよりも大きい粒子に対して実質的に不透過性であるだろう。可とう性部材は、さらに、ウィルスによって不透過性であり、および、したがって、単一の使用環境と周囲環境との間の障壁として機能するだろう。サイズが小さい(20−300nm)ウィルスが、不透過性の可とう性部材のような固体材料を通過することは不可能だろう。材料の一例が、実験用手袋で使用されるニトリルゴムである。この可とう性部材は、可とう性のポリマー材料によって作られていてもよい。PE、PP、PVCのようなプラスチック材料が典型的には低コストであり、および、射出成形またはブロー成形に適しているので、こうしたプラスチック材料が選択されるだろう。この可とう性部材は、さらに、熱可塑性エラストマ(TPU、SIS、SBS、および、SEBS)、合成ゴムと天然ゴムとのような熱硬化性エラストマまたは加硫エラストマ、ラテックス、ガラス、金属、および、セラミックから成るグループから選択される材料で作られるだろう。いずれの場合にしても、この可とう性部材は、上述の範囲内、すなわち、10−600mmHGの範囲内の、または、さらには10−200mmHgの範囲内の圧力差が生じる場合に撓むように設計されなければならない。
【0071】
この可とう性部材の実施態様とこれに対する要件とに関するこの考慮事項は、類推によって、蠕動ポンプで使用するためのチューブ、ダイアフラムポンプで使用するためのダイアフラム、または、ピストンポンプで使用するためのポンプのようなポンプ輸送要素(すなわち、ポンプヘッド)の実施態様にも当てはまる。一般的に、この撓みの原理は、
i)膜の弾性膨張、
ii)例えば弾性的な曲りのような材料の曲りによる、可とう性部材の形状における変化、
iii)可とう性部材の別の要素に対する1つの要素の相対的な動き
に基づいているだろう。
【0072】
i)に関して。撓みが弾性膨張に基づいている場合には、可とう性部材は、カプセル上に伸張させられているか、チューブの開口末端上に伸張させられているか、または、2つ以上の互いに間隔を置いて位置している円板の上に伸張させられており、したがって円筒の形の可とう性の壁を形成する、バルーンまたはダイアフラムのような、比較的に薄い膜またはダイアフラムを含み、および、この可とう性部材はエンクロージャと流体連通しているだろう。
【0073】
ii)に関して。撓みが材料の湾曲に基づいている場合には、この可とう性部材は、圧力差に基づいて一方向に収縮膨張することが可能なベロー形の部材を含むか、または、ブルボン管(Bourbon tube)、すなわち、内部圧力に応じて形状を変化させるチューブを含むだろう。
【0074】
iii)に関して。撓みが互いに対して相対的に動く要素に基づいている場合には、これらの要素は、「転動形ダイアフラム」、または、ピストン/シリンダ構成、または、チューブ内のリキッドストリング(liquid string)を含むだろう。
【0075】
撓みの原理には無関係に、特定の圧力差に関する撓みの度合い、すなわち、撓みに対する可とう性部材の抵抗性が、選択される材料の特性、可とう性部材の寸法、または、撓みに影響を与える別個の力供給構造(force providing structure)によって、調整されるだろう。こうした構造の一例として、例えば螺旋コイルばねのようなばねが、撓みに影響を与えるために配置されることも可能である。
【0076】
可とう性部材は、2つの異なる形で使用され、すなわち、
a)著しい抵抗なしに撓み、かつ、エンクロージャと圧力検出装置との間の気密性の障壁だけとして機能する、受動的な部材として、
b)撓みが創傷エンクロージャ内の圧力にバランスしており、かつ、この撓みが検出装置によって検出され、および、したがってその可とう性部材が圧力検出装置の一部分である、能動的な部材として
使用されるだろう。
【0077】
a)に関して。可とう性部材は、測定導管またはチャンバを経由して、エンクロージャとは反対側に位置した側部上の圧力センサに連結されている。可とう性部材が著しい抵抗なしに動くか、または、ほぼストレスレスで撓むので、この可とう性部材は、この可とう性部材の両側に同一の圧力を生じさせる位置を占めるだろうし、したがって、圧力が障壁を経由して任意の種類の圧力センサを使用して正確に測定されることが可能である。
【0078】
一般的に、このセンサは、当該の種類の圧力差を測定することが可能な任意のタイプのセンサを含むだろう。例えば、このセンサは、次のグループから選択される素子を備えるだろう。
− ひずみ計素子、
− ピエゾ抵抗素子、
− ピエゾ電気素子、
− ブルボン管、
− 微小電子機械システム(MEMSまたは半導体MEMS)、
− 振動素子(シリコン共鳴)、
− 可変静電容量素子、および、
− マイクロピラニ真空計。
【0079】
b)に関して。圧力検出装置はエンクロージャの外側に配置されてもよく、および、可とう性部材の撓みに基づいた信号を供給するようになっている。一般的に、この圧力検出装置は、寸法、距離、撓み、移動、または、力を測定することが可能である任意の種類の検出装置であってよい。
【0080】
この適用される検出原理は、検出装置と可とう性部材との間の接触、すなわち、接触測定に基づいているだろうし、または、直接的な接触とは無関係であり、すなわち、非接触測定であってもよい。
【0081】
接触検出のための検出装置は、次のグループから選択される素子を備えるだろう。
− ピエゾ抵抗素子、
− ピエゾ電気素子、
− 振動素子(シリコン共鳴)、
− 可変静電容量素子、および、
− 撓みの機械的測定であって、例えば、
− ひずみ計素子、
− 線運動位置センサ、
− 電位差計、
− 力覚センサ、または、
− 感圧抵抗体素子(FSR)
の使用による、撓みの機械的測定。
【0082】
無接触測定は、
− 超音波反射、
− 反射光(IR−LED/レーザダイオード)、
− 三角法(IR−LED/レーザダイオード、および、PSD−位置検出素子)、
− 差動形可変リラクタンス変換器(differential variable reluctance transducer)(コイル内にコアを有するDVRTまたはLVDT)
に基づいているだろう。
【0083】
いずれの場合にも、信号が、読み取り機器または表示装置を介してエンクロージャ内の負圧を監視するために、および/または、所望の負圧を実現するようにポンプを制御するために使用されることが可能である電気信号であることが好ましい。
【0084】
センサまたは検出装置のコストが、使い捨て式構成要素のコストに比較して相対的に高い場合が多い。さらに、使い捨て式のセンサは電子部品を含み、この電子部品は、電源と、永続性がある(再使用可能な)表示装置または制御ユニットに信号を伝送するための手段とを必要とする。したがって、可とう性部材から分離している検出装置を有することと、したがって使用の都度に可とう性部材が廃棄されることを可能にすることとが利点であるだろう。したがって、可とう性部材が漏洩がない形で圧力センサに着脱自在に連結可能であることが好ましく、または、可とう性部材は、例えば、検出装置を基準とした可とう性部材の適正な位置決めを簡単な形で容易化するスナップ留め式の連結システムを介して、接触検出装置に係合するように、または、無接触測定装置を基準として適正な位置に係合するように構成されてもよい。適正な測定を確実なものにするために、その連結システムは、可とう性部材の位置がセンサを基準として適正でない場合には、ポンプの使用を防止するように構成されるだろう。
【0085】
一実施態様では、可とう性部材は創傷カバーの壁部分を形成し、または、エンクロージャと流体連通している要素の一部分を形成し、例えば、この可とう性部材は、エンクロージャから延びるチューブの一部分を形成する。
【0086】
可とう性部材は、創傷カバーの一部分を形成することもあり、または、エンクロージャと流体連通している圧力信号導管の壁部分を形成することもある。この圧力信号導管は、センサが創傷から遠隔の位置に配置されることを可能にし、および、これによってセンサはポンプの駆動のための駆動ユニット内に含まれるだろう。
【0087】
圧力信号導管は、メディカルチューブによって形成されるかまたはメディカルチューブ内に埋め込まれるだろう。一実施態様では、このチューブは幾つかの管腔を形成し、および、1つの管腔が圧力信号導管を形成し、および、別の管腔が排液導管を形成する。多管腔導チューブの使用に代わる代替案として、圧力信号導管と排液導管とが個別のメディカルチューブによって形成されてもよく、および、このメディカルチューブは、システムの取り扱いを向上させるために、および、創傷カバーとポンプと圧力センサとの連結を強化するために、接合されてもよい。これらの部品の連結をさらに改善するために、多管腔チューブまたは単管腔チューブが、1つの連結動作においてポンプを排液導管に連結しかつ圧力信号導管をセンサに連結する連結手段を備えてもよい。これと同様に、連結解除が、単一の連結解除動作によって両方のチューブにおいて実現されるだろう。
【0088】
排液導管とは反対に、信号導管が単に圧力信号を導くだけで流れを導かないので、浸出液のような液体物質は圧力信号導管の中に送り込まれない。しかし、システムの信頼性を高めるために、信号導管は、エンクロージャの中への入口を形成するだろうし、この入口は、液体物質と浸出物とが信号導管の中に入ることを防止する分離構造を備える。一例を挙げれば、この分離構造は、例えば上述した可とう性部材または第2の「ストレスレス」可とう性部材のような高度に可とう性である障壁であってよい。
【0089】
高速で正確な信号伝送を実現するために、かつ、可とう性部材の撓みまたは動きを制限するために、排液導管の体積よりも小さいことが好ましい比較的に小さい体積を有する圧力信号導管を備えることが好ましい。したがって、信号導管は、排液導管よりも小さい横断面積を有することが好ましいだろう。
【0090】
一実施態様では、可とう性部材は測定導管に連結されている実質的にストレスレスに可とう性である部品であり、および、検出装置は無接触型の圧力センサである。
【0091】
別の実施態様では、可とう性部材は、実質的にストレスレスに可とう性である部分と力供給ばね構造(force−providing spring structure)とを備え、この力供給ばね構造は可とう性部材の一体的な部分であるか、または、別個の要素であり、および、検出装置は無接触型の距離センサである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0092】
以下では、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1が、本発明の第1の実施形態を示し、この第1の実施形態では、創傷カバー1が導管2によって流体入口3を経由して分離手段4に連結されており、および、分離手段4は容器10を備える。分離手段は気体から液体を分離し、および、したがって実質的に気体だけが気体出口5を通過してポンプヘッド6に流れる。この実施形態では、分離された液体と場合によっては固体材料とが容器10内に収容される。駆動ユニット8が、そのシステムが負圧を供給するようにポンプヘッド6を駆動する。ポンプヘッド6は、さらに、出口7とフィルタ9とを備える。
【0093】
図2が、本発明の第2の実施形態を示し、この第2の実施形態ではポンプヘッド6は、1つのユニットを形成するように分離手段4と一体化されている。例えば、ポンプヘッド6は容器10内に一体化されているだろう。
【0094】
図3が、分離手段4の一実施形態の側方からの斜視図を示す。
【0095】
図4が、図3の分離手段4の斜視底面図を示す。この実施形態では、分離手段4は、第2の流体入口12と、流体出口11と、第2の気体出口13とを有する、細長い部分を備える。流体出口11は、第2の流体入口12と第2の気体出口13との間に配置されている。創傷からの流体が第2の流体入口12を通過すると、その次に、この流体は流体出口11を通って容器(図示されていない)に流れ込む液体と、第2の気体出口13を通過する気体とに分離される。この分離は重力によって実現されることが可能であり、したがって液体は流体出口11を通って落下し、一方、気体は第2の気体出口13に流れ続ける。
【0096】
図5が、図3の分離手段4に対して適合化されているこの実施形態による駆動ユニット8とポンプヘッド6と容器10との斜視側面図を示す。駆動ユニット8の頂部表面の中央の凹みとポンプヘッド6と容器10とが、図4の分離手段4を収容するために設けられている。ポンプヘッド6は、分離手段の気体出口13に対応するように設けられ配置されているポンプ気体入口13′を備えている。容器10は、分離手段4の流体出口11に対応する流体入口11′を備えている。
【0097】
図6は、分離手段4と導管2との別の実施形態を示し、この実施形態では分離手段4と導管2は1つのユニットの形に組み合わされている。この実施形態では、分離手段4と導管2はチューブとして備えられており、このチューブはその遠位部分に第2の流体出口15と第3の気体出口16とを備える。流体を液体と気体に分離することは、図3から図5に示されている実施形態の分離と同様に行われる。別の実施形態では、ポンプヘッド6の中に液体が入れられないことを確実にするために、フィルタが流体入口11′の前に配置されている。
【0098】
図7から図14を参照して後述するポンプ構造と、図15から図28を参照して説明する圧力検出構造は、図1から図6を参照して説明するシステム内で使用されるだろう。
【0099】
図7と図8が、本発明の第1の側面の装置の実施形態の2つの垂直平面における断面図である。この装置は、3つの区画、すなわち、第1の区画101と、第2の区画102と、第3の区画103とを備える。さらに詳細に後述するように、第1の区画101は、第2の区画102のポンプ輸送要素が創傷から浸出物をポンプ輸送することを生じさせるための駆動構成要素を収容する。第3の区画103は、創傷からポンプ輸送された液体を収集するための収集容器105を備える。
【0100】
第3の区画103は第2の区画102に着脱自在に取り付けられており、一方、この第2の区画102は第1の区画101に着脱自在に取り付けられている。互いに対する各区画の着脱自在な固定が、例えば、ばね偏倚ラッチのような1つまたは複数のラッチ、磁気手段、1つまたは複数のロック、または、上記手段の任意の組合せによって実現されるだろう。第2の区画が第1の区画101から意図せずに取り外されることを防止するために、第2の区画を第1の区画との着脱自在な連結から解除するための解除スイッチまたはボタンが、第3の区画103が第2の区画に取り付けられている時に第3の区画103に突き当たりかつ第3の区画103によって到達不可能にされている区画102の表面に備えられている。
【0101】
ポンプの動作中に3つの区画が分離させられないことを確実なものにするために、電子制御ユニットが備えられているだろう。例えば、圧力検出要素132によって測定された容器105内および/または創傷における負圧が特定の閾値よりも高い場合には、第2の区画102からの、および/または、第1の区画101からの第3の区画103の分離が、電子的に作動させられる磁石またはロックによって不可能にされるだろう。あるいは、この代わりに、ポンプを駆動するためのモータ116が動作中であるか、または、ポンプの電源が入れられている場合には、これらの区画は制御ユニットによって相互固着させられるだろう。
【0102】
第2の区画102は、第2の区画の外側表面の仕切り壁を形成する往復動作可能な使い捨て式のダイアフラム104を含む。このダイアフラム104は、第2の区画102の外側表面に対して液密的かつ気密的に周縁において封着する。ダイアフラム104の往復動作時に、ポンプ輸送空洞106が、ポンプ輸送作用を実現するために収縮膨張させられる。このポンプ輸送空洞106の入口および出口において、または、この出口および入口の中に、それぞれの第1および第2の一方向弁108、110が備えられている。ポンプ輸送空洞106が膨張すると、第2の弁110が閉じた状態のままであると同時に、第1の弁108が開く。ポンプ輸送空洞106の収縮時には、第1の弁108が閉じ、かつ、第2の弁110が開く。
【0103】
第1の区画101は、モータ116を基準として偏心的に取り付けられている駆動棒114に連結されている永久ダイアフラム(permanent diaphragm)112を収容する。このダイアフラム112は第1の区画101の外側表面部分に周縁において付着している。好ましい実施形態では、ダイアフラム112は、さらに、第1の区画101の外側表面部分に封着し、これによって第1の区画の外側表面部分のクリーニングが容易にされる。これに加えて、第2の区画102の使い捨て式のダイアフラム104は、永久ダイアフラム112の外側表面部分に対する周縁シールを形成し、したがって中間の空洞118がこの2つの区画の間で封止されているだろう。しかし、ポンプの動作中には、ダイアフラム104、112は通常は、これらの間に実質的に間隙が無い形で、互いに対してぴったりと密着して位置しているということが理解されなければならない。モータによって生じさせられる回転運動が駆動棒114としたがって永久ダイアフラム112とが往復動作することを生じさせる。永久ダイアフラム112の往復動作が、使い捨て式のダイアフラム104が往復動作することを引き起こし、および、したがってポンプ輸送空洞106が膨張収縮することを引き起こす。
【0104】
ポンプのための入口ポート120が第2の区画102の中を通って延び、および、第3の区画の収集容器105に中に開く。気体の排出のための出口ポート122がポンプの下流に備えられている。出口ポート122も第2の区画102の中を通って延び、および、第3の区画103の中に開く。第3の区画103の中にある出口ポート122の一部分には、臭気フィルタ124とバクテリアフィルタ126とが備えられている。
【0105】
ポンプ輸送空洞106の上流または下流において、あらゆるフィルタが第3の区画内に備えられていることが一般的に有利である。したがって、第3の区画が交換される時に新たなフィルタが提供され、これによって第2の区画の永続性が延長される。
【0106】
ダイアフラム104の往復動作によって生じさせられるポンプ輸送作用が第3の区画103の収集容器105内に負圧を生じさせる。収集容器105は排液導管128を経由して創傷(図示されていない)に連結されており、これによって負圧が創傷部位において生じさせられる。圧力導管130が、第2および第3の区画102、103の中を通って延びる圧力ポートを経由して創傷部位を圧力検出要素132に連結するために備えられている。実質的に気密性である障壁を形成する可とう性部材132*が、センサ132の上流において、すなわち、センサ132と創傷エンクロージャ(図示されていない)との間に備えられていることが好ましい。この可とう性部材と圧力センサ132は、図15から図28を参照して後述する形で具体化されるだろう。
【0107】
導管128、130は、従来通りに2内腔チューブのような多内腔チューブによって構成されているだろう。しかし、2つの別個のチューブがその2つの導管のために備えられることも想定されており、この場合に、圧力導管は第2の区画102の中に直接的に延びるか、または、さらには第1の区画101の中にさえ直接的に延びるだろう。しかし、圧力センサ132を含む、第1の区画101内に含まれている構成要素の汚染の危険性を低減させるために、圧力が第2または第3の区画に接続することが好ましい。
【0108】
図9から図12が、図7および図8のポンプの変更された実施形態を示し、この実施形態では、壁136(図9および図10)と壁138(図11および図12)が、気体が容器105の頂部部分から吸い込まれることを確実なものにするために備えられている。
【0109】
図13および図14の実施形態では、排液導管128をポンプ入口120に連結する通路を形成するために、壁140が第3の区画内に備えられている。これによって、液体を含む創傷からポンプ輸送されるあらゆる物体が、ポンプ輸送空洞106を通してポンプ輸送される。したがって、ポンプの出口ポート122は、液体と気体とを第3の区画103の収集容器105の中に排出するように構成されている。この実施形態では、臭気フィルタ124とバクテリアフィルタ126とを備える気体排出ポートが、収集容器105からの気体の排出を可能にするために、収集容器105を外部に連結する。
【0110】
図15が、創傷203の周縁に取り付けられておりおよびこうしてエンクロージャ204を形成する創傷カバー202を備える吸引システム201を示す。排液導管205はエンクロージャ204をポンプ輸送構造(以下ではポンプヘッド206と呼ぶ)に連結し、および、圧力信号導管207は入口208を経由してエンクロージャ204と流体連通している。圧力信号導管207の軸方向に反対側に位置している末端209が、エンクロージャ内の浸出物が脱出することを防止しおよびこうしてセンサ211を汚染から保護する可とう性部材210に封着させられている。図15では、可とう性部材とセンサとが概略的にだけ示されている。エンクロージャ204内の圧力と周囲空間212内の圧力との間の圧力差が、可とう性部材210の撓みを生じさせ、および、センサ211はこの撓みを測定するようになっており、および、これによって圧力差を測定する。センサ211は、駆動構造214を経由してポンプヘッド206を駆動するための動力駆動手段も含むモータハウジング(以下では駆動ユニット213と呼ばれる)内に配置されている。この駆動ユニットは、さらに、可搬式の自己供給使用(portable self supplied use)のための電池を備える。可とう性部材210は、駆動ユニット213としたがってセンサ211とに着脱自在に連結可能である。図示されているように、圧力信号導管207は、排液導管205よりも小さい横断面サイズを有する。
【0111】
排出される液体と他の浸出物215が、ポンプヘッド206からリザーバ216の中に排出され、および、吸引された気体がフィルタ217と出口218との中を通して周囲空間212に排出される。このフィルタは雰囲気のバクテリア汚染を防止し、および、悪臭を防止するだろう。
【0112】
図16が、圧力信号導管207がセンサに取り付けられている状況における、可とう性部材219とセンサ220との詳細を示す。可とう性部材219は、エンクロージャ204内の負圧と周囲空間の圧力(すなわち、この場合には大気圧)との間の圧力差に基づいて形状を変化させるベロ−の形状を有する。負圧が減少するのに応じて、ベロ−形部分は短くなり、および、その長さの縮小がセンサ220によって検出される。点線が伸長状態でのベロ−形部分を示し、および、実線が圧縮された状態を示す。
【0113】
図17aが、エンクロージャに配置されている可とう性部材の側面図を示す。番号221が創傷カバーを示し、番号222がエンクロージャ内に配置されている吸引ヘッドを示し、番号223が測定カプセルを示し、番号224が測定チューブであり、および、番号225が吸引チューブである。図17bは、ベロ−226が圧力差に基づいて中で撓む測定カプセルの上面図からの同じ実施形態を示す。
【0114】
図18aが、遠隔センサ接続を示す。番号227が測定チャンバを示し、および、番号228がセンサを示す。図18bは、測定箇所に到達する管接続229を有する代替案の実施形態を示す。図18aと図18bとが可とう性部材を示さず、単にセンサ構成を示すだけであるということが理解されるだろう。
【0115】
図19が、測定チューブ232に連結されているシリンダ231内の可動ピストン230の形状である可とう性部材を示す。
【0116】
図20が、圧力差に基づいて測定チューブ234内を動く液体ピストン233を示す。
【0117】
図21が、遠隔センサに配置されているダイアフラムの形状である可とう性部材を示す。番号235が測定チューブを示し、番号236がダイアフラム237を有するハウジングを示し、番号238がスナップ嵌め合いを示し、番号239が測定チャンバを示し、および、番号240がセンサを示す。
【0118】
図22が、センサの前方に配置されているベロ−の形状である可とう性部材を示す。番号241が測定チューブを示し、番号242がスナップ嵌め合いを示し、番号243が測定チャンバを示し、および、番号244がセンサを示す。
【0119】
図23が、使い捨て式のポンプヘッドまたは廃棄物容器内の可とう性部材を示す。番号245がポンプヘッドまたは廃棄物容器を示し、番後246が駆動ユニットを示し、番号247がセンサを示し、番号248が別個の測定チャンバを示す。
【0120】
図24が、エンクロージャにそのハウジングを連結する通路250を備えるハウジング249と、ダイアフラム251と、ばね保持器252と、ばね253と、電位差計254とを使用する接触測定を示す。電位差計は、ダイアフラムに係合しており、および、したがってダイアフラムに対する直接的な接触によってダイアフラムによって動かされる。
【0121】
図25が、接触測定を行う別の方法を示す。この実施形態では、使い捨て式の部分の内側の追加のばね255が、その装置の感度を実現し、一方、追加のより弱いばね253が、電位差計と可とう性部材との間の係合の必要なしにその電位差計を動きに追従させるように、可とう性部材に対する電位差計の接触を実現する。
【0122】
図26が、距離センサを使用する無接触測定を示す。番号256がハウジングを示し、番号257がエンクロージャにハウジングを連結する通路を示し、番号258がダイアフラムを示し、番号259がセンサを示し、番号260が、その装置の感度を実現するばねを示す。
【0123】
図27が、磁気抵抗を使用する無接触測定を示す。番号261が、ダイアフラム262と、ハウジングをエンクロージャに連結する通路263とを有する、ハウジングを示し、番号264がばねを示し、番号265が鉄芯を示し、および、番号266がコイルを示す。
【0124】
図28が、浸出物のための使い捨て式のキャニスタまたは収集器の中に配置されている可とう性部材を使用する無接触測定を示す。番号267が、浸出物268を含むキャニスタを示し、番号269が別個の測定チャンバを示し、番号270が窓を示し、番号271がセンサを示し、番号272が駆動ユニットを示す。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】図1は、本発明による負圧システムの第1の実施形態の略図である。
【図2】図2は、本発明による負圧システムの第1の実施形態の略図である。
【図3】図3は、本発明の一側面による分離手段の一実施形態の側面からの斜視図を示す。
【図4】図4は、図3の分離手段の斜視底面図を示す。
【図5】図5は、図3の分離手段の実施形態による駆動ユニットとポンプヘッドと容器との斜視側面図を示す。
【図6】図6は、分離手段と導管とが1つのユニットの形に組み合わされている分離手段と導管の別の実施形態を示す。
【図7】図7は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図8】図8は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図9】図9は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図10】図10は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図11】図11は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図12】図12は、本発明の第1の側面の装置の実施形態の断面である。
【図13】図13は、本発明の第3の側面のポンプの実施形態の断面である。
【図14】図14は、本発明の第3の側面のポンプの実施形態の断面である。
【図15】図15は、本発明によるシステムを概略的に示す。
【図16】図16は、圧力センサと可とう性部材とを概略的に示す。
【図17】図17は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図18】図18は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図19】図19は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図20】図20は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図21】図21は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図22】図22は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図23】図23は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図24】図24は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図25】図25は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図26】図26は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図27】図27は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。
【図28】図28は、可とう性部材の様々な実施形態と、検出装置に対するこの可とう性部材の相対的な位置とを概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷カバーを用いる創傷の治癒を促進する装置であって、
流体入口と気体入口とを備える分離手段と、
ポンプヘッドと駆動ユニットとを備える負圧を印加する手段
とを備え、
前記ポンプヘッドは前記分離手段の前記気体出口に連結されており、および、前記ポンプヘッドは前記駆動ユニットに着脱自在に取り付けられており、したがって、使用時に、前記分離手段の前記流体出口は、例えば導管を経由して、創傷カバーに連結されている装置。
【請求項2】
前記負圧を印加する手段はダイアフラムポンプを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動ユニットは電気モータを備える請求項1から2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記ポンプヘッドは使い捨て式である請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記分離手段と前記ポンプヘッドは1つのユニットの形に構成されている請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記システムはフィルタを備える請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記フィルタは前記ポンプヘッドの前に配置されている請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フィルタは前記ポンプヘッドの出口に配置されている請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記駆動ユニットは制御ユニットを備えている請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記制御ユニットは前記駆動ユニットの一体化された一部分である請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ポンプヘッドは再使用可能である請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記ポンプヘッドは滅菌されることが可能である請求項1から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記分離手段は容器を備える請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記容器は、
液体および気体が前記容器の中に入るための少なくとも1つの入口と、
気体が前記容器の外に出て前記負圧を印加する手段の中に入るための少なくとも1つの出口とを有し、および、
前記前記入口と前記出口は、前記負圧を印加する手段の上流において液体が気体から分離されるように、前記容器と前記負圧を印加する手段とに対して相対的に配置されており、
前記負圧を印加する手段は、さらに、前記負圧を印加する手段を通してポンプ輸送される気体が前記ポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記容器は吸収剤要素を備える請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
第1の区画と、第2の区画と、第3の区画とを備え、および、前記負圧を印加する手段は、
治療部位におけるまたはこの治療部位の付近における、創傷カバー内に負圧を生じさせるモータ駆動ポンプ輸送要素と、
前記ポンプ輸送要素に駆動力を供給するモータであって、前記第1の区画内に含まれており、および、前記ポンプ輸送要素は前記第2の区画内に含まれているモータ
とを備え、
前記容器は前記第3の区画内に含まれているかまたは一体化されており、および、前記第2の区画は前記第1および/または第3の区画に着脱自在に連結されており、および、前記第3の区画は前記第1および/または第2の区画に着脱自在に連結されている請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記第2の区画は、前記第3の区画が前記第1および/または第2の区画から取り外されている時にだけ、前記第1の区画から取り外し可能である請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記容器は、
液体および気体が前記容器の中に入るための少なくとも1つの入口と、
気体が前記容器の外に出て前記ポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの出口
とを有し、および、
前記前記入口と前記出口は、前記ポンプ輸送要素の上流において液体が気体から分離されるように、前記容器と前記ポンプ輸送要素とに対して相対的に配置されており、および、
前記装置は、さらに、前記ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される気体が前記ポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える
請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記ポンプ輸送要素は、
液体および気体が前記ポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの入口と、
液体および気体が前記ポンプ輸送要素から外に出るための少なくとも1つの出口
とを備え、
これによって、前記ポンプ輸送要素の出口ポートが前記容器に連結されており、したがって前記ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される液体が前記容器の中に搬送され、
および、
前記装置は、さらに、前記ポンプ輸送要素を通してポンプ輸送される気体が前記ポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える
請求項16から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記ポンプ輸送要素は前記第2の区画の中に一体化されている請求項16から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記気体出口は前記第2の区画の中に備えられている請求項16から19のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記気体出口は前記第3の区画の中に備えられている請求項16から19のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記ポンプ輸送要素はポンプヘッドを備え、前記ポンプの動作中に前記治療部位からの気体および/または液体が前記ポンプヘッドを通してポンプ輸送され、および、液密性および/または気密性のシールが前記ポンプヘッドと前記第1の区画との間に備えられており、したがって気体および/または液体が前記第1の区画の中に入ることが防止される請求項16から22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記創傷カバー内の負圧を検出するための圧力検出要素をさらに備える請求項1から23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記容器内の負圧を検出するための圧力検出要素をさらに備える請求項13と任意の他の先行の請求項に記載の装置。
【請求項26】
前記圧力検出要素は前記第1の区画内に備えられている請求項24または25に記載の装置。
【請求項27】
前記圧力検出要素は、前記第2の区画の中を少なくとも部分的に通って延びる圧力導管の末端にまたはこの末端の付近に配置されている請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記圧力導管は前記容器の中に開く請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記圧力導管は前記第2または第3の区画の圧力入口ポートの中に開く請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記圧力検出要素は前記第2の区画内に備えられている請求項24または25に記載の装置。
【請求項31】
気体および/または液体による前記圧力検出要素の汚染を防止するための、気密性および/または液密性の障壁をさらに備える請求項24から30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記第2の区画は、前記第1の区画から前記第2の区画を取り外すためのラッチを備え、および、前記ラッチは、前記第3の区画が前記第2の区画に取り付けられている時には接近不可能である請求項16から31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
請求項1から32のいずれかに記載の装置と、創傷カバーとを備える、創傷の治癒を促進するシステム。
【請求項34】
前記創傷カバーは半透過性のカバー箔を備える請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
浸出物の搬送を可能にする前記創傷カバー内の可とう性構造をさらに備える請求項33または34に記載のシステム。
【請求項36】
前記可とう性構造はポリマー発泡体を備える請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記ポリマー発泡体は連続気泡ポリマー発泡体を含む請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記システム内の圧力レベルを検出するための、および、前記圧力値を前記装置の前記制御ユニットに通信するための、圧力検出要素をさらに備える請求項33から37のいずれかに記載のシステム。
【請求項39】
前記圧力検出要素は前記創傷カバー内の圧力レベルを検出するように構成されている請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記圧力検出要素は、前記システムの流体収集容器内の圧力レベルを検出するように構成されている請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
周囲圧力と前記負圧を印加する手段によって印加される前記負圧との間の圧力差がその可とう性部材の撓みを生じさせるように、前記エンクロージャに対して相対的に配置されている可とう性部材を備え、および、前記圧力検出装置は、前記創傷カバーによって形成されているエンクロージャの外側に配置されており、および、前記圧力に応答して、または、前記可とう性部材の前記撓みに応答して、信号を供給するように構成されており、および、前記可とう性部材は前記センサと前記エンクロージャとの間の実質的に気密性である障壁を形成する請求項38から40のいずれかに記載のシステム。
【請求項42】
前記可とう性部材は前記検出要素に対して着脱自在に係合可能である請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記可とう性部材は前記検出要素に対して相対的な固定位置に着脱自在に取り付け可能である請求項41または42に記載のシステム。
【請求項44】
前記可とう性部材は壁の一部分を形成し、および、前記壁は前記周囲空間から前記エンクロージャを分離する請求項41から43のいずれかに記載のシステム。
【請求項45】
前記可とう性部材は圧力信号導管の壁部分を形成し、および、前記圧力信号導管は前記エンクロージャと流体連通している請求項41から44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
前記圧力信号導管は前記エンクロージャ内への入口を形成し、前記入口は、液体物質が前記圧力信号導管の中に入ることを防止する分離構造を備える請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記エンクロージャと前記負圧を印加する手段との間の前記流体連通を実現する排液導管を備え、および、前記排液導管と前記圧力信号導管は1つの単一の細長い部材の形に形成されている請求項45または46に記載のシステム。
【請求項48】
前記圧力信号導管は前記排液導管の横断面積よりも小さい横断面積を有する請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記負圧を印加する手段はポンプハウジング内に含まれており、および、前記ポンプハウジングは、さらに、前記センサと、動作位置において前記可とう性部材を前記センサに対して相対的に固定するための連結構造とを含む請求項41から48のいずれかに記載のシステム。
【請求項50】
前記連結構造は、さらに、前記負圧を印加する手段に前記排液導管を連結するようになっている請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記連結構造は、単一のユーザ相互作用によって前記ポンプハウジングから前記排液導管と前記圧力信号導管の両方を連結解除するようになっている請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記ポンプハウジングは、前記排液導管に連結可能であるポンプ輸送構造を備えるポンプヘッドと、負圧を印加する手段を駆動するための動力駆動手段を含みかつ前記圧力信号導管に連結可能である駆動ユニットとに分割され、および、前記負圧を印加する手段は、前記駆動ユニットに着脱自在に連結可能であるポンプヘッドを含む請求項49から51のいずれかに記載のシステム。
【請求項53】
所望の負圧を供給するために前記圧力信号に基づいて前記負圧を印加する手段を制御するための制御構造を備える請求項41から52のいずれかに記載のシステム。
【請求項54】
前記可とう性部材は可とう性ばね手段によって第1の方向に押されている請求項41から53のいずれかに記載のシステム。
【請求項55】
前記可とう性部材は、前記周囲空間の圧力よりも低い負圧の間の差によって、前記第1の方向とは反対の方向に押されている請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記圧力検出要素は前記装置内に含まれており、および、前記創傷カバーは、多内腔導管によって前記装置の前記分離手段に連結されており、前記多内腔導管は、前記創傷カバー内に負圧を印加するための第1の通路と、前記圧力検出要素に負圧を送るための第2の通路とを備える請求項38から55のいずれかに記載のシステム。
【請求項57】
前記圧力検出要素は前記創傷カバー内にまたは前記創傷カバーの位置に含まれており、および、前記圧力検出要素は電子信号を前記装置の前記制御ユニットに伝送するようになっている請求項38から56のいずれかに記載のシステム。
【請求項58】
前記創傷を洗浄するための洗浄システムをさらに備える請求項33から57のいずれかに記載のシステム。
【請求項59】
生物内または生物上の治療部位から流体物体をポンプ輸送するポンプであって、
モータ駆動された、使い捨て式のポンプ輸送要素と、
前記ポンプ輸送要素に対して駆動力を供給する駆動ユニットであって、モータが前記ポンプのハウジング内に含まれている駆動ユニット
とを備え、および、
前記ポンプ輸送要素は、前記ポンプ輸送される流体が前記駆動ユニットには接触しないように前記駆動ユニットに着脱自在に連結されているポンプ。
【請求項60】
ポンプ輸送空洞を備え、前記ポンプ輸送空洞の壁は前記ポンプ輸送要素によって形成されており、前記ポンプ輸送要素は、前記空洞の体積が収縮膨張することを生じさせるための移動可能なまたは往復動作可能な要素を備える請求項59に記載のポンプ。
【請求項61】
前記ポンプ輸送要素はピストンを含む請求項60に記載のポンプ。
【請求項62】
前記ポンプ輸送要素はダイアフラムを含む請求項60に記載のポンプ。
【請求項63】
さらに、前記治療部位からポンプ輸送される液体を収集するための容器を備え、前記容器は前記駆動ユニットに連結されている請求項59から62のいずれかに記載のポンプ。
【請求項64】
前記ポンプ輸送要素は前記容器内に含まれている請求項63に記載のポンプ。
【請求項65】
前記ポンプ輸送要素は取り外し不可能な形で前記容器内に含まれている請求項64に記載のポンプ。
【請求項66】
前記容器は、
液体および気体が前記容器の中に入るための少なくとも1つの入口と、
気体が前記容器の外に出て前記ポンプ輸送要素の中に入るための少なくとも1つの出口
とを有し、および、
前記前記入口と前記出口は、前記ポンプ輸送要素の上流において液体が気体から分離されるように、前記容器と前記ポンプ輸送要素とに対して相対的に配置されており、および、
前記ポンプは、さらに、前記ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される気体が前記ポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える
請求項59から65のいずれかに記載のポンプ。
【請求項67】
前記ポンプ輸送要素は、
液体および気体が前記容器の中に入るための少なくとも1つの入口と、
液体および気体が前記ポンプ輸送要素の外に出るための少なくとも1つの出口
とを有し、
これによって、前記ポンプ輸送要素の出口ポートが前記容器に連結されており、したがって、前記ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される液体が前記容器内に搬送され、および、
前記ポンプは、さらに、前記ポンプ輸送要素の中を通してポンプ輸送される気体が前記ポンプから脱出することを可能にする気体出口を備える
請求項59から65のいずれかに記載のポンプ。
【請求項68】
前記容器内の液体が前記ポンプ輸送要素の圧力側において前記ポンプ輸送要素の中に入ることを防止するための構造をさらに備える請求項66または67に記載のポンプ。
【請求項69】
気体が周囲大気に脱出することを可能にするための気体脱出出口をさらに備え、および、前記気体脱出出口は気体フィルタを備えている請求項59から68のいずれかに記載のポンプ。
【請求項70】
請求項1から32のいずれかに記載の装置のあらゆる特徴をさらに備える請求項59から69のいずれかに記載のポンプ。
【請求項71】
請求項59から70のいずれかに記載のポンプと、請求項33から58のいずれかに記載のシステムのあらゆる特徴とを備える、創傷の治癒を促進するシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17a】
image rotate

【図17b】
image rotate

【図18a】
image rotate

【図18b】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公表番号】特表2009−525086(P2009−525086A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552679(P2008−552679)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000052
【国際公開番号】WO2007/087809
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】