説明

創傷治療用の繊維微小球の生体吸収性複合体足場

繊維微小球複合体足場は、生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層の一方から選択された第1の材料層と;生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層の他方から選択された第2の材料層とを具える。繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置は、繊維微小球複合体足場を作る方法に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、創傷治療用の被覆材および足場に関し、より具体的には、繊維微小球複合体の生体吸収性創傷被覆材および足場に関する。
【背景技術】
【0002】
材料化学の進歩は、患者の利便性と快適性のためにゆっくりと体に吸収される、軟部組織を支持して保護するように機能する創傷用の足場(scaffold)および被覆材(dressing)の材料の開発を導いてきた。この創傷用足場および被覆材は、患者の身体の化学的および生物学的な過程を経て吸収され、従って、多くの場合は軟部組織自体に部分的または完全に取り付けられた、これらの創傷用足場および被覆材を取外す更なる痛みを伴う過程がなくなる。
【0003】
最近の創傷治療法の発展は減圧による組織治療法の登場である。この方法では、創傷用足場または被覆材を患部に当てて、創傷用足場または被覆材に減圧を加え、創傷部から創傷液を取り除くのを促進して肉芽組織の形成を誘発する。このような減圧を効果的に適用するには、創傷用足場または被覆材が一定レベルの多孔性を維持し、治療中に液体が流れる機能を提供できるようにする必要がある。ガーゼやその種のものといった従来の創傷用足場および被覆材は、減圧マニホールドと軟部組織との間に詰まりやすく、従って足場または被覆材の多孔性を顕著に減少させてしまう。スポンジ型の材料もこのような治療に使用されているが、その組成は生体吸収性の材料ではなく、従って、時々組織部位から除去または交換せねばならないため、患者に不快感を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【0004】
現行の足場および被覆材によって示される問題点は、本発明の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場によって解決する。この繊維微小球複合体足場は、生体吸収性の微小球材料または生体吸収性の繊維材料の何れかでできた第1の層であって、他の生体吸収性の微小球材料または生体吸収性の繊維材料でできた第2の層と近接する層を具える。繊維微小球複合体足場は、繊維微小球複合体足場が完全に圧縮されるのを妨げる一方で、組織部位の滲出をもたらす。減圧組織治療システムで用いる場合、繊維微小球複合体足場は、完全な圧縮を妨げながらも優れた支持と柔軟性とを提供して、これによって繊維微小球複合体足場の気孔が閉塞するのを妨げて、組織部位から創傷液が容易に滲出するようにする。
【0005】
微小球材料は厚さと多孔性とを提供し、繊維材料は支持と繊維微小球複合体足場内部への微小球材料の閉じ込めとを提供する。繊維材料と微小球材料の交互の層の組み合わせは、繊維材料の柔軟性および閉じ込めとを組み合わせて、向上した柔軟性および微小球の厚さを通る滲出を提供する。この材料層の組み合わせは、滲出した創傷液の良好な流れを提供して、使用時または減圧時の圧縮に対する抵抗を保持する。この組み合わせは、減圧組織治療中のような使用中の繊維微小球複合体足場の圧縮を最小限にする。
【0006】
例示的な一実施形態は繊維微小球複合体足場を具えており、当該足場は、生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層である一方から選択された第1の材料層と;生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層である他方から選択された第2の材料層とを具える。他の例示的な実施形態は、繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置を具える。さらに他の例示的な実施形態は、繊維微小球複合体足場を作る方法を具える。
【0007】
例示的な実施形態の他の目的、機能、および利点は、以下の図面および詳述を参照すると自明となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の他の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の他の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置の断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置の断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置の断面図である。
【図7】図7は、本発明の他の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場を作るための、例示的な手順のフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の例示的な実施形態による繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置で組織部位を治療するための、例示的な手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の好適な実施形態の詳述では、その一部を構成する添付の図面に対して説明がなされるとともに、本発明が実施できる特定の好適な実施形態を例示的に示している。これらの実施形態は、当該技術分野の当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、他の実施形態が利用可能であり、本発明の精神または範囲を超えることなく、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。当業者が本発明を実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるため、当業者に既知の一部の情報を説明から省略する可能性がある。従って、以下の詳述は限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0010】
本明細書で使用されている用語「減圧(reduced pressure)」は、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力を意味する。多くの場合、この減圧は、患者がいる所の大気圧未満となるであろう。代替的には、減圧は組織部位における組織の静水圧より低くてもよい。用語「真空(vacuum)」および「減圧」は、組織部位に加えられる圧力について説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常関連する圧力よりも著しく低くなる可能性がある。減圧は最初に、チューブと組織部位の領域内に流体の流れを発生させることがある。組織部位周囲の静水圧が所望の減圧に近付くと、この流れは弱まり、減圧がその後維持される。特に表示がなければ、本明細書に記載される圧力値はゲージ圧である。
【0011】
本明細書で使用されている用語「組織部位(tissue site)」は、限定ではないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、または靱帯を含む任意の組織上または組織内の創傷または欠陥を意味している。用語「組織部位」はさらに、必ずしも創傷または欠陥がある任意の組織の領域ではなく、更なる組織の成長を追加して促進することが望ましい領域を意味することがある。例えば、減圧組織治療を特定の組織領域に使用して、採取して他の組織の位置に移植することができる更なる組織を成長させてもよい。
【0012】
本明細書で使用されている用語「面(surface)」は、特定の材料でできた平面を具える面の全体または一部を意味する。本明細書で使用されている用語「層(layer)」は、一般に、特定の材料層の全体または一部を意味する。例えば、微小球層は微小球を含む材料でできた層を意味する。さらに、用語「層」は、ある材料のほとんどの形状または形態を説明するものであると理解すべきだが、通常は、規則的または不規則なほとんどの厚さおよび角度の、連続的または非連続的なシートまたはフィルムの形状の材料を意味する。一の層は1つの材料、あるいは2つまたはそれ以上の材料を具えてもよい。
【0013】
本発明の繊維微小球複合体足場は、表面創傷、深部組織の創傷、および皮下創傷といった、異なる種類の創傷または組織に用いることができる。例えば、繊維微小球複合体足場を患者の骨の近傍に配置して、患者の皮膚を閉じてもよい。
【0014】
図1を参照すると、繊維微小球複合体足場100の例示的な実施形態が示されている。この実施形態では、繊維微小球複合体足場100は、繊維材料でできた第1の層であり、繊維層102と、隣接する微小球材料でできた第2の層である微小球層104とを有する。繊維層102は、組織部位408、504、および604にも隣接している(図4乃至図6)。繊維層102は、第1の面108と第2の面110とを具える。この実施形態では、繊維層102の第1の面108は、組織部位408、504、および604と隣接してもよい。微小球層104は、第1の面112と第2の面114とを具える。この実施形態では、繊維層102の第2の面110は微小球層104の第1の面112と隣接する。さらに、繊維微小球複合体足場100は、繊維層106のような、1以上の更なる材料層を具えていてもよい。1つの更なる繊維層のみが示されているが、任意の数の更なる繊維層を用いてもよい。繊維層106は第2の面114と第1の面116とを具える。第1の面116は第2の面114と隣接する。繊維微小球複合体足場100はさらに、流路120と、流路122と、流路124とを具えており、層の間を滲出液が流れるようにしている。
【0015】
図2は、複数層を有する繊維微小球複合体足場200の例示的な実施形態を示している。繊維微小球複合体足場200は、微小球材料でできた第1の層である微小球層202と、隣接する繊維材料でできた第2の層である繊維層204とを具える。微小球層202は、組織部位408、504、および604と隣接して配置してもよい。微小球層202は、第1の面208と第2の面210とを具える。この実施形態では、微小球層202の第1の面208は組織部位408、504、および604と隣接していてもよい。繊維層204は第1の面212と第2の面214とを具える。この実施形態では、微小球層202でできた第2の面210は、繊維層204でできた第1の面212と隣接する。さらに、繊維微小球複合体足場200は、微小球層206のような1以上の更なる材料層を具えていてもよい。1つの更なる微小球材料層のみが示されているが、任意の数の更なる微小球材料層を用いてもよい。微小球層206は、第1の面216と第2の面218とを具える。繊維微小球複合体足場200はさらに、流路220、222、および224を具え、層の間を滲出液が流れるようにしている。
【0016】
図3は、繊維微小球複合体足場100および繊維微小球複合体足場200の層より、更なる層を有する繊維微小球複合体足場300の例示的な実施形態を示している。繊維微小球複合体足場300は、微小球材料でできた第1の層である微小球層302と、隣接する繊維材料でできた第2の層である繊維層304とを具える。微小球層302は、組織部位408、504、および604に隣接して配置してもよい。代替的には、繊維層308が組織部位408、504、および604と隣接してもよい(図3では図示せず)。微小球層302は、第1の面310と第2の面312とを具える。繊維層304は、第1の面314と第2の面316とを具える。この実施形態では、微小球層302の第2の面312は通常、繊維層304の第1の面314と隣接している。さらに、繊維微小球複合体足場300は、微小球材料でできた第3の層である微小球層306と、繊維材料でできた第4の層である繊維層308とを具える。微小球層306は第1の面318と第2の面320とを具えており;繊維層308は第1の面322と第2の面324とを具える。この実施形態では、第2の面316は第1の面318に隣接し、第2の面320は第1の面322に隣接している。繊維微小球複合体足場300はさらに、流路326、328、330、および332を具える。
【0017】
繊維微小球複合体足場300の他の例示的な実施形態では、繊維層304、微小球層302、繊維層308、そして微小球層306の順に4つの材料の層が交互になっており、繊維層304が組織部位に隣接して配置されている。
【0018】
図4は、減圧組織治療システム400の例示的な実施形態を示している。減圧組織治療システム400は、実質的に隣接する組織部位408に挿入する繊維微小球複合体足場402と、繊維微小球複合体足場402および組織部位408を密封する創傷ドレープ404とを具える。図示のように、繊維微小球複合体足場402は、繊維層416と、微小球層418と、繊維層420と、微小球層422とを具える。繊維微小球複合体足場402を組織部位408に挿入して創傷ドレープ404で密閉した後、繊維微小球複合体足場402は、真空源または減圧源410と流体連通するように配置され、流体の排水と新しい組織成長の刺激を促進する。減圧送達チューブ412は減圧源410をチューブコネクタ406に連結しており、当該コネクタは通常、繊維微小球複合体足場402と連通するように配置され、創傷ドレープ404を通って延在している。繊維層416、微小球層418、繊維層420、および微小球層422のそれぞれに配置された流路414、424、426、および428によって、排水および減圧の分配が容易となる。
【0019】
創傷ドレープ404は不浸透性または選択的に浸透性であってもよく、好適には、エラストマ材料から構成され、少なくとも周辺が組織部位408の上の創傷ドレープ404を密閉するために、圧力に敏感なアクリル接着剤で少なくとも周囲が少なくとも一部が覆われている。
【0020】
図5は、減圧組織治療システム500の他の例示的な実施形態を示している。この減圧組織治療システム500は、実質的に隣接する組織部位504に挿入する繊維微小球複合体足場502と、繊維微小球複合体足場502および組織部位504を密封するドレープ506とを具える。図示のように、繊維微小球複合体足場502は、微小球層508と、繊維層510と、微小球層512とを具える。繊維微小球複合体足場502を組織部位504に挿入した後、ドレープ506が密閉され、上記のように繊維微小球複合体足場502と減圧源410とを流体連通するように配置して、流体廃水を促進する。減圧送達チューブ412は減圧源410をチューブコネクタ406に連結し、当該コネクタは通常、繊維微小球複合体足場502と連通するように配置され、ドレープ506を通って延在する。微小球層508、繊維層510、および微小球層512のそれぞれに配置された流路514、516、および518によって、排水および新しい組織成長が容易に刺激される。
【0021】
本明細書に記載されている減圧組織治療装置は、生物の組織部位に減圧組織治療を施すために提供される。組織部位504は火傷または別の創傷を含んでいてもよく、また代替的には、新しい組織成長を促進するのが望ましい健康な組織であってもよい。図2、図3、および図5に示されるように、微小球層202、微小球層302、および微小球層508は組織部位に隣接する。これらの実施形態では、微小球材料層は、深く傷を負った身体といった平坦でない面にも上手く適合する。
【0022】
図6は、減圧組織治療システム600の他の例示的な実施形態を示している。減圧組織治療システム600は、実質的に隣接する皮下の組織部位604に挿入し、繊維微小球複合体足場602および組織部位604を密封する繊維微小球複合体足場602を具える。図示のように、繊維微小球複合体足場602は、繊維層608と、微小球層610と、繊維層612とを具える。繊維微小球複合体足場602を組織部位604に挿入した後、組織部位604は実質的に密閉され、上記のように繊維微小球複合体足場602と減圧源410とを流体連通するように配置されて、流体の排水を促進する。減圧送達チューブ412は減圧源410を繊維微小球複合体足場602に連結し、組織部位604に減圧を送達する。シール620を設けて、チューブが患者の身体に入る減圧送達チューブ412の周囲を密閉するのを補助するようにしてもよい。繊維層608、微小球層610、および繊維層612に配置された流路614、616、および618によって、排水および新しい組織成長の刺激が容易となる。
【0023】
他の例示的な実施形態では、繊維微小球複合体足場402、繊維微小球複合体足場502、及び繊維微小球複合体足場602の層の順番は、所望の任意の順番であってもよい。
【0024】
本明細書に記載されている繊維微小球複合体足場は、図1乃至図6に図示されたものに加えて、材料の種類が交互となる更なる層を具えてもよい。例えば、繊維微小球複合体足場200は、微小球層206の上に他の繊維層というように、第4または更なる材料層を具えてもよい。他の実施例では、繊維微小球複合体足場100は、繊維層106の上に微小球層というように、第4または更なる材料層を具えていてもよい。本明細書に記載されている繊維微小球複合体足場は、所望の用途に必要な数の層を具えてもよい。この更なる層は繊維層と微小球層の間で交互であってもよく、あるいは足場が同じ種類の材料でできた隣接する層であってもよい。
【0025】
本明細書に記載されている流路は、繊維層および微小球層中のボイドおよび/またはセルによってできており、近接するボイドおよび/またはセルと流体連結または連通している。この流路によって特定の繊維層または微小球材料層を通る層間の流体連通が可能となる。この流路は形状および大きさが均一であってもよく、パターン化したまたはランダムな形状および大きさであってもよい。繊維層および/または微小球層のボイドおよび/またはセルの形状と大きさの変形を選択的に決めて、繊維層および/または微小球層を通る流体および/または滲出液の流れの特性を変更してもよい。
【0026】
本明細書に記載されている流路によって、減圧の分配および/または特定の組織部位に、および当該部位からの滲出液と流体の移動が可能となる。各材料層に設けた流路は、例えばその層の多孔性によって提供される材料固有の特徴があり、流路は繊維微小球複合体足場の材料層を構築する前または後に化学的に、機械的に、あるいはその材料内に形成することができる。これらの材料層を互いに近接して配置することにより、層間の流体連通が可能となる。
【0027】
流路を規定するのに、気孔、ボイド、開口、またはこれらの組み合わせを用いるか否かに係わらず、近接する材料層に組織が内方成長するのを最低限に抑えるために、繊維層または微小球層の何れかの材料層の多孔性は、近接する材料層と異なっていてもよい。繊維層または微小球層の何れかの材料層の多孔性は、気孔、ボイド、および/または開口の大きさを制限するか、特定の材料層に配置される気孔、ボイド、および/または開口の数(すなわち密度)を調整することによって制御されてもよい。
【0028】
繊維層の流路は、個々の繊維間のボイドで形成してもよい。不織繊維で構成した繊維層については、ボイドの大きさおよび間隔は、織繊維で構成した繊維層よりも無作為である。織繊維を有する繊維層におけるボイドの大きさと密度は、織りの固さによって選択的に制御できる。
【0029】
微小球層の流路は、微小球間のボイドまたは間隔で形成してもよい。多くの場合、所定の微小球層における微小球の数および間隔でボイドの大きさおよび密度が決まる。
【0030】
本明細書に記載されている繊維層および微小球層のボイド、気孔、またはセルの大きさは、好適には約50ミクロン乃至約600ミクロンである。他の例示的な実施形態では、繊維層および微小球層の気孔の大きさは、約400ミクロン乃至600ミクロンであってもよい。微小球層の微小球は繊維層に近接しているため、微小球が繊維層のボイド、気孔、またはセルを通り抜けるのを防ぐために、繊維層のボイド、気孔、またはセルの大きさが微小球よりも小さいことが望ましい。
【0031】
組織部位から最も遠位の繊維層または微小球層の何れかの材料層は、通常、繊維微小球複合体足場の減圧組織治療装置400、500、および600で利用する減圧源または真空源に最も近い材料層となる。この材料層は、減圧送達チューブ412を介して減圧源410から受ける減圧または真空の分配を補助する。この材料層はさらに、組織部位に導入される流体を分配したり、組織部位から採取した創傷滲出液および他の流体を集配するのに用いることができる。一実施形態では、この材料層はこれらの目的を達成可能な多孔性材料であってもよく、繊維層または微小球層に限定されない。例えば、この分配する材料は、開放セル型のセルフォーム、多孔性組織採取、および液体、ゲルおよび流路を具えるか流路を具えるよう硬化した他の泡といった、流路を形成するように構成された構造要素を有するデバイスを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0032】
材料層の特定の気孔、ボイド、および/または開口は、気孔、ボイド、および開口が近接する気孔、ボイド、および開口と流体連通しないように「閉鎖」されてもよい。これらの閉鎖された層領域を開放領域と選択的に組み合わせて、繊維微小球複合体足場の選択部位を通る流体の移動を妨げるようにしてもよい。
【0033】
前述の実施形態では、使用前の汚染から最も外側の材料層を保護するために外側膜層を用いてもよい。一態様では、組織部位に配置する前に利用者が簡単に取り外せるように、外側の薄膜層を繊維微小球複合体足場に固定または接着してもよい。
【0034】
本明細書に記載されている足場は、セルの成長および/または組織の形成を増強または促進するのに用いられる物質または構造であってもよい。足場は通常、3次元の多孔性構造であって、セル成長用のテンプレートを提供する。足場は、セル、成長要素、またはセルの成長を促進するための他の栄養分を、注入、コーティング、あるいはこれらで構成してもよい。足場は、本明細書に記載されている実施形態に応じてマニホールドとして用いて、組織部位408、504、および604と同様に、組織部位に減圧組織治療を施してもよい。
【0035】
本明細書に記載されている繊維微小球複合体足場は特定の厚さであってもよいが、約1mm乃至約30mmの厚さを有していることが好ましい。繊維微小球複合体足場の厚さは、通常、組織部位と垂直方向に測定される。繊維微小球複合体足場を構成する各層の厚さは、層の種類によって異なってもよい。例えば、一実施形態では、微小球層は約0.2mm乃至約1mmの厚さを有していてもよい。他の実施例のように、一実施形態では、繊維層は約0.1mm乃至約1mmの厚さを有していてもよい。厚さ寸法と垂直な平面における繊維微小球複合体足場の寸法は、組織部位の大きさによって異なっていてもよい。繊維微小球複合体足場、およびそれぞれの繊維層と微小球層は、大きい寸法で提供され、その後、組織部位と合うように切り落としたり形成してもよい。
【0036】
本明細書に記載されている繊維層は、糸状材料と同様の、連続的なフィラメントまたは別個の伸長した断片から構成されてもよい。いくつかの例示的な繊維は、自然繊維、人口繊維、鉱物繊維、ポリマ繊維、および超極細繊維のような当該技術分野で周知の繊維を含むが、それらに限定されない。
【0037】
本明細書に記載されている繊維層は、図1乃至図6の断面図に示すように、無作為の、組織化されていない網目状の繊維を具えていてもよく、代替的に、この繊維層は、組織の内方成長も支持することができる、組織化された繊維形状を具えていてもよい。組織化された形状は、糸、紡ぎ糸、ネット、ニット、織布、レース、繊維のフェルトから構成される繊維形状である。繊維層は、繊維間の開放空間を通って滲出液の浸透および組織の内方成長ができるように十分に開放しているべきである。一般的に、機械的な性質および生体吸収率を意図する用途に対して適切である限り、任意の生体吸収性材料が繊維層の繊維材料として適切である。
【0038】
繊維層を構成する繊維は、スパンボンド繊維、メルトブローン繊維、または接合繊維であってもよい。スパンボンド繊維は、溶融熱可塑性の材料を、押し出されるフィラメントの直径を有するスピナレットの複数の微細な、通常は円形のキャピラリからフィラメントとして押し出し、次いで、直径を急速に小さくして形成する繊維である。メルトブローン繊維は、溶融熱可塑性の材料を複数の微細な、通常は円形のダイキャピラリ(die capillaries)からフィラメントとして、高速の、通常は熱した気体(例えば、空気)流中に溶融された糸またフィラメントとして押出すことにより形成される繊維であり、この気体流は溶融熱可塑性の材料のフィラメントを減衰させてその直径を小さくする。従って、メルトブローン繊維は高速の気体流によって運ばれ、無作為に分散されたメルトブローン繊維の布を形成すべく収集面上に堆積される。さらに、繊維材料は織繊維または不織繊維であってもよい。
【0039】
繊維微小球複合体足場の繊維層および微小球層の寸法は、所望の用途と合うのに必要な、任意の大きさ、厚さ、面領域、または体積であってもよい。一実施形態では、繊維層および粒子層は、特定の用途用の所望の厚さを有する小さいシートに形成してもよい。繊維層および微小球層はさらに、大きい組織部位にまたがるように大きいシートに製造または形成してもよい。
【0040】
微小球は、溶剤を蒸発させる方法を含む様々な技術によって得ることができる。この方法は、以下のように:封入すべき活性化成分と、微小球を構成するポリマとを、水と混合しない揮発性の有機溶剤内に溶解させる、というように説明することができる。例示的な一実施形態では、微小球は、薬物、成長要素、または他の物質といった生理活性物質を組み込んでもよい。得られた溶液は、面活性化物質を用いて乳化される。有機溶剤の段階的な蒸発が、乳剤の液滴の活性化成分が閉じ込められている固体微小球への転化を誘導する。
【0041】
この微小球は、遊離または連結していてもよい。例示的な一実施形態では、微小球は、互いに焼結される。焼結工程は、微小球の材料が軟化する温度まで微小球を加熱するステップを含む。焼結工程の圧力は、微小球材料の温度や種類といった他の製造パラメータにもよる。
【0042】
本明細書に記載されている繊維層510および微小球層の材料化合物は、ポリマ型の材料を含めて、任意の生体吸収性材料であってもよい。本明細書で使用されている用語「生体吸収性」は、一般に、人間のような生物の中でゆっくりと溶解および/または消化される材料を意味しており、生体吸収性、生体溶解性、生体分解性およびそのような表現と同義とすることができる。一実施形態では、生体吸収性という用語は、材料が組織部位において存在する通常の状態に晒されている場合、組織部位から自然に取れる生成物まで分解する期間が、創傷治癒期間と実質的に同じ期間となる材料の性質を述べている。このように分解した生成物は患者の身体に吸収されるか、被覆材の他の層に透過してもよい。創傷治癒期間は、被覆材の使用から創傷が実質的に治るまでを計った期間と理解すべきである。この期間は、単なる皮膚の擦り傷ですぐに患者が治る数日間から、慢性創傷でゆっくりと患者が治る数か月までにわたる。本明細書に記載されている被覆材は、足場材料の生体吸収および/または生体適合に必要な時間を、創傷の種類および治癒に必要な時間に適合するように調整できるように製造してもよい。例えば、いくつかの被覆材では、足場材料は、1週間以内に分解するように設計してもよく、さらに他の被覆材は、1乃至3月内、あるいは所望の場合は更に長い期間で分解するように設計してもよい。
【0043】
通常、生体吸収性材料は、患者の身体によって、最終的に身体から放出されうる小さな要素に解体または代謝される。再吸収する前に材料の機能に基づいて新しい組織の成長を支持するように、特定の材料を選択してもよい。適切な生体吸収性材料の例は、ポリラクチド(「PLA」)(L−ラクチドおよびD,L−ラクチドの両方)、コポリマ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリグリコール酸(「PGA」)、アルファエステル、飽和エステル、不飽和エステル、オルトエステル、炭酸塩、無水物、エーテル、アミド、サッカライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン(「PCL」)、ポリトリメチレン炭酸塩(「PTMC」)、ポリジオキサノン(「PDO」)、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、コラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、ハイドロキシアパタイト、コラリンアパタイト、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸塩、バイオガラス、同種移植片、自家移植片、混合物、および/またはこれらの化合物のコポリマを含むが、これらに限定されない。これらの化合物は、L−ラクチド−co−D,L−ラクチドの比が70:30というように、固定比のポリマでコポリマを生成するように結合してもよい。さらに、これらの化合物、ポリマ、およびコポリマは、線形または非線形化合物であってもよい。
【0044】
例示的な一実施形態では、繊維微小球複合体足場の繊維層および微小球層の両材料層の総てまたはいくつかは、共に連結されて単一の足場を提供するようにしてもよい。例えば、繊維微小球複合体足場の交互の材料層は、製造中に共に焼結できる。他の例示的な実施形態では、繊維微小球複合体足場の繊維層および微小球層の両材料層の総てまたはいくつかが、互いに接合されていてもよい。層全体または一部をインターフェースまたは表面において加熱し、力を加えて層を連結接合へ押し入れることにより、この接合を達成することができる。代替的には、留めたり接合する手段が、層を通る圧力の分配に実質的かつ否定的な影響を及ぼさない限り、層を互いに連結するのに接着剤または機械的な留め具を用いてもよい。例えば、フィブリン接着剤のような生体吸収性または生体互換性の接着剤を、繊維微小球複合体足場の材料層と連結するのに用いてもよい。さらに他の例示的な実施形態では、材料層を互いに連結せずに、これに代えて、減圧組織治療または減圧組織治療ではない用途で使用する前および/または使用中に、材料層が互いに接触するように単純に配置してもよい。さらに他の例示的な実施形態では、材料層のうちの2つが互いに接合されており、第3または更なる材料層をこの2つの接合された層の一方と接触するように配置してもよい。
【0045】
代替的には、この材料層を、創傷に利用する前に、複合体の多層被覆材に軽く接合してもよい。このような接合は、層が接合される箇所が2つの層のインタフェースとなるように、微小球でできた層の片面上に直接、例えば繊維層のような第2の層を形成することによって達成できる。熱または超音波の点接着、ならびに特定の接着剤を、材料層の接合に用いてもよい。材料層間のインタフェースの性質は、例えば、組織部位上の第1の層の位置を遮ることなく、第1の層から第2の層を手動で引っ張る単なる動作によって、層が簡単に分離するようになっている。
【0046】
繊維微小球複合体足場に微小球層を加えると、減圧の利用中に繊維層が圧潰されにくい。微小球層の微小球が互いに接合されるか、隣接する繊維層に取り付けられる場合、繊維微小球複合体足場は、実質的に個々の微小球を損失することなく、組織部位と適合するようにトリミングしたり、大きさの変更が可能である。
【0047】
本繊維微小球複合体足場の前述の態様および例示的な実施形態に加えて、繊維微小球複合体足場を製造する方法が他の例示的な実施形態に提供されている。図7は、繊維微小球複合体足場700を作る工程のフローチャートを示している。ステップ702および704では、本明細書による開示に応じて、第1の材料層および第2の材料層が作成される。第1の層は、繊維層または微小球層の一方であってもよい。第2の層は、繊維層または微小球層の他方であってもよい。代替的には、上述のように、第1および第2の材料層は同じ種類の材料から構成され、更なる材料層は異なっていてもよい。
【0048】
ステップ706では、更なる材料層を所望するか否かについて質問されている。この質問に対する答えが「yes」の場合、ステップ708で他の材料層が作成される。ステップ706において質問に対する答えがyesである限り、繊維層および微小球層の何れかの更なる材料層が作成される。ステップ706での質問に対する答えが「no」の場合、ステップ710で、材料層が材料の種類に基づいて交互となるように構成される。例えば、第1の材料層が繊維層の場合、第2の材料層は微小球層となるであろう。同様に、第2の材料層が微小球層の場合、第3の材料層は繊維層とすることができ、これが繰り返される。本明細書に記載されているように、隣接する同じ種類の材料層が、異なる種類の材料層の次に構成されてもよい。ステップ712では、構成された層が連結または留めつけられるべきか否かに関して質問される。
【0049】
ステップ712での質問に対する答えが「yes」の場合、ステップ714では、本明細書に記載されている要素に応じて層が連結される。質問に対する答えが「no」の場合、別個の材料層が繊維微小球複合体足場に仕上げられる。同様に、ステップ714では、連結された層が繊維微小球複合体足場に仕上げられる。ステップ716では、仕上がった繊維微小球複合体足場は、形削り、形成、トリミング、切削、またはその種のことがなされて、最終形状が完成する。さらに、ステップ716では、仕上げ、滅菌、梱包、およびその種のような更なる製造ステップが実施される。
【0050】
図8は、減圧組織治療システム800で組織部位を治療する例示的な方法のフローチャートの例示的な実施形態を示している。ステップ802では、繊維微小球複合体足場が組織部位に隣接して配置される。ステップ804では、繊維微小球複合体足場上にマニホールドを配置して、組織部位に隣接する組織を密閉する。ステップ806では、減圧源がマニホールドに連結される。最終的に、ステップ808で、組織部位に減圧が加えられる。
【0051】
顕著な利点を有する発明が提供されているということは、前述から自明である。本発明はいくつかの形状のみで示されているが、限定するものではなく、本発明の精神の範囲を逸脱することなく様々な変更および改変をすることが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維微小球複合体足場において:
生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層の一方から選択された第1の材料層と;
前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の他方から選択された第2の材料層と、を具えることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項2】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場がさらに:
前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の一方から選択された更なる材料の層を具えることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項3】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の材料層および前記第2の材料層が、ポリラクチド(「PLA」)(L−ラクチドおよびD,L−ラクチドの両方)、コポリマ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、ポリグリコール酸(「PGA」)、アルファエステル、飽和エステル、不飽和エステル、オルトエステル、炭酸塩、無水物、エーテル、アミド、サッカライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン(「PCL」)、ポリトリメチレン炭酸塩(「PTMC」)、ポリジオキサノン(「PDO」)、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、コラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、ハイドロキシアパタイト、コラリンアパタイト、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸塩、バイオガラス、同種移植片、自家移植片、混合物、およびこれらの化合物のコポリマから作り得る生体吸収性材料からなるグループから選択されることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項4】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の材料層および前記第2の材料層が、接合、接着剤、溶接、留め具、および焼結の手段のうち、少なくとも1つによって連結されることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項5】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の材料層が約0.1mm乃至約1mmの厚さを有しており、前記第2の材料層が約0.2mm乃至約1mmの厚さを有することを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項6】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記生体吸収性微小球層が共に焼結されることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項7】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の層および前記第2の層が、約50ミクロン乃至約600ミクロンの大きさの気孔を有することを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項8】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の層および前記第2の層が、約400ミクロン乃至約600ミクロンの大きさの気孔を有することを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項9】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の層および前記第2の層が:
前記第1の層と前記第2の層との間で流体が移動可能な複数の流路をさらに具えることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項10】
請求項1に記載の繊維微小球複合体足場において、前記第1の層および前記第2の層が:
前記第1の層と前記第2の層との間で流体が移動可能な複数の流路をさらに具えることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項11】
請求項10に記載の繊維微小球複合体足場において、前記複数の流路が、気孔、ボイド、および開口からなるグループから選択されることを特徴とする繊維微小球複合体足場。
【請求項12】
組織部位に減圧組織治療を利用する減圧組織治療装置において:
生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層の一方から選択された第1の材料層と;
前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の他方から選択された第2の材料層であって、前記第1の層および前記第2の層が実質的に互いに近接しており、前記第1の材料層および前記第2の材料層の一方が前記組織部位に実質的に近接して配置されている第2の層と;
前記第1の層および前記第2の層の上に実質的に配置して前記組織部位を密閉するマニホールドと;
減圧を前記組織部位に送達する前記マニホールドに流体連通した減圧送達チューブと、を具えることを特徴とする減圧組織治療装置。
【請求項13】
請求項12に記載の減圧組織治療装置がさらに:
前記第1の材料層および前記第2の材料層の一方に近接して配置した前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の一方から選択された更なる材料層を具えることを特徴とする減圧組織治療装置。
【請求項14】
請求項12に記載の減圧組織治療装置において、前記第1の材料層および前記第2の材料層が、ポリラクチド(「PLA」)(L−ラクチドおよびD,L−ラクチドの両方)、コポリマ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)、 ポリグリコール酸(「PGA」)、アルファエステル、飽和エステル、不飽和エステル、オルトエステル、炭酸塩、無水物、エーテル、アミド、サッカライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカプロラクトン(「PCL」)、ポリトリメチレン炭酸塩(「PTMC」)、ポリジオキサノン(「PDO」)、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、コラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、ハイドロキシアパタイト、コラリンアパタイト、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸塩、バイオガラス、同種移植片、自家移植片、混合物、およびこれらの化合物のコポリマから作り得る生体吸収性材料からなるグループから選択されることを特徴とする減圧組織治療装置。
【請求項15】
請求項12に記載の減圧組織治療装置において、前記第1の層および前記第2の層がさらに:
前記第1の層と前記第2の層との間を流体が移動可能な複数の流路を具えることを特徴とする減圧組織治療装置。
【請求項16】
請求項12に記載の減圧組織治療装置において、前記第1の層および前記第2の層が、約400ミクロン乃至約600ミクロンの大きさの気孔を有することを特徴とする減圧組織治療装置。
【請求項17】
繊維微小球複合体足場を作る方法において:
生体吸収性微小球層および生体吸収性繊維層の一方から選択された第1の材料層を作成するステップと;
前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の他方から選択された第2の材料層を作成するステップと;
前記第1の材料層および前記第2の材料層を適応させるステップと;
前記繊維微小球複合体足場を仕上げるステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の繊維微小球複合体足場を作る方法がさらに:
前記生体吸収性微小球層および前記生体吸収性繊維層の一方から選択された更なる材料層を作成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17に記載の繊維微小球複合体足場を作る方法がさらに:
前記第1の材料層と前記第2の材料層とを連結させるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の繊維微小球複合体足場を作る方法がさらに:
前記更なる材料層を前記第1の材料層および前記第2の材料層に連結させるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18に記載の繊維微小球複合体足場を作る方法において、前記繊維微小球複合体足場を仕上げるステップが:
形削り、トリミング、切削、形成、滅菌および梱包のうちの少なくとも1つによって、前記繊維微小球複合体足場を処理するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項18に記載の繊維微小球複合体足場を作る方法において、前記連結が、溶接、接合、粘着、接着、超音波点接合、留め具、および圧縮からなるグループから選択された少なくとも1つの工程を具えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−510753(P2011−510753A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545205(P2010−545205)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/032648
【国際公開番号】WO2009/097534
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】