説明

創傷治療装置および創傷に流体を制御送達する方法

本発明は、ポンプカセット、創傷治療装置、および方法に関する。幾つかの実施形態では、ポンプカセットは、ポンプ室、ポンプ室と流体連通する吸入弁、およびポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるようにポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;ポンプカセットの1つ以上の特性を記憶し、その1つ以上の特性を判定するため自動読取装置で読み取り可能となるように構成された識別子と;を備える。幾つかの実施形態では、ポンプカセットは、アクチュエータを有する創傷治療装置に着脱可能に連結され、アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月29日に出願された米国仮特許出願第61/299,787号明細書の優先権を主張し、その内容全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に創傷治癒および創傷治療法に関する。より詳細には、本開示は、流体滴下法および陰圧創傷療法に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
臨床試験および診療から、組織部位近傍に減圧を提供すると、組織部位における新生組織の増殖が促進され、加速されることが分かった。この現象の応用は多数あるが、減圧の印加は創傷治療に特に成果があった。この治療(医学界では「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、または「真空療法」と称されることが多い)には、治癒の迅速化や肉芽組織形成の促進を含む、多くの利点がある。典型的には、減圧は、創傷インサート(例えば、多孔質パッドまたは他のマニホールドデバイス)を通して組織に印加される。創傷インサートは、典型的には組織に減圧を分配し、組織から吸引される流体を送流することができる気泡または気孔を含有する。創傷インサートは、例えば、ドレープ(例えば、粘着性サージカルドレープ)などの治療を促進する他の構成要素を有する創傷ドレッシングに組み込むことができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、ポンプカセット、創傷治療装置、および方法の実施形態を含む。
【0005】
創傷治療装置に使用される本ポンプカセットの幾つかの実施形態は、ポンプ室、ポンプ室と流体連通する吸入弁、およびポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるようにポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;ポンプカセットの1つ以上の特性を記憶し、その1つ以上の特性を判定するため自動読取装置で読み取り可能となるように構成された識別子とを備え;ポンプカセットは、アクチュエータを有する創傷治療装置に着脱可能に連結され、アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されている。幾つかの実施形態では、識別子は、無線識別(RFID)タグを含む。幾つかの実施形態では、識別子は、バーコードを含む。幾つかの実施形態では、識別子は、磁気ストライプを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の特性は、ダイヤフラムの直径、ダイヤフラムの面積、ダイヤフラムのストローク、ダイヤフラムのストロークによって生じるポンプ室の容積の変化、およびポンプカセットの1つ以上の特性を示すコード:の1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、吸入弁と排出弁はそれぞれ玉弁を含む。幾つかの実施形態では、吸入弁と排出弁はそれぞれダックビル弁を含む。幾つかの実施形態では、吸入弁と排出弁はそれぞれアンブレラ弁を含む。
【0006】
幾つかの実施形態は、さらに、ポンプ本体の吸入弁に連結された第1の端部と、流体容器に連結されるように構成された第2の端部とを有する導管を備える。幾つかの実施形態は、さらに、ポンプ本体の吸入弁と流体連通するように導管の第2の端部に連結された流体容器と;流体容器に収容される流体とを備える。幾つかの実施形態では、1つ以上の特性は、流体容器に収容された流体の識別を含む。幾つかの実施形態は、ポンプ本体に連結され、流体容器を受け入れるように構成された受け口を含む支持デバイスを備える。
【0007】
本創傷治療装置の幾つかの実施形態は、ポンプカセットに連結するように構成されたハウジングと;ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源と;ハウジングに連結されたアクチュエータと;ハウジングに連結されたポンプカセットの識別子を読み取ってポンプカセットの1つ以上の特性を判定するように構成された自動読取装置とを備え;創傷治療装置は、本ポンプカセットの一実施形態がハウジングに連結されると、自動読取装置がポンプカセットの識別子を読み取ってポンプカセットの1つ以上の特性を判定することができ、アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されている。
【0008】
幾つかの実施形態では、ハウジングは、本ポンプカセットの1つ以上に連結されるように構成されており、創傷治療装置は、ハウジングに連結された複数のアクチュエータを備え;創傷治療装置は、それぞれが少なくとも1つのポンプ室と、ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるように構成された少なくとも1つのダイヤフラムとを有する1つ以上のポンプカセットがハウジングに連結されると、複数のアクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されている。幾つかの実施形態は、さらに、アクチュエータに連結され、アクチュエータを作動させるように構成された制御装置を備える。幾つかの実施形態では、制御装置は、複数のアクチュエータを同時に作動させるように構成されている。幾つかの実施形態では、制御装置は、複数のアクチュエータを順次、作動させるように構成されている。幾つかの実施形態は、さらに、それぞれが1つ以上のポンプカセットの識別子を読み取って1つ以上のポンプカセットの1つ以上の特性を判定するように構成されている、複数の自動読取装置を備え;創傷治療装置は、それぞれが識別子を有する1つ以上のポンプカセットがハウジングに連結されると、1つ以上の自動読取装置が識別子を読み取って1つ以上の特性を判定することができるように構成されている。幾つかの実施形態は、さらに、それぞれが複数のポンプ室と、複数のポンプ室のそれぞれの容積を変化させるように移動可能となるように構成された、複数のダイヤフラムとを有する請求項1に記載の1つ以上のポンプカセットを備える。幾つかの実施形態では、複数のダイヤフラムの少なくとも1つは、複数のダイヤフラムの他の少なくとも1つとサイズが異なる。幾つかの実施形態では、複数のポンプカセットがハウジングに連結される。幾つかの実施形態は、さらに流体容器を備える。幾つかの実施形態では、複数のポンプカセットのぞれぞれの吸込弁が流体容器に連結される。幾つかの実施形態は、さらに、ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源を備える。
【0009】
本創傷治療装置の幾つかの実施形態は、ポンプ室、ポンプ室と流体連通する吸入弁、およびポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるようにポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;を備えるポンプカセットに連結されるように構成されたハウジング;ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源;ならびに、ハウジングに連結されたアクチュエータを備え;創傷治療装置は、ポンプカセットがハウジングに連結されると、アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されている。
【0010】
本創傷治療装置の幾つかの実施形態は、創傷ドレッシングに連結されて、創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源と;ハウジングに連結されたポンプカセットのダイヤフラムを移動させるアクチュエータと;ハウジングに連結されたポンプカセットの識別子を読み取ってポンプカセットの1つ以上の特性を判定するように構成された自動読取装置とを備える。幾つかの実施形態は、さらに、それぞれがハウジングに連結されたポンプカセットのダイヤフラムを移動させる、複数のアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、装置は、複数のポンプカセットに連結されるように構成されている。幾つかの実施形態では、装置は、複数のアクチュエータを同時に作動させるように構成されている。幾つかの実施形態では、装置は、アクチュエータを順次、作動させるように構成されている。幾つかの実施形態は、さらに、それぞれがハウジングに連結されたポンプカセットの識別子を読み取るように構成されている、複数の自動読取装置を備える。幾つかの実施形態では、装置は本ポンプカセットの1つに連結される。幾つかの実施形態では、装置は複数の本ポンプカセットに連結される。
【0011】
本方法の幾つかの実施形態は、ポンプ室、ポンプ室と流体連通する吸入弁、およびポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるようにポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;を備えるポンプカセットに連結されるように構成されたハウジング;ハウジングに連結され、創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動するように構成された真空源;ならびに、ハウジングに連結されたアクチュエータを備える創傷治療装置に、創傷ドレッシングを連結するステップを含む。幾つかの実施形態は、さらに、ポンプカセットを創傷治療装置のハウジングに連結し、アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるようにし、且つ、排出弁が創傷ドレッシングと流体連通するようにするステップを含む。幾つかの実施形態は、さらに、アクチュエータを作動させてダイヤフラムを移動させ、流体が創傷ドレッシングに送達されるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、ポンプカセットを連結するステップは、創傷ドレッシングを連結するステップの前に行われる。幾つかの実施形態は、さらに、真空源を作動させて創傷ドレッシングに陰圧を印加するステップを含む。
【0012】
本システムおよび/または方法のいずれかの実施形態はいずれも、前述のステップ、要素、および/または特徴のいずれかを、備える/含む/含有する/有するのではなく、それらからなってもよい、または本質的になってもよい。従って、請求項のいずれかにおいて、前述のオープンエンドの連結動詞のいずれかの代わりに「からなる」または「から本質的になる」という用語を使用し、特定の請求項の範囲を、オープンエンドの連結動詞を使用した場合の範囲から変更することができる。
【0013】
前述のおよび他の実施形態に関する詳細を下記に記載する。
【0014】
以下の図面は例示の目的で示しているのであって、本発明を限定するものではない。簡潔に且つ明瞭にするため、特定の構造の全ての特徴が、その構造が記載されている全ての図に常に標示されているわけではない。同一の参照番号は、必ずしも同一の構造を表示するわけではない。むしろ、同じ参照番号は、非同一の参照番号の場合と同様に、類似の特徴または類似の機能を有する特徴を表示するのに使用される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本創傷インサートの1つを有し、創傷部位および創傷治療装置に連結された本創傷ドレッシングの一実施形態の側面図を示す。
【図2】図2は、本創傷ドレッシングおよび/または創傷インサートを備えるおよび/またはそれらに連結するおよび/またはそれらに使用することができる創傷治療装置の一実施形態の概略ブロック図を示す。
【図3】図3は、本ポンプカセットの一実施形態の一部の拡大断面図を示す。
【図4】図4は、本創傷治療装置の一実施形態の斜視図を示す。
【図5】図5は、図4の装置の側面図を示す。
【図6】図6は、図4の装置の側面図を示す。
【図7】図7は、本創傷治療装置の別の実施形態の一部の側面図を示す。
【図8】図8は、本創傷治療装置の別の実施形態の一部の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「連結された」という用語は、接続されていることと定義されるが、それは必ずしも直接的であるとは限らず、また必ずしも機械的であるとは限らない;「連結された」2つのものは、互いに一体になっていてもよい。「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、特記しない限り、1つ以上と定義される。「実質的に」、「ほぼ」および「約」という用語は、当業者に理解されるように、必ずしも完全とは限らないが概ね明記されている通りであると定義される。
【0017】
「備える(comprise)」(および、「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などの備えるの任意の形態)、「有する(have)」(および、「有する(has)」および「有する(having)」などの有するの任意の形態)、「含む(include)」(および、「含む(includes)」および「含む(including)」などの含むの任意の形態)ならびに「含有する(contain)」(および、「含有する(contains)」および「含有する(containing)」などの含有するの任意の形態)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。そのため、1つ以上のステップを「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法は、それらの1つ以上のステップを具備するが、それらの1つ以上のステップだけを具備することに限定されない。同様に、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」創傷ドレッシングは、それらの1つ以上の要素を具備するが、それらの要素だけを具備することに限定されない。例えば、創傷インサートとドレープとを備える創傷ドレッシングに、創傷ドレッシングは明記された要素を含むが、それらの要素だけを有することに限定されない。例えば、このような創傷ドレッシングは、創傷治療装置に連結されるように構成された接続パッドも含んでもよい。
【0018】
さらに、特定の方式で構成されているデバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、明記された方式以外の方式で構成されてもよい。
【0019】
ここで図面、より詳細には図1を参照すると、本創傷治療システム10の1つの実施形態が示されている。図示されている実施形態では、装置10は、創傷治療装置14と、導管22により装置14に連結された創傷ドレッシング18とを備える。図示するように、ドレッシング18は、患者30の創傷26に連結されるように構成されている(および、連結された状態で示されている)。より詳細には、図示されている実施形態では、ドレッシング18は、創傷インサート34とドレープ38とを備える。図示するように、創傷インサート34は創傷26上に(例えば、創傷面42上にまたは創傷面42に隣接して)配置されるように構成されている(および、配置された状態で示されている)、および/または、ドレープ38が創傷インサート34と創傷26を被覆し、ドレープ38と創傷26(例えば、創傷面42)との間に空間50を形成するように、ドレープ38は創傷26に隣接する患者の皮膚46に連結されるように構成されている(および、連結された状態で示されている)。
【0020】
装置14は、例えば、創傷ドレッシング18に(例えば、導管22を介して)陰圧を印加するように作動可能となる(および/または作動する)ように構成された真空源と、創傷ドレッシング18に(例えば、導管22を介して)流体(例えば、薬液、抗菌液、灌注液、および/または発泡流体などの滴下流体)を送達するように作動可能となる(および/または作動する)ように構成された流体(例えば、液体または発泡流体)源とを備えてもよい。システム10を、従来技術に記載のものに類似の様々な構成および/または方法のいずれかで実施するおよび/または作動させるおよび/または患者30に連結することができる。例えば、KCI USA,Inc.(San Antonio,Texas,U.S.A.)および/またはその子会社および関連会社(総称して「KCI」)を通しておよび/またはそれらから様々な創傷療法システムおよび構成要素が市販されている。
【0021】
導管22は、1本のシングルルーメン導管(例えば、真空源および/または流体源と装置14との間で切り替えられる)を備えてもよく、または複数のシングルルーメン導管もしくは1本のマルチルーメン導管を備えてもよく、例えば、創傷ドレッシング18への流体の送達および/または陰圧の印加を個々におよび/または同時に行うことができるようになっていてもよい。さらに、導管22は、例えば、複数のルーメン(例えば、陰圧の印加および/または流体送達用の中心ルーメンと、中心ルーメンに隣接するまたはその周囲にある1つ以上の周囲ルーメンとを有し、周囲ルーメンを圧力センサに連結してドレープ38と表面42との間の(例えば、空間50内の)圧力または陰圧を検知することができるようになっている単一の導管におけるようなもの)を備えてもよい。図示されている実施形態では、システム10は、さらに、導管22に連結されるように構成された(および、連結された状態で示されている)創傷ドレッシング接続パッド54を備える。適した接続パッド54の一例は、KCIから市販されている「V.A.C. T.R.A.C.(登録商標)Pad」である。接続パッド54の別の例は、米国特許出願公開第2007/0219512A1号明細書として公開された米国特許出願第11/702,822号明細書に開示されている。適したドレープ38の一例には、KCIから市販されている「V.A.C.(登録商標)ドレープ」が含まれる。
【0022】
本創傷治療装置および方法の幾つかの実施形態は、図2を参照するとさらによく理解することができる。図2は、システム10の一実施形態の概略ブロック図を示す。図示されている実施形態では、創傷ドレッシング18は装置14に連結されており、装置14は、導管108によりキャニスタ104(例えば、創傷ドレッシング18から滲出物等を受け入れるように構成されている)に連結された真空源100(例えば、真空ポンプ等)を備える。図示されている実施形態では、装置14は、さらに、導管120および/またはT継手124により導管108に連結された第1の圧力トランスデューサ116と、導管132によりキャニスタ104および/または創傷ドレッシング18に連結された第2の圧力トランスデューサ128とを有する圧力センサ112を備える。圧力センサ112は、創傷ドレッシング18内および/または創傷ドレッシング18、圧力センサ112および/または真空源100に連結された様々な導管のいずれかの中の陰圧を検知するように構成されている。
【0023】
図示されている実施形態では、装置14は、さらに、導管132に連結された圧力解放弁136を備える。さらに、図示されている実施形態では、キャニスタ104および真空源100は、導管140により創傷ドレッシング18に連結される。より詳細には、導管140は、キャニスタ104を創傷ドレッシング18に連結する。図示されている実施形態では、キャニスタ104は、液体または固体粒子が導管108に入ることを防止するため、キャニスタ104の出口またはその近傍にフィルタ144を備える。フィルタ144は、例えば、水性および/または油性液体がフィルタの表面でビーズ状になるように疎水性および/または親油性の細菌フィルタを含んでもよい。装置14は、真空源100の作動中、フィルタ144での圧力低下がさほど大きくないフィルタ144を通して十分な気流が供給されるように(例えば、圧力低下が、真空源100から創傷ドレッシング18への陰圧の印加に実質的に干渉しないように)構成されてもよい。
【0024】
図2に示すものなどの様々な実施形態で、装置14は、キャニスタ内の液体がフィルタ144を閉塞するレベルに達するとすぐに、導管108内に非常に大きい陰圧(または負圧)が発生し、トランスデューサ116によって検知されるように構成することができる。トランスデューサ116は、このような圧力変化をキャニスタが一杯であると解釈し、これを、キャニスタ104を空にするおよび/または交換する必要があるというLCDのメッセージおよび/またはブザーで合図する、および/または、真空源100を自動的に遮断するまたは動作不能にする回路に接続されてもよい。
【0025】
装置14は、また、間欠的な陰圧(または負圧)を創傷部位に印加するように、および/またはリリーフ弁136で創傷部位の圧力を迅速に大気圧にすることができるように構成されてもよい。従って、装置14が、例えば、10分間隔で圧力を解放するようにプログラムされている場合、この間隔でリリーフ弁136は特定の時間、開放し、創傷部位の圧力を等しくした後、閉鎖して陰圧を回復することができる。創傷部位に一定の陰圧を印加する場合、弁136は大気へのまたは大気からの漏洩を防止するために閉鎖したままとなることが分かるであろう。この状態では、ポンプ100を連続的に運転するおよび/または作動させることなく、時々または定期的に運転しておよび/または作動させて創傷部位に陰圧を維持し、所望のレベルの陰圧(即ち、大気圧未満の所望の圧力)を維持し、それをトランスデューサ116で検知することが可能である。これにより電力が節約され、機器がその電池による電力供給で長時間作動することが可能となる。
【0026】
図示されている実施形態では、装置14は、さらに、流体源200が流体を創傷ドレッシング18に(例えば、創傷ドレッシングを通して創傷に)送達するように作動可能となるようになるように、導管204により創傷ドレッシング18に連結された流体源200を備える。流体源200は、例えば、シリンジ、流体ポンプおよび/またはその他同種類のもの流体を送達することができる任意の適した機構であってもよい。
【0027】
図3は、流体源200の幾つかの実施形態に使用するのに適した本ポンプカセットの一実施形態250の一部の拡大断面図を示す。図示されている実施形態では、ポンプカセット250は、ポンプ室258とポンプ室258と流体連通する吸入弁262とポンプ室258と流体連通する排出弁266とを有するポンプ本体254を備える。図示されている実施形態では、ポンプカセット250は、さらに、ダイヤフラム270がポンプ室258の容積(例えば、ポンプ本体254とダイヤフラム270との間の容積)を変化させるように移動可能となるように、ポンプ本体254に連結されたダイヤフラム270を備える。図示されている実施形態では、図5および図6に示されるように、ポンプカセット250は、アクチュエータを有する創傷治療装置に着脱可能に連結され、アクチュエータ(例えば、304)が作動してダイヤフラム270を(例えば、ポンプ本体254に対して)移動させ、例えば、ポンプカセット250に(例えば、吸入弁262から排出弁266に)流体を圧送することができるように構成されている。図示されている実施形態では、吸入弁262と排出弁266は、それぞれ、一方向弁、例えば、玉弁、ダックビル弁、アンブレラ弁などを含む。このようなものとして、ダイヤフラム270が(例えば、アクチュエータ304により)方向274に移動すると、吸入弁262は閉鎖し、排出弁266は開放し、その結果、ダイヤフラム270とポンプ本体254との間の容積が減少するにつれ、ポンプ室258から流体が押し出される。同様に、ダイヤフラム270が(例えば、アクチュエータ304により)方向278に移動すると、排出弁266は閉鎖し、吸入弁262は開放し、その結果、ダイヤフラム270とポンプ本体254との間の容積が増加するにつれ、ポンプ室258に流体が吸入される。図示されている実施形態では、ダイヤフラム270(例えば、ダイヤフラム270の中心)は、ダイヤフラム270とアクチュエータ304の端部308を連結するように構成されたスロット付きコネクタ282によってアクチュエータ304の遠位端308に着脱可能に連結され、端部308がダイヤフラム270を押したり引いたりすることができる(例えば、ダイヤフラムを2つの実質的に反対方向に移動させることができる)ようになっている。他の実施形態では、任意の適した機械的連結構造または機構、例えば、ピンまたは割りピン、端部308の糸とそれに対応するコネクタ282の糸、および/または、磁石および/または磁性材料などを使用することができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、ポンプキャビティ258は、ダイヤフラム270(例えば、端部308)が完全に伸張している(ダイヤフラム270と端部308が弁262および266にできるだけ近接している)とき、出口弁266の周囲がダイヤフラムでシールされるように成形されており、そのため、創傷ドレッシングに陰圧が印加されても、陰圧がポンプ室を通って移送されることが(例えば、ダイヤフラム270および吸入弁266により)実質的に防止される(さもなければ、流体が流体容器から吸引され創傷および/または捕集キャニスタに流れるおそれがある)。
【0029】
図4〜図6は、図2の装置14に類似していることがある本創傷治療装置14aの一実施形態を示す。より詳細には、図3は装置14aの全体図を示し;図4および図5は装置14aの部分図を示し、本ポンプカセットの一実施形態の着脱性を示し;図6は本ポンプカセットの一実施形態の拡大図を示す。装置14aは、ポンプカセット250に連結するように(例えば、ポンプ本体254がハウジング300に実質的に固定された関係となるように)構成されたハウジング300を備える。図示されている実施形態では、装置14aは、さらに、ハウジング300に連結されたアクチュエータ304を備える。前述のように、ポンプカセット250は、ポンプ室258と、ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となる(例えば、ポンプカセットに流体を圧送する)ように構成された膜270とを含む。アクチュエータ304は、ポンプカセット250をハウジング300に連結すると(図4に示すように)、アクチュエータ304が作動してポンプカセットのダイヤフラムを移動させる(例えば、ポンプカセットに流体を圧送する)ことができるように構成されている。図示されている実施形態では、アクチュエータ304は直線ストロークを有するソレノイドを備え、それにより端部308とダイヤフラム270を往復動させて、ポンプ室内の(ダイヤフラム270とポンプ本体254との間の)容積を連続的に増減させ、流体をポンプカセットに圧送することができる。他の実施形態では、アクチュエータ304は、任意の適したアクチュエータまたは作動機構、例えば、カム機構、ラックピニオン機構、歯車装置、モーターから偏心したアーム(eccentric arm from a motor)、および/または、ポンプカセット250および/または装置14aが本開示に記載のように機能することを可能にする他の任意の適したアクチュエータなどを含んでもよい。
【0030】
図示されている実施形態では、ポンプカセット250は、また、ポンプカセットの1つ以上の特性を記憶し、その1つ以上の特性を判定するため自動読取装置で読み取り可能となるように構成された識別子312も備える。図示されている実施形態では、装置14aは、さらに、ポンプカセットの識別子312を読み取り、1つ以上の特性(識別子に記憶されたまたは識別子から読み取り可能な)を判定するように構成された自動読取装置316を備える。装置14aは、また、ポンプカセット250がハウジング300に(図4に示すように)連結されると、自動読取装置316がポンプカセット250の識別子312を読み取り、1つ以上の特性(識別子312に記憶されたまたは識別子312から読み取り可能な)を判定することができるように構成されてもよい。識別子312は、任意の適したデバイスまたは構造、例えば、無線識別(RFID)タグ、バーコード、磁気ストライプ(例えば、クレジットカード等に一般に使用されているようなもの)、および/または、自動読取装置316で読み取ることができる他の任意の適した識別子などを含んでもよい。幾つかの実施形態では、識別子は、フラッシュメモリー、プロセッサ、および/または無線トランジーバを含む。読取装置316は、任意の適したデバイスまたは構造、例えば、RFID読取装置(RFIDタグ用)、バーコード読取装置(バーコード用)、および磁気ストライプ読取装置(磁気ストライプ用)などを含んでもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の特性(識別子312に記憶されたまたは識別子312から読み取り可能な)は、ダイヤフラム270の直径、ダイヤフラム270の面積、ダイヤフラム270のストローク(ダイヤフラム270の中心が動くことのできる直線距離)、ダイヤフラム270のストロークによって生じるポンプ室258の(例えば、ダイヤフラム270とポンプ本体254との間の)容積の変化、およびポンプカセット250の1つ以上の特性を示すコード:の1つ以上を含んでもよい。このような幾つかの実施形態では、ハウジング300は、読取装置316に連結され、識別子312に記憶されたコードを認識し、読取装置316を用いて識別子312から得られるコードで識別されるポンプカセット250の1つ以上の特性に対応する所定のまたは予めプログラムされた方式でアクチュエータ308を作動させるようにプログラムされる制御装置および/または記憶装置(図示せず)を備えてもよい。幾つかの実施形態では、ポンプカセットは、自動読取装置で読み取り可能な識別子を備えず、その代わりに、その特性の1つ以上が標示され;このような実施形態では、装置14aは、使用者が手動で、特定のポンプカセットに対応する1つ以上の装置設定(例えば、ダイヤフラムの駆動が最良になるようにアクチュエータの周波数およびストロークを変える方法、および/または、使用者インターフェースに表示すべき使用者が選択可能な選択肢の範囲)を選択することが可能になるように、1つ以上のスイッチおよび/またはタッチスクリーンを備えてもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、ポンプカセット250は、ポンプ本体254の吸入弁262に連結された第1の端部324と、流体容器332に(例えば、スパイク336を介して)連結されるように構成された第2の端部328とを有する導管320を備える。幾つかの実施形態では、ポンプカセット250は、流体容器332がポンプ本体254の吸入弁262と流体連通するように、導管320の第2の端部328に(例えば、スパイク336を介して)連結された流体容器332と;流体容器332に収容される流体とを備える。流体容器332内の流体は、任意の適した流体または成分、例えば、生理食塩水、デブリードマン用薬剤、および/または抗生物質を含んでもよい。ポンプカセット250が流体容器332を備える実施形態では、1つ以上の特性(識別子312に記憶されたまたは識別子312から読み取り可能な)は、流体容器332に収容された流体の識別を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポンプカセット250は、また、流体容器(例えば、流体容器332)を受け入れるように構成された受け口344を含む、支持デバイス340(例えば、ポンプ本体254に連結される)も備える。
【0032】
幾つかの実施形態ではポンプカセットは使い捨てであり、そのため使用者が定期的に交換できる、および/または、1つ以上のポンプカセット、創傷ドレッシング(例えば、18)、流体容器(例えば、332)、流体容器に収容される流体、および/または、創傷ドレッシングをポンプカセットおよび/または創傷治療装置(例えば、14、14a)に連結する導管を備えることができる本キットに含むことができる。ポンプの高摩耗部品(例えば、ダイヤフラムなど)が、容易に交換できる使い捨てポンプカセット内にあるため、使い捨てポンプカセットは装置の耐用寿命を延ばすことができる。さらに、使い捨てポンプカセットは、流体をポンプカセット内に保持することができ、装置の残りの部分に移送しないため、清浄度を向上させ、感染および/または相互汚染のリスクを低減することができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、装置14aは、ハウジング300に連結され、創傷ドレッシング(例えば、18)に連結されて創傷ドレッシングを通して創傷(例えば、26)に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源(例えば、100)を備える。
【0034】
図7は、本発明の創傷治療装置14bの別の実施形態の一部の側面図を示す。装置14bは、幾つかの点で装置14aに類似している。しかし、装置14bは、複数のポンプカセット(例えば、250)に連結されるように構成されているハウジング300aを備える。図示されている実施形態では、装置14bは、ハウジング300aに連結された複数のアクチュエータ304a、304b、304cを備える。図示されている実施形態では、装置14bは、1つ以上のポンプカセット(例えば、250)が複数のポンプ室(例えば、254)と、複数のポンプ室のそれぞれの容積を変化させるように移動可能となるように構成された複数のダイヤフラム270a、270b、270cとを有する場合、複数のアクチュエータ304a、304b、304cが作動してダイヤフラム270a、270b、270cを移動させることができるように構成されている。図示されている実施形態では、複数のダイヤフラム270a、270b、270cが単一のポンプカセット250a(複数のポンプ室を含む)に連結されている。他の実施形態では、複数のポンプカセット(例えば、250)がハウジング300aに連結されてもよい。
【0035】
図示されている実施形態では、流体容器332は、各ポンプ室の吸入弁262a、262b、262cに並列に連結され、排出弁266a、266b、266cは創傷ドレッシング18に並列に連結されている。幾つかの実施形態では、装置14bは、アクチュエータ304a、304b、304cに連結され、アクチュエータを作動させるように構成された制御装置(図示せず)を備える。幾つかの実施形態では、制御装置は、アクチュエータ304a、304b、304cを同時に作動させるように構成されている。幾つかの実施形態では、制御装置は、アクチュエータ304a、304b、304cを順次(例えば、304a−304b−304c、304a−304b−304c)作動させ、例えば、創傷ドレッシング18で感知できる変動が最小限になるように構成されている。順次作動させると、ポンプの脈動を低減させることができる、および/または流量を増加させることができる。幾つかの実施形態では、順次作動させると、非常に高い流速で流体を送達することができ、選択されるアクチュエータを変更することにより、非常に正確な最終用量を送達することができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、装置14bは、1つ以上のポンプカセット(例えば、250、250a)の識別子(例えば、316)を読み取り、1つ以上のポンプカセットの1つ以上の特性を判定するように構成された1つ以上の自動読取装置(例えば、312)を備え、装置14bは、識別子(例えば、312)を有する1つ以上のポンプカセット(例えば、250、250a)がハウジングに連結されると、1つ以上の自動読取装置が識別子を読み取って1つ以上の特性を判定することができるように構成されている。幾つかの実施形態では、装置14bは、複数のポンプ室(例えば、258)と、複数のポンプ室のそれぞれの容積を変化させるように移動可能となるように構成された複数のダイヤフラム(270a、270b、270c)とを有する1つ以上のポンプカセット(例えば、250、250a)を備える。幾つかの実施形態では、1つ以上のポンプカセットがハウジング300aに連結されている。幾つかの実施形態では、複数のダイヤフラムは同じサイズである。図示されている実施形態では、複数のダイヤフラムの少なくとも1つは、複数のダイヤフラムの他の少なくとも1つとサイズが異なる。例えば、図示されている実施形態では、ダイヤフラム270cはダイヤフラム270bより大きく、ダイヤフラム270bはダイヤフラム270aより大きい。
【0037】
図8は、本創傷治療装置の別の実施形態14cの一部の略図を示す。装置14cは、幾つかの点で装置14bに類似している。しかし、装置14cは、複数の流体容器332a、332b、332cに連結されるように構成されており、そのため、複数のポンプ室(およびダイヤフラム)のそれぞれが複数の流体容器332a、332b、332cの異なるものから流体を圧送するように構成されている。このようにして、サイズの異なるポンプ室および/またはダイヤフラムは、異なる流体を異なる量および/または異なる流速で圧送することができる。装置14cは、2種類以上の流体を、組み合わせて、同時に、または順次(例えば、まず、生理食塩水(後でNPWT下で除去される)で創傷を洗い流した後、創傷に抗生物質を投与する)送達するように構成することができる。
【0038】
本方法の幾つかの実施形態は、創傷ドレッシング(例えば、18)を創傷治療装置(例えば、14a)に連結するステップを含む。幾つかの実施形態では、創傷治療装置は、ポンプカセット(例えば、250)に連結されるように構成されたハウジング(例えば、300)と;ハウジングに連結され、創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動するように構成された真空源(例えば、100)と;ハウジングに連結されたアクチュエータ(例えば、304)とを備える。本方法の幾つかの実施形態は、ポンプカセット(例えば、250)を創傷治療装置のハウジングに連結し、アクチュエータが作動してダイヤフラム(例えば、270)を移動させることができるようにし、且つ排出弁(例えば、266)が創傷ドレッシングと流体連通するようにするステップ;および/またはアクチュエータを作動させてダイヤフラムを移動させ、流体が創傷ドレッシングに送達されるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、ポンプカセットを連結するステップは、創傷ドレッシングを連結するステップの前に行われる。幾つかの実施形態は、真空源を作動させて創傷ドレッシングに陰圧を印加するステップを含む。本創傷治療方法の実施形態は、本装置(例えば、14、14a、14b)および/またはポンプカセット(250、250a)の実施形態を含んでもよい。
【0039】
本明細書に記載のデバイス、システム、および方法の様々な例示的実施形態は、開示されている特定の形態に限定されるものではない。むしろ、それらは、特許請求の範囲に入る全ての変更形態および変形形態を含むものとする。
【0040】
ミーンズ−プラス−ファンクションまたはステップ−プラス−ファンクションの限定が、それぞれ「〜の手段」または「〜のステップ」の語句を使用して特定の請求項で明示的に記載されない限り、請求項はこのような限定を含むことを意図しておらず、またそのように解釈されるべきではない。
【0041】
前述の利益および利点は、一実施形態に関することもあれば、幾つかの実施形態に関することもあることが理解されるであろう。さらに、特記しない限り、「1つの(an)」ものを指す場合、それは、それらのものの1つ以上を指すことが理解されるであろう。
【0042】
本明細書に記載の方法のステップは、適宜、任意の適した順番で、または同時に行うことができる。
【0043】
必要な場合には、前述の実施例のいずれかの態様を、記載されている他の実施例のいずれかの態様と組み合わせて、同等のまたは異なる特性を有し、同じ問題または異なる問題に対処する他の実施例を構成することもできる。
【0044】
好ましい実施形態の上記の説明は、例示として記載しているに過ぎず、当業者によって様々な変更が行われ得ることが理解されるであろう。上記明細書、実施例、およびデータは、例示的実施形態の構造および使用について完全に説明するものである。様々な実施形態をある程度詳細に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多くの改変を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷治療装置に使用されるポンプカセットであって、
ポンプ室、前記ポンプ室と流体連通する吸入弁、および前記ポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;
前記ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるように前記ポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;
前記ポンプカセットの1つ以上の特性を記憶し、前記1つ以上の特性を判定するため自動読取装置で読み取り可能となるように構成された識別子と;
を備えるポンプカセットにおいて、
アクチュエータを有する創傷治療装置に着脱可能に連結され、前記アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されていることを特徴とするポンプカセット。
【請求項2】
請求項1に記載のポンプカセットにおいて、前記識別子が、無線識別(RFID)タグ、バーコード、または磁気ストライプを含むことを特徴とするポンプカセット。
【請求項3】
請求項1に記載のポンプカセットにおいて、前記1つ以上の特性が、前記ダイヤフラムの直径、前記ダイヤフラムの面積、前記ダイヤフラムのストローク、および前記ダイヤフラムのストロークによって生じる前記ポンプ室の容積の変化:の1つ以上を含むことを特徴とするポンプカセット。
【請求項4】
前記ポンプ本体の吸入弁に連結された第1の端部と、流体容器に連結されるように構成された第2の端部とを有する導管;
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のポンプカセット。
【請求項5】
請求項4に記載のポンプカセットにおいて、前記1つ以上の特性が、前記ポンプカセットの流体容器に収容された流体の識別を含むことを特徴とするポンプカセット。
【請求項6】
第2のポンプ室、前記第2のポンプ室と流体連通する第2の吸入弁、および前記第2のポンプ室と流体連通する第2の排出弁を有するポンプ本体と;
前記第2のポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるように前記ポンプ本体に連結された第2のダイヤフラムと;
を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポンプカセットにおいて、
第1および第2のアクチュエータを有する創傷治療装置に着脱可能に連結され、前記アクチュエータが作動して各ダイヤフラムを移動させることができるように構成されていることを特徴とするポンプカセット。
【請求項7】
前記ポンプカセットの1つ以上の特性を記憶し、前記1つ以上の特性を判定するため自動読取装置で読み取り可能となるように構成された第2の識別子;
をさらに備える、請求項6に記載のポンプカセット。
【請求項8】
請求項7に記載のポンプカセットにおいて、前記第2の識別子によって識別される前記1つ以上の特性が前記第2のダイヤフラムに関するものであるポンプカセット。
【請求項9】
請求項7または8に記載のポンプカセットにおいて、前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムのサイズが異なることを特徴とするポンプカセット。
【請求項10】
創傷ドレッシングに連結され、前記創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源と;
前記ハウジングに連結されたポンプカセットのダイヤフラムを移動させるアクチュエータと;
前記ハウジングに連結されたポンプカセットの識別子を読み取って前記ポンプカセットの1つ以上の特性を判定するように構成された自動読取装置と;
を備える、創傷治療装置。
【請求項11】
それぞれが前記ハウジングに連結されたポンプカセットのダイヤフラムを移動させる、複数のアクチュエータ;
をさらに備える、請求項10に記載の創傷治療装置。
【請求項12】
請求項11に記載の創傷治療装置において、前記装置が複数のポンプカセットに連結されるように構成されていることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の創傷治療装置において、前記装置が、前記複数のアクチュエータを同時に作動させるように構成されていることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項14】
請求項11または12に記載の創傷治療装置において、前記装置が前記複数のアクチュエータを順次、作動させるように構成されていることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項15】
それぞれが前記ハウジングに連結されたポンプカセットの識別子を読み取るように構成されている、複数の自動読取装置;
をさらに備える、請求項11に記載の創傷治療装置。
【請求項16】
前記装置が請求項1〜9のいずれか1項に記載の1つのポンプカセットに連結される、請求項10〜15のいずれか1項に記載の創傷治療装置。
【請求項17】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の創傷治療装置において、前記装置が請求項1〜9のいずれか1項に記載の複数のポンプカセットに連結されることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項18】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のポンプカセットに連結されるように構成されたハウジングと;
前記ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて前記創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源と;
前記ハウジングに連結されたアクチュエータと;
前記ポンプカセットの識別子を読み取って前記1つ以上の特性を判定するように構成された自動読取装置と;
を備える創傷治療装置において、
前記ポンプカセットが前記ハウジングに連結されると、前記自動読取装置が前記ポンプカセットの識別子を読み取って前記1つ以上の特性を判定することができ、前記アクチュエータが作動して前記ダイヤフラムを移動させることができるように構成されていることを特徴とする、創傷治療装置。
【請求項19】
請求項18に記載の創傷治療装置において、前記ハウジングが1つ以上のポンプカセットに連結されるように構成されており、前記創傷治療装置が、
前記ハウジングに連結された複数のアクチュエータ;
を備え、
1つ以上のポンプカセットが、複数のポンプ室と、前記複数のポンプ室のそれぞれの容積を変化させるように移動可能となるように構成された複数のダイヤフラムとを有する場合、前記複数のアクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されていることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項20】
前記アクチュエータに連結され、前記アクチュエータを作動させるように構成された制御装置;
をさらに備える、請求項18または19に記載の創傷治療装置。
【請求項21】
流体容器;
をさらに備える、請求項18または19に記載の創傷治療装置。
【請求項22】
請求項18または19に記載の創傷治療装置において、前記複数のポンプカセットのそれぞれの吸入弁が前記流体容器に連結されることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項23】
前記ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて前記創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源と;
をさらに備える、請求項18または19に記載の創傷治療装置。
【請求項24】
ポンプ室、前記ポンプ室と流体連通する吸入弁、および前記ポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;
前記ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるように前記ポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;
を備えるポンプカセットに連結するように構成されたハウジング;
前記ハウジングに連結され、創傷ドレッシングに連結されて前記創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動することができるように構成された真空源;ならびに;
前記ハウジングに連結されたアクチュエータ;
を備える創傷治療装置において、
前記ポンプカセットが前記ハウジングに連結されると、前記アクチュエータが作動してダイヤフラムを移動させることができるように構成されていることを特徴とする創傷治療装置。
【請求項25】
創傷ドレッシングを創傷治療装置に連結するステップであって、前記創傷治療装置が、
ポンプカセットに連結されるように構成されたハウジングであって、前記ポンプカセットが、
ポンプ室、前記ポンプ室と流体連通する吸入弁、および前記ポンプ室と流体連通する排出弁を有するポンプ本体と;
前記ポンプ室の容積を変化させるように移動可能となるように前記ポンプ本体に連結されたダイヤフラムと;
を備える、ハウジング;
前記ハウジングに連結され、創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するように作動するように構成された真空源;ならびに、
前記ハウジングに連結されたアクチュエータ;
を備えるステップと;
前記創傷治療装置のハウジングにポンプカセットを連結し、アクチュエータが作動して前記ダイヤフラムを移動させることができるようにし、且つ前記排出弁が前記創傷ドレッシングと流体連通するようにするステップと;
前記アクチュエータを作動させて前記ダイヤフラムを移動させ、流体が前記創傷ドレッシングに送達されるようにするステップと;
を含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、ポンプカセットを連結するステップが、創傷ドレッシングを連結するステップの前に行われることを特徴とする方法。
【請求項27】
前記真空源を作動させて前記創傷ドレッシングに陰圧を印加するステップ;
をさらに含む、請求項25または26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517904(P2013−517904A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551285(P2012−551285)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2011/022723
【国際公開番号】WO2011/094410
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(505167473)ケーシーアイ ライセンシング インク (19)
【Fターム(参考)】