説明

加熱調理器

【課題】油脂分の温度上昇を抑え、発煙量の増加及び発火を抑制できる加熱調理器を提供すること。
【解決手段】調理庫内に収納され、載置網に載置されて庫内加熱手段で加熱される被調理物から滴下する油脂分を受ける受皿と、調理庫の前面に設けた開口を開閉自在に覆い、調理庫外から吸込んだ空気を調理庫内へ吹出す吹出孔を設けたグリル扉と、受皿に凹形状に設けられた油脂分を溜める油脂貯留部と、を備え、吹出孔から調理庫内に吹出す空気は、油脂貯留部へ当たるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器、詳しくは電気ヒータ等の加熱手段でグリル等の加熱調理をする調理庫を有する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
調理庫を有する加熱調理器には、キッチンキャビネットのカウンタートップに組み込んで使用される組み込み式のものや、キッチンキャビネットの上等に置かれて使用される据え置き式のものがある。
【0003】
従来、この種の調理庫を有する加熱調理器では、網に載せた魚や肉等の被調理物を受皿に載せて、調理庫内で電気ヒータ等の加熱手段で加熱調理するのだが、油脂分の多い魚や肉等の被調理物を加熱調理すると、加熱された被調理物から出て受皿に滴下した油脂分が、加熱手段でさらに加熱され、油脂分の発火温度近くまで温度上昇すると発煙量が増加し、油脂分の発火温度を超えると発火してしまう。
【0004】
加熱手段に直接滴下した場合は、油脂分の量が少ないため、発煙量も少なく発火も規模が小さく済むが、受皿に滴下した油脂分は集まり量が増えているので、発煙量が増え、除煙手段の触媒の性能低下が早まる、また、発火も規模が大きくなるため、被調理物を焦がす等、調理の仕上がりに悪影響を及ぼしたり、使用者に不安を与えるという問題があった。
【0005】
そのため、かかる課題を解決するものとして、受皿の下部に冷却通路を設け、この冷却通路の空気取入口を調理庫の前面側に設け、空気吐出口を排気口に連ね、排気通路と冷却通路に夫々排気ファンと吸引ファンを配置し、それらの排気ファン及び吸引ファンを同軸のモータに連結した加熱調理器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、受皿の温度を検出する受皿温度センサと、受皿に水を溜めない水無し条件での加熱調理を実行する際に、受皿温度センサの検出に基づいて、受皿の温度が魚油発火温度を超えないように上ヒータ及び下ヒータを制御する制御手段を具備した加熱調理器が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−061515号公報(第3頁、図2)
【0008】
【特許文献2】特開2008−110136号公報(第3頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された加熱調理器では、受皿の下部に冷却通路を設けたので、受皿の温度上昇を低減することはできるが、受皿上に滴下した油脂分は発熱体の輻射熱に曝されるため、発熱体の火力や被調理物から滴下する油脂分の量による違い、受皿上に滴下した油脂分の拡がり方の違いなどから、油脂分の発煙量の増加や発火を防止する効果が充分ではないという問題があった。
【0010】
また、特許文献2に開示された加熱調理器では、受皿の温度が魚油発火温度を超えないよう
に上ヒータ及び下ヒータを制御しているので、受皿自体の温度は発火する温度にならないが、受皿上に滴下した油脂分は発熱体の輻射熱に曝されるため、被調理物から滴下する油脂分の量による違い、受皿上に滴下した油脂分の拡がり方の違いなどから、油脂分の発煙量の増加や発火を防止する効果が充分ではないという問題があった。
【0011】
さらに、受皿の温度が魚油発火温度を超えないように上ヒータ及び下ヒータを制御しているので、調理庫内の温度が被調理物の調理に適した温度にならず、調理の出来具合に影響するという問題もあった。
【0012】
本発明は、かかる課題を解決するためのもので、油脂分の温度上昇を抑え、発煙量の増加及び発火を抑制できる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の加熱調理器は、調理庫内に収納され、載置網に載置されて庫内加熱手段で加熱される被調理物から滴下する油脂分を受ける受皿と、調理庫の前面に設けた開口を開閉自在に覆い、調理庫外から吸込んだ空気を調理庫内へ吹出す吹出孔を設けたグリル扉と、受皿に凹形状に設けられた油脂分を溜める油脂貯留部と、を備え、吹出孔から調理庫内に吹出す空気は、油脂貯留部へ当たるようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の加熱調理器においては、調理庫内の受皿に、加熱中に被調理物から滴下する油脂分を溜める油脂貯留部を設け、その油脂分を溜めた油脂貯留部に空気を当てて冷却し、油脂分の温度上昇を抑えることができ発煙量の増加及び発火を抑制できるので、調理性能が低下せず、安全性が確保できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱調理器の全体構成を示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態1の加熱調理器の天板を取り外した状態の全体構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図。
【図4】本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を側面側から見た詳細断面図。
【図5】本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を斜め前方から見た斜視図。
【図6】本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を斜め後方から見た斜視図。
【図7】本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を天面側から見た部分断面図。
【図8】本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を天面側から見た部分断面図。
【図9】本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を制御する電気的構成を示すブロック図。
【図10】本発明の実施の形態1の加熱調理器の動作説明のためのフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態1の加熱調理器の基本動作を示す通電状態説明図。
【図12】本発明の実施の形態1の加熱調理器の各メニューでの送風装置の風量、ヒータ火力の制御を示す説明図。
【図13】本発明の実施の形態2の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図。
【図14】本発明の実施の形態3の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図。
【図15】本発明の実施の形態4の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図。
【図16】本発明の実施の形態5の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図。
【図17】本発明の実施の形態5の加熱調理器の電気的構成を示すブロック図。
【図18】本発明の実施の形態5の加熱調理器の動作説明のためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の加熱調理器の全体構成を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態1の加熱調理器の天板を取り外した状態の全体構成を示す斜視図、図3は本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図、図4は本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を側面側から見た詳細断面図、図5は本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を斜め前方から見た斜視図、図6は本発明の実施の形態1の加熱調理器のグリル扉を斜め後方から見た斜視図、図7は本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を天面側から見た部分断面図、図9は本発明の実施の形態1の加熱調理器の電気的構成を示すブロック図、図10は本発明の実施の形態1の加熱調理器の動作説明のためのフローチャートである。
【0017】
なお、それぞれの図において、同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、複数の部材であって、符号に「a、b、あるいはc等」を付記するものについて、共通する内容を説明する際には、符号に付した「a、b、あるいはc等」を削除して、その一方の部材について説明する。
【0018】
また、本発明の実施の形態において、加熱手段の動作条件とは、加熱するための電気的、物理的な条件をいい、通電時間、通電量、加熱温度、通電パターン(連続通電、断続通電等)等を総称したものである。従って、加熱動作のための通電とは、必ずしも一定の電力で連続的に通電するという意味ではなく、供給電力の大きさを変化させ、また通電も1秒間に数回以上の短時間で繰り返し行うようなものも通電状態を意味する。
【0019】
電気加熱とは、電気輻射式熱源を用いた加熱、電磁誘導式加熱(Induction Heating)、誘電加熱(高周波加熱)等を総称したものである。
【0020】
表示とは、文字や記号、イラスト、色彩や発光有無や発光輝度等の変化により、使用者に動作条件や調理に有益、参考となる関連情報(以下、「参考情報」という)や、異常使用を注意する目的や異常運転状態の発生を知らせる目的のもの(以下、単に「調理関連情報」という)を視覚的に知らせる動作をいう。発火状態にあるという情報もここでいう調理関連情報に含まれる。
【0021】
表示手段とは、特に明示のない限り、液晶や各種発光素子(一例としては発光ダイオード、レーザダイオード等、有機電界発光素子など)を含む。このため表示手段の意味には、液晶画面(LCD)やEL画面等の表示画面を含んでいる。
【0022】
報知とは、表示又は電気的音声(電気的に作成又は合成された音声をいう)により、制御手段の動作条件や調理関連情報を使用者に認識させる目的で知らせる動作をいう。
【0023】
報知手段とは、特に明示のない限り、ブザーやスピーカ等の可聴音による聴覚による報知手段と、文字や記号、イラスト、あるいは可視光による視覚的な報知手段とを含んでいる。
【0024】
図1に示すように、加熱調理器100は、略直方体の函体である本体10と、本体10の内部に設けられた調理庫20と、この調理庫20に収容される金属製の受皿30と、調理庫20の前方(図2において左側)に開閉自在に設置されたグリル扉40と、本体10の天面に形成された非磁性体、例えば結晶化ガラスからなる天板70と、天板70の外周に向かって突出する金属、例えばステンレスからなる枠体80と、を有している。
【0025】
天板70の上面には、鍋載置サークル71a、71b、71cが描かれ、図2に示すように、天板70の下面でそれぞれの直下に加熱手段72a、72b、72c(以下まとめて「加熱手段72」と称する場合がある)が設置されている。加熱手段72a、72b、72cは、本体10の前面に設けられた前面操作部11に設置されている(ダイヤル式)火力設定スイッチ73a、73b、73cによって、あるいは枠体80の前方に設けられた天板操作部81に設置されている押圧式火力設定スイッチ74a、74b、74c(図2では代表符号74)によって、操作され、通電条件が設定されるものである。
【0026】
なお、操作や調理の状態は、天板70に設けられた後述する報知手段としての表示部75、例えば天板70の下方に設置された液晶画面により天板上に表示される。なおこの天板70の後方には排気口76が形成されている。また前記火力設定スイッチ73a、73b、73c、及び押圧式火力設定スイッチ74a、74b、74cは、全て電源スイッチ12を介して電源が供給される。つまり通電制御手段200により、それらスイッチの操作信号が有効、無効になるように構成されている。また天板操作部81には火力設定スイッチ74a、74b、74c以外に、通電時間設定タイマーの操作キーや温度設定キー等各種キーが設置されている。
【0027】
また、図1に示すように、天板70の左右方向の中央部で、前後方向の前側に報知手段の一例としての表示部75が設置されている。この表示部は全部の加熱手段72の状況を視覚的手段で示すことから「統合表示画面」ともいうが、液晶パネル75aを主体に構成され、天板70を介して(透過させて)その下面から表示光を上面側に放つように天板70の下面近傍に設けられている。
【0028】
表示部75は、左側の加熱手段72a、右側の加熱手段72b、中央の加熱手段72c及び調理庫20の上ヒータ23、下ヒータ24の各通電条件やその運転状態(停止や通電等)の設定を入力したり、設定情報を視覚的に確認したりすることができるものである。
すなわち、以下の3つの場面に対応して、通電されているかどうかという動作状況やその通電条件の情報が、文字やイラスト、グラフなどによって表示されるものである。具体的な構造と表示動作について省略する。
(1)左側の加熱手段72a、右側の加熱手段72bの状態。
(2)中央の加熱手段72cの状態。
(3)調理庫20の状態。
なお各加熱手段72で加熱調理を行う場合の操作手順や機能(例えば、現在ロースト、グリル、オーブンの何れの種類の調理が行われているか否か)も表示される。
【0029】
この表示部75において、実際に情報を表示する画面区域は加熱手段72毎に複数個に分割されている。例えば画面を合計12個のエリアに割り当てしてあり、次のように定義してある。
(1)左側の加熱手段72aの対応エリア(火力と時間と温度で各1個)。
(2)中央の加熱手段72cの対応エリア(火力と時間で各1個)。
(3)右側の加熱手段72bの対応エリア(火力と時間と温度で各1個)。
(4)調理庫20の対応エリア(火力と温度、時間で各1個)。
(5)各種調理における「参考情報」を随時又は使用者の操作で表示するガイドエリア(1個)。
(6)異常運転検知時及び不適正操作使用時に使用者に報知する重要な「調理関連情報」の表示エリア(1個)。このエリアは異常時における使用者への助言や対処方法などの情報も表示される(その表示内容は合成音声手段によって音声で使用者へ報知しても良い)。
【0030】
上記の合計12個の各エリア(表示領域)は、液晶画面の上に実現されたものではあるが、画面自体に物理的に個別に形成され、又は区画されているものではない。すなわち、画面表示のソフトウエア(マイコンのプログラム)により確立されたものであるので、そのソフトウエアによりその都度面積や形、位置を変えることは可能であるが、使用者の使い勝手を考え、各加熱源72の左右の並び順序に合わせて常に同じ並び順序にしている。つまり、画面上では相対的な位置として、左側に左側の加熱手段72a、真中に中央の加熱手段72c、右側に右側の加熱手段72bについての情報がそれぞれ表示される。なお、この表示部の表示動作は後述する表示部駆動回路134を通じて通電制御手段200により行われる。上記した表示エリアの切り替え等のソフトウエアはその通電制御手段200に格納されている。
【0031】
なお、前記重要表示エリアの表示は、通電条件の表示よりも常に時間的にも、表示面積的にも優先するようになっている。つまり加熱手段72や上ヒータ23、下ヒータ24の火力等を表示している状態で、例えば異常検知された場合、その異常検知を使用者が容易に、かつ明瞭に認識できるように、直ちに表示し、かつ表示文字なども大きく、色彩上も目立つように工夫されている。
【0032】
なお、前記加熱手段72a、72bは、何れも誘導加熱式加熱手段、後部中央位置にある加熱手段72cは誘導加熱式加熱手段又はラジエントヒータ等で知られる輻射式電熱加熱手段である。
【0033】
次に、図3に示すように、調理庫20は、略直方体状の空間であって、前面(図3において左側)に開口部21と、背面(図3において右側)に開口部22が設けられ、庫内加熱手段として、例えば輻射式電気加熱のシーズヒータからなる上ヒータ23が天面近傍に、同じくシーズヒータからなる下ヒータ24が載置網32の下方かつ受皿30の上方となる位置にそれぞれ配設され、庫内加熱手段保持部材25で保持されている。例えばシーズヒータからなる上ヒータ23、下ヒータ24は水平面内で広がりを持つように電源線が接続される両方の端子間は、予め数回屈曲させることでU字又はW字形等の平面形状に形成されている。
【0034】
庫内加熱手段としての、これら上ヒータ23、下ヒータ24を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)、調理庫20内の雰囲気温度を設定し、庫内温度検知手段140からの温度情報によって火力調節して調理するオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)等が行えるようになっている。例えば、上ヒータ23は最大消費電力(最大火力)1200W、下ヒータ24は最大消費電力800Wのものが使用されている。
また、上ヒーター23、下ヒーター24の火力を含む通電条件、通電時間、あるいは調理庫20の雰囲気温度を設定するための調理設定入力手段120は、前面操作部11および後述する天板操作部81に設けてある。
【0035】
そして、本体10の天面かつ天板70の後方に2つに区画された排気口76が形成され、その1つの排気口76と調理庫20の背面の開口部22とを連通する排気風路用の排気ダクト64が設けられている。なお、排気ダクト64には排気を浄化する触媒61と触媒61の浄化作用を活性化するための触媒加熱用ヒータ62と排気を強制的に実行する送風装置63からなる除煙手段60が配置されている。触媒加熱用ヒータ62は例えばシーズヒータからなり、150W〜300W程度の電力が供給される。
【0036】
除煙手段60により、被調理物、例えば魚類の加熱によって発生した煙や臭いが分解され、発生した熱気や蒸気等は排気口76から排出されることになる。このなお、もう一方の排気口は本体10の内部空間に連通し、本体内部の各種発熱部品を冷却した空気の排出路の終端になっている。なお、排気を強制的に実行するため送風装置63を設けているが、調理中の調理庫20内の温度と、排気ダクト64の温度差を利用し排気口76への空気の流れをつくることで、送風装置63を使わず自然排気させるようにしてもよい。
【0037】
扉40は調理庫20の開口部21を覆うものであって、扉40の前面には、縦断面形状が庇状になっている取っ手50が設けられている。したがって、使用者は取っ手50に手を掛けて調理庫20の開口部21を自在に開閉することが可能である。また、扉40を閉じた時には、扉40は調理庫20の開口部21の周囲にシールパッキン48を介して気密的に密着するものであり、後述する吸気孔45以外に通気性を有する箇所は無い。
【0038】
さらに、扉40には、図1に示すように、受皿30を支持する受皿支持枠31が固定または傾動自在に設置されている。これにより、受皿30は扉40の開閉と連動し、調理庫20へ自在に収納、または取り出しされるようになる。
【0039】
ここで図4〜図6により、扉40の構成をより詳しく説明すると、扉40は、透明窓部を有する耐熱性ガラスからなる前面の表板41と、前面下側の樹脂成型された前板45と、後面の金属製の裏板42と、表板41および前板45の外周それから裏板42の外周とを連結する例えば金属製の外周板43と、を有する函体である。
表板41の下端部は、前板45の上端部に形成された垂直方向の溝に挿入されてネジ等の固定手段(図示せず)で固定されている。
【0040】
裏板42は外周が矩形であって、表板41に対して略平行に配置され、表板41の透明窓部41wと重なる箇所に開口42wが形成され、調理庫20内が視認できるようになっている。そして、裏板42の外周から前方へ一体に伸びている外周板43(略矩形筒状)と、開口部42w(内周に同じ)から前方へ一体に伸びている内周板44(略矩形筒状)と、を有していて、前板45と、裏板42と、外周板43の下部のコ字状の範囲と、内周板44の下側と、によって囲まれた空間49が形成されている。
【0041】
グリル扉40の前板45の前面には前方に突出する取っ手50が設けられている。取っ手50は、前板45の略全幅に渡って設置されるものであって、前板45の前方に向かって略水平に伸びたフランジ部51と、前板45にアーチ状で上下方向に伸びた手掛け部52と、前板45の前面が一体に形成された側面視で断面略h字状である。そして、手掛け部52と前板45とを連結する一対の仕切壁53a、53bが、所定間隔を空けて設置されている。
【0042】
したがって、手掛け部52および前板45の中央部と一対の仕切壁53a、53bとによって囲まれ、上方をフランジ部51の中央部によって覆われた中央取っ手空間59c(略四角柱状)が形成されている。
また、手掛け部52および前板45の側方寄り部と一方の仕切壁53aとによって囲まれ、上方をフランジ部51の側方寄り部によって覆われた側方取っ手空間59a(略直角三角柱状)が形成され、同様に、手掛け部52および前板45の側方寄り部と他方の仕切壁53bとによって囲まれ、上方をフランジ部51の側方寄り部によって覆われた側方取っ手空間59b(略直角三角柱状)が形成されている。
【0043】
そして、図5において略直角三角柱状の側方取っ手空間59a、59bにおける前板45の側方寄りに貫通する吸気孔46が形成されている。
「前板45の側方寄り」とは、使用者が取っ手50に手を掛けた際、手の位置に一致しない範囲を指し、たとえば、前板45の幅方向の中央範囲である約100〜150mmを除く部分で、表板41の側縁41a、41b寄りの範囲を指している。
【0044】
したがって、図5に示すような表板41の全幅に渡る取っ手50においては、取っ手50の中央範囲である約100〜150mmを除く、側縁41a、41b寄りの範囲を指している。あるいは、取っ手50が表板41の幅方向の中央範囲である約100〜150mmの範囲に設置された場合には、取っ手50を除く側縁41a、41b寄りの範囲を指している。
【0045】
吸気孔46は扉40の空間49と連通していて吸気通路になるので、台所等の室内の空気は、側方取っ手空間59a、59bから、吸気孔46を経由して扉40の空間49に吸引される。なお、図5において、吸気孔46は複数の丸孔を示しているが、その数量や形状はこれに限定されるものではない。
【0046】
また、正面視において、吸気孔46は取っ手50の手掛け部52に覆われているから、直接視認することができない。
そして、平面視において前方中央に行くに従って徐々に突出した「アーチ形状」であるため、手掛け部52の端部52a、52bに近い範囲は、手掛け部52と前板45との間隔が狭くなり、使用者が手指を掛けることが困難になっている。すなわち、使用者の手指が側方取っ手空間59a、59bに侵入しないため、調理の際、吸気孔46が塞がれるおそれがない。
【0047】
また、万一、調理庫20の圧力が上昇して熱気が逆流し、連通している吸気孔46から側方取っ手空間59a、59bに熱気が流出した場合であっても、下方のみが開口しているから、かかる熱気は下方に向かって流れ出し、使用者の手指に熱気が触れることがない。
【0048】
また、仕切壁53a、53bによって中央取っ手空間59cが形成されているから、使用者が仕切壁53a、53bよりも側方に手指を掛けること、あるいは、手指を側方に移動させることがさらに困難になっている。
【0049】
図6において、グリル扉40の裏板42の下方に吹出孔47a、47bが形成されている。図4に示すように、吹出孔47a、47bはグリル扉40の空間49と連通していて、吸気孔46とは上下方向で位相が一致していない。このため、吸気孔46を通過した吸気(空気)は、吹出孔47a、47bに直接侵入することはなく、裏板42に衝突して空間49に充満した後、吹出孔47a、47bから調理庫20に吹き出すことになる。
【0050】
図6において、裏板42の中央付近に設けられている吹出孔47aの開口面積が裏板42の側縁42a、42b付近に設けられている吹出孔47bの開口面積より大きくなっている。これにより吸気孔46から吸気された空気が吹出孔47bに集中することなく、吹出孔47aにもバランスよく空気が供給できるようになる。
【0051】
図7において、受皿30のグリル扉40側(調理庫20前面側)に凹形状の油脂貯留部33が設けられている。したがって、図5に示したように吹出孔47a、47bからの受皿30の油脂貯留部33への空気の流れが確保され、油脂分の冷却が効率よく行える。
【0052】
また、油脂貯留部33は、調理庫20の天面側からみると、庫内加熱手段の上ヒータ23、下ヒータ24に重ならない位置に設けられていて、溜められた油脂分が庫内加熱手段に直接炙られないようになっているので、さらに油脂分の冷却が効率よく行える。
【0053】
なお、図6において、側方付近の吹出孔47bおよび中央付近の吹出孔47aはそれぞれ長穴であるが、その形状、数量さらに、配置の範囲をこれに限定するものではない。たとえば、それぞれを複数の丸孔によって構成してもよい。このとき、当該丸孔の単位面積当たりの形成数あるいは開口面積(丸孔の直径)を、吹出孔47aの方が吹出孔47bよりも、密にあるいは大きくしておけば、長穴のときと同様に、受皿30の油脂貯留部33への空気の流れが確保され、油脂分の冷却が効率よく行える。
【0054】
また、裏板42の全幅に渡って側方付近の吹出孔47bおよび中央付近の吹出孔47aを形成してもよい(このとき、側方付近の吹出孔47bおよび中央付近の吹出孔47aの境界が明確でなくなる)。このとき、かかる吹出孔の開口面積(丸穴のとき、その直径)を、裏板42の中央に近づく程大きく、あるいは、かかる吹出孔同士の間隔を中央に近づく程狭くしておけば、側方付近に吹出孔47bおよび中央付近に吹出孔47aを設けたときと同様に、受皿30の油脂貯留部33への空気の流れが確保され、油脂分の冷却が効率よく行える。
【0055】
図8は本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫とグリル扉を天面側から見た部分断面図である。図7では、油脂貯留部33をグリル扉40側(調理庫20前面側)に凹形状の油脂貯留部33が設けたものを例示したが、図8に示すように、油脂貯留部33を調理庫20の側面側にグリル扉40と直交するように設けてもよい。この場合、側方付近の吹出孔47bに油脂貯留部が設けられるので、中央付近の吹出孔47aは設けず、側方付近の吹出孔47bの面積を大きくすれば、受皿30の油脂貯留部33への空気の流れが確保され、油脂分の冷却が効率よく行える。
【0056】
図9は本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を制御する電気的構成を示すブロック図である。図9において、通電制御手段200は、定電圧回路(図示せず)を介して直流電源が供給されて、全ての加熱手段と表示部75を制御する中心的な制御手段の役目を果たすものである。
【0057】
通電制御手段200は、入力部110と、出力部111と、記憶部112と、演算処理制御を行うCPU113とから構成されている。天板操作手段81および前面操作手段11からなる調理設定入力手段120からの操作入力により、入力部110を経てCPU113により記憶部112に格納された基本動作プログラムが呼び出され、再びCPU113により出力部111を経て、庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132、触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134、表示部(75)駆動回路135の各駆動回路へ出力指令がなされるようになっている。
【0058】
天面操作部81または前面操作部11の火力設定スイッチを操作すると、調理庫20の上ヒータ23と下ヒータ24を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)やオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)が行える。
【0059】
但し、本実施の形態1のように、同時に使用可能な多数の加熱手段を有する複合形加熱調理器の場合、複数の加熱手段を同時使用したときの総入力電流が家庭の配電盤の電流容量制限を超過しないようにそれぞれの加熱手段の最大設定可能火力を制御する必要がある。例えば、グリル調理では、上ヒータ23、下ヒータ24及び触媒加熱用ヒータ62等の火力の合計を2500Wに設定しているので、すでに右側の加熱手段72aが3KWの火力で運転し、左側の加熱手段72bが1KWの火力で運転している状態では、通電制御手段200は、グリル調理の火力が、(総電力容量5.8KW)−(3+1KW)=(1.8KW)を超えないように、火力設定範囲を制限するため、グリル調理の入力を受け付けないようになっている(このような制御はデマンド制御と呼ばれている)。誘導加熱調理が行われていない場合は、グリル調理を設定の通り、2500Wで加熱調理できる。
【0060】
なお、先にグリル調理が開始されている時は、その後から他の加熱手段を使用する場合、(総電力容量5.8KW)−(2.5KW)=(3.3KW)を超えないように、通電制御手段200が火力設定範囲を制限する。また、通電制御手段200は、所定の優先順位を各加熱手段について定めておき、優先度の高い加熱手段の火力設定を優先して各加熱手段の火力を割り振るようにしてもよい。
【0061】
図10は、本発明の実施の形態1の加熱調理器の動作説明のためのフローチャートであり、通電制御回路200の内部にある記憶部112に格納された基本動作プログラムに基づく動作を示すフローチャートである。図11は、本発明の実施の形態1の加熱調理器の基本動作を示す通電状態説明図、図12は、本発明の実施の形態1の加熱調理器の各メニューでの送風装置の風量、ヒータ火力の制御を示す説明図である。
次に、図10〜図12により、上記の構成からなる加熱調理器の動作を説明する。
【0062】
図10に示すように、電源スイッチ12をONする(ST1)。(ここでSTとはステップのことで、フローチャートに示す動作の段階を表している。以下ステップはSTと記す。)次に、通電制御手段200が起動(ST2)されると、温度検知回路139は、庫内温度検知手段140からの温度データを読み込み(ST3)、その温度データを通電制御手段200に送って、通電制御手段200によって、調理開始前に調理庫20内の温度がどうなっているか判定している(ST4)。ここで庫内温度検知手段140が検知した温度xが、通電制御手段200に格納されている閾値である第1の所定の温度X1と比較し、x<X1の関係が成り立つと加熱動作が可能と判断し、調理メニュー選択、通電条件などの入力を受付ける(ST5)。
【0063】
ST4でx<X1の関係が成り立たないと加熱動作が不可能と判断し、調理メニュー選択、通電条件などの入力を拒否して(ST13)、異常処理を実施、表示部75の所定の表示エリアでその旨使用者に注意喚起する文字や記号等を表示し、調理庫内温度が異常であることを報知する(ST14)。(表示と同時並行的に、音声で報知しても良いし、表示に代えて音声だけで報知しても良い。)その後、ST4の動作へ戻る。
【0064】
ST5で入力を受付けると、通電制御手段200はST3で読み込んだ温度データxと、通電制御手段200に格納されている閾値である第2の所定の温度X2と比較し調理庫20内の温度がどうなっているか判定(ST6)し、x>X2の関係が成り立つと、通電制御手段200は触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を介して触媒加熱用ヒータ62、送風装置63に通電を開始、さらに庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24に通電を開始し、使用者が選択した調理に相応しい通電条件でを上ヒータ23、下ヒータ24を制御する(ST7)。
【0065】
ここで、例えばオーブン調理(例えば、ケーキ)を行った場合、庫内温度検知手段140から随時温度測定情報が温度検知回路139に入力され、この温度検知回路139からの情報に基づき通電制御手段200は庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24の通電条件、例えば通電火力や通電率を変更し、使用者が設定した調理に適する温度に調理庫20内が保たれるように制御する。
【0066】
このオーブン調理の場合、上ヒータ23と下ヒータ24に通電開始と同時又は所定時間遅れて、触媒加熱用ヒータ62と送風装置63は運転開始される。また上ヒータ23と下ヒータ24の通電が終了してもそれらは所定時間運転継続され、その後運転が停止される。
【0067】
ST6でx>X2の関係が成り立たないとST11へ進み、庫内加熱手段上ヒータ23駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ24駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24に通電を開始する。ST10では通電制御手段200は触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を駆動しない。そのため、触媒加熱用ヒータ62、送風装置63へは通電されない。次に通電制御手段200はST3で読み込んだ温度データxと、通電制御手段200に格納されている閾値である第2の所定の温度X2と再度比較し調理庫20内の温度がどうなっているか判定(ST12)し、x>X2の関係が成り立つと、触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を介して触媒加熱用ヒータ62、送風装置63に通電を開始するようになっている(ST13)。
【0068】
図11は、上ヒータ23と下ヒータ24と触媒加熱用ヒータ62の通電状態を示しており、横軸が調理開始からの時間軸、縦軸は供給される電力(W)を示している。
このように、調理庫20で加熱調理を行った場合、ほぼ同時に上ヒータ23と下ヒータ24と触媒加熱用ヒータ62の3者に通電が開始されるが、触媒加熱用ヒータ62は加熱庫20内の温度が所定の高温に至るまで(図10のST6〜ST13に図示)、または所定の時間を経過するまでは、通電しないようにしても良い。
【0069】
使用者が設定した所定時間又は調理に応じて予め設定されている時間を経過した時点(図11のT3)で上ヒータ23と下ヒータ24の通電が終了(ST9)し、そのあとも触媒加熱用ヒータ62と送風手段63は所定時間(例えば5分間)はそのまま運転継続され、T4の時点でそれらへの通電は停止され(ST10)、加熱終了となる。
【0070】
本実施の形態1における加熱調理器は、調理庫20による加熱調理中も異常監視制御を行うようにしてあり、通電制御手段200は、加熱調理中において、庫内温度検知手段140により検出された温度が予め設定した第1の所定の温度X1を超えた場合、あるいは調理開始からその火力に応じた温度上昇速度が異常に速い場合、または異常に遅く温度上昇が緩慢な場合等の場合、については異常と判定する(ST15)。
【0071】
異常と判定された場合、通電制御手段200は、所定の異常時処理を実行する(ST16)。
例えば、温度上昇が十分でない場合は、扉40を完全に閉めていない場合が想定されるので表示部75の所定の表示エリアでその旨使用者に注意喚起する文字や記号等を表示し、扉40の密閉確認を促す(表示と同時並行的に、音声で報知しても良いし、表示に代えて音声だけで報知しても良い)。この報知後に異常状態が解消されているかどうかは再度所定時間後、再び判定され、解消していない場合は、ヒータ23及び24の通電は緊急停止され、表示部75の所定の表示エリアに、異常温度で緊急停止した旨の情報を表示させる(ST17)。
【0072】
グリル調理の各モードには、庫内温度検知手段140、調理時間により、各種条件を備えている。これらの条件により、上下ヒータの火力制御、送風手段への制御を遮断又は抑制する。「オーブン」を除く各モード、火力での設定温度、送風装置63の風量の条件を図12に示す。
【0073】
図12(a)、(b)より、例えば「手動グリル」モードで調理をスタートしたとき、スタート時の庫内温度検知手段140の検知温度が70℃未満のとき、送風装置63の風量は、スタート後〜5分後未満までは、「弱」で制御を行い、5分後以降は、「強」で制御を行う。
スタート時の庫内温度検知手段140が70℃以上のとき、送風装置63の風量は、「強」で制御を行う。
また、図12(c)のように、「手動グリル」モードの設定火力によって送風装置63の風量を変えるようにしてもよい。
【0074】
また、図12(b)より、「手動グリル」モードの設定時間によって、送風手段の運転の有無を判断している。これは、設定時間が短い場合は、送風装置63を動作させると、庫内が温まりにくくなったり、調理物から発生する油脂量や油煙量が少ないため、送風装置63を動作させなくても問題ないためである。設定時間を1〜4分にした場合は、送風装置63を動作させず(OFF)、設定時間5分以上の場合は、動作させる(ON)。ただし、スタート時の庫内温度検知手段140の検知温度が70℃以上のとき、送風装置63は「弱」で動作させる。
【0075】
また、調理庫内異常監視の条件は、庫内温度Tを庫内温度検知手段140で検出し、図12(d)、(e)より、各メニューごとに温度の閾値を設定し、閾値温度を規定の回数連続で検出した場合、段階的に送風装置63の風量、下ヒータ24の火力を下げていく。温度A≦庫内温度Tの場合、下ヒータ24の火力、送風装置63をOFFさせる。温度B≦庫内温度T<温度Aの場合、下ヒータ24の火力を設定火力より1段階下げ、送風装置63は弱で作動させる。温度C≦庫内温度T<温度Bの場合、下ヒータ24の火力を設定火力より0.5段階下げ、送風装置63は弱で作動させる。温度D≦庫内温度T<温度Cの場合は、制限はせず設定通りの火力、送風装置63の風量で作動させる。
【0076】
温度A以上の検知があった場合、予め定めた所定時間(図11のT1〜T2の間、例えば10秒間)だけ送風装置63の運転やそれに加えて下ヒータ24の通電を停止するという制御がされる。この所定時間の間に再度異常温度検知がされた場合、同様に通電停止動作をする。このため、庫内温度検知手段140は少なくとも数秒以内に反復して入力信号を分析し、庫内温度を検知するようにすることが望ましい。火力制限後は、庫内温度に応じて段階的に火力を上げ所定の動作を実行する。
【0077】
以上のように、受皿に設けた油脂貯留部に油脂分を集めて冷却し、庫内温度により庫内加熱手段と送風装置を制御するようにしたので、調理中に受皿に滴下した油脂分の発煙、発火が抑えられ、安全性を確保することができる。また、発煙、発火が抑えられることにより、調理の出来具合への悪影響も軽減できるので、調理の失敗が少ない使い勝手のよい加熱調理器を提供することができる。
【0078】
なお、本実施例では、誘導加熱手段を備えた加熱調理器を挙げたが、調理庫のみの加熱調理器でも、同様の効果を奏することができる。
【0079】
実施の形態2.
図13は本発明の実施の形態2の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図である。図13において、グリル扉40の調理庫20側に、整流板26が設けられている。
【0080】
加熱動作が開始され、送風装置63が送風を開始すると、グリル扉40の取っ手50内部の吸気孔46から外部の新鮮な空気が吸気され、空間49に入り吹出孔46から調理庫20内へ吹出される。その新鮮な空気は、整流板26により受皿30に設けられた油脂貯留部33に導かれ、油脂貯留部33を経由してから調理庫20内を通り、送風装置63により、排気ダクト64から調理庫20の外へ排出される。
【0081】
以上のように、本実施の形態では、整流板により外部の新鮮な空気を油脂分貯留部へ導くことができるようにしたので、調理中に受皿に滴下した油脂分の発煙、発火が抑えられ、安全性を確保することができる。また、発煙、発火が抑えられることにより、調理の出来具合への悪影響も軽減できるので、調理の失敗が少ない使い勝手のよい加熱調理器を提供することができる。
【0082】
実施の形態3.
図14は本発明の実施の形態3の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図である。図14において、グリル扉40の調理庫20側に、遮熱板27が受皿30に設けられた油脂貯留部33を覆うように設けられている。
【0083】
加熱動作が開始され、送風装置63が送風を開始すると、グリル扉40の取っ手50内部の吸気孔46から外部の新鮮な空気が吸気され、空間49に入り吹出孔46から調理庫20内へ吹出される。その新鮮な空気は、遮熱板27と受皿30に設けられた油脂貯留部33の間の空間を流れるようになっている。遮熱板27は油脂貯留部33を覆うように設けられているので、上ヒータ23、下ヒータ24からの輻射熱を緩和することができ、さらに油脂貯留部33と遮熱板27の間の空間を新鮮な空気が流れるようになっているので、油脂貯留部33の温度上昇を抑えることができる。
【0084】
以上のように、本実施の形態では、遮熱板によりヒータからの輻射熱を緩和することができ
外部の新鮮な空気を油脂分貯留部と遮熱板の間の空間へ流すようにしたので、調理中に受皿に滴下した油脂分の発煙、発火が抑えられ、安全性を確保することができる。また、発煙、発火が抑えられることにより、調理の出来具合への悪影響も軽減できるので、調理の失敗が少ない使い勝手のよい加熱調理器を提供することができる。
【0085】
実施の形態4.
図15は本発明の実施の形態4の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図である。図14において、グリル扉40の調理庫20側に、遮熱板27が受皿30に設けられた油脂貯留部33を覆うように設けられている。
【0086】
加熱動作が開始され、送風装置63が送風を開始すると、グリル扉40の取っ手50内部の吸気孔46から外部の新鮮な空気が吸気され、空間49に入り吹出孔46から調理庫20内へ吹出される。その新鮮な空気は、遮熱板27の上の空間を流れるようになっている。遮熱板27は油脂貯留部33を覆うように設けられているので、上ヒータ23、下ヒータ24からの輻射熱を緩和することができ、さらに遮熱板27の上の空間を新鮮な空気が流れるようになっているので、油脂貯留部33の温度上昇を抑えることができる。
【0087】
以上のように、本実施の形態では、遮熱板によりヒータからの輻射熱を緩和することができ
外部の新鮮な空気を遮熱板の上の空間へ流すようにしたので、調理中に受皿に滴下した油脂分の発煙、発火が抑えられ、安全性を確保することができる。また、発煙、発火が抑えられることにより、調理の出来具合への悪影響も軽減できるので、調理の失敗が少ない使い勝手のよい加熱調理器を提供することができる。
【0088】
実施の形態5.
図16は本発明の実施の形態5の加熱調理器の調理庫とグリル扉を側面側から見た断面図、図17は本発明の実施の形態5の加熱調理器の電気的構成を示すブロック図、図18は本発明の実施の形態5の加熱調理器の動作説明のためのフローチャートである。
【0089】
図16に示すように、調理庫20は、略直方体状の空間であって、前面(図16において左側)に開口部21と、背面(図16において右側)に開口部22が設けられ、庫内加熱手段として、例えば輻射式電気加熱のシーズヒータからなる上ヒータ23が天面近傍に、同じくシーズヒータからなる下ヒータ24が載置網32の下方かつ受皿30の上方となる位置にそれぞれ配設されている。例えばシーズヒータからなる上ヒータ23、下ヒータ24は水平面内で広がりを持つように電源線が接続される両方の端子間は、予め数回屈曲させることでU字又はW字形等の平面形状に形成されている。
【0090】
庫内加熱手段としての、これら上ヒータ23、下ヒータ24を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)、調理庫20内の雰囲気温度を設定し、庫内温度検知手段140からの温度情報によって火力調節して調理するオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)等が行えるようになっている。例えば、上ヒータ23は最大消費電力(最大火力)1200W、下ヒータ24は最大消費電力800Wのものが使用されている。それから、油脂分温度検知手段141からの温度情報によって、送風装置63の風量を通常モードの強と同等、またはそれよりも強い冷却モードで運転し、油脂分の温度を下げるようにしている
【0091】
そして、本体10の天面かつ天板70の後方に2つに区画された排気口76が形成され、その1つの排気口76と調理庫20の背面の開口部22とを連通する排気風路用の排気ダクト64が設けられている。なお、排気ダクト64には排気を浄化する触媒61と触媒61の浄化作用を活性化するための触媒加熱用ヒータ62と排気を強制的に実行する送風装置63からなる除煙手段60が配置されている。触媒加熱用ヒータ62は例えばシーズヒータからなり、150W〜300W程度の電力が供給される。
【0092】
除煙手段60により、被調理物、例えば魚類の加熱によって発生した煙や臭いが分解され、発生した熱気や蒸気等は排気口76から排出されることになる。このなお、もう一方の排気口は本体10の内部空間に連通し、本体内部の各種発熱部品を冷却した空気の排出路の終端になっている。なお、排気を強制的に実行するため送風装置63を設けているが、調理中の調理庫20内の温度と、排気ダクト64の温度差を利用し排気口76への空気の流れをつくることで、送風装置63を使わず自然排気させるようにしてもよい。
【0093】
図17は本発明の実施の形態1の加熱調理器の調理庫を制御する電気的構成を示すブロック図である。図17において、通電制御手段200は、定電圧回路(図示せず)を介して直流電源が供給されて、全ての加熱体と表示部75を制御する中心的な制御手段の役目を果たすものである。
【0094】
通電制御手段200は、入力部110と、出力部111と、記憶部112と、演算処理制御を行うCPU113とから構成されている。天板操作手段81および前面操作手段11からなる調理設定入力手段120からの操作入力により、入力部110を経てCPU113により記憶部112に格納された基本動作プログラムが呼び出され、再びCPU113により出力部111を経て、庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132、触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134、表示部(75)駆動回路135の各駆動回路へ出力指令がなされるようになっている。
【0095】
天面操作部81または前面操作部11の火力設定スイッチを操作すると、調理庫20の上ヒータ23と下ヒータ24を同時又は個別に通電してロースト調理(例えば焼き魚)、グリル調理(例えばピザやグラタン)やオーブン調理(例えば、ケーキや焼き野菜)が行える。
【0096】
図18は、本発明の実施の形態5の加熱調理器の動作説明のためのフローチャートであり、通電制御回路200の内部にある記憶部112に格納された基本動作プログラムに基づく動作を示すフローチャートである。次に、上記の構成からなる加熱調理器の動作を説明する。
【0097】
図18に示すように、電源スイッチ12をONする(ST21)。次に、通電制御手段200が起動(ST22)されると、温度検知回路139は、庫内温度検知手段140及び油脂分温度検知手段141からの温度データを読み込み(ST23)、その温度データを通電制御手段200に送って、通電制御手段200によって、調理開始前に調理庫20内の温度がどうなっているか判定している(ST24)。
【0098】
ここで庫内温度検知手段140が検知した温度xが、通電制御手段200に格納されている閾値である第1の所定の温度X1と比較し、x<X1の関係が成り立つと、次にST23で読み込んだ温度データにより、通電制御手段200によって、調理開始前に油脂分の温度がどうなっているか判定している(ST24)。
【0099】
ここで油脂分温度検知手段141が検知した温度zが、通電制御手段200に格納されている閾値である所定の温度Zと比較し、z<Zの関係が成り立つと、加熱動作が可能と判断し、調理メニュー選択、通電条件などの入力を受付ける(ST26)。
【0100】
ST24でx<X1の関係が成り立たないと加熱動作が不可能と判断し、調理メニュー選択、通電条件などの入力を拒否して(ST32)、異常処理を実施、表示部75の所定の表示エリアでその旨使用者に注意喚起する文字や記号等を表示し、調理庫内温度が異常であることを報知する(ST33)。(表示と同時並行的に、音声で報知しても良いし、表示に代えて音声だけで報知しても良い。)その後、ST24の動作へ戻る。
【0101】
ST25でz<Zの関係が成り立たないと油脂分温度が高温で加熱動作が不可能と判断し、送風装置(63)駆動回路134を介して送風装置63に通電、通常モードの強と同等、またはそれよりも強い冷却モードで運転を開始(ST34)、油脂分の温度を下げるようにする。
【0102】
その後、油脂分温度検知手段141が検知した温度zが、通電制御手段200に格納されている閾値である所定の温度Zと比較(ST35)し、z<Zの関係が成り立つと、送風装置63の動作を停止し、その後、ST26の動作へ移行する。
【0103】
ST26で入力を受付けると、通電制御手段200はST23で読み込んだ温度データxと、通電制御手段200に格納されている閾値である第2の所定の温度X2と比較し調理庫20内の温度がどうなっているか判定(ST27)し、x>X2の関係が成り立つと、通電制御手段200は触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を介して触媒加熱用ヒータ62、送風装置63に通電を開始、さらに庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24に通電を開始し、使用者が選択した調理に相応しい通電条件でを上ヒータ23、下ヒータ24を制御する(ST28)。
【0104】
ここで、例えばオーブン調理(例えば、ケーキ)を行った場合、庫内温度検知手段140から随時温度測定情報が温度検知回路139に入力され、この温度検知回路139からの情報に基づき通電制御手段200は庫内加熱手段上ヒータ23駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ24駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24の通電条件、例えば通電火力や通電率を変更し、使用者が設定した調理に適する温度に調理庫20内が保たれるように制御する。
【0105】
このオーブン調理の場合、上ヒータ23と下ヒータ24に通電開始と同時又は所定時間遅れて、触媒加熱用ヒータ62と送風装置63は運転開始される。また上ヒータ23と下ヒータ24の通電が終了してもそれらは所定時間運転継続され、その後運転が停止される。
【0106】
ST27でx>X2の関係が成り立たないとST37へ進み、庫内加熱手段上ヒータ(23)駆動回路131、庫内加熱手段下ヒータ(24)駆動回路132を介して上ヒータ23、下ヒータ24に通電を開始する。ST37では通電制御手段200は触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を駆動しない。そのため、触媒加熱用ヒータ62、送風装置63へは通電されない。次に通電制御手段200はST23で読み込んだ温度データxと、通電制御手段200に格納されている閾値である第2の所定の温度X2と再度比較し調理庫20内の温度がどうなっているか判定(ST38)し、x>X2の関係が成り立つと、触媒加熱用ヒータ(62)駆動回路133、送風装置(63)駆動回路134を介して触媒加熱用ヒータ62、送風装置63に通電を開始するようになっている(ST39)。
【0107】
使用者が設定した所定時間又は調理に応じて予め設定されている時間を経過した時点で上ヒータ23と下ヒータ24の通電が終了(ST30)し、そのあとも触媒加熱用ヒータ62と送風手段63は所定時間(例えば5分間)はそのまま運転継続され、T4の時点でそれらへの通電は停止され(ST31)、加熱終了となる。
【0108】
本実施の形態5における加熱調理器は、調理庫20による加熱調理中も異常監視制御を行うようにしてあり、通電制御手段200は、加熱調理中において、庫内温度検知手段140により検出された温度が予め設定した第1の所定の温度X1を超えた場合、あるいは調理開始からその火力に応じた温度上昇速度が異常に速い場合、または異常に遅く温度上昇が緩慢な場合等の場合、については異常と判定する(ST40)。
【0109】
異常と判定された場合、通電制御手段200は、所定の異常時処理を実行する(ST41)。
例えば、温度上昇が十分でない場合は、扉40を完全に閉めていない場合が想定されるので表示部75の所定の表示エリアでその旨使用者に注意喚起する文字や記号等を表示し、扉40の密閉確認を促す(表示と同時並行的に、音声で報知しても良いし、表示に代えて音声だけで報知しても良い)。この報知後に異常状態が解消されているかどうかは再度所定時間後、再び判定され、解消していない場合は、ヒータ23及び24の通電は緊急停止され、表示部75の所定の表示エリアに、異常温度で緊急停止した旨の情報を表示させる(ST42)。
【0110】
以上のように、受皿に設けた油脂貯留部に油脂分を集めて、油脂分の温度が高ければ送風装置を動作させ冷却し、庫内温度により庫内加熱手段と送風装置を制御するようにしたので、調理中に受皿に滴下した油脂分の発煙、発火が抑えられ、安全性を確保することができる。また、発煙、発火が抑えられることにより、調理の出来具合への悪影響も軽減できるので、調理の失敗が少ない使い勝手のよい加熱調理器を提供することができる。
【0111】
以上により、本発明の加熱調理器は調理庫を備えた加熱調理器や、調理庫のみで調理する加熱調理器に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
10 本体
11 全面操作部
12 電源スイッチ
20 調理庫
21 開口部
22 開口部
23 上ヒータ
24 下ヒータ
25 庫内加熱手段保持部材
26 整流板
27 遮熱板
30 受皿
31 受皿支持枠
32 載置網
33 油脂貯留部
40 グリル扉
41 表板
41a 側縁
41b 側縁
41w 透明窓部
42 裏板
42a 側縁
42b 側縁
42w 開口
43 外周板
44 内周板
45 前板
46 吸気孔
47 吹出孔
47a 吹出孔
47b 吹出孔
48 シールパッキン
49 空間
50 取っ手
51 フランジ部
52 手掛け部
52a 端部
52b 端部
53a 仕切壁
53b 仕切壁
59a 側方取っ手空間
59b 側方取っ手空間
59c 中央取っ手空間
60 除煙手段
61 触媒
62 触媒加熱用ヒータ
63 送風装置
64 排気ダクト
70 天板
71a 鍋載置サークル
71b 鍋載置サークル
71c 鍋載置サークル
72a 加熱手段
72b 加熱手段
72c 加熱手段
73a 火力設定スイッチ
73b 火力設定スイッチ
73c 火力設定スイッチ
74c 押圧式火力設定スイッチ
75 表示部
75a 液晶パネル
76 排気口
80 枠体
81 天面操作部
100 加熱調理器
110 入力部
111 出力部
112 記憶部
113 CPU
120 調理設定入力手段
131 庫内加熱手段上ヒータ駆動回路
132 庫内加熱手段下ヒータ駆動回路
133 触媒加熱用ヒータ駆動回路
134 送風装置駆動回路
135 表示部駆動回路
139 温度検知回路
140 庫内温度検知手段
141 油脂分温度検知手段
200 通電制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理庫内に収納され、載置網に載置されて庫内加熱手段で加熱される被調理物から滴下する油脂分を受ける受皿と、
前記調理庫の前面に設けた開口を開閉自在に覆い、前記調理庫外から吸込んだ空気を前記調理庫内へ吹出す吹出孔を設けたグリル扉と、
前記受皿に凹形状に設けられた油脂分を溜める油脂貯留部と、を備え、
前記吹出孔から前記調理庫内に吹出す空気は、前記油脂貯留部へ当たるようにしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記吹出孔の一部あるいは全部が、前記調理庫の側面側からみて、前記油脂貯留部が設けられた範囲の高さ方向と重なる位置に設けられたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記グリル扉の吹出孔近傍に、前記油脂貯留部へ空気を導く整流板を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記グリル扉の吹出孔近傍または前記調理庫内側面に遮熱板を備え、
前記遮熱板は、前記油脂貯留部と前記庫内加熱手段の間の空間に前記油脂貯留部を覆うように設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の加熱調理器。
【請求項5】
調理庫内に収納され、載置網に載置されて庫内加熱手段で加熱される被調理物から滴下する油脂分を受ける受皿と、
前記調理庫の前面に設けた開口を開閉自在に覆い、前記調理庫外から吸込んだ空気を前記調理庫内へ吹出す吹出孔を設けたグリル扉と、
前記受皿に凹形状に設けられた油脂分を溜める油脂貯留部と、
前記グリル扉の吹出孔近傍または前記調理庫内側面に設けられ、前記油脂貯留部と前記庫内加熱手段の間の空間に前記油脂貯留部を覆うように設けられた遮熱板と、を備え、
前記吹出孔から前記調理庫内に吹出す空気が、前記油脂貯留部と前記遮熱板の間の空間へ流れるようにしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
調理庫内に収納され、載置網に載置されて庫内加熱手段で加熱される被調理物から滴下する油脂分を受ける受皿と、
前記調理庫の前面に設けた開口を開閉自在に覆い、前記調理庫外から吸込んだ空気を前記調理庫内へ吹出す吹出孔を設けたグリル扉と、
前記受皿に凹形状に設けられた油脂分を溜める油脂貯留部と
前記グリル扉の吹出孔近傍または前記調理庫内側面に設けられ、前記油脂貯留部と前記庫内加熱手段の間の空間に前記油脂貯留部を覆うように設けられた遮熱板と、を備え、
前記吹出孔から前記調理庫内に吹出す空気が、前記遮熱板と前記庫内加熱手段の間の空間へ流れるようにしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
前記油脂貯留部は、前記受皿の、前記グリル扉と対向する辺に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかに記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記油脂貯留部は、前記受皿の、前記グリル扉と直交する辺の片側あるいは両側に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記油脂貯留部は、前記調理庫の天面側からみて、前記庫内加熱手段と重ならない位置に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8いずれかに記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記調理庫の前面以外の面に設けた開口に配設され、前記調理庫内で発生する油煙等を前記調理庫外へ排出させる空気流を発生する送風装置及び触媒加熱用ヒータを備えた除煙手段と、
前記調理庫内での調理内容を設定入力するための調理設定入力手段と、
前記調理庫内の温度を検知する庫内温度検知手段と、
前記除煙手段の前記送風装置及び前記触媒加熱用ヒータ並びに前記庫内加熱手段の通電を制御する通電制御手段と、を備え、
前記通電制御手段は、前記調理設定入力手段の入力内容または前記庫内温度検知手段の検知結果に基き、前記送風装置への通電を停止または可変することを特徴とする請求項1〜請求項9いずれかに記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記通電制御手段は、前記庫内温度検知手段の検知結果に基き、前記庫内加熱手段が加熱を開始する時点で、前記調理庫内の温度が第1の所定の温度を超えていた場合、前記送風装置への通電を停止または抑制することを特徴とする請求項10記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記通電制御手段は、前記庫内温度検知手段の検知結果に基き、前記庫内加熱手段が加熱を開始する時点で、前記調理庫内の温度が第2の所定の温度以下の場合、前記送風装置への通電を停止し、加熱を開始してから、前記調理庫内の温度が第2の所定の温度を超えた時点で、前記送風装置への通電を開始するようにしたことを特徴とする請求項10または請求項11記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記油脂貯留部に溜められる油脂分の温度を検知する油脂分温度検知手段を備え、
前記通電制御手段は、前記油脂分温度検知手段の検知結果に基き、前記油脂分の温度が第3の所定の温度を超えないように、前記送風装置への通電を可変することを特徴とする請求項10〜請求項12いずれかに記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−213849(P2010−213849A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62944(P2009−62944)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】