加熱調理器
【課題】ユーザーが取扱い説明書を見なくても、お手入れ作業の手順をガイドすることによってお手入れ作業を実施することができる加熱調理器を得る。
【解決手段】制御装置13は、「グリルの取りはずし」等の「非加熱お手入れモード」のガイド情報と、空焼きや触媒ヒーター加熱等の「加熱お手入れモード」のガイド情報を、中央表示パネル4に表示する。お手入れガイド情報は、お手入れ対象部分の構造などを示した説明図と作業内容を説明する文章がセットになっていて、これらの説明図と説明図の組は、使用者の操作により作業工程順に1工程ずつ表示できる。また調理器の温度が高い場合はお手入れガイド動作を安全上の観点から、一時的に制限する構成にした。さらに調理工程終了後にお手入れモードに自動的に移行することも選択可能とした。
【解決手段】制御装置13は、「グリルの取りはずし」等の「非加熱お手入れモード」のガイド情報と、空焼きや触媒ヒーター加熱等の「加熱お手入れモード」のガイド情報を、中央表示パネル4に表示する。お手入れガイド情報は、お手入れ対象部分の構造などを示した説明図と作業内容を説明する文章がセットになっていて、これらの説明図と説明図の組は、使用者の操作により作業工程順に1工程ずつ表示できる。また調理器の温度が高い場合はお手入れガイド動作を安全上の観点から、一時的に制限する構成にした。さらに調理工程終了後にお手入れモードに自動的に移行することも選択可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お手入れガイド機能に従ってお手入れができる加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器として、音声報知手段を有し、お手入れ動作中又はお手入れ動作終了時にお手入れ動作中又はお手入れ動作終了の動作状態を報知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4654742号公報(請求項5、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の加熱調理器では、ユーザーが、お手入れ作業を実施する際、その作業手順を記憶していない場合は、取扱い説明書を見ながら実施する必要があり、作業性が悪いという問題点があった。
さらに、取扱い説明書の紛失等によってお手入れ作業方法がわからないことが原因で、加熱調理器の寿命を短くしてしまうという問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ユーザーが取扱い説明書を見なくても、お手入れ作業の手順をガイドすることによってお手入れ作業を実施することができる加熱調理器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る加熱調理器は、調理物を加熱する加熱源と、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせる。この構成により、「非加熱お手入れモード」のお手入れ作業を、前記表示装置を見ながら正しい順序で行うことができる。
【0007】
第2の発明に係る加熱調理器は、調理物を加熱する加熱源と、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御装置には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ、前記操作部には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段を有したものである。この構成により、お手入れの作業を、前記表示装置を見ながら正しい順序で行うことができるとともに、使用者が非加熱お手入れ動作を開始するにはまだ不適当な状態では、その調理器の分解や清掃作業等を不用意に行うことを抑止できるものである。また調理工程が終わった後に加熱お手入れモードに移行するように使用者が設定でき、操作をより簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、お手入れガイド機能を備えることによって、ユーザーは、取扱い説明書を見ることなく、表示装置に表示させるガイドに従って、お手入れ作業を実施することができるので、加熱調理器のメンテナンス作業についての利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の上面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド注意画面の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド選択画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のお手入れガイド画面の詳細構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器においてお手入れ作業を促す画面の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の内、「加熱お手入れ方法」の一種である「空焼き」動作を示すお手入れガイド画面を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れ催促機能によるお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の変形例1を示すフローチャート1である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の変形例2を示すフローチャート2である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート2である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート3である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図1である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図2である。
【図20】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図3である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図4である。
【図22】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図5である。
【図23】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図6である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
(加熱調理器の全体構成)
図1〜図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を示すものである。図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図であり、図2は同加熱調理器の上面図である。なお、本実施の形態1に係る加熱調理器として、図1で示されるように、グリル機能付の誘導加熱調理器を例に説明する。
【0011】
図1及び図2で示される本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100において、本体1の上面には、耐熱ガラス板等から形成されたトッププレート2が設置されており、そのトッププレート2上には、鍋等の被加熱物(図示せず)を載置するための左加熱口3a及び右加熱口3bが構成されている。
【0012】
本体1の上面前部には、誘導加熱する場合の各種設定値(例えば火力や加熱時間等)、異常情報、及び、後述するお手入れガイド画面等を表示する液晶パネル等の中央表示パネル4、同様に各種設定値等を表示する液晶パネル等である左表示パネル5a及び右表示パネル5b、左加熱口3aの火力を表示する左加熱口火力表示部7a、右加熱口3bの火力を表示する右加熱口火力表示部7b、並びに、加熱動作の開始等の操作をするための操作部8が設置されている。
【0013】
また、本体1の右側前面部には、左加熱口3aの火力を調整するための左加熱口操作ダイヤル9a、及び、右加熱口3bの火力を調整するための右加熱口操作ダイヤル9bが設置されている。また、本体1の上面後部には、後述するグリル庫121内の空気を取り込むための吸気口10、及び、グリル庫121内の調理物から発生する煙等を排出するための排気口11が形成されている。また、図2で示されるように、本体1内部には、誘導加熱調理器100の動作全般を制御する制御装置13が備えられている。
【0014】
図3は、図1の誘導加熱調理器100のブロック構成図である。
図3に示されるように、本体1の内部には、マイクロコンピュータ等から構成された前記制御装置13、右加熱口3b用の誘導加熱コイル3RC、その加熱コイル用のインバーター回路110R、左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LC、その加熱コイル用のインバーター回路110Lが設置されている。
【0015】
111は、前記グリル庫121の内部に設置されたシーズヒーター等の輻射式電気ヒーター121Hを駆動するヒーター駆動回路である。112は、前記中央表示パネル4、左表示パネル5a、右表示パネル5b、左加熱口火力表示部7a及び右加熱口火力表示部7bをそれぞれ駆動する表示部駆動回路である。
【0016】
30は、音声情報記憶部32に格納された、お手入れ作業用や各種操作等に関する音声データを合成して音声情報を作成する音声合成部で、前記トッププレート2の下方で、前記中央表示パネル4に近い位置に設置されている。31はこの音声合成部から音声ガイドを報知するためのスピーカーであり、前記トッププレート2の下方で、前記左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LCから離れた後方位置に設置されている。40は100V又は200Vの商用電源60に主電源スイッチ50を介して接続された電源部であり、この電源部からは前記制御装置13に電力が供給され、また前記インバーター回路110R、110Lやヒーター駆動回路111及び表示部駆動回路112にも所定の電力が供給される。
【0017】
ここで「音声情報」とは、後述する「お手入れ作業」に関する情報、調理器の動作状態、操作の次の手順、間違った操作の通知、調理器の異常状態などを音声で知らせる情報である。例えば、調理器の動作状態を知らせる情報としては、加熱動作を開始する情報、加熱開始からの経過時間を通知する情報、火力(加熱量をワット等の数値で知らせる場合には、その数値を、また火加減を「弱火」、「中火」など複数個の火力に分ける場合は、その「弱火」などの情報を含む)情報等である。
【0018】
制御装置13は、音声情報記憶部32から音声情報を読み出して音声合成部30に出力し、音声合成部30は、音声情報を合成してスピーカー31から音声情報に対応した音声を出力することによって、使用者に対して音声でガイドを行う。音声合成部30と音声情報記憶部32及びスピーカー31の3つを総称して「音声ガイド装置」という。なお、インバーター回路110R、110Lは、「駆動部」と呼ぶ場合がある。
【0019】
制御装置13は、操作部8からの操作信号や図示しない各種センサーからの検知信号が入力され、予め設定されたプログラム等に従って各種の構成部、例えばインバーター回路110Rを制御するものである。この制御装置13には、例えば電圧100V又は200Vの前記商用電源60から定電圧回路(図示せず)を介して直流電流が供給される。
【0020】
制御装置13からの制御によって、前記電源部40は、商用電源60からの電力をインバーター回路110R、110L、グリルヒーター駆動回路111等に供給する。
【0021】
インバーター回路110Rは、制御装置13からの加熱指令に応じて、電源部40から供給される電力を変換し、誘導加熱コイル3Rと共振コンデンサCとが接続された共振回路に、高周波電流を供給する。
【0022】
インバーター回路110Lは、制御装置13からの加熱指令に応じて、電源部40から供給される電力を変換し、誘導加熱コイル3Lと共振コンデンサCとが接続された共振回路に、高周波電流を供給する。なお、電源部40から各インバーター回路110R、100Lへの電力供給は、制御装置13からの制御により、各インバーター回路110R、100Lごとに半導体スイッチング素子(図示せず)により、オン・オフ制御がなされる。
【0023】
誘導加熱コイル3R、3Lは、渦巻状に巻かれたコイルにより構成され、各インバーター回路110R、110Lから高周波電流が供給されることにより、トッププレート2に載置された被加熱物を誘導加熱する。
【0024】
グリルヒーター駆動回路111は、制御部100からの加熱指令に応じて、グリル庫121内のグリルヒーター121Hを駆動する。なお、そのヒーター121Hは、グリル庫121の天井部と底面近傍など、上下2箇所に設けるのが普通である。
表示部駆動回路112は、制御部100からの指示に従って、前記中央表示パネル4、左表示パネル5a、右表示パネル5bなどの各種表示部を駆動する。
【0025】
また、制御部13には、操作部8からの操作情報が入力され、その操作情報に基づいて各種の制御を行う。操作部8の各操作キーは、例えば、後述するグリルメニューボタン83aやスタート/停止ボタン83b等から構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態1において、「簡単操作モード」とは、調理器の操作や調理に不慣れな初心者のためのモードであって、調理器の使用可能な機能が制限されるモードである。例えば、操作部8に含まれるスイッチのうち、基本的な調理メニューである「加熱」と「揚げ物の自動調理(温度センサーにより油温が一定になるように火力が自動制御されるもの)」に関連するスイッチのみが使用可能となり、高速湯沸かし(最大火力3kW又での湯沸かしのこと)及び手動天ぷら調理(手動で任意に火力を調節しながら天ぷら調理するもの)の2つを選択するスイッチが使用不能になる(当該スイッチの入力キー自体が操作部5に表示されない)。さらに、後述する「お手入れ作業」も「簡単操作モード」では機能しないので、前記中央表示パネル4にはお手入れ作業に関する情報は何ら表示されない。
【0027】
簡単操作モードのときは、通常操作モードのときよりも詳細な内容の音声ガイドがスピーカー31から出力される。簡単操作モードでは、音声ガイドの内容を詳細にすることにより、誘導加熱調理器の操作に不慣れな初心者の操作性及び安全性の向上を図る。なお、「簡単操作モード」は、使用者によって選択される方法と、使用者の操作状況を制御装置13が判定して自動的に選択する方法があるが、前者の方法を採用する場合は、前記操作部8に専用のスイッチを設けたり、あるいは他の操作キーを特殊な組み合わせで同時に2つ以上押した場合に選択されるようにしたり、色々な方法がある。簡単操作モードになった場合、お手入れガイド機能を稼動させ、通常(簡単操作モードではない場合)に比べて、より詳しい情報を表示し、また音声で報知するようにしても良い。
【0028】
本実施の形態1において、調理メニューとは、誘導加熱調理の分野では、「加熱」、「油調理」(揚げ物)(手動と、自動温度制御による自動の2種類)、「お湯沸かし」、及び「炊飯」をいい、グリル調理の分野では、「グリル」(焙り焼き)、「姿焼き」である。なお、グリル庫121の雰囲気温度を所定の高温度に保って被加熱物を調理する「オーブン調理」もある。
【0029】
(グリル部12の構成)
次に、図1を参照しながら、グリル部12の構成について説明する。
図1で示されるように、本体1の左下側内部にグリル部12が構成されている。このグリル部12は、前面に大きな開口を有した金属製のグリル庫121と、このグリル庫の前記前面開口部を開閉するための、本体1の前面部の左側に開閉可能に設置されたグリル扉120、グリル庫121の底部に載置された受け皿122、その受け皿122の上に置かれ、上側に魚等の調理物21を載置するためのグリル網123によって構成されている。グリル扉120には、グリル扉120を開閉するためにユーザーが手を掛けるための取っ手120aが設置されている。
【0030】
また、グリル庫121と排気口11とを連通させ、吸気口10から取り込まれた空気を調理物21から発生する煙と共に、グリル庫121から排気口11を介して外部に排気するための排気ダクト130が、図2に示すようにグリル庫121の後方に形成されている。131は排気ダクト130の途中に設置された触媒132と、この触媒に近接した位置にあって、触媒を活性化させるために高温度に加熱する触媒ヒーター133とからなる除煙装置であり、グリル庫121内部から排出される煙成分を分解し、排気口11から排出される空気を浄化するような作用をする。なお、図3において134は、触媒ヒーター133の駆動回路である。また、触媒ヒーターは例えば300W程度の定格電力が印加される。図3において、140は蒸気供給装置であり、水が供給される密閉容器状のボイラー部(図示せず)と、このボイラー部を加熱するスチーム用電気ヒーター(図示せず)と、前記ボイラー部で発生した蒸気を前記グリル庫121内部に導くパイプ(図示せず)とから構成されている。前記触媒ヒーター133と前記蒸気供給装置140は、この発明でいう「加熱お手入れモード」で駆動される加熱機構である。なお、前記したグリル庫121内のグリルヒーター121Hも「加熱お手入れモード」で駆動される加熱機構の1つである。グリルヒーター121Hは、通常グリル庫121の天井部近くと底面近くにそれぞれ設置され、上下別々に火力設定と通電が行えるようになっているが、このようなグリルヒーター121Hを被調理物がない状態で通電することを「空焼き」と呼んでいる。この空焼きを所定時間以上行うことでグリル庫の内側壁面を高温にし、その壁面に付着していた「においの成分」を除去できるものである。このためには、グリル庫121の内側壁面に、においを抑える塗料を塗布したり、又は、におい成分の分解や酸化作用を促進する触媒と塗料を塗布しておくと大きな効果が期待できる。
【0031】
(操作部8の構成)
次に、図2を参照しながら、操作部8の構成について説明する。
図2で示される誘導加熱調理器100の平面視において、操作部8は誘導加熱調理器100の上面の手前側に配置されている。この操作部8は、左側から、左加熱口3aの加熱動作を操作するための左加熱口用操作部81、グリル加熱動作を操作するためのグリル用操作部83、及び、右加熱口3bの加熱動作を操作するための右加熱口用操作部82を備えている。
【0032】
このうち、左加熱口用操作部81は、揚げ物ボタン81a、定格最大火力で加熱するための3kWボタン81b及び加熱動作の開始と停止を指令するための入/切ボタン81cによって構成されている。
【0033】
また、右加熱口用操作部82は、揚げ物ボタン82a、3kWボタン82b及び入/切ボタン82cによって構成されている。そして、グリル用操作部83は、グリルメニューボタン83a、スタート/停止ボタン83b、左矢印ボタン83c、右矢印ボタン83d、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fによって構成されている。
【0034】
また、スタート/停止ボタン83bには、スタート/停止ボタンLED84が備えられている。また、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dには、矢印ボタンLED85が備えられている。そして、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fには、時間ボタンLED86が備えられている。なお、前記主電源スイッチ50の開閉操作を行う押しボタンは、図示していないが、前記操作部8や本体1の右側前面部の何れか一方又はその双方に設けてある。
【0035】
上記の各ボタン及び各LEDの機能についての詳細については後述する。
なお、図2で示される操作部8を構成する各ボタンの種類及び配置は、一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0036】
(誘導加熱調理器100の誘導加熱動作)
次に、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100の誘導加熱動作について説明する。
ユーザーは、調理物が投入された鍋等の被加熱物を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に設置された入/切ボタン81cを押下することによって誘導加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによる入/切ボタン81cの押下操作信号が、制御装置13に送信される。制御装置13は、受信した押下操作信号に基づいて、駆動回路110L(インバーター回路)に対し、左加熱口3aの下部の本体1内部に設置された加熱コイル3LCに通電させる。左加熱口3aに載置された被加熱物は、通電された加熱コイル3LCから誘導加熱を受けて、加熱動作が開始される。
【0037】
また、ユーザーが本体1の右側前面部に設置された左加熱口操作ダイヤル9aを回転操作させることによって、その回転操作信号が、制御装置13に送信される。制御装置13は、受信した回転操作信号に基づいて、駆動回路110Lに対し、加熱コイルによる誘導加熱の火力を調整させる。その際、制御装置13は、その火力の強弱を、左加熱口火力表示部7aに表示させる。
【0038】
そして、ユーザーは、加熱調理を終了させ、誘導加熱停止させたい場合は、再び入/切ボタン81cを押下することによって、誘導加熱動作を終了させることができる。
【0039】
また、ユーザーによって、被加熱物を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、右加熱口3bの下部の本体1内部に設置された加熱コイル3RCによって誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c及び右加熱口操作ダイヤル9bの操作、並びに、右加熱口火力表示部7bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び左加熱口操作ダイヤル9aの操作、並びに、左加熱口火力表示部7aの表示動作と同様である。
【0040】
次に、油調理について説明する。
ユーザーは、油が投入された油鍋を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に配置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、油鍋の加熱動作が開始される。次に、ユーザーは揚げ物ボタン81aを所定回数押下することによって、油鍋に投入された油の量を設定する。そして、左加熱口操作ダイヤル9aを回転操作することによって、目標とする油温度を設定する。この際、設定された油の量及び油温度は、例えば、左表示パネル5aに表示させるものとすればよい。そして、ユーザーは、油調理終了後、再び入/切ボタン81cを押下することによって、油調理を終了させることができる。
【0041】
また、ユーザーによって、油鍋を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、油鍋の誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c、揚げ物ボタン82a及び右加熱口操作ダイヤル9bの操作、並びに、右表示パネル5bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c、揚げ物ボタン81a及び左加熱口操作ダイヤル9aの操作、並びに、左表示パネル5aの表示動作と同様である。
【0042】
次に、お湯沸かし動作について説明する。
ユーザーは、水が投入された鍋等を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に設置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、水が投入された鍋等の加熱動作が開始される。次に、ユーザーは3kWボタン81bを所定回数押下することによって、加熱時間を設定する。この際、設定された加熱時間は、例えば、左表示パネル5aに表示させるものとすればよい。そして、加熱動作開始後、設定された加熱時間が経過した後、自動的に加熱動作が終了する。
【0043】
また、ユーザーによって、水が投入された鍋等を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c及び3kWボタン82bの操作、並びに、右表示パネル5bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び3kWボタン81bの操作、並びに、左表示パネル5aの表示動作と同様である。
【0044】
(誘導加熱調理器100のグリル部12における加熱動作)
次に、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100のグリル部12における加熱動作について説明する。
ユーザーは、まず、グリル扉120の取っ手120aを掴んで手前に引っ張り、受け皿122及びグリル網123をグリル庫121内から外側に引き出す。次に、ユーザーは引き出したグリル網123の上に魚等の調理物21を載置する。次に、ユーザーは、再び、取っ手120aを掴んで本体1側に押し込み、受け皿122及びグリル網123をグリル庫121内に引き込んで、グリル扉120を閉める。そして、ユーザーは、操作部8に配置されたグリルメニューボタン83aを所定回数押下することによって「姿焼き」、「グリル」及び「オーブン」等のグリルメニューを選択する。
【0045】
まず、ユーザーによって「姿焼き」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21の焼き色を設定する。この焼き色の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された焼き色を表示させる。そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「姿焼き」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、先程受信した焼き色の設定操作信号に基づいて、調理物21の調理時間を計算する。次に、制御装置13は、ヒーター駆動回路111に対し、グリル庫121内に設置されたヒーター121Hに通電させ、そのヒーターによって、設定された焼き色となるように調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、計算した調理時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0046】
次に、ユーザーによって「グリル」の調理メニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱動作の火力を設定する。この火力の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された火力を表示させる。
【0047】
次に、ユーザーは、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱時間を表示させる。
【0048】
そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「グリル」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路111に対し、グリル庫121内に設置されたヒーター121Hに通電させ、そのヒーターによって調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0049】
そして、ユーザーによって「オーブン」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱動作の加熱温度を設定する。この加熱温度の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱温度を表示させる。
【0050】
次に、ユーザーは、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱時間を表示させる。
【0051】
そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「オーブン」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路に対し、グリル庫121内に設置されたヒーターに通電させ、設定された加熱温度の下に、ヒーターによって調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0052】
(誘導加熱調理器100の「非加熱お手入れモード」のガイド機能)
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の内、「非加熱お手入れモード」を実行するための制御動作を示すフローチャートであり、図5は、同じく加熱調理器の非加熱お手入れガイド機能におけるお手入れガイド注意画面の例を示す図であり、そして、図6は、同加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド選択画面の例を示す図である。図7は、同じく加熱調理器の非加熱お手入れガイド機能のお手入れガイド画面の詳細構成を示す図である。
以下、図3〜図7を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100の「非加熱お手入れモード」におけるガイド機能について説明する。
【0053】
(S1)
まず、ユーザーは、お手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイドモードに移行させるために、操作部8のグリルメニューボタン83aを3秒間、押下を継続する。そして、ステップS2へ進む。
なお、3秒間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0054】
(S2)
制御装置13は、ユーザーによるグリルメニューボタン83aの押下操作信号を受信し、その受信状態が3秒継続したか否かを判定する。その判定の結果、3秒継続した場合、ステップS3へ進む。一方、3秒経過する前に、押下操作信号の受信状態が解除された場合、ステップS1へ戻る。
【0055】
(S3)
制御装置13は、中央表示パネル4に、図4で示されるお手入れガイド注意画面を表示させる。そして、ステップS4へ進む。
【0056】
(S4)
制御装置13は、お手入れガイド注意画面を表示してから、所定時間経過後、又は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合に、中央表示パネル4の表示画面に、図5で示されるお手入れガイド選択情報を表示させる。そして、ステップS5へ進む。このお手入れガイド選択情報は、各お手入れガイド動作の項目を表示及び選択するための情報であり、図7に示すように一つの画面の中に、説明図と説明文がセットになったものが静止画状態で現れる。
【0057】
本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100は、お手入れガイド動作の例として、「グリルお手入れ方法」、「グリルの取りはずし」、「グリルの取付け」、「グリルドアパッキンの取付け」、「トッププレートのお手入れ」及び「吸・排気口のお手入れ」の6つのお手入れガイド動作を実施できるものとしている。以下、この6つを、それぞれ「お手入れ対象区分」と呼ぶ。
【0058】
また、図6は、上記のお手入れガイド動作のうち「グリルお手入れ方法」が選択された、前記中央表示パネル4の表示画面の一つの状態を示している。
なお、これらのお手入れガイド動作は例を示すものであり、その他のお手入れガイド動作が実施できるものとしてもよい。
【0059】
(S5)
制御装置13は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下されたか否かを判定する。その判定の結果、グリルメニューボタン83aが押下された場合、ステップS6へ進む。一方、グリルメニューボタン83aが押下されていない場合、ステップS7へ進む。
【0060】
(S6)
制御装置13は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド選択画面において、現在選択されているお手入れガイド動作から、次のお手入れガイドガイド動作を選択状態にする。例えば、図5で示されるように、現在選択されているお手入れガイド動作が「グリルお手入れ方法」である場合、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、次の「グリル取りはずし」のお手入れガイド動作が選択状態となる。また、現在選択されているお手入れガイド動作が「吸・排気口のお手入れ」である場合、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、最上段の「グリルのお手入れ方法」のお手入れガイド動作が選択状態となる。そして、ステップS5へ戻る。
【0061】
(S7)
制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたか否かを判定する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。その判定の結果、右矢印ボタン83dが押下された場合、ステップS8へ進む。一方、右矢印ボタン83dが押下されていない場合、ステップS5へ戻る。
【0062】
(S8)
制御装置13は、ステップS4〜ステップS6において選択されたお手入れガイド動作を開始する。このお手入れガイド動作の内容については、図8及び図9において述べる。そして、ステップS9へ進む。
【0063】
(S9)
制御装置13は、ステップS8においてお手入れガイド動作終了後、又は、お手入れガイド動作実施中に、ユーザーによってスタート/停止ボタン83bが押下されたか否かを判定する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、スタート/停止ボタン83bを押下操作することが可能であることを報知するため、スタート/停止ボタンLED84を点灯又は点滅させる。その判定の結果、スタート/停止ボタン83bが押下された場合、お手入れガイドモードから脱し、通常の加熱動作が実施できる状態に戻る。一方、スタート/停止ボタン83bが押下されていない場合、ステップS10へ進む。
【0064】
(S10)
制御装置13は、お手入れガイド動作実施中にユーザーによる操作部8に対する無操作状態が10分経過したか否か、又は、お手入れガイド動作終了後にユーザーによるスタート/停止ボタン83bに対する無操作状態が10分経過したか否かを判定する。その判定の結果、無操作状態が10分経過した場合、お手入れガイドモードから脱し、通常の加熱動作が実施できる状態に戻る。一方、無操作状態が10分経過する前に、お手入れガイド動作実施中にユーザーによって操作部8に対して操作された場合、又は、お手入れガイド動作終了後にユーザーによってスタート/停止ボタン83bが押下されば場合、ステップS9へ戻る。なお、上記の10分という時間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の「非加熱お手入れモード」におけるガイド機能の各お手入れガイドの1つの説明内容を示す図である。
このように、中央表示パネル4の表示画面に、1つずつ順次表示される1つの説明画面70は、お手入れ対象区分における部品等の簡単な説明図71、説明文72、表示切替え用の操作キーの示唆マーク73、作業工程の連続番号74、全部の作業工程の数を示す文字、等から構成されている。
【0066】
図8及び図9は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。このうち、図8においては「グリルお手入れ方法」、「グリルの取りはずし」及び「グリルの取付け」の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示している。
また、図8においては「グリルドアパッキンの取付け」、「トッププレートのお手入れ」及び「吸・排気口のお手入れ」の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示している。以下、図8及び図9を参照しながら、図4におけるステップS8のお手入れガイド動作の詳細を説明する。
【0067】
まず、図4のステップS4〜ステップS6において、「お手入れ対象区分」として「グリルの取りはずし」が選択された場合の、お手入れガイド動作について説明する。
制御装置13は、「グリルの取りはずし」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルの取りはずし」のお手入れガイド動作の第1のお手入れガイド画面で示されるような「受け皿・グリルあみを取り出す」というガイドに従って、受け皿122及びグリル網123を取り出す(工程番号1)。次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。
【0068】
制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる(工程番号2)。なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図9で示されるステップS9)。
【0069】
なお、次のお手入れガイド画面に切り替えること、つまり本のページをめくるように、次の作業工程を示す情報が記載されたお手入れガイド画面を次々と見るために、ユーザーは左矢印ボタン83dを押下する動作について説明したが、このような動作に限定されるものではなく、次のようにお手入れガイド画面を切り替えるものとしてもよい。例えば、ユーザーによる特定のお手入れ作業の終了が、センサーによって検知することができる場合、制御装置13は、そのセンサーによって検知された場合、現在表示されているお手入れガイド画面で示されるお手入れ作業が終了したと判定し、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。具体的には、グリル網123が設置されているか否かを検知するグリル網センサーを備えるものとし、制御装置13は、ユーザーによって第1のお手入れガイド画面のガイドに従ってグリル網123が取り出されたか否かがこのグリル網センサーによって検知された場合、次のお手入れガイド画面を表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーが左矢印ボタン83cをわざわざ押下しなくても、次のお手入れ作業に取り掛かることができ、利便性が向上する。さらに、この場合、制御装置13は、第1のお手入れガイド画面表示中に、グリル網センサーによってグリル網123が取り出されたことを、所定時間検知されない場合、図10(a)で示されるようなグリル網123を取り出すことを促す画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーにお手入れ作業を喚起することができ、さらにお手入れ作業の利便性を向上させることができる。
【0070】
次に、図4のステップS4〜ステップS6において、お手入れガイド動作として「グリルの取付け」が選択された場合のお手入れガイド動作について、図8を参照しながら説明する。
【0071】
制御装置13は、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作の第1のお手入れガイド画面で示されるような「扉の上を奥側に傾けて・・・」という第1の作業工程に関するガイドに従って、グリル扉120を取り付ける。
【0072】
次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイドの説明画面(作業工程2)を中央表示パネル4に表示させる。
【0073】
なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図3で示されるステップS9)。
【0074】
なお、次のお手入れガイド画面に切り替えるために、ユーザーは右矢印ボタン83dを押下する動作について説明したが、このような動作に限定されるものではなく、前述のように、次のようにお手入れガイド画面を切り替えるものとしてもよい。すなわち、ユーザーによる特定のお手入れ作業の終了が、センサーによって検知することができる場合、制御装置13は、そのセンサーによって検知された場合、現在表示されているお手入れガイド画面で示されるお手入れ作業が終了したと判定し、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。具体的には、グリル扉120が閉められたか否かを検知するグリル扉センサーを備えるものとし、制御装置13は、ユーザーによって第6のお手入れガイド画面のガイドに従ってグリル扉120が閉められたか否かがこのグリル扉センサーによって検知された場合、次のお手入れガイド画面を表示させるものとしてもよい。ただし、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作の場合、第6の作業工程であるグリル扉を閉めたあとで、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、お手入れガイドモードから脱するものとすればよい。これによって、ユーザーが右矢印ボタン83dをわざわざ押下しなくても、次のお手入れ作業に取り掛かることができ、あるいは、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、お手入れガイドモードから脱することができ、利便性が向上する。さらに、この場合、制御装置13は、第6の作業工程が中央表示パネル4の表示画面に表示されている期間中に、グリル扉センサーによってグリル扉120が閉められたことを、所定時間検知されない場合、図9(b)で示されるようなグリル扉120を閉めることを促す画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーにお手入れ作業の進行を喚起することができ、さらにお手入れ作業の利便性を向上させることができる。
【0075】
図11は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のお手入れガイド動作のうち、「グリルお手入れ方法」の空焼き動作を示すお手入れガイド画面を示す図である。なお、ここでいう「空焼き動作」は非加熱お手入れモードに属するものではなく、「加熱お手入れモード」に属している。以下、図3のステップS4〜ステップS6において、お手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」が選択された場合のお手入れガイド動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0076】
制御装置13は、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作の第1の作業工程である、「受け皿・グリルあみを取り出す」という作業を説明したガイド情報に従って、受け皿122及びグリル網123を取り出す。次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる。なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。
【0077】
以上のような手順によって、ユーザーはお手入れ作業を進めていき、第4の作業工程を示すガイド情報に従って、スタート/停止ボタン83bを3秒間押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、スタート/停止ボタン83bを押下操作することが可能であることを報知するため、スタート/停止ボタンLED84を点灯又は点滅させる。
【0078】
制御装置13は、ユーザーによってスタート/停止ボタン83bが3秒間押下されたことを認識すると、図11で示される空焼き動作(第5の作業工程)を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる。ここで、空焼き動作とは、本発明でいう「加熱お手入れモード」の加熱動作の1つである。空焼き動作とは、グリル庫121内に残存する余分な油を飛ばし、グリル庫121に備えられた脱臭材によって消臭する動作を示す。そして、制御装置13は、空焼き動作を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させた後、空焼き動作を所定時間(例えば、20分)実施する。この際、空焼き動作の進行状況を示すため、制御装置13は、中央表示パネル4にメーター表示部4aを表示させ、図9で示されるように、所定時間毎(例えば、1分ごと)にメーター表示部4aの表示を切り替える。なお、空焼きの熱源としてはグリル庫121内部のヒーター121Hが使われる。
【0079】
なお、メーター表示部4aの切り替え表示と共に、あるいは、それに代えて、空焼き動作の残時間を中央表示パネル4に数字で表示させるものとしてもよい。
また、空焼き動作時間は、固定時間(20分)としているが、これに限定されるものではない。すなわち、グリル庫121内に温度検知手段を備えるものとし、制御装置13は、この温度検知手段によって検知される庫内温度に基づいて、空焼き動作時間を算出するものとしてもよい。例えば、制御装置13は、温度検知手段によって検知される庫内温度が高い場合は、空焼き動作時間を短くするものとし、庫内温度が低い場合は、空焼き動作時間を長くするものとすればよい。
【0080】
以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、「非加熱お手入れモード」のお手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図3で示されるステップS9)。なお、ここで「全てのお手入れ作業を終えた後」と書いたが、必ずしも図8、図9の6つの「お手入れ対象区分」全てについて、全作業工程を一度に終える必要はない。例えば、「吸・排気口のお手入れ」とグリル庫121のお手入れとを別の機会にそれぞれ行っても良い。
【0081】
なお、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作の場合、上記の空焼き動作が最後のお手入れ作業なので、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、空焼き動作が終了後に、お手入れガイドモードから脱するものとしてもよい。その他のお手入れガイド動作も、上記で説明した各お手入れガイド動作に準じる。
【0082】
(誘導加熱調理器100のお手入れ催促機能)
図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れ催促機能によるお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面の例を示す図である。以下、図12を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100のお手入れ催促機能について説明する。
【0083】
制御装置13は、特定のお手入れガイド動作について、直近に実施された時からの経過時間、又は、直近に実施された後にそのお手入れガイド動作が実施された回数を記憶する。そして、制御装置13は、上記の経過時間が所定時間を超えた場合、又は、特定のお手入れガイド動作の実施回数が所定回数を超えた場合、図12で示されるように、その特定のお手入れガイド動作に係るお手入れ作業をユーザーに実施させることを催促するためのお手入れ催促情報を中央表示パネル4に文字によって表示させる。図12は、特定のお手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作についてのお手入れ催促画面を示している。
【0084】
なお、特定のお手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」を示したが、これに限定されるものではなく、その他のお手入れガイド動作に係るお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。
また、制御装置13によって記憶された経過時間、又は、実施回数は、中央表示パネル4等によって確認できるものとしてもよい。
【0085】
以上のようなお手入れ催促機能を備えることによって、ユーザーが自発的にお手入れを実施しなくても、お手入れ時期をユーザーに対して報知することでき、お手入れ作業を催促することができるので、誘導加熱調理器100の状態を適正に保ち、長期間使用することが可能となる。
【0086】
図8〜図11において説明したお手入れガイド動作は、中央表示パネル4にお手入れガイド画面を表示させることによって、ユーザーに対してお手入れ作業をガイドするものであるが、これに加えて、制御装置13が、音声合成部30と音声情報記憶部32を制御して、各お手入れガイドの作業内容をスピーカー31から音声で報知させ、ユーザーにおける手入れ作業の利便性をさらに向上させている。
【0087】
以下、音声ガイド手段を利用したお手入れガイド機能について説明する。
制御装置13は、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。
【0088】
「グリルお手入れ方法」の第1の作業工程は、図7、図8に示すように受け皿122と、グリル網123を取り出すことである。そこで中央表示パネル4の表示画面は、図7に示した説明画面になるとともに、スピーカー31より、「最初に、受け皿とグリルあみを取り出します」と音声を出力する。
【0089】
次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。
すると第2の作業工程のお手入れ作業が、中央表示パネル4によって所定の形式のガイド画面で示される。第2の作業工程の表示内容は図8に示したように、「庫内底面の油汚れを拭き取る」である。これに対応して音声ガイド装置のスピーカー31は「第2の作業は、庫内底面の油汚れを拭き取ることです」と音声を出力する。工程番号を報知するのは、使用者が中央表示パネル4を注視していない場合があることや、視覚が不自由な人にも工程の進行度を容易に認識して貰えるようにするためである。
【0090】
次に、ユーザーは、右矢印ボタン83dを押下する。
第3の作業工程の情報が、お手入れガイド画面で示され、「受け皿を入れ、扉を閉める(グリル網は入れない)」という文字のガイドと、音声ガイド装置より、「第3の作業は、受け皿を入れ、扉を閉めることです。このときグリル網は入れないで下さい。」と音声を出力する。ここで「グリル網は入れないで下さい」は作業の仕方や内容を直接示す説明ではなく、作業をする上で使用者(作業者)に守って欲しい注意事項である。このように作業の工程によっては、注意事項を報知・表示する。
【0091】
次に、ユーザーは、右矢印ボタン83dを押下する。
第4の作業工程に進み、お手入れガイド画面では「スタート停止ボタンを3秒間押す」というガイドが文字で表示され、一方音声ガイド装置からは「第4の作業です。スタートと停止の兼用ボタンを3秒間押して下さい」と音声で報知する。
【0092】
以上のような手順によって、ユーザーはお手入れ作業を進めていき、文字や説明図等の視覚的なガイドと、音声による聴覚的なガイドを同時並行的に行うものである。
その他のお手入れガイド動作も、上記で説明した各お手入れガイド動作に準じる。
【0093】
この実施の形態1で明らかなように、前記制御装置13は、お手入れガイド情報を1つの作業工程ずつ前記中央表示パネル4に表示する。その表示の都度に、前記音声ガイド装置は、当該表示された説明図と説明文の内容に合致したお手入れ作業を報知する。特に、「対象物」と「動作」を明確に報知する。これはお手入れガイド情報の中で、「重要な事項」である。「対象物」とは例えば「グリル扉」であり、「動作」とは例えば「取り出す」や「傾ける」等をいう。
【0094】
またこの実施の形態1で明らかなように、前記音声ガイド装置は、お手入れガイド情報が説明図が前記中央表示パネル4に表示される度に、当該説明図に示されているお手入れ作業の中の説明文を、その記載順序に従って音声で読み上げて報知しているので、この音声ガイド情報を聞くことで、前記中央表示パネル4に表示された内容が更に明確に使用者(作業者)には認識され、確実な作業が期待できる。
【0095】
(実施の形態1の効果)
以上のように、お手入れガイド機能を備えることによって、ユーザーは、取扱い説明書を見ることなく、表示パネルに表示させるガイドに従って、お手入れ作業を実施することができるので、加熱調理器のメンテナンス作業についての利便性を向上させることができる。
【0096】
また、お手入れガイド機能を実施するための専用の操作手段を備えることなく、通常の加熱動作で使用する操作手段(本実施の形態においてはグリル用操作部83)を共用して使用し、お手入れガイド機能を実施することができるので、操作部8のレイアウトを簡易に構成することができ、コストを削減することができる。また、このように、お手入れガイド機能を実施するために通常の加熱動作で使用する操作手段を共用して使用する場合、操作できる操作手段をLEDによる点灯又は点滅によって、ユーザーに報知するので、お手入れガイド機能の実施時の操作性を向上させることができる。
ただし、操作手段を共用することに限定するものではなく、通常の加熱動作で使用する操作手段とは別に、お手入れガイド機能を実施するための専用の操作手段を備えるものとしてもよい。この場合は、LEDによって操作できる操作手段をユーザーに報知する必要がなく、お手入れガイド機能の実施時の操作性を向上することができるという効果がある。
【0097】
さらに、お手入れ催促機能を備えることによって、ユーザーが自発的にお手入れを実施しなくても、お手入れ時期をユーザーに対して報知することでき、お手入れ作業を催促することができるので、加熱調理器の状態を適正に保ち、長期間使用することが可能となる。
【0098】
さらに、中央表示パネル4にお手入れガイド情報を表示させることに加えて、音声ガイド装置からも各お手入れガイドの作業内容を順次音声で報知させているので、ユーザーにおける手入れ作業の間違いや混乱が少なくなり、さらに便利になっている。
【0099】
なお、本実施の形態1に係る加熱調理器として、図1で示されるように誘導加熱調理器を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ガス加熱調理器又は電気オーブン等のその他の加熱調理器でもよい。
【0100】
また、本実施の形態1に係る加熱調理器において、お手入れガイド機能実施中に、押下操作できるボタンを示すためにLEDを点灯又は点滅させるものとしているが、LEDに限定されるものではなく、電球等のその他の点灯・発光手段を使用するものとしてもよい。
【0101】
実施の形態1の変形例1.
図13は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例1に関するフローチャート1である。この変形例は、本発明でいう「お手入れモードを所定の条件で制限する制限手段」を付加したものである。以下、この図13を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
【0102】
(S11)
加熱源の加熱が終了した時点から、加熱終了時間の計測を開始する。
【0103】
(S12)
お手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイドモードに移行させるために、操作部8のグリルメニューボタン83aを3秒間、押下を継続する。そして、ステップS2へ進む。なお、3秒間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0104】
(S13)
制御装置13は、ユーザーによるグリルメニューボタン83aの押下操作信号を受信し、その受信状態が3秒継続したか否かを判定する。その判定の結果、3秒継続した場合、ステップS3へ進む。一方、3秒経過する前に、押下操作信号の受信状態が解除された場合、ステップS12へ戻る。
【0105】
(S14)
制御装置13は、加熱終了から計測をスタートさせており、このステップ14にて10分経過を計測していた場合お手入れモードに遷移する。10分経過する前の場合は、ステップ12へ戻る。なお、10分間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0106】
(実施の形態1の変形例の効果)
以上のように、制御装置13には、お手入れガイド機能を一時的に制限する手段として「経過時間判断手段」(本発明でいう「制限手段」に該当)を備えることによって、ユーザーは、熱い状態でお掃除ガイドを行うことが出来ない為、やけどなどの怪我を防ぐことができ、安全性を向上させることができる。
【0107】
なお、本実施の形態1の変形例1に係る加熱調理器として、図1で示されるように誘導加熱調理器を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ガス加熱調理器又は電気オーブン等のその他の加熱調理器でもよい。
【0108】
実施の形態1の変形例2.
図14は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例2を示すフローチャートである。以下、本変形例2に係る誘導加熱調理器100のお手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
【0109】
この変形例では、制御装置13に、お手入れガイド機能を一時的に制限する「制限手段」の1つとして、「温度判定手段」を備えたことが特徴である。
【0110】
加熱調理器が一旦使用された場合、加熱源は勿論、その周辺部が高温になっている場合がある。また実施の形態1で示した誘導加熱調理器で誘導加熱した場合でも、その使用直後はトッププレート2が高温になっていることがあるので、こういう状態でグリル庫121やトッププレート2に不用意に触れることは危険である。
【0111】
そこでこの変形例2では、以下説明するような温度判定手段80を備えた。
まず、この変形例2では、誘導加熱調理中にトッププレート2の上方に置いた被加熱物の温度を非接触で検知する第1の赤外線センサー(図示せず)と、前記トッププレート2の温度を接触して検知するサーミスター式の第2の温度センサー(図示せず)とを備えている。またグリル庫121の内部の温度やその壁面温度を検知する第3の温度センサー(図示せず)を備えている。これら各温度センサーは、それぞれの加熱調理時の被加熱物やトッププレート2等の温度を監視し、制御装置13の温度制御に利用され、また異常温度状態の検知にも利用されている。
【0112】
図14に示した動作プログラムは、誘導加熱調理やグリル調理の何れにも適用されるものである。また、加熱調理が終わったあとに引き続き使用者がお手入れを希望して操作部を操作した場合について対応する制御装置13の動作を示している。
【0113】
(S21)
加熱源の加熱が終了した場合(S20)、その後で使用者がお手入れガイドを起動させたいと何らかの指令を操作部8から制御装置13に与えた場合、その操作有無が制御装置13に検知される。
【0114】
(S22)
制御装置13は、前記したような各種温度センサーからの最新温度情報を得て、トッププレート2の温度や排気口11の温度、さらにグリル庫121の温度が所定温度以下であるかどうかの判定を行う。例えばグリル庫121の温度が55℃以下であるかどうかの判定をする。なお、排気口11の温度を測定するための専用の温度センサーをこの実施の形態3では設けていないが、排気口11の温度はトッププレート2の温度と近いとみなして、トッププレート2の温度が所定の温度であれば、排気口11の温度も所定の温度であるとみなす処理をしている。但し、誘導加熱調理をしない場合は、トッププレート2の温度は部屋の温度に近いのに対し、グリル庫121を加熱調理に使用すると、グリル庫121からの熱気が排出されて排気口11が高温になっている場合があるから、グリル庫121の温度検知状態も同時に制御装置13は観察し、グリル庫121の温度が高い場合は、トッププレート2の温度が低い場合でも、排気口11の温度は高温であるという判定をするようにしている。
【0115】
(S23)
全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下であった場合、制御装置13は中央表示パネル4にお手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイド情報を表示させる。
【0116】
(S24)
制御装置13は、「グリルの取りはずし」等のお手入れガイドの種類を図6に示したように表示し、お手入れしたい作業、すなわち「お手入れ対象区分」を「お手入れメニュー」として一覧状態で表示し、その中の何れかを選択できるようにする。
【0117】
(S25)
制御装置13は、「お手入れ対象区分」が選択されると、お手入れ対象の部品等の説明図と作業内容の説明文とがセットになった複数の説明の画面の内、最初の作業工程の説明画面を中央表示パネル4に表示する。以後、その説明の画面を作業工程の順に使用者が任意のタイミングで表示させ、お手入れ作業をすることができる。
【0118】
(S26)
一方、全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下ではなく、熱い部分があった場合、制御装置13はお手入れガイドの機能を一時的に稼動禁止にし、中央表示パネル4に、調理器の温度が下がるまで、お手入れガイド機能は稼動開始しない旨の表示や音声ガイドを行う。
【0119】
(S27)
その後、全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下になった場合、お手入れガイドを開始できると判定する。
【0120】
(S23)
そしてお手入れガイド動作を開始する旨を中央表示パネル4に表示し、スパーカー31からも報知する。
【0121】
そして以後は、前記ステップ23(S23)に戻り、お手入れガイド動作を開始する。
【0122】
(実施の形態1の変形例2の効果)
以上のように、お手入れガイド機能に温度判断手段を備えることによって、ユーザーは、熱い状態でお掃除ガイドを行うことが出来ない為、やけどなどの危険な作業をしないようにでき、安全性を向上させることができる。
【0123】
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。図16は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート2である。図17は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート3である。以下、図15〜図17を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
(S30)
まず最初に、主電源スイッチ50を閉じ、加熱源を使用者が選択する。つまり、左加熱口3aや右加熱口3b、あるいはグリル庫121のどこで加熱調理するのを操作部8で選択する
(S31)
例えばグリル庫121を選択すると、グリル庫121を使用して調理できる調理メニューが中央表示パネル4に表示される。例えば「焼き物」や「ケーキ」等という調理メニュー名称が一覧形式で表示される。
(S32)
そこでその表示内容を確認し、希望の調理メニューとして、例えばグリル庫で焼き物をすることを選択する。制御装置13は、使用者がグリル庫121で「焼き物」を何回行ったかどうか判断できるように、焼き物調理を1回する毎に内蔵カウンターにて1をプラスしており、累計回数が制御装置13で分かるようになっている。また焼き物調理を選択した段階で、使用者にはその調理が終わったあと、引き続いて前記触媒ヒーター133を通電し、触媒ヒーターをリフレッシュするかどうか中央表示パネル4に表示する。など、同時に音声合成装置30で同様な音声ガイドをしても良い。使用者が触媒ヒーター133の通電を予約すると、前記操作部8で、調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定したことになる。なお、そのための入力キーは操作部8に必ずしも専用に設ける必要はなく、実施の形態1で説明したような他の入力キー、例えば左矢印ボタン83cや右矢印ボタン83dを兼用しても良い。
(S33)
次に左矢印ボタン83cや右矢印ボタン83d、その他入力用の操作ボタン、キーを操作して火力や調理時間などの調理条件を設定する。例えば1500Wで30分加熱することを設定したとする。
(S34)
所定の入力項目が全て設定されると、制御装置13は加熱動作を開始する。グリル庫121が所定の高温度になると、前期触媒ヒーター133の駆動回路134によって触媒ヒーター133に通電開始する。なお、調理メニューによっては、蒸気供給装置140が駆動され、高温の水蒸気がグリル庫121内部に吹き込まれて食品を加熱する。
(S35)
制御装置13は、加熱動作を開始すると、内蔵したタイマーをリセットし、時間計測を開始する。
(S36)
また制御装置13は、加熱動作を開始すると、グリル庫121の内部雰囲気温度を温度センサーにより監視し、所定の温度になるようにグリルヒーター121Hの駆動回路111を制御する。
(S37〜S40)
制御装置13は、火力が途中で変更されたかどうかを常にチェックしており、もし変更が行われた場合、制御装置13は、火力変更処理を行なう。また使用者が設定した調理時間の30分が経過するかどうかを判断するため、制御装置13の内蔵タイマーで経過時間がカウントされているので、所定時間が経過したことが内蔵タイマーで判明すると、制御装置13はグリルヒーター121Hの通電を停止する。また加熱動作が終了したことを中央表示パネル4で表示する。また触媒ヒーター133も通電動作が停止される。
(S41)
図16に示すように、そのように制御装置13が所定の調理工程を完了した時点で、使用者によって、お手入れモード(この場合、加熱お手入れと、非加熱お手入れの双方)の取消し指令が操作部8から行われなかったかどうかの判定が行われる。取り消されていた場合は、終了になる。
(S42)
ステップS41で取消し指令が無いという判定がされた場合、次に、使用者が加熱お手入れ操作を指定しているかどうかの判定が行われる。加熱お手入れが指令されている場合には、ステップS50に進む。
(S43)
加熱お手入れが指定されていない場合は、「非加熱お手入れメニュー」の実行が指令されている場合と考え、調理器の各部の温度が所定温度以下であるかどうかの判定が制御装置13によって行われる。なお、ここでいう「所定温度」とは、温度測定部分が複数個ある場合、全ての部分で統一的な基準温度を意味していない。例えば、トッププレート2の温度とグリル庫121の基準温度を同じにしても良いし、差異があっても良い。
(S44)
所定温度以下であった場合は、中央表示パネル4に「非加熱お手入れメニュー」を表示する。例えば、「吸・排気口のお手入れ」や「グリルの扉の取り外し」などの作業メニューを一覧形式で表示する。
(S45)
使用者が「非加熱お手入れメニュー」の中から1つを選択して、お手入れメニューを決定する。
(S46)
制御装置13は、使用者が選択した非加熱お手入れメニューに従って、以後お手入れ動作を開始する。
(S47)
一方、制御装置13は、調理器の特定部分の温度の一部でも所定温度を超えているという判定が行われた場合(S43)、安全上の観点から、使用者による分解・清掃作業を一時的に保留するため、「現在、調理器の温度が高いので、安全な温度まで下がるまでの間は、お手入れをお控え下さい。温度が下がりましたら、お知らせします」というような文字による表示を中央表示パネル4で行う。また同時に、音声情報記憶部32に格納された、お手入れ作業用や各種操作等に関する音声データから、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声でガイドする。
(S48〜S49)
制御装置13は、調理器の特定部分の温度が全て基準となる所定温度以下になったと判定を行った場合(S48)、「調理器の温度が下がりました。お手入れを開始できます。
表示部の案内に従ってお手入れして下さい」というような文字による表示を中央表示パネル4で行う。また同時に、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声でガイドする。これ以後は前記ステップS44の表示動作になり、以後前記S45、S46のステップで動作する。
(S50)
一方、加熱お手入れが指定されていた場合、制御装置13は加熱お手入れモードの処理を開始する。制御装置13は、調理器の各部の温度を検知する。
(S51)
この段階、すなわち、加熱調理が終わって短時間が経過した段階で、仮に使用者が別の加熱調理を開始したいと思って「加熱お手入れ」の動作を中止したい場合、操作部8からその旨中止の指令を制御装置13に与えると、制御装置13はその操作を検知し、加熱お手入れの動作について、取消命令があったと判断する。
(S52)
制御装置13は、この段階で加熱お手入れを中止した場合、加熱お手入れをその後に再度実行する場合に比較して省エネにならない場合が多い。例えば前記したように、使用者が加熱お手入れのメニューの中で、触媒ヒーター133の通電を予約していた場合、グリル庫121の内部が冷えてから、触媒ヒーター133に通電開始すると、その通電開始から所定の高温度になるまで時間を要する。これに対し、グリル庫121自体の温度が高い調理直後の場合は、触媒ヒーター133もグリル庫121からの熱気の影響を受け、触媒ヒーター133自身も通電されていた直後であるので、温度が高いから、直ぐに所定の高温度になり、その分、通電継続時間を短くして終了することができるからである。
そこで前記制御装置13は、この段階で加熱お手入れを中止した場合に、加熱お手入れに必要な電力量の概算を計算し、または予め用意してある換算表などのデータテーブルから求めた数値を、使用者に報知する。具体的には、加熱お手入れの中止指令があった時点で、制御装置13は、グリル庫121の温度が何度であるかどうかを検知し、グリル庫121の温度が常温〜50℃程度の場合は、例えば300W×通電時間15分で電力量計算した結果を報知する。実際にはグリル庫121が加熱調理に使用された直後、特に焼き物(魚焼き等)が行われた直後は、グリル庫の雰囲気温度は100℃以上あり、また触媒ヒーター133も200℃以上になっているから、このような場合は、例えば300W×通電時間10分で電力量計算した結果を報知する。あるいは、電力量自体の報知ではなく、大、中、小のように電力エネルギーの大小関係を報知しても良い。このような報知によって使用者には、このようなグリル庫121が高温段階での「加熱お手入れ」の中止は、省エネの面で不利であり、お奨めできないことを知らせる。なお前記データテーブルとは、例えばグリル庫121の温度は100℃〜130℃の場合には、所定の電力量(例えば300W×10分間を基準にしたもの)に対し、必要な電力量を「30%増加」、131℃〜150℃の場合は、「20%増加」というように、予め実験や計算で求めた数値や近似値を用意しておき、グリル庫121の現在温度から、消費すると思われる電力量を求める方法である。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの中止を撤回しない場合、つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
加熱お手入れの指令が新たに無い場合は、非加熱お手入れのモードに進めるため、前記ステップS43に処理を進める。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの中止を撤回しない場合、つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの取消指令を操作部8から発しない場合(S51)、あるいは一旦取消指令を出したが、それを撤回した場合(S53)、ステップ54に進み、加熱お手入れの内容が「蒸気噴射によるお手入れ」であるかどうかの判断が行われる。つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
(S54)
「蒸気噴射によるお手入れ」とは、蒸気供給装置140から調理時に使用した程度の高温の水蒸気をグリル庫121内部に噴射させ、特にグリル庫121の内壁面やそのグリル扉120の内壁面全体を浄化するお手入れであり、たとえば、焼き魚をした後に、パンやケーキを焼こうと思った場合、焼き魚をしたあとで行うと、その魚特有の匂いが消される効果が期待できる。
(S55〜S56)
「蒸気噴射によるお手入れ」が最初に指定されていた場合は、その蒸気お手入れが開始され、蒸気供給装置140のスチーム用電気ヒーター(図示せず)に通電が開始され、蒸気の供給が開始される。
(S57)
制御装置13では、スチーム用電気ヒーターへの通電開始からの時間が計測され、所定の時間T1(例えば5分間)継続したかどうかの判定が行われる。なお、この時間は蒸気供給装置140の能力によって変化する。通電開始してから高温蒸気を発生するまでの時間が長く掛かるものは、通電時間は長くなる。
(S58)
所定時間にわたり蒸気供給装置140へ通電が行われると、その通電は終了し、蒸気噴射によるお手入れは完了する。なお、焼き魚などを行った場合、その魚はグリル庫121から取り出しておく。
(S59)
一方、前記した例では、グリル庫121による加熱調理の開始前に、使用者が加熱お手入れのメニューの中で、触媒ヒーター133の通電を予約していたので、この場合はステップS59に進み、触媒ヒーター133への通電が開始され、またそれと同時に経過時間の計測が開始される。
(S60)
そして制御装置13では、所定の時間T2(例えば10分間)が経過するかどうかの判断が行われる。
(S61)
そして所定の時間T2が経過した場合、制御装置13はその旨を中央表示パネル4によって表示する。またまた同時に、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声で加熱お手入れが終了したことを報知する。
【0124】
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図1である。図19は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図2である。図20は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図3である。図21は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図4である。図22は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図5である。図23は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図6である。
以下、図18〜図23を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、加熱調理器のその他の構成部分は実施の形態1と同じである。
【0125】
(誘導加熱調理時の表示)
誘導加熱調理時の中央表示パネル4の表示画面について説明する。
図18に示すものは、主電源スイッチ50をONにした後で、最初に中央表示パネル4の表示画面の状態を示している。この図18で、115は右加熱口3b用の誘導加熱コイル3RCを使用する加熱(右IH加熱)を選択するキー、116は左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LCを使用する加熱(左IH加熱)を選択するキー、117は、グリル庫121を使用し、グリルヒーター121Hで調理する加熱形態を選択するキー、118はグリル庫121を使用するが、蒸気供給装置140を使用して、グリル庫121内部に高温を水蒸気を充満させる加熱調理を選択するキーである。
【0126】
図19は、左加熱口3aを使用した誘導加熱(IH加熱)を選択する場面において、中央表示パネル4の表示内容を示している。この図19の段階において、使用者は具体的な調理メニューを選択できる。
【0127】
主電源スイッチ50の操作キー50Aを押し、その後、左側の誘導加熱部となる誘導加熱コイル3LCを選択する操作を所定のキー(図示せず)で行うと、最初に図18のような画面が現れる。そこで右側の誘導加熱部を選択すると、図19に示す表示になる。つまり、調理メニュー選択用として、高速加熱用の選択キー91A、湯沸し用選択キー91B、茹で選択キー91C、予熱用選択キー92A、炊飯選択キー92B、煮込み選択キー92C、揚げ物選択キー93A、湯沸し+保温の選択キー93Bの8つのキーが一斉に(一覧状態に)表示される。
【0128】
図19において、前記8つのキー91A、92A、93A及び前記4つのキー115、116、117、118等は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式の入力キーを採用している。中央表示パネル4の表示画面の上方全体はガラス板で覆われており、使用者がキー表面に対応した位置の、中央表示パネル4の表示画面を覆うガラス板の上面に軽く触れることで、制御装置13に対する有効な入力信号が発生するものである。つまり操作部13の一部が、この中央表示パネル4の上方に配置されている構成である。
【0129】
図19において、90は調理メニューの名称表示部である。94はヘルプキーであり、使用者が操作に迷ったり、間違った操作をして警報音が出たり、表示画面に警告文字が表示された場合などに操作すると、その場面に関連した情報を表示画面に文字で表示する。95はインフォメーションキーであり、使用する調理器具の情報や調理方法、上手に調理する注意点などを詳しく表示画面に文字で表示する。
【0130】
前記各種入力キー91A、92A、93A等の部分(区域)を構成する前記ガラス板表面には、キーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の表示画面には、それら入力キーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形を表示する構成になっている。なお、このガラス板は、前記実施の形態1のトッププレート2で兼用しても良い。
【0131】
全ての入力キーが常に同時に表示されている訳ではない。操作しても無効なキー(操作する必要が無い入力キー)については、入力機能文字や図形を表示画面上で表示しないようにして、ガラス板の上方から視認できない状態にしている。そのような無効状態の入力キーが操作されても、操作部8からは何ら有効な操作指令信号が制御装置13に与えられないように、制御装置13の動作を定める制御プログラムで規定されている。
【0132】
図19の状態で使用者に調理メニューの選択を促しているので、ここで仮に「煮込み」のキー82Cにタッチすると、中央表示パネル4の表示画面は図20のように変化する。
【0133】
図20で、96は調理名称の表示部、97は火力を数字で示す火力表示部、98は調理メニュー選択キーであり、この図20の場面でこのキー98にタッチすると図19の場面に戻るので、同じ加熱源を使用して別の調理メニューを実行したい場合に使用する。
97Aは火力の大きさを棒グラフ状の図形で表示する火力表示図形であり、9段階の火力に合せて9本あるように表示される。98B、98Cは一対の火力調節キーであり、プラス記号のあるキー98Aは火力を増加させ、マイナス記号のあるキー98Bは火力を減らすためのものである。これらキー98A、98Bに1回触れると、その度に火力は1段階変更される。ここで、火力調節は、火力ダイヤルでも可能である。
【0134】
図20において、99は加熱時間を1分単位で表示する時間表示部、101A、101Bはその加熱時間の調節キーであり、プラス記号のあるキー101Aは時間を増加させ、マイナス記号のあるキー101Bは時間を減らすためのものである。これらキー101A、101Bに1回触れると、その度に時間は1分ずつ変更される。なお、調理メニューによっては調理時間が表示されない場合もある。また自動的に標準的な時間が表示された場合、前記調節キー101A、101Bで調節すれば良い。火力や時間が調節できない(調整しない)調理メニューの場合は、調節キー101A、101B、98A、98Bが表示されない。
【0135】
なお、加熱を停止したい場合は、例えば加熱停止キー108にタッチすれば良い。なお、このキーは1回タッチして入力信号出すたびに機能が切り替わるので、加熱停止のために押したあとは、自動的に加熱開始のキーにもなり、正反対の2つの機能を切り替えて使用する兼用キーである。また主電源スイッチの操作キー50AをOFF操作すると、中央表示パネル4の表示動作は停止するので、何の情報も表示できない状態に変わる。また、調理終了後もトッププレート2が高温になっている場合が多いので、主電源スイッチ50を切らない限り、トッププレート2が所定温度以下になるまで別の表示部が高温報知を行う。その後自動的にそのような高温注意の表示は消える。
【0136】
次に、図20を参照しながら、誘導加熱調理の「煮込みモード」実行する場合における表示画面の変化について説明する。103は、加熱お手入れモードを選択するキー、104は同じく非加熱お手入れモードを選択するキーであり、図20に示すように、それら2つのキーは並んで表示される。なお、ヘルプキー94を押したあとで、加熱お手入れモードを選択するキー103や非加熱お手入れモードを選択するキー104に触れると、それら各お手入れモードの説明が音声合成部30によってスピーカー31を介して音声で行われる。
【0137】
煮込み加熱を開始するため、加熱開始と停止の兼用のキー108を押せば、煮込み調理が開始されるが、このキー102を押す前に加熱お手入れモードを選択するキー103や非加熱お手入れモードを選択するキー104によって、事前にお手入れモードを設定しておくと良い。また仮に調理開始後であっても、これらキー103、104を押せば、調理工程が終わったあとに、お手入れモードに移行することが予約できる。なお、キー103は図22に示すように、一旦加熱お手入れモードを設定し終えたあとは、取消用のキー103Aと機能変更される。
【0138】
図20で、加熱お手入れモードを選択するキー103を押した場合、図21に示す表示画面に変化する。図21に示すように、加熱お手入れモードとして3つの動作の内、何れか1つを選択できることが加熱お手入れモード表示部105に表示される。「触媒ヒーター加熱」や「蒸気お手入れ加熱」という表示のある枠部分105Aが独立した入力キーになっているので、希望するお手入れを簡単に選択できる。105Bは、選択されたことを示すマークである。なお、図21に示すように、非加熱お手入れを選択するキー104の部分は殆ど視認できないように消えた状態になる。なお、図21において、107は非加熱お手入れのメニュー名称と選択キーの表示部であり、前記表示部105と一部重複しているが、非加熱お手入れモードのメニューと加熱お手入れモードのメニューが同時に表示されることはないので、表示エリアが重なっていても何ら問題はない。
【0139】
図21で、106は、加熱お手入れモードにおいて、使用者に参考情報を表示する表示部である。この表示部では、例えば、加熱お手入れモードを実施する場合に有益な情報として、消費電力が少なくて済むことを表示し、また逆に図22に示すように、一旦予約した加熱お手入れモードを調理の工程中で取り消す選択をした場合、グリル庫121が冷えてから再度加熱することになるので、消費電力が増えることを報知する。消費電力の関連情報として具体的には「消費電力が20%少なくて済む」というような表示でも良い。なお、図23は、グリル加熱調理を行っている場合を示しており、具体的には魚焼き調理を実行中であり、調理時間が18分、火力が1500Wで加熱されるという設定になっていることが分かる。この図23のように、グリル調理を開始したあとでも、前記した103は、加熱お手入れモードを選択するキー103や、非加熱お手入れモードを選択するキー104を押せば、それぞれに属するお手入れメニューが表示され、お手入れモードを予約設定できる。
【0140】
(実施の形態3の効果)
以上説明した実施の形態3では、調理物を加熱する加熱源3RC、3LC、121Hと、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部8と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置4と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段13と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段S43と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御装置13には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、前記制御手段13は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき(図16のステップS43)、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ(図16のステップS44)、前記操作部8には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段103、105Aを有したものである。この構成により、お手入れの作業を、前記表示装置4を見ながら正しい順序で行うことができるとともに、使用者が非加熱お手入れ動作を開始するにはまだ不適当な状態では、その調理器の分解や清掃作業等を不用意に行うことを抑止できるものである。また調理工程が終わった後に加熱お手入れモードに移行するように使用者が設定でき、操作をより簡単にすることができる。
【0141】
また、使用者が加熱お手入れモードを途中で取消す操作をした場合、制御装置13は、その段階で加熱お手入れを中止した場合、加熱お手入れをその後に再度実行する場合に比較して省エネにならないことを消費電力量の大小関係などを示して使用者に再考を促すことができるので、使用者が誤解したまま加熱お手入れを消費電力の面で不利な場面で行うことを抑制できる。このように省エネの観点で使用者に参考になる有益な情報を報知できるので、結局、消費電力を少なくすることができ、使用者にとって有益な調理器を提供できる。
【0142】
なお、上記各図には具体的に図示していないが、使用者が加熱条件やお手入れモードの設定などをする段階で、加熱源を選択する最初の表示画面(図18参照)に簡単に戻れるような、操作キーを設けている。そのため、一旦、何らかのお手入れモードを設定しても、最初の表示画面に戻って再度設定操作することができ、その場面で前の予約内容を変更したり、取り消したりしてから調理動作開始に入ることができる。
【0143】
また、前記制御装置13を構成する主要な構成物であるマイクロコンピュータのメモリーには、以上説明した各フローチャート図に示した動作を実行するような制御プログラムが格納されている。
【0144】
実施の形態3では、前記制御装置13は、前記連携動作を所定のキー103で予約する際に、前記加熱お手入れモードを単独で実行する場合に比較して変化する電力消費情報を、表示装置である中央表示パネル4の表示画面において文字や数字にて表示させている。 つまりここでいう「電力消費情報」とは、消費電力量がどのように増加するかという増加量の情報を一例として含むが、これには限定されず、例えば消費電力が20%程度増えるという増加率の情報でも良い。要するに加熱お手入れモードの対象部分が、グリル庫121のみに関係する場合は、そのグリル庫の温度によって加熱お手入れモード実行時の消費電力が影響を受けるため、使用者に対してはグリル庫121の温度が高い場合に加熱お手入れモードを実行するのが省エネ観点から望ましいということを認識できるように報知しているのである。そのため、最新の室内温度や触媒ヒーターや蒸気供給装置等の電気加熱源の定格消費電力などの諸条件に基づいて、前記制御装置13が厳密に加熱お手入れ動作で必要となる消費電力をその都度計算するということを行っても良いが、必ずしもこのような厳密な算定作業は必要ない。
【0145】
また、実施の形態3では、前記制御装置13は、前記連携動作が予約されて調理工程が実行されている途中又はそれが終了した直後において、前記加熱お手入れモードを取り消す指令が前記操作部8を構成する中央表示パネル4上方の静電容量式タッチスイッチ部から行われた場合、当該取り消しによって変化する当該加熱お手入れモードの電力消費情報を、前記表示装置である中央表示パネル4の表示画面において文字や数字にて表示させている。つまりここでいう「電力消費情報」とは、消費電力量がどのように増加するかという増加量の情報を一例として含むが、これには限定されず、例えば消費電力が20%程度増えるという増加率の情報でも良い。要するに加熱お手入れモードの対象部分が、グリル庫121のみに関係する場合は、そのグリル庫の温度によって加熱お手入れモード実行時の消費電力が影響を受ける。そのため、使用者に対してはグリル庫121の温度が高い場合に加熱お手入れモードを実行するのが省エネ観点から望ましいので、そのことを報知する。つまり、途中で加熱お手入れ動作を取り消した場合には、グリル庫121が冷えて常温に戻ってしまい、その後加熱お手入れを実施した場合に、省エネの面で不利になるということを認識できるように報知しているのである。
【0146】
但し、加熱お手入れモードの内容によっては加熱調理終了後、直ぐに動作を始めない場合がある。実施の形態1でも詳しく説明したようにグリル庫121の「空焼き動作」は、グリル庫内部の金属性受け皿や焼き網等の付属調理器具や被調理物をグリル庫121の外に取り出す必要があるので、それらを取り出すまで空焼き動作は開始しない。またそのような取り出し作業も、グリル庫121が高温状態から冷めていない状態では、手等が触れると危険であるので、前記した「制限手段」によって所定の時間動作開始を遅らせるように、中央表示パネル4等の表示手段や音声ガイドによって、作業を一時的に保留することを促すことが良い。
【0147】
これらに対し、お手入れを実行するのにあたり、電気加熱動作を伴わない「非加熱お手入れモード」については、加熱調理工程の開始前から予約できるようにしているが、実際に非加熱お手入れモードによって使用者にお手入れ作業の案内を行うまでには、お手入れ対象部分の温度状態によって数分〜20分間程度待ってもらうことになる。これは前記したように、加熱調理の実行後は、調理器の色々な部分が高温になっているから不用意に触れると危険である。そこで、非加熱お手入れモードの案内に従って、使用者が作業を行う場合の安全面を最優先して、熱い場合の作業を避けるようにしている。但し、例えば1つの加熱部として誘導加熱コイルを使用して誘導加熱調理を開始する段階で、別の加熱部であるグリル庫の非加熱お手入れを予約できるようにしているのは、使用者の利便性を考えたからである。例えば使用者が、誘導加熱調理の後で、グリル庫121でケーキを焼くことを考えている場合、事前にグリル庫121の内部を空焼きするお手入れ作業を事前に予約できたら便利である。誘導加熱調理が終了した時点で、そのままにしていても、制御装置13がグリル庫121の空焼き動作を開始してくれるので、使用者は誘導加熱調理の終了報知をまって空焼きを指令する操作は必要ない。
【0148】
前記各実施の形態では、「グリルの取りはずし」等の「非加熱お手入れモード」のガイド情報と、空焼きや触媒ヒーター加熱等の「加熱お手入れモード」のガイド情報とを、中央表示パネル4によって表示する例で説明したが、本発明は、前記中央表示パネル4によって表示することに何ら限定されないので、本体1の上面の左右どちらか一方、又は両方の位置に設けても良い。例えば、グリル庫121が本体1を平面的に見て、その左右中心線から左側に偏って配置されているもの場合は、本体1の左右中心性から左側に設けても良い。また本体1の前面側に突出するように回動する操作盤(カンガルーポケットタイプとも呼ばれている)を設けたものでは、その操作盤を突出させたときに天面になる面に表示画面を設けたり、逆に操作盤を格納したときに本体前方から視認できる面に表示部を設けても良い。
【符号の説明】
【0149】
1 本体、2 トッププレート、3a 左加熱口、3b 右加熱口、4 中央表示パネル、4a メーター表示部、5a 左表示パネル、5b 右表示パネル、7a 左加熱口火力表示部、7b 右加熱口火力表示部、8 操作部、9a 左加熱口操作ダイヤル、9b 右加熱口操作ダイヤル、10 吸気口、11 排気口、12 グリル部、13 制御装置、21 調理物、71 説明図、72 説明文、73 操作キーの示唆マーク、74 工程番号、75 全工程の数、81 左加熱口用操作部、81a 揚げ物ボタン、81b 3kWボタン、81c 入/切ボタン、82 右加熱口用操作部、82a 揚げ物ボタン、82b 3kWボタン、82c 入/切ボタン、83 グリル用操作部、83a グリルメニューボタン、83b スタート/停止ボタン、83c 左矢印ボタン、83d 右矢印ボタン、83e 時間マイナスボタン、83f 時間プラスボタン、84 スタート/停止ボタンLED、85 矢印ボタンLED、86 時間ボタンLED、100 誘導加熱調理器、103 加熱お手入れモードを選択するキー、104 非加熱お手入れモードを選択するキー、120 グリル扉、120a 取っ手、121 グリル庫、122 受け皿、123 グリル網、140 蒸気供給装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、お手入れガイド機能に従ってお手入れができる加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器として、音声報知手段を有し、お手入れ動作中又はお手入れ動作終了時にお手入れ動作中又はお手入れ動作終了の動作状態を報知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4654742号公報(請求項5、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の加熱調理器では、ユーザーが、お手入れ作業を実施する際、その作業手順を記憶していない場合は、取扱い説明書を見ながら実施する必要があり、作業性が悪いという問題点があった。
さらに、取扱い説明書の紛失等によってお手入れ作業方法がわからないことが原因で、加熱調理器の寿命を短くしてしまうという問題点もあった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ユーザーが取扱い説明書を見なくても、お手入れ作業の手順をガイドすることによってお手入れ作業を実施することができる加熱調理器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る加熱調理器は、調理物を加熱する加熱源と、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせる。この構成により、「非加熱お手入れモード」のお手入れ作業を、前記表示装置を見ながら正しい順序で行うことができる。
【0007】
第2の発明に係る加熱調理器は、調理物を加熱する加熱源と、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御装置には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ、前記操作部には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段を有したものである。この構成により、お手入れの作業を、前記表示装置を見ながら正しい順序で行うことができるとともに、使用者が非加熱お手入れ動作を開始するにはまだ不適当な状態では、その調理器の分解や清掃作業等を不用意に行うことを抑止できるものである。また調理工程が終わった後に加熱お手入れモードに移行するように使用者が設定でき、操作をより簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、お手入れガイド機能を備えることによって、ユーザーは、取扱い説明書を見ることなく、表示装置に表示させるガイドに従って、お手入れ作業を実施することができるので、加熱調理器のメンテナンス作業についての利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の上面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド注意画面の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド選択画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のお手入れガイド画面の詳細構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器においてお手入れ作業を促す画面の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の内、「加熱お手入れ方法」の一種である「空焼き」動作を示すお手入れガイド画面を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れ催促機能によるお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面の例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の変形例1を示すフローチャート1である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の変形例2を示すフローチャート2である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート2である。
【図17】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート3である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図1である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図2である。
【図20】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図3である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図4である。
【図22】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図5である。
【図23】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図6である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
(加熱調理器の全体構成)
図1〜図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を示すものである。図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図であり、図2は同加熱調理器の上面図である。なお、本実施の形態1に係る加熱調理器として、図1で示されるように、グリル機能付の誘導加熱調理器を例に説明する。
【0011】
図1及び図2で示される本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100において、本体1の上面には、耐熱ガラス板等から形成されたトッププレート2が設置されており、そのトッププレート2上には、鍋等の被加熱物(図示せず)を載置するための左加熱口3a及び右加熱口3bが構成されている。
【0012】
本体1の上面前部には、誘導加熱する場合の各種設定値(例えば火力や加熱時間等)、異常情報、及び、後述するお手入れガイド画面等を表示する液晶パネル等の中央表示パネル4、同様に各種設定値等を表示する液晶パネル等である左表示パネル5a及び右表示パネル5b、左加熱口3aの火力を表示する左加熱口火力表示部7a、右加熱口3bの火力を表示する右加熱口火力表示部7b、並びに、加熱動作の開始等の操作をするための操作部8が設置されている。
【0013】
また、本体1の右側前面部には、左加熱口3aの火力を調整するための左加熱口操作ダイヤル9a、及び、右加熱口3bの火力を調整するための右加熱口操作ダイヤル9bが設置されている。また、本体1の上面後部には、後述するグリル庫121内の空気を取り込むための吸気口10、及び、グリル庫121内の調理物から発生する煙等を排出するための排気口11が形成されている。また、図2で示されるように、本体1内部には、誘導加熱調理器100の動作全般を制御する制御装置13が備えられている。
【0014】
図3は、図1の誘導加熱調理器100のブロック構成図である。
図3に示されるように、本体1の内部には、マイクロコンピュータ等から構成された前記制御装置13、右加熱口3b用の誘導加熱コイル3RC、その加熱コイル用のインバーター回路110R、左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LC、その加熱コイル用のインバーター回路110Lが設置されている。
【0015】
111は、前記グリル庫121の内部に設置されたシーズヒーター等の輻射式電気ヒーター121Hを駆動するヒーター駆動回路である。112は、前記中央表示パネル4、左表示パネル5a、右表示パネル5b、左加熱口火力表示部7a及び右加熱口火力表示部7bをそれぞれ駆動する表示部駆動回路である。
【0016】
30は、音声情報記憶部32に格納された、お手入れ作業用や各種操作等に関する音声データを合成して音声情報を作成する音声合成部で、前記トッププレート2の下方で、前記中央表示パネル4に近い位置に設置されている。31はこの音声合成部から音声ガイドを報知するためのスピーカーであり、前記トッププレート2の下方で、前記左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LCから離れた後方位置に設置されている。40は100V又は200Vの商用電源60に主電源スイッチ50を介して接続された電源部であり、この電源部からは前記制御装置13に電力が供給され、また前記インバーター回路110R、110Lやヒーター駆動回路111及び表示部駆動回路112にも所定の電力が供給される。
【0017】
ここで「音声情報」とは、後述する「お手入れ作業」に関する情報、調理器の動作状態、操作の次の手順、間違った操作の通知、調理器の異常状態などを音声で知らせる情報である。例えば、調理器の動作状態を知らせる情報としては、加熱動作を開始する情報、加熱開始からの経過時間を通知する情報、火力(加熱量をワット等の数値で知らせる場合には、その数値を、また火加減を「弱火」、「中火」など複数個の火力に分ける場合は、その「弱火」などの情報を含む)情報等である。
【0018】
制御装置13は、音声情報記憶部32から音声情報を読み出して音声合成部30に出力し、音声合成部30は、音声情報を合成してスピーカー31から音声情報に対応した音声を出力することによって、使用者に対して音声でガイドを行う。音声合成部30と音声情報記憶部32及びスピーカー31の3つを総称して「音声ガイド装置」という。なお、インバーター回路110R、110Lは、「駆動部」と呼ぶ場合がある。
【0019】
制御装置13は、操作部8からの操作信号や図示しない各種センサーからの検知信号が入力され、予め設定されたプログラム等に従って各種の構成部、例えばインバーター回路110Rを制御するものである。この制御装置13には、例えば電圧100V又は200Vの前記商用電源60から定電圧回路(図示せず)を介して直流電流が供給される。
【0020】
制御装置13からの制御によって、前記電源部40は、商用電源60からの電力をインバーター回路110R、110L、グリルヒーター駆動回路111等に供給する。
【0021】
インバーター回路110Rは、制御装置13からの加熱指令に応じて、電源部40から供給される電力を変換し、誘導加熱コイル3Rと共振コンデンサCとが接続された共振回路に、高周波電流を供給する。
【0022】
インバーター回路110Lは、制御装置13からの加熱指令に応じて、電源部40から供給される電力を変換し、誘導加熱コイル3Lと共振コンデンサCとが接続された共振回路に、高周波電流を供給する。なお、電源部40から各インバーター回路110R、100Lへの電力供給は、制御装置13からの制御により、各インバーター回路110R、100Lごとに半導体スイッチング素子(図示せず)により、オン・オフ制御がなされる。
【0023】
誘導加熱コイル3R、3Lは、渦巻状に巻かれたコイルにより構成され、各インバーター回路110R、110Lから高周波電流が供給されることにより、トッププレート2に載置された被加熱物を誘導加熱する。
【0024】
グリルヒーター駆動回路111は、制御部100からの加熱指令に応じて、グリル庫121内のグリルヒーター121Hを駆動する。なお、そのヒーター121Hは、グリル庫121の天井部と底面近傍など、上下2箇所に設けるのが普通である。
表示部駆動回路112は、制御部100からの指示に従って、前記中央表示パネル4、左表示パネル5a、右表示パネル5bなどの各種表示部を駆動する。
【0025】
また、制御部13には、操作部8からの操作情報が入力され、その操作情報に基づいて各種の制御を行う。操作部8の各操作キーは、例えば、後述するグリルメニューボタン83aやスタート/停止ボタン83b等から構成されている。
【0026】
なお、本実施の形態1において、「簡単操作モード」とは、調理器の操作や調理に不慣れな初心者のためのモードであって、調理器の使用可能な機能が制限されるモードである。例えば、操作部8に含まれるスイッチのうち、基本的な調理メニューである「加熱」と「揚げ物の自動調理(温度センサーにより油温が一定になるように火力が自動制御されるもの)」に関連するスイッチのみが使用可能となり、高速湯沸かし(最大火力3kW又での湯沸かしのこと)及び手動天ぷら調理(手動で任意に火力を調節しながら天ぷら調理するもの)の2つを選択するスイッチが使用不能になる(当該スイッチの入力キー自体が操作部5に表示されない)。さらに、後述する「お手入れ作業」も「簡単操作モード」では機能しないので、前記中央表示パネル4にはお手入れ作業に関する情報は何ら表示されない。
【0027】
簡単操作モードのときは、通常操作モードのときよりも詳細な内容の音声ガイドがスピーカー31から出力される。簡単操作モードでは、音声ガイドの内容を詳細にすることにより、誘導加熱調理器の操作に不慣れな初心者の操作性及び安全性の向上を図る。なお、「簡単操作モード」は、使用者によって選択される方法と、使用者の操作状況を制御装置13が判定して自動的に選択する方法があるが、前者の方法を採用する場合は、前記操作部8に専用のスイッチを設けたり、あるいは他の操作キーを特殊な組み合わせで同時に2つ以上押した場合に選択されるようにしたり、色々な方法がある。簡単操作モードになった場合、お手入れガイド機能を稼動させ、通常(簡単操作モードではない場合)に比べて、より詳しい情報を表示し、また音声で報知するようにしても良い。
【0028】
本実施の形態1において、調理メニューとは、誘導加熱調理の分野では、「加熱」、「油調理」(揚げ物)(手動と、自動温度制御による自動の2種類)、「お湯沸かし」、及び「炊飯」をいい、グリル調理の分野では、「グリル」(焙り焼き)、「姿焼き」である。なお、グリル庫121の雰囲気温度を所定の高温度に保って被加熱物を調理する「オーブン調理」もある。
【0029】
(グリル部12の構成)
次に、図1を参照しながら、グリル部12の構成について説明する。
図1で示されるように、本体1の左下側内部にグリル部12が構成されている。このグリル部12は、前面に大きな開口を有した金属製のグリル庫121と、このグリル庫の前記前面開口部を開閉するための、本体1の前面部の左側に開閉可能に設置されたグリル扉120、グリル庫121の底部に載置された受け皿122、その受け皿122の上に置かれ、上側に魚等の調理物21を載置するためのグリル網123によって構成されている。グリル扉120には、グリル扉120を開閉するためにユーザーが手を掛けるための取っ手120aが設置されている。
【0030】
また、グリル庫121と排気口11とを連通させ、吸気口10から取り込まれた空気を調理物21から発生する煙と共に、グリル庫121から排気口11を介して外部に排気するための排気ダクト130が、図2に示すようにグリル庫121の後方に形成されている。131は排気ダクト130の途中に設置された触媒132と、この触媒に近接した位置にあって、触媒を活性化させるために高温度に加熱する触媒ヒーター133とからなる除煙装置であり、グリル庫121内部から排出される煙成分を分解し、排気口11から排出される空気を浄化するような作用をする。なお、図3において134は、触媒ヒーター133の駆動回路である。また、触媒ヒーターは例えば300W程度の定格電力が印加される。図3において、140は蒸気供給装置であり、水が供給される密閉容器状のボイラー部(図示せず)と、このボイラー部を加熱するスチーム用電気ヒーター(図示せず)と、前記ボイラー部で発生した蒸気を前記グリル庫121内部に導くパイプ(図示せず)とから構成されている。前記触媒ヒーター133と前記蒸気供給装置140は、この発明でいう「加熱お手入れモード」で駆動される加熱機構である。なお、前記したグリル庫121内のグリルヒーター121Hも「加熱お手入れモード」で駆動される加熱機構の1つである。グリルヒーター121Hは、通常グリル庫121の天井部近くと底面近くにそれぞれ設置され、上下別々に火力設定と通電が行えるようになっているが、このようなグリルヒーター121Hを被調理物がない状態で通電することを「空焼き」と呼んでいる。この空焼きを所定時間以上行うことでグリル庫の内側壁面を高温にし、その壁面に付着していた「においの成分」を除去できるものである。このためには、グリル庫121の内側壁面に、においを抑える塗料を塗布したり、又は、におい成分の分解や酸化作用を促進する触媒と塗料を塗布しておくと大きな効果が期待できる。
【0031】
(操作部8の構成)
次に、図2を参照しながら、操作部8の構成について説明する。
図2で示される誘導加熱調理器100の平面視において、操作部8は誘導加熱調理器100の上面の手前側に配置されている。この操作部8は、左側から、左加熱口3aの加熱動作を操作するための左加熱口用操作部81、グリル加熱動作を操作するためのグリル用操作部83、及び、右加熱口3bの加熱動作を操作するための右加熱口用操作部82を備えている。
【0032】
このうち、左加熱口用操作部81は、揚げ物ボタン81a、定格最大火力で加熱するための3kWボタン81b及び加熱動作の開始と停止を指令するための入/切ボタン81cによって構成されている。
【0033】
また、右加熱口用操作部82は、揚げ物ボタン82a、3kWボタン82b及び入/切ボタン82cによって構成されている。そして、グリル用操作部83は、グリルメニューボタン83a、スタート/停止ボタン83b、左矢印ボタン83c、右矢印ボタン83d、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fによって構成されている。
【0034】
また、スタート/停止ボタン83bには、スタート/停止ボタンLED84が備えられている。また、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dには、矢印ボタンLED85が備えられている。そして、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fには、時間ボタンLED86が備えられている。なお、前記主電源スイッチ50の開閉操作を行う押しボタンは、図示していないが、前記操作部8や本体1の右側前面部の何れか一方又はその双方に設けてある。
【0035】
上記の各ボタン及び各LEDの機能についての詳細については後述する。
なお、図2で示される操作部8を構成する各ボタンの種類及び配置は、一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0036】
(誘導加熱調理器100の誘導加熱動作)
次に、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100の誘導加熱動作について説明する。
ユーザーは、調理物が投入された鍋等の被加熱物を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に設置された入/切ボタン81cを押下することによって誘導加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによる入/切ボタン81cの押下操作信号が、制御装置13に送信される。制御装置13は、受信した押下操作信号に基づいて、駆動回路110L(インバーター回路)に対し、左加熱口3aの下部の本体1内部に設置された加熱コイル3LCに通電させる。左加熱口3aに載置された被加熱物は、通電された加熱コイル3LCから誘導加熱を受けて、加熱動作が開始される。
【0037】
また、ユーザーが本体1の右側前面部に設置された左加熱口操作ダイヤル9aを回転操作させることによって、その回転操作信号が、制御装置13に送信される。制御装置13は、受信した回転操作信号に基づいて、駆動回路110Lに対し、加熱コイルによる誘導加熱の火力を調整させる。その際、制御装置13は、その火力の強弱を、左加熱口火力表示部7aに表示させる。
【0038】
そして、ユーザーは、加熱調理を終了させ、誘導加熱停止させたい場合は、再び入/切ボタン81cを押下することによって、誘導加熱動作を終了させることができる。
【0039】
また、ユーザーによって、被加熱物を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、右加熱口3bの下部の本体1内部に設置された加熱コイル3RCによって誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c及び右加熱口操作ダイヤル9bの操作、並びに、右加熱口火力表示部7bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び左加熱口操作ダイヤル9aの操作、並びに、左加熱口火力表示部7aの表示動作と同様である。
【0040】
次に、油調理について説明する。
ユーザーは、油が投入された油鍋を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に配置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、油鍋の加熱動作が開始される。次に、ユーザーは揚げ物ボタン81aを所定回数押下することによって、油鍋に投入された油の量を設定する。そして、左加熱口操作ダイヤル9aを回転操作することによって、目標とする油温度を設定する。この際、設定された油の量及び油温度は、例えば、左表示パネル5aに表示させるものとすればよい。そして、ユーザーは、油調理終了後、再び入/切ボタン81cを押下することによって、油調理を終了させることができる。
【0041】
また、ユーザーによって、油鍋を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、油鍋の誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c、揚げ物ボタン82a及び右加熱口操作ダイヤル9bの操作、並びに、右表示パネル5bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c、揚げ物ボタン81a及び左加熱口操作ダイヤル9aの操作、並びに、左表示パネル5aの表示動作と同様である。
【0042】
次に、お湯沸かし動作について説明する。
ユーザーは、水が投入された鍋等を左加熱口3aに載置する。そして、ユーザーが操作部8に設置された入/切ボタン81cを押下することによって、前述の誘導加熱動作と同様に、水が投入された鍋等の加熱動作が開始される。次に、ユーザーは3kWボタン81bを所定回数押下することによって、加熱時間を設定する。この際、設定された加熱時間は、例えば、左表示パネル5aに表示させるものとすればよい。そして、加熱動作開始後、設定された加熱時間が経過した後、自動的に加熱動作が終了する。
【0043】
また、ユーザーによって、水が投入された鍋等を右加熱口3bが設置された場合も、同様に、誘導加熱を実施することができる。その際、ユーザーによる入/切ボタン82c及び3kWボタン82bの操作、並びに、右表示パネル5bの表示動作については、前述の入/切ボタン81c及び3kWボタン81bの操作、並びに、左表示パネル5aの表示動作と同様である。
【0044】
(誘導加熱調理器100のグリル部12における加熱動作)
次に、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100のグリル部12における加熱動作について説明する。
ユーザーは、まず、グリル扉120の取っ手120aを掴んで手前に引っ張り、受け皿122及びグリル網123をグリル庫121内から外側に引き出す。次に、ユーザーは引き出したグリル網123の上に魚等の調理物21を載置する。次に、ユーザーは、再び、取っ手120aを掴んで本体1側に押し込み、受け皿122及びグリル網123をグリル庫121内に引き込んで、グリル扉120を閉める。そして、ユーザーは、操作部8に配置されたグリルメニューボタン83aを所定回数押下することによって「姿焼き」、「グリル」及び「オーブン」等のグリルメニューを選択する。
【0045】
まず、ユーザーによって「姿焼き」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21の焼き色を設定する。この焼き色の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された焼き色を表示させる。そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「姿焼き」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、先程受信した焼き色の設定操作信号に基づいて、調理物21の調理時間を計算する。次に、制御装置13は、ヒーター駆動回路111に対し、グリル庫121内に設置されたヒーター121Hに通電させ、そのヒーターによって、設定された焼き色となるように調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、計算した調理時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0046】
次に、ユーザーによって「グリル」の調理メニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱動作の火力を設定する。この火力の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された火力を表示させる。
【0047】
次に、ユーザーは、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱時間を表示させる。
【0048】
そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「グリル」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路111に対し、グリル庫121内に設置されたヒーター121Hに通電させ、そのヒーターによって調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0049】
そして、ユーザーによって「オーブン」のグリルメニューが選択された場合のグリル加熱動作について説明する。
ユーザーは、左矢印ボタン83c及び右矢印ボタン83dを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱動作の加熱温度を設定する。この加熱温度の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱温度を表示させる。
【0050】
次に、ユーザーは、時間マイナスボタン83e及び時間プラスボタン83fを所定回数押下することによって、調理物21に対する加熱時間を設定する。この加熱時間の設定操作信号は、制御装置13に送信され、制御装置13は、その設定操作信号に基づいて、中央表示パネル4にその設定された加熱時間を表示させる。
【0051】
そして、ユーザーは、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、「オーブン」メニューのグリル加熱動作が実施される。具体的には、ユーザーによるスタート/停止ボタン83bの押下操作信号が、制御装置13に送信され、制御装置13は、その押下操作信号を受信すると、ヒーター駆動回路に対し、グリル庫121内に設置されたヒーターに通電させ、設定された加熱温度の下に、ヒーターによって調理物21を加熱させる。そして、制御装置13は、加熱動作を開始してから、設定された加熱時間経過後に、加熱動作を終了させる。
【0052】
(誘導加熱調理器100の「非加熱お手入れモード」のガイド機能)
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の内、「非加熱お手入れモード」を実行するための制御動作を示すフローチャートであり、図5は、同じく加熱調理器の非加熱お手入れガイド機能におけるお手入れガイド注意画面の例を示す図であり、そして、図6は、同加熱調理器のお手入れガイド機能におけるお手入れガイド選択画面の例を示す図である。図7は、同じく加熱調理器の非加熱お手入れガイド機能のお手入れガイド画面の詳細構成を示す図である。
以下、図3〜図7を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100の「非加熱お手入れモード」におけるガイド機能について説明する。
【0053】
(S1)
まず、ユーザーは、お手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイドモードに移行させるために、操作部8のグリルメニューボタン83aを3秒間、押下を継続する。そして、ステップS2へ進む。
なお、3秒間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0054】
(S2)
制御装置13は、ユーザーによるグリルメニューボタン83aの押下操作信号を受信し、その受信状態が3秒継続したか否かを判定する。その判定の結果、3秒継続した場合、ステップS3へ進む。一方、3秒経過する前に、押下操作信号の受信状態が解除された場合、ステップS1へ戻る。
【0055】
(S3)
制御装置13は、中央表示パネル4に、図4で示されるお手入れガイド注意画面を表示させる。そして、ステップS4へ進む。
【0056】
(S4)
制御装置13は、お手入れガイド注意画面を表示してから、所定時間経過後、又は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合に、中央表示パネル4の表示画面に、図5で示されるお手入れガイド選択情報を表示させる。そして、ステップS5へ進む。このお手入れガイド選択情報は、各お手入れガイド動作の項目を表示及び選択するための情報であり、図7に示すように一つの画面の中に、説明図と説明文がセットになったものが静止画状態で現れる。
【0057】
本実施の形態1に係る誘導加熱調理器100は、お手入れガイド動作の例として、「グリルお手入れ方法」、「グリルの取りはずし」、「グリルの取付け」、「グリルドアパッキンの取付け」、「トッププレートのお手入れ」及び「吸・排気口のお手入れ」の6つのお手入れガイド動作を実施できるものとしている。以下、この6つを、それぞれ「お手入れ対象区分」と呼ぶ。
【0058】
また、図6は、上記のお手入れガイド動作のうち「グリルお手入れ方法」が選択された、前記中央表示パネル4の表示画面の一つの状態を示している。
なお、これらのお手入れガイド動作は例を示すものであり、その他のお手入れガイド動作が実施できるものとしてもよい。
【0059】
(S5)
制御装置13は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下されたか否かを判定する。その判定の結果、グリルメニューボタン83aが押下された場合、ステップS6へ進む。一方、グリルメニューボタン83aが押下されていない場合、ステップS7へ進む。
【0060】
(S6)
制御装置13は、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド選択画面において、現在選択されているお手入れガイド動作から、次のお手入れガイドガイド動作を選択状態にする。例えば、図5で示されるように、現在選択されているお手入れガイド動作が「グリルお手入れ方法」である場合、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、次の「グリル取りはずし」のお手入れガイド動作が選択状態となる。また、現在選択されているお手入れガイド動作が「吸・排気口のお手入れ」である場合、ユーザーによってグリルメニューボタン83aが押下された場合、最上段の「グリルのお手入れ方法」のお手入れガイド動作が選択状態となる。そして、ステップS5へ戻る。
【0061】
(S7)
制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたか否かを判定する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。その判定の結果、右矢印ボタン83dが押下された場合、ステップS8へ進む。一方、右矢印ボタン83dが押下されていない場合、ステップS5へ戻る。
【0062】
(S8)
制御装置13は、ステップS4〜ステップS6において選択されたお手入れガイド動作を開始する。このお手入れガイド動作の内容については、図8及び図9において述べる。そして、ステップS9へ進む。
【0063】
(S9)
制御装置13は、ステップS8においてお手入れガイド動作終了後、又は、お手入れガイド動作実施中に、ユーザーによってスタート/停止ボタン83bが押下されたか否かを判定する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、スタート/停止ボタン83bを押下操作することが可能であることを報知するため、スタート/停止ボタンLED84を点灯又は点滅させる。その判定の結果、スタート/停止ボタン83bが押下された場合、お手入れガイドモードから脱し、通常の加熱動作が実施できる状態に戻る。一方、スタート/停止ボタン83bが押下されていない場合、ステップS10へ進む。
【0064】
(S10)
制御装置13は、お手入れガイド動作実施中にユーザーによる操作部8に対する無操作状態が10分経過したか否か、又は、お手入れガイド動作終了後にユーザーによるスタート/停止ボタン83bに対する無操作状態が10分経過したか否かを判定する。その判定の結果、無操作状態が10分経過した場合、お手入れガイドモードから脱し、通常の加熱動作が実施できる状態に戻る。一方、無操作状態が10分経過する前に、お手入れガイド動作実施中にユーザーによって操作部8に対して操作された場合、又は、お手入れガイド動作終了後にユーザーによってスタート/停止ボタン83bが押下されば場合、ステップS9へ戻る。なお、上記の10分という時間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0065】
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の「非加熱お手入れモード」におけるガイド機能の各お手入れガイドの1つの説明内容を示す図である。
このように、中央表示パネル4の表示画面に、1つずつ順次表示される1つの説明画面70は、お手入れ対象区分における部品等の簡単な説明図71、説明文72、表示切替え用の操作キーの示唆マーク73、作業工程の連続番号74、全部の作業工程の数を示す文字、等から構成されている。
【0066】
図8及び図9は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示す図である。このうち、図8においては「グリルお手入れ方法」、「グリルの取りはずし」及び「グリルの取付け」の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示している。
また、図8においては「グリルドアパッキンの取付け」、「トッププレートのお手入れ」及び「吸・排気口のお手入れ」の各お手入れガイド動作におけるお手入れガイド画面を示している。以下、図8及び図9を参照しながら、図4におけるステップS8のお手入れガイド動作の詳細を説明する。
【0067】
まず、図4のステップS4〜ステップS6において、「お手入れ対象区分」として「グリルの取りはずし」が選択された場合の、お手入れガイド動作について説明する。
制御装置13は、「グリルの取りはずし」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルの取りはずし」のお手入れガイド動作の第1のお手入れガイド画面で示されるような「受け皿・グリルあみを取り出す」というガイドに従って、受け皿122及びグリル網123を取り出す(工程番号1)。次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。
【0068】
制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる(工程番号2)。なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図9で示されるステップS9)。
【0069】
なお、次のお手入れガイド画面に切り替えること、つまり本のページをめくるように、次の作業工程を示す情報が記載されたお手入れガイド画面を次々と見るために、ユーザーは左矢印ボタン83dを押下する動作について説明したが、このような動作に限定されるものではなく、次のようにお手入れガイド画面を切り替えるものとしてもよい。例えば、ユーザーによる特定のお手入れ作業の終了が、センサーによって検知することができる場合、制御装置13は、そのセンサーによって検知された場合、現在表示されているお手入れガイド画面で示されるお手入れ作業が終了したと判定し、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。具体的には、グリル網123が設置されているか否かを検知するグリル網センサーを備えるものとし、制御装置13は、ユーザーによって第1のお手入れガイド画面のガイドに従ってグリル網123が取り出されたか否かがこのグリル網センサーによって検知された場合、次のお手入れガイド画面を表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーが左矢印ボタン83cをわざわざ押下しなくても、次のお手入れ作業に取り掛かることができ、利便性が向上する。さらに、この場合、制御装置13は、第1のお手入れガイド画面表示中に、グリル網センサーによってグリル網123が取り出されたことを、所定時間検知されない場合、図10(a)で示されるようなグリル網123を取り出すことを促す画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーにお手入れ作業を喚起することができ、さらにお手入れ作業の利便性を向上させることができる。
【0070】
次に、図4のステップS4〜ステップS6において、お手入れガイド動作として「グリルの取付け」が選択された場合のお手入れガイド動作について、図8を参照しながら説明する。
【0071】
制御装置13は、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作の第1のお手入れガイド画面で示されるような「扉の上を奥側に傾けて・・・」という第1の作業工程に関するガイドに従って、グリル扉120を取り付ける。
【0072】
次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイドの説明画面(作業工程2)を中央表示パネル4に表示させる。
【0073】
なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図3で示されるステップS9)。
【0074】
なお、次のお手入れガイド画面に切り替えるために、ユーザーは右矢印ボタン83dを押下する動作について説明したが、このような動作に限定されるものではなく、前述のように、次のようにお手入れガイド画面を切り替えるものとしてもよい。すなわち、ユーザーによる特定のお手入れ作業の終了が、センサーによって検知することができる場合、制御装置13は、そのセンサーによって検知された場合、現在表示されているお手入れガイド画面で示されるお手入れ作業が終了したと判定し、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。具体的には、グリル扉120が閉められたか否かを検知するグリル扉センサーを備えるものとし、制御装置13は、ユーザーによって第6のお手入れガイド画面のガイドに従ってグリル扉120が閉められたか否かがこのグリル扉センサーによって検知された場合、次のお手入れガイド画面を表示させるものとしてもよい。ただし、「グリルの取付け」のお手入れガイド動作の場合、第6の作業工程であるグリル扉を閉めたあとで、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、お手入れガイドモードから脱するものとすればよい。これによって、ユーザーが右矢印ボタン83dをわざわざ押下しなくても、次のお手入れ作業に取り掛かることができ、あるいは、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、お手入れガイドモードから脱することができ、利便性が向上する。さらに、この場合、制御装置13は、第6の作業工程が中央表示パネル4の表示画面に表示されている期間中に、グリル扉センサーによってグリル扉120が閉められたことを、所定時間検知されない場合、図9(b)で示されるようなグリル扉120を閉めることを促す画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。これによって、ユーザーにお手入れ作業の進行を喚起することができ、さらにお手入れ作業の利便性を向上させることができる。
【0075】
図11は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のお手入れガイド動作のうち、「グリルお手入れ方法」の空焼き動作を示すお手入れガイド画面を示す図である。なお、ここでいう「空焼き動作」は非加熱お手入れモードに属するものではなく、「加熱お手入れモード」に属している。以下、図3のステップS4〜ステップS6において、お手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」が選択された場合のお手入れガイド動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0076】
制御装置13は、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。具体的には、ユーザーは、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作の第1の作業工程である、「受け皿・グリルあみを取り出す」という作業を説明したガイド情報に従って、受け皿122及びグリル網123を取り出す。次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、右矢印ボタン83dを押下操作することが可能であることを報知するため、矢印ボタンLED85を点灯又は点滅させる。制御装置13は、ユーザーによって右矢印ボタン83dが押下されたことを認識すると、次のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる。なお、ユーザーは、左矢印ボタン83cを押下することによって、前のお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させることもできる。
【0077】
以上のような手順によって、ユーザーはお手入れ作業を進めていき、第4の作業工程を示すガイド情報に従って、スタート/停止ボタン83bを3秒間押下する。この場合、制御装置13は、ユーザーに対して、スタート/停止ボタン83bを押下操作することが可能であることを報知するため、スタート/停止ボタンLED84を点灯又は点滅させる。
【0078】
制御装置13は、ユーザーによってスタート/停止ボタン83bが3秒間押下されたことを認識すると、図11で示される空焼き動作(第5の作業工程)を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させる。ここで、空焼き動作とは、本発明でいう「加熱お手入れモード」の加熱動作の1つである。空焼き動作とは、グリル庫121内に残存する余分な油を飛ばし、グリル庫121に備えられた脱臭材によって消臭する動作を示す。そして、制御装置13は、空焼き動作を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させた後、空焼き動作を所定時間(例えば、20分)実施する。この際、空焼き動作の進行状況を示すため、制御装置13は、中央表示パネル4にメーター表示部4aを表示させ、図9で示されるように、所定時間毎(例えば、1分ごと)にメーター表示部4aの表示を切り替える。なお、空焼きの熱源としてはグリル庫121内部のヒーター121Hが使われる。
【0079】
なお、メーター表示部4aの切り替え表示と共に、あるいは、それに代えて、空焼き動作の残時間を中央表示パネル4に数字で表示させるものとしてもよい。
また、空焼き動作時間は、固定時間(20分)としているが、これに限定されるものではない。すなわち、グリル庫121内に温度検知手段を備えるものとし、制御装置13は、この温度検知手段によって検知される庫内温度に基づいて、空焼き動作時間を算出するものとしてもよい。例えば、制御装置13は、温度検知手段によって検知される庫内温度が高い場合は、空焼き動作時間を短くするものとし、庫内温度が低い場合は、空焼き動作時間を長くするものとすればよい。
【0080】
以上のような手順によって、ユーザーは、中央表示パネル4に表示されるお手入れガイド画面のガイドに従って、「非加熱お手入れモード」のお手入れ作業を完了させる。ユーザーは、お手入れガイド動作に従って、全てのお手入れ作業を終えた後、スタート/停止ボタン83bを押下することによって、お手入れガイドモードから脱することができる(図3で示されるステップS9)。なお、ここで「全てのお手入れ作業を終えた後」と書いたが、必ずしも図8、図9の6つの「お手入れ対象区分」全てについて、全作業工程を一度に終える必要はない。例えば、「吸・排気口のお手入れ」とグリル庫121のお手入れとを別の機会にそれぞれ行っても良い。
【0081】
なお、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作の場合、上記の空焼き動作が最後のお手入れ作業なので、ユーザーがスタート/停止ボタン83bを押下することなく、空焼き動作が終了後に、お手入れガイドモードから脱するものとしてもよい。その他のお手入れガイド動作も、上記で説明した各お手入れガイド動作に準じる。
【0082】
(誘導加熱調理器100のお手入れ催促機能)
図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のお手入れ催促機能によるお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面の例を示す図である。以下、図12を参照しながら、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100のお手入れ催促機能について説明する。
【0083】
制御装置13は、特定のお手入れガイド動作について、直近に実施された時からの経過時間、又は、直近に実施された後にそのお手入れガイド動作が実施された回数を記憶する。そして、制御装置13は、上記の経過時間が所定時間を超えた場合、又は、特定のお手入れガイド動作の実施回数が所定回数を超えた場合、図12で示されるように、その特定のお手入れガイド動作に係るお手入れ作業をユーザーに実施させることを催促するためのお手入れ催促情報を中央表示パネル4に文字によって表示させる。図12は、特定のお手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作についてのお手入れ催促画面を示している。
【0084】
なお、特定のお手入れガイド動作として「グリルお手入れ方法」を示したが、これに限定されるものではなく、その他のお手入れガイド動作に係るお手入れ作業を催促するお手入れ催促画面を中央表示パネル4に表示させるものとしてもよい。
また、制御装置13によって記憶された経過時間、又は、実施回数は、中央表示パネル4等によって確認できるものとしてもよい。
【0085】
以上のようなお手入れ催促機能を備えることによって、ユーザーが自発的にお手入れを実施しなくても、お手入れ時期をユーザーに対して報知することでき、お手入れ作業を催促することができるので、誘導加熱調理器100の状態を適正に保ち、長期間使用することが可能となる。
【0086】
図8〜図11において説明したお手入れガイド動作は、中央表示パネル4にお手入れガイド画面を表示させることによって、ユーザーに対してお手入れ作業をガイドするものであるが、これに加えて、制御装置13が、音声合成部30と音声情報記憶部32を制御して、各お手入れガイドの作業内容をスピーカー31から音声で報知させ、ユーザーにおける手入れ作業の利便性をさらに向上させている。
【0087】
以下、音声ガイド手段を利用したお手入れガイド機能について説明する。
制御装置13は、「グリルお手入れ方法」のお手入れガイド動作において、最初のお手入れ作業をガイドするためのお手入れガイド画面を、中央表示パネル4に表示する。ユーザーは、中央表示パネル4に表示されたお手入れガイド画面のガイドに従って、お手入れ作業を実施する。
【0088】
「グリルお手入れ方法」の第1の作業工程は、図7、図8に示すように受け皿122と、グリル網123を取り出すことである。そこで中央表示パネル4の表示画面は、図7に示した説明画面になるとともに、スピーカー31より、「最初に、受け皿とグリルあみを取り出します」と音声を出力する。
【0089】
次に、ユーザーは、次のお手入れ作業を示すお手入れガイド画面を中央表示パネル4に表示させるために、右矢印ボタン83dを押下する。
すると第2の作業工程のお手入れ作業が、中央表示パネル4によって所定の形式のガイド画面で示される。第2の作業工程の表示内容は図8に示したように、「庫内底面の油汚れを拭き取る」である。これに対応して音声ガイド装置のスピーカー31は「第2の作業は、庫内底面の油汚れを拭き取ることです」と音声を出力する。工程番号を報知するのは、使用者が中央表示パネル4を注視していない場合があることや、視覚が不自由な人にも工程の進行度を容易に認識して貰えるようにするためである。
【0090】
次に、ユーザーは、右矢印ボタン83dを押下する。
第3の作業工程の情報が、お手入れガイド画面で示され、「受け皿を入れ、扉を閉める(グリル網は入れない)」という文字のガイドと、音声ガイド装置より、「第3の作業は、受け皿を入れ、扉を閉めることです。このときグリル網は入れないで下さい。」と音声を出力する。ここで「グリル網は入れないで下さい」は作業の仕方や内容を直接示す説明ではなく、作業をする上で使用者(作業者)に守って欲しい注意事項である。このように作業の工程によっては、注意事項を報知・表示する。
【0091】
次に、ユーザーは、右矢印ボタン83dを押下する。
第4の作業工程に進み、お手入れガイド画面では「スタート停止ボタンを3秒間押す」というガイドが文字で表示され、一方音声ガイド装置からは「第4の作業です。スタートと停止の兼用ボタンを3秒間押して下さい」と音声で報知する。
【0092】
以上のような手順によって、ユーザーはお手入れ作業を進めていき、文字や説明図等の視覚的なガイドと、音声による聴覚的なガイドを同時並行的に行うものである。
その他のお手入れガイド動作も、上記で説明した各お手入れガイド動作に準じる。
【0093】
この実施の形態1で明らかなように、前記制御装置13は、お手入れガイド情報を1つの作業工程ずつ前記中央表示パネル4に表示する。その表示の都度に、前記音声ガイド装置は、当該表示された説明図と説明文の内容に合致したお手入れ作業を報知する。特に、「対象物」と「動作」を明確に報知する。これはお手入れガイド情報の中で、「重要な事項」である。「対象物」とは例えば「グリル扉」であり、「動作」とは例えば「取り出す」や「傾ける」等をいう。
【0094】
またこの実施の形態1で明らかなように、前記音声ガイド装置は、お手入れガイド情報が説明図が前記中央表示パネル4に表示される度に、当該説明図に示されているお手入れ作業の中の説明文を、その記載順序に従って音声で読み上げて報知しているので、この音声ガイド情報を聞くことで、前記中央表示パネル4に表示された内容が更に明確に使用者(作業者)には認識され、確実な作業が期待できる。
【0095】
(実施の形態1の効果)
以上のように、お手入れガイド機能を備えることによって、ユーザーは、取扱い説明書を見ることなく、表示パネルに表示させるガイドに従って、お手入れ作業を実施することができるので、加熱調理器のメンテナンス作業についての利便性を向上させることができる。
【0096】
また、お手入れガイド機能を実施するための専用の操作手段を備えることなく、通常の加熱動作で使用する操作手段(本実施の形態においてはグリル用操作部83)を共用して使用し、お手入れガイド機能を実施することができるので、操作部8のレイアウトを簡易に構成することができ、コストを削減することができる。また、このように、お手入れガイド機能を実施するために通常の加熱動作で使用する操作手段を共用して使用する場合、操作できる操作手段をLEDによる点灯又は点滅によって、ユーザーに報知するので、お手入れガイド機能の実施時の操作性を向上させることができる。
ただし、操作手段を共用することに限定するものではなく、通常の加熱動作で使用する操作手段とは別に、お手入れガイド機能を実施するための専用の操作手段を備えるものとしてもよい。この場合は、LEDによって操作できる操作手段をユーザーに報知する必要がなく、お手入れガイド機能の実施時の操作性を向上することができるという効果がある。
【0097】
さらに、お手入れ催促機能を備えることによって、ユーザーが自発的にお手入れを実施しなくても、お手入れ時期をユーザーに対して報知することでき、お手入れ作業を催促することができるので、加熱調理器の状態を適正に保ち、長期間使用することが可能となる。
【0098】
さらに、中央表示パネル4にお手入れガイド情報を表示させることに加えて、音声ガイド装置からも各お手入れガイドの作業内容を順次音声で報知させているので、ユーザーにおける手入れ作業の間違いや混乱が少なくなり、さらに便利になっている。
【0099】
なお、本実施の形態1に係る加熱調理器として、図1で示されるように誘導加熱調理器を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ガス加熱調理器又は電気オーブン等のその他の加熱調理器でもよい。
【0100】
また、本実施の形態1に係る加熱調理器において、お手入れガイド機能実施中に、押下操作できるボタンを示すためにLEDを点灯又は点滅させるものとしているが、LEDに限定されるものではなく、電球等のその他の点灯・発光手段を使用するものとしてもよい。
【0101】
実施の形態1の変形例1.
図13は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例1に関するフローチャート1である。この変形例は、本発明でいう「お手入れモードを所定の条件で制限する制限手段」を付加したものである。以下、この図13を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
【0102】
(S11)
加熱源の加熱が終了した時点から、加熱終了時間の計測を開始する。
【0103】
(S12)
お手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイドモードに移行させるために、操作部8のグリルメニューボタン83aを3秒間、押下を継続する。そして、ステップS2へ進む。なお、3秒間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0104】
(S13)
制御装置13は、ユーザーによるグリルメニューボタン83aの押下操作信号を受信し、その受信状態が3秒継続したか否かを判定する。その判定の結果、3秒継続した場合、ステップS3へ進む。一方、3秒経過する前に、押下操作信号の受信状態が解除された場合、ステップS12へ戻る。
【0105】
(S14)
制御装置13は、加熱終了から計測をスタートさせており、このステップ14にて10分経過を計測していた場合お手入れモードに遷移する。10分経過する前の場合は、ステップ12へ戻る。なお、10分間は例示であり、この時間に限定するものではない。
【0106】
(実施の形態1の変形例の効果)
以上のように、制御装置13には、お手入れガイド機能を一時的に制限する手段として「経過時間判断手段」(本発明でいう「制限手段」に該当)を備えることによって、ユーザーは、熱い状態でお掃除ガイドを行うことが出来ない為、やけどなどの怪我を防ぐことができ、安全性を向上させることができる。
【0107】
なお、本実施の形態1の変形例1に係る加熱調理器として、図1で示されるように誘導加熱調理器を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ガス加熱調理器又は電気オーブン等のその他の加熱調理器でもよい。
【0108】
実施の形態1の変形例2.
図14は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例2を示すフローチャートである。以下、本変形例2に係る誘導加熱調理器100のお手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
【0109】
この変形例では、制御装置13に、お手入れガイド機能を一時的に制限する「制限手段」の1つとして、「温度判定手段」を備えたことが特徴である。
【0110】
加熱調理器が一旦使用された場合、加熱源は勿論、その周辺部が高温になっている場合がある。また実施の形態1で示した誘導加熱調理器で誘導加熱した場合でも、その使用直後はトッププレート2が高温になっていることがあるので、こういう状態でグリル庫121やトッププレート2に不用意に触れることは危険である。
【0111】
そこでこの変形例2では、以下説明するような温度判定手段80を備えた。
まず、この変形例2では、誘導加熱調理中にトッププレート2の上方に置いた被加熱物の温度を非接触で検知する第1の赤外線センサー(図示せず)と、前記トッププレート2の温度を接触して検知するサーミスター式の第2の温度センサー(図示せず)とを備えている。またグリル庫121の内部の温度やその壁面温度を検知する第3の温度センサー(図示せず)を備えている。これら各温度センサーは、それぞれの加熱調理時の被加熱物やトッププレート2等の温度を監視し、制御装置13の温度制御に利用され、また異常温度状態の検知にも利用されている。
【0112】
図14に示した動作プログラムは、誘導加熱調理やグリル調理の何れにも適用されるものである。また、加熱調理が終わったあとに引き続き使用者がお手入れを希望して操作部を操作した場合について対応する制御装置13の動作を示している。
【0113】
(S21)
加熱源の加熱が終了した場合(S20)、その後で使用者がお手入れガイドを起動させたいと何らかの指令を操作部8から制御装置13に与えた場合、その操作有無が制御装置13に検知される。
【0114】
(S22)
制御装置13は、前記したような各種温度センサーからの最新温度情報を得て、トッププレート2の温度や排気口11の温度、さらにグリル庫121の温度が所定温度以下であるかどうかの判定を行う。例えばグリル庫121の温度が55℃以下であるかどうかの判定をする。なお、排気口11の温度を測定するための専用の温度センサーをこの実施の形態3では設けていないが、排気口11の温度はトッププレート2の温度と近いとみなして、トッププレート2の温度が所定の温度であれば、排気口11の温度も所定の温度であるとみなす処理をしている。但し、誘導加熱調理をしない場合は、トッププレート2の温度は部屋の温度に近いのに対し、グリル庫121を加熱調理に使用すると、グリル庫121からの熱気が排出されて排気口11が高温になっている場合があるから、グリル庫121の温度検知状態も同時に制御装置13は観察し、グリル庫121の温度が高い場合は、トッププレート2の温度が低い場合でも、排気口11の温度は高温であるという判定をするようにしている。
【0115】
(S23)
全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下であった場合、制御装置13は中央表示パネル4にお手入れガイド機能を実施するためのお手入れガイド情報を表示させる。
【0116】
(S24)
制御装置13は、「グリルの取りはずし」等のお手入れガイドの種類を図6に示したように表示し、お手入れしたい作業、すなわち「お手入れ対象区分」を「お手入れメニュー」として一覧状態で表示し、その中の何れかを選択できるようにする。
【0117】
(S25)
制御装置13は、「お手入れ対象区分」が選択されると、お手入れ対象の部品等の説明図と作業内容の説明文とがセットになった複数の説明の画面の内、最初の作業工程の説明画面を中央表示パネル4に表示する。以後、その説明の画面を作業工程の順に使用者が任意のタイミングで表示させ、お手入れ作業をすることができる。
【0118】
(S26)
一方、全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下ではなく、熱い部分があった場合、制御装置13はお手入れガイドの機能を一時的に稼動禁止にし、中央表示パネル4に、調理器の温度が下がるまで、お手入れガイド機能は稼動開始しない旨の表示や音声ガイドを行う。
【0119】
(S27)
その後、全ての温度測定部分の温度が所定の温度以下になった場合、お手入れガイドを開始できると判定する。
【0120】
(S23)
そしてお手入れガイド動作を開始する旨を中央表示パネル4に表示し、スパーカー31からも報知する。
【0121】
そして以後は、前記ステップ23(S23)に戻り、お手入れガイド動作を開始する。
【0122】
(実施の形態1の変形例2の効果)
以上のように、お手入れガイド機能に温度判断手段を備えることによって、ユーザーは、熱い状態でお掃除ガイドを行うことが出来ない為、やけどなどの危険な作業をしないようにでき、安全性を向上させることができる。
【0123】
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート1である。図16は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート2である。図17は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器のお手入れガイド機能のフローチャート3である。以下、図15〜図17を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、お手入れガイド機能の基本的な動作と表示に関しては、実施の形態1と同様である。
(S30)
まず最初に、主電源スイッチ50を閉じ、加熱源を使用者が選択する。つまり、左加熱口3aや右加熱口3b、あるいはグリル庫121のどこで加熱調理するのを操作部8で選択する
(S31)
例えばグリル庫121を選択すると、グリル庫121を使用して調理できる調理メニューが中央表示パネル4に表示される。例えば「焼き物」や「ケーキ」等という調理メニュー名称が一覧形式で表示される。
(S32)
そこでその表示内容を確認し、希望の調理メニューとして、例えばグリル庫で焼き物をすることを選択する。制御装置13は、使用者がグリル庫121で「焼き物」を何回行ったかどうか判断できるように、焼き物調理を1回する毎に内蔵カウンターにて1をプラスしており、累計回数が制御装置13で分かるようになっている。また焼き物調理を選択した段階で、使用者にはその調理が終わったあと、引き続いて前記触媒ヒーター133を通電し、触媒ヒーターをリフレッシュするかどうか中央表示パネル4に表示する。など、同時に音声合成装置30で同様な音声ガイドをしても良い。使用者が触媒ヒーター133の通電を予約すると、前記操作部8で、調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定したことになる。なお、そのための入力キーは操作部8に必ずしも専用に設ける必要はなく、実施の形態1で説明したような他の入力キー、例えば左矢印ボタン83cや右矢印ボタン83dを兼用しても良い。
(S33)
次に左矢印ボタン83cや右矢印ボタン83d、その他入力用の操作ボタン、キーを操作して火力や調理時間などの調理条件を設定する。例えば1500Wで30分加熱することを設定したとする。
(S34)
所定の入力項目が全て設定されると、制御装置13は加熱動作を開始する。グリル庫121が所定の高温度になると、前期触媒ヒーター133の駆動回路134によって触媒ヒーター133に通電開始する。なお、調理メニューによっては、蒸気供給装置140が駆動され、高温の水蒸気がグリル庫121内部に吹き込まれて食品を加熱する。
(S35)
制御装置13は、加熱動作を開始すると、内蔵したタイマーをリセットし、時間計測を開始する。
(S36)
また制御装置13は、加熱動作を開始すると、グリル庫121の内部雰囲気温度を温度センサーにより監視し、所定の温度になるようにグリルヒーター121Hの駆動回路111を制御する。
(S37〜S40)
制御装置13は、火力が途中で変更されたかどうかを常にチェックしており、もし変更が行われた場合、制御装置13は、火力変更処理を行なう。また使用者が設定した調理時間の30分が経過するかどうかを判断するため、制御装置13の内蔵タイマーで経過時間がカウントされているので、所定時間が経過したことが内蔵タイマーで判明すると、制御装置13はグリルヒーター121Hの通電を停止する。また加熱動作が終了したことを中央表示パネル4で表示する。また触媒ヒーター133も通電動作が停止される。
(S41)
図16に示すように、そのように制御装置13が所定の調理工程を完了した時点で、使用者によって、お手入れモード(この場合、加熱お手入れと、非加熱お手入れの双方)の取消し指令が操作部8から行われなかったかどうかの判定が行われる。取り消されていた場合は、終了になる。
(S42)
ステップS41で取消し指令が無いという判定がされた場合、次に、使用者が加熱お手入れ操作を指定しているかどうかの判定が行われる。加熱お手入れが指令されている場合には、ステップS50に進む。
(S43)
加熱お手入れが指定されていない場合は、「非加熱お手入れメニュー」の実行が指令されている場合と考え、調理器の各部の温度が所定温度以下であるかどうかの判定が制御装置13によって行われる。なお、ここでいう「所定温度」とは、温度測定部分が複数個ある場合、全ての部分で統一的な基準温度を意味していない。例えば、トッププレート2の温度とグリル庫121の基準温度を同じにしても良いし、差異があっても良い。
(S44)
所定温度以下であった場合は、中央表示パネル4に「非加熱お手入れメニュー」を表示する。例えば、「吸・排気口のお手入れ」や「グリルの扉の取り外し」などの作業メニューを一覧形式で表示する。
(S45)
使用者が「非加熱お手入れメニュー」の中から1つを選択して、お手入れメニューを決定する。
(S46)
制御装置13は、使用者が選択した非加熱お手入れメニューに従って、以後お手入れ動作を開始する。
(S47)
一方、制御装置13は、調理器の特定部分の温度の一部でも所定温度を超えているという判定が行われた場合(S43)、安全上の観点から、使用者による分解・清掃作業を一時的に保留するため、「現在、調理器の温度が高いので、安全な温度まで下がるまでの間は、お手入れをお控え下さい。温度が下がりましたら、お知らせします」というような文字による表示を中央表示パネル4で行う。また同時に、音声情報記憶部32に格納された、お手入れ作業用や各種操作等に関する音声データから、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声でガイドする。
(S48〜S49)
制御装置13は、調理器の特定部分の温度が全て基準となる所定温度以下になったと判定を行った場合(S48)、「調理器の温度が下がりました。お手入れを開始できます。
表示部の案内に従ってお手入れして下さい」というような文字による表示を中央表示パネル4で行う。また同時に、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声でガイドする。これ以後は前記ステップS44の表示動作になり、以後前記S45、S46のステップで動作する。
(S50)
一方、加熱お手入れが指定されていた場合、制御装置13は加熱お手入れモードの処理を開始する。制御装置13は、調理器の各部の温度を検知する。
(S51)
この段階、すなわち、加熱調理が終わって短時間が経過した段階で、仮に使用者が別の加熱調理を開始したいと思って「加熱お手入れ」の動作を中止したい場合、操作部8からその旨中止の指令を制御装置13に与えると、制御装置13はその操作を検知し、加熱お手入れの動作について、取消命令があったと判断する。
(S52)
制御装置13は、この段階で加熱お手入れを中止した場合、加熱お手入れをその後に再度実行する場合に比較して省エネにならない場合が多い。例えば前記したように、使用者が加熱お手入れのメニューの中で、触媒ヒーター133の通電を予約していた場合、グリル庫121の内部が冷えてから、触媒ヒーター133に通電開始すると、その通電開始から所定の高温度になるまで時間を要する。これに対し、グリル庫121自体の温度が高い調理直後の場合は、触媒ヒーター133もグリル庫121からの熱気の影響を受け、触媒ヒーター133自身も通電されていた直後であるので、温度が高いから、直ぐに所定の高温度になり、その分、通電継続時間を短くして終了することができるからである。
そこで前記制御装置13は、この段階で加熱お手入れを中止した場合に、加熱お手入れに必要な電力量の概算を計算し、または予め用意してある換算表などのデータテーブルから求めた数値を、使用者に報知する。具体的には、加熱お手入れの中止指令があった時点で、制御装置13は、グリル庫121の温度が何度であるかどうかを検知し、グリル庫121の温度が常温〜50℃程度の場合は、例えば300W×通電時間15分で電力量計算した結果を報知する。実際にはグリル庫121が加熱調理に使用された直後、特に焼き物(魚焼き等)が行われた直後は、グリル庫の雰囲気温度は100℃以上あり、また触媒ヒーター133も200℃以上になっているから、このような場合は、例えば300W×通電時間10分で電力量計算した結果を報知する。あるいは、電力量自体の報知ではなく、大、中、小のように電力エネルギーの大小関係を報知しても良い。このような報知によって使用者には、このようなグリル庫121が高温段階での「加熱お手入れ」の中止は、省エネの面で不利であり、お奨めできないことを知らせる。なお前記データテーブルとは、例えばグリル庫121の温度は100℃〜130℃の場合には、所定の電力量(例えば300W×10分間を基準にしたもの)に対し、必要な電力量を「30%増加」、131℃〜150℃の場合は、「20%増加」というように、予め実験や計算で求めた数値や近似値を用意しておき、グリル庫121の現在温度から、消費すると思われる電力量を求める方法である。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの中止を撤回しない場合、つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
加熱お手入れの指令が新たに無い場合は、非加熱お手入れのモードに進めるため、前記ステップS43に処理を進める。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの中止を撤回しない場合、つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
(S53)
そして使用者が、加熱お手入れの取消指令を操作部8から発しない場合(S51)、あるいは一旦取消指令を出したが、それを撤回した場合(S53)、ステップ54に進み、加熱お手入れの内容が「蒸気噴射によるお手入れ」であるかどうかの判断が行われる。つまり加熱お手入れの指令が新たに無いかどうかを制御装置13は検知する。
(S54)
「蒸気噴射によるお手入れ」とは、蒸気供給装置140から調理時に使用した程度の高温の水蒸気をグリル庫121内部に噴射させ、特にグリル庫121の内壁面やそのグリル扉120の内壁面全体を浄化するお手入れであり、たとえば、焼き魚をした後に、パンやケーキを焼こうと思った場合、焼き魚をしたあとで行うと、その魚特有の匂いが消される効果が期待できる。
(S55〜S56)
「蒸気噴射によるお手入れ」が最初に指定されていた場合は、その蒸気お手入れが開始され、蒸気供給装置140のスチーム用電気ヒーター(図示せず)に通電が開始され、蒸気の供給が開始される。
(S57)
制御装置13では、スチーム用電気ヒーターへの通電開始からの時間が計測され、所定の時間T1(例えば5分間)継続したかどうかの判定が行われる。なお、この時間は蒸気供給装置140の能力によって変化する。通電開始してから高温蒸気を発生するまでの時間が長く掛かるものは、通電時間は長くなる。
(S58)
所定時間にわたり蒸気供給装置140へ通電が行われると、その通電は終了し、蒸気噴射によるお手入れは完了する。なお、焼き魚などを行った場合、その魚はグリル庫121から取り出しておく。
(S59)
一方、前記した例では、グリル庫121による加熱調理の開始前に、使用者が加熱お手入れのメニューの中で、触媒ヒーター133の通電を予約していたので、この場合はステップS59に進み、触媒ヒーター133への通電が開始され、またそれと同時に経過時間の計測が開始される。
(S60)
そして制御装置13では、所定の時間T2(例えば10分間)が経過するかどうかの判断が行われる。
(S61)
そして所定の時間T2が経過した場合、制御装置13はその旨を中央表示パネル4によって表示する。またまた同時に、音声合成部30がスピーカー31を通じて音声で加熱お手入れが終了したことを報知する。
【0124】
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図1である。図19は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図2である。図20は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図3である。図21は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図4である。図22は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図5である。図23は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の表示装置とその周辺部を示す平面図6である。
以下、図18〜図23を参照しながら、お手入れガイド機能について説明する。なお、加熱調理器のその他の構成部分は実施の形態1と同じである。
【0125】
(誘導加熱調理時の表示)
誘導加熱調理時の中央表示パネル4の表示画面について説明する。
図18に示すものは、主電源スイッチ50をONにした後で、最初に中央表示パネル4の表示画面の状態を示している。この図18で、115は右加熱口3b用の誘導加熱コイル3RCを使用する加熱(右IH加熱)を選択するキー、116は左加熱口3a用の誘導加熱コイル3LCを使用する加熱(左IH加熱)を選択するキー、117は、グリル庫121を使用し、グリルヒーター121Hで調理する加熱形態を選択するキー、118はグリル庫121を使用するが、蒸気供給装置140を使用して、グリル庫121内部に高温を水蒸気を充満させる加熱調理を選択するキーである。
【0126】
図19は、左加熱口3aを使用した誘導加熱(IH加熱)を選択する場面において、中央表示パネル4の表示内容を示している。この図19の段階において、使用者は具体的な調理メニューを選択できる。
【0127】
主電源スイッチ50の操作キー50Aを押し、その後、左側の誘導加熱部となる誘導加熱コイル3LCを選択する操作を所定のキー(図示せず)で行うと、最初に図18のような画面が現れる。そこで右側の誘導加熱部を選択すると、図19に示す表示になる。つまり、調理メニュー選択用として、高速加熱用の選択キー91A、湯沸し用選択キー91B、茹で選択キー91C、予熱用選択キー92A、炊飯選択キー92B、煮込み選択キー92C、揚げ物選択キー93A、湯沸し+保温の選択キー93Bの8つのキーが一斉に(一覧状態に)表示される。
【0128】
図19において、前記8つのキー91A、92A、93A及び前記4つのキー115、116、117、118等は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式の入力キーを採用している。中央表示パネル4の表示画面の上方全体はガラス板で覆われており、使用者がキー表面に対応した位置の、中央表示パネル4の表示画面を覆うガラス板の上面に軽く触れることで、制御装置13に対する有効な入力信号が発生するものである。つまり操作部13の一部が、この中央表示パネル4の上方に配置されている構成である。
【0129】
図19において、90は調理メニューの名称表示部である。94はヘルプキーであり、使用者が操作に迷ったり、間違った操作をして警報音が出たり、表示画面に警告文字が表示された場合などに操作すると、その場面に関連した情報を表示画面に文字で表示する。95はインフォメーションキーであり、使用する調理器具の情報や調理方法、上手に調理する注意点などを詳しく表示画面に文字で表示する。
【0130】
前記各種入力キー91A、92A、93A等の部分(区域)を構成する前記ガラス板表面には、キーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の表示画面には、それら入力キーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形を表示する構成になっている。なお、このガラス板は、前記実施の形態1のトッププレート2で兼用しても良い。
【0131】
全ての入力キーが常に同時に表示されている訳ではない。操作しても無効なキー(操作する必要が無い入力キー)については、入力機能文字や図形を表示画面上で表示しないようにして、ガラス板の上方から視認できない状態にしている。そのような無効状態の入力キーが操作されても、操作部8からは何ら有効な操作指令信号が制御装置13に与えられないように、制御装置13の動作を定める制御プログラムで規定されている。
【0132】
図19の状態で使用者に調理メニューの選択を促しているので、ここで仮に「煮込み」のキー82Cにタッチすると、中央表示パネル4の表示画面は図20のように変化する。
【0133】
図20で、96は調理名称の表示部、97は火力を数字で示す火力表示部、98は調理メニュー選択キーであり、この図20の場面でこのキー98にタッチすると図19の場面に戻るので、同じ加熱源を使用して別の調理メニューを実行したい場合に使用する。
97Aは火力の大きさを棒グラフ状の図形で表示する火力表示図形であり、9段階の火力に合せて9本あるように表示される。98B、98Cは一対の火力調節キーであり、プラス記号のあるキー98Aは火力を増加させ、マイナス記号のあるキー98Bは火力を減らすためのものである。これらキー98A、98Bに1回触れると、その度に火力は1段階変更される。ここで、火力調節は、火力ダイヤルでも可能である。
【0134】
図20において、99は加熱時間を1分単位で表示する時間表示部、101A、101Bはその加熱時間の調節キーであり、プラス記号のあるキー101Aは時間を増加させ、マイナス記号のあるキー101Bは時間を減らすためのものである。これらキー101A、101Bに1回触れると、その度に時間は1分ずつ変更される。なお、調理メニューによっては調理時間が表示されない場合もある。また自動的に標準的な時間が表示された場合、前記調節キー101A、101Bで調節すれば良い。火力や時間が調節できない(調整しない)調理メニューの場合は、調節キー101A、101B、98A、98Bが表示されない。
【0135】
なお、加熱を停止したい場合は、例えば加熱停止キー108にタッチすれば良い。なお、このキーは1回タッチして入力信号出すたびに機能が切り替わるので、加熱停止のために押したあとは、自動的に加熱開始のキーにもなり、正反対の2つの機能を切り替えて使用する兼用キーである。また主電源スイッチの操作キー50AをOFF操作すると、中央表示パネル4の表示動作は停止するので、何の情報も表示できない状態に変わる。また、調理終了後もトッププレート2が高温になっている場合が多いので、主電源スイッチ50を切らない限り、トッププレート2が所定温度以下になるまで別の表示部が高温報知を行う。その後自動的にそのような高温注意の表示は消える。
【0136】
次に、図20を参照しながら、誘導加熱調理の「煮込みモード」実行する場合における表示画面の変化について説明する。103は、加熱お手入れモードを選択するキー、104は同じく非加熱お手入れモードを選択するキーであり、図20に示すように、それら2つのキーは並んで表示される。なお、ヘルプキー94を押したあとで、加熱お手入れモードを選択するキー103や非加熱お手入れモードを選択するキー104に触れると、それら各お手入れモードの説明が音声合成部30によってスピーカー31を介して音声で行われる。
【0137】
煮込み加熱を開始するため、加熱開始と停止の兼用のキー108を押せば、煮込み調理が開始されるが、このキー102を押す前に加熱お手入れモードを選択するキー103や非加熱お手入れモードを選択するキー104によって、事前にお手入れモードを設定しておくと良い。また仮に調理開始後であっても、これらキー103、104を押せば、調理工程が終わったあとに、お手入れモードに移行することが予約できる。なお、キー103は図22に示すように、一旦加熱お手入れモードを設定し終えたあとは、取消用のキー103Aと機能変更される。
【0138】
図20で、加熱お手入れモードを選択するキー103を押した場合、図21に示す表示画面に変化する。図21に示すように、加熱お手入れモードとして3つの動作の内、何れか1つを選択できることが加熱お手入れモード表示部105に表示される。「触媒ヒーター加熱」や「蒸気お手入れ加熱」という表示のある枠部分105Aが独立した入力キーになっているので、希望するお手入れを簡単に選択できる。105Bは、選択されたことを示すマークである。なお、図21に示すように、非加熱お手入れを選択するキー104の部分は殆ど視認できないように消えた状態になる。なお、図21において、107は非加熱お手入れのメニュー名称と選択キーの表示部であり、前記表示部105と一部重複しているが、非加熱お手入れモードのメニューと加熱お手入れモードのメニューが同時に表示されることはないので、表示エリアが重なっていても何ら問題はない。
【0139】
図21で、106は、加熱お手入れモードにおいて、使用者に参考情報を表示する表示部である。この表示部では、例えば、加熱お手入れモードを実施する場合に有益な情報として、消費電力が少なくて済むことを表示し、また逆に図22に示すように、一旦予約した加熱お手入れモードを調理の工程中で取り消す選択をした場合、グリル庫121が冷えてから再度加熱することになるので、消費電力が増えることを報知する。消費電力の関連情報として具体的には「消費電力が20%少なくて済む」というような表示でも良い。なお、図23は、グリル加熱調理を行っている場合を示しており、具体的には魚焼き調理を実行中であり、調理時間が18分、火力が1500Wで加熱されるという設定になっていることが分かる。この図23のように、グリル調理を開始したあとでも、前記した103は、加熱お手入れモードを選択するキー103や、非加熱お手入れモードを選択するキー104を押せば、それぞれに属するお手入れメニューが表示され、お手入れモードを予約設定できる。
【0140】
(実施の形態3の効果)
以上説明した実施の形態3では、調理物を加熱する加熱源3RC、3LC、121Hと、前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部8と、前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置4と、前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段13と、前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段S43と、を備え、前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、前記制御装置13には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、前記制御手段13は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき(図16のステップS43)、前記説明図の表示は行わせず、前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ(図16のステップS44)、前記操作部8には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段103、105Aを有したものである。この構成により、お手入れの作業を、前記表示装置4を見ながら正しい順序で行うことができるとともに、使用者が非加熱お手入れ動作を開始するにはまだ不適当な状態では、その調理器の分解や清掃作業等を不用意に行うことを抑止できるものである。また調理工程が終わった後に加熱お手入れモードに移行するように使用者が設定でき、操作をより簡単にすることができる。
【0141】
また、使用者が加熱お手入れモードを途中で取消す操作をした場合、制御装置13は、その段階で加熱お手入れを中止した場合、加熱お手入れをその後に再度実行する場合に比較して省エネにならないことを消費電力量の大小関係などを示して使用者に再考を促すことができるので、使用者が誤解したまま加熱お手入れを消費電力の面で不利な場面で行うことを抑制できる。このように省エネの観点で使用者に参考になる有益な情報を報知できるので、結局、消費電力を少なくすることができ、使用者にとって有益な調理器を提供できる。
【0142】
なお、上記各図には具体的に図示していないが、使用者が加熱条件やお手入れモードの設定などをする段階で、加熱源を選択する最初の表示画面(図18参照)に簡単に戻れるような、操作キーを設けている。そのため、一旦、何らかのお手入れモードを設定しても、最初の表示画面に戻って再度設定操作することができ、その場面で前の予約内容を変更したり、取り消したりしてから調理動作開始に入ることができる。
【0143】
また、前記制御装置13を構成する主要な構成物であるマイクロコンピュータのメモリーには、以上説明した各フローチャート図に示した動作を実行するような制御プログラムが格納されている。
【0144】
実施の形態3では、前記制御装置13は、前記連携動作を所定のキー103で予約する際に、前記加熱お手入れモードを単独で実行する場合に比較して変化する電力消費情報を、表示装置である中央表示パネル4の表示画面において文字や数字にて表示させている。 つまりここでいう「電力消費情報」とは、消費電力量がどのように増加するかという増加量の情報を一例として含むが、これには限定されず、例えば消費電力が20%程度増えるという増加率の情報でも良い。要するに加熱お手入れモードの対象部分が、グリル庫121のみに関係する場合は、そのグリル庫の温度によって加熱お手入れモード実行時の消費電力が影響を受けるため、使用者に対してはグリル庫121の温度が高い場合に加熱お手入れモードを実行するのが省エネ観点から望ましいということを認識できるように報知しているのである。そのため、最新の室内温度や触媒ヒーターや蒸気供給装置等の電気加熱源の定格消費電力などの諸条件に基づいて、前記制御装置13が厳密に加熱お手入れ動作で必要となる消費電力をその都度計算するということを行っても良いが、必ずしもこのような厳密な算定作業は必要ない。
【0145】
また、実施の形態3では、前記制御装置13は、前記連携動作が予約されて調理工程が実行されている途中又はそれが終了した直後において、前記加熱お手入れモードを取り消す指令が前記操作部8を構成する中央表示パネル4上方の静電容量式タッチスイッチ部から行われた場合、当該取り消しによって変化する当該加熱お手入れモードの電力消費情報を、前記表示装置である中央表示パネル4の表示画面において文字や数字にて表示させている。つまりここでいう「電力消費情報」とは、消費電力量がどのように増加するかという増加量の情報を一例として含むが、これには限定されず、例えば消費電力が20%程度増えるという増加率の情報でも良い。要するに加熱お手入れモードの対象部分が、グリル庫121のみに関係する場合は、そのグリル庫の温度によって加熱お手入れモード実行時の消費電力が影響を受ける。そのため、使用者に対してはグリル庫121の温度が高い場合に加熱お手入れモードを実行するのが省エネ観点から望ましいので、そのことを報知する。つまり、途中で加熱お手入れ動作を取り消した場合には、グリル庫121が冷えて常温に戻ってしまい、その後加熱お手入れを実施した場合に、省エネの面で不利になるということを認識できるように報知しているのである。
【0146】
但し、加熱お手入れモードの内容によっては加熱調理終了後、直ぐに動作を始めない場合がある。実施の形態1でも詳しく説明したようにグリル庫121の「空焼き動作」は、グリル庫内部の金属性受け皿や焼き網等の付属調理器具や被調理物をグリル庫121の外に取り出す必要があるので、それらを取り出すまで空焼き動作は開始しない。またそのような取り出し作業も、グリル庫121が高温状態から冷めていない状態では、手等が触れると危険であるので、前記した「制限手段」によって所定の時間動作開始を遅らせるように、中央表示パネル4等の表示手段や音声ガイドによって、作業を一時的に保留することを促すことが良い。
【0147】
これらに対し、お手入れを実行するのにあたり、電気加熱動作を伴わない「非加熱お手入れモード」については、加熱調理工程の開始前から予約できるようにしているが、実際に非加熱お手入れモードによって使用者にお手入れ作業の案内を行うまでには、お手入れ対象部分の温度状態によって数分〜20分間程度待ってもらうことになる。これは前記したように、加熱調理の実行後は、調理器の色々な部分が高温になっているから不用意に触れると危険である。そこで、非加熱お手入れモードの案内に従って、使用者が作業を行う場合の安全面を最優先して、熱い場合の作業を避けるようにしている。但し、例えば1つの加熱部として誘導加熱コイルを使用して誘導加熱調理を開始する段階で、別の加熱部であるグリル庫の非加熱お手入れを予約できるようにしているのは、使用者の利便性を考えたからである。例えば使用者が、誘導加熱調理の後で、グリル庫121でケーキを焼くことを考えている場合、事前にグリル庫121の内部を空焼きするお手入れ作業を事前に予約できたら便利である。誘導加熱調理が終了した時点で、そのままにしていても、制御装置13がグリル庫121の空焼き動作を開始してくれるので、使用者は誘導加熱調理の終了報知をまって空焼きを指令する操作は必要ない。
【0148】
前記各実施の形態では、「グリルの取りはずし」等の「非加熱お手入れモード」のガイド情報と、空焼きや触媒ヒーター加熱等の「加熱お手入れモード」のガイド情報とを、中央表示パネル4によって表示する例で説明したが、本発明は、前記中央表示パネル4によって表示することに何ら限定されないので、本体1の上面の左右どちらか一方、又は両方の位置に設けても良い。例えば、グリル庫121が本体1を平面的に見て、その左右中心線から左側に偏って配置されているもの場合は、本体1の左右中心性から左側に設けても良い。また本体1の前面側に突出するように回動する操作盤(カンガルーポケットタイプとも呼ばれている)を設けたものでは、その操作盤を突出させたときに天面になる面に表示画面を設けたり、逆に操作盤を格納したときに本体前方から視認できる面に表示部を設けても良い。
【符号の説明】
【0149】
1 本体、2 トッププレート、3a 左加熱口、3b 右加熱口、4 中央表示パネル、4a メーター表示部、5a 左表示パネル、5b 右表示パネル、7a 左加熱口火力表示部、7b 右加熱口火力表示部、8 操作部、9a 左加熱口操作ダイヤル、9b 右加熱口操作ダイヤル、10 吸気口、11 排気口、12 グリル部、13 制御装置、21 調理物、71 説明図、72 説明文、73 操作キーの示唆マーク、74 工程番号、75 全工程の数、81 左加熱口用操作部、81a 揚げ物ボタン、81b 3kWボタン、81c 入/切ボタン、82 右加熱口用操作部、82a 揚げ物ボタン、82b 3kWボタン、82c 入/切ボタン、83 グリル用操作部、83a グリルメニューボタン、83b スタート/停止ボタン、83c 左矢印ボタン、83d 右矢印ボタン、83e 時間マイナスボタン、83f 時間プラスボタン、84 スタート/停止ボタンLED、85 矢印ボタンLED、86 時間ボタンLED、100 誘導加熱調理器、103 加熱お手入れモードを選択するキー、104 非加熱お手入れモードを選択するキー、120 グリル扉、120a 取っ手、121 グリル庫、122 受け皿、123 グリル網、140 蒸気供給装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を加熱する加熱源と、
前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、
前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、
前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、
前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、
前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、
前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、
前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、
前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御装置は、前記操作部からの複数の操作信号に基づいて、前記加熱部による加熱調理動作と前記お手入れガイド動作の双方を選択的に実施させることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記操作部には複数の操作キーに対応してそれぞれ光を放射する点灯装置を備え、
前記制御装置は、前記複数の操作キーの中で、前記お手入れガイド動作実行中に、操作可能な操作キーを示すために前記点灯装置を点灯又は点滅させることを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記操作部は、加熱調理動作を実施させるための調理用操作部と、前記お手入れガイド機能を実施させるためのお手入れ用操作部と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記お手入れガイド機能は、複数のお手入れ対象部分毎に、1つのお手入れ作業を前記操作部から選択して表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記制御装置は、前記操作部からの所定の指令を受けた場合、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示装置に表示されているお手入れ説明図から次の作業工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
特定のお手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了を検知できる検知手段を備え、前記制御装置は、前記検知手段によって前記特定のお手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了が検知された場合に、前記表示装置に表示されている前記特定のお手入れ説明図から次工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記制御装置は、前記検知手段によって、特定の前記お手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了が所定時間検知されない場合、該お手入れ作業を促す情報を前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御装置は、特定の前記お手入れガイド動作の実施を催促するために、該お手入れガイド動作に応じたお手入れ催促情報を前記表示装置に表示させるお手入れ催促機能を有したことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項10】
ヒーターによって前記調理物の加熱調理動作を実施するグリル部を更に備え、
前記制御装置は、前記加熱お手入れモードに属する空焼き動作のガイド動作を実施することが可能であり、少なくとも前記お手入れ催促機能の一部として、該ガイド動作が直近に実施された後の経過時間又は実施回数が、所定時間又は所定回数を超えた場合、前記お手入れ催促情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記グリル部の庫内温度を検知する温度検知手段を備え、
前記制御装置は、前記温度検知手段によって検知された前記庫内温度に基づいて、前記空焼き動作の動作時間を決定することを特徴とする請求項10に記載の加熱調理器。
【請求項12】
音声ガイド装置を更に備え、
前記制御装置は、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示手段に表示させている前記お手入れ説明図におけるガイド情報を、前記音声ガイド装置によって報知させることを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源の動作を終了してからの経過時間が所定の時間以上であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源又はそれにより加熱された所定部位の温度が所定の温度以下であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記制御装置は、前記制限手段が所定の条件を満たすかどうかを検知し、所定の条件を満たすまでの期間中、所定の待機モードに移行し、かつ前記お手入れガイド動作を開始しないことを前記表示装置で表示することを特徴とする請求項12〜請求項14の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記制御装置によって制御され、保有する音声データを再生して前記操作部の操作を補助する音声ガイド装置をさらに備え、
前記お手入れガイドモードにおいて、使用者が前記操作部から読み出し指令を前記制御装置に1回与える毎に、当該制御装置は、使用者が指定されたお手入れ対象部分において、前記複数の説明図をお手入れ作業順序に従って1つずつ前記表示装置によって表示するとともに、
前記制御手段は、前記音声ガイド装置により、前記説明図が前記表示装置に表示される度に、当該説明図に示されているお手入れ作業の内容を音声で報知させることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項17】
調理物を加熱する加熱源と、
前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、
前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、
前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、
前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、
を備え、
前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、
前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、
前記制御装置には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、
前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、
前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ、
前記操作部には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段を有したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項18】
前記制御装置は、前記連携動作を予約する際に、前記加熱お手入れモードを単独で実行する場合に比較して変化する電力消費情報を前記表示装置において表示させることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記制御装置は、前記連携動作が予約されて調理工程が実行されている途中又はそれが終了した際に、前記加熱お手入れモードを取り消す指令が前記操作部から行われた場合、当該取り消しによって変化する当該加熱お手入れモードの電力消費情報を前記表示装置において表示させることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記「お手入れガイド機能は、複数のお手入れ対象部分毎に、1つのお手入れ作業を前記操作部から選択して表示させることを特徴とする請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項21】
前記制御装置は、前記操作部からの所定の指令を受けた場合、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示装置に表示されているお手入れ説明図から次の作業工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項22】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源の動作を終了してからの経過時間が所定の時間以上であることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項23】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源又はそれにより加熱された所定部位の温度が所定の温度以下であることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項1】
調理物を加熱する加熱源と、
前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、
前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、
前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、
前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、を備え、
前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、
前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、
前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、
前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御装置は、前記操作部からの複数の操作信号に基づいて、前記加熱部による加熱調理動作と前記お手入れガイド動作の双方を選択的に実施させることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記操作部には複数の操作キーに対応してそれぞれ光を放射する点灯装置を備え、
前記制御装置は、前記複数の操作キーの中で、前記お手入れガイド動作実行中に、操作可能な操作キーを示すために前記点灯装置を点灯又は点滅させることを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記操作部は、加熱調理動作を実施させるための調理用操作部と、前記お手入れガイド機能を実施させるためのお手入れ用操作部と、を有したことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記お手入れガイド機能は、複数のお手入れ対象部分毎に、1つのお手入れ作業を前記操作部から選択して表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記制御装置は、前記操作部からの所定の指令を受けた場合、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示装置に表示されているお手入れ説明図から次の作業工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
特定のお手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了を検知できる検知手段を備え、前記制御装置は、前記検知手段によって前記特定のお手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了が検知された場合に、前記表示装置に表示されている前記特定のお手入れ説明図から次工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記制御装置は、前記検知手段によって、特定の前記お手入れ説明図に表示された前記お手入れ作業の完了が所定時間検知されない場合、該お手入れ作業を促す情報を前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御装置は、特定の前記お手入れガイド動作の実施を催促するために、該お手入れガイド動作に応じたお手入れ催促情報を前記表示装置に表示させるお手入れ催促機能を有したことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項10】
ヒーターによって前記調理物の加熱調理動作を実施するグリル部を更に備え、
前記制御装置は、前記加熱お手入れモードに属する空焼き動作のガイド動作を実施することが可能であり、少なくとも前記お手入れ催促機能の一部として、該ガイド動作が直近に実施された後の経過時間又は実施回数が、所定時間又は所定回数を超えた場合、前記お手入れ催促情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記グリル部の庫内温度を検知する温度検知手段を備え、
前記制御装置は、前記温度検知手段によって検知された前記庫内温度に基づいて、前記空焼き動作の動作時間を決定することを特徴とする請求項10に記載の加熱調理器。
【請求項12】
音声ガイド装置を更に備え、
前記制御装置は、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示手段に表示させている前記お手入れ説明図におけるガイド情報を、前記音声ガイド装置によって報知させることを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源の動作を終了してからの経過時間が所定の時間以上であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源又はそれにより加熱された所定部位の温度が所定の温度以下であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記制御装置は、前記制限手段が所定の条件を満たすかどうかを検知し、所定の条件を満たすまでの期間中、所定の待機モードに移行し、かつ前記お手入れガイド動作を開始しないことを前記表示装置で表示することを特徴とする請求項12〜請求項14の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記制御装置によって制御され、保有する音声データを再生して前記操作部の操作を補助する音声ガイド装置をさらに備え、
前記お手入れガイドモードにおいて、使用者が前記操作部から読み出し指令を前記制御装置に1回与える毎に、当該制御装置は、使用者が指定されたお手入れ対象部分において、前記複数の説明図をお手入れ作業順序に従って1つずつ前記表示装置によって表示するとともに、
前記制御手段は、前記音声ガイド装置により、前記説明図が前記表示装置に表示される度に、当該説明図に示されているお手入れ作業の内容を音声で報知させることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項17】
調理物を加熱する加熱源と、
前記加熱源の調理条件を設定し、かつ「お手入れモード」を選択できる操作部と、
前記操作部の調理条件設定結果と前記加熱源の動作状態を表示する表示装置と、
前記操作部からの指令を受け、前記加熱源及び前記表示装置を制御する制御手段と、
前記「お手入れモード」を所定の条件で制限する制限手段と、
を備え、
前記お手入れモードは、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを備え、
前記制御装置には、前記非加熱お手入れモードにおいて、お手入れする複数個のお手入れ対象部分毎に、当該部分の画と説明文が対になった複数個の説明図のデータが格納されており、
前記制御装置には、前記操作部から選択できる調理メニューを実行する調理プログラムと、前記お手入れモードとして、前記操作部によって選択可能な「加熱お手入れモード」と「非加熱お手入れモード」とを実行するお手入れプログラムとを備え、
前記制御手段は、前記操作部から「非加熱お手入れモード」の選択指令を受けた場合、前記制限手段が所定の条件を満たさない状態にあるとき、前記説明図の表示は行わせず、
前記制限手段が所定の条件を満たした状態にあるときは、前記説明図の表示を行わせ、
前記操作部には、前記調理メニューによる調理工程の次に前記加熱お手入れモードに移行させる「連携動作」を、当該調理工程開始前に予約設定する連携指令手段を有したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項18】
前記制御装置は、前記連携動作を予約する際に、前記加熱お手入れモードを単独で実行する場合に比較して変化する電力消費情報を前記表示装置において表示させることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記制御装置は、前記連携動作が予約されて調理工程が実行されている途中又はそれが終了した際に、前記加熱お手入れモードを取り消す指令が前記操作部から行われた場合、当該取り消しによって変化する当該加熱お手入れモードの電力消費情報を前記表示装置において表示させることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記「お手入れガイド機能は、複数のお手入れ対象部分毎に、1つのお手入れ作業を前記操作部から選択して表示させることを特徴とする請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項21】
前記制御装置は、前記操作部からの所定の指令を受けた場合、前記お手入れガイド動作の実行中に、前記表示装置に表示されているお手入れ説明図から次の作業工程のお手入れ説明図に表示を切り替えることを特徴とする請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項22】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源の動作を終了してからの経過時間が所定の時間以上であることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【請求項23】
前記制限手段の所定の条件とは、前記加熱源又はそれにより加熱された所定部位の温度が所定の温度以下であることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−73805(P2013−73805A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212406(P2011−212406)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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