加飾成形品
【課題】 樹脂成形品3と加飾シート110内に形成された接着層2との密着性が高く、長時間の使用に耐えることのできる耐久性の高い加飾成形品100を提供することを目的とする。
【解決手段】 長時間使用しても図柄層1と接着層2との間で層間剥離等が生じないよう、本発明の加飾成形品100は、図柄層1と接着層2とが樹脂成形品3の上に少なくとも形成された加飾成形品100において、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有するよう構成した。
【解決手段】 長時間使用しても図柄層1と接着層2との間で層間剥離等が生じないよう、本発明の加飾成形品100は、図柄層1と接着層2とが樹脂成形品3の上に少なくとも形成された加飾成形品100において、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有するよう構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品や自動車製品または携帯電話等の電子機器に用いられる加飾成形品であって、特に成形同時転写法、成形同時加飾法、転写法および加飾法によって、その表面が加飾された加飾成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家電製品、化粧品容器、雑貨品などの表面を装飾する方法として、加飾法や転写法がある。加飾法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる加飾シートを用い、加熱加圧して加飾シートを被転写物に密着させて装飾を行う方法である。転写法とは、離型性を有する基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写シートを用い、加熱加圧して転写シートを被転写物に密着させたのち、基体シートを剥離して被転写物に装飾を行う方法である。また、被加飾物が樹脂成形品である場合に、加飾法や転写法をより合理的に行う方法として、成形同時加飾法や成形同時転写法がある。成形同時加飾法とは、加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に加飾シートを密着させて装飾を行う方法である。成形同時転写法とは、転写シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写シートを蜜着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
【0003】
【特許文献1】特開平06−135197号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記方法で作成された加飾成形品は、吹き付け塗装のように樹脂成形品の表面に装飾を直接施したものではなく、図柄層に装飾したい図柄を形成した加飾シートと樹脂成形品を一体化して得られるものであって、図柄層は樹脂成形品の上に接着層を介して形成されている。よって、当該接着層と樹脂成形品との密着性が悪いと、当該加飾成形品を長時間使用している間に、接着層が樹脂成形品の所定の位置からズレたり、剥離してしまい、それに伴って接着層の上に形成されている図柄層も樹脂成形品からズレたり剥離してしまうといった問題があった。
【0005】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、樹脂成形品と加飾シート内に形成された接着層との密着性が高く、長時間の使用に耐えることのできる耐久性の高い加飾成形品を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の加飾成形品は上記の目的を達成するために、次のように構成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の加飾成形品は、図柄層と接着層とが樹脂成形品の上に少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有するよう構成した。
【0008】
また、本発明の第2態様として本発明の加飾成形品は、セルロースミクロフィブリルが樹脂成形品中に20〜80重量%含まれるよう構成した。
【0009】
また、本発明の第3態様として本発明の加飾成形品は、樹脂成形品が透明であるであるよう構成した。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加飾成形品は、樹脂成形品の上に接着層と図柄層が少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有するよう形成したので、本発明の加飾成形品は、樹脂成形品と加飾シート内に形成された接着層との密着性が高く長時間使用しても接着層と樹脂成形品の間でズレや剥離が生じにくいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の加飾成形品100の断面図である。図中、1は図柄層、2は接着層、3は樹脂成形品、4はセルロースミクロフィブリルである。なお各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0013】
本発明の加飾成形品100は、図柄層1と接着層2とが樹脂成形品3の上に少なくとも形成された加飾成形品100において、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有するように構成されている(図1参照)。
【0014】
図柄層1は、成形品を加飾、装飾する層である。図柄層1の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。また、金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属粒子やマイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることもできる。図柄層1の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。
【0015】
図柄層1は、金属薄膜からなるもの、あるいは印刷膜と金属薄膜との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜は、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。一部分に金属薄膜を形成する場合の形成方法としてはシーライト法とパスター法が挙げられる。
【0016】
シーライト法とは、金属薄膜を形成する前に水溶性樹脂層を部分的に形成し、蒸着後、水洗により水溶性樹脂層とその上に形成された不要な金属薄膜部位を除去し、部分的に金属薄膜を形成する方法である。ここで水溶性樹脂層の材質としては、たとえば、ポリビニルアルコール、デンプン、アルギド、エポキシ、ポリウレタンなどに代表される水溶性樹脂をバインダーとするインキが挙げられる。また形成方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が挙げられる。
【0017】
パスター法とは、金属薄膜を形成した後、部分的に金属薄膜の上に耐アルカリ性樹脂層を形成し、その後のアルカリ洗浄により金属薄膜を部分的に形成する方法である。ここで耐アルカリ性樹脂層の材質としては塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。耐アルカリ性樹脂層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0018】
接着層2は、図柄層1の上に形成される層であって、後述の樹脂成形品3と上記各層を接着するものである。また接着層2は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着層2を全面的に形成する。接着層2としては、被加飾の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被加飾の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被加飾の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被加飾の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層3の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0019】
樹脂成形品3は、上記図柄層等によって装飾されるものであり、樹脂成形品3としては、透明、半透明、不透明のいずれでもよいが、特に透明であることが好ましい。それは、樹脂成形品3が透明であると、後述記載の透明なセルロースミクロフィブリル4を樹脂成形品3に混合したとき、透明かつ強度の大きい樹脂成形品3を作成することができ、そのような樹脂成形品3からなる加飾成形品は、透明部分を有する加飾成形品として、電子機器等の表示部に使用され有用なものとなるからである。また、樹脂成形品3は着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂成形品3としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0020】
セルロースミクロフィブリル4は、樹脂成形品3の中に含有され使用される。樹脂成形品3の中に含有され使用されたとき、セルロースミクロフィブリル4は微小繊維の絡み合いによる三次元網目構造を形成するので、セルロースミクロフィブリル4を含有する樹脂成形品3は、炭素繊維やガラス繊維を含有する場合と同程度の機械的強度かつ曲げ特性を有する。さらに、樹脂成形品3はセルロースミクロフィブリル4を含有することで、セルロースミクロフィブリル4がその表面に現れ、樹脂成形品3の表面積が大きくなるので、接着層2と樹脂成形品3との接着面積が増大し、その結果、接着層2と樹脂成形品3の密着性が優れたものともなる(図1参照)。なお、図1において接着層2と樹脂成形品3との界面に記載された波線は、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有することにより、樹脂成形品3の表面積が増大していることを模式的に示したものであり、以下の各図においても波線は、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有することにより、その表面積が増大したことを示している。ここで、セルロースミクロフィブリル4とは、ミクロフィブリル化したセルロース繊維である。ミクロフィブリル化とは、繊維の中のミクロフィブリル(微小繊維)が摩擦によって表面に現れて毛羽立ち、ささくれる現象である。具体的には、セルロース繊維に強力な機械的剪断力を加えてミクロフィブリル化すると、セルロース繊維は数万本に引き裂かれ、繊維径が0.1〜0.01μmの太さにまで細分化される。セルロースミクロフィブリル4の原料としては、セルロース繊維の種類に特に限定はなく、樹木などの植物の他、バクテリア、ホヤの被嚢など微生物や動物由来の繊維であってもよい。
【0021】
樹脂成形品3に含有させるセルロースミクロフィブリル4の量としては、セルロースミクロフィブリル4が乾燥状態で1重量%〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは20重量%〜80重量%である。セルロースミクロフィブリル4の含有量が20重量%以下であると樹脂成形品3と表面粗さが十分でないため、樹脂成形品3と接着層2との間で、十分な密着力が得られないといった問題があるのに対し、80重量%以上であると樹脂成形品3の透明性が低下し、透明な材質の樹脂成形品3を用いたとき、加飾成形品100の透明性が低下するといった問題が生じるからである。
【0022】
上記に示した以外に加飾成形品100の表面にハードコート層5を形成してもよい(図2参照)。ハードコート層5は、図柄層1に加飾されたデザインを保護するための層であり、樹脂成形品の最表面に形成される。ハードコート層5の材質としては、シアノアクリレート系やウレタンアクリレートなどの電離放射線硬化性樹脂や、アクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられるが、特に限定されない。さらに、ハードコート層5がセルロースミクロフィブリル4を含んでいてもよい(図3参照)。この場合、ハードコート層5がカーボン粒子や金属粒子を含む時とは異なり、セルロースミクロフィブリル4自体は透明であるので、ハードコート層5の一定の透明度を保持したまま、ハードコート層5の機械的強度、曲げ強度を向上させることができる。
【0023】
ハードコート層5中に含まれるセルロースミクロフィブリル4の含有量としては、セルロースミクロフィブリル4が乾燥状態で1重量%〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは20重量%〜80重量%である。これは、セルロースミクロフィブリル4の乾燥状態での含有量が80重量%を超えると、ハードコート層5中に含まれるセルロースミクロフィブリル4によって、ハードコート層5の透過性が低下し、当該ハードコート層5が、その下に形成される図柄層1の装飾性を妨げるといった問題が生じるのに対し、反対にセルロースミクロフィブリル4の乾燥状態での含有量が20重量%未満となると、後述記載のハードコート層5の図柄層1と接する側の表面粗さが小さくなり、ハードコート層5と図柄層1の密着性が悪くなるといった問題が生じるためである。
【0024】
ハードコート層5の図柄層1と接する側の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で0.01μm〜0.70μmであることが好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.50μmである。この範囲において、ハードコート層5と図柄層1とは、図柄層1の装飾性を保持したまま、図柄層1とハードコート層5との密着性を向上させることができる。それは、上記表面粗さが0.50μmを超えるとハードコート層5の上に形成する図柄層1が傷つくほか、図柄層1に付与したデザインの形状が変形してしまうといった問題があるのに対し、反対に上記表面粗さが0.01μm未満になると、ハードコート層5の図柄層1と接する側の表面積が減少することにより、ハードコート層5と図柄層1の接着面積が減少するので、ハードコート層5と図柄層1の密着性が悪くなるといった問題が生じるからである。
【0025】
また、必要に応じてハードコート層5の代わりに保護シート6を形成してもよい。保護シート6は、図柄層1に装飾された図柄および樹脂成形品3にキズが付くのを防止する層であり、加飾成形品100の最外面に形成される(図4参照)。保護シート6としては、ポリカーボネート、ポリカーボネ−ト―ポリエチレンハイブリッド樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性シートを用いるとよい。
【0026】
また、必要に応じてハードコート層5や保護シート6と図柄層2との間や、図柄層2と接着層3との間にアンカー層を形成してもよい(図示せず)。アンカー層は、加飾シート110の一部分を構成する層で、上記各層の層間密着性を向上させる層である。アンカー層の材質としては、二液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用するとよい。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0027】
次に、本発明の加飾成形品100の製造方法について説明する。本発明の加飾成形品100の製造方法としては成形同時加飾法、成形同時転写法、加飾法、転写法を用いて作成することが挙げられるが、まず加飾シート110に成形同時加飾法、加飾法を適用して加飾成形品100を作成する方法について説明したのち、転写シート120に成形同時転写法、転写法を適用して加飾成形品100を作成する方法について説明する。図5は成形同時加飾法を用いて加飾シート110を作成する際の製造工程に係るフロー図である。以下に図を用いて説明する。
【0028】
ST01:先ず、セルロールミクロフィブリル4及び樹脂材料7を所定量準備する。樹脂材料7としては、粉末や粒状物など表面積が大きな形態の材料が望ましい。また、セルロールミクロフィブリル4の樹脂材料7に対する混合比は1重量%以上であることが好ましい。樹脂材料7の種類としては、上記記載の樹脂成形品3と同様の材料を用いるとよい。
【0029】
ST02:樹脂材料7及びセルロールミクロフィブリル4を混合器に入れ、樹脂材料7の表面全体が軟化する温度に保ちつつ混合する。これにより、樹脂材料7の表面に無数のセルロールミクロフィブリル4が付着した混合物8を得ることができる(図6参照)。樹脂材料7の表面全体が軟化する温度は、樹脂材料7がポリプロピレンであれば、その融点温度は160〜170℃であり、加熱温度は140〜160℃とする。また、樹脂材料7がPET(ポリエチレンテレフタレート)であれば、その融点温度は253〜265℃であり、加熱温度は190〜250℃とすることが望ましい。本来、比重の異なるセルロールミクロフィブリル4と樹脂材料7は、均一に混合できないが、樹脂材料7の表面部分のみを溶融させ、その表面部分にセルロールミクロフィブリル4を固着させることで樹脂材料7とセルロールミクロフィブリル4を均一に混合できるようになる。
【0030】
ST03:可動型9と固定型10とからなる射出成形用金型11内に、保護シート6が固定型10に接するように、加飾シート110を送り込む(図7(a)参照)。加飾シート110は、前述の図柄層1、接着層2、保護シート6および必要に応じてアンカー層からなる。この際、枚葉の加飾シート110を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110の図柄層1と射出成形用金型11との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、図柄層1の位置ずれが生じないので便利である。
【0031】
ST04:射出成形用金型11を閉じた後、可動型9に設けたゲートより混合物8を金型内に射出充満させ、当該混合物8を成形するのと同時にその面に加飾シート110を接着し、混合物8と加飾シート110を一体化させる(図7(b)参照)。
【0032】
ST05:射出された樹脂材料7を成形し冷却した後、射出成形用金型11の可動型9と固定型10を開いて、加飾シート110と成形された樹脂材料7が一体になった加飾成形品100を取り出す。これによって樹脂成形品3が1重量%以上のセルロースミクロフィブリル4を含んだ加飾成形品100を得ることができる(図7(c)参照)。
【0033】
次に、加飾法を利用して被転写物の表面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物の表面に、加飾シート110の接着層2側を密着させる。被転写物の材質としては、前述の樹脂成形品3と同様のものを用いることができるほか、セルロールミクロフィブリル4を補強材として添加した複合樹脂も被転写物として使用できる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体14を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体14を介して加飾シート110の基体シート12側から熱または/および圧力を加える。このようにすることにより、接着層2が被転写物表面に接着し加飾成形品100が得られる(図8参照)。
【0034】
次に、転写シート120を用いて加飾成形品100を作成する際の製造方法について説明する。まず、成形同時転写法を用いて加飾成形品100を作成するさいの製造方法ついて説明する。
【0035】
図9は、成形同時転写法を用いて本発明の加飾成形品100を作成する際の製造工程に係るフロー図である。以下に図を用いて説明する。なお、ST11、ST12については加飾シート110を用いた場合のST01、ST02とそれぞれ同様であるので説明を省略する。
【0036】
ST13:可動型9と固定型10とからなる射出成形用金型11内に、基体シート12が固定型10に接するように、転写シート120を送り込む(図10(a)参照)。転写シート120は、図柄層1、接着層2、基体シート12または必要に応じてハードコート層5および/またはアンカー層からなる。基体シート12としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写シート120の基体シート12として離型性を有するものを使用することができる。また、基体シート12の表面が微細な凹凸を有する場合は、転写層に凹凸が写し取られ、艶消しやヘアラインなどの表面形状を表現することができる。基体シート12の剥離性を向上させるために、基体シート12と剥離層との間に離型層を設けてもよい。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート12を剥離した際に、基体シート12とともに転写層から離型する層である。離型層の材質としては、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース誘導体、尿素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、パラフィン系樹脂およびこれらの複合物などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があげられる。
【0037】
また、この際枚葉の転写シート120を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110の図柄層1と射出成形用金型11との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、図柄層1の位置ずれが生じないので便利である。
【0038】
ST14:射出成形用金型11を閉じた後、可動型9に設けたゲートより混合物8を金型内に射出充満させ、当該混合物8を成形するのと同時にその面に加飾シート110を接着し、射出された混合物8と転写シート120を一体化させる(図10(b)参照)。混合物8に用いる樹脂材料7としては、上記記載の樹脂成形品3と同様の材料をもちいるとよい。この工程は、射出された混合物8が射出成形用金型11に加飾シート110または転写シート120を無理やり押し付けることによって転写シート120と樹脂材料7とが一体化する工程であるので、一体化する際に転写シート120に大きな応力が発生する。その結果、転写シート120を構成する図柄層1とハードコート層5との間の密着性が悪いと、これらの層の間で層間剥離が生じるといった問題や、ハードコート層5の曲げ強度が十分でないとハードコート層5にクラックが生じるといった問題がある。しかし、上記のようにハードコート層5中にセルロースミクロフィブリル4が含まれた転写シート120を使用することで、ハードコート層5の表面積が増大するため図柄層3とハードコート層5とは良好に密着させることができる。また、ハードコート層5中にセルロースミクロフィブリル4が含まれていることでハードコート層5の曲げ強度が大きなものとなっている。すなわち、本工程で、ハードコート層5に大きな力がかかっても図柄層3とハードコート層5とが層間剥離しにくく、かつハードコート層5の形状が大きく変形しても、ハードコート層5にクラックが生じにくいものとなっている。
【0039】
ST15:射出された混合物8を成形し冷却した後、射出成形用金型11の可動型9と固定型10を開いて、成形されると同時に転写シート120と一体になった一体成形品13を取り出すともに(図10(c)参照)、または取り出した後に一体成形品13から転写シート120の基体シート12部分を剥離して(図10(d)参照)、加飾成形品100を得る(図10(e)参照)。これによって樹脂成形品3が1重量%以上のセルロールミクロフィブリル5を含んだ加飾成形品100を得ることができる。
【0040】
ST16:ここで、ハードコート層5を有する転写シート120を用いる場合、一体成形品13に活性エネルギー線を照射することにより、一体成形品13に転写されたハードコート層5を完全に架橋硬化させることができる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート12を剥離する工程の前に行なってもよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【0041】
次に、転写シート120を用い、転写法を利用して被転写物の表面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物の表面に、転写シート120の接着層2側を密着させる(図11参照)。被転写物の材質としては、樹脂成形品3を構成する材料と同様のものを用いることができるほか、セルロールミクロフィブリル4を添加した複合樹脂も被転写物として使用できる。
【0042】
次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体14を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体14を介して転写シート120の基体シート12側から熱または/および圧力を加える。このようにすることにより、接着層2が被転写物表面に接着する(図11(a)参照)。
【0043】
上記手法では、耐熱ゴム状弾性体14を用い、一定以上の熱と圧力をかけて転写シート120を被転写物表面に無理やり押し付けることによってハードコート層5と樹脂成形品3が一体化するので、一体化する際に転写シート120に大きな応力が発生する。その結果、ハードコート層5を用いた転写シート120では、この工程でハードコート層5と図柄層1との間で層間剥離が生じるといった問題やハードコート層13にクラックが生じるといった問題があったが、本発明の転写シート120は、その構成要素であるハードコート層5中にセルロールミクロフィブリル4が含まれていることにより、ハードコート層5と図柄層3は良好に密着し、かつハードコート層5の曲げ強度が大きなものとなっているので、本工程において、ハードコート層5と図柄層3が層間剥離しにくく、かつハードコート層5は、転写時においてもクラックが生じにくいものとなっている。
【0044】
最後に、冷却後に基体シート12を剥がすと、基体シート12と剥離層2との境界面で剥離が起こり(図11(b)参照)、加飾成形品100を得ることができる(図11(c)参照)。また、さらに転写シート120がハードコート層5を構成する場合、活性エネルギー線を照射することにより、樹脂成形品3に転写された剥離層2を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート12を剥離する工程の前に行なってもよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、携帯電話などの通信機器、自動車外装パーツ、自動車内部の情報機器、家電製品など、各種成形品において好適に用いることができ、産業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示すフロチャートである。
【図5】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る加飾成形品の製造方法に用いる混合物の一実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る加飾成形品の製造方法に用いる混合物の一実施例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図11】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 図柄層
2 接着層
3 樹脂成形品
4 セルロースミクロフィブリル
5 ハードコート層
6保護シート
7樹脂材料
8 混合物
9 可動型
10 固定型
11 射出成形用金型
12 基体シート
13 一体成形品
14 耐熱ゴム状弾性体
100 加飾成形品
110 加飾シート
120 転写シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品や自動車製品または携帯電話等の電子機器に用いられる加飾成形品であって、特に成形同時転写法、成形同時加飾法、転写法および加飾法によって、その表面が加飾された加飾成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家電製品、化粧品容器、雑貨品などの表面を装飾する方法として、加飾法や転写法がある。加飾法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる加飾シートを用い、加熱加圧して加飾シートを被転写物に密着させて装飾を行う方法である。転写法とは、離型性を有する基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写シートを用い、加熱加圧して転写シートを被転写物に密着させたのち、基体シートを剥離して被転写物に装飾を行う方法である。また、被加飾物が樹脂成形品である場合に、加飾法や転写法をより合理的に行う方法として、成形同時加飾法や成形同時転写法がある。成形同時加飾法とは、加飾シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に加飾シートを密着させて装飾を行う方法である。成形同時転写法とは、転写シートを成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写シートを蜜着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
【0003】
【特許文献1】特開平06−135197号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記方法で作成された加飾成形品は、吹き付け塗装のように樹脂成形品の表面に装飾を直接施したものではなく、図柄層に装飾したい図柄を形成した加飾シートと樹脂成形品を一体化して得られるものであって、図柄層は樹脂成形品の上に接着層を介して形成されている。よって、当該接着層と樹脂成形品との密着性が悪いと、当該加飾成形品を長時間使用している間に、接着層が樹脂成形品の所定の位置からズレたり、剥離してしまい、それに伴って接着層の上に形成されている図柄層も樹脂成形品からズレたり剥離してしまうといった問題があった。
【0005】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、樹脂成形品と加飾シート内に形成された接着層との密着性が高く、長時間の使用に耐えることのできる耐久性の高い加飾成形品を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の加飾成形品は上記の目的を達成するために、次のように構成した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の加飾成形品は、図柄層と接着層とが樹脂成形品の上に少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有するよう構成した。
【0008】
また、本発明の第2態様として本発明の加飾成形品は、セルロースミクロフィブリルが樹脂成形品中に20〜80重量%含まれるよう構成した。
【0009】
また、本発明の第3態様として本発明の加飾成形品は、樹脂成形品が透明であるであるよう構成した。
【発明の効果】
【0010】
本発明の加飾成形品は、樹脂成形品の上に接着層と図柄層が少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有するよう形成したので、本発明の加飾成形品は、樹脂成形品と加飾シート内に形成された接着層との密着性が高く長時間使用しても接着層と樹脂成形品の間でズレや剥離が生じにくいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の加飾成形品100の断面図である。図中、1は図柄層、2は接着層、3は樹脂成形品、4はセルロースミクロフィブリルである。なお各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
【0013】
本発明の加飾成形品100は、図柄層1と接着層2とが樹脂成形品3の上に少なくとも形成された加飾成形品100において、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有するように構成されている(図1参照)。
【0014】
図柄層1は、成形品を加飾、装飾する層である。図柄層1の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。また、金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属粒子やマイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることもできる。図柄層1の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。
【0015】
図柄層1は、金属薄膜からなるもの、あるいは印刷膜と金属薄膜との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜は、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。一部分に金属薄膜を形成する場合の形成方法としてはシーライト法とパスター法が挙げられる。
【0016】
シーライト法とは、金属薄膜を形成する前に水溶性樹脂層を部分的に形成し、蒸着後、水洗により水溶性樹脂層とその上に形成された不要な金属薄膜部位を除去し、部分的に金属薄膜を形成する方法である。ここで水溶性樹脂層の材質としては、たとえば、ポリビニルアルコール、デンプン、アルギド、エポキシ、ポリウレタンなどに代表される水溶性樹脂をバインダーとするインキが挙げられる。また形成方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が挙げられる。
【0017】
パスター法とは、金属薄膜を形成した後、部分的に金属薄膜の上に耐アルカリ性樹脂層を形成し、その後のアルカリ洗浄により金属薄膜を部分的に形成する方法である。ここで耐アルカリ性樹脂層の材質としては塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。耐アルカリ性樹脂層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0018】
接着層2は、図柄層1の上に形成される層であって、後述の樹脂成形品3と上記各層を接着するものである。また接着層2は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着層2を全面的に形成する。接着層2としては、被加飾の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被加飾の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被加飾の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被加飾の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層3の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0019】
樹脂成形品3は、上記図柄層等によって装飾されるものであり、樹脂成形品3としては、透明、半透明、不透明のいずれでもよいが、特に透明であることが好ましい。それは、樹脂成形品3が透明であると、後述記載の透明なセルロースミクロフィブリル4を樹脂成形品3に混合したとき、透明かつ強度の大きい樹脂成形品3を作成することができ、そのような樹脂成形品3からなる加飾成形品は、透明部分を有する加飾成形品として、電子機器等の表示部に使用され有用なものとなるからである。また、樹脂成形品3は着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂成形品3としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0020】
セルロースミクロフィブリル4は、樹脂成形品3の中に含有され使用される。樹脂成形品3の中に含有され使用されたとき、セルロースミクロフィブリル4は微小繊維の絡み合いによる三次元網目構造を形成するので、セルロースミクロフィブリル4を含有する樹脂成形品3は、炭素繊維やガラス繊維を含有する場合と同程度の機械的強度かつ曲げ特性を有する。さらに、樹脂成形品3はセルロースミクロフィブリル4を含有することで、セルロースミクロフィブリル4がその表面に現れ、樹脂成形品3の表面積が大きくなるので、接着層2と樹脂成形品3との接着面積が増大し、その結果、接着層2と樹脂成形品3の密着性が優れたものともなる(図1参照)。なお、図1において接着層2と樹脂成形品3との界面に記載された波線は、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有することにより、樹脂成形品3の表面積が増大していることを模式的に示したものであり、以下の各図においても波線は、樹脂成形品3がセルロースミクロフィブリル4を含有することにより、その表面積が増大したことを示している。ここで、セルロースミクロフィブリル4とは、ミクロフィブリル化したセルロース繊維である。ミクロフィブリル化とは、繊維の中のミクロフィブリル(微小繊維)が摩擦によって表面に現れて毛羽立ち、ささくれる現象である。具体的には、セルロース繊維に強力な機械的剪断力を加えてミクロフィブリル化すると、セルロース繊維は数万本に引き裂かれ、繊維径が0.1〜0.01μmの太さにまで細分化される。セルロースミクロフィブリル4の原料としては、セルロース繊維の種類に特に限定はなく、樹木などの植物の他、バクテリア、ホヤの被嚢など微生物や動物由来の繊維であってもよい。
【0021】
樹脂成形品3に含有させるセルロースミクロフィブリル4の量としては、セルロースミクロフィブリル4が乾燥状態で1重量%〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは20重量%〜80重量%である。セルロースミクロフィブリル4の含有量が20重量%以下であると樹脂成形品3と表面粗さが十分でないため、樹脂成形品3と接着層2との間で、十分な密着力が得られないといった問題があるのに対し、80重量%以上であると樹脂成形品3の透明性が低下し、透明な材質の樹脂成形品3を用いたとき、加飾成形品100の透明性が低下するといった問題が生じるからである。
【0022】
上記に示した以外に加飾成形品100の表面にハードコート層5を形成してもよい(図2参照)。ハードコート層5は、図柄層1に加飾されたデザインを保護するための層であり、樹脂成形品の最表面に形成される。ハードコート層5の材質としては、シアノアクリレート系やウレタンアクリレートなどの電離放射線硬化性樹脂や、アクリル系やウレタン系などの熱硬化性樹脂が挙げられるが、特に限定されない。さらに、ハードコート層5がセルロースミクロフィブリル4を含んでいてもよい(図3参照)。この場合、ハードコート層5がカーボン粒子や金属粒子を含む時とは異なり、セルロースミクロフィブリル4自体は透明であるので、ハードコート層5の一定の透明度を保持したまま、ハードコート層5の機械的強度、曲げ強度を向上させることができる。
【0023】
ハードコート層5中に含まれるセルロースミクロフィブリル4の含有量としては、セルロースミクロフィブリル4が乾燥状態で1重量%〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは20重量%〜80重量%である。これは、セルロースミクロフィブリル4の乾燥状態での含有量が80重量%を超えると、ハードコート層5中に含まれるセルロースミクロフィブリル4によって、ハードコート層5の透過性が低下し、当該ハードコート層5が、その下に形成される図柄層1の装飾性を妨げるといった問題が生じるのに対し、反対にセルロースミクロフィブリル4の乾燥状態での含有量が20重量%未満となると、後述記載のハードコート層5の図柄層1と接する側の表面粗さが小さくなり、ハードコート層5と図柄層1の密着性が悪くなるといった問題が生じるためである。
【0024】
ハードコート層5の図柄層1と接する側の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で0.01μm〜0.70μmであることが好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.50μmである。この範囲において、ハードコート層5と図柄層1とは、図柄層1の装飾性を保持したまま、図柄層1とハードコート層5との密着性を向上させることができる。それは、上記表面粗さが0.50μmを超えるとハードコート層5の上に形成する図柄層1が傷つくほか、図柄層1に付与したデザインの形状が変形してしまうといった問題があるのに対し、反対に上記表面粗さが0.01μm未満になると、ハードコート層5の図柄層1と接する側の表面積が減少することにより、ハードコート層5と図柄層1の接着面積が減少するので、ハードコート層5と図柄層1の密着性が悪くなるといった問題が生じるからである。
【0025】
また、必要に応じてハードコート層5の代わりに保護シート6を形成してもよい。保護シート6は、図柄層1に装飾された図柄および樹脂成形品3にキズが付くのを防止する層であり、加飾成形品100の最外面に形成される(図4参照)。保護シート6としては、ポリカーボネート、ポリカーボネ−ト―ポリエチレンハイブリッド樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性シートを用いるとよい。
【0026】
また、必要に応じてハードコート層5や保護シート6と図柄層2との間や、図柄層2と接着層3との間にアンカー層を形成してもよい(図示せず)。アンカー層は、加飾シート110の一部分を構成する層で、上記各層の層間密着性を向上させる層である。アンカー層の材質としては、二液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用するとよい。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0027】
次に、本発明の加飾成形品100の製造方法について説明する。本発明の加飾成形品100の製造方法としては成形同時加飾法、成形同時転写法、加飾法、転写法を用いて作成することが挙げられるが、まず加飾シート110に成形同時加飾法、加飾法を適用して加飾成形品100を作成する方法について説明したのち、転写シート120に成形同時転写法、転写法を適用して加飾成形品100を作成する方法について説明する。図5は成形同時加飾法を用いて加飾シート110を作成する際の製造工程に係るフロー図である。以下に図を用いて説明する。
【0028】
ST01:先ず、セルロールミクロフィブリル4及び樹脂材料7を所定量準備する。樹脂材料7としては、粉末や粒状物など表面積が大きな形態の材料が望ましい。また、セルロールミクロフィブリル4の樹脂材料7に対する混合比は1重量%以上であることが好ましい。樹脂材料7の種類としては、上記記載の樹脂成形品3と同様の材料を用いるとよい。
【0029】
ST02:樹脂材料7及びセルロールミクロフィブリル4を混合器に入れ、樹脂材料7の表面全体が軟化する温度に保ちつつ混合する。これにより、樹脂材料7の表面に無数のセルロールミクロフィブリル4が付着した混合物8を得ることができる(図6参照)。樹脂材料7の表面全体が軟化する温度は、樹脂材料7がポリプロピレンであれば、その融点温度は160〜170℃であり、加熱温度は140〜160℃とする。また、樹脂材料7がPET(ポリエチレンテレフタレート)であれば、その融点温度は253〜265℃であり、加熱温度は190〜250℃とすることが望ましい。本来、比重の異なるセルロールミクロフィブリル4と樹脂材料7は、均一に混合できないが、樹脂材料7の表面部分のみを溶融させ、その表面部分にセルロールミクロフィブリル4を固着させることで樹脂材料7とセルロールミクロフィブリル4を均一に混合できるようになる。
【0030】
ST03:可動型9と固定型10とからなる射出成形用金型11内に、保護シート6が固定型10に接するように、加飾シート110を送り込む(図7(a)参照)。加飾シート110は、前述の図柄層1、接着層2、保護シート6および必要に応じてアンカー層からなる。この際、枚葉の加飾シート110を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110の図柄層1と射出成形用金型11との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、図柄層1の位置ずれが生じないので便利である。
【0031】
ST04:射出成形用金型11を閉じた後、可動型9に設けたゲートより混合物8を金型内に射出充満させ、当該混合物8を成形するのと同時にその面に加飾シート110を接着し、混合物8と加飾シート110を一体化させる(図7(b)参照)。
【0032】
ST05:射出された樹脂材料7を成形し冷却した後、射出成形用金型11の可動型9と固定型10を開いて、加飾シート110と成形された樹脂材料7が一体になった加飾成形品100を取り出す。これによって樹脂成形品3が1重量%以上のセルロースミクロフィブリル4を含んだ加飾成形品100を得ることができる(図7(c)参照)。
【0033】
次に、加飾法を利用して被転写物の表面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物の表面に、加飾シート110の接着層2側を密着させる。被転写物の材質としては、前述の樹脂成形品3と同様のものを用いることができるほか、セルロールミクロフィブリル4を補強材として添加した複合樹脂も被転写物として使用できる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体14を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体14を介して加飾シート110の基体シート12側から熱または/および圧力を加える。このようにすることにより、接着層2が被転写物表面に接着し加飾成形品100が得られる(図8参照)。
【0034】
次に、転写シート120を用いて加飾成形品100を作成する際の製造方法について説明する。まず、成形同時転写法を用いて加飾成形品100を作成するさいの製造方法ついて説明する。
【0035】
図9は、成形同時転写法を用いて本発明の加飾成形品100を作成する際の製造工程に係るフロー図である。以下に図を用いて説明する。なお、ST11、ST12については加飾シート110を用いた場合のST01、ST02とそれぞれ同様であるので説明を省略する。
【0036】
ST13:可動型9と固定型10とからなる射出成形用金型11内に、基体シート12が固定型10に接するように、転写シート120を送り込む(図10(a)参照)。転写シート120は、図柄層1、接着層2、基体シート12または必要に応じてハードコート層5および/またはアンカー層からなる。基体シート12としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写シート120の基体シート12として離型性を有するものを使用することができる。また、基体シート12の表面が微細な凹凸を有する場合は、転写層に凹凸が写し取られ、艶消しやヘアラインなどの表面形状を表現することができる。基体シート12の剥離性を向上させるために、基体シート12と剥離層との間に離型層を設けてもよい。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート12を剥離した際に、基体シート12とともに転写層から離型する層である。離型層の材質としては、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース誘導体、尿素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、パラフィン系樹脂およびこれらの複合物などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があげられる。
【0037】
また、この際枚葉の転写シート120を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の加飾シート110の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の加飾シート110を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾シート110の図柄層1と射出成形用金型11との見当が一致するようにするとよい。また、加飾シート110を間欠的に送り込む際に、加飾シート110の位置をセンサーで検出した後に加飾シート110を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で加飾シート110を固定することができ、図柄層1の位置ずれが生じないので便利である。
【0038】
ST14:射出成形用金型11を閉じた後、可動型9に設けたゲートより混合物8を金型内に射出充満させ、当該混合物8を成形するのと同時にその面に加飾シート110を接着し、射出された混合物8と転写シート120を一体化させる(図10(b)参照)。混合物8に用いる樹脂材料7としては、上記記載の樹脂成形品3と同様の材料をもちいるとよい。この工程は、射出された混合物8が射出成形用金型11に加飾シート110または転写シート120を無理やり押し付けることによって転写シート120と樹脂材料7とが一体化する工程であるので、一体化する際に転写シート120に大きな応力が発生する。その結果、転写シート120を構成する図柄層1とハードコート層5との間の密着性が悪いと、これらの層の間で層間剥離が生じるといった問題や、ハードコート層5の曲げ強度が十分でないとハードコート層5にクラックが生じるといった問題がある。しかし、上記のようにハードコート層5中にセルロースミクロフィブリル4が含まれた転写シート120を使用することで、ハードコート層5の表面積が増大するため図柄層3とハードコート層5とは良好に密着させることができる。また、ハードコート層5中にセルロースミクロフィブリル4が含まれていることでハードコート層5の曲げ強度が大きなものとなっている。すなわち、本工程で、ハードコート層5に大きな力がかかっても図柄層3とハードコート層5とが層間剥離しにくく、かつハードコート層5の形状が大きく変形しても、ハードコート層5にクラックが生じにくいものとなっている。
【0039】
ST15:射出された混合物8を成形し冷却した後、射出成形用金型11の可動型9と固定型10を開いて、成形されると同時に転写シート120と一体になった一体成形品13を取り出すともに(図10(c)参照)、または取り出した後に一体成形品13から転写シート120の基体シート12部分を剥離して(図10(d)参照)、加飾成形品100を得る(図10(e)参照)。これによって樹脂成形品3が1重量%以上のセルロールミクロフィブリル5を含んだ加飾成形品100を得ることができる。
【0040】
ST16:ここで、ハードコート層5を有する転写シート120を用いる場合、一体成形品13に活性エネルギー線を照射することにより、一体成形品13に転写されたハードコート層5を完全に架橋硬化させることができる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート12を剥離する工程の前に行なってもよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【0041】
次に、転写シート120を用い、転写法を利用して被転写物の表面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物の表面に、転写シート120の接着層2側を密着させる(図11参照)。被転写物の材質としては、樹脂成形品3を構成する材料と同様のものを用いることができるほか、セルロールミクロフィブリル4を添加した複合樹脂も被転写物として使用できる。
【0042】
次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体14を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体14を介して転写シート120の基体シート12側から熱または/および圧力を加える。このようにすることにより、接着層2が被転写物表面に接着する(図11(a)参照)。
【0043】
上記手法では、耐熱ゴム状弾性体14を用い、一定以上の熱と圧力をかけて転写シート120を被転写物表面に無理やり押し付けることによってハードコート層5と樹脂成形品3が一体化するので、一体化する際に転写シート120に大きな応力が発生する。その結果、ハードコート層5を用いた転写シート120では、この工程でハードコート層5と図柄層1との間で層間剥離が生じるといった問題やハードコート層13にクラックが生じるといった問題があったが、本発明の転写シート120は、その構成要素であるハードコート層5中にセルロールミクロフィブリル4が含まれていることにより、ハードコート層5と図柄層3は良好に密着し、かつハードコート層5の曲げ強度が大きなものとなっているので、本工程において、ハードコート層5と図柄層3が層間剥離しにくく、かつハードコート層5は、転写時においてもクラックが生じにくいものとなっている。
【0044】
最後に、冷却後に基体シート12を剥がすと、基体シート12と剥離層2との境界面で剥離が起こり(図11(b)参照)、加飾成形品100を得ることができる(図11(c)参照)。また、さらに転写シート120がハードコート層5を構成する場合、活性エネルギー線を照射することにより、樹脂成形品3に転写された剥離層2を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート12を剥離する工程の前に行なってもよい。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、携帯電話などの通信機器、自動車外装パーツ、自動車内部の情報機器、家電製品など、各種成形品において好適に用いることができ、産業上有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る加飾成形品の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示すフロチャートである。
【図5】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る加飾成形品の製造方法に用いる混合物の一実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る加飾成形品の製造方法に用いる混合物の一実施例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【図11】本発明に係る加飾成形品の製造方法の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 図柄層
2 接着層
3 樹脂成形品
4 セルロースミクロフィブリル
5 ハードコート層
6保護シート
7樹脂材料
8 混合物
9 可動型
10 固定型
11 射出成形用金型
12 基体シート
13 一体成形品
14 耐熱ゴム状弾性体
100 加飾成形品
110 加飾シート
120 転写シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄層と接着層とが樹脂成形品の上に少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有することを特徴とする加飾成形品。
【請求項2】
セルロースミクロフィブリルが樹脂成形品中に20〜80重量%含まれる請求項1記載の加飾成形品。
【請求項3】
樹脂成形品が透明である請求項1〜2のいずれかに記載の加飾成形品。
【請求項1】
図柄層と接着層とが樹脂成形品の上に少なくとも形成された加飾成形品において、樹脂成形品がセルロースミクロフィブリルを含有することを特徴とする加飾成形品。
【請求項2】
セルロースミクロフィブリルが樹脂成形品中に20〜80重量%含まれる請求項1記載の加飾成形品。
【請求項3】
樹脂成形品が透明である請求項1〜2のいずれかに記載の加飾成形品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−6031(P2010−6031A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171661(P2008−171661)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
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