説明

効率を改善したチップ分析

チップは、基板上の電極を含む。電極は、作用電極、参照電極、および対電極を含む。参照電極は、固有電位を持たないように構築される。自己組織化単分子膜は参照電極上に配置される。自己組織化単分子膜はスペーサーおよびアクティブプローブを含む。アクティブプローブが有する捕捉プローブに対する親和性が、スペーサーが有する捕捉プローブに対する親和性よりも高いように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2007年7月2日に出願された、表題「効率を改善したチップ分析」の米国仮特許出願第60/958,277号の利益を主張し、その全体を本明細書に組み入れる。
【0002】
[技術分野]
本発明は分析に関し、より詳細には分析による使用のためのセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
様々な分析は、基板上に配置された1つまたは複数のセンサーを含む分析チップを使用して実行することができる。センサーの各々は、基板上に配置された作用電極、参照電極および対(カウンタ)電極を含むことができる。参照電極は、典型的には参照電極が他の電極の電位を測定できる固有電位を有するように、互いに接触する2つの金属層を含むかまたはそれからなる。
【0004】
いくつかの実例において、参照電極は、参照電極の製造に関連する課題を減少させるために金属の単層により作製される。しかしながら、参照電極の電位が浮遊しうるので、これらのセンサーはしばしば一貫しない結果を生ずる。その結果として、一貫した結果を提供することができる製造可能なセンサーの必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
チップは、基板上に電極を含む。電極は、作用電極、参照電極および対(カウンタ)電極を含む。参照電極は固有電位を持たないように構築される。自己組織化単分子膜は参照電極に配置される。自己組織化単分子膜はスペーサーおよびアクティブプローブを含む。アクティブプローブは、アクティブプローブが有する捕捉プローブに対する親和性が、スペーサーが有する捕捉プローブに対する親和性よりも高くなるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】標的因子の存在および/または量の検出のためのセンサーを有する分析チップの平面視である。
【図1B】Bと標識したラインに沿って得られる、図1A中に図示される分析チップの横断面図である。
【図1C】複数のセンサーを有する分析チップを図示した図である。
【図2】図1Aのセンサー上に検査体積を配置するセンサーシステムを説明した図である。
【図3A】図1Aにおいて図示される分析チップの使用に適切な分析の一般化例を図示した図である。分析は、作用電極に検査プローブを結合する粘着層を使用する。粘着層が有する捕捉プローブに対する親和性は、作用電極が有する捕捉プローブに対する親和性よりも高い。
【図3B】粘着層として働くのに適切な不均一な自己組織化単分子膜を図示した図である。
【図3C】図3Aの検査プローブと併用して使用される図3Bの不均一な自己組織化単分子膜を図示した図である。
【図4】スペーサーとしてDAD−C12−SH(12−メルカプト(8−ビオチンアミド−3,6−ジオキサオクチル)ドデカンアミド)および11−メルカプト−1−ウンデカノールに結合するストレプトアビジンを備えたアクティブプローブを含む自己組織化単分子膜を有するセンサーを説明した図である。
【図5A】遺伝物質の特定の鎖の存在の検出に適応させた図3Aの分析を図示した図である。
【図5B】図5Aにおいて図示された分析による使用に適切な反応機構の特定の例を図示した図である。
【図6】タンパク質および細胞を含むが、これらに限定されない、標的因子の存在の検出に適応させた図3Aの分析を説明した図である。
【図7】センサーチップ上の16のセンサーについての実験の電流vs時間の結果を示した図である。
【図8】実験の電流vs濃度の結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
チップセンサーは、基板上に1つまたは複数のセンサーを有する。センサーの各々は、基板上に作用電極、参照電極および対電極を含む。参照電極は固有電位なしで構築される。例えば、参照電極は、金属の単層を含むことができる。自己組織化単分子膜は、少なくとも参照電極および/または少なくとも作用電極上にある。
【0008】
自己組織化単分子膜は、アクティブプローブとの間にスペーサーを含む不均一な自己組織化単分子膜である。アクティブプローブは、捕捉プローブに対する親和性がスペーサーよりも高くなるように構成される。その結果として、捕捉プローブは、スペーサーを超えてアクティブプローブに優先的に結合する。捕捉プローブは、分析によって捜し求められている標的因子に結合する。従って、アクティブプローブは電極への標的因子の連結に参加するが、スペーサーは電極に標的因子を連結しない。本発明者は、アクティブプローブとの間のスペーサーの存在が参照電極のインピーダンスを増加し、従ってセンサーの操作の間の参照電極電位の浮遊を停止または減少することを明らかにした。
【0009】
スペーサーは、分析結果におけるシグナル対ノイズ比もまた減少することができる。例えば、分析のいくつかの実例は、メディエーターと作用電極との間の反応に由来する作用電極を介する電流を測定することによって、標的因子の存在を決定する。その結果として、メディエーターからでない作用電極での電流源は、分析結果におけるノイズ源である。本発明者は、作用電極上にスペーサーを含む自己組織化単分子膜が、作用電極上で誘電体層として働くことができることを明らかにした。その結果として、自己組織化単分子膜は、メディエーター以外の源からの電流源が、作用電極を介して通過することを防ぐことができる。しかしながら、同じ自己組織化単分子膜は、メディエーターと作用電極との間のレドックス反応の継続を可能にする。メディエーターと作用電極との間の継続的なレドックス反応についての1つの可能性な説明は、自己組織化単分子膜中でメディエーターを捕らえることができ、自己組織化単分子膜を介するシグナルのトンネル効果を可能にすることができるということである。
【0010】
スペーサーおよびアクティブプローブを含む自己組織化単分子膜が、参照電極電位の浮遊を停止もしくは減少することができる、および/または分析結果におけるシグナル対ノイズ比を減少することができるので、自己組織化単分子膜はセンサーによって提供される結果の一貫性および/または効率を増加させる。
【0011】
図1Aおよび図1Bは、センサー12を有する分析チップ10の一部分の例を図示する。図1Aはチップ10の平面視であり、図1Bは、Bと標識したラインで得られる図1A中に示されるチップ10の横断面図である。チップ10は、基板16上に配置された複数の電極14を含む。適切な基板16はシリコン基板16を含むが、これらに限定されない。基板16は単一材料から構築されるものとして示されるが、基板16は複合構造を有することができる。電極14は、参照電極18および作用電極22に隣接して配置した対電極20を含む。いくつかの実例において、対電極20および参照電極18は、作用電極22の反対側に配置される。対電極20および参照電極18は、同じ形を有することができるか、または異なる形を有することができる。作用電極22の一部分が、対電極20の異なる領域の間におよび/または参照電極18の異なる領域の間に配置するように、対電極20および/または参照電極18は配置することができる。作用電極22は円形状であるとして示されるが、作用電極22は矩形形状を含むがこれに限定されない様々な他の形状でありえる。
【0012】
参照電極18は、金属などの導体材料の単層を含みうる。例えば、参照電極は、金、銀、銅、白金、クロミウム、アルミニウム、チタンおよびニッケルなどの金属の単層からなることができる。作用電極22、対電極20および参照電極18は、同一素材から、または異素材から構築することができる。他の適切な電極14は、金、銀、銅、白金、クロミウム、アルミニウム、チタンおよびニッケルを含むが、これらに限定されない。
【0013】
作用電極22の最大の寸法が4mm、1mm、100μmまたは50μm未満であるように、作用電極22は構築することができる。対電極20および参照電極18に適切な幅は、20μm、100μm、0.5mmまたは3mm未満の幅を含むが、これらに限定されない。作用電極22と参照電極18との間のギャップおよび/または作用電極22と対電極との間のギャップに適切な寸法は、1μm、100μm、0.5mmまたは2mm未満のギャップを含むが、これらに限定されない。これらの寸法は、現場分析装置における使用に適切な小型のセンサー12を提供することができる。
【0014】
作用電極22は粘着層28を含む。より詳細に以下に記述されるように、検査プローブの一部分が有する粘着層28に対する親和性は、作用電極22に対する親和性よりも大きい。その結果として、粘着層28は、検査プローブ40の一部分の作用電極22に対する親和性を増加させることができる。
【0015】
図1Aおよび図1Bは、チップ10が単一センサー12を有するとして図示するが、チップ10は図1C中に図示されるような複数のセンサー12を含むことができる。センサー12は、チップ10上でアレイにアレンジすることができる。センサー12の各々は、作用電極22、参照電極18および対電極20を含む。チップ10上の異なるセンサー12は、同時にまたは連続的に使用することができる。各センサー12を使用して異なる標的因子の存在について検査することができる。その結果として、チップ10は、複数の異なる標的因子について高度に効率的な検査を提供することができる。あるいは、複数のセンサー12を使用して同じ標的因子の存在について検査することができる。複数の検査はリダンダンシーチェックとして働くことができるか、または各々のセンサー12上で行なわれた検査は異なる源からの標的因子についてのものでありえる。
【0016】
図2中に図示されるように、センサーシステム29はチップ10の操作の間に形成される。粘着層28は電極の少なくとも1つの上に存在するが、粘着層28は図2中に図示されない。センサーシステム29は、センサー12上に配置された検査体積30を含む。検査体積30は、同時に作用電極22、参照電極18および対電極20を覆って配置される。いくつかの実例において、表面張力は、電極14を覆って配置される検査体積30を維持することに加えて、検査体積30の形状を維持する。
【0017】
図3Aは、図2に記載のセンサーシステム29の一般化例を提供する。図3Aは、図2中に図示されたセンサーシステム29の横断面図の一部分である。
【0018】
センサーシステム29は、作用電極上の粘着層28に結合する検査プローブ40を含む。単一検査プローブ40を図解のために示すが、作用電極22一帯の検査プローブ40の密度は一般的にはるかに高い。検査プローブ40は、捕捉プローブ44とシグナリングプローブ46との間の標的因子42の一部分を含む。分析は、標的因子42の存在を示す。適切な標的因子42は、DNAまたはRNAおよび抗体などの、多糖、核酸、細胞および遺伝物質の鎖を含むが、これらに限定されない。
【0019】
粘着層28は、捕捉プローブ44が有する粘着層28なしの作用電極22に対する親和性以上に、捕捉プローブ44の作用電極22に対する親和性を増加させることができる。捕捉プローブ44は、作用電極22を標的因子42に連結するように働く。以下に明らかになるように、適切な捕捉プローブ44は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、および抗体などのタンパク質を含むが、これらに限定されない。
【0020】
レポーター50はシグナリングプローブ46に結合される。シグナリングプローブ46は、標的因子42をレポーター50と連結するように構成される。少なくとも1つのメディエーター52が検査体積中にある。メディエーター52およびレポーター50は各々検査体積30中に1つの状態以上で存在することができる。異なる状態の例は、酸化が異なる状態を含む。
【0021】
チップ10の操作の間に、チップ10は、作用電極22、検査体積30およびその回路の対電極20を含む回路を介する電流の通過をモニタリングしながら、作用電極22とセンサー12の参照電極18との間の電位を適用するように構成された電子機器(まかれない)を備えた電気通信中にある。
【0022】
メディエーター52が第1のメディエーター状態52Aから第2のメディエーター状態52Bに変換し、レポーター50が第1のレポーター状態から第2のレポーター状態に変換するように、メディエーター52とレポーター50は相互作用する。Aと標識した破線は、レポーター50へ拡散し、ここで第2のメディエーター状態52Bに変換される、第1のメディエーター状態52Aを図示する。Bと標識した破線は、検査体積30を介して作用電極22へ拡散する第2のメディエーター状態52Bを図示する。作用電極22と参照電極18との間に適用された電位は、作用電極22と第2のメディエーター状態52Bとの間で電子伝達を生じさせるレベルまで上昇される。電子伝達は、作用電極22、検査体積30および対電極20を含む回路を介して電流が流れることを可能にする。その結果として、作用電極22および対電極20を介する電流の流れは、メディエーター52が、第1のメディエーター状態52Aから第2のメディエーター状態52Bに変換されていることを示す。
【0023】
標的因子42が存在しない場合、以下に明らかなように、レポーター50は検査体積30中に存在しない。レポーター50が存在しない場合、メディエーター52は、第1のメディエーター状態52Aから第2のメディエーター状態52Bに変換されない。その結果として、標的因子42が検査体積30中に存在しない場合、作用電極を介する電流は存在しない。標的因子42が存在する場合電流が存在するが、標的因子42が存在しない場合は存在しないので、電流は検査体積30中で標的因子42の存在を示す。
【0024】
図3Bは、電極14上の粘着層28を含むセンサーの横断面図である。図示された粘着層28および電極14は、作用電極、参照電極、および/または対電極上のアレンジを示すことができる。粘着層28は、自己組織化単分子膜が電極14上に存在しない場合、電極14が有する捕捉プローブ44に対する親和性よりも高い捕捉プローブ44に対する親和性を有する自己組織化単分子膜を含むかまたはそれからなる。
【0025】
自己組織化単分子膜は、1分子厚の二次元フィルムであり、各分子は表面へ共有結合される。自己組織化単分子膜の古典的な例は、金表面とのアルカンチオールの反応である。官能基化されたシラン化合物もまたシリコン表面上で自己組織化することができる。通常は表面に直接結合されない分子を洗浄することができるので、自己組織化単分子膜は表面上に固定化された1分子厚フィルムを提供することができる。
【0026】
図示された自己組織化単分子膜は、自己組織化単分子膜中に異なる化合物を含む不均一な自己組織化単分子膜である。例えば、図示された自己組織化単分子膜はアクティブプローブ54およびスペーサー56を含む。アクティブプローブ54は電極リンカー58を含む。電極リンカー58は、アクティブプローブ54を電極14に連結するように構成される。アクティブプローブ54はプローブリンカー60もまた含む。プローブリンカー60は、アクティブプローブ54を捕捉プローブ44に連結するように構成される。例えば、プローブリンカーは、捕捉プローブを結合するように各々が構成される、1つまたは複数の結合部位を含むことができる。いくつかの実例において、プローブリンカー60はアクティブプローブ54の末端端部で配置される。各スペーサー56は、スペーサー56を電極14に連結するように構成された電極リンカー62を含む。
【0027】
スペーサー56は末端端部64もまた含む。末端端部64が有する捕捉プローブ44に対する親和性は、プローブリンカー60が有する捕捉プローブ44に対する親和性よりも小さい。いくつかの実例において、スペーサー56が有する捕捉プローブ44に対する親和性が実質的にはないように、末端端部64は構成される。従って、捕捉プローブ44は、スペーサー56ではなくアクティブプローブ54に結合する。
【0028】
図3Cは、図3Bの検査プローブおよびレポーターと併用して使用される図3Aのセンサーを図示する。アクティブプローブ54は検査プローブに連結されるが、スペーサー56は検査プローブに連結されない。
【0029】
アクティブプローブ54として働く化合物の各々は同一のものでありえるか、またはアクティブプローブ54は、アクティブプローブ54として各々が働く複数の異なる化合物を含みうる。スペーサー56として働く化合物の各々は同一のものでありえるか、またはスペーサー56は、スペーサー56として各々が働く複数の異なる化合物を含みうる。自己組織化単分子膜中のスペーサー56対アクティブプローブ54の比率は、分析のパフォーマンスに影響を与えうる。スペーサー56対アクティブプローブ54の比率は、好ましくは100:1〜1:100または10:1〜1:10または5:1〜1:5の範囲である。
【0030】
アクティブプローブ54との使用に適切な電極リンカー58は、チオール基を含むが、これに限定されない。その結果として、アクティブプローブ54はチオール化アクティブプローブ54でありえる。チオール化アクティブプローブが電極14に連結される場合、チオール化アクティブプローブは電極14に直接連結される硫黄を含む。電極表面が金を含むかまたはそれからなる場合、チオール電極リンカー58は、電極リンカー58としての使用に適切である。
【0031】
スペーサー56との使用に適切な電極リンカー62は、チオール基を含むが、これに限定されない。その結果として、アクティブプローブ54はチオール化スペーサー56でありえる。チオール化スペーサーが電極14に連結される場合、チオール化スペーサーは電極14に直接連結される硫黄を含む。電極表面が金を含むかまたはそれからなる場合、チオール電極リンカー62は、電極リンカー62としての使用に適切である。スペーサー56中で使用される電極リンカー62は、アクティブプローブ54に対して使用された電極リンカー62と同一のもの、またはそれとは異なるものでありえる。
【0032】
プローブリンカー60は、捕捉プローブ44の構造に依存しうる。プローブリンカー60の例は、ヒドロキシル基(−OH)、アミン基(−NH2、NHR(式中Rはアルキル基などの有機基を示す))、およびこれらの基を含む化合物などの基を含むが、これらに限定されない。スペーサー56のための末端端部64の例は、ヒドロキシル基(−OH)およびアミン基(−NH2、NHR(式中Rはアルキル基などの有機基を示す))などのアルキル基および他の基を含むが、これらに限定されない。スペーサー56の末端端部64は、プローブリンカー60とは異なることができる。例えば、プローブリンカー60がアミンである場合、スペーサー56の末端端部64はヒドロキシル基でありえる。
【0033】
いくつかの実例において、プローブリンカー60がスペーサー56の末端端部64の上方に配置されるように、アクティブプローブ54を構築することができる。例えば、アクティブプローブ54はスペーサー56よりも長くなりえる。その結果として、プローブリンカー60は、センサー上に配置された溶液中に含まれる捕捉プローブ44に容易に結合することができる。
【0034】
適切なアクティブプローブ54は、1つまたは複数のアルキレン部分を含む。アルキレン部分の各々は、1つもしくは複数の炭素、2つもしくは複数の炭素または3つもしくは複数の炭素、または4つもしくは複数の炭素を備えた骨格を有することができる。例えば、アクティブプローブ54は、−(CH2n−(式中、nは1以上、2以上、3以上、または4以上である)によって示される、1つまたは複数の部分を含むことができる。アクティブプローブ54中の1つまたは複数のアルキレン部分は、置換することおよび/または分岐させることができる。例えば、適切なアクティブプローブ54は、完全にまたは部分的にハロゲン化された1つまたは複数のアルキレン部分を含むことができる。アクティブプローブ54が複数のアルキレン部分を含む場合、異なるアルキレン部分は、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、アミン結合(−NR−(式中Rは水素またはアルキル基などの有機基である))、ケトン結合(−CO−)、エステル結合(−CO−O−)、チオエステル結合(−S−CO−)、またはアミド結合(−CO−NH)によって相互に連結することができる。
【0035】
適切なスペーサー56は1つまたは複数のアルキレン部分を含む。アルキレン部分の各々は、1つもしくは複数の炭素、2つもしくは複数の炭素、3つもしくは複数の炭素、または4つもしくは複数の炭素を備えた骨格を有することができる。例えば、スペーサー56は、−(CH2n−(式中nは1以上、2以上、3以上、または4以上である)によって示される、1つまたは複数の部分を含むことができる。1つまたは複数、スペーサー56中のアルキレン部分は、置換することおよび/または分岐させることができる。例えば、適切なスペーサー56は、完全にまたは部分的にハロゲン化される1つまたは複数のアルキレン部分を含むことができる。スペーサー56が複数のアルキレン部分を含む場合、異なるアルキレン部分は、酸素(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、アミン結合(−NR−(式中Rは水素またはアルキル基などの有機基である))、ケトン結合(−CO−)またはエステル結合(−COO−)によって相互に連結することができる。
【0036】
適切なアクティブプローブ54の例は、置換されたビオチン、ストレプトアビジンに結合する置換されたビオチン、デキストラン、およびMUDA(メルカプトウンデカン酸)を含むが、これらに限定されない。例えば、分析を使用してDNAまたはRNAなどの遺伝物質の存在を同定し、そしてアクティブプローブ54が結合される電極14が金である場合、適切なアクティブプローブ54はストレプトアビジンに結合するビオチン化チオールを含む。適切なビオチン化チオールの例は、DAD−C12−SH(12−メルカプト(8−ビオチンアミド−3,6−ジオキサオクチル)ドデカンアミド)を含むが、これに限定されない。適切なスペーサー56の例は、チオールおよび6−メルカプト−1−ヘキサノールなどのヒドロキシル化チオールを含むが、これらに限定されない。図4は、スペーサー56としてDAD−C12−SH(12−メルカプト(8−ビオチンアミド−3,6−ジオキサオクチル)ドデカンアミド)および11−メルカプト−1−ウンデカノールに結合する、ストレプトアビジンを備えたアクティブプローブ54を含む自己組織化単分子膜を有するセンサーを示す。ストレプトアビジンは、ビオチン化捕捉プローブのための結合部位として働く、結合ループ(残基45〜52)によって示された複数のプローブリンカーを含む。
【0037】
図5Aは、DNAまたはRNAなどの遺伝物質72の鎖の検出に適応させた、図3A中で図示される検査体積30を図示する。捕捉プローブ44、標的因子42、シグナリングプローブ46は、遺伝物質72の各鎖である。捕捉プローブ44の一部分は、捕捉プローブ44の相補的な一部分と標的因子42との間の塩基対を提供する標的因子42の一部分に相補的である。標的因子42の一部分は、標的因子42の相補的な一部分とシグナリングプローブ46との間の塩基対を提供するシグナリングプローブ46の一部分に相補的である。
【0038】
図5の分析コンポーネントとの使用に適切なレポーター50は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、AP(アルカリフォスファターゼ)およびグルコースペルオキシダーゼを含むが、これらに限定されない。HRPとの使用に適切なメディエーター52は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を含むが、これに限定されない。APとの使用に適切なメディエーター52は、ナイアシン誘導体(NAD)を含むが、これに限定されない。グルコースペルオキシダーゼとの使用に適切なメディエーター52は、ルテニウム(II)ヘキサミンを含むが、これに限定されない。
【0039】
いくつかの実例において、シグナリングプローブ46を修飾してレポーター50の結合を促進する。例えば、レポーター50がホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を含む場合、シグナリングプローブ46の1つまたは複数の塩基を修飾して、シグナリングプローブ46のHRPへの結合を促進することができる。例えば、シグナリングプローブ46の5’末端は、HRPにリンカー70として働くことができるフルオレセインにより修飾することができる。
【0040】
いくつかの実例において、捕捉プローブ44は、捕捉プローブ44の粘着層28への結合を促進するリンカー76により修飾される。例えば、自己組織化単分子膜がストレプトアビジンを含む場合、捕捉プローブ44は、ストレプトアビジン結合部位と容易に結合するビオチンにより修飾することができる。いくつかの実例において、捕捉プローブ44の5’末端はビオチンにより修飾される。
【0041】
図5Bは、レポーター50としてホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、過酸化水素(H22)を含む水溶液中のメディエーター52としてTMBを使用する、図5Aに記載の分析の機構を図示する。この機構は、第1のレポーター状態50A、第2のレポーター状態50Bおよび第3のレポーター状態50Cで存在するHRPを図示する。第1のレポーター状態50AはHRPの酸化状態であり、第2のレポーター状態50BはHRPの別の酸化状態である。この機構は、第1のメディエーター状態52Aおよび第2のメディエーター状態52Bで存在するTMBもまた図示する。
【0042】
Aと標識した矢印は、過酸化水素と反応して第2のレポーター状態50Bを生成している、第1のレポーター状態50Aを図示する。Bと標識した矢印は、第2のレポーター状態50Bによって酸化されて第2のメディエーター状態52Bを形成している、第1のメディエーター状態52Aを図示する。Cと標識した矢印は、還元されて第1のレポーター状態50A(図中の・AHはTMBの酸化状態である)を形成している、第3のレポーター50状態Cを図示する。
【0043】
Dと標識した矢印は、作用電極22に拡散する第2のメディエーター状態52Bを図示する。Eと標識した矢印は、第1のメディエーター状態52Aに第2のメディエーター状態52Bを戻すように作用電極22で起こる電子伝達を図示する。Fと標識した矢印は、検査体積30を介して拡散して戻り、第2のレポーター状態50Bと相互作用している、第1のメディエーター状態52Aを図示する。
【0044】
図6で図示されるように、図3A中で図示された分析は、細胞74またはタンパク質の存在の検出のためにも適応させることができる。例えば、捕捉プローブ44はサンドイッチ分析の一次抗体でありえる。さらに、シグナリングプローブ46はサンドイッチ分析の二次抗体でありえる。サンドイッチ分析のために適切な標的因子42は、抗体に特異的な結合部位を有するタンパク質、多糖および核酸、または抗体に特異的な結合部位を有するタンパク質を備えた細胞を含むが、これらに限定されない。図6の分析コンポーネントとの使用に適切なレポーター50は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、AP(アルカリフォスファターゼ)およびグルコースペルオキシダーゼを含むが、これらに限定されない。
【0045】
HRPとの使用に適切なメディエーター52は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を含むが、これに限定されない。APとの使用に適切なメディエーター52は、ナイアシン誘導体(NAD)を含むが、これに限定されない。グルコースペルオキシダーゼとの使用に適切なメディエーター52は、ルテニウム(II)ヘキサミンを含むが、これに限定されない。
【0046】
一次抗体を修飾して粘着層28への結合を促進するリンカーを含むことができる。例えば、粘着層28が露出したストレプトアビジンを含む場合、一次抗体は、ストレプトアビジン結合部位と容易に結合するビオチンにより修飾することができる。
【0047】
二次抗体を修飾してレポーター50への結合を促進することができる。例えば、レポーター50がHRPを含む場合、二次抗体を修飾してシグナリングプローブ46のHRPへの結合を促進することができる。例えば、二次抗体は、HRPに対してリンカー70として働くことができるフルオレセインにより修飾することができる。
【0048】
いくつかの実例において、捕捉プローブ44は、捕捉プローブ44の粘着層28への結合を促進するリンカー76により修飾される。例えば、自己組織化単分子膜がストレプトアビジンを含む場合、捕捉プローブ44は、ストレプトアビジン結合部位と容易に結合するビオチンにより修飾することができる。
【0049】
自己組織化単分子膜は、十分な摂動をともなう化学的インキュベーションによって合成することができる。
【0050】
記述された方法は作用電極、参照電極および対電極上に自己組織化単分子膜を形成するが、この方法は自己組織化単分子膜の形成の間に特定の電極をマスクすることによって、電極の一部分の上に自己組織化単分子膜を形成するために使用することができる。その結果として、センサーは、少なくとも参照電極上にありえるか、または少なくとも作用電極上にありえる、自己組織化単分子膜を有することができる。マスクは、センサーの操作の前に除去することができる。交互に、マスクを除去した後、別の自己組織化単分子膜を以前にマスクした電極上に形成することができる。その結果として、異なる自己組織化単分子膜を関電極上に配置することができる。
【0051】
作用電極22上に一連の溶液を配置することによって、検査体積30を、自己組織化単分子膜を有するセンサー12上に生成することができる。サンプル溶液は、標的因子42を有するサンプルまたは有していないサンプルから調製することができる。標的因子42がサンプル中の細胞の内側に位置するか、または細胞膜中にある場合、適切な存在条件下で、溶解剤をサンプルに追加する。サンプル溶液中で検査プローブ40の形成を可能にする条件下で、捕捉プローブ44およびシグナリングプローブ46をサンプル溶液に追加する。検査プローブ40が粘着層28と結合することを可能にする条件下で、サンプル溶液を作用電極22に適用する。サンプル溶液は、参照電極18および対電極20を覆うように適用することができる。あるいは、表面張力を使用して作用電極22に対してサンプル溶液を制限することができる。次にサンプル溶液を少なくとも作用電極22から洗い流す。標的因子42がサンプル溶液中に存在する場合、検査プローブ40は自己組織化単分子膜中のアクティブプローブ54に結合されたままである。
【0052】
レポーター50を有するレポーター溶液は、少なくとも作用電極22上に配置される。レポーター50がシグナリングプローブ46と結合することを可能にする条件下で、レポーター溶液を作用電極22上に配置する。レポーター溶液は、参照電極18および対電極20を覆うように適用することができる。あるいは、表面張力を使用して作用電極22に対してレポーター溶液を制限することができる。次にセンサー12を洗浄溶液により洗浄する。残存するレポーター50は洗浄されるが、レポーター50は、少なくとも作用電極22上に存在する検査プローブ40に結合されたままである。その結果として、標的因子42がサンプル中に存在しない場合、レポーター50は存在しない。
【0053】
作用電極22、参照電極18および対電極20の各々が、メディエーター溶液によって覆われるように、メディエーター52を有するメディエーター溶液をセンサー12上に配置する。作用電極22上に存在するコンポーネント、および作用電極22に適用されたメディエーター溶液の一部分は、検査体積30として働く。
【0054】
2001年11月2日に出願された、表題「統合されたサンプル調製システム」の米国仮特許出願第60/339,766号(その全体を本明細書に組み入れる);2003年12月09日に出願された、表題「電気化学センサーによる使用のためのカートリッジ」の米国仮特許出願第60/528,566号(その全体を本明細書に組み入れる);および2006年12月6日に出願された、表題「センサーへの液体の送達のためのシステム」の米国仮特許出願第60/873,078号(その全体を本明細書に組み入れる)の各々は、センサー上への溶液の輸送に適切な構造を開示する。
【実施例1】
【0055】
12−メルカプト(8−ビオチンアミド−3,6−ジオキサオクチル)ドデカンアミド(ビオチン−DAD−C12−SH、ロッシュ社(Roche GmBH)、ドイツ)の自己組織化単分子膜を、金表面上に形成した。露出した金表面を洗浄し、4.5×10-4M 11−メルカプト−1−ウンデカノール(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)、44、752−8)を含有するエタノール中のビオチン−DAD−C12−SHの50mM溶液において18時間インキュベートした。結果のものをエタノールおよび水によりリンスした。
【実施例2】
【0056】
アクティブプローブおよび捕捉プローブを自己組織化単分子膜上に形成した。各作用電極を、2.5μLの100mM N−ヒドロキシスクシンイミドおよび400mM N−3−ジメチルアミノプロピル−N−エチルカルボジイミドにより10分間インキュベートした。センサーを、ビオチン(50mM酢酸ナトリウム中で5mg/ml;ピアース(Pierce)社、ロックフォード、イリノイ)中で10分間インキュベートした。ビオチン化センサーを、4μLのRNase不含有H2O(カタログ番号821739;MPバイオメディカルズ(MP Biomedicals)社、オーロラ、オハイオ)中の0.5U/mlのストレプトアビジンの中で10分間インキュベートした。ストレプトアビジン被覆センサーを、ビオチン化捕捉プローブ(4μL;1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中で1μM)により30分間インキュベートした。
【実施例3】
【0057】
アクティブプローブおよび捕捉プローブは、実施例1に従って構築された自己組織化単分子膜上に形成された。検査体積をセンサー上に形成し、標的因子について検査した。N−ヒドロキシスクシンイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの混合物をバイアル中に置き、ボルテックスにより撹拌した。各作用電極を混合物により覆った。覆って加湿したガラスのペトリ皿の中で、混合物をセンサー上で10〜15分間室温でインキュベートした。インキュベーション期間の完了時に、センサーチップを脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥させ、次にペトリ皿中にセンサーチップを戻す。
【0058】
標的因子に対する抗体の純度および親和性に依存して(ここでより高い親和性はより低い濃度を可能にする)、0.01〜1(mg/mL)にわたる濃度のリン酸緩衝液(PBS)中のモノクローナル抗体捕捉プローブにより、捕捉プローブ溶液を作製した。各作用電極を捕捉プローブ溶液により覆った。ペトリ皿を覆って、抗体濃度に依存して、10〜90分間室温でインキュベートした。インキュベーションの終了時に、センサーチップを脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥し、ペトリ皿の中に戻して配置した。
【0059】
作用電極または各々のセンサーの3つの電極すべてを1Mエタノールアミンにより覆い、ペトリ皿を覆った。センサーチップを15分間室温でインキュベートした。このエタノールアミンのインキュベーションの終了時に、センサーチップを脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥し、ペトリ皿中に戻して配置し、室温の窒素雰囲気中の乾燥条件で保存した。
【0060】
各作用電極を覆って、標的因子を含みうる標的溶液を作用電極の各々の上に配置した。軽く湿らせたフィルター紙をセンサーチップの下でペトリ皿中に配置してサンプルの乾燥を阻害し、ペトリ皿を覆った。標的溶液を、標的因子の濃度に依存して、5〜30分間インキュベートした。例えば、pg/mLについて30分間およびng/mL以上について5分間標的溶液をインキュベートすることができる。標的溶液インキュベーション後に、センサーチップを脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥し、ペトリ皿中に戻して配置した。
【0061】
各作用電極は、ビオチンコンジュゲートモノクローナルシグナリング抗体を含むシグナリング溶液により覆った。シグナリング溶液を、標的濃度に依存して、5〜30分間インキュベートし、脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥した。各作用電極を、ストレプトアビジン−HRPコンジュゲートを有するレポーター溶液により覆った。レポーター溶液を30分間室温でインキュベートし、脱イオン水によりリンスし、窒素により乾燥した。
【0062】
3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン基質(TMB基質)を冷蔵庫から取り出し、アルミホイルにより覆った清浄なトラフの中へ置いた。チップをDI水によりリンスし、窒素により乾燥した。各センサー上の3つの電極はすべてTMB基質により覆った。
【0063】
電流測定は−150mVで実行し、結果は図7および図8中に提供される。図7は、チップ上の16のセンサーすべてについての時間vs電流の結果を示す。図8は、電流vs標的因子の濃度を示す。電流は標的因子濃度の関数であり、従って濃度の指標として使用することができる。
【0064】
上で言及されるように、チップは複数のセンサーを含むことができる。いくつかの実例において、センサーを同時に使用して異なる標的因子の存在について検査する。多くの実例において、異なる標的因子についての検査は、同じレポーター溶液および同じメディエーター溶液を使用するが、異なる捕捉プローブ44および/または異なるシグナリングプローブを使用できる。その結果として、異なるサンプル溶液は、検査されている各標的因子について調製される。いくつかの実例において、異なるレポーター溶液および/またはメディエーター溶液は、異なる標的因子について使用することができる。
【0065】
いくつかの実例において、チップ上の異なるセンサーは、同じ異なる標的因子の存在について検査するために同時に使用される。標的因子が同じサンプルから生じる場合、異なるレポーター溶液および/またはメディエーター溶液を、異なるセンサーにより使用することができる。これらの実例において、あるセンサーでの結果は、別のセンサーの結果に対するチェックとして働くことができる。検査される標的因子が同一であるが、異なるサンプルから生じる場合、各センサーによる使用のために調製されたサンプル溶液は異なる。
【0066】
本発明の他の実施形態、組合せおよび修飾は、これらの教示を考慮して当業者に容易に思いつくだろう。従って、本発明は以下の請求項によってのみ限定されるべきであり、上述の明細書および添付の図面と併用して考察した場合、それはかかる実施形態および修飾をすべて含む。
【符号の説明】
【0067】
10 チップ; 14 電極; 基板16;
18 参照電極; 20 対電極; 22 作用電極22;
28 粘着層; 29 センサーシステム; 30 検査体積;
42 標的因子; 44 捕捉プローブ; 50 レポーター;
52 メディエーター; 54 アクティブプローブ; 56 スペーサー56。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が作用電極、参照電極および対電極を含み、且つ、参照電極が固有電位を持たないように構築される、基板上の電極と;
自己組織化単分子膜が化合物の不均一な選択を含む、参照電極上の自己組織化単分子膜と
を含む電気化学センサー装置。
【請求項2】
前記化合物の選択がスペーサーおよびアクティブプローブを含み、アクティブプローブが有する捕捉プローブに対する親和性が、スペーサーが有する捕捉プローブに対する親和性よりも高いように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクティブプローブが、前記スペーサーよりも前記基板のさらに上方に及ぶ、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アクティブプローブが、前記スペーサーよりも長い、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記アクティブプローブがビオチン化チオールを含み、前記スペーサーがヒドロキシル化チオールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ビオチン化チオールがストレプトアビジンに結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アクティブプローブが12−メルカプト(8−ビオチンアミド−3,6−ジオキサオクチル)ドデカンアミドを含み、前記スペーサーが11−メルカプト−1−ウンデカノールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アクティブプローブが、前記参照電極に直接連結された硫黄を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アクティブプローブが、前記参照電極に直接連結された硫黄を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクティブプローブが前記参照電極に直接結合された硫黄の反対に末端端部を含み、前記アクティブプローブの末端端部がアミンおよびヒドロキシル基からなる群から選択されたコンポーネントを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記スペーサーが前記参照電極に直接結合された硫黄の反対に末端端部を含み、当該末端端部がアクティブプローブの末端端部とは異なっており、当該末端端部がアルキル基、アミンおよびヒドロキシル基からなる群から選択されたコンポーネントを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記参照電極が金属の単層からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記参照電極が金の単層からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記参照電極、前記作用電極、および前記対電極の各々が、金属の単層からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記参照電極、前記作用電極、および前記対電極の各々が、金の単層からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記参照電極および前記対電極の各々が、前記作用電極の形状とは異なる形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記センサーが160μm2〜25mm2の領域を占める、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記参照電極、前記作用電極および前記対電極の各々が、導電性材料の単層からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記自己組織化単分子膜が作用電極上にある、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記作用電極の一部分が前記参照電極の異なる領域の間に配置されるように、前記参照電極が前記作用電極の周囲のまわりでアレンジされる、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記作用電極の一部分が前記参照電極の異なる領域の間に配置されるように、前記対電極が前記作用電極の周囲のまわりでアレンジされる、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
電極が作用電極、参照電極および対電極を含み、且つ、参照電極が固有電位を持たないように構築され、導体材料の単層を含む、基板上の電極を備え;
スペーサーおよびアクティブプローブを含む自己組織化単分子膜を備えており;
前記アクティブプローブが有する捕捉プローブに対する親和性が、スペーサーが有する捕捉プローブに対する親和性よりも高いように構成され、
前記アクティブプローブがスペーサーよりも基板のさらに上方に及び、
前記アクティブプローブおよびスペーサーの各々が参照電極に直接結合する硫黄を含み、
前記アクティブプローブおよびスペーサーの各々が1つまたは複数のアルキレン部分を含み、
前記アクティブプローブが参照電極に直接結合された硫黄の反対に末端端部を含み、前記アクティブプローブの末端端部がアミンおよびヒドロキシル基からなる群から選択されたコンポーネントを含み、
前記スペーサーが参照電極に直接結合された硫黄の反対に末端端部を含み、前記スペーサーの末端端部が前記アクティブプローブの末端端部とは異なり、前記スペーサーの末端端部がアルキル基、アミンおよびヒドロキシル基からなる群から選択されたコンポーネントを含む、
電気化学センサー装置。
【請求項23】
電極が作用電極、参照電極および対電極を含み、且つ、参照電極が固有電位を持たないように構築される、基板上の電極と、化合物の不均一な選択を含む、参照電極上の自己組織化単分子膜とを含む装置を準備し、
電極を使用して、標的因子が溶液中に存在するかどうかおよび/または溶液中の標的因子の量を決定する
ことを含む方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−532475(P2010−532475A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514754(P2010−514754)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/006719
【国際公開番号】WO2009/005567
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(506198333)ジーンフルイディクス・インコーポレーテッド (3)