説明

効能成分供給装置

【課題】装置内に残存する効能成分を気にせずに複数の効能成分を使用する。
【解決手段】芳香成分Aを含んだ渦輪を発射する空気砲12と、芳香成分Bを含んだ渦輪を発射する空気砲13とが設けられる。この効能成分供給装置は、渦輪V1,V2のいずれか一方を発射することにより、芳香成分Aまたは芳香成分Bを単独で供給する単一供給モードと、双方の渦輪V1,V2を発射して互いに衝突させることにより、芳香成分A,Bを混合して供給する混合供給モードとを備えている。これにより、空気砲12,13において芳香成分A,Bを混ぜることが無く、芳香成分の消臭等を気にせずに異なる芳香成分A,Bを切り換えることが可能となる。しかも、空気砲12,13に芳香成分A,Bを充填する際の吸引ストロークSa,Sbを変化させることにより、効能成分A,Bの混合比を任意に設定することができ、利用者の好みに応じた環境を提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に対して効能成分を供給する効能成分供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内の環境を良好に保つため、芳香成分(効能成分)を車室内に拡散させるようにした芳香剤が提案されている。しかしながら、芳香成分を車室内に拡散させるようにすると、車室内に多量の芳香成分を充満させてしまうばかりか、好みに応じた車内環境を乗員毎に提供することが困難となっていた。そこで、芳香成分を含んだ渦輪を乗員に向けて発射する空気砲(発射手段)を備えた供給装置が提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。これにより、芳香成分を局所的に供給することができるため、少量の芳香成分を用いて各乗員の好みに合わせた車内環境を提供することが可能となる。
【特許文献1】特開2006−255402号公報
【特許文献2】特開2006−280748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、複数の芳香成分を切り換えて供給しようとすると、空気砲内において異なる芳香成分が混ざり合うため、芳香成分の種類によっては乗員に不快感を与えてしまうという問題があった。そこで、空気砲に残存する芳香成分を消臭した後に、空気砲に対して新たな芳香成分を供給することも考えられるが、芳香成分を切り換える度に空気砲内を消臭することは、供給装置の複雑化や高コスト化を招く要因となっていた。
【0004】
本発明の目的は、発射手段に残存する効能成分を気にすることなく、複数の効能成分を切り換えて使用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の効能成分供給装置は、それぞれに異なる効能成分を含んだ空気渦を発射する複数の発射手段と、前記各効能成分同士の混合比を設定する混合比設定手段と、それぞれの前記発射手段に対する効能成分の充填量を前記混合比に基づいて調整する充填量調整手段とを有し、前記複数の発射手段から発射される空気渦を所定の効能領域で衝突させ、前記効能領域において異なる効能成分を混合させることを特徴とする。
【0006】
本発明の効能成分供給装置は、利用者に対する効能成分の供給モードを設定するモード設定手段を有し、前記モード設定手段は、前記発射手段のいずれか1つから効能成分を含んだ空気渦を発射させ、利用者に対して単一の効能成分を供給する単一供給モードを設定することを特徴とする。
【0007】
本発明の効能成分供給装置は、前記効能成分は芳香成分であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、それぞれに異なる効能成分を含んだ空気渦を発射する複数の発射手段を備え、それぞれの発射手段に対する効能成分の充填量を設定された混合比に基づいて調整し、複数の発射手段から発射される空気渦を所定の効能領域で衝突させるようにしたので、効能領域において異なる効能成分を設定された混合比で混ぜて利用者に供給することが可能となる。これにより、発射手段において異なる効能成分を混ぜてしまうことが無いため、効能成分の消臭や変化等を気にすることなく異なる効能成分を切り換えて使用することが可能となる。しかも、異なる効能成分の混合比を任意に設定することができるため、利用者の好みに応じた環境を提供することが可能となり、利用者の満足度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は効能成分供給装置10(以下、供給装置という)が搭載された車両を示す説明図であり、図2(A)および(B)は供給装置10の作動状態を示す説明図である。
【0010】
図1に示すように、車室内のインストルメントパネル11には、運転席側の乗員Dと助手席側の乗員Pとに対して芳香成分(効能成分)を供給する供給装置10が設置されている。図2(A)および(B)に示すように、供給装置10には芳香成分を含んだ空気の渦輪(空気渦)V1,V2を発射する一対の空気砲(発射手段)12,13が設けられており、この供給装置10は運転席側位置と助手席側位置とに回動するようになっている。図2(A)に示すように、供給装置10を運転席側位置に回動させることにより、運転席側の乗員Dに対して芳香成分を供給することが可能となる一方、図2(B)に示すように、供給装置10を助手席側位置に回動させることにより、助手席側の乗員Pに対して芳香成分を供給することが可能となる。
【0011】
また、供給装置10は異なる2つの芳香成分A,Bを供給することが可能となっており、空気砲12から発射される渦輪V1には芳香成分A(例えばバナナの香り)が含まれる一方、空気砲13から発射される渦輪V2には芳香成分B(例えばチョコレートの香り)が含まれている。さらに、供給装置10は、渦輪V1,V2のいずれか一方を発射することにより、乗員D,Pに対して芳香成分Aまたは芳香成分Bを単独で供給する単一供給モードと、双方の渦輪V1,V2を発射することにより、乗員D,Pに対して混合された芳香成分A,B(例えばチョコバナナの香り)を供給する混合供給モードとを備えている。この混合供給モードにおいては、双方の渦輪V1,V2が乗員D,Pの鼻先に設定される効能領域Xで互いに衝突するように発射されており、効能領域Xにおいて芳香成分A,Bを混ぜ合わせることが可能となる。このように、一対の渦輪V1,V2を衝突させて渦輪V1,V2を打ち消すことにより、乗員D,Pに対して風圧による違和感を与えることなく混合された芳香成分A,Bを供給することが可能となる。
【0012】
図3(A)〜(C)は空気砲12,13の内部構造を概略的に示す断面図である。図3(A)〜(C)に示すように、空気砲12,13は、伸縮自在となる蛇腹形状のポンプ本体14,15と、ポンプ本体14,15を伸縮させるポンプ駆動部16,17と、発射口18a,19aを備えた円筒形状の砲身部18,19とによって構成されている。また、ポンプ駆動部16,17には前後進駆動されるロッド部材16a,17aが組み込まれており、このロッド部材16a,17aはポンプ駆動部16,17内の図示しない電動モータによって駆動される。
【0013】
図3(A)および(B)に示すように、ロッド部材16a,17aを引き込んでポンプ本体14,15を伸ばすことにより、ポンプ本体14,15の容量を拡大させることができ、後述する芳香供給部20,21から砲身部18,19に対して芳香成分A,Bを充填することが可能となる。続いて、図3(C)に示すように、ロッド部材16a,17aを押し出してポンプ本体14,15を縮めることにより、ポンプ本体14,15の容量を縮小させて空気を押し出すことができるため、芳香成分A,Bを含んだ空気を発射口18a,19aから渦輪V1,V2として発射することが可能となる。
【0014】
図4は供給装置10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、供給装置10には、空気砲12に対して芳香成分Aを供給する芳香供給部20が設けられており、空気砲13に対して芳香成分Bを供給する芳香供給部21が設けられている。それぞれの芳香供給部20,21は回動自在となる回動板22,23を備えており、芳香供給部20の回動板22には芳香成分Aを含浸させた多孔質体22aが設けられ、芳香供給部21の回動板23には芳香成分Bを含浸させた多孔質体23aが設けられている。芳香供給部20の回動板22を回動させることにより、空気砲12に接続される配管24に対して多孔質体22aを対向させるようにすると、芳香供給部20から空気砲12に対して芳香成分Aを供給することが可能となる。同様に、芳香供給部21の回動板23を回動させることにより、空気砲13に接続される配管25に対して多孔質体23aを対向させるようにすると、芳香供給部21から空気砲13に対して芳香成分Bを供給することが可能となる。なお、回動板22,23は図示しない電動モータ等によって駆動されており、この電動モータは後述する制御ユニット30からの信号によって制御されている。また、双方の回動板22,23には貫通孔22b,23bが形成されており、この貫通孔22b,23bと配管24,25とを対向させるように回動板22,23を制御することにより、空気砲12,13から空気のみの渦輪V1,V2を発射させることも可能となっている。
【0015】
また、図4に示すように、空気砲12,13のポンプ駆動部16,17を駆動制御するため、供給装置10には駆動電流を制御する空気砲駆動回路31が設けられており、この空気砲駆動回路31は制御ユニット30からの信号によって制御されている。そして、空気砲駆動回路31からの駆動電流をポンプ駆動部16,17に供給することにより、ロッド部材16a,17aを押し出して渦輪V1,V2を発射させることが可能となる。さらに、供給装置10を運転席側位置と助手席側位置とに回動させるため、供給装置10には回動モータ32が組み付けられている。この回動モータ32に対して駆動電流を供給するため、供給装置10には駆動電流を制御するモータ駆動回路33が設けられており、このモータ駆動回路33は制御ユニット30からの信号によって制御されている。
【0016】
さらに、供給装置10には車室内の消臭や除菌を行うための消臭装置34が設けられており、この消臭装置34は送風ファン35およびオゾン発生部36によって構成されている。消臭装置34を構成する送風ファン35に対して駆動電流を供給するため、供給装置10には駆動電流を制御するファン駆動回路37が設けられており、このファン駆動回路37は制御ユニット30からの信号によって制御されている。また、消臭装置34を構成するオゾン発生部36に対して高圧電流を供給するため、供給装置10には高圧電流を制御する高電圧発生回路38が設けられており、この高電圧発生回路38は制御ユニット30からの信号によって制御されている。なお、オゾン発生部36は、図示しない針状の放電電極と環状の対向電極とによって構成されており、放電電極と対向電極とに高電圧を印加して無声放電を生じさせることにより、消臭効果を有するオゾン(O)を発生させることが可能となっている。このようにオゾンを発生させるとともに送風ファン35を駆動させることにより、オゾンを吹き出し口39から車室内に放出させることができるため、車室内の消臭や除菌を行うことが可能となる。
【0017】
また、送風ファン35は配管24,25を介して空気砲12,13に接続されるため、送風ファン35を作動させて空気砲12,13からオゾン発生部36に向けて空気を吸引することができ、この吸引された空気に対してオゾンを供給することが可能となる。これにより、空気砲12,13の発射口18a,19aから芳香成分A,Bを漏らさずに消臭することができるため、供給装置10を使用しない場合において、空気砲12,13からの不要な芳香成分A,Bの流出を防止することが可能となっている。
【0018】
前述したように、空気砲12,13、芳香供給部20,21、回動モータ32、送風ファン35、オゾン発生部36等に対して制御信号を出力するため、供給装置10には制御ユニット30が設けられている。この制御ユニット30は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)を備えており、このCPUにはバスラインを介してROM、RAMおよびI/Oポートが接続される。ROMには制御プログラムや各種マップデータなどが格納されており、RAMにはCPUで演算処理したデータが一時的に格納されている。さらに、制御ユニット30には、芳香成分A,Bの供給モード(単一供給モード,混合供給モード)を設定するためのモードスイッチ40が接続されており、混合供給モードにおける芳香成分A,Bの混合比を設定する混合比設定手段としてのダイヤルスイッチ41が接続されている。そして、制御ユニット30は、スイッチ40,41の操作信号等に基づいて利用者つまり乗員D,Pに対する芳香成分の供給状態を制御することになる。
【0019】
ここで、図5(A)および(B)は混合供給モードにおける空気砲12,13の作動状態を示す説明図であり、図6は混合供給モードにおける空気砲12,13の作動状態を示すタイミングチャートである。図5および図6に示すように、混合供給モードにおいては、設定された混合比に基づいて芳香成分A,Bの充填量を調整するため、混合比に基づいて空気砲12の吸引ストロークSaと空気砲13の吸引ストロークSbとを設定するようにしている。つまり、芳香成分Aよりも芳香成分Bを空気砲13に多く充填する場合には、空気砲12の吸引ストロークSaよりも空気砲13の吸引ストロークSbを長く設定する。このように、吸引ストロークSa,Sbを適宜設定することにより、渦輪V1に含まれる芳香成分Aの濃度と渦輪V2に含まれる芳香成分Bの濃度とを自在に設定することができ、渦輪V1,V2を衝突させて得られる芳香成分A,Bの混合比を自在に制御することが可能となる。
【0020】
続いて、充填量調整手段およびモード設定手段として機能する制御ユニット30によって実行される渦輪V1,V2の発射手順について説明する。図7は渦輪V1,V2の発射手順を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS1では、モードスイッチ40が混合供給モードに設定されているか否かが判定される。ステップS1において、混合供給モードが設定されていないと判定された場合、つまり単一供給モードが設定されていると判定された場合には、ステップS2に進み、芳香成分Aを供給する単一供給モードであるか否かが判定される。ステップS2において、芳香成分Aを供給する単一供給モードであると判定された場合には、ステップS3に進み、空気砲12を所定の吸引ストロークで吸引作動させることにより、空気砲12の砲身部18に対して芳香成分Aが充填される。続くステップS4では、渦輪V1の発射条件が成立しているか否かが判定され、このステップS4において発射条件が成立していると判定された場合には、ステップS5に進み、空気砲12から芳香成分Aを含んだ渦輪V1が乗員D,Pに向けて発射される。
【0021】
一方、ステップS2において、芳香成分Bを供給する単一供給モードであると判定された場合には、ステップS6に進み、空気砲13を所定の吸引ストロークで吸引作動させることにより、空気砲13の砲身部19に対して芳香成分Bが充填される。続くステップS4において、発射条件が成立していると判定された場合には、ステップS5に進み、空気砲13から芳香成分Bを含んだ渦輪V2が乗員D,Pに向けて発射される。
【0022】
また、ステップS1において、芳香成分A,Bを混合させて乗員D,Pに供給する混合供給モードが設定されていると判定された場合には、ステップS7に進み、ダイヤルスイッチ41から入力される混合比に基づいて、空気砲12,13の吸引ストロークSa,Sbが設定される。続いて、ステップS8に進み、それぞれに設定された吸引ストロークSa,Sbで空気砲12,13を吸引作動させることにより、設定された充填量の芳香成分A,Bが空気砲12,13の砲身部18,19に対して充填される。続くステップS4において、発射条件が成立していると判定された場合には、ステップS5に進み、空気砲12から芳香成分Aを含んだ渦輪V1が発射されるとともに、空気砲13から芳香成分Bを含んだ渦輪V2が発射される。そして、発射された渦輪V1,V2は所定の効能領域Xにおいて互いに衝突し、設定された混合比で混ざり合う芳香成分A,Bが乗員D,Pに対して供給されることになる。
【0023】
これまで説明したように、混合供給モードにあっては、空気砲12から発射される芳香成分Aを含んだ渦輪V1と、空気砲13から発射される芳香成分Bを含んだ渦輪V2とを互いに衝突させ、効能領域Xにおいて混合された新たな香り(芳香成分A+芳香成分B)を乗員D,Pに供給するようにしている。このように、供給装置10内において異なる芳香成分A,Bを混合させることが無いため、混合供給モードから単一供給モードに切り換える場合であっても、供給装置10内に残存する芳香成分の消臭等を気にすることなく、単一供給モードを実行することが可能となる。しかも、芳香成分Aと芳香成分Bとの混合比を任意に設定することができるため、乗員D,Pの好みに応じた車内環境を提供することが可能となり、乗員D,Pの満足度を向上させることが可能となる。また、効能領域Xにおいて芳香成分A,Bを混合するようにしたので、香りを劣化させることなく乗員D,Pに対して供給することが可能となる。特に、成分変化を防止する観点から予め混合させることが困難な効能成分を使用する場合には、本発明を極めて有効に適用することが可能となる。
【0024】
また、前述の説明では、芳香成分Aと芳香成分Bとの混合比を制御する際に、ポンプ駆動部16,17内の電動モータを制御して吸引ストロークSa,Sbを変化させるようにしているが、これに限られることはなく、カム機構を用いて吸引ストロークSa,Sbを変化させるようにしても良い。つまり、異なる吸引ストロークに対応した複数のカムを設けるとともに、設定された混合比に応じてこれらのカムを切り換えることにより、吸引ストロークSa,Sbを変化させるようにしても良い。さらに、芳香成分A,Bを吸引する際の精度を向上させるため、空気砲12,13の砲身部18,19に開閉機構を設け、吸引作動時には砲身部18,19を閉塞するようにしても良い。さらに、吸引ストロークを変化させることによって混合比を制御するだけでなく、他の方法によって芳香成分A,Bの充填量を変化させることも可能である。例えば、多孔質体22a,23aに電熱線を取り付け、多孔質体22a,23aの温度を制御することにより、芳香成分A,Bの拡散量を制御するようにしても良い。
【0025】
さらに、前述の説明では、効能成分として芳香成分を供給するようにしているが、効能成分としては芳香成分に限られることはなく、覚醒効果を有する辛味成分としてのカプサイシン成分やイソチオシアネート成分等を効能成分として供給するようにしても良い。また、図示する芳香供給部20,21にあっては、セラミックやスポンジ等の多孔質体から芳香成分A,Bを拡散させることにより、空気砲12,13に対して芳香成分A,Bを供給しているが、これに限られることはなく、芳香成分を空気砲12,13に圧送する圧送ポンプを設けるようにしても良い。このように、圧送ポンプによって芳香成分を供給する場合には、混合比に応じて圧送ポンプの吐出量を制御することにより、芳香成分A,Bの充填量を調整することが可能となる。
【0026】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、2つの空気砲12,13を設けるようにしているが、3つ以上の空気砲を設けるようにしても良いことはいうまでもない。また、図示する場合には、ロッド部材16a,17aを伸縮させて空気砲12,13から渦輪V1,V2を発射させる構造であるが、この構造に限られることはなく、空気砲12,13に対して電磁コイルと可動鉄心とを組み込み、電磁力を用いてポンプ本体14,15を伸縮させるようにしても良い。さらに、空気砲12,13は蛇腹形状のポンプ本体14,15を備えているが、ダイアフラムを用いてポンプ本体の容量を変化させるようにしても良い。さらに、空気渦の形状としては、環状に限られることはなく、まとまった形状で所定距離を飛ばすことが可能であれば、いかなる形状の空気渦であっても良い。
【0027】
さらに、吹き出し口39から車室内にオゾンを放出するようにしているが、これに限られることはなく、オゾン発生部36を図示しないエアコンディショナの送風ダクトに対して接続することにより、送風ダクトに対してオゾンを供給するようにしても良い。これにより、車室内だけでなくエアコンディショナ内部の消臭や除菌を行うことができ、良好な車両環境を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】効能成分供給装置が搭載された車両を示す説明図である。
【図2】(A)および(B)は効能成分供給装置の作動状態を示す説明図である。
【図3】(A)〜(C)は空気砲の内部構造を概略的に示す断面図である。
【図4】効能成分供給装置の構成を示すブロック図である。
【図5】(A)および(B)は混合供給モードにおける空気砲の作動状態を示す説明図である。
【図6】混合供給モードにおける空気砲の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図7】渦輪の発射手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
10 供給装置(効能成分供給装置)
12,13 空気砲(発射手段)
30 制御ユニット(充填量調整手段,モード設定手段)
41 ダイヤルスイッチ(混合比設定手段)
V1,V2 渦輪(空気渦)
D,P 乗員(利用者)
X 効能領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに異なる効能成分を含んだ空気渦を発射する複数の発射手段と、
前記各効能成分同士の混合比を設定する混合比設定手段と、
それぞれの前記発射手段に対する効能成分の充填量を前記混合比に基づいて調整する充填量調整手段とを有し、
前記複数の発射手段から発射される空気渦を所定の効能領域で衝突させ、前記効能領域において異なる効能成分を混合させることを特徴とする効能成分供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の効能成分供給装置において、
利用者に対する効能成分の供給モードを設定するモード設定手段を有し、
前記モード設定手段は、前記発射手段のいずれか1つから効能成分を含んだ空気渦を発射させ、利用者に対して単一の効能成分を供給する単一供給モードを設定することを特徴とする効能成分供給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の効能成分供給装置において、
前記効能成分は芳香成分であることを特徴とする効能成分供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−289604(P2008−289604A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136990(P2007−136990)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】