説明

動き訂正されたコイル感度による磁気共鳴部分並列イメージング(PPI)

磁気共鳴(MR)スキャナと連係して実行されるMRイメージングは、(i)MRスキャナにより実行されるMRプレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの感度マップを取得するステップと、(ii)複数の無線周波数コイルとMRスキャナとを用いて、MRイメージングデータセットを取得するステップと、(iii)前記感度マップと、(i)取得するステップと(ii)取得するステップとの間の対象者の動きに対する訂正とを用いた部分並列画像再構成を利用して、MRイメージングデータセットを再構成するステップとを有する方法を利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、医療分野、磁気共鳴分野及び関連分野に関する。
【背景技術】
【0002】
SENSEなどの部分並列イメージング技術は、複数の無線周波数コイルを用いて、イメージング時間を短縮し、又はイメージングの有効性を高めるのに利用される付加的なイメージングデータを提供する。SENSEでは、例えば、取得された位相符号化ラインの本数が減少され、結果として得られる不完全なkスペースデータセットが、異なるコイル感度を有する複数のコイルによって同時に取得されるデータを利用して補償される。SENSE及び他の部分並列イメージング技術は、正確なコイル感度マップに依存する。
【0003】
一アプローチでは、対象者の低解像度プレスキャンが取得され、それからコイル感度マップが導出される。これは、以降に取得されるイメージングデータの部分並列イメージ再構成に利用される、抑制されたアーチファクトを有する相対的に低いノイズのコイル感度マップを生成することを可能にする。このようなプレスキャンベース技術の問題点は、対象者がプレスキャンとイメージングデータ取得との間に移動した場合、感度マップとイメージングデータとの間の位置ずれを生じさせ、部分並列再構成におけるエラーやアーチファクトを生じさせる。
【0004】
他のアプローチでは、オートキャリブレーション信号(ACS)ラインが、イメージングデータ取得中に分散又は取得され、ACSデータが、部分並列画像再構成のために感度マップを生成するのに利用される。コイル感度マップを生成するためのACSラインの取得は、部分並列画像再構成の加速度ファクタと感度マップの精度との間のトレードオフに関する。より多くのACSラインを取得することは、より低い加速度ファクタの犠牲の下で、より正確な感度マップを提供する。典型的には、約24〜64本のACSラインが取得される。結果として得られるコイル感度マップは、ノイズやGibbsリングなどの他のアーチファクトを受けることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は、上述された問題などを解決する新規かつ改良された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示された一態様によると、方法は、対象者の磁気共鳴(MR)プレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの初期的な感度マップを取得するステップと、前記複数の無線周波数コイルを用いて、前記対象者のMRイメージングデータセットを取得するステップと、前記複数の無線周波数コイルの訂正された感度マップを生成するため、対象者の動きに対して前記初期的な感度マップを訂正するステップと、前記訂正された感度マップを用いて前記対象者の訂正された画像を生成する部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップとを有する。
【0007】
開示された他の態様によると、方法は、(i)対象者の磁気共鳴(MR)プレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの感度マップを取得するステップと、(ii)前記複数の無線周波数コイルを用いて、前記対象者のMPイメージングデータセットを取得するステップと、(iii)前記(i)取得するステップと前記(ii)取得するステップとの間の対象者の動きに対して訂正された前記感度マップを用いる部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップとを有する。
【0008】
開示された他の態様によると、デジタル記憶媒体は、上述された直前の2つのパラグラフの何れか1つに記載の方法を利用して、磁気共鳴(MR)イメージングデータセットを再構成するようデジタルプロセッサにより実行可能な命令を格納する。
【0009】
開示された他の態様によると、装置は、磁気共鳴(MR)スキャナと連係してMRイメージングを実行するよう構成されるデジタルプロセッサを有し、前記デジタルプロセッサは、(i)前記MRスキャナにより実行されるMRプレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの感度マップを取得するステップと、(ii)前記複数の無線周波数コイルと前記MRスキャナとを用いて、MRイメージングデータセットを取得するステップと、(iii)前記感度マップと、前記(i)取得するステップと前記(ii)取得するステップとの間の対象者の動きに対する訂正とを用いた部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、を有する方法を利用する。
【発明の効果】
【0010】
1つの効果は、部分並列イメージングの加速度ファクタの付随する減少なく正確な感度マップを提供することである。
【0011】
他の効果は、部分並列イメージングにおける低減された動きアーチファクトである。
【0012】
他の効果は、向上した加速度ファクタにより部分並列イメージングにある。
【0013】
さらなる効果は、以下の詳細な説明を読み理解した当業者に理解されるであろう。
【0014】
図面は、好適な実施例を説明するだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、部分並列イメージング(PPI)を実行するよう構成される磁気共鳴イメージングシステムを概略的に示す。
【図2】図2は、図1のシステム用いて実行され、コイル感度マップの動き訂正を含むPPIを概略的に示す。
【図3】図3は、図2のPPIに利用するのに適したコイル感度マップ訂正のための一アプローチを概略的に示す。
【図4】図4は、ここに開示される生体実験において生成される画像を示す。
【図5】図5は、他の動き訂正アプローチを示す。
【図6】図6は、他の動き訂正アプローチを示す。
【図7】図7は、他の動き訂正アプローチを示す。
【図8】図8は、他の動き訂正アプローチを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、イメージングシステムは、例示されるAchievaTM磁気共鳴スキャナ(Koninklijke Philips Electronics N.V.,Eindhoven,オランダ)、InteraTMやPanoramaTMMRスキャナ(何れもまたKoninklijke Philips Electronics N.V.から入手可能である)又は他の市販のMRスキャナや非商業用MRスキャナなどの磁気共鳴(MR)スキャナ10を有する。典型的な実施例では、MRスキャナは、静(B)磁場を生成する超伝導又は抵抗主磁石、静磁場に選択された磁場勾配を重畳する磁場勾配コイル巻線セット、磁気共鳴を励起するため選択された周波数による無線周波数(B)場を生成する無線周波数励起システム(典型的には、他の1以上の磁気共鳴核もまた想定されるが、H磁気共鳴)、及び対象者から発信される磁気共鳴信号を検出するための複数の無線周波数受信チャネルを規定するため独立して動作する複数の無線周波数受信コイルを含む無線周波数受信システムなどの内部コンポーネント(図示せず)を含む。
【0017】
磁気共鳴スキャナ10は、磁気共鳴励起を規定する磁気共鳴イメージングスキャンシーケンス、磁場勾配により典型的に生成される空間符号化及び複数の部分並列イメージング(PPI)受信モードにおいて複数の受信チャネルを同時に利用する磁気共鳴信号リードアウトを実行するため、磁気共鳴制御モジュール12により制御される。デジタルプロセッサ14は、SENSE、GRAPPA、SMASH、PILSなどのPPI再構成を実現するため、部分並列イメージング(PPI)再構成モジュール16を実行するようプログラムされる。デジタルプロセッサ14はまた、PPI再構成に用いられるコイル感度マップを生成する感度マップ生成モジュール18と、対象者の動きに対して感度マップを訂正する感度マップ訂正モジュール20とを実行するようプログラムされる。デジタルプロセッサ14と動作通信するデジタル記憶媒体30は、MRスキャナ10が初期的な感度マップを取得するため実現されるプレスキャンパルスシーケンス32を格納し、取得した初期的な感度マップ34を格納する。デジタル記憶媒体30はまた、MRスキャナ10がPPIを用いて対象者の磁気共鳴(MR)イメージングデータセットを取得するため実現されるイメージングパルスシーケンス36を格納し、取得したMRイメージングデータセット38を格納する。さらに、デジタル記憶媒体30は、感度マップ訂正モジュール20により初期的な感度マップ34から生成される訂正されたコイル感度マップ40を格納し、PPI再構成モジュール16によってMRイメージングデータセット38と訂正された感度マップ40とから生成された訂正された再構成画像42を格納する。図示された実施例では、コンポーネント12,14,30は、訂正された再構成画像を表示するディスプレイ20を有するコンピュータ18により実現される。あるいは、コンポーネント12,14,30は、専用デジタルプロセッサ、ASIC(Application−Specific Integrated Circuitry)又はこれらの組み合わせにより実現されてもよい。
【0018】
図1を参照し続けながら、さらに図2を参照して、動き訂正された感度マップによるPPIに適したアプローチでは、初期的なコイル感度マップ34は、プレスキャンパルスシーケンス32を用いてMRスキャナ10により実現されるプレスキャン50により生成される。その後、画像スキャン52は、MRイメージングデータセット38を生成するため、イメージングパルスシーケンス36を実現するMRスキャナ10により実行される。PPI再構成モジュール16は、PPI再構成処理54(例えば、プレスキャンされた初期的な感度マップ34を使用するSENSEなど)における初期的なコイル感度マップ34を利用し、プレスキャン50と画像スキャン52との間の期間中に行われる可能性のある対象者の動きにより損なわれる初期的な再構成画像38を生成することによって、MRイメージングデータセット38を再構成する。一般に、この期間は、数秒から数分、数十分又はそれ以上の何れかであるかもしれない。従って、初期的な再構成画像56は、動きによるアーチファクトを含む可能性がある。
【0019】
この可能性のあるイメージング欠陥を訂正するため、感度マップ訂正モジュール20は、初期的な感度マップ34と初期的な再構成画像56との間の空間位置ずれに対して初期的な感度マップ34を訂正する感度マップ訂正60を実行する。1つの適したアプローチでは、この訂正60は、3次元プレスキャン低解像度画像の1つのスライスと初期的な再構成画像56との間の訂正関数の最大化など、適した空間レジストレーション技術を用いて画像スペースにおいて実行される(図5を参照されたい)。いくつかの実施例では、空間レジストレーションは、2次元の動きを訂正するため、2次元で実行される。他の実施例では、第3次元に沿った動きが重大なものである場合、プレスキャンされた低解像度画像と2次元初期的再構成画像との空間レジストレーションは3次元で実行される。すなわち、平面画像が、初期的なコイル感度マップの3次元空間において空間的に位置合わせされる。
【0020】
図1及び2を参照し続けながら、図3を参照して、他の感度マップ訂正アプローチでは、MRイメージングデータセット38(すなわち、部分的に取得されたkスペースデータ)を取得するのに用いられるイメージングシーケンス36は、イメージングデータ取得52中に分散又は取得される1以上の(例えば、5より多くはない)オートキャリブレーション信号(ACS)ラインの取得を含む。この結果、1以上のACSラインが、MRイメージングデータセット38と実質的に同時に取得され、これにより、対象者の動きは1以上のACSラインとMRイメージングデータセット38の取得間では存在しない。その後、ACSラインは、対象者の動きについて初期的な感度マップ34と比較され、それを訂正するため利用される。一アプローチでは、訂正は、処理SC1において、対応する複数のフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットを生成するため、再構成画像と感度マップとのピクセル毎の乗算などによって、初期的な感度マップ34により調整された対象者の初期的な再構成画像56をフォワード方向にプロジェクトし、処理SC2において、複数のフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットにおいてACS kスペースラインを置き換え、例えば、フォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットを再構成し、処理SC3において初期再構成画像によって再構成画像を正規化し、初期的な更新された感度マップを生成SC4し、Lノルムスムージング、Lノルムスムージング又は他のスムージング処理SC5を実行して、更新又は訂正された感度マップ40を生成するなどによって、置換されたACS kスペースラインによってフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットに基づき更新又は訂正された感度マップ40を生成する。
【0021】
図1及び2を再び参照して、訂正された感度マップ40は、訂正された再構成画像42を生成するため、MRイメージングデータセットの第2の訂正されたPPI再構成62においてPPI再構成プロセッサ16により使用される。任意的には、訂正された再構成画像42は、コイル感度マップが対象者の動きを取り除くように繰り返し訂正されるように、さらなるコイル感度マップ訂正処理において利用される。
【0022】
次に、いくつかの例示的な具体例とさらなる開示が提供される。
【0023】
プレスキャン50とターゲットの取得52との間に動きがあった場合、位置ずれした感度マップ34のために重大なエイリアシングアーチファクトが発生する可能性がある。ここでは、位置ずれが例示的な具体例における3つのACSラインなどのいくつかのオートキャリブレーション信号(ACS)ラインにより訂正可能であることが開示される。再構成画像42の品質は、更新された感度マップ40により大きく改善される。すなわち、プレスキャンアプローチを利用しながら位置ずれを低減するため、ここでは、位置ずれのある感度マップ34を訂正するため、少数の(例えば、1〜5本など)オートキャリブレーション信号(ACS)ラインをターゲットの取得に追加することが開示される。ここに開示される実験では、感度マップ訂正に対して3つのACSラインを使用することが、以降のSENSE再構成において有意な改善をもたらした。
【0024】
ここに開示される訂正アプローチでは、プレスキャン50により生成されたデータから、初期的なSENSE再構成(初期的な再構成画像56)が、オリジナルの感度マップS34を用いて生成される。位置ずれにより生じるアーチファクトは、結果として得られる画像56と低解像度プレスキャンされた体のコイル画像との間の正規化された相互の情報を用いて検出可能である(例えば、Guiasu,Silviu(1977)、Information Theory with Applications,McGraw−Hill,New Yorkなどを参照されたい)。位置ずれが検出された場合、図3の処理SC1において、初期的なSENSE画像56が各コイルに対してkスペースにプロジェクトされる(オリジナル感度マップを乗算することによって)。その後、処理SC2において、取得されたライン(ACSを含む)が、対応する位置において再構成されたkスペースラインを置換するのに利用される。処理SC3において、更新されたフルkスペースデータからの更新された各コイル画像Iによって、訂正された感度マップSC4が以下のように生成可能である。
【0025】
【数1】

ただし、*は複素共役を示す。初期的なSENSE再構成におけるノイズ及びアーチファクトによって、スムージング制約(処理SC5)が、再計算中に感度マップに適用される。感度マップのゆっくりとした空間変更のため、それらの情報の大部分はkスペースの中心近くにある。従って、3つのACSラインで大部分のアプリケーションの感度マップの訂正には十分である。
【0026】
いくつかの実験は、以下のように実行された。脳データセットが、8チャネルヘッドコイル(Invivo,Gainesville,FL)を用いて3.0T Achievaスキャナ(Philips,Best,Netherlands)上で取得された。同一の視野(FOV=230×230mm)により、64×64のマトリックスサイズによる感度マップのためのプレスキャンデータと、256×256のマトリックスサイズの高解像度データとが取得された。高解像度データが取得される前、ボランティアは自分の頭を動かし、データセット間の位置ずれを招いた。2つの高解像度データセットが収集された。TR/TE=2000/20msによるインバージョンリカバリ(IR)が、双方のデータセットに対して使用された。別々にグレイマター(TI=800ms)又はファット(TI=180ms)を抑制するため、異なる2つのインバージョン時間が使用された。TI=800msのIRシーケンスは、プレスキャンデータを取得するのに利用された。位相符号化方向は、前後方向であった。完全に取得されたデータは、部分並列取得をシミュレートするため、3つの追加的なACSラインを含むR=4において人工的にアンダーサンプリングされた。ネットの加速度ファクタは3.8であった。フルkスペースデータセットが、2乗平均平方根誤差(RMSE)を計算するためのリファレンス画像を生成するのに使用された。Lノルムの最小化は、感度マップをスムージングするときの制約条件として用いられる。1つの追加的なSENSE再構成が、更新された感度マップにより処理された。
【0027】
図4を参照して、これらの実験のいくつかの結果が示される。図4の画像(a)は、体のコイル画像とターゲット画像との間の差分であり、変換を示す。白色の破線の矢印と黒色の実線の矢印とはそれぞれ、体のコイル画像の右端とターゲット画像とを示す。図4の画像(b)は、プレスキャンデータから計算されたチャネル1の感度マップ(初期的な感度マップ34に対応する)を与える。図4の画像(c)は、開示された方法を用いたチャネル1の更新された感度マップ(訂正された感度マップ40に対応する)を与える。図4の画像(b)と画像(c)との間の差分は、図4の画像(d)として示される。更新された感度マップを使用することによって、再構成におけるRMSEは、図4の画像(e)に示されるような8.9%及び図4の画像(g)に示されるような10.4%から図4の画像(f)に示されるような4.9%及び図4の画像(h)に示されるような6.3%まで低減された。
【0028】
これらの実験は、3本の追加的なACSラインによって、画質は訂正された感度マップ40により効率的に改善させることが可能である。プレスキャン50を利用することによって、開示されたアプローチは、インラインキャリブレーション技術より高いネットの加速度ファクタを実現可能であり、強度均一訂正が可能である。開示されたアプローチは、更新された感度マップ40による1つの追加的なSENSE再構成62しか利用しない。実験において、さらなる繰り返しは画質を有意に向上させなかったが、さらなる繰り返しが任意的には実行可能である。
【0029】
図5〜8を参照して、改良された画像再構成を提供するため初期的な感度マップを訂正するための他のアプローチが提供される。通常のSENSE再構成54がまず、初期的な再構成画像56を生成するため、初期的な感度マップ34を用いて実行される。処理70において、初期的な再構成とプレスキャン体コイル画像とが、レジストレーションパラメータ72を計算するためレジスタリングされる。このレジスタリング処理は、典型的には、実質的に1秒未満しかかからない。図6は、初期的なSENSE再構成画像(左上)とプレスキャンからだコイル画像(右上)とを示し、図6の下部にプロットされた面は、xピクセル及びyピクセルのシフトの関数として画像訂正を示す。この面のピークは、最良の画像訂正(すなわち、最良の画像レジストレーション)を提供するレジストレーションパラメータを示す。判定74において、レジストレーションパラメータが閾値より大きい場合、再構成ウェイトマトリックス(すでに利用可能である)が、計算されたレジストレーションパラメータに基づき訂正処理76において移動され、処理78において、更新された再構成ウェイトマトリックスを用いて訂正された再構成画像42を生成するため、画像が再構成される。図7の左側は、移動された既存のウェイトパラメータを示し、図7の右側は、レジストレーション後の再構成画像を示す。図8は、レジストレーションに基づく感度マップ訂正の前後の画像を比較する。誤差は、レジストレーションによって9.2%から7.2%に改善されていることがわかる。
【0030】
本出願が、1以上の好適な実施例を説明した。上述した詳細な説明を読んで理解した者には、改良及び変更が想到するであろう。本出願は、添付した請求項又はその均等の範囲内にある限り、このようなすべての改良及び変更を含むものとして解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の磁気共鳴(MR)プレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの初期的な感度マップを取得するステップと、
前記複数の無線周波数コイルを用いて、前記対象者のMRイメージングデータセットを取得するステップと、
前記複数の無線周波数コイルの訂正された感度マップを生成するため、対象者の動きに対して前記初期的な感度マップを訂正するステップと、
前記訂正された感度マップを用いて前記対象者の訂正された画像を生成する部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記訂正するステップは、
前記初期的な感度マップを用いて前記対象者の初期的な画像を生成する部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、
前記訂正された感度マップを生成するため、前記初期的な感度マップと前記対象者の初期的な画像との比較に基づき、対象者の動きに対して前記初期的な感度マップを補償するステップと、
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記補償するステップは、前記初期的な感度マップの取得中に取得されるプレスキャンされた画像のスライスと前記対象者の初期的な画像とを空間的に位置合わせすることを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記動きは3次元であり、
前記対象者の初期的な画像は2次元であり、
前記空間的な位置合わせは3次元で実行される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記補償するステップはさらに、前記空間的な位置合わせに基づき再構成ウェイトマトリックスを移動することを含む、請求項3又は4記載の方法。
【請求項6】
前記MRイメージングデータセットを取得するステップは、前記MRイメージングデータセットと共に1以上のオートキャリブレーション信号(ACS)kスペースラインを取得することを含み、
前記補償するステップは、前記初期的な感度マップと前記対象者の初期的な画像との比較において前記ACS kスペースラインを用いて、前記訂正された感度マップを生成する、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記補償するステップは、
複数のフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットを生成するため、前記初期的な感度マップにより調整された前記対象者の初期的な画像をフォワード方向にプロジェクトするステップと、
前記複数のフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットにおいて前記ACS kスペースラインを置換するステップと、
置換されたACS kスペースラインを有する前記フォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットに基づき、前記訂正された感度マップを生成するステップと、
を有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記MRイメージングデータセットは、2次元であり、
5本以下のACS kスペースラインが、前記2次元のMRイメージングデータセットと共に取得される、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
前記訂正するステップは、前記訂正された感度マップを繰り返し改善するため、前記再構成及び補償するステップを繰り返すことを含む、請求項2乃至8何れか一項記載の方法。
【請求項10】
少なくとも前記訂正及び再構成するステップは、デジタルプロセッサにより実行される、請求項1乃至9何れか一項記載の方法。
【請求項11】
(i)対象者の磁気共鳴(MR)プレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの感度マップを取得するステップと、
(ii)前記複数の無線周波数コイルを用いて、前記対象者のMPイメージングデータセットを取得するステップと、
(iii)前記(i)取得するステップと前記(ii)取得するステップとの間の対象者の動きに対して訂正された前記感度マップを用いる部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
前記(iii)再構成するステップは、
前記訂正されていない感度マップを用いて初期的な再構成画像を生成することにより、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、
前記初期的な再構成画像と前記感度マップとを空間的に位置合わせするステップと、
前記空間的に位置合わせされた感度マップを用いて前記再構成するステップを繰り返すステップと、
を有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記繰り返すステップは、前記空間的な位置合わせに基づき再構成ウェイトマトリックスを移動することを含み、
前記再構成するステップの繰り返しは、前記移動された再構成ウェイトマトリックスを使用する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記(ii)取得するステップは、前記MRイメージングデータセットと共に、1以上のオートキャリブレーション信号(ACS)kスペースラインを取得することを含み、
前記(iii)再構成するステップは、前記ACS kスペースラインを用いて対象者の動きに対して前記感度マップを訂正する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記(iii)再構成するステップは、
前記訂正されていない感度マップを用いて訂正されていない再構成画像を生成することによって前記MRイメージングデータセットを再構成し、
複数のフォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットを生成するため、前記訂正されていない感度マップにより調整される前記訂正されていない再構成画像を再プロジェクトし、
前記フォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットにおいて前記ACS kスペースラインを置換し、
置換されたACS kスペースラインを有する前記フォワード方向にプロジェクトされた対象者の画像データセットから訂正された感度マップを生成する、
ことによって、前記ACS kスペースラインを用いて対象者の動きに対して前記感度マップを生成する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
請求項1乃至15何れか一項記載の方法を利用して、磁気共鳴(MR)イメージングデータセットを再構成するようデジタルプロセッサにより実行可能な命令を格納するデジタル記憶媒体。
【請求項17】
磁気共鳴(MR)スキャナと連係してMRイメージングを実行するよう構成されるデジタルプロセッサを有する装置であって、
前記デジタルプロセッサは、
(i)前記MRスキャナにより実行されるMRプレスキャンを用いて、複数の無線周波数コイルの感度マップを取得するステップと、
(ii)前記複数の無線周波数コイルと前記MRスキャナとを用いて、MRイメージングデータセットを取得するステップと、
(iii)前記感度マップと、前記(i)取得するステップと前記(ii)取得するステップとの間の対象者の動きに対する訂正とを用いた部分並列画像再構成を利用して、前記MRイメージングデータセットを再構成するステップと、
を有する方法を利用する装置。
【請求項18】
前記磁気共鳴(MR)スキャナを有する請求項17記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項19】
前記(iii)再構成するステップは、前記(ii)取得するステップにおいて取得された1以上のオートキャリブレーション信号(ACS)kスペースラインに基づき、前記感度マップを変更するステップを含む、請求項17又は18記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項20】
前記変更するステップは、前記(ii)取得するステップにおいて取得した5以下のACS kスペースラインに基づく、請求項19記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項21】
前記(iii)再構成するステップは、
前記感度マップを用いて初期的な再構成画像を生成することによって、前記MRイメージングデータセットに対して第1の部分並列画像再構成を実行するステップと、
前記初期的な感度マップの取得中に取得されるプレスキャンされた画像と前記初期的な再構成画像との空間的な位置合わせに基づき、再構成ウェイトマトリックスを調整するステップと、
前記調整された再構成ウェイトマトリックスを用いて訂正された再構成画像を生成することによって、前記MRイメージングデータセットに対して第2の部分並列画像再構成を実行するステップと、
を有する、請求項17又は18記載の磁気共鳴イメージングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−521247(P2012−521247A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501421(P2012−501421)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050592
【国際公開番号】WO2010/109349
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】